JP2001001130A - 細穴を有するアモルファス合金成形品の製造方法及び装置 - Google Patents

細穴を有するアモルファス合金成形品の製造方法及び装置

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JP2001001130A
JP2001001130A JP11175561A JP17556199A JP2001001130A JP 2001001130 A JP2001001130 A JP 2001001130A JP 11175561 A JP11175561 A JP 11175561A JP 17556199 A JP17556199 A JP 17556199A JP 2001001130 A JP2001001130 A JP 2001001130A
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cast
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Hideki Takeda
英樹 竹田
Hidenobu Nagahama
秀信 長浜
Takeshi Taniguchi
武志 谷口
Masashi Yamaguchi
正志 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造後の線状中子部材の引き抜きの困難性や
耐久性に起因する問題を軽減し、短時間に生産性良く低
コストで細穴を有するアモルファス合金成形品、特に光
コネクタ用フェルール(キャピラリ)を製造する方法及
び装置を提供する。 【解決手段】 線状中子部材3が予めセットされた金型
1のキャビティ2内にアモルファス合金を生じ得る材料
の溶湯を鋳込み、細穴5を形成したアモルファス合金成
形品4を製造する方法において、上記中子部材を保持し
た状態の鋳造品を、中子部材腐食液に浸漬して溶解させ
るか、又は加熱溶融することにより、鋳造品から中子部
材を除去する。別法として、中子部材の引き抜き性を改
善して繰り返し使用可能とするために、離型用材料をコ
ーティングした線状中子部材や、鋳造材よりも熱膨張係
数の大きな材料から作製した線状中子部材を用いる方
法、鋳造の際に前記線状中子部材に軸線方向の振動を与
える方法も採用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細穴を有するアモ
ルファス合金成形品の製造方法及び装置に関し、さらに
詳しくは、アモルファス合金(金属ガラス)の金型鋳造
によって製造される細穴を有する成形品、特に光コネク
タ部品(フェルール、キャピラリ)などの細穴成形技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】細穴を有し、しかも高い寸法精度が要求
される成形品の代表的なものとして、光コネクタのフェ
ルールもしくはキャピラリが挙げられる。以下、添付図
面を参照しながら説明すると、図7は、光コネクタにお
けるキャピラリ部11とフランジ部12が一体型のフェ
ルール10を示している。すなわち、フェルール10
は、光ファイバ17(もしくは光ファイバ素線)を挿入
するための小径の貫通孔13が中心軸線に沿って形成さ
れたキャピラリ部11と、中心軸線に沿って光ファイバ
心線16(光ファイバの外周に外被が被着されたもの)
挿通用の大径の貫通孔14が形成されたフランジ部12
とからなり、小径の貫通孔13と大径の貫通孔14はテ
ーパ径部15を介して接続されている。一対の光ファイ
バ17,17の接続は、それらが挿入・接合された各フ
ェルール10,10を割りスリーブ18の両端から挿入
し、フェルール10,10同士の端部を突き合わせるこ
とにより行なわれ、これによって光ファイバ17,17
の軸線が整列した状態で先端部が突き合わせ接続され
る。一方、図8は、光コネクタのキャピラリ11aとフ
ランジ12aが別体の光コネクタ用フェルール10aを
示している。
【0003】光ファイバを通す細孔の孔径は、タイプに
より様々であるが、例えばSC型と呼ばれるキャピラリ
(フェルール)ではφ0.126mm、深さ10mmの
細孔を有している。従来、フェルールはジルコニアなど
のセラミックスで作製されている。セラミック製フェル
ールの細孔成形は、予め小さめの細孔を有するフェルー
ルを射出成形しておき、焼成後、ワイヤーラッピング加
工により正規寸法に仕上げ加工されている。また、セラ
ミック製フェルールは、内径加工の他に、外径加工・研
磨等多くの工程を経て作製されている。そのため、製造
工程が長大でコストの増大を余儀なくされている。
【0004】上記のような問題を解決できる方法とし
て、本出願人は既に、従来の金型鋳造法をベースにした
技術とガラス遷移領域を示すアモルファス合金の組合せ
によって、光コネクタ用フェルールのような細孔を有す
る成形品や、複雑な形状の成形品であっても、所定の形
状、寸法精度、表面品質を満足するアモルファス合金成
形品を、単一プロセスで量産性良く製造できる方法を開
発し、特許出願している(特開平10−186176
号)。ここに開示されている細穴を有するアモルファス
合金成形品の製造方法は、基本的に、中子ピンをセット
した金型キャビティ内にアモルファス合金を生じ得る材
料の溶湯を高速度で充填して鋳造し、その後中子ピンを
鋳造材から引き抜くことによって細穴を成形するもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アモルファス合金(金
属ガラス)は、高精度の鋳造性及び加工性を有し、かつ
金型のキャビティ形状を忠実に再現できる優れた転写性
を有するため、金型を適切に作製することにより、金型
鋳造法によって所定の形状、寸法精度、及び表面品質を
満足する成形品を高速鋳造によって製造できる。しかし
ながら、金型のキャビティ形状を忠実に再現できる優れ
た転写性を有するということは、金型キャビティ面と鋳
造材との間に隙間が殆どないためである。そのため、金
型から鋳造品を取り出す際に、細穴を形成する中子ピン
は細くて強度が充分でないことから、このピンを傷付け
たり、破損するなどの問題が生じている。また、溶湯が
中子ピンに付着した部分が生じ、形成される細穴の寸法
精度が劣るという問題も生じる。このため、時には細穴
が成形できない場合もあり、また金型の耐久性を低下さ
せ、生産性が上がらない場合もある。しかも、中子ピン
は超硬合金によって作製され、高価であるため、このピ
ンの傷付きや破損によって繰り返し使用ができなくな
り、結果的に製造コストがかなり増大してしまうという
問題がある。このような問題は、光コネクタ用フェルー
ルもしくはキャピラリに固有の問題ではなく、細穴を有
するアモルファス合金成形品の金型鋳造の場合に共通し
た問題である。
【0006】従って、本発明の基本的な目的は、細穴を
有するアモルファス合金成形品の鋳造に使用される線状
中子部材の鋳造後の引き抜きの困難性や耐久性に起因す
る前記したような種々の問題を軽減し、短時間に生産性
良く低コストで、細穴を有するアモルファス合金成形品
を製造できる方法及び装置を提供することにある。さら
に本発明のより特定的な目的は、細長い穴を有するアモ
ルファス合金成形品であっても、簡単な工程でまた所定
の形状、高い寸法精度及び表面品質で成形加工できる方
法及び装置を提供し、もって耐久性、強度、耐衝撃性等
に優れた細穴を有する安価なアモルファス合金成形品、
特に光コネクタ用フェルールもしくはキャピラリを提供
しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第一の側面によれば、アモルファス合金成
形品の製造方法が提供され、その第一の態様は、所望の
断面形状の線状中子部材が予めセットされた金型のキャ
ビティ内にアモルファス合金を生じ得る材料の溶湯を鋳
込み、上記線状中子部材の断面形状の細穴を形成したア
モルファス合金成形品を製造する方法において、上記線
状中子部材を保持した状態の鋳造品を、中子部材腐食液
に浸漬して溶解させるか、又は加熱溶融することによ
り、又は中子部材部分を機械加工することにより、鋳造
品から線状中子部材を除去することを特徴としている。
【0008】本発明のアモルファス合金成形品の製造方
法の第二の態様は、所望の断面形状の線状中子部材が予
めセットされた金型のキャビティ内にアモルファス合金
を生じ得る材料の溶湯を鋳込み、上記線状中子部材の断
面形状の細穴を形成したアモルファス合金成形品を製造
する方法において、上記線状中子部材として、離型用材
料の皮膜をコーティングした線状中子部材、又は離型用
材料を含有する線状中子部材を用い、鋳造後に鋳造材か
ら線状中子部材を引き抜くことを特徴としている。
【0009】本発明のアモルファス合金成形品の製造方
法の第三の態様は、所望の断面形状の線状中子部材が予
めセットされた金型のキャビティ内にアモルファス合金
を生じ得る材料の溶湯を鋳込み、上記線状中子部材の断
面形状の細穴を形成したアモルファス合金成形品を製造
する方法において、上記中子部材として、鋳造材よりも
熱膨張係数の大きな材料から作製した線状中子部材を用
い、鋳造後に鋳造材から線状中子部材を引き抜くことを
特徴としている。
【0010】本発明のアモルファス合金成形品の製造方
法の第四の態様は、所望の断面形状の線状中子部材が予
めセットされた金型のキャビティ内にアモルファス合金
を生じ得る材料の溶湯を鋳込み、上記線状中子部材の断
面形状の細穴を形成したアモルファス合金成形品を製造
する方法において、鋳造の際に前記線状中子部材に軸線
方向の振動を与え、鋳造後に鋳造材から線状中子部材を
引き抜くことを特徴としている。なお、この態様は、前
記第二及び第三の態様と組み合わせて用いることがで
き、それによって、鋳造後に鋳造材から線状中子部材を
さらに容易に引き抜くことができる。
【0011】なお、前記第二乃至第四のいずれの態様に
おいても、鋳造材を軟化させて線状中子部材を引き抜き
易くするために、鋳造材から線状中子部材を引き抜く際
に、鋳造材をそのガラス遷移温度(Tg)と融点(T
m)の間、好ましくはTgと結晶化温度(Tx)の間の
温度に保持することができる。また、前記金型がキャビ
ティ内に突出可能な筒状ガイド部材を備え、前記線状中
子部材を該筒状ガイド部材と共にその中心孔を通して金
型キャビティ内にセットするようにすることもできる。
【0012】さらに本発明の第二の側面によれば、製品
外形を規制するキャビティを有する金型と、該金型のキ
ャビティ内に突出・後退自在に配設された可動筒状ガイ
ド部材と、該可動筒状ガイド部材の中心孔を通して金型
キャビティ内にセットされる線状中子部材とを備えるこ
とを特徴とするアモルファス合金成形品の製造装置が提
供される。前記したような方法及び装置により、細穴を
有するアモルファス合金成形品、特に光コネクタ用フェ
ルールもしくはキャピラリを生産性良く製造することが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によるアモルファス合金成
形品の製造は、線状中子部材の鋳造後の引き抜きの困難
性や耐久性に起因する前記したような問題に対して、線
状中子部材を使い捨てにする、鋳造後の引き抜き性を改
善する、又は線状中子部材を保護するという様々のアプ
ローチから解決しようとするものである。「使い捨て」
という第一のアプローチについては、鋳造後に線状中子
部材を化学的に溶解し又は加熱溶融して除去する、ある
いは中子部材部分をドリル等を用いて機械加工により除
去するという手段と、線状中子部材を安価な材料から作
製するという手段がある。前者の手段は、線状中子部材
を鋳造後に消失させるという考え方に基づいており、鋳
造後の引き抜き性を考慮する必要はないが、後者の手段
については、鋳造後に線状中子部材を引き抜き易くする
という第二のアプローチが必要となる。
【0014】鋳造後に化学的に溶解し又は加熱溶融し、
又は中子部材部分を機械加工して、線状中子部材を除去
する方法としては、(a)アルミニウム、アルミニウム
合金、ガラス(一般的な酸化物ガラス)などから作製し
た線状中子部材を用い、鋳造後、該中子部材を保持した
状態の鋳造品を、中子部材腐食液、例えばNaOH溶液
中に浸漬し、中子部材を溶解させて除去する方法、及び
(b)鉛、鉛合金等から作製した中子部材を用い、これ
らの材料の融点以上に加熱して溶融させ、除去する方
法、及び(c)カーボン等から作製した中子部材を用
い、鋳造後、中子部材を保持した状態の鋳造品をドリル
等を用いて、やわらかい中子部材部分を機械加工により
除去する方法などが挙げられる。アモルファス合金は、
耐アルカリ性に極めて優れているため、上記(a)の化
学的溶解法によっても鋳造品の品質が損なわれることは
ない。また、上記材料には、融点が鋳造合金の融点以下
のものも含まれるが、金属ガラスは急速冷却で過冷却液
体状態で鋳造するため、接触時間は極めて短時間(約
0.1秒以下)であり、鋳造時に上記のような材料製の
線状中子部材が溶融することはない。このような方法に
よれば、安価な線状中子部材を使い捨てにするものであ
るため、そのメンテナンスが不要で取り扱いが容易であ
り(回収に細心の注意を払う必要がない)、大量生産向
きのプロセスと言える。
【0015】一方、第二のアプローチによって、鋳造後
の線状中子部材の引き抜き性を改善した場合、必ずしも
ピアノ線等の安価な材料によって線状中子部材を作製す
る場合に限られるものではなく、従来と同様な超硬合金
製の線状中子部材を用いることができる。この場合、線
状中子部材の引き抜き性が改善されているため、線状中
子部材の傷付きや破損が殆どなく、著しい繰り返し回数
で再利用が可能となる。勿論、安価な材料によって線状
中子部材を使い捨てにするということも可能である。鋳
造後の線状中子部材の引き抜き性を改善する方法として
は、以下のような方法が挙げられる。
【0016】(1)離型性付与方法(表面処理法) 線状中子部材が金属ガラス鋳造材から離型し易いよう
に、中子部材表面に離型用材料の皮膜をコーティングす
る方法、又は離型用材料を含有する線状中子部材を用い
る方法である。例えば、シリコングリース、不揮発油等
の油脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリイミド等の樹脂などの有機材料や、窒化ホウ
素、アルミナ、カーボン、マグネシア等の無機材料の粉
末(好ましくは粒径5μm以下のもの)からなる皮膜を
コーティングする。これによって、線状中子部材と鋳造
材との間のクリアランスが確保され、離型し易くなる。
この方法は、繰り返し使用及び使い捨てのいずれの中子
部材にも適用できる。他の方法は、金属ガラスと反応し
難いTiN、CrN、Si34、BN等の材料を物理的
気相蒸着法(PVD)、化学的気相蒸着法(CVD)な
どの適当な方法でコーティングする方法である。このよ
うな金属ガラスと反応し難い材料の皮膜を線状中子部材
表面にコーティングすることにより、中子部材は鋳造材
から抜け易くなる。この方法は、繰り返し使用を目的と
する中子部材に特に有利に適用できる。さらに他の方法
は、Al、Cu、Pb、Zn、MoS2等の軟金属の皮
膜を電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキ等の方法に
より形成する方法である。このような軟金属は鋳造の際
に潤滑材として作用し、線状中子部材が抜け易くなる。
この方法は、使い捨て用中子部材に特に有利に適用でき
る。また、用いる線状中子部材の材質に応じて適当な離
型用材料を中子部材に含有せしめることにより、中子部
材の離型性を向上させることもできる。
【0017】(2)熱膨張の差を利用する方法 線状中子部材を、鋳造材よりも熱膨張係数の大きな材料
から作製する方法である。金属ガラスの熱膨張係数αは
10.3×10-6/K程度であるので、例えばピアノ線
(α=約12.1×10-6/K)、ステンレス(α=約
16.5×10 -6/K)、インコネル(α=約12.5
×10-6/K)等から作製した線状中子部材を用いるこ
とにより、鋳造時のこれらの材料の熱膨張と冷却時の収
縮によって鋳造材との間に約0.1μm程度のクリアラ
ンスが生じ、離型が容易となる。この方法は、繰り返し
使用及び使い捨てのいずれの中子部材にも適用できる。
【0018】(3)振動による離型法 鋳造の際に線状中子部材に軸線方向の振動を与えること
により、抜き抵抗を減少させる方法である。なお、鋳造
は約0.1秒以下の極めて短時間で終了するため、その
間に充分な振動数を与えるためには50Hz以上の振動
数、ストロークとして0.5μm以上の振動を与えるこ
とが好ましい。この方法も、繰り返し使用及び使い捨て
のいずれの中子部材にも適用できる。なお、前記した
(1)〜(3)の方法は、組み合わせて採用することが
できる。
【0019】さらに本発明によれば、前記いずれの方法
においても、鋳造材から線状中子部材を引き抜く際に、
鋳造材をそのガラス遷移温度(Tg)と融点(Tm)の
間、好ましくはTgと結晶化温度(Tx)の間の温度に
保持することにより、鋳造材を軟化させて線状中子部材
を引き抜き易くすることができる。アモルファス合金組
成の溶湯を適切な冷却速度で冷却すれば、溶湯は融点以
下でも液体状態で存在するいわゆる過冷却液体状態とな
る(粘性が固体物質より小さい)。また、アモルファス
形成能が大きな合金組成では、溶湯を融点以上から冷却
し、途中、ガラス遷移温度(あるいは、固体物質として
取り扱える粘性となる温度)以上で所定時間保持してそ
の後冷却しても、少なくとも非晶質相を含有する合金が
得られる。また、金属ガラスと呼ばれる安定なアモルフ
ァス合金では、一旦非晶質化した後、昇温すると、結晶
化前に粘性が小さくなるガラス遷移領域を有している。
一般にアモルファス合金は非常に高い強度を有している
ため、室温では加工が殆どできないが、これら過冷却液
体状態やガラス遷移領域を利用することにより、粘性が
小さいため比較的小さな力で線状中子部材を引き抜くこ
とが可能となる。
【0020】さらに本発明による第三のアプローチは、
線状中子部材の金型キャビティ内へのセット及び鋳造時
の中子部材の保護のために、キャビティ内に突出・後退
自在な可動筒状ガイド部材を備えた金型を用い、線状中
子部材を該筒状ガイド部材と共にその中心孔を通して金
型キャビティ内にセットしようとするものである。この
ような筒状ガイド部材を用いることにより、それによっ
て覆われている部分の中子部材は溶湯と接触しないので
保護され、また鋳造材との接触面積が小さくなるので、
引き抜きの際に中子部材が傷付いたり破損したりする割
合はかなり減少する。なお、この方法は、前記した各方
法と組み合わせて採用することができる。
【0021】本発明の方法で用いる材料としては、実質
的に非晶質の合金からなる製品を得ることができる材料
であれば全て使用可能であり、特定の材料に限定される
ものではないが、下記一般式(1)〜(6)のいずれか
1つで示される組成を有するアモルファス合金を好適に
使用できる。 一般式(1):M1 a2 bLnc3 d4 e5 f 但し、M1はZr及びHfから選ばれる1種又は2種の
元素、M2はNi、Cu、Fe、Co、Mn、Nb、T
i、V、Cr、Zn、Al及びGaよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、LnはY、La、Ce、N
d、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb及びMm(希
土類元素の集合体であるミッシュメタル)よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、M3はBe、B、
C、N及びOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の
元素、M4はTa、W及びMoよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M5はAu、Pt、Pd及びA
gよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、a、
b、c、d、e及びfはそれぞれ原子%で、25≦a≦
85、15≦b≦75、0≦c≦30、0≦d≦30、
0≦e≦15、0≦f≦15である。
【0022】上記アモルファス合金は、下記一般式(1
−a)〜(1−p)のアモルファス合金を含む。 一般式(1−a):M1 a2 b このアモルファス合金は、M2元素がZr又はHfと共
存するために、混合エンタルピーが負で大きく、アモル
ファス形成能が良い。 一般式(1−b):M1 a2 bLnc このアモルファス合金のように、上記一般式(1−a)
の合金に希土類元素を添加することによりアモルファス
の熱的安定性が向上する。
【0023】一般式(1−c):M1 a2 b3 d 一般式(1−d):M1 a2 bLnc3 d これらのアモルファス合金のように、原子半径の小さな
元素(Be,B,C,N,O)でアモルファス構造中の
隙間を埋めることによって、その構造が安定化し、アモ
ルファス形成能が向上する。
【0024】一般式(1−e):M1 a2 b4 e 一般式(1−f):M1 a2 bLnc4 e 一般式(1−g):M1 a2 b3 d4 e 一般式(1−h):M1 a2 bLnc3 d4 e これらのアモルファス合金のように、高融点金属(T
a,W,Mo)を添加した場合、アモルファス形成能に
影響を与えずに耐熱性、耐食性が向上する。
【0025】一般式(1−i):M1 a2 b5 f 一般式(1−j):M1 a2 bLnc5 f 一般式(1−k):M1 a2 b3 d5 f 一般式(1−l):M1 a2 bLnc3 d5 f 一般式(1−m):M1 a2 b4 e5 f 一般式(1−n):M1 a2 bLnc4 e5 f 一般式(1−o):M1 a2 b3 d4 e5 f 一般式(1−p):M1 a2 bLnc3 d4 e5 f これらの貴金属M5(Au,Pt,Pd,Ag)を含ん
だアモルファス合金の場合、結晶化が起きても脆くなら
ない。
【0026】 一般式(2):Al100-g-h-iLng6 h3 i 但し、LnはY、La、Ce、Nd、Sm、Gd、T
b、Dy、Ho、Yb及びMmよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素、M6はTi、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a及びWよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元
素、M3はBe、B、C、N及びOよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、g、h及びiはそれぞれ原
子%で、30≦g≦90、0<h≦55、0≦i≦10
である。
【0027】上記アモルファス合金は、下記一般式(2
−a)及び(2−b)のアモルファス合金を含む。 一般式(2−a):Al100-g-hLng6 h このアモルファス合金は、混合エンタルピーが負で大き
く、アモルファス形成能が良い。 一般式(2−b):Al100-g-h-iLng6 h3 i このアモルファス合金においては、原子半径の小さな元
素(Be,B,C,N,O)でアモルファス構造中の隙
間を埋めることによって、その構造が安定化し、アモル
ファス形成能が向上する。
【0028】一般式(3):Mg100-p7 p 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、pは原子%で5≦p≦
60である。このアモルファス合金は、混合エンタルピ
ーが負で大きく、アモルファス形成能が良い。
【0029】一般式(4):Mg100-q-r7 q8 r 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、q
及びrはそれぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦2
5である。このアモルファス合金のように、前記一般式
(3)の合金において原子半径の小さな元素(Al,S
i,Ca)でアモルファス構造中の隙間を埋めることに
よって、その構造が安定化し、アモルファス形成能が向
上する。
【0030】一般式(5):Mg100-q-s7 q9 s 一般式(6):Mg100-q-r-s7 q8 r9 s 但し、M7はCu、Ni、Sn及びZnよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素、M8はAl、Si及び
Caよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、M
9はY、La、Ce、Nd、Sm及びMmよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、q、r及びsはそれ
ぞれ原子%で、1≦q≦35、1≦r≦25、3≦s≦
25である。これらのアモルファス合金のように、前記
一般式(3)及び(4)の合金に希土類元素を添加する
ことによりアモルファスの熱的安定性が向上する。
【0031】前記したアモルファス合金の中でも、ガラ
ス遷移温度(Tg)と結晶化温度(Tx)の温度差が極
めて広いZr−TM−Al系及びHf−TM−Al系
(TM:遷移金属)アモルファス合金は、高強度、高耐
食性であると共に、過冷却液体領域(ガラス遷移領域)
ΔTx=Tx−Tgが30K以上、特にZr−TM−A
l系アモルファス合金は60K以上と極めて広く、この
温度領域では粘性流動により数10MPa以下の低応力
でも非常に良好な加工性を示す。また、冷却速度が数1
0K/s程度の鋳造法によっても非晶質バルク材が得ら
れるなど、非常に安定で製造し易い特徴を持っている。
これらの合金は、溶湯からの金型鋳造によっても、また
ガラス遷移領域を利用した粘性流動による成形加工によ
っても、非晶質材料ができると同時に、金型形状及び寸
法を極めて忠実に再現する。
【0032】本発明に利用されるこれらのZr−TM−
Al系及びHf−TM−Al系アモルファス合金は、合
金組成、測定法によっても異なるが、非常に大きなΔT
xの範囲を持っている。例えばZr60Al15Co2.5
7.5Cu15合金(Tg:652K、Tx:768K)
のΔTxは116Kと極めて広い。耐酸化性も極めて良
く、空気中でTgまでの高温に熱してもほとんど酸化さ
れない。硬度は室温からTg付近までビッカース硬度
(Hv)で460(DPN)、引張強度は1,600M
Pa、曲げ強度は3,000MPaに達する。熱膨張率
αは室温からTg付近まで1×10-5/Kと小さく、ヤ
ング率は91GPa、圧縮時の弾性限界は4〜5%を超
える。さらに靭性も高く、シャルピー衝撃値で6〜7J
/cm2を示す。このように非常に高強度の特性を示し
ながら、ガラス遷移領域まで加熱されると、流動応力は
10MPa程度まで低下する。このため極めて加工が容
易で、低応力で複雑な形状の微小部品や高精度部品に成
形できるのが本合金の特徴である。しかも、いわゆるガ
ラス(非晶質)としての特性から加工(変形)表面は極
めて平滑性が高く、結晶合金を変形させたときのように
滑り帯が表面に現われるステップなどは実質的に発生し
ない特徴を持っている。
【0033】一般に、アモルファス合金はガラス遷移領
域まで加熱すると長時間の保持によって結晶化が始まる
が、本合金のようにΔTxが広い合金は非晶質相が安定
であり、ΔTx内の温度を適当に選べば2時間程度まで
は結晶が発生せず、通常の成形加工においては結晶化を
懸念する必要はない。また、本合金は溶湯からの凝固に
おいてもこの特性を如何なく発揮する。一般にアモルフ
ァス合金の製造には急速な冷却が必要とされるが、本合
金は冷却速度10K/s程度の冷却で溶湯から容易に非
晶質単相からなるバルク材を得ることができる。その凝
固表面はやはり極めて平滑であり、金型表面のミクロン
オーダーの研磨傷でさえも忠実に再現する転写性を持っ
ている。従って、合金材料として本合金を適用すれば、
金型表面が成形品の要求特性を満たす表面品質を持って
おれば、鋳造材においても金型の表面特性をそのまま再
現し、従来の金型鋳造法においても寸法調整、表面粗さ
調整の工程を省略又は短縮することができる。
【0034】以上のように、比較的低い硬度、高い引張
強度及び高い曲げ強度、比較的低いヤング率、高弾性限
界、高耐衝撃性、高耐磨耗性、表面の平滑性、高精度の
鋳造又は加工性を併せ持った特徴は、光コネクタのフェ
ルールやスリーブなど、種々の分野の成形品の材料とし
て適している。また、アモルファス合金は、高精度の鋳
造性及び加工性を有し、かつ金型のキャビティ形状を忠
実に再現できる優れた転写性を有するため、金型を適切
に作製することにより、金型鋳造法によって所定の形
状、寸法精度、及び表面品質を満足する成形品を単一の
プロセスで量産性良く製造できる。
【0035】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例を説明しながら
本発明についてさらに具体的に説明する。図1(A)
は、本発明の方法により細孔を有するアモルファス合金
成形品を製造する方法及び装置の一実施例の概略構成を
示している。図1において、符号1は製品形状のキャビ
ティ2を有する分割金型であり、3は使い捨て用の細長
い線状中子部材(ピンもしくはワイヤ)である。金型1
は、銅、銅合金、超硬合金その他の金属材料から作製す
ることができ、また、流体、気体等の冷却媒体や加熱媒
体を流通させる流路を配設することもできる。一方、線
状中子部材3は、前記したようにNaOH溶液により溶
解可能なAl、Al合金、ガラス等や、加熱溶融可能な
Pb、Pb合金等や、機械加工が容易なカーボン等から
作製されている。なお、溶湯の酸化皮膜形成を防止する
ために、装置全体を真空中又はArガス等の不活性ガス
雰囲気中に配置するか、あるいは溶湯注入部に不活性ガ
スを流すことが好ましい。
【0036】アモルファス合金成形品の製造に際して
は、アモルファス合金組成の溶湯を金型1のキャビティ
2内に注入して鋳造し、金型温度がガラス遷移温度(T
g)以下になるまで冷却した後、金型1を分離して、図
1(B)に示すように、金型キャビティ面を忠実に再現
した平滑な表面を有し、かつ線状中子部材3を保持した
状態のアモルファス合金成形品4を取り出す。その後、
得られた鋳造品4を、用いた中子部材3の材質に応じ
て、前記したようにNaOH溶液中に浸漬して溶解させ
るか、又は加熱溶融させるか、又は機械加工することに
より中子部材3を除去し、図1(C)に示すような細孔
5を有するアモルファス合金成形品4を得る。
【0037】図2は、前記したようにCuメッキ等の軟
金属メッキや有機系塗料、無機系塗料などの離型用材料
の皮膜6がコーティングされた線状中子部材3を用いた
例を示している。このように予め離型用材料の皮膜6が
コーティングされた線状中子部材3を用いることによ
り、該中子部材3と鋳造材7との間にクリアランスが確
保され、離型し易くなる。一方、図3は、鋳造材7より
も熱膨張係数の大きな材料から作製された線状中子部材
3を用いた例を示している。このように鋳造材7よりも
熱膨張係数の大きな材料から作製された線状中子部材3
を用いることにより、鋳造後の冷却時に線状中子部材3
が収縮して鋳造材7との間に微小な隙間が形成されるの
で、容易に引き抜くことができる。
【0038】図4は、本発明の方法によりアモルファス
合金成形品を製造する方法及び装置の他の実施例の概略
構成を示している。図4において、符号8は金型1のキ
ャビティ2内に突出・後退自在に配設された可動筒状ガ
イド部材であり、線状中子部材3は該可動筒状ガイド部
材8の中心孔を通して金型キャビティ内にセットされ
る。このような筒状ガイド部材8を用いることにより、
それによって覆われている部分の中子部材3は溶湯と接
触しないので保護され、また鋳造材との接触面積が小さ
くなるので、引き抜きの際に中子部材3が傷付いたり破
損したりする割合はかなり減少する。
【0039】図5は上記図4に示す装置を用いて製造さ
れたアモルファス合金成形品8aを示しており、下端部
は切断される。このアモルファス合金成形品4aは小径
部5aと大径部5bを有しているが、大径部5bの長さ
は、可動筒状ガイド部材8の金型1のキャビティ2内へ
の突出長さを調整することにより、任意に変えることが
できる。なお、小径部5aについては必要に応じてワイ
ヤラッピング加工を施すこともできる。
【0040】なお、前記した各実施例では、全長に亘っ
て同一径の細長い中子部材3を用いたが、引き抜き方向
に段階的に又は傾斜的に線径が大きくなっている中子部
材を用いることにより、軸線方向に段階的に又は傾斜的
に内径が大きくなっている細孔を成形することも可能で
ある。また、図4に示すような可動筒状ガイド部材8を
用いた場合、その断面形状を変えることによっても、種
々の形状の細孔を形成することが可能となる。さらに、
前記した各実施例では、貫通孔を有するアモルファス合
金成形品の製造について説明したが、金型のキャビティ
内にセットする線状中子部材の高さを調節することによ
り、非貫通孔を有するアモルファス合金成形品を製造す
ることもできる。
【0041】以下、本発明の効果を具体的に確認した幾
つかの実施例を示す。 実施例1 本実施例は、Cuメッキを施したワイヤを用いて細孔を
成形した例である。具体的なワイヤの被覆方法を以下に
示す。ワイヤへのCuメッキは、硫酸銅による電解メッ
キを用いた。このときワイヤとの付着力を低くするた
め、できるだけ電解液は高温で、電流密度は高く、硫酸
濃度は高くすることが望ましい。具体的には、φ0.3
mmのワイヤを硫酸銅メッキ液(硫酸銅濃度220g/
l、硫酸濃度90g/l)中に約5cm浸漬して陰極と
し、陽極にはステンレスを用いて電気メッキを施す。こ
の時、電流は0.1A−1Aとし、液温は30℃〜60
℃に加熱して行なう。この様な条件は、微視的にこぶ
状、樹枝状の皮膜となって脆くなり、通常メッキ不良と
される。しかし、本発明の手法で被覆されたワイヤは、
この不良メッキ層が存在することによって鋳造材から引
き抜くことができる。上記Cuメッキワイヤを用いて細
孔を作製した金属ガラスの細孔側断面の顕微鏡写真をと
って観察したところ、所定の寸法の細孔が形成されてい
た。
【0042】実施例2 本実施例は、MoS2皮膜を形成したワイヤを用いて細
孔を成形した例である。MoS2の表面処理は、チオモ
リブデン酸アンモニウム溶液を用いた陽極電解によって
行なった。陽極電解条件としては、0.3g/lのチオ
モリブデン酸アンモニウム溶液に、ステンレスワイヤ
(もしくはピアノ線、超硬ワイヤ)を陽極、ステンレス
板を陰極とし、約10Vの電圧を印加することで陽極の
ワイヤにMoS2を析出させる。これを大気中で120
℃で10分間熱処理することで、ワイヤ表面がMoS2
で被覆される。MoS2は自己潤滑性があるため、金属
中に鋳込まれたワイヤはその表面の潤滑性により引き抜
くことができる。金属ガラスに鋳込んだワイヤを引き抜
いて成形した細孔の側断面の顕微鏡写真をとって観察し
たところ、いずれのワイヤを引き抜いたときでも、ワイ
ヤが破断することなく、φ0.1mmの細孔を成形する
ことができた。また、図6にワイヤを引き抜く際に必要
な応力を引き抜き距離に対して示した。この引き抜き応
力は、ワイヤの破断強度(100kgf/mm2)の約
1/3〜1/5以下である。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法及び装置に
よれば、細穴を有するアモルファス合金成形品の鋳造に
使用される線状中子部材の鋳造後の引き抜きの困難性や
耐久性に起因する種々の問題が軽減され、短時間に生産
性良く低コストで、細穴を有するアモルファス合金成形
品を製造できる。その結果、細長い穴を有するアモルフ
ァス合金成形品であっても、簡単な工程でまた所定の形
状、高い寸法精度及び表面品質で成形加工でき、耐久
性、強度、耐衝撃性等に優れた細穴を有する安価なアモ
ルファス合金成形品、特に光コネクタ用フェルールもし
くはキャピラリが提供される。しかも、本発明に利用さ
れるアモルファス合金は強度、靭性、耐食性等に優れる
ため、摩耗、変形、欠け等が発生し難く、長期間の使用
に耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアモルファス合金成形品の製造工程の
一実施例を示す概略部分断面図である。
【図2】本発明の離型用材料の皮膜をコーティングした
線状中子部材を用いた実施例を示す概略部分断面図であ
る。
【図3】本発明の鋳造材の熱膨張係数よりも大きな材料
から作製した線状中子部材を用いた実施例を示す概略部
分断面図である。
【図4】本発明のアモルファス合金成形品の製造装置の
別の実施例を示す概略部分断面図である。
【図5】図4に示す装置を用いて製造されたアモルファ
ス合金成形品を示す概略部分断面図である。
【図6】MoS2をコーティングしたワイヤを金属ガラ
スに埋め込んだときのワイヤの引抜強度とストローク
(引き抜き距離)との関係を示すグラフである。
【図7】キャピラリ部とフランジ部が一体型の光コネク
タ用フェルールを示す概略部分断面図である。
【図8】キャピラリとフランジが別体型の光コネクタ用
フェルールを示す概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 金型 2 キャビティ 3 線状中子部材 4 アモルファス合金成形品(鋳造品) 5 細孔 6 離型用コーティング材料の皮膜 7 鋳造材 8 筒状ガイド部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H036 QA19 QA20 4E093 MA01 MA02 QB10 TA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の断面形状の線状中子部材が予めセ
    ットされた金型のキャビティ内にアモルファス合金を生
    じ得る材料の溶湯を鋳込み、上記線状中子部材の断面形
    状の細穴を形成したアモルファス合金成形品を製造する
    方法において、上記線状中子部材を保持した状態の鋳造
    品を、中子部材腐食液に浸漬して溶解させるか、又は加
    熱溶融することにより、又は中子部材に機械加工を行う
    ことにより、鋳造品から線状中子部材を除去することを
    特徴とするアモルファス合金成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 所望の断面形状の線状中子部材が予めセ
    ットされた金型のキャビティ内にアモルファス合金を生
    じ得る材料の溶湯を鋳込み、上記線状中子部材の断面形
    状の細穴を形成したアモルファス合金成形品を製造する
    方法において、上記線状中子部材として、離型用材料の
    皮膜をコーティングした線状中子部材、又は離型用材料
    を含有する線状中子部材を用い、鋳造後に鋳造材から線
    状中子部材を引き抜くことを特徴とするアモルファス合
    金成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 所望の断面形状の線状中子部材が予めセ
    ットされた金型のキャビティ内にアモルファス合金を生
    じ得る材料の溶湯を鋳込み、上記線状中子部材の断面形
    状の細穴を形成したアモルファス合金成形品を製造する
    方法において、上記中子部材として、鋳造材よりも熱膨
    張係数の大きな材料から作製した線状中子部材を用い、
    鋳造後に鋳造材から線状中子部材を引き抜くことを特徴
    とするアモルファス合金成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 鋳造の際に前記線状中子部材に軸線方向
    の振動を与えることを特徴とする請求項2又は3に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 所望の断面形状の線状中子部材が予めセ
    ットされた金型のキャビティ内にアモルファス合金を生
    じ得る材料の溶湯を鋳込み、上記線状中子部材の断面形
    状の細穴を形成したアモルファス合金成形品を製造する
    方法において、鋳造の際に前記線状中子部材に軸線方向
    の振動を与え、鋳造後に鋳造材から線状中子部材を引き
    抜くことを特徴とするアモルファス合金成形品の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 鋳造材から線状中子部材を引き抜く際
    に、鋳造材をそのガラス遷移温度(Tg)と融点(T
    m)の間の温度に保持することを特徴とする請求項2乃
    至5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記金型がキャビティ内に突出可能な筒
    状ガイド部材を備え、前記線状中子部材が該筒状ガイド
    部材と共にその中心孔を通して金型キャビティ内にセッ
    トされることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一
    項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記成形品が、光コネクタ用のフェルー
    ルもしくはキャピラリであることを特徴とする請求項1
    乃至7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 製品外形を規制するキャビティを有する
    金型と、該金型のキャビティ内に突出・後退自在に配設
    された可動筒状ガイド部材と、該可動筒状ガイド部材の
    中心孔を通して金型キャビティ内にセットされる線状中
    子部材とを備えることを特徴とする細穴を有するアモル
    ファス合金成形品の製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6758602B2 (en) * 2001-06-28 2004-07-06 Ykk Corporation Optical connector and optical connector ferrule to be used therein
CN108080605A (zh) * 2017-12-18 2018-05-29 浙江中盛新材料股份有限公司 金属材料上制备微纳孔径的方法

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US6758602B2 (en) * 2001-06-28 2004-07-06 Ykk Corporation Optical connector and optical connector ferrule to be used therein
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