JP2000322710A - 磁性材料のエッチング方法及びプラズマエッチング装置 - Google Patents
磁性材料のエッチング方法及びプラズマエッチング装置Info
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Abstract
磁性薄膜のエッチングの速度を遥かに高い速度とし、薄
膜磁気ヘッド等の製造へのこの種の技術の実用化の途を
開く。 【解決手段】 処理チャンバー2内にガス導入系3によ
って一酸化炭素とアンモニアの混合ガスが導入され、ヘ
リコン波プラズマを形成するプラズマ源1によってこれ
らのガスのプラズマが形成される。ニッケル、鉄、コバ
ルト、これらのうち少なくとも一つを含む合金、窒化物
もしくは酸化物、又は、これらの少なくとも一つを含む
金属間化合物から成る磁性材料である対象物9の表面に
は、一酸化炭素との反応によりカルボニル化合物が生成
され、このカルボニル化合物が蒸発してエッチングが行
われる。プラズマは1×1011cm-3以上の密度となっ
ており、質量の大きな一酸化炭素ガスが多くイオン化し
ていて対象物9の表面に多く入射するため、エッチング
速度が高くなる。
Description
ッチング技術に関するものであり、特に薄膜磁気ヘッド
の製造に好適に利用されるエッチング技術に関するもの
である。
ディスクドライブに搭載される薄膜磁気ヘッドの製造等
において重要な技術となっている。薄膜磁気ヘッドの製
造では、フレームメッキ法が多く用いられている。図4
は、従来技術としてのフレームメッキ法について説明す
る図である。まず、基板90の表面に所定のパターンで
フレームレジスト901を形成し(図4(1))、フレ
ームレジスト901に対してメッキにより磁性薄膜90
2を形成する。(図4(2))。そして、フレームレジ
スト901の内側の磁性薄膜902を覆うようにして上
部レジスト903を形成する(図4(3))。この状態
でエッチング液でウェットエッチングしてフレームレジ
スト901の外側の磁性薄膜902を除去し、その後上
部レジスト903及びフレームレジスト901を剥離す
る。この結果、所定のパターンの磁性薄膜902が得ら
れる(図4(4))。
磁気ディスクの高密度化に伴う薄膜磁気ヘッドの微細化
を背景として、その限界が指摘されている。フレームメ
ッキ法では厚いフレームレジストの形成が必要である
が、微細なパターンではその形成が困難となるからであ
る。
エッチング法により直接エッチングして所定のパターン
の磁性薄膜を得ることが検討されている。一つの方法
は、磁性薄膜にイオンを入射させてエッチングする方法
である。例えば、アルゴンガスのプラズマからイオンを
入射させたり、アルゴンのイオンビームを照射するなど
してエッチングすることが考えられる。しかしながら、
このような方法は物理エッチングであり、下地やマスク
等の他の材料に対する選択性が悪い。また、エッチング
速度も一般的に低く、生産性の点で問題がある。
オンエッチング(ReactiveIon Ecthi
ng, RIE)をこの種の磁性材料のエッチングに応
用することが検討されている。RIEによる磁性材料の
エッチングについては、例えば、J. Vac. Sci. Techno
l. A4(4), 1841(1986)や、Appl. Phys. Lett. 67(21),
3194(1995)で報告されている。しかしながら、これらの
報告では、エッチング速度は10nm/分以下と低い。
255(1997)等に、塩素ガスを用いることによりNi−F
e合金のエッチング速度300nm/分が得られた例が
報告されている。しかしながら、塩素ガスによる磁性材
料のエッチングでは、アフターコロージョンつまり表面
に塩素が残留することによる腐食の問題が発生しがちで
ある。アフターコロージョンは、エッチング後に水で洗
浄する等の処理を行うことにより防止できるが、工程数
が増大する問題がある。
フッ素等を使用しないものとしては、特許第26773
21号公報に開示された方法がある。この公報では、一
酸化炭素(CO)とアンモニア(NH3 )を混合したガ
スを用いることにより、Ni−Fe合金のエッチング速
度35nm/分、Co−Cr合金のエッチング速度2
4.4nm/分がそれぞれ得られたとされている。
とNH3 の混合ガスを用いることで、アフターコロージ
ョンの問題を招くことなく、薄膜磁気ヘッド等に適した
Ni、Co又はFeより成る磁性薄膜をエッチングする
ことが可能である。しかしながら、そのエッチング速度
は24〜35nm/分程度であり、依然として低い。薄
膜磁気ヘッドの製造では、2μmもの厚さのエッチング
を行う必要がある。従って、現状のエッチング速度では
50〜80分程度の時間を要することになり、実用化に
はまだ遠い計算である。本願の発明は、このような状況
を考慮して成されたものであり、COとNH3の混合ガ
スを用いた磁性薄膜のエッチングにおいて、現状を遥か
に越える高い速度でエッチングすることを可能にし、薄
膜磁気ヘッド等の製造へのこの種の技術の実用化の途を
開くという技術的意義を有する。
め、本願の請求項1記載の発明は、ニッケル、鉄、コバ
ルト、これらのうち少なくとも一つを含む合金、窒化物
もしくは酸化物、又は、これらの少なくとも一つを含む
金属間化合物から成る磁性材料である対象物の表面を臨
む空間に、アンモニア及び一酸化炭素の混合ガスのプラ
ズマを1×1011cm-3以上の密度で形成して、前記磁
性材料である表面をエッチングするという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発
明は、排気系を備えた処理チャンバーと、処理チャンバ
ー内にアンモニアガス及び一酸化炭素ガスを混合して導
入するガス導入系と、導入されたガスにエネルギーを供
給してこれらのガスのプラズマを1×1011cm-3以上
の密度で形成するプラズマ源と、表面がニッケル、鉄、
コバルト、これらのうち少なくとも一つを含む合金、窒
化物もしくは酸化物、又は、これらの少なくとも一つを
含む金属間化合物から成る磁性材料である対象物をその
表面が前記プラズマによってエッチングされる位置に保
持する対象物ホルダーとを備えているという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発
明は、上記請求項2の構成において、前記プラズマ源
は、ヘリコン波プラズマを形成するものであるという構
成を有する。また、上記課題を解決するため、請求項4
記載の発明は、上記請求項2の構成において、前記プラ
ズマ源は、マグネトロン放電プラズマを形成するもので
あるという構成を有する。
いて説明する。まず、請求項2及び請求項3の発明の実
施形態について説明する。図1は、請求項2及び請求項
3の発明の実施形態であるプラズマエッチング装置の概
略構成を示す正面断面図である。
リコン波プラズマによって対象物の表面をエッチングす
る装置となっている。ヘリコン波プラズマは、比較的低
い圧力でも高密度のプラズマが形成できるものとして注
目されている。ヘリコン波プラズマにおけるエネルギー
伝達のメカニズムは十分明らかになっていないところが
あるが、ランダウ減衰と呼ばれる現象により高周波から
電子に運動エネルギーが与えられることでプラズマが形
成されると考えられている。即ち、磁界により回転しな
がら移動する電子の速度がヘリコン波の位相速度に等し
いとき、電子から見てヘリコン波は止まっているのと同
様なので、電子はヘリコン波から連続的に加速されてエ
ネルギーを吸収し、これによって高密度のプラズマが形
成されるのである。
図1に示す装置は、ヘリコン波プラズマを発生させるプ
ラズマ源1と、プラズマ源1が発生させたプラズマが拡
散する処理チャンバー2と、処理チャンバー2内にCO
及びNH3 の混合ガスを導入するガス導入系3と、処理
チャンバー2内の所定位置にエッチングの対象物9を保
持する対象物ホルダー4等から主に構成されている。
て内部空間が連通するようにして気密に接続された誘電
体容器11と、誘電体容器11内にヘリコン波を誘起す
るアンテナ12と、アンテナ12に供給する高周波電力
を発生させるプラズマ用高周波電源13と、誘電体容器
11内に所定の磁界を設定する磁石14等とから構成さ
れている。誘電体容器11は、一端が開口であり他端が
半球状に閉じている円筒状の部材であり、石英等で形成
されている。処理チャンバー2の上壁部には開口が設け
られており、誘電体容器11の一端の開口とこの上壁部
の開口とを連通させるようにして誘電体容器11が処理
チャンバー2に気密に接続されている。
3.56MHzの高周波を発生させるものが使用され
る。アンテナ12は、棒状又は帯状の部材を丸めて両端
を少し離間させたほぼ円環状の形状であって、誘電体容
器11を取り囲むよう誘電体容器11と同軸上に配置さ
れている。アンテナ12は誘電体容器11の軸方向に二
つ設けられており、両者の両端部がそれぞれ中継ロッド
121で電気的に接続されている。
は、不図示の整合器を介して同軸ケーブルのような伝送
路15によって接続されている。プラズマ用高周波電源
13が発生させた高周波が伝送路15によって二つのア
ンテナ12に供給された際、二つのアンテナ12には互
いに逆向きの電流が流れるようになっている。この結
果、誘電体容器11の内部に、ヘリコン波(ここでは、
ホイスラー波と同様の右回りの円偏波)が誘起されるよ
うになっている。尚、二つのアンテナ12の離間間隔
は、電子の移動速度との関係においてヘリコン波の位相
速度が最適になるように選定されている。
に平行な磁界を誘電体容器11内に設定するためのもの
である。磁界の強さは、誘電体容器11の中心軸付近で
例えば100ガウス程度とされる。本実施形態では、磁
石14は電磁石であり、同軸上に二つ設けられている。
内側の磁石14は主にヘリコン波プラズマ形成のため、
外側の磁石14は主に磁界形状の調整のために設けられ
ている。
31及びNH3 ガスを溜めたボンベ31と、各ボンベ3
1と処理チャンバー2とを繋ぐ配管32上に設けられた
バルブ33,流量調整器34及び不図示のフィルタ等か
ら主に構成されている。COガス及びNH3 ガスの混合
比及び流量は、各流量調整器34によって調整できるよ
うになっている。処理チャンバー2は、不図示のゲート
バルブを備えた気密な真空容器である。処理チャンバー
2に付設された排気系21は、拡散ポンプやターボ分子
ポンプ等を備えて所定の到達圧力まで処理チャンバー2
内を排気可能に構成される。
に示すように多数の側壁用磁石22が設けられている。
側壁用磁石22は、処理チャンバー2の側壁を臨む面の
磁極が隣り合う磁石同士で互いに異なるよう周方向多数
並べて配置されたものである。これらの側壁用磁石22
により、処理チャンバー2の側壁の内面に沿ってカスプ
磁場が周方向に連なって形成される。この結果、当該内
面へのプラズマの拡散が防止されるようになっている。
ものが想定されている。対象物ホルダー4は、このよう
な対象物9を上面に載置して保持する台状の部材であ
る。対象物ホルダー4には、対象物9にセルフバイアス
電圧を印加するためのバイアス用高周波電源5が設けら
れている。このバイアス用高周波電源5には、数MHz
から数10MHz程度の周波数のものが使用され、プラ
ズマと高周波との相互作用によって対象物9の表面に負
の直流分の電圧であるセルフバイアス電圧を印加するよ
う構成されている。より具体的には、例えば1.6MH
zや13.56MHz程度の周波数のものがバイアス用
高周波電源5として好適に使用可能である。尚、セルフ
バイアス電圧の印加のためには、対象物9が直流的にア
ースから絶縁される必要があり、このため、バイアス用
高周波電源5と対象物ホルダー4との間にコンデンサが
配置される場合がある。対象物ホルダー4内には、対象
物9を加熱又は冷却しながら対象物9の温度を所定の値
に制御する温度制御機構41が設けられている。そし
て、対象物9と対象物ホルダー4の上面との間に、He
等の熱伝導性の良好なガスを供給する不図示の熱伝導用
ガス供給系が設けられている。
法の発明の実施形態の説明も兼ねて、上記構成の装置の
動作について説明する。まず、対象物9の表面は、ニッ
ケル、鉄、コバルト、これらのうち少なくとも一つを含
む合金、窒化物もしくは酸化物、又は、これらの少なく
とも一つを含む金属間化合物から成る磁性材料となって
いる。このような対象物9は、所定圧力に排気されてい
る不図示の真空補助チャンバー内に位置している。処理
チャンバー2内が排気系21によって真空補助チャンバ
ーと同程度まで排気されていることを確認すると、不図
示のゲートバルブが開いて対象物9が処理チャンバー2
内に搬入され、対象物ホルダー4に保持される。対象物
9は、温度制御機構41により所定の温度に維持され
る。
及びNH3 ガスを所定の混合比及び流量で処理チャンバ
ー2内に導入する。導入されたガスは、処理チャンバー
2内を経由して誘電体容器11内に拡散する。そして、
プラズマ源1が動作してプラズマが形成される。即ち、
プラズマ用高周波電源13からアンテナ12に高周波が
供給され、前述したようにヘリコン波が誘起される。こ
の結果、ヘリコン波のエネルギーがガスに与えられてヘ
リコン波プラズマが形成される。同時にバイアス用高周
波電源5を動作させ、対象物9に負の直流分の電圧であ
るセルフバイアス電圧を与える。
ら処理チャンバー2内に拡散し、対象物9の表面付近に
まで達する。この際、プラズマ中の生成物の作用によ
り、対象物9の表面がエッチングされる。所定時間エッ
チングを行った後、ガス導入系3、プラズマ源1及びバ
イアス用高周波電源5の動作を止め、処理チャンバー2
内を再度排気した後、対象物9を処理チャンバー2から
取り出す。
について、具体的に説明する。上述したCOとNH3 の
混合ガスから成るプラズマ中では、COの活性種が生成
される。このCO活性種が、対象物9の表面のNi、F
e又はCoと反応し、Ni(CO)4 、Fe(CO)5
又はCo2(CO)8 のようなカルボニル化合物が生ず
る。一方、セルフバイアス電圧が与えられている対象物
9の表面には、プラズマからイオンが引き出されて入射
する。このイオン入射の衝撃により、表面のカルボニル
化合物が蒸発する。
一般的には反応性エッチングによっても充分な速度でエ
ッチングするのは困難である。つまり、ニッケル、鉄、
コバルト等の遷移金属の塩化物やフッ化物は揮発性が低
かったり(飽和蒸気圧が低かったり)、結合エネルギー
が大きかったりするため、塩素系ガスやフッ素系ガスを
使用して塩化物やフッ化物を生じさせても容易にはエッ
チングできない。尚、ここで言及した「結合エネルギ
ー」は、そのような遷移金属の化合物の分子間に働く結
合エネルギーのことを意味している。
金属の化合物の中でも揮発性の高い(又は結合エネルギ
ーの小さい)数少ない化合物である。上述したように、
CO活性種によってカルボニル化合物が生成された磁性
材料の表面は、プラズマ中のイオンの入射によって蒸発
する。このようなメカニズムにより、本実施形態の装置
及び方法におけるエッチングは成される。尚、この際の
カルボニル化合物の蒸発は、スパッタエッチングと呼び
得るもの場合もあるし、単にイオン入射によって与えら
れたエネルギーにより加熱されて蒸発する場合もあると
考えられる。
は、上記CO活性種によるカルボニル化合物の生成を促
進する作用を有する。上述したようにプラズマ中でCO
活性種が生成され、これによって磁性材料の表面にカル
ボニル化合物が形成されるものの、プラズマ中では、以
下の式(1)に示すように、COが炭素と二酸化炭素に
分解する不均等化反応が進行する。 2CO→C+CO2 ……(1) 混合されたNH3 ガスは、この式(1)の不均等化反応
を抑制する働きがある。不均等化反応が抑制される結
果、COが失われることなく、CO活性種を豊富に生成
することができる。これにより、上述した高い速度のエ
ッチングが維持される。
コン波プラズマを形成するものであり、そのプラズマ密
度は1×1011cm-3以上となっている。この構成は、
この種のエッチングにおけるエッチング速度とプラズマ
密度との関係について研究した発明者の研究成果に基づ
くものである。この点について、以下に説明する。図2
は、エッチング速度とプラズマ密度との関係について調
べた実験結果を示す図である。この図2に示す実験で
は、図1に示す装置を使用し、磁性材料としてNi−F
e合金をエッチングした。プラズマ密度は、処理チャン
バー2内の圧力、ガス流量、プラズマ源1のプラズマ用
高周波電源13の出力等を調整して変化させた。また、
プラズマ密度は、図1に示す装置において、対象物9の
中心軸上で対象物9の表面から20mmの高さの位置に
おける値をラングミュアプローブにより測定した。
用高周波電源5の周波数や出力が同じでもセルフバイア
ス電圧の大きさが変わってしまう。セルフバイアス電圧
はイオン入射用の電界をもたらすものであるから、セル
フバイアス電圧が変化してしまうと、対象物9の表面の
イオン衝撃の強さも変化してしまう。プラズマ密度の変
化がエッチング速度にどのような影響を与えるかを純粋
に調べるためには、イオン衝撃の強さを一定にしなけれ
ばならない。このようなことから、この図2に示す実験
においては、バイアス用高周波電源5の出力を調整しな
がらプラズマ密度を変化させ、プラズマ密度の変化にか
かわらず一定のセルフバイアス電圧になるようにした。
マ密度1×1011cm-3を境にしてエッチング速度が急
激に上昇している。この点の原因は、プラズマの状態が
プラズマ密度1×1011cm-3を境にして変化すること
にあるものと推察される。つまり、プラズマ密度1×1
011cm-3を境にして、質量の大きなCOイオンが飛躍
的多くなることが原因であると推察される。
プラズマ源1によってプラズマが形成された際、導入さ
れたガスが全てプラズマ化している(イオンと電子に電
離している)訳ではなく、相当数の中性ガス分子が存在
している。プラズマ用高周波電源13の出力を上昇させ
て供給するエネルギーを多くすると、電離するガスが多
くなってプラズマ密度が高くなり、その分、中性ガス分
子が少なくなる。ここで、供給エネルギーの少ないうち
は、イオン化エネルギーの低いNH3 ガスが支配的に電
離する。そして、供給エネルギーが多くなると、イオン
化エネルギーの高いCOガスも多く電離するようにな
る。COはNH3 よりも質量が大きいから、イオン衝撃
した際のエネルギーもNH3 より高い。プラズマ密度1
×1011cm-3を境にして、エッチング速度が急激に上
昇するのは、質量の高いCOイオンの入射が急激に多く
なる結果であると推察されるのである。本実施形態の装
置及び方法は、このような実験の結果を踏まえ、1×1
011cm-3以上の高密度プラズマを形成してエッチング
を行う構成とされている。このため、従来に比べてエッ
チング速度が飛躍的に向上し、厚い磁性薄膜でも短時間
にエッチングできる実用的な構成となる。
条件は対象物9の表面で達成されることが好ましいが、
対象物9の表面とプラズマとの間にはいわゆるシースの
状態となるため、対象物9の表面まで厳密な意味でプラ
ズマが拡散することはあり得ない。従って、プラズマ密
度1×1011cm-3以上の条件は、対象物9の表面から
シースの厚さ以上の距離離れた場所でということにな
る。この種の装置の実用的な構成においては、対象物9
の表面から20mm以上のところは通常はシースの領域
には入らない。従って、対象物9の表面から20mm以
上のところでプラズマ密度1×1011cm-3以上という
条件を設定することも可能である。また、エッチング中
の対象物9の温度については、130℃以上とすること
が好ましい。130℃より低いと、所定時間のエッチン
グ終了後も対象物9の表面に残さ(エッチングされない
で残った粒状物質)が発生するからである。
形態であるプラズマエッチング装置について説明する。
図3は、請求項2及び請求項4の発明の実施形態である
プラズマエッチング装置の概略構成を示す正面断面図で
ある。
プラズマを形成してエッチングを行うようになってい
る。具体的に説明すると、図3に示す装置は、マグネト
ロン放電プラズマを発生させるプラズマ源1と、プラズ
マ源1が発生させたプラズマが拡散する処理チャンバー
2と、処理チャンバー2内にCO及びNH3 の混合ガス
を導入するガス導入系3と、処理チャンバー2内の所定
位置に対象物9を保持する対象物ホルダー4等から主に
構成されている。プラズマ源1は、マグネトロン電極1
6と、マグネトロン電極16に電圧を印加してマグネト
ロン放電を生じさせる放電用電源17とから主に構成さ
れている。
4に対向するよう設けられた電極板18と、電極板18
の背後に設けられた磁石ユニット19とから構成されて
いる。磁石ユニット19は、柱状の中心磁石191と、
中心磁石191を取り囲む周状の周辺磁石192と、中
心磁石191及び周辺磁石192とを繋ぐヨーク193
とから構成されている。尚、電極板18が設けられず、
磁石ユニット19のみでマグネトロン電極16が構成さ
れる場合もある。放電用電源17には、高周波電源又は
負の直流電源が使用される。中心磁石191と周辺磁石
192との間には、図3に示すような磁力線194で代
表される磁界が設定される。放電用電源17によって設
定される電界はこの磁界に直交し、マグネトロン構造が
達成される。磁界と電界との直交関係は、マグネトロン
電極16の軸の周りに周状に連なった状態である。
と、ガス導入系3によってCOガス及びNH3 ガスを所
定の混合比及び流量で処理チャンバー2内に導入しなが
ら、プラズマ源1を動作させる。即ち、放電用電源17
によって電極板18に所定の電圧を印加する。この結
果、導入されたガスに放電が生じる。この際、電子は磁
界と電界との直交関係によってマグネトロン運動し、高
効率で中性ガス分子をイオン化させる。この放電によっ
てガスがプラズマ化し、マグネトロン放電プラズマが形
成される。そして、前述したのと同様に、プラズマ中で
生成されるCO活性種によって対象物9の表面にカルボ
ニル化合物が形成され、このカルボニル化合物がイオン
衝撃によって蒸発する。この際、対象物9にはバイアス
用高周波電源5によってセルフバイアス電圧が与えら
れ、イオンが効率よく表面に入射する。
密度は1×1011cm-3以上であり、質量の大きなCO
イオンが多く入射するため、従来に比べて飛躍的に高い
エッチング速度が得られる。上述したプラズマ源1は、
電子をマグネトロン運動させるため、このような高密度
のプラズマを容易に形成することが可能である。
例について説明する。まず、シリコンウェーハ上にNi
−Fe合金薄膜をスパッタリングにより作成し、この上
にチタン製のマスクパターンを形成したものが対象物9
として用いられた。装置としては、第一の実施形態のも
のが使用された。対象物9を対象物ホルダー4上に保持
し、その温度を150℃に維持した。そして、ガス導入
系3によって、COガスを20SCCM(SCCMは0
℃1気圧での気体の流量(立方センチメートル))、N
H3 ガスを20SCCMの流量で処理チャンバー2内に
導入した。また、排気系21によって処理チャンバー2
内を0.8Paに維持した。この状態で、プラズマ用高
周波電源13によって13.56MHz1500Wの高
周波を供給し、1×1011cm-3の密度のプラズマを形
成してエッチングを行った。この結果、80nm/分程
度という極めて高い速度でNi−Fe合金薄膜がエッチ
ングされた。また、マスクであるチタンのエッチング速
度は、Ni−Fe合金のエッチング速度の1/9程度で
あり、選択性の点でも優れた結果が得られた。エッチン
グ後、湿度40%の大気下に2週間放置してもアフター
コロージョンは発生しなかった。
ーハ上にFeN薄膜をスパッタリングにより作成し、こ
の上にチタン製のマスクパターンを形成したものが用い
られた。装置としては、同様に第一の実施形態のものが
使用された。この対象物9の温度を170℃、COガス
の流量を35SCCM、NH3 ガスの流量を50SCC
M、処理チャンバー2内の圧力を0.4Paとし、1
3.56MHz3000Wの高周波によって5×1011
cm-3程度の密度のヘリコン波プラズマを形成してエッ
チングを行った。この結果、130nm/分という極め
て高い速度でFeN合金がエッチングされた。
ェーハ上にNi−Fe−Co合金薄膜をスパッタリング
により作成し、この上にチタン製のマスクパターンを形
成したものが用いられた。装置としては、第二の実施形
態のものが使用された。この対象物9の温度を150
℃、COガスの流量を20SCCM、NH3 ガスの流量
を70SCCM、処理チャンバー2内の圧力を2.6P
aとし、13.56MH800Wの高周波によって2×
1011cm-3程度の密度のマグネトロン放電プラズマを
形成してエッチングを行った。この結果、90nm/分
という極めて高い速度でNi−Fe−Co合金がエッチ
ングされた。
料は、Ni、Fe、Co、これらのうち少なくとも一つ
を含む合金、窒化物もしくは酸化物、又は、これらの一
つを含む金属間化合物であればよく、前述したものには
限定されない。例えば、センダスト合金(Fe−Al−
Si合金)、非晶質合金、グラニュラー合金(Co−A
l−O合金)等の磁性材料をエッチングするよう構成す
ることができる。
ン波プラズマを形成するものやマグネトロン放電プラズ
マを形成するもの以外であっても、1×1011cm-3以
上の密度のプラズマを形成することができるものであれ
ば、他の構成のものも使用できる。例えば、ECR(電
子サイクロトロン共鳴)プラズマを形成するもの等であ
る。さらに、エッチングプロセスの用途としては、前述
した薄膜磁気ヘッドの製造の他、マイクロトランスやマ
イクロ磁気回路の製造等が挙げられる。
法又は装置によれば、従来に比べてエッチング速度が飛
躍的に向上し、厚い磁性薄膜でも短時間にエッチングで
きる実用的な構成となる。
プラズマエッチング装置の概略構成を示す正面断面図で
ある。
て調べた実験結果を示す図である。
プラズマエッチング装置の概略構成を示す正面断面図で
ある。
明する図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ニッケル、鉄、コバルト、これらのうち
少なくとも一つを含む合金、窒化物もしくは酸化物、又
は、これらの少なくとも一つを含む金属間化合物から成
る磁性材料である対象物の表面を臨む空間に、アンモニ
ア及び一酸化炭素の混合ガスのプラズマを1×1011c
m-3以上の密度で形成して、前記磁性材料である表面を
エッチングすることを特徴とする磁性材料のエッチング
方法。 - 【請求項2】 排気系を備えた処理チャンバーと、処理
チャンバー内にアンモニアガス及び一酸化炭素ガスを混
合して導入するガス導入系と、導入されたガスにエネル
ギーを供給してこれらのガスのプラズマを1×1011c
m-3以上の密度で形成するプラズマ源と、表面がニッケ
ル、鉄、コバルト、これらのうち少なくとも一つを含む
合金、窒化物もしくは酸化物、又は、これらの少なくと
も一つを含む金属間化合物から成る磁性材料である対象
物をその表面が前記プラズマによってエッチングされる
位置に保持する対象物ホルダーとを備えていることを特
徴とするプラズマエッチング装置。 - 【請求項3】 前記プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ
を形成するものであることを特徴とする請求項2記載の
プラズマエッチング装置。 - 【請求項4】 前記プラズマ源は、マグネトロン放電プ
ラズマを形成するものであることを特徴とする請求項2
記載のプラズマエッチング装置。
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