JP2000322705A - 磁気ヘッド - Google Patents
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- JP2000322705A JP2000322705A JP12878099A JP12878099A JP2000322705A JP 2000322705 A JP2000322705 A JP 2000322705A JP 12878099 A JP12878099 A JP 12878099A JP 12878099 A JP12878099 A JP 12878099A JP 2000322705 A JP2000322705 A JP 2000322705A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、磁気コアが単結晶フェライトから
なる磁気ヘッドであって磁気ギャップのアジマス角が大
きくかつそのトラック幅が狭い場合であっても、トラッ
ク幅部分を加工形成する際の欠落破壊や強度の脆弱化を
防止することが可能な磁気ヘッドを提供することを目的
とする。 【解決手段】 摺動面11において、磁気ギャップgを
挟む軟磁性膜13a、13b及び基体14a、14bが
磁気テープの摺動方向に沿って直線状に機械加工され磁
気ギャップgのトラック幅Twを規定するトラック端加
工溝が形成されている。ギャップ対接面は基体14a、
14bをなす単結晶フェライト(100)面からアジマ
ス角θだけ傾いた面であり、摺動面11は(110)面
であり、トラック端加工溝の加工方向は単結晶フェライ
トの劈開面をなす(100)面に垂直な<100>方向
に略一致し、そのズレが5度以内に抑えられている。
なる磁気ヘッドであって磁気ギャップのアジマス角が大
きくかつそのトラック幅が狭い場合であっても、トラッ
ク幅部分を加工形成する際の欠落破壊や強度の脆弱化を
防止することが可能な磁気ヘッドを提供することを目的
とする。 【解決手段】 摺動面11において、磁気ギャップgを
挟む軟磁性膜13a、13b及び基体14a、14bが
磁気テープの摺動方向に沿って直線状に機械加工され磁
気ギャップgのトラック幅Twを規定するトラック端加
工溝が形成されている。ギャップ対接面は基体14a、
14bをなす単結晶フェライト(100)面からアジマ
ス角θだけ傾いた面であり、摺動面11は(110)面
であり、トラック端加工溝の加工方向は単結晶フェライ
トの劈開面をなす(100)面に垂直な<100>方向
に略一致し、そのズレが5度以内に抑えられている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気ヘッドに係り、
特に高い記録密度で情報の記録・再生を行うVTR(Vi
deo Tape Recorder )やデータストレージ装置に用いら
れる磁気ヘッドに関するものである。
特に高い記録密度で情報の記録・再生を行うVTR(Vi
deo Tape Recorder )やデータストレージ装置に用いら
れる磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気ヘッドを、図15を用いて説
明する。図15に示されるように、一対の磁気コア半体
30a、30bが、磁気テープと摺動する摺動面31の
略中央に位置する磁気ギャップgを境として接合されて
いると共に、融着用ガラス32によって接着され、一体
化されている。
明する。図15に示されるように、一対の磁気コア半体
30a、30bが、磁気テープと摺動する摺動面31の
略中央に位置する磁気ギャップgを境として接合されて
いると共に、融着用ガラス32によって接着され、一体
化されている。
【0003】なお、この磁気ギャップgは、一対の磁気
コア半体30a、30bのギャップ対接面に挟まれた非
磁性ギャップ膜(図示せず)から構成されていると共
に、磁気ヘッドに用いられる記録フォーマットにより決
定されるアジマス角θを有している。
コア半体30a、30bのギャップ対接面に挟まれた非
磁性ギャップ膜(図示せず)から構成されていると共
に、磁気ヘッドに用いられる記録フォーマットにより決
定されるアジマス角θを有している。
【0004】また、これら接合一体化されている一対の
磁気コア半体30a、30bは、それぞれ磁気ギャップ
gに隣接する主コア部としての軟磁性膜33a、33b
と、これらの軟磁性膜33a、33bと共に閉磁路をな
す副コア部としてのフェライト系材料からなる基体34
a、34bとから構成されている。
磁気コア半体30a、30bは、それぞれ磁気ギャップ
gに隣接する主コア部としての軟磁性膜33a、33b
と、これらの軟磁性膜33a、33bと共に閉磁路をな
す副コア部としてのフェライト系材料からなる基体34
a、34bとから構成されている。
【0005】また、これら基体34a、34bには、磁
気ギャップgのギャップデプスを規制すると共に、コイ
ル(図示せず)を巻装するために、巻線溝35a、35
bが略矩形の両側面形状となるように形成されている。
気ギャップgのギャップデプスを規制すると共に、コイ
ル(図示せず)を巻装するために、巻線溝35a、35
bが略矩形の両側面形状となるように形成されている。
【0006】また、摺動面31においては、その両側に
磁気ギャップgのトラック幅を規定するためのトラック
端加工溝が半円状に形成されている。そして、これら2
つの半円状のトラック端加工溝内には、非磁性材料とし
てのガラスが充填され、表面埋設ガラス層36が形成さ
れている。
磁気ギャップgのトラック幅を規定するためのトラック
端加工溝が半円状に形成されている。そして、これら2
つの半円状のトラック端加工溝内には、非磁性材料とし
てのガラスが充填され、表面埋設ガラス層36が形成さ
れている。
【0007】次に、上記図15に示される従来の磁気ヘ
ッドを用いたヘリカルスキャン方式のVTRのヘッド走
査機構を、図16を用いて説明する。図16に示される
ように、アジマス角が異なる一組の磁気ヘッドA、B
が、ドラム37に対し対向する位置関係で配置されてい
る。そして、これら一組の磁気ヘッドA、Bの内、一方
の磁気ヘッドAが記録媒体としての磁気テープ38上に
記録信号を書き残し、他方の磁気ヘッドBが前の記録信
号の片側に隣接する位置に新たな磁気記録信号を記録す
る作用を順次繰り返し、磁気テープ38上に高密度に記
録信号を記録する。そして、その際に、新たな磁気記録
信号が前の記録信号の片側の一部に重なって記録される
オーバーライト記録が行われる。
ッドを用いたヘリカルスキャン方式のVTRのヘッド走
査機構を、図16を用いて説明する。図16に示される
ように、アジマス角が異なる一組の磁気ヘッドA、B
が、ドラム37に対し対向する位置関係で配置されてい
る。そして、これら一組の磁気ヘッドA、Bの内、一方
の磁気ヘッドAが記録媒体としての磁気テープ38上に
記録信号を書き残し、他方の磁気ヘッドBが前の記録信
号の片側に隣接する位置に新たな磁気記録信号を記録す
る作用を順次繰り返し、磁気テープ38上に高密度に記
録信号を記録する。そして、その際に、新たな磁気記録
信号が前の記録信号の片側の一部に重なって記録される
オーバーライト記録が行われる。
【0008】ところで、磁気ヘッドA、Bによって磁気
テープ38上に磁気記録信号を記録する際には、磁気ヘ
ッドA、Bのギャップ端に漏洩磁界が発生する。そし
て、例えば図17に示されるように、半円状の表面埋設
ガラス層36に挟まれた磁気ギャップg端部の形状が不
確定である場合、磁気ギャップg端近傍から磁界が漏洩
し、この漏洩磁界が既に記録してある磁気記録パターン
上を摺動するため、重畳した信号を書き込むことにな
る。なお、図中の矢印は磁束を表示したものであり、こ
の表示は以下に示す図18及び図19においても同様と
する。
テープ38上に磁気記録信号を記録する際には、磁気ヘ
ッドA、Bのギャップ端に漏洩磁界が発生する。そし
て、例えば図17に示されるように、半円状の表面埋設
ガラス層36に挟まれた磁気ギャップg端部の形状が不
確定である場合、磁気ギャップg端近傍から磁界が漏洩
し、この漏洩磁界が既に記録してある磁気記録パターン
上を摺動するため、重畳した信号を書き込むことにな
る。なお、図中の矢印は磁束を表示したものであり、こ
の表示は以下に示す図18及び図19においても同様と
する。
【0009】また、例えば図18に示されるように、磁
気テープとの摺動面の両側面を直線状に機械加工して磁
気ギャップgのトラック幅を規定し、上記図17に示さ
れる半円状の表面埋設ガラス層36に挟まれた磁気ギャ
ップg端部の形状的な不確定を解消しても、この摺動面
の機械加工方向が磁気テープの走行方向とずれている場
合には、磁気ギャップg端近傍から漏洩した磁界が既に
記録してある磁気記録パターン上を摺動することによ
り、重畳した信号を書き込むことになる。
気テープとの摺動面の両側面を直線状に機械加工して磁
気ギャップgのトラック幅を規定し、上記図17に示さ
れる半円状の表面埋設ガラス層36に挟まれた磁気ギャ
ップg端部の形状的な不確定を解消しても、この摺動面
の機械加工方向が磁気テープの走行方向とずれている場
合には、磁気ギャップg端近傍から漏洩した磁界が既に
記録してある磁気記録パターン上を摺動することによ
り、重畳した信号を書き込むことになる。
【0010】このため、従来の磁気ヘッドA、Bを用い
たヘリカルスキャン方式において、オーバーライト記録
が行われる際には、磁気ヘッドのギャップg端近傍から
漏洩する磁界によってオーバーライト端の記録情報が影
響を受ける結果、消去領域の増加や不要記録情報の重ね
書きが発生するという問題が生じる。
たヘリカルスキャン方式において、オーバーライト記録
が行われる際には、磁気ヘッドのギャップg端近傍から
漏洩する磁界によってオーバーライト端の記録情報が影
響を受ける結果、消去領域の増加や不要記録情報の重ね
書きが発生するという問題が生じる。
【0011】このような問題に対処するために、例えば
図19に示されるように、磁気テープとの摺動面の両側
面を磁気テープの走行方向に沿って直線状に機械加工
し、高い寸法精度の幅をもつトラック幅部分を形成する
ことが望ましい。
図19に示されるように、磁気テープとの摺動面の両側
面を磁気テープの走行方向に沿って直線状に機械加工
し、高い寸法精度の幅をもつトラック幅部分を形成する
ことが望ましい。
【0012】この場合、磁気ギャップg端近傍から磁界
が漏洩するものの、磁気テープの走行方向に沿って連続
的に漏洩磁界が発生する位置構成となるため、この漏洩
磁界が既に記録してある磁気記録パターン上への磁気的
な影響は限定された幅、例えばサブミクロンの領域に留
まることになる。
が漏洩するものの、磁気テープの走行方向に沿って連続
的に漏洩磁界が発生する位置構成となるため、この漏洩
磁界が既に記録してある磁気記録パターン上への磁気的
な影響は限定された幅、例えばサブミクロンの領域に留
まることになる。
【0013】このようにして、新たな磁気記録信号を記
録する際に、磁気ギャップgの両端近傍から発生する漏
洩磁界が隣接する磁気記録パターンに既に記録された信
号に対して影響を与えることを抑制して、好ましいオー
バーライト性能を示すようにしている。
録する際に、磁気ギャップgの両端近傍から発生する漏
洩磁界が隣接する磁気記録パターンに既に記録された信
号に対して影響を与えることを抑制して、好ましいオー
バーライト性能を示すようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
フェライト系材料からなる磁気コアのギャップ部に軟磁
性膜が配置された構成の磁気ヘッドにおいては、磁気コ
アと軟磁性膜との間に残留する歪みが、磁気テープとの
摺動面やその両側面の加工時に解放されることにより磁
気コア部の破壊が起こり易くなる。
フェライト系材料からなる磁気コアのギャップ部に軟磁
性膜が配置された構成の磁気ヘッドにおいては、磁気コ
アと軟磁性膜との間に残留する歪みが、磁気テープとの
摺動面やその両側面の加工時に解放されることにより磁
気コア部の破壊が起こり易くなる。
【0015】通常、フェライト系材料からなる磁気コア
のギャップ対接面には単結晶フェライトの(100)面
を用いるが、図20に示されるように、磁気テープとの
摺動面の両側面を磁気テープの走行方向に沿って直線状
に機械加工する機械加工方向が、ギャップ対接面をなす
単結晶フェライトの(100)面に垂直な<100>方
向からアジマス角θ分だけずれることになる。
のギャップ対接面には単結晶フェライトの(100)面
を用いるが、図20に示されるように、磁気テープとの
摺動面の両側面を磁気テープの走行方向に沿って直線状
に機械加工する機械加工方向が、ギャップ対接面をなす
単結晶フェライトの(100)面に垂直な<100>方
向からアジマス角θ分だけずれることになる。
【0016】このため、図中に太字の矢印で表す加工応
力F1 が単結晶フェライトの劈開面をなす(100)面
に垂直な<100>方向からズレを生じるため、劈開面
へ発生する加工応力の方向余弦成分F2 によって磁気コ
アのトラック幅部分の一部が欠落したりする。
力F1 が単結晶フェライトの劈開面をなす(100)面
に垂直な<100>方向からズレを生じるため、劈開面
へ発生する加工応力の方向余弦成分F2 によって磁気コ
アのトラック幅部分の一部が欠落したりする。
【0017】特に、アジマス角θが15度以上の場合、
磁気テープの走行方向に沿った機械加工方向と単結晶フ
ェライトの劈開面をなす(100)面に垂直な<100
>方向との乖離が大きくなる結果、磁気コアの劈開面を
なす(100)面への加工応力の方向余弦成分F2 が大
きくなり、機械加工の際に磁気コアのトラック幅部分の
破壊が発生する場合が多い。
磁気テープの走行方向に沿った機械加工方向と単結晶フ
ェライトの劈開面をなす(100)面に垂直な<100
>方向との乖離が大きくなる結果、磁気コアの劈開面を
なす(100)面への加工応力の方向余弦成分F2 が大
きくなり、機械加工の際に磁気コアのトラック幅部分の
破壊が発生する場合が多い。
【0018】更に、近年の記録信号の高密度化の進行に
伴って記録ヘッドのトラック幅が狭くなる傾向にある
が、例えばトラック幅が6μm以下となると、磁気テー
プとの摺動面の両側面を直線状に機械加工する際の砥石
のぶれや加工応力などにより、磁気コアの残存するトラ
ック幅部分がダメージを受けて欠落したり、その強度が
脆弱化したりする。
伴って記録ヘッドのトラック幅が狭くなる傾向にある
が、例えばトラック幅が6μm以下となると、磁気テー
プとの摺動面の両側面を直線状に機械加工する際の砥石
のぶれや加工応力などにより、磁気コアの残存するトラ
ック幅部分がダメージを受けて欠落したり、その強度が
脆弱化したりする。
【0019】このため、アジマス角が15度以上で、ト
ラック幅が6μm以下の場合における磁気ヘッドの製造
歩留りは、通常の磁気ヘッドの大量生産に必要な60%
を下回る値となった。
ラック幅が6μm以下の場合における磁気ヘッドの製造
歩留りは、通常の磁気ヘッドの大量生産に必要な60%
を下回る値となった。
【0020】そこで本発明は、上記事情を鑑みて発案さ
れたものであり、磁気コアが単結晶フェライトからなる
磁気ヘッドであって、磁気ギャップのアジマス角が大き
くかつそのトラック幅が狭い場合であっても、トラック
幅部分を加工形成する際の欠落破壊や強度の脆弱化を防
止することが可能な磁気ヘッドを提供することを目的と
する。
れたものであり、磁気コアが単結晶フェライトからなる
磁気ヘッドであって、磁気ギャップのアジマス角が大き
くかつそのトラック幅が狭い場合であっても、トラック
幅部分を加工形成する際の欠落破壊や強度の脆弱化を防
止することが可能な磁気ヘッドを提供することを目的と
する。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明に係る磁気ヘッドによって達成される。即ち、請求項
1に係る磁気ヘッドは、単結晶フェライトからなる基体
を有する一対の磁気コア半体が磁気記録媒体との摺動面
の略中央に位置する磁気ギャップを介して接合され、磁
気ギャップのトラック幅が磁気記録媒体の摺動方向に沿
って直線状に機械加工されたトラック端加工溝により規
定される磁気ヘッドであって、摺動面が、基体をなす単
結晶フェライトの(110)面であり、一対の磁気コア
半体のギャップ対接面が、基体をなす単結晶フェライト
の(100)面から所定のアジマス角だけ傾いた面であ
り、トラック端加工溝の機械加工方向が、基体をなす単
結晶フェライトの(100)面に垂直な方向に略一致し
ていることを特徴とする。
明に係る磁気ヘッドによって達成される。即ち、請求項
1に係る磁気ヘッドは、単結晶フェライトからなる基体
を有する一対の磁気コア半体が磁気記録媒体との摺動面
の略中央に位置する磁気ギャップを介して接合され、磁
気ギャップのトラック幅が磁気記録媒体の摺動方向に沿
って直線状に機械加工されたトラック端加工溝により規
定される磁気ヘッドであって、摺動面が、基体をなす単
結晶フェライトの(110)面であり、一対の磁気コア
半体のギャップ対接面が、基体をなす単結晶フェライト
の(100)面から所定のアジマス角だけ傾いた面であ
り、トラック端加工溝の機械加工方向が、基体をなす単
結晶フェライトの(100)面に垂直な方向に略一致し
ていることを特徴とする。
【0022】このように請求項1に係る磁気ヘッドにお
いては、磁気ギャップのトラック幅自体とその両端部の
形状的不確定性をなくすと共に、磁気ギャップの両端近
傍の漏洩磁界による隣接トラックへの影響を軽減するた
め、磁気記録媒体との摺動面をその摺動方向に沿って直
線状に機械加工してトラック端加工溝が形成され、この
トラック端加工溝によって磁気ギャップのトラック幅が
規定される場合、トラック端加工溝の機械加工方向が一
対の磁気コア半体の基体をなす単結晶フェライトの(1
00)面に垂直な方向、即ち<100>方向に略一致し
ていることにより、トラック端加工溝を形成する際の機
械加工が単結晶フェライトの劈開面となる(100)面
に垂直に行われ、劈開面に対する加工応力の方向余弦成
分が殆どなくなるため、従来のトラック端加工溝を形成
する際の機械加工において多発していた、残留すべきト
ラック幅部分に発生する磁気コアの欠落する割合が大幅
に改善され、磁気ヘッドの製造歩留りの大幅な改善が達
成される。
いては、磁気ギャップのトラック幅自体とその両端部の
形状的不確定性をなくすと共に、磁気ギャップの両端近
傍の漏洩磁界による隣接トラックへの影響を軽減するた
め、磁気記録媒体との摺動面をその摺動方向に沿って直
線状に機械加工してトラック端加工溝が形成され、この
トラック端加工溝によって磁気ギャップのトラック幅が
規定される場合、トラック端加工溝の機械加工方向が一
対の磁気コア半体の基体をなす単結晶フェライトの(1
00)面に垂直な方向、即ち<100>方向に略一致し
ていることにより、トラック端加工溝を形成する際の機
械加工が単結晶フェライトの劈開面となる(100)面
に垂直に行われ、劈開面に対する加工応力の方向余弦成
分が殆どなくなるため、従来のトラック端加工溝を形成
する際の機械加工において多発していた、残留すべきト
ラック幅部分に発生する磁気コアの欠落する割合が大幅
に改善され、磁気ヘッドの製造歩留りの大幅な改善が達
成される。
【0023】なお、上記請求項1に係る磁気ヘッドにお
いて、トラック端加工溝の機械加工方向が基体をなす単
結晶フェライトの(100)面に垂直な方向に略一致し
ているとあるが、このことは、望ましくはトラック端加
工溝の機械加工方向と基体をなす単結晶フェライトの
(100)面に垂直な方向、即ち<100>方向とのズ
レが5度以内であることを意味する。
いて、トラック端加工溝の機械加工方向が基体をなす単
結晶フェライトの(100)面に垂直な方向に略一致し
ているとあるが、このことは、望ましくはトラック端加
工溝の機械加工方向と基体をなす単結晶フェライトの
(100)面に垂直な方向、即ち<100>方向とのズ
レが5度以内であることを意味する。
【0024】この場合、トラック端加工溝を形成する際
の機械加工方向を基体をなす単結晶フェライトの(10
0)面に垂直な<100>方向に常に完全に一致させな
くとも、そのズレが5度以内であれば、単結晶フェライ
トの劈開面となる(100)面に対する加工応力成分が
十分に低く抑えられる結果、磁気ヘッドの製造歩留りの
大幅な改善が達成される。
の機械加工方向を基体をなす単結晶フェライトの(10
0)面に垂直な<100>方向に常に完全に一致させな
くとも、そのズレが5度以内であれば、単結晶フェライ
トの劈開面となる(100)面に対する加工応力成分が
十分に低く抑えられる結果、磁気ヘッドの製造歩留りの
大幅な改善が達成される。
【0025】また、トラック端加工溝を形成する際の機
械加工方向について、基体をなす単結晶フェライトの
(100)面に垂直な<100>方向から5度以内の加
工誤差が許容されるため、磁気ヘッドの大量生産が容易
に可能になる。
械加工方向について、基体をなす単結晶フェライトの
(100)面に垂直な<100>方向から5度以内の加
工誤差が許容されるため、磁気ヘッドの大量生産が容易
に可能になる。
【0026】また、上記請求項1に係る磁気ヘッドにお
いて、一対の磁気コア半体のギャップ対接面に磁性膜が
形成されていることが好適である。即ち、従来の場合に
は、一対の磁気コア半体のフェライト系材料からなる基
体のギャップ対接面と磁性膜との間に残留する歪みが、
磁気記録媒体との摺動面の両側面にトラック端加工溝を
形成する機械加工時に解放されて、磁気コアのトラック
幅部の破壊が起こり易くなる傾向にあったが、このトラ
ック端加工溝を形成する際の機械加工が単結晶フェライ
トの劈開面となる(100)面に垂直に行われることか
ら、磁気コアのトラック幅部の欠落する割合を大幅に改
善する作用が効果的に発揮される。
いて、一対の磁気コア半体のギャップ対接面に磁性膜が
形成されていることが好適である。即ち、従来の場合に
は、一対の磁気コア半体のフェライト系材料からなる基
体のギャップ対接面と磁性膜との間に残留する歪みが、
磁気記録媒体との摺動面の両側面にトラック端加工溝を
形成する機械加工時に解放されて、磁気コアのトラック
幅部の破壊が起こり易くなる傾向にあったが、このトラ
ック端加工溝を形成する際の機械加工が単結晶フェライ
トの劈開面となる(100)面に垂直に行われることか
ら、磁気コアのトラック幅部の欠落する割合を大幅に改
善する作用が効果的に発揮される。
【0027】また、上記請求項1に係る磁気ヘッドにお
いて、磁気ギャップのトラック幅が6μm以下であるこ
とが好適である。即ち、近年の記録信号の高密度化の進
行に伴って磁気ギャップのトラック幅が狭くなって6μ
m以下となると、従来の場合には、磁気記録媒体との摺
動面の両側面のトラック端加工溝を形成する機械加工の
際の砥石のぶれや加工応力などによって、残存するトラ
ック幅部分がダメージを受けて欠落したりその強度が脆
弱化したりする傾向にあったが、このトラック端加工溝
を形成する際の機械加工が単結晶フェライトの劈開面と
なる(100)面に垂直に行われることから、磁気コア
のトラック幅部分の欠落やその強度の脆弱化を大幅に改
善する作用が効果的に発揮される。
いて、磁気ギャップのトラック幅が6μm以下であるこ
とが好適である。即ち、近年の記録信号の高密度化の進
行に伴って磁気ギャップのトラック幅が狭くなって6μ
m以下となると、従来の場合には、磁気記録媒体との摺
動面の両側面のトラック端加工溝を形成する機械加工の
際の砥石のぶれや加工応力などによって、残存するトラ
ック幅部分がダメージを受けて欠落したりその強度が脆
弱化したりする傾向にあったが、このトラック端加工溝
を形成する際の機械加工が単結晶フェライトの劈開面と
なる(100)面に垂直に行われることから、磁気コア
のトラック幅部分の欠落やその強度の脆弱化を大幅に改
善する作用が効果的に発揮される。
【0028】また、上記請求項1に係る磁気ヘッドにお
いて、所定のアジマス角が15度以上である場合に好適
である。即ち、従来の場合には、アジマス角が15度以
上に大きくなると、磁気記録媒体の摺動方向に沿ったト
ラック端加工溝を形成する際の機械加工方向と基体の単
結晶フェライトの<100>方向との乖離が大きく、単
結晶フェライトの劈開面をなす(100)面への加工応
力の余弦成分により、機械加工の際に破壊が発生し易い
傾向にあったが、このトラック端加工溝を形成する際の
機械加工が単結晶フェライトの劈開面となる(100)
面に垂直に行われることから、磁気コアのトラック幅部
分の欠落等の破壊を大幅に改善する作用が効果的に発揮
される。
いて、所定のアジマス角が15度以上である場合に好適
である。即ち、従来の場合には、アジマス角が15度以
上に大きくなると、磁気記録媒体の摺動方向に沿ったト
ラック端加工溝を形成する際の機械加工方向と基体の単
結晶フェライトの<100>方向との乖離が大きく、単
結晶フェライトの劈開面をなす(100)面への加工応
力の余弦成分により、機械加工の際に破壊が発生し易い
傾向にあったが、このトラック端加工溝を形成する際の
機械加工が単結晶フェライトの劈開面となる(100)
面に垂直に行われることから、磁気コアのトラック幅部
分の欠落等の破壊を大幅に改善する作用が効果的に発揮
される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施
形態に係る磁気ヘッドを示す概略斜視図であり、図2は
図1に示す磁気ヘッドの磁気テープとの摺動面を示す平
面図であり、図3〜図13はそれぞれ図1に示す磁気ヘ
ッドの製造方法を説明するための工程斜視図であり、図
14は図1に示す磁気ヘッドのトラック端加工溝を形成
する機械加工の際の加工応力を示す概略図である。
本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施
形態に係る磁気ヘッドを示す概略斜視図であり、図2は
図1に示す磁気ヘッドの磁気テープとの摺動面を示す平
面図であり、図3〜図13はそれぞれ図1に示す磁気ヘ
ッドの製造方法を説明するための工程斜視図であり、図
14は図1に示す磁気ヘッドのトラック端加工溝を形成
する機械加工の際の加工応力を示す概略図である。
【0030】図1に示されるように、本実施形態に係る
磁気ヘッドにおいては、一対の磁気コア半体10a、1
0bが、磁気テープと摺動する摺動面11の略中央に位
置する磁気ギャップgを境として接合されていると共
に、融着用ガラス12によって接着され、一体化されて
いる。
磁気ヘッドにおいては、一対の磁気コア半体10a、1
0bが、磁気テープと摺動する摺動面11の略中央に位
置する磁気ギャップgを境として接合されていると共
に、融着用ガラス12によって接着され、一体化されて
いる。
【0031】なお、この磁気ギャップgは、一対の磁気
コア半体10a、10bのギャップ対接面に挟まれた非
磁性ギャップ膜(図示せず)から構成されていると共
に、磁気ヘッドに用いられる記録フォーマットにより決
定される所定のアジマス角θを有している。即ち、磁気
ギャップgに沿った線aと磁気テープの摺動方向に対す
る垂線bとがアジマス角θをなしている。
コア半体10a、10bのギャップ対接面に挟まれた非
磁性ギャップ膜(図示せず)から構成されていると共
に、磁気ヘッドに用いられる記録フォーマットにより決
定される所定のアジマス角θを有している。即ち、磁気
ギャップgに沿った線aと磁気テープの摺動方向に対す
る垂線bとがアジマス角θをなしている。
【0032】また、これら接合一体化されている一対の
磁気コア半体10a、10bは、それぞれ、磁気ギャッ
プgに隣接する主コア部としての厚さ4μm程度の軟磁
性膜13a、13bと、これらの軟磁性膜13a、13
bと共に閉磁路をなす副コア部としての基体14a、1
4bとから構成されている。
磁気コア半体10a、10bは、それぞれ、磁気ギャッ
プgに隣接する主コア部としての厚さ4μm程度の軟磁
性膜13a、13bと、これらの軟磁性膜13a、13
bと共に閉磁路をなす副コア部としての基体14a、1
4bとから構成されている。
【0033】また、これら基体14a、14bには、磁
気ギャップgのギャップデプスを規制すると共にコイル
(図示せず)を巻装するために、巻線溝15a、15b
がそれぞれ略矩形の両側面形状となるように形成されて
いる。なお、これらの巻線溝15a、15bは基体14
a、14bにそれぞれ形成されなくとも、いずれか一方
にだけ形成されていてもよい。
気ギャップgのギャップデプスを規制すると共にコイル
(図示せず)を巻装するために、巻線溝15a、15b
がそれぞれ略矩形の両側面形状となるように形成されて
いる。なお、これらの巻線溝15a、15bは基体14
a、14bにそれぞれ形成されなくとも、いずれか一方
にだけ形成されていてもよい。
【0034】また、図1及び図2に示されるように、摺
動幅調整用溝によって幅Wが例えば80〜130μm程
度に規定されている摺動面11においては、磁気ギャッ
プgを挟む軟磁性膜13a、13b及び基体14a、1
4bが磁気テープの摺動方向に沿って直線状に溝加工さ
れ、所定の間隔をおいて2つの並行するトラック端加工
溝が形成されている。こうして、2つの直線状に並行す
るトラック端加工溝により、磁気ギャップgのトラック
幅Twが例えば6μm以下に規定されている。そして、
これら2つの並行するトラック端加工溝内には、磁気テ
ープと当たって特性を確保すると共に磁気テープの摺動
による偏磨耗を防止するため、非磁性材料としてガラス
が充填され、表面埋設ガラス層16が形成されている。
動幅調整用溝によって幅Wが例えば80〜130μm程
度に規定されている摺動面11においては、磁気ギャッ
プgを挟む軟磁性膜13a、13b及び基体14a、1
4bが磁気テープの摺動方向に沿って直線状に溝加工さ
れ、所定の間隔をおいて2つの並行するトラック端加工
溝が形成されている。こうして、2つの直線状に並行す
るトラック端加工溝により、磁気ギャップgのトラック
幅Twが例えば6μm以下に規定されている。そして、
これら2つの並行するトラック端加工溝内には、磁気テ
ープと当たって特性を確保すると共に磁気テープの摺動
による偏磨耗を防止するため、非磁性材料としてガラス
が充填され、表面埋設ガラス層16が形成されている。
【0035】このように、図1に示される磁気ヘッドに
おいては、磁気テープとの摺動面11の両側面が磁気テ
ープの走行方向に沿って直線状に溝加工されて、6μm
以下の幅をもつトラック幅部分が形成されていることか
ら、磁気ギャップg端近傍から磁界が漏洩する場合にお
いても、上記図19に示されるように、磁気テープの走
行方向に沿って連続的に漏洩磁界が発生する位置構成と
なるため、この漏洩磁界が既に記録してある磁気記録パ
ターン上への磁気的な影響は限定された幅、例えばサブ
ミクロンの領域に留まることになる。
おいては、磁気テープとの摺動面11の両側面が磁気テ
ープの走行方向に沿って直線状に溝加工されて、6μm
以下の幅をもつトラック幅部分が形成されていることか
ら、磁気ギャップg端近傍から磁界が漏洩する場合にお
いても、上記図19に示されるように、磁気テープの走
行方向に沿って連続的に漏洩磁界が発生する位置構成と
なるため、この漏洩磁界が既に記録してある磁気記録パ
ターン上への磁気的な影響は限定された幅、例えばサブ
ミクロンの領域に留まることになる。
【0036】次に、図1及び図2の磁気ヘッドの各構成
要素の材料について説明する。磁気ギャップgを構成す
る非磁性ギャップ膜の材料としては、例えばギャップ長
の約半分の膜厚となる約0.1μmのSiO2 膜(シリ
コン酸化膜)が使用されている。
要素の材料について説明する。磁気ギャップgを構成す
る非磁性ギャップ膜の材料としては、例えばギャップ長
の約半分の膜厚となる約0.1μmのSiO2 膜(シリ
コン酸化膜)が使用されている。
【0037】また、一対の磁気コア半体10a、10b
の主コア部をなす軟磁性膜13a、13bの材料として
は、Fe−Si、Fe−Si−Al、又はFe−Ga−
Si−Ruなどを基本とする結晶質軟磁性材や、例えば
FeTa合金をターゲットとして窒素を含むアルゴン中
でスパックしたFeTaN等の軟磁性材や、このFeT
aNのTaの一部若しくは全てをNb、Hfに置換した
組成やNの一部若しくは全部をO、C、Bなどに置換し
た組成からなる軟磁性材や、これらに類似の軟磁性材
や、アモルファス軟磁性材などが使用されている。
の主コア部をなす軟磁性膜13a、13bの材料として
は、Fe−Si、Fe−Si−Al、又はFe−Ga−
Si−Ruなどを基本とする結晶質軟磁性材や、例えば
FeTa合金をターゲットとして窒素を含むアルゴン中
でスパックしたFeTaN等の軟磁性材や、このFeT
aNのTaの一部若しくは全てをNb、Hfに置換した
組成やNの一部若しくは全部をO、C、Bなどに置換し
た組成からなる軟磁性材や、これらに類似の軟磁性材
や、アモルファス軟磁性材などが使用されている。
【0038】また、一対の磁気コア半体10a、10b
の副コア部をなす基体14a、14bは、例えばMn−
Zn系フェライトやNi−Zn系フェライト等の少なく
とも酸化物軟磁性材料からなり、磁気テープとの摺動面
11近傍部は単結晶フェライトから構成されている。
の副コア部をなす基体14a、14bは、例えばMn−
Zn系フェライトやNi−Zn系フェライト等の少なく
とも酸化物軟磁性材料からなり、磁気テープとの摺動面
11近傍部は単結晶フェライトから構成されている。
【0039】次に、摺動面11近傍部の単結晶フェライ
トの結晶方位について説明する。磁気ギャップgに対向
する基体14a、14bのギャップ対接面は、単結晶フ
ェライトの(100)面からアジマス角θだけ傾いた面
をなしている。
トの結晶方位について説明する。磁気ギャップgに対向
する基体14a、14bのギャップ対接面は、単結晶フ
ェライトの(100)面からアジマス角θだけ傾いた面
をなしている。
【0040】また、磁気テープが摺動する摺動面11
は、基体14a、14bをなす単結晶フェライトの(1
10)面であり、この摺動面11における磁気テープの
摺動方向は、摺動面11の(110)面内に含まれる<
100>方向に略一致するよう構成されている。
は、基体14a、14bをなす単結晶フェライトの(1
10)面であり、この摺動面11における磁気テープの
摺動方向は、摺動面11の(110)面内に含まれる<
100>方向に略一致するよう構成されている。
【0041】また、磁気テープの摺動方向に沿って直線
状に形成されているトラック端加工溝の垂直な両側面
は、基体14a、14bをなす単結晶フェライトの(1
00)面をなしており、その加工方向は、この単結晶フ
ェライトの(100)面に垂直な<100>方向に略一
致している。なお、ここで、「<100>方向に略一致
する」とは、具体的には<100>方向からのズレが5
度以内であることを意味する。
状に形成されているトラック端加工溝の垂直な両側面
は、基体14a、14bをなす単結晶フェライトの(1
00)面をなしており、その加工方向は、この単結晶フ
ェライトの(100)面に垂直な<100>方向に略一
致している。なお、ここで、「<100>方向に略一致
する」とは、具体的には<100>方向からのズレが5
度以内であることを意味する。
【0042】次に、図1及び図2に示す磁気ヘッドの製
造方法を、図3〜図13を用いて説明する。先ず、図3
に示されるように、例えばMn−Zn系フェライト単結
晶からなる長さ34.5mm程度、幅2.5mm程度、
厚み1mm程度の平板状の基体14aを形成する。
造方法を、図3〜図13を用いて説明する。先ず、図3
に示されるように、例えばMn−Zn系フェライト単結
晶からなる長さ34.5mm程度、幅2.5mm程度、
厚み1mm程度の平板状の基体14aを形成する。
【0043】このとき、後の加工により摺動面となる端
面Lは、Mn−Zn系フェライト単結晶の(110)面
からなるようにし、ギャップ対接面となる主面Mは、M
n−Zn系フェライト単結晶の(100)面からアジマ
ス角θだけ傾斜した方位に切断された結晶面となるよう
にする。即ち、この主面Mに立てた垂線cからアジマス
角θの分だけ傾斜した線dが、Mn−Zn系フェライト
単結晶の<100>方向となる。
面Lは、Mn−Zn系フェライト単結晶の(110)面
からなるようにし、ギャップ対接面となる主面Mは、M
n−Zn系フェライト単結晶の(100)面からアジマ
ス角θだけ傾斜した方位に切断された結晶面となるよう
にする。即ち、この主面Mに立てた垂線cからアジマス
角θの分だけ傾斜した線dが、Mn−Zn系フェライト
単結晶の<100>方向となる。
【0044】次いで、図4に示されるように、基体14
aの主面Mの幅方向に、例えば幅30μm程度、深さ1
00μm程度の応力緩和溝20を一定の間隔をおいて複
数列に形成する。これら複数列の応力緩和溝20は、後
の工程における磁性膜形成時の応力緩和を目的とすると
共に、後の工程においてコア接合強度を保つためにトラ
ック端加工溝内にガラスを充填する際のガラスの流れる
溝としても使用されるものである。
aの主面Mの幅方向に、例えば幅30μm程度、深さ1
00μm程度の応力緩和溝20を一定の間隔をおいて複
数列に形成する。これら複数列の応力緩和溝20は、後
の工程における磁性膜形成時の応力緩和を目的とすると
共に、後の工程においてコア接合強度を保つためにトラ
ック端加工溝内にガラスを充填する際のガラスの流れる
溝としても使用されるものである。
【0045】なお、これらの応力緩和溝20の両側面と
基体14aの主面Mとのなす角度は通常45°〜82°
程度とするが、例えば90°にしてもよい。また、その
深さも、例えば200〜300μmにしてもよい。ま
た、後の工程においてガラスを流さずに金属接合などで
トラック端加工溝を形成する場合には、図4に示す応力
緩和溝20を形成しなくても構わない。
基体14aの主面Mとのなす角度は通常45°〜82°
程度とするが、例えば90°にしてもよい。また、その
深さも、例えば200〜300μmにしてもよい。ま
た、後の工程においてガラスを流さずに金属接合などで
トラック端加工溝を形成する場合には、図4に示す応力
緩和溝20を形成しなくても構わない。
【0046】次いで、図5に示されるように、磁気ギャ
ップgのギャップデプスを規制すると共にコイル(図示
せず)を巻装するために、巻線溝15aを両側面形状が
略矩形となるように形成する。そして、基体14aの主
面M表面をその表面粗度が2〜10nm程度になるよう
に研磨する。
ップgのギャップデプスを規制すると共にコイル(図示
せず)を巻装するために、巻線溝15aを両側面形状が
略矩形となるように形成する。そして、基体14aの主
面M表面をその表面粗度が2〜10nm程度になるよう
に研磨する。
【0047】次いで、図6に示されるように、基体14
aの主面M上に、厚さ4μm程度の軟磁性膜13aを形
成する。こうして、主コア部としての軟磁性膜13aと
副コア部としての基体14aとから構成される磁気コア
半体10aを形成する。
aの主面M上に、厚さ4μm程度の軟磁性膜13aを形
成する。こうして、主コア部としての軟磁性膜13aと
副コア部としての基体14aとから構成される磁気コア
半体10aを形成する。
【0048】次いで、図7に示されるように、磁気コア
半体10aの軟磁性膜13a上に、磁気ギャップgを構
成する例えばSiO2 膜からなる非磁性ギャップ膜21
を所定のギャップ長の約半分の膜厚となる約0.1μm
の厚さに成膜する。
半体10aの軟磁性膜13a上に、磁気ギャップgを構
成する例えばSiO2 膜からなる非磁性ギャップ膜21
を所定のギャップ長の約半分の膜厚となる約0.1μm
の厚さに成膜する。
【0049】次いで、上記図3〜図7に示される工程と
同様にして、磁気コア半体10aと対をなす磁気コア半
体10bを形成すると共に、その軟磁性膜13b上に非
磁性ギャップ膜を形成する。
同様にして、磁気コア半体10aと対をなす磁気コア半
体10bを形成すると共に、その軟磁性膜13b上に非
磁性ギャップ膜を形成する。
【0050】次いで、図8に示されるように、一対をな
す磁気コア半体10a、10bを、それぞれの軟磁性膜
13a、13b上に形成した非磁性ギャップ膜(図示せ
ず)が接合すると共に、それぞれの端面L及び応力緩和
溝20がほぼ一致するように突き合わせる。こうして、
一対の磁気コア半体10a、10bの軟磁性膜13a、
13bに挟まれた非磁性ギャップ膜からなる磁気ギャッ
プgを形成する。
す磁気コア半体10a、10bを、それぞれの軟磁性膜
13a、13b上に形成した非磁性ギャップ膜(図示せ
ず)が接合すると共に、それぞれの端面L及び応力緩和
溝20がほぼ一致するように突き合わせる。こうして、
一対の磁気コア半体10a、10bの軟磁性膜13a、
13bに挟まれた非磁性ギャップ膜からなる磁気ギャッ
プgを形成する。
【0051】次いで、図9に示されるように、一対の磁
気コア半体10a、10bの間の所定の箇所に融着用ガ
ラス12を充填し、500℃程度において加熱溶融させ
て、これら一対の磁気コア半体10a、10bを完全に
接着し、一体化する。なお、このとき、融着用ガラス1
2を用いる代わりに、金属接合などを用いたコア接着手
法で代用することも可能である。
気コア半体10a、10bの間の所定の箇所に融着用ガ
ラス12を充填し、500℃程度において加熱溶融させ
て、これら一対の磁気コア半体10a、10bを完全に
接着し、一体化する。なお、このとき、融着用ガラス1
2を用いる代わりに、金属接合などを用いたコア接着手
法で代用することも可能である。
【0052】更に、次の工程におけるトラック端加工溝
形成に際して余分なフロントデプスがあると、加工負荷
が増えたり加工精度の低下を引き起こしたりするため、
磁気テープと摺動する摺動面のフロントデプスが40μ
m程度になるように加工を行う。
形成に際して余分なフロントデプスがあると、加工負荷
が増えたり加工精度の低下を引き起こしたりするため、
磁気テープと摺動する摺動面のフロントデプスが40μ
m程度になるように加工を行う。
【0053】次いで、図10に示されるように、一対の
磁気コア半体10a、10bの端面Lに対して機械加工
を行い、磁気ギャップgのトラック幅Twを例えば6μ
m以下に規定するためのトラック端加工溝22を直線状
に複数列形成する。
磁気コア半体10a、10bの端面Lに対して機械加工
を行い、磁気ギャップgのトラック幅Twを例えば6μ
m以下に規定するためのトラック端加工溝22を直線状
に複数列形成する。
【0054】そして、このときのトラック端加工溝22
を形成する機械加工方向を、基体14a、14bの主面
Mに立てた垂線cからアジマス角θの分だけ傾斜した線
dの方向、即ちMn−Zn系結晶フェライトの(10
0)面に垂直な<100>方向に略一致させる。更に、
具体的にいえば、加工誤差を見込んでも、機械加工方向
の単Mn−Zn系結晶フェライトの<100>方向から
のズレを5度以内に抑える。
を形成する機械加工方向を、基体14a、14bの主面
Mに立てた垂線cからアジマス角θの分だけ傾斜した線
dの方向、即ちMn−Zn系結晶フェライトの(10
0)面に垂直な<100>方向に略一致させる。更に、
具体的にいえば、加工誤差を見込んでも、機械加工方向
の単Mn−Zn系結晶フェライトの<100>方向から
のズレを5度以内に抑える。
【0055】また、この機械加工における切り込み深さ
は、磁気ギャップgの摩耗するデプス領域に対応するよ
う例えば40〜70μm程度になるように加工し、フロ
ントデプスが消失する零点よりも更に0〜30μm程度
深くなることが望ましい。
は、磁気ギャップgの摩耗するデプス領域に対応するよ
う例えば40〜70μm程度になるように加工し、フロ
ントデプスが消失する零点よりも更に0〜30μm程度
深くなることが望ましい。
【0056】これは、磁気ヘッドが初期のフロントデプ
スからデプス消失まで磨耗した際、トラック端加工溝2
2の深さをフロントデプスの消失点よりも深くして、大
きなトラック幅変動が起こらないようにするためであ
る。また、トラック端加工溝22の深さがフロントデプ
スの消失点よりも30μmを越える程に深くなると、磁
気ギャップgのギャップ対接面への磁束の集中効果が低
くなり、ヘッド効率の低下が起こるからである。
スからデプス消失まで磨耗した際、トラック端加工溝2
2の深さをフロントデプスの消失点よりも深くして、大
きなトラック幅変動が起こらないようにするためであ
る。また、トラック端加工溝22の深さがフロントデプ
スの消失点よりも30μmを越える程に深くなると、磁
気ギャップgのギャップ対接面への磁束の集中効果が低
くなり、ヘッド効率の低下が起こるからである。
【0057】また、このトラック端加工溝22を形成す
る機械加工の際には、砥石の端部の丸まり部を避け、十
分な砥石の両側面の垂直性を利用して、トラック端加工
溝22側面が垂直になるようにする。このため、トラッ
ク端加工溝22側面の垂直面は、基体14a、14bを
なす単結晶フェライトの(100)面をなす。
る機械加工の際には、砥石の端部の丸まり部を避け、十
分な砥石の両側面の垂直性を利用して、トラック端加工
溝22側面が垂直になるようにする。このため、トラッ
ク端加工溝22側面の垂直面は、基体14a、14bを
なす単結晶フェライトの(100)面をなす。
【0058】次いで、図11に示されるように、一対の
磁気コア半体10a、10bの端面Lに形成したトラッ
ク端加工溝22内に非磁性材料としてのガラスを充填
し、その表面を滑らかにして、磁気テープと当たって特
性を確保すると共に磁気テープの摺動による偏磨耗を防
止するための表面埋設ガラス層16を形成する。
磁気コア半体10a、10bの端面Lに形成したトラッ
ク端加工溝22内に非磁性材料としてのガラスを充填
し、その表面を滑らかにして、磁気テープと当たって特
性を確保すると共に磁気テープの摺動による偏磨耗を防
止するための表面埋設ガラス層16を形成する。
【0059】次いで、図12に示されるように、一対の
磁気コア半体10a、10bの端面Lに対して機械加工
を行い、摺動幅規定溝23を直線状に複数列形成する。
そして、この摺動幅規定溝23に挟まれた、トラック端
加工溝22によってトラック幅Twが規定された磁気ギ
ャップg、この磁気ギャップgに隣接する軟磁性膜13
a、13b、基体14a、14b、及びトラック端加工
溝22内を充填する表面埋設ガラス層16を含んでいる
摺動面11を形成すると共に、その摺接幅を例えば80
〜130μm程度に規定する。
磁気コア半体10a、10bの端面Lに対して機械加工
を行い、摺動幅規定溝23を直線状に複数列形成する。
そして、この摺動幅規定溝23に挟まれた、トラック端
加工溝22によってトラック幅Twが規定された磁気ギ
ャップg、この磁気ギャップgに隣接する軟磁性膜13
a、13b、基体14a、14b、及びトラック端加工
溝22内を充填する表面埋設ガラス層16を含んでいる
摺動面11を形成すると共に、その摺接幅を例えば80
〜130μm程度に規定する。
【0060】ここで、摺動幅規定溝23によって摺動面
11の摺接幅を80〜130μm程度に規定するのは、
この摺接幅が130μmを越えて余りに広くなると、磁
気テープと接触する際の面圧が低くなり、磁気テープと
摺動面11との間に発生するエアフィルムの厚みが増
し、スペーシングロスにより磁気ヘッドの記録再生能力
が劣化するからである。
11の摺接幅を80〜130μm程度に規定するのは、
この摺接幅が130μmを越えて余りに広くなると、磁
気テープと接触する際の面圧が低くなり、磁気テープと
摺動面11との間に発生するエアフィルムの厚みが増
し、スペーシングロスにより磁気ヘッドの記録再生能力
が劣化するからである。
【0061】また、摺接幅が80μmよりも狭くなる
と、磁気テープの面圧の上昇により磁気ヘッドの摩耗が
加速され、磁気記録装置として保守を必要とする期間が
短くなるからである。なお、摺動幅規定溝23を形成す
る方向は、アジマス角θを考慮して、その機械加工方向
が磁気テープの摺接方向に沿った方向となるようにす
る。
と、磁気テープの面圧の上昇により磁気ヘッドの摩耗が
加速され、磁気記録装置として保守を必要とする期間が
短くなるからである。なお、摺動幅規定溝23を形成す
る方向は、アジマス角θを考慮して、その機械加工方向
が磁気テープの摺接方向に沿った方向となるようにす
る。
【0062】次いで、図13に示されるように、アジマ
ス角θを考慮して、摺動幅規定溝23内において、アジ
マス角θを考慮した方向に機械加工を行って切断溝24
を形成し、各磁気ヘッドを切り離す。このようにして、
上記図1及び図2に示す磁気ヘッドを作製する。
ス角θを考慮して、摺動幅規定溝23内において、アジ
マス角θを考慮した方向に機械加工を行って切断溝24
を形成し、各磁気ヘッドを切り離す。このようにして、
上記図1及び図2に示す磁気ヘッドを作製する。
【0063】以上のように本実施形態によれば、図1及
び図2に示されるように、磁気テープと摺動する磁気ヘ
ッドの摺動面11において磁気ギャップgのトラック幅
Twを規定するトラック端加工溝が磁気テープの摺動方
向に沿って直線状に形成されており、その機械加工方向
は一対の磁気コア半体10a、10bの基体14a、1
4bをなすMn−Zn系フェライト単結晶の(100)
面に垂直な<100>方向に略一致し、そのズレが5度
以内に抑えられている点に特徴がある。
び図2に示されるように、磁気テープと摺動する磁気ヘ
ッドの摺動面11において磁気ギャップgのトラック幅
Twを規定するトラック端加工溝が磁気テープの摺動方
向に沿って直線状に形成されており、その機械加工方向
は一対の磁気コア半体10a、10bの基体14a、1
4bをなすMn−Zn系フェライト単結晶の(100)
面に垂直な<100>方向に略一致し、そのズレが5度
以内に抑えられている点に特徴がある。
【0064】即ち、図3に示されるように、基体14
a、14bとして平板状のMn−Zn系フェライト単結
晶を用い、後の加工により摺動面となる端面LがMn−
Zn系フェライト単結晶の(110)面からなるように
し、ギャップ対接面となる主面MがMn−Zn系フェラ
イト単結晶の(100)面からアジマス角θだけ傾斜し
た方位に切断された結晶面となるようにした後、図10
に示されるように、このMn−Zn系フェライト単結晶
の(110)面からなる端面Lに対して機械加工を行っ
て磁気ギャップgのトラック幅Twを規定するトラック
端加工溝22を直線状に形成する際に、その機械加工方
向を基体14a、14bをなすMn−Zn系フェライト
単結晶の(100)面に垂直な<100>方向に略一致
させ、そのズレを5度以内に抑えている点に特徴があ
る。
a、14bとして平板状のMn−Zn系フェライト単結
晶を用い、後の加工により摺動面となる端面LがMn−
Zn系フェライト単結晶の(110)面からなるように
し、ギャップ対接面となる主面MがMn−Zn系フェラ
イト単結晶の(100)面からアジマス角θだけ傾斜し
た方位に切断された結晶面となるようにした後、図10
に示されるように、このMn−Zn系フェライト単結晶
の(110)面からなる端面Lに対して機械加工を行っ
て磁気ギャップgのトラック幅Twを規定するトラック
端加工溝22を直線状に形成する際に、その機械加工方
向を基体14a、14bをなすMn−Zn系フェライト
単結晶の(100)面に垂直な<100>方向に略一致
させ、そのズレを5度以内に抑えている点に特徴があ
る。
【0065】このことにより、図14に示されるよう
に、磁気ギャップgを挟む軟磁性膜13a、13b及び
基体14a、14bを磁気テープの摺動方向に沿って直
線状に溝加工してトラック端加工溝22を形成する際、
その機械加工が、Mn−Zn系フェライト単結晶の劈開
面となる(100)面に垂直に行われる。このため、上
記図20に示されるように、加工応力F1 の方向余弦成
分F2 が単結晶フェライトの劈開面に発生する従来の場
合と異なり、図14中に太字の矢印で表す加工応力Fの
劈開面に対する方向余弦成分が殆どなくなる。
に、磁気ギャップgを挟む軟磁性膜13a、13b及び
基体14a、14bを磁気テープの摺動方向に沿って直
線状に溝加工してトラック端加工溝22を形成する際、
その機械加工が、Mn−Zn系フェライト単結晶の劈開
面となる(100)面に垂直に行われる。このため、上
記図20に示されるように、加工応力F1 の方向余弦成
分F2 が単結晶フェライトの劈開面に発生する従来の場
合と異なり、図14中に太字の矢印で表す加工応力Fの
劈開面に対する方向余弦成分が殆どなくなる。
【0066】従って、磁気ギャップgのトラック幅Tw
が微細になり、このトラック端加工溝22に挟まれた微
細なトラック幅Twの残留部分の強度が低下する場合で
あっても、従来のトラック端加工溝22を形成する際の
機械加工において多発していた、残留すべきトラック幅
部分に発生する磁気コアの欠落する割合を大幅に改善す
ることができた。
が微細になり、このトラック端加工溝22に挟まれた微
細なトラック幅Twの残留部分の強度が低下する場合で
あっても、従来のトラック端加工溝22を形成する際の
機械加工において多発していた、残留すべきトラック幅
部分に発生する磁気コアの欠落する割合を大幅に改善す
ることができた。
【0067】具体的には、アジマス角θが15度以上
で、トラック幅Twが6μm以下の場合における磁気ヘ
ッドの製造歩留りは、従来の60%を下回る状態から大
幅に改善されて、80%程度を確保することが可能にな
った。従って、高記録密度に対応した磁気記録に好適な
磁気ヘッドの製造歩留まりを向上させることが可能にな
った。
で、トラック幅Twが6μm以下の場合における磁気ヘ
ッドの製造歩留りは、従来の60%を下回る状態から大
幅に改善されて、80%程度を確保することが可能にな
った。従って、高記録密度に対応した磁気記録に好適な
磁気ヘッドの製造歩留まりを向上させることが可能にな
った。
【0068】また、トラック端加工溝22を形成する際
の機械加工方向を基体14a、14bをなすMn−Zn
系フェライト単結晶の(100)面に垂直な<100>
方向に常に完全に一致させることは、試作段階ではとも
かく、大量生産の場合は実際上不可能であるが、そのズ
レを5度以内に抑えることは比較的容易である。
の機械加工方向を基体14a、14bをなすMn−Zn
系フェライト単結晶の(100)面に垂直な<100>
方向に常に完全に一致させることは、試作段階ではとも
かく、大量生産の場合は実際上不可能であるが、そのズ
レを5度以内に抑えることは比較的容易である。
【0069】そして、その場合であっても、Mn−Zn
系フェライト単結晶の劈開面となる(100)面に対す
る加工応力成分が十分に低く抑えられる結果、磁気ヘッ
ドの製造歩留りの大幅な改善が達成され、殆ど問題がな
いことが判明した。従って、高記録密度に対応した磁気
記録に好適な磁気ヘッドを大量生産する際の製造歩留ま
りを向上させることが可能になった。
系フェライト単結晶の劈開面となる(100)面に対す
る加工応力成分が十分に低く抑えられる結果、磁気ヘッ
ドの製造歩留りの大幅な改善が達成され、殆ど問題がな
いことが判明した。従って、高記録密度に対応した磁気
記録に好適な磁気ヘッドを大量生産する際の製造歩留ま
りを向上させることが可能になった。
【0070】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明に係
る磁気ヘッドによれば、次のような効果を奏することが
できる。即ち、請求項1に係る磁気ヘッドによれば、ト
ラック端加工溝の機械加工方向が、一対の磁気コア半体
の基体をなす単結晶フェライトの(100)面に垂直な
方向、即ち<100>方向に略一致していることによ
り、トラック端加工溝を形成する際の機械加工が、単結
晶フェライトの劈開面となる(100)面に垂直に行わ
れ、劈開面に対する加工応力の方向余弦成分が殆どなく
なるため、一対の磁気コア半体のギャップ対接面に磁性
膜が形成されている場合であっても、近年の記録信号の
高密度化の進行に伴って磁気ギャップのトラック幅が6
μm以下に狭くなる場合であっても、アジマス角が15
度以上に大きくなる場合であっても、従来のトラック端
加工溝を形成する際の機械加工において多発していた、
残留すべきトラック幅部分に発生する磁気コアの欠落す
る割合を大幅に改善し、高記録密度に対応した磁気記録
に好適な磁気ヘッドを大量生産する際の製造歩留まりを
向上させることができる。
る磁気ヘッドによれば、次のような効果を奏することが
できる。即ち、請求項1に係る磁気ヘッドによれば、ト
ラック端加工溝の機械加工方向が、一対の磁気コア半体
の基体をなす単結晶フェライトの(100)面に垂直な
方向、即ち<100>方向に略一致していることによ
り、トラック端加工溝を形成する際の機械加工が、単結
晶フェライトの劈開面となる(100)面に垂直に行わ
れ、劈開面に対する加工応力の方向余弦成分が殆どなく
なるため、一対の磁気コア半体のギャップ対接面に磁性
膜が形成されている場合であっても、近年の記録信号の
高密度化の進行に伴って磁気ギャップのトラック幅が6
μm以下に狭くなる場合であっても、アジマス角が15
度以上に大きくなる場合であっても、従来のトラック端
加工溝を形成する際の機械加工において多発していた、
残留すべきトラック幅部分に発生する磁気コアの欠落す
る割合を大幅に改善し、高記録密度に対応した磁気記録
に好適な磁気ヘッドを大量生産する際の製造歩留まりを
向上させることができる。
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気ヘッドを示す概
略斜視図である。
略斜視図である。
【図2】図1に示す磁気ヘッドの磁気テープとの摺動面
を示す平面図である。
を示す平面図である。
【図3】図1に示す磁気ヘッドの製造方法を説明するた
めの工程斜視図(その1)である。
めの工程斜視図(その1)である。
【図4】図1に示す磁気ヘッドの製造方法を説明するた
めの工程斜視図(その2)である。
めの工程斜視図(その2)である。
【図5】図1に示す磁気ヘッドの製造方法を説明するた
めの工程斜視図(その3)である。
めの工程斜視図(その3)である。
【図6】図1に示す磁気ヘッドの製造方法を説明するた
めの工程斜視図(その4)である。
めの工程斜視図(その4)である。
【図7】図1に示す磁気ヘッドの製造方法を説明するた
めの工程斜視図(その5)である。
めの工程斜視図(その5)である。
【図8】図1に示す磁気ヘッドの製造方法を説明するた
めの工程斜視図(その6)である。
めの工程斜視図(その6)である。
【図9】図1に示す磁気ヘッドの製造方法を説明するた
めの工程斜視図(その7)である。
めの工程斜視図(その7)である。
【図10】図1に示す磁気ヘッドの製造方法を説明する
ための工程斜視図(その8)である。
ための工程斜視図(その8)である。
【図11】図1に示す磁気ヘッドの製造方法を説明する
ための工程斜視図(その9)である。
ための工程斜視図(その9)である。
【図12】図1に示す磁気ヘッドの製造方法を説明する
ための工程斜視図(その10)である。
ための工程斜視図(その10)である。
【図13】図1に示す磁気ヘッドの製造方法を説明する
ための工程斜視図(その11)である。
ための工程斜視図(その11)である。
【図14】図1に示す磁気ヘッドのトラック端加工溝を
形成する機械加工の際の加工応力を示す概略図である。
形成する機械加工の際の加工応力を示す概略図である。
【図15】従来の磁気ヘッドを示す概略斜視図である。
【図16】従来の磁気ヘッドを用いたヘリカルスキャン
方式のVTRのヘッド走査機構を説明するための概略図
である。
方式のVTRのヘッド走査機構を説明するための概略図
である。
【図17】従来の磁気ヘッドの磁気ギャップ端近傍から
漏洩磁界が発生する様子を示す概略図である。
漏洩磁界が発生する様子を示す概略図である。
【図18】従来の磁気ヘッドの磁気ギャップ端近傍から
漏洩磁界が発生する様子を示す概略図である。
漏洩磁界が発生する様子を示す概略図である。
【図19】磁気ヘッドの磁気ギャップ端近傍から漏洩磁
界が発生する様子を示す概略図である。
界が発生する様子を示す概略図である。
【図20】従来の磁気ヘッドのトラック端加工溝を形成
する機械加工の際の加工応力を示す概略図である。
する機械加工の際の加工応力を示す概略図である。
10a、10b……磁気コア半体、11……磁気テープ
と摺動する摺動面、12……融着用ガラス、13a、1
3b……軟磁性膜、14a、14b……基体、15a、
15b……巻線溝、16……表面埋設ガラス層、20…
…応力緩和溝、21……非磁性ギャップ膜、22……ト
ラック端加工溝、23……摺動幅規定溝、24……切断
溝、30a、30b……磁気コア半体、31……磁気テ
ープと摺動する摺動面、32……融着用ガラス、33
a、33b……軟磁性膜、34a、34b……基体、3
5a、35b……巻線溝、36……表面埋設ガラス層、
37……ドラム、38……磁気テープ、g……磁気ギャ
ップ、θ……アジマス角、L……基体の端面、M……基
体の主面、F……加工応力、a……磁気ギャップに沿っ
た線、b……磁気テープの摺動方向に対する垂線、c…
…基体の主面に立てた垂線、d……基体の主面に立てた
垂線からアジマス角θの分だけ傾斜した線、A、B……
磁気ヘッド、F1 ……加工応力、F2 ……加工応力の劈
開面への方向余弦成分
と摺動する摺動面、12……融着用ガラス、13a、1
3b……軟磁性膜、14a、14b……基体、15a、
15b……巻線溝、16……表面埋設ガラス層、20…
…応力緩和溝、21……非磁性ギャップ膜、22……ト
ラック端加工溝、23……摺動幅規定溝、24……切断
溝、30a、30b……磁気コア半体、31……磁気テ
ープと摺動する摺動面、32……融着用ガラス、33
a、33b……軟磁性膜、34a、34b……基体、3
5a、35b……巻線溝、36……表面埋設ガラス層、
37……ドラム、38……磁気テープ、g……磁気ギャ
ップ、θ……アジマス角、L……基体の端面、M……基
体の主面、F……加工応力、a……磁気ギャップに沿っ
た線、b……磁気テープの摺動方向に対する垂線、c…
…基体の主面に立てた垂線、d……基体の主面に立てた
垂線からアジマス角θの分だけ傾斜した線、A、B……
磁気ヘッド、F1 ……加工応力、F2 ……加工応力の劈
開面への方向余弦成分
Claims (5)
- 【請求項1】 単結晶フェライトからなる基体を有する
一対の磁気コア半体が磁気記録媒体との摺動面の略中央
に位置する磁気ギャップを介して接合され、前記磁気ギ
ャップのトラック幅が磁気記録媒体の摺動方向に沿って
直線状に機械加工されたトラック端加工溝によって規定
される磁気ヘッドであって、 前記摺動面が、前記基体をなす単結晶フェライトの(1
10)面であり、 前記一対の磁気コア半体のギャップ対接面が、前記基体
をなす単結晶フェライトの(100)面から所定のアジ
マス角だけ傾いた面であり、 前記トラック端加工溝の機械加工方向が、前記基体をな
す単結晶フェライトの(100)面に垂直な方向に略一
致していることを特徴とする磁気ヘッド。 - 【請求項2】 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、 前記トラック端加工溝の機械加工方向と前記基体をなす
単結晶フェライトの(100)面に垂直な方向とのズレ
が、5度以内であることを特徴とする磁気ヘッド。 - 【請求項3】 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、 前記一対の磁気コア半体のギャップ対接面に、前記磁気
ギャップを挟む磁性膜が形成されていることを特徴とす
る磁気ヘッド。 - 【請求項4】 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、 前記磁気ギャップのトラック幅が、6μm以下であるこ
とを特徴とする磁気ヘッド。 - 【請求項5】 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、 前記磁気ギャップの所定のアジマス角が、15度以上で
あることを特徴とする磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12878099A JP2000322705A (ja) | 1999-05-10 | 1999-05-10 | 磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12878099A JP2000322705A (ja) | 1999-05-10 | 1999-05-10 | 磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000322705A true JP2000322705A (ja) | 2000-11-24 |
Family
ID=14993288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12878099A Pending JP2000322705A (ja) | 1999-05-10 | 1999-05-10 | 磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000322705A (ja) |
-
1999
- 1999-05-10 JP JP12878099A patent/JP2000322705A/ja active Pending
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