JP2000327953A - 保護塗料組成物 - Google Patents
保護塗料組成物Info
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- JP2000327953A JP2000327953A JP14071699A JP14071699A JP2000327953A JP 2000327953 A JP2000327953 A JP 2000327953A JP 14071699 A JP14071699 A JP 14071699A JP 14071699 A JP14071699 A JP 14071699A JP 2000327953 A JP2000327953 A JP 2000327953A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protective coating
- coating composition
- resin dispersion
- acid
- polyurethane resin
- Prior art date
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 弾性、耐磨耗性、耐候性、強靱性を兼ね備
え、組み立て作業中、輸送中に工具、他物品と接触して
いても破れることなく製品を保護できる自動車、鉄道車
両、航空機等やドア、アルミサッシ等の建材などの保護
塗料を提供する。 【解決手段】 ジメチロールブタン酸を開始剤としてこ
れにラクトン類、特にε−カプロラクトンを開環付加重
合させて得られるポリエステルポリオールを含むポリオ
ールと、ポリイソシアネート化合物と、鎖伸長剤と、か
ら得られる水性ポリウレタン樹脂分散液の存在下、α,
β−エチレン性不飽和結合を含む1種又は2種以上の重
合性不飽和単量体を重合させて得られる水性樹脂分散液
からなる保護塗料組成物。
え、組み立て作業中、輸送中に工具、他物品と接触して
いても破れることなく製品を保護できる自動車、鉄道車
両、航空機等やドア、アルミサッシ等の建材などの保護
塗料を提供する。 【解決手段】 ジメチロールブタン酸を開始剤としてこ
れにラクトン類、特にε−カプロラクトンを開環付加重
合させて得られるポリエステルポリオールを含むポリオ
ールと、ポリイソシアネート化合物と、鎖伸長剤と、か
ら得られる水性ポリウレタン樹脂分散液の存在下、α,
β−エチレン性不飽和結合を含む1種又は2種以上の重
合性不飽和単量体を重合させて得られる水性樹脂分散液
からなる保護塗料組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車、鉄道車両、
航空機、建築材料など、特に自動車、建築材料などの保
護塗料に関するものであり、ウレタン樹脂の有する弾性
及び耐磨耗性とアクリル系樹脂の有する耐候性及び強靱
性とを兼ね備えた、いわゆるウレタン樹脂−アクリル系
樹脂エマルジョンを保護塗料に用いるものである。
航空機、建築材料など、特に自動車、建築材料などの保
護塗料に関するものであり、ウレタン樹脂の有する弾性
及び耐磨耗性とアクリル系樹脂の有する耐候性及び強靱
性とを兼ね備えた、いわゆるウレタン樹脂−アクリル系
樹脂エマルジョンを保護塗料に用いるものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、鉄道車両、航空機や、工場など
でつくられる建築材のうち、ドア、アルミサッシなどの
部材は、最終ユーザーに渡されるまでに輸送途中や保管
中に傷がつくことがある。これらの製品は、単価が高
く、あるいは、単価の高いものに使用されるので、ユー
ザーに渡される前に傷が入ると製品の価値が著しく低下
することがある。
でつくられる建築材のうち、ドア、アルミサッシなどの
部材は、最終ユーザーに渡されるまでに輸送途中や保管
中に傷がつくことがある。これらの製品は、単価が高
く、あるいは、単価の高いものに使用されるので、ユー
ザーに渡される前に傷が入ると製品の価値が著しく低下
することがある。
【0003】自動車の場合、擦り傷などのほか酸性雨、
鳥糞、虫糞、砂、埃、鉄粉などの付着による自動車本体
の外観の汚染や損傷を防止するために、出荷前に自動車
本体にパラフィンワックスやアクリルワックスなどの油
性ワックスを塗布して保護することが行われてきてい
る。この油性ワックスは、最終ユーザーへの引き渡しの
前に溶剤洗浄と水洗浄によって自動車本体から除去され
ている。しかし、このような油性ワックスの外観保持機
能は十分なものではなく、汚染または損傷した自動車本
体の補修に多くのコストを要する問題点があった。さら
に、油性ワックスは、自動車のストック中に定期的(約
3ヶ月に1回)に塗布する必要が有り、そのための設備
を含むメンテナンスのコストも問題になっていた。ま
た、生産ラインの組み立て工程において部品や工具の接
触による自動車本体の損傷を防止するため、外傷防止カ
バーが使用されている。この外傷防止カバーは、塗装工
程が終了した後、組立工程投入時に車体に取り付けら
れ、組立工程末端の完成車検査工程で取り外される。し
かし、外傷カバーも組立工程における工数増加となるた
め、さらに低コストな手段で代替することが望まれてい
る。
鳥糞、虫糞、砂、埃、鉄粉などの付着による自動車本体
の外観の汚染や損傷を防止するために、出荷前に自動車
本体にパラフィンワックスやアクリルワックスなどの油
性ワックスを塗布して保護することが行われてきてい
る。この油性ワックスは、最終ユーザーへの引き渡しの
前に溶剤洗浄と水洗浄によって自動車本体から除去され
ている。しかし、このような油性ワックスの外観保持機
能は十分なものではなく、汚染または損傷した自動車本
体の補修に多くのコストを要する問題点があった。さら
に、油性ワックスは、自動車のストック中に定期的(約
3ヶ月に1回)に塗布する必要が有り、そのための設備
を含むメンテナンスのコストも問題になっていた。ま
た、生産ラインの組み立て工程において部品や工具の接
触による自動車本体の損傷を防止するため、外傷防止カ
バーが使用されている。この外傷防止カバーは、塗装工
程が終了した後、組立工程投入時に車体に取り付けら
れ、組立工程末端の完成車検査工程で取り外される。し
かし、外傷カバーも組立工程における工数増加となるた
め、さらに低コストな手段で代替することが望まれてい
る。
【0004】一方、一般建築材料のうちドア、アルミサ
ッシなどの工場で製造される建築材料においては、工場
から建築現場への移動時、さらに、施工作業時に傷が入
る恐れが有るため、シートやフィルム、テープなどで保
護する必要があったがこれらの施工と除去の作業は、作
業効率を低下させていた。
ッシなどの工場で製造される建築材料においては、工場
から建築現場への移動時、さらに、施工作業時に傷が入
る恐れが有るため、シートやフィルム、テープなどで保
護する必要があったがこれらの施工と除去の作業は、作
業効率を低下させていた。
【0005】これらの問題を解決する方法として、特開
平6−254488号公報には、塗装完了後の自動車ボ
ディの外観を組立工程からユーザーへの引き渡しまで継
続的に保護するため、自動車ボディの塗膜表面に物理的
に剥離可能な保護塗料を塗布する方法や物理的に剥離可
能な保護フィルムを貼付する方法が開示されている。前
者の方法に用いられている保護塗料はアクリルエマルジ
ョン樹脂であり、耐候性及び強靱性を有するものの弾性
及び耐磨耗性で劣り、輸送中他の物品と接触していたり
すると磨耗により塗膜が破れ、保護は未だ十分とは言え
ない。また、後者の方法は一度の貼付作業を行うのみ
で、塗装工程終了後からユーザーへの引き渡しまでの長
期間にわたって自動車ボディの外観保護を継続的に達成
することができるが、保護フィルムにポリオレフィンフ
ィルムの一面に粘着剤を塗布したものを用いるので、自
動車をユーザーに引き渡す際に保護フィルムを引き剥が
した後に車体に粘着剤の一部が残り、外観を損ねたり、
厄介な除去作業を必要とする場合があった。
平6−254488号公報には、塗装完了後の自動車ボ
ディの外観を組立工程からユーザーへの引き渡しまで継
続的に保護するため、自動車ボディの塗膜表面に物理的
に剥離可能な保護塗料を塗布する方法や物理的に剥離可
能な保護フィルムを貼付する方法が開示されている。前
者の方法に用いられている保護塗料はアクリルエマルジ
ョン樹脂であり、耐候性及び強靱性を有するものの弾性
及び耐磨耗性で劣り、輸送中他の物品と接触していたり
すると磨耗により塗膜が破れ、保護は未だ十分とは言え
ない。また、後者の方法は一度の貼付作業を行うのみ
で、塗装工程終了後からユーザーへの引き渡しまでの長
期間にわたって自動車ボディの外観保護を継続的に達成
することができるが、保護フィルムにポリオレフィンフ
ィルムの一面に粘着剤を塗布したものを用いるので、自
動車をユーザーに引き渡す際に保護フィルムを引き剥が
した後に車体に粘着剤の一部が残り、外観を損ねたり、
厄介な除去作業を必要とする場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記問題を解決する代
替手段となる保護塗料組成物を提供することを課題とす
る。
替手段となる保護塗料組成物を提供することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前期課題
を解決すべく鋭意検討し、従来からある保護塗料や保護
フィルムの代わりに水性ポリウレタン樹脂中でα,β−
エチレン性不飽和結合を含む重合性不飽和単量体の重合
を行ったポリウレタン・アクリル樹脂の塗料組成物を用
いると、作業性、密着性、耐擦傷性、剥離性に優れた塗
膜を得ることができること、特にポリウレタン用ポリオ
ールの開始剤にジメチロールブタン酸を用いることによ
り前記した目的を達成することができることを見出し、
本発明を完成した。
を解決すべく鋭意検討し、従来からある保護塗料や保護
フィルムの代わりに水性ポリウレタン樹脂中でα,β−
エチレン性不飽和結合を含む重合性不飽和単量体の重合
を行ったポリウレタン・アクリル樹脂の塗料組成物を用
いると、作業性、密着性、耐擦傷性、剥離性に優れた塗
膜を得ることができること、特にポリウレタン用ポリオ
ールの開始剤にジメチロールブタン酸を用いることによ
り前記した目的を達成することができることを見出し、
本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明の第一は、ジメチロールブ
タン酸を開始剤としてこれにラクトン類を開環付加重合
させて得られるポリエステルポリオールを含むポリオー
ルと、ポリイソシアネート化合物と、鎖伸長剤と、から
得られる水性ポリウレタン樹脂分散液の存在下、α,β
−エチレン性不飽和結合を含む1種又は2種以上の重合
性不飽和単量体を重合させて得られる水性樹脂分散液か
らなる保護塗料組成物に関する。本発明の第二は、該ラ
クトン類がε−カプロラクトンである前記の保護塗料組
成物に関する。本発明の第三は、該水性ポリウレタン樹
脂分散液の固形分換算の酸価が15〜50mgKOH/
gである前記の保護塗料組成物に関する。本発明の第四
は、該α,β−エチレン性不飽和結合を含む重合性不飽
和単量体と該水性ポリウレタン樹脂分散液との重量比が
固形分換算値で100/400〜100/5である前記
のいずれかの保護塗料組成物に関する。本発明の第五
は、該保護塗料組成物が自動車の外面塗装の保護用であ
る前記のいずれかの保護塗料組成物に関する。本発明の
第六は、該保護塗料組成物が建材の保護用である前記の
いずれかの保護塗料組成物に関する。本発明の第七は、
建材がドアまたはアルミサッシである前記の保護塗料組
成物に関する。
タン酸を開始剤としてこれにラクトン類を開環付加重合
させて得られるポリエステルポリオールを含むポリオー
ルと、ポリイソシアネート化合物と、鎖伸長剤と、から
得られる水性ポリウレタン樹脂分散液の存在下、α,β
−エチレン性不飽和結合を含む1種又は2種以上の重合
性不飽和単量体を重合させて得られる水性樹脂分散液か
らなる保護塗料組成物に関する。本発明の第二は、該ラ
クトン類がε−カプロラクトンである前記の保護塗料組
成物に関する。本発明の第三は、該水性ポリウレタン樹
脂分散液の固形分換算の酸価が15〜50mgKOH/
gである前記の保護塗料組成物に関する。本発明の第四
は、該α,β−エチレン性不飽和結合を含む重合性不飽
和単量体と該水性ポリウレタン樹脂分散液との重量比が
固形分換算値で100/400〜100/5である前記
のいずれかの保護塗料組成物に関する。本発明の第五
は、該保護塗料組成物が自動車の外面塗装の保護用であ
る前記のいずれかの保護塗料組成物に関する。本発明の
第六は、該保護塗料組成物が建材の保護用である前記の
いずれかの保護塗料組成物に関する。本発明の第七は、
建材がドアまたはアルミサッシである前記の保護塗料組
成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳説する。まず本
発明の第1の特徴は、開始剤であるジメチロールカルボ
ン酸として、下記化学式(1)で示されるジメチロール
ブタン酸を用いて水性ウレタン樹脂分散液を得る点にあ
る。
発明の第1の特徴は、開始剤であるジメチロールカルボ
ン酸として、下記化学式(1)で示されるジメチロール
ブタン酸を用いて水性ウレタン樹脂分散液を得る点にあ
る。
【0010】
【化1】
【0011】このジメチロールブタン酸は、含有するエ
チル基により、従来から広く使用されているジメチロー
ルプロピオン酸に比べて、アセトン、メチルエチルケト
ン等の低沸点溶媒に溶解しやすいものである。従ってN
−メチルピロリドン、ジメチルホルムアルデヒド等の高
沸点有機溶媒を用いなくとも、ウレタンプレポリマー化
反応を均一に行わせることができる。この結果、ウレタ
ンポリマー鎖中にカルボキシル基をほぼ均一に導入する
ことができ、後述のようにこの水性ポリウレタン樹脂分
散液を反応の場としてα,β−エチレン性不飽和結合を
含む重合性不飽和単量体を重合させる際の、分散体とし
ての安定性を高めることができる。しかも、最終的に得
られる水性樹脂分散液に未反応のジメチロールカルボン
酸が含有されてしまうことが少ない。
チル基により、従来から広く使用されているジメチロー
ルプロピオン酸に比べて、アセトン、メチルエチルケト
ン等の低沸点溶媒に溶解しやすいものである。従ってN
−メチルピロリドン、ジメチルホルムアルデヒド等の高
沸点有機溶媒を用いなくとも、ウレタンプレポリマー化
反応を均一に行わせることができる。この結果、ウレタ
ンポリマー鎖中にカルボキシル基をほぼ均一に導入する
ことができ、後述のようにこの水性ポリウレタン樹脂分
散液を反応の場としてα,β−エチレン性不飽和結合を
含む重合性不飽和単量体を重合させる際の、分散体とし
ての安定性を高めることができる。しかも、最終的に得
られる水性樹脂分散液に未反応のジメチロールカルボン
酸が含有されてしまうことが少ない。
【0012】本発明においてジメチロールブタン酸に開
環付加重合されるラクトン類としては、例えばε−カプ
ロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクト
ン、δ−バレロラクトン、トリメチルカプロラクトン等
が挙げられる。これらラクトン類は単独で、又は組み合
わせて用いることができる。これらラクトン類の中で
も、温和な条件下で重合可能であること、及び入手が容
易で工業的に低コストであること等の理由により、ε−
カプロラクトンを用いることが好ましい。
環付加重合されるラクトン類としては、例えばε−カプ
ロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクト
ン、δ−バレロラクトン、トリメチルカプロラクトン等
が挙げられる。これらラクトン類は単独で、又は組み合
わせて用いることができる。これらラクトン類の中で
も、温和な条件下で重合可能であること、及び入手が容
易で工業的に低コストであること等の理由により、ε−
カプロラクトンを用いることが好ましい。
【0013】本発明では、ジメチロールブタン酸を開始
剤としてこれにε−カプロラクトン等のラクトン類を開
環付加重合させている。この反応に用いる触媒として
は、例えばテトラエチルチタネート、テトラブチルチタ
ネート、テトラプロピルチタネート等の有機チタン系化
合物、オクチル酸スズ、ジブチルスズオキサイド、ジブ
チルスズジラウレート等の有機スズ化合物、塩化第一ス
ズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ等のハロゲン化第一
スズ等が挙げられる。
剤としてこれにε−カプロラクトン等のラクトン類を開
環付加重合させている。この反応に用いる触媒として
は、例えばテトラエチルチタネート、テトラブチルチタ
ネート、テトラプロピルチタネート等の有機チタン系化
合物、オクチル酸スズ、ジブチルスズオキサイド、ジブ
チルスズジラウレート等の有機スズ化合物、塩化第一ス
ズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ等のハロゲン化第一
スズ等が挙げられる。
【0014】これら触媒の仕込量は、ジメチロールブタ
ン酸とラクトン類との総量に対して0.1〜5000p
pmが好ましく、特に1〜3000ppmが好ましい。
触媒の仕込量が前記範囲未満であれば、ラクトン類の開
環反応が著しく遅くなり、工業的生産に適さなくなって
しまう場合がある。逆に触媒の仕込量が前記範囲を越え
ると、最終的に得られる水性樹脂分散液の耐久性、耐水
性等の諸物性が低下してしまう場合がある。
ン酸とラクトン類との総量に対して0.1〜5000p
pmが好ましく、特に1〜3000ppmが好ましい。
触媒の仕込量が前記範囲未満であれば、ラクトン類の開
環反応が著しく遅くなり、工業的生産に適さなくなって
しまう場合がある。逆に触媒の仕込量が前記範囲を越え
ると、最終的に得られる水性樹脂分散液の耐久性、耐水
性等の諸物性が低下してしまう場合がある。
【0015】開環付加重合時の反応温度は、90〜24
0℃が好ましく、110〜220℃が特に好ましい。反
応温度が前記範囲未満であれば、ラクトン類の開環反応
が著しく遅くなり、工業的生産に適さなくなってしまう
場合がある。逆に反応温度が前記範囲を越えると、開環
付加重合したポリラクトンの解重合反応が生じてしまう
場合がある。なお、反応を窒素ガス等の不活性ガスの雰
囲気中で行うことが好ましい。これは、最終的に得られ
る水性樹脂分散液の色相に悪影響を与えない様にするた
めである。
0℃が好ましく、110〜220℃が特に好ましい。反
応温度が前記範囲未満であれば、ラクトン類の開環反応
が著しく遅くなり、工業的生産に適さなくなってしまう
場合がある。逆に反応温度が前記範囲を越えると、開環
付加重合したポリラクトンの解重合反応が生じてしまう
場合がある。なお、反応を窒素ガス等の不活性ガスの雰
囲気中で行うことが好ましい。これは、最終的に得られ
る水性樹脂分散液の色相に悪影響を与えない様にするた
めである。
【0016】なお、ウレタン化反応に際し、前記のジメ
チロールブタン酸にε−カプロラクトン等のラクトン類
を開環付加重合させて得られるポリエステルポリオール
に加えて、本発明の特徴を損なわない範囲でその他のポ
リオールを併用してもよい。
チロールブタン酸にε−カプロラクトン等のラクトン類
を開環付加重合させて得られるポリエステルポリオール
に加えて、本発明の特徴を損なわない範囲でその他のポ
リオールを併用してもよい。
【0017】このようなその他のポリオールとしては、
例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフ
ラン等の重合体又は共重合体等のポリエーテルポリオー
ル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタ
ンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4
−ブチレンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和
又は不飽和の低分子ジオール類;n−ブチルグリシジル
エーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等の
アルキルグリシジルエーテル類;バーサティックグリシ
ジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類
と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロ
ン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸等のジカルボン酸類若しくはこれらの
無水物又はダイマー酸を脱水縮合又は重合させて得られ
るポリエステルポリオール類;例えばポリカプロラクト
ンポリオール類等の環状エステル化合物を開環付加重合
させて得られるポリエステルポリオール類;低分子ジオ
ールとカーボネートとを反応させて得られるポリカーボ
ネートポリオール類;ポリブタジエングリコール類;ビ
スフェノールA、ビスフェノールF又は水添ビスフェノ
ールAに酸化エチレン又は酸化プロピレンを付加させて
得られるグリコール類等が挙げられる。
例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフ
ラン等の重合体又は共重合体等のポリエーテルポリオー
ル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタ
ンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4
−ブチレンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和
又は不飽和の低分子ジオール類;n−ブチルグリシジル
エーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等の
アルキルグリシジルエーテル類;バーサティックグリシ
ジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類
と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロ
ン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸等のジカルボン酸類若しくはこれらの
無水物又はダイマー酸を脱水縮合又は重合させて得られ
るポリエステルポリオール類;例えばポリカプロラクト
ンポリオール類等の環状エステル化合物を開環付加重合
させて得られるポリエステルポリオール類;低分子ジオ
ールとカーボネートとを反応させて得られるポリカーボ
ネートポリオール類;ポリブタジエングリコール類;ビ
スフェノールA、ビスフェノールF又は水添ビスフェノ
ールAに酸化エチレン又は酸化プロピレンを付加させて
得られるグリコール類等が挙げられる。
【0018】本発明において、ウレタン化反応に用いら
れるポリオールの数平均分子量は500〜5000が好
ましい。数平均分子量が前記範囲未満であれば、ポリウ
レタン樹脂物性のバランスがとりにくくなってしまう場
合がある。逆に数平均分子量が前記範囲を越えると、水
性樹脂分散液中のカルボキシル基の濃度が低くなり、安
定性が低下してしまう場合がある。
れるポリオールの数平均分子量は500〜5000が好
ましい。数平均分子量が前記範囲未満であれば、ポリウ
レタン樹脂物性のバランスがとりにくくなってしまう場
合がある。逆に数平均分子量が前記範囲を越えると、水
性樹脂分散液中のカルボキシル基の濃度が低くなり、安
定性が低下してしまう場合がある。
【0019】本発明において、ウレタン化反応に用いら
れるポリオールの水酸基価は45〜320mgKOH/
gが好ましく、特に、74〜320mgKOH/gが好
ましい。水酸基価が前記範囲未満であると、水性ポリウ
レタン樹脂の原料として好ましくなくなってしまう場合
がある。逆に水酸基価が前記範囲を超えると、ウレタン
プレポリマー反応時に他の原料との相溶性が低下して反
応が不均一となってしまう場合がある。本発明では、ジ
メチロールブタン酸を開始剤としてこれにラクトン類を
開環付加重合させ、これにポリイソシアネート化合物を
反応させてウレタンプレポリマーを得ている。用いられ
るポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート等の芳香族、脂肪族及び脂環族ジイソシアネー
ト類が挙げられる。中でも、水性樹脂分散液を塗料に用
いた場合に乾燥時の塗膜の変色が少なく、しかも塗膜の
耐候性を向上させることができる脂肪族及び脂環族ジイ
ソシアネート類が好ましい。
れるポリオールの水酸基価は45〜320mgKOH/
gが好ましく、特に、74〜320mgKOH/gが好
ましい。水酸基価が前記範囲未満であると、水性ポリウ
レタン樹脂の原料として好ましくなくなってしまう場合
がある。逆に水酸基価が前記範囲を超えると、ウレタン
プレポリマー反応時に他の原料との相溶性が低下して反
応が不均一となってしまう場合がある。本発明では、ジ
メチロールブタン酸を開始剤としてこれにラクトン類を
開環付加重合させ、これにポリイソシアネート化合物を
反応させてウレタンプレポリマーを得ている。用いられ
るポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート等の芳香族、脂肪族及び脂環族ジイソシアネー
ト類が挙げられる。中でも、水性樹脂分散液を塗料に用
いた場合に乾燥時の塗膜の変色が少なく、しかも塗膜の
耐候性を向上させることができる脂肪族及び脂環族ジイ
ソシアネート類が好ましい。
【0020】本水性樹脂分散液中のポリイソシアネート
化合物とポリオールとのIndex(NCO/OHの当
量比)、すなわち成分比は、0.85〜1.2が好まし
く、0.90〜1.1が特に好ましい。成分比が前記範
囲をはずれると高分子量物質を得ることができず、塗膜
物性が悪化する場合がある。
化合物とポリオールとのIndex(NCO/OHの当
量比)、すなわち成分比は、0.85〜1.2が好まし
く、0.90〜1.1が特に好ましい。成分比が前記範
囲をはずれると高分子量物質を得ることができず、塗膜
物性が悪化する場合がある。
【0021】本発明に用いられる鎖伸長剤としては、例
えばエチレングリコール、プロピレングリコール、2,
2−ジメチロールプロピオン酸、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチ
レングリコール等のジオール類及びエチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒド
ラジン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の
アミン類が挙げられる。
えばエチレングリコール、プロピレングリコール、2,
2−ジメチロールプロピオン酸、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチ
レングリコール等のジオール類及びエチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒド
ラジン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の
アミン類が挙げられる。
【0022】ポリウレタン樹脂を調製する際のウレタン
化反応は、従来の公知の方法を使用することができる。
例えばポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応
させて末端にイソシアネートを有するプレポリマーを合
成し、これに鎖伸長剤を反応させるプレポリマー法を採
用することができるし、また、ポリオールとポリイソシ
アネート化合物と鎖伸長剤とを同時に反応させるワンシ
ョット法を採用することもできる。
化反応は、従来の公知の方法を使用することができる。
例えばポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応
させて末端にイソシアネートを有するプレポリマーを合
成し、これに鎖伸長剤を反応させるプレポリマー法を採
用することができるし、また、ポリオールとポリイソシ
アネート化合物と鎖伸長剤とを同時に反応させるワンシ
ョット法を採用することもできる。
【0023】これらのウレタン化反応は無溶剤で行って
もよいし、イソシアネート基と反応しない溶剤中で行っ
てもよい。用いられる溶剤としては、例えばアセトンや
メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルホルム
アミド等のアミド系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン
等のピロリドン系溶剤等が挙げられる。特にアセトンや
メチルエチルケトン等のケトン系溶剤が、低沸点であり
最終的に得られる水性樹脂分散液中に残存しにくいので
好ましい。
もよいし、イソシアネート基と反応しない溶剤中で行っ
てもよい。用いられる溶剤としては、例えばアセトンや
メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルホルム
アミド等のアミド系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン
等のピロリドン系溶剤等が挙げられる。特にアセトンや
メチルエチルケトン等のケトン系溶剤が、低沸点であり
最終的に得られる水性樹脂分散液中に残存しにくいので
好ましい。
【0024】ウレタン化反応に際して、触媒としてジブ
チルスズジラウレート、オクチル酸スズ等の有機スズ化
合物、N−メチルモリホリン、トリエチルアミン等の3
級アミン等を用いてもよい。
チルスズジラウレート、オクチル酸スズ等の有機スズ化
合物、N−メチルモリホリン、トリエチルアミン等の3
級アミン等を用いてもよい。
【0025】ウレタン化反応の際の反応温度は50〜1
50℃が好ましく、70〜120℃が特に好ましい。た
だしアミン類を用いる場合は80℃以下、好ましくは0
〜50℃の範囲で反応が行われる。
50℃が好ましく、70〜120℃が特に好ましい。た
だしアミン類を用いる場合は80℃以下、好ましくは0
〜50℃の範囲で反応が行われる。
【0026】本発明に用いられる水性ポリウレタン樹脂
分散液の固形分換算の酸価は15〜50mgKOH/g
であることが好ましい。酸価が前記範囲未満であると最
終的に安定した水性樹脂分散液を得ることが困難となる
場合がある。逆に酸価が上記範囲を超えると、塗料に用
いた場合に塗膜の耐水性を低下させてしまう場合があ
る。
分散液の固形分換算の酸価は15〜50mgKOH/g
であることが好ましい。酸価が前記範囲未満であると最
終的に安定した水性樹脂分散液を得ることが困難となる
場合がある。逆に酸価が上記範囲を超えると、塗料に用
いた場合に塗膜の耐水性を低下させてしまう場合があ
る。
【0027】本発明の第2の特徴は、前記のようにして
得られた水性ポリウレタン樹脂分散液の存在下に、α,
β−エチレン性不飽和結合を含む1種又は2種以上の重
合性不飽和単量体を重合させる点にある。これにより、
水性ポリウレタン樹脂分散液があたかも界面活性剤のご
とく作用し、これを反応の場としてα,β−エチレン性
不飽和結合を含む重合性不飽和単量体が重合反応を起こ
し、ウレタン樹脂とアクリル系樹脂とが有機的に結合し
て水中に分散する、いわゆるウレタン樹脂−アクリル系
樹脂エマルジョンを得ることができる。本発明ではジメ
チロールブタン酸を開始剤として用いた水性ポリウレタ
ン樹脂分散液を反応の場として重合反応を起こさせてい
るので、前述のように安定した水性樹脂分散液を得るこ
とができる。
得られた水性ポリウレタン樹脂分散液の存在下に、α,
β−エチレン性不飽和結合を含む1種又は2種以上の重
合性不飽和単量体を重合させる点にある。これにより、
水性ポリウレタン樹脂分散液があたかも界面活性剤のご
とく作用し、これを反応の場としてα,β−エチレン性
不飽和結合を含む重合性不飽和単量体が重合反応を起こ
し、ウレタン樹脂とアクリル系樹脂とが有機的に結合し
て水中に分散する、いわゆるウレタン樹脂−アクリル系
樹脂エマルジョンを得ることができる。本発明ではジメ
チロールブタン酸を開始剤として用いた水性ポリウレタ
ン樹脂分散液を反応の場として重合反応を起こさせてい
るので、前述のように安定した水性樹脂分散液を得るこ
とができる。
【0028】本発明に用いられるα,β−エチレン性不
飽和結合を含む重合性不飽和単量体としては、例えばN
−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブ
トキシメチルメタクリルアミド等のN−メチロール化合
物又はN−メチロールエーテル化合物;アクリル酸−2
−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリ
ル酸−2−ヒドロキシプロピル等の不飽和カルボン酸の
ヒドロキシアルキルエステル類;アクリル酸メチル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のア
クリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸
エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、クロル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルトル
エン等の芳香族ビニル化合物;ビニルピロリドン等の複
素環式ビニル化合物;塩化ビニル、アクリロニトリル、
ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド等の各種
ビニルモノマー;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フ
ッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン化合物;エチ
レン、プロピレン等のα−オレフィン類;ブタジエン等
のジエン類;ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
等のシラン系化合物;アリルアルコール、アクロレイ
ン、ジアセトンアクリルアミド、ビニルメチルケトン、
ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン、ジアセトン
アクリレート、アセトニトリルアクリレート等のα、β
−エチレン性不飽和モノマー;アクリルアミド、メタク
リルアミド、それらのN−アルキル、N−アルコキシア
ルキル又はN−アルコキシ誘導体、例えばN−メチルア
クリルアミド、N−イソブチルアクリルアミド、N−エ
トキシメチルアクリルアミド、N−n−ブトキシメチル
アクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−イ
ソプロポキシメタクリルアミド等の各種アミド類等から
構成される群から選択された1種又は2種以上の物質の
組み合わせ等が挙げられる。
飽和結合を含む重合性不飽和単量体としては、例えばN
−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブ
トキシメチルメタクリルアミド等のN−メチロール化合
物又はN−メチロールエーテル化合物;アクリル酸−2
−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリ
ル酸−2−ヒドロキシプロピル等の不飽和カルボン酸の
ヒドロキシアルキルエステル類;アクリル酸メチル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のア
クリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸
エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、クロル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルトル
エン等の芳香族ビニル化合物;ビニルピロリドン等の複
素環式ビニル化合物;塩化ビニル、アクリロニトリル、
ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド等の各種
ビニルモノマー;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フ
ッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン化合物;エチ
レン、プロピレン等のα−オレフィン類;ブタジエン等
のジエン類;ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
等のシラン系化合物;アリルアルコール、アクロレイ
ン、ジアセトンアクリルアミド、ビニルメチルケトン、
ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン、ジアセトン
アクリレート、アセトニトリルアクリレート等のα、β
−エチレン性不飽和モノマー;アクリルアミド、メタク
リルアミド、それらのN−アルキル、N−アルコキシア
ルキル又はN−アルコキシ誘導体、例えばN−メチルア
クリルアミド、N−イソブチルアクリルアミド、N−エ
トキシメチルアクリルアミド、N−n−ブトキシメチル
アクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−イ
ソプロポキシメタクリルアミド等の各種アミド類等から
構成される群から選択された1種又は2種以上の物質の
組み合わせ等が挙げられる。
【0029】本発明で用いられるα,β−エチレン性不
飽和結合を含む重合性不飽和単量体(a)と水性ポリウ
レタン樹脂分散液(b)との重量比((a)/(b))
は、固形分換算値で100/400〜100/5が好ま
しい。この重量比が100/400未満であるとアクリ
ル成分等の特性である耐候性や強靱性が発現されにくい
という問題を生ずる場合がある。逆にこの重量比が10
0/5を越えると重合反応が不安定となったり、またウ
レタン成分の特性である弾性や耐磨耗性が発現されにく
くなったりするという問題を生ずる場合がある。
飽和結合を含む重合性不飽和単量体(a)と水性ポリウ
レタン樹脂分散液(b)との重量比((a)/(b))
は、固形分換算値で100/400〜100/5が好ま
しい。この重量比が100/400未満であるとアクリ
ル成分等の特性である耐候性や強靱性が発現されにくい
という問題を生ずる場合がある。逆にこの重量比が10
0/5を越えると重合反応が不安定となったり、またウ
レタン成分の特性である弾性や耐磨耗性が発現されにく
くなったりするという問題を生ずる場合がある。
【0030】本発明においては、水性ポリウレタン樹脂
分散液が重合性不飽和単量体の重合反応の場となるので
乳化剤等の界面活性剤は特に必要はないが、補助的に各
種界面活性剤を併用してもよい。用いられる界面活性剤
としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ド
デシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルアリ
ールポリエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル等の
アニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共
重合体等のノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
分散液が重合性不飽和単量体の重合反応の場となるので
乳化剤等の界面活性剤は特に必要はないが、補助的に各
種界面活性剤を併用してもよい。用いられる界面活性剤
としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ド
デシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルアリ
ールポリエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル等の
アニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共
重合体等のノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0031】用いる界面活性剤の種類と量は慣用の範囲
内で適宜選択されるが、使用量は例えば全重合性不飽和
単量体100重量部に対して20重量部以下が好まし
い。前記界面活性剤の量が20重量部を越えると、水性
樹脂分散液を本保護塗料に用いたときに塗膜物性に悪影
響を与えるという問題が生ずる場合がある。
内で適宜選択されるが、使用量は例えば全重合性不飽和
単量体100重量部に対して20重量部以下が好まし
い。前記界面活性剤の量が20重量部を越えると、水性
樹脂分散液を本保護塗料に用いたときに塗膜物性に悪影
響を与えるという問題が生ずる場合がある。
【0032】また、このような界面活性剤に代えて、又
は界面活性剤と併用して、水溶性オリゴマーを用いるこ
ともできる。さらに界面活性剤と併用して、重合反応に
先立ち、又は重合反応終了後、ポリビニルアルコール、
ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子物質を添
加してもよい。
は界面活性剤と併用して、水溶性オリゴマーを用いるこ
ともできる。さらに界面活性剤と併用して、重合反応に
先立ち、又は重合反応終了後、ポリビニルアルコール、
ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子物質を添
加してもよい。
【0033】重合性不飽和単量体の重合反応に際して用
いられる重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウムや
過硫酸ナトリウムや過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、
過酸化水素等の水溶性の重合開始剤を用いることができ
る。また、これら過硫酸塩や過酸価物と金属イオン、ナ
トリウムスルホキシレートホルムアルデヒド、ピロ亜硫
酸ナトリウム、L−アスコルビン酸等の還元剤とを組み
合わせて、水溶性のいわゆるレドックス型重合開始剤系
を構成してもよい。
いられる重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウムや
過硫酸ナトリウムや過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、
過酸化水素等の水溶性の重合開始剤を用いることができ
る。また、これら過硫酸塩や過酸価物と金属イオン、ナ
トリウムスルホキシレートホルムアルデヒド、ピロ亜硫
酸ナトリウム、L−アスコルビン酸等の還元剤とを組み
合わせて、水溶性のいわゆるレドックス型重合開始剤系
を構成してもよい。
【0034】反応系への重合性不飽和単量体の仕込み
は、一括仕込み法、連続滴下法、分割添加方式等の既知
の方法を採用することができる。重合反応時の温度は慣
用の範囲、例えば50〜80℃で行えばよく、またガス
状の重合性不飽和単量体を使用する場合は加圧下におい
て重合させればよい。
は、一括仕込み法、連続滴下法、分割添加方式等の既知
の方法を採用することができる。重合反応時の温度は慣
用の範囲、例えば50〜80℃で行えばよく、またガス
状の重合性不飽和単量体を使用する場合は加圧下におい
て重合させればよい。
【0035】本水性樹脂分散液の濃度は、実用的な観点
から25〜65重量部の固形分となるように調整すれば
よい。また、重合体粒子の平均粒子径は、分散安定性、
密着性などを損なわない範囲、例えば、0.01〜2μ
m、好ましくは0.01〜0.5μm程度の範囲から選
択できる。
から25〜65重量部の固形分となるように調整すれば
よい。また、重合体粒子の平均粒子径は、分散安定性、
密着性などを損なわない範囲、例えば、0.01〜2μ
m、好ましくは0.01〜0.5μm程度の範囲から選
択できる。
【0036】水性樹脂組成物には、必要に応じ例えば、
フッ素樹脂、シリコン樹脂、有機スルホン酸塩化合物、
有機リン酸塩化合物、有機カルボン酸塩化合物等の滑性
物質、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の安定
剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、帯電防止剤、可塑剤、増
粘剤、消泡剤等の添加剤等を添加してもよい。
フッ素樹脂、シリコン樹脂、有機スルホン酸塩化合物、
有機リン酸塩化合物、有機カルボン酸塩化合物等の滑性
物質、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の安定
剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、帯電防止剤、可塑剤、増
粘剤、消泡剤等の添加剤等を添加してもよい。
【0037】本発明の保護塗料組成物は、塗装工程の最
終段階において、上塗りを終えた自動車ボディ等の塗膜
表面に、あるいは、ドア、アルミサッシ等の建材部材に
スプレーガン、ローラー、刷毛等の適宜の手段で塗布さ
れる。保護塗料組成物の塗布は塗装工程において行われ
るため、塗装工程の塗装設備をそのまま利用することが
できる。
終段階において、上塗りを終えた自動車ボディ等の塗膜
表面に、あるいは、ドア、アルミサッシ等の建材部材に
スプレーガン、ローラー、刷毛等の適宜の手段で塗布さ
れる。保護塗料組成物の塗布は塗装工程において行われ
るため、塗装工程の塗装設備をそのまま利用することが
できる。
【0038】塗装工程の最終段階で前記保護塗料組成物
を塗布された自動車ボディや建材部材は、次の組立工程
に搬入されて部品の組み付けが行われるが、その際に特
別の保護カバーをこれらに装着しなくても、保護塗料の
塗膜によって部品や工具との接触による擦傷から保護す
ることができる。
を塗布された自動車ボディや建材部材は、次の組立工程
に搬入されて部品の組み付けが行われるが、その際に特
別の保護カバーをこれらに装着しなくても、保護塗料の
塗膜によって部品や工具との接触による擦傷から保護す
ることができる。
【0039】完成した自動車や建材製品は保護塗料を除
去することなく出荷され、保護塗料を塗布されたままの
状態で輸送及びストックされる。その間、保護塗料の塗
膜によって、擦傷、酸性雨、鳥糞、虫糞、砂、埃、鉄粉
等から自動車ボディや建材製品の(塗膜)表面が保護さ
れる。保護塗料の効果は約4カ月間持続するが、通常こ
の期間は自動車や建材製品がユーザーに引き渡されるま
でのストック期間として十分なものである。
去することなく出荷され、保護塗料を塗布されたままの
状態で輸送及びストックされる。その間、保護塗料の塗
膜によって、擦傷、酸性雨、鳥糞、虫糞、砂、埃、鉄粉
等から自動車ボディや建材製品の(塗膜)表面が保護さ
れる。保護塗料の効果は約4カ月間持続するが、通常こ
の期間は自動車や建材製品がユーザーに引き渡されるま
でのストック期間として十分なものである。
【0040】自動車や建材製品がユーザーに引き渡され
る前に、表面を覆う保護塗料が除去される。保護塗料の
除去作業は、その塗膜の一部に切れ目を設けて手で引き
剥がすピーリング、または高圧洗浄機によって行われる
が、何れの方法による場合でも従来の油性ワックスを除
去する場合に比べて極めて簡単に行うことができる。ま
た、油性ワックスを用いた場合のような排水処理が不要
であるため、そのコストを削減することができる。
る前に、表面を覆う保護塗料が除去される。保護塗料の
除去作業は、その塗膜の一部に切れ目を設けて手で引き
剥がすピーリング、または高圧洗浄機によって行われる
が、何れの方法による場合でも従来の油性ワックスを除
去する場合に比べて極めて簡単に行うことができる。ま
た、油性ワックスを用いた場合のような排水処理が不要
であるため、そのコストを削減することができる。
【0041】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
詳説するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形お
よび応用が可能である。
詳説するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形お
よび応用が可能である。
【0042】[ポリエステルポリオールの調製] [製造例1]攪拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入管及
び温度計を備えた10リッターの反応容器に、2,2−
ジメチロールブタン酸1628gとε−カプロラクトン
3872gとを投入し、触媒としての塩化第一スズ2
7.5mgを添加して、3時間反応させた。このときの
反応容器内の温度は120℃に維持した。これにより、
水酸基価が225.5mgKOH/g、酸価が114.
6mgKOH/gである液状のカルボキシル基含有ポリ
エステルジオール(PEDOL−1)を得た。
び温度計を備えた10リッターの反応容器に、2,2−
ジメチロールブタン酸1628gとε−カプロラクトン
3872gとを投入し、触媒としての塩化第一スズ2
7.5mgを添加して、3時間反応させた。このときの
反応容器内の温度は120℃に維持した。これにより、
水酸基価が225.5mgKOH/g、酸価が114.
6mgKOH/gである液状のカルボキシル基含有ポリ
エステルジオール(PEDOL−1)を得た。
【0043】[製造例2]製造例1と同様の容器に2,
2−ジメチロールプロピオン酸1474gとε−カプロ
ラクトン4026gとを投入し、触媒としての塩化第一
スズ27.5mgを添加して、3時間反応させた。この
ときの反応容器内の温度は120℃に維持した。これに
より、水酸基価が213.7mgKOH/gで、酸価が
103.9mgKOH/gであるワックス状のカルボキ
シル基含有ポリエステルジオール(PEDOL−2)を
得た。
2−ジメチロールプロピオン酸1474gとε−カプロ
ラクトン4026gとを投入し、触媒としての塩化第一
スズ27.5mgを添加して、3時間反応させた。この
ときの反応容器内の温度は120℃に維持した。これに
より、水酸基価が213.7mgKOH/gで、酸価が
103.9mgKOH/gであるワックス状のカルボキ
シル基含有ポリエステルジオール(PEDOL−2)を
得た。
【0044】[水性ポリウレタン樹脂分散液の調製] [製造例3]攪拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入管及
び温度計を備えた2リッターの反応容器に、2,4−ト
リレンジイソシアネート149.9gとアセトン14
0.0gとを投入し、窒素気流下で攪拌しながら、製造
例1で得たカルボキシル基含有ポリエステルジオール
(PEDOL−1)124.6g、数平均分子量100
0のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業株
式会社製の商品名PLACCEL210)273.1g
及び1,4−ブタンジオール12.4gを加えた。反応
容器内の温度を60℃に4時間保持してウレタン化反応
を進行せしめ、NCO末端ウレタンプレポリマーを調製
した。このウレタンプレポリマー168.3gを攪拌し
ながら、トリエチルアミン6.1gを添加したイオン交
換水230gを添加し、さらにヘキサメチレンジアミン
1.67gを添加したイオン交換水230gを添加し
た。次いで減圧下、60℃の条件で3時間かけてアセト
ンを溜去し、固形分が35%、酸価が24.6mgKO
H/g(固形分換算)である水性ポリウレタン樹脂分散
液(APURE−1)を得た。
び温度計を備えた2リッターの反応容器に、2,4−ト
リレンジイソシアネート149.9gとアセトン14
0.0gとを投入し、窒素気流下で攪拌しながら、製造
例1で得たカルボキシル基含有ポリエステルジオール
(PEDOL−1)124.6g、数平均分子量100
0のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業株
式会社製の商品名PLACCEL210)273.1g
及び1,4−ブタンジオール12.4gを加えた。反応
容器内の温度を60℃に4時間保持してウレタン化反応
を進行せしめ、NCO末端ウレタンプレポリマーを調製
した。このウレタンプレポリマー168.3gを攪拌し
ながら、トリエチルアミン6.1gを添加したイオン交
換水230gを添加し、さらにヘキサメチレンジアミン
1.67gを添加したイオン交換水230gを添加し
た。次いで減圧下、60℃の条件で3時間かけてアセト
ンを溜去し、固形分が35%、酸価が24.6mgKO
H/g(固形分換算)である水性ポリウレタン樹脂分散
液(APURE−1)を得た。
【0045】[製造例4]製造例3と同様の容器に2,
4−トリレンジイソシアネート148.3gとアセトン
140.0gとを投入し、窒素気流下で攪拌しながら、
製造例2で得たカルボキシル基含有ポリエステルジオー
ル(PEDOL−2)131.2g、数平均分子量10
00のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業
株式会社製の商品名PLACCEL210)268.3
g及び1,4−ブタンジオール12.2gを加えた。反
応容器内の温度を60℃に4時間保持してウレタン化反
応を進行せしめ、NCO末端ウレタンプレポリマーを調
製した。このウレタンプレポリマー168.3gを攪拌
しながら、トリエチルアミン6.1gを添加したイオン
交換水230gを添加し、さらにヘキサメチレンジアミ
ン1.67gを添加したイオン交換水230gを添加し
た。この際、少量ではあるが凝集物の発生が見られた。
次いで減圧下、60℃の条件で3時間かけてアセトンを
溜去し、固形分が35%、酸価が20.8mgKOH/
g(固形分換算)である水性ポリウレタン樹脂分散液
(APURE−2)を得た。
4−トリレンジイソシアネート148.3gとアセトン
140.0gとを投入し、窒素気流下で攪拌しながら、
製造例2で得たカルボキシル基含有ポリエステルジオー
ル(PEDOL−2)131.2g、数平均分子量10
00のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業
株式会社製の商品名PLACCEL210)268.3
g及び1,4−ブタンジオール12.2gを加えた。反
応容器内の温度を60℃に4時間保持してウレタン化反
応を進行せしめ、NCO末端ウレタンプレポリマーを調
製した。このウレタンプレポリマー168.3gを攪拌
しながら、トリエチルアミン6.1gを添加したイオン
交換水230gを添加し、さらにヘキサメチレンジアミ
ン1.67gを添加したイオン交換水230gを添加し
た。この際、少量ではあるが凝集物の発生が見られた。
次いで減圧下、60℃の条件で3時間かけてアセトンを
溜去し、固形分が35%、酸価が20.8mgKOH/
g(固形分換算)である水性ポリウレタン樹脂分散液
(APURE−2)を得た。
【0046】[実施例1]攪拌装置、還流冷却器、滴下
ロート、窒素ガス導入管及び温度計を備えた1リッター
の反応容器に製造例3で得た水性ポリウレタン樹脂分散
液(APURE−1)147gとイオン交換水103g
とを投入し、攪拌しつつ、窒素気流下で反応容器内の温
度を80℃に昇温した。一方、α,β−エチレン性不飽
和結合を含む重合性不飽和単量体としてメタクリル酸メ
チル114gとアクリル酸ブチル36gとを用意し、こ
れらとアニオン性乳化剤(日本乳化剤社製の商品名ニュ
ーコール707SF)5g及びイオン交換水70gとを
用いて、乳化液を調製した。この乳化液を前記反応容器
中に3時間かけて滴下した。この際、同時に3%過硫酸
アンモニウム水溶液25gも3時間かけて滴下した。滴
下中の反応容器内の温度は80℃プラスマイナス5℃の
範囲に維持した。滴下終了後も反応容器内の温度を80
℃プラスマイナス5℃の範囲に維持しつつ1時間攪拌を
継続し、反応を進行せしめた。この結果、不揮発分が4
0重量%、pHが7.3、30℃での粘度が16cpで
ある水性樹脂分散液(ARE−1)を得た。
ロート、窒素ガス導入管及び温度計を備えた1リッター
の反応容器に製造例3で得た水性ポリウレタン樹脂分散
液(APURE−1)147gとイオン交換水103g
とを投入し、攪拌しつつ、窒素気流下で反応容器内の温
度を80℃に昇温した。一方、α,β−エチレン性不飽
和結合を含む重合性不飽和単量体としてメタクリル酸メ
チル114gとアクリル酸ブチル36gとを用意し、こ
れらとアニオン性乳化剤(日本乳化剤社製の商品名ニュ
ーコール707SF)5g及びイオン交換水70gとを
用いて、乳化液を調製した。この乳化液を前記反応容器
中に3時間かけて滴下した。この際、同時に3%過硫酸
アンモニウム水溶液25gも3時間かけて滴下した。滴
下中の反応容器内の温度は80℃プラスマイナス5℃の
範囲に維持した。滴下終了後も反応容器内の温度を80
℃プラスマイナス5℃の範囲に維持しつつ1時間攪拌を
継続し、反応を進行せしめた。この結果、不揮発分が4
0重量%、pHが7.3、30℃での粘度が16cpで
ある水性樹脂分散液(ARE−1)を得た。
【0047】[実施例2]α,β−エチレン性不飽和結
合を含む重合性不飽和単量体としてメタクリル酸メチル
110g、アクリル酸ブチル35g及びメタクリル酸−
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル5gを用いた他
は実施例1と同様にして、不揮発分が40重量%、pH
が7.2、30℃での粘度が22cpである水性樹脂分
散液(ARE−2)を得た。
合を含む重合性不飽和単量体としてメタクリル酸メチル
110g、アクリル酸ブチル35g及びメタクリル酸−
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル5gを用いた他
は実施例1と同様にして、不揮発分が40重量%、pH
が7.2、30℃での粘度が22cpである水性樹脂分
散液(ARE−2)を得た。
【0048】[実施例3]α,β−エチレン性不飽和結
合を含む重合性不飽和単量体としてメタクリル酸メチル
110g、アクリル酸ブチル35g及びメタクリル酸−
3−トリメトキシシリルプロピル5gを用いた他は実施
例1と同様にして、不揮発分が40重量%、pHが7.
2、30℃での粘度が23cpである水性樹脂分散液
(ARE−3)を得た。
合を含む重合性不飽和単量体としてメタクリル酸メチル
110g、アクリル酸ブチル35g及びメタクリル酸−
3−トリメトキシシリルプロピル5gを用いた他は実施
例1と同様にして、不揮発分が40重量%、pHが7.
2、30℃での粘度が23cpである水性樹脂分散液
(ARE−3)を得た。
【0049】[実施例4]α,β−エチレン性不飽和結
合を含む重合性不飽和単量体としてメタクリル酸メチル
110g、アクリル酸ブチル35g及びメタクリル酸−
2−ジエチルアミノエチル5gを用いた他は実施例1と
同様にして、不揮発分が40重量%、pHが7.5、3
0℃での粘度が20cpである水性樹脂分散液(ARE
−4)を得た。
合を含む重合性不飽和単量体としてメタクリル酸メチル
110g、アクリル酸ブチル35g及びメタクリル酸−
2−ジエチルアミノエチル5gを用いた他は実施例1と
同様にして、不揮発分が40重量%、pHが7.5、3
0℃での粘度が20cpである水性樹脂分散液(ARE
−4)を得た。
【0050】[比較例1]製造例3で得た水性ポリウレ
タン樹脂分散液(APURE−1)に代えて製造例4で
得た水性ポリウレタン樹脂分散液(APURE−2)を
用いた他は実施例1と同様にして、不揮発分が39重量
%、pHが6.8、30℃での粘度が18cpである水
性樹脂分散液(ARE−C1)を得た。
タン樹脂分散液(APURE−1)に代えて製造例4で
得た水性ポリウレタン樹脂分散液(APURE−2)を
用いた他は実施例1と同様にして、不揮発分が39重量
%、pHが6.8、30℃での粘度が18cpである水
性樹脂分散液(ARE−C1)を得た。
【0051】[比較例2]アクリルエマルジョン樹脂
(大日本インキ化学製、ボンコートST−372)4
5.2重量%;添加剤として水分散性UV吸収剤(住友
化学製 スミソーブ110S)0.9重量%、消泡剤
(東芝シリコーン製 TSA7341)0.8重量%、
分散剤(東邦化学製 ソルボンS−80)0.3重量
%、溶媒として上水51.7重量%を配合し保護塗料組
成物(ARE−C2)を得た。
(大日本インキ化学製、ボンコートST−372)4
5.2重量%;添加剤として水分散性UV吸収剤(住友
化学製 スミソーブ110S)0.9重量%、消泡剤
(東芝シリコーン製 TSA7341)0.8重量%、
分散剤(東邦化学製 ソルボンS−80)0.3重量
%、溶媒として上水51.7重量%を配合し保護塗料組
成物(ARE−C2)を得た。
【0052】[保護塗料の実施例] [実験例1〜4、比較実験例1及び比較実験例2]実施
例1〜4、比較例1及び比較例2の水性樹脂分散液から
形成される塗膜の評価を行った。結果を表−1に示し
た。 (1)乾燥時間:塗装版(標準試験版JIS G314
1 黒)に保護塗料組成物を膜厚み20μmになるよう
にエアレススプレーで塗布し、25℃で乾燥させて得た
塗膜の指触り乾燥時間で評価を行った。 ○:20〜30分であるもの △:30〜60分であるもの ×:60分以上であるもの (2)除去する際のはがれやすさ(剥離性):1m×1
mの塗装版(標準試験版 JIS 3141 黒)に保
護塗料組成物を膜厚み20μmになるようにエアレスス
プレーで塗布し、25℃/24時間乾燥させサンシャイ
ンウエザオメーターで200時間処理した塗装板で評価
を行った。 ○:塗膜の端から引きはがした場合、塗膜上に何も残ら
ない。 △:塗膜の端から引きはがした場合、きれいにはがれず
部分的に残るが、手で引き剥がすことで塗装板に保護塗
料が残らない。 ×:塗膜の端から引きはがした場合、きれいにはがれず
部分的に残るが、残った部分は、手でこすっても除去で
きない。 (3)硬度:1m×1mの塗装版(標準試験版 JIS
3141 黒)に保護塗料組成物を膜厚み20μmに
なるようにエアレススプレーで塗布し、25℃/24時
間乾燥させて得た塗膜について、JIS5400に従っ
て塗膜表面の鉛筆硬度試験を行った。
例1〜4、比較例1及び比較例2の水性樹脂分散液から
形成される塗膜の評価を行った。結果を表−1に示し
た。 (1)乾燥時間:塗装版(標準試験版JIS G314
1 黒)に保護塗料組成物を膜厚み20μmになるよう
にエアレススプレーで塗布し、25℃で乾燥させて得た
塗膜の指触り乾燥時間で評価を行った。 ○:20〜30分であるもの △:30〜60分であるもの ×:60分以上であるもの (2)除去する際のはがれやすさ(剥離性):1m×1
mの塗装版(標準試験版 JIS 3141 黒)に保
護塗料組成物を膜厚み20μmになるようにエアレスス
プレーで塗布し、25℃/24時間乾燥させサンシャイ
ンウエザオメーターで200時間処理した塗装板で評価
を行った。 ○:塗膜の端から引きはがした場合、塗膜上に何も残ら
ない。 △:塗膜の端から引きはがした場合、きれいにはがれず
部分的に残るが、手で引き剥がすことで塗装板に保護塗
料が残らない。 ×:塗膜の端から引きはがした場合、きれいにはがれず
部分的に残るが、残った部分は、手でこすっても除去で
きない。 (3)硬度:1m×1mの塗装版(標準試験版 JIS
3141 黒)に保護塗料組成物を膜厚み20μmに
なるようにエアレススプレーで塗布し、25℃/24時
間乾燥させて得た塗膜について、JIS5400に従っ
て塗膜表面の鉛筆硬度試験を行った。
【0053】
【表1】
【0054】ウレタンエマルジョン中でアクリルを重合
させて得られる本発明の水性樹脂分散液は、保護塗料と
して用いた場合、その塗膜は剥離性、耐磨耗性、可とう
性等の点で優れたおり、特に耐磨耗性、弾性、可とう性
の点で従来の単なるアクリルエマルジョン樹脂組成物の
それに比し優れている。本発明の水性樹脂分散液を自動
車、建材等の輸送中、保管中の損傷、汚れ防止の保護塗
料として使用すると、アクリルエマルジョン樹脂を用い
た場合より、輸送中他の物品と接触していても磨損によ
り、製品が損傷されず、保護目的は十分に達成される。
させて得られる本発明の水性樹脂分散液は、保護塗料と
して用いた場合、その塗膜は剥離性、耐磨耗性、可とう
性等の点で優れたおり、特に耐磨耗性、弾性、可とう性
の点で従来の単なるアクリルエマルジョン樹脂組成物の
それに比し優れている。本発明の水性樹脂分散液を自動
車、建材等の輸送中、保管中の損傷、汚れ防止の保護塗
料として使用すると、アクリルエマルジョン樹脂を用い
た場合より、輸送中他の物品と接触していても磨損によ
り、製品が損傷されず、保護目的は十分に達成される。
【0055】
【発明の効果】本発明の水性樹脂分散液を自動車、建材
等の輸送中、保管中の損傷、汚れ防止の保護塗料として
使用すると、輸送中他の物品と接触していても磨損によ
り保護膜が破れることなく、製品が損傷されず、保護目
的が十分に達成される。
等の輸送中、保管中の損傷、汚れ防止の保護塗料として
使用すると、輸送中他の物品と接触していても磨損によ
り保護膜が破れることなく、製品が損傷されず、保護目
的が十分に達成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 175/14 C09D 175/14
Claims (7)
- 【請求項1】 ジメチロールブタン酸を開始剤としてこ
れにラクトン類を開環付加重合させて得られるポリエス
テルポリオールを含むポリオールと、ポリイソシアネー
ト化合物と、鎖伸長剤と、から得られる水性ポリウレタ
ン樹脂分散液の存在下、α,β−エチレン性不飽和結合
を含む1種又は2種以上の重合性不飽和単量体を重合さ
せて得られる水性樹脂分散液からなる保護塗料組成物。 - 【請求項2】 該ラクトン類がε−カプロラクトンであ
る請求項1に記載の保護塗料組成物。 - 【請求項3】 該水性ポリウレタン樹脂分散液の固形分
換算の酸価が15〜50mgKOH/gである請求項1
または2に記載の保護塗料組成物。 - 【請求項4】 該α,β−エチレン性不飽和結合を含む
重合性不飽和単量体と該水性ポリウレタン樹脂分散液と
の重量比が固形分換算値で100/400〜100/5
である請求項1ないし3のいずれかに記載の保護塗料組
成物。 - 【請求項5】 該保護塗料組成物が自動車の外面塗装の
保護用である請求項1ないし4のいずれかに記載の保護
塗料組成物。 - 【請求項6】 該保護塗料組成物が建材の保護用である
請求項1ないし4のいずれかに記載の保護塗料組成物。 - 【請求項7】 建材がドアまたはアルミサッシである請
求項6に記載の保護塗料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14071699A JP2000327953A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 保護塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14071699A JP2000327953A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 保護塗料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000327953A true JP2000327953A (ja) | 2000-11-28 |
Family
ID=15275059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14071699A Withdrawn JP2000327953A (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 保護塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000327953A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009120684A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Rinrei:Kk | 建材用コーティング膜及び建材用コーティング剤 |
WO2022065323A1 (ja) * | 2020-09-25 | 2022-03-31 | 中国塗料株式会社 | 表面保護用塗料組成物 |
-
1999
- 1999-05-20 JP JP14071699A patent/JP2000327953A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009120684A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Rinrei:Kk | 建材用コーティング膜及び建材用コーティング剤 |
WO2022065323A1 (ja) * | 2020-09-25 | 2022-03-31 | 中国塗料株式会社 | 表面保護用塗料組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050819 |
|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20060317 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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Effective date: 20070807 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |