JP2000320645A - デファレンシャル装置 - Google Patents
デファレンシャル装置Info
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- 230000000694 effects Effects 0.000 description 17
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- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 9
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- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 5
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- 238000000034 method Methods 0.000 description 3
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 2
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- 230000000717 retained effect Effects 0.000 description 1
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- Retarders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 イニシャルトルク用の付勢手段を位置決め
し、同一のリテ−ナを一対用いて付勢手段を保持する。 【解決手段】 ピニオンシャフト17に支承されたピニ
オンギヤ19と出力側サイドギヤ21、23とが噛み合
ったベベルギヤ式の差動機構5と、デフケ−ス3とギヤ
21、23との間に配置された摩擦クラッチ7、7と、
リテ−ナ9、9を介して各摩擦クラッチ7を押圧する付
勢手段11とを備え、付勢手段を位置決めしながら保持
する支持部51と、シャフト17に係合して廻り止めさ
れる係合部55が設けられた突き出し部49とを有する
一対のリテ−ナ9を、それぞれの突き出し部49を対向
させて配置した。
し、同一のリテ−ナを一対用いて付勢手段を保持する。 【解決手段】 ピニオンシャフト17に支承されたピニ
オンギヤ19と出力側サイドギヤ21、23とが噛み合
ったベベルギヤ式の差動機構5と、デフケ−ス3とギヤ
21、23との間に配置された摩擦クラッチ7、7と、
リテ−ナ9、9を介して各摩擦クラッチ7を押圧する付
勢手段11とを備え、付勢手段を位置決めしながら保持
する支持部51と、シャフト17に係合して廻り止めさ
れる係合部55が設けられた突き出し部49とを有する
一対のリテ−ナ9を、それぞれの突き出し部49を対向
させて配置した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両のデファレ
ンシャル装置に関する。
ンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特公昭47−10484号公報に図8の
ようなデファレンシャル装置201が記載されている。
ようなデファレンシャル装置201が記載されている。
【0003】このデファレンシャル装置201は、デフ
ケ−ス203、ベベルギヤ式の差動機構205、一対の
コ−ンクラッチ207、207、これらにイニシャルト
ルクを与える複数個のコイルスプリング209、各コイ
ルスプリング209を支持するリテ−ナ211、213
などから構成されている。
ケ−ス203、ベベルギヤ式の差動機構205、一対の
コ−ンクラッチ207、207、これらにイニシャルト
ルクを与える複数個のコイルスプリング209、各コイ
ルスプリング209を支持するリテ−ナ211、213
などから構成されている。
【0004】ベベルギヤ式差動機構205は、外側の端
部がデフケ−ス203に固定されたピニオンシャフト2
15、ピニオンシャフト215上に回転自在に支承され
たピニオンギヤ217、それぞれがピニオンギヤ217
と噛み合った一対の出力側サイドギヤ219、221な
どから構成されている。
部がデフケ−ス203に固定されたピニオンシャフト2
15、ピニオンシャフト215上に回転自在に支承され
たピニオンギヤ217、それぞれがピニオンギヤ217
と噛み合った一対の出力側サイドギヤ219、221な
どから構成されている。
【0005】各サイドギヤ219、221はそれぞれの
出力軸223、225にスプライン連結されており、デ
フケ−ス203を回転させるエンジンの駆動力はサイド
ギヤ219、221から出力軸223、225を介して
各車輪に配分される。
出力軸223、225にスプライン連結されており、デ
フケ−ス203を回転させるエンジンの駆動力はサイド
ギヤ219、221から出力軸223、225を介して
各車輪に配分される。
【0006】各コ−ンクラッチ207は、各出力軸22
3、225に連結されたクラッチ部227、227とデ
フケ−ス203との間に形成されており、サイドギヤ2
19、221の噛み合い反力を受けて締結され、差動機
構205の伝達トルクに感応するトルク感応型差動制限
機能によって差動を制限する。
3、225に連結されたクラッチ部227、227とデ
フケ−ス203との間に形成されており、サイドギヤ2
19、221の噛み合い反力を受けて締結され、差動機
構205の伝達トルクに感応するトルク感応型差動制限
機能によって差動を制限する。
【0007】このトルク感応型差動制限機能は、車両の
発進時や加速時に各車輪の空転を制限して車体の安定性
を高めるが、悪路などで片輪が大きく空転すると、空転
側の車輪に駆動トルクが逃げて差動制限機能を失い、発
進性、加速性、悪路走破性などが低下する恐れがある。
発進時や加速時に各車輪の空転を制限して車体の安定性
を高めるが、悪路などで片輪が大きく空転すると、空転
側の車輪に駆動トルクが逃げて差動制限機能を失い、発
進性、加速性、悪路走破性などが低下する恐れがある。
【0008】リテ−ナ211、213は、サイドギヤ2
19、221の軸方向内側に配置されており、コイルス
プリング209は、リテ−ナ211、213の間に支持
され、リテ−ナ211、213とサイドギヤ219、2
21とクラッチ部227、227を介して各コ−ンクラ
ッチ207を押圧し、イニシャルトルクを与える。
19、221の軸方向内側に配置されており、コイルス
プリング209は、リテ−ナ211、213の間に支持
され、リテ−ナ211、213とサイドギヤ219、2
21とクラッチ部227、227を介して各コ−ンクラ
ッチ207を押圧し、イニシャルトルクを与える。
【0009】このイニシャルトルクにより、上記のよう
にトルク感応型差動制限機能が低下したときの、発進
性、加速性、悪路走破性などを向上させる。
にトルク感応型差動制限機能が低下したときの、発進
性、加速性、悪路走破性などを向上させる。
【0010】図9は、従来のリテ−ナ229を示してい
る。
る。
【0011】このリテ−ナ229は、基板231とこの
基板231に設けられた一対の突き出し部233、23
3とを備えており、各突き出し部233には貫通孔23
5が設けられている。又、基板231にはコイルスプリ
ングを支持し、センタ−リングする支持部237が設け
られている。
基板231に設けられた一対の突き出し部233、23
3とを備えており、各突き出し部233には貫通孔23
5が設けられている。又、基板231にはコイルスプリ
ングを支持し、センタ−リングする支持部237が設け
られている。
【0012】両リテ−ナ229は、図10と図11のよ
うに、それぞれの突き出し部233を重ねて組み合わせ
た状態で用いられる。各リテ−ナ229にはサイドギヤ
との摩擦トルクが掛かるから、それぞれの貫通孔235
にピニオンシャフトを貫通させて廻り止めし、各リテ−
ナ229の相対回転を防止する。
うに、それぞれの突き出し部233を重ねて組み合わせ
た状態で用いられる。各リテ−ナ229にはサイドギヤ
との摩擦トルクが掛かるから、それぞれの貫通孔235
にピニオンシャフトを貫通させて廻り止めし、各リテ−
ナ229の相対回転を防止する。
【0013】こうしてコイルスプリングの捩じれが防止
され、正常なイニシャルトルクによる所定の差動制限力
が得られる。
され、正常なイニシャルトルクによる所定の差動制限力
が得られる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図10のよ
うに、同一のリテ−ナ229をそれぞれの突き出し部2
33を重ねて組み合わせると、突き出し部233の板厚
tだけそれぞれの支持部237の間で位置ずれが生じ、
センタ−リングが狂ってコイルスプリングに無理な力が
掛かる。
うに、同一のリテ−ナ229をそれぞれの突き出し部2
33を重ねて組み合わせると、突き出し部233の板厚
tだけそれぞれの支持部237の間で位置ずれが生じ、
センタ−リングが狂ってコイルスプリングに無理な力が
掛かる。
【0015】コイルスプリングに無理な力が掛かると、
所定のイニシャルトルクが得られないことがあり、又、
コイルスプリングの耐久性も低下する。
所定のイニシャルトルクが得られないことがあり、又、
コイルスプリングの耐久性も低下する。
【0016】しかし、組み合わせた状態で各支持部の位
置ずれが生じないように異なった寸法のリテ−ナを2種
類用意すると、それだけ部品点数が増加し、部品コスト
が上昇する。
置ずれが生じないように異なった寸法のリテ−ナを2種
類用意すると、それだけ部品点数が増加し、部品コスト
が上昇する。
【0017】又、図11のように、ピニオンシャフトは
両リテ−ナ229の貫通孔235が重なった状態でこれ
らに貫通させなければならないが、この状態では矢印2
39のように各リテ−ナ229にコイルスプリングの大
きな力が働き、各貫通孔235がずれ易いから、ピニオ
ンシャフトと両リテ−ナ229の組付けは難しく、作業
性が極めて悪い。
両リテ−ナ229の貫通孔235が重なった状態でこれ
らに貫通させなければならないが、この状態では矢印2
39のように各リテ−ナ229にコイルスプリングの大
きな力が働き、各貫通孔235がずれ易いから、ピニオ
ンシャフトと両リテ−ナ229の組付けは難しく、作業
性が極めて悪い。
【0018】又、両リテ−ナ229は、ピニオンシャフ
トによって廻り止めされてはいるが、ピニオンシャフト
の軸方向(図10の矢印241の方向)には位置決めさ
れていないから、例えば、遠心力や振動を受けると、各
リテ−ナ229が互いに離れる方向に移動する恐れがあ
る。
トによって廻り止めされてはいるが、ピニオンシャフト
の軸方向(図10の矢印241の方向)には位置決めさ
れていないから、例えば、遠心力や振動を受けると、各
リテ−ナ229が互いに離れる方向に移動する恐れがあ
る。
【0019】このように移動すると互いの支持部237
の間で位置ずれが生じ、上記のように、コイルスプリン
グに無理な力が掛かって所定のイニシャルトルクが得ら
れず、コイルスプリングの耐久性が低下する上に、ピニ
オンシャフトと各リテ−ナ229との間で摩擦が生じ、
発熱して耐久性が低下する恐れがある。
の間で位置ずれが生じ、上記のように、コイルスプリン
グに無理な力が掛かって所定のイニシャルトルクが得ら
れず、コイルスプリングの耐久性が低下する上に、ピニ
オンシャフトと各リテ−ナ229との間で摩擦が生じ、
発熱して耐久性が低下する恐れがある。
【0020】又、リテ−ナ229は、図11のように、
ピニオンシャフトからの荷重を受ける突き出し部233
の幅w1が狭いから、突き出し部233が破損する恐れ
がある。
ピニオンシャフトからの荷重を受ける突き出し部233
の幅w1が狭いから、突き出し部233が破損する恐れ
がある。
【0021】突き出し部233が破損すると、リテ−ナ
209の廻り止め機能が失われ、大きな捩じれによって
コイルスプリングに無理な力が掛かり、所定のイニシャ
ルトルクが得られないばかりでなく、コイルスプリング
が破損することもある。
209の廻り止め機能が失われ、大きな捩じれによって
コイルスプリングに無理な力が掛かり、所定のイニシャ
ルトルクが得られないばかりでなく、コイルスプリング
が破損することもある。
【0022】そこで、この発明は、イニシャルトルク用
の付勢手段を正常に位置決めしながら、同一のリテ−ナ
を一対用いて付勢手段を保持すると共に、ピニオンシャ
フトと各リテ−ナとの組付けが容易なデファレンシャル
装置の提供を目的とする。
の付勢手段を正常に位置決めしながら、同一のリテ−ナ
を一対用いて付勢手段を保持すると共に、ピニオンシャ
フトと各リテ−ナとの組付けが容易なデファレンシャル
装置の提供を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のデファレ
ンシャル装置は、エンジンの駆動力によって回転駆動さ
れるデフケ−スと、デフケ−スと一体に回転するピニオ
ンシャフトと、このピニオンシャフト上に支承されたピ
ニオンギヤと、このピニオンギヤと噛み合い、それぞれ
の出力軸に連結された一対の出力側サイドギヤとを有す
るベベルギヤ式の差動機構と、デフケ−スと各サイドギ
ヤとの間に配置された一対の摩擦クラッチと、一対のリ
テ−ナの間に配置され、これらを介して各摩擦クラッチ
を押圧する付勢手段とを備え、付勢手段を位置決めしな
がら保持する支持部と、ピニオンシャフトに係合して廻
り止めされる係合部が設けられた突き出し部とを有する
一対の同一のリテ−ナが、突き出し部を互いに対向して
配置されていることを特徴とする。
ンシャル装置は、エンジンの駆動力によって回転駆動さ
れるデフケ−スと、デフケ−スと一体に回転するピニオ
ンシャフトと、このピニオンシャフト上に支承されたピ
ニオンギヤと、このピニオンギヤと噛み合い、それぞれ
の出力軸に連結された一対の出力側サイドギヤとを有す
るベベルギヤ式の差動機構と、デフケ−スと各サイドギ
ヤとの間に配置された一対の摩擦クラッチと、一対のリ
テ−ナの間に配置され、これらを介して各摩擦クラッチ
を押圧する付勢手段とを備え、付勢手段を位置決めしな
がら保持する支持部と、ピニオンシャフトに係合して廻
り止めされる係合部が設けられた突き出し部とを有する
一対の同一のリテ−ナが、突き出し部を互いに対向して
配置されていることを特徴とする。
【0024】摩擦クラッチは、サイドギヤの噛み合い反
力によって押圧され、トルク感応型の差動制限機能が得
られる。
力によって押圧され、トルク感応型の差動制限機能が得
られる。
【0025】又、付勢手段はリテ−ナを介して摩擦クラ
ッチを押圧し、イニシャルトルクを与える。トルク感応
型の差動制限機能が低下したときは、このイニシャルト
ルクによって、車両の発進性や加速性、あるいは、悪路
走破性などが向上する。
ッチを押圧し、イニシャルトルクを与える。トルク感応
型の差動制限機能が低下したときは、このイニシャルト
ルクによって、車両の発進性や加速性、あるいは、悪路
走破性などが向上する。
【0026】この付勢手段は両リテ−ナの支持部によっ
て正常な位置に保持されると共に、係合部でピニオンシ
ャフトに係合して廻り止めされ、相対回転が防止されて
いる。
て正常な位置に保持されると共に、係合部でピニオンシ
ャフトに係合して廻り止めされ、相対回転が防止されて
いる。
【0027】こうして両リテ−ナの間で付勢手段が捩じ
れることが防止され、正常なイニシャルトルクによる所
定の差動制限力が得られると共に、各リテ−ナと付勢手
段との摺動と焼き付きが防止される。
れることが防止され、正常なイニシャルトルクによる所
定の差動制限力が得られると共に、各リテ−ナと付勢手
段との摺動と焼き付きが防止される。
【0028】又、本発明のデファレンシャル装置は、同
一のリテ−ナを2個用いて、これらの突き出し部を互い
に対向配置して組み合わせたことにより、異なった2個
のリテ−ナを用いる構成と較べて、それだけ部品点数が
減少し、部品コストを下げられる。
一のリテ−ナを2個用いて、これらの突き出し部を互い
に対向配置して組み合わせたことにより、異なった2個
のリテ−ナを用いる構成と較べて、それだけ部品点数が
減少し、部品コストを下げられる。
【0029】請求項2記載の発明は、請求項1記載のデ
ファレンシャル装置であって、突き出し部が、リテ−ナ
に一対設けられており、付勢手段の支持部を、突き出し
部の厚さtの方向にt/2だけオフセットして形成する
と共に、これらのオフセット量が打ち消される方向にそ
れぞれの突き出し部を互い違いに重ねて両リテ−ナを組
み合わせたことを特徴とし、請求項1の構成と同等の効
果を得る。
ファレンシャル装置であって、突き出し部が、リテ−ナ
に一対設けられており、付勢手段の支持部を、突き出し
部の厚さtの方向にt/2だけオフセットして形成する
と共に、これらのオフセット量が打ち消される方向にそ
れぞれの突き出し部を互い違いに重ねて両リテ−ナを組
み合わせたことを特徴とし、請求項1の構成と同等の効
果を得る。
【0030】又、この構成では、リテ−ナに突き出し部
が一対設けられており、突き出し部の厚さをtとしたと
き、支持部の位置を突き出し部の厚さtの方向にt/2
だけオフセットし、両リテ−ナを組み合わせるときに、
これらのオフセット量が打ち消される方向にそれぞれの
突き出し部を互い違いに重ね合わせた。
が一対設けられており、突き出し部の厚さをtとしたと
き、支持部の位置を突き出し部の厚さtの方向にt/2
だけオフセットし、両リテ−ナを組み合わせるときに、
これらのオフセット量が打ち消される方向にそれぞれの
突き出し部を互い違いに重ね合わせた。
【0031】従って、突き出し部を互い違いに重ね合わ
せても、両リテ−ナを組み合わせた状態でそれぞれの支
持部の間で位置ずれが生じない。
せても、両リテ−ナを組み合わせた状態でそれぞれの支
持部の間で位置ずれが生じない。
【0032】このように、両リテ−ナの支持部が正しく
位置決めされるから、付勢手段に捩じれのような無理な
力が掛かることが防止され、所定のイニシャルトルクが
得られると共に、付勢手段の耐久性が向上する。
位置決めされるから、付勢手段に捩じれのような無理な
力が掛かることが防止され、所定のイニシャルトルクが
得られると共に、付勢手段の耐久性が向上する。
【0033】又、支持部の位置ずれが生じないように、
寸法の異なった2種類のリテ−ナを用意する必要がない
から、部品点数の増加と部品コストの上昇が防止され
る。
寸法の異なった2種類のリテ−ナを用意する必要がない
から、部品点数の増加と部品コストの上昇が防止され
る。
【0034】請求項3記載の発明は、請求項2記載のデ
ファレンシャル装置であって、リテ−ナの係合部が、ピ
ニオンシャフト側に開口を有する切り欠きであることを
特徴とし、請求項2の構成と同等の効果を得る。
ファレンシャル装置であって、リテ−ナの係合部が、ピ
ニオンシャフト側に開口を有する切り欠きであることを
特徴とし、請求項2の構成と同等の効果を得る。
【0035】これに加えて、ピニオンシャフト側に開口
する切り欠きをリテ−ナに設け、この切り欠きをピニオ
ンシャフトに係合させて廻り止めするから、従来例と異
なり、付勢手段の力を受けずにリテ−ナとピニオンシャ
フトとを組付けることが可能になった。
する切り欠きをリテ−ナに設け、この切り欠きをピニオ
ンシャフトに係合させて廻り止めするから、従来例と異
なり、付勢手段の力を受けずにリテ−ナとピニオンシャ
フトとを組付けることが可能になった。
【0036】従って、例えば、ピニオンシャフトをその
径方向から各リテ−ナの切り欠きに係合させた後、付勢
手段を挟んだ両リテ−ナをサイドギヤの間に組付けるこ
とが可能であり、あるいは、付勢手段を挟んだ両リテ−
ナをサイドギヤの間に組付けた後、ピニオンシャフトを
その軸方向から切り欠きに係合させることも可能であ
る。
径方向から各リテ−ナの切り欠きに係合させた後、付勢
手段を挟んだ両リテ−ナをサイドギヤの間に組付けるこ
とが可能であり、あるいは、付勢手段を挟んだ両リテ−
ナをサイドギヤの間に組付けた後、ピニオンシャフトを
その軸方向から切り欠きに係合させることも可能であ
る。
【0037】いずれの組付けも従来例に較べて極めて容
易であると共に、このように組付けの自由度が高くなっ
た。
易であると共に、このように組付けの自由度が高くなっ
た。
【0038】又、付勢手段の力を受けずにリテ−ナとピ
ニオンシャフトとを組付けることができるから、必要に
応じて付勢力の大きい付勢手段を用い、充分なイニシャ
ルトルクを得ることができる。
ニオンシャフトとを組付けることができるから、必要に
応じて付勢力の大きい付勢手段を用い、充分なイニシャ
ルトルクを得ることができる。
【0039】請求項4記載の発明は、請求項1記載のデ
ファレンシャル装置であって、リテ−ナの突き出し部
が、互いに対向する一対の高い突き出し部と、互いに対
向する一対の低い突き出し部とからなり、これら高い突
き出し部と低い突き出し部との間にピニオンシャフト側
に開口する切り欠きが形成されていると共に、両リテ−
ナが、それぞれの高い突き出し部と低い突き出し部の各
端部を互いに突き合わせて組み合わされていると共に、
このように組み合わせたとき、両リテ−ナの各切り欠き
の間にピニオンシャフトが係合することを特徴とし、請
求項1の構成と同等の効果を得る。
ファレンシャル装置であって、リテ−ナの突き出し部
が、互いに対向する一対の高い突き出し部と、互いに対
向する一対の低い突き出し部とからなり、これら高い突
き出し部と低い突き出し部との間にピニオンシャフト側
に開口する切り欠きが形成されていると共に、両リテ−
ナが、それぞれの高い突き出し部と低い突き出し部の各
端部を互いに突き合わせて組み合わされていると共に、
このように組み合わせたとき、両リテ−ナの各切り欠き
の間にピニオンシャフトが係合することを特徴とし、請
求項1の構成と同等の効果を得る。
【0040】又、この構成では、リテ−ナの突き出し部
が、互いに対向する一対の高い突き出し部と、互いに対
向する一対の低い突き出し部とからなり、それぞれの高
い突き出し部と低い突き出し部の端部を互いに突き合わ
せて、両リテ−ナを組み合わせる。
が、互いに対向する一対の高い突き出し部と、互いに対
向する一対の低い突き出し部とからなり、それぞれの高
い突き出し部と低い突き出し部の端部を互いに突き合わ
せて、両リテ−ナを組み合わせる。
【0041】このように、各突き出し部を厚さ方向に重
ねないから、付勢手段の支持部を各突き出し部の中心線
上に形成しておけば、従来例と異なって、組み合わせた
状態で両リテ−ナの支持部が正しく位置決めされる。
ねないから、付勢手段の支持部を各突き出し部の中心線
上に形成しておけば、従来例と異なって、組み合わせた
状態で両リテ−ナの支持部が正しく位置決めされる。
【0042】従って、付勢手段に捩じれなどの無理な力
が掛かることが防止され、所定のイニシャルトルクが得
られると共に、付勢手段の耐久性が向上する。
が掛かることが防止され、所定のイニシャルトルクが得
られると共に、付勢手段の耐久性が向上する。
【0043】又、支持部の位置ずれが生じないように、
寸法の異なったリテ−ナを2種類用意する必要がないか
ら、部品点数の増加と部品コストの上昇が防止される。
寸法の異なったリテ−ナを2種類用意する必要がないか
ら、部品点数の増加と部品コストの上昇が防止される。
【0044】又、各突き出し部の間に形成される切り欠
きでピニオンシャフトに係合するから、請求項3の構成
と同様に、付勢手段の力を受けない状態でリテ−ナとピ
ニオンシャフトとを組付けることが可能になり、ピニオ
ンシャフトを径方向から切り欠きに係合させる方法と、
付勢手段を挟んだ両リテ−ナをサイドギヤの間に組付け
た後、ピニオンシャフトを軸方向から切り欠きに係合さ
せる方法の両方が可能であり、組付けの自由度が高くな
る。
きでピニオンシャフトに係合するから、請求項3の構成
と同様に、付勢手段の力を受けない状態でリテ−ナとピ
ニオンシャフトとを組付けることが可能になり、ピニオ
ンシャフトを径方向から切り欠きに係合させる方法と、
付勢手段を挟んだ両リテ−ナをサイドギヤの間に組付け
た後、ピニオンシャフトを軸方向から切り欠きに係合さ
せる方法の両方が可能であり、組付けの自由度が高くな
る。
【0045】請求項5記載の発明は、請求項1記載のデ
ファレンシャル装置であって、突き出し部が、リテ−ナ
に1個設けられており、両リテ−ナが、それぞれの突き
出し部の端部と相手側とを互いに突き合わせて組み合わ
されており、このように組み合わせたとき、両リテ−ナ
の各突き出し部の間にピニオンシャフトが係合すること
を特徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得る。
ファレンシャル装置であって、突き出し部が、リテ−ナ
に1個設けられており、両リテ−ナが、それぞれの突き
出し部の端部と相手側とを互いに突き合わせて組み合わ
されており、このように組み合わせたとき、両リテ−ナ
の各突き出し部の間にピニオンシャフトが係合すること
を特徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0046】この構成では、突き出し部の端部と相手側
とを互いに突き合わせて、両リテ−ナを組み合わせ、こ
のように組み合わせたとき、両リテ−ナの各突き出し部
の間にピニオンシャフトが係合し、請求項4の構成と同
等の効果を得る。
とを互いに突き合わせて、両リテ−ナを組み合わせ、こ
のように組み合わせたとき、両リテ−ナの各突き出し部
の間にピニオンシャフトが係合し、請求項4の構成と同
等の効果を得る。
【0047】請求項6記載の発明は、請求項2記載のデ
ファレンシャル装置であって、リテ−ナに、出力軸との
係合孔が設けられており、リテ−ナがこの係合孔を介し
て出力軸に位置決めされると共に、この係合孔を、突き
出し部の厚さtの方向にt/2だけオフセットして形成
すると共に、これらのオフセット量が打ち消される方向
にそれぞれの突き出し部を互い違いに重ねて両リテ−ナ
を組み合わせたことを特徴とし、請求項2の構成と同等
の効果を得る。
ファレンシャル装置であって、リテ−ナに、出力軸との
係合孔が設けられており、リテ−ナがこの係合孔を介し
て出力軸に位置決めされると共に、この係合孔を、突き
出し部の厚さtの方向にt/2だけオフセットして形成
すると共に、これらのオフセット量が打ち消される方向
にそれぞれの突き出し部を互い違いに重ねて両リテ−ナ
を組み合わせたことを特徴とし、請求項2の構成と同等
の効果を得る。
【0048】又、この構成では、リテ−ナに出力軸との
係合孔が設けられており、リテ−ナはこの係合孔を介し
て出力軸に位置決めされる。
係合孔が設けられており、リテ−ナはこの係合孔を介し
て出力軸に位置決めされる。
【0049】又、突き出し部の厚さをtとしたとき、係
合孔を突き出し部の厚さtの方向にt/2だけオフセッ
トし、両リテ−ナを組み合わせるときに、これらのオフ
セット量が打ち消される方向にそれぞれの突き出し部を
互い違いに重ね合わせることによって両リテ−ナの係合
孔が正しく位置決めされる。
合孔を突き出し部の厚さtの方向にt/2だけオフセッ
トし、両リテ−ナを組み合わせるときに、これらのオフ
セット量が打ち消される方向にそれぞれの突き出し部を
互い違いに重ね合わせることによって両リテ−ナの係合
孔が正しく位置決めされる。
【0050】このように、突き出し部を互い違いに重ね
合わせても、両係合孔の間で位置ずれが生じないから、
各出力軸をそれぞれの係合孔に係合させることが可能で
あり、リテ−ナを位置決めすることができる。
合わせても、両係合孔の間で位置ずれが生じないから、
各出力軸をそれぞれの係合孔に係合させることが可能で
あり、リテ−ナを位置決めすることができる。
【0051】この位置決めによって、従来例と異なり、
遠心力や振動を受けても両リテ−ナが互いに離れる方向
に移動することがなく、付勢手段の支持部が所定の位置
に保持されるから、付勢手段に捩じれなどの無理な力が
掛かることがない。
遠心力や振動を受けても両リテ−ナが互いに離れる方向
に移動することがなく、付勢手段の支持部が所定の位置
に保持されるから、付勢手段に捩じれなどの無理な力が
掛かることがない。
【0052】従って、所定のイニシャルトルクが得ら
れ、付勢手段の耐久性が向上する。
れ、付勢手段の耐久性が向上する。
【0053】又、ピニオンシャフトと各リテ−ナとの摩
擦が防止され、摩耗と発熱によるこれらの耐久性低下が
防止される。
擦が防止され、摩耗と発熱によるこれらの耐久性低下が
防止される。
【0054】更に、係合孔の位置ずれが生じないよう
に、リテ−ナを2種類用意する必要がないから、部品点
数の増加と部品コストの上昇が防止される。
に、リテ−ナを2種類用意する必要がないから、部品点
数の増加と部品コストの上昇が防止される。
【0055】請求項7記載の発明は、請求項1又は請求
項3乃至請求項5のいずれか一項に記載のデファレンシ
ャル装置であって、リテ−ナに、出力軸との係合孔が設
けられており、リテ−ナがこの係合孔を介して出力軸に
位置決めされていることを特徴とし、請求項1又は請求
項3乃至請求項5のいずれかと同等の効果を得る。
項3乃至請求項5のいずれか一項に記載のデファレンシ
ャル装置であって、リテ−ナに、出力軸との係合孔が設
けられており、リテ−ナがこの係合孔を介して出力軸に
位置決めされていることを特徴とし、請求項1又は請求
項3乃至請求項5のいずれかと同等の効果を得る。
【0056】これに加えて、リテ−ナに出力軸との係合
孔を設け、この係合孔を介してリテ−ナを出力軸に位置
決めしたことにより、請求項6の構成と同様に、付勢手
段の支持部が所定の位置に保持され、付勢手段に無理な
力が掛からないから、所定のイニシャルトルクが得ら
れ、付勢手段の耐久性が向上する。
孔を設け、この係合孔を介してリテ−ナを出力軸に位置
決めしたことにより、請求項6の構成と同様に、付勢手
段の支持部が所定の位置に保持され、付勢手段に無理な
力が掛からないから、所定のイニシャルトルクが得ら
れ、付勢手段の耐久性が向上する。
【0057】又、ピニオンシャフトと各リテ−ナとの摩
擦が防止され、摩耗と発熱によるこれらの耐久性低下が
防止される。
擦が防止され、摩耗と発熱によるこれらの耐久性低下が
防止される。
【0058】又、係合孔の位置ずれが生じないように、
リテ−ナを2種類用意する必要がないから、部品点数の
増加と部品コストの上昇が防止される。
リテ−ナを2種類用意する必要がないから、部品点数の
増加と部品コストの上昇が防止される。
【0059】
【発明の実施の形態】図1乃至図4によって本発明の第
1実施形態を説明する。
1実施形態を説明する。
【0060】図1はこの実施形態のデファレンシャル装
置1を示しており、このデファレンシャル装置1は請求
項1、2、3、6の特徴を備えている。又、左右の方向
は図1と図4での左右の方向であり、符号を与えていな
い部材等は図示されていない。
置1を示しており、このデファレンシャル装置1は請求
項1、2、3、6の特徴を備えている。又、左右の方向
は図1と図4での左右の方向であり、符号を与えていな
い部材等は図示されていない。
【0061】図1のように、デファレンシャル装置1
は、デフケ−ス3、ベベルギヤ式の差動機構5、一対の
コ−ンクラッチ7、7(摩擦クラッチ)、一対のリテ−
ナ9、9、コイルスプリング11、11(付勢手段)な
どから構成されている。
は、デフケ−ス3、ベベルギヤ式の差動機構5、一対の
コ−ンクラッチ7、7(摩擦クラッチ)、一対のリテ−
ナ9、9、コイルスプリング11、11(付勢手段)な
どから構成されている。
【0062】デファレンシャル装置1はオイル溜りが設
けられたデフキャリヤの内部に配置されている。デフケ
−ス3はボス部13、15をベアリングによってデフキ
ャリヤに支承されており、エンジンの駆動力によって回
転駆動される。
けられたデフキャリヤの内部に配置されている。デフケ
−ス3はボス部13、15をベアリングによってデフキ
ャリヤに支承されており、エンジンの駆動力によって回
転駆動される。
【0063】ベベルギヤ式の差動機構5は、一本のピニ
オンシャフト17と、このピニオンシャフト17上に回
転自在に支承された2個のピニオンギヤ19と、各ピニ
オンギヤ19と噛み合った一対の出力側サイドギヤ2
1、23とから構成されている。
オンシャフト17と、このピニオンシャフト17上に回
転自在に支承された2個のピニオンギヤ19と、各ピニ
オンギヤ19と噛み合った一対の出力側サイドギヤ2
1、23とから構成されている。
【0064】ピニオンシャフト17は、先端部をデフケ
−ス3の貫通孔25に係合し、スプリングピン27によ
って抜け止めされ、廻り止めされている。
−ス3の貫通孔25に係合し、スプリングピン27によ
って抜け止めされ、廻り止めされている。
【0065】デフケ−ス3と各ピニオンギヤ19の間に
は球面ワッシャ29が配置されており、この球面ワッシ
ャ29はピニオンギヤ19の遠心力と、サイドギヤ2
1、23から受けるピニオンギヤ19の噛み合い反力と
を受けている。
は球面ワッシャ29が配置されており、この球面ワッシ
ャ29はピニオンギヤ19の遠心力と、サイドギヤ2
1、23から受けるピニオンギヤ19の噛み合い反力と
を受けている。
【0066】サイドギヤ21、23の各ボス部31、3
3はデフケ−ス3の支承部で支承されていると共に、そ
れぞれの出力軸にスプライン連結され、各出力軸を介し
て左右の車輪側に連結されている。
3はデフケ−ス3の支承部で支承されていると共に、そ
れぞれの出力軸にスプライン連結され、各出力軸を介し
て左右の車輪側に連結されている。
【0067】各コ−ンクラッチ7は、各サイドギヤ2
1、23の外周に設けられたコ−ン部35とデフケ−ス
3の内周に設けられたコ−ン部37との間に形成されて
いる。各コ−ン部35、37の間には摩擦板39が配置
されており、各コ−ン部35、37の摺動速度と発熱を
軽減し、耐久性を向上させている。
1、23の外周に設けられたコ−ン部35とデフケ−ス
3の内周に設けられたコ−ン部37との間に形成されて
いる。各コ−ン部35、37の間には摩擦板39が配置
されており、各コ−ン部35、37の摺動速度と発熱を
軽減し、耐久性を向上させている。
【0068】又、各コ−ン部35、37と摩擦板39と
の間には適度な初期隙間が設けられている。
の間には適度な初期隙間が設けられている。
【0069】各リテ−ナ9は、サイドギヤ21、23の
軸方向内側にそれぞれ配置されている。
軸方向内側にそれぞれ配置されている。
【0070】又、各コイルスプリング11は両リテ−ナ
9の間に配置されており、リテ−ナ9、9とサイドギヤ
21、23とを介し各コ−ンクラッチ7を押圧して締結
し、イニシャルトルクを与えている。
9の間に配置されており、リテ−ナ9、9とサイドギヤ
21、23とを介し各コ−ンクラッチ7を押圧して締結
し、イニシャルトルクを与えている。
【0071】デフケ−ス3には開口41が設けられてお
り、又、ボス部13、15の内周にはそれぞれ螺旋溝4
3、45が設けられている。これらの開口41と螺旋溝
43、45とを介してデフキャリヤのオイル溜りからデ
フケ−ス3にオイルが流出入し、差動機構5の各ギヤの
噛み合い部、各コ−ンクラッチ7、球面ワッシャ29、
リテ−ナ9、9とサイドギヤ21、23との摺動部など
を潤滑し、耐久性を向上させている。
り、又、ボス部13、15の内周にはそれぞれ螺旋溝4
3、45が設けられている。これらの開口41と螺旋溝
43、45とを介してデフキャリヤのオイル溜りからデ
フケ−ス3にオイルが流出入し、差動機構5の各ギヤの
噛み合い部、各コ−ンクラッチ7、球面ワッシャ29、
リテ−ナ9、9とサイドギヤ21、23との摺動部など
を潤滑し、耐久性を向上させている。
【0072】デフケ−ス3を回転させるエンジンの駆動
力は、ピニオンシャフト17とピニオンギヤ19からサ
イドギヤ21、23を介して左右の車輪側に分配され
る。悪路走行中、あるいは、急加速時や発進時に、車輪
間に駆動抵抗差が生じるとピニオンギヤ19の自転によ
ってエンジンの駆動力は各車輪側に差動分配される。
力は、ピニオンシャフト17とピニオンギヤ19からサ
イドギヤ21、23を介して左右の車輪側に分配され
る。悪路走行中、あるいは、急加速時や発進時に、車輪
間に駆動抵抗差が生じるとピニオンギヤ19の自転によ
ってエンジンの駆動力は各車輪側に差動分配される。
【0073】差動機構5がトルクを伝達している間、サ
イドギヤ21、23の噛み合い反力によって各コ−ンク
ラッチ7が押圧されて締結される。この噛み合い反力は
入力トルクに比例するから、各コ−ンクラッチ7の摩擦
抵抗によってトルク感応型の差動制限力が得られる。
イドギヤ21、23の噛み合い反力によって各コ−ンク
ラッチ7が押圧されて締結される。この噛み合い反力は
入力トルクに比例するから、各コ−ンクラッチ7の摩擦
抵抗によってトルク感応型の差動制限力が得られる。
【0074】このトルク感応型差動制限機能によって、
発進時や加速時に車輪の空転が防止され、車体の挙動が
安定し操縦性が向上する。
発進時や加速時に車輪の空転が防止され、車体の挙動が
安定し操縦性が向上する。
【0075】又、発進時や加速時、あるいは、悪路など
で片輪が大きく空転し、トルク感応型の差動制限力が低
下するような場合でも、コイルスプリング11によって
各コ−ンクラッチ7に与えられる上記のイニシャルトル
クが、トルク感応型差動制限機能の低下を補ち、車両の
発進性、加速性、悪路走破性などを高く保つ。
で片輪が大きく空転し、トルク感応型の差動制限力が低
下するような場合でも、コイルスプリング11によって
各コ−ンクラッチ7に与えられる上記のイニシャルトル
クが、トルク感応型差動制限機能の低下を補ち、車両の
発進性、加速性、悪路走破性などを高く保つ。
【0076】図2乃至図4のように、リテ−ナ9は、基
板47と、この基板47の両端に設けられた一対の突き
出し部49、49とを備えている。
板47と、この基板47の両端に設けられた一対の突き
出し部49、49とを備えている。
【0077】基板47には、コイルスプリング11を支
持する2個の円形の凸部51(支持部)と、サイドギヤ
21、23の出力軸が係合する係合孔53とが設けられ
ている。又、各突き出し部49にはピニオンシャフト1
7が係合する切り欠き55(係合部)が設けられてい
る。
持する2個の円形の凸部51(支持部)と、サイドギヤ
21、23の出力軸が係合する係合孔53とが設けられ
ている。又、各突き出し部49にはピニオンシャフト1
7が係合する切り欠き55(係合部)が設けられてい
る。
【0078】図2のように、突き出し部49の厚さはt
であり、各凸部51と係合孔53の位置は、この厚さ方
向にt/2だけオフセットして形成されている。
であり、各凸部51と係合孔53の位置は、この厚さ方
向にt/2だけオフセットして形成されている。
【0079】図4のように、両リテ−ナ9は、これらの
オフセット量が打ち消される方向にそれぞれの突き出し
部49を互い違いに重ね合わせて組み合わされており、
従って、組み合わせた状態で両リテ−ナ9の凸部51、
51及び係合孔53はそれぞれ互いに正しく対向するよ
うに位置決めされる。
オフセット量が打ち消される方向にそれぞれの突き出し
部49を互い違いに重ね合わせて組み合わされており、
従って、組み合わせた状態で両リテ−ナ9の凸部51、
51及び係合孔53はそれぞれ互いに正しく対向するよ
うに位置決めされる。
【0080】又、ピニオンシャフト17は各突き出し部
49の切り欠き55に係合することによって、各リテ−
ナ9の廻り止めをする。
49の切り欠き55に係合することによって、各リテ−
ナ9の廻り止めをする。
【0081】各リテ−ナ9にはサイドギヤ21、23と
の摩擦トルクが掛かるが、この廻り止め機能によって各
リテ−ナ9の相対回転が防止されるから、コイルスプリ
ング11の捩じれが防止され、正常なイニシャルトルク
による所定の差動制限力が得られる。
の摩擦トルクが掛かるが、この廻り止め機能によって各
リテ−ナ9の相対回転が防止されるから、コイルスプリ
ング11の捩じれが防止され、正常なイニシャルトルク
による所定の差動制限力が得られる。
【0082】又、出力軸は係合孔53に係合することに
よって、各リテ−ナ9を位置決めし、特に、各リテ−ナ
9がピニオンシャフト17の軸方向に移動することを防
止する。
よって、各リテ−ナ9を位置決めし、特に、各リテ−ナ
9がピニオンシャフト17の軸方向に移動することを防
止する。
【0083】この位置決め機能によって、遠心力や振動
を受けても両リテ−ナ9が互いに離れる方向に移動する
ことがなく、コイルスプリング11を支持する凸部51
が正しい位置に保持されるから、コイルスプリング11
に捩じれなどの無理な力が掛かることが防止される。
を受けても両リテ−ナ9が互いに離れる方向に移動する
ことがなく、コイルスプリング11を支持する凸部51
が正しい位置に保持されるから、コイルスプリング11
に捩じれなどの無理な力が掛かることが防止される。
【0084】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
されている。
【0085】デファレンシャル装置1は、上記のよう
に、凸部51、51と係合孔53の位置を突き出し部4
9の厚さtの方向にt/2だけオフセットしたから、こ
れらのオフセット量が打ち消される方向に突き出し部4
9を重ね合わせて両リテ−ナ9を組み合わせたことによ
り、両リテ−ナ9の凸部51、51と係合孔53がそれ
ぞれ対向するように位置決めされる。
に、凸部51、51と係合孔53の位置を突き出し部4
9の厚さtの方向にt/2だけオフセットしたから、こ
れらのオフセット量が打ち消される方向に突き出し部4
9を重ね合わせて両リテ−ナ9を組み合わせたことによ
り、両リテ−ナ9の凸部51、51と係合孔53がそれ
ぞれ対向するように位置決めされる。
【0086】このように、突き出し部49を重ねても凸
部51の位置ずれが発生しない上に、係合孔53を出力
軸に係合させたときに両リテ−ナ9の間でも位置ずれが
生じないから、遠心力や振動を受けても出力軸による位
置決め機能によって両リテ−ナ9が互いに離れる方向に
移動することがない。
部51の位置ずれが発生しない上に、係合孔53を出力
軸に係合させたときに両リテ−ナ9の間でも位置ずれが
生じないから、遠心力や振動を受けても出力軸による位
置決め機能によって両リテ−ナ9が互いに離れる方向に
移動することがない。
【0087】従って、コイルスプリング11に無理な力
が掛かることが防止されるから、所定のイニシャルトル
クが得られると共に、コイルスプリング11の耐久性が
向上する。
が掛かることが防止されるから、所定のイニシャルトル
クが得られると共に、コイルスプリング11の耐久性が
向上する。
【0088】又、出力軸の位置決め機能によってピニオ
ンシャフト17と各リテ−ナ9との摩擦が防止されるか
ら、発熱と摩耗によるこれらの耐久性低下も防止され
る。
ンシャフト17と各リテ−ナ9との摩擦が防止されるか
ら、発熱と摩耗によるこれらの耐久性低下も防止され
る。
【0089】又、このように、同一のリテ−ナ9、9を
用いたことにより、2個の異なったリテ−ナを用いる構
成と較べて、それだけ部品点数が減少し、部品コストを
下げられる。
用いたことにより、2個の異なったリテ−ナを用いる構
成と較べて、それだけ部品点数が減少し、部品コストを
下げられる。
【0090】又、ピニオンシャフト17との係合部を切
り欠き55にしたから、従来例と異なって、コイルスプ
リング11の力を受けずにリテ−ナ9、9とピニオンシ
ャフト17とを組付けることが可能になった。
り欠き55にしたから、従来例と異なって、コイルスプ
リング11の力を受けずにリテ−ナ9、9とピニオンシ
ャフト17とを組付けることが可能になった。
【0091】従って、ピニオンシャフト17をその径方
向から各リテ−ナ9の切り欠き55に係合させた後、コ
イルスプリング11を挟んだ各リテ−ナ9をサイドギヤ
21、23の間に組付けることが可能であり、あるい
は、コイルスプリング11を挟んだ各リテ−ナ9をサイ
ドギヤ21、23の間に組付けた後、ピニオンシャフト
17をその軸方向から各リテ−ナ9の切り欠き55に組
付けることも可能である。
向から各リテ−ナ9の切り欠き55に係合させた後、コ
イルスプリング11を挟んだ各リテ−ナ9をサイドギヤ
21、23の間に組付けることが可能であり、あるい
は、コイルスプリング11を挟んだ各リテ−ナ9をサイ
ドギヤ21、23の間に組付けた後、ピニオンシャフト
17をその軸方向から各リテ−ナ9の切り欠き55に組
付けることも可能である。
【0092】いずれの組付けも従来例に較べて極めて容
易であると共に、このように組付けの自由度が高くなっ
た。
易であると共に、このように組付けの自由度が高くなっ
た。
【0093】又、コイルスプリング11の力を受けずに
リテ−ナ9、9とピニオンシャフト17とを組付けるこ
とができるから、必要に応じて付勢力が充分に強いコイ
ルスプリング11を用い、更に大きいイニシャルトルク
を得ることが可能である。
リテ−ナ9、9とピニオンシャフト17とを組付けるこ
とができるから、必要に応じて付勢力が充分に強いコイ
ルスプリング11を用い、更に大きいイニシャルトルク
を得ることが可能である。
【0094】次に、図5乃至図7によって本発明の第2
実施形態を説明する。
実施形態を説明する。
【0095】このデファレンシャル装置は請求項1、
4、7の特徴を備えている。各図は第2実施形態のデフ
ァレンシャル装置に用いられたリテ−ナ101を示して
おり、符号を与えていない部材等は図示されていない。
4、7の特徴を備えている。各図は第2実施形態のデフ
ァレンシャル装置に用いられたリテ−ナ101を示して
おり、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0096】なお、図5乃至図7及び第2実施形態の説
明の中で、第1実施形態のデファレンシャル装置1と同
機能の部材は同一の符号で引用すると共に、これら同機
能部材の重複説明は省略する。
明の中で、第1実施形態のデファレンシャル装置1と同
機能の部材は同一の符号で引用すると共に、これら同機
能部材の重複説明は省略する。
【0097】リテ−ナ101は、サイドギヤ21、23
の軸方向内側に2個配置されている。
の軸方向内側に2個配置されている。
【0098】各コイルスプリング11は両リテ−ナ10
1の間に配置されており、各リテ−ナ101を介してサ
イドギヤ21、23を押圧し、各コ−ンクラッチ7を締
結してイニシャルトルクを与える。
1の間に配置されており、各リテ−ナ101を介してサ
イドギヤ21、23を押圧し、各コ−ンクラッチ7を締
結してイニシャルトルクを与える。
【0099】図5乃至図7のように、リテ−ナ101
は、基板103と、基板103の両端に設けられ、互い
に対向した一対の高い突き出し部105、105と、互
いに対向した一対の低い突き出し部107、107とを
備えている。
は、基板103と、基板103の両端に設けられ、互い
に対向した一対の高い突き出し部105、105と、互
いに対向した一対の低い突き出し部107、107とを
備えている。
【0100】基板103には、コイルスプリング11を
支持する2個の円形の凸部109(支持部)と、サイド
ギヤ21、23の出力軸が係合する係合孔111とが設
けられている。
支持する2個の円形の凸部109(支持部)と、サイド
ギヤ21、23の出力軸が係合する係合孔111とが設
けられている。
【0101】図5のように、凸部109、109と係合
孔111は、高低の各突き出し部105、107の中心
線上に配置されている。
孔111は、高低の各突き出し部105、107の中心
線上に配置されている。
【0102】図7のように、両リテ−ナ101は、それ
ぞれの高い突き出し部105、105の各端部と、相手
側の低い突き出し部107、107の各端部とを互いに
突き合わせて組み合わされており、組み合わせた状態で
両リテ−ナ101の凸部109、109及び係合孔11
1はそれぞれ互いに正しく対向するように位置決めされ
る。
ぞれの高い突き出し部105、105の各端部と、相手
側の低い突き出し部107、107の各端部とを互いに
突き合わせて組み合わされており、組み合わせた状態で
両リテ−ナ101の凸部109、109及び係合孔11
1はそれぞれ互いに正しく対向するように位置決めされ
る。
【0103】又、図7のように、両リテ−ナ101の高
い突き出し部105、105の間でピニオンシャフト1
7が係合する切り欠き113(係合部)が形成されてお
り、ピニオンシャフト17はこの切り欠き113に係合
することによって、各リテ−ナ101の廻り止めをして
いる。
い突き出し部105、105の間でピニオンシャフト1
7が係合する切り欠き113(係合部)が形成されてお
り、ピニオンシャフト17はこの切り欠き113に係合
することによって、各リテ−ナ101の廻り止めをして
いる。
【0104】各リテ−ナ101にはサイドギヤ21、2
3との摩擦トルクが掛かるが、この廻り止め機能によっ
て各リテ−ナ101の相対回転が防止されるから、コイ
ルスプリング11の捩じれが防止され、正常なイニシャ
ルトルクによる所定の差動制限力が得られる。
3との摩擦トルクが掛かるが、この廻り止め機能によっ
て各リテ−ナ101の相対回転が防止されるから、コイ
ルスプリング11の捩じれが防止され、正常なイニシャ
ルトルクによる所定の差動制限力が得られる。
【0105】又、図7のように、ピニオンシャフト17
の荷重115を切り欠き113で受ける高い突き出し部
105の幅w2は、図11の従来例において同様にピニ
オンシャフトの荷重を受ける折り曲げ部233の幅w1
より大幅に広くされている。
の荷重115を切り欠き113で受ける高い突き出し部
105の幅w2は、図11の従来例において同様にピニ
オンシャフトの荷重を受ける折り曲げ部233の幅w1
より大幅に広くされている。
【0106】従って、突き出し部105が破損しリテ−
ナ101の廻り止め機能が失われることはなく、コイル
スプリング11に無理な力が掛かることがないから、所
定のイニシャルトルクが得られると共に、コイルスプリ
ング11の破損も防止される。
ナ101の廻り止め機能が失われることはなく、コイル
スプリング11に無理な力が掛かることがないから、所
定のイニシャルトルクが得られると共に、コイルスプリ
ング11の破損も防止される。
【0107】又、出力軸は係合孔111に係合すること
によって、各リテ−ナ101を位置決めし、特に、各リ
テ−ナ101がピニオンシャフト17の軸方向に移動す
ることを防止する。
によって、各リテ−ナ101を位置決めし、特に、各リ
テ−ナ101がピニオンシャフト17の軸方向に移動す
ることを防止する。
【0108】この位置決め機能により、遠心力や振動を
受けても両リテ−ナ101が互いに離れる方向に移動す
ることがなく、コイルスプリング11を支持する凸部1
09が正しい位置に保持されるから、コイルスプリング
11に無理な力が掛かることが防止される。
受けても両リテ−ナ101が互いに離れる方向に移動す
ることがなく、コイルスプリング11を支持する凸部1
09が正しい位置に保持されるから、コイルスプリング
11に無理な力が掛かることが防止される。
【0109】こうして、第2実施形態のデファレンシャ
ル装置が構成されている。
ル装置が構成されている。
【0110】このデファレンシャル装置は、上記のよう
に、リテ−ナ101に設けた高い突き出し部105、1
05の各端部を、相手側の低い突き出し部107、10
7の各端部と突き合わせて両リテ−ナ101を組み合わ
せたから、両リテ−ナ101の凸部109、109及び
係合孔111がそれぞれ対向するように位置決めされ
る。
に、リテ−ナ101に設けた高い突き出し部105、1
05の各端部を、相手側の低い突き出し部107、10
7の各端部と突き合わせて両リテ−ナ101を組み合わ
せたから、両リテ−ナ101の凸部109、109及び
係合孔111がそれぞれ対向するように位置決めされ
る。
【0111】このように、凸部109の位置ずれが発生
しない上に、係合孔111を出力軸に係合させたとき両
リテ−ナ101の間でも位置ずれが生じないから、遠心
力や振動を受けても出力軸による位置決め機能によって
両リテ−ナ101が互いに離れる方向に移動することが
ない。
しない上に、係合孔111を出力軸に係合させたとき両
リテ−ナ101の間でも位置ずれが生じないから、遠心
力や振動を受けても出力軸による位置決め機能によって
両リテ−ナ101が互いに離れる方向に移動することが
ない。
【0112】従って、コイルスプリング11に無理な力
が掛かることが防止され、所定のイニシャルトルクが得
られると共に、コイルスプリング11の耐久性が向上す
る。
が掛かることが防止され、所定のイニシャルトルクが得
られると共に、コイルスプリング11の耐久性が向上す
る。
【0113】又、出力軸の位置決めによってピニオンシ
ャフト17と各リテ−ナ101との摩擦が防止されるか
ら、摩耗と発熱によるこれらの耐久性低下も防止され
る。
ャフト17と各リテ−ナ101との摩擦が防止されるか
ら、摩耗と発熱によるこれらの耐久性低下も防止され
る。
【0114】又、このように、同一のリテ−ナ101、
101を用いたことにより、2個の異なったリテ−ナを
用いる構成と較べて、それだけ部品点数が減少し、部品
コストを下げられる。
101を用いたことにより、2個の異なったリテ−ナを
用いる構成と較べて、それだけ部品点数が減少し、部品
コストを下げられる。
【0115】又、ピニオンシャフト17との係合部を切
り欠き113にしたから、従来例と異なって、コイルス
プリング11の力を受けずにリテ−ナ101、101と
ピニオンシャフト17とを組付けることが可能である。
り欠き113にしたから、従来例と異なって、コイルス
プリング11の力を受けずにリテ−ナ101、101と
ピニオンシャフト17とを組付けることが可能である。
【0116】従って、ピニオンシャフト17を径方向か
ら各リテ−ナ101の切り欠き113に係合させた後、
コイルスプリング11を挟んだ各リテ−ナ101をサイ
ドギヤ21、23の間に組付けることが可能であり、コ
イルスプリング11を挟んだ両リテ−ナ101をサイド
ギヤ21、23の間に組付けた後、ピニオンシャフト1
7を軸方向から各リテ−ナ101間の切り欠き113に
係合させることも可能である。
ら各リテ−ナ101の切り欠き113に係合させた後、
コイルスプリング11を挟んだ各リテ−ナ101をサイ
ドギヤ21、23の間に組付けることが可能であり、コ
イルスプリング11を挟んだ両リテ−ナ101をサイド
ギヤ21、23の間に組付けた後、ピニオンシャフト1
7を軸方向から各リテ−ナ101間の切り欠き113に
係合させることも可能である。
【0117】いずれの組付けも従来例に較べて極めて容
易であると共に、このように組付けの自由度が高い。
易であると共に、このように組付けの自由度が高い。
【0118】又、コイルスプリング11の力を受けずに
リテ−ナ101、101とピニオンシャフト17とを組
付けることができるから、必要に応じて付勢力が充分に
強いコイルスプリング11を用い、更に大きいイニシャ
ルトルクを得ることができる。
リテ−ナ101、101とピニオンシャフト17とを組
付けることができるから、必要に応じて付勢力が充分に
強いコイルスプリング11を用い、更に大きいイニシャ
ルトルクを得ることができる。
【0119】なお、この第2実施形態は、リテ−ナ10
1に高い突き出し部105、105と低い突き出し部1
07、107とを設けた例であるが、突き出し部は一対
だけ設けてもよい。
1に高い突き出し部105、105と低い突き出し部1
07、107とを設けた例であるが、突き出し部は一対
だけ設けてもよい。
【0120】請求項5の構成はこのような例であり、こ
の構成では、突き出し部の端部を相手側と突き合わせて
両リテ−ナを組み合わせると共に、このように組み合わ
せたとき、両リテ−ナの突き出し部の間でピニオンシャ
フトの係合部が形成され、第2実施形態と同等の効果を
得る。
の構成では、突き出し部の端部を相手側と突き合わせて
両リテ−ナを組み合わせると共に、このように組み合わ
せたとき、両リテ−ナの突き出し部の間でピニオンシャ
フトの係合部が形成され、第2実施形態と同等の効果を
得る。
【0121】なお、本発明において、摩擦クラッチはコ
−ンクラッチに限らず、例えば、多板クラッチのような
他の形式の摩擦クラッチでもよい。
−ンクラッチに限らず、例えば、多板クラッチのような
他の形式の摩擦クラッチでもよい。
【0122】又、付勢手段は、コイルスプリングに限ら
ず、例えば、皿ばねでもよい。
ず、例えば、皿ばねでもよい。
【0123】又、本発明のデファレンシャル装置は、各
実施形態のようにサイドギヤの噛み合い反力で摩擦クラ
ッチを押圧する構成に限らない。
実施形態のようにサイドギヤの噛み合い反力で摩擦クラ
ッチを押圧する構成に限らない。
【0124】例えば、デフケ−スに一対のプレッシャプ
レ−トを係合させ、各プレッシャプレ−トとピニオンシ
ャフトの間にカムを設け、このカムが伝達トルクを受け
て作動し、カムスラスト力によって摩擦クラッチを押圧
するように構成してもよい。
レ−トを係合させ、各プレッシャプレ−トとピニオンシ
ャフトの間にカムを設け、このカムが伝達トルクを受け
て作動し、カムスラスト力によって摩擦クラッチを押圧
するように構成してもよい。
【0125】又、本発明のデファレンシャル装置は、フ
ロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分する
デファレンシャル装置)と、リヤデフ(エンジンの駆動
力を左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)と、
センタ−デフ(エンジンの駆動力を前輪と後輪に配分す
るデファレンシャル装置)のいずれにも用いることがで
きる。
ロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分する
デファレンシャル装置)と、リヤデフ(エンジンの駆動
力を左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)と、
センタ−デフ(エンジンの駆動力を前輪と後輪に配分す
るデファレンシャル装置)のいずれにも用いることがで
きる。
【0126】
【発明の効果】本発明のデファレンシャル装置は、それ
ぞれの突き出し部を互いに対向配置して同一のリテ−ナ
を組み合わせたことにより、異なった2個のリテ−ナを
用いる構成と較べて、部品点数が減少し、部品コストを
下げられる。
ぞれの突き出し部を互いに対向配置して同一のリテ−ナ
を組み合わせたことにより、異なった2個のリテ−ナを
用いる構成と較べて、部品点数が減少し、部品コストを
下げられる。
【0127】請求項2記載の発明は、請求項1の構成と
同等の効果を得ると共に、付勢手段の支持部を突き出し
部の厚さtの方向にt/2だけオフセットし、突き出し
部を重ね合わせてこのオフセット量を打ち消すことによ
り、支持部を正しく位置決めするから、付勢手段に無理
な力が掛かることが防止され、所定のイニシャルトルク
が得られ、付勢手段の耐久性が向上する。
同等の効果を得ると共に、付勢手段の支持部を突き出し
部の厚さtの方向にt/2だけオフセットし、突き出し
部を重ね合わせてこのオフセット量を打ち消すことによ
り、支持部を正しく位置決めするから、付勢手段に無理
な力が掛かることが防止され、所定のイニシャルトルク
が得られ、付勢手段の耐久性が向上する。
【0128】又、支持部の位置ずれが生じないようにリ
テ−ナを2種類用意する必要がないから、部品点数の増
加と部品コストの上昇が防止される。
テ−ナを2種類用意する必要がないから、部品点数の増
加と部品コストの上昇が防止される。
【0129】請求項3記載の発明は、請求項2の構成と
同等の効果を得ると共に、ピニオンシャフトとの係合部
を切り欠きにしたから、付勢手段の力を受けない状態で
リテ−ナとピニオンシャフトとを極めて容易に組付ける
ことが可能になり、組付けの自由度が向上した。
同等の効果を得ると共に、ピニオンシャフトとの係合部
を切り欠きにしたから、付勢手段の力を受けない状態で
リテ−ナとピニオンシャフトとを極めて容易に組付ける
ことが可能になり、組付けの自由度が向上した。
【0130】又、付勢手段の力を受けずにリテ−ナとピ
ニオンシャフトとを組付けることができるから、必要に
応じて付勢力の大きい付勢手段を用い、充分なイニシャ
ルトルクを得ることができる。
ニオンシャフトとを組付けることができるから、必要に
応じて付勢力の大きい付勢手段を用い、充分なイニシャ
ルトルクを得ることができる。
【0131】請求項4記載の発明は、請求項1の構成と
同等の効果を得ると共に、高低の突き出し部の各端部を
突き合わせて両リテ−ナを組み合わせ、各突き出し部を
重ねないから、それぞれの支持部が正しく位置決めさ
れ、付勢手段に無理な力が掛かることが防止され、所定
のイニシャルトルクが得られると共に、付勢手段の耐久
性が向上する。
同等の効果を得ると共に、高低の突き出し部の各端部を
突き合わせて両リテ−ナを組み合わせ、各突き出し部を
重ねないから、それぞれの支持部が正しく位置決めさ
れ、付勢手段に無理な力が掛かることが防止され、所定
のイニシャルトルクが得られると共に、付勢手段の耐久
性が向上する。
【0132】又、支持部の位置ずれが生じないようにリ
テ−ナを2種類用意する必要がないから、部品点数の増
加と部品コストの上昇が防止される。
テ−ナを2種類用意する必要がないから、部品点数の増
加と部品コストの上昇が防止される。
【0133】又、ピニオンシャフトとの係合部を切り欠
きにしたから、請求項3の構成と同様に、リテ−ナとピ
ニオンシャフトとを付勢手段の力を受けない状態で極め
て容易に組付けることが可能になり、組付けの自由度が
向上した。
きにしたから、請求項3の構成と同様に、リテ−ナとピ
ニオンシャフトとを付勢手段の力を受けない状態で極め
て容易に組付けることが可能になり、組付けの自由度が
向上した。
【0134】請求項5記載の発明は、請求項1の構成と
同等の効果を得ると共に、突き出し部を重ねないから、
両リテ−ナの支持部が正しく位置決めされ、請求項4の
構成と同等の効果を得る。
同等の効果を得ると共に、突き出し部を重ねないから、
両リテ−ナの支持部が正しく位置決めされ、請求項4の
構成と同等の効果を得る。
【0135】又、ピニオンシャフトとの係合部を切り欠
きにして、請求項3の構成と同等の効果を得る。
きにして、請求項3の構成と同等の効果を得る。
【0136】請求項6記載の発明は、請求項2の構成と
同等の効果を得ると共に、遠心力や振動を受けても、出
力軸による位置決め機能によって、両リテ−ナの移動が
防止され、ピニオンシャフトと各リテ−ナとの摩擦と、
発熱と摩耗によるこれらの耐久性低下が防止される。
同等の効果を得ると共に、遠心力や振動を受けても、出
力軸による位置決め機能によって、両リテ−ナの移動が
防止され、ピニオンシャフトと各リテ−ナとの摩擦と、
発熱と摩耗によるこれらの耐久性低下が防止される。
【0137】又、付勢手段の支持部が正しく位置決めさ
れて所定のイニシャルトルクが得られると共に、付勢手
段の耐久性が向上する。
れて所定のイニシャルトルクが得られると共に、付勢手
段の耐久性が向上する。
【0138】又、出力軸との係合孔を突き出し部の厚さ
tの方向にt/2だけオフセットし、突き出し部を重ね
合わせてこのオフセット量を打ち消し、各係合孔の位置
ずれを防止したから、出力軸との係合が可能になり、上
記のような位置決めが可能になる。
tの方向にt/2だけオフセットし、突き出し部を重ね
合わせてこのオフセット量を打ち消し、各係合孔の位置
ずれを防止したから、出力軸との係合が可能になり、上
記のような位置決めが可能になる。
【0139】更に、係合孔の位置ずれが生じないように
リテ−ナを2種類用意する必要がないから、部品点数の
増加と部品コストの上昇が防止される。
リテ−ナを2種類用意する必要がないから、部品点数の
増加と部品コストの上昇が防止される。
【0140】請求項7記載の発明は、請求項1又は請求
項3乃至請求項5のいずれかと同等の効果を得ると共
に、出力軸によってリテ−ナを位置決めし、請求項5の
構成と同等の効果を得る。
項3乃至請求項5のいずれかと同等の効果を得ると共
に、出力軸によってリテ−ナを位置決めし、請求項5の
構成と同等の効果を得る。
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】第1実施形態に用いられたリテ−ナを示す図面
であり、図3のA矢視図である。
であり、図3のA矢視図である。
【図3】第1実施形態に用いられたリテ−ナの側面図で
ある。
ある。
【図4】第1実施形態に用いられた一対のリテ−ナを組
み合わせる状態を示す図面であり、各リテ−ナは図2の
B−B断面に相当する。
み合わせる状態を示す図面であり、各リテ−ナは図2の
B−B断面に相当する。
【図5】第2実施形態に用いられたリテ−ナを示す図面
であり、図6のC矢視図である。
であり、図6のC矢視図である。
【図6】第2実施形態に用いられたリテ−ナを示す図面
であり、図5のD−D断面図である。
であり、図5のD−D断面図である。
【図7】第2実施形態に用いられた一対のリテ−ナを組
み合わせる状態を示す図面であり、各リテ−ナは図6の
E矢視に相当する。
み合わせる状態を示す図面であり、各リテ−ナは図6の
E矢視に相当する。
【図8】第1の従来例を示す断面図である。
【図9】第2の従来例のリテ−ナを示す正面図である。
【図10】第2の従来例のリテ−ナを一対組み合わせた
状態を示す図面である。
状態を示す図面である。
【図11】図10のF矢視図である。
1 デファレンシャル装置 3 デフケ−ス 5 ベベルギヤ式差動機構 7、7 コ−ンクラッチ(摩擦クラッチ) 9、9 リテ−ナ 11 コイルスプリング(付勢手段) 17 ピニオンシャフト 19 ピニオンギヤ 21、23 出力側サイドギヤ 49 リテ−ナ9に設けられた突き出し部 51 凸部(付勢手段の支持部) 53 出力軸との係合孔 55 突き出し部49に設けられた切り欠き(ピニオン
ギヤとの係合部) 101、101 リテ−ナ 105、105 リテ−ナ101に設けられた高い突き
出し部 107、107 リテ−ナ101に設けられた低い突き
出し部 109 凸部(付勢手段の支持部) 111 出力軸との係合孔 113 突き出し部105、107の間に設けられた切
り欠き(ピニオンギヤとの係合部)
ギヤとの係合部) 101、101 リテ−ナ 105、105 リテ−ナ101に設けられた高い突き
出し部 107、107 リテ−ナ101に設けられた低い突き
出し部 109 凸部(付勢手段の支持部) 111 出力軸との係合孔 113 突き出し部105、107の間に設けられた切
り欠き(ピニオンギヤとの係合部)
Claims (7)
- 【請求項1】 エンジンの駆動力によって回転駆動され
るデフケ−スと、デフケ−スと一体に回転するピニオン
シャフトと、このピニオンシャフト上に支承されたピニ
オンギヤと、このピニオンギヤと噛み合い、それぞれの
出力軸に連結された一対の出力側サイドギヤとを有する
ベベルギヤ式の差動機構と、デフケ−スと各サイドギヤ
との間に配置された一対の摩擦クラッチと、一対のリテ
−ナの間に配置され、これらを介して各摩擦クラッチを
押圧する付勢手段とを備え、付勢手段を位置決めしなが
ら保持する支持部と、ピニオンシャフトに係合して廻り
止めされる係合部が設けられた突き出し部とを有する一
対の同一のリテ−ナが、突き出し部を互いに対向して配
置されていることを特徴とするデファレンシャル装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、突き出し
部が、リテ−ナに一対設けられており、付勢手段の支持
部を、突き出し部の厚さtの方向にt/2だけオフセッ
トして形成すると共に、これらのオフセット量が打ち消
される方向にそれぞれの突き出し部を互い違いに重ねて
両リテ−ナを組み合わせたことを特徴とするデファレン
シャル装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の発明であって、リテ−ナ
の係合部が、ピニオンシャフト側に開口を有する切り欠
きであることを特徴とするデファレンシャル装置。 - 【請求項4】 請求項1記載の発明であって、リテ−ナ
の突き出し部が、互いに対向する一対の高い突き出し部
と、互いに対向する一対の低い突き出し部とからなり、
これら高い突き出し部と低い突き出し部との間にピニオ
ンシャフト側に開口する切り欠きが形成されていると共
に、両リテ−ナが、それぞれの高い突き出し部と低い突
き出し部の各端部を互いに突き合わせて組み合わされて
いると共に、このように組み合わせたとき、両リテ−ナ
の各切り欠きの間にピニオンシャフトが係合することを
特徴とするデファレンシャル装置。 - 【請求項5】 請求項1記載の発明であって、突き出し
部が、リテ−ナに1個設けられており、両リテ−ナが、
それぞれの突き出し部の端部と相手側とを互いに突き合
わせて組み合わされており、このように組み合わせたと
き、両リテ−ナの各突き出し部の間にピニオンシャフト
が係合することを特徴とするデファレンシャル装置。 - 【請求項6】 請求項2記載の発明であって、リテ−ナ
に、出力軸との係合孔が設けられており、リテ−ナがこ
の係合孔を介して出力軸に位置決めされると共に、この
係合孔を、突き出し部の厚さtの方向にt/2だけオフ
セットして形成すると共に、これらのオフセット量が打
ち消される方向にそれぞれの突き出し部を互い違いに重
ねて両リテ−ナを組み合わせたことを特徴とするデファ
レンシャル装置。 - 【請求項7】 請求項1又は請求項3乃至請求項5のい
ずれか一項に記載の発明であって、リテ−ナに、出力軸
との係合孔が設けられており、リテ−ナがこの係合孔を
介して出力軸に位置決めされていることを特徴とするデ
ファレンシャル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13157699A JP2000320645A (ja) | 1999-05-12 | 1999-05-12 | デファレンシャル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13157699A JP2000320645A (ja) | 1999-05-12 | 1999-05-12 | デファレンシャル装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000320645A true JP2000320645A (ja) | 2000-11-24 |
Family
ID=15061294
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13157699A Pending JP2000320645A (ja) | 1999-05-12 | 1999-05-12 | デファレンシャル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000320645A (ja) |
-
1999
- 1999-05-12 JP JP13157699A patent/JP2000320645A/ja active Pending
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