JPH11344639A - 光コネクタ用フェル―ル及びその製造方法 - Google Patents

光コネクタ用フェル―ル及びその製造方法

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JPH11344639A
JPH11344639A JP12523599A JP12523599A JPH11344639A JP H11344639 A JPH11344639 A JP H11344639A JP 12523599 A JP12523599 A JP 12523599A JP 12523599 A JP12523599 A JP 12523599A JP H11344639 A JPH11344639 A JP H11344639A
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JP
Japan
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ferrule
alloy
sleeve
amorphous
mold
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JP12523599A
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English (en)
Inventor
Takeshi Taniguchi
武志 谷口
Kazuo Omiya
一男 大宮
Junichi Nagahora
純一 永洞
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YKK Corp
Original Assignee
YKK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の形状、寸法精度、表面品質を満足する
キャピラリー部とフランジ部が一体の光コネクタ用フェ
ルールを単一プロセスで量産性良く製造できる方法を提
供し、もって光ファイバ同士を正確に突き合わせ整列し
て接続できる安価なフェルールを提供する。 【解決手段】 キャピラリー部11とフランジ部12が
一体のフェルール10は、好ましくは温度幅30K以上
のガラス遷移領域を有する非晶質合金、特に一般式:X
aMbAlc、但し、XはZr及びHfから選ばれる1
種又は2種の元素、MはMn、Fe、Co、Ni及びC
uよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、a、
b、cは原子%で、25≦a≦85、5≦b≦70、0
<c≦35で示される組成を有し、少なくとも体積率5
0%以上の非晶質相を含む非晶質合金からなる。このよ
うなフェルールは金型鋳造法、金型成形法により量産性
よく製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの接続
に用いられる光コネクタ(光ファイバコネクタと称する
こともある)用フェルール、特にキャピラリー部とフラ
ンジ部が一体のフェルール及びその製造方法、並びに該
フェルールとフェルール同士を突き合わせ整列して保持
するスリーブとの光コネクタ用組合せユニットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、光コネクタにおける接続部は、
光ファイバ素線の外周に外被が被着された光ファイバが
接続されたフェルールと、このフェルール同士を嵌挿し
て整列させる中空円筒状のスリーブとから構成される。
特に電気コネクタと異なり、接続すべき2本の光ファイ
バの相対位置は正確に合わせることが要求される。その
ため、光ファイバを外径及び光ファイバ素線挿通部内径
が規定寸法に仕上げられたフェルールの中心に一致させ
て固定し、次いで一対のこのフェルールをスリーブの両
端から挿入して突き合わせ、光ファイバの軸線を合わせ
る芯出しが必要となる。この芯出しの方法には、調整機
構により微細調整する方法、いわゆる調整型と、フェル
ールやスリーブの寸法精度を高める方法、すなわち無調
整型とがあるが、最近では無調整型が主流となってい
る。
【0003】従来、フェルールとしてはジルコニア等の
セラミック製のものが多用され、また、スリーブとして
もジルコニア等のセラミック製のスリーブが用いられて
いる。例えば、特開平6−27348号には、円筒体の
内周面の少なくとも3箇所に長手方向の一端から他端に
至る凸部が設けられ、該凸部はその上面が円筒体の軸線
を中心とした円弧状、即ち上面が円筒体の軸線に向って
凹の円弧状で、さらに上記凸部と内周面とのつなぎ部が
ゆるやかなR形状にされているセラミック製のスリーブ
が開示されている。また、上記特許公報には上記スリー
ブの製造方法も開示されており、その方法は、上記のよ
うな幾何学的形状となるようにジルコニア、アルミナ等
のセラミック原料を円筒体に成形する工程と、成形した
円筒体を焼成する工程と、焼成した円筒体の内径部の上
記凸部の上面を研磨する工程とからなる。また、割スリ
ーブの場合には、さらに研磨工程終了後の円筒体に長手
方向全長に亘ってスリットを形成する工程を含んでい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のようなセラミッ
ク製のフェルールやスリーブの場合、一般に粉末押出、
射出成形等によって円筒状に一次成形した後、脱脂、焼
結、外周研削加工や内周部研磨加工等の機械加工などを
行って製造されている。そのため、製造工程が長大で、
コストの増大を余儀なくされているとともに、材料が脆
弱かつ硬いために欠け等の問題や、表面の研磨仕上がり
が結晶粒度に依存する等の問題がある。また、セラミッ
ク製のスリーブは硬くて弾性が低いため、スリーブ内周
面に凸部を形成した場合、この凸部によってフェルール
外周面を傷付け易く、またスリーブとフェルールの着脱
を繰り返すとガタが生じ易く、光ファイバの軸線にずれ
を生じる問題が懸念される。従って、セラミックスは着
脱が頻繁に行われる光コネクタのフェルールやスリーブ
用材料としては必ずしも適していない。
【0005】また、セラミック製の場合、一次成形後焼
結することによって収縮を生ずるため、焼結後、必ず所
定の寸法となるように研磨加工を行う必要がある。その
ため、例えば円筒体の内周面に長手方向に延在する凸部
(凸条)を形成したスリーブの場合、この凸条の上面
は、前記特開平6−27348号に記載されているよう
に、同筒体の軸線に向って凹の円弧状に研磨加工され
る。このような凸条が円筒体の内周面3箇所に形成され
た場合、スリーブに嵌挿されたフェルールの外周面と接
触する箇所は、実際上、上記凹の円弧状面ではなくてそ
の長手方向の両側縁となる。従って、スリーブの各凸条
の寸法が正確に一致する場合には、3箇所の凸条の円弧
状上面の両側縁(合計6点)がスリーブ外周面に接触し
た状態で固定することになるが、僅かでも寸法に誤差が
あれば、上記各点のいずれか数点で接触し、対向してス
リーブ内に嵌挿された各フェルールとの接触・固定点に
ずれを生じ、接続される光ファイバ同士の軸線がずれて
しまうという問題がある。
【0006】従って、本発明の目的は、接続する光ファ
イバ同士の軸線のずれや、フェルールやスリーブの欠け
等、前記したような問題を生ずることが殆どなく、光フ
ァイバ同士又はフェルール同士を正確に突き合わせ整列
して保持できる光コネクタ用フェルール及び該フェルー
ルとスリーブの組合せユニットを提供することにある。
さらに本発明の目的は、従来の金型鋳造法又は金型成形
法をベースにした技術とガラス遷移領域を示す非晶質合
金の組み合わせによって、所定の形状、寸法精度、及び
表面品質を満足する光コネクタ用フェルールやスリーブ
を単一のプロセスで量産性良く製造でき、従って研磨等
の機械加工工程を省略又は大幅に削減できる方法を提供
し、もってフェルールやスリーブに要求される耐久性、
強度、耐衝撃性、弾性等に優れた安価な光コネクタ用フ
ェルールやスリーブを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の側面によれば、キャピラリー部とフ
ランジ部が一体の光コネクタ用フェルールであって、従
来用いられているセラミックスや金属とは異なり、非晶
質合金から作製したことを特徴とするフェルールが提供
される。その第1の態様においては、少なくともガラス
遷移領域を有し、好ましくは温度幅30K以上のガラス
遷移領域を有する非晶質合金からなることを特徴とする
光コネクタ用フェルールが提供される。好適な態様にお
いては、フェルールは下記一般式で示される非晶質合金
からなることを特徴としている。 一般式:XaMbAlc 但し、XはZr及びHfから選ばれる1種又は2種の元
素、MはMn、Fe、Co、Ni及びCuよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、a、b、cは原子%
で、25≦a≦85、5≦b≦70、0<c≦35で示
される組成を有し、少なくとも体積率50%以上の非晶
質相を含む非晶質合金。
【0008】また第2の側面によれば、用いる光コネク
タ用フェルールと、それらの端部同士を突き合わせ整列
して保持するスリーブの変形の容易性の面に着目し、ス
リーブとフェルールの着脱を繰り返してもフェルールを
傷付けたりガタが生じないように、スリーブが光コネク
タ用フェルールよりも弾性変形し易い非晶質合金からな
ることを特徴とするフェルールとスリーブの光コネクタ
用組合せユニットが提供される。好適な態様によれば、
上記スリーブを光コネクタ用フェルール同士を突き合わ
せ整列して保持するに適した幾何学的形状とし、またフ
ェルールを傷付けないようにするために、円筒体の内周
面の3箇所に長手方向の一端から他端に至る凸部が設け
られ、該凸部はその上面が円筒体の軸線に向って凸の円
弧状の断面形状を有するスリーブとする。さらに好適な
態様においては、光コネクタ用フェルールを弾性的に保
持し、スリーブとフェルールの着脱を繰り返してもガタ
が生じないようにするために、上記円筒体の長手方向に
全長に亘ってスリットが設けられたスリーブとする。
【0009】さらに本発明の他の側面によれば、前記の
ような光コネクタ用フェルールやスリーブの製造方法も
提供される。その一つの方法は、上面が開放された溶解
用容器で非晶質合金を生じ得る合金材料を溶解し、容器
の上部に配置された製品成形用キャビティを持つ強制冷
却鋳型内に合金溶湯を強制移動させ、上記強制冷却鋳型
内で合金溶湯を急冷凝固して非晶質化させ、非晶質相を
含む合金からなる製品を得ることを特徴としている。好
適な態様においては、上記溶解用容器内に合金溶湯を上
方に強制移動させるための溶湯移動具が配設されている
と共に、上記強制冷却鋳型が2個以上の同一形状の製品
成形用キャビティと各キャビティに連通する湯道を持
ち、該湯道が上記溶湯移動具の移動ライン上に配設され
ている。
【0010】他の方法は、ガラス遷移領域を有する非晶
質合金を生じ得る合金材料を溶融、保持する容器と、例
えばその下部又は上部に製品形状のキャビティを設けた
金型を配置し、該容器の下部又は上部に設けた孔と金型
注湯口を結合させた後、容器内の合金溶湯に圧力を加
え、容器の孔を通じて所定量の合金溶湯を金型内に充填
せしめ、10K/s以上の冷却速度で凝固させ、非晶質
相を含む合金からなる製品を得ることを特徴としてい
る。前記いずれの方法においても、好適には、前記合金
材料として、前記一般式:XaMbAlcで示される組
成を有し、少なくとも体積率50%以上の非晶質相を含
む実質的に非晶質の合金からなる製品を得ることができ
る材料が用いられる。本発明のさらに他の方法は、前記
一般式で示される合金からなる非晶質材料を過冷却液体
領域温度まで加熱し、同一温度に保持されたコンテナに
挿入し、製品形状のキャビティを設けた金型をコンテナ
に連結し、所定量の合金を過冷却液体の粘性流動を利用
して金型内に圧入、成形することを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明によれば、前記のように、
光コネクタ用フェルールや、フェルール同士を突き合わ
せ整列して保持するスリーブを非晶質合金から作製す
る。非晶質合金は、セラミックスに比べて硬度が低いと
共に弾性が高く、また、引張強度や曲げ強度が高く、耐
久性、耐衝撃性、表面平滑性等に優れているため、光フ
ァイバを突き合わせ接続するための光コネクタ用フェル
ールや、フェルール同士を突き合わせ、軸線のずれを生
ずることなく整列して保持するスリーブの材質として最
適である。このような特性を有する非晶質合金から作製
したフェルールやスリーブは、スリーブの内周面に例え
ば断面半円形状の凸条を形成しても、この凸条によって
フェルール外周面を傷付け難く、またスリーブに対して
フェルールの着脱を繰り返してもガタを生じ難く、フェ
ルール同士の安定した接続が可能となる。
【0012】また、非晶質合金は、高精度の鋳造性及び
加工性を有し、金型鋳造法や金型成形法によって金型の
キャビティ形状を忠実に再現した表面平滑なスリーブを
製造できる。前記したように、セラミック製のフェルー
ルやスリーブの場合、一次成形後焼結することによって
収縮を生ずるため、焼結後、必ず所定の寸法となるよう
に研磨加工を行う必要がある。これに対して、非晶質合
金製のフェルールやスリーブの場合、焼結工程が不要で
あり、焼結によって製品に収縮を生ずるということがな
いため、その後の寸法調整又は表面粗さ調整の工程を省
略でき、あるいは大巾に短縮できる。従って、所定の形
状、寸法精度、表面品質を満足したフェルールやスリー
ブを単一プロセスで量産性良く製造できる。
【0013】本発明のフェルールやスリーブの材質とし
ては、実質的に非晶質の合金からなる製品を得ることが
できる材料であれば全て使用可能であり、特定の材料に
限定されるものではないが、中でも、ガラス遷移温度
(Tg)と結晶化温度(Tx)の温度差が極めて広いZ
r−TM−Al系及びHf−TM−Al系(TM:遷移
金属)非晶質合金(特公平7−122120号参照)
は、高強度、高耐食性であると共に、過冷却液体領域
(ガラス遷移領域)ΔTx=Tx−Tgが30K以上、
特にZr−TM−Al系非晶質合金は60K以上と極め
て広く、この温度領域では粘性流動により数10MPa
以下の低応力でも非常に良好な加工性を示す。また、冷
却速度が数10K/s程度の鋳造法によっても非晶質バ
ルク材が得られるなど、非常に安定で製造し易い特徴を
持っている。これらの合金の用途研究の結果、溶湯から
の金型鋳造によっても、またガラス遷移領域を利用した
粘性流動による成形加工によっても、非晶質材料ができ
ると同時に、金型形状及び寸法を極めて忠実に再現し、
これらの合金の物性も相俟って光コネクタ用フェルール
及びそれらを接続するスリーブの材料として適している
ことが判明した。
【0014】本発明に利用されるこのZr−TM−Al
系及びHf−TM−Al系非晶質合金は、合金組成、測
定法によっても異なるが、非常に大きなΔTxの範囲を
持っている。例えばZr60Al15Co2.5 Ni7.5 Cu
15合金(Tg:652K、Tx:768K)のΔTxは
116Kと極めて広い。耐酸化性も極めて良く、空気中
でTgまでの高温に熱してもほとんど酸化されない。硬
度は室温からTg付近までビッカース硬度(Hv)で4
60(DPN)、引張強度は1,600MPa、曲げ強
度は3,000MPaに達する。熱膨張率αは室温から
Tg付近まで1×10-5/Kと小さく、ヤング率は91
GPa、圧縮時の弾性限界は4〜5%を超える。さらに
靭性も高く、シャルピー衝撃値で6〜7J/cm2 を示
す。このように非常に高強度の特性を示しながら、ガラ
ス遷移領域まで加熱されると、流動応力は10MPa程
度まで低下する。このため極めて加工が容易で、低応力
で複雑な形状の微小部品や高精度部品に成形できるのが
本合金の特徴である。しかも、いわゆるガラス(非晶
質)としての特性から加工(変形)表面は極めて平滑性
が高く、結晶合金を変形させたときのように滑り帯が表
面に現われるステップなどは実質的に発生しない特徴を
持っている。
【0015】一般に、非晶質合金はガラス遷移領域まで
加熱すると長時間の保持によって結晶化が始まるが、本
合金のようにΔTxが広い合金は非晶質相が安定であ
り、ΔTx内の温度を適当に選べば2時間程度までは結
晶が発生せず、通常の成形加工においては結晶化を懸念
する必要はない。また、本合金は溶湯からの凝固におい
てもこの特性を如何なく発揮する。一般に非晶質合金の
製造には急速な冷却が必要とされるが、本合金は冷却速
度10K/s程度の冷却で溶湯から容易に非晶質単相か
らなるバルク材を得ることができる。その凝固表面はや
はり極めて平滑であり、金型表面のミクロンオーダーの
研磨傷でさえも忠実に再現する転写性を持っている。従
って、フェルールやスリーブの材料として本合金を適用
すれば、金型表面がフェルールやスリーブの要求特性を
満たす表面品質を持っておれば、成形材においても金型
の表面特性をそのまま再現し、従来の金型鋳造法、金型
成形法においても寸法調整、表面粗さ調整の工程を省略
又は短縮することができる。
【0016】以上のように、比較的低い硬度、高い引張
強度及び高い曲げ強度、比較的低いヤング率、高弾性限
界、高耐衝撃性、表面の平滑性、高精度の鋳造又は加工
性を併せ持った特徴は、光コネクタ用フェルールやスリ
ーブの材料として適しているばかりでなく、従来の成形
加工方法を適用でき、量産を可能にする。なお、前記一
般式XaMbAlcで示される非晶質合金は、5原子%
以下の割合でTi、C、B、Ge、Biなどの元素を含
有する場合でも、上記と同様の特性を示す非晶質合金が
得られる。
【0017】本合金をフェルールやスリーブに適用する
利点を、以下にもう少し具体的に述べる。第1に高精度
の製品を量産化できることが挙げられる。光ファイバ素
線を直接保持する光コネクタ用フェルールの細孔や、フ
ェルールを直接保持するスリーブの内径又はフェルール
との接触点(凸部上端)を通る円の径は、できるだけ光
ファイバ素線やフェルールの外径に等しいことが要求さ
れる。従来、セラミック材料の射出、脱脂、焼結を経て
製造される成形材は、フェルールやスリーブとしての寸
法精度、表面品質を満足できないため、予め加工代を考
慮した寸法の成形材として製造し、後でダイヤモンド砥
粒ペーストを用いたワイヤラッピング内径研磨加工、外
径研磨加工の複雑な加工によって仕上げられるのが普通
である。本発明においては、適切に準備された金型を用
いれば、鋳造によっても、粘性流動加工(ガラス成形加
工)によっても、仕上げ研磨の必要がない又は補足的で
簡易な仕上げ加工で量産でき、特にフェルールやスリー
ブの貫通孔の真円度、孔内表面の仕上がりの効果が大き
い。従って、製造工程を大幅に短縮することができる。
第2はフェルールやスリーブの強度及び靭性などの機械
的性質である。フェルール及びその着脱が頻繁に繰り返
されるスリーブは、へたり、摩耗、欠けがあってはなら
ない。前述した硬度、強度、靭性は十分にそれに耐え得
る値である。以上の特性を有する非晶質合金は、スリー
ブ、フェルールに限らず、光コネクタの他の構成部品、
マイクロマシン等の精密部品などにも有利に適用でき
る。
【0018】また、本発明の他の態様においては、スリ
ーブを光コネクタのフェルールよりも弾性変形し易い非
晶質合金、例えばヤング率で3〜30GPa程度、好ま
しくは5〜15GPa程度低い非晶質合金から作製す
る。それによって、スリーブに対してフェルールの着脱
を繰り返しても、フェルールを傷付けたりガタを生じた
りすることなく、軸線を整列させた状態で安定して保持
し易くなる。用いるフェルールの材質としては、セラミ
ックス、金属などを用いることも可能ではあるが、非晶
質合金、特に前記したような機械的性質や鋳造性、加工
性等の点から、前記一般式XaMbAlcの組成を有
し、少なくとも体積率50%以上の非晶質相を含む非晶
質合金を用いることが好ましい。このような非晶質合金
を用いることにより、金型鋳造法によっても、金型成形
法(ガラス成形加工)によっても、仕上げ研磨の必要が
ない又は補足的で簡易な仕上げ加工でフェルールを量産
でき、特にファイバ挿通用細孔断面の真円度、孔内表面
の仕上がりの効果が大きい。また、ガラスファイバを密
着させるため通常行なわれるフェルール先端凸球面加工
のPC研磨も不要であり、光ファイバ固定後の最終研磨
のみでよい。従って、金属やセラミックスの場合に必要
であった長大な製造工程を大幅に短縮することができ
る。フェルールの外径やフェルールの外径軸線とファイ
バ挿通用細孔軸線の整合についても同様である。
【0019】以下、添付図面を参照しながら説明する
と、図1及び図2は、本発明の光コネクタ用フェルール
の使用状態の一実施形態を示しており、フェルール10
はキャピラリー部11とフランジ部12が一体型のもの
である。すなわち、フェルール10は、光ファイバ17
(もしくは光ファイバ素線)を挿入するための小径の貫
通孔13が中心軸線に沿って形成されたキャピラリー部
11と、中心軸線に沿って光ファイバ心線16(光ファ
イバの外周に外被18が被着されたもの)挿通用の大径
の貫通孔14が形成されたフランジ部12とからなり、
小径の貫通孔13と大径の貫通孔14はテーパ径部15
を介して接続されている。このようなフェルール10に
光ファイバを取り付ける場合、光ファイバー心線16の
先端部の外被18を剥がして所定の長さだけ光ファイバ
17を露出させ、露出した光ファイバ及び光ファイバ心
線先端部に接着剤を塗布した後、フェルール10の小径
の貫通孔13に露出した光ファイバ17をフランジ部側
から挿入し、光ファイバ17及び光ファイバ心線16の
先端部を接着剤によりフェルール10の貫通孔13及び
14内に固着させることにより行われる。
【0020】一対の光ファイバ17,17の接続は、そ
れらが挿入・接合された各フェルール10,10をスリ
ーブ1の両端から挿入し、フェルール10,10同士の
端部を突き合わせることにより行われ、これによって光
ファイバ17,17の軸線が整列した状態で先端部が突
き合わせ接続される。スリーブ1の3箇所の凸部3上端
を通る円5(図3参照)の径は、フェルール10のキャ
ピラリー部11の外径よりも僅かに小さめの寸法とされ
ている。従って、フェルール10,10を両端から挿入
したときにスリーブ1は若干押し拡げられ、キャピラリ
ー部11,11を弾力的に挟持した状態に保持すること
になる。
【0021】本発明の好適な態様によれば、スリーブ
は、フェルールを傷付けることなく、フェルール同士の
軸線を整合して保持するに適した幾何学的形状を有す
る。以下、添付図面を参照しながらこのようなスリーブ
の形状について説明する。図3及び図4は本発明の光コ
ネクタ用組合せユニットに用いるスリーブの好適な一実
施形態を示し、図3はその平面図、図4は斜視図であ
る。このスリーブ1は、円筒体2の内周面の3箇所にそ
の長手方向の一端から他端に至る凸部(凸条)3が形成
されていると共に、長手方向に全長に亘ってスリット4
が形成されている。
【0022】上記凸部3は、フェルールを傷付けないよ
うに、その上面が円筒体2の軸線に向って凸の断面略半
円形状、略楕円形状、上端が丸みを帯びた三角形状等の
円弧状である必要があり、好ましくは図3に示されるよ
うに断面が略半円形状の凸部3とする。このような凸部
3を円筒体2の内周面3箇所に長手方向に設けることに
より、スリーブ1内に保持するフェルールの外周面と3
箇所で点接触した状態にフェルールを挟持することにな
る。従って、突き合わされるフェルール同士の軸線(従
って、光ファイバ同士)を整列させて安定して保持する
ことができると共に、フェルール外周面を傷付けること
もない。但し、点接触の場合でも、上記凸部が鋭角な角
部を有する場合、集中荷重がかかってフェルール外周面
を傷付け易くなるので好ましくない。また、スリーブの
内周面に4箇所以上の凸部を設けた場合、スリーブ内に
嵌挿された対向するフェルールの接触・固定点にずれを
生じ易く、接続される光ファイバ同士の軸線がずれ易く
なる。なお、凸部3は円筒体2の内周面3箇所に等間隔
に設けることが好ましいが、多少ずれていても構わな
い。また、凸部3の高さはフェルールを安定して保持で
きる程度であればよいが、一般に0.1〜1.0mm
(断面半円形の場合、0.1〜1.0mmR)の範囲内
が好ましい。さらに、凸部3は連続した突条であること
が好ましいが、断続していても構わない。
【0023】前記したように、スリーブ1には長手方向
に全長に亘ってスリット4が形成されている。本発明で
は、このようなスリットを設けない精密スリーブでも、
前記したような非晶質合金材使用による効果及び前記し
た凸部形成による効果は得られる。しかしながら、スリ
ット4を設けることにより、スリーブ1の弾力性が向上
し、多少寸法精度にばらつきがあってもフェルール同士
の軸線を整列させてより安定して弾力的に挟持でき、ま
た、スリーブとフェルールの着脱を繰り返しても保持状
態にガタを生じ難くなるので有利である。また、スリー
ブ1の材料自体の機械的性質としては、ヤング率が90
〜99GPa程度、弾性限が約1%から数%程度が好ま
しい。従来のスリーブ材料として用いられているセラミ
ックス、例えば、ジルコニアは弾性を殆ど有しないのに
比べ、非晶質合金から作製した本発明のスリーブはばね
特性に優れ、フェルールの繰返し脱着に充分に耐えるこ
とができる。
【0024】図5は、金型鋳造法により本発明のフェル
ールやスリーブを製造する装置及び方法の一実施形態の
概略構成を示している。但し、図5において、製品成形
用キャビティとしてはスリーブ製造用のキャビティが示
されているので、以下の説明においてはスリーブを対象
として叙述するが、フェルールについても同様に適用で
きることは言うまでもない。強制冷却鋳型20は上型2
1と下型26とからなり、上型21にはスリーブ(又は
フェルール)の外径寸法を規制する一対の製品成形用キ
ャビティ22a,22bが形成されており、これらのキ
ャビティ22a,22b内にはそれぞれスリーブ(又は
フェルール)の内径寸法を規制する中子25a,25b
が配設される。これらのキャビティ22a,22bは湯
道23によって連通されており、キャビティ22a,2
2bの周囲をそれぞれ所定間隔を置いて半周する湯道の
部分24a,24bの先端部からキャビティ22a,2
2b内に溶湯が流入されるように構成されている。一
方、下型26の所定箇所には上記湯道23と連通する注
湯口(貫通孔)27が形成され、その下部には溶解用容
器30の円筒状原料収容部32の上端部と対応する形状
の凹部28が形成されている。なお、中子25a,25
bは下型26と一体に形成してもよい。また、強制冷却
鋳型20は、銅、銅合金、超硬合金その他の金属材料か
ら作製することができるが、キャビティ22a,22b
内に注入された溶湯の冷却速度を速くするために、熱容
量が大きくかつ熱伝導率の高い材料、例えば銅製、銅合
金製等とすることが好ましい。また、上型には冷却水、
冷媒ガス等の冷却媒体を流通させる流路を配設すること
もできる。
【0025】溶解用容器30は、本体31の上部に円筒
状の原料収容部32を有し、前記下型26の注湯口27
の真下に昇降自在に配設されている。原料収容部32の
原料収容孔33内には、該原料収容孔33と略等しい径
を有する溶湯移動具34が摺動自在に配置されており、
該溶湯移動具34は図示しない油圧シリンダ(又は空圧
シリンダ)のプランジャー35により上下動される。ま
た、溶解用容器30の原料収容部32の周囲には、加熱
源として誘導コイル36が配設されている。加熱源とし
ては、高周波誘導加熱の他、抵抗加熱等の任意の手段を
採用できる。上記原料収容部32及び溶湯移動具34の
材質としては、セラミックス、耐熱皮膜コーティング金
属材料などの耐熱性材料が好ましい。なお、溶湯の酸化
皮膜形成を防止するために、装置全体を真空中又はAr
ガス等の不活性ガス雰囲気中に配置するか、あるいは少
なくとも下型26と溶解用容器30の原料収容部32上
部との間に不活性ガスを流すことが好ましい。
【0026】本発明のスリーブ(又はフェルール)の製
造に際しては、まず、溶解用容器30が強制冷却鋳型2
0の下方に離間した状態において、原料収容部32内の
溶湯移動具34上の空間内に前記したような非晶質合金
を生じ得る組成の合金原料Aを装填する。合金原料Aと
しては棒状、ペレット状、粉末状等の任意の形態のもの
を使用できる。次いで、誘導コイル36を励磁して合金
原料Aを急速に加熱する。合金原料Aが溶解したかどう
かを溶湯温度を検出して確認した後、誘導コイル36を
消磁し、溶解用容器30をその上端部が下型26の凹部
28に嵌挿されるまで上昇させ、次いで油圧シリンダを
作動させて溶湯移動具34を急速に上昇させ、溶湯を強
制冷却鋳型20の注湯口27から射出する。射出された
溶湯は湯道23を経て各製品成形用キャビティ22a,
22b内に注入、加圧され、急速に凝固される。この
際、射出温度、射出速度等を適宜設定することにより、
103 K/s以上の冷却速度が得られる。その後、溶解
用容器30を下降させ、上型21と下型26を分離して
製品を取り出す。
【0027】前記の方法で製造された鋳造後の製品形状
を図6に示す。鋳造品40のスリーブ部分41a,41
bから湯道部分42a,42bを切断・分離し、その切
断面を研磨することにより、鋳型のキャビティ面を忠実
に再現した平滑な表面を有する図3及び図4に示すよう
なスリーブ1が得られる。前記のような高圧ダイカスト
法によれば、鋳造圧力が約100MPaまで、射出速度
が数m/sまで可能であり、以下のような利点が得られ
る。 (1)溶湯の金型への充填が数ms以内で完了し、急冷
作用が大きい。 (2)溶湯の金型との高密着性による冷却速度の増大と
ともに、精密成形が可能である。 (3)鋳造品の凝固収縮時における引け巣などの欠陥を
低減できる。 (4)複雑な形状の成形品の作製が可能になる。 (5)高粘度の溶湯の鋳込みが可能になる。
【0028】図7は本発明のスリーブ(又はフェルー
ル)を製造する装置及び方法の他の実施形態の概略構成
を示している。図7において、符号60は前記したよう
な非晶質合金を生じ得る合金材料を溶融、保持するため
の容器であり、該容器60の下部には製品形状のキャビ
ティ52a,52bを有する分割金型50が配置され
る。容器60の加熱手段(図示せず)としては、高周波
誘導加熱、抵抗加熱等、任意の手段が採用できる。金型
50の構造は、上下関係が逆である以外は前記図5に示
す金型20と実質的に同一である。すなわち、上型56
は注湯口(貫通孔)57の上部に容器60の下端部を収
容する凹部58が形成されており、図5に示す下型26
に対応している。一方、下型51は、製品成形用キャビ
ティ52a,52b、湯道53,54a,54b、中子
55a,55bの形状及び配置態様が上下逆な以外は図
5に示す上型21と同一である。なお、この金型50の
場合にも、中子55a,55bは上型56と一体成形さ
れたものであってもよい。
【0029】スリーブ(又はフェルール)の製造に際し
ては、容器60の底部に形成されている細孔61を金型
50の注湯口57に接続した後、容器60内の合金溶湯
A’に例えば不活性ガスを介して圧力を加え、容器60
底部の細孔61から湯道53,54a,54bを経て所
定量の合金溶湯A’を各キャビティ52a,52b内に
充填せしめ、好ましくは10K/s以上の冷却速度で凝
固させ、実質的に非晶質相からなる合金製スリーブ(又
はフェルール)を得る。
【0030】前記したような方法により、寸法精度L±
0.0005〜0.001mm、表面精度0.2〜0.
4μmでスリーブ(又はフェルール)を製造できる。な
お、前記した方法では、一対の製品成形用キャビティを
形成した金型を用い、単一の工程で2個の製品を製造す
る2個取りの例を説明したが、3個以上のキャビティを
形成した金型を用い、多数個取りとすることも勿論可能
である。また、前記したような合金鋳造法の他に、押出
成形も可能である。すなわち、前記したような非晶質合
金は、大きな過冷却液体領域ΔTxを持っているため、
このような非晶質合金からなる材料を過冷却液体領域温
度まで加熱して同一温度に保持されたコンテナに挿入
し、該コンテナを製品形状のキャビティを設けた金型に
連結し、所定量の合金を過冷却液体の粘性流動を利用し
て金型キャビティ内に圧入、成形して所定の形状のフェ
ルールやスリーブを得ることもできる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の効果を具体的に確認した実施
例を示し、本発明について具体的に説明するが、本発明
が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりで
ある。
【0032】実施例1 図5に示す装置を用い、射出温度1273K、射出速度
1m/s、鋳造圧力1MPa、充填時間100msの条
件で、内径2.5mm、外径3.1mm、凸部曲率半径
0.3mmのZr65Al10Ni10Cu15の組成を有する
図3及び図4に示す形状の非晶質合金からなるスリーブ
を作製した。得られたスリーブは金型キャビティ面を忠
実に再現した表面平滑性に優れた製品であり、ヤング率
80GPa、曲げ強度2,970MPa、ビッカース硬
度400(DPN)、熱膨張率α=0.95×10-5
Kの特性を有していた。また、同様の方法により、Zr
60Al15Co2.5 Ni7.5 Cu15の組成を有し、ヤング
率91GPaの図1に示すようなキャピラリー部とフラ
ンジ部が一体型の非晶質合金からなるフェルールを作製
した。作製した2つのフェルールに光ファイバを接合
し、上記スリーブに両端から嵌め込んだところ、光ファ
イバ同士を軸線のずれを生ずることなく安定して接続す
ることができた。
【0033】実施例2 予め溶製したZr60Al15Co2.5 Ni7.5 Cu15、そ
の他表1に示す各合金をそれぞれ石英るつぼに入れ、高
周波誘導加熱によって完全に溶解し、この溶湯を2kg
f/cm2 の気体加圧によって、るつぼ下部に設けられ
た細孔から直径2mm、長さ30mmの棒状キャビティ
を有する室温の銅製鋳型に注入して、機械的性質測定用
棒状試料を得た。機械的性質の評価結果を表1に示す。
【表1】 表1に示すように、得られた非晶質合金材料は、曲げ強
度がこれまでスリーブ材料として用いられている部分安
定化ジルコニアの値(約1,000MPa)を大きく上
回り、ヤング率は約1/2、硬度は約1/3であり、ス
リーブの材料として必要な特性を備えていることがわか
る。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ガラス
遷移領域の広い例えばZr−TM−Al系及びHf−T
M−Al系などの非晶質合金の金型鋳造法、金型成形法
によって、光コネクタ用フェルールやスリーブに要求さ
れる寸法精度、表面品質を満足するフェルールやスリー
ブを生産性よく低コストで製造することができる。しか
も、本発明に利用される非晶質合金は強度、靭性、耐食
性に優れ、フェルールやスリーブとして摩耗、変形、欠
け等が発生し難く長期間の使用に耐えることができる。
また、光コネクタ用フェルールよりも弾性変形し易い非
晶質合金からスリーブを作製することにより、スリーブ
に対してフェルールの着脱を繰り返しても、フェルール
を傷付けたりガタを生じたりすることなく、軸線を整列
させた状態で安定して保持し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光コネクタ用フェルールの使用状態の
一実施形態を示す部分断面図である。
【図2】図1のII− II線断面図である。
【図3】本発明の光コネクタ用組合せユニットに用いる
スリーブの一実施形態を示す平面図である。
【図4】図3に示すスリーブの斜視図である。
【図5】本発明の製造装置の一実施形態の概略部分断面
図である。
【図6】図5に示す装置で製造された鋳造品の斜視図で
ある。
【図7】本発明の製造装置の他の実施形態の概略部分断
面図である。
【符号の説明】
1 スリーブ 2 円筒体 3 凸部 4 スリット 10 フェルール 11 キャピラリー部 12 フランジ部 17 光ファイバ 20 強制冷却鋳型 22a,22b 製品成形用キャビティ 23 湯道 27 注湯口 30 溶解用容器 32 原料収容部 33 原料収容孔 34 溶湯移動具 40 鋳造品 50 金型 52a,52b 製品成形用キャビティ 53 湯道 57 注湯口 60 容器 61 細孔 A 合金原料 A’ 合金溶湯

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャピラリー部とフランジ部が一体の光
    コネクタ用フェルールであって、該フェルールが少なく
    ともガラス遷移領域を有する非晶質合金からなることを
    特徴とするフェルール。
  2. 【請求項2】 キャピラリー部とフランジ部が一体の光
    コネクタ用フェルールであって、該フェルールが温度幅
    30K以上のガラス遷移領域を有する非晶質合金からな
    ることを特徴とするフェルール。
  3. 【請求項3】 キャピラリー部とフランジ部が一体の光
    コネクタ用フェルールであって、該フェルールが下記一
    般式で示される非晶質合金からなることを特徴とするフ
    ェルール。 一般式:XaMbAlc 但し、XはZr及びHfから選ばれる1種又は2種の元
    素、MはMn、Fe、Co、Ni及びCuよりなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の元素、a、b、cは原子%
    で、25≦a≦85、5≦b≦70、0<c≦35で示
    される組成を有し、少なくとも体積率50%以上の非晶
    質相を含む非晶質合金。
  4. 【請求項4】 キャピラリー部とフランジ部が一体のフ
    ェルールとスリーブの光コネクタ用組合せユニットであ
    って、上記スリーブが少なくとも光コネクタ用フェルー
    ルよりも弾性変形し易い非晶質合金からなることを特徴
    とする光コネクタ用組合せユニット。
  5. 【請求項5】 前記スリーブが、円筒体の内周面の3箇
    所に長手方向の一端から他端に至る凸部が設けられ、該
    凸部はその上面が円筒体の軸線に向って凸の円弧状の断
    面形状を有することを特徴とする請求項4に記載の組合
    せユニット。
  6. 【請求項6】 前記スリーブが、円筒体の長手方向に全
    長に亘ってスリットを設けたスリーブであることを特徴
    とする請求項4又は5に記載の組合せユニット。
  7. 【請求項7】 上面が開放された溶解用容器で非晶質合
    金を生じ得る合金材料を溶解し、容器の上部に配置され
    た製品成形用キャビティを持つ強制冷却鋳型内に合金溶
    湯を強制移動させ、上記強制冷却鋳型内で合金溶湯を急
    冷凝固して非晶質化させ、非晶質相を含む合金からなる
    製品を得ることを特徴とする光コネクタ用フェルールの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記溶解用容器内に合金溶湯を上方に強
    制移動させるための溶湯移動具が配設されていると共
    に、前記強制冷却鋳型が2個以上の同一形状の製品成形
    用キャビティと各キャビティに連通する湯道を持ち、該
    湯道が上記溶湯移動具の移動ライン上に配設されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 ガラス遷移領域を有する非晶質合金を生
    じ得る合金材料を溶融、保持する容器と、製品形状のキ
    ャビティを設けた金型を配置し、該容器に設けた孔と金
    型注湯口を結合させた後、容器内の合金溶湯に圧力を加
    え、容器の孔を通じて所定量の合金溶湯を金型内に充填
    せしめ、10K/s以上の冷却速度で凝固させ、非晶質
    相を含む合金からなる製品を得ることを特徴とする光コ
    ネクタ用フェルールの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記合金材料が下記一般式で示される
    組成を有し、少なくとも体積率50%以上の非晶質相を
    含む実質的に非晶質の合金からなる製品を得ることを特
    徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の方法。 一般式:XaMbAlc 但し、XはZr及びHfから選ばれる1種又は2種の元
    素、MはMn、Fe、Co、Ni及びCuよりなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の元素、a、b、cは原子%
    で、25≦a≦85、5≦b≦70、0<c≦35であ
    る。
  11. 【請求項11】 下記一般式で示される合金からなる非
    晶質材料を過冷却液体領域温度まで加熱し、同一温度に
    保持されたコンテナに挿入し、製品形状のキャビティを
    設けた金型をコンテナに連結し、所定量の合金を過冷却
    液体の粘性流動を利用して金型内に圧入、成形すること
    を特徴とする光コネクタ用フェルールの製造方法。 一般式:XaMbAlc 但し、XはZr及びHfから選ばれる1種又は2種の元
    素、MはMn、Fe、Co、Ni及びCuよりなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の元素、a、b、cは原子%
    で、25≦a≦85、5≦b≦70、0<c≦35で示
    される組成を有し、少なくとも体積率50%以上の非晶
    質相を含む非晶質合金。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6758602B2 (en) * 2001-06-28 2004-07-06 Ykk Corporation Optical connector and optical connector ferrule to be used therein

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