JP2000326148A - 切削工具の製造方法 - Google Patents

切削工具の製造方法

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JP2000326148A JP11143677A JP14367799A JP2000326148A JP 2000326148 A JP2000326148 A JP 2000326148A JP 11143677 A JP11143677 A JP 11143677A JP 14367799 A JP14367799 A JP 14367799A JP 2000326148 A JP2000326148 A JP 2000326148A
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稔 廣保
Tomomi Ishibashi
智実 石橋
Masatomi Ito
正富 伊藤
Sukeyuki Nomura
祐之 野村
Shigemitsu Nomura
重光 野村
Hiroyuki Fukushima
宏之 福島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な切削工具製造方法を提供する。 【解決手段】 CBN若しくはダイヤモンドの高硬度焼
結体を第2層11とし、この第2層11を超硬合金など
の工具材料からなる第1層12及び第3層13でサンド
イッチした積層体をサイコロ状に切出し、これにチゼル
エッジ53、溝54,54、すくい面55,55、切れ
刃56,56及び逃げ面57,57を形成することで切
削用チップを製造し、このチップをシャンクに接合す
る。 【効果】 歩留りが極めてよくなり、チップの製造コス
トを大幅に下げることができるから、切削工具を低コス
トで製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低コストで切削工具
を製造することのできる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】工具鋼の先により硬度の高い切削用チッ
プを取付け、この切削用チップで切削を実行する切削工
具構造は広く採用されており、そのための切削用チップ
の製造方法は、例えば実開平5−63717号公報
「ツイストドリル」や実開平3−117520号公報
「ドリル」に示されるものがある。
【0003】上記は、それの図5に示される通り、く
さび形状の超高圧焼結体チップ10(符号は公報記載の
ものを流用。)を円柱状の本体部分9に一体化したもの
を、切削刃体4の出発素材8としたことを特徴とする。
この様な出発素材8は工具本体にろー付けなどの手法で
接着したのち、刃の形状を整える。
【0004】上記は、それの第2図に示される通り、
超硬合金3を硬質焼結体2のリングで囲った円盤から、
想像線で示される五角形のチップ素材を切出すことを特
徴としたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記は、出発素材8
の製造が難かしく、出発素材8は高価なものとなり、切
削用チップのコストが嵩み、切削工具が高価なものとな
る。上記は、超硬合金3を硬質焼結体2のリングで囲
った円盤から五角形のチップ素材を、1個ないし数個程
度しか切出せず、歩留りが悪いので、切削用チップのコ
スト並びに切削工具のコストを下げる効果はあまり期待
できない。そこで、本発明の目的は、安価な切削工具を
製造することのできる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、シャンクと、このシャンクに取付けたチ
ップとからなる切削工具の製造方法において、CBN若
しくはダイヤモンドの高硬度焼結体を第2層とし、この
第2層を超硬合金などの工具材料からなる第1層及び第
3層でサンドイッチした3層積層体を準備する準備工程
と、前記第1層の上面にほぼ垂直に第1層、第2層、第
3層の順に切断することで矩形断面の柱状素材を切り出
す第1切断工程と、この第1切断工程における切断面に
直交する若しくは略直交する切断面にて、前記柱状素材
を切断することで前記第2層を中央に含むチップ半完成
品を切出す第2切断工程と、このチップ半完成品を、別
途準備したシャンクに接合する接合工程と、チップ半完
成品にすくい面、切れ刃、逃げ面を形成してチップを得
る仕上げ工程と、からなることを特徴とする。
【0007】3層積層体を条切り(筋状に切ること)
し、得た柱状素材を更に切断することで、多数個のチッ
プ半完成品を切出し、これらのチップ半完成品をチップ
に仕上げる。歩留りが極めてよいので、チップの製造コ
ストを大幅に下げることができるから、切削工具の製造
コストを下げることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。図1は本発明で採用した3層構
造体の断面図であり、3層構造体10は、CBN若しく
はダイヤモンドの高硬度焼結体を第2層11とし、この
第2層11を超硬合金などの工具材料からなる第1層1
2及び第3層13でサンドイッチした積層体である。例
えば第2層11の厚さは1mm程度、第1層12や第3
層13の厚さは5mm程度、3層構造体10の厚さは1
1mm程度とする。
【0009】なお、CBNはcubic boron nitride、す
なわち立方晶窒化ほう素を略したものであり、ダイヤモ
ンドとともに広く採用されている人造砥粒である。CB
Nは鉄系ワークの切削に、ダイヤモンドは非鉄系ワーク
の切削に好適である。
【0010】前記3層構造体10の製造方法の一例を説
明すると、先ず4〜16μmのダイヤモンド粒若しくは
CBN粒を、HIP(熱間静水圧プレス)にて等圧的に
加圧しながら焼結することで、第2層11を製造し、こ
の第2層11の上下にWC粉末を重ねHIPで加圧しな
がら焼結することで、3層構造体10を得る。HIPを
HP(ホットプレス)やCIP(冷間静水圧プレス)に
替えることは自在であり、周知の焼結法であれば製造法
は特に限定するものではない。
【0011】図2は本発明で採用した3層構造体の平面
図(図1の平面図に相当する図)であり、想像線15・・
・(・・・は複数を示す。以下同様。)に沿って且つ第1層
12の上面に垂直若しくはほぼ垂直に、3層構造体10
を切断することで、多数本の柱状素材20・・・を切出
す。このことを条切りということもある。図から明らか
なように、極めて歩留りよく(例えば歩留り90%)、
柱状素材20・・・を切出すことができる。
【0012】図3は本発明に係る柱状素材の斜視図であ
り、柱状素材20はa×aの正方形断面の長尺材であ
り、第1層12、第2層11及び第3層13の積層体で
ある。図2で切断した切断面21に略直交する切断面2
2・・・(平面視でへの字を呈する切断面)で、この柱状
素材20を切断することで多数個のチップ半完成品30
・・・を得る。
【0013】図4は本発明におけるチップ半完成品の斜
視図であり、チップ半完成品30は、正面31が凸面を
呈し、背面32が凹面を呈するピースであり、この切出
しは、ワイヤカット放電加工法によればよい。
【0014】図5は図4の5矢視図であり、チップ半完
成品30を、想像線で示すカットライン33に沿って、
図面表から裏へ放電加工にてカットする。カットライン
33は第2層11を殆ど残し、第1層12及び第3層1
3を大幅に切込むことに特徴がある。切断し、整形した
ものがチップ40となる。
【0015】以下、このチップ40を主要素とした切削
工具を、ドリル、ねじ切り工具、エンドミル、タップを
具体例として順に説明する。図6は本発明によるチップ
をシャンクに取付けるときの要領図であり、切削工具と
してのドリル50は、ドリル形状のシャンク51の先端
に前記チップ40をろー52にて接合し、刃を整えたも
のである。
【0016】図7は図6の7矢視図であり、チゼルエッ
ジ53、溝54,54、すくい面55,55、切れ刃5
6,56及び逃げ面57,57を形成した整えたドリル
50の先端形状を示す。
【0017】以上の説明から明らかな如く、ドリルを例
に説明した本発明の切削工具の製造方法は、CBN若し
くはダイヤモンドの高硬度焼結体を第2層11とし、こ
の第2層11を超硬合金などの工具材料からなる第1層
12及び第3層13でサンドイッチした3層積層体10
を準備する準備工程と、前記第1層12の上面にほぼ垂
直に第1層12、第2層11、第3層13の順に切断す
ることで矩形断面の柱状素材20を切り出す第1切断工
程と、この第1切断工程における切断面21に直交する
若しくは略直交する切断面22にて、前記柱状素材20
を切断することで前記第2層11を中央に含むチップ半
完成品30を切出す第2切断工程と、このチップ半完成
品30を、別途準備したシャンク51に接合する接合工
程と、チップ半完成品30にすくい面55、切れ刃5
6、逃げ面57を形成してチップ40を得る仕上げ工程
と、から切削工具としてのドリル50を製造することを
特徴とする。
【0018】この製造方法を採用することにより、図2
並びに図3から明らかな如く、製品歩留りが極めて高く
なり、チップを大量に安価に製造することができる。
【0019】図8及び図9でねじ切り工具の製造方法を
説明する。図8(a),(b)は本発明に係るねじ切り
工具の製造説明図である。(a)は前記図4のチップ半
完成品30に更に、破線で示すカットライン34,34
に沿って切断する。(b)は得られた第2次チップ半完
成品35を示す。
【0020】図9は図8(b)の9矢視図であり、第2
次チップ半完成品35を、想像線で示すカットライン3
6に沿って、図面表から裏へ放電加工にてカットする。
カットライン36は第2層11を殆ど残し、第1層12
及び第3層13を大幅に切込むことに特徴がある。切断
し、整形したものがチップ40となる。切断し、成形し
たものがチップ40となる。図10は本発明に係るねじ
切り工具の平面図であり、ねじ切り工具60は、シャン
ク61の先端に本発明のチップ40をろー62にて接合
し、底刃63、ねじ切り刃64,64を形成したもので
ある。
【0021】次に、図11〜図14でエンドミルの製造
方法を説明する。図11は本発明に係る柱状素材の斜視
図であり、柱状素材20はa×aの正方形断面の長尺材
であり、第1層12、第2層11及び第3層13の積層
体である。図2で切断した切断面21に直交する切断面
23・・・で、この柱状素材20を切断することでサイコ
ロ形状のチップ半完成品30・・・を得る。図12は図1
1の12矢視図であり、チップ半完成品30を、想像線
で示すカットライン37に沿って、図面表から裏へ放電
加工にてカットする。カットライン37は第2層11を
殆ど残し、第1層12及び第3層13を大幅に切込むこ
とに特徴がある。切断し、整形したものがチップ40と
なる。
【0022】図13はエンドミルの正面図であり、図1
2で切断して得たチップ40をシャンク71にろー72
で接合して得たエンドミル70を示す。エンドミル70
は回転させつつ、白抜き矢印の通りに送ることで、切削
対称物74を削り込む切削工具である。図14は図13
の14矢視図であり、すくい面75,75、切れ刃7
6,76及び逃げ面77,77を形成した整えたエンド
ミル70の先端形状を示す。
【0023】続いて、図15〜図19でタップの製造方
法を説明する。図15は本発明に係る柱状素材の斜視図
であり、柱状素材20はa×aの正方形断面の長尺材で
あり、第1層12、第2層11及び第3層13の積層体
である。図2で切断した切断面21に直交する切断面2
3・・・で、この柱状素材20を切断することでサイコロ
形状のチップ半完成品30・・・を得る。図16はチップ
半完成品の斜視図であり、図15で得たチップ半完成品
30の側部に鋸歯部81,81を形成して、第2次チッ
プ半完成品35を得る。図17は図16の17矢視図で
あり、第2次チップ半完成品35を、想像線で示すカッ
トライン38に沿って、図面表から裏へ放電加工にてカ
ットする。カットライン38は第2層11を殆ど残し、
第1層12及び第3層13を大幅に切込むことに特徴が
ある。切断し、整形したものがチップ40となる。
【0024】図18はタップの正面図であり、図17で
得たチップ40をシャンク82にろー83で接合して得
たタップ80を示す。図19は図18の19矢視図であ
り、すくい面85,85、切れ刃86,86及び逃げ面
87,87を形成した整えたタップ80の先端形状を示
す。
【0025】尚、請求項1に記載の製造方法で製造した
切削工具は、実施例で説明したドリル、ねじ切り工具、
エンドミル、タップの他、フライス、バイトなどの切削
工具を言い、その種類を格別に限定するものではない。
【0026】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、3層積層体を条切りし、得た柱状素
材を更に切断することで、多数個のチップ半完成品を切
出し、これらのチップ半完成品をチップに仕上げる。歩
留りが極めてよいので、チップの製造コストを大幅に下
げることができるから、切削工具の製造コストを下げる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で採用した3層構造体の断面図
【図2】本発明で採用した3層構造体の平面図
【図3】本発明に係る柱状素材の斜視図
【図4】本発明におけるチップ半完成品の斜視図
【図5】図4の5矢視図
【図6】本発明によるチップをシャンクに取付けるとき
の要領図
【図7】図6の7矢視図
【図8】本発明に係るねじ切り工具の製造説明図
【図9】図8(b)の9矢視図
【図10】本発明に係るねじ切り工具の平面図
【図11】本発明に係る柱状素材の斜視図
【図12】図11の12矢視図
【図13】本発明に係るエンドミルの正面図
【図14】図13の14矢視図
【図15】本発明に係る柱状素材の斜視図
【図16】チップ半完成品の斜視図
【図17】図16の17矢視図
【図18】本発明に係るタップの正面図
【図19】図18の19矢視図
【符号の説明】
10…3層構造体、11…第2層、12…第1層、13
…第3層、20…柱状素材、21…第1切断工程におけ
る切断面、22…切断面21に略直交する切断面、23
…切断面21に直交する切断面、30,35…チップ半
完成品、40…チップ、50…切削工具(ドリル)、5
5,75,85…すくい面、56,76,86…切れ
刃、57,77,87…逃げ面、60…切削工具(ねじ
切り工具)、63…底刃、64…ねじ切り刃、70…切
削工具(エンドミル)、80…切削工具(タップ)。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正富 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 野村 祐之 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 野村 重光 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 福島 宏之 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャンクと、このシャンクに取付けたチ
    ップとからなる切削工具の製造方法において、 CBN若しくはダイヤモンドの高硬度焼結体を第2層と
    し、この第2層を超硬合金などの工具材料からなる第1
    層及び第3層でサンドイッチした3層積層体を準備する
    準備工程と、 前記第1層の上面にほぼ垂直に第1層、第2層、第3層
    の順に切断することで矩形断面の柱状素材を切り出す第
    1切断工程と、 この第1切断工程における切断面に直交する若しくは略
    直交する切断面にて、前記柱状素材を切断することで前
    記第2層を中央に含むチップ半完成品を切出す第2切断
    工程と、 このチップ半完成品を、別途準備したシャンクに接合す
    る接合工程と、 チップ半完成品にすくい面、切れ刃、逃げ面を形成して
    チップを得る仕上げ工程と、からなることを特徴とした
    切削工具の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012512043A (ja) * 2008-12-16 2012-05-31 サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ 切削インサートキット、切削インサートの製造方法及び切削インサートキットから分離された切削インサート

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