JP2000320225A - 地震時の開放規制装置及びそれを用いた家具 - Google Patents

地震時の開放規制装置及びそれを用いた家具

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JP2000320225A
JP2000320225A JP11133559A JP13355999A JP2000320225A JP 2000320225 A JP2000320225 A JP 2000320225A JP 11133559 A JP11133559 A JP 11133559A JP 13355999 A JP13355999 A JP 13355999A JP 2000320225 A JP2000320225 A JP 2000320225A
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magnet
opening
locking
opened
earthquake
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Masao Ozawa
正矣 小澤
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OZAWA TAKA
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OZAWA TAKA
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 地震時の開放規制装置及びそれを用いた家具
を提供すること。 【解決手段】 開放規制装置100は、地震時に感震部
110の係止部材40に係止されて開き戸210を開放
規制する被係止部材120と、被係止部材120に支持
された規制解除部材60とを有する。感震部110は、
非検出時には非係止レベルL1に、検出時には係止レベ
ルL2に設定する。被係止部材120は、係止レベルL
2に設定された被係止部58と、地震検出後の開き戸2
10の閉鎖操作により、係止部材40をレベルL3に案
内設定する第1の案内面56とを有する。開き戸210
が閉鎖位置に到達した時以降に、規制解除部材60が、
スライド前進して係止部材40を押し上げ案内し、その
後スライド後退することで、係止部材40を前記レベル
L3より非係止レベルL1に復帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震時には開き戸
等の被開閉体を開放規制し、かつ、その開放規制状態を
解除することができる開放規制装置及びそれを用いた家
具に関する。
【0002】
【背景技術】近年の大地震を契機にして、種々の地震対
策の要求が強まっている。ところで、地震検出を的確に
行うことが不可欠である一方で、機器メーカーとしては
その付加価値のためにむやみにコストを増大させること
もできない。
【0003】従来より、戸棚等の開き戸を地震時に開放
規制する技術として、特開平8−170467、特開平
9−158591なとが提案されている。
【0004】これらの技術によれば、その代表的な実施
の形態である図6、図7に示すように、軸または鋭角の
頂点などの支点400によってシーソ運動しかつ支点4
00に対して前後移動する係止体410自体が、地震発
生前は装置本体420内部に収容され、地震発生時には
装置本体420外に突出する構造を採用している。
【0005】装置本体420は戸棚500に取り付けら
れ、開き戸510には被係止体430が固定されてい
る。
【0006】そして、地震発生前には図6に示すよう
に、装置本体420に収容された係止体410は、開き
戸510に固定された被係止体430とは干渉しないた
め、開き戸510は自由に開放できる。
【0007】一方、地震が発生すると、係止体410が
図6の位置から図7の位置に変位し、係止体410の先
端は被係止体430に形成された凹部440に位置す
る。そして、開き戸510が僅かに開放された状態で、
係止体410は被係止体430の凹部440の第1の壁
440Aが当接し、開き戸510のそれ以上の開放が規
制される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術によ
れば、図7に示す開放規制状態から開き戸510を閉鎖
操作して、開き戸510が閉鎖位置に戻る際にその動き
で、係止体410が被係止体430から係止解除され、
開き戸510の開放規制状態が常に解除されていた。
【0009】すなわち、図7に示す状態から開き戸51
0を閉鎖させると、その閉鎖操作の途中で、図8に示す
ように被係止体430の凹部440の第2の壁440B
に押されて、弾性体450の付勢力に抗して係止体41
0が後退移動する。そして、開き戸510が完全に閉鎖
された時には、係止体410が支点400に対して揺動
して、図6の状態に復帰する。
【0010】上記従来技術の公報には、その解除動作に
関して開き戸510を「強く押す」とあるが、これは弾
性体450の付勢力に抗して係止体410を後退移動さ
せるためである。図8に示す係止体410が弾性体45
0を圧縮して後退移動さえすれば、開き戸510が閉鎖
位置に戻し操作される過程で、開き戸510の開放規制
状態は必ず解除される。
【0011】しかし、この解除操作は開き戸510を閉
鎖位置まで戻し操作するだけであるから一見便利に見え
るが、かえって下記のような新たな問題が生ずる。
【0012】これは、地震時に開きかけた開き戸510
を見た直後に、地震途中に開き戸510を閉めてしまう
と、地震検出状態が強制的に解除されてしまうことであ
る。このとき、開き戸510を閉鎖することで安心して
直ちに手を離すと、係止体410が再度被係止体430
に係止される位置に設定される再稼働前に、継続して発
生している地震により開き戸510が開放されてしまう
虞がある。
【0013】さらには、上記従来技術では、開き戸51
0を閉鎖位置に到達させるのに、弾性体450の付勢力
に抗するように開き戸510を強く押す必要があり、操
作性に違和感が生ずるという問題もある。
【0014】そこで、本発明の目的とするところは、僅
かに開かれた位置で開き戸等の被開閉体が開放規制され
ている状態で、開き戸を通常の閉鎖操作によって閉鎖位
置まで戻し操作しただけでは、その開放規制状態を解除
しないようにして、より安全性の高い地震時の開放規制
装置及びそれを用いた家具を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、操作性に違和感を生
ずることなく開放規制解除動作が可能な開放規制装置及
びそれを用いた家具を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る地震時の開
放規制装置を、図面に付した符号を参照して説明する
と、収容体200に固定され、地震を感知して係止部材
40を非係止レベルL1より係止レベルL2に駆動する
感震部110,300と、収容体200に対して開閉操
作される被開閉体210に固定され、地震時に係止レベ
ルL2に設定された係止部材40に係止されて、被開閉
体210の所定量以上の開放を規制する被係止部材12
0,630と、被開閉体210側に支持され、かつ被開
閉体210に対して、初期位置と規制解除位置とに移動
可能な規制解除部材60,650,720と、を有し、
規制解除部材60,650,720は、被開閉体210
が閉鎖位置に到達した時以降に慣性により初期位置から
規制解除位置に移動して、規制解除位置にあるときに係
止部材40を非係止レベルL1に復帰させて被開閉体2
10の開放規制状態を解除し、その後初期位置に復帰す
ることを特徴とする。
【0017】本発明によれば、地震検出後に被開閉体2
10を開放規制位置より閉鎖位置に向けて通常通りに静
かに閉鎖するだけでは、被開閉体210の開放規制は解
除されない。なぜなら、このような操作では、規制解除
部材60,650,720が初期位置に維持されるから
である。
【0018】この閉鎖操作を加速度的に行うか、あるい
は閉鎖位置近傍にて被開閉体210を素早く短いストロ
ークで開閉させる等して、被開閉体210が閉鎖位置に
到達した時以降に、規制解除部材60,650,720
が移動するような特殊な操作を行う。こうすると、規制
解除部材60が初期位置から規制解除位置に向けて慣性
により移動され、これにより初めて係止部材40を非係
止レベルに戻すための開放規制解除動作が可能になる。
【0019】本発明では、規制解除部材60は、初期位
置より規制解除位置に移動する際に、係止部材40と当
接しながら係止部材40を係止レベルより非係止レベル
に復帰させることができる。これによって、係止部材4
0は機械的に非係止レベルに復帰され、被開閉体の開放
規制が解除される。
【0020】本発明では、規制解除部材60を、被係止
部材120にスライド移動可能に支持することができ
る。この被係止部材120は、係止レベルに設定された
係止部材40に係止される被係止部58と、地震検出後
の被開閉体の210閉鎖操作の過程で、係止部材40と
当接しながら係止部材40を非係止レベルに近い位置に
案内する第1の案内面54とを有することができる。こ
うすると、規制解除部材60により係止部材40を非係
止レベルまで戻すための移動ストロークを短くできる。
【0021】この規制解除部材60は、地震固有の振動
モードでは移動しないように構成されることが好まし
い。このためには、被係止部材120は、水平面に対し
て傾斜した第2の案内面56を有し、第2の案内面56
に沿って規制解除部材60をスライド案内し、さらに
は、常時は規制解除部材60を後退位置に設定し、か
つ、地震固有の振動モードにて規制解除部材60に作用
する慣性力または反力を打ち消すに足る重量のウェイト
部材70を有することが好ましい。
【0022】また、本発明では、同極同士が接近するこ
とで反発力を生ずる第1の磁石620及び第2の磁石6
50,726を設けることができる。この場合、係止部
材40を係止レベルより非係止レベルに復帰させる復帰
力が反発力に基づいて発生される。このために、規制解
除部材が第2の磁石650,726を有し、第2の磁石
650,726が規制解除位置にある時に第1の磁石6
20を反発力により移動させて、係止部材40を非係止
レベル復帰させることができる。
【0023】本発明では、第1の磁石620が初期位置
より規制解除位置に移動した時、第2の磁石650,7
26を第1の磁石620と正対しない位置に設定するこ
とができる。この場合、その後に被開閉体210を開放
操作した時に、第2の磁石650,726が第1の磁石
620と正対し、その時に生ずる最大反発力に基づい
て、第1の磁石620を介して係止部材40を非係止レ
ベルに復帰させることができる。このようにすると、開
放規制位置から例えば加速的に被開閉体210を閉鎖操
作し、さらに被開閉体210を比較的静かに開放操作す
ることで、初めて被開閉体210の開放規制状態が解除
される。
【0024】ここで、開放規制状態の解除後に第2の磁
石650,726を初期位置に復帰させるには、被開閉
体210の開放規制が解除された後の被開閉体210の
さらなる開放操作によって、第2の磁石650,726
を第1の磁石620と正対する位置からずれた位置に移
動させればよい。この時に生ずる反発力の分力に基づい
て、第2の磁石650,726を初期位置に復帰させる
ことができる。
【0025】本発明では、第1の磁石620を係止部材
40に固定しても良いし、あるいは係止部材40と対向
する位置にて第1の磁石620を移動可能に支持する第
1の支持部材610を設けても良い。
【0026】また、第2の磁石650,726を含む規
制解除部材を初期位置と規制解除位置とにスライド移動
可能に支持する第2の支持部材640,700を設け、
これを被開閉体210に固定してもよい。
【0027】ここで、第2の磁石650,726が初期
位置にある時に、第1,第2の磁石間に生ずる反発力を
減衰させる部材644,706が設けられことが好まし
い。この減衰部材644,726は第2の支持部材64
0,700に設けても良いし、第1の支持部材610に
設けても良い。第2の磁石650の初期位置より規制解
除位置への移動を抑止する反発力を減衰させることがで
きるからである。また、被開閉体210の閉鎖操作を遅
い速度で操作した場合でも、初期位置にある第2の磁石
650によって第1の磁石620の磁気浮上量が増大す
ることを抑制できる。
【0028】本発明においては、規制解除部材720は
第2の磁石726を固定したウェイト部材722とする
ことができる。この場合特に、第2の支持部材700
は、第2の磁石726との間に吸引力を生じさせてウェ
イト部材722を初期位置に復帰させる磁性体710を
有することが好ましい。規制解除部材が重量のあるウェ
イト部材722である場合であっても、それを確実に初
期位置に復帰させるためである。
【0029】本発明の他の態様に係る開放規制装置によ
れば、収容体200に固定され、地震を感知して係止部
材40を非係止レベルより係止レベルに駆動する感震部
110と、前記収容体200に対して開閉操作される被
開閉体210に固定され、地震時に前記係止レベルに設
定された前記係止部材40に係止されて、前記被開閉体
210の所定量以上の開放を規制する被係止部材630
と、前記感震部110または前記被係止部材800の一
方に配置され、初期位置と規制解除位置とに移動可能な
第1の磁石620と、前記感震部110または前記被係
止部材800の他方に配置される第2の磁石650と、
を有し、前記被開閉体210の操作に伴い前記第1,第
2の磁石620,650が接近することで、前記第1,
第2の磁石620,650間に反発力が生じ、前記反発
力に基づいて前記第1の磁石620を規制解除位置に移
動させて、前記係止部材40を前記非係止レベルに復帰
させることを特徴とする。
【0030】本発明の他の態様では、所定の開放規制位
置より被開閉体210を閉鎖操作することで、第1,第
2の磁石620,650同士が接近して反発力が生ずる
構成を採用している。この場合、その反発力に基づいて
第1の磁石620を規制解除位置に設定でき、それによ
り係止部材40を非係止レベルに復帰させることができ
る。このとき、第1,第2の磁石620,650は非接
触であるので、被開閉体の閉鎖操作に違和感が生ずるこ
とがない。
【0031】また、上述した発明に採用される感震部1
10,300について言えば、係止部材40,330
は、感震部110,300内に配置されるフランジ部4
4,332を有し、感震部110,300は、常時はフ
ランジ部44,332の下面と当接して係止部材40,
330を第1の位置L1に設定し、地震発生時にはフラ
ンジ部44,332の下面より離脱移動して係止部材4
0,332を係止レベルL2に落下させる球体2,30
2を有することが好ましい。
【0032】本発明は、戸棚などの収容体200と、そ
れに対して開閉可能な戸等の被開閉体210を備えた家
具に適用することができ、本発明により家具内部に保管
された保管物が地震により飛び出して破損し、あるいは
飛び出した保管物が人に障害を与えるなどの危険を確実
に防止できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。
【0034】<第1の実施の形態> (地震時の開放規制装置の全体概要)まず、本発明の第
1の実施の形態に係る開き戸の開放規制装置の全体概要
について、図1〜図4を参照して説明する。図1〜図4
は、本発明を開き戸を地震時に開放規制する装置に適用
した実施の形態を示す図であり、それぞれ異なる動作状
態を示している。
【0035】この開放規制装置100は、大別して、例
えば戸棚200の上部内面に固定された感震部110
と、この戸棚200に対して開閉自在な開き戸210の
内面に固定された被係止部材120と、被係止部材12
0に対してスライド移動する規制解除部材60と、規制
解除部材60と連結軸80を介して連結され、規制解除
部材60を常時後退位置に設定するバランスウェイト
(ウェイト部材)70とを有する。
【0036】図1は、地震発生後に開き戸210が戸棚
200の戸当たり202に当接した閉鎖後であって、か
つ開放規制装置100での開放規制が解除された状態を
示している。図2は、地震が発生していない状態での開
き戸210の閉鎖状態を示している。図3は、地震発生
時に開き戸210が僅かに開放された位置での開放規制
状態を示している。図4は、地震発生後に開き戸210
が戸棚200の戸当たり202に当接した閉鎖位置に
て、開放規制装置100での開放規制が解除されていな
い状態を示している。
【0037】(感震部の構造)次に、開放規制装置10
0の感震部110について、図1を参照して説明する。
この感震部110は、図1に示すように、有底筒部12
と蓋部14とから成る容器本体10を有する。この容器
本体10は、第1室20及びその下方の第2室30に仕
切られている。
【0038】第1室20は第1球体1を収容するもの
で、中央に第1開口22Aが形成された、例えば水平な
第1底板22を有する。この第1室20はさらに外周壁
24及び内周壁26を有し、その間が第1球体1のリン
グ状通路28となる。
【0039】第1室20の下方の第2室30は第2球体
2を収容するもので、中央に第1開口32Aが形成され
た第2底板32を有する。この第2底板32は、第2開
口32Aに向かうに従い下降傾斜している。第2室30
は、第1室20の外周壁24よりも外側に位置する外周
壁34を有している。この第2底板32と外周壁34と
で囲まれた範囲で、第2球体2のリング状通路36が区
画されている。
【0040】容器本体10内には、この容器本体10に
上下動及び回動可能に案内された係止部材40が設けら
れている。この係止部材40は、第1,第2開口22
A,32Aに挿通された軸部42と、該軸部42より外
側に突出するフランジ部44とを有する。この軸部42
は、第1室20の内周壁26と第2開口32Aとによ
り、上下動かつ回動可能に支持されている。
【0041】軸部42の途中に設けられたフランジ部4
4は、そのフランジ下面44Aが、軸部42に向かうに
従い下降傾斜している。フランジ部44はさらに、第1
室20内の第1球体1及び第2室30内の第2球体2に
接触可能な位置に、複数例えば2つの羽根板48を支持
している。
【0042】(地震検出動作)本実施の形態の地震検出
器100では、係止部材40が図2に示す第1の位置
(非係止レベル)L1に設定された状態が初期状態(開
放規制解除状態)であり、係止部材40が図3に示す第
2の位置(係止レベル)L2まで落下することで、開き
戸210の開放が規制される。
【0043】図2に示す状態では、第2球体2は、第2
室30の第2底板32の傾斜により中央側に位置してい
る。このとき、第2球体2は、フランジ部44のフラン
ジ下面44Aと第2の底板32とに接触し、少なくとも
2点接触している。この第2球体2によりフランジ下面
44Aが係止されることで、係止部材40は図2に示す
第1の位置L1にて静止している。
【0044】係止部材40が図3に示す第2の位置L2
まで落下するには、下記の横揺れモードおよび縦揺れモ
ードのいずれか一方の動作が必要となる。
【0045】(横揺れモードの地震検出動作)地震の横
揺れモード時には、主として第1球体1の転動を利用し
て地震検出が行われる。このとき、第1球体1は、第1
室20の第1底板22上であって、外周壁24と内周壁
26とで区画されたリング状通路28に沿って旋回す
る。
【0046】ここで、第1球体1は、第1の底板22
と、外周壁24または内周壁26のいずれか一方に接触
し、少なくとも2点接触の状態で転動可能である。ここ
で、地震の横揺れモードの時には、第1室20内にて第
1球体1が左旋回または右旋回する。いずれの場合も、
旋回開始後第1球体1は羽根板48に接触する。そし
て、その接触後も羽根板48を押動させるに足る横揺れ
モードの際には、羽根板48を介して係止部材40を自
転駆動させることになる。
【0047】係止部材40が自転すると、フランジ部4
4と共に羽根板48の回転位置が変化する。この羽根板
48は、その回転に伴って第2室30内の第2球体2と
接触する。そして、この羽根板48が接触後も回転変位
することで、第2球体2は遠心力によって、図2に示す
位置より、さらに外周壁34に近くなる外側位置へとは
じかれることになる。
【0048】第2球体2が外側にはじかれると、その第
2球体2とフランジ部44との接触点が下方に移動し、
ついには第2球体2はフランジ部44から離脱される位
置まで達する。この結果、フランジ部44の係止状態が
解除され、係止部材40はその自重により、図3に示す
第2の位置L2まで落下する。
【0049】なお、地震の横揺れが顕著である時には、
第2底板32の傾斜方向に逆らって第2球体2が外側に
移動し、これによっても第2球体2とフランジ部44と
の係止状態が解除され得る。
【0050】(縦揺れモードの地震検出動作)この縦揺
れモードの時には、第1球体1の変動は少なく、第2球
体2の変動を利用して地震検出を行っている。このと
き、第2球体2は、フランジ部44を介して係止部材4
0を上方に押し上げるように変動する。実際、本実施の
形態では、係止部材40の天面と蓋体14の内面との間
に隙間δ(図2参照)があるため、係止部材40はわず
かに上昇する。係止部材40が上限位置に達すると、第
2球体2はフランジ下面44Aにて、該フランジ下面4
4Aに対して垂直な下向きの反力を受ける。この反力W
は、外側に向かう分力成分を有するため、第2球体2は
外側に向かって移動されることになる。
【0051】このように、縦揺れモードのときには、第
2球体2を直接に外側に導くことで、第2球体2とフラ
ンジ部44との係止状態を解除させることができる。こ
の結果、横揺れモード時と同様に、係止部材40を図2
に示す第1の位置L1より図3に示す第2の位置L2に
落下させることができる。この係止部材40の移動によ
り地震を検出できる。
【0052】(被係止部材の構造)次に、被係止部材1
20について図1を参照して説明する。この被係止部材
120は、例えば板金を屈曲及び孔開け加工することで
形成される被係止部材本体50と、被係止部材本体50
の表面上をスライド移動可能な規制解除部材60と、規
制解除部材60に連結軸80を介して固定されたバラン
スウェイト70とを有する。
【0053】被係止部材本体50は、開き戸210に固
定される取付片52と、係止部材40を上昇案内する第
1の案内面54と、規制解除部材60をスライド案内す
る第2の案内面56と、地震時に係止部材40と係止さ
れて開き戸210を開放規制する被係止部58と、係止
部材40を戻し案内する第3の案内面59とを有する。
【0054】被係止部材本体50の第2の案内面56に
は長孔56Aが形成され、この長孔56A内に連結軸8
0が配置されて規制解除部材60のスライド範囲が確定
する。規制解除部材60は、先端傾斜面62と、それに
続く平面64とを有する。
【0055】バランスウェイト70は、図2〜図4に示
すように、その自重にて常時は長孔56Aの図示左端部
(取付片52側に位置する端部)に連結軸80を位置さ
せて、規制解除部材60を後退位置に設定するための重
りである。バランスウェイト70は、地震固有の振動モ
ードにて規制解除部材60に作用するスライド前進のた
めの慣性力を打ち消すに足る重量となっている。この重
さは、換言すれば、横揺れの地震の振動数よりも高い振
動数の外力がバランスウェイト70に作用した時に、規
制解除部材60を前進させ、それ以外の時には規制解除
部材60を前進させないように設定されている。
【0056】(地震検出前の動作)感震部110は、横
揺れ、縦揺れのいずれのモードの地震が検出されない状
態にあっては、係止部材40を図2に示す第1の位置L
1まで突出した位置に設定する。このとき、係止部材4
0の下端は、被係止部材120の被係止部58と係止可
能な位置L4に対して距離Cだけ上方にある。従って、
被係止部材120は開き戸210の開閉時に係止部材4
0と係止されることはなく、開き戸210の自由な開閉
が可能となる。
【0057】(地震検出時から開き戸の開放規制に至る
動作)感震部110にて横揺れ、縦揺れのいずれかのモ
ードの地震が検出されると、感震部110は、係止部材
40を図3に示す第1の位置L1よりも距離S1だけ下
方の第2の位置L2までさらに突出した位置に落下させ
る。このとき、係止部材40の下端は、被係止部材12
0の被係止部58と係止可能な位置L4よりも十分に下
方の位置に設定される。従って、被係止部材120は、
開き戸210が図3に示す位置まで開放された時に係止
部材40と係止され、それ以上開き戸210が開放され
ることを規制する。これにより、地震発生時に戸棚20
0内の食器などの収容物が外部に飛び出すことを防止で
きる。
【0058】(開き戸の開放規制状態の解除動作)ま
ず、図2に示す開放規制状態にある開き戸210を、図
4に示すように閉鎖させると、係止部材40が被係止部
材120の第1の案内面54に到達後は、その第1の案
内面54に沿って係止部材40が上昇され、開き戸21
0の閉鎖時には第2の案内面56に乗り上げる。ただ
し、このときには、係止部材40は地震検出前の第1の
位置L1よりも距離S2(S2<S1)下方の第3の位
置L3に存在する。換言すれば、この第3の位置L3は
第1,第2の位置L1,L2間の位置となる。
【0059】この第3の位置L3は、係止部材40が第
2の案内面56に乗り上げて支えられることにより達成
され、この位置から再度開き戸210を開放すると、係
止部材40は第1の案内面54に沿って下降して、図3
に示す開放規制状態に再度設定される。換言すれば、本
実施の形態に係る開放規制装置100では、地震発生後
に開き戸210を閉鎖位置に戻す際に、その動きでは開
放規制状態が解除できない。
【0060】開き戸210の開放規制状態を解除するに
は、図1に示すように、被係止部材120の規制解除部
材60を、バランスウェイト70の自重に抗して第2の
案内面に沿ってスライド上昇させる。これにより、係止
部材40は規制解除部材60の先端傾斜面62により押
し上げられ、係止部材40の最上位置は、係止部材40
が規制解除部材60の平面64に瞬間的に乗り上げるこ
とで得られる。この係止部材40の最上位置とは、図2
に示す第1の位置L1と同じもしくはそれより僅かに高
い第5の位置L5に設定されている。
【0061】このとき、地震が継続していない限り(第
1球体1により係止部材40が回転されていない限
り)、第2球体2が係止部材40のフランジ部44の下
方に戻る。つまり、係止部材40が上昇する過程で、フ
ランジ下面44Aが第2室30内の第2球体2の上半球
に接触し、フランジ下面44Aが上昇するに従い、第2
球体2は第2底板32の傾斜に従って内方に戻される。
【0062】これにより、初めて感震部110が地震検
出前の状態に復帰するので、その後規制解除部材60バ
ランスウェイト70の自重により図1の鎖線の位置まで
後退すると、図2に示すように係止部材40は地震が発
生しない限り第1の位置L1を保持する。従って、この
規制解除以降は図2に示す状態となり、開き戸210の
自由な開放が可能となる。
【0063】規制解除部材60をバランスウェイト70
の自重に抗して第2の案内面に沿ってスライド上昇させ
るためには、規制解除部材60がバランスウェイト70
の自重に抗して前進移動するような外力を、規制解除部
材60に付与すればよい。例えば、通常の閉鎖動作によ
り開き戸210を戸棚200の戸当たり202と接触さ
せた後に、開き戸210を短いストロークで素早く開閉
させればよい。あるいは開き戸210の閉鎖操作時に、
開き戸の戸当たり21が戸棚200に当接する際の衝撃
を大きくすればよい。
【0064】このような特別な操作をすると、開き戸2
10は戸当たり202を介して戸棚200と当接して停
止する一方で、規制解除部材60は、その閉鎖動作時の
慣性により、開き戸210が閉鎖位置に到達後にスライ
ド前進する。あるいは、開き戸210は戸当たり202
を介して戸棚200と当接した際に図1に示す方向の反
発力P1を受ける一方で、規制解除部材60は、その反
発力P1とは逆向きの反力P2を受け、この反力P2に
よりスライド前進する。この規制解除部材60のスライ
ド前進により、規制解除部材60によって係止部材40
が第1の位置L1に設定される。
【0065】ここで、規制解除部材60のスライド移動
は、規制解除部材60自体の重量及び/またはバランス
ウェイト70の重量により調整可能である。例えばバラ
ンスウェイト70は、地震固有の振動モードにて規制解
除部材60に作用するスライド前進のための慣性力また
は反力を打ち消すに足る重量となっている。このため、
横揺れ地震の発生時に、規制解除部材60により感震部
110での地震検知状態が解除されることを防止でき
る。
【0066】なお、吊り戸棚等では、被開閉体210の
ヒンジ等にスプリングを設け、ある位置まで被開閉体2
10が閉鎖されると、スプリングの付勢力によって被開
閉体210を閉鎖位置まで導くものがある。このような
吊り戸棚などに本開放規制装置を適用した場合、スプリ
ングの力で被開閉体210が閉じられるような静的な閉
鎖動作では、規制解除部材60はスライド前進すること
はない。
【0067】(開き戸が開放された状態で地震検出した
際の動作)誤って、開き戸210が開放した状態に放置
され、このとき感震部110にて地震が感知された場合
について説明する。この場合には、図3にて鎖線で示す
ように、被係止部材120の被係止部58は、第2の位
置L2まで落下した係止部材40の左側に配置される。
この時には開き戸210の開放規制はできない。
【0068】しかし、開き戸210を閉鎖方向に戻せ
ば、開き戸210と一体移動する被係止部材120は、
その第3の案内面59が係止部材40を上方に押し上げ
ながら移動する。このとき、押し上げられる係止部材4
0の最上位置は、第1の位置L1よりも距離Cだけ下方
の第4の位置L4であり、感震部110での地震検出状
態が解除されるに至らない。そして、係止部材40が最
上位位置に達した後には、ついには図3にて実線で示す
ように、係止部材40により被係止部材120の被係止
部58が係止される位置に達する。これにより、直ちに
開き戸210の開放規制状態を得ることができる。
【0069】ここで、規制解除部材60は必ずしも傾斜
した第2の案内面56にてスライド移動するものに限ら
ず、水平面上をスライド移動するものであっても良い。
このとき、摩擦力あるいはコイルスプリングなどの付勢
部材により、地震固有の振動モードにて規制解除部材6
0がスライド前進させないようにすることができる。ま
た、傾斜した第2の案内面56上にて規制解除部材60
をスライド案内させる場合であっても、バランスウェイ
ト70を必ずしも設ける必要はない。例えば、規制解除
部材60自体の重量により、地震固有の振動モードにて
規制解除部材60がスライド前進させないようにするこ
とができる。
【0070】<第2の実施の形態>図5は、本発明の第
2の実施の形態に係る地震時の開放規制装置の感震部3
00を示している。図5において、この感震部300は
一つの球体302のみを用いている。
【0071】図5に示す感震部300も、有底筒部31
2と蓋部314とから成る容器本体310を有する。こ
の容器本体310は、球体302と係止部材330の上
部とを収容するもので、有底筒部312は中央に開口3
20Aが形成された底板320を有する。この底板32
0は、開口320Aに向かうに従い下降傾斜する斜面を
有する。蓋部314は、係止部材330の上部をスライ
ド可能に支持する筒体316を有する。
【0072】容器本体310内には、筒体314及び開
口320Aにて係止部材330が上下動自在に支持され
ている。この係止部材330は、軸部より外側に突出す
るフランジ部332を有する。フランジ部332は、そ
のフランジ下面332Aが、軸部に向かうに従い下降傾
斜した傾斜面に形成されている。
【0073】この感震部300においても、地震の検出
前には図5にて鎖線で示すように、フランジ部332の
下面332Aを球体302が支えることで、係止部材3
30は第1の位置L1に設定される。また、地震時には
図5にて実線で示すように、フランジ部332の下面3
32Aより球体302が離脱することで、係止部材33
0は第2の位置L2に設定される。
【0074】従って、図1に示す感震部110の代わり
に、図5に示す感震部300を用いても、図1〜図4に
示す各種状態を実現することができる。なお、この感震
部300は、下記の第3〜第5の実施の形態にも適用可
能である。
【0075】<第3の実施の形態>(開放規制装置の構
成説明)図9〜図12は、本発明の第3の実施の形態に
係る開放規制装置を示している。この第3の実施の形態
では、第1の実施の形態に係る感震部110を用いてい
るが、第2の実施の形態に係る感震部300などの他の
感震部を用いることができる。
【0076】図9〜図12において、感震部110は図
1と同様に戸棚200(図9〜図12では図示せず)の
上部内面に固定されている。この感震部110には、連
結部600を介して、例えば合成樹脂などの非磁性体に
て形成された第1の支持部材610が固定されている。
この第1の支持部材610は、第1の磁石620を垂直
方向に沿って移動案内可能に支持するものであり、中空
部612と、この中空部612にそれぞれ連通する上部
開口614及び下部開口616とを有する。
【0077】第1の支持部材610の中空部612に収
容される第1の磁石620は、例えば合成樹脂などの非
磁性体にて形成された非磁性体軸部622と、その下部
に固定されたフランジ状磁石624とを有する。非磁性
体軸部622の直径は上部開口614の開口径よりも小
さく、これにより非磁性体軸部622は上部開口614
に挿通可能である。一方、フランジ状磁石624の直径
は上部及び下部開口614,616の各開口径よりも大
きく、これにより第1の磁石620は第1の支持部材6
10より離脱することはない。なお、軸部622を非磁
性体にて形成している理由は、感震部110の係止部材
40が金属などの磁性体にて形成される場合に、この被
係止部40が第1の磁石620に吸着されることを防止
するためであり、係止部材40が非磁性体であれば、軸
部622を非磁性体にて形成する必要はない。
【0078】図示しない戸棚200に対して開閉可能な
開き戸210の内面には、感震部110の係止部材40
を係止可能な被係止部材630と、それらの係止状態を
解除するための規制解除部材としての第2の磁石650
を支持する第2の支持部材640とが固定されている。
【0079】被係止部材630は、開き戸210が閉鎖
位置側に移動した際に、感震部110と第1の支持部材
610との間の位置に移動される。この被係止部材63
0には長孔632が形成されている。この長孔632の
うち、被係止部材630の自由端側に位置する開口端を
第1の開口端634とし、被係止部材630の基端側に
位置する開口端を第2の開口端636とする。
【0080】ここで、図9及び図10は、感震部110
が作動して係止部材40が下方に突出した状態を示して
いる。このとき、感震部110の係止部材40は、被係
止部材630の長孔632に挿通されている。したがっ
て、図9及び図10に示す位置により開き戸210をさ
らに開こうとしても、この開き戸210と共に移動する
被係止部材の長孔632の第1の開口端634がやがて
係止部材40と当接して、それ以上開き戸210が開放
されることが防止される。
【0081】一方、開き戸210に固定された第2の支
持部材640は、開き戸210が閉鎖位置側に移動した
際に、第1の支持部材610の下方位置に移動される。
この第2の支持部材640の自由端部側には、第2の磁
石650を収容する凹部642が形成されている。
【0082】第2の支持部材642は例えば合成樹脂な
どの非磁性体にて形成され、凹部642は第2の磁石6
50を水平方向にスライド移動可能な大きさに形成され
ている。第2の磁石650は、常時は図9及び図10に
示す初期位置に配置される。そして、この初期位置に配
置される第2の磁石650の上部を覆う覆うカバー64
4が、第2の支持部材640に形成されている。
【0083】ここで、第1の磁石620のフランジ状磁
石624と、第2の磁石650とは、共に同一磁極が対
向するように配置され、磁石624,650同士が接近
することで、両磁石624,650間には反発力が生ず
る。
【0084】カバー644は、初期位置に配置された第
2の磁石650と第1の磁石620との間に作用する反
発力を減衰させるために設けられている。このカバー6
44は、磁性体にて構成でき、好ましくは磁性体のメッ
シュが好適である。磁性体メッシュは、第1,第2の磁
石620,650の各々に対して吸着力を生ずるため、
結果として第1,第2の磁石620,650間の反発力
が弱められる。そして、メッシュを荒くするほど反発力
は高まり、細かくするほど反発力は弱まるため、メッシ
ュの品番の選択により反発力を調整できる。
【0085】(開放規制装置の動作説明)この開放規制
装置においては、感震部110が地震を検知すると、係
止部材40が下方に突出して、図9及び図10に示すよ
うに係止部材40は被係止部材630の長孔632に挿
通される。したがって、図9及び図10に示す位置によ
り開き戸210をさらに開こうとしても、この開き戸2
10と共に移動する被係止部材の長孔632の第1の開
口端634がやがて係止部材40と当接して、それ以上
開き戸210が開放されることが規制される。
【0086】次に、この開放規制状態を解除する動作に
ついて説明する。図9は開放規制状態の開き戸210を
閉鎖操作した際の閉鎖位置に達する前の状態を示してい
る。図9において、開き戸210が閉鎖位置に達する前
の少し以前から、第2の支持部材640に支持された第
2の磁石650が、第1の磁石620の下方の位置に到
達する。このとき、第1,第2の磁石620,650は
同一磁極例えばN極同士が対向することから、第1,第
2の磁石620,650間に反発力P1が作用し始め
る。この結果、第1の支持部材610にて垂直方向に移
動可能に支持された第1の磁石620が、反発力P1に
より浮上する。ただし、このとき第1,第2の磁石62
0,650は正対せず、しかもカバー644の存在によ
り磁場が減衰されるので、反発力P1は充分な大きさで
なく、第1の磁石620の浮上量は小さい。従って、図
9に示す状態では、係止部材40により被係止部材63
0は係止され続けられ、開き戸210の開放規制状態は
解除されない。
【0087】図9に示す位置から開き戸210が閉鎖位
置に達した後の状態を図10に示す。図10に示すよう
に、強めに閉鎖操作された開き戸210は閉鎖位置に達
することで停止する一方で、第2の支持部材640の凹
部642内にて水平方向にスライド移動自在に支持され
た第2の磁石650には、矢印A方向への慣性力が作用
する。この結果、第2の磁石650は凹部642の右端
に移動する。この第2の磁石650が配置される凹部6
42の右端の位置を規制解除位置と称する。ただし、図
10に示す状態では、第1,第2の磁石620,650
間にはほとんど反発力は作用せず、第1の磁石620は
第1の支持部材610内に載置されている。従って、図
10に示す状態でも、係止部材40により被係止部材6
30は係止され続けられ、開き戸210の開放規制状態
は解除されない。
【0088】ここで、矢印A方向の慣性力が作用する第
2の磁石620に、第1,第2の磁石620,650の
近接に伴い増大する反発力が作用すると、第2の磁石6
50のスライド移動が抑止されてしまう。そこで、凹部
642の初期位置にある第2の磁石650を覆う非磁性
体のカバー644を設け、矢印A方向の慣性力が作用す
る第2の磁石620のスライド移動を抑止させる上述の
反発力を低減させている。
【0089】次に、開き戸210を比較的ゆっくり開放
させる。図11は、図10に示す位置から開き戸210
を開放させた際の開放規制装置の開放規制解除状態を示
している。
【0090】図11に示すように、カバー644にて覆
われていない規制解除位置にある第2の磁石650が、
第1の磁石620の直下の位置に達した瞬間に、最大の
反発力P2が生ずる。この最大反発力P2により、第1
の磁石620は最上位置まで浮上する。この第1の磁石
620の最上位置への上昇に従い、感震部110の係止
部材40が押し上げられ、ついには係止部材40が被係
止部材630の長孔632より離脱する位置まで押し上
げられる。図11は、係止部材40と非係止部材630
との係止状態が解除された直後の状態を示している。こ
こで、感震部110での地震検知が終了していれば、感
震部110内部では図1の状態が得られ、係止部材40
は第2球体2により支持される。これにより、係止部材
40は被係止部材630を係止しない状態に維持され、
開き戸210の開放規制状態が解除される。
【0091】図11に示す位置から開き戸210をさら
に開放させると、図12に示すように、反発力P3が垂
直方向に対して傾斜する方向に作用する。この傾斜方向
に作用する反発力P3の分力P4が、第2の磁石650
を左に向けて移動させるように作用する。この結果、第
2の磁石650は左方向にスライド移動して、規制解除
動作前の状態に復帰される。
【0092】なお、図11に示す状態において、感震部
110が地震を検知していた時には、係止部材40が第
2球体2に支持されることがないので、開放規制解除状
態にならないことは、第1の実施の形態の動作と同様で
ある。
【0093】<第4の実施の形態> (開放規制装置の構成説明)図13〜図16は、本発明
の第4の実施の形態に係る開放規制装置の各種動作状態
を示している。図13〜図16に示す開放規制装置は、
第3の実施の形態に設けられた部材のうち第2の支持部
材及びそれにより支持される部材のみを変更している。
【0094】図13〜図16に示す開放規制装置に設け
られた第2の支持部材700は開き戸210に固定され
ている。この第2の支持部材700に対して水平方向に
スライド移動可能な規制解除部材720とを有する。
【0095】第2の支持部材700は、合成樹脂などの
非磁性体にて形成され、基材702と、基台702から
上方に突出する例えば角柱形状の軸部704と、軸部7
04に固定されたカバー706とを有する。また、基台
702の自由端部には、鉄片などの磁性体710が設け
られている。
【0096】一方、規制解除部材720は、ウェイト部
材722にて形成され、第2の支持部材700の軸部7
02が挿通される長孔724と、第2の磁石726とを
有する。
【0097】(開放規制装置の動作説明)図13〜図1
6は、本発明の第3の実施の形態における図9〜図12
の各種動作状態と同様の動作状態を示している。
【0098】まず、図13は、開放規制状態の開き戸2
10を閉鎖操作した際の閉鎖位置に達する前の開放規制
装置の動作状態を示している。このとき、第1,第2の
磁石620,726間に作用する反発力P1は、上述し
た通り比較的小さい。
【0099】図14は、図13に示す位置から開き戸2
10が閉鎖位置に達した後の開放規制装置の動作状態を
示している。このとき、第2の磁石726を含む規制解
除部材720が、慣性力Aによって初期位置から規制解
除位置に向けてスライド移動する。
【0100】図15は、図14に示す位置から開き戸2
10を静かに開放させた際の開放規制装置の開放規制解
除状態を示している。このとき、最大反発力P2により
最上位置まで浮上する第1の磁石620により係止部材
40は非係止レベルに到達し、感震部110にて地震検
知がし終了していれば開放規制状態が解除される。図1
5は、係止部材40と非係止部材630との係止可能状
態が解除された直後の状態を示している。
【0101】図16は、図15に示す位置から開き戸2
10をさらに開放させた状態を示している。このとき、
斜め方向に作用する反発力P3の分力P4による復帰力
に加えて、規制解除部材720の第2の磁石726と第
2の支持部材700の磁性体710との間に作用する吸
引力P5をも利用して、規制解除部材720が規制解除
位置から初期位置に復帰される。このように、第2の支
持部材700に磁性体710を設けた理由は、第2の実
施の形態のように第2の磁石650のみをスライド移動
させるものと比較して、重量のある規制解除部材720
を確実に復帰移動させるためである。
【0102】<第5の実施の形態>この第5の実施の形
態は、図9に示す第3の実施の形態を一部を変更したも
のである。図17に示す第5の実施の形態に係る開放規
制装置は、第2の支持部材640に第2の磁石650を
固定した点が異なり、他の部材は図9に示す部材と同一
である。また、図17は、開き戸210を閉鎖した状態
を示し、このとき第1,第2の磁石620,650が正
対する位置に設定されている。
【0103】この第5の実施の形態によれば、感震部1
10での地震検出後に、開き戸210を開放規制位置よ
り閉鎖位置に向けて閉鎖操作するだけで、開き戸210
の開放規制状態を解除できる。すなわち、開き戸210
が閉鎖位置に達すると、図17に示すように第1,第2
の磁石620,650が正対する。このとき、第1,第
2の磁石620,650間の反発力が最大になるので、
係止部材40を非係止レベルに移動させることができ
る。このとき、既に説明した通り、感震部110にて地
震検出が行われていなければ、係止部材40は非係止レ
ベルに維持され、開き戸210の開放規制状態を解除で
きる。
【0104】この第5の実施の形態によれば、開放規制
解除に寄与する第1,第2の磁石620,650が非接
触であるので、その解除操作に違和感が生ずることがな
い。
【0105】<第6の実施の形態>図18に示す第6の
実施の形態は、図17に示す第5の実施の形態とは異な
り、第1の磁石620を開き戸210側に支持し、第2
の磁石650を感震部110側に固定したものである。
【0106】図17では、第1の磁石620は被係止部
材800に支持されている。この被係止部材800は、
開き戸210に固定される被係止部本体802を有す
る。この被係止部本体802は、係止部材40に係止さ
れる係止部804を有する他、第1の磁石620を収容
している。第1の磁石620を支持する構造としては、
例えば図9に示す対応する構造と同様に、中空部80
6、上部開口808及び下部開口810を有する。
【0107】一方第1の磁石650は、感震部110に
固定された連結部820に固定されている。
【0108】図18に示す第6の実施の形態において
も、開き戸210を閉鎖操作した時の第1,第2の磁石
620,650の相対位置関係は、図17に示す第5の
実施の形態と同じとなる。従って、この第6の実施の形
態でも、第5の実施の形態と同様にして開放規制解除を
行うことができる。
【0109】なお、本発明は上記の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形
実施が可能である。例えば、本発明の第3,第4の実施
の形態において、第1の磁石620の磁極部を係止部材
40の下端に固定し、第1の支持部材610を省略して
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る開放
規制装置において、地震発生後に開き戸が閉鎖された後
であって、かつその開放規制が解除された状態を示して
いる。
【図2】図2は、図1に示す開放規制装置にて地震が検
出されていない時の開き戸の閉鎖状態を示している。
【図3】図3は、図1に示す開放規制装置にて開き戸が
開放規制にある状態を示している。
【図4】図4は、図1に示す開放規制装置にて地震発生
後に開き戸が閉鎖された後であって、かつ開き戸の開放
規制状態が解除されていない状態を示している。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態に係る開放
規制装置の感震部の構造を示している。
【図6】図6は従来の開放規制装置を示し、地震が発生
していない状態であって、開き戸が自由に開閉できる状
態での開き戸の閉鎖状態を示している。
【図7】図7は、地震発生時に開き戸が僅かに開放され
た状態で、図6に示す従来装置により開き戸が開放規制
されている状態を示している。
【図8】図8は、図6に示す従来装置にて、開放規制状
態を解除するための過程を示している。
【図9】図9は、本発明の第3の実施の形態に係る開放
規制装置を示し、開放規制状態の開き戸を閉鎖操作した
際の閉鎖位置に達する前の動作状態を示している。
【図10】図10は、図9に示す位置から開き戸が閉鎖
位置に達した後の開放規制装置にて、第2の磁石のスラ
イド移動後の状態を示している。
【図11】図11は、図10に示す位置から開き戸を開
放させた際の開放規制装置の開放規制解除状態を示して
いる。
【図12】図12は、図11に示す位置から開き戸をさ
らに開放させた際の開放規制装置にて、第2の磁石の復
帰動作を示している。
【図13】図13は、本発明の第4の実施の形態に係る
開放規制装置を示し、開放規制状態の開き戸が閉鎖位置
に達する前の動作状態を示している。
【図14】図14は、図13に示す位置から開き戸が閉
鎖位置に達した後の開放規制装置にて、第2の磁石を含
む規制解除部材のスライド移動後の状態を示している。
【図15】図15は、図14に示す位置から開き戸を静
かに開放させた際の開放規制装置の開放規制解除状態を
示している。
【図16】図16は、図15に示す位置から開き戸をさ
らに開放させた際の開放規制装置にて、第2の磁石を含
む規制解除部材の復帰動作を示している。
【図17】図17は、本発明の第5の実施の形態に係る
開放規制装置を示している。
【図18】図18は、本発明の第6の実施の形態に係る
開放規制装置を示している。
【符号の説明】
1 第1球体 2 第2球体 10 容器本体 20 第1室 22 第1底板 22A 第1開口 30 第2室 32 第2底板 32A 第2開口 40 係止部材 42 軸部 44 フランジ部 44A フランジ下面 46 突起部 48 羽根板 50 被係止部材本体 52 取付片 54 第1の案内面 56 第2の案内面 58 被係止部 59 第3の案内面 60 規制解除部材 70 連結軸 80 バランスウェイト 100 開放規制装置 110 感震部 120 被係止部材 200 戸棚(収容体) 202 戸当たり 210 開き戸(被開閉体) 300 感震部 302 球体 310 容器本体 320 底板 330 係止部材 332 フランジ部 332A フランジ下面 600 連結部 610 第1の支持部材 612 中空部 614 上部開口 616 下部開口 620 第1の磁石 622 非磁性体軸部 624 フランジ状磁石 630 被係止部材 632 長孔 634 第1の開口端 636 第2の開口端 640 第2の支持部材 642 凹部 644 カバー 650 第2の磁石 700 第2の支持部材 702 基台 704 軸部 706 カバー 710 磁性体 720 規制解除部材 722 ウェイト部材 724 長孔 726 第2の磁石 800 被係止部材 802 被係止部本体 804 被係止部 806 中空部 808 上部開口 810 下部開口 820 連結部

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収容体に固定され、地震を感知して係止
    部材を非係止レベルより係止レベルに駆動する感震部
    と、 前記収容体に対して開閉操作される被開閉体に固定さ
    れ、地震時に前記係止レベルに設定された前記係止部材
    に係止されて、前記被開閉体の所定量以上の開放を規制
    する被係止部材と、 前記被開閉体側に支持され、かつ前記被開閉体に対し
    て、初期位置と規制解除位置とに移動可能な規制解除部
    材と、 を有し、 前記規制解除部材は、前記被開閉体が閉鎖位置に到達し
    た時以降に慣性により前記初期位置から前記規制解除位
    置に移動し、前記規制解除位置にあるときに前記係止部
    材を前記非係止レベルに復帰させて前記被開閉体の開放
    規制状態を解除し、その後前記初期位置に復帰すること
    を特徴とする開放規制装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記規制解除部材は、前記初期位置より前記規制解除位
    置に移動する際に、前記係止部材と当接しながら前記係
    止部材を前記係止レベルより前記非係止レベルに復帰さ
    せることを特徴とする開放規制装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記規制解除部材は、前記被係止部材にスライド移動可
    能に支持され、 前記被係止部材は、 前記係止レベルに設定された前記係止部材に係止される
    被係止部と、 地震検出後の前記被開閉体の閉鎖操作の過程で、前記係
    止部材と当接しながら前記係止部材を前記非係止レベル
    に近い位置に案内する第1の案内面と、 を有することを特徴とする開放規制装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、 前記規制解除部材は、地震固有の振動モードでは移動し
    ないように構成されていることを特徴とする地震時の開
    放規制装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、 前記被係止部材は、水平面に対して傾斜した第2の案内
    面を有し、前記第2の案内面に沿って前記規制解除部材
    をスライド案内することを特徴とする地震時の開放規制
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5おいて、 常時は前記規制解除部材を前記初期位置に後退させ、か
    つ、地震固有の振動モードにて前記規制解除部材に作用
    する移動力を打ち消すに足る重量のウェイト部材をさら
    に有することを特徴とする地震時の開放規制装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 同極同士が接近することで反発力を生ずる第1,第2の
    磁石を有し、前記係止部材を前記係止レベルより前記非
    係止レベルに復帰させる復帰力が前記反発力に基づいて
    発生され、前記規制解除部材が前記第2の磁石を有し、
    前記第2の磁石が前記規制解除位置にある時に前記第1
    の磁石を反発力により移動させて、前記係止部材を前記
    非係止レベルに復帰させることを特徴とする開放規制装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記第2の磁石が前記初期位置より前記規制解除位置に
    移動した時、前記第2の磁石は前記第1の磁石と正対し
    ない位置に設定され、その後前記被開閉体を開放操作し
    た時に、前記第2の磁石が前記第1の磁石と正対し、そ
    の時に生ずる最大反発力に基づいて、前記第1の磁石を
    介して前記係止部材を前記非係止レベルに復帰させるこ
    とを特徴とする開放規制装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8において、 前記被開閉体の開放規制が解除された後の前記被開閉体
    のさらなる開放操作によって、前記第2の磁石が記第1
    の磁石と正対する位置からずれた位置に移動され、その
    時に生ずる反発力の分力に基づいて、前記第2の磁石を
    前記初期位置に復帰させることを特徴とする開放規制装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれかにおいて、 前記第1の磁石を、前記感震部の前記係止部材と対向す
    る位置にて移動可能に支持する第1の支持部材をさらに
    有することを特徴とする開放規制装置。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至10のいずれかにおい
    て、 前記第2の磁石を含む前記規制解除部材を前記初期位置
    と前記規制解除位置とにスライド移動可能に支持する第
    2の支持部材が、前記被開閉体に固定されることを特徴
    とする開放規制装置。
  12. 【請求項12】 請求項7乃至11のいずれかにおい
    て、 前記第2の磁石が前記初期位置にある時に、前記第1,
    第2の磁石間に生ずる反発力を減衰させる部材が設けら
    れていることを特徴とする開放規制装置。
  13. 【請求項13】 請求項7乃至12のいずれかにおい
    て、 前記規制解除部材は、前記第2の磁石を固定したウェイ
    ト部材であることを特徴とする開放規制装置。
  14. 【請求項14】 請求項7乃至13のいずれかにおい
    て、 前記第2の支持部材は、前記第2の磁石との間に吸引力
    を生じさせて前記ウェイト部材を前記初期位置に復帰さ
    せる磁性体を有することを特徴とする開放規制装置。
  15. 【請求項15】 収容体に固定され、地震を感知して係
    止部材を非係止レベルより係止レベルに駆動する感震部
    と、 前記収容体に対して開閉操作される被開閉体に固定さ
    れ、地震時に前記係止レベルに設定された前記係止部材
    に係止されて、前記被開閉体の所定量以上の開放を規制
    する被係止部材と、 前記感震部または前記被係止部材の一方に配置され、初
    期位置と規制解除位置とに移動可能な第1の磁石と、 前記感震部または前記被係止部材の他方に配置される第
    2の磁石と、 を有し、 前記被開閉体の操作に伴い前記第1,第2の磁石が接近
    することで、前記第1,第2の磁石間に反発力が生じ、
    前記反発力に基づいて前記第2の磁石が前記規制解除位
    置に達して、前記係止部材を前記非係止レベルに復帰さ
    せることを特徴とする開放規制装置。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至15のいずれかにおい
    て、 前記係止部材は、前記感震部内に配置されるフランジ部
    を有し、 前記感震部は、常時はフランジ部の下面と当接して前記
    係止部材を前記非係止レベルに設定し、地震発生時には
    前記フランジ部の下面より離脱移動して前記係止部材を
    前記係止レベルに落下させる球体を有することを特徴と
    する地震時の開放規制装置。
  17. 【請求項17】 収容体と、前記収容体に対して開閉操
    作される被開閉体と、請求項1乃至16のいずれかに記
    載の地震時の開放規制装置と、を有することを特徴とす
    る家具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5458458B1 (ja) * 2013-05-27 2014-04-02 小澤 正風 家具類等における可動体の自動ロック装置

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