JP2003277911A - 光学薄膜 - Google Patents

光学薄膜

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JP2003277911A
JP2003277911A JP2002080164A JP2002080164A JP2003277911A JP 2003277911 A JP2003277911 A JP 2003277911A JP 2002080164 A JP2002080164 A JP 2002080164A JP 2002080164 A JP2002080164 A JP 2002080164A JP 2003277911 A JP2003277911 A JP 2003277911A
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JP
Japan
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film
substrate
optical thin
thin film
optical
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JP2002080164A
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English (en)
Inventor
Yorio Wada
順雄 和田
Takeshi Kawamata
健 川俣
Tadashi Watanabe
正 渡邊
Kunihiko Uzawa
邦彦 鵜澤
Nobuyoshi Toyohara
延好 豊原
Takeshi Deguchi
武司 出口
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層膜を成膜しても、基板に変形が生じるこ
となく、多層膜が破壊されることを防止する。 【解決手段】 光学薄膜は、膜密度が高くなる成膜手段
により基板上に屈折率が異なる少なくとも2種類の膜が
交互に積層されて構成されており、隣接する膜は内部応
力が互いに相殺する方向に生じる膜材料を用いて形成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屈折率が異なる膜
が基板上に交互に積層された光学薄膜に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク、通信用フィルタ、蛍光顕微
鏡などにおいては、基板上に成膜されている多層からな
る光学薄膜がキーデバイスとなっており、光学薄膜の光
学性能がシステム全体の性能を左右している。
【0003】多層膜の成膜には、一般的に真空蒸着法が
広く用いられているが、温度や湿度などの環境変化に影
響されない安定した光学特性を得るため、真空蒸着装置
内にイオンガンを設置したイオンアシスト法や、真空中
にプラズマを発生させるイオンプレーティング法やスパ
ッタリング法などが用いられている。これらの方法によ
って成膜することにより、膜の密度が高くなって、成膜
後の光学特性のシフトが少なく安定した膜が得られるも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、イオン
プレーティングやスパッタリングなどの一般的に膜密度
が高くなる成膜手段によって成膜した場合、多くの膜材
料は圧縮応力を示している。従って、これらを複数積層
した場合、応力が膜の内部で蓄積し、この圧縮応力の蓄
積によって基板が変形したり、膜が破壊される問題が発
生する。
【0005】特開平5−127018号公報には、この
ような膜応力による基板の変形を防止するために、基板
の裏面に基板と略等しい屈折率を有した多層膜を、表面
側の薄膜と略同じ厚さとなるように形成して歪みを除去
する方法が開示されている。
【0006】しかしながら、この公報の方法では、本来
的に不要な膜を基板の裏面に形成する必要があり、光学
特性やコスト的に不利となっている。
【0007】本発明は、このような従来の問題点を考慮
してなされたものであり、膜密度が高くなる成膜手段を
用いて多層膜を形成しても、基板の裏面に膜を形成する
必要なく、基板の変形や膜の破壊のない光学薄膜を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、膜密度が高くなる成膜手段によ
り、基板上に屈折率が異なる少なくとも2種類の膜が交
互に積層された光学薄膜であって、隣接する膜の内部応
力が互いに相殺する方向に生じる膜材料を用いて形成さ
れていることを特徴とする。
【0009】請求項1の発明によれば、一方が圧縮応力
で、他方が引張り応力であるような相互に相殺するよう
な方向に生ずる膜材料を用いるため、薄膜全体の内部応
力を緩和することができる。このため、応力が良好に相
殺され、基板の変形や膜の破壊を防ぐことができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1記載の光学薄
膜であって、膜密度が高くなる成膜手段として、イオン
プレーティング、イオンアシスト蒸着、スパッタリン
グ、イオンビームスパッタリングの内の一種を用いるこ
とを特徴とする。
【0011】請求項2の発明の成膜手段は、いずれも既
存の設備を用いることにより成膜することができるた
め、簡便に成膜することができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1記載の光学薄
膜であって、屈折率が異なる膜材料の一方に、Ti及び
Laを含む酸化化合物を用いることを特徴とする。
【0013】Ti及びLaを含む酸化化合物によって成
膜された膜は、引張り応力を示し、一般的な膜の圧縮応
力を相殺することができる。このため、基板の変形や膜
の破壊を防ぐことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】表1は、光学薄膜を屈折率1.5
の基板上にイオンプレーティングによって成膜した条件
を示す。膜材料には、低屈折率材料(L)としてSiO
を、高屈折率材料(H)として商品名「Substa
nce H4」(メルク社製)を用いた。高屈折率材料
である「Substance H4」は、Ti及びLa
を含んだ酸化化合物である。イオンプレーティングによ
る成膜は、基板を300℃に加熱し、1500WのRF
電圧を印加することにより行った。
【0015】表1において、「1L」は低屈折率材料か
らなる膜の光学的膜厚(n×d)が1×λ/4(λ/4
は設計波長)となる膜厚であり、「3H」は高屈折率材
料からなる膜の光学的膜厚が3×λ/4となる膜厚であ
る。また、(1L/3H)は、1×λ/4の膜厚の低屈
折率材料の上に、3×λ/4の膜厚の高屈折率材料が成
膜されたことを意味し、(1L/3H)^12は、膜厚
(1L/3H)の成膜が12周期繰り返されたことを意
味している。従って、この実施の形態では、全体で24
層からなる光学薄膜となっている。
【0016】一方、SiO、「Substance
H4」をイオンプレーティングによってシリコンウエハ
ー上に個々に成膜して、これらの応力を測定した。測定
は、成膜前後でのウエハーの反りを応力測定器(Dek
tak(商品名))によって行った。測定の結果、Si
は圧縮応力を示し、「Substance H4」
は引張り応力を示した。従って、この実施の形態の光学
薄膜は、内部応力が互いに相殺する方向に生じる膜材料
を交互に形成した構成となっている。
【0017】図1は、この実施の形態の光学薄膜を形成
した基板に対して、p偏光とs偏光の透過率変化を35
0nm〜700nmの波長領域で測定した結果を示す。
光線は基板に対して、45°の角度から入射させ、その
透過光を測定したものである。同図において、TpはP
偏光の透過率変化を、Tsはs偏光の透過率変化を、T
はTp及びTsの平均値を示す。
【0018】以上の光学薄膜が形成された基板の変形を
干渉計で測定したところ、変形は生じていなかった。ま
た、基板上の光学薄膜を顕微鏡によって観察したとこ
ろ、膜の破壊は確認されなかった。
【0019】この実施の形態では、イオンプレーティン
グによって光学薄膜を成膜したが、膜密度が高くなる成
膜手段であれば、イオンアシスト蒸着、スパッタリン
グ、イオンビームスパッタリング等によって成膜しても
良い。これらの成膜手段では、酸素導入量を1〜3×1
−2Paの範囲、成膜速度を0.3〜0.6nm/s
ecの範囲、基板温度を200〜300℃の範囲、基板
に印加する高周波パワーを1200〜1500Wの範囲
で変化させることにより良好な成膜を行うことができ
る。
【0020】本発明では、低屈折率材料(L)と高屈折
率材料(H)との基本周期を(1L/3H)以外として
も良く、例えば、応力のバランスを考慮した(1L/3
H) (3L/1H)であっても良い。この場合、低
屈折率材料の膜及び高屈折率材料の膜の応力の方向が逆
で、しかもその大きさが略等しくなるように成膜を行う
のが良好である。さらに、高屈折率材料として、商品名
「SubstanceH5」(メルク社製)を用いても
良い。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、隣接して成膜された膜の内部応力が互いに相殺
する方向に生じるため、薄膜全体の内部応力を緩和する
ことができる。このため、応力が良好に相殺され、基板
の変形や膜の破壊を防ぐことができる。また、応力を相
殺するための膜を基板の基板の裏面に形成する必要がな
くなるため、必要に応じて裏面に反射防止膜を形成する
ことが可能となる。
【0023】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、成膜を簡便に行うことができる。
【0024】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、成膜された膜が引張り応力を示して、
一般的な膜の圧縮応力を相殺することができるため、基
板の変形や膜の破壊を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のP偏光及びS偏光の透
過率特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 正 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 鵜澤 邦彦 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 豊原 延好 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 出口 武司 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H048 GA07 GA09 GA12 GA35 GA51 GA60 GA61 GA62 2K009 BB02 BB04 CC02 CC42 DD03 DD04 DD07 EE00 4K029 BA46 BA50 BB02 BC00 BC08 BD00 BD12 CA03 CA05 DC37

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜密度が高くなる成膜手段により、基板
    上に屈折率が異なる少なくとも2種類の膜が交互に積層
    された光学薄膜であって、隣接する膜の内部応力が互い
    に相殺する方向に生じる膜材料を用いて形成されている
    ことを特徴とする光学薄膜。
  2. 【請求項2】 膜密度が高くなる成膜手段として、イオ
    ンプレーティング、イオンアシスト蒸着、スパッタリン
    グ、イオンビームスパッタリングの内の一種を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学薄膜。
  3. 【請求項3】 屈折率が異なる膜材料の一方に、Ti及
    びLaを含む酸化化合物を用いることを特徴とする請求
    項1記載の光学薄膜。
JP2002080164A 2002-03-22 2002-03-22 光学薄膜 Withdrawn JP2003277911A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063574A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Showa Shinku:Kk 多層膜の成膜方法および成膜装置
JP2007144926A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Toppan Printing Co Ltd 導電性反射防止積層体およびディスプレイ
JP2015192006A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 セイコーエプソン株式会社 半導体ウェハー、受光センサー製造方法及び受光センサー
CN112442663A (zh) * 2020-09-30 2021-03-05 南阳利达光电有限公司 一种无形变膜层的制备方法
WO2024181319A1 (ja) * 2023-02-28 2024-09-06 東海光学株式会社 光学薄膜

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JP2015192006A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 セイコーエプソン株式会社 半導体ウェハー、受光センサー製造方法及び受光センサー
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Effective date: 20050607