JP2000327295A - 横行システムを持ったフォークリフト - Google Patents

横行システムを持ったフォークリフト

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JP2000327295A
JP2000327295A JP14087799A JP14087799A JP2000327295A JP 2000327295 A JP2000327295 A JP 2000327295A JP 14087799 A JP14087799 A JP 14087799A JP 14087799 A JP14087799 A JP 14087799A JP 2000327295 A JP2000327295 A JP 2000327295A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 4輪車タイプでありながら、通常走行時およ
び横行走行時の換向を可能とした横行システムを持った
フォークリフトを提供する。 【解決手段】 車体2に、左右一対の前車輪3と後車輪
4を、それぞれ90度状に換向可能に設けた。前車輪3
は、走行駆動装置21側に連動連結し、走行駆動装置2
1は、車体2側に対して縦軸心27の周りに回動自在に
設けるとともに、回動を行わせる前輪回動装置30を設
けた。後車輪4を、車体2側に対して縦軸心39の周り
に回動させる後輪回動装置50は、換向用シリンダー5
1と後輪横行用シリンダー53からなる。後輪横行用シ
リンダー53は、換向用シリンダー51が中立状のとき
に後車輪4を回動可能として左右一対に設け、換向用シ
リンダー51の作動時には所定の非作動姿勢となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、横行走行に切り換
え得る横行システムを持ったフォークリフトに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、横行システムを持った車両として
は、大型の運搬車、一部のローダなどに見られ、フォー
クリフトにおいてはリーチ式電気車に存在する。また、
車両の動きに対してマストやフォークが横向きに取り付
けられ、長尺物を扱うサイドフォークリフトはある。し
かし、カウンタータイプのエンジン式フォークリフトに
おいては、通常の作業に加えて、横行することが可能で
サイドフォークと同様の機能を持つものは存在しない。
このようなフォークリフトを成立させるためには、駆動
輪(前車輪)や換向輪(後車輪)を真横に向くように操
舵しなければならない。その際に、両駆動輪は独立して
シリンダーなどのアクチュエータで換向される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来のフォーク
リフトでは、換向輪を真横に換向させる場合、通常走行
時のハンドルホイールによる換向と、横行時における横
向きの換向とを、両立させることは困難であった。な
お、通常走行時のハンドルホイールによる換向と、横行
時における横向きの換向とを両立させる方法としては、
換向輪(ステアリングアクスル)を1輪(3輪車タイ
プ)にする方法がある。この場合は、横行時にハンドル
ホイールをロック状態まで切れば、換向輪を横向きとし
て横行することはできるが、その反面、3輪車タイプは
4輪車タイプに比べて安定が悪いものになる。
【0004】そこで本発明の請求項1記載の発明は、4
輪車タイプでありながら、通常走行時および横行走行時
の換向を可能とし得る横行システムを持ったフォークリ
フトを提供することを目的としたものである。また請求
項2記載の発明は、通常走行時から横行走行時へ切り替
え制御は、共通の横行用コントロールバルブの操作で円
滑に行える横行システムを持ったフォークリフトを提供
することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の請求項1記載の横行システムを持った
フォークリフトは、車体に、左右一対の前車輪と左右一
対の後車輪が、それぞれ90度状に換向可能に設けら
れ、左右一対の前車輪は、それぞれ走行駆動装置側の駆
動軸に連動連結され、両走行駆動装置は車体側に対して
縦軸心の周りに回動自在に設けられるとともに、回動を
行わせる前輪回動装置が設けられ、左右一対の後車輪
は、車体側に対して縦軸心の周りに回動自在に設けられ
るとともに、回動を行わせる後輪回動装置が設けられ、
この後輪回動装置は、換向用シリンダーと後輪横行用シ
リンダーとを有し、この後輪横行用シリンダーは、換向
用シリンダーが中立状のときに後車輪を各別に回動可能
として左右一対に設けられるとともに、換向用シリンダ
ーの作動時には所定の非作動姿勢となることを特徴とし
たものである。
【0006】したがって請求項1の発明によると、通常
走行時には、左右の前車輪ならびに左右の後車輪は前後
方向に向いている。通常走行の際に、ハンドルを左右に
回しオービットロールにて換向用シリンダーを作動させ
たとき、両後輪横行用シリンダーは所定の非作動姿勢に
あってリンク状の役目を成すことから、ハンドルの操縦
に応じて後車輪を換向させて旋回し得る。また、換向用
シリンダーを限度まで作動させたときには、左右の後車
輪を逆ハの字状に換向させ得、以てその場での旋回を可
能にし得る。
【0007】通常走行時から横行走行へと切り換えると
き、たとえばレバー式の横行モードスイッチを操作し、
前輪回動装置と後輪回動装置とを作動させる。すなわ
ち、前輪回動装置を作動させ、前車輪を縦軸心の周りに
回動させて、車体に対して90度換向(真横に換向)さ
せる。ここで前車輪は、それぞれ走行駆動装置と一体で
あることから、その90度換向は容易にスムーズに行え
る。
【0008】また後輪回動装置を作動させ、後車輪を縦
軸心の周りに回動させて、車体に対して90度換向(真
横に換向)させる。その際に後輪回動装置では、換向用
シリンダーを中立状(直進状)の位置とした状態で、後
輪横行用シリンダーを作動させることによって、後車輪
の90度換向は容易にスムーズに行える。このようにし
て前車輪や後車輪を真横に換向したのち、走行駆動装置
により前車輪を正逆に駆動させることで、フォークリフ
トを左右で横行走行させ得る。その際に左右一対の後車
輪は追従回転される。
【0009】また本発明の請求項2記載の横行システム
を持ったフォークリフトは、上記した請求項1記載の構
成において、前輪回動装置は前輪横行用シリンダーを有
し、この前輪横行用シリンダーと後輪横行用シリンダー
とは、共通の横行用コントロールバルブにそれぞれ開閉
バルブを介して並列に接続され、横行操作により後輪側
開閉バルブが開作動して、横行用コントロールバルブの
操作により後輪横行用シリンダーを横行側へ作動させ、
そして後車輪の横向き完了を検出することで、後輪側開
閉バルブを閉作動させるとともに前輪側開閉バルブを開
作動させるように構成されていることを特徴としたもの
である。
【0010】したがって請求項2の発明によると、横行
モードスイッチを操作したとき、まず後輪側開閉バルブ
のみ開作動し、したがって横行用コントロールバルブの
操作により、後輪横行用シリンダーを作動させて後車輪
を車体に対して90度状に換向し得る。そして後車輪の
換向完了を検出して、後輪側開閉バルブを閉作動させる
とともに前輪側開閉バルブを開作動させることによっ
て、横行用コントロールバルブの操作により、前輪横行
用シリンダーを作動させて前車輪を車体に対して90度
状に換向し得る。
【0011】これにより横行モードが可能になり、した
がって、走行駆動装置を介して前車輪を正逆に駆動させ
ることで、フォークリフトを左右で横行走行させ得る。
この横行走行を行っている際に、前輪側開閉バルブは開
作動状態にあることから、適宜に横行用コントロールバ
ルブを操作することによって、前輪横行用シリンダーを
指定した範囲のみ動かすことが可能となり、以て横行走
行時の位置、旋回、補正などを行える。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
通常のフォークリフトに採用した状態として、図1〜図
7に基づいて説明する。図1〜図4において、横行シス
テムを持ったフォークリフト1は、その車体2の前部に
左右一対の前車輪(駆動輪)3が設けられるとともに、
後部に左右一対の後車輪(換向輪)4が設けられ、そし
て車体2の前部で上方には運転席5が設けられる。前記
車体2の前端部には上下方向で伸縮自在なマスト6が、
車幅方向の連結軸7を介して前後方向に回動自在に取り
付けられるとともに、前後回動を行わせるティルトシリ
ンダー8が、車体2とマスト6との間に設けられる。
【0013】前記マスト6は、フォークリフト1側の左
右一対の外枠9と、この外枠9に案内されて昇降自在な
左右一対の内枠10とからなり、そして外枠9と内枠1
0との間にリフトシリンダー11が設けられている。ま
た内枠10側に案内されて昇降自在なリフトブラケット
12が設けられるとともに、このリフトブラケット12
に上下一対のフィンガーバを介して、左右一対のフォー
ク13が設けられている。
【0014】前記運転席5には、座席15や、この座席
15の前方に位置されるハンドル16などが配設され、
そして上方には、本体2側から立設されたフロントパイ
プ17やリヤパイプ18を介してヘッドガード19が配
設されている。さらに座席15の後方で本体2上にはカ
ウンターウエイト20が設けられている。左右一対の前
車輪3と左右一対の後車輪4は、それぞれ車体2に対し
て90度状に換向可能(真横に換向可能)に設けられて
いる。すなわち、左右一対の前車輪3は、そのリム3A
がそれぞれ油圧モータ(走行駆動装置)21の回転フラ
ンジ(駆動軸)22に連結具23を介して直接に取り付
けられることで、油圧モータ21側に連動連結されてい
る。
【0015】そして油圧モータ21のマウントは、逆L
字状の旋回部材24における縦板部分に横向きで取り付
けられ、また旋回部材24における横板部分は、軸受2
5と縦軸26とを介して、車体2側に対して縦軸心27
の周りに回動自在に設けられている。その際に縦軸心2
7は、前車輪3の真上部分に位置されるように構成され
ている。
【0016】前記油圧モータ21、すなわち旋回部材2
4の回動を行わせる前輪回動装置30が設けられる。前
輪回動装置30は前輪横行用シリンダー31を有し、こ
の前輪横行用シリンダー31は、その本体31aが車体
2側に縦ピン32を介して揺動自在に取り付けられると
ともに、ピントンロッド30bが、片側の旋回部材24
に固定されたリンク33に縦方向の連結ピン34を介し
て相対回動自在に連結されている。そして左右の縦軸2
6から連設されたアーム35間が、リンク体36と連結
ピン37とを介して相対回動自在に連結されている。
【0017】したがって、前輪横行用シリンダー31の
作動によって、リンク33を介して旋回部材24を回動
させることで、片側の前車輪3を縦軸心27の周りに換
向して真横に向けさせるとともに、アーム35やリンク
体36などを介して他側の前車輪3を縦軸心27の周り
に換向して真横に向け得る。すなわち前輪回動装置30
によると、共通の前輪横行用シリンダー31の作動によ
って、左右の前車輪3が互いに同方向に換向されて真横
に向くように構成されている。以上の31〜37などに
より、前輪回動装置30の一例が構成される。
【0018】図7において前記車体2側には、エンジン
40と、このエンジン40により駆動される一対のポン
プ41とが設けられている。そして、一個の油圧モータ
21にそれぞれポンプ41が対応されるように、すなわ
ち、2ポンプ2モータタイプの油圧駆動システム(HS
Tシステム)になるように、対応するポンプ41と油圧
モータ21とが配管(油圧ホースなど)42を介して連
通されている。
【0019】図1〜図4において左右一対の後車輪4
は、そのリム4Aの部分がそれぞれ旋回部材45におけ
る縦板部分に横方向の車軸46などを介して遊転自在に
取り付けられ、また旋回部材45における横板部分は、
軸受47と縦軸48とを介して、車体2側に対して縦軸
心49の周りに回動自在に設けられている。左右一対の
後車輪4を縦軸心49の周りに回動させる後輪回動装置
50が設けられ、この後輪回動装置50は、換向用シリ
ンダー51や後輪横行用シリンダー53などから構成さ
れる。
【0020】すなわち、換向用シリンダー51は、その
本体51aが車体2側に取り付けられるとともに、その
ピストン51bに連結されたピストンロッド51cは車
幅方向の両側に突出されている。そしてピストンロッド
51cの突出された両端部間に保持枠体52が設けられ
ている。この保持枠体52に、左右一対の後輪横行用シ
リンダー53の本体53aが取り付けられ、これら後輪
横行用シリンダー53のピストン53bに連結されたピ
ストンロッド53cは、それぞれ車幅方向の外側に突出
されている。そして前記縦軸48側から連設されたアー
ム体54とピストンロッド53cの突出端との間が、リ
ンク55や縦方向の連結ピン56,57などを介して相
対回動自在に連結されている。
【0021】前記換向用シリンダー51は、ハンドル1
6を回すことでオービットロール(全油圧式パワーステ
アリング)58にて左右作動など行うように構成されて
いる。また後輪横行用シリンダー53は、換向用シリン
ダー51が中立状のときにコントロールバルブ59を作
動させることで、後車輪4を各別に回動可能として左右
一対に設けられるとともに、換向用シリンダー51の作
動時には所定の非作動姿勢となるように構成されてい
る。
【0022】したがって、後輪横行用シリンダー53の
作動により、リンク55やアーム体54などを介して縦
軸48を回動させることで、旋回部材45などを介して
後車輪4を縦軸心49の周りに換向して真横に向け得
る。すなわち、後輪横行用シリンダー53の作動によっ
て、左右の後車輪4は互いに同方向に換向して真横に向
くように構成されている。以上の51〜59などによ
り、左右一対の後車輪4を縦軸心49の周りに回動させ
る後輪回動装置40の一例が構成される。
【0023】以下に、上記した実施の形態における作用
を説明する。図1や図2や図3の実線、ならびに図4
は、通常走行における直進時を示している。このとき左
右の前車輪3ならびに左右の後車輪4は前後方向に向い
ている。このようなフォークリフト1は、運転席5の座
席15に座った作業者がハンドル16を操縦すること
で、走行動し得る。
【0024】そしてリフト用レバーを操作しリフトシリ
ンダー11を作動させることで、リフトブラケット12
などを介してフォーク13を、マスト6に沿って昇降動
させ得、以て所期のフォーク作業を行える。またティル
ト用レバーを操作しティルトシリンダー8を作動させる
ことで、マスト6を連結軸7の周りで回動(傾倒)させ
得、以てリフトブラケット12などを介してフォーク1
3の姿勢を変化させ得る。
【0025】前述した走行動の際に、ハンドル16の操
縦に応じて換向される。すなわち、たとえばハンドル1
6を左側へ回すことで、図5の(a)に示すように、換
向用シリンダー51はオービットロール58にて左側へ
と作動され、保持枠体52が一体に左側へと移動され
る。このとき両後輪横行用シリンダー53は、所定の収
縮限で非作動姿勢にあってリンク状の役目を成すことに
なる。
【0026】したがって、保持枠体52の左側への移動
は、後輪横行用シリンダー53とリンク55とを介して
アーム体54に伝達され、以て旋回部材45を縦軸心4
9の周りに回動させ、後車輪4を換向させて左旋回し得
る。なお、ハンドル16の操縦に応じての通常の旋回時
に、後輪横行用シリンダー53の片側は引張られ側にな
るため、リークを押えるために回路にチェックバルブを
配したり、後輪横行用シリンダー53に対し定期的に圧
力を加えるように構成されている。
【0027】また図5の(b)に示すように、換向用シ
リンダー51が左側へと限度まで作動されたときには、
左右の後車輪4を逆ハの字状に換向させ得、以てその場
での旋回を可能にし得る。このような通常走行時から横
行走行へと切り換えるとき、まず換向用シリンダー51
が、図4に示す中立状(直進状)の位置とされる。この
状態で、たとえばレバー式の横行モードスイッチ(図示
せず)を操作し、前輪回動装置30と後輪回動装置50
とを作動させる。
【0028】すなわち前輪回動装置30では、レバーを
傾けることにより前輪横行用シリンダー31を作動さ
せ、リンク33などを介して旋回部材24を縦軸心27
の周りに回動させ、以て図1や図2の仮想線、ならびに
図6の(b)に示すように、前車輪3を車体2に対して
90度状に換向(真横に換向)させる。ここで前車輪3
は、それぞれ油圧モータ21と一体であることから、そ
の90度換向は容易にスムーズに行え、さらに縦軸心2
7が前車輪3の真上部分に位置されることから、前車輪
3などはコンパクトにして90度換向が行えることにな
る。
【0029】また後輪回動装置50では、コントロール
バルブ59により両後輪横行用シリンダー53が伸展動
され、ピストンロッド53cの突出動がリンク55を介
してアーム体54に伝達されて、旋回部材45を縦軸心
49の周りに回動させ、以て図1や図3の仮想線、なら
びに図5の(c)や図6の(b)に示すように、後車輪
4を車体2に対して90度状に換向(真横に換向)させ
る。
【0030】このようにして前車輪3や後車輪4の換向
を行ったこと、すなわち前車輪3や後車輪4が真横に換
向したことをセンサーで感知して、インジケータランプ
を点灯させ、これにより横行モードが可能になる。した
がって、エンジン40により駆動されている一対のポン
プ41からの油圧を、運転席5における正逆制御によ
り、対応した油圧モータ21に配管42を介して供給す
ることで、前車輪3を正逆に駆動させ、以てフォークリ
フト1を左右で横行走行させ得る。その際に左右一対の
後車輪4は追従回転される。
【0031】このようにして横行走行を行えることで、
たとえば長尺物の搬送を、フォーク13を介して容易に
行える。次に、本発明の別の実施の形態を、図8〜図1
1に基づいて説明する。前輪横行用シリンダー31と後
輪横行用シリンダー53とは、共通の横行用コントロー
ルバルブ60に並列に配置されるとともに、それぞれソ
レノイド形式の開閉バルブ61,62を介して接続され
ている。ここで開閉バルブ61,62は、横行操作によ
りまず後輪側開閉バルブ62が開作動して、横行用コン
トロールバルブ60の操作により後輪横行用シリンダー
53を横行側へ作動させるように構成されている。
【0032】そして後輪横行用シリンダー53の部分に
は、後車輪4の横向き完了を検出する後輪側センサー6
3が設けられ、この後輪側センサー63の検出により、
後輪側開閉バルブ62が閉作動されるとともに前輪側開
閉バルブ61が開作動されるように構成されている。こ
れにより、横行用コントロールバルブ60の操作によっ
て前輪横行用シリンダー31を横行側へ作動させ得る。
そして前輪横行用シリンダー31の部分には、前車輪3
の横向き完了を検出する前輪側センサー64が設けられ
ている。
【0033】この別の実施の形態において、通常走行時
から横行走行へと切り換えるために、横行モードスイッ
チが操作されたとき、図9に示すように、まず後輪側開
閉バルブ62のみが開作動され、そして横行用コントロ
ールバルブ60の操作により、後輪横行用シリンダー5
3は、その伸展作用室に圧力供給が行われて伸展動され
る。すると、ピントンロッド53cの突出動がリンク5
5を介してアーム体54に伝達されて、旋回部材45が
縦軸心49の周りに回動され、以て後車輪4が車体2に
対して90度状に換向(真横に換向)される。
【0034】そして後車輪4の換向が完了されると、こ
の完了が後輪側センサー63に検出され、この検出信号
により図10に示されるように、後輪側開閉バルブ62
が閉作動されるとともに前輪側開閉バルブ61が開作動
されることになる。したがって横行用コントロールバル
ブ60の操作により、前輪横行用シリンダー31は、そ
の伸展作用室に圧力供給が行われて伸展動される。する
と、ピントンロッド31bの突出動がリンク33を介し
て縦軸34に伝達されて、旋回部材24が縦軸心27の
周りに回動され、以て前車輪3が車体2に対して90度
状に換向(真横に換向)される。
【0035】そして前車輪3の換向が完了されると、こ
の完了が前輪側センサー64に検出され、この検出信号
によりインジケータランプを点灯させ、これにより横行
モードが可能になる。したがって、油圧モータ21を介
して前車輪3を正逆に駆動させることで、フォークリフ
ト1を左右で横行走行させ得る。このような横行走行を
行っている際に前輪側開閉バルブ61は開作動状態にあ
ることから、適宜に横行用コントロールバルブ60を操
作することによって、前輪横行用シリンダー31を指定
した範囲(図11の実線または仮想線に示すように、前
車輪3の角度で±5°程度)のみで動かすことが可能と
なり、以て横行走行時の位置、旋回、補正などを行え
る。その際に前輪側センサー64は、補正用の作動範囲
信号を出すように構成されている。
【0036】上述した別の実施の形態においては、通常
走行時から横行走行時へ切り替え制御は、共通の横行用
コントロールバルブ60の操作により、後輪横行用シリ
ンダー53を作動させたのち前輪横行用シリンダー31
を作動させることで、常に円滑に行え、さらに、引き続
いて横行用コントロールバルブ60の操作により前輪横
行用シリンダー31を作動させることで、横行走行の制
御も円滑に行えることになる。
【0037】上記した各実施の形態では、フォークリフ
ト1の駆動形式として、2ポンプ2モータタイプの油圧
駆動システムを採用しているが、これは1ポンプ2モー
タタイプの油圧駆動システムなどを採用してもよい。上
記した各実施の形態では、通常のフォークリフト1に採
用した状態が示されているが、これはサイドフォークリ
フトなどにも同様に採用できるものである。
【0038】
【発明の効果】上記した本発明の請求項1によると、4
輪車タイプでありながら、通常走行時および横行走行時
の換向を、複雑な電気制御をすることなく、確実に行う
ことができる。また上記した本発明の請求項2による
と、通常走行時から横行走行時へ切り替え制御は、共通
の横行用コントロールバルブを操作させる簡単かつ安価
の構成でありながら、常に円滑に行うことができるとと
もに、引き続いて横行用コントロールバルブの操作によ
り横行走行の制御も円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、横行システ
ムを持ったフォークリフトの通常走行時の側面図であ
る。
【図2】同横行システムを持ったフォークリフトの前車
輪部分の一部切り欠き正面図である。
【図3】同横行システムを持ったフォークリフトの後車
輪部分の一部切り欠き正面図である。
【図4】同横行システムを持ったフォークリフトの後車
輪部分の一部切り欠き平面図である。
【図5】同横行システムを持ったフォークリフトの後車
輪部分の作用説明図で、(a)は旋回時、(b)はその
場の旋回時、(c)は横行走行時である。
【図6】同横行システムを持ったフォークリフトの概略
平面図で、(a)は通常走行時、(b)は横行走行時で
ある。
【図7】同横行システムを持ったフォークリフトの概略
平面図である。
【図8】本発明の別の実施の形態を示し、横行システム
を持ったフォークリフトの通常走行時の概略平面図であ
る。
【図9】同横行システムを持ったフォークリフトの後車
輪換向時の概略平面図である。
【図10】同横行システムを持ったフォークリフトの前
車輪換向時の概略平面図である。
【図11】同横行システムを持ったフォークリフトの横
行走行時の概略平面図である。
【符号の説明】
1 フォークリフト 2 車体 3 前車輪(駆動輪) 4 後車輪(換向輪) 5 運転席 6 マスト 11 リフトシリンダー 13 フォーク 15 座席 16 ハンドル 21 油圧モータ(走行駆動装置) 22 回転フランジ(駆動軸) 24 旋回部材 27 縦軸心 30 前輪回動装置 31 前輪横行用シリンダー 33 リンク 35 アーム 36 リンク体 40 エンジン 41 ポンプ 45 旋回部材 49 縦軸心 50 後輪回動装置 51 換向用シリンダー 52 保持枠体 53 後輪横行用シリンダー 54 アーム体 55 リンク 58 オービットロール 59 コントロールバルブ 60 横行用コントロールバルブ 61 前輪側開閉バルブ 62 後輪側開閉バルブ 63 後輪側センサー 64 前輪側センサー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に、左右一対の前車輪と左右一対の
    後車輪が、それぞれ90度状に換向可能に設けられ、左
    右一対の前車輪は、それぞれ走行駆動装置側の駆動軸に
    連動連結され、両走行駆動装置は車体側に対して縦軸心
    の周りに回動自在に設けられるとともに、回動を行わせ
    る前輪回動装置が設けられ、左右一対の後車輪は、車体
    側に対して縦軸心の周りに回動自在に設けられるととも
    に、回動を行わせる後輪回動装置が設けられ、この後輪
    回動装置は、換向用シリンダーと後輪横行用シリンダー
    とを有し、この後輪横行用シリンダーは、換向用シリン
    ダーが中立状のときに後車輪を各別に回動可能として左
    右一対に設けられるとともに、換向用シリンダーの作動
    時には所定の非作動姿勢となることを特徴とする横行シ
    ステムを持ったフォークリフト。
  2. 【請求項2】 前輪回動装置は前輪横行用シリンダーを
    有し、この前輪横行用シリンダーと後輪横行用シリンダ
    ーとは、共通の横行用コントロールバルブにそれぞれ開
    閉バルブを介して並列に接続され、横行操作により後輪
    側開閉バルブが開作動して、横行用コントロールバルブ
    の操作により後輪横行用シリンダーを横行側へ作動さ
    せ、そして後車輪の横向き完了を検出することで、後輪
    側開閉バルブを閉作動させるとともに前輪側開閉バルブ
    を開作動させるように構成されていることを特徴とする
    請求項1記載の横行システムを持ったフォークリフト。
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