JP2000327046A - 咬合具付きスタンディングパウチ - Google Patents

咬合具付きスタンディングパウチ

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JP2000327046A
JP2000327046A JP11135611A JP13561199A JP2000327046A JP 2000327046 A JP2000327046 A JP 2000327046A JP 11135611 A JP11135611 A JP 11135611A JP 13561199 A JP13561199 A JP 13561199A JP 2000327046 A JP2000327046 A JP 2000327046A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種食品を冷蔵庫や冷凍庫で密封保存できる
と共に、このものを密封した状態のままで電子レンジに
より加熱調理することができる咬合具付きスタンディン
グパウチを提供することにある。 【解決手段】 底部に内側に折り込まれた底部折込部を
有し、天部側内面に開口部を開閉するための互いに咬み
合う合成樹脂製の咬合具を設け、両側端部と前記底部と
を熱接着し、前記底部折込部を開くことにより自立する
ように構成した咬合具付きスタンディングパウチにおい
て、前記咬合具と前記底部折込部との間の前記熱接着し
た両側部の内縁の少なくとも1箇所に前記内縁から内側
に張り出して熱接着された易剥離性を有する張出熱接着
部を備え、該張出熱接着部内に切刃ないし切欠が形成さ
れていることを特徴とする咬合具付きスタンディングパ
ウチ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状物、固形物、
あるいは、これらの混合物からなる各種食品を冷蔵や冷
凍で密封保存できると共に、このものを密封した状態の
ままで電子レンジにより加熱調理することができる咬合
具付きスタンディングパウチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種食品や食材は、平均的な
家族構成人員数を考慮し、一度に消費する数量を販売単
位として販売されていた。昨今の核家族化や少子化の進
展により、販売単位はますます少数、少量化の方向に向
かうと共に一方においては、使用する度に購入する煩雑
さをなくすために、一回の消費数量を一単位として包装
したものを複数個セットにして販売する形態も採られ、
使用後は冷蔵や冷凍、あるいは、常温で包装単位に保存
できるようにするなど、色々と工夫されて販売されてい
る。
【0003】しかし、たとえば、家庭で調理するカレ
ー、おでん、あるいは、五目煮といったような食品は、
消費単位に少量調理するよりも、一度に量多く調理する
方が美味しく調理でき、また、消費単位に調理するのが
結構面倒なものであり、通常このような食品は、複数回
に分けて食せる程度に量多く調理され、一回の使用量分
を残して他は蓋付きの合成樹脂製の成形容器に収納する
なり、皿や鉢等の瀬戸物容器に入れてラッピングフィル
ムで覆うなりして、冷蔵庫や冷凍庫で保存される。
【0004】そして、再度加熱調理する場合には、冷蔵
や冷凍状態に保存された調理済食品を冷蔵庫や冷凍庫か
ら取り出して、鍋等の加熱容器に移し替えられて加熱調
理されて食される。
【0005】また、近年では、電子レンジの普及によ
り、一般家庭においても使い勝手の良さから、冷蔵や冷
凍状態で保存された調理済食品が電子レンジで加熱調理
されるようになり、たとえば、冷蔵や冷凍状態で保存さ
れた調理済食品が耐熱性のある蓋付き合成樹脂製の成形
容器に収納されたものであるならば、蓋を事前に一部開
放しておいてから電子レンジで加熱調理する必要がある
し、また、前記蓋付き合成樹脂製の成形容器が耐熱性の
ないものであるなら、耐熱性のある蓋付き合成樹脂製の
成形容器や皿、鉢等の瀬戸物容器に移し替えられて、一
部開放状態にして蓋を被せるなり、ラッピングフィルム
で覆うなりして電子レンジで加熱調理する必要がある
し、また、調理済食品が皿や鉢等の瀬戸物容器に入れて
ラッピングフィルムで覆われて冷蔵庫や冷凍庫で保存さ
れたものであれば、そのまま電子レンジで加熱調理して
食される。
【0006】しかし、電子レンジで冷蔵や冷凍状態に保
存された調理済食品を加熱調理する場合、各種容器に収
納された調理済食品を上記のように蓋を一部開放するな
り、ラッピングフィルムで覆うなりするだけでは、加熱
調理することにより発生する蒸気がそのまま排出される
ために、安定した調理温度を保てないといった問題や、
必要以上に水分が蒸発するといった問題、また、加熱ム
ラが生じるといった問題、さらには、蒸らし効果が得ら
れないといった問題が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、各種食品を冷蔵庫や冷凍庫で密封保存できると共
に、このものを密封した状態のままで電子レンジにより
加熱調理することができ、また、加熱調理中に発生する
蒸気を一定時間保持して、安定した調理温度を保つと共
に加熱ムラも生じることがなく、蒸らし効果も得ること
ができる咬合具付きスタンディングパウチを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な問題点を解決すべく種々研究を重ねた結果、請求項1
記載の発明の咬合具付きスタンディングパウチは、底部
に内側に折り込まれた底部折込部を有し、天部側内面に
開口部を開閉するための互いに咬み合う合成樹脂製の咬
合具を設け、両側端部と前記底部とを熱接着し、前記底
部折込部を開くことにより自立するように構成した咬合
具付きスタンディングパウチにおいて、前記咬合具と前
記底部折込部との間の前記熱接着した両側部の内縁の少
なくとも1箇所に前記内縁から内側に張り出して熱接着
された易剥離性を有する張出熱接着部を備え、該張出熱
接着部内に切刃ないし切欠が形成されていることを特徴
とするものである。
【0009】このように構成することにより、各種食品
を冷蔵庫や冷凍庫で密封保存できると共に、前記食品を
パウチに収納したままで電子レンジにより加熱調理で
き、また、加熱調理中は発生する蒸気を一定時間保持し
て、安定した調理温度を保つと共に加熱ムラも生じるこ
とがなく、蒸らし効果も得ることができる。また、前記
パウチには易剥離性を有する張出熱接着部が前記パウチ
の前記両側端部を熱接着した内縁より内側に位置するよ
うに設けられていることにより、その他の熱接着部より
内部圧力により速く剥離して前記パウチ内の内部圧力を
前記張出熱接着部に設けた切刃ないし切欠より自動的に
逃がすことができるために、加熱調理前に蒸気の逃げ口
を確保する必要がなく、また、パウチが破袋することも
ない。
【0010】また、請求項2記載の発明の咬合具付きス
タンディングパウチは、底部に内側に折り込まれた底部
折込部を有し、天部側内面に開口部を開閉するための互
いに咬み合う合成樹脂製の咬合具を設け、両側端部と前
記底部とを熱接着し、前記底部折込部を開くことにより
自立するように構成した咬合具付きスタンディングパウ
チにおいて、該咬合具付きスタンディングパウチの胴部
に該胴部の前記両側端部に垂直な方向全幅に亘って外側
に突出する三方が閉じられ一方が内部と連通するように
袋状に構成された突出部が設けられ、該突出部内の内側
周縁部の少なくとも1箇所に前記内側周縁部から内側に
張り出して熱接着された易剥離性を有する張出熱接着部
を備え、該張出熱接着部内に切刃ないし切欠が形成され
ていることを特徴とするものである。
【0011】このように構成することにより、請求項1
記載のものに比べて、加熱調理中の内容物の吹きこぼれ
を少なくすることができるし、また、咬合具を開封して
内容物を取り出す時にもこぼさずに取り出し易くなる。
【0012】また、請求項3記載の発明は、請求項1、
2のいずれかに記載の咬合具付きスタンディングパウチ
において、前記張出熱接着部内に未接着部が設けられ、
該未接着部に切刃もしくは切欠が形成されていることを
特徴とするものである。このように構成することによ
り、易剥離性を有する張出熱接着部がその他の熱接着部
より内部圧力により速く剥離して、剥離が前記張出熱接
着部の未接着部に到達した時点で内部圧力を逃がすと共
に内部圧力が未接着部に集中して張出部を一気に剥離し
て一層大きく開口するために内部圧力を逃がし易くする
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】上記の本発明について、図面に示
す実施例を用いて以下に詳述する。図1は本発明にかか
る咬合具付きスタンディングパウチの第1の実施形態の
平面図、図2は図1のXーX線の断面図、図3は本発明
の咬合具付きスタンディングパウチの第2の実施形態の
平面図、図4は図3のYーY線の断面図、図5は図4に
対応する加熱調理途中の概略説明図であり、図中の1,
1'は咬合具付きスタンディングパウチ、2は胴部、3は
底部折込部、4は咬合具、5,5’は張出熱接着部、6
は切欠、7は袋状突出部、8は未接着部、9は切刃、2
1,22は壁部、30は切欠部、31,32は折込部片、50,6
1,62,70は熱接着部をそれぞれ示す。
【0014】図1は本発明の咬合具付きスタンディング
パウチの第1の実施形態の平面図、図2は図1のXーX
線の断面図であって、咬合具付きスタンディングパウチ
1は、胴部2を形成する対向する前後壁部21、22の底部
(図上で下側)に断面略逆V字状の底部折込部3を有す
と共に、天部側(図上で上側)に前記対向する前後壁部
21、22の内面に熱接着された互いに咬み合う合成樹脂製
の咬合具4を有している。前記底部折込部3は、両側端
縁に略半円形状の切欠部30、30を有する前後折込部片3
1、32が挿入された状態で設けられ、前記対向する前後
壁部21、22の両側端部と前記底部とを熱接着することに
より、前記前後壁部21、22の内面間および前記前壁部21
と前記前折込部片31の間および前記後壁部22と前記後折
込部片32の間がそれぞれ両側端部熱接着部50、底部前側
熱接着部61、底部後側熱接着部62で熱接着され、前記底
部折込部3を形成する前記前後折込部片31、32を開くこ
とにより、前記前後折込部片31、32に設けた切欠部30、
30において前記前後壁部21、22が熱接着されていること
と相まって、前記前後折込部片31、32の広がり状態で略
舟底形に湾曲して膨らんで自立するように構成されてい
る。さらに、前記咬合具4と前記底部折込部3との間の
前記両側端部熱接着部50の内縁に連接して内側に張り出
して熱接着された易剥離性を有する略台形状の張出熱接
着部5が形成されると共に、前記張出熱接着部5内に複
数の略円形状の切欠6が前記張出熱接着部5の前記対向
する前後壁部21、22を貫通して設けられている。
【0015】この咬合具付きスタンディングパウチ1
は、胴部2を形成する前後壁部21、22と底部折込部3を
形成する前後折込部片31、32とを、一枚の包装材から形
成することもできるし、また、前記胴部2を形成する前
後壁部21、22と前記底部折込部3を形成する前後折込部
片31、32とを別包装材で形成することもできるが、いず
れの場合にしても、易剥離性を有する張出熱接着部5を
形成する方法としては、前記張出熱接着部5を形成する
前記前後壁部21、22のいずれの内面にも、たとえば、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂や塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン等の変性ポリオレフィン系樹
脂、あるいは、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系
樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの混合樹脂等で熱接
着性樹脂層を設けてこの熱接着性樹脂層同士を熱接着さ
せることにより、熱接着させた界面や層間で易剥離性を
得るように構成するのが適当である。しかし、本発明の
咬合具付きスタンディングパウチ1は、食品が冷蔵や冷
凍状態で保存されると共に、この状態で直接電子レンジ
により加熱調理されるものであり、耐寒性や耐熱性が要
求されると共に、油分を含んだ食品も収納されることか
ら耐油性も必要であり、こういった点を考慮すると、ポ
リプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とオレフィン
系共重合体ゴムとの混合樹脂からなる熱接着性樹脂層で
前記前後壁部21、22のいずれの内面も形成するのが好ま
しい。
【0016】前記混合樹脂のポリプロピレン系樹脂とし
ては、たとえば、結晶性プロピレンランダム共重合体で
あって、プロピレンとエチレン、ブテンー1、ペンテン
ー1、ヘキセンー1、3ーメチルブテンー1、4ーメチ
ルペンテンー1、オクテンー1などのαーオレフィンと
のランダム共重合体などが挙げられ、なかでも結晶性プ
ロピレンーエチレンランダム共重合体が好ましい。な
お、ランダム共重合体としては、多段重合で得られるホ
モポリプロピレンとの混合物であっても構わない。
【0017】また、前記混合樹脂のポリエチレン系樹脂
としては、たとえば、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖
状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンおよび高密
度ポリエチレン等のいずれのエチレン単独重合体を使用
することができる他に、プロピレン、ブテンー1、ペン
テンー1、ヘキセンー1、3ーメチルブテンー1、4ー
メチルペンテンー1、オクテンー1などのαーオレフィ
ン、または、酢酸ビニルとの結晶性、あるいは、低結晶
性ないし非結晶性のランダムもしくはブロック共重合
体、あるいは、これらの混合物などを用いることができ
るが、なかでも高圧法低密度ポリエチレンが好ましい。
【0018】また、前記混合樹脂のオレフィン系共重合
体ゴムとしては、たとえば、エチレン、プロピレン、ブ
テンー1、ヘキセンー1、4ーメチルペンテンー1等の
モノオレフィンのうちの2種、または、3種以上のモノ
オレフィン共重合体ゴム、並びに、上記モノオレフィン
の2種とジシクロペンタジエン、1、4ーヘキサジエ
ン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチ
リデンノルボルネン等の非共役ジオレフィン、または、
ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィンとの共重
合体ゴムを用いることができるが、なかでもエチレンプ
ロピレン共重合体ゴム、エチレンブテン共重合体ゴム、
プロピレンブテン共重合体ゴムが好ましい。
【0019】また、前記前後壁部21、22の内面を形成す
る前記熱接着性樹脂層は、上記したようにポリプロピレ
ン系樹脂とポリエチレン系樹脂とオレフィン系共重合体
ゴムとの混合樹脂からなるものであるが、この混合樹脂
の各組成物の配合割合は、混合樹脂100 重量%に対し
て、ポリプロピレン系樹脂は45〜65重量%、ポリエチレ
ン系樹脂は35〜55重量%、オレフィン系共重合体ゴムは
2〜5重量%の範囲で用いるのが適当である。このよう
な範囲で配合された前記熱接着性樹脂層は、前記熱接着
性樹脂層同士を熱接着した界面が、概ね700 〜2000g/
15mm巾の接着強度を有す易剥離性を有する界面として構
成される。
【0020】また、前記前後壁部21、22の内面を上記混
合樹脂からなる熱接着性樹脂層のみで形成する場合の厚
さとしては20〜60μmが適当であり、好ましくは25〜50
μmである。また、必要に応じて、前記前後壁部21、22
の内面は上記混合樹脂からなる熱接着性樹脂層のみで形
成する以外に、前記熱接着性樹脂層の支持体として、ホ
モポリプロピレンないし結晶性プロピレンランダム共重
合体等を用い、前記支持体と前記混合樹脂とを共押し出
ししたものであってもよく、その場合の前記混合樹脂の
厚さと前記支持体の厚さは食品の種類等により適宜選択
すればよい。このように前記支持体と前記混合樹脂とを
共押し出ししたもので前記前後壁部21、22の内面を形成
することにより、前記混合樹脂のみで前記前後壁部21、
22の内面を形成する場合に比べてコストを安価にするこ
とができる。
【0021】次に、前記前後壁部21、22の外面を形成す
る材質としては、咬合具付きスタンディングパウチ1を
構成する基本素材となることから、機械的、物理的、化
学的等において優れた性質を有する合成樹脂からなるフ
ィルムを用いることができ、たとえば、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリカーボネー
ト系、ポリアセタール系等の樹脂からなるフィルムを用
いることができるし、また、セロハン、合成紙なども用
いることができる。また、前記外面を形成するフィルム
は、該フィルムの内面側に一般的には印刷が施されるこ
とが多いために、前記外面を形成するフィルムは印刷適
性が求められ、2軸方向に延伸した延伸フィルムが好適
である。このフィルムの厚さとしては基本素材としての
強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さ
であればよく、コストを考慮すると12〜30μm程度が適
当である。また、前記フィルムは、必要に応じてポリ塩
化ビニリデンが塗工されたフィルムや酸化珪素、酸化ア
ルミニウム等の無機物の蒸着層が形成されたフィルムと
してバリアー性を有する構成としてもよい。
【0022】さらに、本発明においては、前記内面を形
成する熱接着性樹脂層と前記外面を形成する合成樹脂か
らなるフィルムの間に中間層を設けてもよく、この中間
層は通常前記内面を形成する熱接着性樹脂層と前記外面
を形成する合成樹脂からなるフィルムだけではパウチと
しての機能を十分に果たすことができない場合等に設け
られる。前記機能としては、気体遮断性、機械的強靱
性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐
寒性、耐熱性、耐薬品性等であり、パウチとして要求さ
れるこれらの最終的な機能を中間層を設けることで達成
するものである。該中間層として用いられる基材として
は、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルア
ルコール、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー
酢酸ビニル共重合体ケン化物等のフィルムあるいはこれ
らにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルムないしは酸
化珪素、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着を施したフ
ィルムあるいはポリ塩化ビニリデン等のフィルム、ある
いは、紙、セロハン、合成紙、不織布などを用いること
ができる。また、これら基材の一種ないしそれ以上を組
み合わせて使用することができる。尚、上記基材の厚さ
としては、パウチとして要求される機能を満たすことが
できればよいのであって、必要に応じて適宜に選ぶこと
ができる。
【0023】また、本発明の咬合具付きスタンディング
パウチ1の前記胴部2を形成する前後壁部21、22と前記
底部折込部3を形成する前後折込部片31、32とを別包装
材で形成する場合、前記底部折込部3を形成する前後折
込部片31、32の前記胴部2を形成する前後壁部21、22の
内面と熱接着して前記底部前側熱接着部61と前記底部後
側熱接着部62を形成する面(内面)は、前記胴部2を形
成する前後壁部21、22の内面がポリプロピレン系樹脂と
ポリエチレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの混
合樹脂で形成されていることと、耐寒性、耐熱性、耐油
性が要求されることから、プロピレンとエチレン、ブテ
ンー1、ペンテンー1、ヘキセンー1、3ーメチルブテ
ンー1、4ーメチルペンテンー1、オクテンー1などの
αーオレフィンとのランダム共重合体などの熱接着性樹
脂層が適当である。
【0024】また、前記底部折込部3を形成する前後折
込部片31、32についても、前記胴部を形成する前記前後
壁部21、22と同様に、前記前後壁部21、22で説明した材
質、あるいは、基材からなる外面、中間層を設けること
ができる。また、このように前記胴部2を形成する前後
壁部21、22と前記底部折込部3を形成する前後折込部片
31、32とを別包装材で形成する場合、前記底部折込部3
を形成する前後折込部片31、32は前記内面を形成する熱
接着性樹脂層のみからなるものであっても構わない。
【0025】図3は本発明の咬合具付きスタンディング
パウチの第2の実施形態の平面図、図4は図3のYーY
線の断面図であって、咬合具付きスタンディングパウチ
1’は、図1、2に示した本発明の第1の実施形態の咬
合具付きスタンディングパウチ1の略台形状の張出熱接
着部5と該張出熱接着部5内に前記対向する前後壁部2
1、22を貫通して設けた複数の略円形状の切欠6にかえ
て、前記咬合具付きスタンディングパウチ1の胴部2に
該胴部2の前記両側端部に垂直な方向全幅に亘って外側
に突出する三方(辺)が熱接着部70で略コの字状に閉じ
られ、他の一方(辺)が内部と連通するように前記胴部
2を形成する前記前壁部21に袋状に形成した突出部7を
設け、該袋状突出部7内の前記内部と連通する一辺に対
向する略コの字状の熱接着部70の内縁に連接して内側に
張り出して熱接着された易剥離性を有する略台形状の張
出熱接着部5’が形成されると共に、前記張出熱接着部
5’内に略長円状の未接着部8が設けられ、該未接着部
8に前記袋状突出部7を貫通するI字状の切刃9が設け
られている以外は第1の実施形態の咬合具付きスタンデ
ィングパウチ1と同じである。
【0026】この咬合具付きスタンディングパウチ1’
についても、第1の実施形態で示した咬合具付きスタン
ディングパウチ1と同様に、一枚の包装材から形成する
ことができるし、また、複数枚の別包装材を用いて製袋
加工することでも形成することもできるが、いずれの形
成方法を採る場合であっても、易剥離性を有する前記張
出熱接着部5’は、第1の実施形態で説明した張出熱接
着部5と同じ構成にする必要があることは言うまでもな
いことである。
【0027】次に、本発明の咬合具付きスタンディング
パウチの使用方法について、第2の実施形態を例に挙げ
て説明する。まず、図3に示す咬合具付きスタンディン
グパウチ1’の咬合具4の咬み合わせを外して開口部を
開き、調理した食品、たとえば、調理した「おでん」の
具と出汁を開口部から投入し、パウチ1’内の空気を抜
きながら、前記咬合具4を咬み合わせて開口部を閉塞し
て冷蔵庫に保存する。「おでん」が収納されたパウチ
1’は、咬合具4により密封された状態で冷蔵保存され
るために、冷蔵庫内でパウチ1’が倒れても出汁がこぼ
れることがないために空きスペースに自由な状態で保存
することができ、冷蔵庫内を有効に利用することができ
る。次に、パウチ1’に収納されて冷蔵状態に保存され
た「おでん」を冷蔵庫から取り出して再度電子レンジを
用いて加熱調理する場合、鍋等の加熱容器に移し替える
必要もなく、また、咬合具の咬み合わせを外す必要もな
く、冷蔵庫から取り出した状態のままで直接電子レンジ
で加熱調理することができ、電子レンジで加熱調理中に
発生する蒸気等により内部圧力Fが高まると、図5
(a)に示すようにパウチ1’はパンパンに膨れた状態
になる一方で、内部圧力Fによりパウチ1’の袋状突出
部7に設けた張出熱接着部5’がパウチ1’の内側に張
り出して形成されているために該張出熱接着部5’の先
端の該張出熱接着部5’を構成する熱接着性樹脂層同士
を熱接着した界面から剥離し始め、最終的には図5
(b)に示すように、剥離が前記未接着部8に到達する
と、前記未接着部8に設けられた切刃9から内部圧力F
を逃がし、パウチ1’の破袋が防止されると共に、内部
圧力Fによって前記張出熱接着部5’に生じた剥離が前
記未接着部8に到達するまでの間、パウチ1’に収納さ
れた食品、この場合は「おでん」を蒸らすことができる
ために、より良い食味を得ることができる。そして、加
熱調理完了後に、パウチ1’の咬合具の咬み合わせを外
して開口部を開いて、「おでん」の具と出汁を容器等に
盛りつけて喫食する。なお断っておくが、図5におい
て、調理した「おでん」の具と出汁は図示しなかった。
【0028】なお、今まで説明した第1、第2の実施形
態においては、張出熱接着部を略台形状としたが、これ
に限ることはなく、要するに内部圧力がかかり易いよう
にパウチの内側に張り出すように設けられている形状で
あれば、半円状、楕円状、多角状等いずれの形状であっ
てもよい。張出熱接着部に設けた切欠、切刃はいずれも
前記張出熱接着部を構成する対向する前後壁部21、22な
いし袋状突出部7を貫通するように設けたが、対向する
前後壁部21、22のいずれか一方、あるいは、袋状突出部
7を構成するいずれか一方の包装材に設けてもよい。ま
た、第1の実施形態に第2の実施形態の張出熱接着部と
未接着部と切刃を設けてもよいし、その逆であってもよ
い。また、切欠や切刃、未接着部の形状についても色々
な形状のものを用いることができ、要するに電子レンジ
で加熱したときに発生する内部圧力を外部へ逃がすこと
ができるように設けられているものであれは、いかなる
形状であってもよい。また、切欠6や切刃9、未接着部
8の個数についても任意である。
【0029】
【発明の効果】本発明の咬合具付きスタンディングパウ
チは、今まで縷々説明してきたように、各種食品を冷蔵
庫や冷凍庫で密封保存できると共に、このものを密封し
た状態のままで電子レンジにより加熱調理することがで
きるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる咬合具付きスタンディングパ
ウチの第1の実施形態の平面図である。
【図2】 図1のXーX線の断面図である。
【図3】 本発明の咬合具付きスタンディングパウチの
第2の実施形態の平面図である。
【図4】 図3のYーY線の断面図である。
【図5】 図4に対応する加熱調理途中の概略説明図で
ある。
【符号の説明】
1,1' 咬合具付きスタンディングパウチ 2 胴部 3 底部折込部 4 咬合具 5,5’ 張出熱接着部 6 切欠 7 袋状突出部 8 未接着部 9 切刃 21,22 壁部 30 切欠部 31,32 折込部片 50,61,62,70 熱接着部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E064 AB25 BC18 EA30 HD10 HE03 HN13 3E067 AB01 BA12A BB14A BC04A CA24 EA06 EA18 EE48 4B055 AA17 AA29 BA07 BA36 CA05 CA69 CA73 CB08 CC30 CC43 CC52 FA01 FB35 FC12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部に内側に折り込まれた底部折込部を
    有し、天部側内面に開口部を開閉するための互いに咬み
    合う合成樹脂製の咬合具を設け、両側端部と前記底部と
    を熱接着し、前記底部折込部を開くことにより自立する
    ように構成した咬合具付きスタンディングパウチにおい
    て、前記咬合具と前記底部折込部との間の前記熱接着し
    た両側部の内縁の少なくとも1箇所に前記内縁から内側
    に張り出して熱接着された易剥離性を有する張出熱接着
    部を備え、該張出熱接着部内に切刃ないし切欠が形成さ
    れていることを特徴とする咬合具付きスタンディングパ
    ウチ。
  2. 【請求項2】 底部に内側に折り込まれた底部折込部を
    有し、天部側内面に開口部を開閉するための互いに咬み
    合う合成樹脂製の咬合具を設け、両側端部と前記底部と
    を熱接着し、前記底部折込部を開くことにより自立する
    ように構成した咬合具付きスタンディングパウチにおい
    て、該咬合具付きスタンディングパウチの胴部に該胴部
    の前記両側端部に垂直な方向全幅に亘って外側に突出す
    る三方が閉じられ一方が内部と連通するように袋状に構
    成された突出部が設けられ、該突出部内の内側周縁部の
    少なくとも1箇所に前記内側周縁部から内側に張り出し
    て熱接着された易剥離性を有する張出熱接着部を備え、
    該張出熱接着部内に切刃ないし切欠が形成されているこ
    とを特徴とする咬合具付きスタンディングパウチ。
  3. 【請求項3】 前記張出熱接着部内に未接着部が設けら
    れ、該未接着部に切刃もしくは切欠が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の咬合具
    付きスタンディングパウチ。
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