JP2000320881A - 空気調和機の受光部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】空気調和機の受光部構造を簡単にし意匠の向上
を図る。更に、受信可能範囲を改善しワイヤレスリモー
トコントローラの操作範囲の自由度を高める。 【解決手段】上記課題を解決するために前面パネルの一
部を薄肉化し、従来別部品であった受光部フィルタと同
様の効果を得られるようにする。一体成形とすること
で、シンプルな構造となり組立工数が減り原価低減が可
能となる。また、部品同士の合わせ目がなくなること
で、意匠効果を向上することができる。更に、受光フィ
ルタの受光面裏面を凸形状としその凸形状全表面を粗面
とすることでワイヤレスリモートコントローラからの赤
外線信号を広範囲で受信することができるようになり、
ワイヤレスリモートコントローラの操作範囲の自由度を
高められる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は空気調和機における
ワイヤレスリモートコントローラ赤外線信号受信部の構
造に関するものであり、外観を良くし意匠効果を向上さ
せるとともに、組立作業性が良く、ワイヤレスリモート
コントローラの赤外線信号受信性能の向上を図ることが
できる受光部構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の構造について、図３により説明す
る。６は受光センサ５を搭載した基板である。７は前面
パネルに取り付けられたプレート状の樹脂成形品による
受光フィルタである。図３の構造の技術としては特開平
7−71785号に記載されているものが知られている。ま
た、受信性能に関わる問題として、ワイヤレスリモート
コントローラからの赤外線信号を広範囲で受信するため
の技術として、例えば、特開昭60−140041号が知られて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図３の
従来例では受光センサ上部のプレート状の樹脂成形品を
前面パネルに接着または、つめによる引掛け等により固
定する構造のため、組立工数が増えコストアップの要因
となっていた。

【０００４】また、一般的に空気調和機においては部屋
の高所で隅に設置されることが多いため、前面パネルと
受光センサ上部のプレート状の樹脂成形品との合わせ目
に塵埃等が詰まった場合、容易に掃除が行えず美観を損
なうという問題があった。

【０００５】次に、ワイヤレスリモートコントローラの
操作方法は、大きく分けて２通りあり、第１の方法とし
ては、ワイヤレスリモートコントローラを操作者の手元
に置き必要なとき、操作者が空気調和機の受光部にワイ
ヤレスリモートコントローラの送光部を向け操作する方
法、第２の方法としては、図４の如く、柱，壁等にリモ
コン保持装置９を固定し、その保持装置にワイヤレスリ
モートコントローラを装着してその位置から操作する方
法である。第２の方法では、リモコン保持装置を取り付
けるときにワイヤレスリモートコントローラの送光ＬＥ
Ｄの指向性，出力強度，受光センサの受信性能を考慮し
確実に受信できる位置に取り付ける必要があり取付位置
が制限されていた。また、これらを解決するために赤外
線信号を広範囲で受信できるようするためには、受光セ
ンサ上部のプレート状の樹脂成形品による受光フィルタ
を大きくしたり受光部の数を増やせばよいが意匠上の問
題があった。

【０００６】赤外線の代わりに電波を利用した無線方式
のワイヤレスリモートコントローラにした場合、リモコ
ン保持装置の取付上の制限はなくなるが、高価な無線装
置をワイヤレスリモートコントローラ及び空気調和機に
搭載しなくてはならず製造コストが高くなるという問題
があった。

【０００７】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、組立作業性が良く意匠性に優れ、かつワイ
ヤレスリモートコントローラからの赤外線信号を広範囲
で受信できる受光フィルタを備えた空気調和機を提供す
るものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に前面パネルの一部を薄肉化し従来別部品であった受光
フィルタと同様の効果を得られるようにする。更に、薄
肉によるフィルタの受光部裏面をレンズ状に凸形状と
し、かつ裏面表面を粗面としたことを特徴とする受光フ
ィルタを室内ユニットに設けるものである。一体成形と
することで、シンプルな構造となり組立工数が減ること
で原価低減が可能となる。また、部品同士の合わせ目が
なくなることで、意匠効果を向上することができ、複数
の受光部を備えた場合においても意匠に影響を及ぼすこ
とがない。更に、受光部裏面の凸形状によるレンズ効果
及び凸形状の表面の細かな凹凸による光の乱反射や拡散
によってワイヤレスリモートコントローラからの赤外線
信号を広範囲で受信することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図１によ
り説明する。

【００１０】図１は空気調和機１のワイヤレスリモート
コントローラ受信部構造を示す詳細図である。図１に示
す受光部３は前面パネル２の一部を薄肉化することで形
成されており、受光センサ５を裏側に配するようになっ
ている。また、意匠性の面から受光部３は表側からは見
えないようになっている。

【００１１】受光部３の裏面は３次曲線の如き凸形状を
有しており、更に、表面は粗面となっており、この受光
部３を通過した赤外線信号は受光部裏面４の表面から出
光する際に乱反射，拡散することによって受光センサ５
を外れる光の一部も到達することになる。この粗面が受
光部裏面４の凸形状でも集光できない光を受光センサ５
まで到達させる手段である。

【００１２】この受光部３の薄肉部の厚さは従来別部品
であった受光フィルタと同等の性能を得るために１mm以
下とすることが望ましい。

【００１３】しかし、本発明はこれに限定されず、受光
部が形成される部分の材質，色調等により１mm以上であ
ってもよい。

【００１４】また、受光部裏面４の粗面状態は均一で、
かつ面粗さ５μｍ以上が効果的であり、望ましくは１０
μｍから５０μｍが良好である。

【００１５】図２（ａ)，(ｂ)，(ｃ）は、それぞれ受光
部裏面４の形状を平面，凸面，粗面凸面にした受光部の
断面を示している。

【００１６】図２（ａ）の場合、赤外線信号の光線ｏは
受光センサ５に到達するが、光線ｐは到達しない。
（ｂ）の場合、光線ｏは勿論のこと、光線ｐも受光部裏
面４の凸面によって受光センサ５まで到達するが、光線
ｑのように到達できない場合もある。しかし、光線ｑで
あっても（ｃ）の場合、粗面凸面によって裏面から出光
する際、凸形状の曲率によって屈折させられた光線ｑの
ほかに粗面表面で拡散された、例えば光線ｑ１，ｑ２等
が存在し、ここではその一部ｑ１が受光センサ５まで到
達できる。

【００１７】このように、凸形状の裏面によっての集光
効果ばかりでなく、表面粗面による拡散効果によって受
光性能は大幅に向上する。

【００１８】図２は受光フィルタに対して直角の入光で
あるが、実際に使用される状況は種々の入光角度が考え
られ、この効果は充分期待できる。更に、受光部裏面４
を凸形状に成形できない場合においても、平面を粗面化
することによってある程度の効果は期待できる。

【００１９】本実施例によれば、空気調和機の如き赤外
線信号で動作を行う電気製品において、その受信部を構
成するフィルタの受光部３を透過した赤外線信号は、受
光部裏面４で形成された３次曲面の凸形状で集光される
ばかりでなく、集光されてもその入光角度によっては受
光センサ５に到達しない光をも受光部裏面４の表面粗面
によって乱反射拡散され受信可能となる効果がある。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、空気調和機のワイヤレ
スリモートコントローラ受信部のプレート状の樹脂成形
品による受光フィルタを前面パネルの一部を薄肉化する
ことで前面パネルに一体とする構造とし組立作業性を向
上することができる。また、部品同士の合わせ目を空気
調和機正面に見せることなく、複数個の受光部を備えた
場合においても意匠に影響を与えることがない。更に、
ワイヤレスリモートコントローラの受信性能の向上を図
ることができ、リモコン保持装置を利用する場合におい
ても、その固定位置の自由度を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による空気調和機の受光部構造図。

【図２】受光フィルタの断面形状別の受光性能比較説明
図。

【図３】従来技術による空気調和機の受光部構造図。

【図４】リモコンの操作方法の一例説明図。

【符号の説明】

１…空気調和機、２…前面パネル、３…受光部、４…受
光部裏面、５…受光センサ、６…基板、７…受光フィル
タ、８…フィルタ固定つめ、９…リモコン保持装置、１
０…ワイヤレスリモートコントローラ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】熱交換装置，送風装置を備えた空気調和機
   と、前記熱交換装置，送風装置の運転制御信号を赤外線
   信号にて出力するワイヤレスリモートコントローラを備
   え、前記ワイヤレスリモートコントローラから出力され
   た赤外線信号を受信する機能を持ち、その信号に基づい
   た動作を行うことを特徴とする空気調和機の受光センサ
   上部に設けられるプレート状の樹脂成形品による受光フ
   ィルタを前面パネルの受光センサ上部の一部を薄肉化す
   ることで不要とすることを特徴とする空気調和機の受光
   部構造。
2. 【請求項２】請求項１の薄肉により形成された受光フィ
   ルタ部において、受光部裏面をレンズ状に凸形状とし、
   裏面表面を粗面としたことを特徴とする空気調和機の受
   光部構造。
3. 【請求項３】請求項１の薄肉により形成された受光フィ
   ルタによる受光部を１個以上備えることでワイヤレスリ
   モートコントローラの赤外線信号受信性能の向上を図る
   ことができることを特徴とする空気調和機の受光部構
   造。