JP2000318734A - 開缶性に優れた無補修型イージーオープン缶蓋の製造方法 - Google Patents

開缶性に優れた無補修型イージーオープン缶蓋の製造方法

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JP2000318734A JP12981399A JP12981399A JP2000318734A JP 2000318734 A JP2000318734 A JP 2000318734A JP 12981399 A JP12981399 A JP 12981399A JP 12981399 A JP12981399 A JP 12981399A JP 2000318734 A JP2000318734 A JP 2000318734A
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Masayoshi Kurihara
正好 栗原
Masahisa Fujikake
政久 藤掛
Yoshinori Yomura
吉則 余村
Yuji Yamazaki
雄司 山崎
Yutaka Mihara
豊 三原
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 両面に樹脂フイルム層が形成された鋼板から
なる缶蓋に開口用溝を形成する際に、缶蓋の両面に形成
されているメッキ層、樹脂フィルム層の損傷による耐食
性劣化を防止するための補修塗装を必要とせず、しか
も、子供や老人でも容易に開缶することができる。 【解決手段】 鋼板の両面に、ポリエステル樹脂フィル
ム7が形成された樹脂被覆鋼板を素材として成形された
缶蓋パネルに、上下何れか一方の金型が先端半径0.1〜
1.0mmの曲面型で、他方の金型が平型からなる一対の金
型を使用して押圧加工を施し、開口用溝2を形成するこ
と、および、押圧加工が施された缶蓋パネルの加工最薄
部の鋼板の板厚t(mm)が、2.5≦P≦5.0、P=t×TS×[exp
(n)/(nn)}×〔2/√3×|In[1+(t-t0)/ t0]|]nを満足
する。但し、t0:鋼板厚(mm)、n:均一伸びの40〜90%の
領域における加工硬化指数、TS:引張強度(kgf/mm2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、缶体の缶蓋に形
成された開口部を破断して開缶する、飲料用缶や食缶の
缶蓋に使用される、開缶性に優れたイージーオープン缶
蓋の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種飲料や食品を収容する缶の缶蓋とし
て、缶蓋に形成された開口部を、指先等で缶蓋に取り付
けられたタブを引き上げることにより破断し、開缶する
イージーオープン缶蓋が広く使用されている。
【0003】イージーオープン缶蓋は、主として飲料缶
蓋に使用されるパーシャルオープンタイプの缶蓋と、主
として食缶に使用されるフルオープンタイプの缶蓋とに
大別される。
【0004】パーシャルオープンタイプの缶蓋は、プル
トップ・タブ・タイプの缶蓋と、ステイオン・タブ・タ
イプの缶蓋とに大別される。
【0005】図6は、プルトップ・タブ・タイプ缶蓋の
一例を示す概略平面図である。図6に示すプルトップ・
タブ・タイプの缶蓋の開口は、次のようにして行われ
る。
【0006】鋼、アルミニウム合金等の金属板からなる
缶蓋1の中央パネル部9の中心にリベット機構8により
取り付けられているタブ3を指先等で引き上げることに
よって、中央パネル部9に開口用溝2が刻設されている
破断開口部5を、てこの作用により、タブ3の作用端が
押し下げる。その結果、開口用溝2は破断し、更にタブ
3を引張ることによって、破断した開口片は缶蓋1から
完全に切り離される。
【0007】図7は、ステイオン・タブ・タイプの缶蓋
の一例を示す概略平面図である。図7に示すステイオン
・タブ・タイプ缶蓋の開口は、次のようにして行われ
る。
【0008】鋼、アルミニウム合金等の金属板からなる
缶蓋1の中央パネル部9の中心にリベット機構8により
取り付けられているタブ3を指先等で引き上げることに
よって、中央パネル部9に開口用溝2が刻設されている
破断開口部5を、てこの作用により、タブ3の作用端が
押し下げる。その結果、開口用溝2は破断し、更にタブ
3の引起こし端を引き上げることによって破断を進行さ
せ、その際に生じた破断開口片の一部を缶蓋1に連結さ
せたまま缶内に押し込む。
【0009】また、フルオープンタイプの缶蓋は、缶蓋
の外周縁に沿って開口用溝が刻設されており、缶蓋外周
縁近くのパネル部に取り付けられたタブを指先等で引き
上げることによって、プルトップ・タブ・タイプの場合
と同様に、開口片を缶蓋から切り離すようになってい
る。
【0010】このようなイージーオープン缶蓋における
開口用溝の形成は、従来、図8に示すように、所定の開
口部輪郭が形成された刃先状突起を有する加工工具10
を使用し、缶蓋の表面側より蓋板11の厚さの1/2以
上の深さの開口用溝が形成されるような高い荷重でプレ
スにより押圧成形することによって行われており、これ
によって断面V字状の開口用溝2が形成されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、開口
用溝の形成は、加工工具を使用しプレスによる高荷重の
押圧成形で行われるために、両面に樹脂フィルム層が形
成された鋼板からなる缶蓋の場合には、押圧成形時に、
缶蓋の、特に缶外面側となる面に形成されている樹脂フ
ィルム層が損傷し、耐食性が劣化するといった問題点が
生ずる。従って、耐食性の劣化を防止するために、押圧
成形後に補修塗装を行わなければならず、多くの手間お
よび費用を要していた。
【0012】最近は、缶蓋の材料に、缶外面側となる面
に形成されている樹脂フィルム層が損傷を受けても錆の
生じないアルミニウム合金が使用されているが、アルミ
ニウム合金の使用は、コスト高となる上、リサイクルの
点からも問題がある。
【0013】樹脂フィルム層が形成された表面処理鋼板
からなる缶蓋に開口用溝を形成する際に生じる上述した
問題の対策として、特開平6−115546号、特開平
6−115547号、特開平6−115548号公報に
は、複合押出し加工によって開口用溝を形成する方法が
開示されている。上記公報の記載によれば、複合押し出
し加工によって開口用溝が形成されるので、樹脂フィル
ム層の損傷がなく補修塗装が不要であるとされている
が、複合押出しの加工条件や溝形成の詳細が不明であ
り、安定して開日用溝が形成される再現性の判断が困難
である。
【0014】また、特開平8−99140号公報には、
肩半径が0.1〜1.0mmの上下金型により温間加工
によって開口用溝を形成し、開口用溝の最薄部の板厚を
元板厚の1/2以下にする方法が開示されている。肩半
径が0.1〜1.0mmの金型を使用することは、樹脂
フィルム層の損傷に対しては効果があるが、開缶力は開
口用溝の最薄部の板厚の絶対値および強度によって決ま
るために、元板厚の1/2以下にしても良好な開缶性を
示すとは限らない。
【0015】実公昭63−40439号公報には、指の
挿入および指掛け挟持部の挟持を容易にするために、缶
蓋の中央パネル部とタブの指掛け挟持部との間隔を広め
る目的で、指挿入用凹部をタブの指掛け挟持部の下方の
中央パネル部に形成することが提案されている。
【0016】また、実開平5−40133号公報には、
タブの中心軸が破断開口部の中心軸からずれた開口不可
位置から、タブの中心軸と破断開口部の中心軸とが一致
する開口可能位置に回転移動可能な程度にタブをリベッ
ト留めし、タブが開口不可位置から開口可能位置に移動
する間に、リベットとタブの指掛け挟持部の間に位置す
る中央パネル部に設けたテーパー状の突起によってタブ
の指掛け挟持部を浮き上がらせることにより、缶蓋の中
央パネル部とタブの指掛け挟待部との間隙への指の挿入
および指掛け挟持部への指掛かりを容易にすることが提
案されている。
【0017】上記缶蓋によれば、指挿入用凹部またはテ
ーパー状の突起が形成されていることにより、それらが
形成されていないものと比較して、缶蓋の中央パネル部
とタブの指掛け挟持部との間隙への指の挿入、および、
指掛け挟持部への指掛かりは容易になるが、開缶時の引
上げ力は変わらないために、開缶力の低減までには至っ
ていない。
【0018】従って、この発明の目的は、上述した問題
点を解決し、両面に樹脂フイルム層が形成された鋼板か
らなる缶蓋に開口用溝を形成する際に、缶蓋の両面に形
成されているメッキ層および樹脂フィルム層の損傷によ
る耐食性劣化を防止するための補修塗装を必要とせず、
しかも、子供や老人でも容易に開缶することができる、
開缶性に優れたイージーオープン缶蓋の製造方法を提供
することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題点を解決し、開缶性に優れしかも衝撃破壊の生ずる
ことがなく、且つ、樹脂フィルム層の損傷を抑制し得る
イージーオープン缶蓋の製造方法を開発すべく鋭意研究
を重ねた。
【0020】従来、開缶時における開口用溝の破断は、
せん断変形によって生ずると考えられており、そのよう
な考えに基づいて開口用溝の形状を設計していた。しか
しながら、本発明者等による研究の結果、開口用溝の破
断は、せん断変形によって生ずるのではなく、主として
引張り変形によって生ずることが明らかになった。
【0021】従って、開缶力を低減させるためには、開
口用溝の最薄部の板厚および強度を小さくすることが効
果的であることがわかった。また、樹脂フィルム層の損
傷を抑制するためには、開口用溝を加工するための金型
の先端半径を大きくすること、加工時に生ずる面圧を小
さくすることが有効な手段であることがわかった。
【0022】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものである。
【0023】請求項l記載の発明は、缶蓋の表面または
裏面に開口用溝が形成され、前記開口用溝を破断して開
缶するイージーオープン缶蓋の製造方法において、鋼板
の両面に、上層に、エステル反復単位の90%以上がエ
チレンテレフタレート単位である厚さ1μm以上のポリ
エステルフィルムを有し、下層に、エステル反復単位の
75〜90%がエチレンテレフタレート単位である厚さ
10μm以上のポリエステルフィルムを有する、総厚み
が15〜100μmであり、厚み比(上層フィルム厚み
/下層フィルム厚み)が0.5以下である二層からなる
ポリエステル樹脂フィルムが形成された樹脂被覆鋼板を
素材として成形された缶蓋パネルに、上下何れか一方の
金型が先端半径0.1〜1.0mmの曲面型で、他方の
金型が平型からなる一対の金型を使用して押圧加工を施
し、前記開口用溝を形成すること、および、前記押圧加
工が施された前記缶蓋パネルの加工最薄部の鋼板の板厚
t(mm)が、下記(1)および(2)式、 2.5≦P≦5.0 -----(1) P=t×TS× [exp(n)/(nn)} ×〔2/√3×|In[1+(t‐to)/to]|]n -----(2) 但し、上記(1)及び(2)式において、 to:鋼板厚(mm)、 n:均一伸びの40%〜90%の領域における加工硬化
指数、 TS:引張強度(kgf/mm2) を満足することに特徴を有するものである。
【0024】請求項2記載の発明は、缶蓋の両面に開口
用溝が形成され、前記開口用溝を破断して閲缶するイー
ジーオープン缶蓋の製造方法において、鋼板の両面に、
上層に、エステル反復単位の90%以上がエチレンテレ
フタレート単位である厚さ1μm以上のポリエステルフ
ィルムを有し、下層に、エステル反復単位の75〜90
%がエチレンテレフタレート単位である厚さ10μm以
上のポリエステルフィルムを有する、総厚みが15〜1
00μmであり、厚み比(上層フィルム厚み/下層フィ
ルム厚み)が0.5以下である二層からなるポリエステ
ル樹脂フィルムが形成された樹脂被覆鋼板を素材として
成形された缶蓋パネルに、上下の金型が何れも先端半径
0.1〜1.0mmの曲面型である一対の金型を使用し
て押圧加工を施し、前記開口用溝を形成すること、およ
び、前記押圧加工が施された前記缶蓋パネルの加工最薄
部の鋼板の板厚t(mm)が、下記(1)および(2)
式、 2.5≦P≦5.0 -----(1) P=t×TS× [exp(n)/(nn)} ×〔2/√3×|In[1+(t‐to)/to]|]n -----(2) 但し、上記(1)及び(2)式において、 to:鋼板厚(mm)、 n:均一伸びの40%〜90%の領域における加工硬化
指数、 TS:引張強度(kgf/mm2) を満足することに特徴を有するものである。
【0025】請求項3記載の発明は、前記ポリエステル
樹脂は、フィルムの破断伸びが100%以上、引張強度
が10kgf/mm2以上、引張弾性率が100kgf
/mm2以上であることに特徴を有するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、この発明のイージーオープ
ン缶蓋の製造方法を、図面を参照しながら説明する。
【0027】図1は、請求項1に記載の、この発明のイ
ージーオープン缶蓋の製造方法の一実施態様を示す、缶
蓋に形成された開口用溝部分の断面図である。
【0028】この実施態様においては、図lに示すよう
に、両面に樹脂フィルム層7を有する、鋼板厚さt0の
缶蓋1の表面1a側に、半径(R)が0.1〜1.0m
mの曲面型である金型を、裏面側に平型を用いて、その
最薄部2aの鋼板厚がtであり、底断面が曲面形状の開
口用溝2を、上記金型を押圧成形することにより形成す
る。
【0029】このとき、缶蓋1をなす鋼板の均一伸びの
40%〜90%の領域における加工硬化指数をn、引張
強度をTS(kgf/mm2)とした場合に、tが下記
(1)および(2)式を満足するように形成する。
【0030】 2.5≦P≦5.0 -----(1) P=t×TS× [exp(n)/(nn)} ×〔2/√3×|In[1+(t‐to)/to]|]n -----(2) 図2は、請求項2に記載の、この発明のイージオープン
缶蓋の製造方法の一実施態様を示す、缶蓋に形成した開
口用溝部分の断面図である。
【0031】この実施態様においては、図2に示すよう
に、両面に樹脂フィルム層7を有する、鋼板厚さt0の
缶蓋1の表面1aおよび裏面1bに、各々半径(R)が
0.1〜1.0mmの曲面型である金型を用いて、その
最薄部2aの鋼板厚がtであり、底断面が曲面形状の開
口用溝2、2を、上記金型を押圧成形することにより形
成する。
【0032】このとき缶蓋1をなす鋼板の均一伸びの4
0%〜90%の領域における加工硬化指数をn、引張強
度をTS(kgf/mm2)とした場合に、tが下記
(1)および(2)式を満足するように形成する。
【0033】 2.5≦P≦5.0 -----(1) P=t×TS× [exp(n)/(nn)} ×〔2/√3×|In[1+(t‐to)/to]|]n -----(2) 缶蓋1の表面1aまたは表面1aおよび裏面1bに、上
述した半径(R)の、曲面形状の開口用溝2を形成する
ことによって、子供や老人でも容易に開缶することがで
きる程度にまで開缶力が安定して低減化し、しかも、衝
撃破壊の発生が防止される。
【0034】缶蓋1の表裏面の何れかまたは両面に開口
用溝2を形成するときの、開口用溝2を形成するための
金型の半径(R)が0.1mm未満では、樹脂フィルム
層を損傷することなく、缶蓋パネルに上記開口用溝2を
形成することが困難になる。
【0035】一方、上記金型の半径(R)が1.0mm
を超えると、缶蓋1における薄肉部の面積が大きくなる
ために、開口部の破断位置が不安定になって開口形状が
悪化する上、破断部の一部が垂れ下がる「だれ」が大き
くなる問題が生じ、また、限られたスペースの缶蓋パネ
ル上に1.0mmを超える幅の開口用溝2を形成するこ
とは実用上困難である。
【0036】また、開口用溝2の最薄部2aの鋼板厚t
は、缶蓋1をなす鋼板の均一伸びの40〜90%の領域
における加工硬化指数をn、引張強度をTS(kgf/
mm 2)とした場合に、tが下記(1)および(2)式
を満足するように形成する。
【0037】 2.5≦P≦5.0 -----(1) P=t×TS× [exp(n)/(nn)} ×〔2/√3×|In[1+(t‐to)/to]|]n -----(2) 開口用溝2は、上述した形状の金型を缶蓋1をなす鋼板
に押圧成形することにより得られるが、このような成形
を施すと、加工により得られた最薄部2aでは加工硬化
が生じて、強度が増大する。加工硬化の程度は、鋼板の
元の板厚t0と加工後の板厚tとの比によって異なり、
tが小さいほど最薄部の強度は大きくなる。
【0038】最薄部2aの相当応力をσ、相当ひずみを
εとすると、 σ=K×εn -----(3) と表される。缶蓋1に用いられる鋼板の均一伸びの40
〜90%の領域における加工硬化指数をn、引張強度を
TS(kgf/mm2)とすると、TS=K×nn/ex
p(n)であるので、 K=TS×[exp(n)/(nn)] -----(4) となる。
【0039】開口用溝形成加工による板厚方向のひずみ
εtsは、 εts=In[1+(t−t0)/t0] -----(5) となる。
【0040】開口用溝最薄部相当ひずみεは、平面ひず
みと仮定して、 ε=2/√3×|In[1+(t−t0)/t0]| -----(6) となる。
【0041】上記式(3)、(4)および(6)から、
最薄部2aの相当応力σは、 σ=TS×[exp(n)/nn)} ×〔2/√3×|In[1+(t−t0)/t0]|〕n -----(7) となる。
【0042】開口用溝の最薄部2aを主として引張り変
形により破断させる際の引張り破断力Pは、 P=σ×t -----(8) で表されるから、 P=t×TS× [exp(n)/(nn)} ×〔2/√3×|In[1+(t‐to)/to]|]n -----(2) となる。
【0043】従って、Pは小さい方が開缶力を低減化で
き、その効果はPが5.0以下のときに安定して得られ
る。Pが5.0を超えると、大きな開缶力が必要とな
り、問題が生じる。また、Pが2.5未満では、成形さ
れた缶蓋が取り付けられた缶体を落としたり、缶体が外
部から衝撃等を受けたときに、その開口部が破断する危
険性がある。
【0044】従って、缶蓋の表裏面の何れかまたは表裏
両面に開口用溝を形成するには、鋼板厚をt0(m
m)、均一伸びの40〜90%の領域における加工硬化
指数をn、引張強度をTS(kgf/mm2)として、
両面に樹脂フィルム層が形成された鋼板を素材として成
形された缶蓋パネルに、上下何れか一方の金型が先端半
径0.1〜1.0mmの曲面型で、他方の金型が平型か
らなる一対の金型、または、上下の金型が何れも先端半
径0.1〜1.0mmの曲面型である一対の金型を使用
し、加工最薄部の鋼板厚t(mm)となるように押圧成
形を施すことにより、開口用溝を形成し、且つ、下記
(1)および(2)式、 2.5≦P≦5.0 -----(1) P=t×TS× [exp(n)/(nn)} ×〔2/√3×|In[1+(t‐to)/to]|]n -----(2) を満たすことが必要である。
【0045】上述した缶蓋の製造方法において用いられ
る鋼板は、特に限定されるものではなく、目的に応じて
選択することができる。イージーオープン缶蓋には、通
常開口用のタブが取り付けられているが、取付け方法と
してリベット機構が用いられている場合には、リベット
成形性の観点から、鋼板の均一伸びの40〜90%の領
域における加工硬化指数nが0.15以上であることが
望ましい。また、樹脂フィルム層の損傷を抑制するため
には、開口用溝加工時の面圧を小さくすることが望まし
く、そのためには、 TS× [exp(n)/(nn)}×〔2/√3×|In
[1+(t‐to)/to]|]n≦70 を満たすことが好ましい。
【0046】更に、耐食性の確保や樹脂フィルム層との
密着性の確保を目的として、鋼板の表裏面の何れかある
いは両面に、種々のメッキや化成処理を施すこともでき
る。
【0047】鋼板の両面に形成されるフィルムは、ポリ
エステル樹脂フィルムであり二層構成である。ポリエス
テル樹脂フィルムに限定した理由は、成形加工性・耐熱
性・耐レトルト性等に優れ、EOE用途として最も適性
が優れているためである。この発明に適用されるポリエ
ステル樹脂フィルムは、分子鎖中に二重結合を含まない
飽和ポリエステル樹脂で、ジカルボン酸とジオールの縮
重合で得られる線状熱可塑性ポリエステルフィルムであ
り、ポリエチレンテレフタレートで代表されるものであ
る。
【0048】鋼板と接する下層フィルムは、エステル反
復単位の75〜90%がエチレンテレフタレート単位で
あるフィルムを用いる。エステル反復単位の75〜90
%と限定することで、EOE用途として、十分な密着性
・成形加工性を得ることができる。75%未満とする
と、成形加工性が飽和するとともに、耐衝撃性が劣化し
てしまうため不適である。また、90%を超えると、成
形加工性が劣化し開口用溝成形時にフィルムが破断して
しまう。
【0049】エチレンテレフタレート単位以外の10〜
25%のエステル反復単位は、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、セパシン酸、2,6ナフタレンジカ
ルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン
酸、ジフェニルカルボン酸、1,4シクロヘキサンジカ
ルボン酸、無水トリメット酸の1種あるいは2種以上の
酸性分と、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,4プタンジオール、
1,5ペンタンジオール、1,6へキサンジオール、プ
ロビレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
トリメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,4シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトールの1種あるいは2種以上
の飽和多価アルコールが挙げられる。酸性分およびアル
コール成分の何れか一方あるいは両方が、テレフタル酸
以外の酸性分およびエチレングリコール以外の多価アル
コールであれば良い。
【0050】下層フィルムの厚みは、10μm以上とす
る。10μm未満では、上層フィルムの影響が強く現
れ、成形加工性が不十分となるとともに、加工後密着性
が劣化する。
【0051】上層フィルムは、エステル反復単位の90
%以上がエチレンテレフタレート単位であるフィルムを
用いる。エステル反復単位の90%以上でない場合は、
レトルト処理等の加熱処理を行ったときに、フィルムか
らオリゴマー(低分子量成分)が溶出し易く、蓋内面に
ラミネートされている場合には、内容物にオリゴマーが
移行し、食品の味に影響を及ぼし、蓋外面にラミネート
されている場合には、フィルム表面にオリゴマーが析出
し外観か損なわれるため好ましくない。また、耐熱性も
不十分である。
【0052】エチレンテレフタレート単位以外の10%
未満のエステル反復単位については、上層フィルムと同
様の成分から構成される。
【0053】上層フィルムの厚みは、1μm以上とす
る。1μm未満とすると、上記の効果が十分に得られな
いためである。
【0054】上記フィルムの2層構成であるポリエステ
ル樹脂フィルムの特性としては、破断伸びが100%以
上、引張強度が10kgf/mm2以上、引張弾性率が
100kgf/mm2以上であることが必要である。こ
の樹脂フィルムはプレス加工による開口用溝成形時に、
密着性よく素地に追随し優れた加工性を有することによ
り、加工後も素地を完全に被覆しており、従来必要であ
った補修塗装を不要とするものである。
【0055】樹脂フィルムの特性として、破断伸びが1
00%未満では、後述する開口用溝成形に対して、伸び
不足により、樹脂フィルムに多数の欠陥を生じることに
なり不適である。従って、100%以上、より好ましく
は200%以上であることが望ましい。なお、樹脂フィ
ルムの伸び率は、ASTM‐D882に準じた方法で測
定される値を採用する。
【0056】更に、引張強度は10kgf/mm2
上、引張弾性率は100kgf/mm2以上であること
が望ましい。なお、引張弾性率とは引張比例限度内にお
ける引張応力とこれに対応する歪みの比であり、引張試
験における応力・歪み曲線に直線部分がない場合には、
変形開始点における接線の傾斜により求められる。引張
強度・引張弾性率の値は、ASTM‐D882に準じた
方法による測定値を採用する。引張強度が10kgf/
mm2未満では加工による破断を生じやすく、引張弾性
率が100kgf/mm2未満では、金型との摩擦部分
での削れ、傷入りが避けらず、不適である。
【0057】樹脂フィルムの総厚みは、薄すぎる場合に
は加工によリフィルムの破断が生じやすく、逆に100
μm以上のフィルムになった場合には、開缶後にフェザ
ー性の劣化を招きやすく、また経済面からもコストアッ
プとなり好ましくない。従って、10〜100μmの範
囲内であることが望ましい。更にフィルム厚み比(上層
フィルム厚み比/下層フィルム厚み比)は0.5以下と
する。0.5以上となると、成形加工性が不十分とな
る。
【0058】なお、ラミネート方法としては、フィルム
自体を熱接着するか、熱硬化型接着剤を塗布して鋼板表
面に貼り付けるものとする。
【0059】缶蓋パネルに開口用溝形成加工を施すに際
し、固体あるいは液体の潤滑材を使用すれば、金型と樹
脂フィルムとの間の摩擦カが小さくなるので、樹脂フィ
ルムに発生するせん断力が小さくなり、樹脂フィルム層
と鋼板との界面における剥離の発生を抑制し、耐食性の
劣化を抑制することができる。
【0060】上述した缶蓋の製造方法は、図6に示すプ
ルトップ・タブ・タイプ缶蓋、図7に示すステイオン・
タブ・タイプ缶蓋、あるいはフルオープン・タイプ缶蓋
の何れにも適用することができる。
【0061】また、図3(a)に示すように、タブ3を
缶蓋1にタブ留め4を中心として回転可能に、タブ留め
4の位置を缶蓋1の中心から破断開口部5の反対側に所
定長さずらして取り付け、且つ、タブ3のタブ留め4か
らタブ指掛け挟持部までの長さを従来よりも長くするこ
とによって作用点における発生力を大となし、図3
(b)に示すように、タブ3を開口可能位置に回転させ
たときに、タブ3の引起こし側端部を、缶蓋外周よりも
外側に位置するようにした缶蓋に、この発明の方法によ
り開口用溝を形成すれば、開缶力を一段と低下させるこ
とができる。
【0062】タブの素材は特に限定されるものではな
く、例えば、アルミニウム合金板、ステンレス薄板、鋼
板あるいは各種表面処理鋼板や、それらに塗装、ラミネ
ート等の方法により、樹脂鋼板被膜を積層した金属板を
用いることができる。この場合、前述の表面処理鋼板と
しては、錫、亜鉛、ニッケル、クロム、あるいはそれら
の合金を、1種または2種以上、鋼板表面にめっきした
ものや、更に、上層にクロメート処理やリン酸塩処理の
ような各種化成処理を施したものが好適である。また、
タブをプラスチック等の樹脂によって作製しても良い。
【0063】
【実施例】次に、この発明を実施例により比較例と対比
しながら更に説明する。
【0064】(実施例l)板厚t0:0.170〜0.
30mm、引張り強さTS:29〜56kgf/m
2、均一伸びの40〜90%の領域における加工硬化
指数n:0.10〜0.23の薄鋼板の両面に、クロメ
ート処理によって100〜120mg/m2の量の金属
クロム層と、その上層の金属クロム換算で14〜18m
g/m2の量のクロム水和酸化物層とからなるクロメー
ト皮膜が形成されたティンフリースチールの両面に、表
1に示すポリエステル樹脂フィルムをラミネートした。
【0065】このように樹脂フィルムがラミネートされ
た鋼板を缶蓋パネルとし、この缶蓋パネルに対して、両
方の金型が先端半径0.1〜1.0mmの曲面型、ある
いは一方の金型が先端半径0.1〜1.0mmの曲面型
で、他方の金型が平型からなる一対の金型を使用し、最
薄部の鋼板厚tを、Pが2.5〜5.0の範囲内となる
ように、潤滑材を使用しまたは使用することなく押圧加
工を施して、表1に示す、本発明の範囲内の製造方法に
よって得られたステイオン・タブ・タイプのイージーオ
ープン缶蓋(以下、「本発明例」という)No.1〜2
4を調製した。
【0066】
【表1】 比較のために、上記ティンフリースチールに対し、本発
明の範囲外である樹脂フィルムをラミネートして作製し
た缶蓋パネルに対して、上記金型を使用し、最薄部の鋼
板厚tを、Pが本発明の範囲外となるように、潤滑材を
使用しまたは使用することなく押圧加工を施して、表2
に示す、本発明の範囲外の製造方法によって得られたス
テイオン・タブ・タイプのイージーオープン缶蓋(以
下、「比較例」という)No.25〜44を調製した。
【0067】また、上記金型の先端半径が本発明の範囲
外の金型を使用し、最薄部の銅板厚tを、Pが本発明の
範囲内となるように、潤滑材を使用しまたは使用するこ
となく押圧加工を施して、表2に示す、本発明の範囲外
の製造方法によって得られたステイオン・タブ・タイプ
のイージーオープン缶蓋(以下、「比較例」という)N
o.45〜48を調製した。
【0068】
【表2】 上述した本発明例および比較例の缶蓋に関して、開缶
性、衝撃破壊の有無、樹脂フィルム損傷の有無、オリゴ
マー溶出の有無を、それぞれ、下記によって評価し、そ
の結果をそれぞれ表3および表4に示した。
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】 開缶性は、ポップ値(缶蓋のタブを一定の力で引張った
ときに、缶蓋開口部が開き始める最初の力をいう)を測
定し、市販の6種類のアルミニウム合金製イージーオー
プン缶蓋のポップ値の最大値(2.4kg)以下のもの
を○、それ以外を×とした。衝撃破壊は、図4に示すよ
うに、缶6を高さ1mの位置からコンクリート床面上
に、缶蓋1を下方に向けた斜めの姿勢で落下させ、缶蓋
1に図5に矢印で示す方向に衝撃力が付加されたときの
衝撃破壊の有無によって評価し、衝撃破壊を生じなかっ
たものを○、衝撃破壊を生じたものを×とした。また、
樹脂フィルム損傷は、缶蓋に耐食性試験を施し、表裏面
の開口用溝およびその近傍での錆の発生の有無によって
評価し、表裏面ともに全く錆の発生しなかったものを
○、表裏面の何れかあるいは両面にわずかでも錆の発生
したものを×とした。
【0071】オリゴマー溶出については、各供試体を蒸
留水に浸漬し、加熱処理(120℃×60分)を行い、
風乾後のフィルム表面状態をルーペにて観察し、オリゴ
マー溶出の有無を判定した。
【0072】表4から明らかなように、樹脂フィルムの
特性が本発明の範囲外である比較例25〜31は、樹脂
フィルムに損傷が生じ耐食性試験で開口用溝に錆が発生
したり、オリゴマー溶出が生じた。また、開口用溝の最
薄部の鋼板厚tが、Pが2.5未満になるように成形さ
れた比較例No.32〜38は、衝撃破壊が発生した。
また、開口用溝の最薄部の銅板厚tが、Pが5.0を超
える範囲になるように成形された比較例No.39〜4
3は、開缶性が劣っていた。更に、少なくとも一方の金
型の先端半径が本発明の範囲外である一対の金型を使用
して押圧成形を施して調製した比較例No.44〜48
は、耐食性試験で開口用溝に錆が発生し、樹脂フィルム
層に損傷が生じていた。
【0073】これに対して、表3から明らかなように、
本発明例であるNo.1〜24は、何れも、開缶性に優
れ、衝撃破壊を発生せず、更に、缶蓋表裏面の開口用溝
およびその近傍に全く錆が発生せず、樹脂フィルム層に
損傷は認められなかった。
【0074】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
両面に樹脂フィルム層が形成された鋼板からなる缶蓋に
開口用溝を形成する際に、缶蓋の両面に形成されている
メッキ層および樹脂フィルム層の損傷による補修塗装を
必要とせず、しかも、子供や老人でも容易に開缶するこ
とができる、開缶性に優れたイージーオープン缶蓋が得
られる、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の製造方法によって得られ
る缶蓋の一実施態様を示す、缶蓋に形成された開口用溝
部分の断面図である。
【図2】請求項2記載の発明の製造方法によって得られ
る缶蓋の一実施態様を示す、缶蓋に形成された開口用溝
部分の断面図である。
【図3】この発明の製造方法によって得られる開口用溝
を有するイージーオープン缶蓋の一例を示す平面図であ
り、図3(a)は、タブをタブ留めを中心として回転さ
せた状態を示す平面図であり、図3(b)は、タブを開
口可能位置に回転させた状態を示す平面図である。
【図4】衝撃試験方法を示す説明図である。
【図5】缶蓋に対する衝撃力の付加位置を示す説明図で
ある。
【図6】プルトップ・タブ・タイプの缶蓋の一例を示す
概略平面図である。
【図7】ステイオン・タブ・タイプの缶蓋の一例を示す
概略平面図である。
【図8】イージーオープン缶蓋における開口用溝の従来
の形成方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1:缶蓋 1a:表面 1b:裏面 2:開口用溝 3:タブ 4:タブ留め 5:破断開口部 6:缶 7:樹脂フイルム層 8:リベット機構 9:中央パネル部 10:加工工具 11:蓋板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗原 正好 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 藤掛 政久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 余村 吉則 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山崎 雄司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 三原 豊 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3E093 AA02 BB03 BB06 CC01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶蓋の表面または裏面に開口用溝が形成
    され、前記開口用溝を破断して開缶するイージーオープ
    ン缶蓋の製造方法において、 鋼板の両面に、上層に、エステル反復単位の90%以上
    がエチレンテレフタレート単位である厚さ1μm以上の
    ポリエステルフィルムを有し、下層に、エステル反復単
    位の75〜90%がエチレンテレフタレート単位である
    厚さ10μm以上のポリエステルフィルムを有する、総
    厚みが15〜100μmであり、厚み比(上層フィルム
    厚み/下層フィルム厚み)が0.5以下である二層から
    なるポリエステル樹脂フィルムが形成された樹脂被覆鋼
    板を素材として成形された缶蓋パネルに、上下何れか一
    方の金型が先端半径0.1〜1.0mmの曲面型で、他
    方の金型が平型からなる一対の金型を使用して押圧加工
    を施し、前記開口用溝を形成すること、および、前記押
    圧加工が施された前記缶蓋パネルの加工最薄部の鋼板の
    板厚t(mm)が、下記(1)および(2)式、 2.5≦P≦5.0 -----(1) P=t×TS× [exp(n)/(nn)} ×〔2/√3×|In[1+(t‐to)/to]|]n -----(2) 但し、上記(1)及び(2)式において、 to:鋼板厚(mm)、 n:均一伸びの40%〜90%の領域における加工硬化
    指数、 TS:引張強度(kgf/mm2) を満足することを特徴とする、開缶性に優れた無補修型
    イージーオープン缶蓋の製造方法。
  2. 【請求項2】 缶蓋の両面に開口用溝が形成され、前記
    開口用溝を破断して開缶するイージーオープン缶蓋の製
    造方法において、 鋼板の両面に、上層に、エステル反復単位の90%以上
    がエチレンテレフタレート単位である厚さ1μm以上の
    ポリエステルフィルムを有し、下層に、エステル反復単
    位の75〜90%がエチレンテレフタレート単位である
    厚さ10μm以上のポリエステルフィルムを有する、総
    厚みが15〜100μmであり、厚み比(上層フィルム
    厚み/下層フィルム厚み)が0.5以下である二層から
    なるポリエステル樹脂フィルムが形成された樹脂被覆鋼
    板を素材として成形された缶蓋パネルに、上下の金型が
    何れも先端半径0.1〜1.0mmの曲面型である一対
    の金型を使用して押圧加工を施し、前記開口用溝を形成
    すること、および、前記押圧加工が施された前記缶蓋パ
    ネルの加工最薄部の鋼板の板厚t(mm)が、下記
    (1)および(2)式、 2.5≦P≦5.0 -----(1) P=t×TS× [exp(n)/(nn)} ×〔2/√3×|In[1+(t‐to)/to]|]n -----(2) 但し、上記(1)及び(2)式において、 to:鋼板厚(mm)、 n:均一伸びの40%〜90%の領域における加工硬化
    指数、 TS:引張強度(kgf/mm2) を満足することを特徴とする、開缶性に優れた無補修型
    イージーオープン缶蓋の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル樹脂は、フィルムの破
    断伸びが100%以上、引張強度が10kgf/mm2
    以上、引張弾性率が100kgf/mm2以上であるこ
    とを特徴とする、請求項1または2記載の、開缶性に優
    れた無補修型イージーオープン缶蓋の製造方法。
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