JP2000320152A - 既存杭基礎建物の耐震補強方法および耐震補強構造 - Google Patents
既存杭基礎建物の耐震補強方法および耐震補強構造Info
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- JP2000320152A JP2000320152A JP11133313A JP13331399A JP2000320152A JP 2000320152 A JP2000320152 A JP 2000320152A JP 11133313 A JP11133313 A JP 11133313A JP 13331399 A JP13331399 A JP 13331399A JP 2000320152 A JP2000320152 A JP 2000320152A
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Abstract
礎構造の水平耐力を向上させ、これにより、地震時の安
全性を確保するための技術を提供する。 【解決手段】 既存建物2の周囲の地盤に増設杭6を設
け、増設杭6の杭頭6bと既存建物2との間にスラブ7
を設置して、これら杭頭6bおよび既存建物2の間をス
ラブ7を介して接合する。
Description
存建物の耐震性を向上させるための既存杭基礎建物の耐
震補強方法および耐震補強構造に関するものである。
れるようになってきており、新規に構築される建築物
は、十分な耐震性を有するのが通常となっている。しか
し、過去に建設され現在においても使用中の建物は、建
設当時においては十分な耐震性を有すると考えられてい
たとしても、現時点の基準から考えた場合、耐震性に問
題のあるものもあり、このような既存建築物には耐震性
を向上させるための補強が必要であるとされている。
造において水平耐力や靭性等が不十分なものもあり、こ
れらに対しては、上部構造の要所に耐震壁等を増設した
り、あるいは、柱を炭素繊維で補強する等の手段により
補強が行われている。
うな建物の基礎構造については、設計時に水平力の検討
が十分に行われていない場合があるにも係わらず、地中
にあるために、水平耐力や靭性の増強といった耐震補強
を行うことが困難であり、十分な地震対策を行うことが
できない場合が多く、このため、地震時に杭基礎等が破
損して建物が傾く等の被害が懸念されていた。
あり、杭基礎を有する既存建物において、良好に基礎構
造の水平耐力を向上させ、これにより、地震時の安全性
を確保するための技術を提供することを課題とする。
に本発明においては以下の手段を採用した。すなわち、
請求項1記載の既存杭基礎建物の耐震補強方法は、杭基
礎を有する既存建物の耐震性を向上させるための耐震補
強方法であって、前記既存建物の周囲の地盤に杭を増設
し、該杭の杭頭と前記既存建物との間にスラブを設置し
て、これら杭頭および既存建物の間を前記スラブを介し
て接合することを特徴としている。
震補強構造は杭基礎を有する既存建物の耐震性を向上さ
せるための耐震補強構造であって、前記既存建物の周囲
の地盤に杭が増設され、前記杭の杭頭と前記既存建物と
の間にスラブが設置されるとともに、これら杭頭および
既存建物の間が前記スラブを介して接合されていること
を特徴としている。
よび耐震補強構造においては、既存建物の杭基礎と、新
たに増設された杭とが、スラブを介して一体化されるこ
とにより、これら既存杭および増設杭が協働して地震時
に作用する水平力を負担することができる。
面に基づいて説明する。図2および図3に示すものは、
本発明の一実施の形態である耐震補強構造Aが適用され
た建物1の概略構成である。この建物1は、既存建物2
に隣接させて、新築建物3を新たに増設し、さらに、こ
れら既存建物2および新築建物3を一体化することによ
り形成されたものであり、新築建物3の構築時に、耐震
補強構造Aが設けられて、耐震補強がなされたものであ
る。
ている。この杭基礎4は、地盤Gの下層を構成する支持
地盤5まで到達していない構成となっている。一方、新
築建物3の下部構造をなす増設杭(杭)6は、その先端
6aが支持地盤5にまで到達するように打設されてお
り、また、十分な地震時水平耐力をもつ断面となってい
るので、地震時により優れた耐震機能を発揮可能となっ
ている。
は、スラブ7により互いに接続されている。図1は、建
物1において耐震補強構造Aに係る部分を拡大して示し
た図である。図中に示すように、スラブ7は、増設杭6
の杭頭6bから、既存建物2の外周壁8に至るように設
けられている。さらに、スラブ7は、増設杭6の杭頭6
bと一体化させて形成されるとともに、その既存建物2
側の端部7aが、図4および図5に示すように、既存建
物2に対して接続された構成となっている。
2との接続部9においては、既存建物2の外周壁8にア
ンカーボルト10が打設されるとともに、外周壁8から
突出するアンカーボルト10の先端10aに近接させ
て、壁鉄筋11が配置され、この壁鉄筋11に対して、
コンクリートCが増打ちされている。これにより、既存
建物2の外周壁8に沿って、さらに新たな壁構造12が
形成された構成となっている。
13の基端部13aが配置されている。このアンカー筋
13は、その先端部13bが、壁構造12から突出させ
た状態で設けられており、このアンカー筋13の先端部
13bに対して、スラブ7の主筋14の端部14aが近
接配置されている。これにより、スラブ7の端部7a
が、アンカー筋13および壁構造12を介して新築建物
3に接続されている。
新築建物3との接続部15においては、既存建物2の外
周壁8に後施工アンカー16が打設されるとともに、こ
の後施工アンカー16の先端部16aに至らせて、スラ
ブ7の主筋14の端部14aが配置された構成となって
いる。これにより、スラブ7の端部7aが、スラブ7の
主筋14および後施工アンカー16を介して既存建物2
の外周壁8に接続されている。
耐震補強方法について説明する。これには、まず、既存
建物2の周囲の地盤Gに増設杭6を、その先端6aを支
持地盤5にまで至らせた状態で設置する。一方、既存建
物2の外周壁8には、接続部9(図4参照)の形成対象
位置に壁構造12を形成し、接続部15(図5参照)の
形成対象位置に後施工アンカー16を打設しておく。
ブ7の主筋14を配設する。この場合、スラブ7の主筋
14の端部14aを、後施工アンカー16の先端部16
aまたは壁構造12から突出状態に設けられたアンカー
筋13の先端部13bに至らせて配置するようにする。
工アンカー16の先端部16aおよびアンカー筋13の
先端部13bに対してコンクリートを打設することより
スラブ7を形成する。これにより、増設杭6の杭頭6b
と既存建物2の間とが剛強なスラブ7で互いに接続され
るとともに、耐震補強構造Aが構築される。さらに、増
設杭6上に新築建物3の上部構造を形成することによ
り、図2,3に示したような建物1を得る。
建物3を構築するとともに、新築建物3の増設杭6と既
存建物2とをスラブ7を介して接続することで、新築建
物3の増設杭6と既存建物2とが一体化され、地震時に
建物1の基礎構造に作用する地震力を、既設の杭基礎4
および増設杭6が協働して負担することが可能となり、
これにより、地震時に既存建物2の杭基礎4が破損する
懸念を減少することができる。
造においては、既存建物2の周囲に増設した増設杭6に
より、既存建物2の杭基礎4の負担を減少させるととも
に、地震時の建物1の基礎構造の水平耐力を増強するこ
とができ、これにより、従来、耐震補強が困難であった
既存建物2の杭基礎4の水平耐力の向上を図ることが可
能となる。また、杭基礎4に破損が生じる可能性を減少
することができ、地震による被害を最小限に抑制するこ
とが可能となる。
方法および耐震補強構造においては、既存建物の周囲に
増設した杭により、既存建物の杭基礎の負担を減少させ
て、地震時の既存建物の基礎構造の水平耐力を増強する
ことができ、これにより、従来、耐震補強が困難であっ
た既存建物の基礎構造の水平耐力の向上を図ることが可
能となる。また、杭基礎に破損が生じる可能性を減少す
ることができ、既存建物に発生する被害を最小限に抑制
することが可能となる。
強構造の立断面図である。
の概略構成を示す立断面図である。
既存建物との接合部を拡大して示す立断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 杭基礎を有する既存建物の耐震性を向上
させるための耐震補強方法であって、 前記既存建物の周囲の地盤に杭を増設し、 該杭の杭頭と前記既存建物との間にスラブを設置して、
これら杭頭および既存建物の間を前記スラブを介して接
合することを特徴とする既存杭基礎建物の耐震補強方
法。 - 【請求項2】 杭基礎を有する既存建物の耐震性を向上
させるための耐震補強構造であって、 前記既存建物の周囲の地盤に杭が増設され、 前記杭の杭頭と前記既存建物との間にスラブが設置され
るとともに、これら杭頭および既存建物の間が前記スラ
ブを介して接合されていることを特徴とする既存杭基礎
建物の耐震補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11133313A JP2000320152A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 既存杭基礎建物の耐震補強方法および耐震補強構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11133313A JP2000320152A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 既存杭基礎建物の耐震補強方法および耐震補強構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000320152A true JP2000320152A (ja) | 2000-11-21 |
Family
ID=15101771
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11133313A Pending JP2000320152A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 既存杭基礎建物の耐震補強方法および耐震補強構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000320152A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006291607A (ja) * | 2005-04-12 | 2006-10-26 | Taisei Corp | 既存構造物の基礎補強方法 |
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-
1999
- 1999-05-13 JP JP11133313A patent/JP2000320152A/ja active Pending
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