JP2001108866A - 金属製パイプ一体型フェルール及びその製造方法 - Google Patents
金属製パイプ一体型フェルール及びその製造方法Info
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- JP2001108866A JP2001108866A JP28386499A JP28386499A JP2001108866A JP 2001108866 A JP2001108866 A JP 2001108866A JP 28386499 A JP28386499 A JP 28386499A JP 28386499 A JP28386499 A JP 28386499A JP 2001108866 A JP2001108866 A JP 2001108866A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 寸法精度及び表面品質に優れた金属製パイプ
一体型フェルール及びそれを中子ピンを使用することな
く単一のプロセスで低コストで製造できる方法を提供す
る。 【解決手段】 光コネクタ用フェルールの外形を規定す
るキャビティを持つ金型1内に、金属製パイプ10を挿
入した状態で、高温の流体材料、例えば合金原料Aの溶
湯を注入し、冷却固化させることにより、フェルール内
部に一体的に強固に固定された金属製パイプを内包して
いる金属製パイプ一体型フェルールを製造できる。又
は、高温の流体材料を収容する容器下端部の吐出孔に挿
入した状態で、金属製パイプを下方に移動させながらそ
の外周面を被覆するように高温の流体材料を吐出して冷
却固化させる成形法、及び過冷却液体状態にある非晶質
合金製の丸棒中に中心軸線に沿って金属製パイプを挿入
し、非晶質合金を冷却固化させる成形法によっても製造
できる。
一体型フェルール及びそれを中子ピンを使用することな
く単一のプロセスで低コストで製造できる方法を提供す
る。 【解決手段】 光コネクタ用フェルールの外形を規定す
るキャビティを持つ金型1内に、金属製パイプ10を挿
入した状態で、高温の流体材料、例えば合金原料Aの溶
湯を注入し、冷却固化させることにより、フェルール内
部に一体的に強固に固定された金属製パイプを内包して
いる金属製パイプ一体型フェルールを製造できる。又
は、高温の流体材料を収容する容器下端部の吐出孔に挿
入した状態で、金属製パイプを下方に移動させながらそ
の外周面を被覆するように高温の流体材料を吐出して冷
却固化させる成形法、及び過冷却液体状態にある非晶質
合金製の丸棒中に中心軸線に沿って金属製パイプを挿入
し、非晶質合金を冷却固化させる成形法によっても製造
できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信に使用され
る光ファイバ端末(もしくは光ファイバケーブル端末)
を接続及び/又は固定するために用いられる金属製パイ
プ一体型フェルール及びその製造方法に関する。
る光ファイバ端末(もしくは光ファイバケーブル端末)
を接続及び/又は固定するために用いられる金属製パイ
プ一体型フェルール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】光コネク
タ用部材には、光の損失を防ぐために高い寸法精度が要
求される。すなわち、光ファイバ同士の軸線を一致させ
て接続し、光の損失を防ぐためには、光ファイバを固
定、整列させる部材にサブミクロンオーダーの高い精度
での加工が必要である。従来、光コネクタ用フェルール
(キャピラリともいう)を製造する場合、まず、バイン
ダを含むセラミック粉末や、合成樹脂、金属等の射出成
形、押出成形等によって一次成形し(特公平8−307
75号、特開平8−15568号、特開平8−1941
31号、特開平9−141704号、特開平10−18
6176号等)、得られたブランクを、用いた材料に応
じて脱脂、焼結した後、外径研磨加工、内径研磨加工、
先端凸球面加工(PC研磨)等の機械加工により所望の
寸法に仕上げ加工されている。また、フェルールの光フ
ァイバ挿入部の細孔(光ファイバ挿通細孔)の内径は極
めて小さいため(例えばSC型と呼ばれるキャピラリの
細孔径は0.126mm)、その内径加工には一般にワ
イヤラッピング加工が採用されている。このため、製造
工程が長大で、高価な内径加工機、外径研磨機などの装
置を必要とし、製造コストが高いという問題があった。
タ用部材には、光の損失を防ぐために高い寸法精度が要
求される。すなわち、光ファイバ同士の軸線を一致させ
て接続し、光の損失を防ぐためには、光ファイバを固
定、整列させる部材にサブミクロンオーダーの高い精度
での加工が必要である。従来、光コネクタ用フェルール
(キャピラリともいう)を製造する場合、まず、バイン
ダを含むセラミック粉末や、合成樹脂、金属等の射出成
形、押出成形等によって一次成形し(特公平8−307
75号、特開平8−15568号、特開平8−1941
31号、特開平9−141704号、特開平10−18
6176号等)、得られたブランクを、用いた材料に応
じて脱脂、焼結した後、外径研磨加工、内径研磨加工、
先端凸球面加工(PC研磨)等の機械加工により所望の
寸法に仕上げ加工されている。また、フェルールの光フ
ァイバ挿入部の細孔(光ファイバ挿通細孔)の内径は極
めて小さいため(例えばSC型と呼ばれるキャピラリの
細孔径は0.126mm)、その内径加工には一般にワ
イヤラッピング加工が採用されている。このため、製造
工程が長大で、高価な内径加工機、外径研磨機などの装
置を必要とし、製造コストが高いという問題があった。
【0003】また、従来の射出成形法により光コネクタ
用フェルール(キャピラリ)を製造する場合、光ファイ
バ挿通細孔を形成するために用いられる中子ピンは直径
0.1mm程度の細い物であるため、鋳造時もしくは鋳
造後の引き抜きによって中子ピンが折れたり、曲がった
りするという問題がある。しかも、中子ピンは高価であ
るため、製造コストが高くなる。しかも、このようにし
て形成した光ファイバ挿通細孔の孔内表面を平滑化し、
断面真円度や精度を出すためには内径仕上げ加工が必要
であり、製造コストの増大を余儀なくされている。
用フェルール(キャピラリ)を製造する場合、光ファイ
バ挿通細孔を形成するために用いられる中子ピンは直径
0.1mm程度の細い物であるため、鋳造時もしくは鋳
造後の引き抜きによって中子ピンが折れたり、曲がった
りするという問題がある。しかも、中子ピンは高価であ
るため、製造コストが高くなる。しかも、このようにし
て形成した光ファイバ挿通細孔の孔内表面を平滑化し、
断面真円度や精度を出すためには内径仕上げ加工が必要
であり、製造コストの増大を余儀なくされている。
【0004】従って、本発明の目的は、前記したような
中子ピン使用による問題がなく、内径仕上げ加工が不要
な安価な金属製パイプ一体型フェルールを提供すること
にある。さらに本発明の目的は、中子ピンを使用するこ
となく、所定の形状、寸法精度、及び表面品質を満足す
る金属製パイプ一体型フェルールを単一のプロセスで量
産性良く製造でき、従って内径仕上げ加工等の機械加工
工程が不要な方法を提供し、もってフェルール製造コス
トの削減を図ることにある。
中子ピン使用による問題がなく、内径仕上げ加工が不要
な安価な金属製パイプ一体型フェルールを提供すること
にある。さらに本発明の目的は、中子ピンを使用するこ
となく、所定の形状、寸法精度、及び表面品質を満足す
る金属製パイプ一体型フェルールを単一のプロセスで量
産性良く製造でき、従って内径仕上げ加工等の機械加工
工程が不要な方法を提供し、もってフェルール製造コス
トの削減を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第一の側面によれば、光コネクタ用フェル
ールの製造の際にその内部に強固に固定された金属製パ
イプを内包していることを特徴とする金属製パイプ一体
型フェルールが提供される。好適には、金属製パイプ
は、光コネクタ用フェルール製造の際の熱収縮もしくは
凝固収縮によりフェルール内に強固に固定される。
に、本発明の第一の側面によれば、光コネクタ用フェル
ールの製造の際にその内部に強固に固定された金属製パ
イプを内包していることを特徴とする金属製パイプ一体
型フェルールが提供される。好適には、金属製パイプ
は、光コネクタ用フェルール製造の際の熱収縮もしくは
凝固収縮によりフェルール内に強固に固定される。
【0006】より具体的な一つの態様では、前記金属製
パイプは内径0.1〜1.0mm、外径0.14〜2.
3mmであり、前記フェルールの外径は0.2〜2.5
mmである。好適には、前記金属製パイプは、インバー
合金、スーパーインバー合金、ステンレスインバー合
金、ステンレス合金、又はCu基合金から作製される。
また、前記フェルールは、金属、少なくとも体積率50
%以上の非晶質相を含む非晶質合金、セラミックス又は
合成樹脂から作製できる。
パイプは内径0.1〜1.0mm、外径0.14〜2.
3mmであり、前記フェルールの外径は0.2〜2.5
mmである。好適には、前記金属製パイプは、インバー
合金、スーパーインバー合金、ステンレスインバー合
金、ステンレス合金、又はCu基合金から作製される。
また、前記フェルールは、金属、少なくとも体積率50
%以上の非晶質相を含む非晶質合金、セラミックス又は
合成樹脂から作製できる。
【0007】好適な態様においては、前記フェルール
は、ダイカスト用Al基合金、ダイカスト用Zn基合
金、又はダイカスト用Mg基合金から作製されるか、あ
るいは下記一般式(1)〜(6)のいずれか1つで示さ
れる組成を有し、少なくとも体積率50%以上の非晶質
相を含む実質的に非晶質の合金からなることを特徴とし
ている。 一般式(1):M1 aM2 bLncM3 dM4 eM5 f 但し、M1はZr及びHfから選ばれる1種又は2種の
元素、M2はNi、Cu、Fe、Co、Mn、Nb、T
i、V、Cr、Zn、Al及びGaよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、LnはY、La、Ce、N
d、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMm(希
土類元素の集合体であるミッシュメタル)よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、M3はBe、B、
C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の
元素、M4はTa、W及びMoよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M5はAu、Pt、Pd及びA
gよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、a、
b、c、d、e及びfはそれぞれ原子%で、25≦a≦
85、15≦b≦75、0≦c≦30、0≦d≦30、
0≦e≦15、0≦f≦15である。 一般式(2):Al100-g-h-iLngM6 hM3 i 但し、LnはY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、T
b、Dy、Ho、Yb及びMmよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M6はTi、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a及びWよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元
素、M3はBe、B、C、N及びOよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、g、h及びiはそれぞれ原
子%で、30≦g≦90、0<h≦55、0≦i≦10
である。 一般式(3):Mg100-pM7 p 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、pは原子%で5≦p≦
60である。 一般式(4):Mg100-q-rM7 qM8 r 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q
及びrはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦2
5である。 一般式(5):Mg100-q-sM7 qM9 s 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M9はY、La、C
e、Nd、Sm及びMmよりなる群から選ばれる少なく
とも1種の元素、q及びsはそれぞれ原子%で、1≦q
≦35、3≦s≦25である。 一般式(6):Mg100-q-r-sM7 qM8 rM9 s 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M
9はY、La、Ce、Nd、Sm及びMmよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、q、r及びsはそれ
ぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25、3≦s≦
25である。
は、ダイカスト用Al基合金、ダイカスト用Zn基合
金、又はダイカスト用Mg基合金から作製されるか、あ
るいは下記一般式(1)〜(6)のいずれか1つで示さ
れる組成を有し、少なくとも体積率50%以上の非晶質
相を含む実質的に非晶質の合金からなることを特徴とし
ている。 一般式(1):M1 aM2 bLncM3 dM4 eM5 f 但し、M1はZr及びHfから選ばれる1種又は2種の
元素、M2はNi、Cu、Fe、Co、Mn、Nb、T
i、V、Cr、Zn、Al及びGaよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、LnはY、La、Ce、N
d、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMm(希
土類元素の集合体であるミッシュメタル)よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、M3はBe、B、
C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の
元素、M4はTa、W及びMoよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M5はAu、Pt、Pd及びA
gよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、a、
b、c、d、e及びfはそれぞれ原子%で、25≦a≦
85、15≦b≦75、0≦c≦30、0≦d≦30、
0≦e≦15、0≦f≦15である。 一般式(2):Al100-g-h-iLngM6 hM3 i 但し、LnはY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、T
b、Dy、Ho、Yb及びMmよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M6はTi、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a及びWよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元
素、M3はBe、B、C、N及びOよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、g、h及びiはそれぞれ原
子%で、30≦g≦90、0<h≦55、0≦i≦10
である。 一般式(3):Mg100-pM7 p 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、pは原子%で5≦p≦
60である。 一般式(4):Mg100-q-rM7 qM8 r 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q
及びrはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦2
5である。 一般式(5):Mg100-q-sM7 qM9 s 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M9はY、La、C
e、Nd、Sm及びMmよりなる群から選ばれる少なく
とも1種の元素、q及びsはそれぞれ原子%で、1≦q
≦35、3≦s≦25である。 一般式(6):Mg100-q-r-sM7 qM8 rM9 s 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M
9はY、La、Ce、Nd、Sm及びMmよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、q、r及びsはそれ
ぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25、3≦s≦
25である。
【0008】本発明の第二の側面によれば、前記のよう
な金属製パイプ一体型フェルールの製造方法も提供され
る。その第一の方法は、光コネクタ用フェルールの外形
を規定するキャビティを持つ金型内に、金属製パイプを
挿入した状態で、高温の流体材料を注入し、冷却固化さ
せることにより、製造されるフェルール内部に金属製パ
イプを強固に固定することを特徴としている。
な金属製パイプ一体型フェルールの製造方法も提供され
る。その第一の方法は、光コネクタ用フェルールの外形
を規定するキャビティを持つ金型内に、金属製パイプを
挿入した状態で、高温の流体材料を注入し、冷却固化さ
せることにより、製造されるフェルール内部に金属製パ
イプを強固に固定することを特徴としている。
【0009】また、第二の方法は、高温の流体材料を収
容し、下端部に吐出孔を有する容器内に、一端部を上記
吐出孔に挿入した状態で金属製パイプを配置し、該金属
製パイプを下方に移動させながらその外周面に上記流体
材料を吐出して冷却固化させることにより、製造される
フェルール内部に金属製パイプを強固に固定することを
特徴としている。好適には、外周面を前記流体材料で被
覆されながら下方に移動する金属製パイプを、所定の略
半円形凹状の周面輪郭を持つ少なくとも一対の対向する
冷却成形用ロール間を通過させ、管状の所定の断面形状
に成形する工程を含む。この場合、特に上記流体材料と
して非晶質合金材料の溶湯を用いる場合、複数対の対向
する冷却成形用ロールを用い、吐出孔側に配置された一
対の冷却成形用ロールを一次成形用ロールとし、その下
流に配置された一対もしくは複数対の冷却成形用ロール
を二次成形用ロールとし、多段成形することもできる。
この場合、好ましくは一次成形用ロールで非晶質合金の
溶湯をそのガラス遷移温度(Tg)以上、結晶化温度
(Tx)以下の温度に冷却する。
容し、下端部に吐出孔を有する容器内に、一端部を上記
吐出孔に挿入した状態で金属製パイプを配置し、該金属
製パイプを下方に移動させながらその外周面に上記流体
材料を吐出して冷却固化させることにより、製造される
フェルール内部に金属製パイプを強固に固定することを
特徴としている。好適には、外周面を前記流体材料で被
覆されながら下方に移動する金属製パイプを、所定の略
半円形凹状の周面輪郭を持つ少なくとも一対の対向する
冷却成形用ロール間を通過させ、管状の所定の断面形状
に成形する工程を含む。この場合、特に上記流体材料と
して非晶質合金材料の溶湯を用いる場合、複数対の対向
する冷却成形用ロールを用い、吐出孔側に配置された一
対の冷却成形用ロールを一次成形用ロールとし、その下
流に配置された一対もしくは複数対の冷却成形用ロール
を二次成形用ロールとし、多段成形することもできる。
この場合、好ましくは一次成形用ロールで非晶質合金の
溶湯をそのガラス遷移温度(Tg)以上、結晶化温度
(Tx)以下の温度に冷却する。
【0010】前記フェルール製造用材料としては、金
属、少なくとも体積率50%以上の非晶質相を含む非晶
質合金、セラミックスペースト、合成樹脂等を用いるこ
とができる。好適な態様においては、前記材料が、前記
一般式(1)〜(6)のいずれか1つで示される組成を
有し、少なくとも体積率50%以上の非晶質相を含む実
質的に非晶質合金を生じ得る合金材料の溶湯であり、こ
の合金溶湯が金属製パイプを被覆した状態で急冷凝固し
て非晶質化させる。
属、少なくとも体積率50%以上の非晶質相を含む非晶
質合金、セラミックスペースト、合成樹脂等を用いるこ
とができる。好適な態様においては、前記材料が、前記
一般式(1)〜(6)のいずれか1つで示される組成を
有し、少なくとも体積率50%以上の非晶質相を含む実
質的に非晶質合金を生じ得る合金材料の溶湯であり、こ
の合金溶湯が金属製パイプを被覆した状態で急冷凝固し
て非晶質化させる。
【0011】さらに、本発明の第三の方法は、非晶質合
金製の丸棒、好ましくは前記一般式(1)〜(6)のい
ずれか1つで示される組成を有し、少なくとも体積率5
0%以上の非晶質相を含む実質的に非晶質の合金製の丸
棒を、そのガラス遷移温度(Tg)以上、結晶化温度
(Tx)以下の温度に加熱し、この高温状態の丸棒中に
中心軸線に沿って金属製パイプを挿入し、上記非晶質合
金材料を冷却固化させることにより、上記非晶質合金製
丸棒から製造されるフェルール内部に金属製パイプを強
固に固定することを特徴としている。この方法の場合、
上記丸棒の外径は0.5〜2.5mmであることが好ま
しい。
金製の丸棒、好ましくは前記一般式(1)〜(6)のい
ずれか1つで示される組成を有し、少なくとも体積率5
0%以上の非晶質相を含む実質的に非晶質の合金製の丸
棒を、そのガラス遷移温度(Tg)以上、結晶化温度
(Tx)以下の温度に加熱し、この高温状態の丸棒中に
中心軸線に沿って金属製パイプを挿入し、上記非晶質合
金材料を冷却固化させることにより、上記非晶質合金製
丸棒から製造されるフェルール内部に金属製パイプを強
固に固定することを特徴としている。この方法の場合、
上記丸棒の外径は0.5〜2.5mmであることが好ま
しい。
【0012】
【発明の実施の形態】前記のように、本発明の方法は、
光コネクタ用フェルールの製造の際にその内部に一体的
に金属製パイプを内包・固定することを特徴としてい
る。その具体的な方法としては、(1)光コネクタ用フ
ェルールの外形を規定するキャビティを持つ金型内に、
金属製パイプを挿入した状態で、高温の流体材料を注入
し、冷却固化させる金型成形法、(2)高温の流体材料
を収容する容器の下端部に形成された吐出孔に挿入した
状態で、金属製パイプを下方に移動させながらその外周
面を被覆するように高温の流体材料を吐出して冷却固化
させる引抜成形法、及び(3)非晶質合金の過冷却液体
状態もしくはガラス遷移領域ΔTx=Tx−Tgでの粘
性流動を利用し、この温度域にある非晶質合金製の丸棒
中に中心軸線に沿って金属製パイプを挿入し、非晶質合
金を冷却固化させる成形法を採用している。
光コネクタ用フェルールの製造の際にその内部に一体的
に金属製パイプを内包・固定することを特徴としてい
る。その具体的な方法としては、(1)光コネクタ用フ
ェルールの外形を規定するキャビティを持つ金型内に、
金属製パイプを挿入した状態で、高温の流体材料を注入
し、冷却固化させる金型成形法、(2)高温の流体材料
を収容する容器の下端部に形成された吐出孔に挿入した
状態で、金属製パイプを下方に移動させながらその外周
面を被覆するように高温の流体材料を吐出して冷却固化
させる引抜成形法、及び(3)非晶質合金の過冷却液体
状態もしくはガラス遷移領域ΔTx=Tx−Tgでの粘
性流動を利用し、この温度域にある非晶質合金製の丸棒
中に中心軸線に沿って金属製パイプを挿入し、非晶質合
金を冷却固化させる成形法を採用している。
【0013】このような方法によれば、金属製パイプ
は、光コネクタ用フェルール製造の際の熱収縮もしくは
凝固収縮により、上記フェルール内に一体的に強固に固
定される。従って、従来のように射出成形の際に高価な
中子ピンを使用する必要がなく、中子ピンが折れたり、
曲がったりする問題がなく、また金属製パイプは細い中
子ピンに比べて曲がり難く、取り扱い性にも優れてい
る。さらに、金属製パイプの内周面は平滑であり、内径
の真円度、円筒度は0.5μm以下であるため、上記の
ように曲がり難いこととも相俟って、内外径の同心度の
良い光コネクタ用フェルールが得られると共に、内径仕
上げ加工等の機械加工工程が不要で加工工程数を大幅に
減少できる。従って、細孔の真円度や円筒度等に優れた
所定の形状、寸法精度、及び表面品質を満足する金属製
パイプ一体型フェルールを単一のプロセスで量産性良く
製造でき、フェルール製造コストを大幅に削減すること
ができると共に、光特性に優れた光コネクタが得られ
る。
は、光コネクタ用フェルール製造の際の熱収縮もしくは
凝固収縮により、上記フェルール内に一体的に強固に固
定される。従って、従来のように射出成形の際に高価な
中子ピンを使用する必要がなく、中子ピンが折れたり、
曲がったりする問題がなく、また金属製パイプは細い中
子ピンに比べて曲がり難く、取り扱い性にも優れてい
る。さらに、金属製パイプの内周面は平滑であり、内径
の真円度、円筒度は0.5μm以下であるため、上記の
ように曲がり難いこととも相俟って、内外径の同心度の
良い光コネクタ用フェルールが得られると共に、内径仕
上げ加工等の機械加工工程が不要で加工工程数を大幅に
減少できる。従って、細孔の真円度や円筒度等に優れた
所定の形状、寸法精度、及び表面品質を満足する金属製
パイプ一体型フェルールを単一のプロセスで量産性良く
製造でき、フェルール製造コストを大幅に削減すること
ができると共に、光特性に優れた光コネクタが得られ
る。
【0014】本発明の金属製パイプ一体型フェルールの
材料としては、金属、少なくとも体積率50%以上の非
晶質相を含む非晶質合金の他、ジルコニア、アルミナ等
のセラミックスのペースト、繊維強化サーモトロピック
液晶性ポリエステル等の合成樹脂などを用いることがで
きる。以下、フェルール材料として合金を用いた場合を
例に挙げて、添付図面を参照しながら、本発明の金属製
パイプ一体型フェルール及びその製造方法の各種態様に
ついて説明する。
材料としては、金属、少なくとも体積率50%以上の非
晶質相を含む非晶質合金の他、ジルコニア、アルミナ等
のセラミックスのペースト、繊維強化サーモトロピック
液晶性ポリエステル等の合成樹脂などを用いることがで
きる。以下、フェルール材料として合金を用いた場合を
例に挙げて、添付図面を参照しながら、本発明の金属製
パイプ一体型フェルール及びその製造方法の各種態様に
ついて説明する。
【0015】図1は、本発明の金属製パイプ一体型フェ
ルールを金型成形法により製造する装置及び方法の一実
施形態の概略構成を示している。図中、符号1は、光コ
ネクタ用フェルールの外径寸法を規制する製品成形用キ
ャビティ2が形成された金型を示している。金型1は、
例えば図中ハッチングした面で分割可能であり、その下
部にはキャビティ2と連通する注湯口3が形成されてい
る。金型1は、銅、銅合金、超硬合金その他の金属材料
から作製することができるが、キャビティ2内に注入さ
れた合金溶湯の冷却速度を速くするために、熱容量が大
きくかつ熱伝導率の高い材料、例えば銅製、銅合金製等
とすることが好ましい。また、金型には冷却水、冷媒ガ
ス等の冷却媒体を流通させる流路を配設することもでき
る。
ルールを金型成形法により製造する装置及び方法の一実
施形態の概略構成を示している。図中、符号1は、光コ
ネクタ用フェルールの外径寸法を規制する製品成形用キ
ャビティ2が形成された金型を示している。金型1は、
例えば図中ハッチングした面で分割可能であり、その下
部にはキャビティ2と連通する注湯口3が形成されてい
る。金型1は、銅、銅合金、超硬合金その他の金属材料
から作製することができるが、キャビティ2内に注入さ
れた合金溶湯の冷却速度を速くするために、熱容量が大
きくかつ熱伝導率の高い材料、例えば銅製、銅合金製等
とすることが好ましい。また、金型には冷却水、冷媒ガ
ス等の冷却媒体を流通させる流路を配設することもでき
る。
【0016】一方、溶解用容器5は、円筒状スリーブ6
と該スリーブ内に摺動自在に配置されたピストン7とを
備え、前記金型1の注湯口3の真下に昇降自在に配設さ
れている。ピストン7は図示しない油圧シリンダ(又は
空圧シリンダ)により上下動される。また、円筒状スリ
ーブ6の上部とピストン7の上面により原料収容部8が
形成され、該原料収容部8の周囲には、加熱源として高
周波誘導コイル9が配設されている。加熱源としては、
高周波誘導加熱の他、抵抗加熱等の任意の手段を採用で
きる。上記円筒状スリーブ6及びピストン7の材質とし
ては、セラミックス、耐熱皮膜コーティング金属材料な
どの耐熱性材料が好ましい。なお、溶湯の酸化皮膜形成
を防止するために、装置全体を真空中又はArガス等の
不活性ガス雰囲気中に配置するか、あるいは少なくとも
金型1と溶解用容器5の原料収容部8との間に不活性ガ
スを流すことが好ましい。
と該スリーブ内に摺動自在に配置されたピストン7とを
備え、前記金型1の注湯口3の真下に昇降自在に配設さ
れている。ピストン7は図示しない油圧シリンダ(又は
空圧シリンダ)により上下動される。また、円筒状スリ
ーブ6の上部とピストン7の上面により原料収容部8が
形成され、該原料収容部8の周囲には、加熱源として高
周波誘導コイル9が配設されている。加熱源としては、
高周波誘導加熱の他、抵抗加熱等の任意の手段を採用で
きる。上記円筒状スリーブ6及びピストン7の材質とし
ては、セラミックス、耐熱皮膜コーティング金属材料な
どの耐熱性材料が好ましい。なお、溶湯の酸化皮膜形成
を防止するために、装置全体を真空中又はArガス等の
不活性ガス雰囲気中に配置するか、あるいは少なくとも
金型1と溶解用容器5の原料収容部8との間に不活性ガ
スを流すことが好ましい。
【0017】本発明の金属製パイプ一体型フェルールの
製造に際しては、まず、溶解用容器5が金型1の下方に
離間した状態において、原料収容部8内に合金原料Aを
装填する。合金原料Aとしては棒状、ペレット状、粉末
状等の任意の形態のものを使用できる。また、金型1の
キャビティ2内には上下方向に延在するように金属製パ
イプ10を配置する。次いで、図1に示すように溶解用
容器5をその上端部が金型1の注湯口3周囲に当接する
まで上昇させ、高周波誘導コイル9を励磁して合金原料
Aを急速に加熱する。合金原料Aが溶解したかどうかを
溶湯温度を検出して確認した後、高周波誘導コイル9を
消磁し、次いで、油圧シリンダを作動させてピストン7
を急速に上昇させ、溶湯を金型1の注湯口3から射出す
る。射出された溶湯は製品成形用キャビティ2内に注
入、加圧され、急速に凝固される。この際、射出温度、
射出速度等を適宜設定することにより、103K/s以
上の冷却速度が得ることができる。その後、溶解用容器
5を下降させ、金型1を分離して鋳造物を取り出し、ラ
ンナー部をカットして除去し、製品を得る。
製造に際しては、まず、溶解用容器5が金型1の下方に
離間した状態において、原料収容部8内に合金原料Aを
装填する。合金原料Aとしては棒状、ペレット状、粉末
状等の任意の形態のものを使用できる。また、金型1の
キャビティ2内には上下方向に延在するように金属製パ
イプ10を配置する。次いで、図1に示すように溶解用
容器5をその上端部が金型1の注湯口3周囲に当接する
まで上昇させ、高周波誘導コイル9を励磁して合金原料
Aを急速に加熱する。合金原料Aが溶解したかどうかを
溶湯温度を検出して確認した後、高周波誘導コイル9を
消磁し、次いで、油圧シリンダを作動させてピストン7
を急速に上昇させ、溶湯を金型1の注湯口3から射出す
る。射出された溶湯は製品成形用キャビティ2内に注
入、加圧され、急速に凝固される。この際、射出温度、
射出速度等を適宜設定することにより、103K/s以
上の冷却速度が得ることができる。その後、溶解用容器
5を下降させ、金型1を分離して鋳造物を取り出し、ラ
ンナー部をカットして除去し、製品を得る。
【0018】前記の方法で製造された鋳造後の製品形状
を図2に示す。図2に示す金属製パイプ一体型フェルー
ル(キャピラリ)11は、両端部が切り揃えられた金属
製パイプ10を一体的に内包した金属製フェルール(キ
ャピラリ)を示している。このような製品においては、
鋳物の熱収縮もしくは凝固収縮によって金属製フェルー
ル部分が半径方向に若干縮むので、金属製パイプ10は
金属製フェルールの内部に隙間を生じることなく一体的
に強固に固定される。
を図2に示す。図2に示す金属製パイプ一体型フェルー
ル(キャピラリ)11は、両端部が切り揃えられた金属
製パイプ10を一体的に内包した金属製フェルール(キ
ャピラリ)を示している。このような製品においては、
鋳物の熱収縮もしくは凝固収縮によって金属製フェルー
ル部分が半径方向に若干縮むので、金属製パイプ10は
金属製フェルールの内部に隙間を生じることなく一体的
に強固に固定される。
【0019】前記のように作製された金属製パイプ一体
型フェルール(キャピラリ)11の光コネクタにおける
使用状態を図3に示す。この金属製パイプ一体型キャピ
ラリ11の一端部を、フランジ13の前端穴部14に締
り嵌め又は接着等により固着することにより、光コネク
タ用フェルール12が組み立てられる。このような光コ
ネクタ用フェルール12に光ファイバを取り付ける場
合、光ファイバ心線(光ファイバに外被が被覆されたも
の)16の先端部の外被を剥がして所定の長さだけ光フ
ァイバ15を露出させ、露出した光ファイバ及び光ファ
イバ心線の先端部に接着剤を塗布した後、金属製パイプ
一体型キャピラリ11の小径の貫通孔に露出した光ファ
イバ15をフランジ側から挿入し、光ファイバ15及び
光ファイバ心線16の先端部を接着剤により光コネクタ
用フェルール12の貫通孔内に固着させることにより行
なわれる。
型フェルール(キャピラリ)11の光コネクタにおける
使用状態を図3に示す。この金属製パイプ一体型キャピ
ラリ11の一端部を、フランジ13の前端穴部14に締
り嵌め又は接着等により固着することにより、光コネク
タ用フェルール12が組み立てられる。このような光コ
ネクタ用フェルール12に光ファイバを取り付ける場
合、光ファイバ心線(光ファイバに外被が被覆されたも
の)16の先端部の外被を剥がして所定の長さだけ光フ
ァイバ15を露出させ、露出した光ファイバ及び光ファ
イバ心線の先端部に接着剤を塗布した後、金属製パイプ
一体型キャピラリ11の小径の貫通孔に露出した光ファ
イバ15をフランジ側から挿入し、光ファイバ15及び
光ファイバ心線16の先端部を接着剤により光コネクタ
用フェルール12の貫通孔内に固着させることにより行
なわれる。
【0020】一対の光ファイバ15、15の接続は、そ
れらが挿入・接合された各光コネクタ用フェルール1
2、12をスリーブ17の両端から挿入し、金属製パイ
プ一体型キャピラリ11、11同士の端部を突き合わせ
ることにより行なわれ、これによって光ファイバ15、
15の軸線が整列した状態で先端部が突き合わせ接続さ
れる。スリーブ17としては、円筒状の精密スリーブ、
一側部全長に亘って軸線方向と平行に又は斜めにスリッ
トが形成されたスリーブ、円筒体の軸線に向って凸の断
面略半円形状、略楕円形状、上端が丸みを帯びた三角形
状等の円弧状の凸部を円筒体の内周面3箇所に長手方向
に設けたスリーブなど、種々の形態のスリーブを用いる
ことができる。
れらが挿入・接合された各光コネクタ用フェルール1
2、12をスリーブ17の両端から挿入し、金属製パイ
プ一体型キャピラリ11、11同士の端部を突き合わせ
ることにより行なわれ、これによって光ファイバ15、
15の軸線が整列した状態で先端部が突き合わせ接続さ
れる。スリーブ17としては、円筒状の精密スリーブ、
一側部全長に亘って軸線方向と平行に又は斜めにスリッ
トが形成されたスリーブ、円筒体の軸線に向って凸の断
面略半円形状、略楕円形状、上端が丸みを帯びた三角形
状等の円弧状の凸部を円筒体の内周面3箇所に長手方向
に設けたスリーブなど、種々の形態のスリーブを用いる
ことができる。
【0021】なお、前記した光コネクタ用フェルール1
2としては、金属製パイプ一体型キャピラリ11とフラ
ンジ13が別体のものが用いられているが、本発明は一
体のものにも同様に適用できる。例えば、前記した方法
において、金型1のキャビティ2の断面形状をキャピラ
リ11とフランジ13の合体した外形を規制するように
形成すると共に、フランジ13の貫通孔内径と略等しい
外径及び金属製パイプ10の外径と略等しい内径のガイ
ド部材をキャビティ2内に所定距離だけ突出するように
配置し、このガイド部材に金属製パイプを挿通した状態
でキャビティ2内に合金溶湯を注入することによって、
金属製パイプ一体型キャピラリ11とフランジ13が一
体成形された光コネクタ用フェルールを製造できる。
2としては、金属製パイプ一体型キャピラリ11とフラ
ンジ13が別体のものが用いられているが、本発明は一
体のものにも同様に適用できる。例えば、前記した方法
において、金型1のキャビティ2の断面形状をキャピラ
リ11とフランジ13の合体した外形を規制するように
形成すると共に、フランジ13の貫通孔内径と略等しい
外径及び金属製パイプ10の外径と略等しい内径のガイ
ド部材をキャビティ2内に所定距離だけ突出するように
配置し、このガイド部材に金属製パイプを挿通した状態
でキャビティ2内に合金溶湯を注入することによって、
金属製パイプ一体型キャピラリ11とフランジ13が一
体成形された光コネクタ用フェルールを製造できる。
【0022】図4は、本発明の第二態様である引抜成形
法による金属製パイプ一体型フェルールの製造方法を実
施するのに有利に用いることができる装置の概略構成を
示しており、図中、符号20は金属溶解装置、23は冷
却成形用ロールを示している。金属溶解装置20は、下
端部に吐出孔21が形成された金属を溶解できるるつぼ
やチューブから構成され、その材質としてはセラミック
スやカーボンなどが好ましい。金属溶解装置20の周囲
には加熱源としての高周波誘導コイル22が配設されて
いる。なお、金属溶解装置20内の合金材料の加熱方法
としては、高周波誘導加熱の他、アーク溶解、抵抗加熱
など、合金材料を溶解できるまで温度を上げ得る方法で
あれば全て適用可能である。
法による金属製パイプ一体型フェルールの製造方法を実
施するのに有利に用いることができる装置の概略構成を
示しており、図中、符号20は金属溶解装置、23は冷
却成形用ロールを示している。金属溶解装置20は、下
端部に吐出孔21が形成された金属を溶解できるるつぼ
やチューブから構成され、その材質としてはセラミック
スやカーボンなどが好ましい。金属溶解装置20の周囲
には加熱源としての高周波誘導コイル22が配設されて
いる。なお、金属溶解装置20内の合金材料の加熱方法
としては、高周波誘導加熱の他、アーク溶解、抵抗加熱
など、合金材料を溶解できるまで温度を上げ得る方法で
あれば全て適用可能である。
【0023】金属溶解装置20の下方には、一対の冷却
成形用ロール23が配設されている。冷却成形用ロール
23は、吐出孔21から吐出された溶湯1を冷却し、パ
イプ状に成形加工するための双ロールである。各冷却成
形用ロール23の周面には、略半円形の凹部が形成され
ており、これら一対の冷却成形用ロール23の周面が当
接して組み合わされたときに一対の半円形凹部により形
成される円形空間部により、その中を通過する溶湯A’
の外径が規制される。
成形用ロール23が配設されている。冷却成形用ロール
23は、吐出孔21から吐出された溶湯1を冷却し、パ
イプ状に成形加工するための双ロールである。各冷却成
形用ロール23の周面には、略半円形の凹部が形成され
ており、これら一対の冷却成形用ロール23の周面が当
接して組み合わされたときに一対の半円形凹部により形
成される円形空間部により、その中を通過する溶湯A’
の外径が規制される。
【0024】次に、前記した装置を用いて金属製パイプ
一体型フェルールを製造する工程について説明する。ま
ず、金属製パイプ一体型フェルールの製造は、真空中、
不活性雰囲気中、大気中のいずれでも行なうことがで
き、また金属溶解装置20の内部と他の場所の雰囲気が
異なってもよいが、合金成分としてZr等の反応性の高
い金属を用いる場合、装置全体、特に金属溶解装置20
から冷却成形用ロール23に至るまでの空間は真空又は
不活性雰囲気とすることが好ましい。
一体型フェルールを製造する工程について説明する。ま
ず、金属製パイプ一体型フェルールの製造は、真空中、
不活性雰囲気中、大気中のいずれでも行なうことがで
き、また金属溶解装置20の内部と他の場所の雰囲気が
異なってもよいが、合金成分としてZr等の反応性の高
い金属を用いる場合、装置全体、特に金属溶解装置20
から冷却成形用ロール23に至るまでの空間は真空又は
不活性雰囲気とすることが好ましい。
【0025】次に、金属製パイプ10の下端部を吐出孔
21に挿通した状態にセットした金属溶解装置20内に
合金材料を入れ、金属製パイプ10及び冷却成形用ロー
ル23を所定の温度となるようにセットし、冷却成形用
ロール23を所定の周速度で回転するようにセットした
状態で、高周波誘導コイル22に高周波電流を流し、金
属溶解装置20内の合金材料を高周波溶解し、次いで吐
出孔21から溶湯A’を射出すると同時に、移送装置
(図示せず)により金属製パイプ10を冷却成形用ロー
ル23の周速度に応じた所定の速度で下方へ移動させ
る。合金の融点以上に温度を上げて溶解させるが、非晶
質合金材料の場合、好ましくは融点の150℃以上の温
度に昇温して溶解させることが望ましい。
21に挿通した状態にセットした金属溶解装置20内に
合金材料を入れ、金属製パイプ10及び冷却成形用ロー
ル23を所定の温度となるようにセットし、冷却成形用
ロール23を所定の周速度で回転するようにセットした
状態で、高周波誘導コイル22に高周波電流を流し、金
属溶解装置20内の合金材料を高周波溶解し、次いで吐
出孔21から溶湯A’を射出すると同時に、移送装置
(図示せず)により金属製パイプ10を冷却成形用ロー
ル23の周速度に応じた所定の速度で下方へ移動させ
る。合金の融点以上に温度を上げて溶解させるが、非晶
質合金材料の場合、好ましくは融点の150℃以上の温
度に昇温して溶解させることが望ましい。
【0026】溶湯A’を吐出孔21から射出させる方法
としては、図示の例では金属溶解装置20の内部にガス
圧をかける方法が採用されているが、溶湯を射出できる
方法であればよく、例えばピストンで溶湯を押し出す方
法など、任意の方法を採用できる。また、射出圧力は、
溶湯A’を徐々に吐出孔21から押し出すことができる
圧力であればよいため、ロール部の雰囲気圧力より高い
圧力、例えば0.1〜100kgf/cm2だけ高い圧
力をピストンや加圧ガスで溶湯に付加すればよい。
としては、図示の例では金属溶解装置20の内部にガス
圧をかける方法が採用されているが、溶湯を射出できる
方法であればよく、例えばピストンで溶湯を押し出す方
法など、任意の方法を採用できる。また、射出圧力は、
溶湯A’を徐々に吐出孔21から押し出すことができる
圧力であればよいため、ロール部の雰囲気圧力より高い
圧力、例えば0.1〜100kgf/cm2だけ高い圧
力をピストンや加圧ガスで溶湯に付加すればよい。
【0027】金属製パイプ10は、吐出孔21から射出
された溶湯A’で外周面を被覆されながら下方に移動し
て冷却成形用ロール23に到達し、回転している一対の
冷却成形用ロール23周面の半円形凹部により加圧され
ながら所定温度に冷却されると共に、管状の断面形状に
成形される。この際、金属製パイプ10の外周面を被覆
する溶湯A’は、一対の冷却成形用ロール23周面の半
円形凹部により加圧されて接触した状態となるため、そ
の冷却速度は高くなるが、ロールに冷却水等の冷媒用流
路を設けて強制冷却方式とすることもできる。このよう
にして、金属製パイプ10が内部に一体的に固定された
長尺のフェルール(キャピラリ)を連続的に製造でき、
これを所定の長さに切断して製品とする。
された溶湯A’で外周面を被覆されながら下方に移動し
て冷却成形用ロール23に到達し、回転している一対の
冷却成形用ロール23周面の半円形凹部により加圧され
ながら所定温度に冷却されると共に、管状の断面形状に
成形される。この際、金属製パイプ10の外周面を被覆
する溶湯A’は、一対の冷却成形用ロール23周面の半
円形凹部により加圧されて接触した状態となるため、そ
の冷却速度は高くなるが、ロールに冷却水等の冷媒用流
路を設けて強制冷却方式とすることもできる。このよう
にして、金属製パイプ10が内部に一体的に固定された
長尺のフェルール(キャピラリ)を連続的に製造でき、
これを所定の長さに切断して製品とする。
【0028】なお、金属、特に非晶質合金から金属製パ
イプ一体型フェルールを製造する場合、前記したよう
に、一対の冷却成形用ロール23(第一段冷却成形ゾー
ンを形成)の後に一対又は複数対の二次成形用ロール
(第二段冷却成形加工ゾーンを形成)を配設し、多段成
形することもできる。非晶質合金からフェルールを作製
する場合、冷却成形用ロール23で冷却された一次成形
材の温度を過冷却液体領域に止め、かつこの温度範囲状
態で二次成形用ロールに送るように、上記金属製パイプ
10及び冷却成形用ロール23は、用いる非晶質合金材
料の過冷却液体領域程度の温度、例えば400〜450
℃まで加熱しておき、それ以下の温度に冷却されないよ
うにすることもできる。この場合、二次成形用ロール
は、冷却成形用ロールから供給されたパイプ状一次成形
材を過冷却液体領域の温度から冷却し、好ましくは室温
近傍まで冷却する。非晶質合金材料は、過冷却液体領域
(ガラス遷移領域)では粘性流動により数10MPa以
下の低応力でも非常に良好な加工性を示し、また二次成
形用ロール周面の形状や寸法を極めて忠実に再現する特
性を有する。従って、好ましくは上記冷却成形用ロール
の凹状周面輪郭より若干小さい相似形の凹状周面輪郭を
持つ、少なくとも一対の対向する二次成形用ロール間を
通過させることにより、管状の所定の断面形状にエネル
ギー効率よく連続的に二次成形することができる。
イプ一体型フェルールを製造する場合、前記したよう
に、一対の冷却成形用ロール23(第一段冷却成形ゾー
ンを形成)の後に一対又は複数対の二次成形用ロール
(第二段冷却成形加工ゾーンを形成)を配設し、多段成
形することもできる。非晶質合金からフェルールを作製
する場合、冷却成形用ロール23で冷却された一次成形
材の温度を過冷却液体領域に止め、かつこの温度範囲状
態で二次成形用ロールに送るように、上記金属製パイプ
10及び冷却成形用ロール23は、用いる非晶質合金材
料の過冷却液体領域程度の温度、例えば400〜450
℃まで加熱しておき、それ以下の温度に冷却されないよ
うにすることもできる。この場合、二次成形用ロール
は、冷却成形用ロールから供給されたパイプ状一次成形
材を過冷却液体領域の温度から冷却し、好ましくは室温
近傍まで冷却する。非晶質合金材料は、過冷却液体領域
(ガラス遷移領域)では粘性流動により数10MPa以
下の低応力でも非常に良好な加工性を示し、また二次成
形用ロール周面の形状や寸法を極めて忠実に再現する特
性を有する。従って、好ましくは上記冷却成形用ロール
の凹状周面輪郭より若干小さい相似形の凹状周面輪郭を
持つ、少なくとも一対の対向する二次成形用ロール間を
通過させることにより、管状の所定の断面形状にエネル
ギー効率よく連続的に二次成形することができる。
【0029】前記した冷却成形用ロール23及び二次成
形用ロールの材質としては任意のものを使用できるが、
好ましくは熱伝達率の良い(冷却効果の高い)銅系や鉄
系などの金属系が望ましい。また、これらのロールには
冷却水、冷媒ガス等の冷却媒体を流通させる流路を配設
することもできる。各ロールの直径や周面の幅について
も任意であるが、幅は成形品を作製するための凹部がロ
ール周面に充分に作製できる程度の大きさがよい。ま
た、金属製パイプの移動速度や各ロールの回転数(周速
度)についても所望の冷却速度や成形品の断面サイズ等
に応じて任意に設定できるが、パイプの作製速度となる
ため、一般に1mm/秒〜10m/秒の範囲内に設定さ
れる。各ロールによる冷却速度としては0.1K/秒以
上であればよいが、103K/秒以上が好ましい。ま
た、金属製パイプ10の外周面を被覆する溶湯や、冷却
成形用ロール23間を出た成形材の温度制御を行い易く
するために、吐出孔21と冷却成形用ロール23との間
(あるいはさらに冷却成形用ロールと二次成形用ロール
との間)の金属製パイプの周囲に断熱材を配することも
できる。
形用ロールの材質としては任意のものを使用できるが、
好ましくは熱伝達率の良い(冷却効果の高い)銅系や鉄
系などの金属系が望ましい。また、これらのロールには
冷却水、冷媒ガス等の冷却媒体を流通させる流路を配設
することもできる。各ロールの直径や周面の幅について
も任意であるが、幅は成形品を作製するための凹部がロ
ール周面に充分に作製できる程度の大きさがよい。ま
た、金属製パイプの移動速度や各ロールの回転数(周速
度)についても所望の冷却速度や成形品の断面サイズ等
に応じて任意に設定できるが、パイプの作製速度となる
ため、一般に1mm/秒〜10m/秒の範囲内に設定さ
れる。各ロールによる冷却速度としては0.1K/秒以
上であればよいが、103K/秒以上が好ましい。ま
た、金属製パイプ10の外周面を被覆する溶湯や、冷却
成形用ロール23間を出た成形材の温度制御を行い易く
するために、吐出孔21と冷却成形用ロール23との間
(あるいはさらに冷却成形用ロールと二次成形用ロール
との間)の金属製パイプの周囲に断熱材を配することも
できる。
【0030】金属製パイプの材料としては、ステンレス
合金、Cu基合金、Ni基合金等の各種金属を用いるこ
とができる。これらの金属の中でも、一般式:FeaMb
Xc(但し、MはNi又は/及びCoであり、XはM
n、Si、Ti、Al、Cr、Cから選ばれる少なくと
も1種の元素であり、a、b、cはそれぞれ重量%で、
30≦b≦60、0≦c≦15、aは不可避的不純物を
含む残部である。)で示されるFe−M−X系合金(イ
ンバー合金、スーパーインバー合金又はステンレスイン
バー合金)が好ましい。上記一般式で表わされるFe−
M−X系合金は、高い寸法精度でパイプに加工し易く、
かつ、線膨張係数が光ファイバの線膨張係数に近いた
め、光ファイバを装着するフェルールに内包する金属製
パイプの材料として適している。すなわち、使用時の熱
サイクルによって光ファイバ端面がフェルール端面から
突出したり、接着剤が剥離したりすることもなく、耐環
境性に優れた光コネクタ用フェルールが得られる。な
お、この合金は、フェルール材料としても適している。
合金、Cu基合金、Ni基合金等の各種金属を用いるこ
とができる。これらの金属の中でも、一般式:FeaMb
Xc(但し、MはNi又は/及びCoであり、XはM
n、Si、Ti、Al、Cr、Cから選ばれる少なくと
も1種の元素であり、a、b、cはそれぞれ重量%で、
30≦b≦60、0≦c≦15、aは不可避的不純物を
含む残部である。)で示されるFe−M−X系合金(イ
ンバー合金、スーパーインバー合金又はステンレスイン
バー合金)が好ましい。上記一般式で表わされるFe−
M−X系合金は、高い寸法精度でパイプに加工し易く、
かつ、線膨張係数が光ファイバの線膨張係数に近いた
め、光ファイバを装着するフェルールに内包する金属製
パイプの材料として適している。すなわち、使用時の熱
サイクルによって光ファイバ端面がフェルール端面から
突出したり、接着剤が剥離したりすることもなく、耐環
境性に優れた光コネクタ用フェルールが得られる。な
お、この合金は、フェルール材料としても適している。
【0031】一方、フェルール製造用に使用される金属
材料としては、非晶質合金の他、Al基合金、Mg基合
金、Zn基合金、Fe基合金、Cu基合金、チタン合金
などのダイカスト用合金を用いることが好ましい。この
ようなダイカスト用合金は、通常の鋳造法で用いられて
いる合金であり、従来の光コネクタ用部材に用いられて
いるセラミックスや非晶質合金等に比べて安価であり、
ダイカストマシンによって該合金を金型内に圧入、成形
することによって、光コネクタ用部材を簡単に製造する
ことができる。これらの中でも、Al基合金、Zn基合
金、Mg基合金が好ましい。
材料としては、非晶質合金の他、Al基合金、Mg基合
金、Zn基合金、Fe基合金、Cu基合金、チタン合金
などのダイカスト用合金を用いることが好ましい。この
ようなダイカスト用合金は、通常の鋳造法で用いられて
いる合金であり、従来の光コネクタ用部材に用いられて
いるセラミックスや非晶質合金等に比べて安価であり、
ダイカストマシンによって該合金を金型内に圧入、成形
することによって、光コネクタ用部材を簡単に製造する
ことができる。これらの中でも、Al基合金、Zn基合
金、Mg基合金が好ましい。
【0032】例えば、Al基合金としては、JIS記号
によるADC1、ADC5、ADC12など、Al−S
i系、Al−Mg系、Al−Si−Cu系又はAl−S
i−Mg系のダイカスト用アルミニウム合金を好適に用
いることができ、特にADC12は有用である。同様
に、Mg基合金としては、例えばMDC1A、MDC2
A、MDC3Aなど、Mg−Al系又はMg−Al−Z
n系のダイカスト用マグネシウム合金を好適に用いるこ
とができ、特にMDC1Aは有用である。Zn基合金と
しては、例えばAG40A、AG41A、高Mn合金な
ど、Zn−Al系、Zn−Al−Cu系、Zn−Al−
Cu−Mg系又はZn−Mn−Cu系のダイカスト用亜
鉛合金を好適に用いることができ、特に高Mn合金は有
用である。Fe基合金では、例えばねずみ鋳鉄、オース
テナイト鋳鉄、ステンレス鋳鋼などがあり、ステンレス
鋳鋼が特に有用である。Cu基合金では、例えば黄銅、
青銅、アルミニウム青銅などがあり、アルミニウム青銅
が特に有用である。また、チタン合金では、例えばα型
合金、β型合金、α+β型合金などがあり、α+β型合
金が特に有用である。
によるADC1、ADC5、ADC12など、Al−S
i系、Al−Mg系、Al−Si−Cu系又はAl−S
i−Mg系のダイカスト用アルミニウム合金を好適に用
いることができ、特にADC12は有用である。同様
に、Mg基合金としては、例えばMDC1A、MDC2
A、MDC3Aなど、Mg−Al系又はMg−Al−Z
n系のダイカスト用マグネシウム合金を好適に用いるこ
とができ、特にMDC1Aは有用である。Zn基合金と
しては、例えばAG40A、AG41A、高Mn合金な
ど、Zn−Al系、Zn−Al−Cu系、Zn−Al−
Cu−Mg系又はZn−Mn−Cu系のダイカスト用亜
鉛合金を好適に用いることができ、特に高Mn合金は有
用である。Fe基合金では、例えばねずみ鋳鉄、オース
テナイト鋳鉄、ステンレス鋳鋼などがあり、ステンレス
鋳鋼が特に有用である。Cu基合金では、例えば黄銅、
青銅、アルミニウム青銅などがあり、アルミニウム青銅
が特に有用である。また、チタン合金では、例えばα型
合金、β型合金、α+β型合金などがあり、α+β型合
金が特に有用である。
【0033】一方、非晶質合金は、高精度の鋳造性及び
加工性を有し、金型鋳造法や金型成形法によって金型の
キャビティ形状を忠実に再現した表面平滑な製品を転写
性良く製造できるため、金型を適切に作製することによ
り、所定の形状、寸法精度、及び表面品質を満足する金
属製パイプ一体型フェルールを単一のプロセスで量産性
良く製造できる。また、用いる金属製パイプの外径寸法
の精度がそれ程なくても、非晶質合金を用いることによ
って、外径精度の高い金属製パイプ一体型フェルールを
製造できる。非晶質合金としては、本発明の方法を適用
できる材料であれば全て使用可能であり、特定の材料に
限定されるものではないが、下記一般式(1)〜(6)
のいずれか1つで示される組成を有する非晶質合金を好
適に使用できる。
加工性を有し、金型鋳造法や金型成形法によって金型の
キャビティ形状を忠実に再現した表面平滑な製品を転写
性良く製造できるため、金型を適切に作製することによ
り、所定の形状、寸法精度、及び表面品質を満足する金
属製パイプ一体型フェルールを単一のプロセスで量産性
良く製造できる。また、用いる金属製パイプの外径寸法
の精度がそれ程なくても、非晶質合金を用いることによ
って、外径精度の高い金属製パイプ一体型フェルールを
製造できる。非晶質合金としては、本発明の方法を適用
できる材料であれば全て使用可能であり、特定の材料に
限定されるものではないが、下記一般式(1)〜(6)
のいずれか1つで示される組成を有する非晶質合金を好
適に使用できる。
【0034】 一般式(1):M1 aM2 bLncM3 dM4 eM5 f 但し、M1はZr及びHfから選ばれる1種又は2種の
元素、M2はNi、Cu、Fe、Co、Mn、Nb、T
i、V、Cr、Zn、Al及びGaよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、LnはY、La、Ce、N
d、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMm(希
土類元素の集合体であるミッシュメタル)よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、M3はBe、B、
C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の
元素、M4はTa、W及びMoよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M5はAu、Pt、Pd及びA
gよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、a、
b、c、d、e及びfはそれぞれ原子%で、25≦a≦
85、15≦b≦75、0≦c≦30、0≦d≦30、
0≦e≦15、0≦f≦15である。
元素、M2はNi、Cu、Fe、Co、Mn、Nb、T
i、V、Cr、Zn、Al及びGaよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、LnはY、La、Ce、N
d、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMm(希
土類元素の集合体であるミッシュメタル)よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、M3はBe、B、
C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の
元素、M4はTa、W及びMoよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M5はAu、Pt、Pd及びA
gよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、a、
b、c、d、e及びfはそれぞれ原子%で、25≦a≦
85、15≦b≦75、0≦c≦30、0≦d≦30、
0≦e≦15、0≦f≦15である。
【0035】上記非晶質合金は、下記一般式(1−a)
〜(1−p)の非晶質合金を含む。 一般式(1−a):M1 aM2 b この非晶質合金は、M2元素がZr又はHfと共存する
ために、混合エンタルピーが負で大きく、アモルファス
形成能が良い。 一般式(1−b):M1 aM2 bLnc この非晶質合金のように、上記一般式(1−a)の合金
に希土類元素を添加することによりアモルファスの熱的
安定性が向上する。
〜(1−p)の非晶質合金を含む。 一般式(1−a):M1 aM2 b この非晶質合金は、M2元素がZr又はHfと共存する
ために、混合エンタルピーが負で大きく、アモルファス
形成能が良い。 一般式(1−b):M1 aM2 bLnc この非晶質合金のように、上記一般式(1−a)の合金
に希土類元素を添加することによりアモルファスの熱的
安定性が向上する。
【0036】 一般式(1−c):M1 aM2 bM3 d 一般式(1−d):M1 aM2 bLncM3 d これらの非晶質合金のように、原子半径の小さな元素M
3(Be,B,C,N,O)でアモルファス構造中の隙
間を埋めることによって、その構造が安定化し、アモル
ファス形成能が向上する。
3(Be,B,C,N,O)でアモルファス構造中の隙
間を埋めることによって、その構造が安定化し、アモル
ファス形成能が向上する。
【0037】 一般式(1−e):M1 aM2 bM4 e 一般式(1−f):M1 aM2 bLncM4 e 一般式(1−g):M1 aM2 bM3 dM4 e 一般式(1−h):M1 aM2 bLncM3 dM4 e これらの非晶質合金のように、高融点金属M4(Ta,
W,Mo)を添加した場合、アモルファス形成能に影響
を与えずに耐熱性、耐食性が向上する。
W,Mo)を添加した場合、アモルファス形成能に影響
を与えずに耐熱性、耐食性が向上する。
【0038】 一般式(1−i):M1 aM2 bM5 f 一般式(1−j):M1 aM2 bLncM5 f 一般式(1−k):M1 aM2 bM3 dM5 f 一般式(1−l):M1 aM2 bLncM3 dM5 f 一般式(1−m):M1 aM2 bM4 eM5 f 一般式(1−n):M1 aM2 bLncM4 eM5 f 一般式(1−o):M1 aM2 bM3 dM4 eM5 f 一般式(1−p):M1 aM2 bLncM3 dM4 eM5 f これらの貴金属M5(Au,Pt,Pd,Ag)を含ん
だ非晶質合金の場合、結晶化が起きても脆くならない。
だ非晶質合金の場合、結晶化が起きても脆くならない。
【0039】 一般式(2):Al100-g-h-iLngM6 hM3 i 但し、LnはY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、T
b、Dy、Ho、Yb及びMmよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M6はTi、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a及びWよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元
素、M3はBe、B、C、N及びOよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、g、h及びiはそれぞれ原
子%で、30≦g≦90、0<h≦55、0≦i≦10
である。
b、Dy、Ho、Yb及びMmよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M6はTi、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a及びWよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元
素、M3はBe、B、C、N及びOよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、g、h及びiはそれぞれ原
子%で、30≦g≦90、0<h≦55、0≦i≦10
である。
【0040】上記非晶質合金は、下記一般式(2−a)
及び(2−b)の非晶質合金を含む。 一般式(2−a):Al100-g-hLngM6 h この非晶質合金は、混合エンタルピーが負で大きく、ア
モルファス形成能が良い。 一般式(2−b):Al100-g-h-iLngM6 hM3 i この非晶質合金においては、原子半径の小さな元素M3
(Be,B,C,N,O)でアモルファス構造中の隙間
を埋めることによって、その構造が安定化し、アモルフ
ァス形成能が向上する。
及び(2−b)の非晶質合金を含む。 一般式(2−a):Al100-g-hLngM6 h この非晶質合金は、混合エンタルピーが負で大きく、ア
モルファス形成能が良い。 一般式(2−b):Al100-g-h-iLngM6 hM3 i この非晶質合金においては、原子半径の小さな元素M3
(Be,B,C,N,O)でアモルファス構造中の隙間
を埋めることによって、その構造が安定化し、アモルフ
ァス形成能が向上する。
【0041】一般式(3):Mg100-pM7 p 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、pは原子%で5≦p≦
60である。この非晶質合金は、混合エンタルピーが負
で大きく、アモルファス形成能が良い。
選ばれる少なくとも1種の元素、pは原子%で5≦p≦
60である。この非晶質合金は、混合エンタルピーが負
で大きく、アモルファス形成能が良い。
【0042】一般式(4):Mg100-q-rM7 qM8 r 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q
及びrはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦2
5である。この非晶質合金のように、前記一般式(3)
の合金において原子半径の小さな元素M8(Al,S
i,Ca)でアモルファス構造中の隙間を埋めることに
よって、その構造が安定化し、アモルファス形成能が向
上する。
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q
及びrはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦2
5である。この非晶質合金のように、前記一般式(3)
の合金において原子半径の小さな元素M8(Al,S
i,Ca)でアモルファス構造中の隙間を埋めることに
よって、その構造が安定化し、アモルファス形成能が向
上する。
【0043】 一般式(5):Mg100-q-sM7 qM9 s 一般式(6):Mg100-q-r-sM7 qM8 rM9 s 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M
9はY、La、Ce、Nd、Sm及びMmよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、q、r及びsはそれ
ぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25、3≦s≦
25である。これらの非晶質合金のように、前記一般式
(3)及び(4)の合金に希土類元素を添加することに
よりアモルファスの熱的安定性が向上する。
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M
9はY、La、Ce、Nd、Sm及びMmよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、q、r及びsはそれ
ぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25、3≦s≦
25である。これらの非晶質合金のように、前記一般式
(3)及び(4)の合金に希土類元素を添加することに
よりアモルファスの熱的安定性が向上する。
【0044】前記した非晶質合金の中でも、ガラス遷移
温度(Tg)と結晶化温度(Tx)の温度差が極めて広
いZr−TM−Al系及びHf−TM−Al系(TM:
遷移金属)非晶質合金は、高強度、高耐食性であると共
に、過冷却液体領域(ガラス遷移領域)ΔTx=Tx−
Tgが30K以上、特にZr−TM−Al系非晶質合金
は60K以上と極めて広く、この温度領域では粘性流動
により数10MPa以下の低応力でも非常に良好な加工
性を示す。また、冷却速度が数10K/s程度の鋳造法
によっても非晶質バルク材が得られるなど、非常に安定
で製造し易い特徴を持っている。これらの合金の用途研
究の結果、溶湯からの金型鋳造によっても、またガラス
遷移領域を利用した粘性流動による成形加工によって
も、非晶質材料ができると同時に、金型形状及び寸法を
極めて忠実に再現し、これらの合金の物性も相俟って金
属製パイプ一体型フェルールの材料として適している。
温度(Tg)と結晶化温度(Tx)の温度差が極めて広
いZr−TM−Al系及びHf−TM−Al系(TM:
遷移金属)非晶質合金は、高強度、高耐食性であると共
に、過冷却液体領域(ガラス遷移領域)ΔTx=Tx−
Tgが30K以上、特にZr−TM−Al系非晶質合金
は60K以上と極めて広く、この温度領域では粘性流動
により数10MPa以下の低応力でも非常に良好な加工
性を示す。また、冷却速度が数10K/s程度の鋳造法
によっても非晶質バルク材が得られるなど、非常に安定
で製造し易い特徴を持っている。これらの合金の用途研
究の結果、溶湯からの金型鋳造によっても、またガラス
遷移領域を利用した粘性流動による成形加工によって
も、非晶質材料ができると同時に、金型形状及び寸法を
極めて忠実に再現し、これらの合金の物性も相俟って金
属製パイプ一体型フェルールの材料として適している。
【0045】本発明に利用されるこのZr−TM−Al
系及びHf−TM−Al系非晶質合金は、合金組成、測
定法によっても異なるが、非常に大きなΔTxの範囲を
持っている。例えばZr60Al15Co2.5Ni7.5Cu15
合金(Tg:652K、Tx:768K)のΔTxは1
16Kと極めて広い。耐酸化性も極めて良く、空気中で
Tgまでの高温に熱してもほとんど酸化されない。硬度
は室温からTg付近までビッカース硬度(Hv)で46
0(DPN)、引張強度は1,600MPa、曲げ強度
は3,000MPaに達する。熱膨張率αは室温からT
g付近まで1×10-5/Kと小さく、ヤング率は91G
Pa、圧縮時の弾性限界は4〜5%を超える。さらに靭
性も高く、シャルピー衝撃値で6〜7J/cm2を示
す。このように非常に高強度の特性を示しながら、ガラ
ス遷移領域まで加熱されると、流動応力は10MPa程
度まで低下する。このため極めて加工が容易で、低応力
で複雑な形状の微小部品や高精度部品に成形できるのが
本合金の特徴である。しかも、いわゆるガラス(非晶
質)としての特性から加工(変形)表面は極めて平滑性
が高く、結晶合金を変形させたときのように滑り帯が表
面に現われるステップなどは実質的に発生しない特徴を
持っている。
系及びHf−TM−Al系非晶質合金は、合金組成、測
定法によっても異なるが、非常に大きなΔTxの範囲を
持っている。例えばZr60Al15Co2.5Ni7.5Cu15
合金(Tg:652K、Tx:768K)のΔTxは1
16Kと極めて広い。耐酸化性も極めて良く、空気中で
Tgまでの高温に熱してもほとんど酸化されない。硬度
は室温からTg付近までビッカース硬度(Hv)で46
0(DPN)、引張強度は1,600MPa、曲げ強度
は3,000MPaに達する。熱膨張率αは室温からT
g付近まで1×10-5/Kと小さく、ヤング率は91G
Pa、圧縮時の弾性限界は4〜5%を超える。さらに靭
性も高く、シャルピー衝撃値で6〜7J/cm2を示
す。このように非常に高強度の特性を示しながら、ガラ
ス遷移領域まで加熱されると、流動応力は10MPa程
度まで低下する。このため極めて加工が容易で、低応力
で複雑な形状の微小部品や高精度部品に成形できるのが
本合金の特徴である。しかも、いわゆるガラス(非晶
質)としての特性から加工(変形)表面は極めて平滑性
が高く、結晶合金を変形させたときのように滑り帯が表
面に現われるステップなどは実質的に発生しない特徴を
持っている。
【0046】一般に、非晶質合金はガラス遷移領域まで
加熱すると長時間の保持によって結晶化が始まるが、本
合金のようにΔTxが広い合金は非晶質相が安定であ
り、ΔTx内の温度を適当に選べば2時間程度までは結
晶が発生せず、通常の成形加工においては結晶化を懸念
する必要はない。また、本合金は溶湯からの凝固におい
てもこの特性を如何なく発揮する。一般に非晶質合金の
製造には急速な冷却が必要とされるが、本合金は冷却速
度10K/s程度の冷却で溶湯から容易に非晶質単相か
らなるバルク材を得ることができる。その凝固表面はや
はり極めて平滑であり、金型表面のミクロンオーダーの
研磨傷でさえも忠実に再現する転写性を持っている。
加熱すると長時間の保持によって結晶化が始まるが、本
合金のようにΔTxが広い合金は非晶質相が安定であ
り、ΔTx内の温度を適当に選べば2時間程度までは結
晶が発生せず、通常の成形加工においては結晶化を懸念
する必要はない。また、本合金は溶湯からの凝固におい
てもこの特性を如何なく発揮する。一般に非晶質合金の
製造には急速な冷却が必要とされるが、本合金は冷却速
度10K/s程度の冷却で溶湯から容易に非晶質単相か
らなるバルク材を得ることができる。その凝固表面はや
はり極めて平滑であり、金型表面のミクロンオーダーの
研磨傷でさえも忠実に再現する転写性を持っている。
【0047】従って、金属製パイプ一体型フェルール材
料として本合金を適用すれば、金型のキャビティ表面あ
るいは冷却成形用ロールの半円形凹状周面が光コネクタ
用フェルールの要求特性を満たす表面品質を持っておれ
ば、鋳造材においても金型の表面特性をそのまま再現
し、寸法調整、表面粗さ調整の工程を省略又は短縮する
ことができる。以上のように、比較的低い硬度、高い引
張強度及び高い曲げ強度、比較的低いヤング率、高弾性
限界、高耐衝撃性、高耐磨耗性、表面の平滑性、高精度
の鋳造性を併せ持った特徴は、金属製パイプ一体型フェ
ルールの材料として適しているばかりでなく、本発明の
成形加工方法を適用でき、量産を可能にする。
料として本合金を適用すれば、金型のキャビティ表面あ
るいは冷却成形用ロールの半円形凹状周面が光コネクタ
用フェルールの要求特性を満たす表面品質を持っておれ
ば、鋳造材においても金型の表面特性をそのまま再現
し、寸法調整、表面粗さ調整の工程を省略又は短縮する
ことができる。以上のように、比較的低い硬度、高い引
張強度及び高い曲げ強度、比較的低いヤング率、高弾性
限界、高耐衝撃性、高耐磨耗性、表面の平滑性、高精度
の鋳造性を併せ持った特徴は、金属製パイプ一体型フェ
ルールの材料として適しているばかりでなく、本発明の
成形加工方法を適用でき、量産を可能にする。
【0048】次に、前記したような非晶質合金材料のガ
ラス遷移領域での粘性流動を利用した本発明の金属製パ
イプ一体型フェルールの製造方法について、図5を参照
しながら説明する。図5において、符号30はその周囲
に高周波誘導コイル31が配設された加熱用容器を示し
ており、該加熱用容器30の中には、前記したような非
晶質合金製の所定寸法、例えば直径0.5〜2.5mm
の丸棒A”が収容されている。この非晶質合金製丸棒
A”を、高周波誘導コイル31を励磁して素材非晶質合
金のガラス遷移領域ΔTxまで加熱すると、流動応力が
著しく低下し、例えば10MPa程度まで低下するの
で、金属製パイプ10を容易に突き刺すことができる。
このとき、金属製パイプの孔の下端は、加締めたり、適
当な充填物を詰めたりして塞いでおく。その後、非晶質
合金製丸棒A”を冷却、固化させた後、加熱用容器30
から取り出し、下端部を切除することにより、金属製パ
イプが強固に固定された金属製パイプ一体型フェルール
が得られる。
ラス遷移領域での粘性流動を利用した本発明の金属製パ
イプ一体型フェルールの製造方法について、図5を参照
しながら説明する。図5において、符号30はその周囲
に高周波誘導コイル31が配設された加熱用容器を示し
ており、該加熱用容器30の中には、前記したような非
晶質合金製の所定寸法、例えば直径0.5〜2.5mm
の丸棒A”が収容されている。この非晶質合金製丸棒
A”を、高周波誘導コイル31を励磁して素材非晶質合
金のガラス遷移領域ΔTxまで加熱すると、流動応力が
著しく低下し、例えば10MPa程度まで低下するの
で、金属製パイプ10を容易に突き刺すことができる。
このとき、金属製パイプの孔の下端は、加締めたり、適
当な充填物を詰めたりして塞いでおく。その後、非晶質
合金製丸棒A”を冷却、固化させた後、加熱用容器30
から取り出し、下端部を切除することにより、金属製パ
イプが強固に固定された金属製パイプ一体型フェルール
が得られる。
【0049】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるもの
ではなく、種々の設計変更が可能である。例えば、前記
した図1に示す装置及び方法では、一つの製品成形用キ
ャビティを形成した金型を用い、単一の工程で1個の製
品を製造する1個取りの例を説明したが、2個以上のキ
ャビティを形成した金型を用い、多数個取りとすること
も勿論可能である。また、金属製パイプ一体型フェルー
ルの寸法、形状、数においても前記例に限定されるもの
ではない。例えば、前記した実施形態では内周が断面円
形の金属製パイプを用いたが、これに限られず、内周断
面が三角形、四角形等の多角形パイプを用いることがで
きる。このような内周断面が多角形の金属製パイプが一
体化されたフェルールに光ファイバを挿着する場合、隅
角部には接着剤が充填される。さらに、本発明による金
属製パイプ一体型フェルールは、前記した適用例に限定
されるものではなく、フェルール同士の端面を突き合わ
せて光ファイバの整合、接続を行なう単芯光コネクタ用
フェルールや、多芯光コネクタ用及び多芯光ファイバ整
列用の光コネクタ部材にも適用できる。例えば、内周断
面が多角形の金属製パイプが一体化されたフェルールに
は2本以上の光ファイバを挿着することができる。
明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるもの
ではなく、種々の設計変更が可能である。例えば、前記
した図1に示す装置及び方法では、一つの製品成形用キ
ャビティを形成した金型を用い、単一の工程で1個の製
品を製造する1個取りの例を説明したが、2個以上のキ
ャビティを形成した金型を用い、多数個取りとすること
も勿論可能である。また、金属製パイプ一体型フェルー
ルの寸法、形状、数においても前記例に限定されるもの
ではない。例えば、前記した実施形態では内周が断面円
形の金属製パイプを用いたが、これに限られず、内周断
面が三角形、四角形等の多角形パイプを用いることがで
きる。このような内周断面が多角形の金属製パイプが一
体化されたフェルールに光ファイバを挿着する場合、隅
角部には接着剤が充填される。さらに、本発明による金
属製パイプ一体型フェルールは、前記した適用例に限定
されるものではなく、フェルール同士の端面を突き合わ
せて光ファイバの整合、接続を行なう単芯光コネクタ用
フェルールや、多芯光コネクタ用及び多芯光ファイバ整
列用の光コネクタ部材にも適用できる。例えば、内周断
面が多角形の金属製パイプが一体化されたフェルールに
は2本以上の光ファイバを挿着することができる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の効果を具体的に確認した実施
例を示し、本発明について具体的に説明するが、本発明
が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりで
ある。
例を示し、本発明について具体的に説明するが、本発明
が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりで
ある。
【0051】実施例1 図1に示すような装置を用い、予め溶製したZr55Al
10Ni5Cu30の組成を有する母合金を高周波溶解し、
中心に金属製パイプを設置した直径2.5mm、長さ1
6mmのキャビティを有する金型内に射出して充填させ
た。金属製パイプとしては、外径0.5mm、内径0.
126mm、内径の真円度及び円筒度が共に0.5μm
以下のインバー合金製のものを用いた。金型等は1×1
0-4Torrの真空雰囲気中に配置した。射出により金
型内に充填された鋳物を冷却後取り出し、ランナー部を
切断、除去し、図2に示すような金属製パイプ一体型キ
ャピラリを作製した。得られた金属製パイプ一体型キャ
ピラリの長さは16mm、外径は2.499mm±0.
2μm、真円度及び円筒度は共に0.4μm以内、表面
粗さは0.3μmであり、SM用キャピラリの規格精度
を満たすものとなっていた。また、作製した金属製パイ
プ一体型キャピラリの細孔に光ファイバを挿入し、挿入
損失、反射減衰量を測定したところ、それぞれ0.3d
B以下、40dB以上の光特性が得られ、光コネクタの
規格を満たすものであった。また、熱サイクル試験によ
る光特性の変化は認められなかった。
10Ni5Cu30の組成を有する母合金を高周波溶解し、
中心に金属製パイプを設置した直径2.5mm、長さ1
6mmのキャビティを有する金型内に射出して充填させ
た。金属製パイプとしては、外径0.5mm、内径0.
126mm、内径の真円度及び円筒度が共に0.5μm
以下のインバー合金製のものを用いた。金型等は1×1
0-4Torrの真空雰囲気中に配置した。射出により金
型内に充填された鋳物を冷却後取り出し、ランナー部を
切断、除去し、図2に示すような金属製パイプ一体型キ
ャピラリを作製した。得られた金属製パイプ一体型キャ
ピラリの長さは16mm、外径は2.499mm±0.
2μm、真円度及び円筒度は共に0.4μm以内、表面
粗さは0.3μmであり、SM用キャピラリの規格精度
を満たすものとなっていた。また、作製した金属製パイ
プ一体型キャピラリの細孔に光ファイバを挿入し、挿入
損失、反射減衰量を測定したところ、それぞれ0.3d
B以下、40dB以上の光特性が得られ、光コネクタの
規格を満たすものであった。また、熱サイクル試験によ
る光特性の変化は認められなかった。
【0052】実施例2 図4に示すような装置を用い、Zr55Al10Ni5Cu
30の組成の金属を石英ガラスるつぼ中で高周波溶解し
た。石英ガラスるつぼ下端には直径2.5mmの吐出孔
が開いており、この吐出孔に下端部を挿通した状態に中
心垂直方向に外径0.5mm、内径0.126mm、内
径の真円度及び円筒度が共に0.5μm以下の連続した
長尺物のインバー合金製パイプを設置してある。900
℃に加熱した溶湯に上部からArガスを噴射することで
0.1kgf/mm2の圧力を加えると同時に、るつぼ
中心に設置したインバー合金製パイプを2mm/秒の一
定速度で下方へと移動させた。インバー合金製パイプに
付着して被覆した溶湯は冷却成形用ロール(水冷Cuロ
ール)により冷却固化され、断面円形状に成形された。
インバー合金製パイプを連続的に供給することで、内径
0.126mmの細孔を有する外径2.5mmの金属製
パイプ一体型キャピラリを連続的に作製した。製造した
金属製パイプ一体型キャピラリを所定の長さ(1〜16
mm)に切断し、製品を得た。得られた金属製パイプ一
体型キャピラリの外径は2.499mm±0.2μm、
真円度及び円筒度は共に0.4μm以内、表面粗さは
0.3μmであった。また、作製した金属製パイプ一体
型キャピラリの細孔に光ファイバを挿入し、挿入損失、
反射減衰量を測定したところ、それぞれ0.3dB以
下、40dB以上の光特性が得られ、光コネクタの規格
を満たすものであった。また、熱サイクル試験による光
特性の変化は認められなかった。
30の組成の金属を石英ガラスるつぼ中で高周波溶解し
た。石英ガラスるつぼ下端には直径2.5mmの吐出孔
が開いており、この吐出孔に下端部を挿通した状態に中
心垂直方向に外径0.5mm、内径0.126mm、内
径の真円度及び円筒度が共に0.5μm以下の連続した
長尺物のインバー合金製パイプを設置してある。900
℃に加熱した溶湯に上部からArガスを噴射することで
0.1kgf/mm2の圧力を加えると同時に、るつぼ
中心に設置したインバー合金製パイプを2mm/秒の一
定速度で下方へと移動させた。インバー合金製パイプに
付着して被覆した溶湯は冷却成形用ロール(水冷Cuロ
ール)により冷却固化され、断面円形状に成形された。
インバー合金製パイプを連続的に供給することで、内径
0.126mmの細孔を有する外径2.5mmの金属製
パイプ一体型キャピラリを連続的に作製した。製造した
金属製パイプ一体型キャピラリを所定の長さ(1〜16
mm)に切断し、製品を得た。得られた金属製パイプ一
体型キャピラリの外径は2.499mm±0.2μm、
真円度及び円筒度は共に0.4μm以内、表面粗さは
0.3μmであった。また、作製した金属製パイプ一体
型キャピラリの細孔に光ファイバを挿入し、挿入損失、
反射減衰量を測定したところ、それぞれ0.3dB以
下、40dB以上の光特性が得られ、光コネクタの規格
を満たすものであった。また、熱サイクル試験による光
特性の変化は認められなかった。
【0053】実施例3 予め溶製したZr55Al10Ni5Cu30の組成を有する
合金を高周波溶解し、内径2.5mmのキャビティを有
する金型内に充填して、外径2.5mmの丸棒を製造し
た。この際、溶湯は金型により急冷されるため、アモル
ファスの丸棒鋳物が得られる。この丸棒を内径2.5m
mのSiC製鋳型中に挿入した後、これを450℃に加
熱し、上方から0.1mm/秒の速度で、外径0.5m
m、内径0.126mm、内径の真円度及び円筒度が共
に0.5μm以下のインバー合金製パイプを挿入した。
このとき、パイプ細孔の下端部からの材料の侵入を避け
るために、パイプ下端部はつぶしてある。上記温度では
金属ガラスは粘性流動を示すため、パイプが折れ曲がる
ことのない低い圧力で、インバー合金製パイプを丸棒に
挿入することができた。このようにして得られた内径
0.126mmの細孔を有する金属製パイプ一体型キャ
ピラリの外径は2.499mm±0.2μm、真円度及
び円筒度は共に0.4μm以内、表面粗さは0.3μm
であった。また、作製した金属製パイプ一体型キャピラ
リの細孔に光ファイバを挿入し、挿入損失、反射減衰量
を測定したところ、それぞれ0.3dB以下、40dB
以上の光特性が得られ、光コネクタの規格を満たすもの
であった。また、熱サイクル試験による光特性の変化は
認められなかった。
合金を高周波溶解し、内径2.5mmのキャビティを有
する金型内に充填して、外径2.5mmの丸棒を製造し
た。この際、溶湯は金型により急冷されるため、アモル
ファスの丸棒鋳物が得られる。この丸棒を内径2.5m
mのSiC製鋳型中に挿入した後、これを450℃に加
熱し、上方から0.1mm/秒の速度で、外径0.5m
m、内径0.126mm、内径の真円度及び円筒度が共
に0.5μm以下のインバー合金製パイプを挿入した。
このとき、パイプ細孔の下端部からの材料の侵入を避け
るために、パイプ下端部はつぶしてある。上記温度では
金属ガラスは粘性流動を示すため、パイプが折れ曲がる
ことのない低い圧力で、インバー合金製パイプを丸棒に
挿入することができた。このようにして得られた内径
0.126mmの細孔を有する金属製パイプ一体型キャ
ピラリの外径は2.499mm±0.2μm、真円度及
び円筒度は共に0.4μm以内、表面粗さは0.3μm
であった。また、作製した金属製パイプ一体型キャピラ
リの細孔に光ファイバを挿入し、挿入損失、反射減衰量
を測定したところ、それぞれ0.3dB以下、40dB
以上の光特性が得られ、光コネクタの規格を満たすもの
であった。また、熱サイクル試験による光特性の変化は
認められなかった。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
金属製パイプが光コネクタ用フェルール製造の際の熱収
縮もしくは凝固収縮によりフェルール内に一体的に強固
に固定された金属製パイプ一体型フェルールが提供され
る。このような金属製パイプ一体型フェルールは、耐久
性に優れ、光ファイバの装着位置精度が高く、接続損失
が低減されるのみならず、従来のように射出成形の際に
高価な中子ピンを使用する必要がなく、中子ピンが折れ
たり、曲がったりする問題がない。また、金属製パイプ
は細い中子ピンに比べて曲がり難く、取り扱い性にも優
れている。さらに、金属製パイプの内周面は平滑であ
り、内径の真円度、円筒度は0.5μm以下であるた
め、上記のように曲がり難いこととも相俟って、内外径
の同心度の良い光コネクタ用フェルールが得られると共
に、内径仕上げ加工等の機械加工工程が不要で加工工程
数を大幅に減少できる。従って、細孔の真円度や円筒度
等に優れた所定の形状、寸法精度、及び表面品質を満足
する金属製パイプ一体型フェルールを単一のプロセスで
量産性良く製造でき、フェルール製造コストを大幅に削
減することができると共に、光特性に優れた光コネクタ
が得られる。
金属製パイプが光コネクタ用フェルール製造の際の熱収
縮もしくは凝固収縮によりフェルール内に一体的に強固
に固定された金属製パイプ一体型フェルールが提供され
る。このような金属製パイプ一体型フェルールは、耐久
性に優れ、光ファイバの装着位置精度が高く、接続損失
が低減されるのみならず、従来のように射出成形の際に
高価な中子ピンを使用する必要がなく、中子ピンが折れ
たり、曲がったりする問題がない。また、金属製パイプ
は細い中子ピンに比べて曲がり難く、取り扱い性にも優
れている。さらに、金属製パイプの内周面は平滑であ
り、内径の真円度、円筒度は0.5μm以下であるた
め、上記のように曲がり難いこととも相俟って、内外径
の同心度の良い光コネクタ用フェルールが得られると共
に、内径仕上げ加工等の機械加工工程が不要で加工工程
数を大幅に減少できる。従って、細孔の真円度や円筒度
等に優れた所定の形状、寸法精度、及び表面品質を満足
する金属製パイプ一体型フェルールを単一のプロセスで
量産性良く製造でき、フェルール製造コストを大幅に削
減することができると共に、光特性に優れた光コネクタ
が得られる。
【0055】また、金属製パイプの材料としてインバー
合金、スーパーインバー合金又はステンレスインバー合
金を用いれば、高い寸法精度でパイプに加工し易いと共
に、線膨張係数が光ファイバの線膨張係数に近いため、
使用時の熱サイクルによって光ファイバ端面がフェルー
ル端面から突出したり、接着剤が剥離したりすることも
なく、耐環境性に優れた光コネクタ用フェルールが得ら
れる。さらに、フェルール材料として非晶質合金を用い
れば、非晶質合金は高精度の鋳造性及び加工性を有し、
金型鋳造法や金型成形法によって金型のキャビティ形状
や成形用ロールの半円形凹状周面を忠実に再現した表面
平滑な製品を転写性良く製造できるため、寸法精度及び
表面品質に優れた金属製パイプ一体型フェルールを製造
でき、外径加工も省略又は大幅に低減できる。また、非
晶質合金の粘性流動を利用して金属製パイプを単に突き
刺すことによっても金属製パイプ一体型フェルールを製
造可能であり、さらに用いる金属製パイプの外径寸法の
精度がそれ程なくても、非晶質合金を用いることによっ
て、外径精度の高い金属製パイプ一体型フェルールを製
造できる。
合金、スーパーインバー合金又はステンレスインバー合
金を用いれば、高い寸法精度でパイプに加工し易いと共
に、線膨張係数が光ファイバの線膨張係数に近いため、
使用時の熱サイクルによって光ファイバ端面がフェルー
ル端面から突出したり、接着剤が剥離したりすることも
なく、耐環境性に優れた光コネクタ用フェルールが得ら
れる。さらに、フェルール材料として非晶質合金を用い
れば、非晶質合金は高精度の鋳造性及び加工性を有し、
金型鋳造法や金型成形法によって金型のキャビティ形状
や成形用ロールの半円形凹状周面を忠実に再現した表面
平滑な製品を転写性良く製造できるため、寸法精度及び
表面品質に優れた金属製パイプ一体型フェルールを製造
でき、外径加工も省略又は大幅に低減できる。また、非
晶質合金の粘性流動を利用して金属製パイプを単に突き
刺すことによっても金属製パイプ一体型フェルールを製
造可能であり、さらに用いる金属製パイプの外径寸法の
精度がそれ程なくても、非晶質合金を用いることによっ
て、外径精度の高い金属製パイプ一体型フェルールを製
造できる。
【図1】本発明の金属製パイプ一体型フェルールの製造
装置の一実施形態を示す概略部分断面図である。
装置の一実施形態を示す概略部分断面図である。
【図2】本発明の金属製パイプ一体型フェルールの一実
施形態を示す断面図である。
施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の金属製パイプ一体型フェルールの光コ
ネクタにおける使用形態例を示す概略部分断面図であ
る。
ネクタにおける使用形態例を示す概略部分断面図であ
る。
【図4】本発明の金属製パイプ一体型フェルールの製造
装置の他の実施形態を示す概略部分断面図である。
装置の他の実施形態を示す概略部分断面図である。
【図5】本発明の金属製パイプ一体型フェルールの製造
装置の別の実施形態を示す概略部分断面図である。
装置の別の実施形態を示す概略部分断面図である。
1 金型 2 製品成形用キャビティ 3 注湯口 5 溶解用容器 6 円筒状スリーブ 7 ピストン 8 原料収容部 10 金属製パイプ 11 金属製パイプ一体型フェルール(キャピラリ) 12 光コネクタ用フェルール 13 フランジ 15 光ファイバ 16 光ファイバ心線 20 金属溶解装置 21 吐出孔 23 冷却成形用ロール 30 加熱用容器 A 合金原料 A’ 溶湯 A” 非晶質合金製丸棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝見 徹也 宮城県黒川郡富谷町富ヶ丘1−15−22 (72)発明者 大宮 一男 富山県黒部市牧野958−1 Fターム(参考) 2H036 QA19 QA20
Claims (15)
- 【請求項1】 光コネクタ用フェルールの製造の際にそ
の内部に強固に固定された金属製パイプを内包している
ことを特徴とする金属製パイプ一体型フェルール。 - 【請求項2】 前記金属製パイプが、光コネクタ用フェ
ルール製造の際の熱収縮もしくは凝固収縮により上記フ
ェルール内に強固に固定されたものであることを特徴と
する請求項1に記載の金属製パイプ一体型フェルール。 - 【請求項3】 前記金属製パイプの内径が0.1〜1.
0mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の
金属製パイプ一体型フェルール。 - 【請求項4】 前記金属製パイプが、インバー合金、ス
ーパーインバー合金、ステンレスインバー合金、ステン
レス合金、又はCu基合金から作製されていることを特
徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属製
パイプ一体型フェルール。 - 【請求項5】 前記フェルールが、金属、少なくとも体
積率50%以上の非晶質相を含む非晶質合金、セラミッ
クス又は合成樹脂から作製されていることを特徴とする
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属製パイプ一
体型フェルール。 - 【請求項6】 前記フェルールが、下記一般式(1)〜
(6)のいずれか1つで示される組成を有し、少なくと
も体積率50%以上の非晶質相を含む実質的に非晶質の
合金からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
か一項に記載の金属製パイプ一体型フェルール。 一般式(1):M1 aM2 bLncM3 dM4 eM5 f 但し、M1はZr及びHfから選ばれる1種又は2種の
元素、M2はNi、Cu、Fe、Co、Mn、Nb、T
i、V、Cr、Zn、Al及びGaよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、LnはY、La、Ce、N
d、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMm(希
土類元素の集合体であるミッシュメタル)よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、M3はBe、B、
C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の
元素、M4はTa、W及びMoよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M5はAu、Pt、Pd及びA
gよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、a、
b、c、d、e及びfはそれぞれ原子%で、25≦a≦
85、15≦b≦75、0≦c≦30、0≦d≦30、
0≦e≦15、0≦f≦15である。 一般式(2):Al100-g-h-iLngM6 hM3 i 但し、LnはY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、T
b、Dy、Ho、Yb及びMmよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M6はTi、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a及びWよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元
素、M3はBe、B、C、N及びOよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、g、h及びiはそれぞれ原
子%で、30≦g≦90、0<h≦55、0≦i≦10
である。 一般式(3):Mg100-pM7 p 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、pは原子%で5≦p≦
60である。 一般式(4):Mg100-q-rM7 qM8 r 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q
及びrはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦2
5である。 一般式(5):Mg100-q-sM7 qM9 s 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M9はY、La、C
e、Nd、Sm及びMmよりなる群から選ばれる少なく
とも1種の元素、q及びsはそれぞれ原子%で、1≦q
≦35、3≦s≦25である。 一般式(6):Mg100-q-r-sM7 qM8 rM9 s 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M
9はY、La、Ce、Nd、Sm及びMmよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、q、r及びsはそれ
ぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25、3≦s≦
25である。 - 【請求項7】 前記フェルールが、ダイカスト用Al基
合金、ダイカスト用Zn基合金、又はダイカスト用Mg
基合金からなることを特徴とする請求項1乃至4のいず
れか一項に記載の金属製パイプ一体型フェルール。 - 【請求項8】 光コネクタ用フェルールの外形を規定す
るキャビティを持つ金型内に、金属製パイプを挿入した
状態で、高温の流体材料を注入し、冷却固化させること
により、製造されるフェルール内部に金属製パイプを強
固に固定することを特徴とする金属製パイプ一体型フェ
ルールの製造方法。 - 【請求項9】 高温の流体材料を収容し、下端部に吐出
孔を有する容器内に、一端部を上記吐出孔に挿入した状
態で金属製パイプを配置し、該金属製パイプを下方に移
動させながらその外周面に上記流体材料を吐出して冷却
固化させることにより、製造されるフェルール内部に金
属製パイプを強固に固定することを特徴とする金属製パ
イプ一体型フェルールの製造方法。 - 【請求項10】 外周面を前記流体材料で被覆されなが
ら下方に移動する金属製パイプを、所定の略半円形凹状
の周面輪郭を持つ少なくとも一対の対向する冷却成形用
ロール間を通過させ、管状の所定の断面形状に成形する
工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。 - 【請求項11】 前記材料が、金属、少なくとも体積率
50%以上の非晶質相を含む非晶質合金、セラミックス
ペースト又は合成樹脂であることを特徴とする請求項8
乃至10のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項12】 前記材料が、前記請求項6に記載の非
晶質合金材料であり、この合金材料の溶湯が金属製パイ
プを被覆した状態で急冷凝固して非晶質化させることを
特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の方
法。 - 【請求項13】 非晶質合金製の丸棒をそのガラス遷移
温度(Tg)以上、結晶化温度(Tx)以下の温度に加
熱し、この高温状態の丸棒中に中心軸線に沿って金属製
パイプを挿入し、上記非晶質合金材料を冷却固化させる
ことにより、上記非晶質合金製丸棒から製造されるフェ
ルール内部に金属製パイプを強固に固定することを特徴
とする金属製パイプ一体型フェルールの製造方法。 - 【請求項14】 前記丸棒が、前記請求項6に記載の非
晶質合金材料から作製された外径0.5〜2.5mmの
丸棒であることを特徴とする請求項13に記載の方法。 - 【請求項15】 前記金属製パイプが、インバー合金、
スーパーインバー合金、ステンレスインバー合金、ステ
ンレス合金、又はCu基合金からなる内径0.1〜1.
0mmの金属製パイプであることを特徴とする請求項8
乃至14のいずれか一項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28386499A JP2001108866A (ja) | 1999-10-05 | 1999-10-05 | 金属製パイプ一体型フェルール及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28386499A JP2001108866A (ja) | 1999-10-05 | 1999-10-05 | 金属製パイプ一体型フェルール及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001108866A true JP2001108866A (ja) | 2001-04-20 |
Family
ID=17671172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28386499A Pending JP2001108866A (ja) | 1999-10-05 | 1999-10-05 | 金属製パイプ一体型フェルール及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001108866A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6758602B2 (en) * | 2001-06-28 | 2004-07-06 | Ykk Corporation | Optical connector and optical connector ferrule to be used therein |
JP2007204812A (ja) * | 2006-02-01 | 2007-08-16 | Tohoku Univ | 金属ガラス合金の製造方法および金属ガラス合金製品の製造方法 |
KR20170002960A (ko) * | 2015-06-30 | 2017-01-09 | 주식회사 동성테크 | 조강 이송용 가이드롤러 및 그 제조방법 |
-
1999
- 1999-10-05 JP JP28386499A patent/JP2001108866A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6758602B2 (en) * | 2001-06-28 | 2004-07-06 | Ykk Corporation | Optical connector and optical connector ferrule to be used therein |
JP2007204812A (ja) * | 2006-02-01 | 2007-08-16 | Tohoku Univ | 金属ガラス合金の製造方法および金属ガラス合金製品の製造方法 |
KR20170002960A (ko) * | 2015-06-30 | 2017-01-09 | 주식회사 동성테크 | 조강 이송용 가이드롤러 및 그 제조방법 |
KR101725840B1 (ko) | 2015-06-30 | 2017-04-12 | 주식회사 동성테크 | 조강 이송용 가이드롤러 및 그 제조방법 |
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