JP2000329752A - 溶接管の段差状欠陥検出方法及び検出装置 - Google Patents

溶接管の段差状欠陥検出方法及び検出装置

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JP2000329752A
JP2000329752A JP11143541A JP14354199A JP2000329752A JP 2000329752 A JP2000329752 A JP 2000329752A JP 11143541 A JP11143541 A JP 11143541A JP 14354199 A JP14354199 A JP 14354199A JP 2000329752 A JP2000329752 A JP 2000329752A
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pipe
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ultrasonic probe
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Noriaki Yagi
則明 八木
Toshibumi Fukuda
俊文 福田
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Pipe Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Sumitomo Pipe and Tube Co Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
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  • Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接管の溶接部に発生する段差状欠陥を、そ
の形態、及び段差の高低の如何に拘わらず精度良く検出
する。 【解決手段】 円弧形の超音波探触子3を、溶接管1の
長手方向に連続して形成された溶接部2に対向配置し、
超音波探触子3がその中心角範囲内に収束されるように
発する超音波を溶接部2に照射し、溶接部2からの反射
波を超音波探触子3により受信し、この受信結果に基づ
いて段差状欠陥の有無を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接管の溶接部に
生じる段差状の欠陥を検出する方法、及びこの欠陥検出
を溶接管の製管ラインの中途にて行わせる装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電縫管等の溶接管は、素材となる帯状金
属板を長手方向に搬送し、この間に搬送経路の中途に配
した成形ロール群に通して幅方向の両側から円筒状に屈
曲成形し、この成形により突き合わされる幅方向の両端
縁を衝合溶接した後、溶接部の内外に発生する余盛部を
切削により除去し、サイザロール等の仕上げロールに通
して外形を整え、所望の寸法に切断する手順により製造
される。
【0003】このように製造される溶接管においては、
屈曲成形の過程において、例えば、成形ロール群の調整
不良等の不具合が発生した場合、帯状金属板の両端縁の
衝合が正しくなされず、半径方向に段差状の位置ずれが
生じた状態で溶接が行われ、この位置ずれが、余盛部の
除去、形状修正、及び切断を経て得られた製品管の溶接
部に欠陥として残り、溶接部の強度が不足した製品管が
発生する虞れがある。
【0004】前述の如く製造される溶接管の適用範囲
は、近年、高圧流体の搬送管等、高い強度を必要とする
用途にまで拡大される傾向にあり、このような用途に適
用される溶接管の製造においては、溶接部に前述の如く
発生する段差状欠陥を検出し、この検出結果を屈曲成形
のための成形ロール群にフィードバックして、製品管の
不良発生率を低減することが重要な課題となっている。
【0005】以上の如き段差状欠陥の検出は、従来、各
種の欠陥検出に用いられている超音波探傷により行われ
ている。図12及び図13は、従来から行われている段差状
欠陥の検出方法の説明図である。図中1は溶接管であ
り、この溶接管1は、図示の如く、半径方向に段差状の
位置ずれが生じた状態で相互に衝合溶接された溶接部2
を有している。
【0006】このような溶接管1を探傷対象とする場
合、管外面に対し所定の角度にて入射せしめられた超音
波が外表面上を周方向に伝播していく特徴を利用した表
面波法が広く用いられている。例えば、超音波の伝播媒
質としての水中に埋没させてある炭素鋼管を対象とする
場合、これの外面に対して25°〜30°の角度をなして超
音波を入射せしめることにより前記表面波を発生させる
ことができる。
【0007】このように発生する表面波は、図12中に実
線の矢符により示す如く、溶接管1の外表面に沿って伝
播して前記溶接部2に達し、この溶接部2に段差状欠陥
が存在する場合、外周面側の段差部の内面により反射さ
れ、図12中に破線の矢符により示す如く溶接管1の外表
面に沿う表面波として逆向きに伝播して戻るから、溶接
管1の外表面上の適宜位置での反射エコーの受信結果に
基づいて前記溶接部2における段差状欠陥の有無を検出
することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上の如き
表面波法を採用した場合、図13に示す如く、溶接管1の
外表面に対して鈍角をなす段差が生じているとき、該段
差からの反射波の進行方向が、図中に破線の矢符により
示す如く、内側に向くことから、外表面における反射エ
コーの受信強度が低くなり、この受信結果に基づく欠陥
検出の信頼性が低下するという問題があった。
【0009】また、前記表面波法による段差状欠陥の検
出精度は、溶接部2における段差の高さの影響を受ける
という問題がある。図14は、種々の高さの段差状欠陥に
有する溶接管に対して表面波法による欠陥検出を行わせ
た結果を示す図であり、横軸は、段差の高さ(mm)を、
縦軸は、受信される反射エコーのS/N比(dB)を夫々
示している。本図に示す如く表面波法によった場合、0.
1 mm以下の高さを有する段差に対しては、反射エコーの
受信結果が12dB以下のS/N比を有する場合が多く、こ
のような受信結果に基づいて段差状欠陥の有無を正しく
判定することは難しい。
【0010】溶接管の溶接部においては、前述した如き
適用範囲の拡大に伴い、その高さが0.1 mm以下であり、
前記表面波法による検出が難しい微小な段差状欠陥でさ
えも問題となる場合が増えつつある。このような場合、
前記表面波法による欠陥検出が難しいことから、製品管
に対する目視検査が必要となり、この検査に高度の熟練
を必要とする上、その検出精度に検査作業者間の個人差
が生じることが避けられないという問題があり、また、
この検査がオフラインにて行われるため、検査結果を製
管ラインにフィードバックするまでの間に大量の欠陥品
が発生するという問題があった。
【0011】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、溶接管の溶接部に発生する段差状欠陥を、その
形態、及び段差の高低の如何に拘わらず精度良く検出す
ることが可能な欠陥検出方法、及びこの方法を溶接管の
製管ラインにおいて実施するための装置を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶接管の段
差状欠陥検出方法は、帯状金属板を幅方向の両側から円
筒状に屈曲成形し幅方向の端縁を衝合溶接してなる溶接
管の溶接部に、前記衝合溶接に際し前記端縁が段差状に
位置ずれして生じる段差状欠陥を検出する方法におい
て、円弧形の発振部及び受信部を備える超音波探触子
を、その中心角、又は該中心角の対角の範囲内に前記溶
接部が含まれるように前記溶接管の外側に対向配置し、
前記発振部から発せられる超音波の前記溶接部からの反
射波を前記受信部に捉え、この受信結果に基づいて前記
段差状欠陥の有無を判定することを特徴とする。
【0013】また本発明に係る溶接管の段差状欠陥検出
装置は、帯状金属板を幅方向の両側から円筒状に屈曲成
形し幅方向の端縁を衝合溶接してなる溶接管の溶接部
に、前記衝合溶接に際し前記端縁が段差状に位置ずれし
て生じる段差状欠陥を検出する装置において、円弧形の
発振部及び受信部を備える超音波探触子と、該超音波探
触子を、その中心角、又は該中心角の対角の範囲内に前
記溶接部が含まれるように前記溶接管の外側に位置決め
する位置決め手段と、前記発振部から発せられる超音波
の前記溶接部からの反射波を前記受信部に受信した結果
に基づいて前記段差状欠陥の有無を判定する判定手段と
を具備することを特徴とする。
【0014】本発明においては、円弧形の発振部及び受
信部を備える超音波探触子を、対象となる溶接管の外側
に、該溶接管の溶接部が前記円弧形の中心角範囲内、又
は前記中心角の対角の範囲内に位置するように対向配置
し、前記発振部から発せられた後、前記中心角範囲内に
収束する超音波、または、この収束の後に前記対角の範
囲内に拡散する超音波を溶接管の外面に当て、前記溶接
部に段差状の欠陥が存在するとき、この段差により反射
されて前記中心角又は前記対角の範囲内に戻る反射波を
受信部により受信して、この受信結果に基づいて前記欠
陥の有無を判定する。
【0015】更に本発明に係る溶接管の段差状欠陥検出
装置は、前記位置決め手段が、帯状金属板を幅方向の両
側から円筒状に屈曲成形する工程、及び成形された帯状
金属板の幅方向の端縁を衝合溶接する工程を含む製管ラ
イン上を移動する溶接管の溶接部を検出する手段と、該
手段の検出結果に基づいて前記超音波探触子の位置を変
更する位置制御手段とを備えることを特徴とする。
【0016】この発明においては、製管ライン上での移
動に伴って発生する溶接部の位置変動を検出し、この検
出結果に基づく位置制御手段の動作により、溶接管の外
側に対向配置した超音波探触子を、前記溶接部に対して
所定の位置関係を保つべく位置制御して、この超音波探
触子の円弧状の発振部から発せられる超音波を溶接管の
外面に当て、前記溶接部からの反射波を受信部により捉
えて、この受信結果に基づいて前記溶接部における欠陥
の有無を溶接管の製管ライン上にて検出する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る溶接
管の段差状欠陥検出装置(以下本発明装置という)の全
体構成を模式的に示す斜視図である。
【0018】図中1は、溶接管である。該溶接管1は、
素材としての帯状金属板を長手方向に移動させ、この移
動の間に幅方向の両側から円筒状に屈曲成形し、相互に
衝合せしめた幅方向の両端縁を連続溶接する公知の製管
ラインにおいて製管されたものであり、図示の如く、そ
の周面の一か所に、前記溶接により形成された軸長方向
に連続する溶接部2を備えて構成されている。
【0019】本発明装置は、製管ライン上での衝合溶接
により形成され、溶接管1の内外に生じた余盛部を除去
した後の前記溶接部2に生じている段差状欠陥を検出対
象とし、前記余盛部の除去工程後、図中に白抜矢符にて
示す方向に移動する溶接管1の外側に、前記溶接部2を
両側から挾むように対向配置された一対の超音波探触子
3,3を備えている。
【0020】図2は、超音波探触子3の外観斜視図であ
る。図示の如く本発明装置に用いられている超音波探触
子3は、円弧形をなす支持体30の内周面に、超音波の発
振及び受信が可能な振動子31を取付けて構成されてい
る。図示の振動子31は、ポリマー系圧電素子により一定
幅の帯状に成形され、前記支持体30の内周面にその略全
長に亘って取付けられている。
【0021】ポリマー系圧電素子は、ジルコンチタン酸
塩(PZT)系等のセラミックス製の振動子に替えて、
近年用いられるようになったものであり、種々の形状へ
の成形が容易であり、また柔軟性に富み、内部減衰係数
が大きいことから、前述の如き円弧形をなす支持体30の
内周面に、これに沿うように屈曲させて直接的に装着す
ることにより、図2に示す如き振動子31を構成すること
ができる。またポリマー系圧電素子は、その誘電率が低
いことから、電気的なインピーダンスの増大に悩まされ
ることなく、図示の如き大面積の振動子31を構成するこ
とができる。ここから
【0022】図3及び図4は、図2に示す超音波探触子
3の溶接部2に対する望ましい位置関係の一例を示す正
面図である。本図において超音波探触子3は、溶接管1
の周面の一か所に形成された溶接部2に対し、該溶接部
2が、前記振動子31の中心角範囲内に含まれるように対
向配置されている。このように配置された超音波探触子
3において、前記振動子31に所定の加振電圧を印加する
と、該振動子31の各部から夫々の法線方向に超音波が発
振され、該超音波は、前記振動子31の中心角範囲内に収
束されつつ焦点Fに向かって伝播し、前記溶接部2を含
む溶接管1の外面に到達する。
【0023】図1に示す如く、溶接部2を上向きとして
移動する溶接管1の移動経路の上方には、この移動経路
に沿って支持ロッド4が延設され、該支持ロッド4の中
途部には、前記溶接部2を跨ぐようにコの字形の支持脚
40が垂下されており、図2に示す如く構成された超音波
探触子3,3は、前記支持脚40の二股に別れた先端部
に、図3に示す配置が得られるように夫々固定されてい
る。
【0024】前記支持ロッド4の基部は、溶接管1の移
動の方向と直交する方向に架設されたガイドレール41に
支持され、電動モータ等を用いてなるアクチュエータ42
の動作に応じて前記ガイドレール41に沿って移動可能に
構成されている。また支持ロッド4の先端部には、下方
に対向する溶接管1の移動経路を撮像域として撮像装置
43が取付けてある。
【0025】撮像装置43の出力は、画像処理部50を介し
て位置制御部5に与えられ、位置制御部5の出力は、前
記アクチュエータ42に与えられている。画像処理部50
は、前記撮像装置43からの入力を画像処理し、撮像域内
での前記溶接部2の位置を抽出し、この位置に対応する
信号を位置制御部5に与える。位置制御部5は、前記溶
接部2の現状位置と予め設定された基準位置との偏差を
求め、この偏差を解消すべく前記アクチュエータ42に動
作指令を発する。
【0026】溶接管1に連続形成された溶接部2の位置
は、前記移動経路に沿って溶接管1が移動する間、軸心
を中心とする捩れ等に起因して変動する。前記位置制御
部5の動作は、以上の如き溶接部2の変動に追随させて
支持ロッド4を移動させ、該支持ロッド4に固定支持さ
れた超音波探触子3,3が、前記溶接部2に対して前述
した所定の位置関係を保つようになされるものである。
【0027】このように取付けられた超音波探触子3,
3は、図3及び図4に示す如く、溶接管1の長手方向に
連続形成された溶接部2に対し、該溶接部2が、その内
面の振動子31の中心角範囲内に位置するように位置決め
されており、この状態で前記振動子31が発振する超音波
は、少なくともその一部は前記溶接部2に達し、該溶接
部2に生じている段差状欠陥により反射される。
【0028】なお、超音波探触子3,3と溶接管1との
間での超音波の伝播は、両者間に介在させた伝播媒質を
介して行われる。この伝播媒質としては、水を用いるこ
とができ、超音波探触子3,3と溶接管1との間への介
在は、溶接管1及び超音波探触子3,3を水槽内にて対
向させることにより実現される。
【0029】以上の如く段差状欠陥から反射される反射
波は、段差状欠陥の傾斜に応じて種々の方向に発生する
が、前記振動子31は、前述の如く円弧形をなすことか
ら、種々の方向に反射される反射波を確実に捉えること
ができる。図3は、溶接部2に生じている段差状欠陥
が、溶接管1の外表面に対して略直角をなす端面を有す
る場合を示し、図4は、同じく溶接管1の外表面に対し
て鈍角をなしている場合を示しており、これらの図中に
矢符により示す如く、振動子31の全面から発振された超
音波は、少なくともその一部が、前記振動子31の長さ範
囲内に戻り、この戻り位置に捉えられる。
【0030】また振動子31が発振する超音波は、その中
心角範囲内に収束されるから、前記段差状欠陥がわずか
な高さを有する場合であっても確実に反射し、前記振動
子31に捉えることが可能である。図1に示す装置におい
て、以上の如く振動子31に反射波を捉えた超音波探触子
3の出力は、各別の信号処理部6,6にて所定の処理を
施されてレコーダ7に与え、該レコーダ7に記録させる
構成としてある。この構成により、溶接管1の溶接部2
における段差状欠陥の有無は、前記レコーダ7の記録内
容に基づいて容易に判定することができる。なおこの判
定を自動的に行わせ、この判定結果を溶接管1の製管ラ
インにフィードバックし、例えば、成形ロール群の調整
に利用することも可能であり、このようにした場合、段
差状欠陥の発生をオンラインにて解消することができ
る。
【0031】図5は、図2に示す超音波探触子3の溶接
部2に対する望ましい位置関係の他の一例を示す正面図
である。本図において超音波探触子3は、前記振動子31
の中心角の範囲内ではなく、該中心角の対角の範囲内、
即ち、前記焦点Fに収束する超音波が該焦点Fを超えて
拡散する角度範囲内に前記溶接部2が含まれるように対
向配置されている。
【0032】このように配置された超音波探触子3にお
いて、前記振動子31の各部から夫々の法線方向に発せら
れる超音波は、前記振動子31の中心角範囲内に収束され
て焦点Fに達し、更に、該焦点Fを超えて拡散しつつ伝
播する間に前記溶接部2に到達し、該溶接部2に生じて
いる段差状欠陥により反射される。この反射波は、段差
状欠陥の傾斜に応じて種々の方向に発生するが、前記振
動子31が円弧形をなすことから、図中に矢符にて示す如
く、種々の方向に反射される反射波の少なくとも一部を
確実に捉えることができ、この受信に応じて発生する前
記振動子31の出力変化により段差状欠陥の有無を判定す
ることができる。
【0033】図6は、図2に示す超音波探触子3から発
せられる超音波の伝播経路の中途における音圧分布を示
す図である。前述の如く円弧形の振動子31の各部から発
せられる超音波は、焦点Fに一旦収束し、該焦点Fの通
過後に拡散する伝播経路を辿るが、この超音波の音圧
は、前記収束までの間、即ち、前記焦点Fへの到達前の
範囲においては、伝播幅の縮小により相隣する部分の影
響を受けることから、図中のCD断面に示す如く、幅方
向に不均一な分布を示す。これに対し、前記焦点Fへの
到達後の範囲においては、伝播幅の拡大により相隣する
部分の影響がなくなり、図中のAB断面に示す如く、幅
方向に均一な分布を示すようになる。
【0034】従って、図5に示す配置を採用した場合、
均一な音圧分布を有する超音波が溶接部2に到達し、段
差状欠陥からの反射波が安定した強さを有することとな
り、この反射波の受信に応じて発生する前記振動子31の
出力変化により段差状欠陥の有無を一層高精度に判定す
ることができる。
【0035】図7は、本発明装置において用いられる超
音波探触子の他の実施の形態を示す外観斜視図であり、
本図に示す超音波探触子3は、円弧形をなす支持体30の
内周面に、長寸の第1の振動子32と短寸の第2の振動子
33とを、周方向に並べて取付けた構成となっている。こ
のように第1,第2の振動子32,33を設けたのは、小面
積の振動子33により発振される超音波の音圧を高くする
ことができ、検出能を向上させることができるためであ
る。
【0036】このような超音波探触子3は、図8又は図
9に示す如く、第1,第2の振動子32,33の中心角範囲
内、又はこの中心角の対角の範囲内に前記溶接部2が含
まれるように溶接管1の外側に対向配置して用いられ
る。このとき、溶接管1の溶接部2に対し、より音圧が
高い第2の振動子33が正対するように位置決めするのが
望ましく、このような配置を実現するため、図8におい
ては、第2の振動子33を下としてあり、逆に図9におい
ては、第2の振動子33を上としてある。
【0037】図10は、図7に示す超音波探触子3から発
せられる超音波の伝播経路の中途における音圧分布を示
す図である。この超音波探触子3においても、第1,第
2の振動子32,33から発せられる超音波の音圧は、焦点
Fへの到達前の範囲においては、図中のCD断面に示す
如く、幅方向に不均一な分布を示すのに対し、焦点Fへ
の到達後の範囲においては、図中のAB断面に示す如
く、幅方向に均一な分布を示すようになる。更に、本図
に明らかな如く、第2の振動子33から発せられる超音波
の音圧は、第1の振動子32から発せられる超音波の音圧
よりも全般的に高い。
【0038】従って、図7に示す超音波探触子3を用い
た場合、該超音波探触子3の溶接管1に対する配置を、
図9に示す如く、第1,第2の振動子32,33の中心角の
対角の範囲内に溶接部2が含まれるように、より望まし
くは、第2の振動子33の中心角の対角の範囲内に溶接部
2が含まれるように実現することにより、高い検出能を
得ることができる。
【0039】最後に本発明装置を、実際の電縫管の製管
ラインに適用した実施例について説明する。この製管ラ
インの仕様は以下の如くである。 製管サイズ : 外形 38.1 mm〜 114.3 mm 、肉厚 1.6 mm 〜 10.5 mm 製管速度 : 100 m/min
【0040】また使用した超音波探触子3は、図7に示
す如く、長寸の第1の振動子32と短寸の第2の振動子33
とを、周方向に並べて取付けた構成のものであり、その
仕様は以下の如くである。 振動子のサイズ : 10 mm ×30 mm ,10 mm ×15 mm 焦点距離 : 40 mm 共振周波数 : 10 MHz
【0041】このような超音波探触子3を用い、製管ラ
イン中を移動する溶接管1の溶接部2に水槽内にて対向
させ、図1に示す如く構成された撮像装置43の撮像結果
に基づく位置制御部5の前述した動作により、超音波探
触子3を溶接部2に倣って移動させつつ段差状欠陥の検
出を行った。
【0042】表1は、種々の高さの段差状欠陥を人工的
に形成した試験用の溶接管を用い、超音波探触子3に実
際に得られた出力のS/N比(dB)を調べた結果を示し
ている。
【0043】
【表1】
【0044】この表に示す如く本発明装置によれば、高
さ 0.05 mmのわずかな段差状欠陥に対しても、16dBなる
S/N比を有する出力が得られる。このS/N比は、探
傷可能な下限値とされるS/N比(=12dB)を超えてお
り、本発明装置によれば、高さ 0.05 mm程度の段差状欠
陥に対しても十分な検出能が得られることが明らかとな
った。
【0045】図11は、実際の製管工程において欠陥検出
を行わせた結果を示す図であり、前記図14と同様に、横
軸は、段差の高さ(mm)を、縦軸は、受信される反射エ
コーのS/N比(dB)を夫々示している。本発明方法に
よった場合、図示の如く、高さ 0.1mm以下の自然欠陥に
対しても、その大半において前記下限値(=12dB)を超
えるS/N比を有する反射エコーが得られており、図14
との比較により、表面波法に対する優位性は明らかであ
る。
【0046】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明方法及び本発明
装置においては、対象となる溶接管の外側に円弧形の超
音波探触子を、これの中心角、又は中心角の対角の範囲
内に溶接部が位置するように対向配置し、該超音波探触
子から発せられる超音波を溶接管の外面に到達せしめる
から、前記溶接部に段差状欠陥が存在するとき、該段差
状欠陥からの反射波を前記超音波探触子に確実に受信さ
せることができ、この受信結果に基づいて前記段差状欠
陥の有無を、その形態、及び段差の高低の如何に拘わら
ず精度良く検出することが可能となる。
【0047】また本発明装置においては、製管ライン上
を移動する溶接管の溶接部に対し、前記超音波探触子を
追随移動させつつ本発明方法を実施するから、溶接管の
製管ライン上にて段差状欠陥の有無を精度良く検出する
ことができ、この結果を製管ラインにフィードバックす
ることにより、段差状欠陥の発生を未然に防止すること
が可能となり、溶接部欠陥の少ない良質な溶接管を安定
して製管することが可能となる等、本発明は優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の全体構成を模式的に示す斜視図で
ある。
【図2】本発明装置において用いられる超音波探触子の
外観斜視図である。
【図3】図2に示す超音波探触子の溶接部に対する望ま
しい位置関係の一例を示す正面図である。
【図4】図2に示す超音波探触子の溶接部に対する望ま
しい位置関係の一例を示す正面図である。
【図5】図2に示す超音波探触子の溶接部に対する望ま
しい位置関係の他の一例を示す正面図である。
【図6】図2に示す超音波探触子から発せられる超音波
の伝播経路の中途における音圧分布を示す図である。
【図7】本発明装置において用いられる超音波探触子の
他の実施の形態を示す外観斜視図である。
【図8】図7に示す超音波探触子の溶接部に対する望ま
しい位置関係の一例を示す正面図である。
【図9】図7に示す超音波探触子の溶接部に対する望ま
しい位置関係の他の一例を示す正面図である。
【図10】図7に示す超音波探触子から発せられる超音
波の伝播経路の中途における音圧分布を示す図である。
【図11】本発明装置により実際の製管工程において欠
陥検出を行わせた結果を示す図である。
【図12】従来から行われている段差状欠陥の検出方法
の説明図である。
【図13】従来から行われている段差状欠陥の検出方法
の説明図である。
【図14】表面波法により実際の製管工程において欠陥
検出を行わせた結果を示す図である。
【符号の説明】
1 溶接管 2 溶接部 3 超音波探触子 4 支持ロッド 5 位置制御部 30 支持体 31 振動子 41 ガイドレール 42 アクチュエータ 43 撮像装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 俊文 和歌山県和歌山市湊1850番地 住金制御エ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2F068 AA48 BB03 BB09 BB19 DD05 FF12 FF18 JJ22 KK13 KK17 KK18 LL15 NN02 2G047 AA07 AB01 AB08 BA03 BC07 CA01 GA03 GA06 GB11 GB18 GH06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状金属板を幅方向の両側から円筒状に
    屈曲成形し幅方向の端縁を衝合溶接してなる溶接管の溶
    接部に、前記衝合溶接に際し前記端縁が段差状に位置ず
    れして生じる段差状欠陥を検出する方法において、円弧
    形の発振部及び受信部を備える超音波探触子を、その中
    心角、又は該中心角の対角の範囲内に前記溶接部が含ま
    れるように前記溶接管の外側に対向配置し、前記発振部
    から発せられる超音波の前記溶接部からの反射波を前記
    受信部に捉え、この受信結果に基づいて前記段差状欠陥
    の有無を判定することを特徴とする溶接管の段差状欠陥
    検出方法。
  2. 【請求項2】 帯状金属板を幅方向の両側から円筒状に
    屈曲成形し幅方向の端縁を衝合溶接してなる溶接管の溶
    接部に、前記衝合溶接に際し前記端縁が段差状に位置ず
    れして生じる段差状欠陥を検出する装置において、円弧
    形の発振部及び受信部を備える超音波探触子と、該超音
    波探触子を、その中心角、又は該中心角の対角の範囲内
    に前記溶接部が含まれるように前記溶接管の外側に位置
    決めする位置決め手段と、前記発振部から発せられる超
    音波の前記溶接部からの反射波を前記受信部に受信した
    結果に基づいて前記段差状欠陥の有無を判定する判定手
    段とを具備することを特徴とする溶接管の段差状欠陥検
    出装置。
  3. 【請求項3】 前記位置決め手段は、帯状金属板を幅方
    向の両側から円筒状に屈曲成形する工程、及び成形され
    た帯状金属板の幅方向の端縁を衝合溶接する工程を含む
    製管ライン上を移動する溶接管の溶接部を検出する手段
    と、該手段の検出結果に基づいて前記超音波探触子の位
    置を変更する位置制御手段とを備える請求項2記載の溶
    接管の段差状欠陥検出装置。
JP11143541A 1999-05-24 1999-05-24 溶接管の段差状欠陥検出方法及び検出装置 Withdrawn JP2000329752A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101907584A (zh) * 2010-03-10 2010-12-08 浙江海洋学院 船体疲劳损伤探测对比仪
CN106501467A (zh) * 2016-12-29 2017-03-15 核动力运行研究所 一种适用于不同结构焊缝检查的探头扫查工具
CN109387171A (zh) * 2018-11-23 2019-02-26 芜湖新兴铸管有限责任公司 球墨铸铁管在线全自动壁厚检测装备
CN113478114A (zh) * 2021-07-02 2021-10-08 江苏诚安检验检测有限公司 一种可自动上下料的钢管焊缝超声波检测机

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