JP2002266071A - 薄膜形成方法及び薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成方法及び薄膜形成装置

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JP2002266071A
JP2002266071A JP2001065588A JP2001065588A JP2002266071A JP 2002266071 A JP2002266071 A JP 2002266071A JP 2001065588 A JP2001065588 A JP 2001065588A JP 2001065588 A JP2001065588 A JP 2001065588A JP 2002266071 A JP2002266071 A JP 2002266071A
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Japan
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thin film
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refractive index
magnetron
substrate
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JP2001065588A
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Toshiaki Anzaki
利明 安崎
Kenji Mori
健次 森
Takayuki Toyoshima
隆之 豊島
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜の厚み方向への屈折率分布が連続的に変
化する光学薄膜を容易に作製することのできるようにし
た。 【解決手段】 屈折率の異なるターゲット物質5a、5
bを夫々第1及び第2のマグネトロンカソード4a、4
bの表面に貼着すると共に、各ターゲット物質の中心間
距離Dと、ガラス基板3と前記ターゲット物質5a、5
bとの離間距離Lとの比であるD/L値が、0.2≦D
/L≦3となるように第1及び第2のマグネトロンカソ
ード4a、4bを近接配置し、ガラス基板3が保持され
ている基板ホルダ2を矢印A方向に回転させながら第1
及び第2のマグネトロンカソード4a、4bを同時にス
パッタリング処理し、屈折率の異なるターゲット物質5
a、5b、例えばSiO2とTiO2とが混在した光学薄
膜(屈折率分布膜)を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜形成方法及び薄
膜形成装置に関し、より詳しくはディスプレイ等の各種
電子デバイスや光通信システムの光学フィルタ等に適用
される光学薄膜の薄膜形成方法、及び前記光学薄膜の形
成に使用する薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、波長分割多重伝送方式を採用
した光通信システムでは、波長選択素子としてバンドパ
スフィルタ等の光学フィルタが使用され、例えばバンド
パスフィルタにより選択波長帯域の光を反射させて光通
信を行なっている。
【0003】ところで、この種の光学フィルタを高屈折
率の薄膜材料と低屈折率の薄膜材料を交互に多数積層さ
せた光学薄膜で構成した場合、光学フィルタの選択波長
帯域以外の波長域でリップルが生じ、該リップルがノイ
ズの発生原因となってS/N比の低下を招く。
【0004】そこで、屈折率の包絡線が正弦関数状とな
るように屈折率の異なる多数の薄膜材料を積層して多層
膜を形成したマイナスフィルタや、等価膜理論を利用し
高屈折率の薄膜材料と低屈折率の薄膜材料を使用して光
学膜厚ndの不均質な多層膜を形成したマイナスフィル
タが提案されている。
【0005】ところが、上記マイナスフィルタは、上述
したリップルの発生は抑制することができるものの、前
者のマイナスフィルタは屈折率の異なる多数の薄膜材料
を入手するのが事実上困難であり、また、後者のマイナ
スフィルタのように高屈折率の薄膜材料と低屈折率の薄
膜材料という2種類の薄膜材料で厚み方向に不均質な多
層膜を形成して代用しても所望の特性を得ることはでき
なかった。
【0006】また、屈折率が連続的に変化するような調
整部を多層膜光学フィルタの空気層側の膜部分に設けた
り、或いは多層膜光学フィルタの略中央部の膜部分に調
整用アポダイゼーション処理を施す技術も提案されてい
るが、斯かる手法によっても十分に満足し得る所望の特
性を備えた光学フィルタを得ることはできなかった。
【0007】そこで、屈折率を光学薄膜の厚み方向に連
続的に変化させたルゲートフィルタ(Rugate Filter)
の使用が提案されている(小倉繁太郎、唐騏:「光学薄
膜の設計」、OPTRONICS(1999) No.6 pp.142-150;以
下、「第1の従来技術」という)。
【0008】上記ルゲートフィルタは、屈折率の異なる
2種類の薄膜材料を使用し屈折率が連続的且つ周期的に
変化するようにスパッタリング法により基板上に多層膜
を積層したフィルタであり、上記リップルの発生を極力
抑制することができ、しかも上述したマイナスフィルタ
のように屈折率の異なる多数の薄膜材料を入手する必要
や不均質な多層膜を形成する必要もなく、印加電圧が自
在に可変できるように予めプログラミングしておくだけ
で容易に製造することが可能であるとされている。
【0009】また、同種の薄膜形成技術としては、二種
以上の異種金属からなる各ターゲット物質をスパッタリ
ングして、基板上に複合金属又は複合金属の不完全反応
物からなる薄膜を形成する技術も提案されている(特開
平11−279757号公報;以下、「第2の従来技
術」という)。
【0010】該第2の従来技術では、マグネトロン・ス
パッタリング・ターゲットの電力制御を適切に制御する
ことにより、各成膜材料の有する屈折率の範囲内で任意
の屈折率からなる薄膜を得ることができる。
【0011】そして、上記第1及び第2の従来技術で
は、いずれの場合も図16に示すように、ガラス基板5
2を基板ホルダ51に保持すると共に、異なるターゲッ
ト物質53a、53bが装着された一対のカソード57
a、57bを該基板ホルダ51を挟んで対向状に配設
し、基板ホルダ51を矢印u方向に回転させながらガス
導入口54からスパッタリングガスを真空室55内に供
給している。そして、高周波電源(以下、「RF電源」
という)56a、56bからの電力調整により印加電圧
を制御しながら前記ターゲット物質53a、53bをス
パッタリングし、これにより異なるターゲット物質53
a、53bをガラス基板52上に交互に積層して多層膜
を形成し、光学薄膜を得ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1及び第2の従来技術では、上述したように、対向状に
配設されたカソード57a、57b上のターゲット物質
53a、53bをスパッタリングしているため、光学薄
膜はターゲット物質53a、53bが交互に積層された
多層膜構造となる。
【0013】すなわち、上記従来の光学薄膜は多層膜構
造であるため、屈折率の異なる各ターゲット物質53
a、53bへの印加電圧を制御したのみでは薄膜の厚み
方向の屈折率分布を連続的且つ傾斜的なプロファイルと
することができず、局部的な乱れが生じる。このため、
この技術を、例えばマイナスフィルタに適用した場合、
選択波長帯域以外の余分な反射帯ピーク(1高波分)が
出現し、該反射帯ピークがノイズ信号の発生原因となっ
てS/N比が低下するという問題点があった。
【0014】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであって、薄膜の厚み方向への屈折率分布が所望の
傾斜プロファイルを有する光学薄膜を容易に作製するこ
とのできる薄膜形成方法及び薄膜形成装置を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、薄膜の厚
み方向への屈折率分布が、例えば正弦関数状の周期性を
有する等、屈折率が厚み方向に連続的に変化する光学薄
膜を得るべく鋭意研究したところ、複数のターゲット物
質の中心間距離Dと、前記基板と前記ターゲット物質と
の離間距離Lとの比D/Lが3以下となるように前記各
マグネトロンカソードを互いに近接配置し、マグネトロ
ンカソードへの印加電圧を制御しながら前記ターゲット
物質にスパッタリング処理を施すことにより、基板上に
は各ターゲット物質が混在した屈折率分布膜が形成さ
れ、これにより、薄膜の厚み方向の屈折率が、例えば正
弦関数状に周期性を有する光学薄膜を容易且つ再現性良
く作製することができるという知見を得た。
【0016】本発明はこのような知見に基づきなされた
ものであって、本発明に係る薄膜形成方法は、複数のマ
グネトロンカソードの夫々に組成の異なるターゲット物
質を保持し、該ターゲット物質にスパッタリング処理を
施して基板に薄膜を形成する薄膜形成方法において、前
記各ターゲット物質の中心間距離Dと、前記基板と前記
ターゲット物質の表面との離間距離Lとの比D/Lが3
以下となるように前記各マグネトロンカソードを近接配
置し、前記基板が前記各ターゲット物質の前方を少なく
とも1回通過すると共に、前記薄膜の厚み方向の屈折率
が変化するように前記各マグネトロンカソードへの印加
電圧を制御しながら前記ターゲット物質に同時にスパッ
タリング処理を施し、前記基板上に薄膜を形成すること
を特徴としている。
【0017】また、成膜速度が低下するのを回避して良
好な生産性を確保するためには、前記比D/Lが0.2
以上となるように前記各マグネトロンカソードを近接配
置することを特徴とするのが好ましい。
【0018】さらに、本発明の薄膜形成方法は、前記マ
グネトロンカソードを円筒形状に形成すると共に、円筒
形状に形成されたターゲット物質を前記マグネトロンカ
ソードの外周面に密着させることを特徴とするのが好ま
しい。
【0019】該薄膜形成方法によれば、ターゲット物質
を冷却する構造が簡素化され、冷却効率が高く、また小
さくて厚みのあるマグネットをマグネトロンカソードの
円筒部内に収容することができるので、ターゲット表面
の磁場強度を低下させることなく中心間距離Dを小さく
することが可能となり、これにより、比D/Lを容易に
上述した所望値に設定することが可能となる。
【0020】また、本発明の薄膜形成方法は、前記円筒
形状のマグネトロンカソードを回転させながら前記ター
ゲット物質にスパッタリング処理を施すことを特徴とす
るのが好ましい。
【0021】すなわち、円筒形状のマグネトロンカソー
ドを回転させながら前記ターゲット物質にスパッタリン
グ処理を施すことにより、ターゲット物質へのスパッタ
リングが局所的に集中して行なわれるの回避することが
でき、したがってターゲットにはスパッタリングによる
窪みが生じることもなく、スパッタリング粒子の放出方
向が一定となり、これにより異なる屈折率を有するター
ゲット物質が再現性良く混合され、基板上には所望の屈
折率分布を有する光学薄膜(屈折率分布膜)を形成する
ことができる。
【0022】また、本発明に係る薄膜形成装置は、複数
のマグネトロンカソードの夫々に組成率の異なるターゲ
ット物質を保持し、これらターゲット物質にスパッタリ
ング処理を施して基板に薄膜を形成する薄膜形成装置に
おいて、前記各ターゲット物質の中心間距離Dと、前記
基板と前記ターゲット物質の表面との離間距離Lとの比
D/Lが3以上となるように前記各マグネトロンカソー
ドが近接配置され、かつ、前記基板が前記各ターゲット
物質の前方を少なくとも1回通過する基板稼動手段と、
前記薄膜の厚み方向の屈折率が周期性を有するように前
記各ターゲット物質への印加電圧を制御する電圧制御手
段とを有していることを特徴とし、また、前記比D/L
が0.2以上となるように各マグネトロンカソードが互
いに近接配置されていることを特徴とするのが好まし
い。
【0023】上記構成によれば、薄膜の厚み方向の屈折
率分布が正弦関数状の周期性を有する光学薄膜(屈折率
分布膜)を容易且つ再現性良く作製することができ、し
かも成膜速度の低下が回避され、良好な生産性を確保す
ることができる。
【0024】また、前記マグネトロンカソードが円筒形
状に形成されると共に、円筒形状に形成されたターゲッ
ト物質が該マグネトロンカソードの外周面に密着されて
いることを特徴とするのが好ましい。
【0025】上記構成によれば、スパッタリング粒子の
基板上での付着領域をオーバーラップさせることが可能
となり、したがって異なる組成を有するターゲット物質
を再現性良く混合することができ、基板上には所望の屈
折率分布を有する光学薄膜を得ることができる。しか
も、ターゲット表面の磁場強度を低下させることなく中
心間距離Dを小さくすることが可能であり、比D/Lを
容易に上述した所望値に設定することができる。
【0026】また、本発明の薄膜形成装置は、前記マグ
ネトロンカソードが、円筒形状に形成されると共に前記
ターゲット物質と同一材料で構成されていることを特徴
とするのも好ましく、これによりマグネトロンカソード
の表面自体(円筒部)がターゲット物質を兼用すること
ができる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳説する。
【0028】図1は本発明に係る薄膜形成装置としての
マグネトロン・スパッタ装置の一実施の形態を示す内部
構造図であって、装置本体1の略中央部には矢印A方向
に回転する円柱形状の基板ホルダ2が配設され、該基板
ホルダ2の表面には石英ガラス等で形成されたガラス基
板3が保持されている。また、前記基板ホルダ2の周囲
には2個のマグネトロンカソード(第1及び第2のマグ
ネトロンカソード4a、4b)が前記基板ホルダ2と同
心円状に近接配置され、かつこれら第1及び第2のマグ
ネトロンカソード4a、4bの表面には屈折率(組成)
の異なる薄膜材料としての第1及び第2のターゲット物
質5a、5b(例えば、ケイ素(Si)とチタン(T
i))が貼着される。
【0029】また、第1及び第2のマグネトロンカソー
ド4a、4bにはMF電源7a、7b(10KHz〜2
00KHzのパルス電圧の印加電源)が接続され、さら
に装置本体1の側壁には所定のスパッタリングガスを供
給するためのガス導入口8が設けられ、装置本体1の下
部には排気口9が設けられている。
【0030】第1及び第2のマグネトロンカソード4
a、4bは、図2に示すように、円筒形状に形成される
と共に、中空部にはマグネットユニット12a、12b
が配され、且つ円筒部10a、10bが矢印B方向に回
転可能とされている。
【0031】そして、第1及び第2のマグネトロンカソ
ード4a、4bは、各ターゲット物質5a、5bの中心
間距離Dと、ガラス基板3と前記ターゲット物質5a、
5bの表面との離間距離Lとの比D/Lが、0.2≦D
/L≦3となるように近接配置されている。
【0032】すなわち、前記中心間距離Dと前記離間距
離Lとの比D/Lが3を超えると第1のマグネトロンカ
ソード4aと第2のマグネトロンカソード4bとの配設
間隔が大きくなり過ぎてガラス基板3上には多層膜構造
の薄膜が形成され、その結果、薄膜の厚み方向の屈折率
分布が所望のプロファイルとはならずに局部的な乱れが
生じ、このため、例えばマイナスフィルタに適用した場
合、選択波長以外の余分な反射帯ピークである第1次高
調波成分が出現し、所望のフィルタ特性を得ることがで
きなくなる虞がある。
【0033】一方、前記比D/Lを0.2未満に設定す
ると前記離間距離Lが大きくなり過ぎ、このためスパッ
タリングされた各ターゲット物質5a、5bのガラス基
板3への付着効率が悪化し、成膜速度が低下して生産性
低下を招来する。
【0034】そこで、本実施の形態では比D/Lが0.
2≦D/L≦3の範囲内となるように第1及び第2のマ
グネトロンカソード4a、4bを配設した。
【0035】尚、マグネットユニット12aとマグネッ
トユニット12bとは同一構成とされ、例えば、マグネ
ットユニット12aは、図3に示すように、相対する磁
極を対向状として3つのマグネット13a、14a、1
5aが一定の間隔tを有して配され、円筒部10aには
上下一対のヨーク16a、16aが設けられ、前記マグ
ネット13a、14a、15aはこれら上下一対のヨー
ク16a、16aに挟着されている。
【0036】このように構成されたマグネトロン・スパ
ッタ装置においては、マグネットユニット12a、12
bにより各ターゲット物質5a、5bの表面には直交磁
界が発生する。そして、排気口9に接続された真空ポン
プ(不図示)で装置本体1内を所定圧(例えば、0.0
4Pa)に減圧し、またガス導入口8からスパッタリン
グガス(例えば、アルゴン(Ar)と酸素(O2)との
混合ガス)を供給し、さらにMF電源7a、7bからマ
グネトロンカソード4a、4bに電力を供給して各ター
ゲット物質5a、5bに電圧を印加し、グロー放電を生
じさせる。これにより図2の仮想線に示すように、ター
ゲット物質5a、5bが弾き飛ばされ、基板ホルダ2を
介して矢印A方向に回転しているガラス基板3上には薄
膜が形成される。
【0037】尚、本実施の形態では第1及び第2のター
ゲット物質5a、5bへの印加電力がMF電源7a、7
bの出力を可変することによって制御され、これにより
薄膜の厚み方向への屈折率分布が連続的に変化する光学
薄膜、例えば正弦関数状の周期性を有するような屈折率
分布膜が形成される。
【0038】すなわち、第1及び第2のターゲット物質
5a、5bの夫々について予め印加電力に対する成膜速
度を測定して電力−膜厚特性を算出しておき、その後印
加電力を適宜制御しながら第1及び第2のターゲット物
質5a、5bに対してスパッタリング処理を行なうこと
により、両ターゲット物質5a、5bの混合度合が適度
に分布した光学薄膜を容易に形成することができる。
【0039】また、本実施の形態では、上述したように
第1及び第2のマグネトロンカソード4a、4bが、矩
形形状ではなく円筒形状に形成され、また必要に応じて
該マグネトロンカソード4a、4bを回転させることが
できる。
【0040】すなわち、図4に示すような矩形形状のマ
グネトロンカソード4′を使用してターゲット5′にス
パッタリング処理を行うと、図5に示すように、電界と
磁界が直交する各マグネット間の中央部、すなわちマグ
ネット13′とマグネット14′との中央部、及びマグ
ネット14′とマグネット15′との中央部に放電が集
中し、該中央部が最も顕著にスパッタされる。したがっ
て、長時間スパッタリングすると斯かる放電集中のため
にターゲット物質5a、5bの表面が不均一にスパッタ
され、窪みEが形成される。そして、斯かる窪みEの発
生は、ターゲット物質5a、5bの利用率を減少させる
と共に、膜厚分布の変動を招来し、所望の屈折率分布膜
を得ることができなくなる虞がある。
【0041】このようなターゲット物質への不均一なス
パッタリング処理が行われるのを回避するためには、第
1及び第2のマグネトロンカソード4a、4bを円筒形
状とし、該第1及び第2のマグネトロンカソード4a、
4bを矢印B方(図2)に回転させるのが好ましい。
【0042】また、第1及び第2のマグネトロンカソー
ド4a、4bを円筒形状とすることにより、矩形形状の
マグネトロンカソード4′に比べ、中心間距離Dを小さ
くすることが容易に可能となり、比D/Lを所望値、す
なわち0.2≦D/L≦3に設定するのも容易となる。
【0043】このようにして本実施の形態では、各ター
ゲット物質5a、5bの混在した薄膜がガラス基板3上
に効率良く形成され、これにより、薄膜の厚み方向の屈
折率が所望のプロファイルを有する光学薄膜を容易且つ
再現性良く製造することができる。
【0044】しかも、円筒形状のマグネトロンカソード
4a、4bを回転させながら前記ターゲット物質5a、
5bにスパッタリング処理を施すことにより、ターゲッ
ト物質5a、5bにはスパッタリングによる窪みが生じ
るのを回避することができる。したがって、スパッタリ
ング粒子の放出方向が一定となり、異なる屈折率を有す
るターゲット物質5a、5bが再現性良く混合され、ガ
ラス基板3上には所望の屈折率傾斜を有する光学薄膜、
すなわち屈折率分布膜を形成することができる。
【0045】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものではない。上記実施の形態では、第1及び第2のタ
ーゲット物質5a、5bを第1及び第2のマグネトロン
カソード4a、4bの表面に貼着しているが、該第1及
び第2のターゲット物質5a、5bは第1及び第2のマ
グネトロンカソード4a、4bの表面に密着されていれ
ばよく、例えば貼着する代わりに溶着してもよい。
【0046】また、上記実施の形態では、第1及び第2
のマグネトロンカソード4a、4bの表面に第1及び第
2のターゲット物質5a、5bを密着させているが、第
1及び第2のマグネトロンカソード4a、4bの円筒部
を第1及び第2のターゲット物質5a、5bと同一材料
で構成し、第1及び第2のマグネトロンカソード4a、
4bの円筒部が第1及び第2のターゲット物質5a、5
bと兼用するようにしてもよく、これにより装置構成の
簡略化を図ることができる。
【0047】
【実施例】次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0048】本発明者らは、まず最初にSi(ケイ素)
をターゲット物質とし真空室内に酸素を供給して反応性
スパッタリングを行ない、ガラス基板上にSiO2(二
酸化ケイ素)の単層膜を成膜した。次いで、Ti(チタ
ン)をターゲット物質とし真空室内に酸素を供給して反
応性スパッタリングを行ない、ガラス基板上にTiO 2
(二酸化チタン)の単層膜を成膜した。
【0049】そして、これら波長λを1000nmに設
定してエリプソメータでSiO2膜とTiO2膜の屈折率
を測定したところ、SiO2膜の屈折率n1は1.4
1、TiO2膜の屈折率n2は2.30であった。
【0050】次に、SiO2膜及びTiO2膜の各単層膜
について、電力−膜厚特性を測定した。
【0051】図6は電力−膜厚特性を示す特性図であっ
て、横軸が印加電力(W)、縦軸が成膜速度(nm/mi
n)を示している。また、図中、●がSiO2膜の電力−
膜厚特性を示し、■がTiO2膜の電力−膜厚特性を示
している。
【0052】この図6から明らかなようにSiO2膜と
TiO2膜とでは成膜速度が異なるため、同一電力を印
加した場合、SiO2膜とTiO2膜とではその膜厚が異
なる。また、膜質種の膜厚と屈折率分布とは比例し、例
えば、膜質組成中、SiO2膜の占める割合が多くなる
と屈折率は小さくなり、膜質組成中、SiO2膜の占め
る割合が少なくなると屈折率は大きくなる。したがっ
て、印加電力を適宜可変に制御することにより、所望の
屈折率分布を有する光学薄膜を製造することが可能とな
る。
【0053】そして、下記の実施例では、上述したマグ
ネトロンスパッタ装置(図1〜図3参照)において、第
1のターゲット物質5aとしてSiを使用し、第2のタ
ーゲット物質5bとしてTiを使用し、比D/Lを変
え、上記電力−膜厚特性に基づいて印加電力を制御しな
がらスパッタリング処理を行ない、選択波長λが100
0nmのバンドパスフィルタを作製し、膜質、屈折率分
布、及びフィルタ特性を測定した。
【0054】〔実施例1〕本発明者らは、まず、各ター
ゲット物質5a、5bの中心間距離Dを10cm、ター
ゲット表面とガラス基板3との離間距離Lを10cmと
なるように第1及び第2のマグネトロンカソード4a、
4bを配し、比D/Lを「1」に設定した。
【0055】次いで、石英で形成されたガラス基板3を
基板ホルダ2の外周面に保持する一方、第1及び第2の
マグネトロンカソード4a、4bの表面に夫々Si(第
1のターゲット物質5a)及びTi(第2のターゲット
物質5b)を貼着し、スパッタリング処理を行なった。
【0056】具体的には、装置本体1内を1Paに減圧
してガス導入口8からArとO2の混合比が1:1に調
合されたスパッタリングガスを装置本体1内に供給し、
基板ホルダ2を0.16s-1(10rpm)の回転数で
矢印A方向(図1参照)に回転させると共に、ターゲッ
ト物質5a、5bであるSi及びTiに対し周波数10
0KHzのパルス電源で上述した電力―膜厚特性に基づ
いて電力を印加し、グロー放電を起こさせてガラス基板
3上にSiO2とTiO2とが混在した光学薄膜を形成し
た。
【0057】一方、本発明者らは、別途、ガラス基板上
に上述と同様のスパッタリング処理を行ない、該ガラス
基板上に光学薄膜を形成し、触針式膜厚計を用いる段差
測定法により光学薄膜の膜厚d(堆積量)を測定した。
【0058】図7は実施例1の膜質特性図であって、横
軸はガラス基板の中央部を「0」とした水平距離長Sを
示し、縦軸は膜厚dを示している。図中、●はSiO2
の膜厚であり、■はTiO2の膜厚である。
【0059】この図7から明らかなように、実施例1で
は比D/Lが「1」であり、「3」より小さく設定され
ているため、SiO2とTiO2とが十分に混合した光学
薄膜が形成されていることが認められる。
【0060】また、図8は実施例1の屈折率分布特性図
であり、横軸は厚み方向の光学膜厚nd(μm)、縦軸
は光学薄膜の屈折率n(−)を示している。
【0061】この図8から明らかなように、実施例1で
はSiO2膜及びTiO2膜の電力−膜厚特性にしたがっ
て印加電力を制御することにより、SiO2の屈折率n
1である1.41とTiO2の屈折率n2である2.3
0との間で厚み方向に正弦関数状に周期的に変化した光
学薄膜、すなわち屈折分布膜が得られることが分った。
【0062】次に、本発明者らは、上記光学薄膜の分光
透過率を測定し、マイナスフィルタとしてのフィルタ特
性を評価した。
【0063】図9は上記光学薄膜のフィルタ特性であっ
て、横軸は波長λ(nm)を示し、縦軸は透過率η
(%)を示している。
【0064】この図9から明らかなように、実施例1は
波長λが900nm〜1100nmの範囲で透過率ηが
略0%となり、斯かる波長帯域で全反射するフィルタ特
性を有している。しかも波長500nm付近での透過率
ηも約70%と高く、選択波長である900nm〜11
00nm以外に反射帯ピークが生じるのを抑制すること
ができる。すなわち、実施例1の光学薄膜をマイナスフ
ィルタとして使用した場合でもノイズ信号の発生原因と
なる波長500nm付近の高調波域でも約70%の光が
透過するため、S/N比の低下を抑制することができ
る。
【0065】〔実施例2〕次に、本発明者らは、各ター
ゲット物質5a、5bの中心間距離Dを15cm、ター
ゲット表面とガラス基板3との離間距離Lを5cmとな
るように第1及び第2のマグネトロンカソード4a、4
bを配し、比D/Lを「3」に設定して実施例1と同様
の手順・方法で光学薄膜を作製した。
【0066】図10は実施例2の膜質特性図であって、
横軸はアルミニウム金属板の中央部を「0」とした水平
距離長Sを示し、縦軸は膜厚dを示している。図中、●
はSiO2の膜厚であり、■はTiO2の膜厚である。
【0067】この図10から明らかなように、実施例2
では比D/Lが「3」であり、実施例1に比べるとSi
2とTiO2との混合度合は低下するものの、比較的良
好な混合度合を示している。
【0068】図11は実施例2の屈折率分布特性図であ
り、横軸は厚み方向の光学膜厚nd(μm)、縦軸は光
学薄膜の屈折率n(−)を示している。
【0069】この図11ら明らかなように、実施例2
は、実施例1と同様、SiO2の屈折率n1である1.
41とTiO2の屈折率n2である2.30との間で厚
み方向に正弦関数状に周期的に変化した光学薄膜が作製
されている。
【0070】次に、本発明者らは、上記光学薄膜の分光
透過率を測定し、マイナスフィルタとしてのフィルタ特
性を評価した。
【0071】図12は上記光学薄膜のフィルタ特性であ
って、横軸は波長λ(nm)を示し、縦軸は透過率η
(%)を示している。
【0072】この図12から明らかなように、実施例2
は、実施例1と同様、波長λが900nm〜1100n
mの範囲で透過率ηが略0%となり、斯かる波長帯域で
全反射するフィルタ特性を有している。またノイズバン
ドである波長500nmでの透過率ηも実施例1と略同
様、約70%と高く、選択波長である900nm〜11
00nm以外に反射帯ピークが生じるのを抑制すること
ができる。すなわち、実施例2の光学薄膜を光通信用光
路でマイナスフィルタとして使用した場合も、実施例1
と同様、ノイズ信号の発生原因となる波長500nmで
も約70%の光が透過するため、S/N比の低下を抑制
することができる。
【0073】〔比較例〕次に、本発明者らは、各ターゲ
ット物質5a、5bの中心間距離Dを25cm、ターゲ
ット表面とガラス基板3との離間距離Lを5cmとなる
ように第1及び第2のマグネトロンカソード4a、4b
を配し、比D/Lを「5」に設定して実施例1と同様の
手順・方法で光学薄膜を作製した。
【0074】図13は比較例の膜質特性図であって、横
軸はアルミニウム金属板の中央部を「0」とした水平距
離長Sを示し、縦軸は膜厚d(堆積量)を示している。
図中、●はSiO2の膜厚であり、■はTiO2の膜厚で
ある。
【0075】この図13から明らかなように、比較例は
比D/Lが「5」と大きく各ターゲット物質が互いに離
れすぎているため、主としてガラス基板3の左方側にS
iO 2膜が積層され、右方側にTiO2膜が積層され、こ
のためSiO2とTiO2との混合度合が不十分となって
いる。
【0076】図14は比較例の屈折率分布特性図であ
り、横軸は厚み方向の光学膜厚nd(μm)、縦軸は光
学薄膜の屈折率n(−)を示している。
【0077】この図14から明らかなように、比較例
は、屈折率はSiO2の屈折率n1である1.41とT
iO2の屈折率n2である2.30との間で厚み方向に
略周期的に変化しているものの、正弦関数状に傾斜せず
に図中Fに示すように局部的な乱れが生じている。
【0078】図15は比較例のフィルタ特性であって、
横軸は波長λ(nm)を示し、縦軸は透過率η(%)を
示している。
【0079】この図15から明らかなように、比較例は
波長λが900nm〜1100nmの範囲で透過率ηが
略0%となって斯かる波長帯域で全反射するフィルタ特
性を有するが、ノイズバンドである波長500nm付近
での透過率ηが約15%と低く、選択波長である900
nm〜1100nm以外に選択波長帯と大差のない反射
帯ピークが生じ、このため、第1次高調波(波長500
nm)でも約85%の光が反射するため、ノイズ信号が
発生してS/N比の低下を招来する虞があることが確認
された。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る薄膜形
成方法は、前記各ターゲット物質の中心間距離Dと、前
記基板と前記ターゲット物質の表面との離間距離Lとの
比D/Lが3以下となるように前記各マグネトロンカソ
ードを近接配置し、前記基板が前記各ターゲット物質の
前方を少なくとも1回通過すると共に、前記薄膜の厚み
方向の屈折率が周期性を有するように前記各マグネトロ
ンカソードへの印加電圧を制御しながら前記ターゲット
物質にスパッタリング処理を施し、前記基板上に薄膜を
形成しているので、薄膜の厚み方向の屈折率が正弦関数
状に周期性を有するなどの屈折率を連続的に変化した光
学薄膜を容易且つ再現性良く作製することができ、光通
信に適したフィルタ特性を有するバンドパスフィルタを
容易に製造することが可能となる。
【0081】また、比D/Lが0.2以上となるように
前記各マグネトロンカソードを近接配置させることによ
り、マグネトロンカソード及び基板間の離間距離Lを適
度に保つことが可能となり、したがって各ターゲット物
質の基板への付着効率が悪化して成膜速度の低下を招来
するのを回避することができ、良好な生産性を確保する
ことができる。
【0082】前記マグネトロンカソードを円筒形状に形
成すると共に、円筒形状に形成されたターゲット物質を
前記マグネトロンカソードの外周面に密着させることに
より、ターゲット表面の磁場強度を低下させることなく
中心間距離Dを小さくすることができ、したがって比D
/Lを容易に上述した所望値に設定することができる。
【0083】また、前記円筒形状のマグネトロンカソー
ドを回転させながら前記ターゲット物質にスパッタリン
グ処理を施すことにより、ターゲット物質へのスパッタ
リングが均一に行なわれ、その結果スパッタリングによ
る窪みがターゲットに生じることもなく、スパッタリン
グ粒子の放出方向が一定となり、異なる屈折率を有する
ターゲット物質が再現性良く混合され、基板上には所望
の屈折率分布を有する光学薄膜を得ることができる。
【0084】また、本発明に係る薄膜形成装置によれ
ば、薄膜の厚み方向の屈折率が連続的に変化する光学薄
膜を容易且つ再現性良く作製することができ、さらに前
記マグネトロンカソードが円筒形状に形成されると共
に、円筒形状に形成されたターゲット物質が該マグネト
ロンカソードの外周面に密着されることにより、スパッ
タリング粒子の放出方向を一定とすることができ、した
がって異なる組成を有するターゲット物質を再現性良く
混合することができ、基板上には所望の屈折率分布を有
する光学薄膜を得ることができる。
【0085】また、前記マグネトロンカソードが、円筒
形状に形成されると共に前記ターゲット物質と同一材料
で構成されることにより、マグネトロンカソードとター
ゲット物質とを兼用することが可能となり、これにより
装置構成の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜形成装置としてのマグネトロ
ン・スパッタ装置の一実施の形態を示す概略構造図であ
る。
【図2】上記薄膜形成装置の要部拡大図である。
【図3】図2のX−X断面図である。
【図4】矩形形状のマグネトロンカソードの一例を示す
斜視図である。
【図5】図4のY−Y断面図である。
【図6】ターゲット物質の一例であるSiO2とTiO2
の電力−膜厚特性図である。
【図7】実施例1の膜質特性図である
【図8】実施例1の屈折率分布特性図である。
【図9】実施例1のフィルタ特性図である。
【図10】実施例2の膜質特性図である
【図11】実施例2の屈折率分布特性図である。
【図12】実施例2のフィルタ特性図である。
【図13】比較例の膜質特性図である
【図14】比較例の屈折率分布特性図である。
【図15】比較例のフィルタ特性図である。
【図16】従来の薄膜形成装置の一例を示す概略構造図
である。
【符号の説明】
3 基板(ガラス基板) 4a 第1のマグネトロンカソード 4b 第2のマグネトロンカソード 5a 第1のターゲット物質 5b 第2のターゲット物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊島 隆之 大阪府大阪市中央区北浜4丁目7番28号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H048 GA04 GA12 GA32 GA33 GA60 GA62 4K029 AA09 BA46 BA48 BB02 BC07 BD00 CA05 CA06 DC03 DC05 DC13 DC16 DC40 EA09 JA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のマグネトロンカソードの夫々に組
    成の異なるターゲット物質を保持し、これらターゲット
    物質にスパッタリング処理を施して基板に薄膜を形成す
    る薄膜形成方法において、 前記各ターゲット物質の中心間距離Dと、前記基板と前
    記ターゲット物質の表面との離間距離Lとの比D/Lが
    3以下となるように前記各マグネトロンカソードを近接
    配置し、 前記基板が前記各ターゲット物質の前方を少なくとも1
    回通過すると共に、前記薄膜の厚み方向の屈折率が変化
    するように前記各ターゲット物質への印加電力を制御し
    ながら該ターゲット物質にスパッタリング処理を施し、
    前記基板上に薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成
    方法。
  2. 【請求項2】 前記比D/Lが0.2以上となるように
    前記各マグネトロンカソードを近接配置することを特徴
    とする請求項1記載の薄膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記マグネトロンカソードを円筒形状に
    形成すると共に、円筒形状に形成されたターゲット物質
    を前記マグネトロンカソードの外周面に密着させること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の薄膜形成方
    法。
  4. 【請求項4】 前記円筒形状のマグネトロンカソードを
    回転させながら前記ターゲット物質にスパッタリング処
    理を施すことを特徴とする請求項3記載の薄膜形成方
    法。
  5. 【請求項5】 複数のマグネトロンカソードの夫々に組
    成の異なるターゲット物質を保持し、これらターゲット
    物質にスパッタリング処理を施して基板に薄膜を形成す
    る薄膜形成装置において、 前記各ターゲット物質の中心間距離Dと、前記基板と前
    記ターゲット物質の表面との離間距離Lとの比D/Lが
    3以上となるように前記各マグネトロンカソードが近接
    配置され、 かつ、前記基板が前記各ターゲット物質の前方を少なく
    とも1回通過する基板稼動手段と、前記薄膜の厚み方向
    の屈折率が周期性を有するように前記各ターゲットへの
    印加電圧を制御する電圧制御手段とを有していることを
    特徴とする薄膜形成装置。
  6. 【請求項6】 前記比D/Lが0.2以上となるように
    各マグネトロンカソードが近接配置されていることを特
    徴とする請求項5記載の薄膜形成装置。
  7. 【請求項7】 前記マグネトロンカソードが円筒形状に
    形成されると共に、円筒形状に形成されたターゲット物
    質が該マグネトロンカソードの外周面に密着されている
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の薄膜形成
    装置。
  8. 【請求項8】 前記マグネトロンカソードが、円筒形状
    に形成されると共に前記ターゲット物質と同一材料で構
    成されていることを特徴とする請求項5又は請求項6記
    載の薄膜形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2010073307A1 (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 キヤノンアネルバ株式会社 スパッタリング装置および成膜方法
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JP2013216933A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Yamaguchi Univ 膜厚方向に組成比が連続的に変化した薄膜の製造方法

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