JP2000317179A - 二重環縫いミシン - Google Patents

二重環縫いミシン

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JP2000317179A
JP2000317179A JP11126318A JP12631899A JP2000317179A JP 2000317179 A JP2000317179 A JP 2000317179A JP 11126318 A JP11126318 A JP 11126318A JP 12631899 A JP12631899 A JP 12631899A JP 2000317179 A JP2000317179 A JP 2000317179A
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JP
Japan
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needle
cloth
needle plate
sewing machine
plate
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JP11126318A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Iwai
勝彦 岩井
Takashi Mizusaki
隆 水崎
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Yamato Sewing Machine Mfg Co Ltd
Original Assignee
Yamato Sewing Machine Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生地と生地との間に空環を形成して連続して
縫製するとき、空環が針板の下で垂れ下がることを確実
に防ぐ二重環縫いミシンを提供する。 【解決手段】 針板40には針板爪45の両側方に布送
り方向Aに延びる針落ち孔56,57が形成され、この
針落ち孔56,57よりも布送り方向A下流側には後送
り溝48,49が形成され、この後送り溝48,49と
針落ち孔56,57との間に桟52が介在される。針板
40は布送り方向Aに変位自在に支持され、通常の縫製
時には布送り方向A下流側の後退位置に針板40は位置
する。生地の縫製が終了し、空環が形成されるとき針板
40を布送り方向A上流側に前進させ、針の昇降経路に
近接した位置に桟52を配置する。これによって形成さ
れた空環は形成直後に桟52上に支持されて後方に送り
出されて、垂れ下がるといったことが確実に防がれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも2本の
針を用いる二重環縫いミシンに関し、特に複数枚の生地
を連続して縫製する二重環縫いミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】二重環縫いミシンで複数枚の生地を連続
して縫製する場合、生地と生地との間に間隔をあけ、生
地と生地との間に空環(からかん)と呼ばれる縄状の縫
い目の連なりを形成して連続して縫製作業を行う場合が
ある。
【0003】図10は、2本針二重環縫いミシン1の空
環形成時の状態を拡大して示す斜視図である。このよう
な2本針二重環縫いミシン1は、たとえばTシャツの袖
や裾まわりを縫うときに用いられる。
【0004】2本針二重環縫いミシン1は、2本の針
2,3を同時に上下に往復動させるとともに、これらの
針2,3に同期してルーパ4を針板5(図10では仮想
線で示す)の下で布送り方向Aに直交して往復楕円運動
をさせて縫い目を形成する。針板5には、2本の針2,
3が挿通する2つの針落ち孔6,7が形成され、この針
落ち孔6,7を連ねてコ字状に針板5が切欠かれて爪1
0が形成される。この爪10よりも布送り方向A下流側
には送り歯11,12が挿通する送り溝13,14が形
成される。送り歯11,12は送り溝13,14内で楕
円運動し、針板5上に載置され、押え金(図示せず)に
よって押えられる生地を布送り方向Aに送り出す。爪1
0と送り溝13,14との間には布送り方向Aに直交し
て延びる桟18が設けられる。
【0005】ルーパ糸15は生地の下側で、布送り方向
Aである前後の縫い目間および左右の針2,3の針糸1
6,17間にわたって巻掛けられて張架されて縫い目が
形成される。このようにルーパ糸15が針板5の下で前
後左右に張架されて縫い目を形成できるように爪10が
設けられる。
【0006】連続して縫製作業を行うときは、上述した
ように、複数の生地を間隔をあけて連続して送り出し、
図10に示すように生地と生地との間に針糸16,17
とルーパ糸15のみによって形成される縄状の縫い目と
なる空環19を形成する。生地間の空環は適宜カッティ
ング装置で切断する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、2本
針二重環縫いミシン1では針板5に爪10が設けられる
ので、図10に示すように、空環形成時に空環は桟18
と爪10との間から針板5上に引出される。しかしなが
ら針2,3と桟18との間には距離があるため、空環が
爪10の下で垂れ下がる場合があり、その場合にはルー
パ4に空環が巻込まれてしまい、縫製作業が中断してし
まうといった問題を有する。
【0008】また上述したように空環を形成するのでな
く、生地と生地との間に、たとえば2cm角程度の布を
介在させ、空環を形成する代わりにこの布を縫うことに
よって、垂れ下がった空環がルーパに巻込まれることを
防ぐ方法もある。しかしこの場合には布を介在させると
いった手間が1つ増え、作業効率が低下するといった問
題を有する。
【0009】本発明の目的は、空環が針板の下でルーパ
に巻込まれることを確実に防ぐことができる二重環縫い
ミシンを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、針板と押え金とで生地を挟み、送り歯で予め定める
布送り方向へ生地を送りながら針を上下に往復動させ、
針糸とルーパ糸とで生地を縫う二重環縫いミシンにおい
て、前記針板には、針が挿通し、布送り方向に延びる針
落ち孔と、針落ち孔よりも布送り方向下流側で布送り方
向に延び、送り歯が挿通する送り溝とが形成され、針落
ち孔と送り溝との間には桟が介在され、針板を、布送り
方向に変位自在に支持する針板支持部材が設けられ、生
地が針の昇降経路を通過して送り出され、空環が形成さ
れるとき、針の昇降経路よりも布送り方向下流側で、桟
が針の昇降経路に近接するまで、針板を布送り方向上流
側に変位させ、形成される空環を桟上に支持することを
特徴とする二重環縫いミシンである。
【0011】本発明に従えば、針板は針板支持部材によ
って布送り方向に変位自在に支持されており、通常の縫
製時には、針落ち孔と送り溝との間に介在される桟は針
の昇降経路に離間しており、ルーパ糸が布送り方向に前
後にわたって張架されて縫い目が形成される。生地の終
端が針の昇降経路を通過して送り出されると、針糸とル
ーパ糸とによって空環が形成される。空環は針板の下で
針糸とルーパ糸とが絡み、桟に対して布送り方向上流側
から針板上に引出される。この空環形成時に本発明では
針板を布送り方向上流側へ移動させ、桟を針の昇降経路
に近接させる。これによって、形成された空環はすぐに
針板上に引上げられて桟上に支持される。
【0012】従来技術では空環が針板上に引上げられる
までにある程度の距離があったため、この間に空環が垂
れ下がり、往復動するルーパに垂れ下がった空環が巻込
まれる問題があったが、本発明では上述したように形成
された空環はすぐに針板上に引上げられて桟上に支持さ
れるので、空環が垂れ下がってルーパに巻込まれること
が確実に防がれる。なお桟上に引上げられた空環は送り
歯によって布送り方向に送り出される。
【0013】請求項2記載の本発明は、針板上に生地が
存在するか否かを検出する生地センサと、生地センサの
検出出力に応答し、生地無しを検出した場合には前進信
号を出力し、生地有りを検出した場合には後退信号を出
力する制御手段と、針板を布送り方向上流側および下流
側に変位駆動し、制御手段からの前進信号に応答して針
板を布送り方向上流側に前進変位させ、制御手段からの
後退信号に応答して針板を布送り方向下流側に後退変位
させる針板駆動手段とを有することを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、縫製時には生地センサは
生地有りを示す信号出力しており、制御手段はこの信号
に応答して後退信号を出力し、針板は布送り方向下流側
に後退している。すなわち、針の昇降経路と桟とは離間
している。
【0015】生地の終端が針の昇降経路を通過し、生地
無しが生地センサによって検出されると、制御手段はこ
れに応答して前進信号を出力する。針板駆動手段はこの
前進信号に応答して針板を布送り方向上流側に前進変位
させ、これによって針の昇降経路に桟が近接する。この
ようにして、空環が形成されるとき桟が針の昇降経路に
近接し、形成される空環が垂れ下がることなくすぐに針
板上に引上げられて桟に支持され、送り歯によって布送
り方向に送り出される。
【0016】引続いて生地が来ると生地センサによって
生地有りが検出され、これに応答して針板は後退し、桟
は針の昇降経路から離間して再び縫製され始める。この
ようにして複数の生地を間隔をあけて連続して縫製する
とき、生地と生地との間に形成される空環が垂れ下がっ
てルーパに引っ掛かり、縫製作業が中断するといったこ
とが確実に防がれ、複数枚の生地を連続して縫製するこ
とが可能となる。
【0017】請求項3記載の本発明の前記押え金は、針
が挿通する針落ち孔が形成される補助押え金を備えるこ
とを特徴とする。
【0018】補助押え金は、従来、空環形成時に桟との
間で空環を挟み、後方の送り歯へ送られる空環を安定し
て保持している。このような従来の補助押え金を備える
ミシンに本発明の針板を適用すると、空環形成時に針板
が前進し、桟と押え金とが前後にずれてしまい、空環を
挟持することができなくなってしまう。
【0019】これに対して本発明では、補助押え金に針
落ち孔が形成され、針の昇降経路に近接する位置を押え
ることができるので、空環形成時に針板が前進し、桟が
針の昇降経路に近接する位置に配置された場合であって
も空環を桟と補助押え金とで確実に挟んで安定して保持
することが可能となる。
【0020】請求項4記載の本発明は、空環形成時に、
ルーパ糸の張力を高くすることを特徴とする。
【0021】2本針二重環縫いミシンの場合、ルーパ糸
は左右の針の針糸間にわたって巻掛かって縫い目を形成
する。本発明では、空環形成時にこのルーパ糸の張力を
高くすることによって離間する2本の針糸がルーパ糸に
よって絡められ、空環は細い縄状に形成される。このよ
うにして安定した縄状に空環が形成されるので、空環が
安定し、ルーパに引っ掛かりにくくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であ
る2本針二重環縫いミシン30を示す斜視図であり、図
2はミシン30の針板40近傍を後方から拡大して示す
斜視図である。ミシン30は、ミシンベッド35と、ミ
シンベッド35の上方にミシンアーム31を有する。ミ
シンアーム31の基端部には糸調子器32が設けられ、
先端部には針棒36を介して針33,34が設けられ、
このミシンアーム31の先端部の下方のミシンベッド3
5に針板40が水平に配置される。針棒36はミシンア
ーム31の先端部で鉛直に昇降変位可能に支持され、針
棒36の下端部の針止め43に2本の針33,34が鉛
直方向に平行に固定される。針棒36に平行に押え棒4
1がミシンアーム31の先端部に上下に昇降可能に設け
られ、この押え棒41の下端部に押え金42が取付けら
れる。ミシンベッド35上の針板40上に載置した生地
を押え金42で押え、生地を後方に送り出しながら針3
3,34を上下に往復動させて縫製作業を行う。
【0023】このような2本針二重環縫いミシン30
は、たとえばTシャツなどの袖や裾まわりの縫製に用い
られ、複数の生地を間隔をあけて連続して送り、生地と
生地との間に空環39を形成して連続して縫製作業を行
う。なお空環39は適宜カッティング装置によって切断
される。
【0024】図3は針板40の構成を示す斜視図であ
る。針板40は矩形板状であり、ミシンベッド35に固
定される針板取付板55に、布送り方向Aに変位自在に
支持されて取付けられる。
【0025】針板40の中央部には前記針33,34が
挿通する針落ち孔56,57がそれぞれ布送り方向Aに
延びて平行に形成され、各針落ち孔56,57の送り方
向A下流側端部は互いに連なるように横方向に切欠か
れ、全体としてコ字状に切欠かれ、針落ち孔56,57
間に針板爪45が形成される。また、針落ち孔56,5
7の布送り方向A上流側端部は拡径して針落ち部56
a,57aが形成され、通常縫製時にはこの針落ち部5
6a,57aに針33,34が挿通して昇降する。
【0026】針板爪45よりも布送り方向A上流側には
2本の前送り溝46,47が布送り方向Aに平行に形成
され、針板爪45よりも布送り方向A下流側にも同様に
2本の後送り溝48,49が布送り方向Aに平行に形成
され、さらに前および後送り溝46〜49の左右両側方
にはそれぞれ側部送り溝50,51が形成される。また
針落ち孔56,57と後送り溝48,49との間には布
送り方向Aに直交して延びる桟52が介在される。
【0027】針板40の布送り方向A両端部にはそれぞ
れ布送り方向Aに沿って延びる案内溝60,61が形成
され、針板取付板55にボルトによって固定されるスリ
ーブ62,63に前記案内溝60,61が嵌まり込み、
これによって針板40は針板取付板55上で布送り方向
Aに変位自在に支持される。針板40よりも布送り方向
A下流側には、たとえば針板駆動用エアシリンダ65が
シリンダ取付板59を介して針板取付板55に取付けら
れ、このエアシリンダ65のシリンダロッド66は針板
40に連結される。したがって、このエアシリンダ65
を制御する切換え弁(図示せず)を切換えることによっ
て針板40を布送り方向A上流側に前進、もしくは布送
り方向A下流側に後退させることができる。
【0028】本実施形態ではエアシリンダ65のシリン
ダロッド66を直接針板40に取付けたが、本発明の他
の実施形態として、たとえばリンク機構を介してシリン
ダロッドと針板とを連結するように構成してもよい。
【0029】図4は押え金42の構成を示す分解斜視図
である。押え金42は押え基部80、押え本体70、補
助押え金71および小押え金72とから構成され、押え
基部80は押え棒41の下端部に止ねじ73によって固
定される。押え本体70は布送り方向A上流側である先
端部が上方に湾曲した板状であり、布送り方向Aに直交
して延びる軸81を介して押え基部80に連結され、こ
れによって押え本体70は軸81を支点としてわずかに
上下に回動可能に押え基部80に連結される。
【0030】押え本体70の中央部は側方から矩形状に
切欠かれており、この切欠き71aに補助押え金71が
嵌まり込む。補助押え金71は押え本体70の切欠き7
1aに嵌まり込む押え板79と、上方に延びる支持軸7
4とから構成される。押え基部80には前記支持軸74
が挿通する挿通孔が形成され、支持軸74に圧縮コイル
ばねである補助押えばね75を挿通した状態で支持軸7
4を押え基部80の挿通孔に挿通し、先端部にEリング
76を嵌め込んで抜止めして補助押え金71は押え基部
80に下方にばね付勢された状態で連結される。補助押
え金71の押え板79には針33,34が挿通する針落
ち孔81,82が形成され、また後端部は押え本体80
の後端部よりも後方(布送り方向A下流側)に延びてい
る。
【0031】小押え金72は押え本体70の側方に設け
られ、捩りばねである小押えばね77によって下方にば
ね付勢された状態で押え本体70に連結される。
【0032】図5は、使用時の押え金42の側面図であ
る。針板40の前送り溝46,47には前送り歯91が
挿通し、送り溝46,47内で布送り方向Aに楕円運動
し、針板40上の生地を布送り方向Aに送り出す。同様
に後送り溝48,49には後送り歯90が挿通し、楕円
運動して針板40上の生地を布送り方向Aに送り出す。
針板40の下方にはルーパ92が設けられ、ルーパ92
は針33,34の昇降運動に同期して布送り方向Aに直
交して(図5の紙面に垂直な方向)楕円運動を行う。
【0033】針板40は縫製時には後方(布送り方向A
下流側)に変位しており、桟52と針33,34の昇降
経路とが離間しており、空環形成時には針板40は前方
(布送り方向A上流側)に変位し、図5に示すように、
桟52が針33,34の昇降経路に近接し、針33,3
4の昇降経路の直後に配置される。これによって針3
3,34の後方に形成される空環は形成直後に桟52上
に支持され、さらに送り歯90によって布送り方向A下
流側に送り出される。したがって、形成された空環39
が針板40の下で垂れ下がり、往復動するルーパ92に
巻込まれるといったことが確実に防がれる。
【0034】図6(a)は縫製時の針板40および押え
金42を示す平面図であり、図6(b)は空環形成時の
針板40および押え金42を示す平面図である。なお図
解の便宜のため押え金42を部分的に切欠いて示してあ
る。
【0035】前述したように針板40は布送り方向Aに
変位自在に支持されており、縫製時には針板駆動用エア
シリンダ65(図3参照)を収縮させ、後方(布送り方
向A下流側)に変位している。このとき後方側の案内溝
60の端部に、針板取付板55に固定されるスリーブ6
2が係止されて針板40は後退位置に位置決めされる。
このとき針33,34は針落ち孔56,57の針落ち部
56a,57aに挿通される。したがって、針板40上
に載置し、押え金42によって押えられる生地は前、お
よび後送り歯90,91によって後方に送られながら針
糸100,101とルーパ糸102とによって縫い目が
形成される。ルーパ糸102は針板爪45の下で左右の
針糸100,101間および前後の縫い目間にわたって
張架され、針板爪45と桟52との間の空隙から針板4
0上に案内されて生地に縫い目が形成される。このよう
にルーパ糸102がスムーズに案内されるように針板爪
45の下部は布送り方向A下流側になるにつれて上方と
なるように滑らかに傾斜(図5参照)して形成される。
【0036】針板40上に生地がない場合には針糸10
0,101とルーパ糸102とによって空環39が形成
される。このとき針板駆動用エアシリンダ65(図3参
照)は伸長して図6(b)に示すように針板40は前方
(布送り方向A上流側)へ変位する。このとき針板取付
け板55に固定される前方側のスリーブ63に案内溝6
1の端部が係止されて針板40は前進位置に位置決めさ
れる。このとき針33,34は布送り方向Aに延びる針
落ち孔56,57の後方(布送り方向A下流側)側端部
にある。したがって、図5に示すように針33,34の
昇降経路の直後に針板40の桟52が位置し、これによ
って空環39は形成された直後に桟52上で支持され、
さらに後送り歯90によって空環39は後方に送り出さ
れる。
【0037】また補助押え金71には針落ち孔81,8
2が形成されており、この針落ち孔81,82に針3
3,34が挿通するので、針板40が前方(布送り方向
A上流側)に変位し、桟52が針33,34の昇降経路
に近接する位置まで変位した場合であっても桟52上に
補助押え金71があり、空環39を桟52と補助押え金
71とによって確実に挟んで安定して保持することがで
きる。また、図5に示すように、補助押え金71の後部
は押え本体70の後部よりも後方に延びており、針板4
0が前進変位したときであっても、補助押え金71の後
部は後送り溝48,49の後端よりも後方まで延び、針
板40上にある。これによって、後送り歯90によって
後方に送り出される空環39を確実に針板40と補助押
え金71とによって挟持して安定して保持することが可
能である。また、補助押え金71は押え本体70の底面
よりも下方に突出しているので、針板40上の空環39
を補助押え金71で確実に押えることが可能である。
【0038】図7は、2本針二重環縫いミシン30の糸
の経路を示す斜視図である。糸調子器32は5つの糸調
子部材111〜115を有し、糸調子器32の下方には
ルーパ糸張力調整装置130が設けられる。各糸調子部
材111〜115はそれぞれ一対の糸調子皿120,1
21および糸調子つまみ122を有し、糸調子器32の
1番目の糸調子部材111の糸調子皿120,121間
に巻掛けられる糸は針33の針糸100であり、糸調子
器32の3番目の糸調子部材113の糸調子皿120,
121間に巻掛けられる糸は針34の針糸101であ
り、糸調子器32の5番目の糸調子部材115の糸調子
皿120,121間に巻掛けられる糸はルーパ糸102
であり、このルーパ糸102はルーパ糸張力調整装置1
30によって張力が調整される。
【0039】図8は、ルーパ糸張力調整装置130の分
解斜視図である。ルーパ糸張力調整装置130は張力調
整用エアシリンダ133と糸調子部材131とによって
構成され、ミシン本体に取付けられるシリンダ取付台1
32に張力調整部材131と張力調整用エアシリンダ1
33が取付けられる。シリンダ取付台132にはルーパ
糸案内135が糸調子棒136の一端部側に取付けられ
るとともに、糸調子棒136の他端部側から一対の糸調
子皿137,138、フェルト139、キャップ14
0、およびばね141が挿通され、これらの上から糸調
子つまみ142が糸調子棒136に形成される外ねじに
螺合する。したがって、調整つまみ142を回転するこ
とによって糸調子皿137,138の締付け力を調整す
ることができる。したがって、縫い目から糸調子皿13
7,138にわたって張架される糸の張力を調整するこ
とが可能となる。このような構成は糸調子器35の各糸
調子部材111〜115においても同様である。
【0040】張力調整用エアシリンダ133はシリンダ
取付台132に糸調子棒136に対して半径方向に向い
て取付けられ、エアシリンダ133のシリンダロッド1
50の先端部にはくさび板151が取付けられ、このく
さび板151は糸調整皿137,138間に嵌まり込
む。したがって、エアシリンダ133を収縮させるとく
さび板151が糸調子皿137,138から引抜かれ、
これによって糸調子皿137,138間のルーパ糸が糸
調子皿137,138に締付けられてルーパ糸102は
緊張状態となる。
【0041】エアシリンダ133を伸長させ、くさび板
151を糸調子皿137,138間に挿入すると糸調子
皿137,138に挟まれたルーパ糸102は挟持解除
され、ルーパ糸102は弛緩状態となる。
【0042】前述したようにルーパ糸102は2本の針
糸100,101間にわたって巻掛けられて縫い目を形
成するので、縫製時にはルーパ糸102は弛緩状態とす
る必要がある。
【0043】一方空環は、細い縄状に形成することが好
ましく、そのためには2本の針糸100,101をルー
パ糸102で細く束ねる必要があり、そのため空環形成
時にはルーパ糸102の張力を高め、緊張状態とする必
要がある。したがって縫製時にはエアシリンダ133を
伸長させて糸調子皿137,138間にくさび板151
を挿入してルーパ糸102を弛緩状態とし、空環形成時
にはエアシリンダ133を収縮させてくさび板151を
糸調子皿137,138から引抜いてルーパ糸102を
緊張状態とする。
【0044】次にミシン30の制御方法を説明する。図
1に示すようにミシンアーム31の先端部には生地セン
サ160が設けられ、この生地センサ160は針板40
上に生地が存在するか否かを検出する。この生地センサ
160の検出出力に基づいて制御手段(図示せず)はミ
シンの回転/停止、針板駆動用エアシリンダ65および
張力調整用エアシリンダ133を制御する。生地センサ
160は針33,34の昇降経路よりも前方(布送り方
向A上流側)に予め定める距離離れた位置に生地が有る
か無いかを検出する。この距離はたとえば所定の運針分
とする。また、生地センサ160はたとえば反射型光セ
ンサであり、前述した予め定める位置に生地が有する場
合にはローレベルの信号を出力し、生地が無い場合には
ハイレベルの信号を出力する。生地センサ160がロー
レベルの信号を出力している場合には制御手段は生地が
有るものと判断し、針板40が後方位置に位置するよう
に制御し、生地センサ160の検出力がローレベルから
ハイレベルになったとき、制御手段はこのときから前記
所定の運針分生地を送ったときに生地が縫い終わり、こ
のときから空環が形成され始めると判断し、針板40を
前進位置に変位させる。
【0045】次にこのような制御手段の制御方法を図9
に示すタイミングチャートに基づいて説明する。まず時
刻t1でペダルを踏んでONされるとミシン30が回転
し始める。なおこの時刻t1においては生地センサ16
0は生地無しを検出しており、ルーパ糸張力調整装置1
30は緊張状態にあり、針板40は前進位置にある。
【0046】次に操作者が生地を送り、時刻t2におい
て生地センサ160が生地有りを検出すると制御手段は
この生地有りを検出した時刻t2から所定の運針分生地
を送った時刻t3において、針33,34を上死点に上
げた状態でミシンの回転を停止させるとともに、張力調
整用エアシリンダ133を伸長させてルーパ糸を弛緩状
態とし、針板40が後退するように針板駆動用エアシリ
ンダ65の切換え弁を切換える。これによって時刻t4
までに針板40は後退位置に位置し、時刻t4で制御手
段はミシンを再び回転させ始める。これによって生地は
縫製され始める。
【0047】時刻t5で生地センサ160が生地無しを
検出すると、制御手段はこのときから前記所定の運針分
生地を送り、時刻t6で生地が縫い終わると、針33,
34が上死点にある状態でミシンの回転を停止し、張力
調整用エアシリンダ133を収縮させてルーパ糸102
を緊張させ、針板40が前進するように針板駆動用エア
シリンダ65の切換え弁を切換える。これによって次の
時刻t7までに針板40が前進位置に位置決めされ、時
刻t7で制御手段が再びミシンを回転させると空環が形
成され始める。このとき針板40が前進位置にあるので
形成された空環が垂れ下がることなく桟52上に支持さ
れて後方に送り出される。またルーパ糸102が緊張状
態にあるので空環は縄状となる。
【0048】時刻t8で操作者がペダルをONからOF
Fするとミシン30の回転が停止し、縫製作業が終了す
る。
【0049】また連続して縫製する場合には、ペダルを
ONした状態で前方の生地に間隔をあけて後続して生地
を送り出すことによって生地間に空環を形成して連続し
て縫製作業を行うことができる。このとき、空環形成時
には針板40が前進して針33,34の昇降経路と桟5
2が近接するので空環が垂れ下がってルーパ92に巻込
まれるといったことが確実に防がれ、安定して連続して
縫製作業を行うことができる。
【0050】本実施形態では2本針二重環縫いミシンと
したが、本発明は2本針に限らず3本針であってもよ
く、その場合には針板40の針板爪45の中央部に布送
り方向Aに延びる針落ち孔を形成する。また1本針二重
環縫いミシンであっても、4本針二重環縫いミシンであ
っても本発明を適応することが可能である。
【0051】上述した本実施形態では、生地センサに応
答して針板をエアシリンダによって前後に駆動したが、
本発明はこのような形態に限らず、たとえば操作者が生
地の縫い終わりを目で確認し、操作者の機械的操作によ
って針板を後退させるように構成してもよい。たとえば
操作者の足元にペダルを設け、ペダルと針板とを機械的
に接続してペダルの操作によって針板を前後に駆動する
ように構成し、操作者が生地の縫い終わりを目で確認し
たときペダルを踏んで針板を前進させ、新たな生地を縫
い始めるときにペダルから足を外して針板を後退させ
る。このようにセンサやエアシリンダでなく機械的操作
で針板を駆動することによってミシンの製造コストを抑
えることができる。
【0052】またこのようなペダルに代えて、たとえば
操作者の膝元となる位置に操作スイッチを設け、操作者
がこのスイッチを膝で操作することによって針板を前後
に変位駆動するように構成してもよい。
【0053】また上述した実施形態では空環形成時のル
ーパ糸の緊張制御を、生地センサに応答するエアシリン
ダによって行っていたが、本発明はこのような形態に限
らず、たとえば操作者の機械的操作によってルーパ糸の
糸調子皿間にくさび板を出し入れする機構を設け、縫い
終わりを目視確認したとき、操作者の機械的操作によっ
て糸調子皿からくさび板を引抜いてルーパ糸を緊張さ
せ、また生地の縫い始めに操作者の操作によってくさび
板を糸調子皿間に差込んでルーパ糸を弛緩させるように
構成してもよい。このような操作手段を設けることによ
ってミシンの製造コストを抑えることが可能となる。
【0054】またこのような機械的操作によるルーパ糸
の調整機構を、前述した針板を駆動させるペダル、また
は膝元の操作スイッチに連動させて、ペダルまたはスイ
ッチを操作することによって針板の前後駆動およびルー
パ糸の緊張/弛緩を同時に行うように構成してもよい。
【0055】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、空環形
成時に桟が針の昇降経路に近接するまで針板を変位させ
ることによって形成される空環が垂れ下がってルーパに
巻込まれるといったことが確実に防がれる。
【0056】請求項2記載の本発明によれば、針板上に
生地が存在するか否かを検出する生地センサに基づいて
針板の前進および後退を制御することによって、連続し
て生地を送り出した場合であっても空環形成毎に針板を
前進させて空環がルーパに巻込まれるといったことを確
実に防ぎ、連続縫製作業を行うことが可能となる。
【0057】請求項3記載の本発明によれば、針落ち孔
を有する補助押え金によって針板が前進した場合におい
ても補助押え金と針板の桟とによって確実に空環を挟持
して安定して空環を保持することが可能となる。
【0058】請求項4記載の本発明によれば、空環形成
時にルーパ糸の張力を高くすることによって空環を縄状
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である2本針二重環縫い
ミシン30を示す斜視図である。
【図2】針板40を後方から示す斜視図である。
【図3】針板40の斜視図である。
【図4】押え金42の分解斜視図である。
【図5】使用時の押え金42の側面図である。
【図6】縫製時および空環形成時の針板40および押え
金42を示す平面図である。
【図7】ミシン30の針糸100,101およびルーパ
糸102の経路を示す斜視図である。
【図8】ルーパ糸張力調整装置130の分解斜視図であ
る。
【図9】ミシン30の制御方法を示すタイミングチャー
トである。
【図10】従来のミシン1の針板5近傍を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
30 2本針二重環縫いミシン 33,34 針 39 空環 40 針板 42 押え金 45 針板爪 46,47 前送り溝 48,49 後送り溝 52 桟 56,57,81,82 針落ち孔 65 針板駆動用エアシリンダ 71 補助押え金 92 ルーパ 100,101 針糸 102 ルーパ糸 130 ルーパ糸張力調整装置 133 張力調整用エアシリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B150 AA05 AA20 BA02 BA10 BA11 CB20 CD01 CD03 CD07 CD08 CE01 CE23 CE27 EA04 EA14 FD12 GA08 GD04 GD25 JA13 LA34 LB01 MA18 NA47 NA50 NB15 NC18 PA03 QA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針板と押え金とで生地を挟み、送り歯で
    予め定める布送り方向へ生地を送りながら針を上下に往
    復動させ、針糸とルーパ糸とで生地を縫う二重環縫いミ
    シンにおいて、 前記針板には、針が挿通し、布送り方向に延びる針落ち
    孔と、針落ち孔よりも布送り方向下流側で布送り方向に
    延び、送り歯が挿通する送り溝とが形成され、針落ち孔
    と送り溝との間には桟が介在され、 針板を、布送り方向に変位自在に支持する針板支持部材
    が設けられ、 生地が針の昇降経路を通過して送り出され、空環が形成
    されるとき、針の昇降経路よりも布送り方向下流側で、
    桟が針の昇降経路に近接するまで、針板を布送り方向上
    流側に変位させ、形成される空環を桟上に支持すること
    を特徴とする二重環縫いミシン。
  2. 【請求項2】 針板上に生地が存在するか否かを検出す
    る生地センサと、 生地センサの検出出力に応答し、生地無しを検出した場
    合には前進信号を出力し、生地有りを検出した場合には
    後退信号を出力する制御手段と、 針板を布送り方向上流側および下流側に変位駆動し、制
    御手段からの前進信号に応答して針板を布送り方向上流
    側に前進変位させ、制御手段からの後退信号に応答して
    針板を布送り方向下流側に後退変位させる針板駆動手段
    とを有することを特徴とする請求項1記載の二重環縫い
    ミシン。
  3. 【請求項3】 前記押え金は、針が挿通する針落ち孔が
    形成される補助押え金を備えることを特徴とする請求項
    1または2記載の二重環縫いミシン。
  4. 【請求項4】 空環形成時に、ルーパ糸の張力を高くす
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二
    重環縫いミシン。
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