JP2000328437A - 綿繊維含有繊維構造物または繊維製品 - Google Patents
綿繊維含有繊維構造物または繊維製品Info
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- JP2000328437A JP2000328437A JP14059099A JP14059099A JP2000328437A JP 2000328437 A JP2000328437 A JP 2000328437A JP 14059099 A JP14059099 A JP 14059099A JP 14059099 A JP14059099 A JP 14059099A JP 2000328437 A JP2000328437 A JP 2000328437A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ハリ・コシの有る風合いを有し、経ストレッ
チ性が改良され、染色性に優れた綿繊維含有繊維構造物
およびその製品を提供する。 【解決手段】 CP/MAS固体13C-NMRによるC1位炭素の13C
スピン−格子緩和時間(T 1C) の減衰挙動が9成分の異な
るT1Cからなるとした場合、T1Cが20.9sec, 44.7sec, 9
5.5secの成分の総和が70%以上であり、バリウム活性数
が170以上である綿繊維を含有することを特徴とする綿
繊維含有繊維構造物およびその製品。
チ性が改良され、染色性に優れた綿繊維含有繊維構造物
およびその製品を提供する。 【解決手段】 CP/MAS固体13C-NMRによるC1位炭素の13C
スピン−格子緩和時間(T 1C) の減衰挙動が9成分の異な
るT1Cからなるとした場合、T1Cが20.9sec, 44.7sec, 9
5.5secの成分の総和が70%以上であり、バリウム活性数
が170以上である綿繊維を含有することを特徴とする綿
繊維含有繊維構造物およびその製品。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドレスシャツ、ブラ
ウス、パンツ、ジャケット等の衣料用および帽子、ハン
カチ、タオルなどの日曜雑貨品用として好適な綿繊維含
有繊維構造物およびその製品に関するものであり、さら
に詳しくは、ハリ・コシの有るソフトな風合いを有し、
経てストレッチ性が改良され、しかも染色性に優れた綿
繊維含有繊維構造物およびその製品に関する。
ウス、パンツ、ジャケット等の衣料用および帽子、ハン
カチ、タオルなどの日曜雑貨品用として好適な綿繊維含
有繊維構造物およびその製品に関するものであり、さら
に詳しくは、ハリ・コシの有るソフトな風合いを有し、
経てストレッチ性が改良され、しかも染色性に優れた綿
繊維含有繊維構造物およびその製品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衣料品および日用雑貨品分野で
は、風合いおよび着心地感に関する消費者の要求が強ま
り、さまざまな加工が施されている。特に、衣料品分野
では、はりこしがあり、ソフトでありながら、経ストレ
ッチ性のある風合いが好まれてきた。これらの要求に対
して従来より仕上げ加工による風合い改良が施されてき
た。ソフト風合いにするためにはフッ素系柔軟剤やシリ
コン系柔軟剤で処理することが知られている。また、ス
トレッチ性を与えるためにはポリウレタン系加工剤、ア
ミノシリコ−ン系加工剤あるいはエポキシシリコ−ン系
加工剤による加工が行われている。また、ソフト風合い
を得る方法として、機械的な揉み効果による方法や繊維
間の摩擦を抑制するため、酵素による減量加工などが採
用されている。
は、風合いおよび着心地感に関する消費者の要求が強ま
り、さまざまな加工が施されている。特に、衣料品分野
では、はりこしがあり、ソフトでありながら、経ストレ
ッチ性のある風合いが好まれてきた。これらの要求に対
して従来より仕上げ加工による風合い改良が施されてき
た。ソフト風合いにするためにはフッ素系柔軟剤やシリ
コン系柔軟剤で処理することが知られている。また、ス
トレッチ性を与えるためにはポリウレタン系加工剤、ア
ミノシリコ−ン系加工剤あるいはエポキシシリコ−ン系
加工剤による加工が行われている。また、ソフト風合い
を得る方法として、機械的な揉み効果による方法や繊維
間の摩擦を抑制するため、酵素による減量加工などが採
用されている。
【0003】従来より、綿繊維織編物の防縮性改良や染
色性向上の手法として水酸化ナトリウム水溶液や液体ア
ンモニアによるマ−セライズ加工が行われている。ま
た、経ストレッチ性を付与する方法としてマ−セライズ
加工時、経方向にオ−バ−フィ−ドする方法などが行わ
れてきた経緯がある。しかしながら、ハリ・コシの有る
ソフトな風合いを有し、かつ、十分な経ストレッチ性を
有し、しかも染色性をも満足させるマ−セライズ加工技
術は未だ確立されていない。
色性向上の手法として水酸化ナトリウム水溶液や液体ア
ンモニアによるマ−セライズ加工が行われている。ま
た、経ストレッチ性を付与する方法としてマ−セライズ
加工時、経方向にオ−バ−フィ−ドする方法などが行わ
れてきた経緯がある。しかしながら、ハリ・コシの有る
ソフトな風合いを有し、かつ、十分な経ストレッチ性を
有し、しかも染色性をも満足させるマ−セライズ加工技
術は未だ確立されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の仕上げ加工によ
る風合い改良を施した綿繊維織編物は洗濯を繰り返すこ
とにより加工剤の脱落が生じ、風合いおよび経ストレッ
チ性が徐々に悪化および低下したり、柔軟剤が親油性で
あるために汚れが付着しやすい問題点がある。
る風合い改良を施した綿繊維織編物は洗濯を繰り返すこ
とにより加工剤の脱落が生じ、風合いおよび経ストレッ
チ性が徐々に悪化および低下したり、柔軟剤が親油性で
あるために汚れが付着しやすい問題点がある。
【0005】本発明は後加工による風合い、経ストレッ
チ性および染色性改良ではなく、布帛を構成する綿繊維
の構造を大幅に変化させることにより、ハリ・コシの有
るソフト風合いで、経てストレッチ性を有し、かつ染色
性に優れた綿繊維含有繊維構造物およびその製品を得よ
うとするものである。
チ性および染色性改良ではなく、布帛を構成する綿繊維
の構造を大幅に変化させることにより、ハリ・コシの有
るソフト風合いで、経てストレッチ性を有し、かつ染色
性に優れた綿繊維含有繊維構造物およびその製品を得よ
うとするものである。
【0006】綿繊維の膨潤を伴う結晶構造を変化させる
方法としては、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液で
処理するマ−セル化あるいは液体アンモニアや第1級ア
ミン類で処理する方法が知られている。通常の工業的手
法である連続方式でマ−セル化処理をすると、経糸方向
にテンションがかかるほか、単繊維の拘束力が大きいた
め、布帛を構成する糸の外周部のみが膨潤し内層部は未
改質のままである。従って、この方法では経ストレッチ
性は出なく、風合いも硬く、本発明の目的とする綿繊維
含有繊維構造物およびその製品を得ることはできない。
また、膨潤性を上げようと未処理綿繊維を通常の(例え
ば、18.7重量%)水酸化ナトリウム水溶液で無緊張下、
長時間処理すると綿繊維独特の繭型をした断面形状が真
円に近くなるまで膨潤し、糸の内外層とも均一に膨潤す
るが、この処理により布帛は膨潤に伴う収縮のため、ご
わごわした硬い風合いのものとなる。一方、高温マ−セ
ル化するとソフトな風合いに仕上がることが知られてい
るが、この方法によると糸の中心部までは十分膨潤して
おらず、経ストレッチ性が少なく、しかも染色性が低下
し、本発明の目的とするものは得られない。
方法としては、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液で
処理するマ−セル化あるいは液体アンモニアや第1級ア
ミン類で処理する方法が知られている。通常の工業的手
法である連続方式でマ−セル化処理をすると、経糸方向
にテンションがかかるほか、単繊維の拘束力が大きいた
め、布帛を構成する糸の外周部のみが膨潤し内層部は未
改質のままである。従って、この方法では経ストレッチ
性は出なく、風合いも硬く、本発明の目的とする綿繊維
含有繊維構造物およびその製品を得ることはできない。
また、膨潤性を上げようと未処理綿繊維を通常の(例え
ば、18.7重量%)水酸化ナトリウム水溶液で無緊張下、
長時間処理すると綿繊維独特の繭型をした断面形状が真
円に近くなるまで膨潤し、糸の内外層とも均一に膨潤す
るが、この処理により布帛は膨潤に伴う収縮のため、ご
わごわした硬い風合いのものとなる。一方、高温マ−セ
ル化するとソフトな風合いに仕上がることが知られてい
るが、この方法によると糸の中心部までは十分膨潤して
おらず、経ストレッチ性が少なく、しかも染色性が低下
し、本発明の目的とするものは得られない。
【0007】液体アンモニアあるいは第1級アミン類で
の処理は、膨潤剤が繊維内部まで均一に浸透するため綿
繊維を均一に膨潤するが、先の水酸化ナトリウム水溶液
によるマ−セル化よりもその膨潤度が小さいため、繊維
間隙が確保されハリ・コシの有るソフトな風合いが得ら
れるが、経糸方向のテンションは避けられず、経ストレ
ッチ性が不十分であると同時に染色性が改善されず本発
明の目的とするものは得られない。
の処理は、膨潤剤が繊維内部まで均一に浸透するため綿
繊維を均一に膨潤するが、先の水酸化ナトリウム水溶液
によるマ−セル化よりもその膨潤度が小さいため、繊維
間隙が確保されハリ・コシの有るソフトな風合いが得ら
れるが、経糸方向のテンションは避けられず、経ストレ
ッチ性が不十分であると同時に染色性が改善されず本発
明の目的とするものは得られない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決のために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は段落番号〔0015〕に記載し
た方法によって測定した綿繊維のCP/MAS(交差分極マジ
ック角回転)固体13C-NMRによるC1位炭素の13Cスピン−
格子緩和時間(T1C) の減衰挙動が9成分の異なるT1C(
2.14sec, 4.57sec,9.77sec, 20.9sec, 44.7sec, 98.5se
c, 204sec, 437sec,および933sec )からなるとした場
合、T1Cに関して20.9sec, 44.7sec, 95.5secの成分の総
和が70%以上である綿繊維を含有する時、ハリコシある
ソフト風合いで、経てストレッチ性に富んだ着用感を有
し、しかもバリウム活性数が170以上となり染色性が改
良された綿繊維含有繊維構造物が得られることを見出し
本発明に到達したのである。
の解決のために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は段落番号〔0015〕に記載し
た方法によって測定した綿繊維のCP/MAS(交差分極マジ
ック角回転)固体13C-NMRによるC1位炭素の13Cスピン−
格子緩和時間(T1C) の減衰挙動が9成分の異なるT1C(
2.14sec, 4.57sec,9.77sec, 20.9sec, 44.7sec, 98.5se
c, 204sec, 437sec,および933sec )からなるとした場
合、T1Cに関して20.9sec, 44.7sec, 95.5secの成分の総
和が70%以上である綿繊維を含有する時、ハリコシある
ソフト風合いで、経てストレッチ性に富んだ着用感を有
し、しかもバリウム活性数が170以上となり染色性が改
良された綿繊維含有繊維構造物が得られることを見出し
本発明に到達したのである。
【0009】
【発明の実施の形態】前記の本発明における綿繊維は、
例えば以下の方法で得ることができる。経ストレッチ性
および染色性改善には従来の水酸化ナトリウム水溶液濃
度での処理では不十分であり、結晶変態率を上げると共
に、結晶化度を低下させるため、経糸方向のテンション
はマ−セル化処理中できる限り小さくし、しかもオ−バ
−フィ−ドすることで経糸にクリンプを十分発現させる
ことが望ましい。そのためには、アルカリ剤(例えば水
酸化ナトリウムの場合)は25重量%以上の高濃度が要求
される。しかも処理時間は1minから120min好ましくは10
minから40minで処理温度は室温から90℃、好ましくは室
温から70℃である。上記の条件で本目的の綿繊維が安定
して得られる。
例えば以下の方法で得ることができる。経ストレッチ性
および染色性改善には従来の水酸化ナトリウム水溶液濃
度での処理では不十分であり、結晶変態率を上げると共
に、結晶化度を低下させるため、経糸方向のテンション
はマ−セル化処理中できる限り小さくし、しかもオ−バ
−フィ−ドすることで経糸にクリンプを十分発現させる
ことが望ましい。そのためには、アルカリ剤(例えば水
酸化ナトリウムの場合)は25重量%以上の高濃度が要求
される。しかも処理時間は1minから120min好ましくは10
minから40minで処理温度は室温から90℃、好ましくは室
温から70℃である。上記の条件で本目的の綿繊維が安定
して得られる。
【0010】上述のアルカリ剤処理によるマ−セル化で
発現した経糸方向のクリンプをより固定化するために、
さらに液体アンモニア処理を行うことは本発明の目的に
合致するものである。一般に水酸化ナトリウム水溶液処
理単独に比べ、さらに液体アンモニア処理することによ
り、染色性は低下するが、バリウム活性数が170以上で
あれば十分な染色性を示す。
発現した経糸方向のクリンプをより固定化するために、
さらに液体アンモニア処理を行うことは本発明の目的に
合致するものである。一般に水酸化ナトリウム水溶液処
理単独に比べ、さらに液体アンモニア処理することによ
り、染色性は低下するが、バリウム活性数が170以上で
あれば十分な染色性を示す。
【0011】本発明において、綿繊維は結晶構造が変化
させられるが、綿繊維の結晶構造を変化させることがで
きる薬剤には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、エチルアミン、液体アンモニア、ヒドラ
ジンなどのアルカリ類、硫酸、リン酸、硝酸などの酸
類、塩化亜鉛、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、各種
ロダン塩、ヨウ化カリウム等の塩類、およびこれらの組
合せが挙げられる。綿繊維の場合、水酸化ナトリウム、
液体アンモニアが好ましく、染色性の向上と洗濯後の風
合いおよびストレッチ性保持の点で水酸化ナトリウム/
液体アンモニアの組合せ処理がより好ましい。
させられるが、綿繊維の結晶構造を変化させることがで
きる薬剤には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、エチルアミン、液体アンモニア、ヒドラ
ジンなどのアルカリ類、硫酸、リン酸、硝酸などの酸
類、塩化亜鉛、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、各種
ロダン塩、ヨウ化カリウム等の塩類、およびこれらの組
合せが挙げられる。綿繊維の場合、水酸化ナトリウム、
液体アンモニアが好ましく、染色性の向上と洗濯後の風
合いおよびストレッチ性保持の点で水酸化ナトリウム/
液体アンモニアの組合せ処理がより好ましい。
【0012】本発明における綿繊維含有繊維構造物と
は、綿繊維単独の場合、あるいはその他に、経ストレッ
チ性、ソフトな風合いを損なわない範囲で、ラミ−、リ
ネン、ケナフ、パルプ、バクテリアセルロ−スなどの天
然セルロ−ス繊維、ビスコ−ス法レ−ヨン(ポリノジッ
クを含む)、銅安法レ−ヨン、溶剤紡糸法レ−ヨンなど
の再生セルロ−ス繊維、絹、羊毛、プロミックス繊維な
どのタンパク質繊維、ポリエステル、ポリアミド、アク
リル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成繊維と
の混繊、混紡、交織、交撚などで混用して得られる紡績
糸、織物、編み物、不織布などからなる繊維構造物のこ
とである。他の繊維と混用する場合、本発明の特性をよ
く発揮させるために、綿繊維の含有率は20重量%以上が
好ましく、30重量%以上がより好ましく、さらに好まし
くは50重量%以上である。
は、綿繊維単独の場合、あるいはその他に、経ストレッ
チ性、ソフトな風合いを損なわない範囲で、ラミ−、リ
ネン、ケナフ、パルプ、バクテリアセルロ−スなどの天
然セルロ−ス繊維、ビスコ−ス法レ−ヨン(ポリノジッ
クを含む)、銅安法レ−ヨン、溶剤紡糸法レ−ヨンなど
の再生セルロ−ス繊維、絹、羊毛、プロミックス繊維な
どのタンパク質繊維、ポリエステル、ポリアミド、アク
リル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成繊維と
の混繊、混紡、交織、交撚などで混用して得られる紡績
糸、織物、編み物、不織布などからなる繊維構造物のこ
とである。他の繊維と混用する場合、本発明の特性をよ
く発揮させるために、綿繊維の含有率は20重量%以上が
好ましく、30重量%以上がより好ましく、さらに好まし
くは50重量%以上である。
【0013】また、本発明で言う繊維製品とは、前記の
綿繊維や混用繊維を用いた織物、編み物、不織布などの
布帛を用いて得られたシャツ、ブラウス、パンツ、ジャ
ケットなどの衣料品および帽子、ハンカチ、タオルなど
の雑貨品を意味する。
綿繊維や混用繊維を用いた織物、編み物、不織布などの
布帛を用いて得られたシャツ、ブラウス、パンツ、ジャ
ケットなどの衣料品および帽子、ハンカチ、タオルなど
の雑貨品を意味する。
【0014】本発明における繊維構造物の経ストレッチ
性は、例えばKES法による引張伸長率(EMT%)で
示すと、20%以上の値を示すことができる。
性は、例えばKES法による引張伸長率(EMT%)で
示すと、20%以上の値を示すことができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
い。実施例で用いた評価法を以下に示す。 CP/MAS固体13C-NMRによるC1位炭素の13Cスピン−格子緩
和時間(T1C)の測定:綿繊維の分子運動性を調べるため
に、セルロ−スのβ-1,4−グルコシドの化学式の中で、
13C-NMRスペクトルの共鳴線の位置が重なり合いが少な
く、しかも主鎖を構成しているC1炭素原子に着目しその
13Cスピン−格子緩和時間(T1C)を測定した。
るが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
い。実施例で用いた評価法を以下に示す。 CP/MAS固体13C-NMRによるC1位炭素の13Cスピン−格子緩
和時間(T1C)の測定:綿繊維の分子運動性を調べるため
に、セルロ−スのβ-1,4−グルコシドの化学式の中で、
13C-NMRスペクトルの共鳴線の位置が重なり合いが少な
く、しかも主鎖を構成しているC1炭素原子に着目しその
13Cスピン−格子緩和時間(T1C)を測定した。
【0016】試料を約3 mm程度の繊維片に切断し、105
℃のオ−ブンで2 hr絶乾処理した。さらに、約85%R.H.
下で24 hr調湿した試料について、バリアン社 XL-300NM
R分光器を用いて、Torchia法により測定した( D. A. T
orchia, J. Magn. Reson.,30,613(1978) )。測定周波
数:75MHz,試料回転数:3300rpm、パルス幅( PW ) = 4.
5μsec、パルス待ち時間:20sec、コンタクトタイム:
0.15 msec、デカップラ−強度:50 KHzである。T1Cの分
布は、ピ−クの積分強度を待ち時間に対してプロット
し、減衰挙動が9成分の異なるT1C(2.14sec, 4.57sec,
9.77sec, 20.9sec,44.7sec, 95.5sec, 204sec, 437sec,
および933sec )からなると仮定して最小2乗法を用いて
測定した。
℃のオ−ブンで2 hr絶乾処理した。さらに、約85%R.H.
下で24 hr調湿した試料について、バリアン社 XL-300NM
R分光器を用いて、Torchia法により測定した( D. A. T
orchia, J. Magn. Reson.,30,613(1978) )。測定周波
数:75MHz,試料回転数:3300rpm、パルス幅( PW ) = 4.
5μsec、パルス待ち時間:20sec、コンタクトタイム:
0.15 msec、デカップラ−強度:50 KHzである。T1Cの分
布は、ピ−クの積分強度を待ち時間に対してプロット
し、減衰挙動が9成分の異なるT1C(2.14sec, 4.57sec,
9.77sec, 20.9sec,44.7sec, 95.5sec, 204sec, 437sec,
および933sec )からなると仮定して最小2乗法を用いて
測定した。
【0017】バリウム活性数:JIS L 1096 ( 1990 )の
6. 41に準じて行った。
6. 41に準じて行った。
【0018】経ストレッチ性:KES法による経方向の引
張伸長率 ( EMT ,% )で評価した。
張伸長率 ( EMT ,% )で評価した。
【0019】風合い評価:3人の専門家による5段階評
価法を採用し、その平均点で表示した。 5級:優れたハリ・コシがある、ソフトな風合い 4級:ハリ・コシがある、ソフトな風合い 3級:ハリ・コシがあるが、やや硬い風合い 2級:ハリ・コシがなく、やや硬い風合い 1級:ハリ・コシがなく、硬い風合い
価法を採用し、その平均点で表示した。 5級:優れたハリ・コシがある、ソフトな風合い 4級:ハリ・コシがある、ソフトな風合い 3級:ハリ・コシがあるが、やや硬い風合い 2級:ハリ・コシがなく、やや硬い風合い 1級:ハリ・コシがなく、硬い風合い
【0020】染色性:3人の専門家による5段階評価法
を採用し、その平均点で表示した。 5級:反応染料種に関係なく濃色の染色性を示す。 4級:反応染料種に関係なく中・濃色の染色性を示す。 3級:反応染料種に関係なく中色の染色性を示す。 2級:反応染料種に関係し、しかも中色の染色性を示
す。 1級:反応染料種に関係し、しかも淡・中色の染色性を
示す。
を採用し、その平均点で表示した。 5級:反応染料種に関係なく濃色の染色性を示す。 4級:反応染料種に関係なく中・濃色の染色性を示す。 3級:反応染料種に関係なく中色の染色性を示す。 2級:反応染料種に関係し、しかも中色の染色性を示
す。 1級:反応染料種に関係し、しかも淡・中色の染色性を
示す。
【0021】実施例1 精練・漂白上がりの綿織物( 50番手×50番手 / 144×
81 )を、長手方向には張力を掛けず、出来る限り、幅
入りしないように幅方向をピンで固定したまま、29重量
%NaOH水溶液に25℃、30分間浸漬し、次いで、湯洗およ
び水洗・酸中和・乾燥した後、液体アンモニア処理を施
した。得られた綿織物の特性を表1に示す。
81 )を、長手方向には張力を掛けず、出来る限り、幅
入りしないように幅方向をピンで固定したまま、29重量
%NaOH水溶液に25℃、30分間浸漬し、次いで、湯洗およ
び水洗・酸中和・乾燥した後、液体アンモニア処理を施
した。得られた綿織物の特性を表1に示す。
【0022】実施例2 実施例1において、29重量%NaOH水溶液の処理条件が60
℃、30分である以外は実施例1と同様にしてマ−セル化
および液体アンモニア処理を施した。得られた綿織物の
特性を表1に示す。
℃、30分である以外は実施例1と同様にしてマ−セル化
および液体アンモニア処理を施した。得られた綿織物の
特性を表1に示す。
【0023】実施例3 実施例1において、25重量% NaOH水溶液を使用する以
外は、実施例1と同様にして実施した。得られた綿織物
の特性を表1に示す。
外は、実施例1と同様にして実施した。得られた綿織物
の特性を表1に示す。
【0024】実施例4 実施例1において、液体アンモニア処理を除く以外は実
施例1と同様にして実施した。得られた綿織物の特性を
表1に示す。
施例1と同様にして実施した。得られた綿織物の特性を
表1に示す。
【0025】比較例1 実施例1の精練漂白上がり綿織物の特性を未処理綿織物
として表1に示す。
として表1に示す。
【0026】比較例2 実施例1において、29重量%NaOH水溶液の替わりに18.7
重量% NaOH水溶液を使用する以外は実施例1と同様に
してマ−セル化および液体アンモニア処理を施した。得
られた綿織物の特性を表1に示す。
重量% NaOH水溶液を使用する以外は実施例1と同様に
してマ−セル化および液体アンモニア処理を施した。得
られた綿織物の特性を表1に示す。
【0027】比較例3 実施例1において、29重量% NaOH水溶液の替わりに25
重量%NaOH水溶液を使用する以外は実施例1と同様にし
てマ−セル化および液体アンモニア処理を施した。得ら
れた綿織物の特性を表1に示す。
重量%NaOH水溶液を使用する以外は実施例1と同様にし
てマ−セル化および液体アンモニア処理を施した。得ら
れた綿織物の特性を表1に示す。
【0028】比較例4 比較例2において、液体アンモニア処理を除く以外は比
較例2と同様にしてマ−セル化を行った。得られた綿織
物の特性を表1に示す。
較例2と同様にしてマ−セル化を行った。得られた綿織
物の特性を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明はハリ・コシの有る風合いを有
し、経ストレッチ性が改良され、染色性に優れた綿繊維
含有繊維およびその製品を提供することができる。
し、経ストレッチ性が改良され、染色性に優れた綿繊維
含有繊維およびその製品を提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 セルロ−スのβ-1,4−グルコシドの化学
式の内、C1位炭素のCP/MAS固体13C-NMRによる13Cスピン
−格子緩和時間(T1C) の減衰挙動が9成分の異なるT
1C( 2.14sec, 4.57sec, 9.77sec, 20.9sec, 44.7sec, 9
8.5sec, 204sec,437sec,および933sec )からなるとした
場合、T1Cが20.9sec, 44.7sec, 95.5secの成分の総和が
70%以上であり、バリウム活性数が170以上である綿繊維
を含有することを特徴とする綿繊維含有繊維構造物また
は繊維製品。 - 【請求項2】 前記綿繊維が少なくとも25重量%のアル
カリ膨潤剤水溶液で処理されていることを特徴とする請
求項1記載の綿繊維含有繊維構造物または繊維製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14059099A JP2000328437A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 綿繊維含有繊維構造物または繊維製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14059099A JP2000328437A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 綿繊維含有繊維構造物または繊維製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000328437A true JP2000328437A (ja) | 2000-11-28 |
Family
ID=15272236
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14059099A Pending JP2000328437A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 綿繊維含有繊維構造物または繊維製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000328437A (ja) |
-
1999
- 1999-05-20 JP JP14059099A patent/JP2000328437A/ja active Pending
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