JP2000319778A - スパッター装置及びスパッターターゲット - Google Patents

スパッター装置及びスパッターターゲット

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JP2000319778A
JP2000319778A JP11127440A JP12744099A JP2000319778A JP 2000319778 A JP2000319778 A JP 2000319778A JP 11127440 A JP11127440 A JP 11127440A JP 12744099 A JP12744099 A JP 12744099A JP 2000319778 A JP2000319778 A JP 2000319778A
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Osamu Kamiya
攻 神谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応性スパッターを効率よく実施でき、高品
質な薄膜を高速で形成できるスパッター装置及びこの装
置に用いるスパッターターゲットを提供する。 【解決手段】 スパッタ源となる互いに対向配置した1
対のスパッターターゲットを備えたスパッター成膜装置
において、独立した輪帯状のスパッターターゲット7a
を有することを特徴とするスパッター装置;及び、スパ
ッター成膜装置のスパッタ源として用いられるスパッタ
ーターゲットにおいて、独立した輪帯状であることを特
徴とするスパッターターゲット7a。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体集
積回路における、特にキャパシター、層間絶縁膜などの
誘電体膜、液晶基板などのディスプレー用基板上の透明
電極や絶縁膜、及び、光学機器のレンズやプリズムの表
面に成膜する反射防止膜や色分解フィルターなどの誘電
体膜を形成するスパッター装置、及びこの装置に用いる
スパッターターゲットに関する。更に詳しくは、金属酸
化物、窒化物膜などを反応性スパッターで成膜する場合
のターゲット構造に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、半導体、光学、液晶基板などの素
子の表面に、所望の膜を成膜するためには、スパッター
装置が多用されている。このスパッター装置を用いて酸
化物膜や窒化物膜などの金属化合物膜を得るには、化合
物の量子化学量論的にみて、できるだけ完全な形の成膜
が望まれる。例えば、光学薄膜としてアルミナ膜や石英
膜をレンズやプリズム上に成膜する場合、紫外域、近紫
外域で吸収の無い膜を得るには、完全なSiO2膜やA
23膜の形になっている必要がある。
【0003】これら金属化合物膜を得る為に、金属ター
ゲットを使用して、酸素または窒素ガス中でスパッター
する反応性スパッター法が実施されており、通常よく使
用されるスパッター装置として、平板型マグネトロンス
パッター装置と対向型スパッター装置が挙げられる。
【0004】図4及び図5は、それぞれ、平板型マグネ
トロンスパッター装置及び対向型スパッター装置の構造
とエロージョンを示す模式図である。これら装置は、両
者とも、ターゲット4上に磁石5などの手段を設け、強
磁場を形成して電子を閉じ込め、プラズマ密度を高める
ことにより、被成膜基板3上に高速で成膜できるという
特徴を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】平板型マグネトロンス
パッター装置においては、その構造上、磁場の強さは均
一にはならず、図1に示すエロージョン領域1の断面形
状に示すように、エロージョンは輪帯状に進行する。こ
の状態では、スパッター粒子が均一に発生していないこ
とが分かる。
【0006】対向型スパッター装置においては、平板型
マグネトロンスパッター装置に比べると磁場がターゲッ
ト平面と垂直になっているので、プラズマ閉じ込め磁場
を比較的均一にし易い。しかしながら、実際に図5に示
すような構造では、磁場の強さは均一にはならず、中央
部の凹んだエロージョン断面形状(エロージョン領域
2)を呈する。
【0007】また、反応性スパッターを行う場合、ター
ゲットの元材料とガスの反応は、ターゲットの表面で起
こり、化合物状態でスパッターされて基板上に化合物の
膜を形成すると言われている。したがって、成膜速度を
速めるには、プラズマ放電強度を上げる必要がある。し
かし、プラズマ放電強度を上げていくと、ターゲット表
面での反応速度がスパッター速度に追いつかず、未反応
状態の材料がスパッターされることとなる。その結果、
基板上に堆積される膜は化合物として不完全な状態とな
り、その抵抗値などの電気的特性や透過率などの光学的
特性を悪化させる。すなわち、上記装置において、反応
性スパッターを行う場合、その堆積速度は非常に小さく
抑えられてしまうという問題があるのである。
【0008】本発明は、これら従来技術の課題を解決す
る為になされたものであり、反応性スパッターを効率よ
く実施でき、高品質な薄膜を高速で形成できるスパッタ
ー装置及びこの装置に用いるスパッターターゲットを提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、スパッタ源と
なる互いに対向配置した1対のスパッターターゲットを
備えたスパッター成膜装置において、独立した輪帯状の
スパッターターゲットを有することを特徴とするスパッ
ター装置である。
【0010】さらに本発明は、スパッター装置のスパッ
タ源として用いられるスパッターターゲットにおいて、
独立した輪帯状であることを特徴とするスパッターター
ゲットである。
【0011】
【発明の実施の形態】一般に、金属ターゲット材料を使
用した装置を用いて基板上に酸化物薄膜を形成するに
は、反応性スパッターを行えばよい。例えば、スパッタ
ーガスであるArなどの不活性ガスに、酸素などのガス
を混合して用いれば、金属ターゲット材料の酸化物薄膜
を形成できる。
【0012】このような反応性スパッターにおいては、
酸素イオンなどの活性酸素によりターゲット表面の金属
が酸化され、その酸化層がスパッター成膜されること
が、基板上で完全な酸化物を得る上で重要な要件といわ
れている。ターゲット基板上での単位面積当たりの酸化
速度をSoとし、そのスパッター速度をSsとすれば、
完全な酸化物薄膜を得るには、以下の不等式 Ss<So を満たさなければならない。ここで、ターゲット表面の
酸化速度は、酸素活性種が十分存在している場合、すな
わちスパッターガス中の酸素濃度が十分である場合、タ
ーゲット全表面にわたってほぼ均一になると考えられ
る。
【0013】一方、基板上への酸化物膜の成膜速度は、
ターゲットのスパッター速度×面積となるから、成膜速
度を最大にするためには、ターゲット全面にわたって均
一に以下の等式 Ss≒So を満たす必要がある。それ故に、反応性スパッターにお
いて、高速に酸化物薄膜を得るには、スパッターターゲ
ット上全面において均一にスパッターされるターゲット
構成をもつスパッター値が必要になる。
【0014】すなわち、ターゲット上のスパッター領域
(すなわちエロージョン領域)が輪帯状または楕円形状
をなし、磁場の強さが場所により異なり、スパッター速
度がエロージョン領域で均一にならない図4に示したよ
うな平板型マグネトロンスパッター装置では、スパッタ
ー速度分布は図2のグラフのような形になり、効率良く
成膜できない。
【0015】また、対向型スパッター装置は、平板型マ
グネトロンスパッター装置と比較して、磁場をより均一
に設定できるので好ましいが、通常そのスパッター速度
分布は、同じくターゲットの中心軸を対称に図2のグラ
フのような形になり、中心部の速度が高い。ここで、S
sはターゲット中心のSo以下でなければならず、面積
の広い輪帯部においてはスパッター速度がさらに抑えら
れることになり、効率よく成膜できない。
【0016】一方、本発明においては、速度が均一な範
囲の輪帯状のターゲット部を分離すして用い、かつ所望
によりプラズマの密度の高い中心部のターゲット部も併
用することにより、図3のグラフに示す均一なスパッタ
ー速度分布を得ることができる。すなわち、従来の装置
では、ターゲットの表面をスパッターする速度が均一で
はないために、スパッター速度とターゲット表面の反応
速度のバランスがくずれ、膜質の低下をもたらしていた
が、本発明では、ターゲット表面をできるだけ均一にス
パッターされ得る構成のスパッターターゲットを用いる
ことにより、高品質の膜を高速で成膜できるのである。
【0017】以下、本発明の好適な実施形態について説
明する。
【0018】図1は、本発明の対向型スパッター装置の
構造及びエロージョンを例示する模式図である。
【0019】この装置は、被成膜基板3上に成膜を行う
為のスパッター源である互いに対向配置した1対のター
ゲット7a、7bと、強磁場を形成して電子を閉じ込め
プラズマ密度を高める為に同心円上に配された磁石5
と、各ターゲット7a、7bにスパッター電力を供給す
る電源8、9を備える。
【0020】ターゲット7aは輪帯状の形状を呈し、1
対の独立したターゲットとして構成されている。また、
ターゲット7bは円盤状の形状を呈し、各々の輪帯状の
スパッターターゲット7aの最内部の空隙に位置する1
対の独立したターゲットとして構成されている。各1対
のターゲット7a、7bはそれぞれ個別に電源8、9に
接続され、独立して電力を供給できるようになってい
る。
【0021】ターゲット7aの輪帯状の外形は、真円形
状だけでなく、本発明の効果が得られる範囲内におい
て、各種条件に応じて若干の変形を施しても構わない。
【0022】対向する一対の輪帯状のターゲット7aに
は、プラズマを生起させるための放電電力を供給する。
通常、直流または13.56MHz程度の高周波電力を
供給するのが一般的である。ただし、目的に応じて10
MHz以上のVHF周波や数十Hz程度の交流、あるい
は高周波にDCを重畳したものやKHz程度のパルス周
波を重畳させてもよい。ターゲット7aが金属材料の場
合はDC、誘電体や半導体などの絶縁性材料の場合は高
周波を使用する場合が多い。
【0023】DC電源は、ターゲットと電源の間にマッ
チング回路を挿入する必要が無くシンプルであり、設備
コストも比較的安価である。ただし、反応性スパッター
の場合は、ターゲット表面が酸化してチャージアップし
易く、成膜条件によってはアーク放電などの異常放電を
起こすこともあるので、高周波電源を使用する場合もあ
る。
【0024】これらの電源を各輪帯に供給し、その電力
を調整することにより、ターゲットの径方向のプラズマ
密度を均一にすることができ、ターゲットの全域にわた
りスパッター速度Ssは一定となる。
【0025】通常の対向型ターゲットスパッター方式で
は、ターゲットの周辺部よりも中心部の磁場が強くな
る。したがって、これを補正する為に、周辺部の輪帯状
のスパッターターゲット7aに比較して、内側の円盤状
のスパッターターゲット7bの供給電力を減らし、全体
としてプラズマを均一化すればよい。また、両者の供給
電力の種類を異ならせることもできる。
【0026】これによりターゲット全面にわたり、図3
に示すようにほぼ均一なスパッター速度と酸化速度が得
られ、図1に示すようなほぼ均一なエロージョン領域6
を呈し、良質な酸化物薄膜等を高速で堆積することが可
能となる。
【0027】導入する反応性ガスとしては、例えば、酸
化物を得る場合は酸素、窒化物を得る場合は窒素、その
他フッ化物、水素化物等はそれぞれフッ素、水素を使用
すればよい。また、これら反応性ガスと、希釈ガス及び
プラズマガスとしてのAr、He、Xe、Kr等の不活
性ガスとの混合ガスを使用する場合が多い。
【0028】また、各種材料の混合薄膜を得る場合は、
各1対のターゲット7a、7bを異なる材料で構成すれ
ばよい。例えば、輪帯状のスパッターターゲット7aに
アルミを使用して、円盤状のスパッターターゲット7b
にはシリコンを使用することもできる。異なる材料で構
成する場合は、それぞれの材料で酸化速度とスパッター
速度が異なるので、それぞれの材料に合わせた電力を供
給する必要がある。
【0029】本発明においては、前述のように磁場が均
一にならないマグネトロン方式のスパッターよりも、磁
場を均一化し易い対向型ターゲットスパッター方式を採
用することにより、より良好な成膜を可能にしている。
【0030】図1に示した装置においては、輪帯状のス
パッターターゲット7aと、円盤状のスパッターターゲ
ット7bとを併用したが、円盤状のスパッターターゲッ
ト7bを省略し、輪帯状のスパッターターゲット7aの
みを用いてもよい。この場合はターゲットに供給する電
源は1つでよく、装置自身が単純化されるので、安価な
スパッター装置になる。
【0031】また、輪帯状のスパッターターゲット7a
の外側に、さらに一個又は複数個の輪帯状のスパッター
ターゲットを所望に応じて追加してもよい。この場合、
追加したターゲットについても独立して電力を供給でき
るようにすればよい。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0033】<実施例1>真空チャンバー内に、1対の
対向したターゲットを配した。このターゲットには、外
径20cm、内径10cmの輪帯状アルミターゲットを
用いた。また、その外周部に希土類磁石を同心円上に配
した。この構造の2個のターゲットを向かい合わせに配
置し、ターゲット上でほぼ均一な磁場を形成した。ま
た、このターゲットには、13.56MHzの高周波を
供給した。
【0034】この対向ターゲットを備えたスパッター装
置を用い、予め10-4パスカル以下の真空度に排気した
後、1パスカルの真空度になるように、酸素−アルゴン
の50%−50%の混合比のスパッターガスをチャンバ
ー内に導入し、高周波電力を1KW投入して石英基板上
に厚さ1μmのアルミナ膜を形成した。このときの成膜
速度は10A/Secであった。
【0035】このアルミナ膜について、紫外分光光度計
により、波長200nmの波長で光吸収損失を測定した
ところ、光吸収損失0.1%以下の高品質な膜であっ
た。
【0036】<実施例2>真空チャンバー内に、1対の
対向したターゲットを配した。このターゲットには、外
径20cm、内径10cmの輪帯状アルミターゲット
と、その内側に配置された外径9cmの円盤状アルミタ
ーゲットを用いた。また、その外周部に希土類磁石を同
心円上に配した。この構造の2個のターゲットを向かい
合わせに配置し、ターゲット上でほぼ均一な磁場を形成
した。また、各ターゲットには、それぞれ直流電力を供
給した。
【0037】この対向ターゲットを備えたスパッター装
置を用い、予め10-4パスカル以下の真空度に排気した
後、1パスカルの真空度になるように、酸素−アルゴン
の50%−50%の混合比のスパッターガスをチャンバ
ー内に導入し、外側の輪帯状ターゲットに直流電力を1
KW投入し、さらに内側の円盤状ターゲットに500W
の直流電力を投入して、均一なプラズマを形成した。
【0038】そして、このプラズマによるスパッタリン
グと、酸素−アルゴンの混合ガスによるターゲット表面
での酸化進行とのバランスがとれるように、内側、外側
の電力を調整してスパッター成膜を開始し、石英基板上
に厚さ1μmのアルミナ膜を形成した。このときの成膜
速度は15A/Secであった。
【0039】このアルミナ膜について、実施例1と同様
に評価したところ、光吸収損失0.1%以下の高品質な
膜であった。
【0040】<実施例3>真空チャンバー内に、1対の
対向したターゲットを配した。このターゲットには、外
径20cm、内径10cmの輪帯状シリコンターゲット
と、その内側に配置された外径9cmの円盤状シリコン
ターゲットを用いた。また、その外周部に希土類磁石を
同心円上に配した。この構造の2個のターゲットを向か
い合わせに配置し、ターゲット上でほぼ均一な磁場を形
成した。また、各ターゲットには、それぞれ高周波電力
を供給した。
【0041】この対向ターゲットを備えたスパッター装
置を用い、予め10-4パスカル以下の真空度に排気した
後、1パスカルの真空度になるように、酸素−アルゴン
の50%−50%の混合比のスパッターガスをチャンバ
ー内に導入し、外側の輪帯状ターゲットに高周波電力を
1KW投入し、さらに内側の円盤状ターゲットに500
Wの高周波電力を投入して、均一なプラズマを形成し
た。
【0042】そして、このプラズマによるスパッタリン
グと、酸素−アルゴンの混合ガスによるターゲット表面
での酸化進行とのバランスがとれるように、内側、外側
の高周波電力を調整してスパッター成膜を開始し、シリ
コン基板上に厚さ300Aの酸化シリコン膜を形成し
た。このときの成膜速度は8A/Secであった。
【0043】この酸化シリコン膜について、実施例1と
同様に評価したところ、光吸収損失0.1%以下の高品
質な膜であった。
【0044】<実施例4>真空チャンバー内に、1対の
対向したターゲットを配した。このターゲットには、外
径20cm、内径15cmの輪帯状アルミターゲット
と、その内側に配置された外径14cm、内径10cm
の輪帯状シリコンターゲットと、さらにその内側に配置
された内径9cmの円盤状アルミターゲットを用いた。
その外周部に希土類磁石を同心円上に配した。この構造
の2個のターゲットを向かい合わせに配置し、ターゲッ
ト上でほぼ均一な磁場を形成した。また、各ターゲット
には、それぞれ高周波電力を供給した。
【0045】この対向ターゲットを備えたスパッター装
置を用い、予め10-4パスカル以下の真空度に排気した
後、1パスカルの真空度になるように、酸素−アルゴン
の50%−50%の混合比のスパッターガスをチャンバ
ー内に導入し、外側の輪帯状ターゲットに高周波電力を
800W投入し、内側の円盤状アルミターゲットに30
0Wの高周波電力を投入し、さらに中間の輪帯状アルミ
ターゲットには500Wの高周波電力を投入して、均一
なプラズマを形成した。
【0046】そして、このプラズマによるスパッタリン
グと、酸素−アルゴンの混合ガスによるターゲット表面
での酸化進行とのバランスがとれるように、内側、中
間、外側の高周波電力を調整してスパッター成膜を開始
し、石英基板上に厚さ500Aの酸化シリコンの含有率
がおよそ20%のアルミナ膜を形成した。このときの成
膜速度は10A/Secであった。
【0047】このアルミナ膜について、実施例1と同様
に評価したところ、光吸収損失0.1%以下、屈折率は
1.58の高品質な膜であった。
【0048】<実施例5>真空チャンバー内に、1対の
対向したターゲットを配した。このターゲットには、外
径20cm、内径10cmの輪帯状アルミターゲットの
みを用いた。また、その外周部に希土類磁石を同心円上
に配した。この構造の2個のターゲットを向かい合わせ
に配置し、ターゲット上でほぼ均一な磁場を形成した。
また、ターゲットには、13.56MHzの高周波を供
給した。
【0049】この対向ターゲットを備えたスパッター装
置を用い、予め10-4パスカル以下の真空度に排気した
後、1パスカルの真空度になるように、窒素−アルゴン
の50%−50%の混合比のスパッターガスをチャンバ
ー内に導入し、高周波電力を1KW投入して、石英基板
上に厚さ1μmの窒化アルミナ膜を形成した。このとき
の成膜速度は8A/Secであった。
【0050】この窒化アルミナ膜について、紫外分光光
度計により、波長400nmの波長で光吸収損失を測定
したところ、光吸収損失0.05%以下の高品質な膜で
あった。
【0051】<実施例6>真空チャンバー内に、1対の
対向したターゲットを配した。このターゲットには、外
径20cm、内径10cmの輪帯状アルミターゲット
と、その内側に配置された外径9cmの円盤状アルミタ
ーゲットを用いた。また、その外周部に希土類磁石を同
心円上に配した。この構造の2個のターゲットを向かい
合わせに配置し、ターゲット上でほぼ均一な磁場を形成
した。また、外側の輪帯状ターゲットには直流電力を供
給し、内側の円盤状のターゲットには、高周波電力を供
給した。
【0052】この対向ターゲットを備えたスパッター装
置を用い、予め10-4パスカル以下の真空度に排気した
後、1パスカルの真空度になるように、酸素−アルゴン
の50%−50%の混合比のスパッターガスをチャンバ
ー内に導入し、外側の輪帯状ターゲットに直流電力を1
KW投入し、さらに内側の円盤状ターゲットに500W
の高周波電力を投入して、均一なプラズマを形成した。
【0053】そして、このプラズマによるスパッタリン
グと、酸素−アルゴンの混合ガスによるターゲット表面
での酸化進行とのバランスがとれるように、外側の直流
電力を調整してスパッター成膜を開始し、石英基板上に
1μmのアルミナ膜を形成した。このときの成膜速度は
15A/Secであった。
【0054】このアルミナ膜について、実施例1と同様
に評価したところ、光吸収損失0.1%以下の高品質な
膜であった。
【0055】
【発明の効果】以上、述べたように本発明によれば、反
応性スパッターを効率よく実施でき、高品質な金属化合
物薄膜等の薄膜を高速で形成できるスパッター装置及び
この装置に用いるスパッターターゲットを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対向型スパッター装置の構造及びエロ
ージョンを例示する模式図である。
【図2】従来のスパッター装置におけるスパッター速度
分布及び表面反応速度分布を示すグラフである。
【図3】本発明のスパッター装置におけるスパッター速
度分布及び表面反応速度分布を示すグラフである。
【図4】従来の平板型マグネトロンスパッター装置の構
造とエロージョンを示す模式図である。
【図5】従来の対向型スパッター装置の構造とエロージ
ョンを示す模式図である。
【符号の説明】
1、2 エロージョン領域 3 被成膜基板 4 ターゲット 5 磁石 6 エロージョン領域 7a 輪帯状のターゲット 7b 円盤状のターゲット 8、9 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K029 AA08 BA44 BA46 BA58 BA64 BD01 CA06 DC03 DC05 DC12 DC15 DC16 DC33 DC34 DC35 DC40 EA05 EA09 5F103 AA08 BB05 BB14 BB22 BB23 DD27 HH03 HH04 NN10 RR01 RR05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパッタ源となる互いに対向配置した1
    対のスパッターターゲットを備えたスパッター成膜装置
    において、独立した輪帯状のスパッターターゲットを有
    することを特徴とするスパッター装置。
  2. 【請求項2】 互いに対向配置した1対のスパッタータ
    ーゲットが、1対の独立した輪帯状のスパッターターゲ
    ットのみからなる請求項1記載のスパッター装置。
  3. 【請求項3】 互いに対向配置した1対のスパッタータ
    ーゲットが、1対の独立した輪帯状のスパッターターゲ
    ットと、各々の該輪帯状のスパッターターゲットの最内
    部の空隙に位置する1対の独立した円盤状のスパッター
    ターゲットとからなり、各1対のターゲットはそれぞれ
    個別に電力を調整できる請求項1記載のスパッター装
    置。
  4. 【請求項4】 スパッターターゲットに供給するスパッ
    ター電力は、高周波、直流、低周波及びパルス状からな
    る群より選ばれる請求項1〜3のいずれか一項記載のス
    パッター装置。
  5. 【請求項5】 1対の独立した輪帯状のスパッターター
    ゲットに供給するスパッター電力と、1対の独立した円
    盤状のスパッターターゲットに供給するスパッター電力
    は、高周波、直流、低周波及びパルス状からなる群より
    選ばれる互いに異なるスパッター電力である請求項3記
    載のスパッター装置。
  6. 【請求項6】 1対の独立した輪帯状のスパッターター
    ゲットと、1対の独立した円盤状のスパッターターゲッ
    トとが、互いに異なる材料からなる請求項3記載のスパ
    ッター装置。
  7. 【請求項7】 酸素、窒素、フッ素及び水素から成る群
    より選ばれる一種以上の反応性ガス、若しくは、該一種
    以上の反応性ガスとAr、He、Xe及びKrから成る
    群より選ばれる一種以上の不活性ガスとの混合ガスを使
    用する請求項1〜6のいずれか一項記載のスパッター装
    置。
  8. 【請求項8】 スパッター成膜装置のスパッタ源として
    用いられるスパッターターゲットにおいて、独立した輪
    帯状であることを特徴とするスパッターターゲット。
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