JP2000317961A - 流延樹脂膜と樹脂フィルムの製造法及び流延樹脂膜製造装置 - Google Patents

流延樹脂膜と樹脂フィルムの製造法及び流延樹脂膜製造装置

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忠宏 辻本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性および作業性が顕著に改善された樹脂
流延膜と樹脂フィルムの製造方法、および流延樹脂膜製
造装置を提供する。 【解決手段】 樹脂溶液を通す送液路、送液路に接続す
る流延ダイ、及び流延ダイのダイリップの下方側で、ダ
イリップに近接する位置を移動通過するように配置され
た支持体からなる流延樹脂膜の製造装置において、送液
路と流延ダイの接続部に樹脂溶液抜き取り路が流路切り
換え手段と共に設置されている流延樹脂膜製造装置と、
この装置を利用する流延樹脂膜の製法、そして樹脂フィ
ルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に光学用途に適
した樹脂フィルムの製造に有利に利用できる流延樹脂膜
の製造法と流延樹脂膜の製造装置、およびその流延樹脂
膜の製造法を利用して樹脂フィルムを製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】薄膜の透明プラスチックフィルム(樹脂
フィルム)は近年、偏光板の保護膜、位相差板等の光学
補償フィルム、プラスチック基板、写真用支持体あるい
は動画用セルや光学フィルタ、さらにはOHPフィルム
などの光学材料として需要が増大している。特に最近で
は液晶ディスプレイが、TN型、STN型、TFT型と
品質が向上したこと、および軽量で携帯性に優れている
ことから、パーソナルコンピュータやワードプロセッ
サ、携帯用端末、テレビ、さらにはデジタルスチルカメ
ラやムービーカメラなどに広く使用されているが、この
液晶ディスプレイには画像表示のために偏光板が必須と
なっている。液晶ディスプレイの品質の向上に合わせ
て、偏光板の品質向上が要求され、それと共に偏光板の
保護膜である透明プラスチックフィルムもより高品質で
あることが要望されている。
【0003】偏光板の保護膜などの光学用途フィルムに
ついては、解像力やコントラストの表示品位を高く維持
する必要性から、高透明性、低光学異方性、平面性、易
表面処理性、高耐久性(寸度安定性、耐湿熱性、耐水
性)、フィルム内および表面に異物がないこと、表面に
傷がないか、または付きにくいこと(耐傷性)、適度の
フィルム剛性を有すること(取扱い性)、適度の透水性
など種々の特性を備えていることが要求される。
【0004】これらの特性を有するプラスチックフィル
ムとしては、セルロースエステル、ノルボルネン樹脂、
アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート
樹脂などからなるフィルムがあるが、生産性や材料価格
等の点からセルロースエステルが主に使用されている。
特にセルローストリアセテートのフィルムは、極めて高
い透明性を有しかつ、光学異方性が小さく、レターデー
ションが低いことから光学用途に特に有利に用いられて
いる。
【0005】これらのプラスチックフィルムを製膜する
方法としては、溶液製膜法、溶融製膜法および圧延法な
ど各種の製膜技術が利用可能であるが、良好な平面性お
よび低光学異方性を得るためには、溶液製膜法が特に適
している。溶液製膜法は、原料フレークを溶剤にて溶解
し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防
止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶
液(ドープと称する)を、水平式のエンドレスの金属ベ
ルトまたは回転するドラムからなる支持体の上に、ドー
プ供給手段(ダイと称する)により流延した後、支持体
上である程度乾燥して剛性が付与された自己支持性フィ
ルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により
乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法で
ある。
【0006】プラスチックフィルムの工業的生産を発展
させるためには、その生産性を高めることが重要であ
り、そのために製造工程の可能な限りの自動化が必要で
ある。また特に溶液製膜法によるプラスチックフィルム
の製造方法の実施に際しては、環境衛生上好ましくない
有機溶剤を外部に排出しないようにするためにも、流延
装置自動化の必要性が高い(特開平8−244053号
公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】溶液製膜法によるプラ
スチックフィルム(樹脂フィルム)の製造工程において
は、作業開始時に最初に樹脂溶液(ドープ)を流延ダイ
に給液する際に、ドープ流の先頭に空気が溜まり、気泡
が形成されがちであり、そのまま流延膜形成用支持体上
に吐出させて流延すると、流延開始直後の流延樹脂膜に
は空気を含んだ孔(気泡)が形成されて、流延樹脂膜の
乱れを伴う。特に、二種類以上のドープを用いて共流延
する場合には、各ドープを全く同時に合流させることは
不可能であるために各ドープの先頭に位置的なずれが生
じて、いわゆるエアー溜まりが発生しやすい。このエア
ー溜まりにより気泡が形成された流延樹脂膜は廃棄する
しかなく、従って、気泡を含むドープの吐出の終了を確
認するまでは、一旦形成された流延樹脂膜を次の乾燥工
程に通さずに別のロールに巻き取る必要がある。このよ
うな流延樹脂膜は当然廃棄する必要がある。そして、気
泡を含むドープ流の吐出が終了した後は、正常な流延樹
脂膜を次の乾燥・剥ぎ取り工程に通すようにする必要が
あるが、その切り換え作業は相当に煩雑である。このた
め、特に多層流延作業の実施に際しては、製膜の開始作
業を自動化することが極めて困難となっている。
【0008】本発明は、生産性および作業性が顕著に改
善された流延樹脂膜の製造方法と製造方法、およびその
流延樹脂膜の製法を利用する樹脂フィルムの製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、製膜開始の
自動化を妨げているエアー溜まりによる開始直後のドー
プの乱れを回避すべく研究を重ねた結果、流延ダイの給
液口近くに流延ダイへの流路以外に、切り換え手段によ
って切り換え可能な別の流路(ドープ液の抜き取り路)
を設けることにより、開始直後のエアーを含むドープを
この別の流路に流してエアーを押し出したのちに、流路
を切り替えてエアーを含まないドープをダイへの流路に
給液することが可能であることを見いだした。これによ
り、多層フィルムであっても製膜開始作業の自動化が可
能となり、樹脂フィルムの生産性および作業性を著しく
改善することができる。
【0010】従って、本発明は、流延ダイに接続する送
液路を介して樹脂溶液を連続的に流延ダイに送り込み、
次いで流延ダイのダイリップから、移動下にある支持体
(樹脂膜製造のために用いられるベルト、ドラムなどの
仮の支持体)の上に樹脂溶液を押出して流延樹脂膜を形
成させることからなる流延樹脂膜の製造法において、樹
脂溶液を送液路から流延ダイに送り込む作業の開始時に
樹脂溶液流の先頭部附近で形成される気泡を、送液路と
流延ダイとの接続部に付設した溶液抜き取り路から樹脂
溶液と共に連続的に抜き取ったのち、送液路からの流延
ダイへの気泡の無い樹脂溶液の送り込みを開始すること
を特徴とする流延樹脂膜の製造方法にある。
【0011】本発明はまた、樹脂溶液を通す送液路、送
液路に接続する流延ダイ、及び流延ダイのダイリップの
下方、ダイリップに近接する位置を移動通過するように
配置された支持体からなる流延樹脂膜の製造装置におい
て、送液路と流延ダイの接続部に樹脂溶液抜き取り路が
流路切り換え器と共に設置されていることを特徴とする
流延樹脂膜製造装置にもある。この流延樹脂膜製造装置
では、気泡等が混在し、流延に不適な溶液については、
その合流部と流延ダイとの間で抜き取ることができるよ
うな構成とされている。
【0012】本発明はまた、流延ダイに接続する送液路
を介して樹脂溶液を連続的に流延ダイに送り込み、次い
で流延ダイのダイリップから、移動下にある支持体上に
樹脂溶液を押出して流延樹脂膜を形成させた後、流延樹
脂膜を部分的に乾燥して自己支持性樹脂膜とし、次いで
自己支持性樹脂膜を支持体から剥ぎ取り、乾燥すること
からなる樹脂フィルムの製造方法において、樹脂溶液を
送液路から流延ダイに送り込む作業の開始時に樹脂溶液
流の先頭部附近で形成される気泡を、送液路と流延ダイ
との接続部に付設した溶液抜き取り路から樹脂溶液と共
に連続的に抜き取った後、送液路からの流延ダイへの気
泡の無い樹脂溶液の送り込みを開始することを特徴とす
る樹脂フィルムの製造方法にもある。
【0013】以下に、本発明の流延樹脂膜の製造法と樹
脂フィルムの製造法、および流延樹脂膜製造装置の好ま
しい態様を挙げる。 (1)気泡の無い樹脂溶液の流延ダイへの送り込みの開
始を、抜き取った樹脂溶液流中に気泡の混在がないこと
を確認した後に行なうこと。 (2)溶液抜き取り路で抜き出した樹脂溶液を回収して
流延ダイ送り込み用の樹脂溶液の一部として使用するこ
と。 (3)樹脂溶液の送液路が二以上備えられていて、それ
らが流延ダイとの接続部の直前で合流するように接続さ
れていること。 (4)樹脂溶液抜き取り路に気泡センサが付設されてい
ること。 (5)気泡センサが流路切り換え器と電気的に接続され
ていて、気泡センサからの信号によって流路切り換え器
が、流路を、送液路と流延ダイとの接続あるいは送液路
と樹脂溶液抜き取り路との接続のうちのいずれかに切り
換えるようにされていること。 (6)樹脂溶液の粘度が30〜3000Pの範囲にあ
り、かつ樹脂溶液の送液路への給送開始時の送液路内平
均流速が1〜30m/分の範囲にあること。 (7)樹脂溶液の送液路への給送開始後、流延開始まで
の時間が10秒〜5分の範囲であること。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の流延樹脂膜製造装置の代
表的な例の構成と作動について、図面を参照しながら説
明する。
【0015】図1は、本発明の流延樹脂膜製造装置の構
成と作動を概略的に説明する断面図である。図1におい
て、流延樹脂膜製造装置1は、ドープ合流装置2を備え
た共流延ダイ3と、そのダイリップの下方側を移動して
流延樹脂膜を支持する支持体4とから構成されている。
流延ダイ3の中央部分には、上下に流路5が貫通してい
て、その両端はダイ給液口6および吐出口(ダイリッ
プ)7により開口している。
【0016】ドープ合流装置2と流延ダイ3との接続部
分には、本発明の特徴的な構成要件である初期ドープを
流すための樹脂溶液抜き取り装置(逆送流路)8、およ
びダイへの流路5と樹脂溶液抜き取り装置8とを切り替
えるための流路切り換え手段9が設けられている。逆送
流路8は、その途中に圧力調整弁10及び気泡センサ1
1が設置され、抜き取り樹脂溶液貯蔵タンク(樹脂溶液
回収タンク、図示なし)に接続している。
【0017】次に、本発明の流延樹脂膜と樹脂フィルム
の製造方法、および装置について、三層構造の樹脂フィ
ルムを製造する場合を例に挙げて説明する。
【0018】本発明において製造対象となる流延樹脂膜
や樹脂フィルムの製造に用いる原料樹脂の例としては、
セルロースの低級脂肪酸エステル、ポリオレフィン類
(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリアミド類(例、
芳香族ポリアミド)、ポリスルホン類、ポリエーテル類
(ポリエーテルスルホン類やポリエーテルケトン類を含
む)、ポリスチレン類、ポリカーボネート類、ポリアク
リル酸類、ポリアクリルアミド類、ポリメタクリル酸類
(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリメタクリルア
ミド類、ポリビニルアルコール類、ポリウレア類、ポリ
エステル類、ポリウレタン類、ポリイミド類、ポリビニ
ルアセテート類、ポリビニルアセタール類(例、ポリビ
ニルホルマール、ポリビニルブチラール)、及びタンパ
ク質(例、ゼラチン)を挙げることができる。これらの
うちで、光学用途フィルムの原料として好ましいのはセ
ルロースの低級脂肪酸エステルであり、特に好ましいの
はセルローストリアセテートである。
【0019】原料樹脂を適当な有機溶媒に溶解して二種
類以上の樹脂溶液(ドープ)を調製する。有機溶媒の例
としては、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン
等)、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノ
ール等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル等)、
エーテル類(ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエー
テル等)を挙げることができる。セルロースエステルの
溶液には、トリフェニルフォスフェート、ジエチルフタ
レート、ポリエステルポリウレタンエラストマー等の公
知の各種の可塑剤、あるいは必要に応じて、更に、紫外
線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤など公知の
各種の添加剤を添加してもよい。
【0020】溶液(ドープ)の調製は、周知の方法によ
り、原料樹脂等を溶媒に混合溶解してもよいし、あるい
は冷却溶解法により原料樹脂等を溶媒で膨潤させた後こ
の膨潤混合物を−10℃以下に冷却し、次いで0℃以上
に加温して溶解してもよい。溶液の粘度は通常は、30
〜3000P(ポアズ、35℃での測定値)の範囲にあ
る。樹脂溶液(ドープ)を図1に示した流延膜製造装置
を用いて流延する。
【0021】図2〜5は、本発明に従う流延方法を順を
追って説明する装置の概略断面図である。
【0022】図2において、流延開始に際して予め合流
後のドープ流路を、流路切り換え手段9により樹脂溶液
抜き取り路(逆送流路)8に設定しておく(開側流路:
抜き取り流路、閉側流路:流延ダイへの流路)。上記で
調製したドープをそれぞれ、太い矢印の方向からドープ
合流装置2に送る。ドープの合流装置内流路での平均流
速は、一般に1〜30m/分の範囲にあり、好ましくは
5〜20m/分の範囲である。この時、操作上、合流手
段2内にて各ドープの先頭を完全に一致させることはほ
ぼ不可能であり、ドープ流先頭部の位置ずれにより、ド
ープ流の先頭部の内にはエアー溜まり(気泡)12が発
生する。
【0023】図3において、合流して一つの液流になっ
たドープは気泡を含みながら樹脂溶液抜き取り路8を通
って樹脂溶液回収タンク(図示なし)へと向かう。
【0024】図4において、気泡を含むドープ流の先頭
部分が完全に抜き取り路8に押し出された後に、流路切
り換え手段9を作動させてドープの流路をダイ給液口6
に切り換え始める。この時、切り換えにより発生するド
ープへの圧力ショックを小さくするために、切換開始と
ほぼ同時に閉側流路である流延ダイのダイ給液口6が開
き始めるようにする。また、ダイ給液口6へドープが給
液される際に、給液ドープの先頭が揃うように、抜き取
り路8の途中には圧力調整弁10(図1参照)が設けら
れているのが好ましい。
【0025】流路の切り換えは、たとえば予めドープの
流速などに基づいて流延開始後、予め設定された時間経
過したのちに行うことができる。ドープの流速やドープ
合流装置2の形状等によっても異なるが、一般にはドー
プの合流装置へ供給開始後、10秒〜5分後である。ま
た、気泡センサ11を抜き取り路8に設けておいて、気
泡の抜き取り完了を、気泡センサ11の位置における気
泡の通過を検知することによって確認し、流路切り換え
手段9を作動させることができる。この場合には、気泡
センサ11と流路切り換え手段9とを電気的に接続させ
ておき、気泡センサ11から発せられた気泡通過完了信
号により、流路切り換え手段9が自動的に作動するよう
に設定することができる。気泡通過を自動的に検知する
には、例えば、ドープの先頭が通過してある一定時間t
1 秒以降に、気泡が通過しない時間がt2 秒持続するこ
とをエアー通過条件として設定すればよい。そして、こ
の条件を満足すれば直ちに気泡センサー11から流路切
り換え手段9に信号が送られて切り換え手段9が作動す
るように、装置を自動化することができる。このように
設定することにより、気泡を含むドープが流延ダイに供
給されることを自動的に阻止し、気泡を含まないドープ
が自動的に流延ダイに給液されるようにすることが可能
となり、製膜開始作業を完全に自動化することができ
る。気泡センサ11としては、たとえば赤外線の透過ま
たは反射を利用したものを用いることができる。
【0026】図5において、流路切り換え手段9の作動
完了後、ドープ流路は流延ダイの流路5側に完全に切り
換えられて(開側流路:ダイへの流路、閉側流路:抜き
取り路)、気泡を全く含まず乱れのないドープがダイの
流路5を通ってダイリップ7より吐出されて、一定速度
で移動する支持体2(図1参照)上に流延される。一
方、回収タンクに達した気泡含む初期ドープについては
廃棄されるが、これをドープの製造のために再利用する
ことも可能である。
【0027】本発明においてドープを連続的に合流させ
るために用いることのできるドープ合流手段としては、
フィードブロックなどの公知の任意のものを挙げること
ができる。また、流延ダイの内部の形状はコートハンガ
ーダイ、Tダイなど任意の形状であってよい。流延樹脂
膜の支持体としては、表面が鏡面処理された連続の金属
製バンドであってもよいし、あるいは冷却ドラム等の回
転ドラムであってもよい。
【0028】その後、支持体上である程度乾燥されて自
己支持性となった流延樹脂膜を支持体から剥ぎ取り、そ
して公知の適当な搬送手段により乾燥部を通過させて更
に溶媒を除去する。流延膜を乾燥する手段としては、公
知の各種の手段を利用することができる。このような方
法を利用することにより、製膜した樹脂フィルムを得る
ことができる。
【0029】本発明の製造方法によって製造される樹脂
フィルムの厚さ(積層樹脂フィルムである場合にはその
全体の厚さ)は、フィルムの原料や用途などによっても
異なるが、一般には20〜500μmの範囲にあり、好
ましくは40〜300μmの範囲である。
【0030】なお、上記においては三層構造の場合を例
にとって説明したが、本発明の流延樹脂膜や樹脂フィル
ム製造方法は三層以外の多層構造のフィルムであって
も、あるいは単層のフィルムであっても好適に実施する
ことができる。
【0031】また、上記の図1および図2〜5に示した
装置は本発明の製造装置の一例であって、本発明の装置
は上記の装置に限定されるものではない。たとえば、合
流手段を含まない単層フィルム製造用の流延ダイのダイ
給液口付近に樹脂溶液抜き取り路と流路切り換え手段が
設けられた単層流延用の装置であってもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、製膜作業開始時に流延
ダイから押し出されるドープ(樹脂溶液)は気泡を含ま
ず、また樹脂溶液の先頭に溶液流の乱れがないので、流
延後の流延樹脂膜をこれまでのように先頭部分のみを別
に巻き取って廃棄処分する必要がなく、製膜作業の開始
時から、そのまま次の乾燥工程に通して樹脂フィルムの
製品を得ることができる。従って、樹脂フィルムの生産
性および作業性を顕著に改善することができる。さら
に、製膜の開始作業を自動化することが可能となるた
め、生産性、作業性の向上のみならず、有機溶媒の漏出
の遮断など労働環境の改善も実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流延樹脂膜の製造装置の一例を示す概
略断面図である。
【図2】本発明の流延樹脂膜製造装置の作動を説明する
図であり、ドープ流の抜き取りを始めた状態を示してい
る。
【図3】本発明の流延樹脂膜製造装置の作動を説明する
図であり、気泡が形成されているドープ流の抜き取りを
実施している状態を示している。
【図4】本発明の流延樹脂膜製造装置の作動を説明する
図であり、気泡が形成されているドープ流の抜き取りが
終了し、流路切り換え弁が作動してドープ流が流延ダイ
に送液され始めた状態を示している。
【図5】本発明の流延樹脂膜製造装置の作動を説明する
図であり、気泡が形成されているドープ流の抜き取りが
終了し、流路切り換え弁の作動が完了して、ドープ流が
流延ダイにのみ送液されている状態を示している。
【符号の説明】
1 外部合流型共流延装置 2 樹脂溶液(ドープ)合流手段 3 流延ダイ 4 支持体 5 流延ダイ流路 6 流延ダイ給液口 7 ダイリップ 8 抜き取り樹脂溶液路(逆送流路) 9 流路切り換え手段 10 圧力調整弁 11 気泡センサ 12 気泡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片井 幸祐 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4F205 AC05 AG01 AH73 AP19 GA07 GB02 GC07 GE01 GE02 GE12 GE24 GF01 GF23 GF24 GF46 GF51 GN21 GN27 GN29 GW45

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流延ダイに接続する送液路を介して樹脂
    溶液を連続的に流延ダイに送り込み、次いで流延ダイの
    ダイリップから、移動下にある支持体上に樹脂溶液を押
    出して流延樹脂膜を形成させることからなる流延樹脂膜
    の製造法において、樹脂溶液を送液路から流延ダイに送
    り込む作業の開始時に樹脂溶液流の先頭部附近で形成さ
    れる気泡を、送液路と流延ダイとの接続部に付設した溶
    液抜き取り路から樹脂溶液と共に連続的に抜き取ったの
    ち、送液路からの流延ダイへの気泡の無い樹脂溶液の送
    り込みを開始することを特徴とする流延樹脂膜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 気泡の無い樹脂溶液の流延ダイへの送り
    込みの開始を、抜き取った樹脂溶液流中に気泡の混在が
    ないことを確認した後に行なうことを特徴とする請求項
    1に記載の流延樹脂膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶液抜き取り路で抜出した樹脂溶液を回
    収して、これを流延ダイ送り込み用の樹脂溶液の一部と
    して使用することを特徴とする請求項1もしくは2に記
    載の流延樹脂膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂溶液の送液路が二以上備えられてい
    て、それらが流延ダイとの接続部の直前で合流するよう
    に接続されていることを特徴とする請求項1もしくは2
    に記載の流延樹脂膜の製造法。
  5. 【請求項5】 流延ダイに接続する送液路を介して樹脂
    溶液を連続的に流延ダイに送り込み、次いで流延ダイの
    ダイリップから、移動下にある支持体上に樹脂溶液を押
    出して流延樹脂膜を形成させ後、流延樹脂膜を部分的に
    乾燥して自己支持性樹脂膜とし、次いで自己支持性樹脂
    膜を支持体から剥ぎ取り、乾燥することからなる樹脂フ
    ィルムの製造方法において、樹脂溶液を送液路から流延
    ダイに送り込む作業の開始時に樹脂溶液流の先頭部附近
    で形成される気泡を、送液路と流延ダイとの接続部に付
    設した溶液抜き取り路から樹脂溶液と共に連続的に抜き
    取った後、送液路からの流延ダイへの気泡の無い樹脂溶
    液の送り込みを開始することを特徴とする樹脂フィルム
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 気泡の無い樹脂溶液の流延ダイへの送り
    込みの開始を、抜き取った樹脂溶液流中に気泡の混在が
    ないことを確認した後に行なうことを特徴とする請求項
    5に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 溶液抜き取り路で抜出した樹脂溶液を回
    収して流延ダイ送り込み用の樹脂溶液の一部として使用
    することを特徴とする請求項5もしくは6に記載の樹脂
    フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 樹脂溶液の送液路が二以上備えられてい
    て、それらが流延ダイとの接続部の直前で合流するよう
    に接続されていることを特徴とする請求項5もしくは6
    に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 樹脂溶液を通す送液路、送液路に接続す
    る流延ダイ、及び流延ダイのダイリップの下方側、ダイ
    リップに近接する位置を移動通過するように配置された
    支持体からなる流延樹脂膜の製造装置において、送液路
    と流延ダイの接続部に樹脂溶液抜き取り路が流路切り換
    え器と共に設置されていることを特徴とする流延樹脂膜
    製造装置。
  10. 【請求項10】 樹脂溶液の送液路が二以上備えられて
    いて、それらが流延ダイとの接続部の直前で合流するよ
    うに流延ダイと接続されていることを特徴とする請求項
    9に記載の流延樹脂膜製造装置。
  11. 【請求項11】 樹脂溶液抜き取り路に気泡センサが付
    設されていることを特徴とする請求項9に記載の流延樹
    脂膜製造装置。
  12. 【請求項12】 気泡センサが流路切り換え器と電気的
    に接続されていて、気泡センサからの信号によって流路
    切り換え器が、流路を、送液路と流延ダイとの接続ある
    いは送液路と樹脂溶液抜き取り路との接続のうちのいず
    れかに切り換えるように設定されていることを特徴とす
    る請求項11に記載の流延樹脂膜製造装置。
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