JP2000323847A - 多層配線回路基板 - Google Patents

多層配線回路基板

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JP2000323847A
JP2000323847A JP12943599A JP12943599A JP2000323847A JP 2000323847 A JP2000323847 A JP 2000323847A JP 12943599 A JP12943599 A JP 12943599A JP 12943599 A JP12943599 A JP 12943599A JP 2000323847 A JP2000323847 A JP 2000323847A
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long
signal lines
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JP12943599A
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Masayuki Sasaki
正行 佐々木
Fumio Miyagawa
文雄 宮川
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Shinko Electric Industries Co Ltd
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Shinko Electric Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波信号を効率良く伝えることのできる信
号線路が備えられた多層配線回路基板を得る。 【解決手層】 最下層の絶縁層22下面にグランド層3
2を備えて、上層側の絶縁層24上面には、長尺の信号
線路14を配置する。そして、その長尺の信号線路14
を幅広く厚く形成して、その長尺の信号線路14を伝わ
る高周波信号の導体損失を少なく抑える。下層側の絶縁
層22、24間には、短尺の信号線路12を配置して、
その信号線路12を幅狭く薄く形成する。そして、その
長尺の信号線路14と短尺の信号線路12との特性イン
ピーダンスを、上記の共通のグランド層32により所定
値に共にマッチングさせる。そして、その長尺と短尺の
信号線路14、12に高周波信号を効率良く伝えること
ができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号線路が絶縁層
を介して上下に複数層に形成されてなる多層配線回路基
板に関する。
【0002】
【従来の技術】近時の多層配線回路基板は、該基板に実
装される電子回路部品の高周波化、高速化及びその電子
回路部品の高密度化、高集積化に伴って、その高周波信
号を伝える信号線路が益々細密化、高密度化された構造
となっている。この細密化、高密度化された信号線路
は、その幅が極めて狭く、その厚さも極めて薄い。
【0003】そのため、その細密化、高密度化された信
号線路に高周波信号を伝えた場合には、その導体損失が
大きくなって、その信号線路を高周波信号を効率良く伝
えることができない。また、上記の細密化、高密度化さ
れた信号線路においては、その隣合う信号線路のピッチ
が狭くなって、その隣合う信号線路間におけるインダク
タンス成分が増大し、その隣合う信号線路間で発生する
クロストークノイズが増大してしまう。このクロストー
クノイズの増大は、信号線路がその引回し長さが長く長
尺に形成されている場合において、著しい。
【0004】このような課題を解消するために、多層配
線回路基板に信号線路を絶縁層を介して上下に複数層に
分けて配置する方法が考えられる。この方法によれば、
その信号線路を上下に複数層に分けて配置した分、その
上部又は下部の隣合う信号線路のピッチを広げて、その
隣合う信号線路間に発生するクロストークノイズを減少
させることができる。また、その上下に複数層に分けて
そのピッチを広げた信号線路にあっては、その上部又は
下部の信号線路の幅を、その下部又は上部の隣合う信号
線路に邪魔されずに、広げることができる。そして、そ
の上下に複数層に分けた信号線路の導体抵抗値を低下さ
せて、その信号線路を伝わる高周波信号の導体損失を低
減させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにして、多層配線回路基板に信号線路を上下に複数
層に分けて配置した場合には、それに合わせて、その上
部及び下部に備えた信号線路の特性インピーダンスを所
定値の50Ω等にマッチングさせるためのグランド層
を、多層配線回路基板に上下に2層以上又は3層以上に
備える必要があって、その多層配線回路基板の薄型化、
簡易化を図ることができなかった。
【0006】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たもので、その上下に複数層に分けて備えた信号線路を
伝わる高周波信号の導体損失を少なく抑えることができ
ると共に、その上下に複数層に分けて備えた信号線路の
特性インピーダンスを所定値にマッチングさせるための
グランド層を上下に2層以上又は3層以上に備える必要
のない、薄型化、簡易化された多層配線回路基板を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手層】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1の多層配線回路基板は、信号線路が
絶縁層を介して上下に複数層に形成されてなる多層配線
回路基板であって、最下層の前記絶縁層下面には、グラ
ンド層が備えられ、上層側の前記絶縁層上面又は絶縁層
間には、幅が広くて厚い長尺の信号線路が配置され、下
層側の前記絶縁層間には、前記長尺の信号線路に比べて
幅が狭くて薄い短尺の信号線路が配置されて、前記上層
側の信号線路及び下層側の信号線路の特性インピーダン
スが、前記グランド層により所定値にマッチングされて
なることを特徴としている。
【0008】この第1の多層配線回路基板においては、
その上層側の絶縁層上面又は絶縁層間に配置された引回
し長さの長い信号線路であって、高周波信号を伝えた場
合にその導体損失が大きくなりやすい長尺の信号線路
が、幅広く厚く形成されている。そのため、その長尺の
信号線路に高周波信号を伝えた場合に、その信号線路を
伝わる高周波信号の導体損失を低く抑えることができ
る。また、長尺の信号線路が、短尺の信号線路から分離
させて、上層側の絶縁層上面又は絶縁層間に備えられて
いるため、その上層側の絶縁層上面又は絶縁層間に配置
された隣合う長尺の信号線路のピッチを、その短尺の信
号線路に邪魔されずに広げて、その引回し長さの長い隣
合う長尺の信号線路間のインダクタンス成分を減少させ
ることができる。そして、その隣合う長尺の信号線路間
に発生するクロストークノイズを低減させることができ
る。
【0009】また、その下層側の絶縁層間に配置された
引回し長さの短い信号線路であって、高周波信号を伝え
た場合にその導体損失が大きくなる虞のない短尺の信号
線路が、幅狭く薄く形成されている。そのため、その短
尺の信号線路が幅狭く薄く形成されていても、その信号
線路の引回し長さが短いため、その短尺の信号線路に高
周波信号を伝えた場合に、その信号線路を伝わる高周波
信号の導体損失を低く抑えることができる。また、その
短尺の信号線路が幅狭く形成されているため、その短尺
の信号線路を下層側の絶縁層間に狭ピッチで多数本並べ
て備えることができる。そして、その短尺の信号線路の
高密度化が図れる。また、その短尺の信号線路を狭いピ
ッチで並べて備えても、その信号線路の引回し長さが短
いため、その隣合う短尺の信号線路間に発生するクロス
トークノイズを低く抑えることができる。
【0010】また、最下層の絶縁層下面に備えられたグ
ランド層から遠い上層側の絶縁層上面又は絶縁層間に配
置された長尺の信号線路が幅広く厚く形成され、最下層
の絶縁層下面に備えられたグランド層に近い下層側の絶
縁層間に配置された短尺の信号線路が幅狭く薄く形成さ
れて、その上層側の絶縁層上面又は絶縁層間の長尺の信
号線路とその下層側の絶縁層間の短尺の信号線路との特
性インピーダンスが、最下層の絶縁層下面に備えられた
グランド層により、所定値の50Ω等にマッチングされ
ている。そのため、その上層側の長尺の信号線路とその
下層側の短尺の信号線路とに、高周波信号を共に伝送損
失少なく効率良く伝えることができる。また、その上層
側の長尺の信号線路とその下層側の短尺の信号線路との
特性インピーダンスを、最下層の絶縁層下面に備えられ
た共通の1層のグランド層により、所定値にマッチング
させることができる。そして、その上層側とその下層側
の信号線路の特性インピーダンスを所定値にマッチング
させるためのグランド層を上下に2層以上に備える必要
をなくすことができる。
【0011】また、上記の目的を達成するために、本発
明の第2の多層配線回路基板は、信号線路が絶縁層を介
して上下に複数層に形成されてなる多層配線回路基板で
あって、最上層の前記絶縁層上面と最下層の前記絶縁層
下面とには、グランド層が備えられ、中央寄りの前記絶
縁層間には、幅が広くて厚い長尺の信号線路が配置さ
れ、前記グランド層寄りの絶縁層間には、前記長尺の信
号線路に比べて幅が狭くて薄い短尺の信号線路が配置さ
れて、前記中央寄りの信号線路及びグランド層寄りの信
号線路の特性インピーダンスが、前記グランド層により
所定値にマッチングされてなることを特徴としている。
【0012】この第2の多層配線回路基板においては、
その中央寄りの絶縁層間に配置された引回し長さの長い
信号線路であって、高周波信号を伝えた場合にその導体
損失が大きくなりやすい長尺の信号線路が、幅広く厚く
形成されている。そのため、その長尺の信号線路に高周
波信号を伝えた場合に、その信号線路を伝わる高周波信
号の導体損失を低く抑えることができる。また、長尺の
信号線路が、短尺の信号線路から分離させて、中央寄り
の絶縁層間に備えられているため、その中央寄りの絶縁
層間に配置された隣合う長尺の信号線路のピッチを、短
尺の信号線路に邪魔されずに、広げて、その引回し長さ
の長い隣合う長尺の信号線路間のインダクタンス成分を
減少させることができる。そして、その隣合う長尺の信
号線路間に発生するクロストークノイズを低減させるこ
とができる。
【0013】また、そのグランド層寄りの絶縁層間に配
置された引回し長さの短い信号線路であって、高周波信
号を伝えた場合にその導体損失が大きくなる虞のない短
尺の信号線路が、幅狭く薄く形成されている。そのた
め、その短尺の信号線路が幅狭く薄く形成されていて
も、その信号線路の引回し長さが短いため、その短尺の
信号線路に高周波信号を伝えた場合に、その信号線路を
伝わる高周波信号の導体損失を低く抑えることができ
る。また、その短尺の信号線路が幅狭く形成されている
ため、その短尺の信号線路をグランド層寄りの絶縁層間
に狭ピッチで多数本並べて備えることができる。そし
て、その短尺の信号線路の高密度化が図れる。また、そ
の短尺の信号線路を狭いピッチで並べて備えても、その
信号線路の引回し長さが短いため、その隣合う短尺の信
号線路間に発生するクロストークノイズを低く抑えるこ
とができる。
【0014】また、最下層の絶縁層下面に備えられたグ
ランド層及び最上層の絶縁層上面に備えられたグランド
層から遠い中央寄りの絶縁層間に配置された長尺の信号
線路が幅広く厚く形成され、最下層の絶縁層下面に備え
られたグランド層又は最上層の絶縁層上面に備えられた
グランド層に近いグランド層寄りの絶縁層間に配置され
た短尺の信号線路が幅狭く薄く形成されて、その中央寄
りの信号線路とそのグランド層寄りの信号線路の特性イ
ンピーダンスが、最下層の絶縁層下面に備えられたグラ
ンド層及び最上層の絶縁層上面に備えられたグランド層
により、所定値の50Ω等にマッチングされている。そ
のため、その中央寄りの絶縁層間の長尺の信号線路とそ
のグランド層寄りの絶縁層間の短尺の信号線路とに、高
周波信号を伝送損失少なく効率良く伝えることができ
る。また、その中央寄りの絶縁層間の長尺の信号線路と
そのグランド層寄りの絶縁層間の短尺の信号線路とを、
最下層の絶縁層下面に備えられた共通のグランド層及び
最上層の絶縁層上面に備えられた共通のグランド層によ
り、所定値にマッチングさせることができる。そして、
その中央寄りの信号線路とそのグランド層寄りの信号線
路の特性インピーダンスを所定値にマッチングさせるた
めのグランド層を上下に3層以上に備える必要をなくす
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に従い説明する。図1ないし図3は本発明の第1の多層
配線回路基板の好適な実施の形態を示し、図1はその断
面図、図2はその平面図、図3はその断面図である。以
下に、この第1の多層配線回路基板を説明する。
【0016】図1ないし図3の第1の多層配線回路基板
では、信号線路12、14が、2層の絶縁層22、24
又は3層の絶縁層22、24、26を介して、上下に2
層に形成されている。具体的には、図1と図2に示した
第1の多層配線回路基板は、2層の絶縁層22、24が
積層されて形成されていて、上層側の絶縁層24上面と
下層側の絶縁層24、22間とに信号線路14、12が
上下に2層に分けて形成されている。それに対して、図
3の第1の多層配線回路基板では、3層の絶縁層22、
24、26が積層されて形成されていて、上層側の絶縁
層24、26間と下層側の絶縁層22、24間とに信号
線路14、12が上下に2層に分けて形成されている。
【0017】以上の構成は、従来の多層配線回路基板と
同様であるが、図1ないし図3の第1の多層配線回路基
板では、その最下層の絶縁層22下面に、グランド層3
2が広く連続して備えられている。
【0018】上層側の絶縁層24上面又は絶縁層24、
26間には、引回し長さの長い長尺の信号線路14が広
いピッチで複数本並べて配置されている。具体的には、
図1と図2に示した第1の多層配線回路基板では、上層
側の絶縁層24上面に、引回し長さの長い長尺の信号線
路14が広いピッチで複数本並べて配置されている。そ
れに対して、図3に示した第1の多層配線回路基板で
は、上層側の絶縁層24、26間に、引回し長さの長い
長尺の信号線路14が広いピッチで複数本並べて配置さ
れている。
【0019】下層側の絶縁層22、24間には、上記の
長尺の信号線路14に比べて引回し長さの短い短尺の信
号線路12が、狭いピッチで複数本並べて配置されてい
る。
【0020】最下層の絶縁層22下面に備えられたグラ
ンド層32から遠い上層側の絶縁層24上面又は絶縁層
24、26間に配置された長尺の信号線路14は、幅広
く厚く形成されている。それに対して、最下層の絶縁層
22下面に備えられたグランド層32に近い下層側の絶
縁層22、24間に配置された短尺の信号線路12は、
幅狭く薄く形成されいる。そして、その上層側の絶縁層
24上面又は絶縁層24、26間に幅広く厚く形成され
た長尺の信号線路14と、その下層側の絶縁層22、2
4間に幅狭く薄く形成された短尺の信号線路12との特
性インピーダンスが、最下層の絶縁層22下面に備えら
れた共通の1層のグランド層32により、所定値の50
Ω等に共にマッチングされている。
【0021】図1ないし図3に示した第1の多層配線回
路基板は、以上のように構成されていて、この第1の多
層配線回路基板においては、その上層側の絶縁層24上
面又は絶縁層24、26間に配置された引回し長さの長
い長尺の信号線路14が幅広く厚く形成されているた
め、その長尺の信号線路14に高周波信号を伝えた場合
に、その信号線路を伝わる高周波信号の導体損失を低く
抑えることができる。また、長尺の信号線路14が、該
長尺の信号線路に比べて引回し長さの短い短尺の信号線
路12から分離させて、上層側の絶縁層24上面又は絶
縁層24、26間に複数本並べて備えられているため、
その上層側の隣合う長尺の信号線路14のピッチを、短
尺の信号線路12に邪魔されずに、広げることができ
る。そして、その隣合う長尺の信号線路14間のインダ
クタンス成分を減少させて、その隣合う長尺の信号線路
14間に発生するクロストークノイズを低減させること
ができる。
【0022】また、その下層側の絶縁層22、24間に
配置された短尺の信号線路12が幅狭く薄く形成されて
いても、その信号線路12の引回し長さが短いため、そ
の短尺の信号線路12に高周波信号を伝えた場合に、そ
の信号線路12を伝わる高周波信号の導体損失を低く抑
えることができる。また、その短尺の信号線路12が幅
狭く形成されているため、その短尺の信号線路12を下
層側の絶縁層22、24間に狭いピッチで多数本並べて
備えることができる。そして、その短尺の信号線路12
の高密度化が図れる。また、その短尺の信号線路12を
狭いピッチで並べて備えても、その信号線路12の引回
し長さが短いため、その隣合う短尺の信号線路12間に
発生するクロストークノイズを低く抑えることができ
る。
【0023】また、最下層の絶縁層22下面に備えられ
たグランド層32から遠い上層側の絶縁層24上面又は
絶縁層24、26間に配置された長尺の信号線路14が
幅広く厚く形成され、最下層の絶縁層22下面に備えら
れたグランド層32に近い下層側の絶縁層22、24間
に配置された短尺の信号線路12が幅狭く薄く形成され
て、その上層側とその下層側の信号線路14、12の特
性インピーダンスが、最下層の絶縁層22下面に備えら
れたグランド層32により、所定値の50Ω等にマッチ
ングされている。そのため、その上層側の長尺の信号線
路14とその下層側の短尺の信号線路12とに、高周波
信号を伝送損失少なく効率良く伝えることができる。ま
た、その上層側の絶縁層24上面又は絶縁層24、26
間に配置された長尺の信号線路14とその下層側の絶縁
層22、24間に配置された短尺の信号線路12との特
性インピーダンスを、最下層の絶縁層22下面に備えら
れた共通の1層のグランド層32により、所定値にマッ
チングさせることができる。そして、その上層側の信号
線路14とその下層側の信号線路12との特性インピー
ダンスを所定値にマッチングさせるためのグランド層3
2を上下に2層以上に備える必要をなくすことができ
る。
【0024】ここで、上記のようにして、上層側の絶縁
層24上面又は絶縁層24、26間に配置された長尺の
信号線路14を幅広く厚く形成し、その下層側の絶縁層
22、24間に配置された短尺の信号線路12を幅狭く
薄く形成することにより、その上層側の信号線路14と
下層側の信号線路12との特性インピーダンスを、最下
層の絶縁層22下面に備えられた共通の1層のグランド
層32により、所定値の50Ω等にマッチングさせるこ
とができるのは、次の理由に基づく。
【0025】図4に示したような、絶縁層20下面にグ
ランド層30が広く連続して形成されて、その絶縁層2
0上面に信号線路10が備えられてなる配線回路基板の
信号線路10の特性インピーダンスZ0 は、次式で表さ
れる。
【0026】
【数1】 ここで、Wは信号線路10の幅を示し、tは信号線路1
0の厚さを示し、εre は絶縁層20の実効誘電率を示
し、εr は絶縁層20の比誘電率を示し、hは信号線路
10とグランド層30との間の距離を示している。
【0027】この数1の式から、上述の第1の多層配線
回路基板において、グランド層32からの距離hが遠い
上層側の絶縁層24上面又は絶縁層24、26間に配置
された信号線路14は、その幅Wを広げてその厚さtを
厚く形成し、グランド層32からの距離hが近い下層側
の絶縁層22、24間に配置された信号線路12は、そ
の幅Wを狭めてその厚さtを薄く形成すれば、その上層
側の信号線路14と下層側の信号線路12との特性イン
ピーダンスを、その最下層の絶縁層22下面に備えられ
た共通の1層のグランド層32により、所定値の50Ω
等に共にマッチングさせることができることが判る。
【0028】図5又は図6は本発明の第2の多層配線回
路基板の好適な実施の形態を示し、図5又は図6はその
断面図である。以下に、この第2の多層配線回路基板を
説明する。
【0029】図の第2の多層配線回路基板では、前述の
第1の多層配線回路基板と同様にして、信号線路12、
14、16が、4層の絶縁層22、24、26、28を
介して、上下に3層に形成されたり、又は信号線路1
2、14が、4層の絶縁層22、24、26、28を介
して、上下に2層に形成されたりしている。具体的に
は、図5に示した第2の多層配線回路基板では、その下
層側の絶縁層22、24間とその中間層側の絶縁層2
4、26間とその上層側の絶縁層26、28とに、信号
線路12、14、16が上下に3層に分けて備えられて
いる。それに対して、図6に示した第2の多層配線回路
基板では、その下層側の絶縁層22、24と中間層側の
絶縁層24、26間とに、信号線路12、14が上下に
2層に分けて備えられている。
【0030】以上の構成は、従来の多層配線回路基板と
同様であるが、図の第2の多層配線回路基板では、その
最上層の絶縁層28上面と最下層の絶縁層22下面と
に、グランド層34、32が広く連続して備えられてい
る。
【0031】中央寄りの中間層側の絶縁層24、26間
には、引回し長さの長い長尺の信号線路14が配置され
ている。具体的には、中央寄りの絶縁層24、26間に
長尺の信号線路14が、広いピッチで複数本並べて配置
されている。
【0032】グランド層34、32寄りの上層側の絶縁
層26、28間及び/又は下層側の絶縁層22、24間
には、上記の長尺の信号線路14に比べて引回し長さの
短い短尺の信号線路16及び/又は信号線路12が配置
されている。具体的には、図5に示した第2の多層配線
回路基板では、最上層の絶縁層28上面に備えられたグ
ランド層34寄りの絶縁層26、28間に、短尺の信号
線路16が狭いピッチで複数本並べて配置されている。
同様にして、最下層の絶縁層22下面に備えられたグラ
ンド層32寄りの絶縁層22、24間にも、短尺の信号
線路12が狭いピッチで複数本並べて配置されている。
それに対して、図6に示した第2の多層配線回路基板で
は、最上層の絶縁層28上面に備えられたグランド層3
4寄りの絶縁層26、28間、又は最下層の絶縁層22
下面に備えられたグランド層32寄りの絶縁層22、2
4間(図は、最下層の絶縁層22下面に備えられたグラ
ンド層32寄りの絶縁層22、24間としている)に、
短尺の信号線路16又は信号線路12(図は、信号線路
12としている)が狭いピッチで複数本並べて配置され
ている。
【0033】最上層の絶縁層28上面に備えられたグラ
ンド層34及び最下層の絶縁層22下面に備えられたグ
ランド層32から遠い中央寄りの絶縁層24、26間に
配置された信号線路14は、幅広く厚く形成されてい
る。それに対して、最上層の絶縁層28上面に備えられ
たグランド層34に近いグランド層34寄りの絶縁層2
6、28間に配置された信号線路16及び/又は最下層
の絶縁層22下面に備えられたグランド層32に近いグ
ランド層32寄りの絶縁層22、24間に配置された信
号線路12は、幅狭く薄く形成されている。そして、そ
の中央寄りの信号線路14とそのグランド層34寄りの
信号線路16及び/又はそのグランド層32寄りの信号
線路12との特性インピーダンスが、最上層の絶縁層2
8上面に備えられた共通のグランド層34と最下層の絶
縁層22下面に備えられた共通のグランド層32とによ
り、所定値の50Ω等に共にマッチングされている。
【0034】ここで、上記のようにすれば、その中央寄
りの信号線路14とそのグランド層34寄りの信号線路
16及び/又はそのグランド層32寄りの信号線路12
との特性インピーダンスを、上記の共通の2層のグラン
ド層34、32により、所定値の50Ω等に共にマッチ
ングさせることができる理由は、前述の第1の多層配線
回路基板で述べた上層側の信号線路14と下層側の信号
線路12との特性インピーダンスを、最下層の絶縁層2
2下面に備えられた共通の1層のグランド層32によ
り、所定値に共にマッチングさせることができる理由と
同じである。
【0035】図5又は図6に示した第2の多層配線回路
基板は、以上のように構成されていて、この第2の多層
配線回路基板においては、その中央寄りの絶縁層24、
26間に配置された引回し長さの長い信号線路14が幅
広く厚く形成されているため、その長尺の信号線路14
に高周波信号を伝えた場合に、その信号線路14を伝わ
る高周波信号の導体損失を低く抑えることができる。ま
た、長尺の信号線路14が、該長尺の信号線路に比べて
引回し長さの短い信号線路16及び/又は信号線路12
から分離させて、中央寄りの絶縁層24、26間に備え
られているため、その中央寄りの隣合う長尺の信号線路
14のピッチを、短尺の信号線路16及び/又は信号線
路12に邪魔されずに、広げて、その引回し長さの長い
隣合う信号線路14間のインダクタンス成分を減少させ
ることができる。そして、その隣合う長尺の信号線路1
4間に発生するクロストークノイズを低減させることが
できる。
【0036】また、そのグランド層34寄りの絶縁層2
6、28間に配置された短尺の信号線路16及び/又は
そのグランド層32寄りの絶縁層22、24間に配置さ
れた短尺の信号線路12が幅狭く薄く形成されていて
も、その信号線路16及び/又はその信号線路12の引
回し長さが短いため、その短尺の信号線路16及び/又
は信号線路12に高周波信号を伝えた場合に、その信号
線路16及び/又は信号線路12を伝わる高周波信号の
導体損失を低く抑えることができる。また、その短尺の
信号線路16及び/又は信号線路12が幅狭く形成され
ているため、その短尺の信号線路16及び/又は信号線
路12をグランド層34寄りの絶縁層26、28間及び
/又はグランド層32寄りの絶縁層22、24間に狭い
ピッチで多数本並べて備えることができる。そして、そ
の短尺の信号線路16及び/又は信号線路12の高密度
化が図れる。また、その短尺の信号線路16及び/又は
信号線路12を狭いピッチで並べて備えても、その信号
線路16及び/又は信号線路12の引回し長さが短いた
め、その隣合う短尺の信号線路16間及び/又は信号線
路12間に発生するクロストークノイズを低く抑えるこ
とができる。
【0037】また、中央寄りの絶縁層24、26間に配
置された長尺の信号線路14が幅広く厚く形成され、グ
ランド層34寄りの絶縁層26、28間に配置された短
尺の信号線路16及び/又はグランド層32寄りの絶縁
層22、24間に配置された短尺の信号線路12が幅狭
く薄く形成されて、その中央寄りの信号線路14とその
グランド層34寄りの信号線路16及び/又はそのグラ
ンド層32寄りの信号線路12との特性インピーダンス
が、最上層の絶縁層28上面に備えられたグランド層3
4と最下層の絶縁層22下面に備えられたグランド層3
2とにより、所定値の50Ω等にマッチングされている
ため、その中央寄りの長尺の信号線路14とそのグラン
ド層34寄りの短尺の信号線路16及び/又はそのグラ
ンド層32寄りの短尺の信号線路12とに、高周波信号
を伝送損失少なく効率良く伝えることができる。また、
その中央寄りの長尺の信号線路14とそのグランド層3
4寄りの短尺の信号線路16及び/又はそのグランド層
32寄りの短尺の信号線路12との特性インピーダンス
を、最上層の絶縁層28上面に備えられた共通のグラン
ド層34と最下層の絶縁層22下面に備えられた共通の
グランド層32とにより、所定値にマッチングさせるこ
とができる。そして、その中央寄りの信号線路14とそ
のグランド層34寄りの信号線路16及び/又はそのグ
ランド層32寄りの信号線路12との特性インピーダン
スを所定値にマッチングさせるためのグランド層を上下
に3層以上に備える必要をなくすことができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1又は
第2の多層配線回路基板によれば、引回し長さの長い長
尺の信号線路と、引回し長さの短い短尺の信号線路と
を、多層配線回路基板の上層側の絶縁層上面又は絶縁層
間と下層側の絶縁層間とに上下に分けて配置したり、又
は多層配線回路基板の中央寄りの絶縁層間とグランド層
寄の絶縁層間とに上下に分けて配置したりできる。そし
て、その引回し長さの長い長尺の信号線路を幅広く厚く
形成して、その長尺の信号線路を伝わる高周波信号の導
体損失を低減させることができる。また、引回し長さの
短い短尺の信号線路は、幅狭く形成して、その短尺の信
号線路を狭いピッチで多数本並べて備えることができ
る。そして、その短尺の信号線路の高密度化が図れる。
また、その隣合う信号線路間のインダクタンス成分が大
きくなりやすい引回し長さの長い長尺の信号線路は、そ
の隣合う長尺の信号線路のピッチを、短尺の信号線路に
邪魔されずに、広げて、その隣合う長尺の信号線路間に
発生するクロストークノイズを低減させることができ
る。さらに、その上層側又は中央寄りの絶縁層上面又は
絶縁層間に配置した長尺の信号線路と、その下層側又は
そのグランド層寄りの絶縁層間に配置した短尺の信号線
路との特性インピーダンスを、共通の1層又は2層のグ
ランド層を用いて、所定値の50Ω等に共にマッチング
させることができる。そして、その上下に分けて配置し
た長尺の信号線路と短尺の信号線路との特性インピーダ
ンスをマッチングさせるためのグランド層を多層配線回
路基板に上下に2層以上又は3層以上に備える必要をな
くすことができる。そして、多層配線回路基板の薄型
化、簡易化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の多層配線回路基板の断面図であ
る。
【図2】本発明の第1の多層配線回路基板の平面図であ
る。
【図3】本発明の第1の多層配線回路基板の断面図であ
る。
【図4】配線回路基板に備えられた信号線路の特性イン
ピーダンスZ0 を求める式の説明図である。
【図5】本発明の第2の多層配線回路基板の断面図であ
る。
【図6】本発明の第2の多層配線回路基板の断面図であ
る。
【符号の説明】
10 信号線路 12、16 短尺の信号線路 14 長尺の信号線路 20、22、24、26、28 絶縁層 30、32、34 グランド層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号線路が絶縁層を介して上下に複数層
    に形成されてなる多層配線回路基板であって、 最下層の前記絶縁層下面には、グランド層が備えられ、
    上層側の前記絶縁層上面又は絶縁層間には、幅が広くて
    厚い長尺の信号線路が配置され、下層側の前記絶縁層間
    には、前記長尺の信号線路に比べて幅が狭くて薄い短尺
    の信号線路が配置されて、前記上層側の信号線路及び下
    層側の信号線路の特性インピーダンスが、前記グランド
    層により所定値にマッチングされてなることを特徴とす
    る多層配線回路基板。
  2. 【請求項2】 信号線路が絶縁層を介して上下に複数層
    に形成されてなる多層配線回路基板であって、 最上層の前記絶縁層上面と最下層の前記絶縁層下面とに
    は、グランド層が備えられ、中央寄りの前記絶縁層間に
    は、幅が広くて厚い長尺の信号線路が配置され、前記グ
    ランド層寄りの絶縁層間には、前記長尺の信号線路に比
    べて幅が狭くて薄い短尺の信号線路が配置されて、前記
    中央寄りの信号線路及びグランド層寄りの信号線路の特
    性インピーダンスが、前記グランド層により所定値にマ
    ッチングされてなることを特徴とする多層配線回路基
    板。
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