JP2000317338A - ジェット粉砕装置及びジェット粉砕方法 - Google Patents
ジェット粉砕装置及びジェット粉砕方法Info
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Abstract
タ分級機により分級する場合に、所望の粒度分布が確実
に得られるようなジェット粉砕技術を提供すること。 【解決手段】 高圧ガスを噴射するガス噴射ノズルと、
被粉砕物を供給する原料供給ノズルと、原料供給ノズル
から供給された被粉砕物をガス噴射ノズルから噴射され
る高圧ガスにより粉砕する粉砕室2と,この粉砕室2に
て粉砕された粉砕粉を高圧ガスによるジェット流ととも
に取り出すための案内通路5と,ロータ外周面に案内通
路5からのジェット流が案内されて、粉砕粉の分級を行
うロータ分級機とを設けている。
Description
原料供給ノズルから供給された被粉砕物を流体噴射ノズ
ルから噴射される高圧流体により粉砕して、所望の粒度
分布を有する粉砕粉を得ることのできるジェット粉砕装
置及びジェット粉砕方法に関するものである。
620号広報に開示されるジェット粉砕機(ジェット粉
砕装置)があげられ、これを図10に示す。このジェッ
ト粉砕機において,ケーシング80の内部に粉砕室81
と、その上方に分級室82とを設けている。さらに、分
級室82の天井中央部に排気筒83を設けている。粉砕
室81の周壁に設けた原料供給ノズル84から粉砕室8
1内の外周部に被粉砕物を供給し、ガス噴射ノズル85
(流体噴射ノズルの1例)から粉砕室81内に噴射され
る高圧ガス(高圧流体の1例)により被粉砕物を粉砕す
る。次いで,粉砕された粉砕粉を分級室82に流入さ
せ、この分級室82内に設けたロータ分級機86の回転
により粉砕粉の旋回速度を加速して粉砕粉の粒度分布の
均一化を図るものである。分級室82内の粉砕粉の旋回
により、粉砕粉を微粉と粗粉とに遠心分級し、分級室8
2の中央部に移行した微粉はロータ分級機のスリット間
を通り抜けて排気筒83から排出される。
成によるジェット粉砕機には以下に説明するような問題
点があった。粉砕室81において高圧ガスを噴射させて
おり、粉砕室81においては高速のジェット流が発生
し、粉砕された粉砕粉はこのジェット流にのせられて分
級室82に設けられたロータ分級機のロータ外周部にま
で案内される。ところで、ロータ分級機により所望の分
級を行うには、ロータの回転速度をジェット流による粉
砕粉の回転速度よりも速くする必要がある。ところが、
図10の構成では粉砕室81と分級室82とが直通して
おり,分級室82における粉砕粉の回転速度もかなり速
い状態であり、この速度よりもロータの回転速度を速く
することはロータ分級機の性能を考えると現実的には困
難であった。
度よりも遅くしてしまうと、粗粉が微粉に混入してしま
うことがあり、所望の分級を行うことができないことが
あった。本発明は上記実情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、粉砕室において被粉砕物を粉砕した
後、ロータ分級機により分級する場合に、所望の粒度分
布が確実に得られるようなジェット粉砕装置及びジェッ
ト粉砕方法を提供することである。
の本発明に係るジェット粉砕装置は、高圧流体を噴射す
る流体噴射ノズルと、被粉砕物を供給する原料供給ノズ
ルと、前記原料供給ノズルから供給された被粉砕物を前
記流体噴射ノズルから噴射される高圧流体により粉砕す
る粉砕室と、この粉砕室にて粉砕された粉砕粉を前記高
圧流体によるジェット流とともに取り出すための案内通
路と、ロータ外周面に前記案内通路からのジェット流が
案内されて、前記粉砕粉の分級を行うロータ分級機とを
設けていることを特徴とするものである。
粉砕物が供給されると共に、流体噴射ノズルから高圧流
体(高圧エア、高圧窒素ガスなど)を噴射させて被粉砕
物を粉砕させる。粉砕室内では、高圧流体の噴射方向に
沿って高速で粉体粉が旋回している。 (2)粉砕室にて粉砕された粉体粉は,ジェット流と共
に案内通路に案内される。 (3)この案内通路により、ロータ分級機のロータ外周
面に粉体粉が案内されて分級される。
体粉の旋回速度を粉砕室内における旋回速度よりも落と
すことができ、ロータ分級機のロータ回転速度を粉体粉
の旋回速度よりも速くなるように設定することができ
る。したがって、粗粉が微粉の混入してしまうというこ
とがなくなり(又は、極めて少なくなり)、所望の粒度
分布を得られるジェット粉砕装置を提供することができ
た。
タ分級機により分級された粗粉を前記粉砕室に還流させ
るための還流通路を設けているものがあげられる。案内
通路によりロータ分級機に案内されるジェット流には微
粉と共に粗粉も混在しており、ロータ分級機に取り入れ
られない粗粉を還流通路により粉砕室に戻すことによ
り、分級処理効率を高めることができる。
案内通路により案内されるジェット流の流心が、前記ロ
ータ分級機の回転中心からオフセットされているものが
あげられる。この構成により、ロータ分級機のロータ外
周面にジェット流を確実に案内することができる。ま
た、ロータ外周面に層流を確実に形成することができ、
粗粉が分級ロータ内に入り込むことがなく、所望の粒度
分布の粉体粉を得ることができる。
前記案内通路により案内されるジェット流の方向と、前
記ロータ分級機の回転方向とが同一方向になるように設
定されているものがあげられる。
向を逆方向にすると、ロータ外周面に所望の層流を形成
しにくくなってしまい、所望の粒度分布の粉体粉が得ら
れなくなる。そこで、ロータ分級機の回転方向をジェッ
ト流の方向と同一にすることにより、ロータ外周面に層
流を確実に形成することができ、分級処理効率を高める
ことができる。
前記原料供給ノズルから供給される被粉砕物の供給量
と、前記流体噴射ノズルから噴射される高圧流体による
粉砕圧力と、前記ロータ分級機のロータ回転数により分
級される粉砕粉の粒度分布が制御されるものがあげられ
る。
砕圧力、ロータ回転数を適宜設定することで、粉体粉の
粒度分布を所望になるように設定することができる。例
えば、ロータ回転数を速くすればより細かな微粉をとり
込むことができる。
るジェット粉砕方法は、粉砕室において、原料供給ノズ
ルから供給された被粉砕物を流体噴射ノズルから噴射さ
れる高圧流体により粉砕する工程と,前記粉砕室にて粉
砕された粉砕粉を前記高圧流体によるジェット流ととも
に案内通路に取り出す工程と,ロータ分級機のロータ外
周面に前記案内通路からのジェット流を案内して、前記
粉砕粉の分級を行う工程とを有することを特徴とするも
のである。
(2)(3)と同じである。その結果、所望の粒度分布
を得られるジェット粉砕方法を提供することができた。
砕物は希土類磁性材料であるものがあげられる。上記ジ
ェット粉砕方法により得られた希土類磁性材料は所望の
粒度分布を有し、これを用いて希土類磁石を成形すると
所定の保磁力を確保することができる。
用いて説明する。図1は、ジェット粉砕装置の全体構成
を示す外観図である。このジェット粉砕装置は、原料を
供給する定量供給部1と、ジェット粉砕部2と、ロータ
分級機が備えられたロータ分級部3と、サイクロン4と
を備えている。
案内通路5が伸びており、ジェット粉砕部2で粉砕され
た粉体粉をロータ分級部3へ案内するものである。ま
た、ロータ分級部3の下部から還流通路6が下方に伸び
ており、ロータ分級部3において分級された粗粉をジェ
ット粉砕部2に戻して再度粉砕しようとするものであ
る。さらに、ロータ分級機を回転駆動するためのモータ
7及びベルト伝動機構8が設けられている。ロータ分級
部3において分級された微粉は搬送通路9によりサイク
ロンに向けて搬送される。
観図を図2に、ジェット粉砕部2の断面図を図3に、ロ
ータ分級部3の断面図を図4に示す。ジェット粉砕部2
は図3に詳しく説明するように、第1ケーシング11と
第2ケーシング12によりカバーされ、第1ケーシング
11の内周にはライナー13が取り付けられ、その内部
に粉砕室14が形成されている。第2ケーシング12
は、テーパ部15を下部に有し、その内側にリング状部
材16が第1ケーシング11の上側に取り付けられ、こ
れにより第2ケーシング12内に第1分級室17が形成
されている。また、リング状部材16のテーパ部15と
当接する部分に粗粉戻り通路18が設けられている。
の外周部に向けて被粉砕物を噴射供給する原料供給ノズ
ル19と、粉砕室14の外周部に高圧ガス(高圧流体に
相当する。)を噴射する複数のガス噴射ノズル20(流
体噴射ノズルに相当する。)とが設けられている。ガス
噴射ノズル20とガス供給管21とは送気管22により
接続されている。また、ガス噴射ノズル20の上部に
は、内部のディフューザ部23を粗粉戻り通路18に連
通する吸引孔24が形成されている。なお、粗粉をディ
フューザ部23に戻す機構は上記以外の任意の構成を採
用できる。
ス供給管21に接続された送気管25の先端が間隔をお
いて対向し、その送気管25と原料供給ノズル19の対
向部間に原料供給ホッパ26の下部出口が臨み、送気管
25から原料供給ノズル19内に高圧ガスを噴射するこ
とにより、原料供給ホッパ26内の被粉砕物(原料)が
原料供給ノズル19内に吸引されて、高圧ガスと共に粉
砕室14内に噴射される。
接続され、粉砕室14にて粉砕され、かつ、第1分級室
17にて分級された粉体粉はジェット流とともに上昇し
ロータ分級部3に案内される。また、第1分級室17内
には、粉砕室14から第1分級室17内に流入する粉体
粉をリング状部材16のテーパ面16aに沿うように誘
導する分級板27が設けられている。
る。ロータ分級部3はケーシング32内に第2分級室3
1が設けられ、回転軸Y周りに回転するロータ分級機3
0を備えている。ロータ分級機30は、モータ7により
回転駆動されるものであり、円周方向に沿って多数のス
リット30bが形成されたロータ外周面30aを備えて
いる。図5に、ロータ外周面30aの断面図を示す。ま
た、このロータ外周面30aの下部には微粉回収部33
とを備えており、この微粉回収部33はケーシング32
に対して支持バー34により固定されている。また、微
粉回収部33は搬送通路9に接続されている。
ロータ外周面30aの方向に向いており、案内通路5を
案内されてきた粉体粉は、このロータ分級機30により
再度分級される。つまり、ロータ外周面30aのスリッ
ト30bから微粉を取り込むようにし、粗粉は第2分級
室31の下部に設けられた還流通路6により粉砕室14
に戻されるようにしている。これにより、第1分級室1
7において完全に分級できなかった粗粉は、この第2分
級室31において確実に分級されて再度粉砕されるよう
に構成されているから分級処理効率を高めることができ
る。還流通路9の下部には粗粉ホッパ28が設けられて
おり(図2、3参照)、粗粉供給用のノズルにより粉砕
室14に供給される。なお、粗粉供給用のノズルの構成
は、原料供給ノズル19と同じ構成でよい。
粉砕装置の作動を説明する。原料供給ノズル19から、
粉砕室14内に被粉砕物を高圧ガスと共に供給すると、
その被粉砕物は粉砕室14内で高速旋回する。このと
き、ガス噴射ノズル20から粉砕室14内に高圧ガスが
噴射されているから、粉砕室14内で旋回する被粉砕物
(粉体粉)は、高圧ガスとの衝突や被粉砕物相互の衝突
により粉砕される。
砕されると、粒径の小さくなった粉体粉は粉砕室14の
上にある第1分級室17に移動する。粒径の大きな粗粉
は粗粉戻り通路18からガス噴射ノズル20内に戻さ
れ、そのガス噴射ノズル20から高圧ガスと共に再び粉
砕室14内に噴射される。
この第1分級室19内で旋回し、ここで微粉と粗粉とに
遠心分級される。遠心分級された粉体粉は案内通路5を
通ってジェット流により旋回しながら上昇しロータ分級
機30のロータ外周面30aに案内される。案内通路5
を案内される粉体粉には微粉のみならず、上記遠心分級
により取り除けなかった粗粉も混在しており、これを第
2分級室31において再度分級するのである。
流心と、ロータ分級機30のロータの回転中心とはオフ
セットしており、これにより確実にロータ外周面30a
に向けてジェット流を案内することができる。また、ジ
ェット流の旋回方向とロータ分級機30の回転方向は同
じになるようにしており、これによりロータ外周面30
aにまわりの気流の状態を層流にして、確実に取り込み
たい微粉のみをロータ内部に取り込むことができる。ま
た、案内通路5により案内されてきたジェット流の旋回
速度よりもロータ分級機30の回転速度を速くすること
ができ、確実な分級を行うことができる。ロータ分級機
30に取り込まれない粗粉は還流通路6により再び粉砕
室14に戻される。
間ボックス33、搬送通路9を通ってサイクロン4に移
動する。サイクロン4では、細かくなりすぎた微粉を取
り除くための最終的な分級処理を行い、所定の粒度分布
を有する微粉のみを回収できるようにする。
図である。被粉砕物は、粉砕室に供給され、ロータ分級
機により分級された粗粉を粉砕室に戻す。ロータ分級機
により分級された微粉が製品として利用される。
7に示す。図7(a)は、ロータ分級機30のロータ回
転数と粒度分布変化を示すグラフであり、(b)は、ロ
ータ回転数と保磁力の関係を示すグラフである。この例
では、被粉砕物として希土類磁性材料を用いている。な
お、グラフ中タイプAとあるのは、図3などで説明した
ように、ジェット粉砕部2に分級室17を備えているタ
イプのものをいう。
図9は、粒度分布の1例を示すものであり、50%粒度
とは、1ロット中の全粒子に対して、小さい粒子からの
トータル粒子が50%になる粒径のことであり、99%
粒度とは、同様に99%までの粒径のことである。
転数をあげていくと99%粒度が下がってきており、粒
度分布が好ましい方向になっていることが理解できる。
また、図7(b)によると、ロータ回転数を上げていく
と、得られた粉体粉により成形した磁石の保磁力も高く
なり、30Hz以上の回転数で効果が現れている。な
お、図7(b)中、HCJ、Hkとはそれぞれ、保磁力
のことを示す。
級室17を有する(分級機能を有する。)構造について
説明したが、ジェット粉砕部2には必ずしも分級機能は
必要はなく、分級機能を有しない構造も本発明の枠内に
入るものである。そこで、ジェット粉砕部2に分級機能
を有しないタイプBについての実験結果を図8に示す。
タイプBにおいても、ロータ回転数をあげていき、およ
そ50Hz以上に設定すれば好ましい粒度分布を得るこ
とができた。なお、上記30Hz,50Hz,60Hz
をそれぞれ周速で表現すると、30Hz≒4.7m/
s、50Hz≒7.85m/s、60Hz≒9.4m/
sとなる。
とにより粒度分布を変えているが、これに限らず、原料
供給ノズルから供給される被粉砕物の供給量や、ガス噴
射ノズルから噴射される高圧ガスの粉砕圧力を変更する
ことにより粒度分布をコントロールすることもできる。
土類磁性材料を例に挙げているが、これに限定されず、
その他の金属、医薬品、化学物質、合成樹脂などを微粉
処理する場合にも本発明は応用できるものである。
砕粉を高圧ガスによるジェット流とともに取り出すため
の案内通路を設け、ロータ分級機のロータ外周面に案内
通路からのジェット流が案内するように構成している。
これにより、粉体粉の旋回速度を粉砕室内における旋回
速度よりも落とすことができ、ロータ分級機のロータ回
転速度を粉体粉の旋回速度よりも速くなるように設定す
ることができる。したがって、粗粉が微粉の混入してし
まうということがなくなり(又は、極めて少なくな
り)、所望の粒度分布を得られるジェット粉砕装置及び
ジェット粉砕方法を提供することができた。
Claims (7)
- 【請求項1】 高圧流体を噴射する流体噴射ノズルと、 被粉砕物を供給する原料供給ノズルと、 前記原料供給ノズルから供給された被粉砕物を前記流体
噴射ノズルから噴射される高圧流体により粉砕する粉砕
室と、 この粉砕室にて粉砕された粉砕粉を前記高圧流体による
ジェット流とともに取り出すための案内通路と、 ロータ外周面に前記案内通路からのジェット流が案内さ
れて、前記粉砕粉の分級を行うロータ分級機とを設けて
いることを特徴とするジェット粉砕装置。 - 【請求項2】 前記ロータ分級機により分級された粗粉
を前記粉砕室に還流させるための還流通路を設けている
ことを特徴とする請求項1に記載のジェット粉砕装置。 - 【請求項3】 前記案内通路により案内されるジェット
流の流心が、前記ロータ分級機の回転中心からオフセッ
トされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
ジェット粉砕装置。 - 【請求項4】 前記案内通路により案内されるジェット
流の方向と、前記ロータ分級機の回転方向とが同一方向
になるように設定されていることを特徴とする請求項1
〜3のいずれか1項に記載のジェット粉砕装置。 - 【請求項5】 前記原料供給ノズルから供給される被粉
砕物の供給量と、前記流体噴射ノズルから噴射される高
圧流体による粉砕圧力と、前記ロータ分級機のロータ回
転数とにより分級される粉砕粉の粒度分布が制御される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
ジェット粉砕装置。 - 【請求項6】 粉砕室において、原料供給ノズルから供
給された被粉砕物を流体噴射ノズルから噴射される高圧
流体により粉砕する工程と、 前記粉砕室にて粉砕された粉砕粉を前記高圧流体による
ジェット流とともに案内通路に取り出す工程と、 ロータ分級機のロータ外周面に前記案内通路からのジェ
ット流を案内して、前記粉砕粉の分級を行う工程とを有
することを特徴とするジェット粉砕方法。 - 【請求項7】 前記被粉砕物は希土類磁性材料であるこ
とを特徴とする請求項6に記載のジェット粉砕方法。
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- 1999-05-11 JP JP13037599A patent/JP4230050B2/ja not_active Expired - Fee Related
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