JP2000328968A - 内燃機関の動弁制御装置 - Google Patents

内燃機関の動弁制御装置

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JP2000328968A
JP2000328968A JP11135916A JP13591699A JP2000328968A JP 2000328968 A JP2000328968 A JP 2000328968A JP 11135916 A JP11135916 A JP 11135916A JP 13591699 A JP13591699 A JP 13591699A JP 2000328968 A JP2000328968 A JP 2000328968A
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valve
intake
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JP11135916A
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Nobu Takahashi
のぶ 高橋
Masayuki Wakui
正之 湧井
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スワールを強化して安定した燃焼を確保し
熱効率を良くし燃費及び排気浄化の向上を図る内燃機関
の動弁制御装置を供する。 【解決手段】 一対の吸気弁の一方を閉弁状態で休止
させる吸気片弁休止機構を備えた内燃機関において、排
気弁の開閉時期を変更するバルブ位相可変機構Vpと、
機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、前記吸気
片弁休止機構と前記バルブ位相可変機構Vpを制御する
制御手段とを備え、前記制御手段は、前記機関回転数検
出手段が検出した機関回転数が所定回転数以下の低速回
転状態で前記吸気片弁休止機構を作動して一方の吸気弁
を休止させるとともに、前記バルブ位相可変機構Vpを
作動して排気弁の開閉時期を進ませる内燃機関の動弁制
御装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気片弁休止機構
を備えた内燃機関の動弁制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の内燃機関は、機関回転数が高速
回転状態ではそれぞれ一対の吸気弁と1個または一対の
排気弁の駆動により運転するが、所定回転数以下の低速
回転状態では吸気片弁休止機構を作動して一対の吸気弁
の一方を閉弁状態で休止させる(特開平6−93820
号公報)。
【0003】この吸気片弁休止運転状態では、開弁した
一方の吸気弁の偏心した吸気ポートから燃焼室内に導入
された吸気は、スワール(渦巻き)を起こし燃焼を安定
させ、より熱効率を良くすることができ、特にリーンバ
ーン(希薄燃焼)を行うときに大きな効果が期待でき
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スワールは、乱れがな
く滑らかな渦流を形成することが望ましいが、排気弁が
開いていたりすると、流れが乱され安定した燃焼が損な
われる。通常吸排気弁の開閉時期において、排気終わり
の上死点は、吸気始めの上死点でもあり、効率良く排気
と吸気を行わせるため上死点付近で吸気弁と排気弁が同
時に開いているバルブオーバラップ状態が形成されてい
る。
【0005】前記吸気片弁休止運転状態においてもバル
ブオーバラップのオーバラップ角度があるため、一方の
吸気ポートから燃焼室内に吸気してスワールを生じさせ
ようとするときに排気弁が同時に開いていて、渦流が乱
され燃焼が安定しなくなる。また排気ポートから不活性
ガスが逆流する内部EGRが生じ、さらに燃焼を妨げ、
特にリーンバーンを行おうとするときに燃焼を不安定に
する。
【0006】本発明は、斯かる点に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、スワールを強化して安定した
燃焼を確保し熱効率を良くし燃費及び排気浄化の向上を
図る内燃機関の動弁制御装置を供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記目的を
達成するために、本発明は、一対の吸気弁の一方を閉弁
状態で休止させる吸気片弁休止機構を備えた内燃機関に
おいて、排気弁の開閉時期を変更するバルブ位相可変機
構と、機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、前
記吸気片弁休止機構と前記バルブ位相可変機構を制御す
る制御手段とを備え、前記制御手段は、前記機関回転数
検出手段が検出した機関回転数が所定回転数以下の低速
回転状態で前記吸気片弁休止機構を作動して一方の吸気
弁を休止させるとともに、前記バルブ位相可変機構を作
動して排気弁の開閉時期を進ませる内燃機関の動弁制御
装置とした。
【0008】内燃機関が低速回転状態で吸気片弁休止運
転中に、バルブ位相可変機構を作動して排気弁の開閉時
期を進ませるので、排気弁の閉角が進角してバルブオー
バラップ角度を小さくすることができ、よって一方の吸
気弁の開弁により偏心して導入される吸気に伴い生じる
スワールが排気弁の開弁により乱される時間が短縮し、
スワールが強化されるとともに内部EGRが低減される
ので、安定した燃焼が確保でき熱効率を良くし燃費及び
排気浄化を向上させることができる。
【0009】請求項2記載の発明は、一対の吸気弁の一
方を閉弁状態で休止させる吸気片弁休止機構を備え、機
関回転数が所定回転数以下の低速回転状態でかつ負荷が
所定負荷範囲内の中負荷状態でリーンバーン制御が行わ
れる内燃機関において、排気弁の開閉時期を変更するバ
ルブ位相可変機構と、機関回転数を検出する機関回転数
検出手段と、内燃機関の負荷状態を検出する負荷検出手
段と、前記吸気片弁休止機構と前記バルブ位相可変機構
を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記機
関回転数検出手段が検出した機関回転数が前記所定回転
数以下の低速回転状態で前記吸気片弁休止機構を作動し
て一方の吸気弁を休止させるとともに、前記機関回転数
検出手段が検出した機関回転数が前記所定回転数以下の
低速回転状態でかつ前記負荷検出手段が検出した負荷が
前記所定負荷範囲内で前記バルブ位相可変機構を作動し
て排気弁の開閉時期を進ませる内燃機関の動弁制御装置
である。
【0010】内燃機関が低速回転状態の吸気片弁休止運
転中でかつ所定負荷範囲のリーンバーン制御が行われる
運転状態で、バルブ位相可変機構を作動して排気弁の開
閉時期を進ませるので、リーンバーンにおいてスワール
を強化して安定した燃焼が確保でき熱効率を向上させる
ことができ、燃費を良くしリーンバーンの排気浄化効果
を促進することができる。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の内
燃機関の動弁制御装置において、前記バルブ位相可変機
構に排気弁の開閉時期を進ませる指示があってから所定
時間後に前記リーンバーン制御が行われることを特徴と
する。
【0012】バルブ位相可変機構に排気弁の開閉時期を
進ませる指示があっても、実際に排気弁の開閉時期が進
んだ状態となるのに遅れ時間があり、この遅れ時間を見
込む所定時間経過後にリーンバーン制御を行うことによ
り、バルブオーバラップ角度が小さくなったところでリ
ーンバーン制御が行なわれるようにし、バルブオーバラ
ップ角度の大きい状態でリーンバーンを行いスワールを
乱し内部EGRを増加させることを回避することがで
き、リーンバーンの効果が損なわれることを確実に防止
できる。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項2記載の内
燃機関の動弁制御装置において、前記吸気片弁休止機構
に吸気片弁休止を指示してから第1の所定時間を経過
し、かつ前記バルブ位相可変機構に排気弁の開閉時期を
進ませる指示があってから第2の所定時間を経過してい
ることを条件に前記リーンバーン制御が行われることを
特徴とする。
【0014】吸気片弁休止運転状態になくスワールを発
生していない状態でリーンバーン制御が行なわれること
を第1の所定時間を経過することで回避し、第2の所定
時間を経過して排気弁の開閉時期を進ませ吸気片弁休止
運転状態で生じるスワールを強化できる状態でリーンバ
ーン制御が行われるので、リーンバーンによる燃費の向
上及び排気浄化効果が確実に行われる。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項2記載の内
燃機関の動弁制御装置において、前記バルブ位相可変機
構の状態を検出する検出手段を備え、排気弁の開閉時期
が進んだ状態を前記検出手段が検出した後に前記リーン
バーン制御が行なわれることを特徴とする。
【0016】排気弁の開閉時期が進んだ状態の下でリー
ンバーン制御が行なわれるので、バルブオーバラップ角
度が小さくなったところでリーンバーン制御が行なわ
れ、バルブオーバラップ角度の大きい状態でリーンバー
ンを行いスワールを乱し内部EGRを増加させることを
回避することができ、リーンバーンの効果が損なわれる
ことを確実に防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施の形態につい
て図1ないし図17に基づいて説明する。この実施の形
態において、内燃機関1は、車両に搭載される4気筒D
OHC4バルブ内燃機関である。各シリンダ2内を往復
動するピストン3はコネクティングロッド4を介してク
ランク軸5に連結されている。クランク軸5の軸端部に
設けられたドライブスプロケット6と、吸気カム軸7お
よび排気カム軸8の軸端部にそれぞれ設けられたカムス
プロケット9,10とが、タイミングチェーン11を介して
連結されていて、両カム軸7,8は、クランク軸5が2
回転したとき1回転するように回転駆動される。
【0018】各気筒には、吸気カム軸7により駆動され
る2個の吸気弁12a,12bと、排気カム軸8により駆動
される2個の排気弁13a,13bとが設けられている。吸
気カム軸7と吸気弁12a,12bとの間、そして排気カム
軸8と排気弁13a,13bとの間には、それら弁の作動特
性、例えばリフト量および開弁期間を2段階に切換える
バルブ特性切換機構Vci,Vceがそれぞれ設けられてお
り、特に吸気カム軸7側のバルブ特性切換機構Vciは一
方の吸気弁12bを休止させる吸気片弁休止機構を備えて
いる。また、排気カム軸8において、カムスプロケット
10が設けられた軸端部には、排気弁13a,13bの開閉時
期を無段階に進角または遅角してカム位相を変更するバ
ルブ位相可変機構Vpが設けられている。
【0019】吸気弁12a,12b側のバルブ特性切換機構
Vciの構造を図2ないし図5に基づき説明する。図4に
図示されるように吸気カム軸7には、各気筒に対応し
て、低速用カム21と高速用カム22と隆起部23とが、この
順に並んで一体に設けられている。吸気カム軸7よりも
下方において、吸気カム軸7と平行に固定されたロッカ
ーシャフト24には、低速用カム21、高速用カム22および
隆起部23にそれぞれ対応して、第1ロッカーアーム25、
第2ロッカーアーム26および第3ロッカーアーム27が揺
動自在に支持されている。
【0020】図3に図示されるように、低速用カム21
は、吸気カム軸7の径方向に比較的小さい突出量で、そ
の周方向に所定の角度範囲に渡って突出した高位部21b
と、ベース円部21aとから構成されている。高速用カム
22は、吸気カム軸7の径方向の突出量が低速用カム21の
高位部21bの突出量より大きく、かつ周方向の角度範囲
が低速用のそれより広い高位部22bと、ベース円部21a
とから構成されている。隆起部23は、吸気カム軸7の径
方向に僅かに突出していて、その突出量が低速用カム21
の高位部21bの突出量よりかなり小さい突部と、ベー
ス円部とから構成されている。
【0021】吸気弁12a,12bのバルブステムの上端に
は、鍔部15が設けられており、シリンダヘッド2aおよ
び鍔部15間に圧縮状態で装着されたバルブスプリング16
によって、吸気弁は閉弁方向に付勢されている。ロッカ
ーシャフト24に揺動自在に支持された第1、第3ロッカ
ーアーム25,27の一端部には吸気弁12a,12bのバルブ
ステムの上端に当接するタペットねじ17がそれぞれ進退
自在に設けられている。第1、第2および第3ロッカー
アーム25,26,27には、ロッカーシャフト24と両吸気弁
12a,12bとの間にローラ28,29,30がそれぞれ設けら
れており、三つのロッカーアーム25,26,27は、これら
ローラ28,29,30を介して両カム21,22および隆起部23
にそれぞれ従動する。また、第2ロッカーアーム26は、
図示されない弾発付勢手段により、ローラ29が高速用カ
ム22に当接するように付勢されている。
【0022】図4に図示されるように、第1ローラ28
は、ロッカーシャフト24と平行な軸線を有していて、第
1ロッカーアーム25に嵌合して固定される内輪28aと、
低速用カムに摺接する外輪28bと、内輪28aおよび外輪
28b間の複数のコロ28cとから構成される。同様に、第
2ローラ29は、ロッカーシャフト24と平行な軸線を有し
ていて、第2ロッカーアーム26に嵌合して固定される内
輪29aと、高速用カム22に摺接する外輪29bと、内輪29
aおよび外輪29b間の複数のコロ29cとから構成され、
第3ローラ30は、ロッカーシャフト24と平行な軸線を有
していて、第3ロッカーアーム27に嵌合して固定される
内輪30aと、隆起部23に摺接する外輪30bと、内輪30a
および外輪30b間の複数のコロ30cとから構成される。
そして、各内輪28a,29a,30aは、各ロッカーアーム
25,26,27が静止状態にあるとき、同一直線上に並ぶよ
うに固定されている。
【0023】図3ないし図5に図示されるように、第1
および第3ロッカーアーム25,27には、両者の連結およ
び連結解除を切換可能とする第1連結切換機構が設けら
れ、第1,第2,第3ロッカーアーム25,26,27には、
これら三者の連結および連結解除を切換可能とする第2
連結切換機構が設けられている。
【0024】すなわち、第1および第3ロッカーアーム
25,27には、ロッカーシャフト24に関して両吸気弁12
a,12bとは反対側で、第2ロッカーアーム26を跨いで
相互に対向する連結腕25a,27aが一体に形成され、図
5に図示されるようにこれら連結腕25a,27aの間に、
第1連結切換機構が設けられている。この第1連結切換
機構は、連結腕25a,27aを連結可能な連結ピストン31
と、連結ピストン31の移動を規制する規制部材32と、連
結ピストン31および規制部材32を連結解除側に付勢する
戻しばね33とを備えている。両連結腕25a,27aには、
相互に対応するガイド穴34,35がロッカーシャフト24と
平行に形成されている。
【0025】連結ピストン31は、ガイド穴34に摺動可能
に嵌合され、連結ピストン31とガイド穴34の閉塞端との
間には第1油圧室36が形成されている。また、第1ロッ
カーアーム25には第1油圧室36に連通する連通路37が設
けられ、ロッカーシャフト24内にはオイルポンプに通じ
る第1油圧供給路38が形成されている。そして、この第
1油圧供給路38は、第1ロッカーアーム25の揺動状態に
かかわらず、連通路37を介して第1油圧室36に常時連通
している。
【0026】一方、第2連結切換機構は、図4に図示さ
れるように第1および第2ロッカーアーム25,26を連結
可能な連結ピストン39と、第2および第3ロッカーアー
ム26,27を連結可能な連結ピン40と、連結ピストン39お
よび連結ピン40の移動を規制する規制部材41と、連結ピ
ストン39、連結ピン40および規制部材41を連結解除側に
付勢する戻しばね42とを備えている。
【0027】連結ピストン39は、第1ローラ28の内輪28
aに摺動可能に嵌合され、連結ピストン39の一端と第1
ロッカーアーム25との間に第2油圧室43が形成されてい
る。また、第1ロッカーアーム25には第2油圧室43に通
じる連通路44が設けられる。さらに、ロッカーシャフト
24内には、第1連結切換機構の第1油圧供給路38とは隔
絶されるとともに、オイルポンプに通じる第2油圧供給
路45が形成されている。そして、この第2油圧供給路45
は、第1ロッカーアーム25の揺動状態にかかわらず、連
通路44を介して第2油圧室43に常時連通している。
【0028】連結ピストン39の他端に一端が当接される
連結ピン40は、第2ローラ29の内輪29aに摺動可能に嵌
合されている。また、連結ピン40の他端に当接する有底
円筒状の規制部材41は、第3ローラ30の内輪30aに摺動
可能に嵌合されている。戻しばね42は、第3ロッカーア
ーム27と規制部材41との間に、圧縮状態で装着されてい
る。さらに、第3ロッカーアーム27には内輪30aと同軸
の連通穴46が形成されている。
【0029】第1連結切換機構において、第1油圧室36
に供給される作動油の油圧が低圧になると、連結ピスト
ン31および規制部材32は戻しばね42の弾発力で連結解除
側に移動し、この状態では連結ピストン31および規制部
材32の当接面は第1ロッカーアーム25および第3ロッカ
ーアーム27間にあって、第1および第3ロッカーアーム
25,27は連結解除状態にある。第1油圧室36に高油圧の
作動油が供給されると、連結ピストン31は戻しばね42の
弾発力に抗して連結側に移動し、連結ピストン31がガイ
ド穴35に嵌合して第1および第3ロッカーアーム25,27
は一体に連結された連結状態になる。
【0030】また、第2連結切換機構において、第2油
圧室43に供給される作動油の油圧が低圧になると、連結
ピストン39、連結ピン40および規制部材41は戻しばね42
の弾発力で連結解除側に移動し、この状態では連結ピス
トン39および連結ピン40の当接面は第1ロッカーアーム
25および第2ロッカーアーム26間にあり、連結ピン40お
よび規制部材41の当接面は第2ロッカーアーム26および
第3ロッカーアーム27間にあって、第1、第2、第3ロ
ッカーアーム25,26,27は連結解除状態にある。
【0031】第2油圧室43に高油圧の作動油が供給され
ると、連結ピストン39、連結ピン40および規制部材41は
戻しばね42の弾発力に抗して連結側に移動し、連結ピス
トン39が内輪29aに嵌合し、連結ピン40が内輪30aに嵌
合して第1、第2、第3ロッカーアーム25,26,27は一
体に連結された連結状態になる。
【0032】以上の構造より第1連結切換機構と第2連
結切換機構が共に連結解除状態では、第1、第2、第3
ロッカーアーム25,26,27は互いに独立にして揺動可能
であり、よって第1ロッカーアーム25は低速用カム21の
回転に従動し一方の吸気弁12aは低速用カム21の形状に
応じたタイミングおよびリフト量で開閉駆動し、また第
3ロッカーアーム27は隆起部23の回転に従動することで
他方の吸気弁12bは実質的に閉弁休止し、よって吸気片
弁休止運転状態とすることができる。
【0033】また第1連結切換機構が連結状態となる
と、第1ロッカーアーム25と第3ロッカーアーム27が一
体に連結し、第1ロッカーアーム25とともに第3ロッカ
ーアーム27が低速用カム21の回転に従動し、吸気弁12
a,12bは低速用カム21の形状に応じたタイミングおよ
びリフト量で開閉駆動する。
【0034】さらに第2連結切換機構が連結状態となる
と、第1、第2、第3ロッカーアーム25,26,27が一体
に連結し、高速用カム22の回転に従動する第2ロッカー
アーム26の揺動が第1、第3ロッカーアーム25,27の揺
動を決定し、吸気弁12a,12bは高速用カム22の形状に
応じたタイミングおよびリフト量で開閉駆動する。
【0035】次に排気弁13a,13b側のバルブ特性切換
機構Vce及びバルブ位相可変機構Vpの構造を図6ない
し図11に基づき説明する。まずバルブ特性切換機構V
ceにおいて、排気カム軸8には各気筒に対応して一対の
低速用カム51,53と両低速用カム51,53に挟まれた高速
用カム52とが設けられ、排気カム軸8よりも下方に平行
に固定されたロッカーシャフト54には、前記低速用カム
51,高速用カム52および低速用カム53にそれぞれ対応し
て第1ロッカーアーム55,第2ロッカーアーム56および
第3ロッカーアーム57が揺動自在に支持されている。
【0036】一対の低速用カム51,53は、排気カム軸8
の半径方向に沿う突出量が比較的に小さい高位部51b,
53bと、ベース円部51a,53aとから構成される。高速
用カム52は、その突出量が前記低速用カム51,53の高位
部51b,53bの突出量よりも大きく、かつ広い角度範囲
に亘る高位部52bと、ベース円部15aとから構成され
る。
【0037】吸気弁12a,12bのバルブステムの上端に
は鍔部60,60が設けられており、シリンダヘッド2aと
鍔部60,60との間に圧縮状態で装着されたバルブスプリ
ング61,61によって吸気弁12a,12bは閉弁方向に付勢
される。一端部をロッカシャフト54に揺動自在に支持さ
れた第1,第3ロッカーアーム55,57は、その中間部に
形成されたカムスリッパ55a,57aが一対の低速用カム
51,53にそれぞれ当接し、その他端部には吸気弁12a,
12bのバルブステムの上端に当接するタペットねじ62,
62がそれぞれ進退自在に設けられる。
【0038】第2ロッカーアーム56は、図8に図示され
るようにシリンダヘッド2aとの間に圧縮状態で装着さ
れた弾発付勢手段63で付勢され、その他端部に形成した
カムスリッパ56aが高速用カム52に当接する。前記弾発
付勢手段63は、閉塞端を第2ロッカーアーム56に当接さ
せた有底円筒状のリフタ63aと、リフタ63aを第2ロッ
カーアーム56に向けて付勢するリフタスプリング63bと
から構成されている。
【0039】図9から明らかなように、第1,第2,第
3ロッカーアーム55,56,57間の連結状態を切り換える
連結切換機構は、第3ロッカーアーム57と第2ロッカー
アーム56間を連結し得る第1連結ピン64と、第2ロッカ
ーアーム56と第1ロッカーアーム55間を連結し得る第2
連結ピン65と、第1連結ピン64と第2連結ピン65の移動
を規制する規制部材66と、第1,第2連結ピン64,65を
規制部材66とともに連結解除側に付勢する戻しばね67と
を備える。
【0040】第3ロッカーアーム57には、ロッカーシャ
フト54と平行な有底のガイド穴68がその開放端を第2ロ
ッカーアーム57側にして形成されており、このガイド穴
68には前記第1連結ピン64が摺動自在に嵌合し、第1連
結ピン64とガイド穴68の閉塞端との間に油圧室69が形成
される。また第3ロッカーアーム57には油圧室69に連通
する連通路70が形成され、ロッカーシャフト54内には油
圧供給路71が形成される。連通路70および油圧供給路71
は、ロッカーシャフト54の側壁に形成した連通路72を介
して第3ロッカーアーム57の揺動状態に関わらず常時連
通する。
【0041】第2ロッカーアーム56には、前記ガイド穴
68に対応する同一径のガイド穴73がロッカーシャフト54
と平行に貫通しており、このガイド穴73に前記第2連結
ピン65が摺動自在に嵌合する。
【0042】第1ロッカーアーム55には、前記ガイド穴
73に対応する同一径の有底円筒状のガイド穴74がロッカ
ーシャフト54と平行かつ開放端を第2ロッカーアーム56
側にして形成され、このガイド穴74に規制部材66が摺動
自在に嵌合する。しかも規制部材66に一体に形成された
軸部66aはガイド穴74の閉塞端に形成した案内部74aに
摺動自在に案内される。戻しばね67は規制部材66に軸部
66aの外周に嵌合してガイド穴74aの閉塞端と規制部材
66との間に圧縮状態で装着され、この戻しばね67の弾発
力で第1,第2連結ピン64,65が規制部材66とともに連
結解除側すなわち油圧室69側に付勢される。
【0043】油圧室69に供給される油圧を解放すると第
1,第2連結ピン64,65,規制部材66は戻しばね67の弾
発力で連結解除側に移動し、この状態では第1連結ピン
64と第2連結ピン65の当接面は第3ロッカーアーム57と
第2ロッカーアーム56との間にあり、第2連結ピン65と
規制部材66の当接面は第2ロッカーアーム56と第1ロカ
ーアーム55との間にあり、従って第1,第2,第3ロッ
カーアーム55,56,57は連結解除状態になっている。油
圧室69に油圧を供給すると第1,第2連結ピン64,65と
規制部材66は戻しばね67の弾発力に抗して連結側に移動
し、第1連結ピン64がガイド穴73に嵌合し、第2連結ピ
ン65がガイド穴74に嵌合して第1,第2,第3ロッカー
アーム55,56,57は一体に連結される。
【0044】排気弁13a,13bのバルブ特性切換機構V
ceは、以上のような構造をしており、連結切換機構が連
結解除状態にあれば第1,第2,第3ロッカーアーム5
5,56,57は互いに独立して揺動可能であり、第1,第
3ロッカーアーム55,57はそれぞれ低速用カム51,53の
回転に従動し両排気弁13a,13bは低速用カム51,53の
形状に応じたタイミングおよびリフト量で開閉駆動す
る。
【0045】また連結切換機構が連結状態となると、第
1、第2、第3ロッカーアーム55,56,57が一体に連結
し、高速用カム52の回転に従動する第2ロッカーアーム
56の揺動が第1、第3ロッカーアーム55,57の揺動を決
定し、両排気弁13a,13bは高速用カム52の形状に応じ
たタイミングおよびリフト量で開閉駆動する。
【0046】次に、図6および図10,図11を参照し
て、排気カム軸8の軸端部に設けられたバルブ位相可変
機構Vpの構造を説明する。略円筒状のボス部材81の中
心に形成された支持孔81aが排気カム軸8の軸端部に同
軸に嵌合し、ピン82およびボルト83で相対回転不能に結
合されている。タイミングチェーン11が巻き掛けられる
カムスプロケット10は円形の凹部10aを有して略カップ
状に形成されており、その外周にスプロケット歯10bが
形成されている。カムスプロケット10の凹部10aに嵌合
する環状のハウジング84と、さらにその軸方向重ね合わ
されたプレート85とが、それらを貫通する4本のボルト
86でカムスプロケット10に結合されている。
【0047】したがって、排気カム軸8と一体に結合さ
れたボス部材81は、カムスプロケット10、ハウジング84
およびプレート85によって囲まれた空間に相対回転可能
に収納される。ボス部材81を軸方向に貫通するピン孔81
bにロックピン87が摺動自在に嵌合しており、このロッ
クピン87はプレート85との間に圧縮状態で装着されたス
プリング88によって、カムスプロケット10に形成された
ロック孔10cに係合する方向に付勢されている。
【0048】図10を参照してハウジング84の内部に
は、排気カム軸8の軸線を中心とする扇状の凹部84aが
90°間隔で4個形成されており、ボス部材81の外周か
ら放射状に突出する4枚のベーン89が、30°の中心角
範囲で相対回転し得るように凹部84aに嵌合している。
4個のベーン89の先端に設けられた4個のシール部材90
が凹部84aの天井壁に摺動自在に当接し、かつハウジン
グ84の内周面に設けられた4個のシール部材91がボス部
材81の外周面に摺動自在に当接することにより、各ベー
ン89の両側に進角室92および遅角室93がそれぞれ区画さ
れている。
【0049】排気カム軸8の内部には、進角用油路94お
よび遅角用油路95が形成されており、進角用油路94はボ
ス部材81を半径方向に貫通する4本の油路96を介して4
個の進角室92にそれぞれ連通するとともに、遅角用油路
95はボス部材81を半径方向に貫通する4本の油路97を介
して4個の遅角室93にそれぞれ連通している。また、ロ
ックピン87の頭部が嵌合するカムスプロケット10のロッ
ク孔10cは、図示されない油路を介していずれかの進角
室92に連通している。
【0050】進角室92に作動油が供給されていないと
き、ロックピン87の頭部はスプリング88の弾発力でカム
スプロケット10のロック孔10cに嵌合し、図10に図示
されるように、カムスプロケット10に対して排気カム軸
8が反時計方向に相対回転した最も遅角した状態にロッ
クされる。この状態から進角室92に供給される作動油の
油圧を高めてゆくと、いずれかの進角室92から伝達され
る作動油の油圧でロックピン87がスプリング88の弾発力
に抗してカムスプロケット10のロック孔10cから離脱す
るとともに、進角室92および遅角室93の油圧差でベーン
89が押されることによりカムスプロケット10に対して排
気カム軸8が時計方向に相対回転し、低速用カム51,53
および高速用カム52の位相が一体的に進角して排気弁13
a,13bの開閉時期がともに進み側に変化する。したが
って、進角室92および遅角室93の油圧を制御することに
より、排気弁13a,13bの開閉時期を無段階に変化させ
ることができる。
【0051】このバルブ位相可変機構Vpを駆動するリ
ニアソレノイドバルブ100の構造を図11に基づいて説
明する。リニアソレノイドバルブ100は、円筒状のスリ
ーブ101と、スリーブ101の内部に摺動自在に嵌合するス
プール102と、スリーブ101に固定されてスプール102を
駆動するデューティソレノイド103と、スプール102をデ
ューティソレノイド103に向けて付勢するスプリング104
とを備えている。電子制御ユニットからの指令で、デュ
ーティソレノイド103への電流量をデューティ制御する
ことにより、スプリング104の弾発力に抗してスリーブ1
01に摺動自在に嵌合するスプール102の軸方向位置を無
段階に変化させることができる。
【0052】スリーブ101には、中央の入力ポート105
と、その両側に位置する遅角ポート106および進角ポー
ト107と、それらの両側に位置する一対のドレンポート1
08,109とが形成されている。一方、スリーブ101に摺動
自在に嵌合するスプール102には、中央グルーブ110と、
その両側に位置する一対のランド111,112と、それらの
両側に位置する一対のグルーブ113,114とが形成されて
いる。入力ポート105はオイルポンプに接続され、遅角
ポート106はバルブ位相可変機構Vpの遅角室93に接続
され、進角ポート107はバルブ位相可変機構Vpの進角
室92に接続されている。
【0053】内燃機関1の停止時に、バルブ位相可変機
構Vpは遅角室93が最大容積になり、かつ進角室92の容
積がゼロになった状態にあり、ロックピン87がカムスプ
ロケット10のロック孔10cに嵌合して、最も遅角した状
態に保持される。内燃機関1の始動によりオイルポンプ
が作動し、リニアソレノイドバルブ100を介して進角室9
2に伝達される油圧が所定値を越えると、油圧によりロ
ックピン87がロック孔10cから離脱してバルブ位相可変
機構Vpは作動可能な状態になる。
【0054】この状態から、デューティソレノイド103
のデューティ比を、中立位置の設定値、例えば50%よ
り増加させると、図11においてスプール102がスプリ
ング104に抗して中立位置よりも左側に移動し、オイル
ポンプに連なる入力ポート105がグルーブ110を介して進
角ポート107に連通するとともに、遅角ポート106がグル
ーブ113を介してドレンポート108に連通する。その結
果、バルブ位相可変機構Vpの進角室92に油圧が作用す
るため、図10においてカムスプロケット10に対して排
気カム軸8が時計方向に相対回転し、排気カム軸8のカ
ム位相が進角側に連続的に変化する。
【0055】そして、目標とするカム位相が得られたと
きに、デューティソレノイドのデューティ比を50%に
設定してリニアソレノイドバルブ100のスプール102を図
11に示す中立位置、すなわち入力ポート105を一対の
ランド111,112間に閉塞し、かつ遅角ポート106および
進角ポート107をそれぞれランド111,112で閉塞する位
置に停止させることにより、カムスプロケット10および
排気カム軸8を一体化してカム位相を一定に保持するこ
とができる。
【0056】以上のようにバルブ特性切換機構Vci,Vc
e及びバルブ位相可変機構Vpは油圧制御により作動制
御され、吸気弁12a,12b側のバルブ特性切換機構Vci
のうちの吸気片弁休止運転は、低速回転時に行われる。
【0057】図12は、横軸を機関回転数Ne(rp
m)、縦軸を負荷L(%)とした制御マップを示したも
のであり、機関回転数Neが約3000rpm以下の低速回転
時に吸気片弁休止制御を行い、約3000rpm以上では4バ
ルブ制御を実施する。また吸気弁と排気弁はともに機関
回転数Neが約5000rpmより低速回転時には低速用カム2
1,51,53の形状に応じたリフト変化をする低速モード
にあり、約5000rpm以上の高速回転時には高速用カム2
2,52の形状に応じたリフト変化をする高速モードにな
る。
【0058】図13はクランク角に対する弁のリフト量
を示しており、上死点より進角側(左側)に主に排気弁
の揚程が示され、遅角側(右側)に主に吸気弁の揚程が
示されており、両者は上死点付近でオーバラップしてい
る。いずれもリフト量の大きい方が高速モードで、リフ
ト量の小さい方が低速モードの揚程を示しており、通常
の運転状態にある。
【0059】そして図12において負荷Lは、スロット
ル開度(又はアクセル開度)や吸気負圧等で測定でき
る。図12において機関回転数Neが約3000rpm(所定
回転数)以下の低速回転時で負荷Lが約30%〜70%の間
(所定負荷範囲内)の中負荷時の運転状態において、リ
ーンバーン制御が行われるが、実際にリーンバーン制御
が行われるのは、吸気弁12a,12b側のバルブ特性切換
機構Vciが吸気片弁休止運転状態となり、排気カム軸8
のカム位相を進角されたとみなされた後である。
【0060】機関回転数Neおよびスロットル開度等の
運転状態はそれぞれの検出手段により検出され電子制御
ユニットに入力され、電子制御ユニットがバルブ特性切
換機構Vci,Vce、バルブ位相可変機構Vpの制御はも
とより上記リーンバーン制御等各種運転制御を行う。
【0061】電子制御ユニットは、前記機関回転数Ne
が約3000rpm以下の低速回転となると、バルブ特性切換
機構Vciに指示信号を出力して前記したように吸気片弁
休止運転状態とする。この指示信号を出力して実際に吸
気片弁休止状態となるまでに遅れ時間がある。
【0062】また電子制御ユニットは、機関回転数Ne
が約3000rpm以下の低速回転時で負荷Lが約30%〜70%
の間の運転状態になったと判断すると、前記デューティ
ソレノイド103に指示信号を出力してデューティソレノ
イド103のデューティ比を、中立位置の設定値より増加
させ、リニアソレノイドバルブ100を駆動して排気弁13
a,13b側のバルブ位相可変機構Vpを作動し、進角室
92に油圧を作用させ排気カム軸8を時計方向に相対回転
し、排気カム軸8のカム位相を進角させる。
【0063】この場合も指示信号を出力してから実際に
排気カム軸8のカム位相が進角するのに遅れ時間がある
が、リニアソレノイドバルブ100及びバルブ位相可変機
構Vpの順に作動してカム位相が進角されるので、前記
バルブ特性切換機構Vciの動作より大きな遅れ時間があ
る。
【0064】図14は機関回転数Neが3000rpm以下の
低速回転時のクランク角に対する弁のリフト量を示す図
であり、一方の吸気弁12bが休止し他方の吸気弁12aが
低速用カム21の形状に応じたリフト変化を示し、排気弁
13a,13bが低速用カム51,53の形状に応じたリフト変
化を示している。実線で示した弁揚程が通常の低速モー
ドのものであり、排気効率及び吸気効率を最大にすべく
排気弁揚程と吸気弁揚程が設定され、排気弁揚程と吸気
弁揚程が上死点でオーバラップして、そのオーバラップ
角度が大きい。
【0065】そして負荷Lが30〜70%の範囲に入りバル
ブ位相可変機構Vpが作動して排気弁13a,13bの開閉
時期が進むと、図14において破線で示すように排気弁
揚程が進角(左方に移動)し、上死点付近の排気弁の閉
角が進角してオーバラップ角度が小さくなる。すなわち
吸気弁が開弁して吸気をするときに排気弁が閉じずに開
いている期間が短縮する。
【0066】このバルブ位相可変機構Vpにより排気弁
13a,13bの開閉時期が進む運転状態では、図12に示
すようにリーンバーン制御がなされるが、電子制御ユニ
ットによるリーンバーンが実施されるまでの制御手順を
図15のフローチャートに示す。
【0067】まず吸気片弁休止条件すなわち機関回転数
Neが3000rpm未満か否かを判別し(ステップ1)、300
0rpm以上ならば通常のストイキ運転を行い、3000rpm未
満のとき吸気片弁休止制御を行う(ステップ2)。吸気
片弁休止制御は、バルブ特性切換機構Vciに吸気片弁休
止の指令信号が出力されて行なわれるが、遅れ時間を見
越したディレイタイムTc(第1の所定時間例えば0.2
秒)が設定され(ステップ3)、ディレイタイムTcが
0になるまでは(ステップ4)ストイキ運転がなされ、
0になるとステップ5に進みカム位相進角条件である負
荷Lが30%〜70%の範囲にあるか否かが判別され、この
範囲になければストイキ運転を続け、この範囲内にあれ
ばステップ6に進み、前記排気弁側のカム位相の進角制
御を行う。
【0068】カム位相の進角制御はデューティソレノイ
ド103に指示信号を出力して行なわれるが、遅れ時間を
見越したディレイタイムTp(第2の所定時間)が設定
される(ステップ7)。このディレイタイムTpは、図
16に示すようにバルブ位相可変機構Vpの油圧によっ
て決定される。油圧が高い方がディレイタイムTpは短
くてすみ、例えば0.3〜0.7秒程度である。なお油圧が直
接検出できないときは、機関回転数と機関温度により油
圧が推定できる。
【0069】この設定されたディレイタイムTpが0に
なるまでは(ステップ8)ストイキ運転がなされ、0に
なるとステップ9に進んで、ここで初めてリーンバーン
制御が実施される。
【0070】以上のように電子制御ユニットがリーンバ
ーン制御を実施するのは、バルブ特性切換機構Vciに吸
気片弁休止の指示信号を出力してその遅れ時間を見越し
た第1の所定時間Tcの経過後で、かつデューティソレ
ノイド103に排気弁側のカム位相の進角の指示信号を出
力してその遅れ時間を見越した第2の所定時間Tpの経
過後である。
【0071】すなわちリーンバーン制御が行われるの
は、吸気片弁休止運転状態であって、かつ排気弁側のカ
ム位相が進角されたと十分見なされる時間を経過した後
である。なお吸気片弁休止制御と排気側カム位相の進角
制御について同時に指示信号が出力されたときは、第1
と第2の所定時間Tc,Tpのうち長い方の第2の所定
時間Tpが経過すればリーンバーン制御を実施する。
【0072】よってバルブオーバラップ角度が小さくな
ったところでリーンバーン制御が行なわれ、バルブオー
バラップ角度の大きい状態でリーンバーンを行いスワー
ルを乱し内部EGRを増加させることを回避することが
できる。
【0073】なおバルブ位相可変機構Vpにおいてハウ
ジング84内のベーン89の進角状態を検出するバルブ位相
センサSを備えている場合(図1参照)は、同バルブ位
相センサSがカム位相を進角させたことを検出したとき
に、リーンバーン制御を実施するようにしてもよい。
【0074】図17はシリンダ2における吸気弁12a,
12bと排気弁13a,13bの様子を模式化した図であり、
吸気弁12a,12bにより開閉する吸気ポート18a,18b
および排気弁13a,13bにより開閉する排気ポート19
a,19bが示されている。リーンバーン制御時には上死
点付近で、吸気片弁休止運転状態で一方の吸気弁12aが
開弁しているが、他方の吸気弁12bは閉じた状態で休止
しており、排気弁13a,13bは閉角が進角して閉弁して
いる。排気弁13a,13bが開弁しているオーバラップ期
間は短縮されていて、上死点付近で殆ど図14に示す状
態にある。
【0075】図17に示す状態にあっては唯一開弁した
吸気弁12aのシリンダ2に対して偏心した吸気ポート18
aから導入された吸気は、渦巻き線で示すようにスワー
ルを生じ、他の弁が全て閉じているので、渦流を乱され
ることがなく、スワールが強化される。
【0076】バルブオーバラップ状態では排気弁13a,
13bが開弁しているので、吸気弁12aの吸気ポート18a
から導入されて生じたスワールが排気ポート19a,19b
の開口により乱されることになる。このオーバラップ角
度を小さく、時には0度とすることで、スワールが強化
され、燃焼がより安定しかつ急速に行われ、熱効率を向
上させることができる。
【0077】リーンバーンを効果的に行う上で燃焼が安
定かつ急速に行われることは、極めて重要な条件であ
る。またバルブオーバラップ状態では、開いた排気弁か
ら不活性ガスが逆流する内部EGRが生じ燃焼を妨げ、
リーンバーンにおける安定した燃焼を確保することがで
きなくなるので、オーバラップ期間が短縮されることは
リーンバーンを効果的に行わせることになり、燃費を向
上させ有害排気成分をより一層低減させることができ
る。
【0078】なおオーバラップ角度を小さくするには、
吸気弁揚程を遅らせることも考えられるが、吸気弁揚程
を遅角させるとピストン3の下降による吸入作用を上死
点より行わせることができずスワールを効果的に生じさ
せることが難しくなるとともに、下死点を過ぎてピスト
ン3が上昇するときに吸気弁の閉じるのが遅くなり、折
角スワールした吸気を追い出すことにもなる等の不具合
がある。
【0079】そこで吸気弁揚程は、吸気効率が最も優れ
た通常の開閉時期に維持してスワールを効果的に生じさ
せるようにし、排気弁揚程の方を進角させてバルブオー
バラップの期間を短縮させることでスワールを強化し、
かつ内部EGRを回避してリーンバーンを効果的に行わ
せるようにした。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の概略内部構造を示す斜視図である。
【図2】吸気弁側動弁装置の縦断面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿って切断した断面図であ
る。
【図4】図2のIV−IV線に沿って切断した断面図であ
る。
【図5】図2のV−V線に沿って切断した断面図であ
る。
【図6】排気弁側動弁装置の一部断面とし一部省略して
示した上面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿って切断した断面図であ
る。
【図8】図6のVIII−VIII線に沿って切断した断面図で
ある。
【図9】図7のIX−IX線に沿って切断した断面図であ
る。
【図10】図6のX−X線に沿って切断した断面図であ
る。
【図11】リニアソレノイドバルブの縦断面図である。
【図12】本動弁装置の制御マップを示す図である。
【図13】通常の高速モード及び低速モードにおけるク
ランク角に対する弁の揚程を示す特性図である。
【図14】低速回転時のクランク角に対する弁の揚程を
示す特性図である。
【図15】リーンバーンを実施するまでの制御手順を示
すフローチャートである。
【図16】油圧に基づきディレイタイムTpを決定する
マップを示す図である。
【図17】弁の開閉及びシリンダ内のスワールの様子を
示す模式図である。
【符号の説明】
1…内燃機関、2…シリンダ、3…ピストン、4…コネ
クティングロッド、5…クランク軸、6…ドライブスプ
ロケット、7…吸気カム軸、8…排気カム軸、9,10…
カムスプロケット、11…タイミングチェーン、12a,12
b…吸気弁、13a,13b…排気弁、15…鍔部、16…バル
ブスプリング、17…タペットねじ、18a,18b…吸気ポ
ート、19a,19b…排気ポート、21…低速用カム、22…
高速用カム、23…隆起部、24…ロッカーシャフト、25…
第1ロッカーアーム、26…第2ロッカーアーム、27…第
3ロッカーアーム、28…第1ローラ、29…第2ローラ、
30…第3ローラ、31…連結ピン、32…規制部材、33…戻
しばね、34,35…ガイド穴、36…第1油圧室、37…連通
路、38…第1油圧供給路、39…連結ピストン、40…連結
ピン、41…規制部材、42…戻しばね、43…第2油圧路、
44…連通路、45…第2油圧供給路、46…連通穴、51…低
速用カム、52…高速用カム、53…低速用カム、54…ロッ
カーシャフト、55…第1ロッカーアーム、56…第2ロッ
カーアーム、57…第3ロッカーアーム、60…鍔部、61…
バルブスプリング、62…タペットねじ、63…弾発付勢手
段、64…第1連結ピン、65…第2連結ピン、66…規制部
材、67…戻しばね、68…ガイド穴、69…油圧室、70…連
通路、71…油圧供給路、72…連通路、73,74…ガイド
穴、81…ボス部材、82…ピン、83…ボルト、84…ハウジ
ング、85…プレート、86…ボルト、87…ロックピン、88
…スプリング、89…ベーン、90,91…シール部材、92…
進角室、93…遅角室、94…進角用油路、95…遅角用油
路、96,97…油路、100…リニアソレノイドバルブ、101
…スリーブ、102…スプール、103…デューティソレノイ
ド、104…スプリング、105…入力ポート、106…遅角ポ
ート、107…進角ポート、108,109…ドレンポート、110
…中央グルーブ、111,112…ランド、113,114…グルー
ブ、Vci,Vce…バルブ特性切換機構、Vp…バルブ位
相可変機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G092 AA09 AA10 AA13 CB02 DA01 DA02 DA04 DA08 DA12 DA14 DG02 DG05 DG09 EA03 EA06 EA07 EA08 EA17 EA21 EA22 EA26 EA27 EC08 FA15 FA24 GA05 GA06 GA17 HA05Z HA06Z HA11Z HA13X HE01Z HF08Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の吸気弁の一方を閉弁状態で休止さ
    せる吸気片弁休止機構を備えた内燃機関において、 排気弁の開閉時期を変更するバルブ位相可変機構と、 機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、 前記吸気片弁休止機構と前記バルブ位相可変機構を制御
    する制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記機関回転数検出手段が検出した機
    関回転数が所定回転数以下の低速回転状態で前記吸気片
    弁休止機構を作動して一方の吸気弁を休止させるととも
    に、前記バルブ位相可変機構を作動して排気弁の開閉時
    期を進ませることを特徴とする内燃機関の動弁制御装
    置。
  2. 【請求項2】 一対の吸気弁の一方を閉弁状態で休止さ
    せる吸気片弁休止機構を備え、機関回転数が所定回転数
    以下の低速回転状態でかつ負荷が所定負荷範囲内の中負
    荷状態でリーンバーン制御が行われる内燃機関におい
    て、 排気弁の開閉時期を変更するバルブ位相可変機構と、 機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、 内燃機関の負荷状態を検出する負荷検出手段と、 前記吸気片弁休止機構と前記バルブ位相可変機構を制御
    する制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記機関回転数検出手段が検出した機
    関回転数が前記所定回転数以下の低速回転状態で前記吸
    気片弁休止機構を作動して一方の吸気弁を休止させると
    ともに、前記機関回転数検出手段が検出した機関回転数
    が前記所定回転数以下の低速回転状態でかつ前記負荷検
    出手段が検出した負荷が前記所定負荷範囲内で前記バル
    ブ位相可変機構を作動して排気弁の開閉時期を進ませる
    ことを特徴とする内燃機関の動弁制御装置。
  3. 【請求項3】 前記バルブ位相可変機構に排気弁の開閉
    時期を進ませる指示があってから所定時間後に前記リー
    ンバーン制御が行われることを特徴とする請求項2記載
    の内燃機関の動弁制御装置。
  4. 【請求項4】 前記吸気片弁休止機構に吸気片弁休止を
    指示してから第1の所定時間を経過し、かつ前記バルブ
    位相可変機構に排気弁の開閉時期を進ませる指示があっ
    てから第2の所定時間を経過していることを条件に前記
    リーンバーン制御が行われることを特徴とする請求項2
    記載の内燃機関の動弁制御装置。
  5. 【請求項5】 前記バルブ位相可変機構の状態を検出す
    る検出手段を備え、排気弁の開閉時期が進んだ状態を前
    記検出手段が検出した後に前記リーンバーン制御が行な
    われることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の動弁
    制御装置。
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