JP2000327834A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2000327834A
JP2000327834A JP11141551A JP14155199A JP2000327834A JP 2000327834 A JP2000327834 A JP 2000327834A JP 11141551 A JP11141551 A JP 11141551A JP 14155199 A JP14155199 A JP 14155199A JP 2000327834 A JP2000327834 A JP 2000327834A
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Takeshi Masuda
武 増田
Susumu Morishita
進 森下
Hatsuko Kawada
肇子 川田
Naoki Kano
直喜 狩野
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Shikoku Chemicals Corp
Original Assignee
Shikoku Chemicals Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂に対して優れた難燃性を付与し、且
つ樹脂に対する難燃剤の耐加水分解性、並びに樹脂に混
練する際の作業性を改善した非ハロゲン系の難燃剤を提
供する。 【解決手段】 合成樹脂に対して、難燃剤としてN、
N’−ビス(ジフェノキシフォスフィニル)ピペラジン
など、特定のリン酸アミド化合物を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変性ポリフェニ
レンエーテル系樹脂、ポリカーボネート樹脂など各種の
合成樹脂に、非ハロゲン系のリン酸アミド系化合物およ
びトリアジン化合物を配合した難燃性樹脂組成物を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】難燃性樹脂組成物は、電気部品、自動車
部品などの用途分野において広く使用されているが、従
来知られているハロゲン含有化合物と酸化アンチモンを
配合したものは、燃焼時に腐食性、有害性のハロゲン系
ガスの発生を伴うので、近年特に非ハロゲン系の難燃剤
を用いて難燃特性を改善することが求められている。
【0003】非ハロゲン系難燃剤としては、特開昭53
−73248号公報にトリフェニルホスフェートなどの
リン酸工ステル、特開昭60−106853号公報に縮
合リン酸アミド(リン酸アンモニウムの縮合体)、特開
平2−115262号公報に縮合リン酸エステルを配合
したものが、それぞれ開示されている。
【0004】しかしながら、これらの化合物は樹脂の耐
加水分解性を低下させる傾向があり、しかも樹脂との加
熱混練時に分解が起こり、作業環境を悪化するホスフィ
ンガスを発生し易いという問題点があるため、必ずしも
満足しうる状態にあるとは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑み変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂など各種の合成樹脂に対する相溶性が良
好であり、且つこれらの樹脂に対する耐加水分解性に優
れ、また樹脂との加熱混練時に毒性の強いホスフィンガ
スの発生を低減しうる非ハロゲン系難燃剤を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、非ハロゲ
ン系難燃剤を使用することを前提として数多<の試験研
究を行つた結果、合成樹脂に対して特定のリン酸アミド
化合物、あるいはリン酸アミド類とトリアジン化合物の
両者を配合させることによって、所期の目的を達成しう
ることを見い出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。すなわち、本発明の難燃性樹脂組成物は、合成樹脂
に難燃性を示す有効成分として、下記の一般式で示され
るリン酸アミド化合物を少なくとも1種を配合させたも
のである。
【0007】
【化9】 但し式中、R及びRは同一または異なるもので水素
原子または低級アルキル基を表わす。
【0008】さらに本発明の実施に当たっては、合成樹
脂に対して前記化9で表わされるリン酸アミド化合物と
下式で示されるトリアジン化合物を少なくとも1種ある
いはそれそれ以上配合させることによって、樹脂に優れ
た難燃特性を付与させることができる。
【0009】
【化10】 但し式中、Xはモルホリノ基、フタルイミノ基またはジ
メチルヒダントイニル基を表わす。
【0010】
【化11】 但し式中、Xはモルホリノ基、フタルイミノ基またはジ
メチルヒダントイニル基を表わす。
【0011】
【化12】 但し式中、Yはエチレンジアミノ基、ピベラジニル基、
エチレン尿素基、または2−ヒドロキシエチルアミノ基
を表わす。
【0012】
【化13】 但し式中、Yはエチレンジアミノ基、ピベラジニル基、
エチレン尿素基、または2−ヒドロキシエチルアミノ基
であり、nは1または2を表わす。
【0013】
【化14】 但し式中、Zはエチレンジアミノ基、1,2−プロパン
ジアミノ基、1,3−プロパンジアミノ基、1,4−ブ
タンジアミノ基、4−(4,6−ジアミノ−トリアジニ
ルエチル)ジエチレントリアミノ基を表わす。
【0014】
【化15】 メラミンシアヌレート
【0015】本発明において使用されるリン酸アミド化
合物は、樹脂に対して優れた難燃性を付与しうるもので
あるが、これを単独で樹脂に配合して所期の難燃効果を
発揮させるために高価なリン酸アミド化合物を多量使用
することを余儀なくされ、合成樹脂中に多くのリン酸ア
ミド化合物が添加される結果として、樹脂の物理的特性
が低下したり、樹脂にリン酸アミド化合物を加熱混練す
る際に毒性の強いホスフィンガスが発生し、作業環境が
悪化するなどの難点がある。
【0016】本発明者等は、このような樹脂に対する難
燃剤のトラブルを解消するため、さらに種々の試験を実
施した結果、リン酸アミド化合物と前記化10ないし化
15に記載のトリアジン化合物を併用することによっ
て、リン酸アミド化合物の樹脂に対する使用量を低減さ
せて前記のトラブルを解消し、本発明を完成するに至っ
たものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の難燃剤として用いられる
前記化9の一般式で示されるリン酸アミド化合物の代表
的なものはN,N’−ビス(ジフェノキシフォスフィニ
ル)ピペラジン、N,N’−ビス[ビス(4−メチルフ
ェノキシ)フォスフィニル]ピペラジン、N,N’−ビ
ス[ビス(3,5−ジメチルフェノキシ)フォスフィニ
ル]ピペラジン等が挙げられる。
【0018】本発明の難燃剤として用いられる前記化1
0ないし化14で示される化合物は本件特許出願人の特
願平10−27498号および同10−374519号
の明細書に記載の方法で合成されたものであり、化10
または化11で示されるトリアジン化合物の代表的なも
のとしては、4−[β−(2’,4’−ジアミノ−S−
トリアジニル−6’−)エチル]モルホリン、N−[β
−(2’,4’−ジアミノ−S−トリアジニル−6’
−)エチル]フタルイミド及び3−[β−(2’,4’
−ジアミノ−S−トリアジニル−6’−)エチル]5,
5−ジメチルヒダントイン並びにこれらのイソシアヌル
酸塩が挙げられる。
【0019】前記化12または化13として示されるト
リアジン化合物の代表的なものとしては、1,3−ビス
[β−(2’,4’−ジアミノ−S−トリアジニル−
6’−)エチル]エチレン尿素、1,4−ビス[β−
(2’,4’−ジアミノ−S−トリアジニル−6’−)
エチル]ピペラジン、N、N’−ビス[β−(2’,
4’−ジアミノ−S−トリアジニル−6’−)エチル]
エチレンジアミン及びN,N−ビス[β−(2’,4’
−ジアミノ−S−トリアジニル−6’−)エチル]アミ
ノエタノール並びにそれらのイソシアヌル酸塩が挙げら
れる。
【0020】前記化14として示されるトリアジン化合
物の代表的なものとしては、テトラキス[β−(2’,
4’−ジアミノ−S−トリアジニル−6’−)エチル]
エチレンジアミン、ペンタキス[β−(2’,4’−ジ
アミノ−S−トリアジニル−6’−)エチル]ジエチレ
ントリアミン、テトラキス[β−(2’,4’−ジアミ
ノ−S−トリアジニル−6’−)エチル]1,3プロパ
ンジアミンが挙げられる。
【0021】本発明の実施に適する代表的な合成樹脂と
しては、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート・A
BS混合樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリ
フェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン、発泡ポリスチ
レン、アクリルニトリル−スチレン共重合体、アクリル
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリオレフィン樹脂、石油樹脂、
ポリメチルメタクリレート、ポリアミド樹脂、ポリアセ
タール樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性
樹脂ならびにフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキ
シ樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0022】本発明の実施において使用されるリン酸ア
ミド化合物の配合量は、前記合成樹脂100重量部に対
して通常1−60重量部、好ましくは5−40重量部の
割合で添加すべきである。合成樹脂に対するリン酸アミ
ドの配合量が、前記の範囲を下回る場合は所期の難燃効
果が得られず、またこれを超えて配合しても構わない
が、それ以上の難燃性の向上は認められないので、徒ら
に添加してもコスト高を招来するに過ぎない。また、リ
ン酸アミド化合物とトリアジン化合物を併用する場合に
おいては、合成樹脂100重量部に対してリン酸アミド
化合物を1−60重量部、トリアジン化合物を1−60
重量部の割合で配合すべきである。
【0023】本発明の難燃性樹脂組成物には、通常これ
らの樹脂に添加される各種添加剤、例えば紫外線吸収
剤、光安定剤、帯電防止剤、銅害防止剤、滑剤、中和
剤、無機充填剤、顔料、過酸化物等を併用することがで
きる。
【0024】本発明樹脂組成物の製造方法は、特に限定
されないが前述した各成分の所定量を撹拌混合したの
ち、得られた混合物をロール混練機または押出機等を用
いて溶融混練し、ペレット化することによって得ること
ができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例及び参考例に
よって具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。なお実施例、比較例における難
燃性の評価法は、ULサブジェクト94(アンダーライ
ターズ・ラボラトリーズインコーポレーテッド)の「機
器の部品用プラスチック材料の燃焼試験」に規定された
垂直燃焼試験に準拠して実施したものである。
【0026】本発明において難燃剤として使用する典型
的なリン酸アミド化合物の合成方法について説明する。 [参考例1] N,N’−ビス(ジフェノキシフォスフィニル)ピペラ
ジンの合成 撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下漏斗を備えたフラス
コに、ジフェニルホスホロクロリデート53.75g、
ピペラジン8.61g及びジクロロエタン200mlを
仕込み、内温50℃以下に保つよう冷却しながらトリエ
チルアミン22.26gを10分間かけて滴下し、さら
に内温85℃の温度に1時間保持した。この反応物を減
圧下で濃縮したのち、200mlの水を注ぎ30分撹拌
してから沈殿を濾取し、さらに200mlの水で沈殿物
を洗浄し、取り出した白色粉末状固体を減圧乾燥した。
本品の融点は184℃であり、NMR及びIRの結果か
らN,N’−ビス(ジフェノキシフォスフィニル)ピペ
ラジン[収量50.16g(収率91.1%)]である
と同定された。 H−NMR(δppm、CDCl3);3.17(8H、t)、7.18〜
7.21(12H、m)、7.30〜7.35(8H、m)
【0027】[参考例2] N,N’−ビス[ビス(4−メチルフェノキシ)フォス
フィニル]ピペラジンの合成 参考例1においてジフェニルホスホロクロリデートの代
わりに、ジ−p−クレジルホスホロクロリデートを用い
た以外は参考例1と同様な処理を行い、白色粉末状固体
を得た。本品の融点は125〜126℃であり、NMR
及びIRの結果からN,N’−ビス[ビス(4−メチル
フェノキシ)フォスフィニル]ピペラジンであると同定
された。 H−NMR(δppm、CDCl3);2.31(12H、s)、3.70〜
3.20(8H、m)、7.08(16H、s)
【0028】[参考例3] N,N’−ビス[ビス(3,5−ジメチルフェノキシ)
フォスフィニル]ピペラジンの合成 参考例1においてジフェニルホスホロクロリデートの代
わりに、3,5−キシレニルホスホロクロリデートを用
いた以外は参考例1と同様な処理を行い、白色粉末状固
体を得た。本品の融点は154〜156℃であり、NM
R及びIRの結果からN,N’−ビス[ビス(3,5−
ジメチルフェノキシ)フォスフィニル]ピペラジンであ
ると同定された。 H−NMR(δppm、CDCl3);2.28(24H、s)、3.00〜
3.09(8H、m)、6.80〜6.85(12H、s)
【0029】[実施例1]ポリカーボネート樹脂[商品
名:ユーピロンS−2000F、三菱エンプラ社製]1
00重量部に対して、参考例1において合成した難燃剤
「N,N’−ビス(ジフェノキシフォスフィニル)ピペ
ラジン」(以下PIP−DPPと略す)を所定の割合で
加え、タンブラーブレンダーを用いて混合したのち、2
50℃の温度で溶融混練し、口径30mmの押出機から
押し出してペレット状樹脂組成物とし、これを射出成形
機[シリンダー温度250℃、金型温度70℃]で処理
して、厚さ1/16インチの試験片を作製し、その難燃
性を調べたところ、これらの試験結果は表1に示したと
おりであった。
【0030】[比較例1]実施例1においてPIP−D
PPの代わりにトリフェニルホスフェート(以下TPP
と略す)を用いて、同様の試験条件で実験を行い、作製
した試験片について難燃性を調べたところ、これらの試
験結果は表1に示したとおりであった。
【0031】
【表1】
【0032】これらの試験結果から、ポリカーボネート
樹脂に対してPIP−DPPを用いた場合に、樹脂に対
して優れた難燃効果が認められた。
【0033】[実施例2]ポリカーボネート樹脂[商品
名:ユーピロンS−2000F、三菱エンプラ社製]7
0重量部とアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂
(以下ABS樹脂と略す)[商品名:クララスチックS
−3716、住化A&L社製]30重量部に対してPT
FE[商品名:ポリフロンMPAFA500、ダイキン
工業社製]0.2重量部および難燃剤PIP−DPPを
15重量部の割合で加えたもの、およびPTFE[商品
名:ポリフロンMPAFA500、ダイキン工業社製]
0.2重量部、難燃剤PIP−DPPを15重量部、
N,N’−ビス[β−(2’,4’−ジアミノ−S−ト
リアジニル−6’−)エチル]エチレンジアミンのイソ
シアヌル酸塩(以下EDA−2G・OKと略す)3重量
部を加えた試料を調製し、タンブラーブレンダーを用い
て混合したのち、240℃の温度で溶融混練し、口径3
5mmの二軸押出機から押し出してペレット状樹脂組成
物とし、これを射出成形機[シリンダー温度240℃、
金型温度70℃]で処理して、厚さ1/16インチの試
験片を作製し、その難燃性を調べたところ、これらの試
験結果は表2に示したとおりであった。
【0034】[比較例2]実施例2−Aにおいて、難燃
剤PIP−DPPの代わりに市販の縮合リン酸エステル
系難燃剤を用いた以外は、全く同様の試験条件で実験を
行い、作製した試験片について難燃性を調べたところ、
これらの試験結果は表2に示したとおりであった。
【0035】
【表2】
【0036】これらの試験結果から、ポリカーボネート
樹脂に対してPIP−DPPは市販の縮合リン酸エステ
ルに比べて優れた難燃効果が認められた。また、PIP
−DPPとEDA−2G・OKを併用する事によりPI
P−DPPの添加量を減じても同様の難燃効果が認めら
れた。
【0037】[実施例3]変性ポリフェニレンエーテル
樹脂[商品名:ノリル115−7001、日本GE社
製]100重量部に対して、難燃剤PIP−DPPを1
5重量部の割合で加えたもの及びPIP−DPP10重
量部と3−[β−(2’,4’−ジアミノ−S−トリア
ジニル−6’−)エチル]−5,5−ジメチルヒダント
イン(以下DMH−Gと略す)7重量部を加えた試料を
調製し、これらを各々タンブラーブレンダーを用いて混
合したのち、250℃の温度で溶融混練し、口径30m
mの押出機から押し出してぺレット状樹脂組成物とし、
これを射出成形機[シリンダー温度250℃、金型温度
70℃]で処理して、厚さ1/16インチの試験片を作
製し、その難燃性を調べたところ、これらの試験結果は
表3に示したとおりであった。
【0038】
【表3】
【0039】[実施例4]ハイインパクトポリスチレン
樹脂(以下HIPS樹脂と略す)[商品名:ディックス
チレンGH−6300−1、大日本インキ(株)製]1
00重量部に対して、難燃剤PIP−DPPを所定の割
合で加えたもの、PIP−DPP30重量部と3−[β
−(2’,4’−ジアミノ−S−トリアジニル−6’
−)エチル]5,5−ジメチルヒダントインのイソシア
ヌル酸塩(以下DMH−G・OKと略す)30重量部を
配合した試料およびPIP−DPP30重量部とメラミ
ンシアヌレート(以下MCと略す)30重量部を各々調
製し、ラボプラストミルで230℃の温度で溶融混練
し、取り出した溶融混練物を加圧成形機(金型温度23
0℃)で成形処理して、厚さ1/16インチの試験片を
作製しその難燃性を調べたところ、これらの試験結果は
表4に示したとおりであった。
【0040】
【表4】
【0041】これらの試験結果から、HIPS樹脂に対
してPIP−DPPとDMH−G・OKまたはMCを併
用した場合に、顕著な難燃効果が得られることが認めら
れた。
【0042】[実施例5]ABS樹脂[商品名:クララ
スチックS−3716、住化A&L社製]100重量部
に対して、難燃性PIP−DPPを所定の割合で加えた
試料とPIP−DPPとテトラキス[β−(2’,4’
−ジアミノ−S−トリアジニル−6’−)エチル]エチ
レンジアミン(以下EDA−4Gと略す)を併用した試
料を調製し、これらをラボプラストミルで240℃の温
度で溶融混練し、取り出した溶融混練物を加圧成形機
(金型温度240℃)で処理して、厚さ1/16インチ
の試験片を作製し、その難燃性を調べたところ、燃焼性
の試験結果は表5に示したとおりであった。
【0043】
【表5】
【0044】これらの試験結果からABS樹脂にPIP
−DPPとDMH−Gを併用して添加した場合は、リン
酸アミド化合物を低減しても同等の難燃効果が認められ
た。
【0045】[実施例6]ポリブチレンテレフタレート
樹脂(以下PBT樹脂と略す)[商品名:プラナックB
T−1000、大日本インキ(株)製]100重量部に
対して、難燃剤PIP−DPPを所定の割合で添加した
試料と、PIP−DPPと1,3−ビス[β−(2’,
4’−ジアミノ−S−トリアジニル−6’−)エチル]
エチレン尿素(以下EtU−2Gと略す)を併用した試
料を各々調製し、これらをラボプラストミルで250℃
の温度で溶融混練し、取り出した溶融混練物を加圧成形
機(金型温度250℃)で成形処理して、厚さ1/16
インチの試験片を作製し、その難燃性を調べたところ、
燃焼性の試験結果は表6に示したとおりであった。
【0046】
【表6】
【0047】これらの試験結果から、PBT樹脂にPI
P−DPPとEtU−2Gを併用して添加した場合、リ
ン酸アミド化合物を低減しても同等の難燃効果が認めら
れた。
【0048】[実施例7]参考例1において合成したD
IP−DPPおよび市販リン酸エステル系難燃剤(トリ
フェニルホスフェート、並びに縮合型リン酸エステル)
について、これらの耐加水分解性を調べるために、前記
各難燃剤2.5ミリモルをメタノール水溶液(メタノー
ル/水=100/5、V/V)5mlに溶解し、リン酸
化合物に対して1/10モルの水酸化ナトリウムを加え
て一晩放置し、高速クロマトグラフィによって、それぞ
れの耐加水分解率(%)を測定した結果は、表7に示し
たとおりであった。これらの試験結果によれば、本発明
のN、N’−ビス(ジフェノキシフォスフィニル)ピペ
ラジンは、トリフェニルホスフェートおよび縮合型リン
酸エステルに比べて、明らかに耐加水分解性に優れてい
るものと認められた。
【0049】
【表7】
【0050】[実施例8]参考例1において合成したP
IP−DPP並びに市販難燃剤(トリフェニルホスフェ
ート)について、樹脂との混練時の加熱分解によるホス
フインガスの発生量を調べた。すなわち、変性ポリフェ
ニレンエーテル樹脂[商品名:ノリル115−700
1、日本GE社製]100重量部に対して、前記難燃剤
をそれぞれ15重量部を配合し混合したのち、250℃
の温度で溶融混練した状態における容器雰囲気中のホス
フインガス濃度をガス検知管により測定したところ、こ
れらの試験結果は表8に示したとおりであった。これら
の結果から、本発明のN、N’−ビス(ジフェノキシフ
ォスフィニル)ピペラジンを樹脂と加熱混合した場合、
ホスフインガスの発生量を低減し得ることが認められ
た。
【0051】
【表8】
【0052】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃剤と
して非ハロゲン系の特定のリン酸アミド化合物を使用し
ているため、合成樹脂に優れた難燃性を付与することが
でき、しかも樹脂に対する難燃剤の耐加水分解性、並び
に樹脂と難燃剤の混練時における作業性が改善されるな
ど、実施上の効果は顕著である。さらに本発明は難燃剤
として前記リン酸アミド化合物に特定のトリアジン化合
物を併用させたものであり、これによって樹脂の成形時
におけるホスフィンガスの発生を低減し、作業環境が飛
躍的に改善しうるなど実施面における効果は顕著であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式で表わされる化合物から選
    択される、少なくとも1種のリン酸アミド化合物を有効
    成分として配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成
    物。 【化1】 但し式中、R及びRは同一または異なるもので水素
    原子または低級アルキル基を表わす。
  2. 【請求項2】 下記の一般式で表わされる化合物から選
    択される、少なくとも1種のリン酸アミド化合物と、化
    3ないし化8の一般式で表わされる化合物から選択され
    る少なくとも1種のトリアジン化合物を有効成分として
    配合したことを特徴とする難燃性樹脂化合物。 【化2】 但し式中、R及びRは同一または異なるもので水素
    原子または低級アルキル基を表わす。 【化3】 但し式中、Xはモルホリノ基、フタルイミノ基またはジ
    メチルヒダントイニル基を表わす。 【化4】 但し式中、Xはモルホリノ基、フタルイミノ基またはジ
    メチルヒダントイニル基を表わす。 【化5】 但し式中、Yはエチレンジアミノ基、ピベラジニル基、
    エチレン尿素基、または2−ヒドロキシエチルアミノ基
    を表わす。 【化6】 但し式中、Yはエチレンジアミノ基、ピベラジニル基、
    エチレン尿素基、または2−ヒドロキシエチルアミノ基
    であり、nは1または2を表わす。 【化7】 但し式中、Zはエチレンジアミノ基、1,2−プロパン
    ジアミノ基、1,3−プロパンジアミノ基、1,4−ブ
    タンジアミノ基、4−(4,6−ジアミノ−トリアジニ
    ルエチル)ジエチレントリアミノ基を表わす。 【化8】 メラミンシアヌレート
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