JP2000331779A - 透明画像表示用ディスプレイ及び発光装置 - Google Patents

透明画像表示用ディスプレイ及び発光装置

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JP2000331779A
JP2000331779A JP11142262A JP14226299A JP2000331779A JP 2000331779 A JP2000331779 A JP 2000331779A JP 11142262 A JP11142262 A JP 11142262A JP 14226299 A JP14226299 A JP 14226299A JP 2000331779 A JP2000331779 A JP 2000331779A
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Morio Taniguchi
彬雄 谷口
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Optech Co Ltd
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OPUTEKU KK
Optech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明陰電極層、有機発光材料層、透明陽電極
層がこの順で積層されている有機エレクトロルミネッセ
ンス発光素子を用いた発光装置を太陽光線の直射を受け
る位置に設置されたガラス板など透明板状体に配置した
透明画像表示用ディスプレイであって、その発光輝度が
著しく低下しない透明画像表示用ディスプレイを提供す
ること。 【解決手段】 太陽光線の直射を受ける位置に配置され
た350nmの波長における紫外線透過率が10%以下
の透明板状体の、太陽光の照射を受ける側と反対側の表
面に有機エレクトロルミネッセンス発光装置を設置した
透明画像表示用ディスプレイ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、透明陽電極層、有機発光材料
層、そして透明陰電極層が積層されて構成された有機エ
レクトロルミネッセンス発光体からなる発光装置、及び
これを用いた透明画像表示用ディスプレイに関するもの
である。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセンス発光素子
(有機EL発光素子)を用いた表示装置は、ブラウン管
型画像表示装置であるCRTに対して、薄型化、軽量
化、低消費電力化が可能であり、また、携帯用のパーソ
ナルコンピュータなどの表示装置として用いられている
液晶表示装置と比較しても、自己発光性なのでバックラ
イトを必要としない、応答速度が速い、視野角が広いな
どの利点を有する。このような利点を有する有機EL発
光素子を用いた表示装置は、次世代の表示装置として期
待されており、有機EL発光素子の研究が盛んに行われ
ている。
【0003】上記の有機EL発光素子は、一般に、陽電
極層、有機発光材料と蛍光色素(ドーパント)とを含む
有機発光材料層(発光層ともいう)、陰電極層をこの順
に積層したものであり、陽電極層から正孔(ホール)
を、陰電極層から電子を、有機発光材料層に注入して、
電子と正孔とを有機発光材料層内で再結合させることに
より励起子(エキシトン)を生成させて、この励起子が
失活する際の光の放出(蛍光、燐光)により発光する素
子である。従って、有機発光材料層から強い光を得るた
めには、有機発光材料層に正孔及び電子を効率良く注入
することが必要であり、一般に、陽電極層は仕事関数の
関数が大きいものが、一方、陰電極層は仕事関数の関数
が小さいものが好ましいとされている。
【0004】仕事関数の大きい電極材料としては、金あ
るいはスズをドープした酸化インジウム(ITO)、ネ
サ膜(SnO2)などの可視光透過性を有する透明電極
材料が知られており、特にITOは、有機EL発光素子
の陽電極層形成材料として広く用いられている。一方、
仕事関数が小さい電極材料としては、Mg・Ag、Mg
・Inなどのアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を
基本とする合金、もしくはAl・Ca、Al・Liなど
の金属間化合物が知られているが、これらの合金あるい
は金属間化合物は、いずれも強度的に安定な厚みまで、
その厚みを厚くすると可視光を反射する性質を有する。
従って、陽電極層形成材料にITOを、陰電極層形成材
料に上記の合金あるいは金属間化合物を用いた有機EL
発光素子では、有機発光材料層から陰電極層側に放出さ
れた光が、陰電極層の表面で反射して反射光となって陽
電極層を通って外部に放出されるので、有機発光材料層
から陽電極層側に放出された光が見にくくなることがあ
るという問題がある。特に、太陽光などの外部からの光
の照射を受ける場所では、太陽光などが陰電極層の表面
で反射することによっても有機発光材料層から陽電極側
に放出された光が見にくくなるという問題がある。
【0005】上記の問題に対し、可視光を反射しない、
すなわち可視光透過性を有する陰電極層(透明陰電極
層)が研究され、その成果が開示されている。例えば、
特開平10−125469号公報では、陰電極層が、厚
さ10μm、仕事関数が4eV以下の金属又は合金から
なる導電体層と亜鉛をドープした酸化インジウム(IZ
O)の層とからなり、導電体層が有機発光材料層の側に
位置するように配置されている有機EL発光素子が提案
されている。
【0006】上記の透明陽電極層及び透明陰電極層を用
いた有機EL発光素子は、有機発光材料層から陽電極層
側あるいは陰電極層側に放出された光が見え易くなると
いう効果以外に、有機発光材料層の光の放出がない状態
では、有機EL素子は、透明(あるいは半透明)なガラ
ス板と同じように可視光を透過し、そして、有機発光材
料層から光が放出される状態では、陽電極及び陰電極の
両側から光を見ることができるので、例えば、ウィンド
ウディスプレイなどの透明画像表示用ディスプレイとし
て、従来の表示装置にはない様々な用途への拡大が期待
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、透明陰電
極層、有機発光材料層、透明陽電極層がこの順で積層さ
れている有機EL発光素子を用いて発光装置を試作し、
この発光装置を太陽光線の直射を受ける位置に設置され
ているガラス板に配置して、有機EL発光素子を発光さ
せて、その発光輝度の変化を調査した結果、発光装置を
配置した場所によって、時間の経過に伴う有機EL発光
素子の発光輝度の低下の傾向に顕著な違いがあることに
気が付いた。特に、発光装置をガラス板の太陽光線の直
射を受ける側とその反対の側とに配置した場合に、有機
EL発光素子の時間の経過に伴う発光輝度の低下に著し
い違いがあることが判明した。この有機EL発光素子の
発光輝度の低下の主な原因は、太陽光線(紫外線)によ
って有機発光材料、あるいは蛍光色素の劣化したためで
あると推測される。
【0008】従って、本発明の目的は、透明陰電極層、
有機発光材料層、透明陽電極層がこの順で積層されてい
る有機エレクトロルミネッセンス発光素子を用いた発光
装置であって、太陽光線の直射を受ける位置に設置され
ているガラス板などの透明板状物に配置しても、紫外線
による有機EL発光素子の発光輝度の著しい低下が起こ
りにくい発光装置及びこれを用いた透明画像表示用ディ
スプレイを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明陽電極
層、有機発光材料層、そして透明陰電極層がこの順で積
層されている複数個の有機エレクトロルミネッセンス発
光素子が二次元方向に配列されて構成され、外部電源と
の電気的接続のための端子を有するシート状の有機エレ
クトロルミネッセンス発光体を、両面が低透湿性の透明
板からなる平箱状容器の内部に気密状態に収容してなる
発光装置が、350nmの波長における紫外線透過率が
85%以下の透明板状物の一方の側に固定された構成を
有する、太陽光線の直射を受ける場所に設置された透明
画像表示用ディスプレイであって、該発光装置が、該透
明板状物の太陽光線の直射を受ける側とは反対の側に配
置されていることを特徴とする透明画像表示用ディスプ
レイにある。
【0010】また、本発明は、透明陽電極層、有機発光
材料層、そして透明陰電極層がこの順で積層されている
複数個の有機エレクトロルミネッセンス発光素子が二次
元方向に配列されて構成され、外部電源との電気的接続
のための端子を有するシート状の有機エレクトロルミネ
ッセンス発光体を、両面が低透湿性の透明板からなる平
箱状容器の内部に気密状態に収容してなる有機エレクト
ロルミネッセンス発光装置であって、太陽光線の直射を
受ける場所に設置された350nmの波長における紫外
線透過率が85%以下の透明板状物の表面であって、太
陽光線の直射を受ける側とは反対の側の表面に配置する
ための透明画像表示用の有機エレクトロルミネッセンス
発光装置にもある。
【0011】上記透明画像表示用ディスプレイ及び発光
装置は、外部電源との電気的接続のための端子が、外部
電源、発光装置に表示すべき画像信号を入力するための
入力装置、該入力装置により入力された画像信号に基づ
いて外部電源から有機エレクトロルミネッセンス発光体
に電気エネルギーを制御しながら供給する制御装置に電
気的に接続していることが好ましい。また、発光装置の
透明板状物への固定面に、紫外線吸収剤を含む接着剤層
が付設されており、透明板状物への発光装置の固定が、
紫外線吸収剤を含む接着剤層によってなされていること
が好ましい。
【0012】また、上記透明画像表示用ディスプレイ及
び発光装置の透明陰電極層は、可視光透過性の導電体層
と透明電極層とからなり、該導電体層が有機発光材料層
側に位置するように配置されていることが好ましく、さ
らに、透明電極層と導電体層との間に該導電体層の酸化
を防ぐ機能を有するバッファ層を設けてあることがより
好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の透明画像表示用ディスプ
レイの一例の全体構成図を図1に示す。本発明の透明画
像表示用ディスプレイ1は、太陽光線の直射を受ける場
所に設置された透明板状物2と有機EL発光素子4が二
次元方向に配列されて構成されたシート状有機EL発光
体6を、低透湿性の透明板7a、7bからなる平箱状容
器7の内部に気密状態で収容してなる発光装置3とから
なる。有機EL素子4は、それぞれ端子8を介して、制
御装置9、外部電源10、入力装置11と電気的に接続
している。発光装置3は、透明基板2の太陽光線の直射
を受ける側との反対の側に配置され、その固定方法に特
には制限はない。例えば、接着剤あるいは粘着剤や両面
テープなどで固定しても良い。特に接着剤を用いて発光
装置を固定する場合は、接着剤に紫外線吸収剤が含まれ
ていることが好ましい。
【0014】外部電源10から供給される電気エネルギ
ーは、入力装置11に入力された画像信号に基づいて制
御装置9を介して端子8に供給される。入力装置11
は、書き込み可能なメモリ(RAM)を設けて、複数の
画像信号をメモリに記録しておいても良い。また、制御
装置9は、各種センサあるいは切換スィッチとを接続し
て、センサからの信号を受けてあるいは切換スィッチで
切り換えて、制御装置が入力装置に記録されている配列
パターンを読み取って、端子8に電気エネルギーを供給
しても良い。
【0015】透明板状物2は、350nmの波長におけ
る紫外線透過率が85%以下(好ましくは、75%以
下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは1%
以下)であって、かつ透明であれば、その材質や厚みに
は、特には制限はない。透明板状物側から発光装置に表
示された画像を見えやすくするためには、透明板状物の
可視光透過率は80%以上であることが好ましく、90
%以上であることがより好ましい。このような透明板状
物の具体的な例としては、ガラス板などが挙げられる。
【0016】シート状有機EL発光体6を収容する平箱
状容器7は、二枚の透明板7a、7bにより構成され
る。二枚の透明板のうち一方の透明板は、シート状有機
EL発光体6の形状に合わせてくぼみを形成し、そのく
ぼみに有機EL発光体を収容するように構成されている
ことが好ましい。透明板7a、7bの材質に特には制限
はなく、透明板7a、7bの材質がそれぞれ異なってい
ても良い。透明板7a、7bは、どちらも可視光透過率
が80%(より好ましくは90%)以上であることが好
ましい。このような透明板の材質の具体的な例として
は、プラスチック、ガラスなどが挙げられ、一般にガラ
スが用いられる。また、二枚の透明板を固定する方法に
特には制限はなく、接着剤で貼り付けて固定しても良
い。二枚の透明板を接着剤を用いて貼り付けて固定する
場合には、接着剤を有機EL発光素子を覆うように塗布
して透明板を固定することが好ましい。有機EL発光素
子4を接着剤で覆うことにより、有機EL発光素子の有
機発光層あるいは電極層の酸化、あるいは水分による劣
化を起こりにくくなる。接着剤の種類に特には制限はな
く、その例としては、エポキシ系接着剤、シリコーン系
接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤などの接着剤等
が挙げられる。
【0017】平箱状容器7に収容されるシート状有機E
L発光体6の個数に特には制限はなく、平箱状容器に二
個以上のシート状有機EL発光体を収容しても良い。ま
た、シート状有機EL発光体6は、透明基板5を用いず
に平箱状容器の一方の透明板に直接有機EL発光素子を
配列しても良い。
【0018】シート状有機EL発光体の一例の断面拡大
図を図2に示す。シート有機EL発光体6は、透明基板
5と透明陽電極層12、有機発光材料層13、そして透
明陰電極層14がこの順で積層された有機EL発光素子
4とからなる。透明陽電極層、透明陰電極層はどちらが
透明基板側にあっても良い。透明基板5は、可視光の透
過率が80%以上であることが好ましく、90%以上で
あることがより好ましい。このような可視光透過性を有
する透明基板の材質の例としては、プラスチック、ガラ
スなどが挙げられる。陽電極層及び陰電極層に電気エネ
ルギーを供給するための端子8の材質などには特には制
限はなく、公知のものを使用することができる。
【0019】透明陽電極層12には、上記のITOの
他、SnO2、IZO、ドーパントをドープしたポリピ
ロールなどを用いることができる。透明陽電極の厚さ
は、その材料によっても異なるが、一般に5〜500n
mである。
【0020】透明陰電極層14は、図2に示すように、
可視光透過性の導電体層15と透明電極層16とからな
り、導電体層16が有機発光材料層15側に位置するよ
うに配置されているものであることが好ましく、導電体
層15と透明電極層16との間に導電体層の酸化を防ぐ
機能を有するバッファ層17が設けてあることがより好
ましい。導電体層15の材料としては、上記のMg・A
g、Mg・Inなどのアルカリ金属あるいはアルカリ土
類金属を基本とする合金Al・Ca、Al・Liなどの
金属間化合物を用いることができる。この導電体層は可
視光を透過するまでその厚みを薄くする必要があり、そ
の厚みを薄くすればするほど可視光透過率は高くなる
が、薄くし過ぎると強度などが低下する。一般に導電体
層の厚みは3〜10nmである。透明電極層16の材料
としては、ITOやIZOなど他に金を用いることがで
きる。特にIZOや金は、形成後に加熱処理を行わなく
ても電気的抵抗が低いので好ましい。この透明電極層の
厚みは、ITOやIZOを用いる場合には一般に50〜
500nmであり、金を用いる場合には、8〜10nm
である。そして、バッファ層17の材料としては、T
i、Cr、Taなどの金属、あるいはこれらの窒化物が
挙げられる。このバッファ層の厚みは、一般に5〜20
nmである。
【0021】有機発光材料層13に含まれる有機発光材
料及び蛍光色素の種類については、特には制限はなく、
公知のものを使用することができる。有機発光材料は、
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3
などのアルミキノリノール錯体が一般に用いられる。ま
た、蛍光色素の例としては、クマリン、DCM誘導体、
キナクリドン、ペリレン、ルブレンなどが挙げられる。
また、有機発光材料層の透明陽電極側には、有機発光材
料層に正孔を注入しやすくするための正孔注入輸送層
を、同様に透明陰電極側には、有機発光材料層に電子を
注入しやすくするための電子注入輸送層を設けても良
い。これらの有機発光材料層の層構成は、例えば、「高
分子」47巻7月号(1998年)457−460など
に記載されており公知である。
【0022】正孔注入輸送層は、単層でも二層以上積層
したものであっても良い。また、その材質に特には、制
限はなく公知の材料を使用することができる。具体的な
例としては、テトラアリールベンジシン化合物、芳香族
アミン類、ピラゾリン誘導体、トリフェニレン誘導体な
どが挙げられる。好ましい例としてはテトラフェニルベ
ンジジン(TPB)やテトラフェニルジアミン(TP
D)が挙げられる。正孔注入輸送層の厚さは、2〜20
0nmが好ましい。
【0023】電子注入輸送層は、単層でも二層以上積層
したものであっても良い。また、その材質に特には、制
限はなく公知の材料を使用することができる。具体的な
例としては、有機金属錯体、オキサジアゾール誘導体、
スチルベン誘導体などが挙げられる。電子注入輸送層の
厚さは、5〜300nmが好ましい。
【0024】有機EL発光素子は、透明基板の上に、透
明陽電極層(または透明陰電極層)、発光材料層、透明
陰電極層(または透明陽電極層)を順に形成して積層す
ることにより製造することができ、初めに透明基板の上
に透明陽電極層を形成し、次いで発光材料層、透明陰電
極層を形成するのが一般的である。透明陽電極層、透明
陰電極層、発光材料層の形成方法に特には、制限はなく
公知の方法を用いることができる。一般に、透明陽電極
層及び透明陰電極層の形成は、真空蒸着法、直流(D
C)スパッタ法、高周波(RF)スパッタ法などが用い
られ、発光材料層の形成は、真空蒸着法、スピンコート
法、キャスト法、LB法などが用いられる。また、正孔
注入輸送層及び電子注入輸送層を形成する場合にも、そ
の形成方法に特には制限はなく、真空蒸着法、スピンコ
ート法、キャスト法、LB法などが用いられる。
【0025】有機EL発光体を用いて所望の画像を得る
ためには、透明陽電極層及び透明陰電極層をその画像に
合わせてパターニングする必要がある。透明陽電極層及
び透明陰電極層をパターニングする方法としては、あら
かじめ広範囲に透明基板上に透明陽電極層または透明陰
電極層を形成し、エッチングする方法や、透明基板をマ
スキングし、透明陽電極層及び透明陰電極層を形成する
方法などが挙げられる。透明基板に薄膜トランジスター
(TFT)素子を設けて、その上に透明陽電極層及び透
明陰電極層をパターニングしても良い。
【0026】
【実施例】[有機EL発光体の製造] (透明陽電極層の形成)ガラス基板に、スパッタ法によ
り厚み100nmのITO薄膜を形成して、次いで、王
水蒸気によるエッチングより、ITO薄膜をドットマト
リクス型にパターニングして透明陽電極を得た。なお、
ガラス基板に設けられた各透明陽電極層の大きさは縦横
5mm、透明陽電極層の個数は、縦5個、横5個とし
た。
【0027】(正孔注入輸送層及び有機発光層の形成)
透明陽電極層(ITO薄膜)を形成したガラス基板の上
に、テトラフェニルベンジジン(TPB)を真空蒸着法
により蒸着し、次いで、その上にトリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム(Alq3)を真空蒸着法により蒸
着して正孔注入輸送層及び有機発光層を形成した。
【0028】(透明陰電極の形成)透明陽電極層(IT
O)、正孔注入輸送層(TPB)及び有機発光層(Al
3)を形成したガラス基板の上に、MgとAgの組成
比が10:1のMg・Ag合金をDCスパッタ法により
蒸着し、次いで、その上にRFスパッタ法により、IZ
Oを蒸着して透明陰電極層を形成した。なお、Mg・A
g層の膜厚は5nmとした。
【0029】[発光装置の製造]上記のようにして製造
したシート状有機EL発光体に、有機EL発光素子をエ
ポキシ系接着剤で覆うように塗布してその上にガラス板
を重ね合わせて、ガラス板を固定して発光装置を製造し
た。なお、透明陽電極の形成した後発光装置の製造まで
は、すべて調湿した乾燥空気中で行った。
【0030】[実施例1]上記のようにして製造した発
光装置を図1に示したように、太陽光線の照射を受ける
位置に設置された350nmの波長における紫外線透過
率が5%のガラス板の太陽光線の直射を受ける側と反対
の側の表面に接着剤を用いて貼り付けて、透明画像表示
用ディスプレイを製造した。
【0031】[比較例1]発光装置を、太陽光線の照射
を受ける位置に配置されたガラス板の太陽光線の直射を
受ける側の表面に貼り付けた以外は実施例1と同様にし
て、透明画像表示用ディスプレイを製造した。
【0032】[評価及び結果]上記の実施例1及び比較
例1で製造した透明画像表示用ディスプレイの全ての有
機EL発光素子に電圧を印加し発光させ、各有機EL発
光素子の発光輝度の時間変化を測定した。その結果を表
1に示す。なお、表中の値は、全ての有機EL発光素子
の発光輝度の平均値である。有機EL発光素子の発光
は、太陽光が照射している時間のみ行った。
【0033】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 発光直後 10時間後 100時間後 500時間後 (cd/cm2)(cd/cm2)(cd/cm2)(cd/cm2) ──────────────────────────────────── 実施例1 320 280 240 200 ──────────────────────────────────── 比較例1 320 260 180 120 ────────────────────────────────────
【0034】以上の結果より、実施例1の透明画像表示
用ディスプレイは、太陽光線の直射を受ける位置に設置
されたガラス板に配置した場合でも、発光輝度の低下が
小さいことが分かる。
【0035】
【発明の効果】本発明の透明画像表示用ディスプレイ
は、有機EL素子が光を放射しない状態ではガラス板と
同様に透明であり、有機EL素子から放射された光は発
光表示板の両側からでも得ることができ、さらに、太陽
光線の照射を受ける位置に発光装置を配置しても有機E
L発光素子の発光輝度の低下が起こりにくいので、ウィ
ンドウディスプレイなどに利用することができる。ま
た、本発明の発光装置は、太陽光線の直射を受けるウイ
ンドディスプレイなどに配置しても長期間に渡って画像
を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明画像表示用ディスプレイの一例の
全体構成図である。
【図2】シート状有機エレクトロルミネッセンス発光体
の断面図である。
【符号の説明】
1 透明画像表示用ディスプレイ 2 透明板状物 3 有機エレクトロルミネッセンス発光表示装置 4 有機エレクトロルミネッセンス発光素子 5 透明基板 6 シート状有機エレクトロルミネッセンス発光体 7 平箱状容器 7a、7b 透明板 8 端子 9 制御装置 10 外部電源 11 入力装置 12 透明陽電極層 13 有機発光材料層 14 透明陽電極層 15 導電体層 16 透明電極層 17 バッファ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 A 33/28 33/28 Fターム(参考) 3K007 AB13 BB01 BB04 CA01 CA06 CB01 CC05 DA00 DB03 EB00 FA01 FA02 GA00 5C094 AA60 BA27 EA05 EB02 FB20 GA10 HA01 HA10 5G435 AA00 BB05 DD00 GG01 HH00 LL00 LL19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明陽電極層、有機発光材料層、そして
    透明陰電極層がこの順で積層されている複数個の有機エ
    レクトロルミネッセンス発光素子が二次元方向に配列さ
    れて構成され、外部電源との電気的接続のための端子を
    有するシート状の有機エレクトロルミネッセンス発光体
    を、両面が低透湿性の透明板からなる平箱状容器の内部
    に気密状態に収容してなる発光装置が、350nmの波
    長における紫外線透過率が85%以下の透明板状物の一
    方の側に固定された構成を有する、太陽光線の直射を受
    ける場所に設置された透明画像表示用ディスプレイであ
    って、該発光装置が、該透明板状物の太陽光線の直射を
    受ける側とは反対の側に配置されていることを特徴とす
    る透明画像表示用ディスプレイ。
  2. 【請求項2】 外部電源との電気的接続のための端子
    が、外部電源、ディスプレイに表示すべき画像信号を入
    力するための入力装置、該入力装置により入力された画
    像信号に基づいて外部電源から有機エレクトロルミネッ
    センス発光体に電気エネルギーを制御しながら供給する
    制御装置に電気的に接続していることを特徴とする請求
    項1に記載の透明画像表示用ディスプレイ。
  3. 【請求項3】 透明板状物への発光装置の固定が、紫外
    線吸収剤を含む接着剤層によってなされていることを特
    徴とする請求項1もしくは2に記載の透明画像表示用デ
    ィスプレイ。
  4. 【請求項4】 透明陰電極層が可視光透過性の導電体層
    と透明電極層とからなり、該導電体層が有機発光材料層
    側に位置するように配置されていることを特徴とする請
    求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載の透明画像表
    示用ディスプレイ。
  5. 【請求項5】 透明電極層と導電体層との間に該導電体
    層の酸化を防ぐ機能を有するバッファ層を設けたことを
    特徴とする請求項4に記載の透明画像表示用ディスプレ
    イ。
  6. 【請求項6】 透明陽電極層、有機発光材料層、そして
    透明陰電極層がこの順で積層されている複数個の有機エ
    レクトロルミネッセンス発光素子が二次元方向に配列さ
    れて構成され、外部電源との電気的接続のための端子を
    有するシート状の有機エレクトロルミネッセンス発光体
    を、両面が低透湿性の透明板からなる平箱状容器の内部
    に気密状態に収容してなる有機エレクトロルミネッセン
    ス発光装置であって、太陽光線の直射を受ける場所に設
    置された350nmの波長における紫外線透過率が85
    %以下の透明板状物の表面であって、太陽光線の直射を
    受ける側とは反対の側の表面に配置するための透明画像
    表示用の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  7. 【請求項7】 外部電源との電気的接続のための端子
    が、外部電源、発光装置に表示すべき画像信号を入力す
    るための入力装置、該入力装置により入力された画像信
    号に基づいて外部電源から有機エレクトロルミネッセン
    ス発光体に電気エネルギーを制御しながら供給する制御
    装置に電気的に接続していることを特徴とする請求項6
    に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  8. 【請求項8】 透明板状物への固定面に、紫外線吸収剤
    を含む接着剤層が付設されていることを特徴とする請求
    項6もしくは7に記載の有機エレクトロルミネッセンス
    発光装置。
  9. 【請求項9】 透明陰電極層が可視光透過性の導電体層
    と透明電極層とからなり、該導電体層が有機発光材料層
    側に位置するように配置されていることを特徴とする請
    求項6乃至8のうちのいずれかの項に記載の有機エレク
    トロルミネッセンス発光装置。
  10. 【請求項10】 透明電極層と導電体層との間に該導電
    体層の酸化を防ぐ機能を有するバッファ層を設けたこと
    を特徴とする請求項9に記載の有機エレクトロルミネッ
    センス発光装置。
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