JP2005256119A - 成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面に凹凸の形状を有する基板上に堆積する膜の厚さを制御することが可能な成膜装置を提供する。
【解決手段】 ターゲット30、35をスパッタリングして、基板50に前記ターゲット30、35の材料の薄膜を形成する成膜装置において、薄膜をエッチングするエッチング源60を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、成膜装置に関する。
従来、光学薄膜用の成膜装置として、主として、真空蒸着装置及びイオンアシスト蒸着装置が用いられている。また近年、光学薄膜を成膜する用途に、イオンプレーティング装置又はスパッタリング装置を用いる試みがなされており、所望の光学特性、緻密性、及び密着性を有する光学薄膜を得ることができるような成膜装置の開発が望まれている。
例えば、スパッタリング法を用いた成膜装置としては、図1に示すような成膜装置が開示されている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。
図1は、従来のスパッタリング法を用いた成膜装置の概略図であり、成膜装置は、図示していない排気系で内部を排気した真空槽10、真空槽10内に設けられた円筒形の基板ホルダー20、並びに、それぞれ真空槽10の内部に設けられ遮蔽板で区画された第一のターゲット30、第二のターゲット35及び酸化源40を有する。第一のターゲット30及び第二のターゲット35は、それぞれ、互いに異なる金属材料からなる。
次に、上記の成膜装置を用いた従来の成膜方法について説明する。基板ホルダー20の外周には、複数の基板50が保持される。次に、基板ホルダー20を回転させ、基板ホルダー20の外周に保持された基板50と第一のターゲット30を対向させる。そして、第一のターゲット30をスパッタリングすることで、第一のターゲット30を構成する金属材料の原子を基板50上に積層し、第一のターゲット30の金属材料からなる薄膜を基板50上に形成する。さらに、基板ホルダー20を回転させ、第一のターゲット30の金属材料からなる薄膜が形成された基板50を酸化源40と対向させる。そして、酸化源40によって酸素又はオゾンのような酸化性ガスのプラズマ発生させ、そのプラズマ中の酸素ラジカルを基板50上に形成された薄膜に反応させて、基板50上に形成された金属薄膜を酸化する。その結果、基板50上に第一のターゲット30の金属が酸化された金属酸化物の薄膜を得ることができる。次に、基板ホルダー20を回転させ、金属酸化物の薄膜が形成された基板50と第二のターゲット35を対向させる。そして、第二のターゲット35をスパッタリングすることで、第二のターゲット35を構成する金属材料の原子を金属酸化物の薄膜上に積層し、第二のターゲット35の金属材料からなる薄膜を金属酸化物の薄膜上に形成する。次に、基板ホルダー20を回転させ、第二のターゲット35の金属材料からなる薄膜が形成された基板50を酸化源40と対向させ、酸化源40から供給される酸素ラジカルによって、第二のターゲット35の金属材料からなる薄膜を酸化する。このような工程を繰り返すことで、基板50上に第一のターゲット30の金属材料を酸化させた金属酸化物の薄膜及び第二のターゲット35の金属材料を酸化させた金属酸化物の薄膜を形成することができる。なお、酸化源40を動作させずに、第一のターゲット30及び/又は第二のターゲット35の金属材料からなる薄膜を形成してもよい。
上記のような従来の成膜装置によれば、凹凸の無い平面を有する基板上に金属又は金属酸化物の薄膜を形成することはできるが、微細加工によって形成された微細な溝や穴のような凹凸の形状を表面に有する基板に所望の薄膜を形成することは困難である。図2は、従来の成膜装置を用いて表面に凹凸の形状を有する基板上に薄膜が成膜された素子の断面図である。すなわち、図2に示すように、上記の従来の成膜装置を使用して表面に微細な凹凸の形状を有する石英の基板50に、スパッタリング法によって、ターゲットの材料からなる膜110を成膜すると、基板50の凸部に選択的にターゲットの材料が付着する。このため、基板50の凸部においては、ターゲットの材料の膜110が堆積するが、基板50の凹部においては、ターゲットの材料の付着が少ないことに加えて、基板50の凸部に堆積した膜110は、凹部の開口を次第に狭くし、ターゲットの材料が基板50の凹部に付着することを妨害する。その結果、基板50の表面の凹部は、ターゲットの材料で充填されず、基板の凹部に空洞120が形成されてしまう。このような、基板50の凹部に空洞120が形成された素子は、光学素子として欠陥品となってしまう。よって、上記のような従来の成膜装置を用いて、基板50に設けられた微細な溝や穴にターゲットの材料を均一且つ一様に充填することは困難である。
また、表面に微細な溝や穴が形成されたSi基板の微細な溝や穴に薄膜材料を充填することが可能な半導体製造装置も考案されているが、このような半導体製造装置を用いても、ガラス等の絶縁性の高い基板の表面に形成された微細な溝や穴へ薄膜材料を充填することは困難である。さらに、半導体用の薄膜では問題とならない程度の膜厚の誤差及び基板の面内での膜厚分布が、光学用の薄膜では大きな問題となりうる。特に色合成及び色分離用のダイクロイックフィルター、偏光分離膜、狭帯域波長分離膜、及び多層反射防止膜においては膜厚の誤差及び膜厚分布は、致命的な問題である。上記のような半導体製造装置では、表面に微細な凹凸の形状を有する基板上に光学薄膜に要求される所望の光学膜厚(屈折率と物理的膜厚との積)を達成することは困難である。さらに、任意の光学特性を得るために、光学薄膜の物理的膜厚を制御して、所望の光学膜厚を有する光学薄膜を、表面に微細な凹凸の形状を有する基板上に再現性良く多層に積層することは非常に困難である。すなわち、従来の半導体製造装置を用いて表面に微細な凹凸の形状を有する基板上に多層の光学薄膜を積層させると、基板上に形成及び積層される光学薄膜は、基板の表面における微細な凹凸の形状を反映しない。そして、基板に形成される光学薄膜の物理的膜厚が大きいほど、また、基板に積層させる光学薄膜の数が多いほど、基板に形成又は積層された薄膜の形状は、平坦に近づき、所望の物理的膜厚を有する薄膜を基板に形成する又は積層させることが困難である。よって、所望の光学膜厚を有する薄膜を基板に形成する又は積層させることが困難であるため、所望の屈折率を有する光学素子を得ることも困難になる。
よって、微細加工によって基板の表面に設けられた微細な溝や穴へターゲットの材料を充填することが可能であり、微細な凹凸の形状を有する基板に所望の光学膜厚を有する(多層の)薄膜を形成することが可能である光学薄膜用の成膜装置が望まれている。
特許第3202974号公報 O plus E Vol.26,No.2、2004年2月、P.144−148
本発明は、表面に凹凸の形状を有する基板上に堆積する膜の厚さを制御することが可能な成膜装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、ターゲットをスパッタリングして、基板に前記ターゲットの材料の薄膜を形成する成膜装置において、前記薄膜をエッチングするエッチング源を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の成膜装置において、前記エッチング源は高周波電磁誘導プラズマ、誘導結合型プラズマ、電子サイクロトロン共鳴プラズマ、ヘリコン波励起プラズマであることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の成膜装置において、前記エッチング源は、プラズマイオンのビームを発生させるイオンビーム源であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の成膜装置において、前記プラズマイオンは、希ガス原子のイオンであることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の成膜装置において、前記希ガス原子は、アルゴン原子であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5いずれか1項に記載の成膜装置において、前記薄膜と反応するガスの活性種を供給する反応源をさらに有することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の成膜装置において、前記反応源の数は、複数であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項6又は7に記載の成膜装置において、前記反応源の少なくとも一つは、プラズマイオンのビームを発生させるイオンビーム源であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項3、4、5又は8に記載の成膜装置において、前記イオンビーム源と前記基板との間の距離は、前記プラズマイオンの平均自由工程の1倍以上 10倍以下であることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項3、4、5又は8に記載の成膜装置において、前記イオンビーム源と前記基板との間の距離は、10mm以上500mm以下であることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1乃至10いずれか1項に記載の成膜装置において、前記ターゲットから放出される前記ターゲットの材料の粒子が飛行する方向を制限する手段をさらに有することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項1乃至11いずれか1項に記載の成膜装置において、前記ターゲットと前記基板との間の距離は、前記ターゲットの材料の粒子の平均自由工程の1倍以上10倍以下であることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項1乃至11いずれか1項に成膜装置において、前記ターゲットと前記基板との間の距離は、10mm以上500mm以下であることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項1乃至13いずれか1項記載の成膜装置において、前記エッチング源及び前記ターゲットは、略同心円上に配置されることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項1乃至14いずれか1項記載の成膜装置において、前記ターゲットの材料は、Al、Si、Ti、Cr、Nb、Ta、SiO、Al、TiO、Cr、Nb、及びTaからなる群より選択される一種類又は複数種類の材料であることを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項1乃至15いずれか1項記載の成膜装置において、前記ターゲットの数は、複数であり、前記複数のターゲットの少なくとも二つは、互いに異なる前記ターゲットの材料を含むことを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項1乃至16いずれか1項記載の成膜装置において、前記ターゲットの少なくとも一つは、複数の種類の前記ターゲットの材料を含むことを特徴とする。
本発明によれば、表面に凹凸の形状を有する基板上に堆積する膜の厚さを制御することが可能な成膜装置を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
まず、本発明による成膜装置の概略について図3を用いて説明する。図3は、本発明による成膜装置の概略図である。図3に示すように、本発明による成膜装置は、ターゲットをスパッタリングして、基板にターゲットの材料の薄膜を形成する成膜装置であって、真空槽10、真空槽10内に設けられた円筒形の基板ホルダー20、エッチング源60、及び飛行方向制限手段70、並びに、それぞれ真空槽10の内部に設けられ遮蔽板で区画された第一のターゲット30、第二のターゲット35、反応源40を有する。真空槽10の内部は、図示していない排気系で排気されており、高真空状態に保たれている。円筒形の基板ホルダー20は、所定の回転速度で回転可能であり、基板ホルダー20の外周には、単数又は複数の基板50を保持することができる。
次に、本発明による成膜装置の動作を説明する。まず、基板ホルダー20の外周に単数又は複数の基板50を保持する。次に、基板50が保持された基板ホルダー20を回転させて、基板50と第一のターゲット30を対向させる。そして、第一のターゲット30をスパッタリングすることで、第一のターゲット30を構成する材料の原子を基板50上に堆積させ、第一のターゲット30の材料からなる薄膜を基板50上に形成する。次に、基板ホルダー20を回転させて、第一のターゲット30の材料からなる薄膜が形成された基板50とエッチング源60を対向させる。そして、エッチング源から放出される高エネルギー粒子により、後述するように、基板50上に形成された第一のターゲット30の材料からなる薄膜の一部分をエッチングする。次に、必要に応じて、基板ホルダー20を回転させて、エッチングされた第一のターゲット30の材料からなる薄膜が形成された基板50と反応源40を対向させる。そして、反応源40から放出されるガスの活性種を、基板50におけるエッチングされた第一のターゲット30の材料からなる薄膜と反応させる。これにより、基板50上に第一のターゲット30の材料とガスの活性種とが反応して得られる生成物の薄膜を形成することができる。次に、必要に応じて、基板ホルダー20を回転させて、薄膜が形成された基板50と第二のターゲット35を対向させる。そして、第二のターゲット35をスパッタリングすることで、第二のターゲット35を構成する材料の原子を基板50上に形成された薄膜に堆積させ、第二のターゲット35の材料からなる薄膜を基板50上に形成された薄膜上に積層する。この場合にも、次に基板ホルダー20を回転させて、第二のターゲット35の材料からなる薄膜が形成された基板50とエッチング源60を対向させる。そして、エッチング源から放出される高エネルギー粒子により、後述するように、基板50上に形成された第二のターゲット35の材料からなる薄膜の一部分をエッチングする。このようにして、ターゲットのスパッタリングによる成膜、エッチング源による成膜された薄膜のエッチング、及び必要に応じて反応源による成膜された薄膜の反応を組み合わせることで、基板ホルダー20に設けられた単数又は複数の基板50上に、第一のターゲット30及び/又は第二のターゲット35の材料からなる薄膜、及び/又は第一のターゲット30及び/又は第二のターゲット35の材料からなる薄膜と反応源から供給されるガスの活性種と反応させて得られる生成物の薄膜を形成する又は積層させることができる。なお、ターゲットのスパッタリングによる成膜、エッチング源による成膜された薄膜のエッチング、及び必要に応じて反応源による成膜された薄膜の反応に関する各工程を繰り返して又は連続的に実施することができる。
基板の材料は、特に限定されず、基板の材料としては、金属のような導電性材料のみならず、石英ガラスを含むガラス及びプラスチックのような絶縁材料であってもよい。また、薄膜が形成される基板の表面に(溝や穴を含む)微細な凹凸の形状の構造が形成されていてもよいし、薄膜が形成される基板の表面が平坦な平板であってもよい。
上記のように、本発明による成膜装置は、基板上に形成された又は積層された薄膜をエッチングするエッチング源を有する。本発明による成膜装置において、エッチング源の数は、単数であっても複数であってもよい。エッチング源は、基板上に形成された又は積層されたターゲットの材料の薄膜をエッチングする高エネルギー粒子を放出する。本発明による成膜装置にエッチング源を設けることにより、表面に凹凸の形状を有する基板上に堆積する膜の厚さを制御することができる。より詳しくは、基板に設けられた微細な溝や穴にターゲットの材料を十分に充填することができる。また、表面に凹凸の形状を有する基板に所望の厚さの膜を形成することができる。すなわち、基板の表面の形状を反映した均一かつ一様な膜を形成することができる。このことより、所望の屈折率を有する薄膜を基板上に形成することができる。加えて、本発明による成膜装置を用いて光学薄膜を備えた光学素子を製作することで、所望の光学膜厚などの光学特性を有する光学素子を高精度に得ることができる。
次に、本発明による成膜装置におけるエッチング源の機能を図4及び5を用いて説明する。
図4は、本発明による成膜装置を用いて表面に凹凸の形状を有する基板上に薄膜が成膜された素子の断面図である。図4に示すような表面に溝及び/又は穴のような凹凸の形状を有する基板50上にターゲットの材料からなる薄膜を形成する場合においては、ターゲットの材料の粒子は、凸部の角を中心に選択的に付着する傾向がある。その結果、本発明におけるエッチング源を使用しない場合には、基板50の凸部の近傍においてはターゲットの材料からなる膜の付着が多くなり、基板50の凹部の底や角などにはターゲットの材料からなる膜の付着が少なくなる。また、基板50の凸部の近傍に形成される膜が、基板50の凹部の底や角などにターゲットの材料の粒子が進入することを妨害する。このため、基板50の表面にターゲットの材料からなる薄膜を形成した際に、図2に示すように、基板50の凹部にターゲットの材料が充填されず、空洞が形成されてしまう。
ここで、表面に凹凸の形状を有する基板50上にターゲットの材料からなる薄膜を形成する際に、エッチング源から高エネルギー粒子を基板50に堆積される膜に照射する。エッチング源から照射された高エネルギー粒子は、基板50の凸部の角に堆積した膜を中心に選択的にエッチングして除去する傾向がある。すなわち、基板50の凸部の角を中心にターゲットの材料からなる膜の堆積を抑制することができる。さらに、基板50の凸部の角を中心にターゲットの材料からなる膜の堆積が抑制されることで、基板50の凸部の近傍に形成される膜が、基板50の凹部を覆うことを抑制する。そして、基板50の凸部の角を中心に成長するターゲットの材料からなる膜が、基板50の凹部を覆う前に、基板50の凹部にターゲットの材料を充填することができる。一方、エッチング源から照射された高エネルギー粒子は、凹部に進入すると、互いに衝突する傾向が高くなり、凹部に形成された膜をエッチングして除去する確率は低下する。このため、基板50の凹部においては、基板50の凹部に付着したターゲットの材料の膜は、高エネルギー粒子によってあまり除去されずに、ターゲットの材料からなる膜の堆積が進行する。結果として、ターゲットから放出されるターゲットの粒子による成膜とエッチング源から照射される高エネルギー粒子によるエッチングとの頻度を調整することによって、図4に示すように、基板50の表面に設けられた凹部をターゲットの材料で充填すると共に、基板50の表面にターゲットの材料からなる薄膜を形成することができる。
上記のエッチングの工程は、例えば、以下に示すように、エッチング源としてイオンビーム源を使用し、高エネルギー粒子としてArガスのプラズマイオンを用い、イオンビーム源の電力、イオンビーム源に供給されるArガスの圧力、Arガスのプラズマイオンを照射する時間を調整することで達成することができる。図4に示すような基板50の表面に設けられた凹部を高屈折率のターゲットの材料で充填すると共に基板50の表面にターゲットの材料からなる薄膜が形成された素子は、後の工程で基板50の表面に形成された薄膜を除去し、基板50の凹部に充填された高屈折率の材料の部分を光導波路として用いることができる。すなわち、図4に示すような素子から、基板に光導波路が設けられた素子を製作することができる。
図5は、本発明による成膜装置を用いて表面に微細な凹凸の形状を有する基板上に多層の光学薄膜を積層させた素子の断面図である。図5に示すような表面に例えば断面がV字状の溝のような凹凸の形状を有する基板50上に複数のターゲットの材料からなる多層の薄膜を形成する場合においては、ターゲットの材料の粒子は、凸部の頂点を中心に選択的に付着する傾向がある。その結果、本発明におけるエッチング源を使用しない場合には、基板50の凸部の近傍においてはターゲットの材料からなる膜の付着が多くなり、基板50の凹部の近傍にはターゲットの材料からなる膜の付着が少なくなる。このため、基板50の表面にターゲットの材料からなる薄膜を形成した際に、基板50の凸部近傍ではターゲットの材料からなる薄膜の膜厚が大きく、基板50の凹部近傍ではターゲットの材料からなる薄膜の膜厚が小さくなり、基板に形成又は積層される薄膜の膜厚は、基板の凹凸の形状を反映しなくなる。
ここで、表面に凹凸の形状を有する基板50上にターゲットの材料からなる薄膜を形成する際に、エッチング源から高エネルギー粒子を基板50に堆積される膜に照射する。エッチング源から照射された高エネルギー粒子は、基板50の凸部の頂点に堆積した膜を中心に選択的にエッチングして除去する傾向がある。すなわち、基板50の凸部の頂点を中心にターゲットの材料からなる膜の堆積を抑制することができる。一方、エッチング源から照射された高エネルギー粒子は、凹部に形成された膜をエッチングして除去する確率は低い。このため、基板50の凹部においては、基板50の凹部に付着したターゲットの材料の膜は、高エネルギー粒子によってあまり除去されずに、ターゲットの材料からなる膜の堆積が進行する。結果として、ターゲットから放出されるターゲットの粒子による成膜とエッチング源から照射される高エネルギー粒子によるエッチングとの頻度を調整することによって、図5に示すように、基板50の表面に設けられた凹凸の形状を反映したターゲットの材料からなる薄膜を形成することができる。次に、ターゲットの材料を変更してターゲットから放出されるターゲットの粒子による成膜とエッチング源から照射される高エネルギー粒子によるエッチングを行なうことにより、基板50の表面に設けられた凹凸の形状を反映した別のターゲットの材料からなる薄膜を積層させることができる。このようにして、基板に設けられた凹凸の形状を反映した同一の又は異なるターゲットの材料からなる多層の薄膜を基板50上に積層させることができる。なお、エッチング源による薄膜のエッチングの条件を適宜変えることにより、基板の形状と異なる所望の形状(例えば、傾斜角が異なるV字の形状や平坦な形状など)を有する薄膜を基板に堆積させることもできる。
上記のエッチングの工程は、例えば、以下に示すように、エッチング源としてイオンビーム源を使用し、高エネルギー粒子としてArガスのプラズマイオンを用い、イオンビーム源の電力、イオンビーム源に供給されるArガスの圧力、Arガスのプラズマイオンを照射する時間を調整することで達成することができる。
図4に示すように、表面に凹凸を有する基板上に基板の凹凸の形状を反映した多層の薄膜を積層させることによって、任意の偏光の透過特性を有する光学素子を提供することができる。例えば、広い特定の波長の範囲において、偏光の一方の透過率が、その偏光に垂直な他方の偏光の透過率と大きく異なる光学素子を設計することができる。すなわち、広い特定の波長の範囲において、偏光の一方を透過させるが、その偏光に垂直な他方の偏光を透過させない光学素子、光から偏光の一方を分割して取り出す光学素子を提供することができる。図5は、図4に示すような光学素子の偏光の透過特性を示すグラフである。図4に示すような光学素子の図5に示すような偏光の透過特性は、図4における光学素子の基板に積層された薄膜の膜厚などを調整することによって、光学素子を透過する偏光の透過率及び波長の範囲を調整することができる。例えば、S偏光又はP偏光の一方についてのみ、光学素子を透過する偏光の波長範囲を変更することができる。
エッチング源は、好ましくは、プラズマイオンのビームを発生させるイオンビーム源である。すなわち、イオンビーム源に供給されるガスを電離して、ガスのプラズマを発生させ、プラズマに電界を印加することで、プラズマ中に存在するガスのイオンを加速して、イオンビームを放出することができる。エッチング源としてのイオンビーム源から放出されるイオンビームを基板上に形成又は積層された薄膜に照射することで、薄膜をエッチングすることができる。エッチング源としてイオンビーム源を用いることで、イオンビーム源によって生成された多数のプラズマイオンを、イオンビームとして、基板に形成又は積層された薄膜の面に対して略垂直に、基板に形成又は積層された薄膜に衝突させることができ、基板に形成又は積層された薄膜をエッチングすることができる。その結果、基板に形成又は積層された薄膜の特定部分を選択的に効率良くエッチングすることができ、表面に微細な凹凸の形状を有する基板上に形成された薄膜の厚さをより容易に制御することができる。イオンビーム源としては、公知のイオン銃が挙げられる。イオン銃においては、イオン銃に供給されるガスに対して電極の間で高い直流電圧を印加して、供給されたガスを電離してガスのプラズマを発生させる。そして、プラズマ中のガスイオンを電極間の電圧によって加速し、ガスイオンをイオンビームとして放出することができる。イオンビーム源は、エッチング源としても反応源としても使用できるため、プラズマイオンを生成するガスを交換するだけで、エッチング源と反応源を交換する作業を必要とせずに、エッチング源又は反応源の機能を選択することができる。
また、エッチング源は、導入されるガスを励起してガスのラジカルを生成させて、それらのラジカルで薄膜をエッチングする電子サイクロトロン共鳴(ECR)イオン源であってもよい。
さらに、エッチング源は、薄膜に対する化学反応性の高い反応性イオンを用いて薄膜をエッチングする反応性イオンエッチング(RIE)源であってもよい。
また、エッチング源としてのイオンビーム源から放出されるプラズマイオンとしては、希ガス(不活性ガス)、窒素、酸素などのガスのイオンが挙げられる。すなわち、希ガス(不活性ガス)、窒素、酸素などのガスのイオンを得るためには、エッチング源としてのイオンビーム源にそれぞれ希ガス(不活性ガス)、窒素、酸素などを供給すればよい。エッチング源としてのイオンビーム源から放出されるプラズマイオンは、好ましくは、希ガス(不活性ガス)原子のイオンである。エッチング源としてのイオンビーム源から放出されるプラズマイオンとして希ガスのイオンを用いると、希ガスの反応性は低いので、プラズマイオンを照射した薄膜に化学変化を引き起こす可能性が低く、薄膜に対する汚染が少ない。
さらに、エッチング源としてのイオンビーム源から放出されるプラズマイオンは、好ましくは、高いスパッタリング収率(一個のプラズマイオンで散乱させることができる膜の原子数)を有するプラズマイオンである。エッチング源としてのイオンビーム源から放出されるプラズマイオンとして高いスパッタリング収率を有するプラズマイオンを用いると、一個のプラズマイオンで多数の薄膜の原子を散乱させることができるため、プラズマイオンによるスパッタリングの効率を向上させることができる。
加えて、エッチング源としてのイオンビーム源から放出される希ガス原子のイオンは、望ましくは、アルゴン原子のイオンである。アルゴン原子のイオン(Arイオン)は、希ガスのイオンであると共にスパッタリング収率も比較的高く、低コストでもある。
次に、本発明における成膜装置は、必須ではないが好ましくは、基板に形成された又は積層された薄膜と反応するガスの活性種を供給する反応源を有する。成膜装置に反応源を設けることによって、ターゲットの材料からなる薄膜と反応源から供給されるガスの活性種を反応させて、ターゲットの材料からなる薄膜と反応源から供給されるガスの活性種との化合物の薄膜を形成することができる。反応源としては、供給される酸素ガスの活性種を発生させ、酸素ガスの活性種によって薄膜を酸化する酸化源、及び供給される窒素ガスの活性種を発生させ、窒素ガスの活性種によって薄膜を窒素化する窒化源などが挙げられる。ここで、ガスの活性種とは、ガスの分子の励起状態、ガスの分子が解離したガスの原子(ラジカル)、ガスの電離によって発生したガスの原子又は分子の(陽)イオンを含むものとする。例えば、ターゲットの材料がSi及びTaのような金属であり、反応源に供給されるガスが、酸素である場合には、Si及びTaのような金属が酸素の活性種である酸素ラジカル又は酸素イオンと反応して、SiO及びTaのような金属酸化物の薄膜が形成される。なお、ターゲットの材料の量と反応源に供給するガスの供給量、よってガスの活性種の量との比を調整することで、ターゲットの材料からなる薄膜とガスの活性種との反応によって形成される薄膜の化学種を制御することができる。これにより、ターゲットの材料からなる薄膜とガスの活性種との反応によって形成される薄膜の屈折率を制御することができる。なお、ターゲットの材料からなる薄膜とガスの活性種との反応によって形成される薄膜の屈折率は、ターゲットの材料の量と反応源に供給するガスの供給量との比に対して線形に変化する。例えば、金属Siの薄膜を酸素ラジカルで酸化する場合には、SiとOの組成比を調整することで、薄膜におけるSiとSiOの割合が変動し、薄膜の屈折率を、Siの屈折率3.97とSiOの屈折率1.45との間でSiとOの組成比に対して線形に制御することができる。また、金属Taの薄膜を酸素ラジカルで酸化する場合には、TaとOの組成比を調整することで、薄膜におけるTaとTaの割合が変動し、薄膜の屈折率を、Taの屈折率2.12とTaの屈折率2.05との間でSiとOの組成比に対して線形に制御することができる。なお、上記屈折率は、全て波長587.56nmの光に対する屈折率である。また、Si、SiO、Ta、Taなどの薄膜を積層させることによっても、様々な屈折率の薄膜を形成することができる。
反応源には、反応源に供給されるガスを励起する又は電離する(プラズマ)るために、公知の高周波電磁誘導、誘導結合プラズマ(ICP)、電子サイクロトロン共鳴、高周波放電、又は直流放電が用いられる。
また、成膜装置に設けられる反応源の数は、単数でも複数でもよいが、複数であることが好ましい。一般に、基板に形成又は積層された薄膜と反応源から供給されるガスの活性種との反応は、成膜の全工程における律速の工程となる。よって、反応源の数が単数である場合には、ターゲットから基板又は基板に形成若しくは積層された薄膜にターゲットの材料からなる薄膜を堆積させる一つの工程に対して、基板に形成又は積層された薄膜と反応源から供給されるガスの活性種との反応の工程を複数回必要とする、すなわち、基板ホルダーを複数回回転させる必要がある場合もある。これに対して、成膜装置に設けられる反応源の数が、複数であると、ターゲットの材料からなる薄膜を堆積させる一つの工程に対して、複数の反応源から供給されるガスの活性種による反応の一つの工程で、基板に形成又は積層された薄膜と反応源から供給されるガスの活性種との十分な反応を実現することができる。すなわち、基板ホルダーを一回転する間に、ターゲットの材料を堆積させる工程及びターゲットの材料とガスの活性種との十分な反応の工程の両方を実現することができる。
さらに、反応源の少なくとも一つは、好ましくは、プラズマイオンのビームを発生させるイオンビーム源である。反応源としてイオンビーム源を用いることで、イオンビーム源によって生成された多数のプラズマイオンを、イオンビームとして、基板に形成又は積層された薄膜の面に対して略垂直に、基板に形成又は積層された薄膜に衝突させることができ、基板に形成又は積層された薄膜を均一かつ一様に反応源から発生するプラズマイオンと反応させることができ、基板に形成又は積層された薄膜と反応源から発生するプラズマイオンとが反応して得られる生成物の薄膜を均一かつ一様に形成することができる。この場合において、エッチング源もイオンビーム源であるときには、成膜装置に複数のイオンビーム源が設けられ、イオンビーム源の少なくとも一つは、エッチング源であり、他のイオンビーム源は、反応源である。前述のように、複数のイオンビーム源の一部を反応源として利用すると、必要に応じて、イオンビーム源に供給するガスを変更することで、反応源として利用していたイオンビーム源をエッチング源として利用することができる。
また、上記のエッチング源がイオンビーム源である場合、及び/又は、上記の反応源がイオンビーム源である場合に、本発明による成膜装置は、必須ではないが好ましくは、プラズマイオンが飛行する方向を制限する手段をさらに有する。イオンビーム源から放出されるプラズマイオンが飛行する方向を制限する手段は、イオンビーム源と基板との間に設けられる。プラズマイオンが飛行する方向を制限する手段を成膜装置に設けることによって、イオンビーム源から放出されたプラズマイオンにおいて、イオンビーム源から基板へ向かって直進する速度成分が多いプラズマイオンを選択して、基板又は薄膜に衝突させることができる。その結果、プラズマイオンを基板又は薄膜に略垂直方向に衝突させることができるので、イオンビーム源をエッチング源として用いた場合には、基板又は薄膜に形成又は積層されるターゲット材料の特定部分を選択的に効率良くエッチングし、ターゲット材料の薄膜の厚さを容易に制御することができる。また、イオンビーム源を反応源として用いた場合にも、基板又は薄膜に形成又は積層されるターゲット材料を効率良く、すなわち均一かつ一様にガスの活性種と反応させることができるため、ターゲット材料の薄膜とガスの活性種と生成物の薄膜を容易に形成することができる。プラズマイオンが飛行する方向を制限する手段は、例えば、後述する図7及び図8に示すような飛行方向制限手段であってもよい。
さらに、上記のエッチング源がイオンビーム源である場合、及び/又は、上記の反応源がイオンビーム源である場合に、イオンビーム源と基板との間の距離は、好ましくは、プラズマイオンの平均自由工程の1倍以上10倍以下である。具体的には、イオンビーム源と基板との間の距離は、10mm以上500mm以下であることが好ましい。イオンビーム源と基板との間の距離が、プラズマイオンの平均自由工程の1倍未満である、又は10mm未満である場合には、基板に形成又は積層された薄膜に対して略垂直な速度成分を有するプラズマイオンの数が減少し、薄膜のエッチング又は薄膜とプラズマイオンとの反応を制御することが比較的困難になる。一方、イオンビーム源と基板との間の距離が、プラズマイオンの平均自由工程の10倍を超える、又は500mmを超える場合には、薄膜に衝突するプラズマイオンの数が減少し、薄膜のエッチング又は薄膜とプラズマイオンとの反応の効率が低下する。このように、イオンビーム源と基板との距離を従来のスパッタリング法におけるよりも長くすると、イオンビーム源から放出されるプラズマイオンのうち、基板に形成又は積層された薄膜に対して略垂直な速度成分を有するプラズマイオンを、基板に形成又は積層された薄膜に衝突させて、基板に形成又は積層された薄膜をエッチングする又は基板に形成又は積層された薄膜と反応源から発生するプラズマイオンを反応させることができる。その結果、基板に形成又は積層された薄膜の特定部分を選択的に効率良くエッチングすることができ、表面に微細な凹凸の形状を有する基板上に形成された薄膜の厚さをより容易に制御することができる。また、基板に形成又は積層された薄膜を均一かつ一様に反応源から発生するプラズマイオンと反応させることができ、基板に形成又は積層された薄膜と反応源から発生するプラズマイオンとが反応して得られる生成物の薄膜を均一かつ一様に形成することができる。
ターゲットの材料は、公知のスパッタリング法によって、基板又は基板上に形成若しくは積層された薄膜へ堆積される。ターゲットの材料は、特に限定されないが、ターゲットの材料としては、金属及び金属化合物などが挙げられる。
本発明の成膜装置において、ターゲットの材料は、好ましくは、Al、Si、Ti、Cr、Nb、Ta、SiO、Al、TiO、Cr、Nb、及びTaからなる群より選択される一種類又は複数種類の材料である。このようなターゲットの材料を用いることで、従来の成膜装置では形成することができなかった薄膜を、基板又は基板に形成若しくは積層された薄膜に形成することができる。特に、本発明による成膜装置では、Al、Cr、Al、及びCrを含む薄膜を形成することができる。
また、ターゲットの数は、単数であっても複数であってもよい。ターゲットの数が複数である場合には、複数のターゲットによる同時スパッタリングを行なうことができる。
また、ターゲットの数が複数である場合には、ターゲットの材料の種類は、一種類であっても二種類以上であってもよい。しかしながら、ターゲットの数が複数である場合には、複数のターゲットの少なくとも二つは、好ましくは、互いに異なるターゲットの材料を含む。互いに異なるターゲットの材料を含む複数のターゲットを同時スパッタリングすることによって、それらの互いに異なるターゲットの材料が、任意の割合で混合された薄膜を形成することができる。また、互いに異なるターゲットの材料を含む複数のターゲットを同時スパッタリングすることを繰り返すことによって、互いに異なるターゲットの材料の組成比が異なる複数の薄膜を積層させた多層の薄膜を得ることもできる。
また、ターゲットの少なくとも一つは、複数の種類のターゲット材料を含んでもよい。複数の種類のターゲット材料を含むターゲットを用いると、複数の種類のターゲット材料を含む薄膜を形成することができる。その結果、複数の種類のターゲット材料を含む薄膜と反応源から供給されるガスの活性種とを反応させて、複数の種類のターゲット材料における一部又は全てがガスの活性種と反応して得られる生成物の薄膜を得ることが可能となる。特に、複数の種類のターゲット材料における一部がガスの活性種と反応しやすいために従来に成膜装置では実現できなかった、複数の種類のターゲット材料における全てをガスの活性種と反応させることも可能となってくる。例えば、AlのターゲットとNbのターゲットを用いてAlとNbを堆積させて、これら金属の酸化の工程を行なった場合には、従来の成膜装置では容易に酸化されるAlのみが酸化されてAl及び金属Nbの薄膜が形成されていたが、本発明の成膜装置においてAl及びNbの両方を含むターゲットを用いると、Al及びNbの薄膜を得ることができる。
また、本発明の成膜装置において、ターゲットと基板との間の距離は、好ましくは、ターゲットの材料の粒子の平均自由工程の1倍以上10倍以下である。具体的には、ターゲットと基板との間の距離は、10mm以上500mm以下であることが好ましい。ターゲットと基板との間の距離が、ターゲットの材料の粒子の平均自由工程の1倍未満である、又は10mm未満である場合には、基板に形成又は積層された薄膜に対して略垂直な速度成分を有するターゲットの材料の粒子の数が減少し、表面に微細な凹凸の形状を有する基板上に所望の厚さの薄膜を形成することが比較的困難になる。一方、ターゲットと基板との間の距離が、ターゲットの材料の粒子の平均自由工程の10倍を超える、又は500mmを超える場合には、薄膜に衝突するターゲットの材料の粒子の数が減少し、基板又は基板に形成された若しくは堆積させた薄膜にターゲットの材料からなる薄膜を形成する効率が低下する。このように、ターゲットと基板との距離を従来のスパッタリング法におけるよりも長くすると、ターゲットから放出されるターゲットの材料の粒子のうち、基板又は基板に形成若しくは積層された薄膜に対して略垂直な速度成分を有するターゲットの材料の粒子を、基板又は基板に形成若しくは積層された薄膜の特定部分に選択的に効率良く衝突及び堆積させることができる。その結果、表面に微細な凹凸の形状を有する基板上に所望の厚さの薄膜を、より容易に形成することができる。
さらに、本発明の成膜装置において、エッチング源及びターゲットは、好ましくは、略同心円上に配置される。また、エッチング源、ターゲット、及び反応源が、同心円上に配置されていてもよい。特に、エッチング源及び反応源の両方が、イオンビーム源である場合には、エッチング源及び反応源と基板との距離を適切な距離に設定することができるため、エッチング源としての機能と反応源としての機能を交換しても、エッチング源又は反応源と基板との距離を適切な距離に維持することができる。
本発明の成膜装置は、必須ではないが好ましくは、ターゲットから放出されるターゲットの材料の粒子が飛行する方向を制限する手段をさらに有する。ターゲットから放出されるターゲットの材料の粒子が飛行する方向を制限する手段(以下、飛行方向制限手段と呼ぶことにする)は、ターゲットと基板との間に設けられる。飛行方向制限手段を成膜装置に設けることによって、ターゲットから発散して放出されたターゲットの材料の粒子において、ターゲットから基板へ向かって直進する速度成分が多いターゲット粒子を選択して、基板又は薄膜に衝突させることができる。その結果、基板の表面に設けられた溝又は穴にターゲット粒子が略垂直方向に侵入し、溝又は穴を効率良くターゲットの材料で充填することができる。また、表面に凹凸の形状を有する基板に薄膜を形成する又は積層させる場合にも、ターゲット粒子を基板又は薄膜に略垂直方向に衝突させることができるので、基板又は薄膜に形成又は積層されるターゲット材料の薄膜の厚さを容易に制御することができる。
上記の飛行方向制限手段としては、例えば、図7及び図8に示す手段を用いることができる。
図7は、本発明による成膜装置に用いられる一つの飛行方向制限手段の断面図である。図7に示すように、飛行方向制限手段70は、例えば、同一の形状を有する複数の平板であり、飛行方向制限手段70を構成する複数の平板は、互いに平行に整列して配置されている。複数の平板の長手方向に沿った二辺は、円筒形の基板ホルダー20の回転軸方向と平行であり、複数の平板の短手方向に沿った二辺は、ターゲットにおけるターゲットが放出される面の法線方向と平行である。また、飛行方向制限手段70は、第一又は第二のターゲット30又は35と基板50との間に設けられる。
図7に示すような飛行方向制限手段は、ターゲットから放出されるターゲットの材料の粒子の中で、ターゲットの面に略垂直な方向に沿って放出される、すなわち、複数の平板の面に平行な方向に沿って放出されるターゲット粒子を、複数の平板の間隙を通じて通過させて、基板又は基板に形成若しくは積層された薄膜に照射する。一方、ターゲットの面から発散する方向に沿って放出されるターゲットの材料の粒子は、複数の平板の面に衝突して、基板又は基板に形成若しくは積層された薄膜に照射されない。このようにして、基板又は基板に形成若しくは積層された薄膜に対して垂直な速度成分が大きいターゲット粒子を照射することができる。
図8は、本発明による成膜装置に用いられる別の飛行方向制限手段の断面図である。図8に示すように、飛行方向制限手段70は、例えば、同一の形状を有する複数の平板であり、飛行方向制限手段70を構成する複数の平板は、互いに平行に整列して配置されている。複数の平板の面における法線方向は、円筒形の基板ホルダー20の回転軸方向と平行であり、複数の平板の短手方向に沿った二辺は、ターゲットにおけるターゲットが放出される面の法線方向と平行である。また、飛行方向制限手段70は、第一又は第二のターゲット30又は35と基板50との間に設けられる。
図8に示すような飛行方向制限手段は、ターゲットから放出されるターゲットの材料の粒子の中で、ターゲットの面に略垂直な方向に沿って放出される、すなわち、複数の平板の面に平行な方向に沿って放出されるターゲット粒子を、複数の平板の間隙を通じて通過させて、基板又は基板に形成若しくは積層された薄膜に照射する。一方、ターゲットの面から発散する方向に沿って放出されるターゲットの材料の粒子は、複数の平板の面に衝突して、基板又は基板に形成若しくは積層された薄膜に照射されない。このようにして、基板又は基板に形成若しくは積層された薄膜に対して垂直な速度成分が大きいターゲット粒子を照射することができる。
なお、図7及び図8に示す飛行方向制限手段を組み合わせた格子状の飛行方向制限手段をターゲットと基板の間に設けてもよい。この場合にも、複数の基板の面における法線方向は、ターゲットにおけるターゲットが放出される面の法線方向と垂直である。
図3に示すような成膜装置において、第一のターゲットの材料として金属Siを用い、第二のターゲットとして金属Taを用いた。第一のターゲットと基板との間の最小距離及び第二のターゲットと基板との間の最小距離は、200mmとした。また、第一のターゲットと基板との間及び第二のターゲットと基板との間に飛行方向制限機構を設けた。エッチング源としてArイオンビームを放出する矩形状のイオンビーム源を用いた。また、反応源としては、アンテナが配置された高周波電磁誘導による酸化源を用いた。基板の材料は、石英ガラスであり、この石英ガラス基板には、予め微細加工が施されており、図4に示すような微細な溝が形成されており、溝の幅aは、50nm、溝の深さbは、110nm、凹凸のピッチcは、100nmであった。基板を基板ホルダーに保持して、真空槽を密閉状態とし、排気系を用いて真空槽の内部を1×10−4Pa以下に減圧排気した。次に、基板を保持した基板ホルダーを100回転/分の回転数で回転させた。基板ホルダーの回転開始から成膜終了まで、基板ホルダーを連続で回転をさせた。また、基板ホルダーの回転速度が常に一定の速度になるように、基板ホルダーの回転を制御した。
最初にエッチング源に50sccmのArガスを導入し、エッチング源に供給されるArガスの流量及び真空計で示されるArガスの全圧が安定した後に、エッチング源の電極に2.5kwの電力を供給し、Arガスの放電を開始した。続いて、反応源に100sccmの酸素ガスを導入し、反応源に供給される酸素ガスの流量及び酸素ガスの全圧が安定した後、5kWの電力で13.56MHzの高周波(RF波)を酸素ガスに印加して、酸素ガスの放電を開始した。この状態を3分から5分間の間保持し、基板の表面に付着した不純物を除去した。ここで、基板の表面に付着する有機系不純物の除去には、Arガス及び酸素ガスの活性種による不純物の除去が相当の効果を有し、基板に形成される薄膜の密着性を改善する効果を高めることができる。
続いて、(1)第一のターゲットの近傍から200sccmのArガスを真空槽に導入し、金属Siの第一のターゲットに7kwの電力を供給して、不純物を除去した基板に対して金属Siのスパッタリングを実施した。これにより、基板の表面上に膜厚の平均値が1Åから2Åまでである金属Siの薄膜を形成した。次に、(2)第二のターゲットの近傍から200sccmのArガスを真空槽に導入し、金属Taの第二のターゲットに4kwの電力を供給して、基板上に形成された金属Siの薄膜に対して金属Taのスパッタリングを実施した。これにより、基板に形成されたSiの薄膜上に膜厚の平均値が1Å以下である金属Taの薄膜を形成した。その結果、基板上に金属Si及び金属Taの混合膜が形成された。次に、(3)反応源に酸素ガスのプラズマを発生させ、基板の表面に形成された金属Si及び金属Taの混合膜に酸素プラズマを反応させて、金属Si及び金属Taの混合膜を酸化し、基板上にSiO及びTaの混合膜を形成した。次に、(4)エッチング源としてのイオンビーム源から放出されるArイオンを基板上に成膜されたSiO及びTaの混合膜に衝突させ、SiO及びTaの混合膜のイオンエッチングを行った。ここで、イオンエッチングのエッチングレートは、SiO及びTaの混合膜に対する成膜速度の10%から30%までの範囲内であった。基板ホルダーが一回転する毎に上記(1)から(4)までの操作を、SiO及びTaの混合膜の膜厚が1800Åになるまで繰り返した。基板上にSiO及びTaの混合膜が形成された素子の断面を電子顕微鏡で観察し、基板上に形成されるSiO及びTaの混合膜の膜厚が成膜の進行によって増加した場合でも、基板に予め設けられた溝に図2に示すような空洞が形成されず、図4に示すように基板に設けられた溝にSiO及びTaの材料が充填された素子が形成されたことを確認した。
図3に示すような成膜装置において、第一のターゲットの材料として金属Siを用い、第二のターゲットとして金属Taを用いた。第一のターゲットと基板との間の最小距離及び第二のターゲットと基板との間の最小距離は、200mmとした。また、第一のターゲットと基板との間及び第二のターゲットと基板との間に飛行方向制限機構を設けた。エッチング源としてArイオンビームを放出する矩形状のイオンビーム源を用いた。また、反応源としては、酸素イオンビームを放出する、エッチング源と同一の構造を有する矩形状のイオンビーム源を用いた。基板の材料は、石英ガラスであり、この石英ガラス基板には、予め微細加工が施されており、図5に示すような断面がV字状である微細な凹凸形状が形成されており、凸部の頂点又は凹部の底の間における幅dは、200nmであり、凸部の頂点から凹部の底までの深さeは、100nmであった。基板を基板ホルダーに保持して、真空槽を密閉状態とし、排気系を用いて真空槽の内部を1×10−4Pa以下に減圧排気した。次に、基板を保持した基板ホルダーを100回転/分の回転数で回転させた。基板ホルダーの回転開始から成膜終了まで、基板ホルダーを一定の回転速度で回転させ続けた。また、エッチング源及び反応源としてのイオンビーム源における放電も、成膜の開始から終了まで持続させた。
実施例1と同様に基板の不純物を除去する工程を実行した。
続いて、(1)第一のターゲットの近傍から200sccmのArガスを真空槽に導入し、金属Siの第一のターゲットに7kwの電力を供給して、不純物を除去した基板に対して金属Siのスパッタリングを実施した。また、反応源としてのイオンビーム源から放出される酸素イオンを基板上に堆積させた金属Siに衝突させた。これにより、基板に堆積した金属Siと酸素イオンを反応させて金属Siを酸化し、基板上にSiOの薄膜を形成した。なお、反応源のイオンビーム源に100sccmの酸素ガスを導入し、反応源に供給される酸素ガスの流量及び真空計で示される酸素ガスの全圧が安定した後に、反応源の電極に2.5kwの電力を供給し、酸素ガスの放電を開始した。さらに、エッチング源としてのイオンビーム源から放出されるArイオンを基板上に成膜されたSiOの薄膜に衝突させ、SiOの薄膜のイオンエッチングを行った。なお、エッチング源に10sccmのArガスを導入し、エッチング源に供給されるArガスの流量及び真空計で示されるArガスの全圧が安定した後に、エッチング源の電極に1.0kwの電力を供給し、Arガスの放電を開始した。結果として、基板の表面上に膜厚が1200ÅのSiOの薄膜を形成した。
次に、(2)第二のターゲットの近傍から200sccmのArガスを真空槽に導入し、金属Taの第二のターゲットに5kwの電力を供給して、不純物を除去した基板に対して金属Taのスパッタリングを実施した。また、反応源としてのイオンビーム源から放出される酸素イオンを基板上に堆積させた金属Taに衝突させた。これにより、基板に堆積した金属Taと酸素イオンを反応させて金属Taを酸化し、基板上にTaの薄膜を形成した。なお、反応源のイオンビーム源に100sccmの酸素ガスを導入し、反応源に供給される酸素ガスの流量及び真空計で示される酸素ガスの全圧が安定した後に、反応源の電極に2.5kwの電力を供給し、酸素ガスの放電を開始した。さらに、エッチング源としてのイオンビーム源から放出されるArイオンを基板上に成膜されたTaの薄膜に衝突させ、Taの薄膜のイオンエッチングを行った。なお、エッチング源に10sccmのArガスを導入し、エッチング源に供給されるArガスの流量及び真空計で示されるArガスの全圧が安定した後に、エッチング源の電極に1.0kwの電力を供給し、Arガスの放電を開始した。結果として、基板の表面上に膜厚が1000ÅのTaの薄膜を形成した。
上記(1)及び(2)の工程を交互に40回繰り返し、最後に上記(1)の工程を行った。これにより、図5に示すように、基板上に膜厚が1200ÅのSiOの薄膜及び膜厚が1000ÅのTaの薄膜を交互に積層させた素子が得られた。また、上記(1)及び(2)の工程において、SiO薄膜及びTa薄膜の膜厚に対する制御は、予め測定した金属Si及び金属Taに関するスパッタリングの電力及び時間と薄膜の膜厚との関係に基づいて、金属Si及び金属Taに関するスパッタリングの電力及び時間を管理することによって達成した。その結果、本発明による成膜装置を用いて、基板上に膜厚が1200ÅのSiOの薄膜及び膜厚が1000ÅのTaの薄膜を交互に積層させることで、図6に示すような偏光の透過特性を有する素子が得られた。図6は、本実施例で得られた基板上に膜厚が1200ÅのSiOの薄膜及び膜厚が1000ÅのTaの薄膜を交互に積層させた素子の偏光の透過特性を示すグラフである。なお、図6に示す偏光の透過特性は、得られた光学素子の表面の法線方向に対して45度の入射角でS偏光又はP偏光を入射させた場合の偏光の透過特性である。図6のグラフにおいて、横軸は、波長(nm)を表し、縦軸は、偏光の透過率(%)を表す。また、図6のグラフにおいて、実線は、P偏光成分を表し、点線は、S偏光成分を表す。図6に示すように、得られた素子は、420nmから480nmの波長についてはS偏光の透過率が90%以上であると共にP偏光の透過率が10%以下であり、530nmから590nmの波長についてはP偏光の透過率が90%以上であると共にS偏光の透過率が10%以下であった。すなわち、得られた素子は、420nmから480nmの波長についてはほぼS偏光のみを透過させ、530nmから590nmの波長についてはほぼP偏光のみを透過させる特性を有する。このように、本発明の成膜装置を用いて得られる基板上にSiOの薄膜及びTaの薄膜を交互に積層させることで、広い波長の範囲でS偏光とP偏光の透過率が大きく異なる光学素子を製造することができることが確認された。
また、得られた素子の断面を電子顕微鏡で観察し、エッチング源としてのイオンビーム源の電力及びエッチング源に供給されるArガスの流量を最適に制御することによって、基板に多数の薄膜を繰り返し積層しても、基板に設けられた凹凸の形状を反映した多数の薄膜が基板上に積層することができることを確認した。
以上、本発明の実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
本発明は、表面に凹凸の形状を有する基板上に堆積する膜の厚さを制御することが可能な成膜装置に適用することができる。
従来のスパッタリング法を用いた成膜装置の概略図である。 従来の成膜装置を用いて表面に凹凸の形状を有する基板上に薄膜が成膜された素子の断面図である。 本発明による成膜装置の概略図である。 本発明による成膜装置を用いて表面に凹凸の形状を有する基板上に薄膜が成膜された素子の断面図である。 本発明による成膜装置を用いて表面に微細な凹凸の形状を有する基板上に多層の光学薄膜を積層させた素子の断面図である。 本発明による成膜装置を用いて表面に微細な凹凸の形状を有する基板上に多層の光学薄膜を積層させた素子の光学特性を示すグラフである。 本発明による成膜装置に用いられる一つの飛行方向制限手段の断面図である。 本発明による成膜装置に用いられる別の飛行方向制限手段の断面図である。
符号の説明
10 真空槽
20 基板ホルダー
30 第一のターゲット
35 第二のターゲット
40 反応源(酸化源)
50 基板
60 エッチング源(イオン銃)
70 飛行方向制限手段
110 膜
120 空洞
130 第一の材料の薄膜
140 第二の材料の薄膜
210 ターゲット粒子の直進成分
220 ターゲット粒子の発散成分
a 基板に設けられた溝又は穴の幅
b 基板に設けられた溝又は穴の深さ
c 基板の表面における凹凸のピッチ
d 素子の凸部間の幅
e 素子の凸部の厚さ

Claims (17)

  1. ターゲットをスパッタリングして、基板に前記ターゲットの材料の薄膜を形成する成膜装置において、
    前記薄膜をエッチングするエッチング源を有することを特徴とする成膜装置。
  2. 前記エッチング源は高周波電磁誘導プラズマ、誘導結合型プラズマ、電子サイクロトロン共鳴プラズマ、ヘリコン波励起プラズマであることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記エッチング源は、プラズマイオンのビームを発生させるイオンビーム源であることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  4. 前記プラズマイオンは、希ガス原子のイオンであることを特徴とする請求項3に記載の成膜装置。
  5. 前記希ガス原子は、アルゴン原子であることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。
  6. 前記薄膜と反応するガスの活性種を供給する反応源をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の成膜装置。
  7. 前記反応源の数は、複数であることを特徴とする請求項6に記載の成膜装置。
  8. 前記反応源の少なくとも一つは、プラズマイオンのビームを発生させるイオンビーム源であることを特徴とする請求項6又は7に記載の成膜装置。
  9. 前記イオンビーム源と前記基板との間の距離は、前記プラズマイオンの平均自由工程の 1倍以上10倍以下であることを特徴とする請求項3、4、5又は8に記載の成膜装置。
  10. 前記イオンビーム源と前記基板との間の距離は、10mm以上500mm以下であることを特徴とする請求項3、4、5又は8に記載の成膜装置。
  11. 前記ターゲットから放出される前記ターゲットの材料の粒子が飛行する方向を制限する手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項に記載の成膜装置。
  12. 前記ターゲットと前記基板との間の距離は、前記ターゲットの材料の粒子の平均自由工程の1倍以上10倍以下であることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項に記載の成膜装置。
  13. 前記ターゲットと前記基板との間の距離は、10mm以上500mm以下であることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項に成膜装置。
  14. 前記エッチング源及び前記ターゲットは、略同心円上に配置されることを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載の成膜装置。
  15. 前記ターゲットの材料は、Al、Si、Ti、Cr、Nb、Ta、SiO、Al、TiO、Cr、Nb、及びTaからなる群より選択される一種類又は複数種類の材料であることを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載の成膜装置。
  16. 前記ターゲットの数は、複数であり、
    前記複数のターゲットの少なくとも二つは、互いに異なる前記ターゲットの材料を含むことを特徴とする請求項1乃至15いずれか1項記載の成膜装置。
  17. 前記ターゲットの少なくとも一つは、複数の種類の前記ターゲットの材料を含むことを特徴とする請求項1乃至16いずれか1項記載の成膜装置。
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