JP2000326065A - 金型で加圧鋳造成形された非晶質合金成形品の製造方法及び装置 - Google Patents

金型で加圧鋳造成形された非晶質合金成形品の製造方法及び装置

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JP2000326065A
JP2000326065A JP11138235A JP13823599A JP2000326065A JP 2000326065 A JP2000326065 A JP 2000326065A JP 11138235 A JP11138235 A JP 11138235A JP 13823599 A JP13823599 A JP 13823599A JP 2000326065 A JP2000326065 A JP 2000326065A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑微細な形状の成形品であっても、所定の
形状、寸法精度、表面品質を満足する非晶質合金成形品
を単一プロセスで量産性良く製造できる方法及び装置を
提供する。 【解決手段】 非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解す
るための上面が開放された凹状の原料収容部14が一体
的に形成された溶解用容器11と、該溶解用容器の上方
に配置され、製品成形用キャビティ3を持つと共に溶湯
強制移動手段、例えば強制冷却鋳型内に上下方向に移動
自在に配設された押出棒3、あるいは溶解用容器と強制
冷却鋳型を連結したときに溶解用容器の凹状原料収容部
内に挿入されるように強制冷却鋳型下部に形成した突出
部、を備えた強制冷却鋳型1とを用い、強制冷却鋳型側
から上記押出棒又は突出部により溶解用容器内の合金溶
湯A′を押圧して製品成形用キャビティ内に強制移動さ
せると共に加圧し、上記強制冷却鋳型内で合金溶湯を急
冷凝固して非晶質化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型で加圧鋳造成
形することによる非晶質合金成形品の製造方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質合金の製造方法としては、一般に
104〜106K/s程度の大きな冷却速度が必要となる
ため片ロール法、双ロール法、ガスアトマイズ法などが
採用されているが、このような方法によって得られる製
品は箔帯、細線、粉末状のものに限られており、非晶質
合金の応用分野を著しく制限する要因となっている。
【0003】このような粉末成形法とは異なり、単一プ
ロセスにより非晶質合金の成形品を製造する方法とし
て、特開平8−199318号には、上面が開放された
溶解用炉床の底部に、製品成形用キャビティに溶湯移動
具を装填した強制冷却鋳型を配置し、上記溶解用炉床で
非晶質化元素を含むジルコニウム合金を溶解した後、上
記溶湯移動具を下方に引き抜いて強制冷却鋳型内にジル
コニウム合金溶湯を吸引・移動させ、上記強制冷却鋳型
内でジルコニウム合金溶湯を急冷凝固して非晶質化させ
る棒状又は筒状Zr系非晶質合金の製造方法が開示され
ている。
【0004】しかしながら、上記方法によれば、鋳造物
の形状が溶湯移動具の形状(すなわち、該溶湯移動具が
装填されている孔部の断面形状)及び引き抜き方法によ
り規制されるため、棒状又は筒状に限定されてしまう。
また、単に溶湯移動具の引き抜きによって合金溶湯の移
動を伴うものであるため、合金溶湯を実質的に加圧する
ことができない。従って、微細な形状あるいは複雑な形
状の成形品を製造することが困難であり、また、得られ
る製品の緻密性や機械的性質の点でも改善すべき余地が
残されている。
【0005】上記のような問題を解決できる方法とし
て、本出願人は既に、従来の金型鋳造法をベースにした
技術とガラス遷移領域を示す非晶質合金の組み合わせに
よって、複雑な又は微細な形状の成形品であっても、所
定の形状、寸法精度、表面品質を満足する非晶質合金成
形品を単一プロセスで量産性良く製造できる方法及び装
置を開発し、既に特許出願している(特開平10−29
6424号)。ここに開示されている非晶質合金成形品
の製造装置の概略を示す図8を参照しながら、そのプロ
セスについて以下に説明する(なお、装置の詳細につい
ては特開平10−296424号公報参照)。
【0006】強制冷却鋳型1は上型2と下型5とからな
り、上型2には鋳造品の外形寸法を規制する製品成形用
キャビティ3が形成されている。強制冷却鋳型1は、加
熱領域の影響を受けないように溶解用容器11の上方に
配置されている。なお、符号4は、上型2内に上下動自
在に配設されたエジェクタであり、図示しない油圧シリ
ンダ(又は空圧シリンダ)により作動される。また、下
型5の中央部には注湯口(貫通孔)6が形成され、その
周縁下部には段差状の凹部7が形成されている。一方、
上記下型5の注湯口6の真下に昇降自在に配設されてい
る溶解用容器11は、円筒状のスリーブ12とその中に
摺動自在に配設されたピストン(溶湯移動具)13とか
ら構成され、これらスリーブ12とピストン13の上面
で原料収容部14が形成されている。ピストン13は図
示しない油圧シリンダ(又は空圧シリンダ)により上下
動される。また、溶解用容器11の原料収容部14の周
囲には、加熱源として誘導コイル15が配設されてい
る。
【0007】非晶質合金成形品の製造に際しては、ま
ず、図8(A)に示すように溶解用容器11が強制冷却
鋳型1の下方に離間した状態において、原料収容部14
内に非晶質合金を生じ得る組成の合金原料Aを装填す
る。次いで、誘導コイル15を励磁して合金原料Aを急
速に加熱する。合金原料Aが溶解したかどうかを溶湯温
度を検出して確認した後、誘導コイル15を消磁し、図
8(B)に示すように、溶解用容器11をそのスリーブ
12上端が下型5の凹部7に密着するまで上昇させる。
次いで、図8(C)に示すように、ピストン13を急速
に上昇させ、合金溶湯A´を強制冷却鋳型1の注湯口6
から射出する。射出された合金溶湯A´はキャビティ3
内に注入、加圧され、急速に凝固される。この際、射出
温度、射出速度等を適宜設定することにより、103
/s以上の冷却速度が得られる。次いで、図8(D)に
示すように、上型2と下型5を分離し、鋳造品Bを内包
している上型2を上昇させると共に、溶解用容器11を
元の位置まで復帰させる。その後、図8(E)に示すよ
うに、上型2の下方に回収トレイ16が前進し、エジェ
クタ4を下方に突き出すことにより鋳造品Bが上型2か
ら分離され、回収トレイ16で回収され、1回目の製造
工程が終了する。その間、溶解用容器11内には次の合
金原料Aが装填される。その後、上型2が図8(A)に
示される元の位置に復帰した後、前記と同様な操作で次
の製造工程を行なう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記のような方法によ
り、非晶質合金からなる成形品を量産性良く製造するこ
とが可能となる。しかしながら、前記の方法は、溶解用
容器11の炉底を構成するピストン13を急速に上昇さ
せて合金溶湯A´を強制冷却鋳型1のキャビティ3内に
強制移動させると共に加圧し、上記強制冷却鋳型内で合
金溶湯を急冷凝固して非晶質化させるものである。その
ため、図9(A)に示すように、ピストン13を上昇さ
せて強制冷却鋳型1のキャビティ3内に合金溶湯A´を
充填させる際に、スリーブ12とピストン13の隙間に
溶湯が差し込んだり、あるいは、図9(B)に示すよう
に、ピストン13によるキャビティ3内の合金溶湯A´
の加圧中に、スリーブ12とピストン13の隙間に溶湯
が差し込むという問題がある。
【0009】スリーブ12とピストン13の隙間に合金
溶湯A´が差し込まないようにするためには、それらの
クリアランスを小さくしなければならないが、そのため
にはスリーブ内周面とピストン外周面に極めて高い寸法
精度が要求され、製造コストが高くなるという問題が発
生する。さらに、寸法精度を高くしても、ピストン13
の摺動を可能とする以上、スリーブ12とピストン13
の摺動面には必ず隙間があるため、合金溶湯A´の差し
込みを回避することは困難であり、溶湯温度が高くて粘
性が小さい程差し込み易くなる。一旦スリーブ12とピ
ストン13の間に溶湯の差し込みが生じると、スリーブ
12内でのピストン13の移動が不可能になることがあ
り、また、ピストンとスリーブの摺動面が損傷してしま
う。
【0010】従って、本発明の目的は、前記したような
問題がなく、複雑な又は微細な形状の成形品であって
も、所定の形状、寸法精度、表面品質を満足する非晶質
合金成形品を単一プロセスで量産性良く製造でき、従っ
て精密加工品であっても研磨等の機械加工工程を省略又
は大幅に削減できる方法を提供し、もって耐久性、強
度、耐衝撃性等に優れた安価な非晶質合金成形品を提供
しようとするものである。さらに本発明の目的は、上記
のような非晶質合金成形品の製造に適した比較的簡単な
構成の装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の側面によれば、非晶質合金成形品の
製造方法が提供され、その基本的な態様は、非晶質合金
を生じ得る合金材料を溶解するための上面が開放された
凹状の原料収容部が一体的に形成された溶解用容器と、
該溶解用容器の上方に配置され、製品成形用キャビティ
を持つと共に溶湯強制移動手段を備えた強制冷却鋳型と
を用い、上記溶解用容器で非晶質合金を生じ得る合金材
料を溶解した後、溶解用容器と強制冷却鋳型を上記凹状
原料収容部と製品成形用キャビティが連通するように連
結し、上記溶湯強制移動手段により合金溶湯を押圧して
製品成形用キャビティ内に強制移動させると共に加圧
し、上記強制冷却鋳型内で合金溶湯を急冷凝固して非晶
質化させ、非晶質相を含む合金からなる成形品を得るこ
とを特徴としている。
【0012】上記溶湯強制移動手段としては、強制冷却
鋳型内に上下方向に移動自在に配設された押出棒や、溶
解用容器と強制冷却鋳型を連結したときに溶解用容器の
凹状原料収容部内に挿入されるように強制冷却鋳型下部
に形成した突出部を有利に用いることができ、このよう
な押出棒又は突出部を凹状原料収容部内の合金溶湯中に
押し込むことにより、合金溶湯を製品成形用キャビティ
内に強制移動させると共に加圧する。
【0013】本発明による非晶質合金成形品の製造方法
のより具体的な第二の態様は、非晶質合金を生じ得る合
金材料を溶解するための上面が開放された凹状の原料収
容部が一体的に形成された溶解用容器と、該溶解用容器
の上方に配置され、製品成形用キャビティを持つと共
に、上下方向に移動自在に配設された押出棒を備えた強
制冷却鋳型とを用い、上記溶解用容器で非晶質合金を生
じ得る合金材料を溶解した後、溶解用容器と強制冷却鋳
型を上記凹状原料収容部と製品成形用キャビティが連通
するように連結し、上記押出棒を溶解用容器の凹状原料
収容部内の合金溶湯中に押し込むことにより合金溶湯を
製品成形用キャビティ内に強制移動させると共に加圧
し、上記強制冷却鋳型内で合金溶湯を急冷凝固して非晶
質化させ、非晶質相を含む合金からなる成形品を得るこ
とを特徴としている。
【0014】本発明による非晶質合金成形品の製造方法
のより具体的な第三の態様は、非晶質合金を生じ得る合
金材料を溶解するための上面が開放された凹状の原料収
容部が一体的に形成された溶解用容器と、該溶解用容器
の上方に配置され、製品成形用キャビティを持つと共
に、上下方向に移動自在に配設された押出棒を備えた強
制冷却鋳型とを用い、上記押出棒を溶解用容器と強制冷
却鋳型を連結したときに溶解用容器の凹状原料収容部内
に挿入されるような位置に予め設定しておき、上記溶解
用容器で非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解した後、
溶解用容器と強制冷却鋳型を上記凹状原料収容部と製品
成形用キャビティが連通するように連結することによ
り、上記押出棒が溶解用容器の凹状原料収容部内の合金
溶湯中に押し込まれて合金溶湯を製品成形用キャビティ
内に強制移動させると共に加圧し、上記強制冷却鋳型内
で合金溶湯を急冷凝固して非晶質化させ、非晶質相を含
む合金からなる成形品を得ることを特徴としている。こ
の方法の一つの態様においては、上記押出棒は、上向き
の力が加わったときにそれに抗して下方に付勢されるよ
うにすることができる。
【0015】さらに本発明による非晶質合金成形品の製
造方法のより具体的な第三の態様は、非晶質合金を生じ
得る合金材料を溶解するための上面が開放された凹状の
原料収容部が一体的に形成された溶解用容器と、該溶解
用容器の上方に配置され、製品成形用キャビティを持つ
と共に、上記溶解用容器と連結したときに溶解用容器の
凹状原料収容部内に挿入されるような形状寸法の突出部
が下方に突設された強制冷却鋳型とを用い、上記溶解用
容器で非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解した後、溶
解用容器と強制冷却鋳型を上記凹状原料収容部と製品成
形用キャビティが連通するように連結することにより、
上記突出部が溶解用容器の凹状原料収容部内の合金溶湯
中に押し込まれて合金溶湯を製品成形用キャビティ内に
強制移動させると共に加圧し、上記強制冷却鋳型内で合
金溶湯を急冷凝固して非晶質化させ、非晶質相を含む合
金からなる成形品を得ることを特徴としている。
【0016】前記いずれの態様においても、前記強制冷
却鋳型を溶解用容器に向かって移動させて溶解用容器と
強制冷却鋳型の連結を行なうか、あるいは、前記溶解用
容器を強制冷却鋳型に向かって移動させて溶解用容器と
強制冷却鋳型の連結を行なう。好適な態様においては、
真空中又は不活性ガス雰囲気下において、溶解用容器で
非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解し、合金溶湯を製
品成形用キャビティ内に強制移動させることが行なわれ
る。また、前記溶解用容器と強制冷却鋳型は電磁誘導シ
ールド機能を有する材料を介して連結したり、前記溶解
用容器と強制冷却鋳型の連結の際にこれらの連結部を冷
却することも好ましい。
【0017】さらに本発明の第2の側面によれば、前記
したような非晶質合金成形品の製造に好適に用いること
ができる装置も提供される。本発明に係る非晶質合金成
形品の製造装置の第1の態様は、非晶質合金を生じ得る
合金材料を溶解するための上面が開放された凹状の原料
収容部が一体的に形成された溶解用容器と、該溶解用容
器の上方に配置され、製品成形用キャビティを持つと共
に、上下方向に移動自在に配設された押出棒を備えた強
制冷却鋳型とを備えていることを特徴としている。上記
押出棒は、当初は後退した位置にあってもよく、あるい
は、溶解用容器と強制冷却鋳型を連結したときに溶解用
容器の凹状原料収容部内に挿入されるような位置に予め
設定しておいてもよい。また、上記押出棒は、上向きの
力が加わったときにそれに抗して下方に付勢されるよう
にばね手段を備えていてもよい。
【0018】また、本発明の装置の第2の態様は、非晶
質合金を生じ得る合金材料を溶解するための上面が開放
された凹状の原料収容部が一体的に形成された溶解用容
器と、該溶解用容器の上方に配置され、製品成形用キャ
ビティを持つと共に、上記溶解用容器と連結したときに
溶解用容器の凹状原料収容部内に挿入されるような形状
寸法の突出部が下方に突設された強制冷却鋳型とを備え
ていることを特徴としている。
【0019】前記いずれの態様においても、前記強制冷
却鋳型を溶解用容器に向かって移動自在に配置すること
もできるし、前記溶解用容器を強制冷却鋳型に向かって
移動自在に配置することもできる。好適には、上記強制
冷却鋳型及び溶解用容器は真空中又は不活性ガス雰囲気
中に配置される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明による非晶質合金成形品の
製造は、非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解するため
の上面が開放された凹状の原料収容部が一体的に形成さ
れた溶解用容器と、該溶解用容器の上方に配置され、製
品成形用キャビティを持つと共に溶湯強制移動手段、例
えば強制冷却鋳型内に上下方向に移動自在に配設された
押出棒や、あるいは溶解用容器と強制冷却鋳型を連結し
たときに溶解用容器の凹状原料収容部内に挿入されるよ
うに強制冷却鋳型下部に形成した突出部、を備えた強制
冷却鋳型とを用い、強制冷却鋳型側から上記押出棒又は
突出部により溶解用容器内の合金溶湯を押圧して製品成
形用キャビティ内に強制移動させるものである。
【0021】すなわち、上記溶解用容器で非晶質合金を
生じ得る合金材料を溶解した後、溶解用容器と強制冷却
鋳型をそれらの凹状原料収容部と製品成形用キャビティ
が連通するように連結し、上記押出棒を急速に下降させ
て凹状原料収容部内の合金溶湯中に押し込むか、あるい
は、溶解用容器と強制冷却鋳型の連結の際に押出棒又は
強制冷却鋳型下部に形成した突出部を合金溶湯中に押し
込むことにより、合金溶湯を製品成形用キャビティ内に
強制移動させると共に加圧し、上記強制冷却鋳型内で合
金溶湯を急冷凝固して非晶質化させるものである。この
ように、凹状原料収容部が一体的に形成された溶解用容
器を用いており、従来の装置のように溶解用容器内のピ
ストンによって合金溶湯を押し出すものではないため、
ピストンとスリーブの摺動面に溶湯が差し込み、ピスト
ンの強制移動が不可能になったり、ピストンとスリーブ
の摺動面が損傷するといった問題を生じることはない。
【0022】前記のような方法により、強制冷却鋳型の
製品成形用キャビティ内に充填された合金溶湯は上記押
出棒又は突出部により加圧されるため、複雑な形状ある
いは微細な形状の成形品であっても、高い寸法精度でキ
ャビティ形状を忠実に再現した緻密で表面平滑な成形品
を単一のプロセスで量産性良く、従って低コストで製造
することができる。なお、溶解用容器を強制冷却鋳型に
向かって移動させる場合には、移動の際に合金溶湯の温
度低下を生じ、温度コントロールが難しくなる。このよ
うな合金溶湯の温度低下を抑制するためには、強制冷却
鋳型を溶解用容器に向かって移動させるように構成する
ことが好ましい。また、前記各工程を真空中又は不活性
ガス雰囲気下において行うことにより、合金溶湯の酸化
皮膜の形成を防止し、良好な品質の非晶質合金成形品を
製造することができる。なお、溶湯の酸化皮膜形成を防
止するためには、装置全体を真空中又はArガス等の不
活性ガス雰囲気中に配置するか、あるいは少なくとも合
金溶湯が露出している溶解用容器の上部に不活性ガスを
流すことが好ましい。
【0023】本発明の方法で用いる材料としては、実質
的に非晶質の合金からなる製品を得ることができる材料
であれば全て使用可能であり、特定の材料に限定される
ものではないが、下記一般式(1)〜(6)のいずれか
1つで示される組成を有する非晶質合金を好適に使用で
きる。 一般式(1):M1 a2 bLnc3 d4 e5 f 但し、M1はZr及びHfから選ばれる1種又は2種の
元素、M2はNi、Cu、Fe、Co、Mn、Nb、T
i、V、Cr、Zn、Al及びGaよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、LnはY、La、Ce、N
d、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMm(希
土類元素の集合体であるミッシュメタル)よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、M3はBe、B、
C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の
元素、M4はTa、W及びMoよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M5はAu、Pt、Pd及びA
gよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、a、
b、c、d、e及びfはそれぞれ原子%で、25≦a≦
85、15≦b≦75、0≦c≦30、0≦d≦30、
0≦e≦15、0≦f≦15である。
【0024】上記非晶質合金は、下記一般式(1−a)
〜(1−p)の非晶質合金を含む。 一般式(1−a):M1 a2 b この非晶質合金は、M2元素がZr又はHfと共存する
ために、混合エンタルピーが負で大きく、アモルファス
形成能が良い。 一般式(1−b):M1 a2 bLnc この非晶質合金のように、上記一般式(1−a)の合金
に希土類元素を添加することによりアモルファスの熱的
安定性が向上する。
【0025】一般式(1−c):M1 a2 b3 d 一般式(1−d):M1 a2 bLnc3 d これらの非晶質合金のように、原子半径の小さな元素
(Be,B,C,N,O)でアモルファス構造中の隙間
を埋めることによって、その構造が安定化し、アモルフ
ァス形成能が向上する。
【0026】一般式(1−e):M1 a2 b4 e 一般式(1−f):M1 a2 bLnc4 e 一般式(1−g):M1 a2 b3 d4 e 一般式(1−h):M1 a2 bLnc3 d4 e これらの非晶質合金のように、高融点金属(Ta,W,
Mo)を添加した場合、アモルファス形成能に影響を与
えずに耐熱性、耐食性が向上する。
【0027】一般式(1−i):M1 a2 b5 f 一般式(1−j):M1 a2 bLnc5 f 一般式(1−k):M1 a2 b3 d5 f 一般式(1−l):M1 a2 bLnc3 d5 f 一般式(1−m):M1 a2 b4 e5 f 一般式(1−n):M1 a2 bLnc4 e5 f 一般式(1−o):M1 a2 b3 d4 e5 f 一般式(1−p):M1 a2 bLnc3 d4 e5 f これらの貴金属M5(Au,Pt,Pd,Ag)を含ん
だ非晶質合金の場合、結晶化が起きても脆くならない。
【0028】 一般式(2):Al100-g-h-iLng6 h3 i 但し、LnはY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、T
b、Dy、Ho、Yb及びMmよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M6はTi、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a及びWよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元
素、M3はBe、B、C、N及びOよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、g、h及びiはそれぞれ原
子%で、30≦g≦90、0<h≦55、0≦i≦10
である。
【0029】上記非晶質合金は、下記一般式(2−a)
及び(2−b)の非晶質合金を含む。 一般式(2−a):Al100-g-hLng6 h この非晶質合金は、混合エンタルピーが負で大きく、ア
モルファス形成能が良い。 一般式(2−b):Al100-g-h-iLng6 h3 i この非晶質合金においては、原子半径の小さな元素(B
e,B,C,N,O)でアモルファス構造中の隙間を埋
めることによって、その構造が安定化し、アモルファス
形成能が向上する。
【0030】一般式(3):Mg100-p7 p 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、pは原子%で5≦p≦
60である。この非晶質合金は、混合エンタルピーが負
で大きく、アモルファス形成能が良い。
【0031】一般式(4):Mg100-q-r7 q8 r 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q
及びrはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦2
5である。この非晶質合金のように、前記一般式(3)
の合金において原子半径の小さな元素(Al,Si,C
a)でアモルファス構造中の隙間を埋めることによっ
て、その構造が安定化し、アモルファス形成能が向上す
る。
【0032】一般式(5):Mg100-q-s7 q9 s 一般式(6):Mg100-q-r-s7 q8 r9 s 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M
9はY、La、Ce、Nd、Sm及びMmよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、q、r及びsはそれ
ぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25、3≦s≦
25である。これらの非晶質合金のように、前記一般式
(3)及び(4)の合金に希土類元素を添加することに
よりアモルファスの熱的安定性が向上する。
【0033】前記した非晶質合金の中でも、ガラス遷移
温度(Tg)と結晶化温度(Tx)の温度差が極めて広
いZr−TM−Al系及びHf−TM−Al系(TM:
遷移金属)非晶質合金は、高強度、高耐食性であると共
に、過冷却液体領域(ガラス遷移領域)ΔTx=Tx−
Tgが30K以上、特にZr−TM−Al系非晶質合金
は60K以上と極めて広く、この温度領域では粘性流動
により数10MPa以下の低応力でも非常に良好な加工
性を示す。また、冷却速度が数10K/s程度の鋳造法
によっても非晶質バルク材が得られるなど、非常に安定
で製造し易い特徴を持っている。これらの合金は、溶湯
からの金型鋳造によっても、またガラス遷移領域を利用
した粘性流動による成形加工によっても、非晶質材料が
できると同時に、金型形状及び寸法を極めて忠実に再現
する。
【0034】本発明に利用されるこれらのZr−TM−
Al系及びHf−TM−Al系非晶質合金は、合金組
成、測定法によっても異なるが、非常に大きなΔTxの
範囲を持っている。例えばZr60Al15Co2.5Ni7.5
Cu15合金(Tg:652K、Tx:768K)のΔT
xは116Kと極めて広い。耐酸化性も極めて良く、空
気中でTgまでの高温に熱してもほとんど酸化されな
い。硬度は室温からTg付近までビッカース硬度(H
v)で460(DPN)、引張強度は1,600MP
a、曲げ強度は3,000MPaに達する。熱膨張率α
は室温からTg付近まで1×10-5/Kと小さく、ヤン
グ率は91GPa、圧縮時の弾性限界は4〜5%を超え
る。さらに靭性も高く、シャルピー衝撃値で6〜7J/
cm2を示す。このように非常に高強度の特性を示しな
がら、ガラス遷移領域まで加熱されると、流動応力は1
0MPa程度まで低下する。このため極めて加工が容易
で、低応力で複雑な形状の微小部品や高精度部品に成形
できるのが本合金の特徴である。しかも、いわゆるガラ
ス(非晶質)としての特性から加工(変形)表面は極め
て平滑性が高く、結晶合金を変形させたときのように滑
り帯が表面に現われるステップなどは実質的に発生しな
い特徴を持っている。
【0035】一般に、非晶質合金はガラス遷移領域まで
加熱すると長時間の保持によって結晶化が始まるが、本
合金のようにΔTxが広い合金は非晶質相が安定であ
り、ΔTx内の温度を適当に選べば2時間程度までは結
晶が発生せず、通常の成形加工においては結晶化を懸念
する必要はない。また、本合金は溶湯からの凝固におい
てもこの特性を如何なく発揮する。一般に非晶質合金の
製造には急速な冷却が必要とされるが、本合金は冷却速
度10K/s程度の冷却で溶湯から容易に非晶質単相か
らなるバルク材を得ることができる。その凝固表面はや
はり極めて平滑であり、金型表面のミクロンオーダーの
研磨傷でさえも忠実に再現する転写性を持っている。従
って、合金材料として本合金を適用すれば、金型表面が
成形品の要求特性を満たす表面品質を持っておれば、鋳
造材においても金型の表面特性をそのまま再現し、従来
の金型鋳造法、金型成形法においても寸法調整、表面粗
さ調整の工程を省略又は短縮することができる。
【0036】以上のように、比較的低い硬度、高い引張
強度及び高い曲げ強度、比較的低いヤング率、高弾性限
界、高耐衝撃性、高耐磨耗性、表面の平滑性、高精度の
鋳造又は加工性を併せ持った特徴は、光ファイバコネク
タのフェルールやスリーブ、歯車、マイクロマシン等の
精密部品など、種々の分野の成形品の材料として適して
いるばかりでなく、従来の成形加工方法を適用できる。
また、非晶質合金は、高精度の鋳造性及び加工性を有
し、かつ金型のキャビティ形状を忠実に再現できる優れ
た転写性を有するため、金型を適切に作製することによ
り、金型鋳造法や金型成形法によって所定の形状、寸法
精度、及び表面品質を満足する成形品を単一のプロセス
で量産性良く製造できる。
【0037】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例を説明しながら
本発明についてさらに具体的に説明する。図1は、本発
明の方法により非晶質合金製円筒体を製造する装置の一
実施例の概略構成を示している。強制冷却鋳型1は、昇
降自在に配設された上型2と、下型5とからなり、上型
2には鋳造品の外形寸法を規制する製品成形用キャビテ
ィ3が形成されている点は図8に示す従来の装置と同様
であるが、上型2内には、下型5の中央部に形成された
注湯口(貫通孔)6から下方に突出できるように押出棒
8が上下動自在に配設されており、この押出棒8はエジ
ェクタとしても機能する。押出棒8は図示しない油圧シ
リンダ(又は空圧シリンダ)により作動される。強制冷
却鋳型1は、加熱領域の影響を受けないように溶解用容
器11の上方に配置されている。
【0038】なお、強制冷却鋳型1は、銅、銅合金、又
は超硬合金その他の金属材料から作製することができる
が、キャビティ3内に注入された溶湯の冷却速度を速く
するために、熱容量が大きくかつ熱伝導率の高い材料、
例えば銅製、銅合金製等とすることが好ましい。また上
型2には冷却水、冷媒ガス等の冷却媒体を流通させる流
路が配設されているが、図示の都合上省略されている。
【0039】一方、上記下型5の注湯口6の真下に昇降
自在に配設されている溶解用容器11の上部には、図8
に示す従来の装置とは異なり、凹状の原料収容部14が
一体的に形成されている。溶解用容器11の材質、特に
凹状原料収容部の材質としてはセラミックスが好まし
い。凹状原料収容部14の周囲に加熱源としての誘導コ
イル15が配設されていることは、図8に示す従来の装
置と同様である。加熱源としては、高周波誘導加熱の
他、抵抗加熱等の任意の手段を採用できる。
【0040】非晶質合金成形品の製造に際しては、ま
ず、図1(A)に示すように溶解用容器11が強制冷却
鋳型1の下方に離間した状態において、凹状原料収容部
14内に非晶質合金を生じ得る組成の合金原料Aを装填
する。合金原料Aとしては棒状、ペレット状、粉末状等
の任意の形態のものを使用できる。次いで、誘導コイル
15を励磁して合金原料Aを急速に加熱する。合金原料
Aが溶解したかどうかを溶湯温度を検出して確認した
後、図1(B)に示すように、溶解用容器11をその上
端が下型5の凹部7に密着するまで上昇させる。その
後、誘導コイル15を消磁する。
【0041】次いで、図1(C)に示すように、押出棒
8を急速に、好ましくは約0.1秒程度で下降させてそ
の先端部を合金溶湯A´中に押し込むことによって、合
金溶湯A´は強制冷却鋳型1の注湯口6からキャビティ
3内に押し出され、加圧され、急速に凝固される。この
際、射出温度、射出速度等を適宜設定することにより、
103K/s以上の冷却速度が得られる。次いで、図1
(D)に示すように、上型2を下型5から分離し、鋳造
品Bを内包している上型2を上昇させると共に、溶解用
容器11を元の位置まで復帰させる。その後、図1
(E)に示すように、上型2の下方に回収トレイ16が
前進し、押出棒8がさらに下方に突き出されることによ
り鋳造品Bが上型2から分離され、回収トレイ16で回
収され、1回目の製造工程が終了する。その間、溶解用
容器11の凹状原料収容部14内には次の合金原料Aが
装填される。その後、上型2が図1(A)に示される元
の位置に復帰した後、前記と同様な操作で次の製造工程
を行なう。
【0042】図2は、本発明の方法により非晶質合金成
形品を製造する装置の他の実施例の概略構成を示してお
り、強制冷却鋳型1の下型5に、その中央部に形成され
た注湯口(貫通孔)6の周縁部から下方に垂下するよう
に円筒状の水冷ジャケット(もしくは円筒状水冷ガイド
壁)9が固定されており、また、押出棒8が予め所定長
さだけ下方に突出され、すなわち溶解用容器11と強制
冷却鋳型1を連結したとき押出棒8の下端部が凹状原料
収容部14内に挿入されるような位置に予め設定されて
いる以外は、図1に示す装置と同様である。
【0043】このような円筒状水冷ジャケット9を設け
ることにより、図2(A)に示すように溶解用容器11
の凹状原料収容部14内に装填された合金原料Aを急速
に加熱し、図2(B)に示すように、溶解用容器11を
上昇させてその上端が下型5に当接したときに、凹状原
料収容部14の外周面は円筒状水冷ジャケット9と接触
しているため、強制冷却鋳型1と溶解用容器11の連結
部(接触部)近傍の合金溶湯A´は急速に冷却され、そ
の部分の粘度が上昇するので、図2(B)に示すように
強制冷却鋳型1の円筒状水冷ジャケット9内に溶解用容
器11の凹状原料収容部14を挿入する構造のものであ
っても、合金溶湯A´がこれらの隙間に差し込むことが
効果的に防止される。
【0044】また、押出棒8が予め所定長さだけ下方に
突出されているため、図2(B)に示すように溶解用容
器11と強制冷却鋳型1を連結したときに、押出棒8の
下端部が凹状原料収容部14内の合金溶湯A´中に自動
的に押し込まれ、合金溶湯A´は強制冷却鋳型1のキャ
ビティ3内に押し出され、加圧され、急速に凝固され
る。その後、誘導コイル15を消磁する。その後の上型
2と下型5の分離、鋳造品Bを内包している上型2の上
昇、及び溶解用容器11の元の位置への復帰(図1
(C))、並びに鋳造品Bの上型2からの分離と回収ト
レイ16による回収、及び凹状原料収容部14内への次
の合金原料Aの装填(図2(D))は、前記図1に示す
装置の場合と同様である。
【0045】図3は、図2に示す装置の変形例を示して
おり、押出棒8に代えて、強制冷却鋳型1の下部中央部
に注湯口(貫通孔)6から円筒状水冷ジャケット9にか
けて突出する所定長さの突出部8aが形成されており、
また、該突出部8aの両側には、一対のエジェクタ4が
上下動自在に配設されている。このように、図2に示す
エジェクタ機能を兼ねる押出棒8を突出部8aと一対の
エジェクタ4に分離しても、図2に示す装置と同様の機
能を発揮する。すなわち、溶解用容器11と強制冷却鋳
型1を連結したときに、突出部8aの下端部が凹状原料
収容部14内の合金溶湯A´中に自動的に押し込まれ、
合金溶湯A´は強制冷却鋳型1のキャビティ3内に押し
出され、加圧され、急速に凝固される。その後の鋳造品
Bの上型2からの分離は、エジェクタ4により行なわれ
る。
【0046】図4は、図2に示す装置の他の変形例を示
しており、押出棒8の軸部周囲にコイルばね10が配設
され、押出棒8に上向きの力が加わったときに常にそれ
に抗して下方に付勢されるように構成されている。この
ようにすることにより、溶解用容器11と強制冷却鋳型
1を連結したときに、押出棒8の下端部が凹状原料収容
部14内の合金溶湯A´中に自動的に押し込まれ、合金
溶湯A´は強制冷却鋳型1のキャビティ3内に押し出さ
れるが、押出棒8に作用するコイルばね10のばね力に
より、常に加圧された状態にある。
【0047】前記図1及び図2に示すように、溶解用容
器11を強制冷却鋳型1に向かって上昇させるように構
成されている場合、その際に凹状原料収容部14が加熱
領域を外れるため、合金溶湯A´の温度低下は避けられ
ない。図5は、合金溶湯A´の温度低下を防止するよう
に構成された装置の他の実施例の概略構成を示してお
り、強制冷却鋳型1の下型5が予め溶解用容器11の上
端部に設置され、強制冷却鋳型1が溶解用容器11の凹
状原料収容部14に向かって下降されるように構成され
ている以外は、図1に示す装置と同様である。このよう
な構成の場合、強制冷却鋳型1が溶解用容器11と連結
されたときに誘導コイル15に近接した位置となって加
熱されるため、それを防止するためには、下型5の材料
として、電磁誘導シールド機能を有する銅、アルミニウ
ム等の金属を用いることが好ましい。なお、下型5は溶
解用容器11の上端部に接合されていてもよい。
【0048】非晶質合金成形品の製造に際しては、ま
ず、図5(A)に示すように強制冷却鋳型1の上型2が
溶解用容器11の上方に離間した状態において、凹状原
料収容部14内に非晶質合金を生じ得る組成の合金原料
Aを装填する。次いで、誘導コイル15を励磁して合金
原料Aを急速に加熱する。合金原料Aが溶解したかどう
かを溶湯温度を検出して確認した後、図5(B)に示す
ように、強制冷却鋳型1の上型2を溶解用容器11の上
端に設置された下型5に密着するまで下降させる。その
後、誘導コイル15を消磁する。
【0049】次いで、図5(C)に示すように、押出棒
8を急速に下降させてその先端部を合金溶湯A´中に押
し込むことによって、合金溶湯A´は強制冷却鋳型1の
注湯口6からキャビティ3内に押し出され、加圧され、
急速に凝固される。次いで、図5(D)に示すように、
強制冷却鋳型1の上型2を下型5から分離し、鋳造品B
を内包している上型2を上昇させる。その後、図5
(E)に示すように、上型2の下方に回収トレイ16が
前進し、押出棒8がさらに下方に突き出されることによ
り鋳造品Bが上型2から分離され、回収トレイ16で回
収され、1回目の製造工程が終了する。その間、溶解用
容器11の凹状原料収容部14内には次の合金原料Aが
装填され、次の製造工程の準備を終了している。
【0050】図6は、本発明の方法により非晶質合金成
形品を製造する装置のさらに他の実施例の概略構成を示
しており、強制冷却鋳型1が溶解用容器11の凹状原料
収容部14に向かって下降されるように構成されている
以外は、図2に示す装置と同様である。
【0051】非晶質合金成形品の製造に際しては、ま
ず、図6(A)に示すように、凹状原料収容部14内に
非晶質合金を生じ得る組成の合金原料Aを装填する。次
いで、誘導コイル15を励磁して合金原料Aを急速に加
熱する。合金原料Aが溶解したかどうかを溶湯温度を検
出して確認した後、図6(B)に示すように、強制冷却
鋳型1を下降させ、円筒状水冷ジャケット9内に溶解用
容器11の凹状原料収容部14が密着するようにする。
この時、押出棒8は予め所定長さだけ下方に突出されて
いるため、押出棒8の下端部が凹状原料収容部14内の
合金溶湯A´中に自動的に押し込まれ、合金溶湯A´は
強制冷却鋳型1のキャビティ3内に押し出され、加圧さ
れ、急速に凝固される。また、強制冷却鋳型1と溶解用
容器11の連結部(接触部)近傍の合金溶湯A´は急速
に冷却され、その部分の粘度が上昇するので、合金溶湯
A´が円筒状水冷ジャケット9と凹状原料収容部14の
隙間に差し込むことが効果的に防止される。その後、誘
導コイル15を消磁する。
【0052】次いで、図6(C)に示すように、強制冷
却鋳型1を所定位置まで上昇させ、さらにその上型2を
下型5から分離し、鋳造品Bを内包している上型2を上
昇させる。その後、図6(D)に示すように、上型2の
下方に回収トレイ16が前進し、押出棒8がさらに下方
に突き出されることにより鋳造品Bが上型2から分離さ
れ、回収トレイ16で回収され、1回目の製造工程が終
了する。その間、溶解用容器11の凹状原料収容部14
内には次の合金原料Aが装填され、次の製造工程の準備
を終了している。
【0053】次に、強制冷却鋳型内への充填開始時の合
金溶湯温度を図7を参照して説明する。前記のように、
本発明による成形品の製造方法は、前記したような非晶
質合金を生じ得る材料、好ましくは温度幅30K以上の
ガラス遷移領域を有し、少なくとも体積率50%以上の
非晶質相を含む非晶質合金を用いて鋳造する。例えば、
融点が900℃の合金の場合、スーパーヒートして約1
200℃の合金溶湯温度で強制冷却鋳型1のキャビティ
3内に射出することが望ましい。高周波加熱装置の誘導
コイルに電流を流すことにより、合金溶湯温度は約12
00℃に達する(図7の(a))。しかしながら、図8
に示す従来例や、図1及び図2に示す実施例のように、
溶解用容器11を強制冷却鋳型1に向かって移動させる
場合には、凹状原料収容部14内の合金溶湯A´が加熱
領域を外れ、キャビティ3内への充填開始時には、合金
溶湯の温度は約100℃低下する(図7の(b))。そ
のため、鋳型内での溶湯温度が低くなり(粘性が大きく
なり)、充填不良になり易いので、これを防止するため
の温度コントロールも必要となる。これに対して、図5
及び図6に示す実施例のように、強制冷却鋳型1を溶解
用容器11に向かって移動させる場合には、凹状原料収
容部14内の合金溶湯A´は常に加熱領域内にあるた
め、充填開始時の溶湯温度は約1200℃(図7の
(a))に保持される。なお、キャビティ3内への合金
溶湯充填時、誘導コイル15には電流が流れており、そ
の後切れる。その間、強制冷却鋳型1の下部は加熱領域
に位置するが、充填時間は約1秒程度の短時間であるた
め、強制冷却鋳型1の耐久性に影響を及ぼすほど鋳型温
度は上昇しない。なお、強制冷却鋳型1の下部の誘導加
熱を防止するためには、前記したように下型5を電磁誘
導シールド機能を有する材料から構成するなど、強制冷
却鋳型1と溶解用容器11との間に電磁誘導シールド機
能を有する材料を介在させることが好ましい。
【0054】前記のような高圧ダイカスト法によれば、
鋳造圧力が約100MPaまで、射出速度が数m/s程
度まで可能であり、以下のような利点が得られる。 (1)溶湯の強制冷却鋳型への充填が数ms以内で完了
し、急冷作用が大きい。 (2)溶湯の強制冷却鋳型との高密着性による冷却速度
の増大とともに、精密成形が可能である。 (3)鋳造品の凝固収縮時における引け巣などの欠陥を
低減できる。 (4)複雑な又は微細な形状の成形品の作製が可能にな
る。 (5)高粘度の溶湯の鋳込みが可能になる。 また、前記したような非晶質合金材料を用いることによ
り、寸法精度L±0.0005〜0.001mm、表面
精度0.2〜0.4μmで成形品を製造できる。
【0055】以上、添付図面に示す実施例を参照しなが
ら本発明について説明したが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であ
る。例えば、前記した各構成部材は前記各実施例に示し
た組合せに限定されず、任意に組み合わせることがで
き、また、図5に示す実施例では下型5の材料として電
磁誘導シールド機能を有する銅、アルミニウム等の金属
を用いたが、下型5の表面を電磁誘導シールド機能を有
する銅、アルミニウム等の金属でコーティングすること
もできる。
【0056】さらに、特開平10−296424号公報
に記載の種々の構成手段を採用でき、例えば、下型5の
注湯口6にセラミックス、熱伝導率の小さな金属などの
断熱材から作製された口金を装着することができる。ま
た、溶湯の酸化皮膜形成を防止するために、強制冷却鋳
型及び溶解用容器をチャンバ内に配置し、該チャンバ内
に接続された真空ポンプを作動させて装置全体を真空中
に置くか、あるいはチャンバ内にArガス等の不活性ガ
スを導入して不活性ガス雰囲気中に配置するように構成
することができる。また、複数個のキャビティを形成し
た強制冷却鋳型を用い、これらのキャビティが注湯口に
連通するように構成することにより、複数個の成形品を
単一工程で同時に製造することも勿論可能である。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法及び装置に
よれば、従来の装置のようにスリーブとピストンからな
る溶解用容器を用いた場合の溶湯の差し込みによるスリ
ーブ内でのピストンの移動不可能といった事態や、ピス
トンとスリーブの摺動面が損傷するといった問題もな
く、複雑な又は微細な形状の成形品であっても、所定の
形状、寸法精度及び表面品質を満足する非晶質合金成形
品を生産性よく低コストで製造することができる。しか
も、本発明に利用される非晶質合金は強度、靭性、耐食
性等に優れ、各種精密成形品として摩耗、変形、欠け等
が発生し難く長期間の使用に耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非晶質合金成形品製造装置及びその工
程の一実施例を示す概略部分断面図である。
【図2】本発明の非晶質合金成形品製造装置及びその工
程の他の実施例を示す概略部分断面図である。
【図3】図2に示す装置の変形例を示す概略部分断面図
である。
【図4】図2に示す装置の他の変形例を示す概略部分断
面図である。
【図5】本発明の非晶質合金成形品製造装置及びその工
程のさらに他の実施例を示す概略部分断面図である。
【図6】本発明の非晶質合金成形品製造装置及びその工
程のさらに別の実施例を示す概略部分断面図である。
【図7】鋳型内充填開始時の誘導コイル出力と合金溶湯
温度を示すグラフである。
【図8】従来の非晶質合金成形品製造装置及びその工程
を示す概略部分断面図である。
【図9】従来の非晶質合金成形品製造装置における問題
を示す概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 強制冷却鋳型 2 上型 3 製品成形用キャビティ 4 エジェクタ 5 下型 6 注湯口 8 押出棒 8a 突出部 9 円筒状水冷ジャケット 10 コイルばね 11 溶解用容器 12 円筒状スリーブ 13 ピストン 14 凹状原料収容部 15 誘導コイル 16 回収トレイ A 合金原料 A´ 合金溶湯

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解す
    るための上面が開放された凹状の原料収容部が一体的に
    形成された溶解用容器と、該溶解用容器の上方に配置さ
    れ、製品成形用キャビティを持つと共に溶湯強制移動手
    段を備えた強制冷却鋳型とを用い、上記溶解用容器で非
    晶質合金を生じ得る合金材料を溶解した後、溶解用容器
    と強制冷却鋳型を上記凹状原料収容部と製品成形用キャ
    ビティが連通するように連結し、上記溶湯強制移動手段
    により合金溶湯を押圧して製品成形用キャビティ内に強
    制移動させると共に加圧し、上記強制冷却鋳型内で合金
    溶湯を急冷凝固して非晶質化させ、非晶質相を含む合金
    からなる成形品を得ることを特徴とする非晶質合金成形
    品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記溶湯強制移動手段が、強制冷却鋳型
    内に上下方向に移動自在に配設された押出棒、又は、溶
    解用容器と強制冷却鋳型を連結したときに溶解用容器の
    凹状原料収容部内に挿入されるように強制冷却鋳型下部
    に形成した突出部からなり、該押出棒又は突出部を凹状
    原料収容部内の合金溶湯中に押し込むことにより、合金
    溶湯を製品成形用キャビティ内に強制移動させると共に
    加圧することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解す
    るための上面が開放された凹状の原料収容部が一体的に
    形成された溶解用容器と、該溶解用容器の上方に配置さ
    れ、製品成形用キャビティを持つと共に、上下方向に移
    動自在に配設された押出棒を備えた強制冷却鋳型とを用
    い、上記溶解用容器で非晶質合金を生じ得る合金材料を
    溶解した後、溶解用容器と強制冷却鋳型を上記凹状原料
    収容部と製品成形用キャビティが連通するように連結
    し、上記押出棒を溶解用容器の凹状原料収容部内の合金
    溶湯中に押し込むことにより合金溶湯を製品成形用キャ
    ビティ内に強制移動させると共に加圧し、上記強制冷却
    鋳型内で合金溶湯を急冷凝固して非晶質化させ、非晶質
    相を含む合金からなる成形品を得ることを特徴とする非
    晶質合金成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解す
    るための上面が開放された凹状の原料収容部が一体的に
    形成された溶解用容器と、該溶解用容器の上方に配置さ
    れ、製品成形用キャビティを持つと共に、上下方向に移
    動自在に配設された押出棒を備えた強制冷却鋳型とを用
    い、上記押出棒を溶解用容器と強制冷却鋳型を連結した
    ときに溶解用容器の凹状原料収容部内に挿入されるよう
    な位置に予め設定しておき、上記溶解用容器で非晶質合
    金を生じ得る合金材料を溶解した後、溶解用容器と強制
    冷却鋳型を上記凹状原料収容部と製品成形用キャビティ
    が連通するように連結することにより、上記押出棒が溶
    解用容器の凹状原料収容部内の合金溶湯中に押し込まれ
    て合金溶湯を製品成形用キャビティ内に強制移動させる
    と共に加圧し、上記強制冷却鋳型内で合金溶湯を急冷凝
    固して非晶質化させ、非晶質相を含む合金からなる成形
    品を得ることを特徴とする非晶質合金成形品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記押出棒が、上向きの力が加わったと
    きにそれに抗して下方に付勢されることを特徴とする請
    求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解す
    るための上面が開放された凹状の原料収容部が一体的に
    形成された溶解用容器と、該溶解用容器の上方に配置さ
    れ、製品成形用キャビティを持つと共に、上記溶解用容
    器と連結したときに溶解用容器の凹状原料収容部内に挿
    入されるような形状寸法の突出部が下方に突設された強
    制冷却鋳型とを用い、上記溶解用容器で非晶質合金を生
    じ得る合金材料を溶解した後、溶解用容器と強制冷却鋳
    型を上記凹状原料収容部と製品成形用キャビティが連通
    するように連結することにより、上記突出部が溶解用容
    器の凹状原料収容部内の合金溶湯中に押し込まれて合金
    溶湯を製品成形用キャビティ内に強制移動させると共に
    加圧し、上記強制冷却鋳型内で合金溶湯を急冷凝固して
    非晶質化させ、非晶質相を含む合金からなる成形品を得
    ることを特徴とする非晶質合金成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記強制冷却鋳型を溶解用容器に向かっ
    て移動させて溶解用容器と強制冷却鋳型の連結を行なう
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに一項に記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 前記溶解用容器を強制冷却鋳型に向かっ
    て移動させて溶解用容器と強制冷却鋳型の連結を行なう
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに一項に記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 真空中又は不活性ガス雰囲気下におい
    て、溶解用容器で非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解
    し、合金溶湯を製品成形用キャビティ内に強制移動させ
    ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 前記溶解用容器と強制冷却鋳型の連結
    の際にこれらの連結部を冷却することを特徴とする請求
    項1乃至9のいずれかに一項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記溶解用容器と強制冷却鋳型を電磁
    誘導シールド機能を有する材料を介して連結することを
    特徴とする請求項1乃至10のいずれかに一項に記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解
    するための上面が開放された凹状の原料収容部が一体的
    に形成された溶解用容器と、該溶解用容器の上方に配置
    され、製品成形用キャビティを持つと共に、上下方向に
    移動自在に配設された押出棒を備えた強制冷却鋳型とを
    備えていることを特徴とする非晶質合金成形品の製造装
    置。
  13. 【請求項13】 前記押出棒が、溶解用容器と強制冷却
    鋳型を連結したときに溶解用容器の凹状原料収容部内に
    挿入されるような位置に予め設定されていることを特徴
    とする請求項12に記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記押出棒が、上向きの力が加わった
    ときにそれに抗して下方に付勢されるようにばね手段を
    備えていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
  15. 【請求項15】 非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解
    するための上面が開放された凹状の原料収容部が一体的
    に形成された溶解用容器と、該溶解用容器の上方に配置
    され、製品成形用キャビティを持つと共に、上記溶解用
    容器と連結したときに溶解用容器の凹状原料収容部内に
    挿入されるような形状寸法の突出部が下方に突設された
    強制冷却鋳型とを備えていることを特徴とする非晶質合
    金成形品の製造装置。
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