JP2020502051A - ジスルフィド含有細胞膜透過ペプチド並びにその製造方法及び使用方法 - Google Patents

ジスルフィド含有細胞膜透過ペプチド並びにその製造方法及び使用方法 Download PDF

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Abstract

ペプチジル薬のタンパク質分解安定性及び細胞膜透過性の両方を増大させる一般的な可逆的な二環化方法が開示されている。ペプチド薬は、短細胞膜透過モチーフと融合し、一対のジスルフィド結合の形成を介して立体配座的に拘束された二環構造に変換される。得られた二環式ペプチドは、大幅に増強されたタンパク質分解安定性並びに細胞膜透過性を有する。細胞内部では、ジスルフィド結合は、還元されて、直鎖生物活性ペプチドを産生する。この方法を適用して、NEMO−IKK相互作用に対する細胞膜透過性二環式ペプチジル阻害剤を生成した。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年11月9日に出願された米国特許出願第62/419,781号、2016年11月22日に出願された米国特許出願第62/425,550号、及び2016年12月22日に出願された米国特許出願第62/438,141号の優先権を主張し、これらの各々は、その全体が参照による本明細書に組み込まれる。
(連邦基金研究に関する陳述)
本発明は、国立衛生研究所によって与えられた助成金番号GM062820、GM110208、及びGM122459の下、政府支援によってなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
小分子薬と比較して、ペプチドは、高度に選択的かつ有効であり、同時に比較的安全かつ忍容性が高い。ペプチドの特に刺激的な用途は、タンパク質−タンパク質相互作用(PPI)の阻害であり、これは依然として小分子に対する困難な課題である。この結果、医薬の研究開発におけるペプチドへの関心が高まっており、現在約140のペプチド治療薬剤が臨床試験で評価されている。しかしながら、ペプチドは、本質的にタンパク質分解を受けやすい。加えて、ペプチドは、一般に細胞膜に対して不透過性であり、それらの用途を細胞外標的に大きく制限する。ペプチド骨格のN−メチル化及び分子内水素結合の形成は、特定の環状ペプチドのタンパク質分解安定性及び膜透過性を改善することが示されており(T.Rezai,et al.,J.Am.Chem.Soc.2006,128,14073)、ペプチド薬の代謝安定性及び細胞膜透過性の両方を増大させるための代替方法が明らかに必要とされている。
NF−κBは、免疫、ストレス、炎症反応、細胞増殖、及びアポトーシスに関与する多数の遺伝子産物の発現を制御する転写因子である(A.Oeckinghaus,S.Ghosh,Cold Spring Harb.Perspect.Biol.2009,1,a000034).NF−κBシグナル伝達の異常な活性化は、とりわけ、多数の自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ)及び癌(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)に関与している(V.Baud,M.Karin,Nat.Rev.Drug Discov.2009,8,33、S.−C.Sun,et al.,Trends Immunol.2013,34,282、F.D.Herrington,et al.,J.Biomol.Screen.2016,21,223、G.Cildir,et al.,Trends Mol.Med.2016,22,414)。古典的なNF−κBシグナル伝達は、κB(IκB)−キナーゼ(IKK)複合体の阻害剤と調節タンパク質NF−κB必須修飾因子(NEMO)との間の相互作用によって媒介される(S.Yamaoka,et al.,Cell 1998,26,1231、D.M.Rothwarf,et al.,Nature 1998,395,297)。NEMOへの結合は、IKKを活性化し、これは次にリン酸化IκBを活性化し、IκBのプロテアソーム分解及び活性NF−κBの放出を促進する。NF−κBシグナル伝達経路の様々な工程を標的とする修飾因子が報告されており、それらのいくつかは、臨床へと進歩している(V.Baud,M.Karin,Nat.Rev.Drug Discov.2009,8,33、S.−C.Sun,et al.,Trends Immunol.2013,34,282、F.D.Herrington,et al.,J.Biomol.Screen.2016,21,223、G.Cildir,et al.,Trends Mol.Med.2016,22,414、S.C.Gupta,et al.,Biochim.Biophys.Acta.2011,1799,775、T.M.Herndon,et al.,Clin.Cancer Res.2013,19,4559)。NF−κB活性を改善するための1つの魅力的な方法は、IKK−NEMO相互作用を選択的に破壊することである。これまでの研究では、弱いNEMO阻害剤(K〜37μM)、Antp−NBD(表6、ペプチド1)を生成しており、細胞膜透過ペプチド(CPP)、Antp(M.J.May,et al.,Science 2000,289,1550)に共有結合したIKKβの11残基NEMO−結合ドメイン(NBD)を含有する。興味深いことに、Antp−NBDは、異なる炎症誘発性刺激によって刺激されたIKK活性を遮断するが、基底NF−κB活性に影響を与えないため、したがって異常なNF−κB活性を低減するための潜在的に安全かつ有効な機構を提供する(J.May,et al.,Science 2000,289,1550)。いくつかの前臨床研究では、Antp−NBDは、マウス及びイヌモデルにおけるデュシェンヌ型筋ジストロフィ及び大細胞型B細胞リンパ腫の治療に生体内有効性を示した(E.Jimi,et al.,Nat.Med.2004,10,617、S.Dai,et al.,J.Biol.Chem.2004,279,37219、W.Shibata,et al.,J.Immunol.2007,179,2681、S.H.Dave,et al.,J.Immunol.2007,179,7852、A.Gaurnier−Hausser,et al.,Clin.Cancer Res.2011,17,4661、J.M.Peterson,et al.,Mol.Med.2011,17,508、D.A.Delfin,et al.,J.Transl.Med.2011,9,68、D.P.Reay,et al.,Neurobiol.Dis.2011,43,598、J.N.Kornegay,et al.,Skelet.Muscle 2014,4,18、G.Habineza Ndikuyeze,et al.,PLoS One,2014,9,e95404)。しかしながら、臨床的有用性を実現するために、Antp−NBDは、そのNEMO結合親和性、代謝安定性、及び細胞膜透過性の改善から有意に利益をもたらすであろう。したがって、NF−κBシグナル伝達を調節するための新しい組成物及び方法が必要とされている。本明細書に開示される組成物及び方法は、これら及び他の必要性に対処する。
本明細書に開示されるのは、化合物、組成物、そのような化合物及び組成物の製造及び使用方法である。本明細書に開示される様々な実施形態では、二環式ペプチド、そのような二環式ペプチドを含む組成物、並びにそれらを作製及び使用する方法である。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される二環式ペプチドは、(a)細胞膜透過ペプチド配列(X)を含む第1の環状ペプチドと、(b)ペプチジルリガンド(X)を含む第2の環状ペプチドと、前記第1の環状ペプチド又は前記第2の環状ペプチドのうちの少なくとも1つを形成する少なくとも1つのジスルフィド結合であって、第1の環状ペプチドは、第2の環状ペプチドに接合されている、ジスルフィド結合と、を含む。
様々な実施形態では、Xは、以下のペプチド配列を含み、

−AA−AA−AA−AA−AA−(AA−(AA−(AA−(AA

式中、
AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、及びAAは、各々独立して、アミノ酸であり、任意選択で置換されており、少なくとも3つのアミノ酸は、アルギニンであり、少なくとも2つのアミノ酸は、疎水性側鎖を独立して含み、
m、n、p、及びqは、独立して、0及び1から選択される。
いくつかの実施形態では、二環式ペプチドは、X及びXに直接又は間接的に接合された結合部分を含む。いくつかの実施形態では、Xは、結合部分を介して環化され、XのC末端又はN末端は、結合部分に接合され、Xは、ジスルフィド結合を介して環化され、それによって二環式ペプチドを形成する。他の実施形態では、結合部分は、第1の環状ペプチド中のアミノ酸の側鎖に接合され、XのC末端又はN末端は、結合部分に接合され、Xは、ジスルフィド結合を介して環化され、それによって二環式ペプチドを形成する。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される二環式ペプチドは、第1のジスルフィド結合及び第2のジスルフィド結合を含む。他の実施形態では、結合部分は、第1のジスルフィド結合を形成する第1の置換基及び第2のジスルフィド結合を形成する第2の置換基を含む。いくつかの実施形態では、Xは、第1のジスルフィド結合を介して環化され、Xは、第2のジスルフィド結合を介して環化され、それによって二環式ペプチドを形成する。更に他の実施形態では、結合部分は、第1の環状ペプチドの側鎖に接合され、Xは、第1のジスルフィド結合及び第2のジスルフィド結合を介して環化され、それによって二環式ペプチドを形成する。更に他の実施形態では、XのC末端又はN末端は、結合部分に接合され、Xは、第1のジスルフィド結合を介して環化され、XのC末端又はN末端は、結合部分に接合され、Xは、第2のジスルフィド結合を介して環化され、それによって二環式ペプチドを形成する。なお更なる実施形態では、XのC末端又はN末端は、結合部分に接合され、Xは、第1のジスルフィド結合を介して環化され、Xは、第2のジスルフィド結合を介して環化され、それによって二環式ペプチドを形成する。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される二環式ペプチドは、第3のジスルフィド結合を含む。他の実施形態では、リンカー部分は、第1のジスルフィド結合を形成する第1置換基と、第2のジスルフィド結合を形成する第2の置換基と、第3のジスルフィド結合を形成する第3の置換基と、を含む。更に他の実施形態では、Xが、Xに融合され、それによって融合X〜Xペプチドを形成し、結合部分が、第3のジスルフィド結合を介して融合X〜Xプレペプチドに接合され、Xは、第1のジスルフィド結合を介して環化され、Xは、第2のジスルフィド結合を介して環化され、それによって二環式ペプチドを形成する。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される二環式ペプチドは、第4のジスルフィド結合を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、第1のジスルフィド結合を形成する第1の置換基と、第2のジスルフィド結合を形成する第2の置換基と、第3のジスルフィド結合を形成する第3の置換基と、第4のジスルフィド結合を形成する第4の置換基と、を含む。他の実施形態では、Xは、第1のジスルフィド結合及び第2のジスルフィド結合を介して環化され、Xは、第3のジスルフィド結合及び第4のジスルフィド結合を介して環化され、それによって二環式ペプチドを形成する。
様々な実施形態において、本明細書に開示される二環式ペプチドは、式1〜12のうちのいずれかに従う構造を有する。
Figure 2020502051
Figure 2020502051
式中、
各発生においてAAは、独立してJとジスルフィド結合を形成する部分であり、
L〜Jは、結合部分であり、
Jは、存在しないか、又はアルキル、N−アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、若しくはヘテロシクリルであり、これらの各々は、各発生においてAAとジスルフィド結合を独立して形成する少なくとも2つの置換基で独立して置換されており、
Lは、存在しないか、又はX、X、若しくはそれらの組み合わせのアミノ酸にAAを結合する部分であり、
各例においてSSは、ジスルフィド結合を表す。
いくつかの実施形態では、上記の二環式ペプチドは、式I、II、V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXIIのうちのいずれかに従う構造を有し、これらは各々以下により詳細に記載される。
実施形態において、本明細書に開示されるのは、式I又はIIを含む二環式ペプチドであり、
Figure 2020502051
式中、X及びXは、独立して、1〜20個のアミノ酸の配列を含み、Rは、OH、OR、又はNHRであり、Rは、C1〜20アルキル、C6〜10アリール、若しくはヘテロアリール、アミノ酸、2〜20個のアミノ酸のペプチド配列、検出可能な部分、又は固体支持体である。
本明細書で使用するとき、Xは、細胞膜透過ペプチド配列を指す。いくつかの実施形態では、Xは、長さが5〜10個のアミノ酸である。更なる実施形態では、X中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つのアミノ酸は、疎水性側鎖を有する。特定の実施形態では、Xは、1つ以上のフェニルアラニン、ナフチルアラニン、トリプトファン、又はそれらの類似体若しくは誘導体を含む。いくつかの実施形態では、Xは、少なくとも1つのアルギニン又はその類似体又は誘導体を含む。他の実施形態では、Xは、表2に列挙される配列(配列番号62〜配列番号146)を含む。特定の実施形態では、Xは、RRRRΦF又はFΦRRRRであるか、又はそれを含む。
本明細書で使用するとき、Xは、カーゴ配列を指す。いくつかの実施形態では、Xは、表5に列挙される配列(配列番号147〜配列番号159)を含む。いくつかの実施形態では、二環式ペプチドは、表6に列挙される配列(配列番号160〜配列番号167)を有する。
本明細書に開示される追加の例は、式IIIのペプチドであり、

BMB−(AA
III

式中、Nは、5〜20の整数であり、各AAは、独立して、天然又は非天然アミノ酸残基であり、少なくとも2つのAA残基がシステインであり、BMBは、3,5−ビス(メルカプトメチル)安息香酸残基である。いくつかの具体例では、uは、4〜20、5〜9、6〜9、7〜8、又は8〜9である。
本明細書では、様々な実施形態において、二環式ペプチドを作製する方法であり、
(a)8〜40個のアミノ酸を有する固体支持ペプチドを式IVの化合物と接触させることであって、少なくとも2つのアミノ酸が、システイン、ホモシステイン、及びチオール基を有するアミノ酸からなる群から独立して選択され、
Figure 2020502051
式中、Q及びQは、互いに独立してCH又はNから選択される、接触させることと、
(b)前記ペプチドを前記固体支持体から切断することと、を含む。
本開示の他の実施形態は、式V、VI、VII、VIII、IX、X、若しくはXIIを含む、二環式ペプチド、
Figure 2020502051
又はその薬学的に許容される塩であって、
式中、
AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、及びAAは、各々独立してアミノ酸であり、少なくとも3つのアミノ酸は、アルギニンであり、少なくとも2つのアミノ酸は、疎水性側鎖を独立して含み、
n、p、及びqは、独立して0及び1から選択され、
AA10及びAA11は、各々独立して任意選択で置換されたアミノ酸であり、
b及びcは、独立して0〜20の整数であり、
各発生においてAAは、独立してJとジスルフィド結合を形成する部分であり、
Jは、アルキル、N−アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、又はヘテロシクリルであり、これらの各々は、独立して、各発生においてAAとジスルフィド結合を形成する少なくとも2つの置換基で独立して置換されており、
各例においてssは、ジスルフィド結合を表し、
Lは、Jを、アミノ酸、X、又はそれらの組み合わせに結合する部分であり、
は、1〜20個のアミノ酸を有するペプチド配列を含むカーゴ部分である。
いくつかの実施形態では、Jは、N−アルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、これらの各々は、独立して、各発生においてAAとジスルフィド結合を形成する少なくとも2つの置換基で独立して置換される。他の実施形態では、Jは以下である。
Figure 2020502051
いくつかの実施形態では、Lは、結合、アミノ酸、
Figure 2020502051
であり、式中、aは、0〜10の整数である。
いくつかの実施形態では、各AAは、独立して、
Figure 2020502051
であり、式中、AAのC末端は、アミド結合を形成するか、又はRであり、Rは、OH、OR、又はNHRであり、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ酸、2〜20個のアミノ酸のペプチド配列、検出可能な部分、又は固体支持体である。
いくつかの実施形態では、以下からなる群から選択される、二環式ペプチド
Figure 2020502051
Figure 2020502051
又はその薬学的に許容される塩であって、
式中、各dは、独立して1又は2であり、
式中、RはOH、OR、NHRであり、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ酸、2〜20個のアミノ酸のペプチド配列、検出可能な部分、又は固体支持体である。
いくつかの実施形態では、疎水性側鎖を独立して含む少なくとも2つのアミノ酸は、グリシン、フェニルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ナフチルアラニン、プロリン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、フェニルグリシン、フェニルアラニン、トリプトファン、又はナフチルアラニン上の芳香族側鎖は、ハロゲンで各々任意選択で置換されている。他の実施形態では、疎水性側鎖を独立して含む少なくとも2つのアミノ酸は、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。更に他の実施形態では、疎水性残基を独立して含む少なくとも2つのアミノ酸は、連続アミノ酸である。
いくつかの実施形態では、
AAは、Lアルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−フェニルアラニンであり、
AAは、Lフェニルアラニンであり、
m、n、p、及びqは、各々0であり、
又は
AAは、L−フェニルアラニンであり、
AAは、L−ナフチルアラニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
mは、1であり、AAは、L−アルギニンであり、
n、p、及びqは、各々0であり、
又は
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−ナフチルアラニンであり、
mは、1であり、AAは、L−フェニルアラニンであり、
n、p、及びqは、各々0である。
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの連続アミノ酸は、交互のキラリティを有する。他の実施形態では、交互のキラリティを有する少なくとも3つの連続アミノ酸は、アルギニンである。
いくつかの実施形態では、
AAは、D−フェニルアラニンであり、
AAは、L−ナフチルアラニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、D−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
mは、1であり、AAは、D−アルギニンであり、
n、p、及びqは、各々0であり、
又は
AAは、D−フェニルアラニンであり、
AAは、L−ナフチルアラニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、D−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
m及びnは、各々1であり、AAは、D−アルギニンであり、AAは、L−アルギニンであり、
p及びqは、各々0であり、
又は
AAは、D−フェニルアラニンであり、
AAは、L−ナフチルアラニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、D−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
m及びnは、各々1であり、AAは、D−アルギニンであり、AAは、L−フェニルアラニンであり、
p及びqは、各々0である。
他の実施形態では、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、及びAAは、配列番号62〜配列番号146から選択される。
いくつかの実施形態では、X中のペプチド配列は、少なくとも1つのタンパク質−タンパク質相互作用を阻害する。他の実施形態では、タンパク質−タンパク質相互作用は、κBキナーゼ(IKK)複合体と、調節タンパク質NNF−κB必須修飾剤(NEMO)との間の相互作用である。更に他の実施形態では、X中のペプチド配列は、RA、PTP1B、Pin1、Grb2SH2、MDM2、又はそれらの組み合わせに対する阻害剤である。更に他の実施形態では、X中のペプチド配列は、野生型ペプチジルリガンド又はペプチド模倣体である。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、式V−A、VI−A、VII−A、VIII−A、IX−A、X−A、若しくはXII−A及びXII−Bに従う化合物、
Figure 2020502051
又はその薬学的に許容される塩であって、
式中、
AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA10、及びAA11は、アミノ酸から独立して選択され、任意選択で置換されており、少なくとも3つのアミノ酸は、アルギニンであり、少なくとも2つのアミノ酸は、疎水性側鎖を独立して含み、
n、p、又はqは、独立して、0及び1から選択され、
b及びcは独立して、0〜20の整数である。
各発生においてAA’は、独立してチオールを含む部分であり、
J’は、アルキル、N−アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、又はヘテロシクリルであり、これらは各々、少なくとも2つのチオール置換基で独立して置換されており、
Lは、AA’をアミノ酸、X、又はそれらの組み合わせに結合する任意選択の部分であり、
は、4〜20個のアミノ酸を有するペプチド配列を含むカーゴ部分である。
いくつかの実施形態では、J’は、N−アルキル、アリール、又はヘテロアリールである。更なる実施形態では、J’は以下である。
Figure 2020502051
いくつかの実施形態では、Lは、存在しないか、アミノ酸、
Figure 2020502051
n、aは、0〜20の整数である。
いくつかの実施形態では、各AA’が、各々独立しており、
Figure 2020502051
式中、AA’のC末端はアミド結合を形成するか、又はRであり、RはOH、OR、NHRであり、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ酸残基、2〜20個のアミノ酸残基のペプチド配列、検出可能な部分、又は固体支持体である。
いくつかの実施形態では、
Figure 2020502051
又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される構造を有し、各dは、独立して1又は0である。
上記化合物の実施形態では、疎水性側鎖を独立して含む少なくとも2つのアミノ酸が、グリシン、フェニルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ナフチルアラニン、プロリン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、フェニルグリシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ナフチルアラニン上の芳香族残基が、任意選択で置換されている。他の実施形態では、疎水性側鎖を独立して含む少なくとも2つのアミノ酸は、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。更に他の実施形態では、疎水性側鎖を独立して含む少なくとも2つのアミノ酸は、連続アミノ酸である。
いくつかの実施形態では、
AAは、Lアルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−フェニルアラニンであり、
AAは、Lフェニルアラニンであり、
m、n、p、及びqは、各々0であり、
又は
AAは、L−フェニルアラニンであり、
AAは、L−ナフチルアラニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
mは、1であり、AAは、L−アルギニンであり、
n、p、及びqは、各々0であり、
又は
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、L−ナフチルアラニンであり、
mは、1であり、AAは、L−フェニルアラニンであり、
n、p、及びqは、各々0である。
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの連続アミノ酸は、交互のキラリティを有する。他の実施形態では、交互のキラリティを有する少なくとも3つの連続アミノ酸は、アルギニンである。
いくつかの実施形態では、
AAは、D−フェニルアラニンであり、
AAは、L−ナフチルアラニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、D−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
mは、1であり、AAは、D−アルギニンであり、
n、p、及びqは、各々0であり、
又は
AAは、D−フェニルアラニンであり、
AAは、L−ナフチルアラニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、D−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
m及びnは、各々1であり、AAは、D−アルギニンであり、AAは、L−アルギニンであり、
p及びqは、各々0であり、
又は
AAは、D−フェニルアラニンであり、
AAは、L−ナフチルアラニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
AAは、D−アルギニンであり、
AAは、L−アルギニンであり、
m及びnは、各々1であり、AAは、D−アルギニンであり、AAは、L−フェニルアラニンであり、
p及びqは、各々0である。
他の実施形態では、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、及びAAは、配列番号62〜配列番号146から選択される。
いくつかの実施形態では、X中のペプチド配列は、少なくとも1つのタンパク質−タンパク質相互作用を阻害する。更なる実施形態では、タンパク質−タンパク質相互作用は、κB−キナーゼ(IKK)複合体と、調節性タンパク質NNF−κB必須修飾剤(NEMO)との間の相互作用である。他の実施形態では、X中のペプチド配列は、Ras、PTP1B、Pin1、Grb2 SH2、MDM2、又はそれらの組み合わせに対する阻害剤である。更に他の実施形態では、X中のペプチド配列はペプチジルであり、野生型ペプチドリガンド又はペプチド模倣体である。
様々な実施形態では、式XIに従う化合物であって、
Figure 2020502051
式中、
各例においてYは、独立してCH、N、O、又はSであり、4個以下のYが、N、O、S、又はそれらの組み合わせであり、
Zは、OR、水素、ハロゲン、カルボシクリル、ヘテロシクリル、又はアミノ酸であり、
各例においてRは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、又はアミノ酸であり、
は、独立してH、C(O)アルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環、又はヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、Yは、独立してCHである。他の実施形態では、化合物は、式XI−Aに従う構造を有する。
Figure 2020502051
いくつかの実施形態では、各Rが、独立してアリール又はヘミアリールである。更なる実施形態では、化合物は、式XI−Bに従う構造を有し、
Figure 2020502051
式中、各例においてQは、独立してCH又はNである。
いくつかの実施形態では、Zは、OHである。他の実施形態では、化合物は以下の構造を有する。
Figure 2020502051
また、本明細書では、請求項18〜38のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、細胞の細胞質に治療薬剤を送達する方法も開示される。
本明細書に開示されている二環式ペプチド及び薬学的担体を含む薬学的組成物も開示されている。
本明細書に開示される化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量を被験体に投与することを含む、ヒトなどの被験体における障害を治療又は予防する方法も、本明細書に開示される。いくつかの例では、被験体はヒトなどの動物である。いくつかの例では、被験体は、障害の治療の必要性を有するものとして識別される。いくつかの例では、方法は障害を治療する。いくつかの例では、障害は、異常なNF−κBシグナル伝達に関連する。いくつかの例では、障害は、癌などの制御されていない細胞増殖と関連付けられる。いくつかの例では、障害は癌である。いくつかの例では、障害は、過敏性ボウル症候群などの炎症性障害である。いくつかの例では、障害は、リウマチ性関節炎、強直性脊椎炎、クローン病、乾癬、汗腺炎、及び難治性喘息から選択される障害などの自己免疫障害である。いくつかの更なる実施例では、本明細書に開示されるのは、デュシェンヌ型筋ジストロフィ又は大型B細胞リンパ腫を治療する方法である。
本明細書に開示されるのは、障害の治療のための薬候補を識別するための方法であって、本明細書に開示される化合物、本明細書に開示される方法によって調製された化合物、本明細書に開示されるライブラリ、又は障害に関連する受容体に開示される方法によって調製されたライブラリを曝露する工程と、b)受容体と化合物又はライブラリとの間の反応を検出する工程と、c)受容体と反応する化合物の同一性を決定する工程と、を含む、方法である。
本発明の態様は、システム法定クラスなどの特定の法定クラスに記載及び特許請求することができるが、これは単に便宜上のものであり、当業者は、本発明の各態様が任意の法定クラスで説明及び特許請求することができることを理解するであろう。特に明記しない限り、本明細書に記載される任意の方法は、その工程が特定の順序で実施されることを必要とすると解釈されることを決して意図するものではない。したがって、方法クレームが、その工程がたどる順序を実際に記載しておらず、又はその工程が特定の順序に限定されるべきである旨が特許請求の範囲又は明細書に具体的に明記されていない場合、いかなる点においても順序が推測されることを意図するものではない。これは、工程又は動作フローの配列に関する論理の問題、文法的な組織若しくは句読点に由来する平易な意味、又は本明細書に記載される態様の数若しくは種類を含む、解釈のための任意の可能な非表現型を保持する。
本明細書に組み込まれ、また本明細書の一部を構成する添付の図面は、態様を例証し、以下の説明と共に、方法及びシステムの原理を説明するよう機能する。
5μMのFITC標識ペプチドcFΦR(配列番号68)又は1〜5で2時間処理した後のHeLa細胞のMFIを示し、フローサイトメトリ分析によって決定される。ブランク、ペプチドなし。 HTRF分析によってモニタされたペプチド1、4、及び5によるNEMO−IKKγ相互作用の阻害を示す。 ペプチド1、4、及び5によるHEK293細胞におけるNF−κBシグナル伝達のTNFα誘導活性化の用量依存的阻害を示す。 ペプチド1、4、及び6の血清安定性の比較を示す。報告されたデータは、3つの独立した実験の平均±SDである。 可逆ペプチドの二重化方法である。GSH、グルタチオン。 FITC標識ペプチド2及び3の構造を示す。 FITC標識ペプチド2及び3の構造を示す。 ペプチド4、5、及び6の構造を示す。 ペプチド4、5、及び6の構造を示す。 ペプチド4、5、及び6の構造を示す。 固相合成及びジエチルエーテルでの粉砕後の粗ペプチド4の精製を示す分取逆相HPLCクロマトグラムである。 室温で2時間、リン酸緩衝液(pH7.4)中の5mMグルタチオンのインキュベートする前後の精製ペプチド4の分析逆相HPLC及びMALDI−TOF MS分析である。 室温で2時間、リン酸緩衝液(pH7.4)中の5mMグルタチオンのインキュベートする前後の精製ペプチド4の分析逆相HPLC及びMALDI−TOF MS分析である。 HTRF分析によってモニタされるペプチドRRRRΦFCALDWSWLQC(IC50=1.4μM)(配列番号215)及びRRRRΦFTALDWSWLQT(IC50=1.6μM)(配列番号216)によるNEMO−IKKγ相互作用の阻害を示す。 本研究で使用される他のペプチドの純度を示す分析的逆相HPLCである。ペプチドの真正性は、MALDI−TOF MS分析によって確認された。 二環式ペプチドを含有するトリス−(ジスルフィド)の略図である。 細胞のサイトソールに侵入すると環状細胞膜透過ペプチドからカーゴを放出する二環式ペプチドを含有するビス−(ジスルフィド)の略図である。 蛍光標識(NFL)を有するKeap1−Nrf2に対するペプチジル阻害剤に接合されたCPP12(FfФRrRr)を含む環状ペプチドを含む二環式ペプチドの構造を示す。 環状CPPの非存在下で蛍光標識(NFL)を有するKeap1−Nrf2に対する直鎖ペプチジル阻害剤の構造を示す。 蛍光標識(NFL)を有する、Pin1に対するペプチジル阻害剤に接合された環状CPP12(FfФRrRr)を含む環状ペプチドを含む二環式ペプチドの構造を示す。 蛍光標識(NFL)を有する、CPP12(FfФRrRr)を含む環状CPP12(FfФRrRr)を含む環状の二環式ペプチドの構造を示す。 環状CPPの非存在下で蛍光標識(NFL)を有する、CAL PDZ−CFTR相互作用に対する直鎖ペプチジル阻害剤の構造を示す。 蛍光標識(NFL)を有するMDM2−p53相互作用(PMI)に対してペプチジル阻害剤に接合された環状CPP12(FfФRrRr)を含む環状ペプチドを含む二環式ペプチドの構造を示す。 環状CPPの非存在下で蛍光標識(NFL)を有する、PMIに対する直鎖ペプチジル阻害剤の構造を示す。 環状CPPペプチド接合体(すなわち、本開示の二環式ペプチド)と比較した、非接合ペプチジル阻害剤の細胞質取り込み効率をグラフで示す。 Keap1−Nrf2に対するペプチジル阻害剤に接合した環状CPP12(FfФRrRr)を含む環状を含む二環式ペプチドの構造を示す。 環状CPPの非存在下での、Keap1−Nrf2に対する直鎖ペプチジル阻害剤の構造を示す。 Pin1に対するペプチジル阻害剤に接合した環状CPP12(FfФRrRr)を含む環状を含む二環式ペプチドの構造を示す。 MDM2−p53相互作用(PMI)に対するペプチジル阻害剤に接合された環状CPP12(FfФRrRr)を含む二環式ペプチドの血清安定性を、PMIに対する直鎖ペプチジル阻害剤の血清安定性と比較してグラフで示す。 Keap1−Nrf2相互作用に対するペプチジル阻害剤に接合された環状CPP12(FfФRrRr)を含む二環式ペプチドの血清安定性を、Keap1−Nrf2に対する直鎖ペプチジル阻害剤の血清安定性と比較してグラフで示す。 Pin−1(P1)に対するペプチジル阻害剤に接合されたCPP12(FfФRrRr)を含む二環式ペプチドの血清安定性を、P1.に対する直鎖ペプチジル阻害剤の血清安定性と比較してグラフで示す。
本発明は、本発明の以下の詳細な説明、並びにその中に含まれる実施例及び図を参照することによって、より容易に理解することができる。
本発明の化合物、組成物、物品、システム、デバイス、及び/又は方法を開示及び説明する前に、これらが特に指定されない限り特定の合成方法に、又は、特に指定されない限り特定の試薬に限定されず、当然ながらそれ自体が変化することができることを理解されたい。本明細書で使用される専門用語は、特定の態様を説明するための目的のものにすぎず、限定することを意図しないことも理解するべきである。本明細書に記載のものと類似又は同等の任意の方法及び材料を本発明の実施又は試験に使用することができるが、例示的な方法及び材料は本明細書に記載されている。
本明細書で言及される全ての刊行物は、刊行物が引用される方法及び/又は材料を開示及び記載するために、本明細書に参照により引用される。本明細書に記載される刊行物は、本出願の出願日前に、それらの開示に対してのみ提供される。本明細書中のいかなるものも、本発明が、先行発明の効力によってそのような開示に対して先行する権利を与えられていないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に、本明細書で提供される刊行物の日付は、実際の出版物の日付と異なる場合があり、これは、独立した確認を必要とする場合がある。
一般的定義
本明細書で使用するとき、有機化合物を含む化合物の命名法は、一般的な名称、IUPAC、IUBMB、又は命名法のためのCAS推奨を使用して与えられ得る。1つ以上の立体化学的特徴が存在する場合、立体化学のためのCahn−Ingold−Prelog規則を採用して、立体化学的優先度、E/Z仕様などを指定することができる。当業者は、名称が与えられた場合、命名規則を使用して化合物構造を体系的に還元するか、又はCHEMDRAW(商標)(Cambridgesoft Corporation,U.S.A.)などの市販のソフトウェアによって、化合物の構造を容易に確認することができる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示被験体を包む。したがって、例えば、「官能基」、「アルキル」、又は「残基」への言及は、2つ以上のそのような官能基、アルキル、又は残基などの混合物を含む。
範囲は、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表することができる。そのような範囲が表されるとき、更なる態様は、1つの特定の値から及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行詞「約」の使用によって近似として表されるとき、特定の値は別の態様を形成することが理解されるであろう。範囲のそれぞれの端点は、他の端点に関しても、他の端点とは独立しても、この両方において、有意であると更に理解されるであろう。本明細書で多くの値が開示され、各々の値がその値自体に加えて「約」その特定の値として本明細書でもまた開示されることもまた理解される。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」もまた開示されている。特定の2つの単位間のそれぞれの単位もまた開示されていることもまた理解される。例えば、10及び15が開示されている場合、11、12、13、及び14もまた開示されている。
本明細書及び特許請求の範囲における組成物中の特定の要素又は成分の重量部への言及は、その要素又は成分と、組成物又は物品中の任意の他の要素又は成分の間との重量関係を意味する。したがって、2重量部の成分X及び5重量部の成分Yを含有する化合物において、X及びYは2:5の重量比で存在し、かつその化合物において他の成分が含有されているかどうかに関係なくそのような割合で存在する。
そうでないと具体的に述べられていない限り、成分の重量パーセント(重量%)は、その成分が含まれる配合物又は組成物の総重量に基づく。
本明細書で使用するとき、用語「任意選択の」又は「任意選択に」は、引き続いて記載された事象又は状況が起こり得るあるいは起こり得る又は起こり得ないこと、かつ当該記述が前記事象又は状況が起こる場合及び起こらない場合を含むことを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「被験体」は、投与の標的、例えば被験者を指す。したがって、本明細書に開示される方法の被験体は、哺乳動物、魚類、鳥類、爬虫類、又は両生類などの脊椎動物とすることができる。代替的に、本明細書に開示される方法の被験体は、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモット、魚、鳥、又はげっ歯類とすることができる。この用語は、特定の年齢又は性別を意味するものではない。したがって、成人及び新生児の被検者、並びに胎児、男性又は女性のいずれかであっても対象となることを意図している。いくつかの実施形態では、被検体は哺乳動物である。患者は、疾患又は障害に罹患している被験体を指す。用語「患者」は、ヒト及び獣医学的被験体を含む。開示される方法のいくつかの例では、被験体は、投与工程の前に癌の治療の必要性を有すると診断されている。開示された方法のいくつかの例では、被験体は、投与工程の前に癌と診断されている。被験体となる被験体は、動物、例えばヒト、細胞などの細胞も含む。
本明細書で使用するとき、用語「治療」は、疾患、病的状態、又は障害を治癒、寛解、安定化、又は予防することを意図した患者の医学的管理を指す。この用語は、積極的治療、つまり、特に疾病、病的状態、又は障害の改善のために行われる治療を含み、また原因療法、つまり、関連する疾病、病的状態、又は障害の原因の除去のために行われる治療も含む。加えて、この用語は、緩和治療、すなわち、疾患、病的状態、又は障害の治癒ではなく、症状の緩和のために設計された治療を含み、予防治療、すなわち、関連する疾患、病的状態、又は障害の発症を最小化又は部分的若しくは完全に阻害することを目的とする治療、並びに支持療法、すなわち、関連する疾患、病的状態、又は障害の改善を目的とした別の特定の治療を補うために採用される治療と、を含む。いくつかの例では、この用語は、哺乳動物(例えば、ヒト)を含む被験体の任意の治療を含み、(i)疾患に罹患し得るが、まだそれを有すると診断されていない被験体において疾患が発生するのを予防することと、(ii)疾患を阻害すること、すなわち、その発症を阻止すること、又は(iii)疾患を緩和すること、すなわち、疾患の後退を引き起こすこと、を含む。いくつかの例では、被験体は霊長類などの哺乳動物であり、いくつかの例では、被験体はヒトである。したがって、用語「被検体」には、愛玩動物(例えば、ネコ、イヌなど)、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、魚、鳥など)、及び実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、ミバエなど)を含むことができる。
本明細書で使用するとき、用語「防止する」又は「防止する」は、特に前進作用によって起こる何かを予防する、嫌悪する、排除する、早める、停止する、又は妨げることを指す。低減させる又は防止する、が使用される場合、具体的に明確に指示されない限り、他の単語の使用もまた明示的に開示されることが理解される。
本明細書で使用するとき、用語「診断された」は、当業者、例えば、医師による物理的検査に供され、本明細書に開示される化合物、組成物、又は方法によって診断又は治療することができる状態を有することを意味する。例えば、「癌と診断された」は、当業者、例えば、医師による物理的検査に供され、癌を治療又は予防することができる化合物又は組成物によって診断又は治療することができる状態を有することを意味する。更なる例として、「癌を治療又は予防する必要性を有すると診断された」は、当業者、例えば医師による物理的検査に供され、癌又は、癌の治療若しくは予防が被験体に有益であろう他の疾患によって特徴付けられる状態を有することを意味する。
本明細書で使用するとき、「障害の治療を必要としていると識別される」などという句は、障害の治療の必要性に基づいて被験体を選択することを指す。例えば、被験体は、当業者による早期診断に基づいて障害(例えば、癌に関連する障害)の治療の必要性を有するものとして識別され得、その後、障害の治療に供することができる。識別は、いくつかの例では、診断を行う人とは異なる人物によって実行することができることが想到される。いくつかの例では、投与は、続いて投与を実施した人物によって行うことができることも想到される。
本明細書で使用するとき、用語「投与する」及び「投与」は、被験体に医薬製剤を提供する任意の方法を指す。そのような方法は、当業者には周知であり、経口投与、経皮投与、吸入による投与、鼻腔投与、局所投与、膣内投与、眼内投与、聴覚内投与、静脈内投与、直腸内投与、舌下投与、頬側投与、及び非経口投与を含み、これらに限定されるものではなく、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、及び皮下投与などの注射剤を含む。投与は連続的又は断続的とすることができる。いくつかの例では、製剤は、治療上投与することができ、すなわち、既存の疾患又は病状を治療するために投与される。いくつかの例では、製剤は予防的に投与することができ、すなわち、疾患又は病状の予防のために投与される。
本明細書で使用するとき、用語「接触する」は、化合物が標的(例えば、受容体、転写因子、細胞など)の活性に影響を及ぼすことができるような方法で、開示された化合物及び細胞、標的受容体、又は他の生物学的実体を一緒にすることを指し、ここで直接的に、すなわち標的自体と相互作用することによって、又は間接的に、すなわち標的の活性が依存する別の分子、補因子、因子、若しくはタンパク質と相互作用することによって、影響を及ぼすものである。
本明細書で使用するとき、用語「有効量」及び「有効な量」は、所望の結果を実現するのに十分であるか、又は望ましくない状態に影響を及ぼすのに十分な量を指す。例えば、「治療上有効量」とは、所望の治療結果を実現するのに十分であるか、又は望ましくない症状に影響を及ぼすのに十分であるが、有害な副作用を引き起こすには一般的に不十分な量を指す。任意の特定の患者の特定の治療上有効な用量レベルは、治療される障害及び障害の重症度採用した特定の組成物、患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別及び食事、投与時間、投与経路、採用した特定の化合物の排泄速度、治療期間、採用した特定の化合物及び医療技術分野において周知の同様の因子と組み合わせて又は同時に使用される薬、を含む様々な因子に依存するであろう。例えば、所望の治療効果を実現するために必要とされるレベルよりも低いレベルで化合物の投与を開始し、所望の効果が実現されるまで投与量を徐々に増加させることは、当業者には周知である。所望であれば、有効な1日当たり用量は、投与の目的で複数の用量に分割することができる。この結果、単回用量組成物は、そのような量又はその約数を含有して、1日当たり用量を構成することができる。投与量は、いずれかの禁忌がある場合には、個々の医師によって調整することができる。用量は、変更することができ、毎日、1日又は数日間、1つ以上の用量の投与において投与することができる。指針は、所与のクラスの医薬製品に対する適切な用量に関する文献において見出すことができる。いくつかの例では、製剤は、「予防的有効量」で投与することができ、すなわち、疾患又は病状の予防に有効な量である。
本明細書で使用するとき、「EC50」は、生物学的プロセスの50%増強又は活性化に必要とされる物質(例えば、化合物又は薬)の濃度若しくは用量、又はタンパク質、サブユニット、オルガネール、リボ核酸などを含むプロセスの成分を指すことを意図する。EC50はまた、本明細書の他の箇所で更に定義されるように、インビボでの50%増強又は活性化に必要な物質の濃度又は用量を指す。代替的に、EC50は、ベースラインと最大反応との間の反応中間体を誘発する化合物の濃度又は用量を指すことができる。反応は、被験体となる生物学的反応に便利かつ適切であるように、インビトロ又はインビボ系で測定することができる。例えば、反応は、培養筋細胞を使用して、又は単離された筋肉線維を有するエックスビボ器官培養系において、インビトロで測定することができる。代替的に、反応は、マウス及びラットを含むげっ歯類などの適切な研究モデルを使用してインビボで測定することができる。マウス又はラットは、肥満又は糖尿病などの目的の表現型特性を有する、近交系とすることができる。必要に応じて、遺伝子又は遺伝子が適宜導入又はノックアウトされて疾患プロセスを複製する、トランスジェニック又はノックアウトマウス又はラットにおいて、反応を測定することができる。
本明細書で使用するとき、「IC50」は、タンパク質、サブユニット、オルガネルタンパク質、リボ核酸タンパク質などを含む、生物学的プロセスの50%阻害若しくは減少に必要とされる物質(例えば、化合物又は薬)の濃度若しくは用量を指すことを意図する。IC50はまた、本明細書の他の箇所で更に定義されるように、インビボでの50%阻害又は減少に必要とされる物質の濃度又は用量を指す。代替的に、IC50は、半最大(50%)阻害濃度(IC)又は物質の阻害用量を指す。反応は、被験体となる生物学的反応に便利かつ適切であるように、インビトロ又はインビボ系で測定することができる。例えば、反応は、培養筋細胞を使用して、又は単離された筋肉線維を有するエックスビボ器官培養系において、インビトロで測定することができる。あるいは、反応は、マウス及びラットを含むげっ歯類などの適切な研究モデルを使用してインビボで測定することができる。マウス又はラットは、肥満又は糖尿病などの目的の表現型特性を有する、近交系とすることができる。必要に応じて、遺伝子又は遺伝子が適宜導入又はノックアウトされて疾患プロセスを複製する、トランスジェニック又はノックアウトマウス又はラットにおいて、反応を測定することができる。
用語「薬学的に許容される」は、生物学的又はその他の点で望ましくないものではない、すなわち許容できないレベルの望ましくない生物学的効果を引き起こさず又は有害な方法で相互作用することなく、材料を記載する。
本明細書で使用するとき、用語「誘導体」は、親化合物(例えば、本明細書に開示される化合物)の構造に由来する構造を有する化合物を指し、その構造は、本明細書に開示されるものと十分に類似しており、その類似性に基づいて、当業者には、特許請求される化合物と同じ又は類似の活性及び有用性を示すか、又は特許請求される化合物と同じ又は類似の活性及び有用性を前駆体として誘導することが、当業者には予想されるであろう。例示的な誘導体としては、親化合物の塩、エステル、アミド、エステル又はアミドの塩、及びN−オキシドが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「薬学的に許容される担体」は、滅菌水性又は非水性溶液、分散液、懸濁液又はエマルション、並びに使用直前に無菌注射可能な溶液又は分散液に再構成するための無菌粉末を指す。好適な水性及び非水性担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロース、及びそれらの好適な混合物、植物油(オリーブ油など)、並びにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合に必要な粒子サイズの維持によって、及びインターフェース活性剤の使用によって、維持することができる。これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤などの補助剤を含有することができる。微生物の作用の防止は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などの様々な抗菌剤及び抗真菌剤を含めることによって確実なものとすることができる。糖類、塩化ナトリウムなどの等張剤を含むことも望ましい場合がある。注射可能な医薬形態の持続的吸収は、吸収を遅延させる、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの薬剤を含めることによってもたらすることができる。注射可能なデポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリド、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)などの生分解性ポリマー中に薬のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する薬の比率及び採用される特定のポリマーの性質に応じて、薬放出の速度を制御することができる。注射可能なデポー製剤はまた、体内組織と適合性のあるポソーム又はマイクロエマルション中に薬を封入することによって調製される。注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルタを通した濾過によって、又は滅菌水若しくは使用直前に滅菌水若しくは他の滅菌注射可能媒体に溶解若しくは分散することができる滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。好適な不活性担体は、ラクトースなどの糖を含むことができる。望ましくは、活性成分の粒子の少なくとも95%は、0.01〜10マイクロメートルの範囲の有効粒径を有する。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される化学種の残基は、その部分が化学種から実際に得られるかどうかにかかわらず、特定の反応スキーム又は後続の製剤又は化学生成物中の化学種の得られた生成物である部分を指す。したがって、ポリエステル中のエチレングリコール残基は、エチレングリコールがポリエステルを調製するために使用されたかどうかにかかわらず、ポリエステル中の1つ以上の−OCHCHO−単位を指す。同様に、ポリエステル中のセバシン酸残基は、セバシン酸又はそのエステルを反応させてポリエステルを得られるかどうかにかかわらず、ポリエステル中の1つ以上の−CO(CHCO−部分を指す。別の実施例として、例えばペプチド中のアミノ酸残基は、1つ以上の−AA−部分を指し、そのような残基は、本明細書では交換可能にアミノ酸又はアミノ酸残基と呼ばれる場合がある。
化学的定義
本明細書で使用するとき、用語「置換された」は、有機化合物の全ての許容される置換基を含むと想到される。いくつかの例では、許容される置換基として、有機化合物の非環式及び環式、分枝部状及び非分枝部状、炭素環式及び複素環式、並びに芳香族及び非芳香族置換基が挙げられる。例示の置換基として、例えば、後述のものが挙げられる。許容される置換基は、適切な有機化合物について1つ以上、かつ同一又は異なってもよい。本開示の目的のため、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載の有機化合物の水素置換基及び/又は任意の許容される置換基を有することができる。本開示は、いかなる方法でも有機化合物の許容される置換基によって限定されることを意図しない。また、「置換」又は「置換された」という用語は、そのような置換が置換原子及び置換基の許容される原子価に従うこと、及び置換が安定した化合物、例えば、再構成、環化、脱離などによって自然に形質転換されない化合物などの安定した化合物をもたらすこと、という暗黙の条件を含む。特定の例では、反対に明示的に示されない限り、個々の置換基は、更に任意選択に置換(すなわち、更なる置換又は非置換)され得ると想到される。
様々な用語を定義する際に、「A」、「A」、「A」、及び「A」は、本明細書において様々な特定の置換基を表す包括的な記号として使用される。これらの記号は、本明細書に開示されるものに限定されない任意の置換基とすることができ、またそれらが一例において特定の置換基であると定義されるとき、それらを別の例において、いくつかの他の置換基として定義することができる。
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどの、1〜24個の炭素原子の分枝部状又は非分枝部状飽和炭化水素基である。アルキル基は、環状又は非環式とすることができる。アルキル基は分枝部状又は非分枝部状とすることができる。アルキル基はまた、置換又は非置換とすることができる。例えば、アルキル基は、本明細書に記載されるように、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホオキソ、又はチオールを含むがこれらに限定されない1つ以上の基で置換することができる。「低級アルキル」基は、1〜6個(例えば、1〜4個)の炭素原子を含有するアルキル基である。
本明細書全体を通して、「アルキル」は、一般に、非置換アルキル基及び置換アルキル基の両方を指すために使用される。しかしながら、置換アルキル基はまた、アルキル基上の特定の置換基(複数可)を識別することによって、本明細書において具体的に言及される。例えば、用語「ハロゲン化アルキル」又は「ハロアルキル」は、具体的には、1つ以上のハロゲン化物、例えば、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素で置換されたアルキル基を指す。用語「アルコキシアルキル」は、具体的には、後述のように1つ以上のアルコキシ基で置換されたアルキル基を指す。用語「アルキルアミノ」は、具体的には、後述のように1つ以上のアミノ基などで置換されたアルキル基を指す。「アルキル」が一例で使用され、「アルキルアルコール」など特定の用語が別で使用されているとき、用語「アルキル」が「アルキルアルコール」などの特定の用語を同様に指さないということを意味するものではない。
このやり方は、本明細書に記載の他の基でも使用される。すなわち、「シクロアルキル」などの用語は、非置換及び置換シクロアルキル部分の両方を指すが、置換部分は、更に、本明細書で具体的に識別することができる。例えば、特定の置換シクロアルキルは、例えば、「アルキルシクロアルキル」と呼ぶことができる。同様に、置換アルコキシは、例えば、具体的には「ハロゲン化アルコキシ」など呼ぶことができ、特定の置換アルケニルは、例えば、「アルケニルアルコール」などと呼ぶことができる。また、「シクロアルキル」などの一般用語及び「アルキルシクロアルキル」などの特定の用語を使用することは、その一般用語が特定の用語を同様に含まないことを意味するものではない。
用語「シクロアルキル」は、本明細書で使用するとき、少なくとも3個の炭素原子からなる非芳香族炭素系環である。シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。用語「ヘテロシクロアルキル」は、上述のようにシクロアルキル基の一種であり、用語「シクロアルキル」の意味に含まれ、環の炭素原子のうち少なくとも1個は、限定するものではないが、窒素、酸素、硫黄、又はリンなどのヘテロ原子で置換されている。シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は、置換又は非置換であり得る。シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は、本明細書に記載されるように、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、又はチオールを含むがこれらに限定されない1つ以上の基で置換することができる。
本明細書で使用するとき、用語「ポリアルキレン基」は、互いに結合した2つ以上のCH基を有する基である。ポリアルキレン基は、式−(CH−によって表すことができ、式中、「a」は、2〜500の整数である。
本明細書で使用するとき、用語「アルコキシ」及び「アルコキシル」は、エーテル結合を介して結合したアルキル又はシクロアルキル基を指す。すなわち、「アルコキシ」基は、−OAとして定義することができ、式中、Aは、上記で定義したようにアルキル又はシクロアルキルである。「アルコキシ」はまた、記載されたアルコキシ基のポリマーを含む。すなわち、アルコキシは、−OA−OA又は−OA−(OA−OAなどのポリエーテルとすることができ、「a」は、1〜200の整数であり、A、A、及びAは、アルキル及び/又はシクロアルキル基である。
本明細書で使用するとき、用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する構造式を有する2〜24個の炭素原子の炭化水素基である。(A)C=C(A)などの非対称構造は、E異性体及びZ異性体の両方を含むように意図される。これは、非対称アルケンが存在する本明細書の構造式で推定され得るか、又は結合記号C=Cによって明確に示され得る。アルケニル基は、本明細書に記載されるように、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、又はチオールが挙げられるが、これらに限定されない1つ以上の基で置換することができる。
「カルボシクリル」、「炭素環式環」又は「炭素環」は、環を形成する原子が各々炭素である環構造を指す。炭素環は、環中に3〜20個の炭素原子を含むことができる。炭素環式環としては、本明細書に定義されるアリール及びシクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルが挙げられる。炭素環基は、置換又は非置換とすることができる。炭素環基は、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、又はチオールが挙げられるが、これらに限定されない1つ以上の基で置換することができる。
用語「シクロアルケニル」は、本明細書で使用するとき、少なくとも3個の炭素原子からなる非芳香族炭素系環であり、少なくとも1つ炭素−炭素二重結合、すなわち、C=Cを含有する。シクロアルケニル基の例として、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボルネニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。用語「ヘテロシクロアルケニル」は、上述のようにシクロアルケニル基の一種であり、用語「シクロアルケニル」の意味に含まれ、環の炭素原子のうち少なくとも1個は、限定するものではないが、窒素、酸素、硫黄、又はリンなどのヘテロ原子で置換されている。シクロアルケニル基及びヘテロシクロアルケニル基は、置換又は非置換であり得る。シクロアルケニル基及びヘテロシクロアルケニル基は、本明細書に記載されるように、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、又はチオールが挙げられるがこれらに限定されない1つ以上の基で置換することができる。
本明細書で使用するとき、用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する構造式を有する2〜24個の炭素原子の炭化水素基である。アルキニル基は、非置換とすることができ、又は本明細書に記載されるように、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、又はチオールが挙げられるが、これらに限定されない1つ以上の基で置換することができる。
用語「シクロアルキニル」は、本明細書で使用するとき、少なくとも7個の炭素原子からなる非芳香族炭素系環であり、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する。シクロアルキニル基の例としては、シクロヘプチニル、シクロオクチニル、シクロノニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。用語「ヘテロシクロアルキニル」は、上述のようにシクロアルキニル基の一種であり、用語「シクロアルキニル」の意味に含まれ、環の炭素原子のうち少なくとも1個は、限定するものではないが、窒素、酸素、硫黄、又はリンなどのヘテロ原子で置換されている。シクロアルキニル基及びヘテロシクロアルキニル基は、置換又は非置換とすることができる。シクロアルキニル基及びヘテロシクロアルキニル基は、本明細書に記載されるように、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、又はチオールが挙げられるがこれらに限定されない1つ以上の基で置換することができる。
本明細書で使用するとき、用語「アリール」は、ベンゼン、ナフタレン、フェニル、ビフェニル、フェノキシベンゼンなどを含むがこれらに限定されない、任意の炭素系芳香族基を含有する基である。用語「アリール」はまた、「ヘテロアリール」を含み、芳香族基の環の中に組み込まれた少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族基を含有する基と定義される。ヘテロ原子の例として、窒素、酸素、硫黄、及びリンが挙げられるが、これらに限定されない。同様に、用語「アリール」にも含まれる用語「非ヘテロアリール」は、ヘテロ原子を含まない芳香族基を含む基を定義する。アリール基は、置換又は非置換とすることができる。アリール基は、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、又はチオールが挙げられるが、これらに限定されない1つ以上の基で置換することができる。用語「ビアリール」は、特定の種類のアリール基であり、「アリール」の定義に含まれる。ビアリールは、ナフタレンの場合のように、縮合環状構造を介して一緒に結合されるか、又はビフェニルの場合のように、1つ以上の炭素−炭素間結合を介して結合される、2個のアリール基を指す。
本明細書で使用するとき、用語「アルデヒド」は、式−C(O)Hによって表される。この明細書「C(O)」は、カルボニル基、すなわちC=Oの簡略表記である。
本明細書で使用するとき、用語「アミン」又は「アミノ」は、式−NAによって表され、式中、A及びAは、独立して、水素、又は本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、若しくはヘテロアリール基とすることができる。
本明細書で使用するとき、用語「アルキルアミノ」は、アルキルが本明細書に記載される式−NH−(−アルキル)によって表される。代表的な例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、(sec−ブチル)アミノ基、(tert−ブチル)アミノ基、ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、(tert−ペンチル)アミノ基、ヘキシルアミノ基などが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「ジアルキルアミノ」は、アルキルが本明細書に記載される式−N(−アルキル)によって表される。代表的な例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジ(tert−ペンチル)アミノ基、ジヘキシルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−エチル−N−プロピルアミノ基などが挙げられる。
用語「カルボン酸」は、本明細書で使用するとき、式−C(O)OHにより表される。
本明細書で使用するとき、用語「エステル」は、式−OC(O)A又は−C(O)OAによって表され、式中、Aは、本明細書に記載されるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基とすることができる。本明細書で使用するとき、用語「ポリエステル」は、式−(AO(O)C−A−C(O)O)−又は−(AO(O)C−A−OC(O))−によって表され、式中、A及びAは、独立して、本明細書に記載されるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基とすることができ、「a」は、1〜500の整数である。「ポリエステル」は、少なくとも2つのカルボン酸基を有する化合物と、少なくとも2つのヒドロキシル基を有する化合物の反応によって生成される基を記述するために使用される用語である。
用語「エーテル」は、本明細書で使用するとき、式AOAにより表され、式中、A及びAは、独立して、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、又はヘテロアリール基とすることができる。本明細書で使用するとき、用語「ポリエーテル」は、式−(AO−AO)−により表され、式中、A及びAは、独立して、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、又はヘテロアリール基とすることができ、「a」は1〜500の整数である。ポリエーテル基の例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びポリブチレンオキシドが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「ハロゲン化物」は、ハロゲンフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指す。
本明細書で使用するとき、用語「複素環」は、環員のうちの少なくとも1つが炭素以外である単環式及び多環式芳香族又は非芳香族環系を指す。複素環としては、アゼチジン、ジオキサン、フラン、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、モルホリン、オキサゾール、オキサゾールが挙げられ、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール及び1,3,4−オキサジアゾール、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラジンが挙げられ、1,2,4,5−テトラジン、テトラゾールが挙げられ、1,2,3,4−テトラゾール及び1,2,4,5−テトラゾール、チアジアゾールが挙げられ、1,2,3−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、及び1,3,4−チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジンが挙げられ、1,3,5−トリアジン及び1,2,4−トリアジン、トリアゾールが挙げられ、1,2,3−トリアゾール、1,3,4−トリアゾールなどが挙げられる。
「N−アルキル」は、少なくとも1つの窒素を含有する、上で定義されたようなアルキル基を指し、アルキルラジカルの他の分子への結合点は、N−アルキルラジカルの窒素原子を介している。本明細書において他に具体的に明記しない限り、N−アルキル基は、任意選択で置換することができる。
用語「ヒドロキシル」は、本明細書で使用するとき、式−OHにより表される。
本明細書で使用するとき、用語「ケトン」は、式AC(O)Aによって表され、式中、A及びAは、独立して、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、又はヘテロアリール基とすることができる。
用語「アジド」とは、本明細書で使用するとき、式−Nにより表される。
用語「ニトロ」は、本明細書で使用するとき、式−NOにより表される。
用語「ニトリル」は、本明細書で使用するとき、式−CNにより表される。
本明細書で使用するとき、用語「シリル」は、式−SiAによって表され、式中、A、A、及びAは、独立して、水素、又は本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、若しくはヘテロアリール基とすることができる。
本明細書で使用するとき、用語「スルホオキソ」は、本明細書に記載されるように、式−S(O)A、−S(O)、−OS(O)、又は−OS(O)OAによって表され、ここで、Aは、水素、又は本明細書に記載されるようなアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、若しくはヘテロアリール基とすることができる。本明細書全体を通して、「S(O)」は、S=Oの簡略表記である。用語「スルホニル」は、本明細書では、式−S(O)で表されるスルホオキソ基を指し、式中、Aは、水素、又は本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、若しくはヘテロアリール基とすることができる。本明細書で使用するとき、用語「スルホン」は、式AS(O)によって表され、式中、A及びAは、独立して、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、又はヘテロアリール基とすることができる。本明細書で使用するとき、用語「スルホキシド」は、式AS(O)Aによって表され、式中、A及びAは、独立して、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、又はヘテロアリール基とすることができる。
用語「チオール」は、本明細書で使用するとき、式−SHにより表される。
「R」、「R」、「R」、「R」(式中nは、整数である)は、本明細書で使用するとき、独立して、上に列挙された基のうちの1つ以上を有することができる。例えば、Rが、直鎖アルキル基である場合、アルキル基の水素原子のうち1つは、任意選択でヒドロキシル基、アルコキシ基、アミン基、アルキル基、ハロゲン化物などで置換することができる。選択される基に応じて、第1の基は、第2の基の内部に組み込むことができ、又は代替的に、第1の基は、第2の基に対するペンダントとすることができる(すなわち、付着される)。例えば、「アミノ基を含むアルキル基」という句では、アミノ基は、アルキル基の主鎖内に組み込まれている場合がある。代替的に、アミノ基は、アルキル基の主鎖に付着され得る。選択される基(複数可)の種類が、第1の基が第2の基に埋め込まれるか又は付着されるかを決定する。
本明細書に記載されるように、化合物は、「任意選択で置換された」部分を含有する場合がある。一般に、用語「置換された」は、用語「任意選択的に」であるか否かに関わらず、指定された部分の1つ以上の水素が好適な置換基で置換されていることを意味する。別途記載のない限り、「任意選択で置換された」基は、その基の各置換可能な位置において好適な置換基を有することができ、任意の所与の構造中の2つ以上の位置が、特定の基から選択される2つ以上の置換基で置換することができる場合、置換基は、全ての位置において同一であっても異なる場合がある。本明細書で想定される置換基の組み合わせは、好ましくは安定又は化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。いくつかの例では、別途明示的に示されない限り、個々の置換基は、更に任意選択で置換することができる(すなわち、更なる置換又は非置換)ことができることも想到される。
本明細書で使用するとき、用語「安定した」は、それらの産生、検出、及びいくつかの例では、それらの回収、精製、及び本明細書に開示される目的のうちの1つ以上のための回復、精製、及び使用を可能にする条件にさらされる場合に、実質的に変化しない化合物を指す。
「任意選択で置換された」基の置換可能な炭素原子上の好適な一価置換基は、独立してハロゲン;−(CH0〜4R°;−O(CH0〜4R°、−O−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4CH(OR°);−(CH2)0〜4SR°;R°で置換することができる−(CH0〜4Ph;R°で置換することができる−(CH0〜4O(CH0〜1Ph;R°で置換することができる−CH=CHPh;R°で置換することができる−(CH0〜4O(CH0〜1−ピリジル;−NO;−CN;−N;−(CH0〜4N(R°);−(CH0〜4N(R°)C(O)R°;−N(R°)C(S)R°;−(CH0〜4N(R°)C(O)NR°;−N(R°)C(S)NR°;−(CH0〜4N(R°)C(O)OR°;−N(R°)N(R°)C(O)R°;−N(R°)N(R°)C(O)NR°;−N(R°)N(R°)C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)R°;−C(S)R°;−(CH0〜4C(O)0R°;−(CH0〜4C(O)SR°;−(CH0〜4C(O)OSiR°;−(CH0〜4OC(O)R°;−OC(O)(CH0〜4SR−、SC(S)SR°;−(CH0〜4SC(O)R°;−(CH0〜4C(O)NR°;−C(S)NR°;−C(S)SR°;−SC(S)SR°、−(CH0〜4OC(O)NR°;−C(O)N(OR°)R°;−C(O)C(O)R°;−C(O)CHC(O)R°;−C(NOR°)R°;−(CH0〜4SSR°;−(CH0〜4S(O)R°;−(CH0〜4S(O)OR°;−(CH0〜4OS(O)R°;−S(O)NR°;−(CH0〜4S(O)R°;−N(R°)S(O)NR°;−N(R°)S(O)R°;−N(OR°)R°;−C(NH)NR°;−P(O)R°;−P(O)R°;−OP(O)R°;−OP(O)(OR°);SiR°;−(C1〜4直鎖若しくは分岐鎖アルキレン)O−N(R°)2;又は−(C1〜4直鎖若しくは分岐鎖アルキレン)C(O)O−N(R°)2であり、式中、各R°は、以下に定義するように置換することができ、独立して、水素、C1〜6脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、−CH−(5〜6員ヘテロアリール環)、又は窒素から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和、若しくはアリール環であり、酸素、若しくは硫黄、又は上記定義にかかわらず、R°の2つの独立した発生は、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員の飽和、部分不飽和、又はアリール単環又は二環式環を形成し、これらは、以下に定義されるように置換され得る。
R°上の好適な一価置換基(又はR°の2つの独立した発生をそれらの介在原子と共に取ることによって形成される環)上の好適な一価置換基は、独立して、ハロゲン、−(CH0〜2、−(ハロR)、−(CH0〜2OH、−(CH)OOR、−(CH0〜2CH(OR;−O(ハロR)、−CN、−N、−(CH0〜2C(O)R、−(CH0〜2C(O)OH、−(CH0〜2C(O)OR、−(CH0〜2SR、−(CH0〜2SH、−(CH0〜2NH、−(CH0〜2NHR、−(CH0〜2NR 、−NO、−SiR 、−OSiR 、−C(O)SR、−(C1〜4直鎖若しくは分岐アルキレン)C(O)OR、又は−SSRであり、式中、各Rは非置換であるか、又は「ハロ」が先行する場合は1個又は複数のハロゲンでのみ置換されており、かつC1〜4脂肪族、−CHPh、−−O(CH0〜1Ph、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、又はアリール環から選択される。R°の飽和炭素原子上の好適な二価置換基としては、=O及び=Sが挙げられる。
「任意選択で置換された」基の飽和炭素原子上の好適な二価置換基としては、=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R ))2〜3O−、若しくは−S(C(R ))2〜3S−の飽和炭素原子上の好適な二価置換基が挙げられ、式中、Rの各独立した存在は、水素、下記に定義されるように置換され得るC1〜6脂肪族、又は非置換の5〜6員飽和、部分不飽和、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有するアリール環から選択される。「任意選択で置換された」基のビシナル置換可能炭素に結合している好適な二価置換基としては、−O(CR 2〜3O−が挙げられ、式中、Rの各独立した存在は、水素、下記に定義されるように置換され得るC1〜6脂肪族、又は非置換の5〜6員飽和、部分不飽和、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有するアリール環から選択される。
の脂肪族基上の好適な置換基としては、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 又は−NOであり、式中、各Rは非置換であるか、又は「ハロ」が先行する場合、1つ以上のハロゲンでのみ置換されており、独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O−(CH0〜1Ph、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、又はアリール環である。
「任意選択で置換される」基の置換可能な窒素上の好適な置換基としては、−R、−NR 、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR 、−C(S)NR 、−C(NH)NR 、又は−N(R)S(O)が挙げられ、式中、各Rは、独立して水素、以下に定義されるように置換され得るC1〜6脂肪族、非置換−OPh、又は非置換5〜6員飽和、部分不飽和、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有するアリール環であり、又は、上記定義にかかわらず、Rの2つの独立した発生は、それらの介在原子と共に、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換3〜12員飽和、部分不飽和、又はアリール単環又は二環式環を形成する。
の脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、又は−NOであり、式中、各Rは非置換であるか、又は「ハロ」が先行する場合は、1つ以上のハロゲンでのみ置換され、独立して、窒素、酸素、又は硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子を有する独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O−(CH0〜1Ph、又は独立して窒素、酸素、若しくは硫黄から選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和、又はアリール環である。
用語「脱離基」は、結合電子を用いて、安定な種として変位させることができる電子求引性を有する原子(又は原子の群)を指す。好適な脱離基の例としては、限定するものではないが、トリフラート、メシラート、トシラート、及びブロモレートを含むがこれらに限定されない、ハロゲン化物及びスルホン酸エステルが挙げられる。
用語「加水分解性基」及び「加水分解性部分」は、例えば塩基性又は酸性条件下で加水分解を受けることができる官能基を指す。加水分解性残基の例としては、限定するものではないが、酸ハロゲン化物、活性化カルボン酸、及び当該技術分野において既知の様々な保護基が挙げられる(例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis,」T.W.Greene,P.G.M.Wuts,Wiley−Interscience,1999を参照されたい)。
用語「有機残基」は、炭素含有残基、すなわち、少なくとも1つの炭素原子を含む残基を定義し、本明細書で上述した炭素含有基、残基、又はラジカルを含むが、これらに限定されない。有機残基は、様々なヘテロ原子を含有することができ、又は酸素、窒素、硫黄、リンなどを含むヘテロ原子を介して別の分子に結合することができる。有機残基の例としては、アルキル又は置換アルキル、アルコキシ又は置換アルコキシ、一置換又は二置換アミノ、アミド基などが挙げられるが、これらに限定されない。有機残基は、好ましくは、1〜18個の炭素原子、1〜15個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を含むことができる。いくつかの例では、有機残基は、2〜18個の炭素原子、2〜15個の炭素原子、2〜12個の炭素原子、2〜8個の炭素原子、2〜4個の炭素原子、又は2〜4個の炭素原子を含むことができる。
用語「残基」の非常に近い同義語は、「ラジカル」という用語であり、本明細書及び特許請求の範囲で使用されるとき、分子がどのように調製されるかに関わらず、本明細書に記載される分子の断片、基、又は下位構造を指す。例えば、特定の化合物中の2,4−チアゾリジンジオンラジカルは、チアゾリジンジオンが化合物を調製するために使用されるかどうかにかかわらず、構造を有する。
Figure 2020502051
いくつかの実施形態では、ラジカル(例えば、アルキル)は、それに結合した1つ以上の「置換基ラジカル」によって、更に修飾(すなわち、置換アルキル)することができる。所与のラジカル中の原子数は、本明細書の他の箇所で反対に示されない限り、本明細書に開示される化合物及び組成物にとって重要ではない。
用語「有機ラジカル」は、本明細書で定義及び使用されるとき、1つ以上の炭素原子を含有する。有機ラジカルは、例えば、1〜26個の炭素原子、1〜18個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有することができる。いくつかの例では、有機ラジカルは、2〜26個の炭素原子、2〜18個の炭素原子、2〜12個の炭素原子、2〜8個の炭素原子、2〜6個の炭素原子、又は2〜4個の炭素原子を有することができる。有機ラジカルは、しばしば有機ラジカルの炭素原子の少なくとも一部に結合した水素を有する。無機原子を含むことのない有機ラジカルの一例は、5,6,7,8テトラヒドロ−2−ナフチルラジカルである。いくつかの実施形態では、有機ラジカルは、ハロゲン、酸素、硫黄、窒素、リンなどを含む、それらに又はその中に結合した1〜10個の無機ヘテロ原子を含有することができる。有機ラジカルの例としては、これらに限定されないが、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、チオハロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、複素環式、又は置換複素環式ラジカルが挙げられ、この用語は本明細書の他の箇所に定義される。ヘテロ原子を含む有機ラジカルのいくつかの非限定的な例としては、アルコキシラジカル、トリフルオロメトキシラジカル、アセトキシラジカル、ジメチルアミノラジカルなどが挙げられる。
用語「無機ラジカル」は、本明細書で定義及び使用されるとき、炭素原子を含有せず、したがって炭素以外の原子のみを含む。無機ラジカルは、水素、窒素、酸素、珪素、リン、硫黄、セレン、並びにフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素などのハロゲンから選択される原子の結合した組み合わせを含み、これらは、化学的に安定な組み合わせで個別に存在又は結合することができる。無機ラジカルは、上記に列挙したように、10個以下、又は好ましくは1〜6個、又は1〜4個の無機原子を有する。無機ラジカルの例としては、限定するものではないが、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、チオール、硫酸塩、ホスフェート及び同様に一般に知られている無機ラジカルが挙げられる。無機ラジカルは、その中で周期表の金属元素(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタニド金属、又はアクチニド金属など)と結合していないが、そのような金属イオンは、硫酸塩、リン酸塩、又はアニオン性無機ラジカルのようなアニオン性無機ラジカルのための薬学的に許容されるカチオンとしての役割を果たすことができる。無機ラジカルは、本明細書の他の箇所で特に具体的に示されない限り、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、スズ、鉛、若しくはテルルなどの半金属元素、又は希ガス元素を含むことはない。
本明細書で使用するとき、記号
Figure 2020502051
(以下、「付着結合点」と呼ぶことができる)は、2つの化学物質間の付着点である結合を示し、そのうちの1つは、付着結合点に付着されているものとして描写され、他方は、付着結合点に取り付けられているものとして描写されていない。例えば、
Figure 2020502051
は、化学物質「XY」が、付着結合点を介して別の化学物質に結合されていることを示す。更に、描写されていない化学物質への特定の付着点は、推論によって指定することができる。例えば、化合物CH−R(式中、RはH又は
Figure 2020502051
)であるとき、付着結合点は、RがCHに結合しているものとして描写されている結合と同じ結合である。
本明細書に記載の化合物は、1つ以上の二重結合を含有することができ、したがって、シス/トランス(E/Z)異性体、並びに他の立体配座異性体を生じさせる可能性がある。反対に記載されない限り、本明細書に開示される化合物及び組成物は、そのような可能な異性体全て、並びにそのような異性体の混合物を含む。
反対に記載されない限り、実線としてのみ示され、かつ楔状の線又は破線として示されていない化学結合を用いた式は、各鏡像異性体及び各ジアステレオマーのような可能な立体異性体、並びにラセミ混合物又はスカレミック混合物のような立体異性体の混合物を想到する。本明細書に記載の化合物は、1つ以上の不斉中心を含有することができ、したがって、ジアステレオマー及び光学異性体を生じさせる可能性がある。反対に記載されない限り、本明細書に開示される化合物及び組成物は、そのような全ての可能なジアステレオマー並びにそれらのラセミ混合物、それらの実質的に純粋な分解鏡像異性体、全ての可能な幾何異性体、及びそれらの立体異性体の薬学的に許容可能な塩、並びに単離された特定の立体異性体も含まれる。そのような化合物を調製するために使用される合成手順の過程で、又は当業者に既知のラセミ化若しくはエピマー化手順を使用する際、かかる手順の生成物は立体異性体の混合物とすることができる。
多くの有機化合物は、平面偏光の平面を回転させる能力を有する光学活性形態で存在する。光学活性化合物を説明する際、接頭辞D及びL又はR及びSは、そのキラル中心(複数可)の周囲の分子の絶対配置を示すために使用される。接頭辞d及び1又は(+)及び(−)は、化合物による平面偏光の回転の徴候を示すために採用され、(−)又は化合物が左旋性であることを意味する。(+)又はdの接頭辞を付けた化合物は、右旋性である。所与の化学構造については、立体異性体と呼ばれるこれらの化合物は、互いに重ならない鏡像であることを除いて同一である。特定の立体異性体は、鏡像異性体とも呼ばれ、そのような異性体の混合物は、しばしば鏡像異性体混合物と呼ぶことができる。鏡像異性体の50:50混合物をラセミ混合物と呼ぶ。本明細書に記載の化合物の多くは、1つ以上のキラル中心を有することができ、したがって、異なる鏡像異性体形態で存在することができる。所望であれば、キラル炭素をアスタリスク()で指定することができる。キラル炭素への結合が開示される式中に直線として描写されている場合、(R)及び(S)の両方のキラル炭素の構成、したがって両方の鏡像異性体及びそれらの混合物の両方が、式内に包含されることが理解される。当該技術分野で使用されるように、キラル炭素について絶対配置を特定することが望ましい場合、キラル炭素への結合のうちの1つは、楔(平面上の原子への結合)として描写することができ、他方は、短い平行線の一連又は楔として描写することができる(平面下の原子への結合)。Cahn Inglod−Prelogシステムを使用して、(R)又は(S)構成をキラル炭素に割り当てることができる。
本明細書に記載の化合物は、それらの天然同位体存在量及び非天然存在量の両方の原子を含む。開示される化合物は、記載された化合物と同一の同位体標識化合物又は同位体置換化合物とすることができるが、1つ以上の原子は、通常自然界で見出される原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子で置換される。本明細書に開示される化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、及び塩素の同位体、例えば、それぞれ、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F及び36Clが挙げられる。そのプロドラッグを更に含む化合物、並びに前述の同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含有する当該化合物又は当該プロドラッグの薬学的に許容される塩は、本発明の範囲内である。例えば、H及び14C、などの放射性同位体が組み込まれる特定の同位体標識化合物は、薬物及び/又は基質組織分布分析において有用である。トリチウム化、すなわちH、及び炭素14、すなわち、14C、同位体は、調製及び検出可能性の容易さのために特に好ましい。更に、重水素などのより重い同位体、すなわちHによる置換は、代謝安定性がより高い、例えば、インビボ半減期の増加又は投与量の低減などの特定の治療上の利点をもたらすことができ、したがって、いくつかの状況では好ましい場合がある。同位体標識化合物及びそのプロドラッグは、一般に、容易に入手可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに用いて、以下の手順を実施することによって調製することができる。
本明細書に記載の化合物は、溶媒和物として存在することができる。場合によっては、溶媒和物を調製するために使用される溶媒は水溶液であり、次いで、溶媒和物はしばしば水和物と呼ばれる。化合物は水和物として存在することができ、これは、例えば、溶媒から又は水溶液からの結晶化によって、得ることができる。これに関連して、1つ、2つ、3つ、又は任意の数の溶媒和物又は水分子は、本明細書に開示されている化合物と組み合わせて溶媒和物及び水和物を形成することができる。反対に記載されない限り、そのような可能な溶媒和物は全て、本明細書の考察に含まれる。
用語「共結晶」は、非共有結合によるそれらの安定性に起因する2つ以上の分子の物理的会合を意味する。この分子複合体の1つ以上の成分は、結晶格子内に安定なフレームワークを提供する。特定の例では、ゲスト分子は、水和物又は溶媒和物として結晶格子に組み込まれており、例えば、「Crystal Engineering of the Composition of Pharmaceutical Phases.Do Pharmaceutical Co−crystals Represent a New Path to Improved Medicines?」Almarasson,O.,et.al.,The Royal Society of Chemistry,1889〜1896,2004を参照されたい。共結晶の例としては、p−トルエンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。
本明細書に記載される特定の化合物は、互変異性体の平衡として存在することができることも理解される。例えば、α−水素を有するケトンは、ケト形態及びエノール形態の平衡状態で存在することができる。
Figure 2020502051
同様に、N−水素を有するアミドは、アミド形態及びイミド酸形態の平衡状態で存在することができる。反対に記載されない限り、全てのそのような可能な互変異性体が本明細書に含まれる。
化学物質は、多型形態又は修飾と呼ばれる異なる順序で存在する固体を形成することが知られている。多型物質の異なる修飾は、それらの物理的特性において大きく異なる場合がある。化合物は、異なる多型形態で存在することができ、特定の修飾が準安定性であることが可能である。反対に記載されない限り、そのような可能な多型形態は全て含まれる。
いくつかの例では、化合物の構造は、式
Figure 2020502051
によって表すことができ、式
Figure 2020502051
と同等であると理解され、式中、nは、通常整数である。すなわち、Rnは、5個の独立した置換基、Rn(a)、Rn(b)、Rn(c)、Rn(d)、Rn(e)を表すものと理解される。「独立した置換基」とは、各R置換基が独立して定義することができることを意味する。例えば、一例では、Rn(a)がハロゲンである場合、その場合、Rn(b)は必ずしもハロゲンではない。
本明細書に開示される特定の材料、化合物、組成物、及び成分は、商業的に入手可能であるか、又は当業者に一般に知られている技術を使用して容易に合成することができる。例えば、開示された化合物及び組成物の調製に使用される出発物質及び試薬は、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee,Wis.)、Acros Organics(Morris Plains,N.J.)、Fisher Scientific(Pittsburgh,Pa.)、又はSigma(St.Louis,Mo.)は、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1〜17(John Wiley and Sons,1991);Aldrich Chemical Co.,(Milwaukee,Wis.),Acros Organics(Morris Plains,N.J.),Fisher Scientific(Pittsburgh,Pa.),若しくはSigma(St.Louis,Mo.)のような商業的供給者から入手可能であり、又は、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1〜17(John Wiley and Sons,1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds、Volumes 1〜5 and Supplementals(Elsevier Science Publishers、1989);Organic Reactions、Volumes 1〜40(John Wiley and Sons、1991);March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons4th Edition);及びLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)。
特に明記しない限り、本明細書に記載される任意の方法は、その工程が特定の順序で実施されることを必要とすると解釈されることを決して意図するものではない。したがって、方法クレームが、その工程がたどる順序を実際に記載しておらず、又はその工程が特定の順序に限定されるべきである旨が特許請求の範囲又は明細書に特に明記されていない場合、いかなる点においても順序が推測されることを意図するものではない。これは、工程又は動作フローの配置に関するロジック事項、文法上の編成又は句読点に由来する平易な意味、及び本明細書に記載される実施形態の数又は種類を含む。
開示される組成物を調製するために使用される成分と、本明細書で開示される方法の範囲内で使用される組成物それ自体が開示される。これら及び他の物質が本明細書で開示されており、これらの物質の組み合わせ、サブセット、相互作用、群などが開示されている場合、これらの化合物の各々の様々な個々及び集合的な組み合わせ及び順列の具体的な言及は、明示的に開示されていない場合があるが、各々が具体的に想到され、本明細書に記載されることが理解される。例えば、特定の化合物が開示及び考察され、かつその化合物を含むいくつかの分子になされ得るいくつかの修飾が考察される場合、化合物のありとあらゆる組み合わせ及び順列、並びにそうでないと具体的に示されていない限り可能である修飾が具体的に想到される。したがって、分子A、B及びCの種類が開示されており、同様に分子D、E及びFの種類及び分子A〜Dの組み合わせの例が開示されている場合、それぞれが個々に列挙されていない場合であっても、それぞれが個々にかつ集合的に企図され、組み合わせA〜E、A〜F、B〜D、B〜E、B〜F、C〜D、C〜E及びC〜Fが開示されると見なされる。同様に、これらの任意のサブセット又は組み合わせもまた開示される。したがって、例えば、A〜E、B〜F及びC〜Eのサブグループが開示されていると見なされるであろう。この概念は、本出願の全ての態様に適用され、本明細書に開示される組成物の作製及び使用方法における工程を含むが、これに限定されない。したがって、実施することができる様々な追加の工程がある場合、これらの追加の工程の各々は、本明細書に開示されている方法の任意の特定の実施形態又は実施形態の組み合わせにより実施することができることが理解される。
本明細書に開示される組成物は、特定の機能を有することが理解される。開示される機能を実行するための特定の構造要件が本明細書に開示され、開示される構造に関連する同じ機能を実行することができる様々な構造があし、これらの構造は通常同じ結果を実現することが理解される。
本明細書で使用される略号は、Cpa、L−4−クロロフェニルアラニン、dap、D−2,3−ジアミノプロピオン酸、Dap、L−2,3−ジアミノプロピオン酸、FITC、フルオレセインイソチオシアネート、Fpa、L−4−フルオロフェニルアラニン、Fpa,L−3,4ジフルオロフェニルアラニン、fpa、D−2−フルオロフェニルアラニン、fpa,D−3,4−ジフルオロフェニルアラニン、Nal,L−2−ナフチルアラニン、Nle、ノルロイシン、Phg、L−αフェニルグリシン、Sar、サルコシン、TNFα、腫瘍壊死因子−α、TNFR、TNFα受容体、である。
化合物
シクロ(FΦRRRRQ)(cFΦR、式中、Φ L−2−ナフチルアラニンである(配列番号72)は、以前に環状CPPのクラスの一員として報告されていたZ.Qian,et al.,ACSChem.Biol.2013,8,423;Z.Qian,et al.,Biochemistry 2014,53,4034)。これらのCPPは、膜リン脂質に直接結合し、エンドサイトーシスによって細胞に侵入し、かつ小さな不安定な小胞の出芽を誘導することによって初期エンドソームからサイトソールへと効率的に逃げる(同上、Z.Qian,et al.,Biochemistry 2016,55,2601)。細胞質送達効率(細胞外カーゴ濃度に対する細胞質の比として定義される)で、20%、cFΦR(配列番号72)は、Tatよりも桁違いに活性であり、最も広く使用されているCPPの1つである(同上)。最も重要なことに、cFΦR(配列番号72)及び他の環状CPPは、小分子、ペプチド、及びタンパク質を含む様々なカーゴ分子を哺乳動物細胞のサイトソールに効率的に送達することができる。例えば、短ペプチジルカーゴは、cFΦR(配列番号72)環(環状送達)及び得られた環状ペプチドは、細胞膜透過性であった(同上;P.Upadhyaya,et al.,Angew.Chem.,Int.Ed.2015,54,7602;Angew.Chem.2015,127,7712)cFΦR(配列番号72)また、570万の異なる環状ペプチドと融合させて、細胞膜透過性二環式ペプチド(二環式送達)のライブラリを生成した(T.B.Trinh,P et al.,ACS Comb.Sci.2016,18,75)。しかしながら、多くのペプチドリガンドは、生物学的に活性であるためにそれらの拡張された立体配座になければならず、かつ上記の環化アプローチと適合しないものでなければならない。この目的のために、直鎖ペプチジルリガンドの細胞内送達の可逆的な環化方法が、それらをFΦR(配列番号72)と融合させ、かつジスルフィド結合を介した融合ペプチドの合成及び環化によって開発された(Z.Qian,et al.,Angew.Chem.Int.Ed.2015,54,5874;Angew.Chem.2015,127,5972)。残念ながら、より長いペプチドの環化が大きな環をもたらすため、その立体配座の可撓性は代謝安定性及び細胞膜透過性の増加を制限するので、以前のアプローチは比較的短いペプチドに限定される(Z.Qian,et al.,ACS Chem.Biol.2013,8,423;Z.Qian,et al.,Biochemistry 2014,53,4034)。内部チオール含有部分(例えば、本明細書に開示されるAA基)による環化は、より小さい環及びより良好な細胞取り込みをもたらすが、直鎖形態のペプチジルカーゴの一部を残し、タンパク質分解の影響を受けやすい。この制限を克服するために、本明細書に開示されるのは可逆的な二環化方法であり、これは、一対のジスルフィド結合の形成によってCPP−カーゴ融合全体が二環構造に変換されることを可能にする(図2)。細胞外では、ペプチドは、高度に拘束された二環体として存在し、これは、向上した細胞膜透過性及びタンパク質分解安定性を有する。サイトソールに侵入すると、ジスルフィド結合は、細胞内グルタチオン(GSH)により還元されて、直鎖生物活性ペプチドを産生する。二環式系は、最適な細胞取り込みのための小さなCPP環、及び異なる長さのペプチドを収容するための別個のカーゴ環の形成を可能にする。
様々な実施形態では、本明細書に記載の可逆的な二環式ペプチドは、第1の環状ペプチド配列及び第2の環状ペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、第1の環状ペプチド配列は、細胞膜透過配列(X)を含む。他の実施形態では、第2の環状ペプチド配列は、カーゴペプチド配列(X)を含む。
いくつかの実施形態では、X及びXは、融合される。いくつかの実施形態では、融合は、XのC末端とXのN末端との間で生じる。他の実施形態では、融合は、N末端XとXのC末端との間で生じる。更なる実施形態では、X及びXを融合させるために、アミノ酸又は結合部分を使用することができる。更に他の実施形態では、X及びXを融合させるために使用されるアミノ酸又は結合部分は、少なくとも1つの分子内ジスルフィド結合を形成し、それによって二環式ペプチド配列を形成する。更なる実施形態では、X及びXを融合するアミノ酸はAAによって表される。他の実施形態では、結合部分は、本明細書で提供される式中、「L−J」によって表され得る。
いくつかの実施形態では、Xは、Xに直接的又は間接的に接合され得る。例えば、いくつかの実施形態では、Xは、少なくとも2つのAA部分を含むことができ、Xは、少なくとも2つのAA部分を含むことができ、Xは、それぞれ、X及びX上の対向するAA残基間に形成された2つのジスルフィド結合を介して、Xに直接接合され得る。他の実施形態では、結合部分は、X中のアミノ酸の側鎖に共有結合し、Xは、少なくとも2つのAA部分を含み、これらの各々は結合部分とジスルフィド結合を形成する。結合部分を接合させるのに好適な側鎖を有するアミノ酸としては、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、及びリシンが挙げられる。更に、アミノ酸は、結合部分の接合のために、適切に修飾され得る。
上述のように、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の二環式ペプチドは、結合部分を含む。いくつかの実施形態では、Xは、結合部分を介して環化される。他の実施形態では、Xは、結合部分を介して環化される。更に他の実施形態では、X及びXの各々は、結合部分を介して独立して環化される。特定の実施形態では、Xのみが結合部分を介して環化され、Xは、環状ペプチド配列であり、結合部分は、X及びXを接合し、本明細書に開示される二環式ペプチドを形成する。
特定の実施形態では、結合部分への前駆体は、少なくとも2つの分子内ジスルフィド結合を形成する少なくとも2つのチオール基を含み、それによって本明細書に開示される二環式ペプチドを形成する。これらの実施形態では、ジスルフィド結合は、細胞内GSHによって還元されて、X及びXを含む直鎖ペプチド配列を形成し、Xを含む直鎖配列(この場合、Xは、環状のままである)、又はXを含む直鎖配列(この場合、Xは、環状のままである)を放出することができる。特定の実施形態では、細胞のサイトソールへの侵入後、ジスルフィド結合は細胞内GSHによって還元され、それによって、Xを含む直鎖配列を放出する。他の実施形態では、細胞内GSHは、2つのジスルフィド結合を減少させ、それによってX及びXを含む直鎖配列を放出する。更に他の実施形態では、結合部分への前駆体は、3つのチオール基を含み、本明細書に開示される二環式ペプチド中に3つの分子内ジスルフィド結合を形成する。更に他の実施形態では、結合部分への前駆体は、4つの分子内ジスルフィド結合を形成する4つのチオール基を含む。
したがって、様々な実施形態において、本明細書に開示されるのは、式1〜12に従う二環式ペプチドである。
Figure 2020502051
Figure 2020502051
式中、
及びXは、独立して、1〜50(例えば、4〜10)の天然又は非天然アミノ酸を含み、Xは、本明細書で定義される細胞膜透過ペプチド(CPP)配列に対応し、Xは、本明細書で定義されるカーゴペプチド配列に対応し、
各発生においてAAは、独立して、Jとジスルフィド結合を形成する部分であり、
Jは、存在しないか、又はアルキル、N−アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、若しくはヘテロシクリルであり、これらの各々は、独立して、各発生においてAAとジスルフィド結合を形成する少なくとも2つの置換基で独立して置換されており、
各例においてSSはジスルフィド結合を表し、
Lは、存在しないか、又はX、X、若しくはそれらの組み合わせのアミノ酸にAAを結合する部分である。
上記の式1〜12に示すように、Xは、XのN末端又はC末端に配置することができる。いくつかの実施形態では、Lは存在し、かつX、X、又はAAのN末端又はC末端に結合することができる。他の実施形態では、Lは存在し、かつXとXとの間、XとAAとの間、及び/又はXとAAとの間に各々が配置され、それらに結合することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のAAは、X内に配置することができる。そのような実施形態では、AAは、野生型ペプチド配列(すなわち、X)の成分とすることができ、又はAAは、ペプチド配列(X)に導入され得る。いくつかの実施形態では、カーゴペプチド配列(X)は、2つのAA(例えば、式11)を有し、これにより、化合物がサイトソールに侵入した後にCPP配列からカーゴペプチド配列が切断されることを可能にする。
本明細書で使用するとき、「L」は、JとX、X、又はそれらの組み合わせとの間の接続を指す。例えば、実施形態においては、Lは、Jの前駆体上の官能基とアミノ酸上のアミン基例えば、X又はX上)との間に形成される部分を含むことができる。アミン基は、N末端とすることができ、又はアミノ酸の側鎖上の、例えば、X上のアミン基とすることができる。そのような実施形態では、Jの前駆体は、カルボン酸部分又はその誘導体(例えば、ハロケトン)を含むことができ、これにより、アミノ酸又はカーゴ上のN末端とアミド結合を形成する。他の実施形態では、Lは、Jの前駆体上の官能基とアミノ酸上のカルボン酸基との間に形成される部分(例えば、X又はX上)を含むことができる。カルボン酸基はC末端とすることができ、又は、アミノ酸の側鎖上、例えばX上のカルボン酸基とすることができる。そのような実施形態では、Jの前駆体はアミンを含み、それによってアミノ酸又はカーゴのC末端とアミド結合を形成する。Lの非限定的な例としては、少なくとも1つのアミノ酸、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボニル、アミド、イミン、エナミン、アルケン、アルキン、ジスルフィド、チオケトン、スルホニルケトン、カルバモイル、カルボニルオキシ、ジスルフィド、チオエーテル、及びトリアゾールが挙げられる。実施形態では、Lは、存在しないか、アミノ酸、
Figure 2020502051
である。
上記で定義したように、様々な実施形態において、Jはアルキル、N−アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、又はヘテロシクリルとすることができ、これらの各々は、独立して、各発生においてAAとジスルフィド結合を形成する少なくとも2つの置換基で独立して置換される。いくつかの実施形態では、Jは、各発生においてAAとジスルフィド結合を独立して形成する少なくとも2つの置換基を含む。他の実施形態では、Jは、各発生においてAAとジスルフィド結合を独立して形成する少なくとも3つの置換基を含む。更に他の実施形態では、Jは、各発生においてAAとジスルフィド結合を独立して形成する少なくとも4つの置換基を含む。
いくつかの実施形態では、Lは存在せず、Jは、各発生においてAAとジスルフィド結合を独立して形成する3つの置換基を含む。そのような二環式ペプチドの例は、式8及び9に提供される。
他の実施形態では、Lは存在せず、Jは、各発生においてAAとジスルフィド結合を独立して形成する4つの置換基を含む。そのような二環式ペプチドの例は、式10に提供される。
いくつかの実施形態では、Jは、存在せず、Lは、X及びAAに結合する。
いくつかの実施形態では、J及びLの各々が存在する。いくつかのそのような実施形態では、J及びLは、X又はXのN末端上に配置することができ、かつ(ジスルフィド結合を形成する前に)以下のうちの少なくとも1つによって表すことができる。
Figure 2020502051
式中、Rは、Lの一部とすることができるX又はXを含むペプチド配列の一部とすることができるアミノ酸の側面を表す。
他のそのような実施形態では、J及びLは、XとXmとの間、XmとXとの間、又はX及びXmのいずれかのC末端に配置することができ、以下のうちの1つ(ジスルフィド結合を形成する前)によって表すことができる。
Figure 2020502051
本開示の二環式ペプチドを形成するために、上記構造のチオール基上の水素は、独立して、スルフィン基への結合によって置き換えられる。
いくつかの実施形態では、各AAは、ジスルフィド結合(例えば、ジスルフィド結合を形成する前にチオール基を有するアミノ酸)を形成することができるアミノ酸、又はそれらの類似体又は誘導体である。そのようなアミノ酸、又はそれらの類似体若しくは誘導体の非限定的な例としては、
Figure 2020502051
が挙げられ、AAのC末端は、アミド結合又はRを形成し、式中、Rは、OH、OR、NHRであり、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ酸残基、2〜20個のアミノ酸残基のペプチド配列、検出可能な部分、又は固体支持体である。
いくつかの実施形態では、式9の化合物は、以下の式を有する。
Figure 2020502051
図8は、式9−Aに従う二環式ペプチドを含有するトリス−ジスルフィドの実施形態を示す。
いくつかの実施形態では、式11の化合物は、以下の式を有する。
Figure 2020502051
いくつかの実施形態では、式12の化合物は、以下の式を有する。
Figure 2020502051
本明細書に添付される付録は、本開示の二環式ペプチドの他の例示的な公式を含む。
特定の態様では、本明細書では、式Iの二環式ペプチドが開示される。
Figure 2020502051
式中、Rは、OH、OR、NHRであり、Rは、C1〜20アルキル、C6〜10アリール、若しくはヘテロアリール、アミノ酸残基、2〜20個のアミノ酸残基のペプチド配列、検出可能な部分、又は固体支持体であり、各dは、独立して、1又は2である。2つのペプチド配列X及びXは、中央3,5−(ビスメルカプトメチル)ベンゾイル部分に結合され、配列Xの細胞膜透過ペプチドループ及び配列Xのカーゴループを有する二環構造を形成する(図2参照)。上述のように、X及びXは、本明細書に記載の二環式ペプチド中のペプチド配列を表すために使用され、X及びXのN末端及びC末端は、二環式ペプチドにおけるX及びXの接続性を示すために、本明細書で提供される様々な式(例えば、上記式I中)に含まれ得る。X及びXの末端残基(例えば、−NH−、又は−NH−C(O)−)が式中に提供される場合、そのような残基は、二環式ペプチドによって必要とされる追加の原子を表すものではなく、むしろこれらの残基は、X及び/又はXに含有されるアミノ酸の成分であることを理解されたい。式Iの化合物が、それらの非環化形態であるとき、例えば、ジスルフィド架橋を形成する前、又は細胞に侵入しGSHによって作用された後に、それらは、式I−Aとして表すことができる。
Figure 2020502051
更なる態様では、X及びXは、式Iに示されるものとは反対の方法で、中央3,5−(ビスメルカプトメチル)ベンゾイル部分に結合することができる。これらの化合物はまた、本明細書に開示され、式IIによって表される。
Figure 2020502051
また、本明細書では、式IIIのペプチド配列も開示される。

BMB−(AA
III

式中、
uは、4〜20の整数である。
各AAは、独立して、システイン、ホモシステイン、チオール基を有するアミノ酸類似体からなる群から独立して選択される少なくとも2つのAA残基を有する、天然又は非天然アミノ酸残基であり、
BMBは、3,5−ビス(メルカプトメチル)安息香酸残基である。
及びX
及びXnは、環化することができる任意の好適な数のアミノ酸を独立して含むことができる。いくつかの実施形態では、X及びXは、1〜50個のアミノ酸残基(例えば、1〜20のアミノ酸であって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、19、及び20を含み、それらの間の全ての範囲を含む)の配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、X及びX中のアミノ酸の組み合わせ数は、少なくとも8個の残基である。いくつかの例では、X又はXは、独立して、4つ以上のアミノ酸(例えば、5以上、6以上、7以上、8以上、又は9以上)を含むことができる。いくつかの例では、X又はXは、独立して、20以下のアミノ酸(例えば、19以下、18以下、17以下、16以下、又は15以下)を含むことができる。特定の実施形態では、X又はXは、独立して、5〜10個のアミノ酸を含むことができる。各アミノ酸は、天然若しくは非天然アミノ酸、又はそれらの類似体若しくは誘導体とすることができる。したがって、本明細書で使用するとき、用語「アミノ酸」は、天然及び非天然アミノ酸、並びにそれらの類似体及び誘導体を含む。用語「非天然アミノ酸」は、天然アミノ酸と類似の構造を有することにより、天然アミノ酸の構造及び反応性を模倣するように天然アミノ酸と類似の構造を有するという点で、天然アミノ酸の同族体である有機化合物を指す。非天然アミノ酸は、修飾アミノ酸、及び/又はアミノ酸類似体とすることができ、これは、20の一般的な天然に発生するアミノ酸又は希少な天然アミノ酸のセレノシステイン若しくはピロリシンのうちの1つではない。好適なアミノ酸の例としては、アラニン、アロソロイシン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、ナフチルアラニン、フェニルアラニン、プロリン、ピログルタミン酸、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、誘導体、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。これらは、本明細書で使用される略号と共に、表1に列挙される。
Figure 2020502051
単一文字略号は、本明細書の大文字で示される場合、L−アミノ酸形態を示し、本明細書の小文字の場合には、D−アミノ酸形態を示す。
上述のように、非天然アミノ酸及びD−アミノ酸を本明細書で使用することができる。開示される方法及び組成物は、非天然及びD−アミノ酸を組み込むのに特に適している。アミノ酸は、ペプチド結合によって結合することができる。各アミノ酸は、アミノ基、カルボキシレート基、又は側鎖の隣接するアミノ酸に結合することができる。

アミノ酸配列Xは、細胞膜透過ペプチド配列とすることができる。いくつかの実施形態では、Xは、長さが4〜20(例えば、5〜10)のアミノ酸残基である。いくつかの実施形態では、X中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つのアミノ酸は、アルギニンである。いくつかの例では、X中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つのアミノ酸は、疎水性側鎖を有する。疎水性側鎖を有するアミノ酸の非限定的な例としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、ナフチルアラニン、フェニルグリシン、ホモフェニルアラニン、チロシン、シクロヘキシルアラニン、又はノルロイシンが挙げられる。特定の実施形態では、疎水性側鎖は、疎水性芳香族補助鎖である。いくつかの実施形態では、芳香族疎水性側鎖を有するアミノ酸としては、ナフチルアラニン、フェニルグリシン、ホモフェニルアラニン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンが挙げられる。特定の実施形態では、疎水性を有するアミノ酸は、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、トリプトファン、又はそれらの類似体若しくは誘導体である。いくつかの例では、X中の少なくとも1つのアミノ酸は、フェニルアラニン、フェニルグリシン、若しくはヒスチジン、又はそれらの類似体若しくは誘導体を含む。いくつかの例では、Xは、少なくとも1つのアルギニン又はその類似体若しくは誘導体を含む。
式I又はIIのいくつかの具体的な例では、Xは、表2に列挙される配列のいずれかから独立して選択することができる。いくつかの例では、細胞膜透過ペプチドは、表2に列挙される配列のいずれとも逆とすることができる。
Figure 2020502051
Figure 2020502051
Φ=L−ナフチルアラニン;φ=D−ナフチルアラニン;Ω=L−ノルロイシン、r=D−アルギニン;F=L−フェニルアラニン;f=D−フェニルアラニン;q=D−グルタミン、Χ=L−4−フルオロフェニルアラニン;Dap=L−2,3−ジアミノプロピオン酸。
いくつかの例では、Xは、配列番号64〜配列番号146のいずれかとすることができる。いくつかの例では、Xは、配列番号64〜配列番号146のいずれかに記載の変異体とすることができる。また、表2のペプチドの環状配列も本明細書に開示される。配列64〜146はまた、1つ以上のシステイン残基(又はチオール基を有する他のアミノ酸)を内部又は一方又は両方の末端部(すなわち、C末端及び/又はN末端)に有することによって修飾することができ、これにより、システイン(又はチオール基を有する他のアミノ酸)とジスルフィド結合を形成することによってペプチドの環化を可能にする。
ペプチド変異体は、当業者により十分に理解されており、アミノ酸配列修飾を含むことができる。例えば、アミノ酸配列修飾は、通常3種類のクラス、すなわち置換、挿入又は欠失変異体のうちの1つ以上に該当する。挿入は、アミノ末端及び/又はカルボキシル末端融合並びに単一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。挿入は、通常、アミノ末端又はカルボキシル末端融合よりも少ない挿入、例えば、1〜3残基程度となる。欠失は、1つ以上のアミノ酸残基をペプチド配列から除去することを特徴とする。通常、1〜3個以下の残基が、ペプチド内の任意の1つの部位で欠失される。アミノ酸置換は、一般的には単一の残基についてであるが、一度に多数の異なる位置で起こることができ、挿入は、通常、約1〜3個のアミノ酸残基程度となり、欠失は、約1〜3個の残基の範囲となる。欠失又は挿入は、好ましくは、隣接する対において行われ、すなわち、2個の残基の欠失又は2個の残基の挿入である。置換、欠失、挿入又はそれらの任意の組み合わせは、最終構築物に到達するように組み合わせることができる。置換変異体は、少なくとも1つの残基が除去され、異なる残基がその場所に挿入された変異体である。そのような置換は、一般的に、以下の表3に従って行われ、保存的置換と称される。
Figure 2020502051
機能の実質的な変化は、表3の置換よりも保存性の低い置換を選択すること、すなわち、(a)例えば、シート又はヘリカル立体配座としての、置換の領域におけるポリペプチド骨格の構造、(b)標的部位での分子の電荷若しくは疎水性、又は(c)側鎖のかさ高さ、を維持するその効果において顕著に異なる残基を選択することによって行われる。一般にタンパク質特性において最大の変化を生じると予想される置換は、(a)親水性残基、例えば、セリル若しくはトレオニルが、疎水性残基、例えば、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリル若しくはアラニルに(又はこれらによって)置換されるか、(b)システイン若しくはプロリンが、任意の他の残基に(又はこれらによって)置換されるか、(c)正電荷側鎖を有する残基、例えば、リシル、アルギニル若しくはヒスチジルが、負電荷残基、例えば、グルタミル若しくはアスパルチルに(又はこれらによって)置換されるか、又は、(d)かさ高い側鎖を有する残基、例えば、フェニルアラニンが、側鎖を有さないアミノ酸、例えば、グリシンに(又はこれによって)置換され、この場合は、(e)硫酸化及び/又はグリコシル化のための部位の数を増加させることによる置換となる。
例えば、1つのアミノ酸残基を生物学的及び/又は化学的に類似する別のアミノ酸残基と置換することは、保存的置換として当業者に既知である。例えば、保守的置換は、1つの疎水性残基を別の疎水性残基に、又は1つの極性残基を別の極性残基に置換することであると考えられる。置換には、例えば、Gly,Ala;Val,Ile,Leu;Asp,Glu;Asn,Gln;Ser,Thr;Lys,Arg及びPhe,Tyrなどの組み合わせが挙げられる。各々が明示的に開示された配列のそのような保存的に置換された変異体は、本明細書で提供されるポリペプチドの範囲内に含まれる。
本明細書で開示されるXの変異体を定義する1つの方法は、特定の既知配列に対する相同性/同一性に関して変異体を定義することによると理解される。例えば、配列番号64〜配列番号146は各々が、特定の配列を示す。具体的には、配列番号64〜配列番号146の少なくとも85%、90%、95%、97%、又は99%相同性を有するこれらのペプチドの変異体が開示される。当業者は、2つのタンパク質の相同性を判定する方法を容易に理解する。例えば、相同性は、相同性が最も高いレベルになるように2つの配列をアライメントした後に算出することができる。
配列番号64〜配列番号146に対する変異体に加えて、開示される方法及び組成物においても機能するこれらのペプチドの誘導体がある。誘導体は、残基の側鎖が修飾されている場合、1つ以上の残基を修飾残基で置換することによって形成される。
特定の例では、Xは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又はより具体的には、少なくとも3つの隣接するアルギニン(R又はr)残基を含む。更に、これらの構造では、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの疎水性残基、例えば、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、トリプトファン、又はそれらの類似体若しくは誘導体が存在する。例えば、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、トリプトファン、又はそれらの類似体若しくは誘導体のような1つのアルギニン及び5つの疎水性残基、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、トリプトファン、又はそれらの類似体若しくは誘導体のような2つのアルギニン及び4つの疎水性残基、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、トリプトファン、又はそれらの類似体若しくは誘導体のような3つのアルギニン及び3つの疎水性残基、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、トリプトファン、又はそれらの類似体若しくは誘導体のような4つのアルギニン及び2つの疎水性残基、あるいはフェニルアラニン、ナフチルアラニン、トリプトファン、又はそれらの類似体若しくは誘導体のような4つのアルギニン及び1つの疎水性残基が存在することができる。具体例では、本明細書に開示される環状化合物は、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、トリプトファン、又はそれらの類似体若しくは誘導体のような3つのアルギニン及び3つの疎水性残基を有する。更に、アルギニン残基はクラスタ化することができ、例えばアルギニンは、別のアルギニン残基の2つのアミノ酸内にある。同様に、疎水性残基は、クラスタ化することができ、例えば、1つの疎水性残基は、別の疎水性残基の2つのアミノ酸である。
好ましい例では、Xは、RRRRΦF、FΦRRRR、FfФRrRr、fФRrRr、fФRrRr、FφrRrR、若しくはFφrRrRであるか、又はそれらを含む。
いくつかの実施形態では、アミノ酸配列Xは、

AA−AA−AA−AA−AA−(AA−(AA−(AA

式中、
AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、及びAAは、各々独立してアミノ酸であり、
少なくとも3つのアミノ酸がアルギニンであり、
少なくとも2つのアミノ酸が疎水性側鎖を含み、
m、n、p、又はqは、独立して、0及び1から選択される。
いくつかの実施形態では、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、及びAAは、配列番号64〜配列番号146の少なくとも1つのアミノ酸配列に対応する。
本発明の特定の実施形態は、少なくとも4つの連続アミノ酸が交互のキラリティを有するアミノ酸配列を含む。本明細書で使用するとき、キラリティは、アミノ酸の「D」異性体及び「L」異性体を指す。本発明の特定の実施形態では、少なくとも4つの連続アミノ酸は、交互のキラリティを有し、残存アミノ酸はL−アミノ酸である。他の実施形態では、本発明のペプチドは、D−L−D−Lキラリティを有する4つのアミノ酸配列を含む。更に他の実施形態では、本発明のペプチドは、L−D−L−Dキラリティを有する4つのアミノ酸配列を含む。
実施形態では、本発明のペプチドは、2つの連続したL−アミノ酸を含む。更なる実施形態では、本発明のペプチドは、2つのD−アミノ酸を分離する2つの連続するL−アミノ酸を含む。更なる実施形態では、本発明のペプチドは、2つのD−アミノ酸を分離する2つの連続するL−アミノ酸と、D−L−L−D−L−D又はL−D−L−L−D−L−Dキラリティを有するペプチド配列などであるが、これらに限定されない、交互のキラリティを有する少なくとも4つの連続アミノ酸とを含む。更なる実施形態では、本発明のペプチドは、2つのD−アミノ酸を分離する2つの連続したL−アミノ酸と、D−L−L−D−L−D−L又はL−D−L−L−D−L−D−Lのキラリティを有するペプチド配列などであるが、これらに限定されない、交互のキラリティを有する少なくとも5つの連続アミノ酸とを含む。
実施形態では、本発明のペプチドは、2つの連続するD−アミノ酸を含む。更なる実施形態では、本発明のペプチドは、2つのL−アミノ酸を分離する2つの連続するD−アミノ酸を含む。本発明のなお更なる実施形態では、本発明のペプチドは、2つのL−アミノ酸を分離する2つの連続するD−アミノ酸、及び、L−D−D−L−D−Lを有するペプチド配列が挙げられるが、これらに限定されない、交互のキラリティを有する少なくとも4つの連続したアミノ酸を含む。本発明の更なる実施形態では、本発明のペプチドは、2つのL−アミノ酸を分離する2つの連続したD−アミノ酸、及び、L−D−D−L−D−L−Dを有するペプチド配列などであるが、これらに限定されない、交互のキラリティを有する少なくとも5つの連続アミノ酸を含む。
いくつかの実施形態では、交互のキラリティを有するアミノ酸配列は、約4個以上のアミノ酸、少なくとも約5個のアミノ酸、少なくとも約6個のアミノ酸、少なくとも約7個のアミノ酸、少なくとも約8個のアミノ酸、又は少なくとも約9個のアミノ酸を含む。実施形態では、交互のキラリティを有するアミノ酸配列は、約4個のアミノ酸〜約9個のアミノ酸、又は約5個のアミノ酸〜約6個のアミノ酸、又は約7個のアミノ酸〜約9個のアミノ酸を含み、又は約8アミノ酸〜約9アミノ酸、又は約4アミノ酸〜約8アミノ酸、又は約4アミノ酸〜約7アミノ酸、又は約4アミノ酸〜約6アミノ酸、又は約4アミノ酸〜約5アミノ酸を含む。
特定の実施形態では、本発明のペプチドは、少なくとも1つの疎水性残基を含む。更なる実施形態では、本発明のペプチドは、2つの疎水性残基を含む。更なる実施形態では、本発明のペプチドは、少なくとも2つの疎水性残基を含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの疎水性残基は、芳香族疎水性残基である。特定の実施形態では、少なくとも1つの疎水性残基は、ナフチルアラニン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンからなる群から選択される。更なる実施形態では、少なくとも1つの疎水性残基は、ナフチルアラニン及びフェニルアラニンからなる群から選択される。特定の実施形態では、本発明のペプチドは、少なくとも1つのナフチルアラニンを含む。更に他の実施形態では、本発明のペプチドは、少なくとも1つのフェニルアラニンを含む。更に他の実施形態では、本発明のペプチドは、少なくとも1つのフェニルアラニン及び少なくとも1つのナフチルアラニンを含む。本発明の特定の実施形態では、ペプチドは、AA、AA、又はAA位置に少なくとも1つの疎水性残基を含む。特定の実施形態では、ペプチドは、AA、AA、又はAA位置に少なくとも1つの芳香族疎水性残基を含む。本発明の更なる実施形態では、ペプチドは、AA、AA、又はAA位置においてナフチルアラニン及びフェニルアラニンからなる群から選択される少なくとも1つの疎水性残基を含む。
特定の態様では、本明細書では、式V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXIIの二環式ペプチド、
Figure 2020502051
又はその薬学的に許容される塩が開示されており、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA10、及びAA11は、各々が独立してアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、少なくとも3つのアミノ酸はアルギニンである。更なる実施形態では、少なくとも2つのアミノ酸は、疎水性残基を含む。いくつかの実施形態では、各発生においてAAは、独立して、Jとジスルフィド結合を形成する部分である。
いくつかの実施形態では、Jは、N−アルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、これらの各々は、独立して、各発生においてAAとジスルフィド結合を形成する少なくとも2つの置換基で独立して置換される。いくつかの実施形態では、Jは、
Figure 2020502051
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、Lは、
Figure 2020502051
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、化合物は、
Figure 2020502051
Figure 2020502051
又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、各dは、独立して、1又は2である。
式V、VI、VII、VIII、IX、又はXの化合物が、例えば、ジスルフィド架橋を形成する前、又は細胞に侵入しGSHによって作用された後に、式V、VI、VII、VIII、IX、又はXの化合物がその非環化形態である場合、それらは式I−Aとして表すことができる。また、式V−A、VI−A、VII−A、VIII−A、IX−A、及びX−A、
Figure 2020502051
又はその薬学的に許容される塩であって、
式中、
各発生においてAA’は、独立してチオールを含む部分であり、
J’は、アルキル、N−アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、又はヘテロシクリルであり、これらの各々は、少なくとも2つのチオール置換基で独立して置換されており、
及びLは、本明細書で定義される。
いくつかの実施形態では、Jは、N−アルキル又はアリールである。いくつかの実施形態では、J’は、
Figure 2020502051
いくつかの実施形態では、各AAは、独立して
Figure 2020502051
であり、式中、AA’のC末端は、アミド結合を形成するか、又はRであり、RはOH、OR、NHRであり、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ酸、2〜20個のアミノ酸のペプチド配列、検出可能な部分、又は固体支持体である。
いくつかの実施形態では、化合物は、
Figure 2020502051
又は、その薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項58に記載の化合物。

アミノ酸配列Xは、カーゴペプチド配列である。上述したように、アミノ酸Xの数は限定されない。いくつかの実施形態では、Xは、1〜50個のアミノ酸、例えば、1〜20、1〜10、4〜20、4〜10のアミノ酸及びその中の全ての値及び部分範囲を有することができる。Xの配列の例は、表2に概説されたものであり、その変異体又は誘導体が挙げられる。カーゴペプチド配列の更なる例は、表4若しくは表5に列挙されるもののいずれか、又はそれらの誘導体若しくは組み合わせを含むことができる。
Figure 2020502051
Figure 2020502051
pCAP、ホスホクマリルアミノプロピオン酸Ω、ノルロイシンU,2−アミノ酪酸。
式Iを参照する場合、配列Xnは、各末端でシステイン残基(C)に結合され、当該カップリングによって形成されるアミド結合は、式Iに含まれることが理解されるべきである。同様に、式IIを参照する場合、Xは、各末端でシステイン残基に結合され、当該カップリングによって形成されるアミド結合は、式IIに含まれる。例えば、これらの部分は、−C−X−C−XX若しくは−C−X−C−、又は場合により−C−(AA)−C−と表すことができ、式中、AA=は本明細書で定義されるアミノ酸残基であり、nは2〜8の整数であり、例えば、−C−AA−AA−C−、−C−AA−AA−AA−C−、−C−AA−AA−AA−AA−C−、−C−AA−AA−AA−AA−AA−C−、−C−AA−AA−AA−AA−AA−C−、−C−AA−AA−AA−AA−AA−AA−C−、及び−C−AA−AA−AA−AA−AA−AA−AA−C−である。式Iを参照する場合、配列Xに結合した2つの末端システイン残基は、式Iの3,5−(ビスメルカプトメチルベンゾイル)部分に結合され、1つのシステイン残基も、配列X(式Iの3,5−(ビスメルカプトメチルベンゾイル)部分にも結合される)に結合される。式IIを参照する場合、配列Xに結合した2つの末端システイン残基は、式IIの3,5−(ビスメルカプトメチルベンゾイル)部分に結合され、1つのシステイン残基も、配列X(式IIの3,5−(ビスメルカプトメチルベンゾイル)部分にも結合される)に結合される。
具体例
本明細書に開示される二環式ペプチドの具体例を表6に示す。
Figure 2020502051
BMB、3、5−ビス(メルカプトメチル)ベンゾイル、Φ、L−2−ナフチルアラニン、MP,3−メルカプトプロピオニル。
下線部のみである。
検出可能な部分
開示される化合物はまた、例えば、X又はX又はR上の任意のアミノ酸の側鎖に結合された、検出可能な部分も含むことができる。検出可能な部分は、任意の検出可能な標識を含むことができる。好適な検出可能な標識の例としては、紫外線Vis標識、近赤外標識、発光基、燐光基、磁気スピン共鳴標識、光増感剤、光膨潤部性部分、キレート中心、重原子、放射性同位体、同位体検出可能なスピン共鳴標識、常磁性部分、発色団、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、標識は、更なる試薬を添加することなく検出可能である。
いくつかの実施形態では、検出可能な部分は生体適合性の検出可能な部分であり、そのため、化合物は、様々な生物学的用途での使用に好適とすることができる。本明細書で使用するとき、「生物適合性」及び「生物学的に適合性」は、一般に、任意の代謝産物又はその分解生成物と共に、細胞及び組織に対して一般に非毒性であり、かつ細胞及び組織がそれらの存在下でインキュベートされる(例えば、培養される)場合、細胞及び組織に有意な有害作用を引き起こさない化合物を指す。
検出可能な部分は、蛍光標識又は近赤外標識などの発光団を含有することができる。好適な発光団の例としては、金属ポルフィリン、ベンゾポルフィリン、アザベンゾポルフィリン、ナフトポルフィリン、フタロシアニン、ペリレン、ペリレン二イミン、ピレンなどの多環芳香族炭化水素、アゾ染料、キサンテン染料、ボロンジピロメチエン、アザ−ボロンジピロメエン、シアニン染料、ビピリジン、ビピリジル、フェナントロリン、クマリン、並びにルテニウム及びイリジウムのアセチルアセトネートなどの金属配位子錯体、アクリジン、ベンゾフェノキサジンなどのオキサジン誘導体、アザ−アヌレン、スクアカイン、8ヒドロキシキノリン、ポリメタリン、量子ドット、ナノ結晶などの発光ナノ粒子、カルボスチリル、テルビウム錯体、無機蛍光体、結合又は誘導体化された染料などのクラウンエーテル類のようなイオノフォア、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な発光団の具体例としては、Pd(II)オクタエチルポルフィリン、Pt(II)−オクタエチルポルフィリン、Pd(II)テトラフェニルポルフィリン、Pt(II)テトラフェニルポルフィリン、Pd(II)メソ−テトラフェニルポルフィリン四元ブタリン、Pt(II)メソ−テトラフェニレン−メトロイルベンゾポルフィリン、Pd(II)オクタエチルポルフィリンケトン、Pt(II)オクタエチルポルフィリンケトン、Pd(II)メソテトラ(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、Pt(II)メソテトラ(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン、Ru(II)トリス(4,7ジフェニル−1,10−フェナントロリン)(Ru(dpp))、Ru(II)トリス(1,10−フェナントロリン)(Ru(フェン))、トリス(2,2’−ビピリジン)ルスニレン(II)塩化物六水和物(Ru(bpy))、エリトロシンB、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、エオシン、イリジウム(III)((N−メチル−ベンゾイミダゾール−2−イル)−7−(ジエチルアミノ)−クマリン)、インジウム(III)((ベンゾチアゾール−2−イル)−7−(ジエチルアミノ)−クマリン)−2−(アセチルアセトネート)、Lumogen染料、Macroflex蛍光赤色、Macrolex蛍光黄色、テキサスレッド(商標)、ローダミンB、ローダミン6G、硫黄ローダミン、M−クレゾール、チモールブルー、キシレノールブルー、クレゾールレッド、クロロフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、bromcresolレッド、ブロモチモールブルー、Cy2、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy74−ニチオフェノール、アリザリン、フェノフタレイン、o−クレゾールフタレイン、クロロフェノールレッド、カルマナイト、ブロモ−キシレノール、フェノールレッド、中性赤色、ニトラジン、3,4,5,6−テトラブロモフェノレレイン、コンゴレッド、フルオレセイン、エオシン、2’,7’−ジクロロフルオレセイン、5(6)−カルボキシ−フルオレセシン、カルボキシナフトフルオレセイン、8ヒドロキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸、半ナフチルホーナ、半ナフトフルオレセイン、トリス(4,7ジフェニル−1,10−フェナントロリン)ルテニウム(II)ジクロライド、(4,7ジフェニル−1,10−フェナントロリン)ルテニウム(II)テトラフェニルボロン、白金(II)オクタエチルポルフィリン、ジアルキルカルボシアニン、ジオクタデシルシクロキサカルボシアニン、フルオレニルメチルオキシカルボニルクロリド、7アミノ−4−メチルコリナ(Amc)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、及びそれらの誘導体又は組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの例では、検出可能な部分は、ローダミンB(Rho)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、7−アミノ−4−メチルクラミニン(Amc)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、又はそれらの誘導体若しくは組み合わせを含むことができる。
検出可能な部分は、アミノ基、カルボキシレート基、又は細胞膜透過ペプチド部分若しくはカーゴ部分のいずれかのアミノ酸の側鎖(例えば、アミノ基、カルボキシレート基、又は側鎖又はX若しくはX若しくはRのいずれか)における細胞膜透過ペプチド部分に付着させることができる。
治療部分
開示される化合物はまた、治療部分を含むことができる。いくつかの例では、カーゴ部分は治療部分を含む。検出可能な部分は、治療部分に結合することができ、又は検出可能な部分は治療部分としても機能することができる。治療部分とは、被験体に投与された場合、疾患又は障害の1つ以上の症状を減少させる基を指す。
治療部分は、アンタゴニスト、例えば酵素阻害剤、及びアゴニスト、例えば、所望の遺伝子産物の発現の増加をもたらす転写因子、を含む多種多様な薬を含むことができる(当業者には理解されるように、拮抗的転写因子も使用することができる)。加えて、治療部分は、直接毒性を有することができ、及び/又は身体内の健康及び/又は不健康な細胞に毒性を誘導することが可能な薬剤を含む。また、治療部分は、潜在的病原体に対して免疫系を誘導及び/又はプライミングすることができる。
治療部分は、例えば、抗癌剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、麻酔剤、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
治療部分は、抗癌剤を含むことができる。抗癌剤の例としては、13−cis−レチノイン酸、2−アミノ−6−メルカプトプリン、2−CdA、2−クロロデオキシアデノシン、5−フルオロウラシル、6−チオグアニン、6−メルカプトプリン、アキュテイン、アクチノマイシンD、アドリアマイシン、アドルシル、アグリリン、アラ−コート、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルカバン−AQ、アルケラン、オールトランスレチノイン酸、αインターフェロン、アルトレタミン、アメトプテリン、アミホスチン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アナンドロン、アナストロゾール、アラビノシルシトシン、アラネスプ、アレディア、アリミデックス、アロマシン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、ATRA、アバスチン、BCG、BCNU、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、BiCNU、ブレオキサン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、ブスルフェックス、C225、カルシウムロイコボリン、キャンパス、カンプトサー、カンプトテシン−11、カペシタビン、カラック、カルボプラチン、カルムスチン、カルムスチンウェハー、カソデックス、CCNU、CDDP、CeeNU、セルビジン、セツキシマブ、クロラブシル、シスプラチン、シトロボラムファクター、クラドリビン、コルチソン、コスメゲン、CPT−11、シクロホスファミド、シタドレン、シタラビン、シタラビンリポソーム、シトサル−U、サイトキサン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンα、ダウノマイシン、ダウノルビシン、ダウノルビシン塩酸塩、ダウノルビシンリポソーム、ダウノキソーム、デカドロン、デルタ−コルテフ、デルタソン、デニロイキンジフチトクス、デポサイト、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、デキサソン、デクスラゾキサン、DHAD、DIC、ジオデックス、ドセタキセル、ドキシ、ドキソルビシン、ドキソルビシンリポソーム、ドロキシア、DTIC、DTICドーム、デュラロン、エフデックス、エリガード、エレンス、エロキサチン、エルスパー、エムサイト、エピルビシン、エポエチンα、エルビツックス、エルウィニアL−アスパラギナーゼ、エストラムスチン、エチオール、エトポフォス、エトポシド、エトポシドホスフェート、ユーレキシン、エビスタ、エキセメスタン、ファレストン、ファスロデックス、フェマーラ、フィルグラスチム、フロクスリジン、フルダラ、フルダラビン、フルオロプレックス、フルオロウラシル、フルオロウラシル(クリーム)、フルオキシメステロン、フルタミド、フォリン酸、FUDR、フルベスタント、G−CSF、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガミシン、ゲムザール、グリベック、ルプロン、ルプロンデポット、マツラン、マキシデックス、メクロレタミン、−メクロレタミン塩酸塩、メドラロン、Medrol、メガセ、メゲステロール、酢酸メゲステロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メスネックス、メソトレキセート、メソトレキセートナトリウム、メチルプレニソロン、ミロセル、レトロゾール、ネオサー、ニューラスタ、ニューメガ、ニューポゲン、ニランドロン、ニルタミド、窒素マスタード、ノバルデックス、ノバントロン、オクトレオチド、酢酸オクトレオチド、オンコスパー、オンコビン、オンタック、オンキサル、オプレベルキン、オラプレッド、オラソン、オキサリプラチン、パクリタクセル、パミドロナート、パンレチン、パラプラチン、ペジアプレッド、PEGインターフェロン、ペガスパルガーセ、ペグフィルグラスチム、ペグイントロン、PEG−L−アスパラギナーゼ、フェニルアラニンマスタード、プラチノール、プラチノール−AQ、プレニソロン、プレニソン、プレロン、プロカルバジン、PROCRIT、プロロイキン、カムスチンインプラントを有するプロリフェプロスパン20、プリネトール、ラロキシフェン、リューマトレックス、リツキサン、リツキシマブ、Roveron−A(インターフェロンα−2a)、ルベックス、ルビドマイシン塩酸塩、サンドスタチン、サンドスタチンLAR、サルグラモスチム、ソルコルテフ、ソル−メドロール、STI−571、ストレプトゾシン、タモキシフェン、タルグレチン、タキソール、タキソテレ、テモダール、テモゾロマイド、テニポシド、TESPA、サリドマイド、タロミド、TheraCys、チオグアニン、チオグアニンタブロイド、チオホスホアミド、チオプレックス、チオテパ、TICE、トポサー、トポテカン、トレミフェン、トラスツマブ、トレチノイン、トレキサール、トリセノックス、TSPA、VCR、ベルバン、ベルケード、ベペシド、ベサノイド、ビアヂュール、ビンブラスチン、ビンブラスチン硫酸塩、ビンカサーPfs、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビノレルビンタータレート、VLB、VP−16、ブモン、ゼローダ、ザノサー、ゼバリン、ゼネカード、ゾラデックス、ゾレドロン酸、ゾメタ、グリアデルウェファー、グリベック、GM−CSF、ゴセレリン、果粒球コロニー刺激因子、ハロテスチン、ヘルセプチン、ヘキサドロール、ヘキサレン、ヘキサメチルメラニン、HMM、ハイカムチン、ハイドレア、ハイドロコルテートアセテート、ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、ヒドロコルトンフォスファーゼ、ヒドロキシウレア、イブリツモマブ、イブリツモマブチウキセタン、イママイシン、イダルビシン、イフェックス、IFN−α、イホスファミド、IL2、IL−11、イマチニブメシラート、イミダゾールカルボキサミド、インターフェロンα、インターフェロンα−2b(PEG接合体)、インターロイキン2、インターロイキン−11、IntronA(インターフェロンα−2b)、ロイコボリン、ロイケラン、ロイキン、ロイプロリド、ロイロクリスチン、ロイスタチン、リポソームAra−C、液体プレデ、ロムスチン、L−PAM、L−サルコリシン、メチコルテン、ミトマイシン、ミトマイシン−C、ミトキサントロン、M−プレニソル、MTC、MTX、ムスタルゲン、ムスチン、ムタマイシン、ミレラン、イレッサ、イリノテカン、イソトレチノイン、キドロラーゼ、ラナコート、L−アスパラギナーゼ、及びLCRが挙げられる。治療部分はまた、例えば抗体などの生物学的医薬を含むことができる。
いくつかの例では、治療部分は、ガンシクロビル、アジドチミジン(AZT)、ラミブジン(3TC)などの抗ウイルス剤を含むことができる。
いくつかの例では、治療部分は、アシドパスなどの抗菌剤を含むことができ、アセトスルホンナトリウム、アルムネシン、アレキシジン、アミジノリン、アミジノニンキシルキシル、アマサイクリン、アミフロキサシン、アミフロキサシンメシレート、アミドシン、アミルシン硫酸塩、アミノサリチル酸、アミノサリチレートナトリウム、アモキシシリン、アンホマイシン、アンピシリン、アンピシリンナトリウム、アピシリンナトリウム、アプラマイシン、アスパラギン酸、アストロマイシン硫酸塩、アビラマイシン、オルトパルシン、アジトロマイシン、アズニシリン、アジクリンナトリウム、バカニシリン塩酸塩、バシトラシン、バシトラシンメチレンジアリシレート、バシトラシン亜鉛、ベバーミクシン、ベンゾイルペルカルシウム、ベリトロマイシン、ベータミシン硫酸塩、ビアペネム、ビニラマイシン、ビフェニラミン塩酸塩、ビスピピリチオンマグサルフェックス、ブチカシン、ブチロ硫酸塩、カプリルマイシン硫酸塩、カルバックス、カルベニシリン二ナトリウム、カルベニシリンインダニルナトリウム、カルベニリンフェニルナトリウム、カルベニシリンカリウム、カルモナムナトリウム、セファル、セフェロキシロール、セフマンドール、セフマンドルナフレート、セフマンドルナトリウム、セフアロル、セファリジン、セファザフルオロナトリウム、セファゾリン、セファザリンナトリウム、セフブペルゾン、セフジア、セフェピーム、セフェピムヒドロクロリド、セフェテコール、セフィキシム、セファメンオキシムヒドロクロリド、セフメタゾール、セフメタゾールナトリウム、セフォニドモノナトリウム、セフォニドナトリウム、セフオペラゾンナトリウム、セフォアニド、セフォタキシムナトリウム、セフォテタン、セフォテタンジナトリウム、セフォチム塩酸塩、セフオキシチン、セフオキシチンナトリウム、セフピミゾール、セファピミゾールナトリウム、セファピラミド、セファピラミドナトリウム、セフピロム硫酸塩、セフポドキシムプロクセチル、セフプロジニル、セフロキサジン、セフサロジンナトリウム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシムナトリウム、セファトリアキソンナトリウム、セフロキシム、セフロキシムアセチル、セフロキシム(cefuroxime)pivoxetil、セフロキシムナトリウム、セセトリルナトリウム、セファシン、セファキシンヒドロクロリド、セファログリシン、セファリジン、セファロチンナトリウム、セファピルナトリウム、セファラジン、セトサイクリン塩酸塩、セトフェニコール、クロラムフェニコール、クロラムフェニコールパルミテート、クロラムフェニコールパントテン酸塩複合体、クロラムフェニコールナトリウムコハク酸塩、クロルヘキシジン亜リン酸クロルヘキシジン、クロロキシレノール、クロルテトラサイクリン硫酸塩、クロルテトラサイクリン塩酸塩、シノキサシン、シプロフロキサシン、シプロフロキサシン塩酸塩、シロレマイシン、クラリスロマイシン、クリンフロキサシン塩酸塩、クリンダマイシン、クリンダマイシン塩酸塩、クリンダマイシンパルミチン酸塩塩酸塩、クリンダマイシンリン酸塩、クロフェジミン、クロキサセリンベンズアチン、クロキサアセリンナトリウム、クロキシキリン、大腸菌ナトリウム、大腸菌硫酸塩、クママイシン、クママイシンナトリウム、サイクリンリン、シクロセリン、ダルフォプリスチン、ダプソンダプトマイシン、デメロサイクリン、デメクロサイクリン塩酸塩、デメサイクリン、デノノギン、ジベニジン、ジクロポニシリン、ジクロポニンナトリウム、ジヒドロストレプトマイシン硫酸塩、ジピリチオン、ジリスロマイシン、ドキシサイクリン、ドキシサイクリンカルシウム、ドキシサイクリン化石、ドキシサイクリンハイドレートドロキサシンナトリウム、エノキサシン、エピソニシリン、エピテトラサイクリン塩酸塩、エリスロマイシン、エリスロマイシン酸性基質、エリスロマイシンエストレート、エリスロマイシンエチルコハク酸塩、エリスロマイシン接着剤、エリスロマイシンラクトビオナート、エリスロマイシンプロピオネート、エリスロマイシンステアレート、エタンプトール塩酸塩、エタンアミド、フロキサシン、フロキサセリン、フルドアラニン、フルメクチン、ホスホマイシン、ホスホマイシントロメタミン、フモキシシリン、フラゾリウム塩化物、フラゾリウム酒石酸塩、フシデートナトリウム、フシジン酸、ゲンタマイシン硫酸塩、グローキシモナム、グラミジン、ハロプロリン、ヘタリン、ヘタリンカリウム、ヘキセジン、イブフロキサシン、イミネム、イソコナゾール、イセプタマイシン、イソニザリド、ホサマイシン、カナマイシン硫酸塩、キザマイシン、レボフルタドン、レボプロピルシクロリンカリウム、キシロマイシン、リナコマイシン、リナコマイシン塩酸塩、ロメフロキサシン、ロメフロキサシン塩酸塩、ロメフロキサシン酸塩、ロラカルベフ、マフェンニド、メクロサイクリン、メクロサイクリンスルホサリチレート、メロマイシンカリウムリン酸塩、メクキドックス、メロペネム、メタサイクリン、メタサイクリン塩酸塩、メタンアミン、メチルアミンヒットリウム、メチルアミンマンデレート、メチシリンナトリウム、メチオプリム、メトロニダゾール塩酸塩、メトロニダリン、メゾロニシリン、メゾロリンナトリウム、ミノサイクリン、ミノサイクリン塩酸塩、ミリンカマイシン塩酸塩、モネシン、モネシン(monensin sodium)、ナフチリンナトリウム、ナリジキサートナトリウム、ナイアシンアミド酸、ナツリマイシン、ネブラマイシン、ネオマイシンパルミテート、ブレオマイシン硫酸塩、ネオマイシンウンデシレン酸、ネオティマイシン硫酸塩、ニュートラマイシン、ニフルイラデン、ニフラルデゾン、ニフルネート、ニフルタロン、ニフルダジル、ニフェリミド、ニフィルヒノール、ニフルキナゾール、ニフチアゾール、ニトロサイクリン、ニトロフラントイン、ニトロアミド、ノルフロキサシン、ノボビオシンナトリウム、オフロキサシン、オネトリム、オキセリン、オキサラクシリンナトリウム、オキシモナム、オキシモナムナトリウム、オキソリン酸、オキシテトラサイクリン、オキシテトラサイクリンカルシウム、オキシテトラサイクリン塩酸塩、パルジマイシン、パラクロロフェノール、パラロマイシン、ペフロキサシン、ペフロキサシン(pefloxacin mesylate)、ペムネリン、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンGカリウム、ペニシリンGプロカイン、ペニシリンGナトリウム、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン、ペニシリンVカリウム、ペンチゾドンナトリウム、フェニルアミノサリチレート、ピペラニンナトリウム、ピルベニシリンナトリウム、ピリジリンナトリウム、ピルホリマイシン塩酸塩、ピペンプニシリン塩酸塩、ピンプアンピシリン(pivampicine pamoate)、ピンプアンピリンプロベノエート、ポリミキシンB硫酸塩、ポルフィロマイシン、プロピカシン、ピラノアミド、ピリチオン亜鉛、キナデアミン酢酸塩、キヌクリスチン、ラセミフェノール、ラモプランン、ランマイシン、リロマイシン、レプロマイシン、リファブチン、リファメラン、リフェメキシロール、リファミド、リフアンシン、リフアプレチン、リフェキシミン、クロリテトラサイクリン、クロロテトラサイクリン硝酸塩、ロサマシン、ロカルバミン酸ブチレート、プロピオン酸ロシカルバミン酸塩、ロジカルバシン酸ナトリウム、ロジカルバシン酸塩、ロソキサシン、ロクサゾン、ロキシロマイシン、サンサイライン、サンフェトリネムナトリウム、サルコモキシシリン、サルコピニリン、スコプタノギン、シソミシン、シソミシン硫酸塩、スパーフロキサシン、スペクチノマイシン塩酸塩、スピラマイシン、スタルリマイシン塩酸塩、ステアロフィマイシン、ストレプトマイシン硫酸塩、ストレプトトニコゼイド、スルブネン、スルブエンアミド、スルファタミド、スルホタミドナトリウム、スルファチチン、スルファジアジン、サルファジアジンナトリウム、スルブチルオキサジン、スルファレン、スルホアミルジン、スルファメーター、スルファメタジン、スルフェメタゾ(sulfamethizole)、スルファメトキサゾール、スルファムノメトキシン、スルファモキサゾール、硫酸スルファニル亜鉛、スルファニトラン、サルファタラジン、スルファゾミゾール、スルフェチアチアゾール、スルファザミン、サルソキサゾール、サルソキサゾールアセチル、サルセボキサゾールジアミン、スルホミキシン、サロペム、スルタムリシリン、ヒマリンナトリウム、タルアンピシリン塩酸塩、テイコプランン、テマフロキサシン塩酸塩、テモセリン、テトラサイクリン、テトラサイクリン塩酸塩、テトラサイクリンリン酸錯体、テトロキサムリム、チアンフェニコール、チフェンクリンカリウム、チクサリンクレジルナトリウム、チアーリンジナトリウム、チアーリンモノナトリウム、チラトン、塩化チードニウム、トブラマイシン、トブラマイシン硫酸塩、トスフロキサシン、トリメチオリム、トリメチオリム硫酸塩、トリスルファピリミジン、トロリードマイシン、トロメトマイシン硫酸塩、チロトリシン、バニマイシン、バニマイシン塩酸塩、ビルガニマイシン、又はジボマイシンが挙げられる。
いくつかの例では、治療部分は抗炎症剤を含むことができる。
いくつかの例では、治療部分は、デキサメタゾン(Dex)を含むことができる。
他の例では、治療部分は、治療用タンパク質を含む。例えば、一部の人々は、特定の酵素(例えば、リソソーム保存疾患)に欠陥を有する。本明細書では、酵素/タンパク質を、開示される細胞膜透過ペプチドのうちの1つに結合することによって、かかる酵素/タンパク質をヒト細胞に送達することが開示される。開示された細胞浸透ペプチドは、タンパク質(例えば、GFP、PTP1B、アクチン、カルモジュリン、トロポニンC)で試験され、機能することが示されている。
標的部分
開示される化合物は、標的部分も含むことができる。いくつかの例では、カーゴ部分は標的部分を含む。標的部分は、例えば、1つ以上の酵素ドメインを標的とすることができるアミノ酸配列を含むことができる。いくつかの例では、標的部分は、癌、嚢胞性線維症、糖尿病、肥満、又はそれらの組み合わせなどの疾患において役割を果たすことができる酵素に対する阻害剤を含むことができる。例えば、標的部分は、表7に列挙される配列のいずれかを含むことができる。
Figure 2020502051
Figure 2020502051
Fpa、Σ=L−4−フルオロフェニルアラニン;Pip、Θ=L−ホモプロリン;Nle、Ω=L−ノルロイシン;Phg、Ψ=L−フェニルグリシン、F2Pmp、λ=L−4−(ホスホノジフルオロメチル)フェニルアラニン、Dap=L−2,3−ジアミノプロピオン酸、Nal,Φ’=L−Β−ナフチルアラニン、Pp、
Figure 2020502051
Sar、Ξ=サルコシン、Tm=トリメシン酸。
いくつかの例では、標的部分は、配列番号168〜配列番号214のいずれかとすることができる。いくつかの例では、標的部分は、配列番号168〜配列番号214のいずれかに記載の変異体とすることができる。
標的部分及び細胞膜透過ペプチド部分は、重複することができ、すなわち、細胞膜透過ペプチド部分を形成する残基は、標的部分を形成する配列の一部とすることができ、逆もまた同様である。
治療部分は、アミノ基、カルボキシレート基、又は細胞膜透過ペプチド部分若しくはカーゴ部分のいずれかのアミノ酸の側鎖(例えば、アミノ基、カルボキシレート基、又は側鎖又はX若しくはX若しくはRのいずれか)における細胞膜透過ペプチド部分に付着させることができる。いくつかの例では、治療部分は、検出可能な部分に付着させることができる。
いくつかの例では、治療部分は、Ras(例えば、K−Ras)、PTP1B、Pin1、Grb2 SH2、CAL PDZなど、又はそれらの組み合わせに対する阻害剤として作用することができる標的部分を含むことができる。
この抗体は、ヒトにおいて、RAS遺伝子によってコードされるタンパク質である。正常なRASタンパク質は、正常な組織シグナル伝達において必須の機能を果たし、Ras遺伝子の突然変異は、多くの癌の発生に関与する。Rasは、分子オン/オフスイッチとして機能することができ、一旦それがオンになると、RASが再動員され、成長因子及び他の受容体のシグナルの伝播に必要なタンパク質を活性化する。変異型のRASは、肺癌、結腸癌、膵臓癌、及び様々な白血病を含む様々な癌に関与している。
タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)は、PTPスーパーファミリのプロトタイプメンバであり、真核細胞シグナル伝達中に多数の役割を果たす。PTP1Bは、インスリンシグナル伝達経路の負の調節因子であり、特にII型糖尿病の治療のための有望な潜在的治療標的と考えられる。PIP1Bはまた、乳癌の発達に関与している。
Pin1は、タンパク質のサブセットに結合し、タンパク質機能を調節する際のリン酸化後制御として役割を果たす酵素である。Pin1活性は、プロライン指向性キナーゼシグナル伝達の結果を調節することができ、その結果、細胞増殖及び細胞生存を調節することができる。Pin1の調節は、様々な疾患において役割を果たすことができる。Pin1の上方制御は、特定の癌に関与することができ、Pin1の下方制御はアルツハイマー病に関与することができる。Pin1の阻害剤は、癌及び免疫疾患の治療的影響を有することができる。
Grb2は、シグナル伝達及び細胞伝達に関与するアダプタタンパク質である。Grb2タンパク質は、チロシンリン酸化配列に結合することができる1つのSH2ドメインを含有する。Grb2は、広く発現しており、複数の細胞機能に不可欠である。Grb2機能の阻害は、発生過程を阻害することができ、様々な細胞型の形質転換及び増殖を阻害することができる。
近年、嚢胞性線維症(CF)患者に変異した塩化物イオンチャネルタンパク質である、嚢胞性線維症膜コンダクタンスレギュレータ(CFTR)の活性は、そのPDZドメイン(CACAL PDZ)を介してCFTR関連リガンド(CAL)によって負に調節されることが報告されている(Wolde,M et al.J.Biol.Chem.2007,282,8099)。CFTR/CACAL PDZ相互作用の阻害は、最も一般的な形のCFTR突然変異であるΔPhe508−CFTRの活性を改善することが示され(Cheng,SH et al.Cell 1990,63,827;Kerem,BS et al.Science 1989,245,1073)、これはプロテアソーム介在性分解を低減することによるものである(Cushing,PR et al.Angew.Chem.Int.Ed.2010,49,9907)。したがって、本明細書に開示されるのは、本明細書に開示される有効量の化合物又は組成物を投与することによって、嚢胞性線維症を有する被験体を治療するための方法が開示される。被験体に投与される化合物又は組成物は、CAL PDZに対する阻害剤として作用し得る標的部分を含み得る治療部分を含むことができる。また、本明細書に開示される組成物又は組成物は、CFTR機能を補正する分子と共に投与することができる。
いくつかの例では、標的部分は、E−T−G−E−F−L(配列番号215)又はLDPETGE(配列番号216)を含むことができる。
結合部分
本開示は、式IV’に従う化合物を提供し、
Figure 2020502051
式中、
各Yは独立して、CH又はNであり、4個以下のYがNであり、
Zは、OR、水素、ハロゲン、カルボシクリル、ヘテロシクリル、又はアミノ酸であり、
各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、又はアミノ酸であり、
は、独立してH、C(O)アルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環、又はヘテロシクリルである。
実施形態において、式IVの化合物は、式IV’aに従う構造を有する。
Figure 2020502051
いくつかの実施形態では、ZはOHである。いくつかの実施形態では、Rは、独立してアリール又はヘテロアリールである。
いくつかの実施形態では、式IVの化合物は、式IV’bに従う構造を有し、
Figure 2020502051
式中、Qは各々独立して、CH又はNである。
いくつかの実施形態では、化合物は以下の構造を有する。
Figure 2020502051
作製方法
本明細書に記載の化合物は、当業者に理解されるように有機合成又はその変形例の当業者に周知の様々な方法で調製することができる。本明細書に記載の化合物は、容易に入手できる出発物質から調製され得る。最適な反応条件は、特定の反応物質又は使用される溶媒によって異なり得るが、そのような条件は、当業者によって決定され得る。
本明細書に記載の化合物の変形例は、それぞれの化合物に関して記載されるように様々な構成成分の追加、サブトラクション、又は移動を含む。同様に、分子内に1つ以上のキラル中心が存在するとき、分子のキラリティを変更することができる。更に、化合物合成は、様々な化学基の保護及び脱保護を伴い得る。保護及び脱保護の使用、並びに適切な保護基の選択は、当業者によって決定され得る。保護基の化学的性質は、例えば、Wuts and Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,4th Ed.,Wiley & Sons,2006,に見出すことができ、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
開示した化合物及び組成物の調製に使用される出発物質及び試薬は、Katchem(Prague,Czech Republic),Aldrich Chemical Co.,(Milwaukee,WI),Acros Organics(Morris Plains,NJ),Fisher Scientific(Pittsburgh,PA),Sigma(St.Louis,MO),Pfizer(New York,NY),GlaxoSmithKline(Raleigh,NC),Merck(Whitehouse Station,NJ),Johnson & Johnson(New Brunswick,NJ),Aventis(Bridgewater,NJ),AstraZeneca(Wilmington,DE),Novartis(Basel,Switzerland),Wyeth(Madison,NJ),Bristol−Myers−Squibb(New York,NY),Roche(Basel,Switzerland),Lilly(Indianapolis,IN),Abbott(Abbott Park,IL),Schering Plough(Kenilworth,NJ),若しくはBoehringer Ingelheim(Ingelheim,Germany)のような業者いずれかから入手可能であるか、又はFieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1〜17(John Wiley and Sons,1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1〜5 and Supplementals(Elsevier Science Publishers,1989);Organic Reactions,Volumes 1〜40(John Wiley and Sons,1991);March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons,4th Edition);及びLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)のような文献で説明された手順に従う当業者に周知の方法によって調整される。Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1〜5 and Supplementals(Elsevier Science Publishers,1989);Organic Reactions,Volumes 1〜40(John Wiley and Sons,1991);March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons,4th Edition);及びLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)。本明細書に開示される薬学的担体などの他の材料は、商業的供給源から入手することができる。
本明細書に記載した化合物を製造する反応は、溶媒中で実行することができ、この溶媒は、有機合成の当業者によって選択され得る。溶媒は、出発物質(反応物質)、中間生成物、又は生産物と、反応が行われる条件、すなわち、温度及び圧力の下で実質的に非反応性であり得る。反応は、1種類の溶媒又は1種類を超える溶媒の混合物中で行われ得る。生産物又は中間生成物の形成は、当該技術分野において周知の任意の好適な方法によって監視され得る。例えば、生産物の形成は、核磁気共鳴分光法(例えば、H若しくは13C)赤外線分光法、分光測定法(例えば、紫外可視)、若しくは質量分析法などの分光学的方法によって、又は高速液体クロマトグラフィ(HPLC)若しくは薄層クロマトグラフィなどのクロマトグラフィによって監視され得る。
開示される化合物は、アミノ酸α−N末端が酸又は塩基保護基によって保護される固相ペプチド合成によって調製することができる。そのような保護基は、ペプチド連鎖を破壊することなく容易に除去可能である一方で、その中に含まれるキラル中心のいずれかのラセミ化を破壊することなく容易に除去可能である特性を有するべきである。好適な保護基は、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、ビフェニルオキシソプロピルオキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロフェニルスルフェニル、2−シアノ−t−ブチルオキシカルボニルなどである。9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)保護基は、開示される化合物の合成に特に好ましい。他の好ましい側鎖保護基は、リジン及びアルギニンのような側鎖アミノ基については、2,2,5,7,7,8ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(pmc)、ニトロ、p−トルエンスルホニル、4−メトキシベンゼンスルホニル、Cbz、Boc、及びアダマンタルオキシカルボニル、チロシンについては、ベンジル、o−ブロモベンジルオキシ−カルボニル、2,6−ジクロロベンジル、イソプロピル、t−ブチル(t−Bu)、シクロヘキシル、シクロペンチル、及びアセチル(Ac)、セリンについては、t−ブチル、ベンジル、及びテトラヒドロピラニル、ヒスチジンについては、トリチル、ベンジル、Cbz、p−トルエンスルホニル、及び2,4−ジニトロフェニル、トリプトファンについては、ホルミル、アスパラギン酸及びグルタミン酸については、ベンジル及びt−ブチル、並びにシステインについては、トリフェニルメチル(トリチル)である。固相ペプチド合成法では、α−C末端アミノ酸は、好適な固体支持体又は樹脂に結合される。上記合成に有用な好適な固体支持体は、工程的縮合−脱保護反応の試薬及び反応条件に対して不活性であり、並びに使用される媒体に不溶である物質である。α−C末端カルボキシペプチドの合成のための固体支持体は、Applied Biosystems(Foster City,Calif.)から入手可能な4−ヒドロキシメチルフェノキシメチル−コポリ(スチレン−1%ジビニルベンゼン)又は4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)フェノキシアセトアミドエチル樹脂である。α−C末端アミノ酸は、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、又はビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィンクロリド(BOPC1)の有無にかかわらず、N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N、N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、又はO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N、N、N’、N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)によって樹脂に結合され、ジクロロメタン又はDMFのような溶媒中、10℃〜50℃の温度で約1〜約24時間カップリングを媒介する。固体支持体が4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)フェノキシ−アセトアミドエチル樹脂である場合、Fmoc基は、上記のようにα−C末端アミノ酸とカップリングする前に、二級アミン、好ましくはピペリジンで切断される。脱保護された4(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)フェノキシ−アセトアミドエチル樹脂にカップリングするための1つの方法は、DMF中のO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU、1当量)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1当量)である。連続した保護アミノ酸のカップリングは、自動ポリペプチド合成装置において実施することができる。一例では、成長するペプチド鎖のアミノ酸中のα−N末端は、Fmocで保護される。成長するペプチドのα−N末端側からのFmoc保護基の除去は、二級アミン、好ましくはピペリジンによる処理によって実現される。次いで、各保護アミノ酸は、約3倍モル過剰で導入され、カップリングは、好ましくはDMF中で実施される。カップリング剤は、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU、1当量)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1当量)とすることができる。固相合成の最後に、ポリペプチドを樹脂から取り出し、連続的に又は単一操作のいずれかで脱保護する。ポリペプチドの除去及び脱保護は、チアナソール、水、エタンジチオール、及びトリフルオロ酢酸を含む切断試薬で樹脂結合ポリペプチドを処理することによって、単一の操作で実現することができる。ポリペプチドのα−C末端がアルキルアミドである場合、樹脂はアルキルアミンによるアミノ分解によって切断される。代替的に、ペプチドは、例えばメタノールのエステル交換、続いてアミノ分解、又は直接アミド化によって除去することができる。保護ペプチドは、この時点で精製されるか、又は次の工程に直接取り込むことができる。側鎖保護基の除去は、上記の切断カクテルを使用して実現することができる。完全脱保護ペプチドは、以下の種類のいずれか又は全てを用いる一連のクロマトグラフィ工程によって精製することができる:弱塩基性樹脂上でのイオン交換(アセテート形態)、アンダーバイ化ポリスチレン−ジビニルベンゼン(例えば、Amberlite XAD)上の疎水性吸着クロマトグラフィ、シリカゲル吸着クロマトグラフィ、カルボキシメチルセルロース上のイオン交換クロマトグラフィ、例えば、Sephadex G−25、LH−20又は向流分布などの分配クロマトグラフィ、高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)、特にオクチル−又はオクタデシルシリル−シリカ結合相カラムパッキング上の逆相HPLC。
本明細書に開示される特定の方法は、二環式ペプチドを作製する方法であり、式IVの化合物
Figure 2020502051
(式中、Q及びQは、互いに独立して、CH又はNから選択される)を、8〜20個のアミノ酸残基を有する固体支持ペプチドと接触させることであって、少なくとも2つの残基が、システイン残基である、接触させることと、前記ペプチドを前記固体支持体から切断することと、を含む。好適な固体支持体の例は、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール支持体である。Rink、Wang、又はTentagel樹脂は、使用することができる固体支持体の好適な例である。固体のサポートからペプチドを切断することは、通常、軽度の酸又は塩基で実現することができる。
使用方法
また、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載された化合物又は組成物の使用方法である。また、本明細書で提供されるのは、治療を必要とする被験体において、疾病又は病変を治療するための方法であり、本明細書に記載された化合物又は組成物のいずれかの治療有効量を被検体に投与することを含む。
また、本明細書で提供されるのは、被検体において癌を治療する、防止する、又は寛解させる方法である。方法は、本明細書に記載の化合物若しくは組成物、又はその薬学的に許容される塩のうち1つ以上の治療有効量を被検体に投与することを含む。本明細書に記載される化合物及び組成物又はその薬学的に許容される塩は、ヒト(例えば、小児及び高齢者集団)、及び動物(例えば、獣医学の適用)における癌の治療に有用である。開示された方法は、癌の治療が必要である又は必要になり得る患者を同定することを任意追加的含み得る。本明細書に記載される化合物及び組成物によって治療できる癌の種類の例として、膀胱癌、脳癌、乳癌、大腸癌、子宮頸癌、胃腸癌、泌尿生殖器癌、頭頚部癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、皮膚癌、及び精巣癌が挙げられる。更なる例として、肛門、胆管、骨、骨髄、腸(結腸及び直腸を含む)、目、胆嚢、腎臓、口、喉頭、食道、胃、睾丸、頚、中皮腫、神経内分泌、陰茎、皮膚、脊髄、甲状腺、膣、外陰、子宮、肝臓、筋、血球(リンパ球及び他の免疫系細胞を含む)の癌及び/又は腫瘍が挙げられる。本明細書に記載の化合物及び組成物によって治療できる癌の更なる例として、癌腫、カポジ肉腫、黒色腫、中皮腫、軟部組織肉腫、膵癌、肺癌、白血病(急性リンパ芽球性、急性骨髄性、慢性リンパ性、慢性骨髄性など)、及びリンパ腫(ホジキン及び非ホジキン)、並びに多発性骨髄腫が挙げられる。開示される化合物によって治療可能な癌の更なる例は、p53癌であり、例えば、カーゴ部分が配列番号156、例えば、配列番号166及び配列番号167、である化合物を使用することによってなされる。
本明細書に記載の癌の治療又は防止の方法は、1つ以上の追加の手段(例えば、抗癌剤又は電離放射線)による治療を更に含むことができる。1つ以上の追加の手段並びに本明細書に記載されるような化合物及び組成物又はその薬学的に許容される塩は、同時投与、並びに最大で数日離れた時間的に間隔のある順序を含む任意の順序で投与され得る。方法は、1つ以上の追加の手段並びに/又は本明細書に記載されるような化合物及び組成物若しくはその薬学的に許容される塩の複数回の投与も含み得る。1つ以上の追加の手段並びに本明細書に記載されるような化合物及び組成物又はその薬学的に許容される塩の投与は、同じ又は異なる経路によって可能である。1つ以上の追加の手段を使用して治療する際、本明細書に記載されるような化合物及び組成物又はその薬学的に許容される塩を、1つ以上の追加の手段を含む医薬組成物に混ぜ合わせることができる。
例えば、本明細書に記載される化合物又は組成物又はその薬学的に許容される塩は、追加の抗癌剤と共に薬学的組成物に組み合わせることができる。
本明細書で開示される化合物を、単独又は他の抗癌剤若しくは抗ウイルス薬(ガンシクロビル、アジドチミジン(AZT)、ラミブジン(3TC)、など)との組み合わせで使用して、細胞形質転換の原因となり得るウイルスに感染している患者を治療する、及び/又は細胞内のウイルスゲノムの存在と関連する腫瘍若しくは癌を有する患者を治療することもできる。本明細書で開示される化合物を、腫瘍性疾患のウイルスに基づく治療と組み合わせて使用することもできる。
また、本明細書に記載されるのは、被検体において腫瘍の成長を抑制する方法である。方法は、本明細書に記載されるように化合物又は組成物の治療有効量を腫瘍に接触させることを含み、治療有効量の電離放射線によって腫瘍に照射する工程を任意選択で含む。更に、腫瘍の放射線療法の方法が本明細書に提供される。方法は、本明細書に記載されるように化合物又は組成物の治療有効量を腫瘍に接触させることと、治療有効量の電離放射線によって腫瘍に照射することと、を含む。本明細書で使用するとき、電離放射線という用語は、十分なエネルギーを有するか、又はイオン化を発生させる核相互作用を介して十分なエネルギーを生じ得る粒子若しくは光子を含む放射線を指す。電離放射線の例は、x線放射である。電離放射線の治療有効量は、本明細書に記載の化合物と組み合わせて投与した場合、細胞損傷又は細胞死の増加を生じる電離放射線の線量を指す。電離放射線は、放射性標識抗体及び放射性同位元素を投与することを含む、当該技術分野において周知の方法に従って送達され得る。
本明細書に記載されるとおりの方法及び化合物は、予防的処置及び治療的処置の両方に有用である。本明細書で使用するとき、治療又は治療という用語は、予防、発症の遅れ、発症後の徴候又は症状の悪化、根絶、又は遅延、並びに再発の予防、を含む。予防的な使用のために、本明細書に記載されるような化合物及び組成物又はその薬学的に許容される塩の治療上有効量は、発症前(例えば、癌の明らかな兆候の前)、発症初期の間(例えば、癌の初期兆候及び症状時)、又は癌の発症が確定した後、被体に投与する。予防投与は、感染症の症状が現れる前の数日から数年間にわたって実施することができる。予防的投与は、例えば、前癌性病変を示す被験体の化学予防療法において、早期の悪性疾患と診断された人々、及び特定の癌に対する感染しやすいサブグループ(例えば、家族、人種、及び/又は職業)に対して使用することができる。治療的処置は、癌が診断された後に、本明細書に記載されるような化合物及び組成物又はその薬学的に許容される塩の治療上有効量を被検体に投与することを伴う。
被験体における癌又は腫瘍の治療、予防、又は寛解を治療する方法のいくつかの例では、被験体に投与される化合物又は組成物は、Ras(例えば、K−Ras)、PTP1B、Pin1、Grb2 SH2、又はそれらの組み合わせに対する阻害剤として作用し得る標的部分を含む得る治療部分を含むことができる。
開示される主題はまた、代謝障害又は病状を有する被験体を治療するための方法に関する。一実施形態では、本明細書に開示される1つ以上の化合物又は組成物の有効量は、代謝障害を有し、かつその治療を必要とする被験体に投与される。いくつかの例では、代謝障害は、II型糖尿病を含むことができる。被験体における代謝障害の治療、予防、又は寛解を治療する方法のいくつかの例では、被験体に投与される化合物又は組成物は、PTP1Bに対する阻害剤として作用し得る標的部分を含み得る治療部分を含むことができる。この方法の特定の一例では、被験体は肥満であり、本方法は、本明細書に開示される組成物を投与することによって肥満の被験体を治療することを含む。
開示される主題はまた、免疫障害又は病状を有する被験体を治療するための方法に関する。一実施形態では、本明細書に開示される1つ以上の化合物又は組成物の有効量は、免疫障害を有し、かつその治療を必要とする被験体に投与される。被験体における免疫障害の治療、予防、又は寛解を治療する方法のいくつかの例では、被験体に投与される化合物又は組成物は、Pin1に対する阻害剤として作用し得る標的部分を含み得る治療部分を含むことができる。
開示される主題はまた、嚢胞性線維症を有する被験体を治療するための方法に関する。一実施形態では、本明細書に開示される1つ以上の化合物又は組成物の有効量は、嚢胞性線維症を有し、かつその治療を必要とする被験体に投与される。被験体における嚢胞性線維症を治療する方法のいくつかの例では、被験体に投与される化合物又は組成物は、CAL PDZに対する阻害剤として作用し得る標的部分を含み得る治療部分を含むことができる。
組成物、処方及び投与方法
開示した化合物、及びそれらを含む組成物の生体内適用は、現在又は将来を見越して当業者に周知の任意の好適な方法及び技術によって達成され得る。例えば、開示した化合物は、生理学的に又は薬学的に許容される形態で処方され、当該技術分野において周知の任意の好適な経路(例えば、経口、鼻、直腸、局所性、及び非経口の投与経路)によって投与され得る。本明細書で使用するとき、非経口という用語は、注射によるなどの、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、腹腔内及び胸骨内の投与を含む。開示した化合物又は組成物の投与は、当業者によって容易に決定され得るような単回投与、又は連続若しくは別個の間隔であり得る。
本明細書で開示した化合物及びそれらを含む組成物はまた、リポソーム技術、持続放出性カプセル、埋め込み型ポンプ、及び生分解性容器を使用して投与することもできる。これらの送達方法は、有利なことに、長期間にわたって均一の用量を提供することができる。化合物はまた、それらの塩誘導体の形態又は結晶質形態で投与することもできる。
本明細書で開示した化合物は、薬学的に許容される組成物を調製するための既知の方法に従って処方され得る。処方は、当業者に既知であり、かつ容易に入手できる多数の情報源に詳細に説明されている。例えば、E.W.Martin(1995)によるRemington’s Pharmaceutical Scienceは、開示される方法に関連して使用することができる製剤を記載している。一般に、本明細書で開示した化合物は、化合物の有効な投与を容易にするために化合物の治療有効量を好適な担体と組み合わせるように処方することができる。使用される組成物はまた、様々な形態であり得る。これらには、例えば、固体、半固体、及び液体剤形(例えば錠剤、ピル、粉末、液体溶液又は懸濁液、座薬、注射可能及び注入可能溶液、並びにスプレー)を含む。好ましい形態は、意図した投与方法及び治療適用例に応じて異なる。組成物は、好ましくは、当業者に周知の従来の薬学的に許容される担体及び希釈剤も含む。化合物と共に使用するための担体及び希釈剤の例として、エタノール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、アルミナ、デンプン、生理食塩水、並びに同等の担体及び希釈剤が挙げられる。所望の治療的処置のためにかかる用量の投与をもたらすため、本明細書に開示される組成物は、有利には、担体又は希釈剤を含む組成物の総重量に基づき、合計量約0.1重量%〜100重量%の1つ以上の対象の化合物を含んでよい。
投与に好適な処方は、例えば、抗酸化剤、緩衝液、制菌剤、及び処方を意図したレシピエントの血液と等張にする溶質を含み得る水性無菌注射液、並びに懸濁化剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性無菌懸濁液が挙げられる。処方は、単回投与容器又は複数回投与容器、例えば密封したアンプル及びバイアル瓶に入れて提供することができ、例えば、使用前に注射用の水など無菌液体担体の条件のみが必要なフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵することができる。即時の注射溶液及び懸濁液は、無菌粉末、顆粒、錠剤などから調製され得る。特定の上述した賦形剤に加えて、本明細書で開示した組成物は、議論されている処方のタイプを考慮して従来の当該技術分野の他の薬剤を含めることができることを理解されたい。
本明細書で開示した組成物は、及びそれらを含む組成物は、細胞に直接接触することによって、又は担持手段を介して細胞に送達され得る。化合物及び組成物を細胞に送達するための担持手段は、当該技術分野において周知であり、例えば、リポソーム部分に組成物を封入することを含む。細胞への本明細書で開示した化合物及び組成物の送達の別の手段は、標的細胞に送達するために標的となるたんぱく質又は核酸に化合物を付着させることを含む。米国特許第6,960,648号、並びに米国特許出願公開第20030032594号及び同第20020120100号は、別の組成物に結合され得、及び組成物が生体膜を横断して移動することを可能にするアミノ酸配列を開示している。米国特許出願公開第20020035243号はまた、細胞内送達のために細胞膜を横断して生物学的部分を移送する組成物について説明している。化合物はまた、ポリマーに組み込むこともでき、その例としては、頭蓋内腫瘍用のポリ(D−Lラクチド−コ−グリコリド)ポリマー、ポリ[ビス(p−カルボキシフェノキシ)プロパン、セバシン酸]20:80モル比(GLIADELで使用)、コンドロイチン、キチン及びキトサンが挙げられる。
腫瘍障害の治療のために、本明細書で開示した化合物を、治療を必要とする患者に他の抗腫瘍若しくは抗癌物質と、並びに/又は放射線及び/若しくは光動療法と、並びに/又は外科療法と組み合わせて投与して腫瘍を除去することができる。これらの他の物質又は治療は、本明細書で開示した化合物と同時又は異なるときに提供され得る。例えば、本明細書で開示した化合物は、タキソール若しくはビンブラスチンなどの有糸分裂阻害剤、シクロホスアミド若しくはイホスファミドなどのアルキル化剤、5−フルオロウラシル若しくはヒドロキシウレアなどの代謝拮抗薬、アドリアマイシン若しくはブレオマイシンなどのDNAインターカレータ、エトポシド若しくはカンプトテシンなどのトポイソメラーゼ阻害薬、アンギオスタチンなどの抗血管新生薬、タモキシフェンなどの抗エストロゲン薬、並びに/又は他の抗癌剤若しくは抗体、それぞれ例えば、GLEEVEC(Novartis Pharmaceuticals Corporation)及びHERCEPTIN(Genentech,Inc.)、又はイピリムマブ及びボルテゾミブなどの免疫治療薬と組み合わせて使用され得る。
特定の例において、本明細書で開示した化合物及び組成物は、所望により不活性希釈剤などの薬学的に許容される担体と組み合わせて、望まない細胞成長の部位など(腫瘍部位又は良性皮膚成長、例えば、腫瘍又は皮膚成長に注射又は局所に適用される)、1つ以上の解剖学的部位に局所的に投与され得る。本明細書で開示した化合物及び組成物は、所望により不活性希釈剤などの薬学的に許容される担体、又は経口送達用の吸収可能な食用の担体と組み合わせて全身投与され得る(例えば、静脈内又は経口的に)。それら化合物及び組成物は、ハード若しくはソフトシェルゼラチンカプセル内に密閉され得、錠剤に圧縮され得、又は患者の治療食の食物に直接組み込まれ得る。経口治療的投与に関して、活性化合物は、1つ以上の賦形剤と組み合わされ、摂取可能錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤、ウェハ、エアゾールスプレーなどの形態で使用され得る。
開示される組成物は、生物学的に利用可能であり、経口的に送達することができる。口腔用組成物は、錠剤、トローチ、丸薬、カプセルなどとすることができ、かつ以下を含有することができ、トラガカントガム、アカシア、トウモロコシデンプン又はゼラチンなどの結合剤、リン酸二カルシウムなどの賦形剤、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、及びスクロース、フルクトース、ラクトース若しくはアスパルテームなどの甘味剤、又はペパーミント、冬緑油、又はチェリー風味付与剤などの風味剤を添加することができる。単位剤形がカプセルであるとき、上記タイプの物質に加えて植物油又はポリエチレングリコールなどの液体担体を含むことができる。様々な他の物質は、コーティングとして存在し得、ないしは別の方法で固形単位剤形の物理形態を変更することができる。例えば、錠剤、ピル、又はカプセルは、ゼラチン、ワックス、セラック、又は糖などでコーティングされ得る。シロップ剤又はエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤として、スクロース又はフルクトース、保存剤としてメチル及びプロピルパラベン、チェリー又はオレンジ香料などの染料及び香料を含むことができる。当然のことながら、任意の単位剤形を調製する際に使用される任意の物質は、薬学的に許容される及び使用される量において実質的に非毒性である必要がある。加えて、活性化合物は、持続放出性の調整物及びデバイスに組み込まれ得る。
薬学的に許容される塩又はプロドラッグを含む、本明細書で開示した化合物及び組成物は、注入又は注射によって静脈内、筋肉内、又は腹腔内に投与され得る。活性剤又はその塩の溶液は、水で調製され得、所望により非中毒性の界面活性剤と混合され得る。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、及びそれらの混合物で、並びに油で調製することもできる。通常の保存及び使用条件の下では、これらの調製物は、保存剤を含んで微生物の増殖を防ぐことができる。
注射又は注入に好適な薬学的剤形は、活性成分を含む無菌水溶液又は分散液又は無菌粉末を含み得、それは無菌の注射可能又は注入可能な溶液又は分散液のその場での調製に適合し、必要に応じてリポソームに封入される。最終剤形は、無菌で液性かつ、製造及び保存条件の下で安定である必要がある。液体担体又は賦形剤は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、非中毒性グリセリルエステル、及びそれらの好適な混合物を含む溶媒又は液体の分散液媒質であり得る。適切な流動性は、例えば、リポソームの形成によって、分散液の場合に必要な粒径の維持により、又は界面活性剤の使用により、維持され得る。必要に応じて、微生物の活動の防止は、様々な他の抗菌薬及び抗真菌薬、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって徐々にもたらされ得る。多くの場合に、等張化剤、例えば、糖、緩衝剤、又は塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射可能な組成物の持続的吸収は、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなど吸収を遅延させる薬剤の封入によって徐々にもたらされ得る。
無菌の注射可能な溶液は、適切な溶媒に本明細書で開示した化合物及び/又は薬剤を必要な量で、必要に応じて上に列挙した様々な他の成分と組み入れて、続けて濾過滅菌することによって、調製される。無菌注射剤を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、予め無菌濾過した溶液中に存在する活性成分及び任意の所望の追加成分の粉末を得る、真空乾燥及び凍結乾燥技術である。
局所投与には、本明細書で開示した化合物及び薬剤は、液体又は固体として適用され得る。しかしながら、固形又は液体であり得る皮膚科学的に許容可能な担体と組み合わせて組成物として皮膚に局所的に投与することが一般に望ましいであろう。本明細書で開示した化合物及び薬剤及び組成物は、被検体の皮膚に局所的に適用して、悪性又は良性の腫瘍の大きさを縮小することができる(また完全に除去することを含み得る)、又は感染部位を治療することができる。本明細書で開示した化合物及び薬剤は、腫瘍又は感染部位に直接適用することができる。好ましくは、化合物及び薬剤は、軟膏、クリーム、ローション、溶液、チンキ剤などの製剤で腫瘍又は感染部位に適用される。
有用な固体担体として、タルク、粘度、微結晶セルロース、シリカ、アルミナなどの超微粒子状固体が挙げられる。有用な液体担体として、必要に応じて非中毒性界面活性剤の補助を用いて化合物が有効な濃度で溶解又は分散され得る、水、アルコール、若しくはグリコール又は水−アルコール/グリコールブレンドが挙げられる。香料及び追加の抗菌剤などの補助剤を追加して、所与の使用のために特性を最適化することができる。結果として得られる液体組成物は、包帯及び他の包帯剤を含浸するのに使用される吸収パッドから適用され得るか、又は、例えば、ポンプ型又はエアゾールスプレーを使用して患部にスプレーされ得る。
合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩及びエステル、脂肪族アルコール、変性セルロース又は変性ミネラル材料などの増粘剤はまた、ユーザーの皮膚に直接適用するための軟らかいペースト、ジェル、軟膏、石鹸などを形成するために液体担体と共に使用され得る。
本明細書で開示した化合物及び薬剤及び医薬組成物の有用な用量は、動物モデルで生体外活性、及び生体内活性を比較することによって決定され得る。マウス及び他の動物における有効な用量のヒトへの外挿方法は、当該技術分野において周知である。
組成物の投与用量範囲は、症状又は疾患が影響を受ける所望の効果を生じるほど大きいものである。用量は、望ましくない交差反応、アナフィラキシー反応などの有害な副作用を引き起こすほど大きくあるべきではない。一般に、用量は、年齢、状態、性別、及び患者の疾患の程度と共に変動し、当業者によって判定することができる。用量は、いずれかの禁忌がある場合には、個々の医師によって調整することができる。用量は、変更することができ、毎日、1日又は数日間、1つ以上の用量の投与において投与することができる。
また、開示されるのは、薬学的に許容される賦形剤と組み合わせた本明細書で開示された化合物を含む薬学的組成物である。ある量の化合物を含む、経口、局所、又は非経口投与に適した医薬組成物は、好ましい態様を構成する。患者、特にヒトに投与される用量は、致死毒性を持たずに、好ましくは副作用又は罹患率の許容できるレベルを超えないで、妥当な時間枠にわたって患者において治療的反応を得るのに十分であるべきである。当業者は、用量が、被検体の状態(健康)、被検体の体重、併用治療の種類、存在する場合は、治療の頻度、治療可能比、並びに病的状態の程度及び段階を含む様々な因子に依存することを認識するであろう。
また、開示されるのは、1つ以上の容器内に本明細書で開示した化合物を含むキットである。開示したキットは、所望により薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤を含み得る。1つの実施例において、キットは、本明細書に記載されるように1つ以上の他の構成要素、添加剤、又は補助剤を含む。別の実施例において、キットは、本明細書に記載した薬剤など1つ以上の抗癌剤を含む。1つの実施例において、キットは、キットの化合物又は組成物の投与方法を説明する使用説明書又は包装材料を含む。キットの容器は、任意の好適な材料(例えば、ガラス、プラスチック金属など)、及び任意の好適な寸法、形状、又は構成であり得る。1つの実施例において、本明細書で開示された化合物及び/又は薬剤は、錠剤、ピル、又は粉末形状などの固体としてキットで提供される。別の実施例において、本明細書で開示された化合物及び/又は薬剤は、液体又は溶液としてキットで提供される。1つの実施例において、キットは、本明細書に開示した化合物及び/又は薬剤を液体又は溶液の形態で含むアンプル又は注射器を含む。
本発明のいくつかの実施形態について説明されている。それでもなお、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく種々の修正を加えてもよいことが理解される。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。
以下の実施例は、本明細書において特許請求の範囲に記載された化合物、組成物、物品、デバイス、及び/又は方法をどのように製造及び評価するかの完全な開示及び記載を当業者に提供するために示され、純粋に例示的であることが意図され、開示を制限することを意図しない。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、開示される特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、同様の又は類似の結果を得ることができることを理解するであろう。
数字(例えば、量、温度など)に関して精度を保証する努力がなされたが、ある程度の誤差及び偏差を考慮するものとする。別途記載のない限り、部は重量部であり、温度は℃単位であり、又は周囲温度であり、圧力は大気又はほぼ大気の圧力である。
実施例1.二環化母核の合成。
ペプチド合成用試薬は、Chem−Impex(Wood Dale,IL)、NovaBiochem(La Jolla,CA)、又はAnaspec(San Jose,CA)から購入した。Rinkアミド樹脂LS(100〜200メッシュ、0.2 mmol/g)は、Advanced ChemTech.から購入した。細胞培養培地、ウシ胎児血清、ペニシリン−ストレプトマイシン、0.25%トリプシン−EDTA、及びDPBSをInvitrogen(Carlsbad,CA)から購入した。メチル3,5−ジメチルベンゾイレート、N−ブロモスクシンイミド、ジエチルホスファイト、2,2’−ジピリジルジスルフィド、及び他の有機試薬/溶媒をSigma−Aldrich(St.Louis,MO)から購入した。抗GST−Tb及びストレプトアビジン−d2は、Cisbio(Bedford,MA)から購入した。NF−κBレポータ(Luc)−HEK293細胞株及びOne−Step(登録商標)ルシフェラーゼ分析システムをBPS Bioscience(San Diego,CA)から購入した。
Figure 2020502051
スキーム2.二環化母核の合成。
メチル3、5−ビス(ブロモメチル)ベンゾエートの合成。二環化母核の合成計画全体をスキーム2に示す。四塩化炭素(20mL、窒素スパージ)にメチル3,5−ジメチルベンゾエート(2.0g、12.2mmol)を入れた50mLの丸底フラスコに、N−−ブロモスクシンイミド(4.25g、23.9mmol)及び過酸化ベンゾイル(約60mg)を開始剤として添加した。反応物を窒素雰囲気下で3時間還流させた。反応混合物を冷却し、濾過した。濾液を水(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を石油エーテル中で再結晶化させて、30%収量の標題化合物(1.2g、3.8mmol)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ 7.99(s,2H),7.62(s,1H),4.50(s,4H),3.94(s,3H).
3,5−ビス((アセチルチオ)メチル)ベンゾエートの合成。上記の粗メチル3,5−ビス(ブロモメチル)ベンゾエート(1.0g、3.1mmol)を上から投入した50mLの丸底フラスコに、アセトン(20mL)及びチオアセテートカリウム(0.86g、7.52mmol)を添加した。反応物を窒素雰囲気下で3時間還流させ、冷却させた。反応物をクエンチするために20mLの水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をMgSOで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、0.72gの橙褐色の固体を得た(収率74.2%)。H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.83(s,2H),7.41(s,1H),4.12(s,4H),3.90(s,3H),2.36(s,6H)。
3,5−ビス((ピリジン−2−イルジスルファニル)メチル)安息香酸の合成。窒素雰囲気下の50mL丸底フラスコに、メチル3,5−ビス((アセチルチオ)メチル)ベンゾエート(0.5g、1.6mmol)をMeOH(15mL)に溶解した。HO(3mL)中NaOH(832mg、20.8mmol)の溶液を添加し、反応物を室温で一晩反応させた。反応溶液をAcOH(2.38mL、41.6mmol)で酸性化し、2、2−ジピリジルジスルフィド(1.41g、6.4mmol)を添加した。反応混合物を濾過して、形成された橙色の沈殿物を除去し、室温で1時間撹拌した。反応が完了した後、メタノールを減圧下で蒸発させて除去し、残留物をシリカゲルカラム上に迅速に充填した。カラムをヘキサン中20%〜50% EtOAcで最初に溶出して、任意の低極性種を除去した後、所望の生成物を1%AcOHを含有するヘキサン中1:1(v/v)EtOAcで溶出した。溶媒の蒸発により、茶色の固体が得られた(222mg、2工程にわたって収率32%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.43(m,2H),7.83(s,2H),7.53〜7.43(m,5H),7.04(m,2H),3.97(s,4H)。HRMS(ESI+):C1917(M+H)の計算値(M+H+):433.0173;実測値:433.0176.
実施例2.二環式ペプチドの合成
ペプチド調製及び特性評価。標準Fmoc化学を用いて、Rinkアミド樹脂LS(0.2mmol/g)でペプチドを合成した。典型的なカップリング反応には、5当量のFmocアミノ酸、5当量の2−(7アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、及び10当量のジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を含有し、穏やかに混合しながら45分間進行させた。ペプチドを脱保護し、90:2.5:2.5:2.5:2.5(v/v)TFA/1,2−エタンジチオール/水/フェノール/トリイソプロピルシラン(TIPS)で2回処理することにより、ペプチドを脱保護し、樹脂から放出した。ペプチドをコールドエチルエーテル(3x)で粉砕し、C18カラムを備えた逆相HPLCにより精製した。300μLの1:1:1DMSO/DMF/150mM重炭酸ナトリウム(pH8.5)中に精製ペプチド(各々が約1mg)を溶解し、DMSO(100mg/mL)中の10μLのFITCと混合することにより、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)によるペプチドラベリングを行った。室温で20分後、反応混合物を逆相HPLCによって再度精製して、FITC標識ペプチドを単離した。
ジスルフィド介在二環式ペプチドを合成するために、2つのAcm保護されたCys残基を含有する対応する直鎖ペプチドを、標準Fmoc/HATU化学物質を使用して最初に調製した。2Mの水銀(II)アセテートを用いて、DMF中で一晩処理することによって、Acm基を除去した。次いで、樹脂をDMF中の20% β−メルカプトエタノール中で2時間(2回)インキュベートして、遊離チオールを放出した。DMFで徹底的に洗浄して全ての還元剤を除去した後、樹脂を、1%(v/v)酢酸を含有するメタノール中、3,5−ビス((ピリジン−2−イルジスルファニル)メチル)安息香酸の1当量と一晩インキュベートした。樹脂の小部分を除去し、MALDI−TOF MSによって脱保護/放出されたペプチド生成物を分析することによって、反応の進行をモニタした。ペプチド脱保護及び放出は、樹脂を85:10:2.5:2.5(v/v)TFA/DCM/水/TIPSで2時間処理した後、上述のエーテル粉砕及びHPLC精製(図5A)を用いて実現した。この作業で使用した最終ペプチドの全ては、分析HPLC(図5B及び図7)によって判定されるように、≧95%純度を有した。ペプチドの真正性は、MALDI−TOF MS分析によって確認された。生物学的活性ペプチド4を更に特徴付けるために、ペプチドをHO/DO(9:1、500μL、最終サンプル濃度2mM)に溶解した。NMRスペクトルを、298KでBruker Ascend 700 MHz分光計に記録した。
実施例3.細胞系分析
細胞培養。HeLa細胞を、DMEM、10%ウシ胎児血清(FBS)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンからなる培地で維持した。NF−κBレポータ(Luc)−HEK293細胞を、DMEM、10% FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、及び100μg/mLのヒグロマイシンB細胞からなる培地中で維持した。細胞は、5%CO2の存在下、37℃の加湿インキュベータ中で培養した。
タンパク質発現及び精製。大腸菌BL21(DE3)細胞をpGEX4T3−GST−NEMO(1〜196)プラスミドで形質転換し、0.05mg/mLのアンピシリンを添加したルリアブロス中で、0.4のOD600に37℃で増殖させた。イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(150μM最終濃度)を添加することにより、発現を誘導した。30℃で5時間後、遠心分離により細胞を回収した。細胞ペレットを、40mLの溶解緩衝液(50mM Tris−HCl、100mM NaCl、0.5mM MgCl、5mMβメルカプトエタノール、0.1% Trititon X−100、pH8.0)、100μg/mLリゾチーム、100μl DNAse I(New England BioLabs)、及び100μlのHalt Protease Inhibitor Cocktail(EDTA−free)(Thermo Scientific)に懸濁させた。この混合物を4℃で30分間撹拌し、短時間超音波処理した(2×10秒パルス)。粗溶解物を遠心分離して透明な上清を得、これをグルタチオンセファロース4Bカラム(GE Healthcare)上に直接充填した。結合タンパク質を、50mM Tris−HCl(pH8.0)(40mL)中10mMのグルタチオンを用いてカラムから溶出し、Amicon Ultra−15遠心濾過ユニット(MWCO 10KDA)を使用して0.5mLに濃縮し、PBS(2.67mM塩化カリウム、1.47mMリン酸カリウム一塩基性、137mM塩化ナトリウム、及び8.06 mMリン酸ナトリウム二塩基)に対して透析した。GSTタグを含まないNEMOを生成するために、タンパク質を、濃縮の前に4℃で16時間、トロンビン(GE Healthcare)で処理した。タンパク質濃度は、標準としてウシ血清アルブミンを有するBradford分析を用いて決定した。タンパク質を迅速に凍結させ、−80℃で保存した。
N末端6−ヒスチジンタグ、チオオレドキシン、TEVプロテアーゼ切断部位、及びK703R/K704R変異体形態のIKKβC末端断片(アミノ酸701〜745)[His−thx−IKKβKK/RR(701〜745)]を含有する融合タンパク質をコードする遺伝子操作された原核生物発現プラスミドpJCC04a、1が、Dr.Maria Pellegrini(Dartmouth College)により提供された。His−thx−IKKβKK/RR(701〜745)を大腸菌BL21(DE3)細胞で同様に発現させ、HisTrap FFカラム(GE Healthcare)を使用してアフィニティクロマトグラフィにより精製した。融合タンパク質を、50mM Tris−HCl(pH8.0)、300mM NaCl、250mMのイマジゾール、2mM βメルカプトエタノールで溶出し、TEVプロテアーゼ(1mgの融合タンパク質の150単位)で4℃で16時間処理して、チオレドキシン(THX)を除去した。得られたプロテアーゼ消化混合物をHisTrapカラムに再充填した。フロースルー画分を回収し、Amicon Ultra−15遠心濾過ユニット(MWCO 10kDa)を使用して、約2mg/mLに濃縮した。IKKβKK/RR(701〜745)タンパク質を、4℃で一晩、10倍モル過剰のビオチン−NHSで処理することによってビオチン化した。ビオチン化IKKβKK/RR(701〜745)を、C18カラムを備えた逆相HPLCによって精製し、約80℃で凍結保存した。
フローサイトメトリ。HeLa細胞を、6ウェルプレート(ウェル当たり5×10個の細胞)中で24h培養した。実験日に、細胞を、5μM FITC標識ペプチドと共に、5M FITC標識ペプチドと共に、37℃で2時間インキュベートした。細胞をDPBSで洗浄し、0.25%トリプシンを有するプレートから分離し、10% FBSを含有する透明なDMEMに希釈し、250gで5分間ペレット化し、DPBSで1回洗浄し、1%ウシ血清アルブミンを含有するDPBS中で再懸濁し、BD LSR IIフローサイトメータで分析した。データをFlowjoソフトウェア(Tree Star)で分析した。
血清安定性試験。安定性試験は、事前に報告された手順2を修正することによって実施した。希釈ヒト血清(25%)を15,000rpmで10分間遠心分離し、上清を回収した。ペプチド原液を上清中に5μMの最終濃度まで希釈し、37℃でインキュベートした。様々な時点(0〜20時間)で、200μLのアリコートを回収し、50μLの15%トリクロロ酢酸及び200μLのアセトニトリルと混合し、混合物を4℃で一晩インキュベートした。最終混合物をマイクロ遠心分離器で15,000rpmで10分間遠心分離し、分析用C18カラム(Waters)を備えた逆相HPLCによって上清を分析した。残存ペプチドの量(時間ゼロ対照に対して%)は、ペプチドピークの下の領域(214nmでモニタ)を積分することによって決定した。
HTRF分析。組換えGST−NEMO(30nM)、ビオチン−IKKβKK/RR(701〜745)(50nM)、d2受容体で標識化されたストレプトアビジン(2.5μg/mL)、Tbドナー(2.5μg/mL)で標識化された抗GSTモノクローナル抗体、及び様々な濃度のペプチド(0〜100μM)を、384ウェルプレート中に5mMのTCEP及び0.01% Triton X−100(総体積20μL)を含有するPBS中で混合した。プレートを室温で2時間インキュベートした。HTRF信号は、Tecan無限M1000 Proマイクロプレートリーダ上で測定し、ペプチド濃度の関数としてプロットした。GraphPad Prism 6.0を使用してデータを分析し、用量反応阻害曲線にデータをフィッティングすることによってIC50値を得た。
NF−κBルシフェラーゼ分析。NF−κBレポータ(Luc)−HEK293細胞を、96ウェルの45μLの分析培地(DMEM、10% FBS、及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン、ウェル当たり〜1500細胞)に播種し、一晩培養した。分析培地中の5μLのNEMO阻害剤を細胞に加え、細胞を2時間インキュベートした。5Lの分析培地中の2組換えTNFαを5μng/mLの最終濃度でウェルに添加した。4時間のインキュベーション後、55μLのONE−Stepルシフェラーゼ分析試薬を各ウェルに添加した。Tecan Infinite M1000 Proマイクロプレートリーダを使用して、10分間インキュベートした後、発光を測定した。TNFα非刺激及び刺激細胞のルシフェラーゼ活性を、それぞれ、それぞれ、AA−及びAU+として記録した。異なる濃度のNEMO阻害剤でインキュベートした後のTNFα刺激細胞のルシフェラーゼ活性をAUpepとして記録した。NF−κBシグナル伝達活性化の阻害は、以下の式に基づいてルシフェラーゼ活性誘導の割合によって計算される。
TNFα活性化の阻害(%)=(AUpep−AU)/(AU−AU)×100%
結果。可逆的な二環化方法の有効性を試験するために、CPPモチーフ(RRRRΦF(配列番号68)又はFΦRRRR(配列番号69)及びモックカーゴモチーフ(SASAS(配列番号156))を含む2つのモデルペプチドが設計され、そのN末端又はC末端(表6、詳細構造のペプチド2及び3、図3)に融合されている。2つのシステイン残基もまた、後の環化のために配列に組み込まれ、CPPとカーゴモチーフとの間の接合部、及びC末端で1つである。直鎖ペプチドは、Rinkアミド樹脂上の標準Fmoc固相ペプチド合成(SPPS)化学により合成した(スキーム1)。2つのシステイン側鎖上のアセトアミドメチル(Acm)基を、Hg(OAc)2で処理することによって選択的に除去し、次いで、露出した遊離チオールを3,5−ビス((ピリジン−2−イルジスルファニル)メチル)安息香酸と反応させ、これを市販の出発物質から容易に調製した(スキーム2)。システイン側鎖と3,5−ビス(メルカプトメチル)安息香酸(BMB)母核の間の2つのジスルフィド結合の形成は、ペプチドの環化をもたらした。次に、1,8ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)によってN末端Fmoc基を除去し、BMBのカルボン酸基とN末端アミンの間にラクタムを形成することによってペプチドを二環化した(スキーム1)。その構造対称性がジスルフィド交換反応後に単一の二環式生成物が形成されることを確実にするので、BMBは、母核として理想的に適している。加えて、母核の剛性は、任意の分子内ジスルフィド結合の形成を防止し、母核の合成及びシステイン含有ペプチドのその反応の両方を単純化する。
それらの細胞取り込みをモニタするために、ペプチド2及び3は、C末端リジンの側鎖上のフルオレセインイソチオシアネート(FITC)で標識した。5μMペプチドcFΦR(配列番号72)、2及び3を2時間処理したHeLa細胞のフローサイトメトリ分析は、それぞれ、3020、5180、及び4100の平均蛍光強度(MFI)値を示した(図1A)。したがって、二環式ペプチド2及び3は、cFΦRよりも、それぞれ、72%及び36%高い効率を有するHeLa細胞に侵入した(配列番号72)。
可逆的な二環化方法を適用して、NEMO−IKK相互作用に対する細胞膜透過性の生物学的活性ペプチジル阻害剤を生成した。そのインビボ有効性にもかかわらず、直鎖Antp−NBDペプチドは、血清中での急速なタンパク質分解分解(t1/2〜15分)のために、薬動態が乏しくなっている。Antp−NBDの、立体配座的に拘束された二環構造への変換は、そのタンパク質分解安定性を実質的に増加させることが想定された。CPPモチーフRRRRΦF(配列番号68)は、NBDのN末端に融合させ、N末端及びC末端のスレオニン残基を2つのシステインと置き換えた(表6、ペプチド4、図4、詳細構造(配列番号216)。ペプチド融合体を、上記の2つのジスルフィド結合を介してBMB母核の周囲で二環化して、主要な生成物として二環式ペプチド4を得た(図5A)。対照として、ペプチド4と構造的に類似しているが、2つのTrp残基の代わりに2つのAla残基を含有するペプチド5(詳細構造の図4)も調製した。Trp残基をアラニンで置換することは、NEMO結合をほとんど無効にすることが以前に示された(M.J.May,et al.,Science 2000,289,1550)。
Figure 2020502051
スキーム1.ジスルフィド介在二環式ペプチドの固相合成
ペプチド4及び5を、それらのC末端に添加されたリジンの側鎖にFITCで標識し、フローサイトメトリによってそれらの細胞侵入を評価した。両ペプチドは、HeLa細胞に効率的に侵入し、それぞれ、cFΦRのMFI値よりも3倍及び2倍高いMFI値を示した(図1A)。ペプチド4及び5のNEMO結合親和性は、均質な時間分解蛍光(HTRF)分析(M.Rushe,et al.,Structure 2008,16,798、Y.Gotoh,et al.,Anal.Biochem.2010,405,19)を使用して決定した。簡潔に言えば、蛍光ドナー(Tb)で標識された抗グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)抗体及び蛍光受容体(d2)で標識されたストレプトアビジンの存在下で、GST−NEMOのビオチン化IKKβフラグメント(アミノ酸701〜745)への結合(B.Gao,et al.,Biochemistry 2014,53,677)は、共鳴エネルギー移動をもたらす。NEMO阻害剤の添加は、NEMO−IKKβ相互作用を遮断し、HTRF信号を低減する。ペプチド4及び5中のジスルフィド結合を完全に低減することが予想される5mMトリス(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の存在下で、ペプチド4は、3.5±0.2μMの最大半値阻害濃度(IC50)値を有する、濃度依存的な方法でNEMO−IKKβ相互作用を阻害した(図1B)。同じ条件下で、Antp−NBDは、以前に報告された結合親和性と一致して、約50μMのIC50値を示した(M.Rushe,et al.,Structure 2008,16,798、Y.Gotoh,et al.,Anal.Biochem.2010,405,19)を使用して決定した。予想されるように、最大100μMのペプチド5は、相互作用のわずかな阻害のみを引き起こした。スレオニンの2つのシステイン残基の置換はNEMO結合親和性を有意に変化させなかった(図6)ため、Antp−NBDに対するペプチド4のNEMO結合の増強は、CPPモチーフのフェニルアラニン(RRRRΦF(配列番号68))とNEMOタンパク質表面との間の更なる相互作用によって引き起こされる可能性が高い。IKKβは、同じ位置にフェニルアラニンを含有する(Phe−734)。NEMO−IKKβ複合体の結晶構造は、Phe−734の側鎖がNEMO表面上の疎水性ポケット内に挿入されることを示す(同上)。したがって、ペプチド4中のフェニルアラニンは、細胞侵入及びNEMO結合の二重役割を果たす可能性が高い。
細胞内のNEMO−IKK相互作用を調節する二環式ペプチドの能力を、NF−κBのTNFα−誘導活性化をモニタすることによって評価した。NF−κBの制御下でルシフェラーゼレポータ遺伝子によりトランスフェクトされたHEK293細胞を、最初にペプチドの濃度を変えて2時間処理した後、TNFα(で処理した(M.J.May,et al.,Science 2000,289,1550、A.Gaurnier−Hausser,et al.,Clin.Cancer Res.2011,17,4661)。任意の阻害ペプチドが存在しない場合、5ng/mLのTNFαによる処理は、177任意単位(AU)〜715AUの基底準位からルシフェラーゼ活性を増加させた。ペプチド4は、IC50値が約20μM(図1C)で、用量依存的な方法でTNFα誘導ルシフェラーゼ活性を減少させた。対照的に、対照ペプチド5は、20μMでNF−κBシグナル伝達に有意な影響を及ぼさず、試験した最高濃度で約10%阻害をもたらした(40μM)。以前の報告(M.J.May,et al.,Science 2000,289,1550)、Antp−NBD(ペプチド1)はまた、濃度依存性阻害を引き起こしたが、140μMのIC50値を示した。細胞分析におけるAntp−NBDに対する二環式ペプチド4の効力が高いほど、改善された細胞侵入効率(図1A)及びより高いNEMO−結合親和性(図1B)の両方の結果である可能性が高い。5mMグルタチオンを用いた二環式ペプチド4の2時間のインビトロ処理は、ジスルフィド結合を完全に減少させ(図5B)、ペプチド2〜5は、サイトソール侵入時に完全に還元されるべきであることを示唆している。
最後に、ペプチド4及びAntp−NBDのタンパク質分解安定性を、様々な長さの時間にわたってヒト血清中のペプチドをインキュベートすることによって試験し、残存量の無傷ペプチドを分析HPLCにより定量した。比較のために、ペプチド4と同じ配列を有するが、そのCPPモチーフのみを環化した対照ペプチド(表6、ペプチド6)を合成した。これまでの報告(E.Jimi,et al.,Nat.Med.2004,10,617、S.Dai,et al.,J.Biol.Chem.2004,279,37219、W.Shibata,et al.,J.Immunol.2007,179,2681、S.H.Dave,et al.,J.Immunol.2007,179,7852、A.Gaurnier−Hausser,et al.,Clin.Cancer Res.2011,17,4661、J.M.Peterson,et al.,Mol.Med.2011,17,508、D.A.Delfin,et al.,J.Transl.Med.2011,9,68、D.P.Reay,et al.,Neurobiol.Dis.2011,43,598、J.N.Kornegay,et al.,Skelet.Muscle 2014,4,18、G.Habineza Ndikuyeze,et al.,PLoS One,2014,9,e95404)と一致して、Antp−NBDは、ヒト血清によって約15分の半減期を伴って急速に分解された(図1D)。対照的に、二環式ペプチド4は、約10時間の半減期を示し、ペプチドのうちの23%は、20時間の37℃でのインキュベーションインキュベーション後に無傷のままであった。単環式対照ペプチド6もまた、恐らく直鎖NBD配列のタンパク質分解に起因して、急速に分解した(約30分の半減期を伴って)。cFΦRのGln側鎖に結合した直鎖ペプチジルカーゴは、ヒト血清中で急速に分解されることが以前に示された(Z.Qian,et al.,Angew.Chem.Int.Ed.2015,54,5874、Angew.Chem.2015,127,5972)。
結論として、ペプチドを短いCPPモチーフと融合することと、及びジスルフィド結合を通じて、融合ペプチドを可逆的に環化することとによって、ペプチジルリガンドを哺乳動物細胞に効率的に送達するための単純な方法が開発されている。得られる二環式ペプチドは、大幅に増強された細胞取り込み、並びにタンパク質分解安定性を有する。この方法は、いかなる直鎖ペプチドにも適用可能であるはずである。
実施例4.サイトソール中の環状細胞膜透過ペプチドからペプチジルカーゴを放出する二環式ペプチドの合成
以下のスキーム2に示されるように、所望の環状CPPは、最初に、Fmoc/HATU化学物質を使用して標準固相ペプチド合成によって合成され、Lys(Mtt)リンカーを介して支持体に固定した。依然として樹脂上にある間、Mtt基は2% TFAで除去され、曝露されたLys側鎖は、HATUを使用することによってビス(メルカプトメチル)安息香酸母核に結合される。次いで、環状CPPを樹脂から切断し、TFAによって脱保護する。遊離チオールは、溶液(pH5)中のペプチドをジチオジピリジンと反応させて、CPP母核を生成することによって保護/活性化される。最後に、CPP母核及びチオール含有ペプチドをpH8の水性緩衝液中で単純に混合することにより、所望のCPPペプチドカーゴ接合体を調製する。
Figure 2020502051
スキーム2.ジスルフィド介在二環式ペプチドの固相合成
スキーム2に従って合成された様々な二環式ペプチド。具体的には、環状CPP12(FfФRrRr)を、Keap1−Nrf2(図10A)に対するペプチジル阻害剤、Pin1に対するペプチジル阻害剤(図11)、CAPZ CFTR(PDZ)相互作用に対するペプチジル阻害剤(図12A)、及びMDM2−p53相互作用(PMI)に対するペプチジル阻害剤(図13A)に接合させた。細胞取り込み効率を定量化するために、必要に応じて当該技術分野において既知の方法を用いて蛍光標識を取り付けた。
細胞取り込み分析。スキーム2に従って合成された様々な二環式ペプチド(環状CPP+ペプチジルカーゴ)を、フローサイトメトリを使用して細胞取り込み効率について分析し、直鎖ペプチジルカーゴ(環状CPPを含まない)の細胞取り込み効率と比較した。
全ての測定を3回行い、10%ウシ胎児血清(FBS)の存在下で行った。カーゴペプチド(例えば、Keap1ペプチドなどの負に荷電したペプチド)の付着は、細胞取り込みを阻害する(CPP12に対して)。
血清安定性。スキーム2に従って合成した二環式ペプチド(環状CPP+ペプチジルカーゴ)の血清安定性を分析し、直鎖ペプチジルカーゴ(環状CPPを含まない)の細胞取り込み効率と比較した。非抱合ペプチド及びCPP12ペプチド接合体を、様々な期間(分)にわたって25%ヒト血清中でインキュベートし、残存無傷ペプチドを分析HPLCにより定量した。具体的には、環状CPP12(FfФRrRr)を含む二環式ペプチドの血清安定性は、MDM2−p53相互作用(PMI)に対してペプチジル阻害剤に接合させ(図17)、又はKeap1−Nrf2相互作用に対するペプチジル阻害剤に接合させ(図18)、又はPIN−1(P1)に対するペプチジル阻害剤に接合させ(図19)、それぞれの直鎖ペプチジル阻害剤の血清安定性と比較した。
CPP12の接合(環化による)は、全てのペプチドの血清安定性を大幅に増加させる。
当業者であれば、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載の本発明の具体的な実施形態に対する多くの等価物を理解するか、又は解明することができる。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。

Claims (88)

  1. 式I又はIIを含む二環式ペプチドであって、
    Figure 2020502051
    式中、
    及びXは、独立して、1〜20個のアミノ酸の配列を含み、各dは、独立して、1又は2であり、Rは、OH、OR、又はNHRであり、Rは、C1〜20アルキル、C6〜10アリール、若しくは5〜20員ヘテロアリール、アミノ酸、2〜20個のアミノ酸のペプチド配列、検出可能な部分、又は固体支持体である、二環式ペプチド。
  2. が細胞膜透過ペプチド配列である、請求項1に記載の二環式ペプチド。
  3. が長さが4〜10個のアミノ酸である、請求項1又は2に記載の二環式ペプチド。
  4. 中の少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つのアミノ酸が、疎水性側鎖を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  5. が、1つ以上のフェニルアラニン、ナフチルアラニン、トリプトファン、又はそれらの類似体若しくは誘導体を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  6. が、少なくとも1つのアルギニン又はその類似体若しくは誘導体を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  7. が、表2に列挙される配列(配列番号62〜配列番号146)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  8. が、RRRRΦF若しくはFΦRRRRであるか、又はそれを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  9. が、表5に列挙される配列(配列番号147〜配列番号159)を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  10. 前記二環式ペプチドが、表6に列挙される配列(配列番号160〜配列番号167)を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  11. 式IIIを含むペプチド配列であって、

    BMB−(AA
    III

    式中、
    nは4〜20の整数であり、
    各AAは、独立して、酸であり、少なくとも2つのAAは、システイン、ホモシステイン、チオール基を有するアミノ酸からなる群から独立して選択され、
    BMBは、3,5−ビス(メルカプトメチル)安息香酸残基である、ペプチド配列。
  12. 以下の構造のうちの1つから選択されるペプチド。
    Figure 2020502051
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の二環式ペプチドと、薬学的担体と、を含む、薬学的組成物。
  14. 炎症性障害の治療方法であって、治療上有効量の請求項1〜13に記載の化合物のうちのいずれかを、前記障害の治療の必要性を有するものとして識別された被験体に投与する工程を含む、方法。
  15. 自己免疫障害の治療方法であって、治療上有効量の請求項1〜13に記載の化合物のうちのいずれかを、前記障害の治療の必要性を有するものとして識別された被験体に投与する工程を含む、方法。
  16. 制御されていない細胞増殖の障害の治療方法であって、治療上有効量の請求項1〜13に記載の化合物のうちのいずれかを、前記障害の治療の必要性を有するものとして識別された被験体に投与する工程を含む、方法。
  17. 二環式ペプチドを作製する方法であって、
    (a)8〜40個のアミノ酸を有する固体支持ペプチドを、式IVの化合物と接触させることであって、少なくとも2つのアミノ酸が、システイン、ホモシステイン、及びチオール基を有するアミノ酸からなる群から独立して選択され、
    Figure 2020502051
    式中、Q及びQは、互いに独立してCH又はNから選択される、接触させることと、
    (b)前記ペプチドを前記固体支持体から切断することと、を含む、方法。
  18. 式V、VI、VII、VIII、IX、X、若しくはXIIを含む、二環式ペプチド、
    Figure 2020502051
    又はその薬学的に許容される塩であって、
    式中、
    AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、及びAAは、各々独立してアミノ酸であり、少なくとも3つのアミノ酸は、アルギニンであり、少なくとも2つのアミノ酸は、疎水性側鎖を独立して含み、
    m、n、p、及びqは、独立して0及び1から選択され、
    AA10及びAA11は、各々独立してアミノ酸であり、
    b及びcは、独立して0〜20の整数であり、
    各発生においてAAは、独立してJとジスルフィド結合を形成する部分であり、
    Jは、アルキル、N−アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、又はヘテロシクリルであり、これらの各々は、独立して、各発生においてAAとジスルフィド結合を形成する少なくとも2つの置換基で独立して置換されており、
    各例においてssは、ジスルフィド結合を表し、
    Lは、Jを、アミノ酸、X、又はそれらの組み合わせに結合する部分であり、
    は、1〜20個のアミノ酸を有するペプチド配列を含むカーゴ部分である、二環式ペプチド。
  19. Jが、N−アルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、これらの各々は、独立して、各発生においてAAとジスルフィド結合を形成する少なくとも2つの置換基で独立して置換されている、請求項18に記載の二環式ペプチド。
  20. Jが以下である、請求項18に記載の二環式ペプチド。
    Figure 2020502051
  21. Lが、結合、アミノ酸、
    Figure 2020502051
    であり、式中、aは、0〜10の整数である、請求項18に記載の二環式ペプチド。
  22. 各AAが独立して、
    Figure 2020502051
    であり、式中、AAのC末端は、アミド結合を形成するか、又はRであり、Rは、OH、OR、又はNHRであり、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ酸、2〜20個のアミノ酸のペプチド配列、検出可能な部分、又は固体支持体である、請求項18に記載の二環式ペプチド。
  23. 以下からなる群から選択される、請求項18に記載の二環式ペプチド、
    Figure 2020502051
    Figure 2020502051
    又はその薬学的に許容される塩であって、
    式中、各dは、独立して1又は2であり、
    式中、RはOH、OR、NHRであり、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ酸、2〜20個のアミノ酸のペプチド配列、検出可能な部分、又は固体支持体である、二環式ペプチド。
  24. 疎水性側鎖を独立して含む前記少なくとも2つのアミノ酸が、グリシン、フェニルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ナフチルアラニン、プロリン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、フェニルグリシン、フェニルアラニン、トリプトファン、又はナフチルアラニン上の芳香族側鎖が、ハロゲンで各々任意選択で置換されている、請求項18〜23のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  25. 疎水性側鎖を独立して含む前記少なくとも2つのアミノ酸が、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、及びそれらの組み合わせからなる群から独立して選択される、請求項24に記載の二環式ペプチド。
  26. 疎水性残基を独立して含む前記少なくとも2つのアミノ酸が、連続アミノ酸である、請求項18〜25のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  27. AAは、Lアルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−フェニルアラニンであり、
    AAは、Lフェニルアラニンであり、
    m、n、p、及びqは、各々0である、請求項18〜25のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  28. AAは、L−フェニルアラニンであり、
    AAは、L−ナフチルアラニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    mは、1であり、AAは、L−アルギニンであり、
    n、p、及びqは、各々0である、請求項18〜25のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  29. AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−ナフチルアラニンであり、
    mは、1であり、AAは、L−フェニルアラニンであり、
    n、p、及びqは、各々0である、請求項18〜25のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  30. 少なくとも3つの連続アミノ酸が、交互のキラリティを有する、請求項18〜25のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  31. 交互のキラリティを有する前記少なくとも3つの連続アミノ酸が、アルギニンである、請求項30に記載の二環式ペプチド。
  32. AAは、D−フェニルアラニンであり、
    AAは、L−ナフチルアラニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、D−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    mは、1であり、AAは、D−アルギニンであり、
    n、p、及びqは、各々0である、請求項31に記載の二環式ペプチド。
  33. AAは、D−フェニルアラニンであり、
    AAは、L−ナフチルアラニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、D−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    m及びnは、各々1であり、AAは、D−アルギニンであり、AAは、L−アルギニンであり、
    p及びqは、各々0である、請求項31に記載の二環式ペプチド。
  34. AAは、D−フェニルアラニンであり、
    AAは、L−ナフチルアラニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、D−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    m及びnは、各々1であり、AAは、D−アルギニンであり、AAは、L−フェニルアラニンであり、
    p及びqは、各々0である、請求項31に記載の二環式ペプチド。
  35. 中の前記ペプチド配列が、少なくとも1つのタンパク質−タンパク質相互作用を阻害する、請求項18〜34のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  36. 前記タンパク質−タンパク質相互作用が、κB−キナーゼ(IKK)複合体と、調節タンパク質NF−κB必須修飾因子(NEMO)との間の相互作用である、請求項35に記載の二環式ペプチド。
  37. 中の前記ペプチド配列が、Ras、PTP1 B、Pin 1、Grb2 SH2、MDM2、又はそれらの組み合わせに対する阻害剤である、請求項35に記載の二環式ペプチド。
  38. 中の前記ペプチド配列が、野生型ペプチジルリガンド又はペプチド模倣体である、請求項18〜34のいずれか一項に記載の二環式ペプチド。
  39. 細胞の細胞質に治療薬剤を送達するための方法であって、請求項18〜38のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
  40. 治療を必要とする被験体における疾患を治療する方法であって、請求項18〜38のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
  41. 式V−A、VI−A、VII−A、VIII−A、IX−A、X−A、若しくはXII−A、及びXII−Bに従う化合物、
    Figure 2020502051
    又はその薬学的に許容される塩であって、
    式中、
    少なくとも3つのアミノ酸は、アルギニンであり、
    少なくとも2つのアミノ酸は、疎水性側鎖を独立して含み、
    m、n、p、又はqは、0及び1から独立して選択され、
    各発生においてAA’は、独立してチオールを含む部分であり、
    J’は、アルキル、N−アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、又はヘテロシクリルであり、これらの各々は、少なくとも2つのチオール置換基で独立して置換されており、
    Lは、AA’をアミノ酸、X、又はそれらの組み合わせに結合する任意選択の部分であり、
    は、4〜20個のアミノ酸を有するペプチド配列を含むカーゴ部分である、化合物。
  42. J’が、N−アルキル、アリール、又はヘテロアリールである、請求項41に記載の化合物。
  43. J’が、以下である、請求項41に記載の化合物。
    Figure 2020502051
  44. Lが、存在しないか、アミノ酸、
    Figure 2020502051
    であり、式中、aは、0〜20の整数である、請求項41に記載の化合物。
  45. AA’が、各々独立して、以下であり、
    Figure 2020502051
    式中、AA’のC末端はアミド結合を形成するか、又はRであり、RはOH、OR、NHRであり、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ酸残基、2〜20個のアミノ酸残基のペプチド配列、検出可能な部分、又は固体支持体である、請求項41に記載の化合物。
  46. Figure 2020502051
    からなる群から選択される構造を有する、請求項41〜45のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって、式中、各dは、独立して1又は2である、化合物。
  47. 疎水性側鎖を独立して含む前記少なくとも2つのアミノ酸が、グリシン、フェニルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ナフチルアラニン、プロリン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、フェニルグリシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ナフチルアラニン上の芳香族残基が、任意選択で置換されている、請求項41〜46のいずれか一項に記載の化合物。
  48. 疎水性側鎖を独立して含む前記少なくとも2つのアミノ酸が、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項47に記載の化合物。
  49. 疎水性側鎖を独立して含む前記少なくとも2つのアミノ酸が、連続アミノ酸である、請求項41〜48のいずれか一項に記載の化合物。
  50. AAは、Lアルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−フェニルアラニンであり、
    AAは、Lフェニルアラニンであり、
    m、n、p、及びqは、各々0である、請求項41〜49のいずれか一項に記載の化合物。
  51. AAは、L−フェニルアラニンであり、
    AAは、L−ナフチルアラニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    mは、1であり、AAは、L−アルギニンであり、
    n、p、及びqは、各々0である、請求項41〜49のいずれか一項に記載の化合物。
  52. AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、L−ナフチルアラニンであり、
    mは、1であり、AAは、L−フェニルアラニンであり、
    n、p、及びqは、各々0である、請求項41〜49のいずれか一項に記載の化合物。
  53. 少なくとも3つの連続アミノ酸が、交互のキラリティを有する、請求項41〜49のいずれか一項に記載の化合物。
  54. 交互のキラリティを有する前記少なくとも3つの連続アミノ酸が、アルギニンである、請求項53に記載の化合物。
  55. AAは、D−フェニルアラニンであり、
    AAは、L−ナフチルアラニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、D−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    mは、1であり、AAは、D−アルギニンであり、
    n、p、及びqは、各々0である、請求項54に記載の化合物。
  56. AAは、D−フェニルアラニンであり、
    AAは、L−ナフチルアラニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、D−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    m及びnは、各々1であり、AAは、D−アルギニンであり、AAは、L−アルギニンであり、
    p及びqは、各々0である、請求項54に記載の化合物。
  57. AAは、D−フェニルアラニンであり、
    AAは、L−ナフチルアラニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    AAは、D−アルギニンであり、
    AAは、L−アルギニンであり、
    m及びnは、各々1であり、AAは、D−アルギニンであり、AAは、L−フェニルアラニンであり、
    p及びqは、各々0である、請求項54に記載の化合物。
  58. 中の前記ペプチド配列が、少なくとも1つのタンパク質−タンパク質相互作用を阻害する、請求項41〜57のいずれか一項に記載の化合物。
  59. 前記タンパク質−タンパク質相互作用が、κBキナーゼ(IKK)複合体と、調節タンパク質NF−κB必須修飾因子(NEMO)との間の相互作用である、請求項58に記載の化合物。
  60. 中の前記ペプチド配列が、Ras、PTP1 B、Pin 1、Grb2 SH2、MDM2、又はそれらの組み合わせに対する阻害剤である、請求項58に記載の化合物。
  61. 中のペプチド配列が、ペプチジルであり、野生型ペプチドリガンド又はペプチド模倣体である、請求項41〜57のいずれか一項に記載の化合物。
  62. 式XIに従う化合物であって、
    Figure 2020502051
    式中、
    各例においてYは、独立してCH、N、O、又はSであり、4個以下のYが、N、O、S、又はそれらの組み合わせであり、
    Zは、OR、水素、ハロゲン、カルボシクリル、ヘテロシクリル、又はアミノ酸であり、
    各例においてRは、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、又はアミノ酸であり、
    は、独立してH、C(O)アルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環、又はヘテロシクリルである、化合物。
  63. 各Yが、独立してCHである、請求項62に記載の化合物。
  64. 前記化合物が、式XI−Aに従う構造を有する、請求項63に記載の化合物。
    Figure 2020502051
  65. 各Rが、独立してアリール又はヘテロアリールである、請求項64に記載の化合物。
  66. 前記化合物が、式XI−Bに従う構造を有し、
    Figure 2020502051
    式中、各例においてQは、独立してCH又はNである、請求項64に記載の化合物。
  67. Zが、OHである、請求項66に記載の化合物。
  68. 前記化合物が、以下の構造を有する、請求項66に記載の化合物。
    Figure 2020502051
  69. AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、及びAAが、配列番号62〜配列番号146から選択される、請求項18〜38又は41〜61のいずれか一項に記載の化合物。
  70. 二環式ペプチドであって、(a)細胞膜透過ペプチド配列(X)を含む第1の環状ペプチドと、(b)ペプチジルリガンド(X)を含む第2の環状ペプチドと、(c)前記第1の環状ペプチド又は前記第2の環状ペプチドのうちの少なくとも1つを形成する少なくとも1つのジスルフィド結合であって、前記第1の環状ペプチドは、前記第2の環状ペプチドに接合している、ジスルフィド結合と、を含む二環式ペプチド。
  71. が、以下のペプチド配列を含み、

    −AA−AA−AA−AA−AA−(AA−(AA−(AA−(AA

    式中、
    AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、AA、及びAAは、各々独立して、アミノ酸であり、任意選択で置換されており、少なくとも3つのアミノ酸は、アルギニンであり、少なくとも2つのアミノ酸は、疎水性側鎖を独立して含み、
    m、n、p、及びqは、独立して0及び1から選択される、請求項70に記載の二環式ペプチド。
  72. 及びXに直接又は間接的に接合された結合部分を更に含む、請求項70に記載の二環式ペプチド。
  73. が、前記結合部分を介して環化され、Xの前記C末端又はN末端が、前記結合部分に接合され、Xが、前記ジスルフィド結合を介して環化され、それによって前記二環式ペプチドを形成する、請求項72に記載の二環式ペプチド。
  74. 前記結合部分が、前記第1の環状ペプチド中のアミノ酸の側鎖に接合され、Xの前記C末端又はN末端が、前記結合部分に接合され、Xが、前記ジスルフィド結合を介して環化され、それによって前記二環式ペプチドを形成する、請求項72に記載の二環式ペプチド。
  75. 前記二環式ペプチドが、第1のジスルフィド結合及び第2のジスルフィド結合を含む、請求項72に記載の二環式ペプチド。
  76. 前記結合部分が、前記第1のジスルフィド結合を形成する第1の置換基と、前記第2のジスルフィド結合を形成する第2置換基とを含む、請求項75に記載の二環式ペプチド。
  77. が前記第1のジスルフィド結合を介して環化され、Xが前記第2のジスルフィド結合を介して環化され、それによって前記二環式ペプチドを形成する、請求項76に記載の二環式ペプチド。
  78. 前記結合部分が、前記第1の環状ペプチドの前記側鎖に接合され、Xが、前記第1のジスルフィド結合及び前記第2のジスルフィド結合を介して環化され、それによって前記二環式ペプチドを形成する、請求項76に記載の二環式ペプチド。
  79. の前記C末端又はN末端が、前記結合部分に接合され、Xが、前記第1のジスルフィド結合を介して環化され、Xの前記C末端又はN末端が、前記結合部分に接合され、Xが、前記第2のジスルフィド結合を介して環化され、それによって前記二環式ペプチドを形成する、請求項76に記載の二環式ペプチド。
  80. の前記C末端又はN末端が、前記結合部分に接合され、Xが、前記第1のジスルフィド結合を介して環化され、Xが、前記第2のジスルフィド結合を介して環化され、それによって前記二環式ペプチドを形成する、請求項76に記載の二環式ペプチド。
  81. 前記二環式ペプチドが、第3のジスルフィド結合を含む、請求項75に記載の二環式ペプチド。
  82. リンカー部分が、前記第1のジスルフィド結合を形成する第1の置換基と、前記第2のジスルフィド結合を形成する第2の置換基と、前記第3のジスルフィド結合を形成する第の3置換基と、を含む、請求項81に記載の二環式ペプチド。
  83. が、Xに融合され、それによって融合X−Xペプチドを形成し、前記結合部分が、前記第3のジスルフィド結合を介して前記融合X−Xプレプチドに接合され、Xが、前記第1のジスルフィド結合を介して環化され、Xが、前記第2のジスルフィド結合を介して環化され、それによって前記二環式ペプチドを形成する、請求項82に記載の二環式ペプチド。
  84. 前記二環式ペプチドが、第4のジスルフィド結合を含む、請求項81に記載の二環式ペプチド。
  85. 前記リンカー部分が、前記第1のジスルフィド結合を形成する第1の置換基と、前記第2のジスルフィド結合を形成する第2の置換基と、前記第3のジスルフィド結合を形成する第3の置換基と、第4のジスルフィド結合を形成する第4の置換基と、を含む、請求項84に記載の二環式ペプチド。
  86. が、前記第1のジスルフィド結合及び前記第2のジスルフィド結合を介して環化され、Xが、前記第3のジスルフィド結合及び前記第4のジスルフィド結合を介して環化され、それによって前記二環式ペプチドを形成する、請求項85に記載の二環式ペプチド。
  87. 式1〜12のうちのいずれかに従う構造を有し、
    Figure 2020502051
    Figure 2020502051
    式中、
    各発生においてAAは、独立してJとジスルフィド結合を形成する部分であり、
    L−Jは、結合部分であり、
    Jは、存在しないか、又はアルキル、N−アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、若しくはヘテロシクリルであり、これらの各々は、各発生においてAAとジスルフィド結合を独立して形成する少なくとも2つの置換基で独立して置換されており、
    Lは、存在しないか、又はX、X、若しくはそれらの組み合わせのアミノ酸にAAを結合する部分であり、
    各例においてSSは、ジスルフィド結合を表す、請求項70〜86のいずれかに記載の二環式ペプチド。
  88. 前記二環式ペプチドが、式I、II、V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXIIのうちのいずれかに従う構造を有する、請求項70〜87のいずれかに記載の二環式ペプチド。
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