JP2000328202A - 成形性と耐食性ならびに靭性に優れた低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板とその製造方法および溶接鋼管 - Google Patents
成形性と耐食性ならびに靭性に優れた低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板とその製造方法および溶接鋼管Info
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- JP2000328202A JP2000328202A JP11139210A JP13921099A JP2000328202A JP 2000328202 A JP2000328202 A JP 2000328202A JP 11139210 A JP11139210 A JP 11139210A JP 13921099 A JP13921099 A JP 13921099A JP 2000328202 A JP2000328202 A JP 2000328202A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】溶接管用の素材に用いて好適な成形性と耐食性
に優れた低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板とその
製造方法および溶接鋼管を提供する。 【解決手段】C:0.02%以下、Si:0〜1.0%、Mn:0〜3.
0%、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:9.0〜13.0
%、Ni:1.0〜4.0%、Mo:0〜1.2%、Al:0〜0.10%、T
i:0〜0.10%、Cu:0〜1.2%、Nb:0〜0.10%、V:0.10
%以下、N:0.020%以下、残部は実質的にFeからなり、
Cr、NiおよびMoの合計含有量が鋼板の肉厚をtとしたと
き、下記の式または式を満たす低炭素マルテンサイ
ト系ステンレス鋼板。 t≦10の時 Cr+Ni+Mo≦16 ・・・・・・・・・・・・・ t>10の時 Cr+Ni+Mo≦16-0.1(t-10) ・・・
に優れた低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板とその
製造方法および溶接鋼管を提供する。 【解決手段】C:0.02%以下、Si:0〜1.0%、Mn:0〜3.
0%、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:9.0〜13.0
%、Ni:1.0〜4.0%、Mo:0〜1.2%、Al:0〜0.10%、T
i:0〜0.10%、Cu:0〜1.2%、Nb:0〜0.10%、V:0.10
%以下、N:0.020%以下、残部は実質的にFeからなり、
Cr、NiおよびMoの合計含有量が鋼板の肉厚をtとしたと
き、下記の式または式を満たす低炭素マルテンサイ
ト系ステンレス鋼板。 t≦10の時 Cr+Ni+Mo≦16 ・・・・・・・・・・・・・ t>10の時 Cr+Ni+Mo≦16-0.1(t-10) ・・・
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラインパイプや油
井管または油井化工機用配管に用いられる溶接鋼管の素
材に好適な成形性と耐食性ならびに靭性に優れる低炭素
マルテンサイト系ステンレス鋼板とその製造方法および
溶接鋼管に関する。
井管または油井化工機用配管に用いられる溶接鋼管の素
材に好適な成形性と耐食性ならびに靭性に優れる低炭素
マルテンサイト系ステンレス鋼板とその製造方法および
溶接鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼
は、油井用材料として近年開発が進められている鋼種で
ある。この低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼は、2
相ステンレス鋼よりもCr等の高価な元素の含有量が少
ないために安価であり、炭酸ガスのみや、炭酸ガスと微
量の硫化水素ガスからなる混合ガスを含む湿潤環境中で
用いた場合、良好な耐食性を示す。また、低炭素である
ことから、溶接性がよく、ガス・タングステン・アーク
溶接法(以下、GTAW法という)やガス・メタル・ア
ーク溶接(以下、GMAW法という)による突き合わせ
円周溶接継手を前提とするラインパイプに用いて好適で
ある。
は、油井用材料として近年開発が進められている鋼種で
ある。この低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼は、2
相ステンレス鋼よりもCr等の高価な元素の含有量が少
ないために安価であり、炭酸ガスのみや、炭酸ガスと微
量の硫化水素ガスからなる混合ガスを含む湿潤環境中で
用いた場合、良好な耐食性を示す。また、低炭素である
ことから、溶接性がよく、ガス・タングステン・アーク
溶接法(以下、GTAW法という)やガス・メタル・ア
ーク溶接(以下、GMAW法という)による突き合わせ
円周溶接継手を前提とするラインパイプに用いて好適で
ある。
【0003】上記の低炭素マルテンサイト系ステンレス
鋼からなる鋼管は、従来は主として継目無鋼管として製
管されてきたが、近年、継目無鋼管では製造困難な肉厚
10mm以下の薄肉の溶接管の需要が高まっている。
鋼からなる鋼管は、従来は主として継目無鋼管として製
管されてきたが、近年、継目無鋼管では製造困難な肉厚
10mm以下の薄肉の溶接管の需要が高まっている。
【0004】低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼から
なる溶接管は、従来はあまり実用化例がないが、例え
ば、特開平4−191319号公報や同4−19132
0号公報には、素材の帯鋼を管状に成形して突き合わせ
部を電縫溶接法(以下、ERW法という)によって造管
溶接する方法が提案されている。また、小径管ではGT
AW法やプラズマ溶接法(以下、PAW法という)によ
る突き合わせ造管溶接も検討されている。
なる溶接管は、従来はあまり実用化例がないが、例え
ば、特開平4−191319号公報や同4−19132
0号公報には、素材の帯鋼を管状に成形して突き合わせ
部を電縫溶接法(以下、ERW法という)によって造管
溶接する方法が提案されている。また、小径管ではGT
AW法やプラズマ溶接法(以下、PAW法という)によ
る突き合わせ造管溶接も検討されている。
【0005】近年開発が進められている新溶接法として
は、レーザ溶接製管法がある。一般的な小径管を対象と
した方法では、鋼種は異なるが、特開昭63−2786
88号公報ではオーステナイト系ステンレス鋼、同63
−278689号公報ではフェライト系ステンレス鋼、
および同63−278690号公報では含Mo合金を素
材鋼に用いた場合、レーザ溶接製管後、溶接シーム部に
対して後熱処理を施せば溶接金属の機械的性質が回復し
良好な性能が得られるとしている。
は、レーザ溶接製管法がある。一般的な小径管を対象と
した方法では、鋼種は異なるが、特開昭63−2786
88号公報ではオーステナイト系ステンレス鋼、同63
−278689号公報ではフェライト系ステンレス鋼、
および同63−278690号公報では含Mo合金を素
材鋼に用いた場合、レーザ溶接製管後、溶接シーム部に
対して後熱処理を施せば溶接金属の機械的性質が回復し
良好な性能が得られるとしている。
【0006】また、近年、大出力のレーザ熱源を用いた
突き合わせ造管溶接法も開発されており、特開平9−1
64425号公報には、突き合わせレーザ溶接製管を行
い、その後溶接部近傍に適正な後熱処理を施せば良好な
耐食性が確保されるとしている。
突き合わせ造管溶接法も開発されており、特開平9−1
64425号公報には、突き合わせレーザ溶接製管を行
い、その後溶接部近傍に適正な後熱処理を施せば良好な
耐食性が確保されるとしている。
【0007】一方で、継目無管よりもさらに大径の管の
需要も高まりつつある。大径管に関しては、圧延された
厚鋼板を素材とし、サブマージド・アーク溶接法(以
下、SAW法という)による造管溶接も検討されつつあ
る。
需要も高まりつつある。大径管に関しては、圧延された
厚鋼板を素材とし、サブマージド・アーク溶接法(以
下、SAW法という)による造管溶接も検討されつつあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】低炭素マルテンサイト
系ステンレス鋼板を素材として用い、これを管状に成形
して造管溶接する際の成形の不良性が重要な問題として
近年明らかとなってきている。すなわち、薄肉鋼板を用
いて無理な成形を行うと、突き合わせ端面に縁波が発生
して良好な突き合わせ溶接ができない。また、肉厚10
mm以上の厚肉鋼板を用いた場合は、成形そのものが非
常に困難で、成形ロールや成形プレス等の設備への機械
的な負担が大きくなる。
系ステンレス鋼板を素材として用い、これを管状に成形
して造管溶接する際の成形の不良性が重要な問題として
近年明らかとなってきている。すなわち、薄肉鋼板を用
いて無理な成形を行うと、突き合わせ端面に縁波が発生
して良好な突き合わせ溶接ができない。また、肉厚10
mm以上の厚肉鋼板を用いた場合は、成形そのものが非
常に困難で、成形ロールや成形プレス等の設備への機械
的な負担が大きくなる。
【0009】これらの問題は、耐食性の確保や組織制御
を目的にして添加されるCr、Ni、Mo等の合金元素
がマルテンサイト組織中で固溶強化を引き起こすのが原
因の一つと考えられる。この合金元素による固溶強化
は、成形性の低下のみならず、強度ばらつきの一因とな
っているとも推定される。
を目的にして添加されるCr、Ni、Mo等の合金元素
がマルテンサイト組織中で固溶強化を引き起こすのが原
因の一つと考えられる。この合金元素による固溶強化
は、成形性の低下のみならず、強度ばらつきの一因とな
っているとも推定される。
【0010】通常、ラインパイプとして要求される強度
は、降伏強度YSが80〜95ksi級(551〜65
4MPa)のものが主流であるが、現状では熱処理時に
強度がばらつき、前記の強度範囲を外れてしまうことが
多い。また、強度が高いと靭性等の機械的性質が低下す
る場合も多い。
は、降伏強度YSが80〜95ksi級(551〜65
4MPa)のものが主流であるが、現状では熱処理時に
強度がばらつき、前記の強度範囲を外れてしまうことが
多い。また、強度が高いと靭性等の機械的性質が低下す
る場合も多い。
【0011】本発明の目的は、溶接管用の素材として用
いて好適な成形性と耐食性に優れた低炭素マルテンサイ
ト系ステンレス鋼板とその製造方法および溶接鋼管を提
供することにある。
いて好適な成形性と耐食性に優れた低炭素マルテンサイ
ト系ステンレス鋼板とその製造方法および溶接鋼管を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)〜(3)の成形性と耐食性ならびに靭性に優れた
低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板、下記(4)の
その製造方法および下記(5)の溶接鋼管にある。
(1)〜(3)の成形性と耐食性ならびに靭性に優れた
低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板、下記(4)の
その製造方法および下記(5)の溶接鋼管にある。
【0013】(1)重量%で、C:0.02%以下、S
i:0〜1.0%、Mn:0〜3.0%、P:0.04
0%以下、S:0.010%以下、Cr:9.0〜1
3.0%、Ni:1.0〜4.0%、Mo:0〜1.2
%、Al:0〜0.10%、Ti:0〜0.10%、C
u:0〜1.2%、Nb:0〜0.10%、V:0.1
0%以下、N:0.020%以下、残部は実質的にFe
からなり、Cr、NiおよびMo量の合計含有量が下記
の式または式を満たす成形性と耐食性ならびに靭性
に優れた低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板。
i:0〜1.0%、Mn:0〜3.0%、P:0.04
0%以下、S:0.010%以下、Cr:9.0〜1
3.0%、Ni:1.0〜4.0%、Mo:0〜1.2
%、Al:0〜0.10%、Ti:0〜0.10%、C
u:0〜1.2%、Nb:0〜0.10%、V:0.1
0%以下、N:0.020%以下、残部は実質的にFe
からなり、Cr、NiおよびMo量の合計含有量が下記
の式または式を満たす成形性と耐食性ならびに靭性
に優れた低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板。
【0014】 t≦10の時 Cr+Ni+Mo≦16 ・・・・・・・・・・・・・ t>10の時 Cr+Ni+Mo≦16−0.1(t−10) ・・・ ここで、tは鋼板の肉厚(mm)とする。
【0015】(2)組織に占めるオーステナイト相の割
合γが、体積%で、下記の式を満たす上記(1)に記
載の成形性と耐食性ならびに靭性に優れた低炭素マルテ
ンサイト系ステンレス鋼板。
合γが、体積%で、下記の式を満たす上記(1)に記
載の成形性と耐食性ならびに靭性に優れた低炭素マルテ
ンサイト系ステンレス鋼板。
【0016】γ≦Cr+Ni+Mo−10 ・・・ ここで、式中のCr、NiおよびMoは、鋼中のそれぞ
れの含有量(重量%)を意味する。
れの含有量(重量%)を意味する。
【0017】(3)降伏応力YSが95ksi以下であ
る上記(1)または(2)に記載の成形性と耐食性なら
びに靭性に優れた低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼
板。
る上記(1)または(2)に記載の成形性と耐食性なら
びに靭性に優れた低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼
板。
【0018】(4)重量%で、C:0.02%以下、S
i:0〜1.0%、Mn:0〜3.0%、P:0.04
0%以下、S:0.010%以下、Cr:9.0〜1
3.0%、Ni:1.0〜4.0%、Mo:0〜1.2
%、Al:0〜0.10%、Ti:0〜0.10%、C
u:0〜1.2%、Nb:0〜0.10%、V:0.1
0%以下、N:0.020%以下、残部は実質的にFe
からなり、Cr、NiおよびMoの合計含有量が下記の
式または式を満たす化学組成を有する肉厚t(m
m)の熱間圧延後の鋼板に、500〜700℃の温度域
に加熱保持する熱処理を施す上記(3)に記載の成形性
と耐食性ならびに靭性に優れた低炭素マルテンサイト系
ステンレス鋼板の製造方法。
i:0〜1.0%、Mn:0〜3.0%、P:0.04
0%以下、S:0.010%以下、Cr:9.0〜1
3.0%、Ni:1.0〜4.0%、Mo:0〜1.2
%、Al:0〜0.10%、Ti:0〜0.10%、C
u:0〜1.2%、Nb:0〜0.10%、V:0.1
0%以下、N:0.020%以下、残部は実質的にFe
からなり、Cr、NiおよびMoの合計含有量が下記の
式または式を満たす化学組成を有する肉厚t(m
m)の熱間圧延後の鋼板に、500〜700℃の温度域
に加熱保持する熱処理を施す上記(3)に記載の成形性
と耐食性ならびに靭性に優れた低炭素マルテンサイト系
ステンレス鋼板の製造方法。
【0019】 t≦10の時 Cr+Ni+Mo≦16 ・・・・・・・・・・・・・ t>10の時 Cr+Ni+Mo≦16−0.1(t−10) ・・・ (5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の鋼板を素
材とする耐食性と靭性に優れた低炭素マルテンサイト系
ステンレス溶接鋼管。
材とする耐食性と靭性に優れた低炭素マルテンサイト系
ステンレス溶接鋼管。
【0020】上記の発明は、次の知見に基づいて完成さ
せた。すなわち、本発明者らは、低炭素マルテンサイト
系ステンレス鋼の成形性に及ぼす要因について鋭意実験
検討を行い、次のことを知見した。
せた。すなわち、本発明者らは、低炭素マルテンサイト
系ステンレス鋼の成形性に及ぼす要因について鋭意実験
検討を行い、次のことを知見した。
【0021】まず、通常用いられる低炭素マルテンサイ
ト系ステンレス鋼よりも、Cr、Ni、Mo等の合金元
素を板厚に応じて所定の関係を保ちつつ低減した化学組
成とすれば、成形性の改善に極めて有効である。
ト系ステンレス鋼よりも、Cr、Ni、Mo等の合金元
素を板厚に応じて所定の関係を保ちつつ低減した化学組
成とすれば、成形性の改善に極めて有効である。
【0022】ただし、Cr、Ni、Moは耐食性に寄与
する元素であり、これらの元素を低減しすぎてオーステ
ナイト相が過剰に析出すると耐食性が低下する。しか
し、この耐食性の低下は、組織に占めるオーステナイト
相の割合を、Cr、Ni、Mo量に応じて所定値以下に
抑制すれば回避できる。
する元素であり、これらの元素を低減しすぎてオーステ
ナイト相が過剰に析出すると耐食性が低下する。しか
し、この耐食性の低下は、組織に占めるオーステナイト
相の割合を、Cr、Ni、Mo量に応じて所定値以下に
抑制すれば回避できる。
【0023】また、熱間圧延ままの鋼板は、圧延条件に
よっては高強度となりすぎて成形性が低下する場合があ
るが、熱間圧延後に所定の温度範囲で熱処理し、その降
伏強度YSを95ksi以下に調整すれば、良好な成形
性が安定して確保される。
よっては高強度となりすぎて成形性が低下する場合があ
るが、熱間圧延後に所定の温度範囲で熱処理し、その降
伏強度YSを95ksi以下に調整すれば、良好な成形
性が安定して確保される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各要件について詳
しく説明する。なお、以下において、「%」は特に断ら
ない限り、「重量%」を意味する。
しく説明する。なお、以下において、「%」は特に断ら
ない限り、「重量%」を意味する。
【0025】《化学組成》 C:0.02%以下 C含有量が0.02%を超えると、母材や溶接時に焼入
れ硬化した熱影響部(以下、HAZという)において靭
性が低下することがある。このため、C含有量は0.0
2%以下とした。なお、C含有量は低ければ低いほど望
ましいが、過度の低減は素材のコスト上昇を招くので、
経済性の観点からは0.002%以上とするのがよい。
れ硬化した熱影響部(以下、HAZという)において靭
性が低下することがある。このため、C含有量は0.0
2%以下とした。なお、C含有量は低ければ低いほど望
ましいが、過度の低減は素材のコスト上昇を招くので、
経済性の観点からは0.002%以上とするのがよい。
【0026】Si:0〜1.0% Siは添加しなくてもよいが、Al等他の脱酸剤を用い
ない場合には、鋼の脱酸用に0.05%以上含有させる
のがよい。しかし、1.0%を超えて含有させると、結
晶粒界の強度を弱め、靭性を低下させる。このため、添
加する場合のSi含有量は0.05〜1.0%とするの
がよい。
ない場合には、鋼の脱酸用に0.05%以上含有させる
のがよい。しかし、1.0%を超えて含有させると、結
晶粒界の強度を弱め、靭性を低下させる。このため、添
加する場合のSi含有量は0.05〜1.0%とするの
がよい。
【0027】Mn:0〜3.0% Mnは添加しなくてもよいが、添加すれば鋼の熱間加工
性が向上するほか、フェライト相の析出を抑制してマル
テンサイト相の割合を高める効果がある。これらの効果
は、0.05%以上で顕著になる。しかし3.0%を超
えて含有させると、結晶粒界の強度を弱め靭性を低下さ
せる。このため、添加する場合のMn含有量は0.05
〜3.0%とするのがよい。
性が向上するほか、フェライト相の析出を抑制してマル
テンサイト相の割合を高める効果がある。これらの効果
は、0.05%以上で顕著になる。しかし3.0%を超
えて含有させると、結晶粒界の強度を弱め靭性を低下さ
せる。このため、添加する場合のMn含有量は0.05
〜3.0%とするのがよい。
【0028】P:0.040%以下 Pは不純物として鋼中に不可避的に存在し、粒界に偏析
して靭性を劣化させる。特に、その含有量が0.040
%を超えると、靭性の低下が著しくなる。このため、不
純物として混入するとしてもその含有量は0.040%
以下にする必要がある。なお、Pの含有量は靭性を高め
る観点からはできるだけ低くするのが望ましく、低けれ
ば低いほどよい。
して靭性を劣化させる。特に、その含有量が0.040
%を超えると、靭性の低下が著しくなる。このため、不
純物として混入するとしてもその含有量は0.040%
以下にする必要がある。なお、Pの含有量は靭性を高め
る観点からはできるだけ低くするのが望ましく、低けれ
ば低いほどよい。
【0029】S:0.010%以下 Sは上記のPと同様に不純物として鋼中に不可避的に存
在し、粒界に偏析することにより靭性を低下させる。特
に、その含有量が0.010%を超えると靭性の低下が
著しくなる。したがって、不純物として混入するとして
もその含有量は0.010%以下にする必要がある。な
お、Sの含有量は靭性を高めるため観点からはできるだ
け低くするのが望ましく、低ければ低いほどよい。
在し、粒界に偏析することにより靭性を低下させる。特
に、その含有量が0.010%を超えると靭性の低下が
著しくなる。したがって、不純物として混入するとして
もその含有量は0.010%以下にする必要がある。な
お、Sの含有量は靭性を高めるため観点からはできるだ
け低くするのが望ましく、低ければ低いほどよい。
【0030】Cr:9.0〜13.0% Crは湿潤炭酸ガス環境における耐食性を高める元素で
ある。この効果を得るためには9.0%以上必要であ
る。一方、13.0%を超えると素材のコスト上昇を招
いて経済性が損なわれる。また、鋼の固溶強化を招いて
成形性を低下させる。このため、Cr含有量は9.0〜
13.0%とした。
ある。この効果を得るためには9.0%以上必要であ
る。一方、13.0%を超えると素材のコスト上昇を招
いて経済性が損なわれる。また、鋼の固溶強化を招いて
成形性を低下させる。このため、Cr含有量は9.0〜
13.0%とした。
【0031】Ni:1.0〜4.0% Niは上記のMnと同様にフェライト相の析出を抑制し
てマルテンサイト相率を高めるほか、靭性の改善に効果
がある。この効果を得るためには1.0%以上が必要で
ある。しかし、4.0%を超えて含有させると、固溶強
化により成形性を低下させるほか経済性の観点からも望
ましくない。このため、Ni含有量は1.0〜4.0%
とした。
てマルテンサイト相率を高めるほか、靭性の改善に効果
がある。この効果を得るためには1.0%以上が必要で
ある。しかし、4.0%を超えて含有させると、固溶強
化により成形性を低下させるほか経済性の観点からも望
ましくない。このため、Ni含有量は1.0〜4.0%
とした。
【0032】Mo:0〜1.2% Moは添加しなくてもよいが、添加すれば耐孔食性を高
める効果があり、その効果は0.2%以上で顕著にな
る。しかし、1.2%を超えて含有させると素材のコス
ト上昇を招いて経済性が損なわれるほか、成形性が低下
する。このため、添加する場合のMo含有量は0.2〜
1.2%とするのがよい。
める効果があり、その効果は0.2%以上で顕著にな
る。しかし、1.2%を超えて含有させると素材のコス
ト上昇を招いて経済性が損なわれるほか、成形性が低下
する。このため、添加する場合のMo含有量は0.2〜
1.2%とするのがよい。
【0033】Al:0〜0.10% Alは添加しなくてもよいが、添加すれば鋼の脱酸に有
効であり、その効果は0.02%以上で顕著になる。し
かし、0.10%を超えて含有させると粗大なアルミナ
系介在物が多くなって靭性が低下する。したがって、添
加する場合のAl含有量は0.02〜0.10%とする
のがよい。なお、本明細書でいうAlとは所謂「so
l.Al(酸可溶Al)」のことである。
効であり、その効果は0.02%以上で顕著になる。し
かし、0.10%を超えて含有させると粗大なアルミナ
系介在物が多くなって靭性が低下する。したがって、添
加する場合のAl含有量は0.02〜0.10%とする
のがよい。なお、本明細書でいうAlとは所謂「so
l.Al(酸可溶Al)」のことである。
【0034】Ti:0〜0.10% Tiは添加しなくてもよいが、添加すれば鋼中の不純物
であるNをTiNとして固定する効果がある。また、N
の固定に必要な量よりも過剰なTiは、炭化物となって
Cをトラップし、周溶接部のHAZにおける硬化を抑制
する。これらの効果は0.01%以上で顕著になる。し
かし、0.10%を超えて含有させると靭性が著しく低
下する。したがって、添加する場合のTi含有量は0.
01〜0.10%とするのがよい。
であるNをTiNとして固定する効果がある。また、N
の固定に必要な量よりも過剰なTiは、炭化物となって
Cをトラップし、周溶接部のHAZにおける硬化を抑制
する。これらの効果は0.01%以上で顕著になる。し
かし、0.10%を超えて含有させると靭性が著しく低
下する。したがって、添加する場合のTi含有量は0.
01〜0.10%とするのがよい。
【0035】Cu:0〜1.2% Cuは添加しなくてもよいが、添加すれば上記のMoと
同様に耐孔食性を高める効果があり、その効果は0.2
%以上で顕著になる。しかし、1.2%を超えて含有さ
せると固溶強化を起こして成形性が低下するだけでな
く、その耐食性の向上効果は飽和する。このため、添加
する場合のCu含有量は0.2〜1.2%とするのがよ
い。
同様に耐孔食性を高める効果があり、その効果は0.2
%以上で顕著になる。しかし、1.2%を超えて含有さ
せると固溶強化を起こして成形性が低下するだけでな
く、その耐食性の向上効果は飽和する。このため、添加
する場合のCu含有量は0.2〜1.2%とするのがよ
い。
【0036】Nb:0〜0.10% Nbは添加しなくてもよいが、添加すれば微細なNb炭
化物が析出し、旧オーステナイト粒径を微細化して靭性
を向上させる。その効果は0.01%以上で顕著にな
る。しかし、0.10%を超えて含有させると微細なN
b炭化物が過剰に析出し、かえって靭性が低下する。こ
のため、添加する場合のNb含有量は0.01〜0.1
0%とするのがよい。
化物が析出し、旧オーステナイト粒径を微細化して靭性
を向上させる。その効果は0.01%以上で顕著にな
る。しかし、0.10%を超えて含有させると微細なN
b炭化物が過剰に析出し、かえって靭性が低下する。こ
のため、添加する場合のNb含有量は0.01〜0.1
0%とするのがよい。
【0037】V:0.10%以下 VはCr鉱石等のCr源から混入する不可避不純物であ
り、その含有量が0.10%を超えると微細なV炭化物
が析出し、靭性が低下することがある。このため、V含
有量は0.10%以下とした。好ましい上限は0.05
%である。
り、その含有量が0.10%を超えると微細なV炭化物
が析出し、靭性が低下することがある。このため、V含
有量は0.10%以下とした。好ましい上限は0.05
%である。
【0038】N:0.020%以下 Nは上記のP、Sと同様に不純物として鋼中に不可避的
に存在し、その含有量が0.020%を超えると粒界強
度を弱め靭性が低下する。このため、N含有量は0.0
20%以下とした。好ましい上限は0.010%であ
る。
に存在し、その含有量が0.020%を超えると粒界強
度を弱め靭性が低下する。このため、N含有量は0.0
20%以下とした。好ましい上限は0.010%であ
る。
【0039】上記の化学組成を有する鋼板の成形性は、
前述したように、鋼中のCr、Ni、Moの含有量に大
きく左右される。また、鋼板の肉厚t(mm)が大きく
なると成形性が低下する。したがって、肉厚tに応じて
これらの元素の含有量を低減する必要がある。所望の成
形性を確保するためには、鋼中のCr、NiおよびMo
の合計含有量(重量%)を、下記の式または式を満
たす量にする必要がある。
前述したように、鋼中のCr、Ni、Moの含有量に大
きく左右される。また、鋼板の肉厚t(mm)が大きく
なると成形性が低下する。したがって、肉厚tに応じて
これらの元素の含有量を低減する必要がある。所望の成
形性を確保するためには、鋼中のCr、NiおよびMo
の合計含有量(重量%)を、下記の式または式を満
たす量にする必要がある。
【0040】 t≦10の時 Cr+Ni+Mo≦16 ・・・・・・・・・・・・・ t>10の時 Cr+Ni+Mo≦16−0.1(t−10) ・・・ Cr、NiおよびMoの合計含有量が上記の式または
式を満たさない場合には、所望の成形性が確保でき
ず、溶接製管の際に良好な管状成形ができなくなる。具
体的には、薄肉材(t≦10)の場合には、成形時に熱
延鋼板の突き合わせ部に縁波が生じ、正常な突き合わせ
溶接ができない。また、厚肉材(t>10)の場合に
は、一般に使用されている成形装置では成形自体が困難
となり、正常な造管溶接ができない。
式を満たさない場合には、所望の成形性が確保でき
ず、溶接製管の際に良好な管状成形ができなくなる。具
体的には、薄肉材(t≦10)の場合には、成形時に熱
延鋼板の突き合わせ部に縁波が生じ、正常な突き合わせ
溶接ができない。また、厚肉材(t>10)の場合に
は、一般に使用されている成形装置では成形自体が困難
となり、正常な造管溶接ができない。
【0041】《金属組織》オーステナイト相中では、C
rやMo等の耐食性に有効な元素の濃度が低い。そのた
め、本発明のようにCr、Ni、Moを低減した鋼で
は、耐食性を確保するめに、組織に占めるオーステナイ
ト相の割合γを低減するのが望ましい。このオーステナ
イト相の割合γ(体積%)の上限値は、Cr、Ni、M
oの合計含有量に依存し、下記の式を満たす量である
ことが望ましい。
rやMo等の耐食性に有効な元素の濃度が低い。そのた
め、本発明のようにCr、Ni、Moを低減した鋼で
は、耐食性を確保するめに、組織に占めるオーステナイ
ト相の割合γを低減するのが望ましい。このオーステナ
イト相の割合γ(体積%)の上限値は、Cr、Ni、M
oの合計含有量に依存し、下記の式を満たす量である
ことが望ましい。
【0042】 γ≦Cr+Ni+Mo−10 ・・・・・ 組織に占めるオーステナイト相の割合γが上記の式を
満たさない場合には、試験条件によっては湿潤炭酸ガス
中または微量の硫化水素を含む炭酸ガス中での耐食性が
低下することがある。
満たさない場合には、試験条件によっては湿潤炭酸ガス
中または微量の硫化水素を含む炭酸ガス中での耐食性が
低下することがある。
【0043】ここで、オーステナイト相の割合γ(体積
%)とは、下記の方法によって求められる量である。
%)とは、下記の方法によって求められる量である。
【0044】線源がCo−KαのX線回折法により、鋼
板の断面でマルテンサイト相の{211}回折線とオー
ステナイト相の{220}回折線の強度比を測定し、3
断面の測定値を平均してオーステナイト相の体積割合を
求める。
板の断面でマルテンサイト相の{211}回折線とオー
ステナイト相の{220}回折線の強度比を測定し、3
断面の測定値を平均してオーステナイト相の体積割合を
求める。
【0045】ただし、マルテンサイト相とオーステナイ
ト相では、回折線の強度が異なり、装置ごとの特性によ
る誤差があるため、所定の相比に混合された市販の標準
試料(理学電機工業(株)製)を用いて強度補正を行
う。
ト相では、回折線の強度が異なり、装置ごとの特性によ
る誤差があるため、所定の相比に混合された市販の標準
試料(理学電機工業(株)製)を用いて強度補正を行
う。
【0046】《熱処理》熱延や厚板圧延等の熱間圧延し
たままの鋼板は、強度が高すぎて所望の成形性が確保で
きない場合がある。このため、熱間圧延後の鋼板に、5
00℃〜700℃の温度範囲に5分以上保持する熱処理
を施すのが好ましい。この場合、ラインパイプとして必
要な強度、すなわち降伏強度YSが95ksi(654
MPa)以下、具体的には80〜95ksi(551〜
654MPa)の降伏強度YSを安定して確保すること
ができる。
たままの鋼板は、強度が高すぎて所望の成形性が確保で
きない場合がある。このため、熱間圧延後の鋼板に、5
00℃〜700℃の温度範囲に5分以上保持する熱処理
を施すのが好ましい。この場合、ラインパイプとして必
要な強度、すなわち降伏強度YSが95ksi(654
MPa)以下、具体的には80〜95ksi(551〜
654MPa)の降伏強度YSを安定して確保すること
ができる。
【0047】ここで、熱処理温度が500℃未満では、
熱処理の効果が十分でなく、80ksi級の強度が得ら
れないことがある。一方、熱処理温度が700℃を超え
ると、二相域加熱による再焼入れが起こり、かえって強
度が上昇することがある。このため、熱間圧延後に熱処
理を施す場合の熱処理温度を500℃〜700℃とし
た。
熱処理の効果が十分でなく、80ksi級の強度が得ら
れないことがある。一方、熱処理温度が700℃を超え
ると、二相域加熱による再焼入れが起こり、かえって強
度が上昇することがある。このため、熱間圧延後に熱処
理を施す場合の熱処理温度を500℃〜700℃とし
た。
【0048】また、熱処理温度は上記の温度範囲であれ
ば、特に一定の温度に保持する必要はなく、連続的また
は段階的に変化させてもかまわない。保持時間について
は特に制限しない。しかし、鋼板全体を均一に加熱する
観点からは、5分以上保持するのが望ましい。
ば、特に一定の温度に保持する必要はなく、連続的また
は段階的に変化させてもかまわない。保持時間について
は特に制限しない。しかし、鋼板全体を均一に加熱する
観点からは、5分以上保持するのが望ましい。
【0049】熱処理後の冷却方法についても特に制限は
なく、水冷、油冷、放冷等、設備に適合した冷却方法を
採用すればよい。ただし、強度制御とコストの観点から
は、炉冷または放冷とするのがより好ましい。
なく、水冷、油冷、放冷等、設備に適合した冷却方法を
採用すればよい。ただし、強度制御とコストの観点から
は、炉冷または放冷とするのがより好ましい。
【0050】また、熱処理は、熱間圧延後、鋼板の温度
が一旦室温になってから再加熱する方法で施してもよい
し、熱間圧延後連続的に補熱する形で施してもよい。ま
た、炭化物や金属間化合物を固溶させる目的で、900
℃以上の温度に加熱保持後水冷する溶体化熱処理を施
し、次いで上記の熱処理を施す、いわゆる焼入れ焼戻し
処理であってもよい。さらに、900℃以上の温度に加
熱保持後、炉冷等の方法で徐冷して最終的に上記の温度
範囲に再加熱して所定の時間保持する焼きならし処理と
してもよい。すなわち、95ksi以下の降伏強度YS
を安定して確保するための上記条件の熱処理は、最終熱
処理として施せばよく、それ以前に如何なる熱処理を施
しても何ら差し支えない。
が一旦室温になってから再加熱する方法で施してもよい
し、熱間圧延後連続的に補熱する形で施してもよい。ま
た、炭化物や金属間化合物を固溶させる目的で、900
℃以上の温度に加熱保持後水冷する溶体化熱処理を施
し、次いで上記の熱処理を施す、いわゆる焼入れ焼戻し
処理であってもよい。さらに、900℃以上の温度に加
熱保持後、炉冷等の方法で徐冷して最終的に上記の温度
範囲に再加熱して所定の時間保持する焼きならし処理と
してもよい。すなわち、95ksi以下の降伏強度YS
を安定して確保するための上記条件の熱処理は、最終熱
処理として施せばよく、それ以前に如何なる熱処理を施
しても何ら差し支えない。
【0051】素材には、通常の分塊圧延および熱間圧延
により製造された熱延鋼板または厚鋼板を用いればよ
い。熱間圧延方法については、通常の加熱温度、例えば
1100〜1250℃の範囲に加熱した後、通常の方法
で圧延して仕上げればよい。
により製造された熱延鋼板または厚鋼板を用いればよ
い。熱間圧延方法については、通常の加熱温度、例えば
1100〜1250℃の範囲に加熱した後、通常の方法
で圧延して仕上げればよい。
【0052】《溶接鋼管》上記のようにして得られた鋼
板(熱延鋼板または厚鋼板)は、目標の鋼管外周長とほ
ぼ同じ幅に切断して管状に成形し、その突き合わせた部
分を常法に従って溶接して溶接鋼管とする。溶接方法に
ついても特に制限はなく、溶接部の性能が保証される溶
接方法であればいかなる方法でもよい。薄肉管であれ
ば、GTAW法やGMAW法、PAW方等のアーク溶接
法を用いてもよいし、製管コスト低減の観点からERW
法を用いてもよい。また、溶接部の品質確保の観点か
ら、電子ビーム溶接法やレーザ溶接法を用いてもよい。
板(熱延鋼板または厚鋼板)は、目標の鋼管外周長とほ
ぼ同じ幅に切断して管状に成形し、その突き合わせた部
分を常法に従って溶接して溶接鋼管とする。溶接方法に
ついても特に制限はなく、溶接部の性能が保証される溶
接方法であればいかなる方法でもよい。薄肉管であれ
ば、GTAW法やGMAW法、PAW方等のアーク溶接
法を用いてもよいし、製管コスト低減の観点からERW
法を用いてもよい。また、溶接部の品質確保の観点か
ら、電子ビーム溶接法やレーザ溶接法を用いてもよい。
【0053】薄肉管の造管溶接には、熱延鋼板を成形ロ
ール群等の加工装置にてオープンパイプ状に成形し、帯
鋼両エッヂ相互をスクイズロール等の手段で突き合わ
せ、この突き合わせ部を接合して造管溶接する手法を採
ればよい。製管速度向上のため、ERW法で用いられて
いる局部加熱可能な管状の誘導加熱コイルあるいはコン
タクトチップを用いた高周波加熱手段により予熱してか
ら造管溶接を行ってもよい。また、溶接製管後に高周波
加熱手段を用いて溶接部の組織回復を目的とした局部熱
処理を施してもよい。
ール群等の加工装置にてオープンパイプ状に成形し、帯
鋼両エッヂ相互をスクイズロール等の手段で突き合わ
せ、この突き合わせ部を接合して造管溶接する手法を採
ればよい。製管速度向上のため、ERW法で用いられて
いる局部加熱可能な管状の誘導加熱コイルあるいはコン
タクトチップを用いた高周波加熱手段により予熱してか
ら造管溶接を行ってもよい。また、溶接製管後に高周波
加熱手段を用いて溶接部の組織回復を目的とした局部熱
処理を施してもよい。
【0054】厚肉鋼管の製造には、SAWによる製管を
行ってもよい。厚鋼板を通常のCプレス、Uプレスおよ
びOプレスにより段階的に管状に成形し、突き合わせ部
をSAWにより溶接製管した後、溶接ままで製品とする
等の手法を用いればよい。溶接条件や溶接金属の成分
は、所望の性能が得られる手法であればよく、特に限定
はされない。
行ってもよい。厚鋼板を通常のCプレス、Uプレスおよ
びOプレスにより段階的に管状に成形し、突き合わせ部
をSAWにより溶接製管した後、溶接ままで製品とする
等の手法を用いればよい。溶接条件や溶接金属の成分
は、所望の性能が得られる手法であればよく、特に限定
はされない。
【0055】
【実施例】表1と表2に示す化学組成を有する28種類
の素材鋼を準備した。
の素材鋼を準備した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】これらの素材鋼は、1250℃に加熱後、
熱間圧延または厚板圧延により表3と表4に示す肉厚t
(5.5、12.0および24.0mm)の鋼板に仕上
げた後、表3と表4に示す条件の熱処理を施して溶接製
管用の素材鋼板とした。
熱間圧延または厚板圧延により表3と表4に示す肉厚t
(5.5、12.0および24.0mm)の鋼板に仕上
げた後、表3と表4に示す条件の熱処理を施して溶接製
管用の素材鋼板とした。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】得られた素材鋼板は、組織に占めるオース
テナイト相の割合γ(体積%)を前述した方法によって
調べた後、肉厚5.5mmの鋼板についてはレーザ溶接
法、肉厚12.0mmと24.0mmの鋼板については
SAW法によって表3と表4に示す寸法の溶接鋼管に仕
上げた。その際、レーザ溶接法では溶加材を用いず、S
AW法では22Cr系または25Cr系の二相ステンレ
ス鋼を溶加材として用いて造管溶接を行った。
テナイト相の割合γ(体積%)を前述した方法によって
調べた後、肉厚5.5mmの鋼板についてはレーザ溶接
法、肉厚12.0mmと24.0mmの鋼板については
SAW法によって表3と表4に示す寸法の溶接鋼管に仕
上げた。その際、レーザ溶接法では溶加材を用いず、S
AW法では22Cr系または25Cr系の二相ステンレ
ス鋼を溶加材として用いて造管溶接を行った。
【0062】造管溶接時の成形性の良否は、縁波の発生
の有無や、未溶着部のない正常な突き合わせ溶接ができ
たか否かにより判定し、何らの問題もなく造管溶接がで
きたものを成形性が良好「○」、縁波が発生したり、未
溶着部が発生したものを成形性が不芳「×」として評価
した。
の有無や、未溶着部のない正常な突き合わせ溶接ができ
たか否かにより判定し、何らの問題もなく造管溶接がで
きたものを成形性が良好「○」、縁波が発生したり、未
溶着部が発生したものを成形性が不芳「×」として評価
した。
【0063】靭性は、造管溶接後の各溶接鋼管から、長
さ方向が溶接鋼管の周方向で、幅が10mm、長さが5
5mmの長さ方向の中央部に2mmVノッチを形成させ
た衝撃試験片を採取し、試験温度−20℃のシャルピー
衝撃試験に供して調べた。
さ方向が溶接鋼管の周方向で、幅が10mm、長さが5
5mmの長さ方向の中央部に2mmVノッチを形成させ
た衝撃試験片を採取し、試験温度−20℃のシャルピー
衝撃試験に供して調べた。
【0064】なお、試験片の厚さは、肉厚5.5mmの
レーザ溶接鋼管については5mm、肉厚12mmと24
mmのSAW溶接鋼管については10mmとした。ま
た、2mmVノッチは、レーザ溶接鋼管については溶接
金属の中央部、SAW溶接鋼管については溶接金属と母
材の境界部にそれぞれ形成させた。
レーザ溶接鋼管については5mm、肉厚12mmと24
mmのSAW溶接鋼管については10mmとした。ま
た、2mmVノッチは、レーザ溶接鋼管については溶接
金属の中央部、SAW溶接鋼管については溶接金属と母
材の境界部にそれぞれ形成させた。
【0065】靭性の評価は、吸収エネルギーが50J/
cm2 以上のものを靭性が良好「○」、50J/cm2
未満のものを靭性が不芳「×」とした。
cm2 以上のものを靭性が良好「○」、50J/cm2
未満のものを靭性が不芳「×」とした。
【0066】耐食性は、造管溶接後の各溶接鋼管から、
長さ方向が溶接鋼管の周方向で、長さ方向の中央部に溶
接部が位置する、厚さ2mm、幅20mm、長さ30m
mの試験片を採取し、試験片を下記2条件の試験溶液中
に720時間浸漬するオートクレーブ試験に供して調べ
た。
長さ方向が溶接鋼管の周方向で、長さ方向の中央部に溶
接部が位置する、厚さ2mm、幅20mm、長さ30m
mの試験片を採取し、試験片を下記2条件の試験溶液中
に720時間浸漬するオートクレーブ試験に供して調べ
た。
【0067】腐食試験条件: 条件a:5%食塩水に、常温で10atmの炭酸ガスを
飽和させ、30分経過後100℃に昇温。 条件b:25%食塩水に、常温で30atmの炭酸ガス
を飽和させ、30分経過後150℃に昇温。
飽和させ、30分経過後100℃に昇温。 条件b:25%食塩水に、常温で30atmの炭酸ガス
を飽和させ、30分経過後150℃に昇温。
【0068】評価は、腐食速度が0.1mm/年以下
で、溶接部と母材部のいずれにも選択腐食や孔食が認め
られなかったものを耐食性が良好「○」、腐食速度が
0.1mm/年を超えるか、または溶接部と母材部のい
ずれかに選択腐食や孔食が認められたものを耐食性が不
芳「×」とした。
で、溶接部と母材部のいずれにも選択腐食や孔食が認め
られなかったものを耐食性が良好「○」、腐食速度が
0.1mm/年を超えるか、または溶接部と母材部のい
ずれかに選択腐食や孔食が認められたものを耐食性が不
芳「×」とした。
【0069】以上の結果を、表3と表4に併せて示し
た。
た。
【0070】表3と表4に示す結果から明らかなよう
に、本発明例の鋼板(試番1〜24)は、いずれも靭性
と成形性が良好で、何らの問題なく造管溶接することが
できた。また、得られた溶接鋼管の耐食性と靭性も良好
であった。ただし、試番21〜24の鋼板で造管溶接し
て得られた溶接鋼管は、組織に占めるオーステナイト相
の割合が、本発明で好ましいとする範囲を外れているた
めに、条件bでの耐食性は不芳であった。
に、本発明例の鋼板(試番1〜24)は、いずれも靭性
と成形性が良好で、何らの問題なく造管溶接することが
できた。また、得られた溶接鋼管の耐食性と靭性も良好
であった。ただし、試番21〜24の鋼板で造管溶接し
て得られた溶接鋼管は、組織に占めるオーステナイト相
の割合が、本発明で好ましいとする範囲を外れているた
めに、条件bでの耐食性は不芳であった。
【0071】これに対し、比較例の鋼板(試番25〜5
2)は、成形性、靭性および耐食性のいずれか一つ以上
が不芳であった。具体的に説明すると、以下の通りであ
る。試番25〜32は、鋼のCrとNiとMoの合計含
有量がいずれも本発明で規程する上限値を超えているた
めに、成形性が不芳であった。試番33〜36は、鋼の
化学組成は本発明で規程する範囲内であるが、いずれも
熱間圧延後の熱処理温度が本発明で規定する範囲から外
れており、降伏強度YSが104〜109ksiと高か
ったために、成形性が不芳であった。
2)は、成形性、靭性および耐食性のいずれか一つ以上
が不芳であった。具体的に説明すると、以下の通りであ
る。試番25〜32は、鋼のCrとNiとMoの合計含
有量がいずれも本発明で規程する上限値を超えているた
めに、成形性が不芳であった。試番33〜36は、鋼の
化学組成は本発明で規程する範囲内であるが、いずれも
熱間圧延後の熱処理温度が本発明で規定する範囲から外
れており、降伏強度YSが104〜109ksiと高か
ったために、成形性が不芳であった。
【0072】また、試番37〜41、45〜47および
50〜52は、C、Si、Mn、P、S、Al、Ti、
Ni、Nb、Nのうちのいずれかの含有量が本発明で規
程する上限値または下限値を外れているために、靭性が
不芳であった。試番42は、Crの含有量が本発明で規
程する下限値を外れているために、耐食性が不芳であっ
た。試番43、44、48および49は、Cr、Mo、
Ni、Cuのうちのいずれかの含有量が本発明で規程す
る上限値を外れているために、成形性が不芳であった。
50〜52は、C、Si、Mn、P、S、Al、Ti、
Ni、Nb、Nのうちのいずれかの含有量が本発明で規
程する上限値または下限値を外れているために、靭性が
不芳であった。試番42は、Crの含有量が本発明で規
程する下限値を外れているために、耐食性が不芳であっ
た。試番43、44、48および49は、Cr、Mo、
Ni、Cuのうちのいずれかの含有量が本発明で規程す
る上限値を外れているために、成形性が不芳であった。
【0073】
【発明の効果】本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼
板は、成形性と耐食性ならびに靭性に優れるので、これ
を用いて溶接製管をする場合には、溶接部品質が良好
で、しかも耐食性と靭性に優れた溶接鋼管を高歩留まり
で製造できる。また、既存の溶接管設備では成形装置が
破損する等の理由から製造できなかった厚肉の溶接鋼管
の製造も可能である。さらに、鋼板の製造方法は、熱間
圧延後の鋼板に所定の熱処理を施すだけなので、安価に
製造することができる。
板は、成形性と耐食性ならびに靭性に優れるので、これ
を用いて溶接製管をする場合には、溶接部品質が良好
で、しかも耐食性と靭性に優れた溶接鋼管を高歩留まり
で製造できる。また、既存の溶接管設備では成形装置が
破損する等の理由から製造できなかった厚肉の溶接鋼管
の製造も可能である。さらに、鋼板の製造方法は、熱間
圧延後の鋼板に所定の熱処理を施すだけなので、安価に
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K032 AA01 AA04 AA12 AA13 AA14 AA15 AA16 AA17 AA19 AA20 AA21 AA22 AA24 AA27 AA29 AA31 AA32 AA35 AA36 CF01 CF02
Claims (5)
- 【請求項1】重量%で、C:0.02%以下、Si:0
〜1.0%、Mn:0〜3.0%、P:0.040%以
下、S:0.010%以下、Cr:9.0〜13.0
%、Ni:1.0〜4.0%、Mo:0〜1.2%、A
l:0〜0.10%、Ti:0〜0.10%、Cu:0
〜1.2%、Nb:0〜0.10%、V:0.10%以
下、N:0.020%以下、残部は実質的にFeからな
り、Cr、NiおよびMoの合計含有量が下記の式ま
たは式を満たすことを特徴とする成形性と耐食性なら
びに靭性に優れた低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼
板。 t≦10の時 Cr+Ni+Mo≦16 ・・・・・・・・・・・・・ t>10の時 Cr+Ni+Mo≦16−0.1(t−10) ・・・ ここで、tは鋼板の肉厚(mm)とする。 - 【請求項2】組織に占めるオーステナイト相の割合γ
が、体積%で、下記の式を満たすことを特徴とする請
求項1に記載の成形性と耐食性ならびに靭性に優れた低
炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板。 γ≦Cr+Ni+Mo−10 ・・・ ここで、式中のCr、NiおよびMoは、鋼中のそれぞ
れの含有量(重量%)を意味する。 - 【請求項3】降伏応力YSが95ksi以下であること
を特徴とする請求項1または2に記載の成形性と耐食性
ならびに靭性に優れた低炭素マルテンサイト系ステンレ
ス鋼板。 - 【請求項4】重量%で、C:0.02%以下、Si:0
〜1.0%、Mn:0〜3.0%、P:0.040%以
下、S:0.010%以下、Cr:9.0〜13.0
%、Ni:1.0〜4.0%、Mo:0〜1.2%、A
l:0〜0.10%、Ti:0〜0.10%、Cu:0
〜1.2%、Nb:0〜0.10%、V:0.10%以
下、N:0.020%以下、残部は実質的にFeからな
り、Cr、NiおよびMoの合計含有量が下記の式ま
たは式を満たす化学組成を有する肉厚t(mm)の熱
間圧延後の鋼板に、500〜700℃の温度域に加熱保
持する熱処理を施すことを特徴とする請求項3に記載の
成形性と耐食性ならびに靭性に優れた低炭素マルテンサ
イト系ステンレス鋼板の製造方法。 t≦10の時 Cr+Ni+Mo≦16 ・・・・・・・・・・・・・ t>10の時 Cr+Ni+Mo≦16−0.1(t−10) ・・・ - 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の低炭素マ
ルテンサイト系ステンレス鋼板を素材とすることを特徴
とする耐食性と靭性に優れた低炭素マルテンサイト系ス
テンレス溶接鋼管。
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