JP2007302584A - ケージドペプチド - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞接着ペプチドに関するケージドペプチドを提供する。
【解決手段】紫外線照射により除去可能な光感受性基をRGDユニットに有し、紫外線照射
により、細胞接着ペプチドに変換可能なケージドペプチド。
【選択図】なし

Description

本発明は、ケージドペプチドに関する。
硬骨魚類から哺乳類まで保存されているフィブロネクチンのRGD(Arg-Gly-Asp)を含むアミノ酸配列を持つペプチドは、インテグリンファミリーに広く結合することが知られている。
一方、紫外線照射により除去可能な基を有するケージドペプチドは公知であり、ケージド化ニューロペプチドへの光照射により生理活性を有するニューロペプチドに変換可能であることが、特許文献1に開示されている
特開平10−120699号公報
RGD配列はフィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチンなどの細胞外マトリックスに
含まれる配列で、RGD配列を有する細胞接着ペプチドはこれらのマトリックスに対する受
容体であるインテグリンと結合する。細胞接着ペプチドとその受容体の作用メカニズムを詳細に調べるためには、細胞に実質的にダメージを与えることなく、細胞周辺の細胞接着ペプチド濃度を任意に変えられることが望ましい。本発明は、このような性質を有する修飾された細胞接着ペプチドを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に鑑み検討を重ねた結果、RGD(Arg-Gly-Asp)ユニットに紫外線照射により除去可能な光感受性基を導入して細胞接着性ペプチドの細胞接着活性が減弱ないし消失したケージドペプチドを得、これに光照射することで、細胞に実質的にダメージを与えることなく光感受性基が除去され細胞接着性を回復した細胞接着ペプチドが得られることを見出した。
本発明は、以下のケージドペプチドに関する。
項1. 紫外線照射により除去可能な光感受性基をRGDユニットに有し、紫外線照射によ
り、細胞接着ペプチドに変換可能なケージドペプチド。
項2. 光感受性基が2−ニトロベンジル基である、項1に記載のケージドペプチド。
項3. 光感受性基がRGDユニットのグリシンのアミノ基に結合されてなる、項1に記載
のケージドペプチド。
RGDを含むペプチドはインテグリンの結合配列であり、細胞間、細胞内のシグナル伝達
、細胞接着に関与することから、細胞生物学や生体適合材料においての研究が古くから行われている。本発明のケージドペプチドを用いれば、光照射によって部位特異的および時間特異的かつ無侵襲に、intact peptideを系中に生じさせることができるため、intact peptideの細胞や組織との作用機序のより詳細な解析をするための研究開発用試薬としての利用や、光リソグラフィー等による細胞のパターン培養を行うための材料としての利用等、産業上有用である。
本明細書において、”ケージドペプチド”とは、細胞接着ペプチドのRGD部分に紫外線
照射により除去可能な光感受性基が付加されたペプチドであって、それ自身は細胞接着活性がペプチドよりも活性が減弱ないし消失したポリペプチドを意味する。ケージドペプチドの生理活性は、もとの生理活性ペプチドの50%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは5%以下、特に好ましくは1%以下である。
本明細書において、“intact peptide”とは、ケージドペプチドから光感受性基が除去され、細胞接着能が回復したペプチドを意味する。
ケージドペプチドに結合する光感受性基の数は、ケージドペプチドの生理活性が減弱ないし消失する限り特に限定されないが、例えば、1〜3個、好ましくは1〜2個、特に好ましくは1個である。
光感受性基は、RGD部分を構成するArg、Gly、Aspのいずれに連結してもよい。また、光感受性基は、αアミノ基、不斉炭素に結合したCOOH基、側鎖のCOOH基のいずれに結合してもよい。
光感受性基は、紫外線照射により切断されるものであれば特に限定されないが、例えば下記式(I)
〔式中、R1、R2、R3は、同一又は異なって水素原子、低級アルキル基、低級アルコキ
シ基、アミノ基、ハロゲン原子、水酸基またはシアノ基を示すか、あるいはR1、R2及びR3のいずれか2つが一緒になってメチレンジオキシ基を示す。Rは、水素原子又はメチ
ル基を示す。〕が挙げられる。
式(I)において、R1、R2、R3で表される低級アルキル基としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4の直鎖又は分枝を有するアルキル基が挙げられる。
低級アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの炭素数1〜4の直鎖又は分枝を有するアルコキシ基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
好ましい式(I)の基は、R1、R2、R3は、いずれか2つが水素原子で、残りの1つ
が水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基で、Rが水素原子で表される基である。
光感受性基は、紫外線照射により除去される。照射される紫外線としては、光感受性基を除去できる限り特に限定されず、通常の紫外線ランプなどが用いられる。紫外線照射の
条件は特に限定されないが、例えばTLC検出用の紫外線ハンドランプ(トプコン製、PU-2)で1時間程度処理すればよい。
本発明のケージドペプチドは、アミノ酸のαアミノ基またはRGDがC末端にある場合のAsp(D)のカルボキシル基あるいは側鎖カルボキシル基に予め光感受性基を導入し、その後、固相合成法または液相合成法などの常法に従い製造することができる。例えば、αアミノ基に光感受性基を導入した場合には、光感受性基を有するアミノ酸(Arg、GlyまたはAsp
)をFmoc化し、常法に従い固相合成又は液相合成法を用いてケージドペプチドに導くことができる。
本発明のケージドペプチドは、組織又は細胞の培養液中に適量配合し、該培養液全体に紫外線を照射するか、あるいは、共焦点光照射装置などを用いて、培養液中の特定の部分に光を照射することで、細胞周辺の特定の位置に細胞接着ペプチドを瞬時に出現させることができ、細胞接着ペプチドの研究を容易に行うことを可能にする。
また、本発明のケージドペプチドを支持体上に固定し、パターン状に紫外線照射することで、任意のパターンで細胞接着ペプチドを固定化した支持体を得ることができ、該パターンと細胞の関係を調べることも可能である。
以下本発明を、参考例及び実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1:N−2-ニトロべンジル−グリシン(cGly)の製造
300mlナス型フラスコでグリシン15.02g(0.2mmol)をメタノール50mlと2N水酸化ナトリウム水溶液50mlに分散させ、メタノール100mlに溶解させた2-ニトロベンズアルデヒド33.25g(0.22mol)を撹拌しながら少量
ずつ加えた。約50分の攪拌後、フラスコを氷浴に移し、水素化ホウ素ナトリウム6.0g(0.159mol)を攪拌しながら少量ずつ加えた。約2時間後、メタノールをエバポレーターにより留去し、得られた懸濁液をジエチルエーテルにて洗浄後、2N塩酸水溶液を加え万能pH試験紙によりpHを約5に調整し、ジエチルエーテルにて洗浄した。これに約50mlの水を加え、加熱後、放冷し、得られた固形物を水洗後、真空乾燥し、N−2-ニトロべンジル−グリシン(cGly)12.26g(収率29%)を得た。
参考例2:N-α-フルオレニルメチルオキシカルボニル-N-2-ニトロべンジル−グリシン(Fmoc-cGly)の製造
氷浴上の100mlナス型フラスコに上記参考例で得たcGly2.13g(10mmol)を10%炭酸ナトリウム水溶液(20ml)とアセトン(10ml)に溶解させ、アセトン(20ml)に溶解した9-フルオレニル-N-スクシンイミジル炭酸塩4.98g(20mmol)を滴下ロートで滴下後、一夜撹拌した。これをエバポレーターにより、アセト
ンを留去した後、水相をジエチルエーテルで洗浄し、2N塩酸水溶液を加え万能pH試験紙によりpHを約4以下に調整した後、酢酸エチルにより抽出し、有機相を1N塩酸1回、水2回、飽和食塩水1回にて洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、ヘキサンを加え白色沈殿を析出させた。次いで、この白色沈殿を濾取し、ヘキサンで洗浄して乾燥させ、標記化合物3.01gを回収した。収率69.7%。
参考例3:非ケージドぺプチドの製造
自動ペプチド合成装置PSSM−8((株)島津製作所製)を使用し、この合成マニュアルに従
い粗ペプチドを合成した。レジンはTGS-RAM レジン((株)島津製作所製)を用いた。合成スケールは、リアクションベッセル1個に対し、100mgのレジンとFmoc化アミノ酸を200μmol加えた。合成終了後、リアクションベッセル内のペプチドレジンにメタノール
及びt−ブチルメチルエーテルを加え順次洗浄した後、ペプチドレジンを1時間減圧乾燥
した。乾燥後、クリーベッジカクテル(レジン100mgのスケールに対してトリフルオロ酢酸(以下、TFAと略す)/チオアニソール/エタンジチオール/水/エチルメチルスル
フィド/チオフェノール/1, 2-エタンジチオール=0.8ml/0.05ml/0.05ml/0.03 ml / 0.02 ml / 0.025 ml)をリアクションベッセル内に注入し、約8時間放置した。クリーベッジカクテルの濾液を遠沈管に回収し、冷却したジエチルエーテルを加え、遠心操作を行い、析出した沈殿物を回収し、アルゴン気流中で乾燥し、更に減圧乾燥して、粗ペプチドを得た。この粗ペプチドをC18AR-IIカラム(φ20x250mm、ナカライ製)
を装着した逆相系液体クロマトグラフィー(溶出液0.1%TFA水溶液と80%アセトニ
トリル水溶液のグラジエント溶出)により、単離した。マトリックスにα-シアノ-4-ヒ
ドロキシケイヒ酸を用い、レーザーイオン化飛行時間質量分析装置(Voyager DE-STR-D1、パーセプティブバイオシステムズ製)により、分子量を測定し、同定した。精製したペプ
チド溶液を凍結乾燥することにより、乾燥した白色粉末の目的物を得た。intact peptide(Tyr-Ala-Val-Thr-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-Pro-Ala-Ser-Ser-amide)の質量分析値、観測
値 1266.82、計算値 1266.33。reverse peptide (Ser-Asp-Gly-Arg-Gly-amide)の質量
分析値、観測値 490.88、計算値 490.47、short peptide (Gly-Arg-Gly-Asp-Ser -amide)の質量分析値、観測値 490.96、計算値490.47
実施例1:ケージドぺプチドの製造
上記参考例3と同様に、自動合成機を用い、C末端側からcGlyの部位まで(cGly-Asp-Ser-Pro-Ala-Ser-Ser)合成した。cGlyの導入部位では、上記参考例2で得たFmoc-cGlyを約86mg用いた。合成終了後、Fmoc−Arg(Pmc)((株)ペプチド研究所製)132mg(0.2mmol)を400μlのDMFと315μlのN−メチルモルホリン(1 M、ジメチルホルムアミド溶液)、33μlのジイソプロピルカルボジイミドを加え溶解したものを、リアクションベッセルに加え、窒素バブリングにより60分攪拌した。その後、反応液を濾去し、レジンをジメチルホルムアミド1mlの添加・窒素バブリング1分・濾去の操作を5回繰り返した。その後、C末端からArgの部位まで結合されたレジンを用いて、残りのTyr-Ala-Val-Thr-Glyのアミノ酸配列を結合させ、上記参考例
3の方法に従い精製した。精製したペプチド溶液は遮光下で取り扱った。溶液凍結乾燥することにより、乾燥した白色粉末の目的物を得た。質量分析値(Tyr-Ala-Val-Thr-Gly-Arg-cGly-Asp-Ser-Pro-Ala-Ser-Ser-amide)、観測値 1402.71、計算値 1401.33)。
試験例1
細胞培養
HeLa細胞 ((財)ヒューマンサイエンス振興財団研究資源バンク(泉南、大阪)から
購入) は2-25回継代を行った。5%二酸化炭素存在下で37度に設定したインキュベーター
内で9 cm ディッシュ (Cat. No.172958, Nunc, Rokilde, Denmark)を用いてHeLa細胞
を培養した。培養液は10 % fetal bovine serum (Cat.No.199-141, Lot. 494273, Origin: Australia, Invitrogen, , Carlsbad, California, USA)、500 IU/ml ペニシリン、5 mg/mlストレプトマイシンを含んだDulbecco’s modified Eagles medium (Cat.No.12430-047, Invitrogen) を用いた。
細胞形態観察
HeLa細胞をガラスベースディッシュ (Cat.No.3911-035, Iwaki, Funabashi, Chiba, Japan)に1 X 104細胞まいた。24時間後に培養液を1 mMのペプチドを含んだ新しい培養液に
交換した。さらに24時間後に、4 % パラホルムアルデヒドを用いて細胞を固定し、0.1 % Tritonを含んだPBSで5分間処理した。アクチンフィラメントと核をPhosphate buffer salineで希釈した5 U/ml Rhodamine Phalloidin (Invitrogen)と500 mM Sytox Greenによっ
て染色した。染色した細胞は共焦点レーザー顕微鏡 (Olympus FLUOVIEW FV1000, 新宿、
東京)によって観察した。
UV照射
UV照射を行う24時間前にHeLa細胞をガラスベースディッシュに1 X 104細胞まいた。 培養液を1 mMのケージド化したペプチドを含んだ新しい培養液に交換した後、UV照射を行った。UV照射は紫外線ランプ(UV-100A型, (株)浜松ホトニクス、浜松、静岡)の光を干
渉フィルター (365 nm, Asahi Spectra, 365 FX, 北区、東京)を通した光をディッシュの上方約1cmより照射した。ガラス部位へのエネルギーは12 mW/cm2になるようにランプの出射光位置を微調整した。エネルギーの測定は、紫外線強度計(UVX−36、ウルトラバイ
オレッド社製、Upland, Ca, USA)を用いた。
HPLC分析
ペプチド溶液は逆相系分析HPLCにより分析を行った。具体的には、摂氏40度に保ったカラム(Cosmosil 5C18-AR-II(φ4.6×50mm、ナカライテスク製)をHPL
Cポンプ(PU−980i、日本分光製)に装着し0.1%TFA水溶液(A液)、0.1%TFAを含む80%アセトニトリル水溶液(B液)を溶出液とし、A液100%で平衡化後、試料を注入し、グラジエントA液0〜100%/B液0〜100%(20分)、流速1ml/minで溶出させ、波長280nmの吸収を測定した。
実験結果
まず硬骨魚類から哺乳類まで保存されているフィブロネクチンのRGDを含むアミノ酸配
列を持つペプチド(以下、intact peptide)、intact peptideと同じ配列を持つがRGDのGをケージド化したペプチド(ケージドペプチド)、さらにRGDの逆配列を持ったペプチド
(以下reverse peptideとする)を合成した(Table 1)。
合成したケージドペプチドの構造は、質量分析により同定したが、UV照射前の試料でもintact peptideに相当するピークが観察された(図3、観測値12683.57、計算値1266.33
)。これは、質量分析時のイオン化に紫外レーザーを用いているために光分解反応が進行し、intact peptideが生じたことを示している。また、ケージドペプチドAを紫外線ラン
プを用いて光照射すると、intact peptideの生成がHPLCによっても確認された(図4)。
細胞培養液中に含まれるintact peptideとケージドペプチドが細胞の細胞骨格および形態に及ぼす効果を観察した。細胞骨格については、ペプチドを含まない培養液中で培養した細胞ではfocal contactにおいてアクチンフィラメントが正常にstress fiberを形成し
ていることが観察された。reverse peptideを含む培養液中で培養した細胞についてもfocal contactにおいてアクチンフィラメントが正常にstress fiberを形成していることが観察された。しかしintact peptideを含む培養液中で培養した細胞ではfocal contactにお
いてアクチンフィラメントの並びが乱れているのが観察された(図1矢印)。また、ペプチドを含まない培養液中で培養した細胞とreverse peptideを含む培養液中で培養した細
胞ではみられない丸い形の細胞が認められた (図1点線矢印)。培養細胞にUVを照射した場合、細胞のfocal contactにおいてアクチンフィラメントが正常にstress fiberを形
成していることが観察された。
ケージドペプチドを含む培養液中で培養した細胞についてはfocal contactにおいてア
クチンフィラメントが正常にstress fiberを形成していることが観察されたが、ケージドペプチドを含む培養液中で培養した細胞にUVを照射した場合、focal contactにおいてア
クチンフィラメントの並びが乱れているのが観察され(図1矢印)、丸い形の細胞が認められた(図1点線矢印)。
細胞の形態については、ペプチドを含まない培養液中で培養した細胞とreverse peptideを含む培養液中で培養した細胞は面積が広く、高さが低いことが観察された。しかし、intact peptideを含む培養液中で培養した細胞は面積が狭く、高さが高いことが観察され
た。UVを照射した細胞とケージドペプチドを含む培養液中で培養し、UVを照射した細胞は面積が小さく、高さが高いことが観察された(図1,2)。
・RGD配列を含むintact peptideにニトロベンジル基を導入したケージドペプチドを合成
した。これをUV光照射することにより、intact peptideを生じさせることができた。
・RGD配列を含むintact peptideを培養液中に添加することにより、Hela細胞のfocal contactの形成異常等の形態変化を誘導する。
・ケージドペプチドを培養液中に添加してもHela細胞の形態変化を誘導しないが、UV照射により、上記変化を誘導できた。
・RGDを含むペプチドはインテグリンの結合配列であり、細胞間、細胞内のシグナル伝達
、細胞接着に関与することから、細胞生物学や生体適合材料においての研究が古くから行われている。このケージドペプチドを用いれば、光照射によって部位特異的および時間特異的、無侵襲に、intact peptideを系中に生じさせることができるため、intact peptideの細胞や組織との作用機序のより詳細な解析をするための研究開発用試薬としての利用や、光リソグラフィー等による細胞のパターン培養を行うための材料としての利用、等、産業上有用である。
細胞形態観察。focal contact(矢印)においてアクチンフィラメントの並びが乱れていることが観察された。またそれらの場合では細胞の広がりが小さく、その傾向が顕著な細胞では方向性を持ったアクチンフィラメントが観察されず、形の丸いものが認められた(点線矢印)。 細胞形態変化。intact peptideを培養液に加えた場合とケージド化したペプチドを培養液に加えてUV照射をした場合、細胞の広がりが小さく、高くなることが観察された。N=10, 2回実験を行って同じ結果を得たうちの1回の実験結果を示した。 ケージドペプチドの質量分析測定。ケージドペプチドをレーザーイオン化飛行時間質量分析装置により測定した。 ケージドペプチドの光分解。ケージドペプチド(1mM)を480秒紫外光照射した産物(D)には、intact peptideに同定される新たな溶出ピークが観察された。

Claims (3)

  1. 紫外線照射により除去可能な光感受性基をRGDユニットに有し、紫外線照射により、細胞
    接着ペプチドに変換可能なケージドペプチド。
  2. 光感受性基が2−ニトロベンジル基である、請求項1に記載のケージドペプチド。
  3. 光感受性基がRGDユニットのグリシンのアミノ基に結合されてなる、請求項1に記載のケ
    ージドペプチド。
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