JP2009276447A - 偏光子及び液晶プロジェクタ - Google Patents

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【課題】本発明の目的は、従来の偏光子に比べて、高い偏光特性を有しつつ、合計積層数の少ない偏光子を提供することにある。
【解決手段】少なくとも一方向に周期的な凹凸表面を有する透明基板上に、高屈折率透光材料からなる第1層と、低屈折率透光材料からなる第2層とを、スパッタリングによる堆積及びイオンエッチングを順次施すことにより、前記透明基板の凹凸表面に対応した形状で交互に積層して多層構造体を形成してなる偏光子において、前記高屈折率透光材料が、少なくともTiを含有する屈折率が2.50以上の材料からなり、前記偏光子のヘイズ率が3%未満であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、液晶プロジェクタ、液晶表示装置等の偏光を利用した光学機器に用いられ、入射光のある特定方向の直線偏波成分のみを透過させる機能を有する多層構造体である偏光子及び、その偏光子を用いたプロジェクタに関するものである。
偏光子は、複数の偏光を含む光から特定方向の直線偏光を取り出すための光学素子であり、各種の構成、形態のものが広く利用されている。特に、液晶表示技術の分野では、小型化、軽量化、高輝度化等の技術革新が進み、各種用途に耐熱性、耐光性を有する偏光子を用いた液晶表示装置が急速に普及している。
一般的に用いられる偏光子としては、例えば、ヨウ素や染料系等の高分子フィルムからなる多層積層体として構成されたものが挙げられる。しかしながら、前記高分子フィルムは熱に弱く、現在の小型化、高輝度化等を実現する装置においては、高密度の光を扱うことから、熱及び紫外線による偏光子の性能の劣化が問題となっている。
上記問題を解決する偏光子として、例えば、特許文献1のような偏光子が挙げられる。高屈折率透光材料からなる第1層と、低屈折率透光材料からなる第2層とを、周期的な凹凸形状を有するように交互に積層して多層構造体を形成してなる、いわゆるフォトニック結晶からなる偏光子を作製することで、溝方向に平行な偏波成分と垂直な偏波成分とに分離することができる。無損失の材料を用いるため、内部における吸収はなく、高い密度の光に対しても劣化の問題はない点で優れた偏光子である。
国際公開第2004/113974号パンフレット
しかし、前記フォトニック結晶からなる偏光の動作波長帯域を広げるためには、前記複層膜の膜厚を変化させる必要があるとともに、前記第1層及び前記第2層の積層数を増やす必要があるため、多層構造体全体としての総膜厚、総層数が増加し、その結果、製造に係る手間やコスト削減などの改良が必要であった。
そのため、前記フォトニック結晶からなる偏光子の合計積層数を減らすための方法として、工業的に入手できる材料のうち、最も高い屈折率を有する透光材料であるTiO2を前記高屈折率材料として用いる方法が挙げられる。
しかしながら、高屈折率の材料を用いることで、前記偏光子の合計積層数を減らすことはできるものの、この材料は光学的な散乱が多く、透過させるべき波長の光についての透過率が低下し、偏光特性が低下するという問題があった。さらに、前記偏光子の製造工程において、前記第1層は、前記高屈折率透光材料をスパッタリングにより堆積させた後、イオンエッチングを施すことにより形成するため、イオンのエネルギーが熱エネルギーに変換され、前記第1層の結晶化が進む結果、さらに光学散乱が大きくなるという問題があった。
また、特許文献2には、高い屈折率を有しつつ、光学的な散乱についても抑制できるTiNb複合酸化膜が開示されている。本発明者らは、このTiNb複合酸化膜を、偏光子の積層膜として用いることが有効であることを見出した。しかしながら、特許文献2の技術は、スパッタリング成膜による積層膜のみを対象としており、フォトニック結晶の積層膜として用いる場合、周期的な凹凸形状を形成するためのイオンエッチングによって、前記光学的散乱が大きくなると考えられるため、さらに材料の最適化を図ることが望まれていた。
特開2002−277630号公報
本発明の目的は、少なくとも一方向に周期的な凹凸表面を有する透明基板上に、高屈折率透光材料からなる第1層と、低屈折率透光材料からなる第2層とを、前記透明基板の凹凸表面に対応した形状で交互に積層して多層構造体を形成してなる偏光子であって、前記高屈折率透光材料の適正化を図ることにより、高い偏光特性を有しつつ、合計積層数の少ない偏光子を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決して優れた偏光子を得るために検討を重ねた結果、前記第1層としてTiO2膜を用いた場合に、光学的な散乱が高くなるのは、TiO2膜の結晶構造がアナターゼ構造やルチル構造をとり、これらの構造は柱状構造や粒状構造を形成しやすいため、膜中にグレインバウンダリーが生じ、このグレインバウンダリー部分で光の反射や回折を引き起こされることが原因であると考えられ、この光学的散乱によって、必要な光の透過率が低減することに着目した。
その後、さらなる鋭意研究を重ねた結果、前記第1層を構成する前記高屈折率透光材料を、例えば、Tiの酸化物とNb又はTaの酸化物との複合金属酸化物などの少なくともTiを含有する屈折率が2.50以上の材料とすることで、結晶学的に不純物金属として作用するNb又はTaがTiO2の結晶化を抑制し、膜を非晶質化することができるため、前記柱状構造及び粒状構造の発生が抑制され、光学的散乱の低減が可能となる結果、TiO2並みの高い屈折率を維持しつつ、ヘイズ率が低く、偏光特性の優れた偏光子が得られることを見出した。
さらにまた、Tiの酸化物と、Nb又はTaの酸化物との前記複合金属酸化物を、前記第1層に用いた場合、本発明の偏光子を製造する際に必要となるイオンエッチングによる前記TiO2からなる第1層の結晶化についても、有効に抑制することができるため、高い偏光特性を得ることが可能となる。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その要旨構成は以下の通りである。(1)少なくとも一方向に周期的な凹凸表面を有する透明基板上に、高屈折率透光材料からなる第1層と、低屈折率透光材料からなる第2層とを、スパッタリングによる堆積及びイオンエッチングを順次施すことにより、前記透明基板の凹凸表面に対応した形状で交互に積層して多層構造体を形成してなる偏光子において、前記高屈折率透光材料が、少なくともTiを含有する屈折率2.50以上の材料からなり、前記偏光子のヘイズ率が3%未満であることを特徴とする偏光子。
(2)前記高屈折率透光材料は、Tiの酸化物と、Nbの酸化物との複合酸化物であり、該複合酸化物の金属成分に対するNbの割合が20〜80atm%の範囲であることを特徴とする上記(1)記載の偏光子。
(3)前記多層構造体は、その合計積層数が、80層以下であり、その平均TM透過率が80%以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の偏光子。
(4)前記偏光子の使用波長帯域が、780nm以下であることを特徴とする上記(1)、(2)又は(3)記載の偏光子。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項記載の偏光子を具えることを特徴とする液晶プロジェクタ。
この発明によれば、少なくとも一方向に周期的な凹凸表面を有する透明基板上に、高屈折率透光材料からなる第1層と、低屈折率透光材料からなる第2層とを、前記透明基板の凹凸表面に対応した形状で交互に積層して多層構造体を形成してなる偏光子であって、従来のものに比べて、高い偏光特性を有しつつ、合計積層数の少ない偏光子を提供することが可能となった。
以下、本発明の偏光子の構成について説明する。
本発明における偏光子は、いわゆるフォトニック結晶と呼ばれる偏光子であり、図1に示すように、表面の少なくとも一方向に周期的な凹凸を有する透明基板2上に、高屈折率透光材料からなる第1層3と低屈折率透光材料からなる第2層4とを、前記透明基板の凹凸表面に対応した形状で交互に積層して多層構造体5を形成してなる偏光子である。
一般的に、偏光子の性能の1つとして、図1に示したX方向に光の電場が振幅するTMモードの光の透過率(以下、「TM透過率」という。)、Y方向に光の電場が振幅するTEモードの光の透過率(以下、「TE透過率」という。)、及び、前記TM透過率をTE透過率で除した値で表わされるコントラスト(TM透過率/TE透過率)が挙げられる。そして、高い偏光特性、つまり高いコントラストを得るためには、TM透過率を大きくし、TE透過率を小さくする必要がある。また、前記偏光子1は、それぞれ膜厚の異なる層3、4ごとに所定の偏光特性を有し、入射光の波長によって必要となる前記第1層3及び前記第2層4の膜厚は異なる。そのため、広い波長域で良好な偏光特性を有する偏光子1を得るためには、前記多層構造体5の合計積層膜数を増やす必要がある。
一方、前記偏光子の合計積層数を減らすために、前記高屈折率透光材料として屈折率の高いTiO2を用いる偏光子が挙げられるが、上述したように、前記合計積層数を減らすことはできるものの、TiO2は膜中にグレインバウンダリーが生じ、このグレインバウンダリー部分で光学的な散乱が起こる結果、前記TM透過率をも低下させることとなり、高い偏光特性を得ることはできない。
そのため、本発明による偏光子1は、前記第1層3に用いられる前記高屈折率透光材料が、例えば、Tiの酸化物とNb又はTaの酸化物との複合金属酸化物などの少なくともTiを含有する屈折率が2.50以上の材料からなることを特徴とする。
上記構成を採用することによって、前記Nb又はTaが結晶学的に不純物金属として作用してTiO2の結晶化を抑制し、前記第1層3を非晶質化することができるため、前記グレインバウンダリーに起因した光学的散乱を低減することができる結果、前記TM透過率を低下させることがなく、さらに、前記複合金属酸化物は、通常高屈折率材料として用いられるNb2O5やTa2O5等と比べると、その屈折率が高いため、前記多層構造体5の合計積層数を少なくすることが可能となる。
また、前記高屈折材料(Nb又はTaの酸化物との複合金属酸化物)の屈折率は、2.50以上であることが好ましい。前記屈折率が2.50未満の場合、前記第1層3の屈折率が低くなるため、前記多層構造体5の合計積層数を十分に減らすことができないからである。
さらに、入射光の前記光学的な散乱を抑制する点から、前記高屈折率透光材料は、Tiの酸化物と、Nbの酸化物との複合酸化物であり、さらに、該複合酸化物の金属成分に対するNbの割合が20〜80atm%の範囲であることがより好適である。前記複合酸化物の金属成分に対するNbの割合が、20atm%未満では、前記第1層3中に柱状構造・粒状構造が形成されるため十分に前記光学的散乱を抑制することはできず、一方、80atm%を超えると、不純物の役目をするNbの割合が多くなりすぎるため、屈折率の低下を招き、前記多層構造体5の合計積層数を十分に減らすことができないからである。
また、前記低屈折材料は、特に限定はされず、例えば、SiO2又はMgF2等を用いることが可能である。
さらにまた、本発明による偏光子1の使用波長帯域は、主にプロジェクタ用途を想定しているため、可視域(780nm)が好ましく、とりわけ光エネルギーが強い短波長域(520nm以下)への利用がより好適である。さらに、短波長域では上述の光学的な散乱が大きくなるため、本発明の効果がより顕著となる。
なお、上記構成を採用することで、本発明の偏光子1は、多層構造体5の合計積層数が 80層以下であり、その平均TM透過率が80%以上である、高い偏光特性を有しつつ、合計積層数の少ない偏光子とすることができる。
また、高圧水銀ランプ等の光源と、偏光変換素子と、液晶ライトバルブと、本発明による偏光子1とを具えることにより、液晶プロジェクタを製造することが可能である。本発明の偏光子1を用いることにより、従来の有機偏光子を用いたものに比べて、耐熱性や耐光性に優れ、さらに、製造コスト等の点においても優れた液晶プロジェクタの提供が可能となる。
次に、本発明による偏光子1の製造方法を説明する。なお、図2は、本発明による偏光子の断面を示したものである。
まず、基板2上に、電子ビームリソグラフィとドライエッチングの組み合わせ等)の技術を用いて、図2に示すような周期的な凹凸表面形状を形成する。また、前記基板2の凹凸表面の形成については、フォトリソグラフィや干渉露光、金型によるスタンピング技術や、ゾルゲル材料によるナノインプリント技術を用いても構わない。さらに、図2では前記凹凸形状が矩形で示されているが、三角形等の断面形状でもよい。さらにまた、前記基板2に用いる材料は、透光材料であれば特に限定されず、例えば石英ガラス等を用いることができる。なお、特に限定はしないが、有効に偏光特性を得ることができる点から、前記基板2の凹凸表面形状の周期Wは、150〜250nm範囲であり、その溝の深さDは50〜150 nmであることが好ましい。
本発明の製造方法は、前記基板2上に、高屈折率透光材料からなる第1層3と、低屈折率透光材料からなる第2層4とを交互に積層することにより、多層構造体5を形成するが、このとき、前記第1層及び前記第2層の積層は、前記高屈折材料及び前記低屈折材料のスパッタリングによる堆積と、イオンエッチングによる表面処理の繰り返しによって行い、前記高屈折材料として、Tiの酸化物と、Nb又はTaの酸化物とからなる複合金属酸化物を用いることを特徴とする。
上記構成を採用することによって、従来の偏光子に比べて、高い偏光特性を有しつつ、合計積層数の少ない偏光子の製造が可能となるためである。
なお、偏光子1の動作帯域を拡大させるために、前記第1層3及び前記第2層4の膜厚A1、A2(z方向の周期)を変化させる。例えば、図1及び図2の場合には、前記基板2上から、徐々に膜表面側(図2では上側)へ向かって、膜厚A1、A2が薄くなるように前記第1層3及び第2層4を積層している。なお、構成する材料の屈折率、動作帯域、光の入射角などのパラメータにより、積層周期の変化の割合や変化の幅は上記の値以外のものでも可能であり、図1及び図2とは逆に、前記膜表面側へ向って膜厚が厚くなるように積層することも可能である。
また、高い偏光特性を有しつつ、前記多層構造体5の合計積層数を少なくすることができる点から、前記高屈折率材料として、Tiの酸化物と、Nbの酸化物との複合酸化物を用い、該複合酸化物の金属成分に対するNbの割合を、20〜80atm%の範囲にすることが好ましい。
なお、前記Tiの酸化物と、Nbの酸化物との複合酸化物のスパッタリング方法としては、TiとNbの金属総量に対するNbの金属割合を20〜80 atm%とした複合金属をターゲットとして用いて、酸化性ガス(酸素等)雰囲気下で反応性スパッタを行うことにより得ることができる。あるいは、TiとNbの2本のターゲットからの同時スパッタにより実施することも可能である。
また、前記高屈折材料及び低屈折材料のイオンエッチングの方法は、特に限定はされず、一般的に用いられるエッチング手段を用いればよい。また、照射されるイオンについても特に限定はされないが、イオン粒子のエネルギーを大きくした場合にも、堆積された前記材料による光の吸収を抑制し、なおかつ、十分なエッチング速度を得ることができる点から、アルゴンイオンまたはアルゴンイオンと酸素イオンの混合イオンを用いることが好ましい。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
次に、本発明に従う偏光子を試作し、性能を評価した。
(実施例1〜6及び比較例1〜4)
各実施例及び各比較例の偏光子は、図1に示すように、石英ガラス板に対して、電子ビームリソグラフィ及びドライエッチングを順次施すことにより、断面形状が周期的な矩形の凹凸表面(周期W:0.19μm、凹部の幅:0.1μm、凹部の深さ:0.1μm)を有する基板2を形成した。その後、表1に示すスパッタリング条件及びエッチング条件によって、前記基板2上に、SiO2からなる第2層を形成し、該第2層4上に、表1に示すスパッタリング条件及びエッチング条件によって、Tiの酸化物とNbの酸化物との複合酸化物からなる第1層3を形成した。前記第1層3と前記第2層4は、TM平均透過率が最も高くなるようにその膜厚を設計し、それぞれ交互に35層ずつ、計70層積層させた多層構造体5を形成することにより、サンプルとなる偏光子1を作製した。
なお、前記第1層3及び第2層4の屈折率については、分光エリプソ法を用いて、波長450nmの光に対する屈折率を測定し、その結果を表2に示す。
また、前記第1層3の材料である前記複合酸化物中の金属成分に対するNbの割合(atm%)については、ICP法を用いて測定し、その結果を表2に示す。
さらに、前記第1層3中の結晶構造については、XRD法を用い、柱状構造の有無については、SEMを用いて層中の破断面を高倍観察することにより、それぞれ観察し、その結果を表2に示す。
Figure 2009276447
Figure 2009276447
(評価方法)
(1)ヘイズ率
上記実施例1〜6及び比較例1〜4で作製した本発明による偏光子について、JIS−K7136(2000)、ISO−14782(1999)に準拠した方法(スガ試験製ヘイズメーター:HGM−2DP)により、波長430nm〜500nmの光を入射させた際のヘイズ率(%)を計測し、以下の基準に従って評価した。それぞれの計測値及び評価結果を表3に示す。
○:3%未満
△:3%以上、5%未満
×:5%以上
(2)偏光特性
上記実施例1〜6及び比較例1〜4で作製した本発明による偏光子について、分光光度計等を用いることにより、波長430nm〜500nmの入射光に対する、TM平均透過率(%)及びTE平均透過率(%)を測定し、その結果からコントラスト(TM平均透過率/TE平均透過率)を算出し、以下の基準に従って評価した。それぞれの測定値及び評価結果を表3に示す。
○:コントラスト:250以上、かつ、TM透過率:80%以上
△:○と×以外の範囲になった場合
×:コントラスト:200未満、又は、TM透過率:70%未満
Figure 2009276447
表3の結果から、本発明の実施例1〜6については、高い偏光特性を有し、ヘイズ率についても低いことがわかった。一方、比較例1及び3については、ある程度の偏光特性が得られるものの、ヘイズ率が高く、光学的な散乱が発生していることがわかる。また、比較例2及び4は、ヘイズ率は低いものの、偏光特性が十分に得られず、所望の偏光特性を得るためには積層数を増やさなければならないことがわかる。
本発明によれば、従来の偏光子に比べて、高い偏光特性を有しつつ、合計積層数の少ない偏光子を提供することが可能となる。
本発明による偏光子を示す斜視図である。 本発明による偏光子を示す断面図である。
符号の説明
1 偏光子
2 基板
3 第1層
4 第2層
5 多層構造体

Claims (5)

  1. 少なくとも一方向に周期的な凹凸表面を有する透明基板上に、高屈折率透光材料からなる第1層と、低屈折率透光材料からなる第2層とを、スパッタリングによる堆積及びイオンエッチングを順次施すことにより、前記透明基板の凹凸表面に対応した形状で交互に積層して多層構造体を形成してなる偏光子において、
    前記高屈折率透光材料が、少なくともTiを含有する屈折率が2.50以上の材料からなり、前記偏光子のヘイズ率が3%未満であることを特徴とする偏光子。
  2. 前記高屈折率透光材料は、Tiの酸化物と、Nbの酸化物との複合酸化物であり、該複合酸化物の金属成分に対するNbの割合が20〜80atm%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の偏光子。
  3. 前記多層構造体は、その合計積層数が、80層以下であり、その平均TM透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の偏光子。
  4. 前記偏光子の使用波長帯域が、780nm以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の偏光子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の偏光子を具えることを特徴とする液晶プロジェクタ。
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