JP2000319202A - 新規ケージド化合物調製用試薬、及びケージド化方法 - Google Patents

新規ケージド化合物調製用試薬、及びケージド化方法

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JP2000319202A
JP2000319202A JP2000001714A JP2000001714A JP2000319202A JP 2000319202 A JP2000319202 A JP 2000319202A JP 2000001714 A JP2000001714 A JP 2000001714A JP 2000001714 A JP2000001714 A JP 2000001714A JP 2000319202 A JP2000319202 A JP 2000319202A
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group
aromatic ring
methyl
proton
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Hirobumi Shiono
博文 塩野
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Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なケージド化合物調製用試薬、及びそれ
を用いる新規なケージド化方法を提供することを目的と
する。 【解決手段】 本発明にかかる新規ケージド化合物調製
用試薬は、下記式1で示される、N-スクシンイミジル
シンナメート構造を基本構造とする化合物である。 【化1】 また、本発明にかかる新規ケージド化合物調製用試薬
は、下記式3で示される、N-スクシンイミジルシンナメ
ート構造を基本構造とする化合物である。 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なケージド化合
物調製用試薬及びそれを用いる新規なケージド化方法に
関する。
【従来の技術】ある物質の生体における作用機構を調べ
るには、その物質の生体系内での消長を定量的に短時間
で測定をすることが必要である。更に、系内に導入され
た前記物質について、追従する種々の変化を観察するこ
とも重要である。一方生体反応は多くの場合極めて速
く、また複数の反応が複雑に関連しながら同時に進行す
ることが普通である。そのため、外部から前記物質を添
加した場合に、系内を拡散する過程がむしろ律速段階と
なり、実際測定したいその後の反応が明確に捉らえられ
なくなってしまうことが多い。
【発明が解決しようとする課題】かかる問題を解決する
ため、すばやく目的物質を添加する方法について様々な
方法が提案されているが、その1つに光照射に基づく技
術、いわゆるケージド(Caged)試薬を用いる方法が報告
されている。これらは一般的には、追跡される生理活性
物質の活性部位を特定の保護基で保護した、いわゆるケ
ージド化合物(ケージング基を導入した化合物、若しく
はケージング基でラベル化された化合物を意味する)を
生体系に導入し、この化合物が十分作用点に拡散したこ
とを確認した後に、光照射により保護基を脱離して目的
とする物質を遊離放出することによって、その物質によ
る反応が追跡可能となるものである。この保護基の特徴
は、光照射のみにより脱保護基化(deprotection、保護
基の脱離)できる点、極めて迅速に脱保護基化可能であ
る点及び必要に応じて特定の部分にのみ光照射をしぼり
込むことが可能である点である。本発明はかかる作用を
有するものであって、新規な構造を有するケージド化合
物を簡単な反応により調製することができる試薬を提供
するものである。また、本発明はその新規な試薬を用い
て目的の生理活性物質にケージング基を導入し、ケージ
ド化合物を得る方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究し
た結果、かかる優れた作用を有するケージド化合物を簡
単な反応により調製することができる新規な試薬を見い
だすことに成功した。また、その新規な試薬を用いて種
々の化合物をケージド化する方法を確立することに成功
し、本発明を完成したものである。すなわち、本発明に
かかる新規なケージド化合物調製用試薬は、下記式1で
表される、N-スクシンイミジルアミノシンナメート構
造を基本構造とする化合物である。
【化5】 (ここで、X及びYはそれぞれ同一でも異なっていても
よく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から4までの
アルキル基、炭素数1から4までのアルキルオキシ基、
ベンゾ基及び炭素数1から4までのアルキルアミノ基から
なる群より選ばれる一種を表し、R1は水素原子、炭素
数1から4までのアルキル基及び下記式2
【化6】 [ここで、R6は炭素数1から4までのアルキル基、フ
ェニル基及び炭素数1から4までのアルキルシリル基か
らなる群より選ばれる一種を表し、nは0から2までの
整数を表す。]で表される基からなる群より選ばれる一
種を表し、R2及びR3はそれぞれ同一でも異なっていて
もよく、水素原子及び炭素数1から4までのアルキル基
からなる群より選ばれる一種を表し、Zは水素原子及び
SO3M(Mは水素原子、アルカリ金属及びアルカリ土
類金属からなる群より選ばれる一種を表す)からなる群
より選ばれる一種を表す。) 本発明にかかる新規なケージド化合物調製用試薬の好ま
しい例として、具体的には以下の式4から式17に示す
構造を有するものが挙げられる。
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】 また、本発明にかかる新規なケージド化合物調製用試薬
は、下記式3で示される、ニトロフェニルエステル構造
を基本構造とする化合物である。
【化21】 (ここで、X及びYはそれぞれ同一でも異なっていても
よく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から4までの
アルキル基、炭素数1から4までのアルキルオキシ基、
ベンゾ基及び炭素数1から4までのアルキルアミノ基か
らなる群より選ばれる一種を表し、R1は水素原子、炭
素数1から4までのアルキル基及び下記式2
【化22】 [ここで、R6は炭素数1から4までのアルキル基、フ
ェニル基及び炭素数1から4までのアルキルシリル基か
らなる群より選ばれる一種を表し、nは0から2までの
整数を表す。]で表される基からなる群より選ばれる一
種を表し、R2及びR3はそれぞれ同一でも異なっていて
もよく、水素原子及び炭素数1から4までのアルキル基
からなる群より選ばれる一種を表す。) 本発明にかかる新規なケージド化合物調製用試薬の好ま
しい例として、具体的には以下の式18から式23に示
す構造を有するものが挙げられる。
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】 また、本発明にかかる方法は、前記ケージド化合物調製
用試薬と種々の官能基を有する化合物(アミノ酸等の生
理活性物質)とを反応せしめてケージド化合物を調製す
ることを特徴とするケージド化方法である。図1(a)、
(b)には、本発明にかかるケージド化合物調製用試薬を
用いた種々の官能基を有する化合物のケージド化方法を
示す。また、図2には得られたケージド化合物の光分解
反応を示す。図1(a)、(b)に示すように、N-スクシンイ
ミジル基及びp-ニトロフェニル基は温和な反応条件下で
容易に種々の官能基と反応する。前記官能基の好ましい
例としては、アミノ基、水酸基、フェノール基、チオー
ル基、カルボン酸基等が挙げられる。また、本発明の方
法により得られたケージド化合物は、シンナメート基の
二重結合がトランス(E)構造に維持されるため、暗所
にて安定である。
【発明の実施の形態】以下更に詳しく本発明を説明す
る。合成方法 本発明にかかるケージド化合物調製用試薬の合成方法に
ついては特に限定されず、通常公知の有機化学反応が好
ましく使用できる。具体的には、N-スクシンイミジルア
ミノシンナメート構造を基本構造とする化合物の場合は
図3に例示されている合成ルートにより、p-ニトロフェ
ニルアミノシンナメート構造を基本構造とする化合物の
場合は図4に例示されている合成ルートにより、それぞ
れ容易に収率よく、高純度で本発明にかかる種々の置換
基を有するケージド化合物調製用試薬を合成することが
可能である。図3に示すN-スクシンイミジルアミノシン
ナメート構造を基本構造とする化合物の合成は、好まし
い置換基を有する2-ニトロベンズアルデヒド誘導体(フ
ェニルケトン誘導体を含む)と、好ましい置換基を導入
するためのWittig(ウイティッヒ)試薬(Wadsworth-Em
mons試薬を含む)との反応によりシンナメート骨格を形
成するステップを含む(図3(a))。必要な出発物質で
ある2-ニトロベンズアルデヒド誘導体(フェニルケトン
誘導体を含む)、及びWittig(ウイティッヒ)試薬(Wa
dsworth-Emmons試薬を含む)は、市販品を使用すること
が可能であり、また、従来公知の有機合成方法により合
成することも可能である(Organic Synthesis、col. vo
l. 3, 641; Organic Synthesis、col. vol.4, 735; Org
anic Synthesis、col. vol. 5, 825; Kienzle等、Helv.
Chim.Acta 63(8),2364-2369(1980); Wani等、J. Med. C
hem.1980、23、554-560)。またWittig反応(Wadsworth
-Emmons反応を含む)の反応条件については特に制限は
なく、通常公知の条件を使用することが可能である(例
えば、Organic Reaction vol.14、270-423(1965)、Or
ganic Reaction vol.25、73(1977))。かかる文献等
を参照して好ましい反応条件を選択し最適化することは
当業者にとっては容易である。ここで得られるシンナメ
ート誘導体は二重結合に対してシス体及びトランス体の
いずれでもよく、またそれらの混合物であってもよい。
また、構造確認の手段も特に限定されず、通常公知の有
機化合物の分析手段が使用可能である。具体的には、赤
外線吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクトル、質量
スペクトル等の手段により、二重結合、エステル基及び
ニトロ基の存在を容易に確認することができる。また、
種々の公知若しくは市販の液体クロマトグラフ、ガスク
ロマトグラフ等を用いることにより、生成物の収率及び
純度を決定することが可能である。更に、図3に示す合
成は、エステル基の加水分解によりカルボン酸とする反
応を含む(図3(b))。かかるエステル(通常はメチル
若しくはエチルエステルである)の加水分解の反応方法
について特に制限はなく、通常公知の方法(Greene等、
“Protective Group in Organic Synthesis”2nd ed.、
p224-251.、John Wiley & Sons(1991))を好ましく使用
可能である。具体的には酸性条件若しくはアルカリ条件
下での反応が可能である。かかる加水分解の反応条件に
ついて特に制限はなく、通常公知の条件で反応を行うこ
とができる。かかる文献等を参照して好ましい反応条件
を選択し最適化することは当業者にとっては容易であ
る。ここで得られる酸誘導体は二重結合に対してシス体
及びトランス体のいずれでもよく、またそれらの混合物
であってもよい。また、構造確認の手段も特に限定され
ず、通常公知の有機化合物の分析手段が使用可能であ
る。具体的には、赤外線吸収スペクトル(IR)、核磁気共
鳴スペクトル、質量スペクトル等の手段により、二重結
合、カルボン酸及びニトロ基の存在を容易に確認するこ
とができる。また、種々の公知若しくは市販の液体クロ
マトグラフ、ガスクロマトグラフ等を用いることによ
り、生成物の収率、純度を決定することが可能である。
更に、図3に示す合成は、得られた酸誘導体と、N-ヒド
ロキシスクシンイミド(及びそのスルフォン酸基を有す
る誘導体を含む)との脱水縮合により、N-スクシンイミ
ジルシンナメートを生成する反応を含む(図3(c))。
かかる脱水縮合の反応方法について特に制限はなく、通
常公知の方法(Anderson等、J.Am.Chem.Soc.、85、3039
(1963))を好ましく使用可能である。好ましくは、極
性非水溶媒中(例えば、ジメチルホルムアミド(DM
F)、1、4-ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、
ジクロロメタンが挙げられる)で種々の脱水剤を用いる
ものである。脱水剤としては、具体的にはジシクロヘキ
シルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチル
アミノプロピル)-カルボジイミド(EDC)、1-エチル-3
-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩
(EDC-HCl)が挙げられる。かかる脱水縮合の反応条件
については特に制限はなく、通常公知の条件で反応を行
うことができる。かかる文献等を参照して好ましい反応
条件を選択し最適化することは当業者にとっては容易で
ある。ここで得られるN-スクシンイミジルエステル基
を導入した酸誘導体は二重結合に対してシス体及びトラ
ンス体のいずれでもよく、またそれらの混合物であって
もよい。また、構造確認の手段も特に限定されず、通常
公知の有機化合物の分析手段が使用可能である。具体的
には、赤外線吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクト
ル、質量スペクトル等の手段により、二重結合、N-ス
クシンイミジルエステル基及びニトロ基の存在を容易に
確認することができる。また、種々の公知若しくは市販
の液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ等を用いる
ことにより、生成物の収率及び純度を決定することが可
能である。更に、図3に示す合成は、 N-スクシンイミ
ジルシンナメート誘導体の芳香環に置換したニトロ基を
アミノ基に還元し、最終生成物とする反応を含む(図3
(d))。ここで、ニトロ基をアミノ基へ還元する方法に
特に制限はなく、通常公知の種々の方法(Articoa等、S
ynthesis Comm.,22(10),1433-1439(1992); Sato等、H
eterocycles、33(2)、589-595(1992); Mack等、J.Org.C
hem.、58、6158-6162(1993); Martin等、Helvetica C
hemica Acta、17、111-120(1994))が好ましく使用可
能である。具体的には、酸性条件下での種々の金属によ
る還元反応が挙げられる。より具体的には、酢酸酸性条
件で鉄(鉄粉末を含む)を用いる方法が挙げられる。か
かる酢酸/鉄還元反応の反応条件については特に制限は
なく、通常公知の条件で反応を行うことができる。かか
る文献等を参照して好ましい反応条件を選択し最適化す
ることは当業者にとっては容易である。ここで得られる
アミノ誘導体は最終生成物であり、本発明にかかるケー
ジド化合物調製用試薬となる。前記アミノ誘導体は二重
結合に対してトランス体である。上記の還元反応により
シス体が同様に生成するが、図2に示す光反応と同様の
メカニズムにより容易に窒素置換クマリン誘導体(カル
ボスチリル誘導体)を形成するからである。構造確認の
手段も特に限定されず、通常公知の有機化合物の分析手
段が使用可能である。具体的には、赤外線吸収スペクト
ル(IR)、核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトル等の手
段により、トランス二重結合、N-スクシンイミジルエ
ステル基及び芳香族アミノ基の存在を容易に確認するこ
とができる。また、種々の公知若しくは市販の液体クロ
マトグラフ、ガスクロマトグラフ等を用いることによ
り、生成物の収率、純度を決定することが可能である。
更に、図3に示す合成ルートには、発明にかかるケージ
ド化合物調製用試薬として芳香族アルキルアミノ基を有
するものを得る場合の、芳香族アミノ基のアルキル化反
応を含む(図3(e))。かかるアミノ基のアルキル化の
反応方法には特に制限はなく、通常公知の種々の方法
(Anderson等、Synthesis、1974、665; Tsuji等、Che
m.Pharm.Bull.、45(6)、987-995(1997); PADMANABH
AN等、Synth. Commun.、1997、27(4)、691-699; ZHAO
等、Synth Commun.、1997、27(12)、2103-2110; RAMR
AO等、 Synth. Commun.21(1991)10-11、1129-1135)
が好ましく使用可能である。具体的には、アルキルハロ
ゲン化物、アルキルスルホネート、アルキルトシレート
等との反応が挙げられる。より具体的にはヨウ化アルキ
ルを用いる方法が挙げられる。かかるアルキル化の反応
条件については特に制限はなく、通常公知の条件で反応
を行うことができる。かかる文献等を参照して好ましい
反応条件を選択し最適化することは当業者にとっては容
易である。ここで得られるアルキルアミノ誘導体の構造
確認の手段も特に限定されず、通常公知の有機化合物の
分析手段が使用可能である。具体的には、赤外線吸収ス
ペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトル
等の手段により、トランス二重結合、N-スクシンイミ
ジルエステル基及び芳香族アルキルアミノ基の存在を容
易に確認することができる。また、種々の公知若しくは
市販の液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ等を用
いることにより、生成物の収率及び純度を決定すること
が可能である。図4に示す、p-ニトロフェニルアミノシ
ンナメート構造を基本構造とする化合物の合成は、好ま
しい置換基を有する2−ニトロベンズアルデヒド誘導体
(フェニルケトン誘導体を含む)と好ましい置換基を導
入するためのWittig(ウイティッヒ)試薬(Wadsworth
Emmons試薬を含む)との反応によるシンナメート骨格を
形成するステップを含む(図4(a))。必要な出発物質
である2−ニトロベンズアルデヒド誘導体(フェニルケ
トン誘導体を含む)、及びWittig(ウイティッヒ)試薬
は、市販品を使用することが可能であり、また、従来公
知の有機合成方法により合成することも可能である。Wi
ttig反応の反応条件について特に制限はなく、通常公知
の条件を使用可能である。ここで、得られるシンナメー
ト誘導体は二重結合に対してシス体及びトランス体のい
ずれでもよく、またそれらの混合物であってもよい。ま
た、構造確認の手段も特に限定されず、通常公知の有機
化合物の分析手段が使用可能である。具体的には、赤外
線吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクトル、質量
スペクトル等の手段により、二重結合、エステル基及び
ニトロ基の存在を確認することができる。また、種々の
公知の若しくは市販の液体クロマトグラフ、ガスクロマ
トグラフ等を用いることにより、生成物の収率及び純度
を決定することが可能である。更に、図4に示す合成
は、芳香族ニトロ基をアミノ基に還元する反応を含む
(図4(b))。ここで、前記ニトロ基をアミノ基へ還
元する方法に特に制限はなく、先に図3の説明時に挙げ
た通常公知の種々の方法が好ましく使用可能である。具
体的には、酢酸酸性条件下での金属による還元反応が挙
げられ、より具体的には酢酸条件での鉄(鉄粉末を含
む)を用いる方法が挙げられる。かかる酢酸/鉄還元反
応の条件については特に制限はなく、通常公知の条件で
反応を行うことができる。かかる文献を参照して好まし
い反応条件を選択し最適化することは当業者にとって容
易である。ここで得られるアミノ誘導体は、二重結合に
対してトランス体である。上記の還元反応によりシス体
が同様に生成するが、図2に示す光反応と同様なメカニ
ズムにより容易に窒素置換クマリン誘導体(カルボスチ
リル誘導体)を形成するからである。構造確認の手段も
特に限定されず、通常公知の有機化合物の分析手段が使
用可能である。具体的には、赤外線吸収スペクトル(I
R)、核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトル等の手段
により、トランス二重結合、エステル基及び芳香族アミ
ノ基の存在を確認することができる。また、種々の公知
の若しくは市販の液体クロマトグラフ、ガスクロマトグ
ラフ等を用いることにより、生成物の収率及び純度を決
定することが可能である。更に、図4に示す合成は、エ
ステル基の加水分解によりカルボン酸とする反応を含む
(図4(c))。かかるエステル(通常はメチル若しくは
エチルエステルである)の加水分解の反応方法について
特に制限はなく、通常公知の方法を好ましく使用可能で
ある。具体的には酸性条件若しくはアルカリ条件下での
反応が可能である。かかる加水分解の反応条件について
は特に制限はなく、通常公知の条件で反応を行うことが
できる。かかる文献を参照して好ましい反応条件を選択
し最適化することは当業者にとって容易である。構造確
認の手段も特に限定されず、通常公知の有機化合物の分
析手段が使用可能である。具体的には、赤外線吸収スペ
クトル(IR)、核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトル
等の手段により、トランス二重結合、カルボン酸及び芳
香族アミノ基の存在を確認することができる。また、種
々の公知の若しくは市販の液体クロマトグラフ、ガスク
ロマトグラフ等を用いることにより、生成物の収率及び
純度を決定することが可能である。更に、図4に示す合
成は、前記カルボン酸誘導体とp-ニトロフェノールとの
脱水縮合によりp-ニトロフェニルアミノシンナメート
とする反応を含む(図4(d))。かかる脱水縮合の反応
条件についても特に制限はなく、通常公知の方法(BILL
INGTON等、Tetrahedron 47 (1991)28、5231-5236、;
HUANG等、J.Org.Chem.,56 (1991) 21、6007-6018;P
FEIFFER等、J.Org.Chem., 58(1993) , 735-740;CABA
RET等、 Synthesis 1994)5、480-482.)を好ましく使
用可能である。具体的には、極性非水溶媒中(例えば、
ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1、4−
ジオキサン、ジクロロメタンなどが挙げられる)で種々
の脱水剤を用いるものである。脱水剤としては、具体的
には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エ
チル-3−(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミ
ド(EDC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)
-カルボジイミド塩酸塩(EDC-HCl)が挙げられる。かか
る脱水縮合の反応条件について特に制限はなく、通常公
知の条件を使用することが可能である。かかる文献を参
照して好ましい反応条件を選択し最適化することは当業
者にとって容易である。構造確認の手段も特に限定され
ず、通常公知の有機化合物の分析手段が使用可能であ
る。具体的には、赤外線吸収スペクトル(IR)、核磁気
共鳴スペクトル、質量スペクトル等の手段により、トラ
ンス二重結合、エステル基、芳香族アミノ基及び芳香族
ニトロ基の存在を確認することができる。また、種々の
公知の若しくは市販の液体クロマトグラフ、ガスクロマ
トグラフ等を用いることにより、生成物の収率、純度を
決定することが可能である。上述のように、図3及び図
4に示す合成ルートにより本発明のケージド化合物調製
用試薬を得ることが可能であり、これを用いて目的とす
るケージド化合物を高収率かつ高選択的に得ることがで
きるが、更に、前記ケージド化合物調製用試薬の芳香族
アミノ基に下記式2
【化29】 [ここで、R6は炭素数1から4までのアルキル基、フ
ェニル基及び炭素数1から4までのアルキルシリル基か
らなる群より選ばれる一種を表し、nは0から2までの
整数を表す。]で表される基を保護基として導入するこ
とによって、副反応を抑制し目的のケージド化合物をよ
り高収率かつ高選択的に得ることができる。前記保護基
のアミノ基への導入方法の一例を図5に示すが、本発明
のケージド化合物調製用試薬の合成方法はこれにより何
ら限定されるものではない。図5に示す合成ルートは、
前記中間体として得られたアミノ誘導体の芳香族アミノ
基に前記式2で表される保護基を導入する反応を含む
(図5(a))。前記保護基を導入する反応方法に特に制
限はなく、通常公知の方法が好ましく使用可能である。
具体的には、アルキルシリルアルコキシカルボニル ク
ロリドやベンジルカルボキシ クロリドとの反応が挙げ
られる。前記保護基の導入の反応条件について特に制限
はなく、通常公知の条件を用いて反応を行うことができ
る(Greene等、“Protective Group in Organic Synthe
sis”2nd ed.、p315-345.、JohnWiley & Sons(199
1))。かかる文献等を参照して、好ましい反応条件を選
択し最適化することは当業者にとって容易である。ここ
で得られる保護基を導入したアミノ誘導体の構造確認の
手段も特に限定されず、通常公知の有機化合物の分析手
段が使用可能である。具体的には、赤外線吸収スペクト
ル(IR)、核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトル等の手
段により、二重結合、エステル基及び芳香族アミノ基の
存在を容易に確認することができる。また、種々の公知
若しくは市販の液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラ
フ等を用いることにより、生成物の収率及び純度を決定
することが可能である。図5に示す合成ルートには、前
記保護基を導入したアミノ誘導体とN-スクシンイミド若
しくはp-ニトロフェノールとの脱水縮合により、本発明
にかかるケージド化合物調製用試薬を得る反応を含む
(図5(b))。前記脱水縮合の反応方法及び反応条件に
ついて特に制限はなく、通常公知の方法及び条件が使用
可能である。具体的には、それぞれ図3(c)及び図4(d)の
反応の場合と同様の方法及び条件が挙げられる。また、
得られた化合物の構造確認の手段も特に限定されず、通
常公知の有機化合物の分析手段が使用可能である。具体
的には、図3(c)及び図4(d)の反応により得られた化合物
の構造確認と同様の分析手段が挙げられる。芳香族アミ
ノ基に前記式2で表される保護基を導入した本発明のケ
ージド化合物調製用試薬は、ケージド化の目的物質が2
級アミノ基(−NHR基)を有するアミノ酸である場合
に特に有効である。なお、前記式2で表される保護基の
脱離は、目的物質とのカップリング(ケージド化)反応
の後処理工程において容易に行うことができる。具体的
には、トリメチルシリルエチルオキシカルボニル基の場
合には、トリフルオロ酢酸(TFA)を用いて容易に脱
離可能である。ケージド化合物調製用試薬の反応 前記ケージド化合物調製用試薬は、N-スクシンイミドエ
ステル基又はp-ニトロフェニル基のような活性エステル
基を有することから、アミノ基等の官能基を有する種々
の化合物と温和な条件で容易に反応させることができる
(図1(a)、(b))。この反応において、水、有機溶媒、
若しくはこれらの混合溶媒を反応溶媒として用いること
ができる。更に、反応温度としては、約0℃から約100℃
の範囲で速やかに反応する。また、前記ケージド化合物
調製用試薬の反応に必要な濃度は特に制限はないが、ケ
ージド化の目的物質に対して等量若しくはそれ以上使用
することも可能である。ケージド化の目的物質が複数の
官能基を有する場合、本発明のケージド化合物調製用試
薬の濃度を調整することにより、複数の官能基のケージ
ド化が可能となる。前記官能基を有する化合物が複数の
相違する官能基(例えばアミノ基とカルボン酸基)を有
する場合、本発明のケージド化合物調製用試薬と前記官
能基との反応性の差に基づき、特定の官能基にのみケー
ジド化することも可能となる。図6及び図7に本発明に
かかるケージド化合物調製用試薬の種々の応用反応例を
示した。以下本発明を実施例に従い更に詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるもの
ではない。
【実施例】以下の合成例は、(E) 3−(2−アミノ−
4、5−ジメトキシフェニル)−2−メチル−2−プロペン
酸 N−スクシンイミジルエステル、(E) 3−(2−ア
ミノ−ベンゾ[d]フェニル)−2−メチル−2−プロペン
酸 N−スクシンイミジルエステル、(E) 3−(2−ア
ミノ−4、5−ジメトキシフェニル)−2−メチル−2−プ
ロペン酸 p−ニトロフェニルエステル、(E) 3-(2-ア
ミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸 p-ニトロフェ
ニルエステル、 (E) 3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-
2-メチル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニルエステル及
び(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシリルエトキ
シカルボニル)アミノフェニル]-2-メチル-2-プロペン酸
N-ヒドロキシスクシンイミジドエステルの場合につい
て詳細に記載したが、種々の官能基を導入した、2−ニ
トロベンズアルデヒド誘導体(フェニルケトン誘導体を
含む)、及びWittig(ウイティッヒ)試薬(Wadsworth-
Emmons試薬を含む)を用いることにより、本発明にかか
るすべてのケージド化合物調製用試薬を合成することが
可能である。3−(4、5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メ
チル−2−プロペン酸 エチルエステルの合成 6−ニトロベラトラルアルデヒド 10g(50.0 mmol)(6−
Nitroveratlaldehyde、アルドリッチ社製)と、Wittig
試薬(Carboethoxy ethylidene triphenylphosphoran
e、 アルドリッチ社製 )18.1 g(50.0 mmole)とを、
ベンゼン中、室温で18時間撹拌して反応させた。この際
反応は暗室にて行った。反応終了後、減圧でベンゼンを
除き、白色結晶を得た。これを酢酸エチルから再結晶し
て目的化合物が28.5g 得られた(収率76%)。本化合物
の構造は、赤外吸収スペクトル(IR)、1H-NMR、13C-NM
R及びTOF−MSにより確認した。ここで、赤外吸収スペク
トルは、日本電子(株)社製JIR-WINSPEC50、1H-NMR、
13C-NMRは日本電子(株)社製JNM-LA300、TOF−MSは島
津製作所(株)製KOMPACT MALDI IVを用いた(以下同
じ)。 IR:1700cm-1(エステル) TOF−MS:296(M/C)1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.93 (1H、s、プ
ロペン酸3位プロトン)、7.74(1H、s、芳香環3’位プ
ロトン)、6.72(1H、s、芳香環6’位プロトン)、 4.2
9(2H、q、J=7 Hz、エチル基のメチレン基プロトン)、
3.99 ppm (3H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、
3.96(3H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、1.92
(3H、s、プロペン2位のメチル基プロトン)、1.36(3
H、t、J=7 Hz、エチル基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):167.9(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、153.1(四級炭素、芳香環
5’位炭素)、148.7(四級炭素、芳香環4’位炭素)、1
45.1(四級炭素、 プロペン2位炭素)、143.4(四級炭
素、芳香環2’位炭素)、136.5(CH、プロペン3位炭
素)、126.6(四級炭素、芳香環1’位炭素)、112.3(C
H、芳香環6’位炭素)、107.9(CH、芳香環3’位炭
素)、61.9(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、56.5
(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、56.5(CH3、メト
キシ基のメチル基炭素)、14.3(CH3、エチル基のメチ
ル基炭素)、14.1(CH3、プロペン2位のメチル基炭
素)。3-(4、5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸(3-(4、5-Dimethoxy-2-nitrophenyl)-2-m
ethyl-2-propenoic acid)の合成 上記得られた、3-(4、5-ジメトキシ-2-ニトロフェニ
ル)-2-メチル-2-プロペン酸エチルエステル(1)11.3
g をメタノール 250mlに溶解し、これに2規定水酸化ナ
トリウム水溶液45mlを加えて40℃にて4時間反応させ
た。反応終了後、1規定塩酸を用いて系内をpH 4 に調整
して冷却し、析出した結晶を濾別して目的の化合物10.1
gを得た(収率99%)。本化合物の構造は、赤外吸収スペ
クトル(IR)、1H-NMR、13C-NMR及びTOF-MSにより確認
した。 IR:1685cm-1(カルボキシル基) TOF-MS:268(M/C)1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm);12.60(1
H、bs、カルボキシル基プロトン)、7.77(1H、s、プロ
ペン3位プロトン)、7.72(1H、s、芳香環3’位プロト
ン)、6.97(1H、s、芳香環6’位プロトン)、3.91(3
H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、3.90(3H、
s、メトキシ基のメチル基プロトン)、1.84 (3H、s、
プロペン2位のメチル基プロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド,δppm); 168.7(四
級炭素、1位カルボキシル基炭素)、152.8(四級炭素、
芳香環5’位炭素)、148.2(四級炭素、芳香環4’位炭
素)、139.8(四級炭素、芳香環2’位炭素)、135.5(C
H、プロペン3位炭素)、129.4(四級炭素、プロペン2位
炭素)、125.7(四級炭素、芳香環1’位炭素)、112.7
(CH、芳香環6’位炭素)、107.7(CH、芳香環3’位炭
素)、56.4(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、56.0
(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、13.8(CH3、プロ
ペン2位のメチル基炭素)。3-(4、5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 N-スクシンイミジルエステル(3)( 3-
(4、5-Dimethoxy-2-nitrophenyl)-2-methyl-2-propen
oic acid N-succinimide ester)の合成 3-(4、5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸(2)7.0 g(26.2 mmol)と N-ヒドロキシス
クシンイミド 3.5 g(30.0mmol)(和光純薬製)をジク
ロロメタン100 mlに溶解し、これにジメチルアミノピリ
ジン500 mg(和光純薬社製)を加え、氷冷撹拌下1-エチ
ル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩
酸塩(EDC-HCl)6.3 g(33.0 mmol)(和光純薬社製)
を分割投入した。この液温を室温に戻して2時間撹拌を
行った。反応の終点を薄層クロマトグラフ(TLC)によ
って確認した後、反応液を減圧で濃縮し、酢酸エチル10
0mlに転溶した。酢酸エチル層を洗浄後、乾燥し溶媒を
留去して 目的物8.3 g の油状物を得た(収率81 %)。
本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):8.29(1
H、s、プロペン3位プロトン)、7.78(1H、s、芳香環
3’位プロトン)、7.14(1H、s、芳香環6’位プロト
ン)、3.94(3H、s、メトキシ基のメチルプロトン)、
3.92(3H、s、メトキシ基のメチルプロトン)、2.87(4
H、s、スクシンイミジル基のメチレンプロトン)、2.01
(3H、s、プロペン2位のメチル基プロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):170.4(四
級炭素、スクシンイミジル基のカルボニル炭素)、162.
9(四級炭素、1位カルボニル基炭素)、153.1(四級炭
素、芳香環5’位炭素)、149.0(四級炭素、芳香環4’
位炭素)、141.3(CH、プロペン3位炭素)、139.8(四
級炭素、芳香環2’位炭素)、124.3(四級炭素、 プロ
ペン2位炭素)、123.7(四級炭素、 芳香環1’位炭
素)、113.0(CH、芳香環6’位炭素)、107.7(CH、芳
香環3’位炭素)、56.6(CH3、メトキシ基のメチル基炭
素)、56.0(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、25.5
(CH2、スクシンイミジル基3”位と4”位のメチレン基
炭素)、13.8(CH3、プロペン2位のメチル基炭素)。(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 N-スクシンイミド エステル(4)
(3-(2-Amino-4、5-Dimethoxyphenyl)-2-methyl-2-pr
openoic acid N-succinimide ester)の合成 3-(4、5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 N-スクシンイミジルエステル(3)8.3 g
(22.8 mmol)を酢酸 70 mlと水 5mlとの混合溶媒に溶
解し、鉄粉 5.0g(Iron powder、 89.5 mmol)を加えて
70℃に加熱した。2時間の反応後、不溶物を濾過し、反
応液を水 500 ml へ投入した。生じた結晶を濾別し、水
洗、乾燥して目的化合物を結晶で 6.2 g 得た(収率81
%)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認
した。1 H-NMR (重ジメチルスルホキシド、δppm):7.82(1
H、s、プロペン3位プロトン)、6.81 (1H、s、芳香環
6’位プロトン)、6.44(1H、s、芳香環3’位プロト
ン)、5.20 (2H、bs、アニリン性アミノ基プロト
ン)、3.73(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.67(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、2.85(4H、s、スクシンイミジル基のメチレン基
プロトン)、2.16(3H、s、プロペン2位メチル基プロト
ン)13 C-NMR(DMSO-d6、δppm):170.4(四級炭素、 スク
シンイミジル基カルボニル炭素)、163.8(四級炭素、1
位カルボニル炭素)、152.0(四級炭素、芳香環4’位炭
素)、144.5(四級炭素、芳香環2’位炭素)、140.1(C
H、プロペン3位炭素)、140.0(四級炭素、芳香環5’位
炭素)、118.2(四級炭素、プロペン2位炭素)、113.9
(CH、芳香環6’位炭素)、109.5(四級炭素、芳香環
1’位炭素)、99.8(CH、芳香環3’位炭素)、56.3(CH
3、メトキシ基のメチル基炭素)、55.1(CH3、メトキシ
基のメチル基炭素)、25.4(CH2、スクシンイミジル基
3”位と4”位メチレン基炭素)、14.3(CH3、プロペン2
位のメチル基炭素)。(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 フェニルエチルアミド ((E) 3-
(2-amino-4、5-dimethoxyphenyl)-2-methyl-2-propen
ic acid phenethyl amide の合成 上記得られた(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフ
ェニル)-2-メチル-2-プロペン酸 N-スクシンイミドエ
ステル 0.33g(1 mmol)と、2-フェニルエチルアミン
0.24g(2 mmol)(東京化成(株)社製)とをテトラヒ
ドロフラン20ml溶解し、室温にて4時間反応させた。
反応後の溶液を減圧下濃縮したものを酢酸エチルに転溶
した。この溶液を洗浄し、更に無水硫酸マグネシウムで
乾燥した後、溶媒を減圧で除去して得られた粗生成物を
アミノプロピル修飾タイプシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー[n-ヘキサン:酢酸エチル=1:1]にて精製し、
目的化合物0.34gを得た(収率定量的)。本化合物の構
造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR (重クロロホルム、 δppm):7.35 - 7.30(2
H、m、フェネチル芳香環2”と6”位プロトン)、7.26
- 7.21(4H、m、プロペン3位プロトンとフェネチル芳
香環3”、4”、5”位プロトン)、6.60(1H、s、シン
ナメート芳香環6’位プロトン)、6.29(1H、s、シン
ナメート芳香環3’位プロトン)、5.93(1H、bs、アミ
ド基のアミノプロトン)、3.84(3H、s、メトキシ基の
メチル基プロトン)、3.78(3H、s、メトキシ基のメチ
ル基プロトン)、3.64 ppm(2H、dt、J=7 Hz、フェネチ
ルのメチレン基プロトン)、3.54 ppm(2H、s、アミノ
基プロトン)、2.90 ppm(2H、t、J=7 Hz、フェネチル
のメチレン基プロトン)、1.96 ppm(3H、s、ペンテン
2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム δppm):169.1(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、150.2(四級炭素、シンナ
メート芳香環4’位炭素)、141.6(四級炭素、シンナ
メート芳香環2’位炭素)、139.2(四級炭素、 シンナ
メート芳香環5’位炭素)、139.0(四級炭素、フェネ
チル芳香環1”位炭素)、131.7(四級炭素、プロペン
2位炭素)、130.3(CH、プロペン3位炭素)、128.8
(CH、フェネチル芳香環2”と6”位炭素)、128.7(C
H、フェネチル芳香環3”と5”位炭素)、126.7(CH、
フェネチル芳香環4”位炭素)、113.7(CH、シンナメ
ート芳香環6’位炭素)、112.8(四級炭素、シンナメ
ート芳香環1’位炭素)、100.4(CH、シンナメート芳
香環3’位炭素)、 56.7(CH3、メトキシ基のメチル基
炭素)、55.8(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、41.
0(CH2、フェネチルのメチレン基炭素)、35.7(CH2
フェネチルのメチレン基炭素)、14.3(CH3、 プロペン
2位結合のメチル基炭素)。(E) N-L-グルタミン酸 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキ
シフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸アミド((E) N-
L-glutamic acid 3-(2-amino-4、5-dimethoxypheny
l)-2-methyl-2-propenoic amide)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 N-スクシンイミドエステル 0.5g
(1.5 mmol)をジメチルホルムアミド40mlに溶解し、
これにL-グルタミン酸2.3g(10 mmol)の0.5規定炭酸
水素ナトリウム水溶液80mlに溶解した水溶液を加え、
室温にて4時間反応させた。反応液に2規定塩酸を加え、
pH4に調整した後、これをそのまま減圧濃縮し、一旦水
30 ml に溶解して残存する塩酸を除くための凍結乾燥を
行った。得られた凍結乾燥物 をクロロホルム-メタノ
ール・トリフルオロ酢酸100:10:0.01 〜40:10:0.01 を
移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り精製し、これを凍結乾燥して0.35 g を得た(収率:6
3%)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認
した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):8.44(1
H、d、J=7.5 Hz、アミド基プロトン)、7.34(1H、s、
プロペン酸3位プロトン)、7.24(1H、s、芳香環3’位
プロトン)、6.94(1H、s、芳香環6’位プロトン)、4.
36(1H、ddd、J=9.3Hz、7.7Hz、5.5Hz、グルタミン酸部
α位メチン基プロトン)、4.10(2H、bs アミノ基プロ
トン)、3.82(6H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、2.47(2H、dd、J=7.5Hz、7.5Hz、グルタミン酸部
ガンマ位メチレン基プロトン)、2.07(2H、m、グルタ
ミン酸部β位メチレン基プロトン)、1.97(3H、s、プ
ロペン2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド、 δppm):169.3、
169.1、169.0(四級炭素、グルタミン酸部カルボニル炭
素と1位カルボニル炭素)、148.6(四級炭素、芳香環
4’位炭素)、147.8(四級炭素、芳香環2’位炭素)、1
35.1(四級炭素、芳香環5’位炭素)、126.9(CH、プロ
ペン3位炭素)、122.6(四級炭素、 芳香環1’位炭
素)、112.8(CH、芳香環6’位炭素)、107.6(CH、芳
香環3’位炭素)、55.8(CH3、メトキシ基のメチル基炭
素)、55.7(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、51.7
(CH、グルタミン酸部α位メチン基炭素)、30.3(C
H2、グルタミン酸部ガンマ位メチレン基炭素)、26.0
(CH2、グルタミン酸部β位メチレン基炭素)、14.5(C
H3、プロペン2位結合のメチル基炭素)。(E) N-(o-ジ-t-ブチルオキシ)-L-グルタミン酸 3-
(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メチル-2-プ
ロペン酸アミド ((E) N-(o-Di-t-butyloxy-L-glut
amic acid 3-(2-amino-4、5-dimethoxyphenyl)-2-met
hyl-2-propenoicamide)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 N-スクシンイミドエステル0.33g
(1.0 mmol)とグルタミン酸 ジ t-ブチルエステル塩酸
塩0.89g(3.0 mmol)(シグマ社製)とをテトラヒドロ
フラン200mlに溶解し、室温にて4時間反応させた。反
応液から溶媒を減圧除去したものを酢酸エチルに転溶
し、この溶液を洗浄し、更に無水硫酸ナトリウム上で乾
燥した後、濃縮して粗生成物を得た。これをカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル(アミノプロピル修飾タイ
プ)Fuji silysia chem.co.、NH-DM1020 1000 g 、溶離
液ヘキサン/酢酸エチル 1:1)により精製し、目的物
0.32gを得た(収率:65%)。本化合物の構造は1H-NMR及
13C-NMRにより確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.34(1H、s、プロ
ペン酸3位プロトン)、6.75(1H、d、J=7.3Hz、アミド
基プロトン)、6.63(1H、s、芳香環6’位プロトン)、
6.30(1H、s、芳香環3’位プロトン)、4.59(1H、dt、
J=7.3Hz、4.6Hz、グルタミン酸部α位メチン基プロト
ン)、3.85(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.80(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.59(2H、bs アミノ基プロトン)、2.39(2H、
m、グルタミン酸部ガンマ位メチレン基プロトン)、2.2
5(2H、m、グルタミン酸部β位メチレン基プロトン)、
2.05(3H、s、プロペン2位のメチル基プロトン)、1.50
(9H、s、ブチル基のメチル基プロトン)、1.45(9H、
s、ブチル基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):172.6(四級炭
素、グルタミン酸部カルボニル炭素)、171.2(グルタ
ミン酸部カルボニル炭素)、168.7(四級炭素、1位カル
ボニル炭素)、150.4(四級炭素、芳香環4’位炭素)、
141.6(四級炭素、芳香環2’位炭素)、139.2(四級炭
素、 芳香環5’位炭素)、131.1(CH、プロペン3位炭
素)、131.1(四級炭素、プロペン2位炭素)、113.6(C
H、芳香環6’位炭素)、112.8(四級炭素、芳香環1’位
炭素)、100.3(CH、芳香環3’位炭素)、82.4(四級炭
素、ブチル基炭素)、80.8(四級炭素、ブチル基炭
素)、56.7(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、55.8
(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、52.8(CH、グル
タミン酸部α位メチン基炭素)、31.7(CH2、グルタミ
ン酸部ガンマ位メチレン基炭素)、28.1(CH3、ブチル
基のメチル基炭素)、27.5(CH2、グルタミン酸部β位
メチレン基炭素)、14.2(CH3、プロペン2位のメチル基
炭素)。3-ニトロ-2-ナフトアルデヒドの合成 3-ニトロ-2-ナフトアルデヒドの合成は文献に記載の方
法に準じて行った(Kienzle、Frank、Helv.Chim.Acta、
63(8)、2364 - 2369(1980);Wani、MansukhC、Ronm
an、Peter E、Lindley、James T. Wall、Monroe E.、J.
Med. Chem.1980、23、554 - 560)。得られた化合物の
構造解析は1H-NMR及び13C-NMRにて行った。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):10.52(1H、s、ホ
ルミル基プロトン)、8.68(1H、s、4位プロトン)、8.
47(1H、s、1位プロトン)、8.12-8.05(2H、m、5位と8
位プロトン )、7.82-7.76(2H、m、6位と7位プロト
ン)13 C-NMR (重クロロホルム、δppm):188.2(CH、ホル
ミル基炭素)、159.4(四級炭素、2位炭素)、145.9
(四級炭素、3位炭素)、134.2(四級炭素、4a位炭
素)、133.7(四級炭素、8a位炭素)、132.1(CH、1位
炭素)、130.6(CH、6位又は7位炭素)、130.5(CH、6
位又は7位炭素)、129.8(CH、5位又は8位炭素)、129.
6(CH、5位又は8位炭素)、126.0(CH、4位炭素)。3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロペ
ン酸 エチルエステル(3-(2-Nitro-benzo[d]phenyl)-
2-methyl-2-propenoic acid ethyl ester)の合成 3-ニトロ-2-ナフトアルデヒド9.3g (46mmol)とWittig試
薬(Carbethoxy ethylidene triphenylphosphorane )1
7.6 g (48.5mmol)(アルドリッチ社製)とをベンゼン 2
00 ml に加え、常温で一夜間攪拌した。TLCにより反応
の終了を確認した後、反応液を濃縮して粗生成物を得
た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(アミノ
フ゜ロピル修飾シリカゲル(Fuji silysia chem.co.,NH-D
M),展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製
し、目的化合物を結晶で13.0g 得た(収率:96%)。本
化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにて確認した。1 H-NMR (重クロロホルム , δppm):8.70 (1H, s, 芳香
環3’位プロトン), 8.03-8.00 (2H, m, 芳香環4’位と
7’位プロトン), 7.80 (1H, s, プロペン3位プロト
ン), 7.78 (1H, s, 芳香環8’位プロトン), 7.74-7.63
(2H, m, 芳香環5’位と6’位プロトン), 4.32 (2H, q,
J=7 Hz, エチル基のメチレン基プロトン),3.89 (2H, b
s, NH2), 2.00 (3H, s, プロペン2位結合メチル基のプ
ロトン), 1.37 (3H, t, J=7 Hz, エチル基のメチル基プ
ロトン)13 C-NMR (重クロロホルム , δppm):167.8 (四級炭素,
1位カルボニル炭素), 145.8 (四級炭素,芳香環2’位炭
素), 135.7 (CH, プロペン3位炭素),134.6 (四級炭素,
芳香環7a’位炭素), 131.4 (四級炭素, 芳香環3a’位炭
素), 131.0 (CH,芳香環8’位炭素), 130.0 (四級炭素,
芳香環1’位炭素), 129.9 (CH, 芳香環5’位又は6’位
炭素), 129.4 (CH, 芳香環5’位又は6’位炭素), 128.3
(CH, 芳香環4’位又は7’位炭素), 127.9 (CH, 芳香環
4’位又は7’位炭素), 127.7 (四級炭素,プロペン2位炭
素 ), 125.8 (CH, 芳香環3’位炭素), 61.1 (CH2, エ
チル基のメチレン基炭素), 14.3 (CH3, エチル基のメチ
ル基炭素), 14.0 (CH3, プロペン2位結合メチル基の炭
素)。3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロペ
ン酸 (3-(2-Nitro-benzo[d]phenyl)-2-methyl-2-p
ropenoic acid )の合成 3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロペン
酸 エチルエステル5.48 g (19 mmol)をメタノール 130
ml に溶解させ、これに2規定水酸化ナトリウム水溶液 2
3 ml を加えて40℃にて一夜間撹拌を行った。TLCにより
反応の終了を確認した後、反応液を減圧濃縮し、これに
1規定塩酸を加えpH 1 にして析出した結晶を濾別した。
得られた結晶を水及び少量のメタノールにて洗浄し、乾
燥して目的化合物を結晶として4.8 g 得た(収率:98
%)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにて確認し
た。1 H-NMR (重ジメチルスルホキシド , δppm):8.90 (1H,
s, 芳香環3’位プロトン), 8.25 -8.12 (2H, m, 芳香
環4’位と7’位プロトン), 8.08 (1H, s, プロペン3位
プロトン), 7.85 (1H, s, 芳香環8’位プロトン), 7.82
-7.71 (2H, m,芳香環5’位と6’位プロトン), 1.93 (3
H, s, プロペン2位結合メチル基のプロトン)13 H-NMR (重ジメチルスルホキシド , δppm):168.6
(四級炭素,1位カルボニル炭素), 145.6 (四級炭素,芳香
環2’位炭素), 134.9 (CH, プロペン3位炭素),134.2
(四級炭素,芳香環7a’位炭素), 131.0 (CH, 四級炭素,
芳香環8’位炭素), 130.9 (四級炭素, 芳香環3a’位炭
素), 130.0 (CH, 芳香環5’位又は6’位炭素),129.9
(四級炭素,芳香環1’位炭素), 129.4 (CH, 芳香環5’位
又は6’位炭素),128.3 (CH, 芳香環4’位又は7’位炭
素), 128.0 (CH, 芳香環4’位又は7’位炭素), 126.8
(四級炭素,プロペン2位炭素), 125.6 (CH, 芳香環3’
位炭素), 13.7 (CH3, プロペン2位結合メチル基の炭
素)。3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロペ
ン酸 N-ヒドロキシスクシンイミド エステル ((E)
3-(2-Nitro-benzo[d]phenyl)-2-methyl-2-propenoic
acid N-hydroxysuccinimide ester)の合成 3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロペン
酸7.8 g (19 mmol) とN-ヒドロキシスクシンイミド 3.2
8 g (28.5mmol)(和光純薬製)をジクロロメタン 90 ml
に溶解し、これにジメチルアミノピリジン230 mg (和
光純薬社製)を加え、氷冷撹拌下1-エチル-3-(3-ジメチ
ルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC-HCl)
5.46 g (28.5 mmol) (和光純薬社製)を分割投入し
た。この液温を室温に戻して一夜間撹拌を行った。この
反応液を減圧で濃縮し、酢酸エチル100ml に転溶した。
酢酸エチル層の洗浄、乾燥及び溶媒除去を行い、得られ
た粗生成物をカラムクロマトグラフィー(アミノプロピ
ル修飾シリカゲル(Fuji silysia chem.co.,NH-DM),展
開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製して目
的化合物を結晶で6.7g 得た(収率:98%)。本化合物の
構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR (重メチルスルホキシド , δppm):9.00 (1H,
s, 芳香環3'位プロトン),8.30-8.14(2H, m, 芳香環4'と
7'位プロトン),8.24 (1H, s, プロペン3位プロトンと
芳香環8’位プロトン), 7.86-7.75 (2H, m, 芳香環5’
位と6’位プロトン), 2.89 (4H, s, スクシンイミジル
基のメチレン基プロトン), 2.10 (3H, s,プロペン2位結
合のメイル基プロトン)13 H-NMR (重ジメチルスルホキシド , δppm):170.2
(四級炭素, スクシンイミジル基のカルボニル炭素), 16
3.0 (四級炭素,1位カルボニル炭素), 145.0 (四級炭素,
芳香環2’位炭素), 134.2 (CH, プロペン3位炭素), 1
31.4 (CH, 芳香環8’位炭素), 130.4 (CH, 芳香環5’位
又は6’位炭素), 129.7 (CH, 芳香環5’位又は6’位炭
素), 128.8 (CH, 芳香環4’位又は7’位炭素)), 128.2
(CH, 芳香環4’位又は7’位炭素)), 126.1 (CH, 芳香環
3’位炭素), 125.6 (四級炭素, プロペン2位炭素), 2
5.5 (CH2, スクシンイミジル基のメチレン基炭素), 13.
7 (CH3, プロペン2位結合のメチル基炭素)。(E) 3-(2-アミノ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル
((E) 3-(2-Amino-benzo[d]phenyl)-2-methyl-2-pr
openoic acid N-hydroxysuccinimide ester)の合成 3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロペン
酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル6.7 g (19 mm
ol)を酢酸 70 mlと水 5mlとの混合溶媒に溶解し、鉄粉
4.7g(Iron powder, 89.5 mmol)(小宗化学社製)を加
えて70℃に加熱した。1.5時間反応させた後、不溶物を
濾別し、反応液を水300 ml へ投入した。酢酸エチル400
mlにて2回抽出し、酢酸エチル層を水、重曹水、飽和塩
化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、これを無水硫酸ナト
リウム上で乾燥後濃縮して目的化合物4.2 g を得た(収
率66%)。本化合物の構造は1H-NMRにより確認した。1 H-NMR (重ジメチルスルホキシド , δppm):7.94 (1H,
s, プロペン3位プロトン), 7.77 (1H, s, 芳香環8’
位プロトン), 7.73-7.49 (2H, m, 芳香環4’位と7’位
プロトン), 7.36-7.12 (2H, m, 芳香環5’位と6’位プ
ロトン), 7.04 (1H, s, 芳香環3’位プロトン), 3.30
(2H, アミノ基プロトン), 2.87 (4H, s, スクシンイミ
ジル基のメチレンプロトン), 2.18 (3H, s, プロペン2
位結合メチル基プロトン)。4-ジメチルアミノ-2-ニトロベンジルアルデヒド(4-Dime
thylamino-2-nitrobenzaldehyde)の合成 窒素雰囲気下、冷却したジメチルホルムアミド(DMF)88
ml にオキシ塩化リン(Phosphorous oxychloride)51 g
(0.33 mol)(和光純薬社製)を滴下した。滴下時の温
度が2〜4℃を保つように滴下速度を調節し、滴下終了後
更に2℃で30分間撹拌を続けた。これにニトロジメチル
アニリン(N,N-Dimethyl-3-nitroaniline) 54.8 g(0.33
mol)(東京化成工業社製)のジメチルホルムアミド70
ml溶液を、反応温度が5℃を超えないように滴下し、そ
のまま2時間撹拌した。その後、徐々に温度を上げ60℃
で一夜間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、激し
く撹拌した氷水500 ml中に注加した。これに酢酸ナトリ
ウムを加えて約pH8に調製し、析出した結晶を濾別、乾
燥し、粗生成物 50.2 gを得た。これをアセトン-ノルマ
ルヘキサンから再結晶して目的物 21 gを得た(収率33
%)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認
した。1 H-NMR (重クロロホルム, δppm);10.12 (1H, s, ホル
ミル基プロトン),7.91(1H, d, J=9 Hz, 芳香環6'位プ
ロトン),7.10 (1H, s, 芳香環3'位プロトン),6.85 (1
H, d, J=9 Hz, 芳香環5'位プロトン),3.15 (6H, s, ジ
メチルアミノ基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム, δppm);186.7 (CH, ホルミ
ル基),153.6 (四級炭素, 4位炭素),152.7 (四級炭素,
2位炭素),131.4 (CH, 芳香環6'位炭素),117.5(四級
炭素, 1位炭素),114.3 (CH,芳香環 5'位炭素),105.8
(CH, 芳香環3'位炭素),40.4 (CH3,ジメチルアミノ基
メチル基炭素)。(E) エチル 3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェニル)-2
-メチル-2-プロペネート((E) Ethyl 3-(4-dimethylami
no-2-nitrophenyl)-2-methyl-2-propenate)の合成 4-ジメチルアミノ-2-ニトロベンジルアルデヒド(4-Dime
thylamino-2-nitrobenzaldehyde) 20.0 g (0.10 mol)
とカルベエトキシ-エチリデン トリフェニルホスホラ
ン(Carbethoxy ethylidene triphneylphosphorane)
(Aldrich社製)36.2 g (0.10 mol)とをベンゼン(benze
ne) 250 mlに溶解し、室温にて一夜間撹拌した。溶媒を
減圧留去して58 g の粗生成物を得、これをカラムクロ
マトグラフィー(アミノプロピル化シリカゲルFuji sil
ysia chem. Co., NH-DM1020 )で精製して目的化合物を
結晶として20.8 g得た(収率;74.7%)。本化合物の構
造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR (重クロロホルム, δppm);7.81 (1H, s, プロ
ペン酸3位プロトン),7.33 (1H, s, 芳香環3’位プロト
ン),7.23 (1H, d, J=9 Hz, 芳香環6’位プロトン),
6.86 (1H, d, J=9 Hz, 芳香環5’位プロトン),4.27
(2H, q, J = 7Hz,エチル基のメチレン基プロトン),3.0
6 (6H, s,ジメチルアミノ基のメチル基プロトン ),1.9
6 (3H, s, プロペン2位結合のメチル基プロトン),1.34
(3H, t,J=7Hz, エチル基のメチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム, δppm);168.2 (四級炭素,
1位カルボニル炭素),150.2 (四級炭素, 芳香環2’位
炭素),149.1 (四級炭素, 芳香環4’位炭素),135.7
(CH, プロペン酸3位炭素),132.0 (CH, 芳香環6’位炭
素),128.2 (四級炭素, プロペン2位炭素),118.0 (四
級炭素, 芳香環1’位炭素),115.7 (CH, 芳香環5’位
炭素),107.0 (CH, 芳香環3’位炭素),60.8 (CH2, エ
チル基のメチレン基炭素),40.2 (CH3, ジメチルアミノ
基のメチル基炭素),14.3 (CH3, エチル基のメチル基炭
素),14.1 (CH3, プロペン2位結合のメチル基炭素)。(E) 3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェニル)-2-メチル
-2-プロペン酸((E) 3-(4-dimethylamino-2-nitrophen
yl)-2-methyl-2-propenoic acid)の合成 (E) エチル 3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェニル)-2
-メチル-2-プロペネート((E) Ethyl 3-(4-dimethylami
no-2-nitrophenyl)-2-methyl-2-propenate)15.0 g (5
3.9 mmol)をメタノール 150 mlに溶解し、これに水酸化
ナトリウム 3.2g (80 mmol)を加えて45℃にて5.5時間撹
拌した。反応液から溶媒を減圧留去した後、残渣を水10
0 mlに溶解し、これに2規定塩酸を加えて中性に調整し
た。析出した結晶を濾別し、水で十分に洗浄した後乾燥
させて目的化合物を12.1 g 結晶として得た(収率;89.
7 %)。本化合物の構造は1H-NMRにより確認した。1 H-NMR (重クロロホルム, δppm);7.93 (1H, s, プロ
ペン酸3位プロトン),7.33 (1H, d, J=9 Hz, , 芳香環
6’位プロトン),7.24 (1H, d, J=8 Hz, 芳香環5’位プ
ロトン),6.87 (1H, s, 芳香環3’位プロトン),3.05
(6H, s,ジメチルアミノ基のメチル基プロトン ),1.97
(3H, s, プロペン2位結合のメチル基プロトン)。(E) エチル 3-(2-アミノ-4-ジメチルアミノフェニル)-2
-メチル-2-プロペネート((E) Ethyl 3-(2-amino-4-dim
ethylaminophenyl)-2-methyl-2-propenate)の合成 暗室にて、エチル 3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェ
ニル)-2-メチル-2-プロペネート((E) Ethyl 3-(4-dime
thylamino-2-nitrophenyl)-2-methyl-2-propenate)20.
5 g (0.07 mol)、トリエチルアミン(Triethylamine)
(和光純薬社製)33.4 g (0.33 mol) 及び10 % Pd/C 2.
1 g をアセトニトリル(acetonitrile) 200ml に溶解
し、これに蟻酸 (formic acid)(和光純薬社製)13.8 g
(0.30 mol)を室温にて滴下した。滴下と共に反応温度
は上昇し45℃となった。滴下終了後、反応液を60℃に加
熱して1 時間撹拌した。反応の終了をTLCで確認した
後、反応液を室温まで冷却し、不溶物を濾別した。この
濾液を減圧濃縮した後、これを酢酸エチル400 ml に転
溶し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナ
トリウム水溶液の順で洗浄し、更に無水硫酸ナトリウム
により乾燥した後、減圧濃縮して粗生成物17.4 g を得
た。これをノルマルヘキサン-酢酸エチルから再結晶さ
せ、目的化合物4.67 g を得た(収率;27 %)。本化合
物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR (重クロロホルム, δppm);7.60 (1H, s, プロ
ペン酸3位プロトン),7.08 (1H, d, J=9 Hz, , 芳香環
6’位プロトン),6.19 (1H, d, J=8 Hz, 芳香環5’位プ
ロトン),6.01 (1H, s, 芳香環3’位プロトン),4.23
(2H, q, J = 7Hz, エチル基のメチレン基プロトン),3.
74 (2H, bs, アニリン性アミノ基プロトン),2.94 (6
H, s,ジメチルアミノ基のメチル基プロトン ),2.04 (3
H, s, プロペン2位結合のメチル基プロトン),1.31 (3
H, t, J=7Hz, エチル基のメチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム, δppm);169.1 (四級炭素,
1位カルボニル炭素),151.7 (四級炭素, 芳香環2’位
炭素),146.2 (四級炭素, 芳香環4’位炭素),134.7
(CH, プロペン酸3位炭素),130.9 (CH, 芳香環6’位炭
素),125.7 (四級炭素, プロペン2位炭素),110.4 (四
級炭素, 芳香環1’位炭素),103.3 (CH, 芳香環5’位
炭素),98.5 (CH, 芳香環3’位炭素),60.5 (CH2, エ
チル基のメチレン基炭素),40.2 (CH3, ジメチルアミノ
基のメチル基炭素),14.4 (CH3, エチル基のメチル基炭
素),14.4 (CH3, プロペン2位結合のメチル基炭素)。(E) 3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェニル)-2-メチル
-2-プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミド エステル
((E) 3-(4-dimethylamino-2-nitrophenyl)-2-me
thyl-2-propenoic acid N-hydroxysuccinimide ester)
の合成 前記酸誘導体とN-ヒドロキシスクシンイミドとの縮合反
応と同様の手順により、3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロ
フェニル)-2-メチル-2-プロペン酸と N-ヒドロキシスク
シンイミドとの縮合反応を行った。具体的には、3-(4-
ジメチルアミノ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-プロペ
ン酸と N-ヒドロキシスクシンイミド(和光純薬製)を
ジクロロメタンに溶解し、これにジメチルアミノピリジ
ン(和光純薬社製)を加え、氷冷撹拌下1-エチル-3-(3-
ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC-
HCl)(和光純薬社製)を分割投入した。この液温を室
温に戻して一夜間撹拌を行った。この反応液を減圧で濃
縮し、酢酸エチル100ml に転溶した。酢酸エチル層の洗
浄、乾燥及び溶媒除去を行い、得られた粗生成物をカラ
ムクロマトグラフィー(アミノプロピル修飾シリカゲル
(Fuji silysia chem.co.,NH-DM)、展開溶媒:ヘキサン
/酢酸エチル=1/1)にて精製して目的化合物を得た。(E) 3-(2-アミノ-4-ジメチルアミノフェニル)-2-メチ
ル-2-プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミド エステ
ル((E) 3-(2-Amino-4-dimethylaminophenyl)-2-me
thyl-2-propenoic acid N-hydroxysuccinimide ester)
の合成 上述の芳香族ニトロ基のアミノ基への還元反応と同様の
手順により、3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェニル)-
2-メチル-2-プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエ
ステルの芳香族ニトロ基の還元反応を行った。具体的に
は、3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェニル)-2-メチル
-2-プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステルを
酢酸と水との混合溶媒に溶解し、鉄粉(Iron powder)
(小宗化学社製)を加えて70℃に加熱した。反応後、不
溶物を濾別して反応液を水300 ml へ投入した。これを
酢酸エチルにて2回抽出し、得られた溶液を水、重曹
水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、これを無
水硫酸ナトリウム上で乾燥後濃縮して目的化合物を得
た。(E) 3-(4、5-ジメトキシ-2-メチルアミノフェニル)
-2-メチル-2-プロペン酸フェニルエチルアミド ((E)
3-(4、5-Dimethoxy-2-methylaminophenyl)-2-methyl
-2-propenic acid phenethyl amide )の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸フェニルエチルアミド 3.00 g(8.81
mmol )とトリエチルアミン 1.34 ml(9.69 mmol)
(和光純薬社製)との無水エーテル溶液にジメチル硫酸
0.92 ml(9.69 mmol)(和光純薬社製)を室温にてゆっ
くりと滴下した後、34-35℃にて2時間還流を行った。反
応終了後に溶媒を留去し、得られた残渣を酢酸エチルに
転溶した。この酢酸エチル層を水洗した後、硫酸ナトリ
ウムによる乾燥を行った。乾燥後の溶液を減圧下濃縮
し、得られた粗生成物をアミノプロピル修飾タイプシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エ
チル=1:1)にて精製し、目的化合物1.12 g を淡黄色結
晶として得た(収率35.9 %)。本化合物の構造は1H-NMR
及び13C-NMRにより決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.36 - 7.31(2H、
m、フェネチル芳香環2”と6”位プロトン)、7.27 -
7.20(4H、m、プロペン3位プロトン位と フェネチル芳
香環3”、4”、5”位プロトン)、6.65(1H、s、シン
ナメート芳香環6’位プロトン)、6.27(1H、s、シン
ナメート芳香環3’位プロトン)、5.91(1H、bs、アミ
ド基のアミノプロトン)、3.90(3H、s、メトキシ基の
メチル基プロトン)、3.79(3H、s、メトキシ基のメチ
ル基プロトン)、3.64 ppm(2H、dt、J=7 Hz、フェネチ
ルのメチレン基プロトン)、2.90 ppm(2H、t、J=7 H
z、フェネチルのメチレン基プロトン)、2.85 ppm(3
H、s、メチルアミノ基のメチル基プロトン)、1.95 ppm
(3H、s、ペンテン2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):169.1(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、150.6(四級炭素、シンナ
メート芳香環4’位炭素)、142.6(四級炭素、シンナ
メート芳香環2’位)、140.1(四級炭素、シンナメー
ト芳香環5’位)、138.9(四級炭素、フェネチル芳香
環1”位炭素)、131.5(四級炭素、プロペン2位炭
素)、130.3(CH、プロペン3位炭素)、128.8(CH、フ
ェネチル芳香環2”と6”位炭素)、128.7(CH、フェ
ネチル芳香環3”と5”位炭素)、126.5(CH、フェネ
チル芳香環4”位炭素)、114.6(CH、シンナメート芳
香環6’位炭素)、112.4(四級炭素、シンナメート芳
香環1’位炭素)、95.5(CH、シンナメート芳香環3’
位炭素)、 57.1(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、
55.8(CH 3、メトキシ基のメチル基炭素)、41.0(CH2
フェネチルのメチレン基炭素)、35.6(CH2、フェネチ
ルのメチレン基炭素)、31.2(CH3、メチルアミノ基の
メチル基炭素)、14.2(CH3、プロペン2位結合のメチ
ル基炭素)。(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシリルエトキシ
カルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸
((E) 3-[4,5-dimethoxy-2-(trimethylsilylethoxycarb
onyl)aminophenyl]-2-methyl-2-propenoic acid)の合
暗室内にて、(E) エチル 3-(2-アミノ-4,5-ジメトキシ
フェニル)-2-メチル-2-プロペネート12.2 g (46.2 mmo
l)をアセトニトリル120 ml に溶解し、窒素雰囲気下、
氷浴にて冷却しながら、粉砕した炭酸カリウム7.6 g (5
5.4 mmol)を加えた。この混濁液を激しく撹拌しなが
ら、トリメチルシリルエトキシカルボニルクロライド(T
eoc-Cl) 10 g (55.4 mmol)をゆっくりと滴下し、室温に
て一夜間撹拌を行った。この反応液を冷水500 ml に加
えた後、酢酸エチル300 ml で抽出した。この抽出物を
水、炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム
水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥
した後、溶媒を留去して粗生成物13.5 g を得た。これ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ノル
マルヘキサン/酢酸エチル=3/1)により精製し、
(E) エチル 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシリル
エトキシカルボニル)アミノフェニル]-2-メチル-2-プロ
ペネート7.0 gを得た。更に、これをジオキサン 30 ml
に溶解させ、1規定水酸化ナトリウム水溶液 25 ml を
加えて40℃で攪拌した。反応の終了はTLCにて確認し
た。この反応液に蒸留水150 mlを加え、1規定塩酸でpH
3に調整した後、析出した結晶を濾別し、これを乾燥し
て目的化合物 5.6 g を得た(収率:32 %)。本化合物
の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR (重クロロホルム、δppm); 8.81 (1H、bs、
アミド基プロトン)、7.56 (1H、 s、プロペン酸3位プ
ロトン)、 6.97 (1H、 s、芳香環3’位プロトン)、
6.89 (1H、s、芳香環6’位プロトン)、4.12 (2H、
t、J=8 Hz、トリメチルシリルエトキシ基α位メチレン
基プロトン)、3.77 (6H、s、メトキシ基メチル基プロ
トン)、1.94 (3H、 s、プロペン酸2位結合メチル基プ
ロトン)、0.94 (2H、 t、 J=8 Hz、トリメチルシリル
エトキシ基β位メチレン基プロトン)、0.03 (9H、s、
トリメチルシリルエトキシ基メチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム 、δppm); 169.4 (四級炭
素、プロペン酸1位カルボニル基炭素)、154.6 (四級
炭素、トリメチルシリルエトキシカルボニル基カルボニ
ル炭素)、148.7 (四級炭素、芳香環4’位炭素)、14
5.7 (四級炭素、芳香環5’位炭素)、134.9 (CH、プロ
ペン酸3位炭素)、130.3 (四級炭素、芳香環2’位炭
素)、127.8 (四級炭素、プロペン酸2位炭素)、112.3
(CH、芳香環6’位炭素)、62.1 (CH2、トリメチルシ
リルエトキシ基β位メチレン基炭素)、55.7 (CH3、 メ
トキシ基メチル基炭素)、55.5 (CH3、メトキシ基メチ
ル基炭素)、17.3 (CH2、トリメチルシリルエトキシ基
α位メチレン基炭素)、14.0 (CH3、プロペン酸2位結
合メチル基炭素)、-1.5 (CH3、トリメチルシリルエト
キシ基メチル基炭素)。(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシリルエトキシ
カルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸
N-ヒドロキシスクシンイミジドエステル((E) 3-[4,5-d
imethoxy-2-(trimethylsilylethoxycarbonyl)aminophen
yl]-2-methyl-2-propenoic acid N-hydroxysuccinimide
ester)の合成 暗室内にて、(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシ
リルエトキシカルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 9.0 g (23.6 mmol)とN-ヒドロキシスクシン
イミド(和光純薬社製)2.71g(23.6mmol)をジメチル
ホルムアミド120ml に溶解し、氷冷下N,N’-ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(DCC)(和光純薬社製)5.36 g (2
6.0 mmol) を加え、室温にて一夜間撹拌した。反応終了
後、析出したジシクロヘキシル尿素を濾別し、この濾液
から溶媒を減圧留去して粗生成物 18 g を得た。これを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ノルマ
ルヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、目的化合
物 6.98 g を得た(収率:61.8 %)。本化合物の構造
1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR (重クロロホルム、δppm); 7.81 (1H、s、プ
ロペン酸3位プロトン), 7.54 (1H、 s、芳香環3’
位プロトン)、6.73 (1H、s、芳香環6’位プロト
ン)、4.23 (2H、t、J=7 Hz、トリメチルシリルエトキ
シ基α位メチレン基プロトン)、3.90 (3H、s、メトキ
シ基メチル基プロトン)、3.83 (3H、s、メトキシ基メ
チル基プロトン)、2.87 (4H、 s、スクシンイミジル基
メチレン基プロトン)、2.09 (3H、 s、プロペン酸2位
結合メチル基プロトン)、1.04 (2H、t、J=7Hz、トリメ
チルシリルエトキシ基β位メチレン基プロトン)、0.03
(9H、s、トリメチルシリルエトキシ基メチル基プロト
ン)13 C-NMR (重クロロホルム 、δppm); 169.4 (四級炭
素、プロペン酸1位カルボニル基炭素)、163.1 (四級
炭素、スクシンイミジル基カルボニル炭素)、154.0
(四級炭素、トリメチルシリルエトキシカルボニル基カ
ルボニル炭素)、150.5 (四級炭素、芳香環4’位炭
素)、145.1 (四級炭素、芳香環5’位炭素)、139.3
(CH、プロペン酸3位炭素)、130.6 (四級炭素、芳香環
2’位炭素)、125.0 (四級炭素、プロペン酸2位炭
素)、117.0 (四級炭素、芳香環1’位炭素)、111.0
(CH、芳香環6’位炭素)、105.6 (CH、芳香環3’位炭
素)、63.8 (CH2、トリメチルシリルエトキシ基β位メ
チレン基炭素)、56.2 (CH3、メトキシ基メチル基炭
素)、56.0 (CH3、メトキシ基メチル基炭素)、25.6 (C
H2、スクシンイミジル基メチレン基炭素)、17.7 (C
H2、トリメチルシリルエトキシ基α位メチレン基炭
素)、14.4 (CH3、プロペン酸2位結合メチル基炭
素)、-1.5 (CH3、トリメチルシリルエトキシ基メチル
基炭素)。(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシリルエトキシ
カルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸
N-ヒドロキシスクシンイミジドエステルとL-グルタミン
酸との反応による (E) N-L-グルタミン酸 3-(2-アミ
ノ-4,5-ジメトシキフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸ア
ミド ジ-ナトリウム塩((E) N-L-Glutamic acid 3-(2
-amino-4,5-dimethoxyphenyl)-2-methyl-2-pepenoic am
ide di -sodium salt) の合成 暗室内にて、(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシ
リルエトキシカルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミジドエステルの
2mMジメチルホルムアミド溶液5mlにL-グルタミン酸(和
光純薬社製)の2.4mM pH 9.5 緩衝液(40 mM 炭酸リチ
ウム-塩酸緩衝液)溶液 5mlを加えて撹拌した。高速液
体クロマトグラフィー(移動相;0.05 % トリフルオロ
酢酸 アセトニトリル/ 水= 10/90〜60/40
(20分間)、反応物;13.5 分、カップリング生成物
8.1 分)を用いて、反応が3時間で完結したこと及び
(E) N-L-グルタミミン酸 3-[2-アミノ-4,5-ジメトシキ
-2-(トリメチルシリルエトキシカルボニル]アミノフェ
ニル)-2-メチル-2-プロペン酸アミドのみが生成したこ
とを確認した。この溶液を減圧下濃縮したものをジクロ
ロメタン4.5mlに溶解し、これにトリフルオロ酢酸1ml
を加えて30℃にて24時間撹拌した。この反応液を高速液
体クロマトグラフィー(移動相;0.05 % トリフルオロ
酢酸 アセトニトリル/水= 10/90〜60/40(2
0分間),脱保護反応生成物6.0 分)を用いて分離
分析し、脱保護反応が終了したこと及び(E) N-L-グルタ
ミン酸 3-(2-アミノ-4,5-ジメトシキフェニル)-2-メチ
ル-2-プロペン酸アミドのみが生成したことを確認した
(反応は定量的)。(E) N-L-グルタミン酸 3-[2-アミ
ノ-4,5-ジメトシキ-2-(トリメチルシリルエトキシカル
ボニル]アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸アミド
の構造は、1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR (重水、δppm);7.18 (1H、 s、プロペン酸3位
メチン基プロトン)、7.07 (1H、 s、芳香環3’位プロ
トン)、7.00 (1H、 s、芳香環6’位プロトン)、4.24
(3H、m、グルタミン酸部α位メチン基プロトン、トリメ
チルシリルエトキシカルボニル基のα位メチレン基プロ
トン)、3.86 (6H、s、メトキシ基メチル基プロトン)、
2.27 (2H、dd、J= 9 Hz、8 Hz、グルタミン酸部γ位メ
チレン基プロトン)、2.16 〜 2.09 (2H、m、グルタミン
酸部β位メチレン基プロトン)、1.93(3H、s、プロペン
酸2位結合メチル基プロトン )、0.99 (2H、t、J=7 H
z、トリメチルシリルエトキシカルボニル基のβ位メチ
レン基プロトン)、0.03 (9H、s、トリメチルシリル基の
メチル基プロトン)13 C-NMR (重水、δppm);183.0 (四級炭素、グルタミ
ン酸部カルボニル炭素)、179.4 (四級炭素、グルタミ
ン酸部カルボニル炭素)、172.2 (四級炭素、プロペン
酸部1位カルボニル炭素)、158.3 (四級炭素、トリメチ
ルシリルエトキシカルボニル基のカルボニル炭素)、14
9.0 (四級炭素、芳香環4’位炭素)、146.2(四級炭
素、芳香環5’位炭素)、131.8 (CH、プロペン酸3位メ
チン基炭素)、129.2 (四級炭素、芳香環2’位炭
素)、126.9 (四級炭素、プロペン酸部2位炭素)、114.
7 (四級炭素、芳香環1’位炭素)、113.3 (CH、芳香環
6’位炭素)、103.0 (CH、芳香環3’位炭素)、65.5 (C
H2、トリメチルシリルエトキシカルボニル基のβ位メチ
レン基炭素)、56.7 (CH、グルタミン酸部α位メチン基
炭素)、56.6 (CH3、メトキシ基メチル基炭素)、35.1
(CH2、グルタミン酸部γ位メチレン基炭素)、29.4 (CH
2、 グルタミン酸部β位メチレン基炭素)、17.7 (C
H2、トリメチルシリルエトキシカルボニル基のα位メチ
レン基炭素)、14.2 (CH 3、プロペン酸部2位結合メチル
基炭素)、-1.5 (CH3、トリメチルシリル基のメチル基
炭素)。(E) N-L-グルタミン酸 3-(2-アミノ-4,5-ジメ
トシキフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸アミド ジ-ナ
トリウム塩の構造は、1H-NMR及び13C-NMRにより確認し
た。1 H-NMR (重ジメチルスルホキシド、δppm);8.44 (1H、
bs、アミド基プロトン)、7.34(1H、s、プロペン酸3位
メチン基プロトン)、7.24 (1H、s、芳香環3’位プロト
ン)、6.94 (1H、s、芳香環6’位プロトン)、4.36 (1
H、dd、J=9 Hz、J=8Hz、グルタミン酸部α位メチン基プ
ロトン)、4.10 (2H、 bs、アミノ基プロトン)、3.82
(6H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、2.47 (2H、
t、J= 8 Hz、グルタミン酸部γ位メチン基プロトン)、
2.07 (2H、m、グルタミン酸部β位メチン基プロトン)、
1.97 (3H、s、プロペン酸2位結合メチル基プロトン )13 C-NMR (重ジメチルスルホキシド、δppm);169.3、16
9.1、169.0 (四級炭素、グルタミン酸部カルボニル炭
素とプロペン酸部1位カルボニル炭素)、148.6 (四級炭
素、芳香環4’位炭素)、147.8 (四級炭素、芳香環2’
位炭素)、135.1(四級炭素、芳香環5’位炭素)、126.9
(CH、プロペン酸3位メチン基炭素)、122.6 (四級炭
素、芳香環1’位炭素)、117.4 (四級炭素、芳香環1’
位炭素)、112.8 (CH、芳香環6’位炭素)、107.6 (C
H、芳香環3’位炭素)、55.8 (CH3、メトキシ基メチル
基炭素)、55.7 (CH3、メトキシ基メチル基炭素)、51.7
(CH、グルタミン酸部α位メチン基炭素)、30.3 (CH2
グルタミン部γ位メチレン基炭素)、26.0 (CH2、グル
タミン酸部β位メチレン基炭素)、14.5 (CH3、プロペ
ン酸部2位結合メチル基炭素)。(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシリルエトキシ
カルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸
N-ヒドロキシスクシンイミジドエステルとN-Methyl-D-a
sparatic acidとの反応による (E) N-(N-メチル)-D-ア
スパラギン酸 3-(2-アミノ-4,5-ジメトシキフェニル)-
2-メチル-2-プロペン酸アミド((E) N-(N-Methyl)-D-as
paratic acid 3-(2-amino-4,5-dimethoxyphenyl)-2-met
hyl-2-pepenoic amide)の合成 暗室内にて、(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシ
リルエトキシカルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミジドエステルの
2mMジメチルホルムアミド溶液5mlにN-Methyl-D-asparat
ic acid(和光純薬社製)の2.4mM pH 9.5 緩衝液(40 m
M 炭酸リチウム-塩酸緩衝液)溶液 5mlを加えて撹拌し
た。この反応の経過を高速液体クロマトグラフィー(移
動相;0.05 % トリフルオロ酢酸 アセトニトリル/ 水=
10/90〜60/40(20分間),反応物;13.5
分,カップリング生成物10.1 分)を用いて観測し、反
応が5時間で終了したこと及び(E) N-(N-メチル)-L-アス
パラギン酸 3-[2-アミノ-4,5-ジメトシキ-2-(トリメチ
ルシリルエトキシカルボニル)アミノフェニル]-2-メチ
ル-2-プロペン酸アミドのみが生成生成したことを確認
した。反応後の溶液を減圧下濃縮してジクロロメタン4.
5mlに溶解させたものに、トリフルオロ酢酸1mlを加え
て30℃にて24時間撹拌した。この反応の経過を高速液体
クロマトグラフィー(移動相;0.05 % トリフルオロ酢
酸 アセトニトリル/ 水= 10/90〜60/40(2
0分間),脱保護反応生成物8.7 分)を用いて観測し、
脱保護反応が終了したこと及び (E) N-(N-メチル)-D-ア
スパラギン酸 3-(2-アミノ-4,5-ジメトシキフェニル)-
2-メチル-2-プロペン酸アミドのみが生成したことを確
認した(反応は定量的)。(E) N-(N-メチル)-D-アスパ
ラギン酸 3-(2-アミノ-4,5-ジメトシキフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸アミドの構造は,1H-NMR及び13C-NMR
により確認した。1 H-NMR (重水, δppm);6.85 (1H, s, 芳香環6’位プ
ロトン),6.61 (1H, s,芳香環3’位プロトン),6.48(1
H, s, プロペン酸3位メチン基プロトン),5.02 (1H, d
d, J=9 Hz, J=6Hz, アルパラギン酸部α位メチン基プロ
トン),3.83 (3H, s, メトキシ基メチル基プロトン) ,
3.81 (3H, s, メトキシ基メチル基プロトン),3.20 〜
2.79 (2H, m, アルパラギン酸部β位メチレン基プロト
ン),2.90 (3H, s,アスパラギン酸部窒素結合メチル基
プロトン), 1.96 (3H, s, プロペン酸2位結合メチル
基プロトン)13 C-NMR (重水, δppm);177.2 (四級炭素, アルパラギ
ン酸部カルボニル炭素),176.3 (四級炭素, アルパラ
ギン酸部カルボニル炭素),174.7(四級炭素,プロペン
酸1位カルボニル炭素),149.8 (四級炭素, 芳香環4'位
炭素),141.9 (四級炭素, 芳香環2'位炭素),139.4 (四
級炭素,芳香環5'位炭素),134.2 (四級炭素, プロペン
酸2位炭素),126.9 (CH, プロペン酸3位メチン基炭
素),114.9 (四級炭素, 芳香環1'位炭素),114.6 (CH,
芳香環6'位炭素),102.5 (CH, 芳香環3'位炭素),6
2.1 (CH, アルパラギン酸部α位メチン基炭素), 57.4
(CH3, メトキシ基メチル基炭素),56.4 (CH3, メトキシ
基メチル基炭素),36.0 (CH2, アルパラギン酸部β位メ
チレン基炭素),30.3 (CH3, アスパラギン酸部窒素結合
メチル基炭素),15.8 (CH3, プロペン酸2位結合メチル
基炭素)。(E) 3-[4-ジメチルアミノ-2-(tert-ブチルオキシカル
ボニル)アミノ-フェニル]-2-メチル-2-プロペン酸 N-
ヒドロキシスクシンイミジドエステル((E) 3-[4-dim
ethylamino-2-(tert-butyloxicaronyl)]-2-methyl-2-pr
openoic acid N-hydroxysuccinimide ester)の合成 暗室内にて、(E) エチル 3-(2-アミノ-4-ジメチルアミ
ノフェニル)-2-メチル-2-プロペネート((E) Ethyl 3-
(2-amino-4-dimethylaminophenyl)-2-methyl-2-propena
te)1.4 g(5.65 mmol)を乾燥テトラヒドロフラン 14
mlに溶解し、これにジ-tert-ブチルジカルボネート(国
産化学社製)1.4 g(6.21 mmol)を加えて一夜間還流し
た。反応終了後反応液を減圧下濃縮し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(アミノプロピル化シリカゲルFu
ji silysia chem. Co., NH-DM1020,溶出溶媒;酢酸エ
チル/ノルマルヘキサン=2/1)にて精製して (E)
エチル 3-[4-ジメチルアミノ-2-(tert-ブチルオキシカ
ルボニル)アミノ-フェニル]-2-メチル-2-プロペネート
を1.5 g 得た。これをジオキサン19 ml に溶解し、2規
定水酸化ナトリウム水溶液 8.2 ml を加えて40℃にて一
夜間攪拌した。反応液からメチル-tert-ブチルエーテル
にて抽出を行い、水層を2規定塩酸により約pH1に調整
し、析出した結晶を濾取し、水洗後減圧乾燥して(E)3-
[4-ジメチルアミノ-2-(tert-ブチルオキシカルボニ
ル)アミノ-フェニル]-2-メチル-2-プロペン酸を1.0 g
得た。次にこれを乾燥ジメチルホルムアミド13 mlに溶
解し、これに氷冷下ヒドロキシスクシンイミド(和光純
薬社製)361 mg (3.44 mmol)とN,N’-ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(DCC)(和光純薬社製)708m g (3.44
mmol)とを加えて室温にて一夜間撹拌した。反応終了
後、析出したジシクロヘキシル尿素を濾腹し、溶媒を減
圧留去して粗生成物を得た。これをイソプロピルエーテ
ルからの再結晶により精製して、目的化合物を1.0 g 得
た(収率:43 %)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-N
MRにより確認した。1 H-NMR(重クロロホルム, δppm);7.84 (1H, s, プロペ
ン酸部3位プロトン),7.34(1H, bs, アミド基プロト
ン),7.20 (1H, d, J=9 Hz, アミノシンナモイル部芳
香環6’位プロトン),6.45 (1H, d, J= 9 Hz, アミノ
シンナモイル部芳香環5’位プロトン),6.43 (1H, s,
アミノシンナモイル部芳香環3’位プロトン),3.03 (6
H, s, ジメチルアミノ基のメチル基プロトンNMe2),2.8
8 (4H, s, スクシンイミド基メチレン基プロトン),2.1
6 (3H, s, プロペン2位結合のメチル基プロトン).1.5
2 (9H, s, ブチルオキシカルボニル基のメチル基プロト
ン)13 C-NMR(重クロロホルム, δ ppm);169.6 (四級炭素,
スクシンイミド基カルボニル炭素),163.7 (四級炭素,
プロペン1位カルボニル炭素),152.7 (四級炭素, ブチ
ルオキシカルボニル基カルボニル炭素),151.9 (四級炭
素, アミノシンナモイル部芳香環4’位炭素),139.7
(CH, プロペン酸3位炭素),138.5 (四級炭素, アミノシ
ンナモイル部芳香環2’位炭素),130.9(CH, アミノシ
ンナモイル部芳香環6’位炭素), 121.1(四級炭素, プ
ロペン酸2位炭素),112.7(四級炭素, アミノシンナモ
イル部芳香環1’位炭素),107.0 (CH, アミノシンナモ
イル部芳香環5’位炭素),103.9(CH, アミノシンナモ
イル部芳香環3’位炭素),80.8(四級炭素 , ブチルオ
キシカルボニル基中心炭素),40.1 (CH3, ジメチルア
ミノ基のメチル基炭素),28.3 (CH3, ブチルオキシカル
ボニル基のメチル基炭素),25.6 (CH2, スクシンイミド
基メチレン基炭素),14.5 (CH3, プロペン2位結合のメ
チル基炭素)。(E) 3-[4-ジメチルアミノ-2-(トリメチルシリルエトキ
シカルボニル)アミノ-フェニル]-2-メチル-2-プロペン
酸 N-ヒドロキシスクシンイミジドエステル ((E) 3-
[4-dimethylamino-2-(trimethylsilylethoxycarbonyl)a
mino-phenyl]-2-methyl-2-propenic acid N-hydroxysuc
cinimide ester)の合成 暗室内にて、(E) エチル 3-(2-アミノ-4-ジメチルアミ
ノフェニル)-2-メチル-2-プロペネート((E) Ethyl 3-
(2-amino-4-dimethylaminophenyl)-2-methyl-2-propena
te)500m g (2.02 mmol)を乾燥メチレンクロライドに
溶解し、これにトリメチルシリルエトキシカルボニル-
スクシンイミジルエステル553m g(2.22 mmol)を加え
て室温にて48時間反応させた。その後反応液を減圧下濃
縮して酢酸エチルに転溶し、この有機層を水、飽和塩化
ナトリウム水溶液にて順次洗浄した。得られた粗生成物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アミノプロピ
ル化シリカゲルFuji silysia chem. Co., NH-DM1020 ,
溶出溶媒;酢酸エチル/ノルマルヘキサン=1/1)に
て精製して (E) エチル 3-[4-ジメチルアミノ-2-(トリ
メチルシリルエトキシカルボニル)アミノ-フェニル]-2
-メチル-2-プロペネートを105m g 得た。これをテトラ
ヒドロフラン5 ml に溶解し、1規定水酸化ナトリウム
水溶液 5 ml を加え、40℃にて2時間攪拌した。反応
液を減圧下濃縮し、固相抽出充填剤ダイヤイオン HP-21
(三菱化学社製)を用いたカラムにアプライし、水で溶
出することで脱塩を行った後、10%メタノール水溶液に
て溶出した。この溶出物を凍結乾燥することにより(E)3
-[4-ジメチルアミノ-2-(トリメチルシリルエトキシカ
ルボニル)アミノ-フェニル]-2-メチル-2-プロペン酸ナ
トリウム塩を90m g 得た。次にこれを乾燥ジメチルホル
ムアミド5mlに溶解し、氷冷下、ヒドロキシスクシンイ
ミド(和光純薬社製)31mg 、N,N’-ジシクロヘキシル
カルボジイミド(DCC)(和光純薬社製)65m g (0.3 mmo
l)、及びジメチルアミノピリジン(和光純薬社製)触媒
量を加え、室温にて一夜間撹拌した。反応終了後、析出
したジシクロヘキシル尿素を濾別し、濾液から溶媒を減
圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(アミノプロピル化シリカゲルFuji s
ilysia chem. Co., NH-DM1020 ,溶出溶媒;酢酸エチル
/ノルマルヘキサン=1/2)にて精製して、目的物を
32m g 得た(収率;3.4 %)。本化合物の構造は1H-NMR
及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR(重クロロホルム, δppm);7.82 (1H, s, プロペ
ン酸部3位プロトン),7.19 (1H, d, J= 8 Hz, アミノシ
ンナモイル部芳香環6’位プロトン),6.46 (1H,d, J=
8 Hz, アミノシンナモイル部芳香環5’位プロトン),
6.41 (1H, s, アミノシンナモイル部芳香環3’位プロ
トン),4.10 (2H, t, J=7 Hz, トリメチルシリルエト
キシ基α位メチレン基プロトン),3.01 (6H, s, ジメ
チルアミノ基のメチル基プロトンNMe2),2.86 (4H, s,
スクシンイミド基メチレン基プロトン),2.10 (3H, s,
プロペン2位結合のメチル基プロトン),1.04 (2H, t,
J=7Hz, トリメチルシリルエトキシ基β位メチレン基プ
ロトン), 0.03 (9H, s, トリメチルシリルエトキシ基
メチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム, δ ppm);169.4 (四級炭素,
スクシンイミド基カルボニル炭素),169.3 (四級炭素,
プロペン1位カルボニル炭素),152.6 (四級炭素, トリ
メチルシリルエトキシカルボニル基カルボニル炭素),1
51.9(四級炭素,アミノシンナモイル部芳香環4’位炭
素),139.8 (CH, プロペン酸3位炭素),138.4 (四級炭
素, アミノシンナモイル部芳香環2’位炭素),131.0
(CH, アミノシンナモイル部芳香環6’位炭素),121.0
(四級炭素, プロペン酸2位炭素),112.4(四級炭素,
アミノシンナモイル部芳香環1’位炭素),107.3 (CH,
アミノシンナモイル部芳香環5’位炭素),103.9(CH,
アミノシンナモイル部芳香環3’位炭素),63.8 (CH2,
トリメチルシリルエトキシ基β位メチレン基炭素),4
0.1 (CH3, ジメチルアミノ基のメチル基炭素),25.6 (C
H2, スクシンイミジル基メチレン基炭素),17.6 (CH2,
トリメチルシリルエトキシ基α位メチレン基炭素),1
4.5 (CH3, プロペン酸2位結合メチル基炭素),-1.5
(CH3, トリメチルシリルエトキシ基メチル基炭素)。3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸エチルエステル(3-(2-Amino-4、5-dimetho
xyphenyl)-2-methyl-2-propenic acid ethyl ester)
の合成 3-(4、5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸エチルエステル19.0 gを氷酢酸250ml に溶解
し、これに鉄粉 15.0 gとイオン交換水20mlとを加え、4
0分間加熱環流を行った。反応液を濾過し、その濾液を
減圧濃縮して得られた残渣を酢酸エチルに溶解して、
水、5%重曹水及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次
洗浄した。この酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウム上
で一晩放置し乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去し、そ
の残渣をヘキサン/エタノール混合液から再結晶して目
的の化合物12.5 gを得た(収率78 %)。本化合物の構造
1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.57(1H、s、プロ
ペン酸3位プロトン)、6.68(1H、s、芳香環6’位プロ
トン)、6.29(1H、s、芳香環3’位プロトン)、4.25
(2H、q、J=7 Hz、エチル基のメチレン基プロトン)、
3.84(3H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、3.79
(3H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、3.57(2
H、bs、アミノ基プロトン)、2.03(3H、s、プロペン2
位のメチル基プロトン)、1.33(3H、t、J=7 Hz、エチ
ル基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):168.6(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、150.6(四級炭素、芳香環
4’位炭素)、141.6(四級炭素、芳香環2’位炭素)、1
39.6(四級炭素、芳香環5’位炭素)、134.6(CH、プロ
ペン3位炭素)、128.2(四級炭素、プロペン2位炭
素)、113.5(CH、芳香環6’位炭素)、112.7(四級炭
素、芳香環1’位炭素)、100.3(CH、芳香環3’位炭
素)、60.8(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、56.7
(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、55.8(CH3、メト
キシ基のメチル基炭素)、14.4(CH3、エチル基のメチ
ル基炭素)、14.3(CH3、プロペン2位のメチル基炭
素)。(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸((E) 3-(2-amino-4、5-dimethox
yphenyl)-2-methyl-2-propenoic acid)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸エチルエステル1.0gをテトラヒドロ
フラン(THF) 10mlに溶解し、これに1規定水酸化ナト
リウム水溶液10mlを加えて40℃にて4時間反応させた。
反応終了後、1規定塩酸10mlを加えて冷却し、析出した
結晶を濾別して、目的の化合物が0.85g得られた(95
%)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認し
た。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):7.51(1H、
s、プロペン酸3位プロトン)、6.70(1H、s、芳香環6'位
プロトン)、6.42(1H、s、芳香環3'位プロトン)、3.72
(3H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、3.65(3H、
s、メトキシ基のメチル基プロトン)、3.36(2H、bs、ア
ミノ基プロトン)、1.98(3H、s、プロペン2位のメチル
基プロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):169.7
(四級炭素、1位カルボニル炭素)、150.7(四級炭素、
芳香環4'位炭素)、142.6(四級炭素、芳香環2'位炭
素)、139.8(四級炭素、芳香環5'位炭素)、134.7(C
H、プロペン3位炭素)、125.2(四級炭素、プロペン2位
炭素)、114.3(CH、芳香環6'位炭素)、111.0(四級炭
素、芳香環1'炭素)、100.1(CH、芳香環3'炭素)、60.
8(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、56.5(CH3、メ
トキシ基のメチル基炭素)、55.1(CH3、メトキシ基の
メチル基炭素)、14.4(CH3、エチル基のメチル基炭
素)、14.3(CH3、プロペン2位のメチル基炭素)。(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニルエステル((E)
3-(2-Amino-4、5-dimethoxyphenyl)-2-methyl-2-prop
enic acid p-nitrophenyl ester )の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 0.82 g (3.5 mmol)と p-ニトロフ
ェノール 0.97g(7 mmol)(和光純薬社製)とをジクロ
ロメタン20 mlに溶解し、これにジメチルアミノピリジ
ン 40 mg(和光純薬社製)を加え、氷冷撹拌下、1-エチ
ル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩
酸塩(EDC/HCl)0.81g(4.2 mmol)(和光純薬社製)を
分割投入した。これを室温に戻した後、20時間撹拌を行
った。反応の終点をTLCによって確認した後、反応液を
減圧濃縮して得られた残渣を酢酸エチル100ml に転溶し
た。この溶液を洗浄した後、乾燥及び溶媒留去を行いあ
め状の粗生成物を得た。これを、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて
精製し、目的の化合物を0.15 g 黄色結晶として得た
(収率12%)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):8.31(2H、d、J=9
Hz、p-ニトロフェニルオキシ基2”位と6”位プロト
ン)、7.88(1H、s、プロペン3位プロトン)、7.36(2
H、d、J=9 Hz、p-ニトロフェニルオキシ基3”位と5”位
プロトン)、6.79(1H、s、シンナミル芳香環6’位プロ
トン)、6.33(1H、s、シンナミル芳香環3’位プロト
ン)、3.88(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.84(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.68(2H、bs、アミノ基プロトン)、2.20(3H、
s、プロペン2位メチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):166.2(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、156.1(四級炭素、p-ニトロ
フェニルオキシ基1”位炭素)、151.5(四級炭素、シン
ナミル芳香環4’位炭素)、145.2(四級炭素、p-ニトロ
フェニルオキシ基4”位炭素)、141.9(四級炭素、シン
ナミル芳香環2’位炭素)、140.3(四級炭素、シンナミ
ル芳香環5’位炭素)、137.7(CH、プロペン3位炭
素)、125.6(四級炭素、プロペン2位炭素)、125.2(C
H、p-ニトロフェニルオキシ基3”位と5”位炭素)、12
2.6(CH、p-ニトロフェニルオキシ基2”位と6”位炭
素)、113.4(CH、シンナミル芳香環6’位炭素)、112.
0(quaternary、シンナミル芳香環1’位炭素)、100.4
(CH、シンナミル芳香環3’位炭素)、56.7(CH3、メト
キシ基のメチル基炭素)、55.8(CH3、メトキシ基のメ
チル基炭素)、14.5(CH3、プロペン2位結合メチル基炭
素)。(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 フェニルエチルアミド ((E) 3-
(2-amino-4、5-dimethoxyphenyl)-2-methyl-2-propen
ic acid phenethyl amide の合成 上記得られた(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェ
ニル)-2-メチル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニルエス
テル0.72g(2.0 mmol)と、2-フェニルエチルアミン 0.
48g(4.0 mmol)(東京化成(株)社製)とをジメチル
ホルムアミド30mlに溶解し、室温にて一夜間反応させ
た。反応液を減圧濃縮して得られた残渣を酢酸エチルに
転溶した。この溶液を洗浄し、更に無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、溶媒を減圧除去して得られた粗生成物
をアミノプロピル修飾タイプシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製
し目的化合物0.68gを得た(収率定量的)。本化合物の
構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.35 - 7.30(2H、
m、フェネチル芳香環2”と6”位プロトン)、7.26 -
7.21(4H、m、プロペン3位プロトン位とフェネチル芳
香環3”、4”、5”位プロトン)、6.60(1H、s、シン
ナメート芳香環6’位プロトン)、6.29(1H、s、シン
ナメート芳香環3’位プロトン)、5.93(1H、bs、アミ
ド基のアミノプロトン)、3.84(3H、s、メトキシ基の
メチル基プロトン)、3.78(3H、s、メトキシ基のメチ
ル基プロトン)、3.64 ppm(2H、dt、J=7 Hz、フェネチ
ルのメチレン基プロトン)、3.54 ppm(2H、s、アミノ
基プロトン)、2.90 ppm(2H、t、J=7 Hz、フェネチル
のメチレン基プロトン)、1.96 ppm(3H、s、プロペン
2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム δppm):169.1(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、150.2(四級炭素、シンナ
メート芳香環4’位炭素)、141.6(四級炭素、シンナ
メート芳香環2’位炭素)、139.2(四級炭素、 シンナ
メート芳香環5’位炭素)、139.0(四級炭素、フェネ
チル芳香環1”位炭素)、131.7(四級炭素、プロペン
2位炭素)、130.3(CH、プロペン3位炭素)、128.8
(CH、フェネチル芳香環2”と6”位炭素)、128.7(C
H、フェネチル芳香環3”と5”位炭素)、126.7(CH、
フェネチル芳香環4”位炭素)、113.7(CH、シンナメ
ート芳香環6’位炭素)、112.8(四級炭素、シンナメ
ート芳香環1’位炭素)、100.4(CH、シンナメート芳
香環3’位炭素)、56.7(CH3、メトキシ基のメチル基
炭素)、55.8(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、41.
0(CH2、フェネチルのメチレン基炭素)、35.7(CH2
フェネチルのメチレン基炭素)、14.3(CH3、プロペン
2位結合のメチル基炭素)。(E) N-L-グルタミン酸 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキ
シフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸アミド((E) N-
L-glutamic acid 3-(2-amino-4、5-dimethoxypheny
l)-2-methyl-2-propenoic amide)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニルエステル0.72g
(2.0 mmol)をテトラヒドロフラン80mlに溶解し、こ
れにL-グルタミン酸2.3g(10 mmol)を0.5規定炭酸水
素ナトリウム水溶液160mlに溶解した水溶液を加え
て、室温にて一夜間反応させた。反応液に2規定塩酸を
加えてpH4に調整し、そのまま減圧濃縮した。この残渣
を一旦水 30 ml に溶解し、残存する塩酸を除くための
凍結乾燥を行った。得られた凍結乾燥物 をクロロホル
ム-メタノール・トリフルオロ酢酸100:10:0.01 〜40:1
0:0.01 を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製し、これを凍結乾燥して0.74 g を得
た(収率定量的)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NM
Rにより確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):8.44(1
H、d、J=7.5 Hz、アミド基プロトン)、7.34(1H、s、
プロペン酸3位プロト)、7.24(1H、s、芳香環3’位プ
ロトン)、6.94(1H、s、芳香環6’位プロトン)、4.36
(1H、ddd、J=9.3Hz、7.7Hz、5.5Hz、グルタミン酸部α
位メチン基プロトン)、4.10(2H、bs アミノ基プロト
ン)、3.82(6H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、2.47(2H、 dd、J=7.5Hz、7.5Hz、グルタミン酸
部ガンマ位メチレン基プロトン)、2.07(2H、m、グル
タミン酸部β位メチレン基プロトン)、1.97(3H、s、
プロペン2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):169.3、1
69.1、169.0(四級炭素、グルタミン酸部カルボニル炭
素と1位カルボニル炭素)、148.6(四級炭素、芳香環
4’位炭素)、147.8(四級炭素、芳香環2’位炭素)、1
35.1(四級炭素、芳香環5’位炭素)、126.9(CH、プロ
ペン3位炭素)、122.6(四級炭素、芳香環1’位炭
素)、112.8(CH、芳香環6’位炭素)、107.6(CH、芳
香環3’位炭素)、55.8(CH3、メトキシ基のメチル基炭
素)、55.7(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、51.7
(CH、グルタミン酸部α位メチン基炭素)、30.3(C
H2、グルタミン酸部ガンマ位メチレン基炭素)、26.0
(CH2、グルタミン酸部β位メチレン基炭素)、14.5(C
H3、プロペン2位結合のメチル基炭素)。(E) N-(0-ジ-t-ブチルオキシ)-L-グルタミン酸 3-
(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メチル-2-プ
ロペン酸アミド ((E) N-(o-Di-t-butyloxy-L-glut
amic acid 3-(2-amino-4、5-dimethoxyphenyl)-2-met
hyl-2-propenoicamide)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニルエステル0.36g
(1.0 mmol)と、グルタミン酸 ジ t-ブチルエステル塩
酸塩0.89g(3.0 mmol)(シグマ社製)とをテトラヒド
ロフラン200mlに溶解し、室温にて4時間反応させた。
この反応液から溶媒を減圧除去し、得られた残渣を酢酸
エチルに転溶した。この溶液を洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウム上で乾燥した後、濃縮して粗生成物を得た。これを
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル(アミノプロピ
ル修飾タイプ)Fuji silysia chem. co.、NH-DM1020 10
00 g、溶離液 ヘキサン/酢酸エチル 1:1)により精
製し、目的物0.48gを得た(収率定量的)。本化合物の
構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.34(1H、s、プロ
ペン酸3位プロトン)、6.75(1H、d、J=7.3Hz、アミド
基プロトン)、6.63(1H、s、芳香環6’位プロトン)、
6.30(1H、s、芳香環3’位プロトン)、4.59(1H、dt、
J=7.3Hz、4.6Hz、グルタミン酸部α位メチン基プロト
ン)、3.85(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.80(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.59(2H、bs、アミノ基プロトン)、2.39 (2
H、m、グルタミン酸部ガンマ位メチレン基プロトン)、
2.25(2H、m、グルタミン酸部β位メチレン基プロト
ン)、2.05(3H、s、プロペン2位のメチル基プロト
ン)、1.50(9H、s、ブチル基のメチル基プロトン)、
1.45(9H、s、ブチル基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):172.6(四級炭
素、グルタミン酸部カルボニル炭素)、171.2(グルタ
ミン酸部カルボニル炭素)、168.7(四級炭素、1位カル
ボニル炭素)、150.4(四級炭素、芳香環4’位炭素)、
141.6(四級炭素、芳香環2’位炭素)、139.2(四級炭
素、 芳香環5’位炭素)、131.1(CH、プロペン3位炭
素)、131.1(四級炭素、プロペン2位炭素)、113.6(C
H、芳香環6’位炭素)、112.8(四級炭素、芳香環1’位
炭素)、100.3(CH、芳香環3’位炭素)、82.4(四級炭
素、ブチル基炭素)、80.8(四級炭素、ブチル基炭
素)、56.7(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、55.8
(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、52.8(CH、グル
タミン酸部α位メチン基炭素)、31.7(CH2、グルタミ
ン酸部ガンマ位メチレン基炭素)、28.1(CH3、ブチル
基のメチル基炭素)、27.5(CH2、グルタミン酸部β位
メチレン基炭素)、14.2(CH3、プロペン2位のメチル基
炭素)。エチル 2-メチル-3-(2-ニトロフェニル)-2-プロペネ
ート(Ethyl 2-methyl-3-(2-nitrophenyl)-2-propena
te)の合成 2-ニトロベンズアルデヒド 21.0 (139.0 mmol)(アル
ドリッチ社製)、Wittig試薬(Carbethoxyetylidene tr
iphenylphosphorane) 50.0 g(138.0 mmol)(アルド
リッチ社製)をベンゼン500 ml に溶解し、室温にて一
夜間撹拌した。TLCにより反応の終了を確認した後、反
応液を減圧濃縮して得られた残渣にエタノールを加え
た。この溶液中に析出した結晶を濾別した後、濾液を減
圧濃縮して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキ
サン=1/4)で精製して、目的化合物を油状物質として3
2.1 g得た(収率98.2 %)。本化合物の構造は1H-NMR及
13C-NMRにより決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):8.13(d、1H、芳香
環3’位プロトン )、7.90(s、1H、プロペン3位プロ
トン)、7.66(dd、1H、芳香環5’位プロトン)、7.51
(dd、1H、芳香環4’位プロトン)、7.37(d、1H、芳香
環6’位プロトン)、4.30(q、2H、エチル基のメチレ
ン基プロトン)、1.90(s、3H、プロペン2位結合のメチ
ル基プロトン)、1.36(t、3H、エチル基のメチルプロ
トン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):167.6(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、147.8(四級炭素、芳香環
2’位炭素)、135.3(CH、プロペン3位炭素)、133.2
(CH、芳香環5’位炭素)、132.0(四級炭素、芳香環
1’位炭素)、131.3(CH、芳香環4’位炭素)、130.6
(四級炭素、プロペン2位炭素)、128.9(CH、芳香環
6’位炭素)、124.9(CH、芳香環3’位炭素)、61.1
(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、14.3(CH3、エチ
ル基のメチル基炭素)、14.0(CH3、プロペン2位結合メ
チル基炭素)。2-メチル-3-(2-ニトロフェニル)-2-プロペン酸
((E) 2-Methyl-3-(2-nitrophenyl)-2-propenoic a
cid)の合成 エチル 2-メチル-3-(2-ニトロフェニル)-2-プロペネ
ート11.8 g(50.2 mmol)をメタノール 200 ml に溶解
させ、これに2規定 水酸化ナトリウム水溶液 200ml を
加えて40℃にて一夜間撹拌を行った。TLCにより反応の
終了を確認した後、この反応液を減圧濃縮して得られた
残渣に1規定 塩酸を加えてpH 1 にし、これを酢酸エチ
ルに溶解させた。この溶液を水で3回洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムを加えて一夜間乾燥した。乾燥後の溶液
から硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を減圧濃縮して
目的化合物を結晶として10.2 g 得た(収率:98.0
%)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより決定し
た。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):12.69(b
s、1H、カルボキシル基プロトン)、8.15(d、1H、芳香
環3’位プロトン)、7.80(dd、1H、芳香環5’位プロ
トン)、7.76(s、1H、プロペン3位プロトン)、7.64
(dd、1H、芳香環4’位プロトン)、7.53(d、1H、芳
香環6’位プロトン)、1.82(s、3H、プロペン2位結
合のメチル基プロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):168.5
(四級炭素、カルボキシル基炭素)、147.5(四級炭
素、芳香環2’位炭素)、134.5(CH、プロペン3位炭
素)、133.7(CH、芳香環5’位炭素)、131.3(CH、芳
香環6’位炭素)、130.9(四級炭素、芳香環1’位炭
素)、130.5(四級炭素、プロペン2位炭素)、129.4
(CH、芳香環4’位炭素)、124.5(CH、芳香環3’位
炭素)、13.7(CH3、プロペン2位結合のメチル基炭
素)。(E) エチル 3-(2-アミノフェニル)-2-メチル-2-プ
ロペネート((E) Ethyl3-(2-aminophenyl)-2-methy
l-2-propenate)の合成 (E) エチル 2-メチル-3-(2-ニトロフェニル)-2-プ
ロペネート 10 g (42.5mmol)を酢酸160 ml に溶解
し、これに鉄粉 10.9 g(195.2 mmol)(Koso chem. C
o.)及び蒸留水 12 ml を室温にて撹拌しながら加えた
後、昇温し、100℃にて1時間環流を行った。TLCにより
反応の終点を確認した後、反応液を冷却し、酢酸を減圧
留去した。これに酢酸エチルを加えて不溶物を濾別し、
得られた濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の順
で洗浄した。洗浄後の溶液は硫酸ナトリウムを加えて一
晩乾燥させ、無水硫酸ナトリウムを濾別した後で減圧濃
縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサ
ン=1/3)で精製して、目的化合物を油状物として6.4 g
得た(収率:71.5 %)。本化合物の構造は1H-NMR及び13
C-NMRにより決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.60(s、1H、プロ
ペン3位プロトン)、7.14(dd、1H、芳香環4’位プロ
トン)、7.10(d、1H、芳香環6’位プロトン)、6.77
(dd、1H、芳香環5’位プロトン)、6.72(d、1H、芳
香環3'位プロトン)、4.27(q、2H、エチル基のメチレ
ン基プロトン)、3.74(bs、2H、アミノ基プロトン)、
2.00(s、3H、プロペン2位結合のメチル基プロトン)、
1.35(t、3H、エチル基のメチル基プロトン)13C-NMR
(重クロロホルム、δppm):168.4(四級炭素、1位カ
ルボニル炭素)、144.5(四級炭素、芳香環2’位炭
素)、134.9(CH、プロペン3位炭素)、130.2(四級炭
素、プロペン2位炭素)、129.6(CH、芳香環4’位炭
素)、129.4(CH、芳香環6’位炭素)、121.3(四級炭
素、芳香環1’位炭素)、118.1(CH、芳香環5’位炭
素)、115.5(CH、芳香環3’位炭素)、60.8(CH2、エ
チル基のメチレン基炭素)、14.3(CH3、エチル基のメ
チル基)、14.1(CH3、プロペン2位結合のメチル基炭素
)。エチル 3-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペネート(Ethyl 3-(4-chloro-2-nitrophenyl)-2
-methyl-2-propenate)の合成 4-クロロ-2-ニトロベンズアルデヒド 10.0g (53.8mmo
l)(アルドリッチ社製)とWittig試薬(Carbethoxy et
ylidene triphenylphosphorane )18.1 g (50.0mmol)
(アルドリッチ社製)とをベンゼン 200 ml に溶解さ
せ、常温で一夜間攪拌した。TLCにより反応の終了を確
認した後、反応液を濃縮して粗生成物を得た。この粗生
成物をカラムクロマトグラフィー(アミノプロピル修飾
シリカゲル(Fuji silysia chem.co.、NH-DM)、展開溶
媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、目的化
合物 を結晶で13.1g 得た(収率:97%)。本化合物の構
造は1H-NMR及び13C-NMRにより決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):8.14(s、1H、芳香
環3’位プロトン)、7.82(s、1H、プロペン3位プロ
トン)、7.64(d、1H、芳香環5’位プロトン)、7.32
(d、1H、芳香環6’位プロトン)、4.29(q、2H、エチ
ル基のメチレン基プロトン)、1.90(s、3H、プロペン
2位結合のメチル基プロトン)、1.36(t、3H、エチル
基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):167.4(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、148.0(四級炭素、芳香環
2’位炭素)、134.8(四級炭素、 芳香環4’位炭
素)、134.1(CH、プロペン3位炭素)、133.4(CH、芳
香環5’位炭素)、132.5(CH、芳香環6’位炭素)、1
31.3(四級炭素、芳香環1’位炭素)、130.3(四級炭
素、プロペン2位炭素)、125.1(CH、芳香環3’位炭
素)、61.3(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、14.3
(CH3、エチル基のメチル基炭素)、14.1(CH3、プロペ
ン2位結合のメチル基炭素 )。(E) エチル 3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-2-メ
チル-2-プロペネート ((E) Ethyl 3-(2-amino-4-ch
lorophenyl)-2-methyl-2-propenate )の合成 エチル 3-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペネート11.0gを酢酸170 ml に溶解し、これに鉄粉
10.9 g (195.2 mmol)(Koso chem. Co.)及び蒸留水
13 ml を室温にて撹拌しながら加えた後、昇温し、97
℃にて2時間反応を行った。TLCにより反応の終点を確認
した後、反応液を冷却し、酢酸を減圧留去した。この残
渣に水300 ml及び酢酸エチル400 mlを加えて不溶物を濾
取した。得られた濾液の酢酸エチル層を水、炭酸水素ナ
トリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗
浄した後、硫酸ナトリウムを加えて一夜間乾燥させた。
乾燥後の溶液から硫酸ナトリウムを濾別し、得られた濾
液を減圧濃縮して9.8 gの粗結晶を得た。これをシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(アミノフ゜ロピル修飾シ
リカゲル(Fuji silysia chem.co.、NH-DM1020)、展開
溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、目的
化合物を結晶として7.2 g 得た(収率:73.3 %)。本化
合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.50(s、1H、プロ
ペン3位プロトン)、7.01(d、1H、芳香環6’位プロト
ン)、6.73(d、1H、芳香環5’位プロトン)、6.72
(s、1H、芳香環3’位プロトン)、4.27(q、2H、エチ
ル基のメチレン基プロトン)、3.68(bs、2H、アミノ基
プロトン)、1.98(s、3H、プロペン2位結合のメチル
基プロトン)、1.35(t、3H、エチル基のメチル基プロ
トン)13 C-NMR (重クロロホルム、δppm):168.2(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、145.6(四級炭素、芳香環
2’位炭素)、134.9(四級炭素、芳香環4’位炭
素)、133.8(CH、プロペン3位炭素)、130.9(四級炭
素、プロペン2位炭素))、130.7(CH、芳香環6’位
炭素)、119.6(四級炭素、芳香環1’位炭素)、118.2
(CH、芳香環5’位炭素)、115.2(CH、芳香環3’位
炭素)、61.0(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、14.
3(CH3、エチル基のメチル基炭素)、14.2(CH3、プロ
ペン2位結合のメチル基炭素)。エチル3-(5-クロロ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペネート(Ethyl 3-(5-chloro-2-nitrophenyl)-2
-methyl-2-propenate)の合成 5-クロロ-2-ニトロベンズアルデヒド10.0g (53.8mmo
l)(アルドリッチ社製)とWittig試薬(Carbethoxy et
ylidene triphenylphosphorane )18.1 g (50.0mmol)
(アルドリッチ社製)とをベンゼン 200 ml に加え、常
温で一夜攪拌した。TLCにより反応の終了を確認した
後、反応液を濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物を
カラムクロマトグラフィー(アミノプロピル修飾シリカ
ゲル(Fujisilysia chem.co.、NH-DM)、展開溶媒:ヘ
キサン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、目的化合物を
結晶で13.3g 得た(収率:98%)。本化合物の構造は1H-
NMR及び13C-NMRにより決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):8.11(d、1H、芳香
環3’位プロトン)、7.83(s、1H、プロペン3位プロト
ン)、7.47(d、1H、芳香環4’位プロトン)、7.34
(s、1H、芳香環6’位プロトン)、4.30(q、2H、エチ
ル基のメチレン基プロトン)、1.91(s、3H、プロペン
2位結合のメチル基プロトン)、1.35(t、3H、エチル
基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):167.3(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、146.1(四級炭素、芳香環
2’位炭素)、139.8(四級炭素、芳香環5’位炭
素)、134.1(CH、プロペン3位炭素)、133.8(四級炭
素、芳香環1’位炭素)、131.4(四級炭素、プロペン
2位炭素)、131.1(CH、芳香環6’位炭素)、129.0
(CH、芳香環4’位炭素)、126.4(CH、芳香環3’位
炭素)、61.3(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、14.
2(CH3、エチル基のメチル基炭素)、14.0(CH3、プロ
ペン2位結合のメチル基炭素)。(E) エチル 3-(2-アミノ-5-クロロフェニル)-2-メ
チル-2-プロペネート ((E) Ethyl 3-(2-amino-5-ch
lorophenyl)-2-methyl-2-propenate )の合成 エチル3-(5-クロロ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペネート11.0 g(41.0 mmol)を酢酸170 ml に溶解
し、これに鉄粉 10.9 g (195.2 mmol)(Kosochem. C
o.)及び蒸留水 13 ml を室温にて撹拌しながら加えた
後、昇温し、97℃にて2時間反応を行った。TLCにより反
応の終点を確認した後、反応液を冷却し、酢酸を減圧留
去した。この残渣に水300 ml 、酢酸エチル400 mlを加
えて不溶物を濾別し、濾液の酢酸エチル層を水、炭酸水
素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で順
次洗浄した。洗浄後の溶液に硫酸ナトリウムを加えて一
夜間乾燥させた後、硫酸ナトリウムを濾過し、得られた
濾液を減圧濃縮して9.8gの油状の粗生成物を得た。これ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アミノプロピ
ル修飾シリカゲル(Fuji silysia chem.co.、NH-DM102
0)、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製
し、目的化合物を油状物として7.2 g 得た(収率:73.3
%)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより決定
した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.49(s、1H、プロ
ペン3位プロトン)、 7.07(d、1H、芳香環4’位プロ
トン)、7.05(s、1H、芳香環6’位プロトン)、6.64
(d、1H、芳香環3’位プロトン)、4.27(q、2H、エチ
ル基のメチレン基プロトン)、3.74(bs、2H、アミノ基
プロトン)、1.99(s、3H、プロペン2位結合のメチル
基プロトン)、1.35(t、3H、エチル基のメチル基プロ
トン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):168.0(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、143.2(四級炭素、芳香環
2’位炭素)、133.6(CH、プロペン3位炭素)、131.4
(四級炭素、プロペン2位炭素)、129.1(CH、芳香環
4’又は6’位炭素)、128.9(CH、芳香環4’又は
6’位炭素)、122.6(四級炭素、芳香環1’又は5’
位炭素)、122.5(四級炭素、芳香環1’又は5’位炭
素)、116.7(CH、芳香環3’位炭素)、61.0(CH2、エ
チル基のメチレン基炭素)、14.3(CH3、エチル基のメ
チル基炭素)、14.2(CH3、プロペン2位結合のメチル
基炭素)。(E) 3-(2-アミノ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸エチルエステル((E) 3-(2-Amino-benzo
[d]phenyl)-2-methyl-2-propenoic acid ethyl este
r)の合成 3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロペン
酸 エチルエステル 2.0 g (7 mmol)を酢酸30 ml に溶解
し、これに鉄粉 1.73 g [Koso chem. Co.]及び蒸留水
2.5 ml を室温にて撹拌しながら加えた後、昇温し、70
℃にて1.5時間反応を行った。反応終了後、反応液から
不溶物を濾別し、濾液を水100 ml に加えた。この溶液
に酢酸エチル100mlにて2回の抽出操作を行い、得られた
酢酸エチル溶液を水、重曹水及び飽和塩化ナトリウム水
で順次洗浄した。洗浄後の溶液を無水硫酸ナトリウム上
で乾燥し、硫酸ナトリウムを濾別た後、この濾液を濃縮
した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル,展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン
=1/5)で精製して、目的化合物を油状物として1.4 g得
た(収率:77 %)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMR
により確認した。1 H-NMR (重クロロホルム , δppm):7.73 (1H, s, プ
ロペン3位プロトン), 7.70-7.58 (2H, m, 芳香環4’位
と7’位プロトン), 7.58 (1H, s, 芳香環8’位プロト
ン), 7.40-7.20 (2H, m, 芳香環5’位と6’位プロト
ン), 7.04 (1H, s, 芳香環位プロトン), 4.31 (2H, q,
J=7 Hz, エチル基のメチレン基プロトン), 3.89 (2H, b
s, アミノ基プロトン), 2.06 (3H, s, プロペン2位結合
メチル基のプロトン), 1.37 (3H, t, J=7 Hz, エチル基
のメチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム , δppm):168.2 (四級炭素,
1位カルボニル炭素), 142.6 (四級炭素,芳香環2’位炭
素), 134.8 (CH, プロペン3位炭素),134.7 (四級炭素,,
芳香環3a’位炭素), 131.6 (四級炭素,プロペン2位炭
素 ), 129.2 (CH,芳香環5’位又は6’位炭素), 127.9
(CH, 芳香環5’位又は6’位炭素), 127.5 (四級炭素,芳
香環7a’位炭素), 126.8 (CH, 芳香環4’位又は7’位
炭素), 125.5(CH, 芳香環4’位又は7’位炭素), 124.8
(四級炭素,芳香環1’位炭素), 122.9(CH, 芳香環8’位
炭素), 109.2 (CH, 芳香環3’位炭素), 61.0 (CH2, エ
チル基のメチレン基炭素), 14.4 (CH3, エチル基のメチ
ル基炭素), 14.3 (CH3, プロペン2位結合メチル基の炭
素)。(E) 3-(2-アミノ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロ
ペン酸((E) 3-(2-Amino-benzo[d]phenyl)-2-methyl-2-
propenoic acid )の合成 (E) 3-(2-アミノ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロ
ペン酸エチルエステル0.65 g をテトラヒドロフラン(TH
F) 10mlに溶解し、これに1規定水酸化ナトリウム水溶液
10mlを加えて40℃にて4時間反応させた。反応終了後、
反応液に1規定塩酸10mlを加えて冷却し、析出した結晶
を濾別して目的の化合物0.57gを得た(98%)。本化合物
の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm): 7.85-7.7
5 (3H, m, ベンゾシンナミル芳香環5’位と6’位と8
‘位プロトン),7.73 (1H,s,プロペン3位プロト
ン),7.52-7.33 (3H, m, ベンゾシンナミル芳香環
4’位と7’位と3‘位プロトン),2.02 (3H,s, プロ
ペン2位結合メチル基のプロトン)13 C-NMR (重ジメチルスルホキシド,δppm):168.9
(四級炭素,1位カルボニル炭素),133.3 (CH, プロ
ペン3位炭素),131.5 (四級炭素,プロペン2位炭
素),131.4 (四級炭素, ベンゾシンナミル芳香環3
a’位炭素), 129.3 (CH,ベンゾシンナミル芳香環
5’位と6’位炭素),128.7 (四級炭素,ベンゾシンナ
ミル芳香環7a’位炭素), 127.8 (CH,ベンゾシンナ
ミル芳香環4’位又は7’位炭素), 126.8 (CH,ベン
ゾシンナミル芳香環4’位又は7’位炭素),126.2 (四
級炭素,ベンゾシンナミル芳香環1’位炭素),126.0
(CH, ベンゾシンナミル芳香環8’位炭素),124.2
(CH, ベンゾシンナミル芳香環3’位炭素),14.1 (C
H3,プロペン2位結合メチル基の炭素)。(E) 3-(2-アミノ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロ
ペン酸 p-ニトロフェニルエステル((E) 3-(2-Amino-be
nzo[d]phenyl)-2-methyl-2-propenoic acid p-nitrophe
nyl ester)の合成 (E) 3-(2-アミノ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロ
ペン酸 0.57 g (2.5 mmol)と p-ニトロフェノール 0.52
g (3.8 mmol)(和光純薬社製)とをジクロロメタン 20
ml に溶解し、これにジメチルアミノピリジン 20 mg
(和光純薬社製)を加えた後、氷冷撹拌下、1-エチル-3
-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩
(EDC/HCl) 0.71 g (3.8 mmol) (和光純薬社製)を分
割投入した。この液温を室温に戻し、20時間撹拌を行っ
た。反応の終点をTLCによって確認した後、反応液を減
圧で濃縮し、酢酸エチル100ml に転溶した。この溶液を
5%炭酸水素ナトリウム水溶液にて数回、飽和塩化ナトリ
ウム水溶液にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムによ
り乾燥後、溶媒を留去し粗生成物を得た。これを、エタ
ノールから再結晶して目的の化合物0.69 g を結晶とし
て得た(収率80%)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-N
MRにより確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):8.32 (2H,d,
J=9Hz,ニトロフェニルオキシ基3“と5”位プロト
ン),8.01 (1H, s, プロペン3位プロトン),7.73-
7.67 (2H, m, ベンゾシンナミル芳香環5’位と6’位
プロトン), 7.61(1H, d,d=8Hz, ベンゾシン
ナミル芳香環4‘位あるいは7’位プロトン),7.43-7.3
8 (1H, m, ベンゾシンナミル芳香環4’位あるいは6’
位プロトン),7.39 (2H,d,J=9Hz,ニトロフェ
ニルオキシ基2“と6”プロトン),7.29 - 7.24(1
H,m,ベンゾシンナミル芳香環8’位プロトン), 7.
09 (1H, s, ベンゾシンナミル芳香環3’位プロト
ン),3.91 (2H, bs, アミノ基プロトン),2.23
(3H,s, プロペン2位結合メチル基のプロトン)13 C-NMR (重クロロホルム,δppm):165.7 (四級炭
素,1位カルボニル炭素),155.8(四級炭素,ニトロフ
ェニルオキシ基1“位炭素),145.3 (四級炭素,ニト
ロフェニルオキシ基4“位炭素),142.4(四級炭素,ベ
ンゾシンナミル芳香環2’位炭素),138.0 (CH, プロ
ペン3位炭素),135.0 (四級炭素,プロペン2位炭
素),129.6 (四級炭素, ベンゾシンナミル芳香環3
a’位炭素), 129.4 (CH, ベンゾシンナミル芳香環
5’位又は6’位炭素)128.0 (CH, ベンゾシンナミル
芳香環5’位又は6’位炭素), 127.5 (四級炭素,ベ
ンゾシンナミル芳香環7a’位炭素), 127.1 (CH,ベ
ンゾシンナミル芳香環4’位又は7’位炭素), 125.5
(CH,ベンゾシンナミル芳香環4’位又は7’位炭素),
125.2(CH,ニトロフェニルオキシ基3”と5“位炭
素),123.8 (四級炭素,ベンゾシンナミル芳香環1’
位炭素),123.1 (CH, ベンゾシンナミル芳香環8’位
炭素), 122.5 (CH,ニトロフェニルオキシ基2”と6
“位炭素),109.7 (CH, ベンゾシンナミル芳香環3’
位炭素),14.4 (CH3,プロペン2位結合メチル基の炭
素)。(E) 3-(2-アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸
((E) 3-(2-Aminophenyl)-2-methyl-2-propenoic acid
)の合成 (E) エチル3-(2-アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペネ
ート1.50 g (7.31 mmole)をテトラヒドロフラン(THF)
10mlに溶解し、これに1規定水酸化ナトリウム水溶液10
mlを加えて40℃にて4時間反応させた。TLCにて反応終了
を確認した後、1規定塩酸10mlを加えて冷却し、析出し
た結晶を濾別して目的の化合物1.30gを得た(収率定量
的)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認
した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):7.70 (1
H,s,プロペン3位プロトン),7.49 (1H,d,J=7
Hz,芳香環3’位プロトン),7.42 - 7.29 (3H,m,芳
香環4’位と5‘位と6’位プロトン),1.91 (3H,
s,プロペン2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR (重ジメチルスルホキシド、δppm):168.7
(四級炭素,1位カルボニル炭素), 132.6 (CH,プ
ロペン3位炭素),132.1(四級炭素,プロペン2位炭
素),130.2 (CH,芳香環4’位炭素),129.3 (CH,
芳香環6’位炭素),128.8 (四級炭素,芳香環1’位
炭素),126.0 (CH,芳香環5’位炭素),122.4(C
H,芳香環3’位炭素),14.1 (CH3,プロペン2位結
合のメチル基炭素)。(E) 3-(2-アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸 p-
ニトロフェニルエステル((E) 3-(2-Aminophenyl)-2-me
thyl-2-propenoic acid p-nitrophenyl ester)の合成 (E) 3-(2-アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸 0.1
9 g (1.1 mmol)と p-ニトロフェノール 0.18 g (和光
純薬社製)をジクロロメタン 20 ml に溶解し、これに
ジメチルアミノピリジン 10 mg (和光純薬社製)を加
え、氷冷撹拌下、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC/HCl)0.41 g (和光純
薬社製)を分割投入した。この液温を室温に戻し、20時
間撹拌を行った。反応の終点をTLCによって確認した
後、反応液を減圧で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル
100ml に転溶した。この溶液を5%炭酸水素ナトリウム水
溶液にて数回、飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次洗浄
した後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、更に溶媒
を留去して粗生成物を得た。これをエタノールを用いて
再結晶し、目的の化合物を0.29 g 結晶として得た(収
率:91%)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):8.35 (2
H,d,J=9Hz,ニトロフェニルオキシ基3“位と5”
位プロトン),7.86 (1H,s,プロペン3位プロト
ン),7.54 (2H,d,J=9Hz,ニトロフェニルオキ
シ基2“位と6”位プロトン),7.17 (1H,d,J=8 H
z,シンナミル芳香環6’位プロトン),7.09(1H,d
d,J=8 Hz,J=8 Hz,シンナミル芳香環4’位プロト
ン),6.75 (1H, d,J=8Hz,芳香環3’位プロト
ン),6.63(1H,dd,J=8 Hz, J=8Hz,芳香環5’
位プロトン),5.35(2H,bs,アミノ基プロトン),2.
10 (3H,s,プロペン2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR (重ジメチルスルホキシド,δppm):165.8
(四級炭素,1位カルボニル炭素),156.0(四級炭
素,ニトロフェニルオキシ基1”位炭素),147.4(四級
炭素,ニトロフェニルオキシ基4”位炭素),144.8
(四級炭素,シンナミル芳香環2’位炭素),138.6
(CH,プロペン3位炭素), 130.0 (CH,シンナミル芳
香環4’位炭素),129.4 (CH,シンナミル芳香環6’
位炭素),125.2(四級炭素,シンナミル芳香環1’位
炭素),125.1 (CH,ニトロフェニルオキシ基3“と5”
位炭素),123.1 (CH,ニトロフェニルオキシ基2“と
6”位炭素),118.6 (四級炭素,プロペン2位炭
素),115.5 (CH,シンナミル芳香環5’位炭素), 1
15.3(CH,シンナミル芳香環3’位炭素),14.2 (C
H3,プロペン2位結合のメチル基炭素)。(E) 3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-2-メチル-2-プロ
ペン酸 ((E) 3-(2-Amino-4-chlorophenyl)-2-methyl-2
-propenoic acid )の合成 (E) エチル3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-2-メチル-2
-プロペネート1.24 g(5.18 mmole)をテトラヒドロフ
ラン(THF) 10mlに溶解し、これに1規定水酸化ナトリウ
ム水溶液10mlを加えて40℃にて4時間反応させた。TLCに
て反応の終了を確認した後、1規定塩酸10mlを加えて冷
却し、析出した結晶を濾別して目的の化合物1.03gを得
た(収率:94%)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMR
により確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):7.42 (1
H,s,プロペン3位プロトン),7.02 (1H,d,J=8
Hz,芳香環6’位プロトン),6.74 (1H,s,芳香環
3’位プロトン),6.55(1H,d,J=8 Hz,芳香環
5’位プロトン),5.37(2H,bs,アミノ基プロト
ン),1.90 (3H,s,プロペン2位結合のメチル基プ
ロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):169.2
(四級炭素,1位カルボニル炭素), 148.2 (四級炭
素,芳香環2’位炭素),133.7 (CH,プロペン3位炭
素), 133.4 (四級炭素,芳香環4’位炭素),130.7
(CH,芳香環6’位炭素),128.7(四級炭素,プロペ
ン2位炭素),118.3 (四級炭素,芳香環1’位炭
素),115.0 (CH,芳香環5’位炭素), 114.0(CH,
芳香環3’位炭素),14.1 (CH3,プロペン2位結合の
メチル基炭素)。(E) 3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-2-メチル-2-プロ
ペン酸 p-ニトロフェニルエステル((E) 3-(2-Amino-4-
chlorophenyl)-2-methyl-2-propenoic acid p-nitrophe
nyl ester)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-2-メチル-2-プロ
ペン酸 0.81 g (3.8 mmol)と p-ニトロフェノール 1.0
g (和光純薬社製)をジクロロメタン 20 ml に溶解
し、これにジメチルアミノピリジン 40 mg (和光純薬
社製)を加え、氷冷撹拌下、1-エチル-3-(3-ジメチルア
ミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC/HCl) 1.0
g (和光純薬社製)を分割投入した。この液温を室温に
戻し、20時間撹拌を行った。反応の終点をTLCによって
確認した後、反応液を減圧で濃縮し、酢酸エチル100ml
に転溶した。この溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液に
て数回、飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次洗浄し、無
水硫酸マグネシウムにより乾燥した後、溶媒を留去し粗
生成物を得た。これをエタノールを用いて再結晶し、目
的の化合物を1.2 g 結晶として得た(収率:91%)。本
化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):8.30 (2
H,d,J=9Hz,ニトロフェニルオキシ基3“位と5”
位プロトン),7.80 (1H,s,プロペン3位プロト
ン),7.45 (2H,d,J=9Hz,ニトロフェニルオキ
シ基2“位と6”位プロトン),7.09 (1H,d,J=8 H
z,芳香環6’位プロトン),6.81 (1H,s,芳香環
3’位プロトン),6.63(1H,d,J=8 Hz,芳香環
5’位プロトン),5.08(2H,bs,アミノ基プロト
ン),2.11 (3H,s,プロペン2位結合のメチル基プ
ロトン)13 C-NMR (重ジメチルスルホキシド,δppm):170.5
(四級炭素,1位カルボニル炭素),160.9(四級炭
素,ニトロフェニルオキシ基1”位炭素),152.9(四級
炭素,ニトロフェニルオキシ基4”位炭素),149.8
(四級炭素,シンナミル芳香環2’位炭素),142.4
(CH,プロペン3位炭素), 139.9 (四級炭素,シンナ
ミル芳香環4’位炭素),135.6 (CH,シンナミル芳香
環6’位炭素),131.8(四級炭素,プロペン2位炭
素),129.9 (CH,ニトロフェニルオキシ基3“と5”位
炭素),127.9 (CH,ニトロフェニルオキシ基2“と6”
位炭素),122.7 (四級炭素,シンナミル芳香環1’位
炭素),121.1 (CH,シンナミル芳香環5’位炭素),
119.7(CH,シンナミル芳香環3’位炭素),19.2 (C
H3,プロペン2位結合のメチル基炭素)。(E) N-2-(4-メトキシフェニル)エチル-メチルオキシカ
ルボニルプロピル 3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-2-
メチル-2-プロペン酸 アミド((E) N-2-(4-Methoxype
hnyl)ethyl 3-(2-amino-4-chlorophenyl)-2-methyl-2-p
ropenoic amide)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 p-ニトロフェニルエステル0.20 g(0.60 mm
ole)と2-(4-メトキシフェニル)エチルアミン0.11 g
(0.72 mmole)(和光純薬社製)をジメチルホルムアミ
ド 2mlに溶解し、室温にて20時間反応させた。反応の
終了をTLCにて確認した後、酢酸エチル及び水を加え、
酢酸エチル層を分液し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液
にて数回、飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次洗浄し
た。洗浄後の溶液は無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥
させた後、溶媒を減圧下にて留去した。ここで得られた
粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒:メチレンクロライド/メタノール:95/5)にて
精製し、目的化合物0.19 g を得た(収率定量的)。本
化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR(重クロロホルム,δppm ):7.15 (1H,s,
プロペン3位プロトン),7.13 (2H,d,J=7 Hz,4-
メトキシフェニルエチルアミン部芳香環2“位と6”位プ
ロトン),6.92 (1H,d,J=8Hz,シンナミル芳香環6
‘位プロトン),6.85 (2H,d,J=7 Hz,4-メトキシ
フェニルエチルアミン部芳香環3“位と5”位プロト
ン),6.70 (1H,d,J=8Hz,シンナミル芳香環5‘位
プロトン),6.66(1H,s,シンナミル芳香環3‘位プ
ロトン),5.96 (1H, d,J=7 Hz,アミド基プロト
ン),3.79 (3H,s, メトキシ基のメチル基プロト
ン),3.59(2H,t-d,J=7 Hz, J=7 Hz,4-メトキ
シフェニルエチルアミン部α位メチレン基プロトン),
2.83 (2H,t,J=7 Hz,4-メトキシフェニルエチルア
ミン部β位メチレン基プロトン),1.90 (3H,s,プ
ロペン2位結合メチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm ):168.6 (四級炭
素,プロペン1位カルボニル炭素),158.3 (四級炭
素,4-メトキシフェニルエチルアミン部芳香環4“位炭
素)145.6 (四級炭素,シンナミル芳香環2‘位炭
素),134.5 (四級炭素,シンナミル芳香環4‘位炭
素),133.7 (四級炭素,プロペン2位炭素),130.8
(四級炭素,4-メトキシフェニルエチルアミン部芳香環
1“位炭素),130.6 (CH,シンナミル芳香環6‘位炭
素),129.7 (CH,4-メトキシフェニルエチルアミン部
芳香環2“位と6”位炭素),129.5 (CH,プロペン3位
炭素),119.7 (四級炭素,シンナミル芳香環1‘位炭
素),118.0 (CH,シンナミル芳香環5‘位炭素),11
5.0 (CH,シンナミル芳香環3‘位炭素), 114.1 (C
H,4-メトキシフェニルエチルアミン部芳香環3“位と
5”位炭素),55.2 (CH3,メトキシ基のメチル基炭
素),41.2 (CH2,4-メトキシフェニルエチルアミン部
α位メチレン基炭素),64.7 (CH2,4-メトキシフェニ
ルエチルアミン部β位メチレン基炭素),14.1 (CH3
プロペン2位結合メチル基炭素)。(E) N-(2-ナフチル)メチル 3-(2-アミノフェニ
ル)-2-メチル-2-プロペン酸 アミド((E) N-(2-Nap
htyl)methyl 3-(2-aminophenyl)-2-methyl-2-prope
namide )の合成 (E) 3-(2-アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸
p-ニトロフェニルエステル0.65 g(2.2 mmole)と2-ナ
フチルメチルアミン0.69g(4.4mmol)(アルドリッチ
社製)をジメチルホルムアミド 4mlに溶解し、これに
トリエチルアミン0.36ml(和光純薬社製)を加えて室温
にて20時間反応させた。反応の終了をTLCにて確認した
後、酢酸エチル及び水を加え、酢酸エチル層を分液し、
5%炭酸水素ナトリウム水溶液にて数回、飽和塩化ナト
リウム水溶液にて順次洗浄した。洗浄後の溶液を無水硫
酸マグネシウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧下にて
留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒:メチレンクロライド/メタ
ノール:95/5)にて精製し、目的化合物を1.39 g 得た
(収率定量的)。本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMR
により確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):8.07 (1H,d,ナ
フチル芳香環4“位プロトン), 7.90 (1H,d,J=8H
z, ナフチル芳香環5“位又は8”位プロトン),7.84
(1H,d, J=8Hz, ナフチル芳香環5“位又は8”位プ
ロトン), 7.58 (1H,dd, J=8Hz, J=8Hz, ナフチ
ル芳香環3“位プロトン), 7.57 - 7.49 (3H,m,
ナフチル芳香環2“位と6”位と7“位プロトン), 7.32
(1H,s, プロペン3位プロトン), 7.10 (1H,d
d,J=8 Hz,J=8 Hz,シンナミル芳香環4’位プロト
ン), 7.02 (1H,d,J=8 Hz,シンナミル芳香環
6’位プロトン), 6.73 (1H,dd,J=8 Hz, J=8
Hz,シンナミル芳香環5’位プロトン), 6.69 (1
H, d,J=8Hz,シンナミル芳香環3’位プロト
ン), 6.14(1H,bs,アミド基プロトン), 5.02 (2
H,d,ナフチルメチル基のメチレン基プロトン), 1.
97 (3H,s,プロペン2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム,δppm):168.6(四級炭
素,プロペン1位カルボニル炭素),144.4 (四級炭
素,シンナミル芳香環2’位炭素),133.9 (四級炭
素,ナフチル芳香環1“位炭素), 133.4 (四級炭素,
ナフチル芳香環9“位又は10”位炭素), 132.9 (四級
炭素,ナフチル芳香環9“位又は10”位炭素),131.5
(四級炭素,プロペン2位炭素),131.0 (CH,プロペ
ン3位炭素), 129.6 (CH,シンナミル芳香環4’位
炭素),129.1 (CH,シンナミル芳香環6’位炭素),
128.9 (CH, ナフチル芳香環5“位又は8”位炭素),
128.8 (CH, ナフチル芳香環5“位又は8”位炭素),
127.0 (CH, ナフチル芳香環2“位炭素), 126.7 (C
H, ナフチル芳香環3“位炭素),126.1 (CH, ナフチ
ル芳香環6“位又は7”位炭素), 125.4 (CH, ナフチ
ル芳香環6“位又は7”位炭素), 123.5 (CH, ナフチ
ル芳香環4“位炭素), 121.3(四級炭素,シンナミル
芳香環1’位炭素),118.1 (CH,シンナミル芳香環
5’位炭素), 115.5(CH,シンナミル芳香環3’位炭
素),42.3 (CH2,ナフチルメチル基のメチレン基炭
素),14.3 (CH3,プロペン2位結合のメチル基炭
素)。3-(2-アミノ-4-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 ((E) 3-(2-Amino-4-dimethylaminophenyl)
-2-methyl-2-propenoic acid )の合成 (E) エチル 3-(2-アミノ-4-ジメチルアミノフェニル)-2
-メチル-2-プロペネートをテトラヒドロフラン(THF)に
溶解し、これに1規定水酸化ナトリウム水溶液 10mlを加
えて40℃にて4時間反応させた。TLCにて反応の終了を確
認した後、1規定塩酸を加えて冷却し、析出した結晶を
濾別して目的の化合物を得た。3-(2-アミノ-4-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 p-ニトロフェニル エステル((E) 3-(2-Ami
no-4-dimethylaminophenyl)-2-methyl-2-propenoi c aci
d p-nitrophenyl ester)の合成 他の合成例と同様の手順で、上記得られた3-(2-アミノ-
4-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸か
らp-ニトロフェニルエステル誘導体を合成した。具体的
には、3-(2-アミノ-4-ジメチルアミノフェニル)-2-メチ
ル-2-プロペン酸と p-ニトロフェノール(和光純薬社
製)とをジクロロメタンに溶解し、これにジメチルアミ
ノピリジン(和光純薬社製)を加えた後、氷冷撹拌下、
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミ
ド塩酸塩(EDC/HCl)(和光純薬社製)を分割投入した。
この液温を室温に戻し、20時間撹拌を行った。反応の終
点をTLCによって確認した後、反応液を減圧で濃縮し、
酢酸エチルに転溶した。この溶液を5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液にて数回、飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次
洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、溶媒を留
去し粗生成物を得た。これを、エタノールから再結晶し
て目的の化合物を得た。
【発明の効果】本発明にかかるケージド化合物調製用試
薬は、以上説明したように特徴的な構造を有するもので
あり、新規な構造を有するケージド化合物を簡単な反応
により調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)はそれぞれ、本発明にかか
る、N−スクシンイミジル構造及びニトロフェニルエス
テル構造を有するケージド化合物調製用試薬を用いたケ
ージド化反応の例を示す反応経路図である。
【図2】本発明にかかるケージド化合物調製用試薬を用
いて得られたケージド化合物の光分解反応を示す反応経
路図である。
【図3】(a)〜(e)はぞれぞれ、本発明にかかる、
N−スクシンイミジル構造を有するケージド化合物調製
用試薬の合成ルートの一例を示す反応経路図である。
【図4】(a)〜(e)はそれぞれ、本発明にかかる、
ニトロフェニルエステル構造を有するケージド化合物調
製用試薬の合成ルートの一例を示す反応経路図である。
【図5】(a)及び(b)は、本発明にかかるケージド
化合物調製用試薬の合成ルートにおける、芳香族アミノ
基への保護基の導入の一例を示す反応経路図である。
【図6】本発明にかかるN−スクシンイミジル構造を有
するケージド化合物調製用試薬の種々の応用反応例を示
す反応経路図である。
【図7】本発明にかかるニトロフェニルエステル構造を
有するケージド化合物調製用試薬の種々の応用反応例を
示す反応経路図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月13日(2000.1.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なケージド化合
物調製用試薬及びそれを用いる新規なケージド化方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ある物質の生体における作用機構を調べ
るには、その物質の生体系内での消長を定量的に短時間
で測定をすることが必要である。更に、系内に導入され
た前記物質について、追従する種々の変化を観察するこ
とも重要である。
【0003】一方生体反応は多くの場合極めて速く、ま
た複数の反応が複雑に関連しながら同時に進行すること
が普通である。そのため、外部から前記物質を添加した
場合に、系内を拡散する過程がむしろ律速段階となり、
実際測定したいその後の反応が明確に捉らえられなくな
ってしまうことが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる問題を解決する
ため、すばやく目的物質を添加する方法について様々な
方法が提案されているが、その1つに光照射に基づく技
術、いわゆるケージド(Caged)試薬を用いる方法が報告
されている。これらは一般的には、追跡される生理活性
物質の活性部位を特定の保護基で保護した、いわゆるケ
ージド化合物(ケージング基を導入した化合物、若しく
はケージング基でラベル化された化合物を意味する)を
生体系に導入し、この化合物が十分作用点に拡散したこ
とを確認した後に、光照射により保護基を脱離して目的
とする物質を遊離放出することによって、その物質によ
る反応が追跡可能となるものである。この保護基の特徴
は、光照射のみにより脱保護基化(deprotection、保護
基の脱離)できる点、極めて迅速に脱保護基化可能であ
る点及び必要に応じて特定の部分にのみ光照射をしぼり
込むことが可能である点である。本発明はかかる作用を
有するものであって、新規な構造を有するケージド化合
物を簡単な反応により調製することができる試薬を提供
するものである。また、本発明はその新規な試薬を用い
て目的の生理活性物質にケージング基を導入し、ケージ
ド化合物を得る方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究し
た結果、かかる優れた作用を有するケージド化合物を簡
単な反応により調製することができる新規な試薬を見い
だすことに成功した。また、その新規な試薬を用いて種
々の化合物をケージド化する方法を確立することに成功
し、本発明を完成したものである。
【0006】すなわち、本発明にかかる新規なケージド
化合物調製用試薬は、下記式1で表される、N-スクシ
ンイミジルアミノシンナメート構造を基本構造とする化
合物である。
【0007】
【化5】
【0008】(ここで、X及びYはそれぞれ同一でも異
なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1
から4までのアルキル基、炭素数1から4までのアルキ
ルオキシ基、ベンゾ基及び炭素数1から4までのアルキル
アミノ基からなる群より選ばれる一種を表し、R1は水
素原子、炭素数1から4までのアルキル基及び下記式2
【0009】
【化6】
【0010】[ここで、R6は炭素数1から4までのア
ルキル基、フェニル基及び炭素数1から4までのアルキ
ルシリル基からなる群より選ばれる一種を表し、nは0
から2までの整数を表す。]で表される基からなる群よ
り選ばれる一種を表し、R2及びR3はそれぞれ同一でも
異なっていてもよく、水素原子及び炭素数1から4まで
のアルキル基からなる群より選ばれる一種を表し、Zは
水素原子及びSO3M(Mは水素原子、アルカリ金属及
びアルカリ土類金属からなる群より選ばれる一種を表
す)からなる群より選ばれる一種を表す。) 本発明にかかる新規なケージド化合物調製用試薬の好ま
しい例として、具体的には以下の式4から式17に示す
構造を有するものが挙げられる。
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】
【化9】
【0014】
【化10】
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
【0017】
【化13】
【0018】
【化14】
【0019】
【化15】
【0020】
【化16】
【0021】
【化17】
【0022】
【化18】
【0023】
【化19】
【0024】
【化20】
【0025】また、本発明にかかる新規なケージド化合
物調製用試薬は、下記式3で示される、ニトロフェニル
エステル構造を基本構造とする化合物である。
【0026】
【化21】
【0027】(ここで、X及びYはそれぞれ同一でも異
なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1
から4までのアルキル基、炭素数1から4までのアルキ
ルオキシ基、ベンゾ基及び炭素数1から4までのアルキ
ルアミノ基からなる群より選ばれる一種を表し、R1
水素原子、炭素数1から4までのアルキル基及び下記式
【0028】
【化22】
【0029】[ここで、R6は炭素数1から4までのア
ルキル基、フェニル基及び炭素数1から4までのアルキ
ルシリル基からなる群より選ばれる一種を表し、nは0
から2までの整数を表す。]で表される基からなる群よ
り選ばれる一種を表し、R2及びR3はそれぞれ同一でも
異なっていてもよく、水素原子及び炭素数1から4まで
のアルキル基からなる群より選ばれる一種を表す。) 本発明にかかる新規なケージド化合物調製用試薬の好ま
しい例として、具体的には以下の式18から式23に示
す構造を有するものが挙げられる。
【0030】
【化23】
【0031】
【化24】
【0032】
【化25】
【0033】
【化26】
【0034】
【化27】
【0035】
【化28】
【0036】また、本発明にかかる方法は、前記ケージ
ド化合物調製用試薬と種々の官能基を有する化合物(ア
ミノ酸等の生理活性物質)とを反応せしめてケージド化
合物を調製することを特徴とするケージド化方法であ
る。
【0037】図1(a)、(b)には、本発明にかかるケージ
ド化合物調製用試薬を用いた種々の官能基を有する化合
物のケージド化方法を示す。また、図2には得られたケ
ージド化合物の光分解反応を示す。図1(a)、(b)に示す
ように、N-スクシンイミジル基及びp-ニトロフェニル基
は温和な反応条件下で容易に種々の官能基と反応する。
前記官能基の好ましい例としては、アミノ基、水酸基、
フェノール基、チオール基、カルボン酸基等が挙げられ
る。また、本発明の方法により得られたケージド化合物
は、シンナメート基の二重結合がトランス(E)構造に
維持されるため、暗所にて安定である。
【0038】
【発明の実施の形態】以下更に詳しく本発明を説明す
る。
【0039】合成方法 本発明にかかるケージド化合物調製用試薬の合成方法に
ついては特に限定されず、通常公知の有機化学反応が好
ましく使用できる。具体的には、N-スクシンイミジルア
ミノシンナメート構造を基本構造とする化合物の場合は
図3に例示されている合成ルートにより、p-ニトロフェ
ニルアミノシンナメート構造を基本構造とする化合物の
場合は図4に例示されている合成ルートにより、それぞ
れ容易に収率よく、高純度で本発明にかかる種々の置換
基を有するケージド化合物調製用試薬を合成することが
可能である。
【0040】図3に示すN-スクシンイミジルアミノシン
ナメート構造を基本構造とする化合物の合成は、好まし
い置換基を有する2-ニトロベンズアルデヒド誘導体(フ
ェニルケトン誘導体を含む)と、好ましい置換基を導入
するためのWittig(ウイティッヒ)試薬(Wadsworth-Em
mons試薬を含む)との反応によりシンナメート骨格を形
成するステップを含む(図3(a))。必要な出発物質で
ある2-ニトロベンズアルデヒド誘導体(フェニルケトン
誘導体を含む)、及びWittig(ウイティッヒ)試薬(Wa
dsworth-Emmons試薬を含む)は、市販品を使用すること
が可能であり、また、従来公知の有機合成方法により合
成することも可能である(Organic Synthesis、col. vo
l. 3, 641; Organic Synthesis、col. vol.4, 735; Org
anic Synthesis、col. vol. 5, 825; Kienzle等、Helv.
Chim.Acta 63(8),2364-2369(1980); Wani等、J. Med. C
hem.1980、23、554-560)。またWittig反応(Wadsworth
-Emmons反応を含む)の反応条件については特に制限は
なく、通常公知の条件を使用することが可能である(例
えば、Organic Reaction vol.14、270-423(1965)、Or
ganic Reaction vol.25、73(1977))。かかる文献等
を参照して好ましい反応条件を選択し最適化することは
当業者にとっては容易である。
【0041】ここで得られるシンナメート誘導体は二重
結合に対してシス体及びトランス体のいずれでもよく、
またそれらの混合物であってもよい。また、構造確認の
手段も特に限定されず、通常公知の有機化合物の分析手
段が使用可能である。具体的には、赤外線吸収スペクト
ル(IR)、核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトル等の手
段により、二重結合、エステル基及びニトロ基の存在を
容易に確認することができる。また、種々の公知若しく
は市販の液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ等を
用いることにより、生成物の収率及び純度を決定するこ
とが可能である。
【0042】更に、図3に示す合成は、エステル基の加
水分解によりカルボン酸とする反応を含む(図3
(b))。かかるエステル(通常はメチル若しくはエチル
エステルである)の加水分解の反応方法について特に制
限はなく、通常公知の方法(Greene等、“Protective G
roup in Organic Synthesis”2nd ed.、p224-251.、Joh
n Wiley & Sons(1991))を好ましく使用可能である。具
体的には酸性条件若しくはアルカリ条件下での反応が可
能である。かかる加水分解の反応条件について特に制限
はなく、通常公知の条件で反応を行うことができる。か
かる文献等を参照して好ましい反応条件を選択し最適化
することは当業者にとっては容易である。
【0043】ここで得られる酸誘導体は二重結合に対し
てシス体及びトランス体のいずれでもよく、またそれら
の混合物であってもよい。また、構造確認の手段も特に
限定されず、通常公知の有機化合物の分析手段が使用可
能である。具体的には、赤外線吸収スペクトル(IR)、核
磁気共鳴スペクトル、質量スペクトル等の手段により、
二重結合、カルボン酸及びニトロ基の存在を容易に確認
することができる。また、種々の公知若しくは市販の液
体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ等を用いること
により、生成物の収率、純度を決定することが可能であ
る。
【0044】更に、図3に示す合成は、得られた酸誘導
体と、N-ヒドロキシスクシンイミド(及びそのスルフォ
ン酸基を有する誘導体を含む)との脱水縮合により、N-
スクシンイミジルシンナメートを生成する反応を含む
(図3(c))。かかる脱水縮合の反応方法について特に
制限はなく、通常公知の方法(Anderson等、J.Am.Chem.
Soc.、85、3039(1963))を好ましく使用可能である。
好ましくは、極性非水溶媒中(例えば、ジメチルホルム
アミド(DMF)、1、4-ジオキサン、テトラヒドロフラン
(THF)、ジクロロメタンが挙げられる)で種々の脱水
剤を用いるものである。脱水剤としては、具体的にはジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-
(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド(ED
C)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カル
ボジイミド塩酸塩(EDC-HCl)が挙げられる。かかる脱
水縮合の反応条件については特に制限はなく、通常公知
の条件で反応を行うことができる。かかる文献等を参照
して好ましい反応条件を選択し最適化することは当業者
にとっては容易である。
【0045】ここで得られるN-スクシンイミジルエス
テル基を導入した酸誘導体は二重結合に対してシス体及
びトランス体のいずれでもよく、またそれらの混合物で
あってもよい。また、構造確認の手段も特に限定され
ず、通常公知の有機化合物の分析手段が使用可能であ
る。具体的には、赤外線吸収スペクトル(IR)、核磁気共
鳴スペクトル、質量スペクトル等の手段により、二重結
合、N-スクシンイミジルエステル基及びニトロ基の存
在を容易に確認することができる。また、種々の公知若
しくは市販の液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ
等を用いることにより、生成物の収率及び純度を決定す
ることが可能である。
【0046】更に、図3に示す合成は、 N-スクシンイ
ミジルシンナメート誘導体の芳香環に置換したニトロ基
をアミノ基に還元し、最終生成物とする反応を含む(図
3(d))。ここで、ニトロ基をアミノ基へ還元する方法
に特に制限はなく、通常公知の種々の方法(Articoa
等、Synthesis Comm.,22(10),1433-1439(1992); Sato
等、Heterocycles、33(2)、589-595(1992); Mack等、J.
Org.Chem.、58、6158-6162(1993); Martin等、Helvet
ica Chemica Acta、17、111-120(1994))が好ましく
使用可能である。具体的には、酸性条件下での種々の金
属による還元反応が挙げられる。より具体的には、酢酸
酸性条件で鉄(鉄粉末を含む)を用いる方法が挙げられ
る。かかる酢酸/鉄還元反応の反応条件については特に
制限はなく、通常公知の条件で反応を行うことができ
る。かかる文献等を参照して好ましい反応条件を選択し
最適化することは当業者にとっては容易である。
【0047】ここで得られるアミノ誘導体は最終生成物
であり、本発明にかかるケージド化合物調製用試薬とな
る。前記アミノ誘導体は二重結合に対してトランス体で
ある。上記の還元反応によりシス体が同様に生成する
が、図2に示す光反応と同様のメカニズムにより容易に
窒素置換クマリン誘導体(カルボスチリル誘導体)を形
成するからである。
【0048】構造確認の手段も特に限定されず、通常公
知の有機化合物の分析手段が使用可能である。具体的に
は、赤外線吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクト
ル、質量スペクトル等の手段により、トランス二重結
合、N-スクシンイミジルエステル基及び芳香族アミノ
基の存在を容易に確認することができる。また、種々の
公知若しくは市販の液体クロマトグラフ、ガスクロマト
グラフ等を用いることにより、生成物の収率、純度を決
定することが可能である。
【0049】更に、図3に示す合成ルートには、発明に
かかるケージド化合物調製用試薬として芳香族アルキル
アミノ基を有するものを得る場合の、芳香族アミノ基の
アルキル化反応を含む(図3(e))。かかるアミノ基の
アルキル化の反応方法には特に制限はなく、通常公知の
種々の方法(Anderson等、Synthesis、1974、665; Tsu
ji等、Chem.Pharm.Bull.、45(6)、987-995(1997);
PADMANABHAN等、Synth. Commun.、1997、27(4)、691-69
9; ZHAO等、Synth Commun.、1997、27(12)、2103-211
0; RAMRAO等、 Synth. Commun.21(1991)10-11、1129-
1135)が好ましく使用可能である。具体的には、アルキ
ルハロゲン化物、アルキルスルホネート、アルキルトシ
レート等との反応が挙げられる。より具体的にはヨウ化
アルキルを用いる方法が挙げられる。かかるアルキル化
の反応条件については特に制限はなく、通常公知の条件
で反応を行うことができる。かかる文献等を参照して好
ましい反応条件を選択し最適化することは当業者にとっ
ては容易である。
【0050】ここで得られるアルキルアミノ誘導体の構
造確認の手段も特に限定されず、通常公知の有機化合物
の分析手段が使用可能である。具体的には、赤外線吸収
スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクトル、質量スペクト
ル等の手段により、トランス二重結合、N-スクシンイ
ミジルエステル基及び芳香族アルキルアミノ基の存在を
容易に確認することができる。また、種々の公知若しく
は市販の液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ等を
用いることにより、生成物の収率及び純度を決定するこ
とが可能である。
【0051】図4に示す、p-ニトロフェニルアミノシン
ナメート構造を基本構造とする化合物の合成は、好まし
い置換基を有する2−ニトロベンズアルデヒド誘導体
(フェニルケトン誘導体を含む)と好ましい置換基を導
入するためのWittig(ウイティッヒ)試薬(Wadsworth
Emmons試薬を含む)との反応によるシンナメート骨格を
形成するステップを含む(図4(a))。必要な出発物質
である2−ニトロベンズアルデヒド誘導体(フェニルケ
トン誘導体を含む)、及びWittig(ウイティッヒ)試薬
は、市販品を使用することが可能であり、また、従来公
知の有機合成方法により合成することも可能である。Wi
ttig反応の反応条件について特に制限はなく、通常公知
の条件を使用可能である。
【0052】ここで、得られるシンナメート誘導体は二
重結合に対してシス体及びトランス体のいずれでもよ
く、またそれらの混合物であってもよい。また、構造確
認の手段も特に限定されず、通常公知の有機化合物の分
析手段が使用可能である。具体的には、赤外線吸収スペ
クトル(IR)、核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトル
等の手段により、二重結合、エステル基及びニトロ基の
存在を確認することができる。また、種々の公知の若し
くは市販の液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ等
を用いることにより、生成物の収率及び純度を決定する
ことが可能である。
【0053】更に、図4に示す合成は、芳香族ニトロ基
をアミノ基に還元する反応を含む(図4(b))。ここ
で、前記ニトロ基をアミノ基へ還元する方法に特に制限
はなく、先に図3の説明時に挙げた通常公知の種々の方
法が好ましく使用可能である。具体的には、酢酸酸性条
件下での金属による還元反応が挙げられ、より具体的に
は酢酸条件での鉄(鉄粉末を含む)を用いる方法が挙げ
られる。かかる酢酸/鉄還元反応の条件については特に
制限はなく、通常公知の条件で反応を行うことができ
る。かかる文献を参照して好ましい反応条件を選択し最
適化することは当業者にとって容易である。
【0054】ここで得られるアミノ誘導体は、二重結合
に対してトランス体である。上記の還元反応によりシス
体が同様に生成するが、図2に示す光反応と同様なメカ
ニズムにより容易に窒素置換クマリン誘導体(カルボス
チリル誘導体)を形成するからである。
【0055】構造確認の手段も特に限定されず、通常公
知の有機化合物の分析手段が使用可能である。具体的に
は、赤外線吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクト
ル、質量スペクトル等の手段により、トランス二重結
合、エステル基及び芳香族アミノ基の存在を確認するこ
とができる。また、種々の公知の若しくは市販の液体ク
ロマトグラフ、ガスクロマトグラフ等を用いることによ
り、生成物の収率及び純度を決定することが可能であ
る。
【0056】更に、図4に示す合成は、エステル基の加
水分解によりカルボン酸とする反応を含む(図4
(c))。かかるエステル(通常はメチル若しくはエチル
エステルである)の加水分解の反応方法について特に制
限はなく、通常公知の方法を好ましく使用可能である。
具体的には酸性条件若しくはアルカリ条件下での反応が
可能である。かかる加水分解の反応条件については特に
制限はなく、通常公知の条件で反応を行うことができ
る。かかる文献を参照して好ましい反応条件を選択し最
適化することは当業者にとって容易である。構造確認の
手段も特に限定されず、通常公知の有機化合物の分析手
段が使用可能である。具体的には、赤外線吸収スペクト
ル(IR)、核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトル等の
手段により、トランス二重結合、カルボン酸及び芳香族
アミノ基の存在を確認することができる。また、種々の
公知の若しくは市販の液体クロマトグラフ、ガスクロマ
トグラフ等を用いることにより、生成物の収率及び純度
を決定することが可能である。
【0057】更に、図4に示す合成は、前記カルボン酸
誘導体とp-ニトロフェノールとの脱水縮合によりp-ニ
トロフェニルアミノシンナメートとする反応を含む(図
4(d))。かかる脱水縮合の反応条件についても特に制
限はなく、通常公知の方法(BILLINGTON等、Tetrahedro
n 47 (1991)28、5231-5236、; HUANG等、J.Org.Che
m.,56 (1991) 21、6007-6018;PFEIFFER等、J.Org.Che
m., 58(1993) , 735-740;CABARET等、 Synthesis 19
94)5、480-482.)を好ましく使用可能である。具体的
には、極性非水溶媒中(例えば、ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、ジクロ
ロメタンなどが挙げられる)で種々の脱水剤を用いるも
のである。脱水剤としては、具体的には、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3−(3-ジメチ
ルアミノプロピル)-カルボジイミド(EDC)、1-エチル
-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸
塩(EDC-HCl)が挙げられる。かかる脱水縮合の反応条
件について特に制限はなく、通常公知の条件を使用する
ことが可能である。かかる文献を参照して好ましい反応
条件を選択し最適化することは当業者にとって容易であ
る。
【0058】構造確認の手段も特に限定されず、通常公
知の有機化合物の分析手段が使用可能である。具体的に
は、赤外線吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクト
ル、質量スペクトル等の手段により、トランス二重結
合、エステル基、芳香族アミノ基及び芳香族ニトロ基の
存在を確認することができる。また、種々の公知の若し
くは市販の液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ等
を用いることにより、生成物の収率、純度を決定するこ
とが可能である。
【0059】上述のように、図3及び図4に示す合成ル
ートにより本発明のケージド化合物調製用試薬を得るこ
とが可能であり、これを用いて目的とするケージド化合
物を高収率かつ高選択的に得ることができるが、更に、
前記ケージド化合物調製用試薬の芳香族アミノ基に下記
式2
【0060】
【化29】
【0061】[ここで、R6は炭素数1から4までのア
ルキル基、フェニル基及び炭素数1から4までのアルキ
ルシリル基からなる群より選ばれる一種を表し、nは0
から2までの整数を表す。]で表される基を保護基とし
て導入することによって、副反応を抑制し目的のケージ
ド化合物をより高収率かつ高選択的に得ることができ
る。前記保護基のアミノ基への導入方法の一例を図5に
示すが、本発明のケージド化合物調製用試薬の合成方法
はこれにより何ら限定されるものではない。
【0062】図5に示す合成ルートは、前記中間体とし
て得られたアミノ誘導体の芳香族アミノ基に前記式2で
表される保護基を導入する反応を含む(図5(a))。前
記保護基を導入する反応方法に特に制限はなく、通常公
知の方法が好ましく使用可能である。具体的には、アル
キルシリルアルコキシカルボニル クロリドやベンジル
カルボキシ クロリドとの反応が挙げられる。前記保護
基の導入の反応条件について特に制限はなく、通常公知
の条件を用いて反応を行うことができる(Greene等、
“Protective Group in Organic Synthesis”2nd ed.、
p315-345.、JohnWiley & Sons(1991))。かかる文献等
を参照して、好ましい反応条件を選択し最適化すること
は当業者にとって容易である。
【0063】ここで得られる保護基を導入したアミノ誘
導体の構造確認の手段も特に限定されず、通常公知の有
機化合物の分析手段が使用可能である。具体的には、赤
外線吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクトル、質量
スペクトル等の手段により、二重結合、エステル基及び
芳香族アミノ基の存在を容易に確認することができる。
また、種々の公知若しくは市販の液体クロマトグラフ、
ガスクロマトグラフ等を用いることにより、生成物の収
率及び純度を決定することが可能である。
【0064】図5に示す合成ルートには、前記保護基を
導入したアミノ誘導体とN-スクシンイミド若しくはp-ニ
トロフェノールとの脱水縮合により、本発明にかかるケ
ージド化合物調製用試薬を得る反応を含む(図5
(b))。前記脱水縮合の反応方法及び反応条件について
特に制限はなく、通常公知の方法及び条件が使用可能で
ある。具体的には、それぞれ図3(c)及び図4(d)の反応の
場合と同様の方法及び条件が挙げられる。また、得られ
た化合物の構造確認の手段も特に限定されず、通常公知
の有機化合物の分析手段が使用可能である。具体的に
は、図3(c)及び図4(d)の反応により得られた化合物の構
造確認と同様の分析手段が挙げられる。
【0065】芳香族アミノ基に前記式2で表される保護
基を導入した本発明のケージド化合物調製用試薬は、ケ
ージド化の目的物質が2級アミノ基(−NHR基)を有
するアミノ酸である場合に特に有効である。なお、前記
式2で表される保護基の脱離は、目的物質とのカップリ
ング(ケージド化)反応の後処理工程において容易に行
うことができる。具体的には、トリメチルシリルエチル
オキシカルボニル基の場合には、トリフルオロ酢酸(T
FA)を用いて容易に脱離可能である。
【0066】ケージド化合物調製用試薬の反応 前記ケージド化合物調製用試薬は、N-スクシンイミドエ
ステル基又はp-ニトロフェニル基のような活性エステル
基を有することから、アミノ基等の官能基を有する種々
の化合物と温和な条件で容易に反応させることができる
(図1(a)、(b))。この反応において、水、有機溶媒、
若しくはこれらの混合溶媒を反応溶媒として用いること
ができる。更に、反応温度としては、約0℃から約100℃
の範囲で速やかに反応する。
【0067】また、前記ケージド化合物調製用試薬の反
応に必要な濃度は特に制限はないが、ケージド化の目的
物質に対して等量若しくはそれ以上使用することも可能
である。ケージド化の目的物質が複数の官能基を有する
場合、本発明のケージド化合物調製用試薬の濃度を調整
することにより、複数の官能基のケージド化が可能とな
る。
【0068】前記官能基を有する化合物が複数の相違す
る官能基(例えばアミノ基とカルボン酸基)を有する場
合、本発明のケージド化合物調製用試薬と前記官能基と
の反応性の差に基づき、特定の官能基にのみケージド化
することも可能となる。図6及び図7に本発明にかかる
ケージド化合物調製用試薬の種々の応用反応例を示し
た。
【0069】以下本発明を実施例に従い更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定される
ものではない。
【0070】
【実施例】以下の合成例は、(E) 3−(2−アミノ−
4、5−ジメトキシフェニル)−2−メチル−2−プロペン
酸 N−スクシンイミジルエステル、(E) 3−(2−ア
ミノ−ベンゾ[d]フェニル)−2−メチル−2−プロペン
酸 N−スクシンイミジルエステル、(E) 3−(2−ア
ミノ−4、5−ジメトキシフェニル)−2−メチル−2−プ
ロペン酸 p−ニトロフェニルエステル、(E) 3-(2-ア
ミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸 p-ニトロフェ
ニルエステル、 (E) 3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-
2-メチル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニルエステル及
び(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシリルエトキ
シカルボニル)アミノフェニル]-2-メチル-2-プロペン酸
N-ヒドロキシスクシンイミジドエステルの場合につい
て詳細に記載したが、種々の官能基を導入した、2−ニ
トロベンズアルデヒド誘導体(フェニルケトン誘導体を
含む)、及びWittig(ウイティッヒ)試薬(Wadsworth-
Emmons試薬を含む)を用いることにより、本発明にかか
るすべてのケージド化合物調製用試薬を合成することが
可能である。
【0071】3−(4、5−ジメトキシ−2−ニトロフェニ
ル)−2−メチル−2−プロペン酸 エチルエステルの合
6−ニトロベラトラルアルデヒド 10g(50.0 mmol)(6−
Nitroveratlaldehyde、アルドリッチ社製)と、Wittig
試薬(Carboethoxy ethylidene triphenylphosphoran
e、 アルドリッチ社製 )18.1 g(50.0 mmole)とを、
ベンゼン中、室温で18時間撹拌して反応させた。この際
反応は暗室にて行った。反応終了後、減圧でベンゼンを
除き、白色結晶を得た。これを酢酸エチルから再結晶し
て目的化合物が28.5g 得られた(収率76%)。
【0072】本化合物の構造は、赤外吸収スペクトル
(IR)、1H-NMR、13C-NMR及びTOF−MSにより確認した。
ここで、赤外吸収スペクトルは、日本電子(株)社製JI
R-WINSPEC50、1H-NMR、13C-NMRは日本電子(株)社製JN
M-LA300、TOF−MSは島津製作所(株)製KOMPACT MALDI
IVを用いた(以下同じ)。 IR:1700cm-1(エステル) TOF−MS:296(M/C)1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.93 (1H、s、プ
ロペン酸3位プロトン)、7.74(1H、s、芳香環3’位プ
ロトン)、6.72(1H、s、芳香環6’位プロトン)、 4.2
9(2H、q、J=7 Hz、エチル基のメチレン基プロトン)、
3.99 ppm (3H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、
3.96(3H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、1.92
(3H、s、プロペン2位のメチル基プロトン)、1.36(3
H、t、J=7 Hz、エチル基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):167.9(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、153.1(四級炭素、芳香環
5’位炭素)、148.7(四級炭素、芳香環4’位炭素)、1
45.1(四級炭素、 プロペン2位炭素)、143.4(四級炭
素、芳香環2’位炭素)、136.5(CH、プロペン3位炭
素)、126.6(四級炭素、芳香環1’位炭素)、112.3(C
H、芳香環6’位炭素)、107.9(CH、芳香環3’位炭
素)、61.9(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、56.5
(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、56.5(CH3、メト
キシ基のメチル基炭素)、14.3(CH3、エチル基のメチ
ル基炭素)、14.1(CH3、プロペン2位のメチル基炭
素)。
【0073】3-(4、5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)
-2-メチル-2-プロペン酸(3-(4、5-Dimethoxy-2-nitro
phenyl)-2-methyl-2-propenoic acid)の合成 上記得られた、3-(4、5-ジメトキシ-2-ニトロフェニ
ル)-2-メチル-2-プロペン酸エチルエステル(1)11.3
g をメタノール 250mlに溶解し、これに2規定水酸化ナ
トリウム水溶液45mlを加えて40℃にて4時間反応させ
た。反応終了後、1規定塩酸を用いて系内をpH 4 に調整
して冷却し、析出した結晶を濾別して目的の化合物10.1
gを得た(収率99%)。
【0074】本化合物の構造は、赤外吸収スペクトル
(IR)、1H-NMR、13C-NMR及びTOF-MSにより確認した。 IR:1685cm-1(カルボキシル基) TOF-MS:268(M/C)1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm);12.60(1
H、bs、カルボキシル基プロトン)、7.77(1H、s、プロ
ペン3位プロトン)、7.72(1H、s、芳香環3’位プロト
ン)、6.97(1H、s、芳香環6’位プロトン)、3.91(3
H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、3.90(3H、
s、メトキシ基のメチル基プロトン)、1.84 (3H、s、
プロペン2位のメチル基プロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド,δppm); 168.7(四
級炭素、1位カルボキシル基炭素)、152.8(四級炭素、
芳香環5’位炭素)、148.2(四級炭素、芳香環4’位炭
素)、139.8(四級炭素、芳香環2’位炭素)、135.5(C
H、プロペン3位炭素)、129.4(四級炭素、プロペン2位
炭素)、125.7(四級炭素、芳香環1’位炭素)、112.7
(CH、芳香環6’位炭素)、107.7(CH、芳香環3’位炭
素)、56.4(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、56.0
(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、13.8(CH3、プロ
ペン2位のメチル基炭素)。
【0075】3-(4、5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)
-2-メチル-2-プロペン酸 N-スクシンイミジルエステル
(3)( 3-(4、5-Dimethoxy-2-nitrophenyl)-2-methy
l-2-propenoic acid N-succinimide ester)の合成 3-(4、5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸(2)7.0 g(26.2 mmol)と N-ヒドロキシス
クシンイミド 3.5 g(30.0mmol)(和光純薬製)をジク
ロロメタン100 mlに溶解し、これにジメチルアミノピリ
ジン500 mg(和光純薬社製)を加え、氷冷撹拌下1-エチ
ル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩
酸塩(EDC-HCl)6.3 g(33.0 mmol)(和光純薬社製)
を分割投入した。この液温を室温に戻して2時間撹拌を
行った。反応の終点を薄層クロマトグラフ(TLC)によ
って確認した後、反応液を減圧で濃縮し、酢酸エチル10
0mlに転溶した。酢酸エチル層を洗浄後、乾燥し溶媒を
留去して 目的物8.3 g の油状物を得た(収率81 %)。
【0076】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):8.29(1
H、s、プロペン3位プロトン)、7.78(1H、s、芳香環
3’位プロトン)、7.14(1H、s、芳香環6’位プロト
ン)、3.94(3H、s、メトキシ基のメチルプロトン)、
3.92(3H、s、メトキシ基のメチルプロトン)、2.87(4
H、s、スクシンイミジル基のメチレンプロトン)、2.01
(3H、s、プロペン2位のメチル基プロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):170.4(四
級炭素、スクシンイミジル基のカルボニル炭素)、162.
9(四級炭素、1位カルボニル基炭素)、153.1(四級炭
素、芳香環5’位炭素)、149.0(四級炭素、芳香環4’
位炭素)、141.3(CH、プロペン3位炭素)、139.8(四
級炭素、芳香環2’位炭素)、124.3(四級炭素、 プロ
ペン2位炭素)、123.7(四級炭素、 芳香環1’位炭
素)、113.0(CH、芳香環6’位炭素)、107.7(CH、芳
香環3’位炭素)、56.6(CH3、メトキシ基のメチル基炭
素)、56.0(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、25.5
(CH2、スクシンイミジル基3”位と4”位のメチレン基
炭素)、13.8(CH3、プロペン2位のメチル基炭素)。
【0077】(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフ
ェニル)-2-メチル-2-プロペン酸 N-スクシンイミド
エステル(4)(3-(2-Amino-4、5-Dimethoxyphenyl)-
2-methyl-2-propenoic acid N-succinimide ester)の
合成 3-(4、5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 N-スクシンイミジルエステル(3)8.3 g
(22.8 mmol)を酢酸 70 mlと水 5mlとの混合溶媒に溶
解し、鉄粉 5.0g(Iron powder、 89.5 mmol)を加えて
70℃に加熱した。2時間の反応後、不溶物を濾過し、反
応液を水 500 ml へ投入した。生じた結晶を濾別し、水
洗、乾燥して目的化合物を結晶で 6.2 g 得た(収率81
%)。
【0078】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR (重ジメチルスルホキシド、δppm):7.82(1
H、s、プロペン3位プロトン)、6.81 (1H、s、芳香環
6’位プロトン)、6.44(1H、s、芳香環3’位プロト
ン)、5.20 (2H、bs、アニリン性アミノ基プロト
ン)、3.73(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.67(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、2.85(4H、s、スクシンイミジル基のメチレン基
プロトン)、2.16(3H、s、プロペン2位メチル基プロト
ン)13 C-NMR(DMSO-d6、δppm):170.4(四級炭素、 スク
シンイミジル基カルボニル炭素)、163.8(四級炭素、1
位カルボニル炭素)、152.0(四級炭素、芳香環4’位炭
素)、144.5(四級炭素、芳香環2’位炭素)、140.1(C
H、プロペン3位炭素)、140.0(四級炭素、芳香環5’位
炭素)、118.2(四級炭素、プロペン2位炭素)、113.9
(CH、芳香環6’位炭素)、109.5(四級炭素、芳香環
1’位炭素)、99.8(CH、芳香環3’位炭素)、56.3(CH
3、メトキシ基のメチル基炭素)、55.1(CH3、メトキシ
基のメチル基炭素)、25.4(CH2、スクシンイミジル基
3”位と4”位メチレン基炭素)、14.3(CH3、プロペン2
位のメチル基炭素)。
【0079】(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェ
ニル)-2-メチル-2-プロペン酸 フェニルエチルアミド
((E) 3-(2-amino-4、5-dimethoxyphenyl)-2-meth
yl-2-propenic acid phenethyl amide の合成 上記得られた(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフ
ェニル)-2-メチル-2-プロペン酸 N-スクシンイミドエ
ステル 0.33g(1 mmol)と、2-フェニルエチルアミン
0.24g(2 mmol)(東京化成(株)社製)とをテトラヒ
ドロフラン20ml溶解し、室温にて4時間反応させた。
反応後の溶液を減圧下濃縮したものを酢酸エチルに転溶
した。この溶液を洗浄し、更に無水硫酸マグネシウムで
乾燥した後、溶媒を減圧で除去して得られた粗生成物を
アミノプロピル修飾タイプシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー[n-ヘキサン:酢酸エチル=1:1]にて精製し、
目的化合物0.34gを得た(収率定量的)。
【0080】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR (重クロロホルム、 δppm):7.35 - 7.30(2
H、m、フェネチル芳香環2”と6”位プロトン)、7.26
- 7.21(4H、m、プロペン3位プロトンとフェネチル芳
香環3”、4”、5”位プロトン)、6.60(1H、s、シン
ナメート芳香環6’位プロトン)、6.29(1H、s、シン
ナメート芳香環3’位プロトン)、5.93(1H、bs、アミ
ド基のアミノプロトン)、3.84(3H、s、メトキシ基の
メチル基プロトン)、3.78(3H、s、メトキシ基のメチ
ル基プロトン)、3.64 ppm(2H、dt、J=7 Hz、フェネチ
ルのメチレン基プロトン)、3.54 ppm(2H、s、アミノ
基プロトン)、2.90 ppm(2H、t、J=7 Hz、フェネチル
のメチレン基プロトン)、1.96 ppm(3H、s、ペンテン
2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム δppm):169.1(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、150.2(四級炭素、シンナ
メート芳香環4’位炭素)、141.6(四級炭素、シンナ
メート芳香環2’位炭素)、139.2(四級炭素、 シンナ
メート芳香環5’位炭素)、139.0(四級炭素、フェネ
チル芳香環1”位炭素)、131.7(四級炭素、プロペン
2位炭素)、130.3(CH、プロペン3位炭素)、128.8
(CH、フェネチル芳香環2”と6”位炭素)、128.7(C
H、フェネチル芳香環3”と5”位炭素)、126.7(CH、
フェネチル芳香環4”位炭素)、113.7(CH、シンナメ
ート芳香環6’位炭素)、112.8(四級炭素、シンナメ
ート芳香環1’位炭素)、100.4(CH、シンナメート芳
香環3’位炭素)、 56.7(CH3、メトキシ基のメチル基
炭素)、55.8(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、41.
0(CH2、フェネチルのメチレン基炭素)、35.7(CH2
フェネチルのメチレン基炭素)、14.3(CH3、 プロペン
2位結合のメチル基炭素)。
【0081】(E) N-L-グルタミン酸 3-(2-アミノ-
4、5-ジメトキシフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸ア
ミド((E) N-L-glutamic acid 3-(2-amino-4、5-di
methoxyphenyl)-2-methyl-2-propenoic amide)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 N-スクシンイミドエステル 0.5g
(1.5 mmol)をジメチルホルムアミド40mlに溶解し、
これにL-グルタミン酸2.3g(10 mmol)の0.5規定炭酸
水素ナトリウム水溶液80mlに溶解した水溶液を加え、
室温にて4時間反応させた。反応液に2規定塩酸を加え、
pH4に調整した後、これをそのまま減圧濃縮し、一旦水
30 ml に溶解して残存する塩酸を除くための凍結乾燥を
行った。得られた凍結乾燥物 をクロロホルム-メタノ
ール・トリフルオロ酢酸100:10:0.01 〜40:10:0.01 を
移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り精製し、これを凍結乾燥して0.35 g を得た(収率:6
3%)。
【0082】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):8.44(1
H、d、J=7.5 Hz、アミド基プロトン)、7.34(1H、s、
プロペン酸3位プロトン)、7.24(1H、s、芳香環3’位
プロトン)、6.94(1H、s、芳香環6’位プロトン)、4.
36(1H、ddd、J=9.3Hz、7.7Hz、5.5Hz、グルタミン酸部
α位メチン基プロトン)、4.10(2H、bs アミノ基プロ
トン)、3.82(6H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、2.47(2H、dd、J=7.5Hz、7.5Hz、グルタミン酸部
ガンマ位メチレン基プロトン)、2.07(2H、m、グルタ
ミン酸部β位メチレン基プロトン)、1.97(3H、s、プ
ロペン2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド、 δppm):169.3、
169.1、169.0(四級炭素、グルタミン酸部カルボニル炭
素と1位カルボニル炭素)、148.6(四級炭素、芳香環
4’位炭素)、147.8(四級炭素、芳香環2’位炭素)、1
35.1(四級炭素、芳香環5’位炭素)、126.9(CH、プロ
ペン3位炭素)、122.6(四級炭素、 芳香環1’位炭
素)、112.8(CH、芳香環6’位炭素)、107.6(CH、芳
香環3’位炭素)、55.8(CH3、メトキシ基のメチル基炭
素)、55.7(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、51.7
(CH、グルタミン酸部α位メチン基炭素)、30.3(C
H2、グルタミン酸部ガンマ位メチレン基炭素)、26.0
(CH2、グルタミン酸部β位メチレン基炭素)、14.5(C
H3、プロペン2位結合のメチル基炭素)。
【0083】(E) N-(o-ジ-t-ブチルオキシ)-L-グル
タミン酸 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-
メチル-2-プロペン酸アミド ((E) N-(o-Di-t-buty
loxy-L-glutamic acid 3-(2-amino-4、5-dimethoxyphe
nyl)-2-methyl-2-propenoicamide)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 N-スクシンイミドエステル0.33g
(1.0 mmol)とグルタミン酸 ジ t-ブチルエステル塩酸
塩0.89g(3.0 mmol)(シグマ社製)とをテトラヒドロ
フラン200mlに溶解し、室温にて4時間反応させた。反
応液から溶媒を減圧除去したものを酢酸エチルに転溶
し、この溶液を洗浄し、更に無水硫酸ナトリウム上で乾
燥した後、濃縮して粗生成物を得た。これをカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル(アミノプロピル修飾タイ
プ)Fuji silysia chem.co.、NH-DM1020 1000 g 、溶離
液ヘキサン/酢酸エチル 1:1)により精製し、目的物
0.32gを得た(収率:65%)。
【0084】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.34(1H、s、プロ
ペン酸3位プロトン)、6.75(1H、d、J=7.3Hz、アミド
基プロトン)、6.63(1H、s、芳香環6’位プロトン)、
6.30(1H、s、芳香環3’位プロトン)、4.59(1H、dt、
J=7.3Hz、4.6Hz、グルタミン酸部α位メチン基プロト
ン)、3.85(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.80(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.59(2H、bs アミノ基プロトン)、2.39(2H、
m、グルタミン酸部ガンマ位メチレン基プロトン)、2.2
5(2H、m、グルタミン酸部β位メチレン基プロトン)、
2.05(3H、s、プロペン2位のメチル基プロトン)、1.50
(9H、s、ブチル基のメチル基プロトン)、1.45(9H、
s、ブチル基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):172.6(四級炭
素、グルタミン酸部カルボニル炭素)、171.2(グルタ
ミン酸部カルボニル炭素)、168.7(四級炭素、1位カル
ボニル炭素)、150.4(四級炭素、芳香環4’位炭素)、
141.6(四級炭素、芳香環2’位炭素)、139.2(四級炭
素、 芳香環5’位炭素)、131.1(CH、プロペン3位炭
素)、131.1(四級炭素、プロペン2位炭素)、113.6(C
H、芳香環6’位炭素)、112.8(四級炭素、芳香環1’位
炭素)、100.3(CH、芳香環3’位炭素)、82.4(四級炭
素、ブチル基炭素)、80.8(四級炭素、ブチル基炭
素)、56.7(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、55.8
(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、52.8(CH、グル
タミン酸部α位メチン基炭素)、31.7(CH2、グルタミ
ン酸部ガンマ位メチレン基炭素)、28.1(CH3、ブチル
基のメチル基炭素)、27.5(CH2、グルタミン酸部β位
メチレン基炭素)、14.2(CH3、プロペン2位のメチル基
炭素)。
【0085】3-ニトロ-2-ナフトアルデヒドの合成 3-ニトロ-2-ナフトアルデヒドの合成は文献に記載の方
法に準じて行った(Kienzle、Frank、Helv.Chim.Acta、
63(8)、2364 - 2369(1980);Wani、MansukhC、Ronm
an、Peter E、Lindley、James T. Wall、Monroe E.、J.
Med. Chem.1980、23、554 - 560)。
【0086】得られた化合物の構造解析は1H-NMR及び13
C-NMRにて行った。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):10.52(1H、s、ホ
ルミル基プロトン)、8.68(1H、s、4位プロトン)、8.
47(1H、s、1位プロトン)、8.12-8.05(2H、m、5位と8
位プロトン )、7.82-7.76(2H、m、6位と7位プロト
ン)13 C-NMR (重クロロホルム、δppm):188.2(CH、ホル
ミル基炭素)、159.4(四級炭素、2位炭素)、145.9
(四級炭素、3位炭素)、134.2(四級炭素、4a位炭
素)、133.7(四級炭素、8a位炭素)、132.1(CH、1位
炭素)、130.6(CH、6位又は7位炭素)、130.5(CH、6
位又は7位炭素)、129.8(CH、5位又は8位炭素)、129.
6(CH、5位又は8位炭素)、126.0(CH、4位炭素)。
【0087】3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 エチルエステル(3-(2-Nitro-benz
o[d]phenyl)-2-methyl-2-propenoic acid ethyl este
r)の合成 3-ニトロ-2-ナフトアルデヒド9.3g (46mmol)とWittig試
薬(Carbethoxy ethylidene triphenylphosphorane )1
7.6 g (48.5mmol)(アルドリッチ社製)とをベンゼン 2
00 ml に加え、常温で一夜間攪拌した。TLCにより反応
の終了を確認した後、反応液を濃縮して粗生成物を得
た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(アミノ
フ゜ロピル修飾シリカゲル(Fuji silysia chem.co.,NH-D
M),展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製
し、目的化合物を結晶で13.0g 得た(収率:96%)。
【0088】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにて
確認した。1 H-NMR (重クロロホルム , δppm):8.70 (1H, s, 芳香
環3’位プロトン), 8.03-8.00 (2H, m, 芳香環4’位と
7’位プロトン), 7.80 (1H, s, プロペン3位プロト
ン), 7.78 (1H, s, 芳香環8’位プロトン), 7.74-7.63
(2H, m, 芳香環5’位と6’位プロトン), 4.32 (2H, q,
J=7 Hz, エチル基のメチレン基プロトン),3.89 (2H, b
s, NH2), 2.00 (3H, s, プロペン2位結合メチル基のプ
ロトン), 1.37 (3H, t, J=7 Hz, エチル基のメチル基プ
ロトン)13 C-NMR (重クロロホルム , δppm):167.8 (四級炭素,
1位カルボニル炭素), 145.8 (四級炭素,芳香環2’位炭
素), 135.7 (CH, プロペン3位炭素),134.6 (四級炭素,
芳香環7a’位炭素), 131.4 (四級炭素, 芳香環3a’位炭
素), 131.0 (CH,芳香環8’位炭素), 130.0 (四級炭素,
芳香環1’位炭素), 129.9 (CH, 芳香環5’位又は6’位
炭素), 129.4 (CH, 芳香環5’位又は6’位炭素), 128.3
(CH, 芳香環4’位又は7’位炭素), 127.9 (CH, 芳香環
4’位又は7’位炭素), 127.7 (四級炭素,プロペン2位炭
素 ), 125.8 (CH, 芳香環3’位炭素), 61.1 (CH2, エ
チル基のメチレン基炭素), 14.3 (CH3, エチル基のメチ
ル基炭素), 14.0 (CH3, プロペン2位結合メチル基の炭
素)。
【0089】3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 (3-(2-Nitro-benzo[d]phenyl)
-2-methyl-2-propenoic acid )の合成 3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロペン
酸 エチルエステル5.48 g (19 mmol)をメタノール 130
ml に溶解させ、これに2規定水酸化ナトリウム水溶液 2
3 ml を加えて40℃にて一夜間撹拌を行った。TLCにより
反応の終了を確認した後、反応液を減圧濃縮し、これに
1規定塩酸を加えpH 1 にして析出した結晶を濾別した。
得られた結晶を水及び少量のメタノールにて洗浄し、乾
燥して目的化合物を結晶として4.8 g 得た(収率:98
%)。
【0090】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRにて
確認した。1 H-NMR (重ジメチルスルホキシド , δppm):8.90 (1H,
s, 芳香環3’位プロトン), 8.25 -8.12 (2H, m, 芳香
環4’位と7’位プロトン), 8.08 (1H, s, プロペン3位
プロトン), 7.85 (1H, s, 芳香環8’位プロトン), 7.82
-7.71 (2H, m,芳香環5’位と6’位プロトン), 1.93 (3
H, s, プロペン2位結合メチル基のプロトン)13 H-NMR (重ジメチルスルホキシド , δppm):168.6
(四級炭素,1位カルボニル炭素), 145.6 (四級炭素,芳香
環2’位炭素), 134.9 (CH, プロペン3位炭素),134.2
(四級炭素,芳香環7a’位炭素), 131.0 (CH, 四級炭素,
芳香環8’位炭素), 130.9 (四級炭素, 芳香環3a’位炭
素), 130.0 (CH, 芳香環5’位又は6’位炭素),129.9
(四級炭素,芳香環1’位炭素), 129.4 (CH, 芳香環5’位
又は6’位炭素),128.3 (CH, 芳香環4’位又は7’位炭
素), 128.0 (CH, 芳香環4’位又は7’位炭素), 126.8
(四級炭素,プロペン2位炭素), 125.6 (CH, 芳香環3’
位炭素), 13.7 (CH3, プロペン2位結合メチル基の炭
素)。
【0091】3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミド エス
テル ((E) 3-(2-Nitro-benzo[d]phenyl)-2-methy
l-2-propenoic acid N-hydroxysuccinimide ester)の
合成 3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロペン
酸7.8 g (19 mmol) とN-ヒドロキシスクシンイミド 3.2
8 g (28.5mmol)(和光純薬製)をジクロロメタン 90 ml
に溶解し、これにジメチルアミノピリジン230 mg (和
光純薬社製)を加え、氷冷撹拌下1-エチル-3-(3-ジメチ
ルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC-HCl)
5.46 g (28.5 mmol) (和光純薬社製)を分割投入し
た。この液温を室温に戻して一夜間撹拌を行った。この
反応液を減圧で濃縮し、酢酸エチル100ml に転溶した。
酢酸エチル層の洗浄、乾燥及び溶媒除去を行い、得られ
た粗生成物をカラムクロマトグラフィー(アミノプロピ
ル修飾シリカゲル(Fuji silysia chem.co.,NH-DM),展
開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製して目
的化合物を結晶で6.7g 得た(収率:98%)。
【0092】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR (重メチルスルホキシド , δppm):9.00 (1H,
s, 芳香環3'位プロトン),8.30-8.14(2H, m, 芳香環4'と
7'位プロトン),8.24 (1H, s, プロペン3位プロトンと
芳香環8’位プロトン), 7.86-7.75 (2H, m, 芳香環5’
位と6’位プロトン), 2.89 (4H, s, スクシンイミジル
基のメチレン基プロトン), 2.10 (3H, s,プロペン2位結
合のメイル基プロトン)13 H-NMR (重ジメチルスルホキシド , δppm):170.2
(四級炭素, スクシンイミジル基のカルボニル炭素), 16
3.0 (四級炭素,1位カルボニル炭素), 145.0 (四級炭素,
芳香環2’位炭素), 134.2 (CH, プロペン3位炭素), 1
31.4 (CH, 芳香環8’位炭素), 130.4 (CH, 芳香環5’位
又は6’位炭素), 129.7 (CH, 芳香環5’位又は6’位炭
素), 128.8 (CH, 芳香環4’位又は7’位炭素)), 128.2
(CH, 芳香環4’位又は7’位炭素)), 126.1 (CH, 芳香環
3’位炭素), 125.6 (四級炭素, プロペン2位炭素), 2
5.5 (CH2, スクシンイミジル基のメチレン基炭素), 13.
7 (CH3, プロペン2位結合のメチル基炭素)。
【0093】(E) 3-(2-アミノ-ベンゾ[d]フェニル)
-2-メチル-2-プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミド
エステル((E) 3-(2-Amino-benzo[d]phenyl)-2-met
hyl-2-propenoic acid N-hydroxysuccinimide ester)
の合成 3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロペン
酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル6.7 g (19 mm
ol)を酢酸 70 mlと水 5mlとの混合溶媒に溶解し、鉄粉
4.7g(Iron powder, 89.5 mmol)(小宗化学社製)を加
えて70℃に加熱した。1.5時間反応させた後、不溶物を
濾別し、反応液を水300 ml へ投入した。酢酸エチル400
mlにて2回抽出し、酢酸エチル層を水、重曹水、飽和塩
化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、これを無水硫酸ナト
リウム上で乾燥後濃縮して目的化合物4.2 g を得た(収
率66%)。
【0094】本化合物の構造は1H-NMRにより確認した。1 H-NMR (重ジメチルスルホキシド , δppm):7.94 (1H,
s, プロペン3位プロトン), 7.77 (1H, s, 芳香環8’
位プロトン), 7.73-7.49 (2H, m, 芳香環4’位と7’位
プロトン), 7.36-7.12 (2H, m, 芳香環5’位と6’位プ
ロトン), 7.04 (1H, s, 芳香環3’位プロトン), 3.30
(2H, アミノ基プロトン), 2.87 (4H, s, スクシンイミ
ジル基のメチレンプロトン), 2.18 (3H, s, プロペン2
位結合メチル基プロトン)。
【0095】4-ジメチルアミノ-2-ニトロベンジルアル
デヒド(4-Dimethylamino-2-nitrobenzaldehyde)の合成 窒素雰囲気下、冷却したジメチルホルムアミド(DMF)88
ml にオキシ塩化リン(Phosphorous oxychloride)51 g
(0.33 mol)(和光純薬社製)を滴下した。滴下時の温
度が2〜4℃を保つように滴下速度を調節し、滴下終了後
更に2℃で30分間撹拌を続けた。これにニトロジメチル
アニリン(N,N-Dimethyl-3-nitroaniline) 54.8 g(0.33
mol)(東京化成工業社製)のジメチルホルムアミド70
ml溶液を、反応温度が5℃を超えないように滴下し、そ
のまま2時間撹拌した。その後、徐々に温度を上げ60℃
で一夜間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、激し
く撹拌した氷水500 ml中に注加した。これに酢酸ナトリ
ウムを加えて約pH8に調製し、析出した結晶を濾別、乾
燥し、粗生成物 50.2 gを得た。これをアセトン-ノルマ
ルヘキサンから再結晶して目的物 21 gを得た(収率33
%)。
【0096】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR (重クロロホルム, δppm);10.12 (1H, s, ホル
ミル基プロトン),7.91(1H, d, J=9 Hz, 芳香環6'位プ
ロトン),7.10 (1H, s, 芳香環3'位プロトン),6.85 (1
H, d, J=9 Hz, 芳香環5'位プロトン),3.15 (6H, s, ジ
メチルアミノ基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム, δppm);186.7 (CH, ホルミ
ル基),153.6 (四級炭素, 4位炭素),152.7 (四級炭素,
2位炭素),131.4 (CH, 芳香環6'位炭素),117.5(四級
炭素, 1位炭素),114.3 (CH,芳香環 5'位炭素),105.8
(CH, 芳香環3'位炭素),40.4 (CH3,ジメチルアミノ基
メチル基炭素)。
【0097】(E) エチル 3-(4-ジメチルアミノ-2-ニト
ロフェニル)-2-メチル-2-プロペネート((E) Ethyl 3-
(4-dimethylamino-2-nitrophenyl)-2-methyl-2-propena
te)の合成 4-ジメチルアミノ-2-ニトロベンジルアルデヒド(4-Dime
thylamino-2-nitrobenzaldehyde) 20.0 g (0.10 mol)
とカルベエトキシ-エチリデン トリフェニルホスホラ
ン(Carbethoxy ethylidene triphneylphosphorane)
(Aldrich社製)36.2 g (0.10 mol)とをベンゼン(benze
ne) 250 mlに溶解し、室温にて一夜間撹拌した。溶媒を
減圧留去して58 g の粗生成物を得、これをカラムクロ
マトグラフィー(アミノプロピル化シリカゲルFuji sil
ysia chem. Co., NH-DM1020 )で精製して目的化合物を
結晶として20.8 g得た(収率;74.7%)。
【0098】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR (重クロロホルム, δppm);7.81 (1H, s, プロ
ペン酸3位プロトン),7.33 (1H, s, 芳香環3’位プロト
ン),7.23 (1H, d, J=9 Hz, 芳香環6’位プロトン),
6.86 (1H, d, J=9 Hz, 芳香環5’位プロトン),4.27
(2H, q, J = 7Hz,エチル基のメチレン基プロトン),3.0
6 (6H, s,ジメチルアミノ基のメチル基プロトン ),1.9
6 (3H, s, プロペン2位結合のメチル基プロトン),1.34
(3H, t,J=7Hz, エチル基のメチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム, δppm);168.2 (四級炭素,
1位カルボニル炭素),150.2 (四級炭素, 芳香環2’位
炭素),149.1 (四級炭素, 芳香環4’位炭素),135.7
(CH, プロペン酸3位炭素),132.0 (CH, 芳香環6’位炭
素),128.2 (四級炭素, プロペン2位炭素),118.0 (四
級炭素, 芳香環1’位炭素),115.7 (CH, 芳香環5’位
炭素),107.0 (CH, 芳香環3’位炭素),60.8 (CH2, エ
チル基のメチレン基炭素),40.2 (CH3, ジメチルアミノ
基のメチル基炭素),14.3 (CH3, エチル基のメチル基炭
素),14.1 (CH3, プロペン2位結合のメチル基炭素)。
【0099】(E) 3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェニ
ル)-2-メチル-2-プロペン酸((E) 3-(4-dimethylamino
-2-nitrophenyl)-2-methyl-2-propenoic acid)の合成 (E) エチル 3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェニル)-2
-メチル-2-プロペネート((E) Ethyl 3-(4-dimethylami
no-2-nitrophenyl)-2-methyl-2-propenate)15.0 g (5
3.9 mmol)をメタノール 150 mlに溶解し、これに水酸化
ナトリウム 3.2g (80 mmol)を加えて45℃にて5.5時間撹
拌した。反応液から溶媒を減圧留去した後、残渣を水10
0 mlに溶解し、これに2規定塩酸を加えて中性に調整し
た。析出した結晶を濾別し、水で十分に洗浄した後乾燥
させて目的化合物を12.1 g 結晶として得た(収率;89.
7 %)。
【0100】本化合物の構造は1H-NMRにより確認した。1 H-NMR (重クロロホルム, δppm);7.93 (1H, s, プロ
ペン酸3位プロトン),7.33 (1H, d, J=9 Hz, , 芳香環
6’位プロトン),7.24 (1H, d, J=8 Hz, 芳香環5’位プ
ロトン),6.87 (1H, s, 芳香環3’位プロトン),3.05
(6H, s,ジメチルアミノ基のメチル基プロトン ),1.97
(3H, s, プロペン2位結合のメチル基プロトン)。
【0101】(E) エチル 3-(2-アミノ-4-ジメチルアミ
ノフェニル)-2-メチル-2-プロペネート((E) Ethyl 3-
(2-amino-4-dimethylaminophenyl)-2-methyl-2-propena
te)の合成 暗室にて、エチル 3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェ
ニル)-2-メチル-2-プロペネート((E) Ethyl 3-(4-dime
thylamino-2-nitrophenyl)-2-methyl-2-propenate)20.
5 g (0.07 mol)、トリエチルアミン(Triethylamine)
(和光純薬社製)33.4 g (0.33 mol) 及び10 % Pd/C 2.
1 g をアセトニトリル(acetonitrile) 200ml に溶解
し、これに蟻酸 (formic acid)(和光純薬社製)13.8 g
(0.30 mol)を室温にて滴下した。滴下と共に反応温度
は上昇し45℃となった。滴下終了後、反応液を60℃に加
熱して1 時間撹拌した。反応の終了をTLCで確認した
後、反応液を室温まで冷却し、不溶物を濾別した。この
濾液を減圧濃縮した後、これを酢酸エチル400 ml に転
溶し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナ
トリウム水溶液の順で洗浄し、更に無水硫酸ナトリウム
により乾燥した後、減圧濃縮して粗生成物17.4 g を得
た。これをノルマルヘキサン-酢酸エチルから再結晶さ
せ、目的化合物4.67 g を得た(収率;27 %)。
【0102】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR (重クロロホルム, δppm);7.60 (1H, s, プロ
ペン酸3位プロトン),7.08 (1H, d, J=9 Hz, , 芳香環
6’位プロトン),6.19 (1H, d, J=8 Hz, 芳香環5’位プ
ロトン),6.01 (1H, s, 芳香環3’位プロトン),4.23
(2H, q, J = 7Hz, エチル基のメチレン基プロトン),3.
74 (2H, bs, アニリン性アミノ基プロトン),2.94 (6
H, s,ジメチルアミノ基のメチル基プロトン ),2.04 (3
H, s, プロペン2位結合のメチル基プロトン),1.31 (3
H, t, J=7Hz, エチル基のメチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム, δppm);169.1 (四級炭素,
1位カルボニル炭素),151.7 (四級炭素, 芳香環2’位
炭素),146.2 (四級炭素, 芳香環4’位炭素),134.7
(CH, プロペン酸3位炭素),130.9 (CH, 芳香環6’位炭
素),125.7 (四級炭素, プロペン2位炭素),110.4 (四
級炭素, 芳香環1’位炭素),103.3 (CH, 芳香環5’位
炭素),98.5 (CH, 芳香環3’位炭素),60.5 (CH2, エ
チル基のメチレン基炭素),40.2 (CH3, ジメチルアミノ
基のメチル基炭素),14.4 (CH3, エチル基のメチル基炭
素),14.4 (CH3, プロペン2位結合のメチル基炭素)。
【0103】(E) 3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェニ
ル)-2-メチル-2-プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミ
ド エステル ((E) 3-(4-dimethylamino-2-nitrop
henyl)-2-methyl-2-propenoic acid N-hydroxysuccini
mide ester)の合成 前記酸誘導体とN-ヒドロキシスクシンイミドとの縮合反
応と同様の手順により、3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロ
フェニル)-2-メチル-2-プロペン酸と N-ヒドロキシスク
シンイミドとの縮合反応を行った。具体的には、3-(4-
ジメチルアミノ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-プロペ
ン酸と N-ヒドロキシスクシンイミド(和光純薬製)を
ジクロロメタンに溶解し、これにジメチルアミノピリジ
ン(和光純薬社製)を加え、氷冷撹拌下1-エチル-3-(3-
ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC-
HCl)(和光純薬社製)を分割投入した。この液温を室
温に戻して一夜間撹拌を行った。この反応液を減圧で濃
縮し、酢酸エチル100ml に転溶した。酢酸エチル層の洗
浄、乾燥及び溶媒除去を行い、得られた粗生成物をカラ
ムクロマトグラフィー(アミノプロピル修飾シリカゲル
(Fuji silysia chem.co.,NH-DM)、展開溶媒:ヘキサン
/酢酸エチル=1/1)にて精製して目的化合物を得た。
【0104】(E) 3-(2-アミノ-4-ジメチルアミノフェ
ニル)-2-メチル-2-プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイ
ミド エステル((E) 3-(2-Amino-4-dimethylaminoph
enyl)-2-methyl-2-propenoic acid N-hydroxysuccinim
ide ester)の合成 上述の芳香族ニトロ基のアミノ基への還元反応と同様の
手順により、3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェニル)-
2-メチル-2-プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエ
ステルの芳香族ニトロ基の還元反応を行った。具体的に
は、3-(4-ジメチルアミノ-2-ニトロフェニル)-2-メチル
-2-プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステルを
酢酸と水との混合溶媒に溶解し、鉄粉(Iron powder)
(小宗化学社製)を加えて70℃に加熱した。反応後、不
溶物を濾別して反応液を水300 ml へ投入した。これを
酢酸エチルにて2回抽出し、得られた溶液を水、重曹
水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、これを無
水硫酸ナトリウム上で乾燥後濃縮して目的化合物を得
た。
【0105】(E) 3-(4、5-ジメトキシ-2-メチルアミ
ノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸フェニルエチルア
ミド ((E) 3-(4、5-Dimethoxy-2-methylaminopheny
l)-2-methyl-2-propenic acid phenethyl amide )の
合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸フェニルエチルアミド 3.00 g(8.81
mmol )とトリエチルアミン 1.34 ml(9.69 mmol)
(和光純薬社製)との無水エーテル溶液にジメチル硫酸
0.92 ml(9.69 mmol)(和光純薬社製)を室温にてゆっ
くりと滴下した後、34-35℃にて2時間還流を行った。反
応終了後に溶媒を留去し、得られた残渣を酢酸エチルに
転溶した。この酢酸エチル層を水洗した後、硫酸ナトリ
ウムによる乾燥を行った。乾燥後の溶液を減圧下濃縮
し、得られた粗生成物をアミノプロピル修飾タイプシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エ
チル=1:1)にて精製し、目的化合物1.12 g を淡黄色結
晶として得た(収率35.9 %)。
【0106】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.36 - 7.31(2H、
m、フェネチル芳香環2”と6”位プロトン)、7.27 -
7.20(4H、m、プロペン3位プロトン位と フェネチル芳
香環3”、4”、5”位プロトン)、6.65(1H、s、シン
ナメート芳香環6’位プロトン)、6.27(1H、s、シン
ナメート芳香環3’位プロトン)、5.91(1H、bs、アミ
ド基のアミノプロトン)、3.90(3H、s、メトキシ基の
メチル基プロトン)、3.79(3H、s、メトキシ基のメチ
ル基プロトン)、3.64 ppm(2H、dt、J=7 Hz、フェネチ
ルのメチレン基プロトン)、2.90 ppm(2H、t、J=7 H
z、フェネチルのメチレン基プロトン)、2.85 ppm(3
H、s、メチルアミノ基のメチル基プロトン)、1.95 ppm
(3H、s、ペンテン2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):169.1(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、150.6(四級炭素、シンナ
メート芳香環4’位炭素)、142.6(四級炭素、シンナ
メート芳香環2’位)、140.1(四級炭素、シンナメー
ト芳香環5’位)、138.9(四級炭素、フェネチル芳香
環1”位炭素)、131.5(四級炭素、プロペン2位炭
素)、130.3(CH、プロペン3位炭素)、128.8(CH、フ
ェネチル芳香環2”と6”位炭素)、128.7(CH、フェ
ネチル芳香環3”と5”位炭素)、126.5(CH、フェネ
チル芳香環4”位炭素)、114.6(CH、シンナメート芳
香環6’位炭素)、112.4(四級炭素、シンナメート芳
香環1’位炭素)、95.5(CH、シンナメート芳香環3’
位炭素)、 57.1(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、
55.8(CH 3、メトキシ基のメチル基炭素)、41.0(CH2
フェネチルのメチレン基炭素)、35.6(CH2、フェネチ
ルのメチレン基炭素)、31.2(CH3、メチルアミノ基の
メチル基炭素)、14.2(CH3、プロペン2位結合のメチ
ル基炭素)。
【0107】(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシ
リルエトキシカルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 ((E) 3-[4,5-dimethoxy-2-(trimethylsil
ylethoxycarbonyl)aminophenyl]-2-methyl-2-propenoic
acid)の合成 暗室内にて、(E) エチル 3-(2-アミノ-4,5-ジメトキシ
フェニル)-2-メチル-2-プロペネート12.2 g (46.2 mmo
l)をアセトニトリル120 ml に溶解し、窒素雰囲気下、
氷浴にて冷却しながら、粉砕した炭酸カリウム7.6 g (5
5.4 mmol)を加えた。この混濁液を激しく撹拌しなが
ら、トリメチルシリルエトキシカルボニルクロライド(T
eoc-Cl) 10 g (55.4 mmol)をゆっくりと滴下し、室温に
て一夜間撹拌を行った。この反応液を冷水500 ml に加
えた後、酢酸エチル300 ml で抽出した。この抽出物を
水、炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム
水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥
した後、溶媒を留去して粗生成物13.5 g を得た。これ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ノル
マルヘキサン/酢酸エチル=3/1)により精製し、
(E) エチル 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシリル
エトキシカルボニル)アミノフェニル]-2-メチル-2-プロ
ペネート7.0 gを得た。更に、これをジオキサン 30 ml
に溶解させ、1規定水酸化ナトリウム水溶液 25 ml を
加えて40℃で攪拌した。反応の終了はTLCにて確認し
た。この反応液に蒸留水150 mlを加え、1規定塩酸でpH
3に調整した後、析出した結晶を濾別し、これを乾燥し
て目的化合物 5.6 g を得た(収率:32 %)。
【0108】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR (重クロロホルム、δppm); 8.81 (1H、bs、
アミド基プロトン)、7.56 (1H、 s、プロペン酸3位プ
ロトン)、 6.97 (1H、 s、芳香環3’位プロトン)、
6.89 (1H、s、芳香環6’位プロトン)、4.12 (2H、
t、J=8 Hz、トリメチルシリルエトキシ基α位メチレン
基プロトン)、3.77 (6H、s、メトキシ基メチル基プロ
トン)、1.94 (3H、 s、プロペン酸2位結合メチル基プ
ロトン)、0.94 (2H、 t、 J=8 Hz、トリメチルシリル
エトキシ基β位メチレン基プロトン)、0.03 (9H、s、
トリメチルシリルエトキシ基メチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム 、δppm); 169.4 (四級炭
素、プロペン酸1位カルボニル基炭素)、154.6 (四級
炭素、トリメチルシリルエトキシカルボニル基カルボニ
ル炭素)、148.7 (四級炭素、芳香環4’位炭素)、14
5.7 (四級炭素、芳香環5’位炭素)、134.9 (CH、プロ
ペン酸3位炭素)、130.3 (四級炭素、芳香環2’位炭
素)、127.8 (四級炭素、プロペン酸2位炭素)、112.3
(CH、芳香環6’位炭素)、62.1 (CH2、トリメチルシ
リルエトキシ基β位メチレン基炭素)、55.7 (CH3、 メ
トキシ基メチル基炭素)、55.5 (CH3、メトキシ基メチ
ル基炭素)、17.3 (CH2、トリメチルシリルエトキシ基
α位メチレン基炭素)、14.0 (CH3、プロペン酸2位結
合メチル基炭素)、-1.5 (CH3、トリメチルシリルエト
キシ基メチル基炭素)。
【0109】(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシ
リルエトキシカルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミジドエステル
((E) 3-[4,5-dimethoxy-2-(trimethylsilylethoxycarb
onyl)aminophenyl]-2-methyl-2-propenoic acid N-hydr
oxysuccinimide ester)の合成 暗室内にて、(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシ
リルエトキシカルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 9.0 g (23.6 mmol)とN-ヒドロキシスクシン
イミド(和光純薬社製)2.71g(23.6mmol)をジメチル
ホルムアミド120ml に溶解し、氷冷下N,N’-ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(DCC)(和光純薬社製)5.36 g (2
6.0 mmol) を加え、室温にて一夜間撹拌した。反応終了
後、析出したジシクロヘキシル尿素を濾別し、この濾液
から溶媒を減圧留去して粗生成物 18 g を得た。これを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ノルマ
ルヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、目的化合
物 6.98 g を得た(収率:61.8 %)。
【0110】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR (重クロロホルム、δppm); 7.81 (1H、s、プ
ロペン酸3位プロトン), 7.54 (1H、 s、芳香環3’
位プロトン)、6.73 (1H、s、芳香環6’位プロト
ン)、4.23 (2H、t、J=7 Hz、トリメチルシリルエトキ
シ基α位メチレン基プロトン)、3.90 (3H、s、メトキ
シ基メチル基プロトン)、3.83 (3H、s、メトキシ基メ
チル基プロトン)、2.87 (4H、 s、スクシンイミジル基
メチレン基プロトン)、2.09 (3H、 s、プロペン酸2位
結合メチル基プロトン)、1.04 (2H、t、J=7Hz、トリメ
チルシリルエトキシ基β位メチレン基プロトン)、0.03
(9H、s、トリメチルシリルエトキシ基メチル基プロト
ン)13 C-NMR (重クロロホルム 、δppm); 169.4 (四級炭
素、プロペン酸1位カルボニル基炭素)、163.1 (四級
炭素、スクシンイミジル基カルボニル炭素)、154.0
(四級炭素、トリメチルシリルエトキシカルボニル基カ
ルボニル炭素)、150.5 (四級炭素、芳香環4’位炭
素)、145.1 (四級炭素、芳香環5’位炭素)、139.3
(CH、プロペン酸3位炭素)、130.6 (四級炭素、芳香環
2’位炭素)、125.0 (四級炭素、プロペン酸2位炭
素)、117.0 (四級炭素、芳香環1’位炭素)、111.0
(CH、芳香環6’位炭素)、105.6 (CH、芳香環3’位炭
素)、63.8 (CH2、トリメチルシリルエトキシ基β位メ
チレン基炭素)、56.2 (CH3、メトキシ基メチル基炭
素)、56.0 (CH3、メトキシ基メチル基炭素)、25.6 (C
H2、スクシンイミジル基メチレン基炭素)、17.7 (C
H2、トリメチルシリルエトキシ基α位メチレン基炭
素)、14.4 (CH3、プロペン酸2位結合メチル基炭
素)、-1.5 (CH3、トリメチルシリルエトキシ基メチル
基炭素)。
【0111】(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシ
リルエトキシカルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミジドエステルと
L-グルタミン酸との反応による (E) N-L-グルタミン酸
3-(2-アミノ-4,5-ジメトシキフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸アミド ジ-ナトリウム塩((E) N-L-Glutami
c acid 3-(2-amino-4,5-dimethoxyphenyl)-2-methyl-2
-pepenoic amide di -sodium salt) の合成 暗室内にて、(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシ
リルエトキシカルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミジドエステルの
2mMジメチルホルムアミド溶液5mlにL-グルタミン酸(和
光純薬社製)の2.4mM pH 9.5 緩衝液(40 mM 炭酸リチ
ウム-塩酸緩衝液)溶液 5mlを加えて撹拌した。高速液
体クロマトグラフィー(移動相;0.05 % トリフルオロ
酢酸 アセトニトリル/ 水= 10/90〜60/40
(20分間)、反応物;13.5 分、カップリング生成物
8.1 分)を用いて、反応が3時間で完結したこと及び
(E) N-L-グルタミミン酸 3-[2-アミノ-4,5-ジメトシキ
-2-(トリメチルシリルエトキシカルボニル]アミノフェ
ニル)-2-メチル-2-プロペン酸アミドのみが生成したこ
とを確認した。この溶液を減圧下濃縮したものをジクロ
ロメタン4.5mlに溶解し、これにトリフルオロ酢酸1ml
を加えて30℃にて24時間撹拌した。この反応液を高速液
体クロマトグラフィー(移動相;0.05 % トリフルオロ
酢酸 アセトニトリル/水= 10/90〜60/40(2
0分間),脱保護反応生成物6.0 分)を用いて分離
分析し、脱保護反応が終了したこと及び(E) N-L-グルタ
ミン酸 3-(2-アミノ-4,5-ジメトシキフェニル)-2-メチ
ル-2-プロペン酸アミドのみが生成したことを確認した
(反応は定量的)。
【0112】(E) N-L-グルタミン酸 3-[2-アミノ-4,5-
ジメトシキ-2-(トリメチルシリルエトキシカルボニル]
アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸アミドの構造
は、1H-NMR及び13C-NMRにより確認した。1 H-NMR (重水、δppm);7.18 (1H、 s、プロペン酸3位
メチン基プロトン)、7.07 (1H、 s、芳香環3’位プロ
トン)、7.00 (1H、 s、芳香環6’位プロトン)、4.24
(3H、m、グルタミン酸部α位メチン基プロトン、トリメ
チルシリルエトキシカルボニル基のα位メチレン基プロ
トン)、3.86 (6H、s、メトキシ基メチル基プロトン)、
2.27 (2H、dd、J= 9 Hz、8 Hz、グルタミン酸部γ位メ
チレン基プロトン)、2.16 〜 2.09 (2H、m、グルタミン
酸部β位メチレン基プロトン)、1.93(3H、s、プロペン
酸2位結合メチル基プロトン )、0.99 (2H、t、J=7 H
z、トリメチルシリルエトキシカルボニル基のβ位メチ
レン基プロトン)、0.03 (9H、s、トリメチルシリル基の
メチル基プロトン)13 C-NMR (重水、δppm);183.0 (四級炭素、グルタミ
ン酸部カルボニル炭素)、179.4 (四級炭素、グルタミ
ン酸部カルボニル炭素)、172.2 (四級炭素、プロペン
酸部1位カルボニル炭素)、158.3 (四級炭素、トリメチ
ルシリルエトキシカルボニル基のカルボニル炭素)、14
9.0 (四級炭素、芳香環4’位炭素)、146.2(四級炭
素、芳香環5’位炭素)、131.8 (CH、プロペン酸3位メ
チン基炭素)、129.2 (四級炭素、芳香環2’位炭
素)、126.9 (四級炭素、プロペン酸部2位炭素)、114.
7 (四級炭素、芳香環1’位炭素)、113.3 (CH、芳香環
6’位炭素)、103.0 (CH、芳香環3’位炭素)、65.5 (C
H2、トリメチルシリルエトキシカルボニル基のβ位メチ
レン基炭素)、56.7 (CH、グルタミン酸部α位メチン基
炭素)、56.6 (CH3、メトキシ基メチル基炭素)、35.1
(CH2、グルタミン酸部γ位メチレン基炭素)、29.4 (CH
2、 グルタミン酸部β位メチレン基炭素)、17.7 (C
H2、トリメチルシリルエトキシカルボニル基のα位メチ
レン基炭素)、14.2 (CH 3、プロペン酸部2位結合メチル
基炭素)、-1.5 (CH3、トリメチルシリル基のメチル基
炭素)。
【0113】(E) N-L-グルタミン酸 3-(2-アミノ-4,5-
ジメトシキフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸アミド
ジ-ナトリウム塩の構造は、1H-NMR及び13C-NMRにより確
認した。1 H-NMR (重ジメチルスルホキシド、δppm);8.44 (1H、
bs、アミド基プロトン)、7.34(1H、s、プロペン酸3位
メチン基プロトン)、7.24 (1H、s、芳香環3’位プロト
ン)、6.94 (1H、s、芳香環6’位プロトン)、4.36 (1
H、dd、J=9 Hz、J=8Hz、グルタミン酸部α位メチン基プ
ロトン)、4.10 (2H、 bs、アミノ基プロトン)、3.82
(6H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、2.47 (2H、
t、J= 8 Hz、グルタミン酸部γ位メチン基プロトン)、
2.07 (2H、m、グルタミン酸部β位メチン基プロトン)、
1.97 (3H、s、プロペン酸2位結合メチル基プロトン )13 C-NMR (重ジメチルスルホキシド、δppm);169.3、16
9.1、169.0 (四級炭素、グルタミン酸部カルボニル炭
素とプロペン酸部1位カルボニル炭素)、148.6 (四級炭
素、芳香環4’位炭素)、147.8 (四級炭素、芳香環2’
位炭素)、135.1(四級炭素、芳香環5’位炭素)、126.9
(CH、プロペン酸3位メチン基炭素)、122.6 (四級炭
素、芳香環1’位炭素)、117.4 (四級炭素、芳香環1’
位炭素)、112.8 (CH、芳香環6’位炭素)、107.6 (C
H、芳香環3’位炭素)、55.8 (CH3、メトキシ基メチル
基炭素)、55.7 (CH3、メトキシ基メチル基炭素)、51.7
(CH、グルタミン酸部α位メチン基炭素)、30.3 (CH2
グルタミン部γ位メチレン基炭素)、26.0 (CH2、グル
タミン酸部β位メチレン基炭素)、14.5 (CH3、プロペ
ン酸部2位結合メチル基炭素)。
【0114】(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシ
リルエトキシカルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミジドエステルと
N-Methyl-D-asparatic acidとの反応による (E) N-(N-
メチル)-D-アスパラギン酸 3-(2-アミノ-4,5-ジメトシ
キフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸アミド((E) N-(N-
Methyl)-D-asparatic acid 3-(2-amino-4,5-dimethoxyp
henyl)-2-methyl-2-pepenoic amide)の合成 暗室内にて、(E) 3-[4,5-ジメトキシ-2-(トリメチルシ
リルエトキシカルボニル)アミノフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミジドエステルの
2mMジメチルホルムアミド溶液5mlにN-Methyl-D-asparat
ic acid(和光純薬社製)の2.4mM pH 9.5 緩衝液(40 m
M 炭酸リチウム-塩酸緩衝液)溶液 5mlを加えて撹拌し
た。この反応の経過を高速液体クロマトグラフィー(移
動相;0.05 % トリフルオロ酢酸 アセトニトリル/ 水=
10/90〜60/40(20分間),反応物;13.5
分,カップリング生成物10.1 分)を用いて観測し、反
応が5時間で終了したこと及び(E) N-(N-メチル)-L-アス
パラギン酸 3-[2-アミノ-4,5-ジメトシキ-2-(トリメチ
ルシリルエトキシカルボニル)アミノフェニル]-2-メチ
ル-2-プロペン酸アミドのみが生成生成したことを確認
した。反応後の溶液を減圧下濃縮してジクロロメタン4.
5mlに溶解させたものに、トリフルオロ酢酸1mlを加え
て30℃にて24時間撹拌した。この反応の経過を高速液体
クロマトグラフィー(移動相;0.05 % トリフルオロ酢
酸 アセトニトリル/ 水= 10/90〜60/40(2
0分間),脱保護反応生成物8.7 分)を用いて観測し、
脱保護反応が終了したこと及び (E) N-(N-メチル)-D-ア
スパラギン酸 3-(2-アミノ-4,5-ジメトシキフェニル)-
2-メチル-2-プロペン酸アミドのみが生成したことを確
認した(反応は定量的)。
【0115】(E) N-(N-メチル)-D-アスパラギン酸 3-
(2-アミノ-4,5-ジメトシキフェニル)-2-メチル-2-プロ
ペン酸アミドの構造は,1H-NMR及び13C-NMRにより確認
した。1 H-NMR (重水, δppm);6.85 (1H, s, 芳香環6’位プ
ロトン),6.61 (1H, s,芳香環3’位プロトン),6.48(1
H, s, プロペン酸3位メチン基プロトン),5.02 (1H, d
d, J=9 Hz, J=6Hz, アルパラギン酸部α位メチン基プロ
トン),3.83 (3H, s, メトキシ基メチル基プロトン) ,
3.81 (3H, s, メトキシ基メチル基プロトン),3.20 〜
2.79 (2H, m, アルパラギン酸部β位メチレン基プロト
ン),2.90 (3H, s,アスパラギン酸部窒素結合メチル基
プロトン), 1.96 (3H, s, プロペン酸2位結合メチル
基プロトン)13 C-NMR (重水, δppm);177.2 (四級炭素, アルパラギ
ン酸部カルボニル炭素),176.3 (四級炭素, アルパラ
ギン酸部カルボニル炭素),174.7(四級炭素,プロペン
酸1位カルボニル炭素),149.8 (四級炭素, 芳香環4'位
炭素),141.9 (四級炭素, 芳香環2'位炭素),139.4 (四
級炭素,芳香環5'位炭素),134.2 (四級炭素, プロペン
酸2位炭素),126.9 (CH, プロペン酸3位メチン基炭
素),114.9 (四級炭素, 芳香環1'位炭素),114.6 (CH,
芳香環6'位炭素),102.5 (CH, 芳香環3'位炭素),6
2.1 (CH, アルパラギン酸部α位メチン基炭素), 57.4
(CH3, メトキシ基メチル基炭素),56.4 (CH3, メトキシ
基メチル基炭素),36.0 (CH2, アルパラギン酸部β位メ
チレン基炭素),30.3 (CH3, アスパラギン酸部窒素結合
メチル基炭素),15.8 (CH3, プロペン酸2位結合メチル
基炭素)。
【0116】(E) 3-[4-ジメチルアミノ-2-(tert-ブチ
ルオキシカルボニル)アミノ-フェニル]-2-メチル-2-プ
ロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミジドエステル
((E) 3-[4-dimethylamino-2-(tert-butyloxicarony
l)]-2-methyl-2-propenoic acid N-hydroxysuccinimide
ester)の合成 暗室内にて、(E) エチル 3-(2-アミノ-4-ジメチルアミ
ノフェニル)-2-メチル-2-プロペネート((E) Ethyl 3-
(2-amino-4-dimethylaminophenyl)-2-methyl-2-propena
te)1.4 g(5.65 mmol)を乾燥テトラヒドロフラン 14
mlに溶解し、これにジ-tert-ブチルジカルボネート(国
産化学社製)1.4 g(6.21 mmol)を加えて一夜間還流し
た。反応終了後反応液を減圧下濃縮し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(アミノプロピル化シリカゲルFu
ji silysia chem. Co., NH-DM1020,溶出溶媒;酢酸エ
チル/ノルマルヘキサン=2/1)にて精製して (E)
エチル 3-[4-ジメチルアミノ-2-(tert-ブチルオキシカ
ルボニル)アミノ-フェニル]-2-メチル-2-プロペネート
を1.5 g 得た。これをジオキサン19 ml に溶解し、2規
定水酸化ナトリウム水溶液 8.2 ml を加えて40℃にて一
夜間攪拌した。反応液からメチル-tert-ブチルエーテル
にて抽出を行い、水層を2規定塩酸により約pH1に調整
し、析出した結晶を濾取し、水洗後減圧乾燥して(E)3-
[4-ジメチルアミノ-2-(tert-ブチルオキシカルボニ
ル)アミノ-フェニル]-2-メチル-2-プロペン酸を1.0 g
得た。次にこれを乾燥ジメチルホルムアミド13 mlに溶
解し、これに氷冷下ヒドロキシスクシンイミド(和光純
薬社製)361 mg (3.44 mmol)とN,N’-ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(DCC)(和光純薬社製)708m g (3.44
mmol)とを加えて室温にて一夜間撹拌した。反応終了
後、析出したジシクロヘキシル尿素を濾腹し、溶媒を減
圧留去して粗生成物を得た。これをイソプロピルエーテ
ルからの再結晶により精製して、目的化合物を1.0 g 得
た(収率:43 %)。
【0117】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重クロロホルム, δppm);7.84 (1H, s, プロペ
ン酸部3位プロトン),7.34(1H, bs, アミド基プロト
ン),7.20 (1H, d, J=9 Hz, アミノシンナモイル部芳
香環6’位プロトン),6.45 (1H, d, J= 9 Hz, アミノ
シンナモイル部芳香環5’位プロトン),6.43 (1H, s,
アミノシンナモイル部芳香環3’位プロトン),3.03 (6
H, s, ジメチルアミノ基のメチル基プロトンNMe2),2.8
8 (4H, s, スクシンイミド基メチレン基プロトン),2.1
6 (3H, s, プロペン2位結合のメチル基プロトン).1.5
2 (9H, s, ブチルオキシカルボニル基のメチル基プロト
ン)13 C-NMR(重クロロホルム, δ ppm);169.6 (四級炭素,
スクシンイミド基カルボニル炭素),163.7 (四級炭素,
プロペン1位カルボニル炭素),152.7 (四級炭素, ブチ
ルオキシカルボニル基カルボニル炭素),151.9 (四級炭
素, アミノシンナモイル部芳香環4’位炭素),139.7
(CH, プロペン酸3位炭素),138.5 (四級炭素, アミノシ
ンナモイル部芳香環2’位炭素),130.9(CH, アミノシ
ンナモイル部芳香環6’位炭素), 121.1(四級炭素, プ
ロペン酸2位炭素),112.7(四級炭素, アミノシンナモ
イル部芳香環1’位炭素),107.0 (CH, アミノシンナモ
イル部芳香環5’位炭素),103.9(CH, アミノシンナモ
イル部芳香環3’位炭素),80.8(四級炭素 , ブチルオ
キシカルボニル基中心炭素),40.1 (CH3, ジメチルア
ミノ基のメチル基炭素),28.3 (CH3, ブチルオキシカル
ボニル基のメチル基炭素),25.6 (CH2, スクシンイミド
基メチレン基炭素),14.5 (CH3, プロペン2位結合のメ
チル基炭素)。
【0118】(E) 3-[4-ジメチルアミノ-2-(トリメチル
シリルエトキシカルボニル)アミノ-フェニル]-2-メチル
-2-プロペン酸 N-ヒドロキシスクシンイミジドエステ
ル ((E) 3-[4-dimethylamino-2-(trimethylsilylethox
ycarbonyl)amino-phenyl]-2-methyl-2-propenic acid N
-hydroxysuccinimide ester)の合成 暗室内にて、(E) エチル 3-(2-アミノ-4-ジメチルアミ
ノフェニル)-2-メチル-2-プロペネート((E) Ethyl 3-
(2-amino-4-dimethylaminophenyl)-2-methyl-2-propena
te)500m g (2.02 mmol)を乾燥メチレンクロライドに
溶解し、これにトリメチルシリルエトキシカルボニル-
スクシンイミジルエステル553m g(2.22 mmol)を加え
て室温にて48時間反応させた。その後反応液を減圧下濃
縮して酢酸エチルに転溶し、この有機層を水、飽和塩化
ナトリウム水溶液にて順次洗浄した。得られた粗生成物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アミノプロピ
ル化シリカゲルFuji silysia chem. Co., NH-DM1020 ,
溶出溶媒;酢酸エチル/ノルマルヘキサン=1/1)に
て精製して (E) エチル 3-[4-ジメチルアミノ-2-(トリ
メチルシリルエトキシカルボニル)アミノ-フェニル]-2
-メチル-2-プロペネートを105m g 得た。これをテトラ
ヒドロフラン5 ml に溶解し、1規定水酸化ナトリウム
水溶液 5 ml を加え、40℃にて2時間攪拌した。反応
液を減圧下濃縮し、固相抽出充填剤ダイヤイオン HP-21
(三菱化学社製)を用いたカラムにアプライし、水で溶
出することで脱塩を行った後、10%メタノール水溶液に
て溶出した。この溶出物を凍結乾燥することにより(E)3
-[4-ジメチルアミノ-2-(トリメチルシリルエトキシカ
ルボニル)アミノ-フェニル]-2-メチル-2-プロペン酸ナ
トリウム塩を90m g 得た。次にこれを乾燥ジメチルホル
ムアミド5mlに溶解し、氷冷下、ヒドロキシスクシンイ
ミド(和光純薬社製)31mg 、N,N’-ジシクロヘキシル
カルボジイミド(DCC)(和光純薬社製)65m g (0.3 mmo
l)、及びジメチルアミノピリジン(和光純薬社製)触媒
量を加え、室温にて一夜間撹拌した。反応終了後、析出
したジシクロヘキシル尿素を濾別し、濾液から溶媒を減
圧留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(アミノプロピル化シリカゲルFuji s
ilysia chem. Co., NH-DM1020 ,溶出溶媒;酢酸エチル
/ノルマルヘキサン=1/2)にて精製して、目的物を
32m g 得た(収率;3.4 %)。
【0119】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重クロロホルム, δppm);7.82 (1H, s, プロペ
ン酸部3位プロトン),7.19 (1H, d, J= 8 Hz, アミノシ
ンナモイル部芳香環6’位プロトン),6.46 (1H,d, J=
8 Hz, アミノシンナモイル部芳香環5’位プロトン),
6.41 (1H, s, アミノシンナモイル部芳香環3’位プロ
トン),4.10 (2H, t, J=7 Hz, トリメチルシリルエト
キシ基α位メチレン基プロトン),3.01 (6H, s, ジメ
チルアミノ基のメチル基プロトンNMe2),2.86 (4H, s,
スクシンイミド基メチレン基プロトン),2.10 (3H, s,
プロペン2位結合のメチル基プロトン),1.04 (2H, t,
J=7Hz, トリメチルシリルエトキシ基β位メチレン基プ
ロトン), 0.03 (9H, s, トリメチルシリルエトキシ基
メチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム, δ ppm);169.4 (四級炭素,
スクシンイミド基カルボニル炭素),169.3 (四級炭素,
プロペン1位カルボニル炭素),152.6 (四級炭素, トリ
メチルシリルエトキシカルボニル基カルボニル炭素),1
51.9(四級炭素,アミノシンナモイル部芳香環4’位炭
素),139.8 (CH, プロペン酸3位炭素),138.4 (四級炭
素, アミノシンナモイル部芳香環2’位炭素),131.0
(CH, アミノシンナモイル部芳香環6’位炭素),121.0
(四級炭素, プロペン酸2位炭素),112.4(四級炭素,
アミノシンナモイル部芳香環1’位炭素),107.3 (CH,
アミノシンナモイル部芳香環5’位炭素),103.9(CH,
アミノシンナモイル部芳香環3’位炭素),63.8 (CH2,
トリメチルシリルエトキシ基β位メチレン基炭素),4
0.1 (CH3, ジメチルアミノ基のメチル基炭素),25.6 (C
H2, スクシンイミジル基メチレン基炭素),17.6 (CH2,
トリメチルシリルエトキシ基α位メチレン基炭素),1
4.5 (CH3, プロペン酸2位結合メチル基炭素),-1.5
(CH3, トリメチルシリルエトキシ基メチル基炭素)。
【0120】3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)
-2-メチル-2-プロペン酸エチルエステル(3-(2-Amino-
4、5-dimethoxyphenyl)-2-methyl-2-propenic acid et
hyl ester)の合成 3-(4、5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸エチルエステル19.0 gを氷酢酸250ml に溶解
し、これに鉄粉 15.0 gとイオン交換水20mlとを加え、4
0分間加熱環流を行った。反応液を濾過し、その濾液を
減圧濃縮して得られた残渣を酢酸エチルに溶解して、
水、5%重曹水及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次
洗浄した。この酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウム上
で一晩放置し乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去し、そ
の残渣をヘキサン/エタノール混合液から再結晶して目
的の化合物12.5 gを得た(収率78 %)。
【0121】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.57(1H、s、プロ
ペン酸3位プロトン)、6.68(1H、s、芳香環6’位プロ
トン)、6.29(1H、s、芳香環3’位プロトン)、4.25
(2H、q、J=7 Hz、エチル基のメチレン基プロトン)、
3.84(3H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、3.79
(3H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、3.57(2
H、bs、アミノ基プロトン)、2.03(3H、s、プロペン2
位のメチル基プロトン)、1.33(3H、t、J=7 Hz、エチ
ル基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):168.6(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、150.6(四級炭素、芳香環
4’位炭素)、141.6(四級炭素、芳香環2’位炭素)、1
39.6(四級炭素、芳香環5’位炭素)、134.6(CH、プロ
ペン3位炭素)、128.2(四級炭素、プロペン2位炭
素)、113.5(CH、芳香環6’位炭素)、112.7(四級炭
素、芳香環1’位炭素)、100.3(CH、芳香環3’位炭
素)、60.8(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、56.7
(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、55.8(CH3、メト
キシ基のメチル基炭素)、14.4(CH3、エチル基のメチ
ル基炭素)、14.3(CH3、プロペン2位のメチル基炭
素)。
【0122】(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェ
ニル)-2-メチル-2-プロペン酸((E) 3-(2-amino-
4、5-dimethoxyphenyl)-2-methyl-2-propenoic acid)
の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸エチルエステル1.0gをテトラヒドロ
フラン(THF) 10mlに溶解し、これに1規定水酸化ナト
リウム水溶液10mlを加えて40℃にて4時間反応させた。
反応終了後、1規定塩酸10mlを加えて冷却し、析出した
結晶を濾別して、目的の化合物が0.85g得られた(95
%)。
【0123】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):7.51(1H、
s、プロペン酸3位プロトン)、6.70(1H、s、芳香環6'位
プロトン)、6.42(1H、s、芳香環3'位プロトン)、3.72
(3H、s、メトキシ基のメチル基プロトン)、3.65(3H、
s、メトキシ基のメチル基プロトン)、3.36(2H、bs、ア
ミノ基プロトン)、1.98(3H、s、プロペン2位のメチル
基プロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):169.7
(四級炭素、1位カルボニル炭素)、150.7(四級炭素、
芳香環4'位炭素)、142.6(四級炭素、芳香環2'位炭
素)、139.8(四級炭素、芳香環5'位炭素)、134.7(C
H、プロペン3位炭素)、125.2(四級炭素、プロペン2位
炭素)、114.3(CH、芳香環6'位炭素)、111.0(四級炭
素、芳香環1'炭素)、100.1(CH、芳香環3'炭素)、60.
8(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、56.5(CH3、メ
トキシ基のメチル基炭素)、55.1(CH3、メトキシ基の
メチル基炭素)、14.4(CH3、エチル基のメチル基炭
素)、14.3(CH3、プロペン2位のメチル基炭素)。
【0124】(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェ
ニル)-2-メチル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニルエス
テル((E) 3-(2-Amino-4、5-dimethoxyphenyl)-2-m
ethyl-2-propenic acid p-nitrophenyl ester )の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 0.82 g (3.5 mmol)と p-ニトロフ
ェノール 0.97g(7 mmol)(和光純薬社製)とをジクロ
ロメタン20 mlに溶解し、これにジメチルアミノピリジ
ン 40 mg(和光純薬社製)を加え、氷冷撹拌下、1-エチ
ル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩
酸塩(EDC/HCl)0.81g(4.2 mmol)(和光純薬社製)を
分割投入した。これを室温に戻した後、20時間撹拌を行
った。反応の終点をTLCによって確認した後、反応液を
減圧濃縮して得られた残渣を酢酸エチル100ml に転溶し
た。この溶液を洗浄した後、乾燥及び溶媒留去を行いあ
め状の粗生成物を得た。これを、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて
精製し、目的の化合物を0.15 g 黄色結晶として得た
(収率12%)。
【0125】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):8.31(2H、d、J=9
Hz、p-ニトロフェニルオキシ基2”位と6”位プロト
ン)、7.88(1H、s、プロペン3位プロトン)、7.36(2
H、d、J=9 Hz、p-ニトロフェニルオキシ基3”位と5”位
プロトン)、6.79(1H、s、シンナミル芳香環6’位プロ
トン)、6.33(1H、s、シンナミル芳香環3’位プロト
ン)、3.88(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.84(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.68(2H、bs、アミノ基プロトン)、2.20(3H、
s、プロペン2位メチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):166.2(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、156.1(四級炭素、p-ニトロ
フェニルオキシ基1”位炭素)、151.5(四級炭素、シン
ナミル芳香環4’位炭素)、145.2(四級炭素、p-ニトロ
フェニルオキシ基4”位炭素)、141.9(四級炭素、シン
ナミル芳香環2’位炭素)、140.3(四級炭素、シンナミ
ル芳香環5’位炭素)、137.7(CH、プロペン3位炭
素)、125.6(四級炭素、プロペン2位炭素)、125.2(C
H、p-ニトロフェニルオキシ基3”位と5”位炭素)、12
2.6(CH、p-ニトロフェニルオキシ基2”位と6”位炭
素)、113.4(CH、シンナミル芳香環6’位炭素)、112.
0(quaternary、シンナミル芳香環1’位炭素)、100.4
(CH、シンナミル芳香環3’位炭素)、56.7(CH3、メト
キシ基のメチル基炭素)、55.8(CH3、メトキシ基のメ
チル基炭素)、14.5(CH3、プロペン2位結合メチル基炭
素)。
【0126】(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェ
ニル)-2-メチル-2-プロペン酸 フェニルエチルアミド
((E) 3-(2-amino-4、5-dimethoxyphenyl)-2-meth
yl-2-propenic acid phenethyl amide の合成 上記得られた(E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェ
ニル)-2-メチル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニルエス
テル0.72g(2.0 mmol)と、2-フェニルエチルアミン 0.
48g(4.0 mmol)(東京化成(株)社製)とをジメチル
ホルムアミド30mlに溶解し、室温にて一夜間反応させ
た。反応液を減圧濃縮して得られた残渣を酢酸エチルに
転溶した。この溶液を洗浄し、更に無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、溶媒を減圧除去して得られた粗生成物
をアミノプロピル修飾タイプシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製
し目的化合物0.68gを得た(収率定量的)。
【0127】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.35 - 7.30(2H、
m、フェネチル芳香環2”と6”位プロトン)、7.26 -
7.21(4H、m、プロペン3位プロトン位とフェネチル芳
香環3”、4”、5”位プロトン)、6.60(1H、s、シン
ナメート芳香環6’位プロトン)、6.29(1H、s、シン
ナメート芳香環3’位プロトン)、5.93(1H、bs、アミ
ド基のアミノプロトン)、3.84(3H、s、メトキシ基の
メチル基プロトン)、3.78(3H、s、メトキシ基のメチ
ル基プロトン)、3.64 ppm(2H、dt、J=7 Hz、フェネチ
ルのメチレン基プロトン)、3.54 ppm(2H、s、アミノ
基プロトン)、2.90 ppm(2H、t、J=7 Hz、フェネチル
のメチレン基プロトン)、1.96 ppm(3H、s、プロペン
2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム δppm):169.1(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、150.2(四級炭素、シンナ
メート芳香環4’位炭素)、141.6(四級炭素、シンナ
メート芳香環2’位炭素)、139.2(四級炭素、 シンナ
メート芳香環5’位炭素)、139.0(四級炭素、フェネ
チル芳香環1”位炭素)、131.7(四級炭素、プロペン
2位炭素)、130.3(CH、プロペン3位炭素)、128.8
(CH、フェネチル芳香環2”と6”位炭素)、128.7(C
H、フェネチル芳香環3”と5”位炭素)、126.7(CH、
フェネチル芳香環4”位炭素)、113.7(CH、シンナメ
ート芳香環6’位炭素)、112.8(四級炭素、シンナメ
ート芳香環1’位炭素)、100.4(CH、シンナメート芳
香環3’位炭素)、56.7(CH3、メトキシ基のメチル基
炭素)、55.8(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、41.
0(CH2、フェネチルのメチレン基炭素)、35.7(CH2
フェネチルのメチレン基炭素)、14.3(CH3、プロペン
2位結合のメチル基炭素)。
【0128】(E) N-L-グルタミン酸 3-(2-アミノ-
4、5-ジメトキシフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸ア
ミド((E) N-L-glutamic acid 3-(2-amino-4、5-di
methoxyphenyl)-2-methyl-2-propenoic amide)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニルエステル0.72g
(2.0 mmol)をテトラヒドロフラン80mlに溶解し、こ
れにL-グルタミン酸2.3g(10 mmol)を0.5規定炭酸水
素ナトリウム水溶液160mlに溶解した水溶液を加え
て、室温にて一夜間反応させた。反応液に2規定塩酸を
加えてpH4に調整し、そのまま減圧濃縮した。この残渣
を一旦水 30 ml に溶解し、残存する塩酸を除くための
凍結乾燥を行った。得られた凍結乾燥物 をクロロホル
ム-メタノール・トリフルオロ酢酸100:10:0.01 〜40:1
0:0.01 を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製し、これを凍結乾燥して0.74 g を得
た(収率定量的)。
【0129】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):8.44(1
H、d、J=7.5 Hz、アミド基プロトン)、7.34(1H、s、
プロペン酸3位プロト)、7.24(1H、s、芳香環3’位プ
ロトン)、6.94(1H、s、芳香環6’位プロトン)、4.36
(1H、ddd、J=9.3Hz、7.7Hz、5.5Hz、グルタミン酸部α
位メチン基プロトン)、4.10(2H、bs アミノ基プロト
ン)、3.82(6H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、2.47(2H、 dd、J=7.5Hz、7.5Hz、グルタミン酸
部ガンマ位メチレン基プロトン)、2.07(2H、m、グル
タミン酸部β位メチレン基プロトン)、1.97(3H、s、
プロペン2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):169.3、1
69.1、169.0(四級炭素、グルタミン酸部カルボニル炭
素と1位カルボニル炭素)、148.6(四級炭素、芳香環
4’位炭素)、147.8(四級炭素、芳香環2’位炭素)、1
35.1(四級炭素、芳香環5’位炭素)、126.9(CH、プロ
ペン3位炭素)、122.6(四級炭素、芳香環1’位炭
素)、112.8(CH、芳香環6’位炭素)、107.6(CH、芳
香環3’位炭素)、55.8(CH3、メトキシ基のメチル基炭
素)、55.7(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、51.7
(CH、グルタミン酸部α位メチン基炭素)、30.3(C
H2、グルタミン酸部ガンマ位メチレン基炭素)、26.0
(CH2、グルタミン酸部β位メチレン基炭素)、14.5(C
H3、プロペン2位結合のメチル基炭素)。
【0130】(E) N-(0-ジ-t-ブチルオキシ)-L-グル
タミン酸 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-
メチル-2-プロペン酸アミド ((E) N-(o-Di-t-buty
loxy-L-glutamic acid 3-(2-amino-4、5-dimethoxyphe
nyl)-2-methyl-2-propenoicamide)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4、5-ジメトキシフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニルエステル0.36g
(1.0 mmol)と、グルタミン酸 ジ t-ブチルエステル塩
酸塩0.89g(3.0 mmol)(シグマ社製)とをテトラヒド
ロフラン200mlに溶解し、室温にて4時間反応させた。
この反応液から溶媒を減圧除去し、得られた残渣を酢酸
エチルに転溶した。この溶液を洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウム上で乾燥した後、濃縮して粗生成物を得た。これを
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル(アミノプロピ
ル修飾タイプ)Fuji silysia chem. co.、NH-DM1020 10
00 g、溶離液 ヘキサン/酢酸エチル 1:1)により精
製し、目的物0.48gを得た(収率定量的)。
【0131】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.34(1H、s、プロ
ペン酸3位プロトン)、6.75(1H、d、J=7.3Hz、アミド
基プロトン)、6.63(1H、s、芳香環6’位プロトン)、
6.30(1H、s、芳香環3’位プロトン)、4.59(1H、dt、
J=7.3Hz、4.6Hz、グルタミン酸部α位メチン基プロト
ン)、3.85(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.80(3H、s、メトキシ基のメチル基プロト
ン)、3.59(2H、bs、アミノ基プロトン)、2.39 (2
H、m、グルタミン酸部ガンマ位メチレン基プロトン)、
2.25(2H、m、グルタミン酸部β位メチレン基プロト
ン)、2.05(3H、s、プロペン2位のメチル基プロト
ン)、1.50(9H、s、ブチル基のメチル基プロトン)、
1.45(9H、s、ブチル基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):172.6(四級炭
素、グルタミン酸部カルボニル炭素)、171.2(グルタ
ミン酸部カルボニル炭素)、168.7(四級炭素、1位カル
ボニル炭素)、150.4(四級炭素、芳香環4’位炭素)、
141.6(四級炭素、芳香環2’位炭素)、139.2(四級炭
素、 芳香環5’位炭素)、131.1(CH、プロペン3位炭
素)、131.1(四級炭素、プロペン2位炭素)、113.6(C
H、芳香環6’位炭素)、112.8(四級炭素、芳香環1’位
炭素)、100.3(CH、芳香環3’位炭素)、82.4(四級炭
素、ブチル基炭素)、80.8(四級炭素、ブチル基炭
素)、56.7(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、55.8
(CH3、メトキシ基のメチル基炭素)、52.8(CH、グル
タミン酸部α位メチン基炭素)、31.7(CH2、グルタミ
ン酸部ガンマ位メチレン基炭素)、28.1(CH3、ブチル
基のメチル基炭素)、27.5(CH2、グルタミン酸部β位
メチレン基炭素)、14.2(CH3、プロペン2位のメチル基
炭素)。
【0132】エチル 2-メチル-3-(2-ニトロフェニル)
-2-プロペネート(Ethyl 2-methyl-3-(2-nitropheny
l)-2-propenate)の合成 2-ニトロベンズアルデヒド 21.0 (139.0 mmol)(アル
ドリッチ社製)、Wittig試薬(Carbethoxyetylidene tr
iphenylphosphorane) 50.0 g(138.0 mmol)(アルド
リッチ社製)をベンゼン500 ml に溶解し、室温にて一
夜間撹拌した。TLCにより反応の終了を確認した後、反
応液を減圧濃縮して得られた残渣にエタノールを加え
た。この溶液中に析出した結晶を濾別した後、濾液を減
圧濃縮して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキ
サン=1/4)で精製して、目的化合物を油状物質として3
2.1 g得た(収率98.2 %)。
【0133】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):8.13(d、1H、芳香
環3’位プロトン )、7.90(s、1H、プロペン3位プロ
トン)、7.66(dd、1H、芳香環5’位プロトン)、7.51
(dd、1H、芳香環4’位プロトン)、7.37(d、1H、芳香
環6’位プロトン)、4.30(q、2H、エチル基のメチレ
ン基プロトン)、1.90(s、3H、プロペン2位結合のメチ
ル基プロトン)、1.36(t、3H、エチル基のメチルプロ
トン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):167.6(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、147.8(四級炭素、芳香環
2’位炭素)、135.3(CH、プロペン3位炭素)、133.2
(CH、芳香環5’位炭素)、132.0(四級炭素、芳香環
1’位炭素)、131.3(CH、芳香環4’位炭素)、130.6
(四級炭素、プロペン2位炭素)、128.9(CH、芳香環
6’位炭素)、124.9(CH、芳香環3’位炭素)、61.1
(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、14.3(CH3、エチ
ル基のメチル基炭素)、14.0(CH3、プロペン2位結合メ
チル基炭素)。
【0134】2-メチル-3-(2-ニトロフェニル)-2-プロ
ペン酸((E) 2-Methyl-3-(2-nitrophenyl)-2-prope
noic acid)の合成 エチル 2-メチル-3-(2-ニトロフェニル)-2-プロペネ
ート11.8 g(50.2 mmol)をメタノール 200 ml に溶解
させ、これに2規定 水酸化ナトリウム水溶液 200ml を
加えて40℃にて一夜間撹拌を行った。TLCにより反応の
終了を確認した後、この反応液を減圧濃縮して得られた
残渣に1規定 塩酸を加えてpH 1 にし、これを酢酸エチ
ルに溶解させた。この溶液を水で3回洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムを加えて一夜間乾燥した。乾燥後の溶液
から硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を減圧濃縮して
目的化合物を結晶として10.2 g 得た(収率:98.0
%)。
【0135】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り決定した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):12.69(b
s、1H、カルボキシル基プロトン)、8.15(d、1H、芳香
環3’位プロトン)、7.80(dd、1H、芳香環5’位プロ
トン)、7.76(s、1H、プロペン3位プロトン)、7.64
(dd、1H、芳香環4’位プロトン)、7.53(d、1H、芳
香環6’位プロトン)、1.82(s、3H、プロペン2位結
合のメチル基プロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):168.5
(四級炭素、カルボキシル基炭素)、147.5(四級炭
素、芳香環2’位炭素)、134.5(CH、プロペン3位炭
素)、133.7(CH、芳香環5’位炭素)、131.3(CH、芳
香環6’位炭素)、130.9(四級炭素、芳香環1’位炭
素)、130.5(四級炭素、プロペン2位炭素)、129.4
(CH、芳香環4’位炭素)、124.5(CH、芳香環3’位
炭素)、13.7(CH3、プロペン2位結合のメチル基炭
素)。
【0136】(E) エチル 3-(2-アミノフェニル)-2-
メチル-2-プロペネート((E) Ethyl3-(2-aminopheny
l)-2-methyl-2-propenate)の合成 (E) エチル 2-メチル-3-(2-ニトロフェニル)-2-プ
ロペネート 10 g (42.5mmol)を酢酸160 ml に溶解
し、これに鉄粉 10.9 g(195.2 mmol)(Koso chem. C
o.)及び蒸留水 12 ml を室温にて撹拌しながら加えた
後、昇温し、100℃にて1時間環流を行った。TLCにより
反応の終点を確認した後、反応液を冷却し、酢酸を減圧
留去した。これに酢酸エチルを加えて不溶物を濾別し、
得られた濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の順
で洗浄した。洗浄後の溶液は硫酸ナトリウムを加えて一
晩乾燥させ、無水硫酸ナトリウムを濾別した後で減圧濃
縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサ
ン=1/3)で精製して、目的化合物を油状物として6.4 g
得た(収率:71.5 %)。
【0137】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.60(s、1H、プロ
ペン3位プロトン)、7.14(dd、1H、芳香環4’位プロ
トン)、7.10(d、1H、芳香環6’位プロトン)、6.77
(dd、1H、芳香環5’位プロトン)、6.72(d、1H、芳
香環3'位プロトン)、4.27(q、2H、エチル基のメチレ
ン基プロトン)、3.74(bs、2H、アミノ基プロトン)、
2.00(s、3H、プロペン2位結合のメチル基プロトン)、
1.35(t、3H、エチル基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):168.4(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、144.5(四級炭素、芳香環
2’位炭素)、134.9(CH、プロペン3位炭素)、130.2
(四級炭素、プロペン2位炭素)、129.6(CH、芳香環
4’位炭素)、129.4(CH、芳香環6’位炭素)、121.3
(四級炭素、芳香環1’位炭素)、118.1(CH、芳香環
5’位炭素)、115.5(CH、芳香環3’位炭素)、60.8
(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、14.3(CH3、エチ
ル基のメチル基)、14.1(CH3、プロペン2位結合のメチ
ル基炭素 )。
【0138】エチル 3-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)
-2-メチル-2-プロペネート(Ethyl 3-(4-chloro-2-nit
rophenyl)-2-methyl-2-propenate)の合成 4-クロロ-2-ニトロベンズアルデヒド 10.0g (53.8mmo
l)(アルドリッチ社製)とWittig試薬(Carbethoxy et
ylidene triphenylphosphorane )18.1 g (50.0mmol)
(アルドリッチ社製)とをベンゼン 200 ml に溶解さ
せ、常温で一夜間攪拌した。TLCにより反応の終了を確
認した後、反応液を濃縮して粗生成物を得た。この粗生
成物をカラムクロマトグラフィー(アミノプロピル修飾
シリカゲル(Fuji silysia chem.co.、NH-DM)、展開溶
媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、目的化
合物 を結晶で13.1g 得た(収率:97%)。
【0139】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):8.14(s、1H、芳香
環3’位プロトン)、7.82(s、1H、プロペン3位プロ
トン)、7.64(d、1H、芳香環5’位プロトン)、7.32
(d、1H、芳香環6’位プロトン)、4.29(q、2H、エチ
ル基のメチレン基プロトン)、1.90(s、3H、プロペン
2位結合のメチル基プロトン)、1.36(t、3H、エチル
基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):167.4(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、148.0(四級炭素、芳香環
2’位炭素)、134.8(四級炭素、 芳香環4’位炭
素)、134.1(CH、プロペン3位炭素)、133.4(CH、芳
香環5’位炭素)、132.5(CH、芳香環6’位炭素)、1
31.3(四級炭素、芳香環1’位炭素)、130.3(四級炭
素、プロペン2位炭素)、125.1(CH、芳香環3’位炭
素)、61.3(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、14.3
(CH3、エチル基のメチル基炭素)、14.1(CH3、プロペ
ン2位結合のメチル基炭素 )。
【0140】(E) エチル 3-(2-アミノ-4-クロロフ
ェニル)-2-メチル-2-プロペネート ((E) Ethyl 3-
(2-amino-4-chlorophenyl)-2-methyl-2-propenate )
の合成 エチル 3-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペネート11.0gを酢酸170 ml に溶解し、これに鉄粉
10.9 g (195.2 mmol)(Koso chem. Co.)及び蒸留水
13 ml を室温にて撹拌しながら加えた後、昇温し、97
℃にて2時間反応を行った。TLCにより反応の終点を確認
した後、反応液を冷却し、酢酸を減圧留去した。この残
渣に水300 ml及び酢酸エチル400 mlを加えて不溶物を濾
取した。得られた濾液の酢酸エチル層を水、炭酸水素ナ
トリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗
浄した後、硫酸ナトリウムを加えて一夜間乾燥させた。
乾燥後の溶液から硫酸ナトリウムを濾別し、得られた濾
液を減圧濃縮して9.8 gの粗結晶を得た。これをシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(アミノフ゜ロピル修飾シ
リカゲル(Fuji silysia chem.co.、NH-DM1020)、展開
溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、目的
化合物を結晶として7.2 g 得た(収率:73.3 %)。
【0141】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.50(s、1H、プロ
ペン3位プロトン)、7.01(d、1H、芳香環6’位プロト
ン)、6.73(d、1H、芳香環5’位プロトン)、6.72
(s、1H、芳香環3’位プロトン)、4.27(q、2H、エチ
ル基のメチレン基プロトン)、3.68(bs、2H、アミノ基
プロトン)、1.98(s、3H、プロペン2位結合のメチル
基プロトン)、1.35(t、3H、エチル基のメチル基プロ
トン)13 C-NMR (重クロロホルム、δppm):168.2(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、145.6(四級炭素、芳香環
2’位炭素)、134.9(四級炭素、芳香環4’位炭
素)、133.8(CH、プロペン3位炭素)、130.9(四級炭
素、プロペン2位炭素))、130.7(CH、芳香環6’位
炭素)、119.6(四級炭素、芳香環1’位炭素)、118.2
(CH、芳香環5’位炭素)、115.2(CH、芳香環3’位
炭素)、61.0(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、14.
3(CH3、エチル基のメチル基炭素)、14.2(CH3、プロ
ペン2位結合のメチル基炭素)。
【0142】エチル3-(5-クロロ-2-ニトロフェニル)-
2-メチル-2-プロペネート(Ethyl 3-(5-chloro-2-nitr
ophenyl)-2-methyl-2-propenate)の合成 5-クロロ-2-ニトロベンズアルデヒド10.0g (53.8mmo
l)(アルドリッチ社製)とWittig試薬(Carbethoxy et
ylidene triphenylphosphorane )18.1 g (50.0mmol)
(アルドリッチ社製)とをベンゼン 200 ml に加え、常
温で一夜攪拌した。TLCにより反応の終了を確認した
後、反応液を濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物を
カラムクロマトグラフィー(アミノプロピル修飾シリカ
ゲル(Fujisilysia chem.co.、NH-DM)、展開溶媒:ヘ
キサン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、目的化合物を
結晶で13.3g 得た(収率:98%)。
【0143】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):8.11(d、1H、芳香
環3’位プロトン)、7.83(s、1H、プロペン3位プロト
ン)、7.47(d、1H、芳香環4’位プロトン)、7.34
(s、1H、芳香環6’位プロトン)、4.30(q、2H、エチ
ル基のメチレン基プロトン)、1.91(s、3H、プロペン
2位結合のメチル基プロトン)、1.35(t、3H、エチル
基のメチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):167.3(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、146.1(四級炭素、芳香環
2’位炭素)、139.8(四級炭素、芳香環5’位炭
素)、134.1(CH、プロペン3位炭素)、133.8(四級炭
素、芳香環1’位炭素)、131.4(四級炭素、プロペン
2位炭素)、131.1(CH、芳香環6’位炭素)、129.0
(CH、芳香環4’位炭素)、126.4(CH、芳香環3’位
炭素)、61.3(CH2、エチル基のメチレン基炭素)、14.
2(CH3、エチル基のメチル基炭素)、14.0(CH3、プロ
ペン2位結合のメチル基炭素)。
【0144】(E) エチル 3-(2-アミノ-5-クロロフェ
ニル)-2-メチル-2-プロペネート ((E) Ethyl 3-(2
-amino-5-chlorophenyl)-2-methyl-2-propenate )の
合成 エチル3-(5-クロロ-2-ニトロフェニル)-2-メチル-2-
プロペネート11.0 g(41.0 mmol)を酢酸170 ml に溶解
し、これに鉄粉 10.9 g (195.2 mmol)(Kosochem. C
o.)及び蒸留水 13 ml を室温にて撹拌しながら加えた
後、昇温し、97℃にて2時間反応を行った。TLCにより反
応の終点を確認した後、反応液を冷却し、酢酸を減圧留
去した。この残渣に水300 ml 、酢酸エチル400 mlを加
えて不溶物を濾別し、濾液の酢酸エチル層を水、炭酸水
素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で順
次洗浄した。洗浄後の溶液に硫酸ナトリウムを加えて一
夜間乾燥させた後、硫酸ナトリウムを濾過し、得られた
濾液を減圧濃縮して9.8gの油状の粗生成物を得た。これ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アミノプロピ
ル修飾シリカゲル(Fuji silysia chem.co.、NH-DM102
0)、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製
し、目的化合物を油状物として7.2 g 得た(収率:73.3
%)。
【0145】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り決定した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):7.49(s、1H、プロ
ペン3位プロトン)、 7.07(d、1H、芳香環4’位プロ
トン)、7.05(s、1H、芳香環6’位プロトン)、6.64
(d、1H、芳香環3’位プロトン)、4.27(q、2H、エチ
ル基のメチレン基プロトン)、3.74(bs、2H、アミノ基
プロトン)、1.99(s、3H、プロペン2位結合のメチル
基プロトン)、1.35(t、3H、エチル基のメチル基プロ
トン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm):168.0(四級炭
素、1位カルボニル炭素)、143.2(四級炭素、芳香環
2’位炭素)、133.6(CH、プロペン3位炭素)、131.4
(四級炭素、プロペン2位炭素)、129.1(CH、芳香環
4’又は6’位炭素)、128.9(CH、芳香環4’又は
6’位炭素)、122.6(四級炭素、芳香環1’又は5’
位炭素)、122.5(四級炭素、芳香環1’又は5’位炭
素)、116.7(CH、芳香環3’位炭素)、61.0(CH2、エ
チル基のメチレン基炭素)、14.3(CH3、エチル基のメ
チル基炭素)、14.2(CH3、プロペン2位結合のメチル
基炭素)。
【0146】(E) 3-(2-アミノ-ベンゾ[d]フェニル)
-2-メチル-2-プロペン酸エチルエステル((E) 3-(2-
Amino-benzo[d]phenyl)-2-methyl-2-propenoic acid e
thyl ester)の合成 3-(2-ニトロ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロペン
酸 エチルエステル 2.0 g (7 mmol)を酢酸30 ml に溶解
し、これに鉄粉 1.73 g [Koso chem. Co.]及び蒸留水
2.5 ml を室温にて撹拌しながら加えた後、昇温し、70
℃にて1.5時間反応を行った。反応終了後、反応液から
不溶物を濾別し、濾液を水100 ml に加えた。この溶液
に酢酸エチル100mlにて2回の抽出操作を行い、得られた
酢酸エチル溶液を水、重曹水及び飽和塩化ナトリウム水
で順次洗浄した。洗浄後の溶液を無水硫酸ナトリウム上
で乾燥し、硫酸ナトリウムを濾別た後、この濾液を濃縮
した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル,展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン
=1/5)で精製して、目的化合物を油状物として1.4 g得
た(収率:77 %)。
【0147】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR (重クロロホルム , δppm):7.73 (1H, s, プ
ロペン3位プロトン), 7.70-7.58 (2H, m, 芳香環4’位
と7’位プロトン), 7.58 (1H, s, 芳香環8’位プロト
ン), 7.40-7.20 (2H, m, 芳香環5’位と6’位プロト
ン), 7.04 (1H, s, 芳香環位プロトン), 4.31 (2H, q,
J=7 Hz, エチル基のメチレン基プロトン), 3.89 (2H, b
s, アミノ基プロトン), 2.06 (3H, s, プロペン2位結合
メチル基のプロトン), 1.37 (3H, t, J=7 Hz, エチル基
のメチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム , δppm):168.2 (四級炭素,
1位カルボニル炭素), 142.6 (四級炭素,芳香環2’位炭
素), 134.8 (CH, プロペン3位炭素),134.7 (四級炭素,,
芳香環3a’位炭素), 131.6 (四級炭素,プロペン2位炭
素 ), 129.2 (CH,芳香環5’位又は6’位炭素), 127.9
(CH, 芳香環5’位又は6’位炭素), 127.5 (四級炭素,芳
香環7a’位炭素), 126.8 (CH, 芳香環4’位又は7’位
炭素), 125.5(CH, 芳香環4’位又は7’位炭素), 124.8
(四級炭素,芳香環1’位炭素), 122.9(CH, 芳香環8’位
炭素), 109.2 (CH, 芳香環3’位炭素), 61.0 (CH2, エ
チル基のメチレン基炭素), 14.4 (CH3, エチル基のメチ
ル基炭素), 14.3 (CH3, プロペン2位結合メチル基の炭
素)。
【0148】(E) 3-(2-アミノ-ベンゾ[d]フェニル)-2-
メチル-2-プロペン酸((E) 3-(2-Amino-benzo[d]pheny
l)-2-methyl-2-propenoic acid )の合成 (E) 3-(2-アミノ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロ
ペン酸エチルエステル0.65 g をテトラヒドロフラン(TH
F) 10mlに溶解し、これに1規定水酸化ナトリウム水溶液
10mlを加えて40℃にて4時間反応させた。反応終了後、
反応液に1規定塩酸10mlを加えて冷却し、析出した結晶
を濾別して目的の化合物0.57gを得た(98%)。
【0149】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm): 7.85-7.7
5 (3H, m, ベンゾシンナミル芳香環5’位と6’位と8
‘位プロトン),7.73 (1H,s,プロペン3位プロト
ン),7.52-7.33 (3H, m, ベンゾシンナミル芳香環
4’位と7’位と3‘位プロトン),2.02 (3H,s, プロ
ペン2位結合メチル基のプロトン)13 C-NMR (重ジメチルスルホキシド,δppm):168.9
(四級炭素,1位カルボニル炭素),133.3 (CH, プロ
ペン3位炭素),131.5 (四級炭素,プロペン2位炭
素),131.4 (四級炭素, ベンゾシンナミル芳香環3
a’位炭素), 129.3 (CH,ベンゾシンナミル芳香環
5’位と6’位炭素),128.7 (四級炭素,ベンゾシンナ
ミル芳香環7a’位炭素), 127.8 (CH,ベンゾシンナ
ミル芳香環4’位又は7’位炭素), 126.8 (CH,ベン
ゾシンナミル芳香環4’位又は7’位炭素),126.2 (四
級炭素,ベンゾシンナミル芳香環1’位炭素),126.0
(CH, ベンゾシンナミル芳香環8’位炭素),124.2
(CH, ベンゾシンナミル芳香環3’位炭素),14.1 (C
H3,プロペン2位結合メチル基の炭素)。
【0150】(E) 3-(2-アミノ-ベンゾ[d]フェニル)-2-
メチル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニルエステル((E)
3-(2-Amino-benzo[d]phenyl)-2-methyl-2-propenoic ac
id p-nitrophenyl ester)の合成 (E) 3-(2-アミノ-ベンゾ[d]フェニル)-2-メチル-2-プロ
ペン酸 0.57 g (2.5 mmol)と p-ニトロフェノール 0.52
g (3.8 mmol)(和光純薬社製)とをジクロロメタン 20
ml に溶解し、これにジメチルアミノピリジン 20 mg
(和光純薬社製)を加えた後、氷冷撹拌下、1-エチル-3
-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩
(EDC/HCl) 0.71 g (3.8 mmol) (和光純薬社製)を分
割投入した。この液温を室温に戻し、20時間撹拌を行っ
た。反応の終点をTLCによって確認した後、反応液を減
圧で濃縮し、酢酸エチル100ml に転溶した。この溶液を
5%炭酸水素ナトリウム水溶液にて数回、飽和塩化ナトリ
ウム水溶液にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムによ
り乾燥後、溶媒を留去し粗生成物を得た。これを、エタ
ノールから再結晶して目的の化合物0.69 g を結晶とし
て得た(収率80%)。
【0151】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):8.32 (2H,d,
J=9Hz,ニトロフェニルオキシ基3“と5”位プロト
ン),8.01 (1H, s, プロペン3位プロトン),7.73-
7.67 (2H, m, ベンゾシンナミル芳香環5’位と6’位
プロトン), 7.61(1H, d,d=8Hz, ベンゾシン
ナミル芳香環4‘位あるいは7’位プロトン),7.43-7.3
8 (1H, m, ベンゾシンナミル芳香環4’位あるいは6’
位プロトン),7.39 (2H,d,J=9Hz,ニトロフェ
ニルオキシ基2“と6”プロトン),7.29 - 7.24(1
H,m,ベンゾシンナミル芳香環8’位プロトン), 7.
09 (1H, s, ベンゾシンナミル芳香環3’位プロト
ン),3.91 (2H, bs, アミノ基プロトン),2.23
(3H,s, プロペン2位結合メチル基のプロトン)13 C-NMR (重クロロホルム,δppm):165.7 (四級炭
素,1位カルボニル炭素),155.8(四級炭素,ニトロフ
ェニルオキシ基1“位炭素),145.3 (四級炭素,ニト
ロフェニルオキシ基4“位炭素),142.4(四級炭素,ベ
ンゾシンナミル芳香環2’位炭素),138.0 (CH, プロ
ペン3位炭素),135.0 (四級炭素,プロペン2位炭
素),129.6 (四級炭素, ベンゾシンナミル芳香環3
a’位炭素), 129.4 (CH, ベンゾシンナミル芳香環
5’位又は6’位炭素)128.0 (CH, ベンゾシンナミル
芳香環5’位又は6’位炭素), 127.5 (四級炭素,ベ
ンゾシンナミル芳香環7a’位炭素), 127.1 (CH,ベ
ンゾシンナミル芳香環4’位又は7’位炭素), 125.5
(CH,ベンゾシンナミル芳香環4’位又は7’位炭素),
125.2(CH,ニトロフェニルオキシ基3”と5“位炭
素),123.8 (四級炭素,ベンゾシンナミル芳香環1’
位炭素),123.1 (CH, ベンゾシンナミル芳香環8’位
炭素), 122.5 (CH,ニトロフェニルオキシ基2”と6
“位炭素),109.7 (CH, ベンゾシンナミル芳香環3’
位炭素),14.4 (CH3,プロペン2位結合メチル基の炭
素)。
【0152】(E) 3-(2-アミノフェニル)-2-メチル-2-プ
ロペン酸 ((E) 3-(2-Aminophenyl)-2-methyl-2-propen
oic acid )の合成 (E) エチル3-(2-アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペネ
ート1.50 g (7.31 mmole)をテトラヒドロフラン(THF)
10mlに溶解し、これに1規定水酸化ナトリウム水溶液10
mlを加えて40℃にて4時間反応させた。TLCにて反応終了
を確認した後、1規定塩酸10mlを加えて冷却し、析出し
た結晶を濾別して目的の化合物1.30gを得た(収率定量
的)。
【0153】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):7.70 (1
H,s,プロペン3位プロトン),7.49 (1H,d,J=7
Hz,芳香環3’位プロトン),7.42 - 7.29 (3H,m,芳
香環4’位と5‘位と6’位プロトン),1.91 (3H,
s,プロペン2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR (重ジメチルスルホキシド、δppm):168.7
(四級炭素,1位カルボニル炭素), 132.6 (CH,プ
ロペン3位炭素),132.1(四級炭素,プロペン2位炭
素),130.2 (CH,芳香環4’位炭素),129.3 (CH,
芳香環6’位炭素),128.8 (四級炭素,芳香環1’位
炭素),126.0 (CH,芳香環5’位炭素),122.4(C
H,芳香環3’位炭素),14.1 (CH3,プロペン2位結
合のメチル基炭素)。
【0154】(E) 3-(2-アミノフェニル)-2-メチル-2-プ
ロペン酸 p-ニトロフェニルエステル((E) 3-(2-Aminop
henyl)-2-methyl-2-propenoic acid p-nitrophenyl est
er)の合成 (E) 3-(2-アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸 0.1
9 g (1.1 mmol)と p-ニトロフェノール 0.18 g (和光
純薬社製)をジクロロメタン 20 ml に溶解し、これに
ジメチルアミノピリジン 10 mg (和光純薬社製)を加
え、氷冷撹拌下、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC/HCl)0.41 g (和光純
薬社製)を分割投入した。この液温を室温に戻し、20時
間撹拌を行った。反応の終点をTLCによって確認した
後、反応液を減圧で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル
100ml に転溶した。この溶液を5%炭酸水素ナトリウム水
溶液にて数回、飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次洗浄
した後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、更に溶媒
を留去して粗生成物を得た。これをエタノールを用いて
再結晶し、目的の化合物を0.29 g 結晶として得た(収
率:91%)。
【0155】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):8.35 (2
H,d,J=9Hz,ニトロフェニルオキシ基3“位と5”
位プロトン),7.86 (1H,s,プロペン3位プロト
ン),7.54 (2H,d,J=9Hz,ニトロフェニルオキ
シ基2“位と6”位プロトン),7.17 (1H,d,J=8 H
z,シンナミル芳香環6’位プロトン),7.09(1H,d
d,J=8 Hz,J=8 Hz,シンナミル芳香環4’位プロト
ン),6.75 (1H, d,J=8Hz,芳香環3’位プロト
ン),6.63(1H,dd,J=8 Hz, J=8Hz,芳香環5’
位プロトン),5.35(2H,bs,アミノ基プロトン),2.
10 (3H,s,プロペン2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR (重ジメチルスルホキシド,δppm):165.8
(四級炭素,1位カルボニル炭素),156.0(四級炭
素,ニトロフェニルオキシ基1”位炭素),147.4(四級
炭素,ニトロフェニルオキシ基4”位炭素),144.8
(四級炭素,シンナミル芳香環2’位炭素),138.6
(CH,プロペン3位炭素), 130.0 (CH,シンナミル芳
香環4’位炭素),129.4 (CH,シンナミル芳香環6’
位炭素),125.2(四級炭素,シンナミル芳香環1’位
炭素),125.1 (CH,ニトロフェニルオキシ基3“と5”
位炭素),123.1 (CH,ニトロフェニルオキシ基2“と
6”位炭素),118.6 (四級炭素,プロペン2位炭
素),115.5 (CH,シンナミル芳香環5’位炭素), 1
15.3(CH,シンナミル芳香環3’位炭素),14.2 (C
H3,プロペン2位結合のメチル基炭素)。
【0156】(E) 3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 ((E) 3-(2-Amino-4-chlorophenyl)
-2-methyl-2-propenoic acid )の合成 (E) エチル3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-2-メチル-2
-プロペネート1.24 g(5.18 mmole)をテトラヒドロフ
ラン(THF) 10mlに溶解し、これに1規定水酸化ナトリウ
ム水溶液10mlを加えて40℃にて4時間反応させた。TLCに
て反応の終了を確認した後、1規定塩酸10mlを加えて冷
却し、析出した結晶を濾別して目的の化合物1.03gを得
た(収率:94%)。
【0157】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):7.42 (1
H,s,プロペン3位プロトン),7.02 (1H,d,J=8
Hz,芳香環6’位プロトン),6.74 (1H,s,芳香環
3’位プロトン),6.55(1H,d,J=8 Hz,芳香環
5’位プロトン),5.37(2H,bs,アミノ基プロト
ン),1.90 (3H,s,プロペン2位結合のメチル基プ
ロトン)13 C-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):169.2
(四級炭素,1位カルボニル炭素), 148.2 (四級炭
素,芳香環2’位炭素),133.7 (CH,プロペン3位炭
素), 133.4 (四級炭素,芳香環4’位炭素),130.7
(CH,芳香環6’位炭素),128.7(四級炭素,プロペ
ン2位炭素),118.3 (四級炭素,芳香環1’位炭
素),115.0 (CH,芳香環5’位炭素), 114.0(CH,
芳香環3’位炭素),14.1 (CH3,プロペン2位結合の
メチル基炭素)。
【0158】(E) 3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-2-メ
チル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニルエステル((E) 3-
(2-Amino-4-chlorophenyl)-2-methyl-2-propenoic acid
p-nitrophenyl ester)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-2-メチル-2-プロ
ペン酸 0.81 g (3.8 mmol)と p-ニトロフェノール 1.0
g (和光純薬社製)をジクロロメタン 20 ml に溶解
し、これにジメチルアミノピリジン 40 mg (和光純薬
社製)を加え、氷冷撹拌下、1-エチル-3-(3-ジメチルア
ミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC/HCl) 1.0
g (和光純薬社製)を分割投入した。この液温を室温に
戻し、20時間撹拌を行った。反応の終点をTLCによって
確認した後、反応液を減圧で濃縮し、酢酸エチル100ml
に転溶した。この溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液に
て数回、飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次洗浄し、無
水硫酸マグネシウムにより乾燥した後、溶媒を留去し粗
生成物を得た。これをエタノールを用いて再結晶し、目
的の化合物を1.2 g 結晶として得た(収率:91%)。
【0159】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重ジメチルスルホキシド、δppm):8.30 (2
H,d,J=9Hz,ニトロフェニルオキシ基3“位と5”
位プロトン),7.80 (1H,s,プロペン3位プロト
ン),7.45 (2H,d,J=9Hz,ニトロフェニルオキ
シ基2“位と6”位プロトン),7.09 (1H,d,J=8 H
z,芳香環6’位プロトン),6.81 (1H,s,芳香環
3’位プロトン),6.63(1H,d,J=8 Hz,芳香環
5’位プロトン),5.08(2H,bs,アミノ基プロト
ン),2.11 (3H,s,プロペン2位結合のメチル基プ
ロトン)13 C-NMR (重ジメチルスルホキシド,δppm):170.5
(四級炭素,1位カルボニル炭素),160.9(四級炭
素,ニトロフェニルオキシ基1”位炭素),152.9(四級
炭素,ニトロフェニルオキシ基4”位炭素),149.8
(四級炭素,シンナミル芳香環2’位炭素),142.4
(CH,プロペン3位炭素), 139.9 (四級炭素,シンナ
ミル芳香環4’位炭素),135.6 (CH,シンナミル芳香
環6’位炭素),131.8(四級炭素,プロペン2位炭
素),129.9 (CH,ニトロフェニルオキシ基3“と5”位
炭素),127.9 (CH,ニトロフェニルオキシ基2“と6”
位炭素),122.7 (四級炭素,シンナミル芳香環1’位
炭素),121.1 (CH,シンナミル芳香環5’位炭素),
119.7(CH,シンナミル芳香環3’位炭素),19.2 (C
H3,プロペン2位結合のメチル基炭素)。
【0160】(E) N-2-(4-メトキシフェニル)エチル-メ
チルオキシカルボニルプロピル 3-(2-アミノ-4-クロロ
フェニル)-2-メチル-2-プロペン酸 アミド((E) N-2-
(4-Methoxypehnyl)ethyl 3-(2-amino-4-chlorophenyl)
-2-methyl-2-propenoic amide)の合成 (E) 3-(2-アミノ-4-クロロフェニル)-2-メチル-2-
プロペン酸 p-ニトロフェニルエステル0.20 g(0.60 mm
ole)と2-(4-メトキシフェニル)エチルアミン0.11 g
(0.72 mmole)(和光純薬社製)をジメチルホルムアミ
ド 2mlに溶解し、室温にて20時間反応させた。反応の
終了をTLCにて確認した後、酢酸エチル及び水を加え、
酢酸エチル層を分液し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液
にて数回、飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次洗浄し
た。洗浄後の溶液は無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥
させた後、溶媒を減圧下にて留去した。ここで得られた
粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒:メチレンクロライド/メタノール:95/5)にて
精製し、目的化合物0.19 g を得た(収率定量的)。
【0161】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重クロロホルム,δppm ):7.15 (1H,s,
プロペン3位プロトン),7.13 (2H,d,J=7 Hz,4-
メトキシフェニルエチルアミン部芳香環2“位と6”位プ
ロトン),6.92 (1H,d,J=8Hz,シンナミル芳香環6
‘位プロトン),6.85 (2H,d,J=7 Hz,4-メトキシ
フェニルエチルアミン部芳香環3“位と5”位プロト
ン),6.70 (1H,d,J=8Hz,シンナミル芳香環5‘位
プロトン),6.66(1H,s,シンナミル芳香環3‘位プ
ロトン),5.96 (1H, d,J=7 Hz,アミド基プロト
ン),3.79 (3H,s, メトキシ基のメチル基プロト
ン),3.59(2H,t-d,J=7 Hz, J=7 Hz,4-メトキ
シフェニルエチルアミン部α位メチレン基プロトン),
2.83 (2H,t,J=7 Hz,4-メトキシフェニルエチルア
ミン部β位メチレン基プロトン),1.90 (3H,s,プ
ロペン2位結合メチル基プロトン)13 C-NMR(重クロロホルム、δppm ):168.6 (四級炭
素,プロペン1位カルボニル炭素),158.3 (四級炭
素,4-メトキシフェニルエチルアミン部芳香環4“位炭
素)145.6 (四級炭素,シンナミル芳香環2‘位炭
素),134.5 (四級炭素,シンナミル芳香環4‘位炭
素),133.7 (四級炭素,プロペン2位炭素),130.8
(四級炭素,4-メトキシフェニルエチルアミン部芳香環
1“位炭素),130.6 (CH,シンナミル芳香環6‘位炭
素),129.7 (CH,4-メトキシフェニルエチルアミン部
芳香環2“位と6”位炭素),129.5 (CH,プロペン3位
炭素),119.7 (四級炭素,シンナミル芳香環1‘位炭
素),118.0 (CH,シンナミル芳香環5‘位炭素),11
5.0 (CH,シンナミル芳香環3‘位炭素), 114.1 (C
H,4-メトキシフェニルエチルアミン部芳香環3“位と
5”位炭素),55.2 (CH3,メトキシ基のメチル基炭
素),41.2 (CH2,4-メトキシフェニルエチルアミン部
α位メチレン基炭素),64.7 (CH2,4-メトキシフェニ
ルエチルアミン部β位メチレン基炭素),14.1 (CH3
プロペン2位結合メチル基炭素)。
【0162】(E) N-(2-ナフチル)メチル 3-(2-ア
ミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸 アミド((E)
N-(2-Naphtyl)methyl 3-(2-aminophenyl)-2-meth
yl-2-propenamide )の合成 (E) 3-(2-アミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸
p-ニトロフェニルエステル0.65 g(2.2 mmole)と2-ナ
フチルメチルアミン0.69g(4.4mmol)(アルドリッチ
社製)をジメチルホルムアミド 4mlに溶解し、これに
トリエチルアミン0.36ml(和光純薬社製)を加えて室温
にて20時間反応させた。反応の終了をTLCにて確認した
後、酢酸エチル及び水を加え、酢酸エチル層を分液し、
5%炭酸水素ナトリウム水溶液にて数回、飽和塩化ナト
リウム水溶液にて順次洗浄した。洗浄後の溶液を無水硫
酸マグネシウムを用いて乾燥した後、溶媒を減圧下にて
留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒:メチレンクロライド/メタ
ノール:95/5)にて精製し、目的化合物を1.39 g 得た
(収率定量的)。
【0163】本化合物の構造は1H-NMR及び13C-NMRによ
り確認した。1 H-NMR(重クロロホルム、δppm):8.07 (1H,d,ナ
フチル芳香環4“位プロトン), 7.90 (1H,d,J=8H
z, ナフチル芳香環5“位又は8”位プロトン),7.84
(1H,d, J=8Hz, ナフチル芳香環5“位又は8”位プ
ロトン), 7.58 (1H,dd, J=8Hz, J=8Hz, ナフチ
ル芳香環3“位プロトン), 7.57 - 7.49 (3H,m,
ナフチル芳香環2“位と6”位と7“位プロトン), 7.32
(1H,s, プロペン3位プロトン), 7.10 (1H,d
d,J=8 Hz,J=8 Hz,シンナミル芳香環4’位プロト
ン), 7.02 (1H,d,J=8 Hz,シンナミル芳香環
6’位プロトン), 6.73 (1H,dd,J=8 Hz, J=8
Hz,シンナミル芳香環5’位プロトン), 6.69 (1
H, d,J=8Hz,シンナミル芳香環3’位プロト
ン), 6.14(1H,bs,アミド基プロトン), 5.02 (2
H,d,ナフチルメチル基のメチレン基プロトン), 1.
97 (3H,s,プロペン2位結合のメチル基プロトン)13 C-NMR (重クロロホルム,δppm):168.6(四級炭
素,プロペン1位カルボニル炭素),144.4 (四級炭
素,シンナミル芳香環2’位炭素),133.9 (四級炭
素,ナフチル芳香環1“位炭素), 133.4 (四級炭素,
ナフチル芳香環9“位又は10”位炭素), 132.9 (四級
炭素,ナフチル芳香環9“位又は10”位炭素),131.5
(四級炭素,プロペン2位炭素),131.0 (CH,プロペ
ン3位炭素), 129.6 (CH,シンナミル芳香環4’位
炭素),129.1 (CH,シンナミル芳香環6’位炭素),
128.9 (CH, ナフチル芳香環5“位又は8”位炭素),
128.8 (CH, ナフチル芳香環5“位又は8”位炭素),
127.0 (CH, ナフチル芳香環2“位炭素), 126.7 (C
H, ナフチル芳香環3“位炭素),126.1 (CH, ナフチ
ル芳香環6“位又は7”位炭素), 125.4 (CH, ナフチ
ル芳香環6“位又は7”位炭素), 123.5 (CH, ナフチ
ル芳香環4“位炭素), 121.3(四級炭素,シンナミル
芳香環1’位炭素),118.1 (CH,シンナミル芳香環
5’位炭素), 115.5(CH,シンナミル芳香環3’位炭
素),42.3 (CH2,ナフチルメチル基のメチレン基炭
素),14.3 (CH3,プロペン2位結合のメチル基炭
素)。
【0164】3-(2-アミノ-4-ジメチルアミノフェニル)-
2-メチル-2-プロペン酸 ((E) 3-(2-Amino-4-dimethyla
minophenyl)-2-methyl-2-propenoic acid )の合成 (E) エチル 3-(2-アミノ-4-ジメチルアミノフェニル)-2
-メチル-2-プロペネートをテトラヒドロフラン(THF)に
溶解し、これに1規定水酸化ナトリウム水溶液 10mlを加
えて40℃にて4時間反応させた。TLCにて反応の終了を確
認した後、1規定塩酸を加えて冷却し、析出した結晶を
濾別して目的の化合物を得た。
【0165】3-(2-アミノ-4-ジメチルアミノフェニル)-
2-メチル-2-プロペン酸 p-ニトロフェニル エステル
((E) 3-(2-Amino-4-dimethylaminophenyl)-2-methyl-2
-propenoic acid p-nitrophenyl ester)の合成 他の合成例と同様の手順で、上記得られた3-(2-アミノ-
4-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸か
らp-ニトロフェニルエステル誘導体を合成した。具体的
には、3-(2-アミノ-4-ジメチルアミノフェニル)-2-メチ
ル-2-プロペン酸と p-ニトロフェノール(和光純薬社
製)とをジクロロメタンに溶解し、これにジメチルアミ
ノピリジン(和光純薬社製)を加えた後、氷冷撹拌下、
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミ
ド塩酸塩(EDC/HCl)(和光純薬社製)を分割投入した。
この液温を室温に戻し、20時間撹拌を行った。反応の終
点をTLCによって確認した後、反応液を減圧で濃縮し、
酢酸エチルに転溶した。この溶液を5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液にて数回、飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次
洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥後、溶媒を留
去し粗生成物を得た。これを、エタノールから再結晶し
て目的の化合物を得た。
【0166】
【発明の効果】本発明にかかるケージド化合物調製用試
薬は、以上説明したように特徴的な構造を有するもので
あり、新規な構造を有するケージド化合物を簡単な反応
により調製することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式1で表される、N-スクシンイミ
    ジルアミノシンナメート構造を有するケージド化合物調
    製用試薬。 【化1】 (ここで、X及びYはそれぞれ同一でも異なっていても
    よく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から4までの
    アルキル基、炭素数1から4までのアルキルオキシ基、
    ベンゾ基及び炭素数1から4までのアルキルアミノ基から
    なる群より選ばれる一種を表し、R1は水素原子、炭素
    数1から4までのアルキル基及び下記式2 【化2】 [ここで、R6は炭素数1から4までのアルキル基、フ
    ェニル基及び炭素数1から4までのアルキルシリル基か
    らなる群より選ばれる一種を表し、nは0から2までの
    整数を表す。]で表される基からなる群より選ばれる一
    種を表し、R2及びR3はそれぞれ同一でも異なっていて
    もよく、水素原子及び炭素数1から4までのアルキル基
    からなる群より選ばれる一種を表し、Zは水素原子及び
    SO3M(Mは水素原子、アルカリ金属及びアルカリ土
    類金属からなる群より選ばれる一種を表す)からなる群
    より選ばれる一種を表す。)
  2. 【請求項2】 下記式3で表される、p-ニトロフェニ
    ルアミノシンナメート構造を有するケージド化合物調製
    用試薬。 【化3】 (ここで、X及びYはそれぞれ同一でも異なっていても
    よく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から4までの
    アルキル基、炭素数1から4までのアルキルオキシ基、
    ベンゾ基及び炭素数1から4までのアルキルアミノ基か
    らなる群より選ばれる一種を表し、R1は水素原子、炭
    素数1から4までのアルキル基及び下記式2 【化4】 [ここで、R6は炭素数1から4までのアルキル基、フ
    ェニル基及び炭素数1から4までのアルキルシリル基か
    らなる群より選ばれる一種を表し、nは0から2までの
    整数を表す。]で表される基からなる群より選ばれる一
    種を表し、R2及びR3はそれぞれ同一でも異なっていて
    もよく、水素原子及び炭素数1から4までのアルキル基
    からなる群より選ばれる一種を表す。)
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のケージド化合物
    調製用試薬と生理活性物質とを反応せしめてケージド化
    合物を調製することを特徴とするケージド化方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1395256A2 (en) * 2001-04-17 2004-03-10 CryoLife, Inc. Prodrugs via acylation with cinnamate
JP2007302584A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ケージドペプチド
JP2009249468A (ja) * 2008-04-04 2009-10-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 光解離性保護基で誘導体化した香料放出用物質ないし臭気物質放出用物質

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