JP2000316886A - 歯科診療装置 - Google Patents

歯科診療装置

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JP2000316886A
JP2000316886A JP11133707A JP13370799A JP2000316886A JP 2000316886 A JP2000316886 A JP 2000316886A JP 11133707 A JP11133707 A JP 11133707A JP 13370799 A JP13370799 A JP 13370799A JP 2000316886 A JP2000316886 A JP 2000316886A
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Yasuo Kawamura
泰雄 川村
Masamori Nakajima
優盛 中島
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J Morita Manufaturing Corp
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J Morita Manufaturing Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】9時治療ポジションが無理なく実現でき、鏡を
用いた口腔衛生指導ができ、更に患者への恐怖心を与え
ることがない、全体としてより良く患者本位の歯科診療
を達成することのできる歯科診療装置を提供する。 【解決手段】背板シート1aが起伏自在で、かつ、水平
回転自在な患者用診療椅子1と、患者用診療椅子1の近
くに配置され、天板2と衝立3を有する術者用キャビネ
ット8とからなる歯科診療装置10であって、術者用キ
ャビネット8の衝立3には鏡4を設け、術者用キャビネ
ット8の天板2には、衝立3に設けられた鏡4の前位置
にスピットン5を設け、天板2の下部には、術者用キャ
ビネット8のほぼ中央位置に出し入れ自在にした診療ユ
ニット6を設け、衝立3に設けられた鏡4と患者用診療
椅子1とが正対視可能になるように配置して、(f)の
9時治療ポジションも可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科診療装置であ
って、診療のために患者を適正な姿勢に保持する患者用
診療椅子と、歯科診療のために必要な機器と他の患者な
どからの仕切りとなる衝立を備えた術者用キャビネット
とを別体とし、適正な配置関係とすることによって、患
者が、患者用診療椅子に適正に保持されたままで、治療
だけでなく、インタビュー、口腔衛生指導なども受ける
ことのできる、患者本位に構成された歯科診療装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、患者用診療椅子の近くに診
療機器を保持する診療ユニットを出し入れ自在とした術
者用キャビネットを配置する歯科診療装置を、実公平7
−4013で提案した。図5は、この歯科診療装置を示
す配置構成図である。
【0003】図5において、患者用診療椅子51は背板
シートが起伏自在で椅子51全体が水平旋回する。患者
用診療椅子51の近くには術者用キャビネット52が設
けられ、このキャビネット52には、診療ユニット57
が出し入れ自在に設けられている。53は術者用椅子で
あって、患者はキャビネット52を挟んで術者と向かい
合ったポジションで、容態や診療計画について十分説明
を受け、インフォームドコンセントが達成される。
【0004】また、実際の診療時においては、患者用診
療椅子51の背板シートを水平に倒して一点鎖線で示す
ように術者は治療用の術者用椅子54に座り、術者用キ
ャビネット52から診療ユニット57を延出させて、診
療を行うことができる。術者の背後には補助者55用の
補助診療ユニットを出し入れ自在に設けた補助キャビネ
ット56が設けられている。
【0005】最近、上述した先行技術の類似技術として
特開平10−211220の歯科診療装置が提案されて
いる。
【0006】図6は、その歯科診療装置を示すもので、
この装置で対応可能なポジションを概念的に示す配置構
成図である。つまり、(a)はインタビューポジショ
ン、(b)は対面ポジション、(c)は口腔衛生指導ポ
ジション、(d)は12時治療ポジション、(e)は1
0時治療ポジションを示している。
【0007】この歯科診療装置110は、背板シート1
01aを備え、水平回転可能とした患者用診療椅子10
1、天板102と衝立103を備えた術者用キャビネッ
ト108、自在アーム(不図示)によって移動自在とさ
れ、不使用時には、この術者用キャビネット108の天
板102の下に収容できる診療ユニット106、術者用
キャビネット108に出し入れ可能に設けられたスピッ
トン105、術者用キャビネット108の衝立103に
設置されたパノラマフィルムビューア107、天板10
9aと補助診療ユニット109cを備えた補助キャビネ
ット109とで構成されている。
【0008】また、この歯科診療装置110は、術者用
椅子111と、必要に応じて用いられるテレビモニタ1
12を備えている。
【0009】なお、これより、(a)〜(e)の各ポジ
ションにおける、それぞれの態様の構成要素を特に区別
して示す必要のあるときには、その符号の末尾に各カッ
コ内に、その図面符号を付して示すこととする。例え
ば、図6(a)のインタビューポジションの患者用診療
椅子は患者用診療椅子101[a]、同じくインタビュ
ーポジションの術者用椅子は術者用椅子111[a]と
示すこととする。したがって、例えば、診療ユニット1
06[a]は、インタビューポジションで術者用キャビ
ネット108の天板102の下に収容された診療ユニッ
ト106、診療ユニット106[d]は、12時治療ポ
ジションで12時位置の術者用椅子111[d]の近く
にセットされた診療ユニット106を示す。
【0010】この歯科診療装置110は、これ以前のも
のに比べ、患者用の椅子に治療に必要な機器を備えつけ
て治療だけを行うものでなく、患者用の椅子は患者を診
療するために保持するだけの患者用診療椅子101に留
め、治療に必要な機器と、さらに診断や予防治療に必要
な機器を備えた術者用キャビネット108を別体として
備え、この術者用キャビネット108を、患者用診療椅
子101の近くに設置することで、患者が診療椅子10
1に座ったままで(厳密には、治療時の仰臥位も含まれ
るが)、治療だけでなく、インタビューや、口腔衛生指
導なども受けることができるようにしたものである。
【0011】つまり、図6(a)のインタビューポジシ
ョンでは、患者用診療椅子101[a]は座位で術者用
キャビネット108の天板102に向き合っており、術
者用椅子111[a]はこの天板102に沿って設けら
れ、患者用診療椅子101[a]に斜めに向き合うよう
になっている。このポジションでは、術者は患者に対し
てやや斜めに向き合うことで、患者に圧迫感を与えるこ
となく、患者の容態を聞いたり、治療の説明をすること
ができる。また、フィルムビュアー107にパノラマX
線画像を表示させ、天板102に載せられた液晶ディス
プレイ112で、口腔内カメラの画像を見たりすること
ができる。
【0012】図6(b)の対面ポジションでは、患者用
診療椅子101[b]は座位で天板102に沿う向きと
なっており、術者用椅子111[b]は同様に天板10
2に沿う方向で、患者用診療椅子101[b]に正対
し、いわゆる6時のポジションとなっている。このポジ
ションでは、術者は患者に正対し、患者の顎の状態など
を正確にチェックしたりすることができる。
【0013】図6(c)の口腔衛生指導ポジションで
は、患者用診療椅子101[c]の向きと、術者用椅子
111[c]の位置と向きは、図6(a)のインタビュ
ーポジションの患者用診療椅子101[a]、術者用椅
子111[a]と同じである。異なるのは、術者用キャ
ビネット108の天板102の下に収容されたスピット
ン105が術者用椅子111[c]の近くに引き出され
ている点である。このポジションでは、インタビューポ
ジションと同様に治療の説明などに加え、スピットン1
05によって、うがいが可能となり、ブラッシング指導
などの口腔衛生指導を行うことができる。
【0014】なお、図6(a)のインタビューポジショ
ン、図6(b)の対面ポジション、図6(c)の口腔衛
生指導ポジションでは、診療ユニット106(a)〜
(c)は、術者用キャビネット108の天板102の下
に収容されて、そこに保持されたハンドピースなどの治
療機器が直接、患者の目に触れることがなく、それらが
患者に無駄な恐怖心を与えることがない。
【0015】図6(d)の12時治療ポジションでは、
患者用診療椅子101[d]は仰臥位で天板102に斜
めに沿う向きとなっており、術者用椅子111[d]は
患者用診療椅子101[d]の頭部位置のいわゆる12
時のポジションとなっている。また、診療ユニット10
6[d]は術者用椅子111[d]の近くに移動されて
いる。図6(e)の10時治療ポジションでは、患者用
診療椅子101[e]は12時治療ポジションの患者用
診療椅子101[d]と同じであり、術者用椅子111
[e]は患者用診療椅子101[e]の頭部と肩部の中
間位置付近のいわゆる10時のポジションとなってい
る。また、診療ユニット106[e]は術者用椅子11
1[e]と天板102の間に挟まれる位置となってい
る。
【0016】こうして、この歯科診療装置110では、
術者は、10時〜12時までの治療ポジションを選択す
ることができる。なお、必要に応じて、補助者は、図6
(d)の12時治療ポジション、図6(e)の10時治
療ポジションなどにおいて、患者用診療椅子101と補
助キャビネット109との間に位置して、補助キャビネ
ット109の補助診療ユニット109cに保持されたバ
キュームシリンジ(不図示)などを用いて、術者を補助
するようになっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の歯科診療装置110は未解決の問題をいくつか抱え
ていた。
【0018】まず、上記のような患者用診療椅子101
と術者用キャビネット108などの構成と配置では、口
腔衛生指導のためには、患者に自身の口腔の状態をより
明確に把握させるために鏡を患者に正対面させて設ける
ことが望ましいが、この装置110では、鏡は設けられ
ていなかった。
【0019】また、衝立103にフィルムビューア10
7が設けられ、天板102にはテレビモニタ112が設
けられているが、天板102は診療ユニット106を収
容するので、フィルムビューア107はキャビネット1
08の奥の衝立103に設けることとなり、患者用診療
椅子101や術者用椅子111から、離れた位置となら
ざるを得ず、見にくくなる欠点があった。
【0020】また、例えば、インタビューポジションか
ら12時治療ポジションに移行する場合、術者は、術者
用椅子111[a]から術者用椅子111[d]まで移
動する必要があるが、その移動距離は短いものでなく、
また、診療ユニット106も、106[a]から106
[d]まで移動させる必要があり、面倒であった。
【0021】また、診療ユニット106の目隠しは考慮
されているが、補助キャビネットの補助診療ユニット1
09cの目隠しは考慮されていない。この点、この補助
診療ユニット109cに備えられているバキュームシリ
ンジなどは、直接、治療を行うものではないが、患者に
とっては、同様に恐怖心を呼び起こすものとなり得るも
のであり、やはり、必要以外には、目隠しできるように
する方が望ましい。
【0022】また、この補助キャビネット109は、補
助者の使用だけを考慮したものであり、例えば、10時
治療ポジションの術者用椅子111[e]に座った術者
は、補助キャビネット109の補助診療ユニット109
cに保持されたバキュームシリンジなどを、座ったまま
では使うことができなかった。したがって、補助者なし
で治療をする場合に、円滑な治療の支障となっていた。
【0023】本発明は、上記問題を解決しようとするも
ので、9時治療ポジションが無理なく実現でき、鏡を用
いた口腔衛生指導ができ、鏡や表示装置を患者や術者か
ら見やすい近い位置に配置でき、術者の移動距離がさら
に少なく、また更に患者への恐怖心を与えることがな
い、つまり、患者本位を基本としつつ、術者のことも考
慮して、コンパクトな空間配置で、全体としてより良く
患者本位の歯科診療を達成することのできる歯科診療装
置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、その基本思想
として患者本位の歯科治療装置を実現することをめざし
ており、このため、従来提案されてきた同様の歯科治療
装置を根本から検討し直し、装置に必要な機器類、その
配置、構成を患者本位を基本としつつも、その患者を診
療する側の術者、更には補助者のことも考慮して考え直
して、全体としてより良い患者本位の診療を実現する歯
科治療装置を提案するに至ったものである。
【0025】わけても、請求項1に記載の歯科診療装置
は、背板シートが起伏自在で、かつ、水平回転自在な患
者用診療椅子と、この患者用診療椅子の近くに配置さ
れ、天板と衝立を有する術者用キャビネットとからなる
歯科診療装置であって、この術者用キャビネットの衝立
には鏡を設け、この術者用キャビネットの天板には、上
記衝立に設けられた鏡の前位置にスピットンを設け、こ
の天板の下部には、この術者用キャビネットのほぼ中央
位置に、出し入れ自在にした診療ユニットを設け、上記
衝立に設けられた鏡と上記患者用診療椅子とが正対視可
能になるように配置することを特徴とする。
【0026】この歯科診療装置は、従来の機器構成を再
検討した結果、口腔衛生指導用などに用いられる鏡の重
要性を再確認し、従来、考慮されてなかったこの鏡を、
術者用キャビネットに設け、患者用診療椅子に座った患
者が、その鏡を近距離から正対視できるようにしたもの
である。したがって、歯科治療の前に、患者や術者は、
その鏡を見て、治療前の口腔の状態、治療部位の状態を
明確に把握することができ、また、治療後には、治療さ
れた部位の状態も明確に把握することができ、患者は、
自身の治療の経過をより良く把握することができ、安心
して治療を受けることができる。
【0027】また、ブラッシングの指導においては、患
者に歯ブラシで歯の磨き方等を、術者も鏡を見ながら指
導することができる。したがって、磨き残しのない、上
手な磨き方の指導が可能となる。また、義歯床等の装着
時には、鏡を見ながら、顔立ちの確認を患者と術者とが
共に行うことができる。
【0028】また、ハンドピースなどの治療機器を保持
する診療ユニットは出し入れ可能で、必要以外の時は、
術者用キャビネットの天板に収納して、患者の目に触れ
にくいようにすることができ、患者の不安感、恐怖感を
和らげることができる。更に、通常の術者用キャビネッ
トの大きさを考慮すると、鏡を正対視できる位置にある
患者用椅子に対して、出し入れ可能な診療ユニットを術
者用キャビネットのほぼ中央位置に設けることで、この
患者用椅子に座った患者に治療を施すのに、最も適した
位置に、この診療ユニットを位置させることが可能にな
る。
【0029】このようにして、この歯科診療装置は、よ
り患者本位の歯科治療を実現するものである。
【0030】請求項2に記載の歯科診療装置は、背板シ
ートが起伏自在で、かつ、水平回転自在な患者用診療椅
子と、この患者用診療椅子の近くに配置され、天板と衝
立を有する術者用キャビネットとからなる歯科診療装置
であって、この術者用キャビネットの衝立には鏡と表示
装置とを隣接させて設け、この術者用キャビネットの天
板には、鏡の前位置にスピットンを設け、この天板の下
部には、上記衝立に設けられた表示装置の位置に、出し
入れ自在にした診療ユニットを設け、上記衝立に設けら
れた鏡と上記患者用診療椅子とが正対視可能になるよう
に配置することを特徴とする。
【0031】この表示装置とは、画像表示手段の一つで
あって、従来の陰極線管(CRT)表示装置を含み、奥
行きの短い平面表示装置、代表的には、液晶表示装置、
プラズマデイスプレイなどを含むものであるが、これら
にかぎられない。また、この表示装置は、従来例のよう
に口腔カメラの映像を表示するのにも用いられるが、こ
れに限らず、X線画像、種々の歯科治療情報、歯科治療
の説明ビデオなど、歯科診療に関係するあらゆる画像や
情報を表示するために用いられるものである。また、X
線フィルム画像化手段と連結して、X線フィルムも見る
ことができる。また、フィルムビューアも含むものであ
る。
【0032】この歯科診療装置は、請求項1のものに比
べ、さらに、術者用キャビネットの衝立に設けられた鏡
の隣に表示装置を設けたものである。したがって、口腔
衛生指導などの際に、必要な情報をここに表示させなが
ら、指導を行うことができる。また、鏡と隣接して設け
たので、患者は、患者用診療椅子の向きを僅かに変える
だけで、鏡を正対視することもでき、また、その位置の
ままで、鏡と表示装置を無理なく見ることができる。
【0033】また、後述するように、鏡付近の適当な位
置に、小型カメラによる撮像装置を設け、その撮像をこ
の表示装置に表示するようにすれば、患者は鏡に正対視
できる位置にあって、自らの口腔像を明確に観察でき、
術者は表示装置の前の位置にあって、この撮像装置で撮
像された、ほぼ同様の患者の口腔像を同時に見ることが
でき、審美相談、口腔衛生指導、インタビューに大変便
利がよい。こうして、この歯科診療装置は、より患者本
位の歯科治療を実現するものである。
【0034】請求項3に記載の歯科診療装置は、請求項
2に記載の歯科診療装置において、上記術者用キャビネ
ットの衝立に設けられた鏡の近く、望ましくは鏡の下部
中央に撮像装置を設け、この小型カメラによる撮像装置
で撮った撮像を鏡に隣接した表示装置に映し出すもので
ある。
【0035】これによって、術者は患者が撮像装置に正
対視している、または、椅子を回転させることにより患
者の顔が斜め、あるいは真横になっている状態の撮像
を、鏡の隣の表示装置で見ることができるので、術者
は、わざわざ、患者の背後に移動する必要がなく、便利
がよい。また、患者自身も、普通では見ることのできな
い自分の斜め、あるいは真横の像を見ることができるの
で、審美相談、つまり、美的感覚を考慮した治療結果の
確認が行い易い。
【0036】請求項4に記載の歯科診療装置は、請求項
2または3のいずれかに記載の歯科診療装置において、
上記術者用キャビネットに設けられた鏡と表示装置の前
面部分がほぼ面一になるように構成されていることを特
徴とする。
【0037】この歯科診療装置では、隣同士の鏡と表示
装置の前面が面一になるように、つまり、一直線になる
ように設置されている。この配置しておくと、例えば、
鏡に患者が正対し、表示装置の前に術者が座ると、鏡に
ついては、患者は正対視、術者は、上記したように、鏡
に設けられた撮像装置の映像を同様に見ることができ、
一方、平面表示手段については、患者と術者からほぼ当
角度に見ることができるような位置となるので、ここに
表示された画像によって、術者が説明したり、インタビ
ューするのに都合がよい。
【0038】請求項5に記載の歯科診療装置は、請求項
2〜4のいずれかに記載の歯科診療装置において、上記
術者用キャビネットの鏡と表示装置を設けた部分の天板
と、それらの鏡と表示装置の前面部分とに対して、上記
術者用キャビネットの他の部分が斜めに形成されている
ことを特徴とする。
【0039】このように、鏡と表示装置を設けた部分に
対して、術者用キャビネットの他の部分を斜めに形成し
たのは、患者用診療椅子との距離を考慮したものであ
る。つまり、基本的に、鏡の部分が患者用診療椅子に対
して正対視できる位置で、最も患者用診療椅子に近い部
分であるが、そこから術者用キャビネットを直線に延長
すると、延長すればするほど、術者用キャビネットの延
長部分は、患者用診療椅子から遠ざかるようになる。こ
れでは、診療に必要な機器を載せたり、設置したりする
ための術者用キャビネットとして不都合である。
【0040】そこで、基本的に術者用キャビネットは、
患者用診療椅子を中心として出来るだけ等距離の近い位
置にある方が診療に適当であると原則の基に、必要な鏡
と表示装置の直線部分に対して、それ以外の術者用キャ
ビネットを斜めに、患者用診療椅子側に屈曲させること
としたものである。
【0041】このようにすると、関連する診療機器の置
き場所としてより使い易くなると共に、術者からの鏡の
距離もより近くなり、鏡がより見やすくなり、術者の移
動距離も少なく、また、患者用診療椅子を中心とした出
っ張りが少なくなり、歯科診療装置全体としての設置ス
ペースも節約することができる。
【0042】請求項6に記載の歯科診療装置は、請求項
1〜5のいずれかに記載の歯科診療装置において、上記
診療ユニットは、上記天板下部の衝立側の基部に、2段
の旋回アームを介して設けられ、上記天板には、上記診
療ユニットの天板下部に収納したときに、この診療ユニ
ットを覆う部分を残して、診療用逃がしを設けたことを
特徴とする。
【0043】この歯科診療装置は、診療ユニットの設置
方法を規定したものである。まず、診療ユニットを2段
の旋回アームを介して設置したので、より大きい範囲で
の出し入れをすることができ、9時から12時の全ての
治療ポジションに対応して相応しい位置に診療ユニット
を移動させることができるようになった。また、2段の
旋回アームの基部を天板の下の衝立側としたので、収納
時には、無理なく、天板の奥の方に診療ユニットを移動
させることができる。
【0044】更に、診療用逃がしを設けたので、術者
は、より術者用キャビネットの衝立側に近づくことがで
き、表示装置などを見るのに都合が良く、また、9時治
療ポジションの際には、この診療用逃がしが、より天板
に近づく診療ユニットの上部を覆うことのないようにす
る働きもして、9時治療ポジションを確保している。
【0045】請求項7に記載の歯科診療装置は、請求項
1〜6のいずれかに記載の歯科診療装置において、上記
術者用キャビネットの衝立の上部に立設されたアームを
介して照明装置が配置されていることを特徴とする。
【0046】この歯科診療装置は、衝立上部に照明装置
が設置されているので、デザイン的に優れ、歯科診療に
必要な照明が確保できる。
【0047】請求項8に記載の歯科診療装置は、請求項
1〜7のいずれかに記載の歯科診療装置において、更
に、補助キャビネットを備え、この補助キャビネットの
長手方向が上記術者用キャビネットの長手方向にほぼ直
交するようにし、この補助キャビネットの天板には術者
用のシンクを設けると共に、その天板の下部には補助診
療ユニットを出し入れ自在に設けていることを特徴とす
る。
【0048】この歯科診療装置は、補助者が主に使用す
るための補助キャビネットを、術者にも使用できるよう
にすることを考慮して、その設置位置と付属設備を考慮
したものである。つまり、設置位置としては、治療時の
患者の口腔位置を基準として、従来、術者用キャビネッ
トの反対側に設けられていたものを、術者用キャビネッ
トの長手方向にほぼ直交する方向に、この補助キャビネ
ットの長手方向が来るようにしている。このようにする
ことによって、補助キャビネットの位置が、患者の頭部
付近の治療位置にある術者にとって、より近い位置とな
り、補助者がいない場合でも、この補助キャビネットに
備えられた補助の診療機器などを使い易くなる。
【0049】また、この補助キャビネットの天板には術
者用のシンクが設けられているので、術者は、手洗いな
どに利用することができる。また、出し入れ可能な補助
診療ユニットが設けられているので、術者からも、この
補助診療ユニットに設けられた補助の診療機器などを使
うことができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、添付図を参照しつつ、本発
明の実施の形態について説明する。
【0051】図1は、本発明の歯科診療装置の一例にお
いて、その特徴とする6ポジション対応を概念的に説明
するもので、(a)は患者入退ポジション、(b)はイ
ンタビューポジション、(c)は口腔衛生指導ポジショ
ン、(d)は12時治療ポジション、(e)は9時治療
ポジション、(f)は対面ポジションを示す配置構成図
である。
【0052】この歯科診療装置10は、背板シート1a
を備えた患者用診療椅子1、天板2、衝立3を備えた術
者用キャビネット8、2段の旋回アーム(不図示)を介
して術者用キャビネット8の天板2の下に出し入れ可能
に収容された診療ユニット6、術者用キャビネット8の
天板2に設けられたスピットン5、術者用キャビネット
8の衝立3に設けられた鏡4と表示装置7、天板9a、
術者用シンク9b、補助診療ユニット9cを備えた補助
キャビネット9とで構成されている。また、この歯科診
療装置10は術者用椅子11を備えている。
【0053】なお、従来例と同様に、(a)〜(e)の
各ポジションにおける、それぞれの態様の構成要素を特
に区別して示す必要のあるときには、その符号の末尾に
各カッコ内に、その図面符号を付して示すこととする。
【0054】患者用診療椅子1は、背板シート1aが起
伏自在となっており、患者を診断に好適な座位、治療に
好適な仰臥位にし、座席シートの所定の位置を中心とし
て、水平回転自在となっている。
【0055】術者用キャビネット8の天板2は、術者が
診療のために用いるテーブルであって、衝立3は、この
天板2の奥端に設けられ、術者用キャビネット8の背板
の役割を果たすとともに、この歯科診療装置10で診療
を受ける患者が、他所から見得にくいようにする目隠し
の役割も果たしている。
【0056】この衝立3に設けられた鏡4と表示装置7
は、患者側に更に所定距離だけ前の位置に、つまり、よ
り患者に近接するような位置に設けられている。これ
は、患者用診療椅子1に座った患者から、適正な視覚距
離を確保したものである。したがって、患者及び術者
は、診療椅子1に座ったままで、鏡4に移った自己の口
腔の画像や、表示装置7に表示される画像をより良く見
ることができる。
【0057】また、鏡4と表示装置7は相互に隣接して
設けられ、その表面が面一に、つまり一直線上になるよ
うに設けられている。これは、この両者は、後述するよ
うに同時に参照されることが多く、その場合の視線移動
がなるべく少なくなるように考慮したものである。
【0058】天板2の鏡4の前にあたる位置にはスピッ
トン5が設けられ、患者用椅子1は、その椅子1に座っ
た患者がこの鏡4を正対視できるような位置で、できる
だけ天板2のスピットン5を設けた部分に近づくよう
に、かつ、少なくとも、患者用椅子1が座位(図1
(a)〜(c)のような態様)で水平回転可能となる位
置に設けられている。
【0059】診療ユニット6は、収納時には、図1
(a)〜(c)に破線で示すように、天板2の下であっ
て、ちょうど、衝立3に設けられた表示装置7のほぼ前
位置になる位置、つまり、術者用キャビネット8の全体
の略中心部、また、天板2の全体の略中心位置となる位
置となっており、天板2に覆われている。
【0060】表示装置7は、ここでは液晶表示パネルを
用いているが、これに限らず、プラズマデイスプレイな
どの平面表示装置を用いることが望ましい。この表示装
置7は、主に口腔カメラの映像を表示するのに用いられ
るが、これに限らず、X線画像、種々の歯科治療情報、
歯科治療の説明ビデオなど、歯科診療に関係するあらゆ
る画像や情報を表示するために用いられるものである。
従って原則として、この歯科診療装置では、フィルムビ
ューアを設ける必要はない。しかしながら、既存のフィ
ルムビューアを表示装置として使用することもできる。
【0061】術者用キャビネット8の鏡4と表示装置7
を設けた部分以外は、鏡4などを設けた部分に対して、
患者用診療椅子1側に、斜めに形成、つまり屈曲して設
けられている。具体的には、衝立3の背面部分は、図示
した角度αだけ屈曲している。これは、患者用診療椅子
1を中心として、診療機器等を備える術者用キャビネッ
ト8を、出来るだけ治療に便利よい近い距離に配置しよ
うとするものである。こうすることによって、この斜め
部分を設けないだけ、術者用キャビネット8の患者用診
療椅子1を基準とした出っ張りを少なくすることもでき
る。
【0062】一方、天板2の前面部分は、この衝立3の
背面形状に沿う形状となっているが、鏡4などを設けた
部分以外の部分は、術者が表示装置7により接近できる
ように術者用逃がし2aが設けられている。この術者用
逃がし2aは、収納時の診療ユニット6を覆う部分を残
すように設けられている。
【0063】補助キャビネット9は、原則として、ナー
スなどの補助者が用いるためのもので、治療時の患者の
口腔位置を基準として、図6で示す従来例では、術者用
キャビネット8の反対側に設けられていたものを、術者
用キャビネット9の長手方向にほぼ直交する方向に、こ
の補助キャビネット9の長手方向が来るようにしてい
る。術者用シンク9bは、この補助キャビネット9の患
者用診療椅子1に近い側に設けられ、術者が使用しやす
いようになっている。補助診療ユニット9cは、より離
れた側に設けられているが、補助キャビネット9に対し
て出し入れ可能とされ、補助診療ユニット9c自身に対
して2段の旋回アーム(不図示)を介して設けられたシ
リンジホルダ9dを備えている。
【0064】この歯科診療装置10は、従来例のものに
比べて、上記のような構成としたことで、さらに対応可
能なポジションが増え、術者の操作性も向上し、全体と
して、より良い患者本位の歯科診療を行うことができる
ようになっている。
【0065】つまり、図1(a)の患者入退ポジション
では、患者用診療椅子1[a]は座位で術者用キャビネ
ット8の天板2の長手方向に沿う方向となっている。こ
の状態で、患者は、患者用診療椅子1[a]の向きを図
の右方向として、矢印Aのように侵入及び退出すること
もできるし、また、患者用診療椅子1[a]の向きを図
の左方向として、矢印Bのように侵入及び退出すること
もできる。
【0066】このような患者入退ポジションは、従来例
でも同様に可能なものであるが、この歯科診療装置で
は、術者用キャビネット8の診療ユニット6が天板2の
下部の収納位置にあって隠されているだけでなく、補助
キャビネット9の補助診療キャビネット9cも、天板9
a下部の収納位置にあって隠されており、双方とも患者
の目に触れにくく、患者の恐怖心を引き起こすことがよ
り少なくなっている。
【0067】図1(b)のインタビューポジションで
は、患者用診療椅子1[b]は座位で術者用キャビネッ
ト8に設けられた表示装置7に向かう向きとなってお
り、術者用椅子11[b]は天板2に設けられた診療用
逃がし2aの位置にあって、同様に表示装置7に向かう
方向となっている。このとき、表示装置7の表面に立て
た垂線に対して、患者用診療椅子1[b]の方向のなす
角度β2と、術者用椅子11[b]の方向のなす角度β
1がほぼ等しくなるようになっている。
【0068】このポジションでは、術者は患者に対して
やや斜めに向き合いので、患者に圧迫感を与えることな
く、また、肩を並べるようにして座るので、お互いの親
近感が増し、あるがままの気持ちで話し合うことができ
る。また、表示装置7に口腔内カメラの画像だけでな
く、X線画像や、種々の診療情報を表示させてインタビ
ューの補助とすることができるが、お互いに同じ距離、
同じ視線で見ることができるので、患者は術者から単に
客観的な説明を聞くのではなく、「私の歯」の事として
診療に深く関わっていくことができる。
【0069】図1(c)の口腔衛生指導ポジションで
は、患者用診療椅子1[c]は術者用キャビネット8の
鏡4に対して正対視可能な向きとなり、術者用椅子11
[c]の位置と向きは、図1(b)のインタビューポジ
ションの術者用椅子11[b]と同じである。このポジ
ションでは、患者は、鏡4によって、自身の顔全体と更
に近づくことによって口腔内まで見ることができ、プラ
ークコントロールを目的とするブラッシング指導などを
行うことが出来る。
【0070】また、図2に示すように、鏡4のほぼ中央
下部には、CCDカメラ等の小型カメラで構成され、例
えば術者用キャビネット8の術者の近傍にフォーカスス
イッチやズームスイッチを設けると共に、オートフォー
カスとズーム機能の付いた撮像装置12を設け、その画
像を表示装置7に表示するようしているので、患者は撮
像装置12に正対視、あるいは、斜め、真横となるよう
にして、自らの正面や、斜め、真横を向いた自分の顔や
口腔像を明確に観察でき、術者は表示装置7の前の位置
にあって、この撮像装置12で撮像された、像を同時に
見ることができ、口腔衛生指導、インタビューに大変便
利がよい。
【0071】例えば、患者が鏡と正対視した状態を見な
がら術者が指導する時も、術者は患者の背後に移動して
鏡をのぞき込むようなことをしなくとも、この撮像装置
12の画像を表示装置7に映し出して確認することがで
きるので、術者はほとんど移動しなくて済み、ブラッシ
ングの指導などがしやすくなる。
【0072】この場合、撮像装置12は、鏡4のほぼ中
央下部に設けることが望ましいが、鏡4の近傍であって
もよい。また、自在アームなどにより撮像装置12の位
置を、鏡4付近で移動可能としてもよい。更に、鏡4を
ハーフミラー、または、鏡の一部を削るなどして構成し
て、鏡4の丁度、患者用椅子に座った患者の口腔に対向
する位置の付近に撮像装置12を内蔵させてもよい。
【0073】また、撮像装置12には、当然、画像記憶
手段も接続されるが、この画像記憶手段を合わせ用いる
ことで、診療前、診療後、また、様々な角度から撮影し
た撮像を再生して見ることができ、比較判断に大変都合
がよい。また、自分自身では見ることのできない、部分
の撮像も見ることができる。
【0074】この鏡4と表示装置7は隣接して設けられ
ているので、鏡4と表示装置7の双方を用いて説明する
場合に、患者用診療椅子1の回動は、1[b]から1
[c]の間の僅かの角度であって、回動が容易であり、
場合によっては、椅子1の回動も必要がないほどのもの
であり、口腔衛生指導、インタビューに便利がよい。
【0075】図1(d)の12時治療ポジションでは、
患者用診療椅子1[d]は仰臥位で術者用キャビネット
8の鏡4などを設けない部分とほぼ平行になる向きとな
っており、術者用椅子11[d]は患者用診療椅子1
[d]の頭部真上位置のいわゆる12時のポジションと
なっている。診療ユニット6[d]は術者用椅子11
[d]の肩部近くの位置となっており、補助キャビネッ
ト9の補助診療ユニット9c[d]は引き出され、その
補助診療ユニット9cに設けられたシリンジホルダ9d
[d]は、術者用椅子11[d]を基準として、診療ユ
ニット6[d]と反対側のほぼ等距離の位置となってい
る。
【0076】図1(e)の9時治療ポジションでは、患
者用診療椅子1[e]は12時治療ポジションの患者用
診療椅子1[d]に比べて、術者用椅子11[e]と診
療ユニット6[e]が、術者用キャビネット8の天板2
との間にセットできるように、時計回りに幾分回転した
位置となっており、術者用椅子11[e]は、患者用診
療椅子1[e]の肩部の位置付近のいわゆる9時のポジ
ションとなっている。診療ユニット6[e]は術者用椅
子11[e]と天板2の診療用逃がし2aの間に挟まれ
る位置となっており、、補助キャビネット9の補助診療
ユニット9c[e]は引き出され、その補助診療ユニッ
ト9c[e]に設けられたシリンジホルダ9d[e]
は、12時治療ポジションの場合と同様に、術者用椅子
11[e]を基準として、診療ユニット6[e]と反対
側のほぼ等距離の位置となっている。
【0077】こうして、この歯科診療装置10では、従
来例の12時〜10時までの治療ポジションより、更に
広い範囲の12時〜9時までの治療ポジションを選択す
ることができ、術者の好みに応じた治療をすることがで
きる。
【0078】また、12時〜9時までのいずれの治療ポ
ジションであっても、補助キャビネット9の補助診療ユ
ニット9c[d]〜9c[e]と、シリンジホルダ9d
[d]〜9d[e]は、そのポジションの術者用椅子1
1[d]〜[e]に対してほぼ等しい距離の位置であっ
て、診療ユニット6[d]〜[e]と同様に手の届きや
すい位置にあり、補助者がいない場合でも、この術者用
椅子11[d]〜[e]に座したままで、術者は、補助
診療ユニット9c[d]〜9c[e]やシリンジホルダ
9d[d]〜9d[e]に保持されたバキュームシリン
ジなどを使うことができる。また、術者は、補助キャビ
ネット9のシンク9bで、ほとんど移動することなく、
手の洗浄などをすることができる。
【0079】さらに、12時〜9時までの治療ポジショ
ンは、水平回転可能な患者用治療椅子1を回動させて対
応でき、それに対する術者用椅子11[d]〜[e]、
診療ユニット6[d]〜[e]、シリンジホルダ9d
[d]〜9d[e]などの移動距離は少なくて済むの
で、患者に負担を強いることなく、術者の治療しやすい
治療ポジションを容易にとることができる。
【0080】図1(f)の対面ポジションでは、患者用
診療椅子1[f]は座位で術者用キャビネット8の鏡4
など設けた部分とほぼ平行になる向きととなっており、
術者用椅子11[f]は、この患者用診療椅子1[f]
に対面する位置と向きとなっている。このポジションで
は、術者は患者に正対し、治療前後の患者の顎の状態な
どを正確にチェックしたりすることができる。
【0081】なお、図1(a)の患者入退ポジションだ
けでなく、図1(b)のインタビューポジション、図1
(c)の口腔衛生指導ポジション、図1(f)の対面ポ
ジションのいずれにおいても、術者用キャビネット8の
診療ユニット6[a]〜[c]、[f]だけでなく、補
助キャビネット9の補助診療ユニット9c[a]〜
[c]、[f]も収容状態となっており、そこに保持さ
れたハンドピースなどの治療機器が直接、患者の目に触
れることがなく、患者に無駄な恐怖心を与えることがな
い。
【0082】また、上記では、患者用診療椅子1に対し
て、術者用キャビネット8の鏡4、表示装置7、診療ユ
ニット6、診療用逃がし2a、術者用椅子11、補助キ
ャビネット9の術者用のシンク9b、補助診療ユニット
9cが、図において、いわゆる時計回りの方向に順に設
けられている例について説明したが、本発明の歯科診療
装置には、これらの関係機器を、患者用診療椅子1に対
して、反時計回りに、順に設けるものも含まれ、その場
合にも同様の効果を発揮する。これは、いわゆる、右勝
手に対する左勝手を考慮したものである。
【0083】図2は、図1に示した歯科診療装置の外観
斜視図である。これより、同じ部分については、同じ符
号を付して重複説明を省略する。
【0084】患者用診療椅子1は、背板シート1aに加
え、座部1b,脚部1c、足載せ部1d、ハウジング1
e、ベース1fから構成され、背板1aの起伏傾動、座
部1bの昇降と回転などを制御するフートスイッチ1g
を備えている。このフートスイッチ1gを操作して、患
者用診療椅子1を、座部1bに対して、背板シート1a
と脚部1cがほぼ垂直、足載せ部1dが水平となる座
位、また、座部1bに対して、背板シート1a、脚部1
c、足載せ部1dのいずれもが水平となる仰臥位とする
ことができ、ベース1fに対して、台座1eを昇降、回
転させることによって、患者用診療椅子1を昇降、回転
させることができる。
【0085】鏡4に対面する患者を撮像するCCDカメ
ラ12は、鏡4の下部に設けられており、その画像デー
タは、表示装置7に表示されるようになっている。ま
た、鏡4の両側には、高演色タイプ(色温度5000°
K)の蛍光灯4aが備えられており、患者を照射して、
色を忠実に再現することができるようになっている。
【0086】天板2の鏡4を設けた部分の下には、治療
機器に必要な水、空気を送るための管路や装置、治療機
器を駆動するための制御装置などを備えた本体部8bが
ある。
【0087】術者用キャビネット8の衝立3の鏡4の装
着部は患者用診療椅子1側に出っ張っているが、この部
分には、アーム3aを介して無影灯と呼ばれる照明装置
3bが設けられ、診療時に患者の口腔などを照明する。
5aは、スピットン5に設けられた給水口である。ま
た、Cは、術者用キャビネット8に出し入れ可能な診療
ユニット6に保持された種々のハンドピースであり、D
は、補助キャビネット9に出し入れ可能な補助診療ユニ
ット9cに設けられたシリンジホルダ9dに保持された
バキュームシリンジ類である。なお、スピットン5は、
ここでは天板2に固定的に埋設しているが、天板2の下
に出し入れ可能に設けてもよい。
【0088】図3は図1に示した歯科診療装置の術者用
キャビネットの外観斜視図である。
【0089】この図から解るように、術者用キャビネッ
ト8の出し入れ可能な診療ユニット6は、天板2の下部
で、衝立3側の左右方向のほぼ中央部、換言すれば、表
示装置7を設けた位置の下付近の基部8aに2段の旋回
アーム6aを介して設置され、収納時には、天板2の下
に隠れ、使用時には、その2段の旋回アーム6aの作用
によって、より遠くまでスムーズに延出され、図1の1
2時〜9時のいずれの治療ポジションにも適当な位置に
適応することができる。
【0090】なお、診療ユニット6を術者用キャビネッ
ト8に出し入れ可能とする方法は、この2段の旋回アー
ムを用いる方法だけに限らず、一段の旋回アームと伸縮
アームとを組み合わせて用いたり、下部にキャスターを
設けて床上を転がせて移動させるような方法でもよい。
【0091】図4は、図1に示した歯科診療装置の補助
キャビネットに設けられた補助診療ユニットの出し入れ
を説明するもので、(a)は補助診療ユニットを収納し
た状態を示す側面図、(b)は補助診療ユニットを引き
出した状態を示す側面図である。この側面図は、補助診
療ユニット9cを図1の術者用のシンク9b側から見た
ところを示している。
【0092】この図から解るように補助診療ユニット9
cは、ガイドレール9fによって、引き出し式に補助キ
ャビネット9に対して出し入れ可能となっており、シリ
ンジホルダ9dは、この出し入れ可能な補助診療ユニッ
ト9cの天板下部に設けられた2段の旋回アーム9eの
先端に設けられている。
【0093】こうして、補助診療ユニット9cが補助キ
ャビネット9が出し入れ可能となっている上に、シリン
ジホルダ9dはこの補助診療ユニット9cに2段の旋回
アーム9eを介して設置されているので、このシリンジ
ホルダ9dは、12時〜9時の治療ポジションにかかわ
らずに、補助者にも、更に術者にも使いやすい位置とす
ることができる。また、収納時には、天板9に覆われる
ので、患者に恐怖感を与えることが少ない。
【0094】
【発明の効果】本発明の歯科診療装置によれば、従来の
ものに比べて、全体としてより良い患者本位の診療を実
現することができる。
【0095】わけても、請求項1に記載の歯科診療装置
によれば、鏡を術者用キャビネットに設け、患者用診療
椅子に座った患者がその鏡を正対視できるようにしたの
で、歯科治療の前に、患者はその鏡を見て治療前の自身
の口腔の状態、治療部位の状態を明確に把握することが
でき、また、治療後には、治療された部位の状態も明確
に把握することがでこ、患者は、自身の治療の経過をよ
り良く把握することができ、安心して治療を受けること
ができる。
【0096】また、ハンドピースなどの治療機器を保持
する診療ユニットは出し入れ可能で、必要以外の時は、
術者用キャビネットの天板に収納して、患者の目に触れ
にくいようにすることができ、患者の不安感、恐怖感を
和らげることができる。
【0097】請求項2に記載の歯科診療装置によれば、
請求項1のものに比べ、さらに、術者用キャビネットの
衝立に設けられた鏡の隣に表示装置を設けたので、口腔
衛生指導などの際に、必要な情報をここに表示させなが
ら、指導を行うことができる。また、鏡と隣接して設け
たので、患者は、患者用診療椅子の向きを僅かに変える
だけで、鏡を正対視することもでき、また、その位置の
ままで、鏡と表示装置を無理なく見ることができる。
【0098】請求項3に記載の歯科診療装置によれば、
請求項2に記載の歯科診療装置の効果に加え、鏡の近く
に設けた撮像装置により、患者が撮像装置に正対視して
いる、あるいは、斜めや真横に向いている撮像を、表示
装置によって術者及び患者自身も確認することができ
る。
【0099】請求項4に記載の歯科診療装置によれば、
請求項2または3のいずれかに記載の歯科診療装置の効
果に加え、隣同士の鏡と表示装置の前面が面一になるよ
うに、つまり、一直線になるように設置されているの
で、例えば、鏡に患者が正対し、表示装置の前に術者が
座ると、鏡については、患者は正対視、術者は、鏡に設
けられた撮像装置の映像を同様に見ることができ、一
方、平面表示手段については、患者と術者からほぼ当角
度に見ることができるような位置となるので、ここに表
示された画像によって、術者が説明したり、インタビュ
ーするのに都合がよい。
【0100】請求項5に記載の歯科診療装置によれば、
請求項2〜4のいずれかに記載の歯科診療装置の効果に
加え、患者用診療椅子との距離を考慮して、鏡と表示装
置の直線部分に対して、それ以外の術者用キャビネット
を斜めに、患者用診療椅子側に屈曲させたので、天板な
どが関連する診療機器の置き場所としてより使い易くな
ると共に、患者用診療椅子を中心とした出っ張りが少な
くなり、歯科診療装置全体としての設置スペースも節約
することができる。
【0101】請求項6に記載の歯科診療装置によれば、
請求項1〜5のいずれかに記載の歯科診療装置の効果に
加え、診療ユニットを2段の旋回アームを介して設置し
たので、より大きい範囲での出し入れをすることがで
き、9時から12時の全ての治療ポジションに対応して
相応しい位置に診療ユニットを移動させることができる
ようになった。また、2段の旋回アームの基部を天板の
下の衝立側としたので、収納時には、無理なく、天板の
奥の方に診療ユニットを移動させることができる。
【0102】更に、診療用逃がしを設けたので、術者
は、より術者用キャビネットの衝立側に近づくことがで
き、表示装置などを見るのに都合が良く、また、9時治
療ポジションの際には、この診療用逃がしが、より天板
に近づく診療ユニットの上部を覆うことのないようにす
る働きもして、9時治療ポジションを確保している。
【0103】請求項7に記載の歯科診療装置によれば、
請求項1〜6のいずれかに記載の歯科診療装置の効果に
加え、照明装置が設置されているので、歯科診療に必要
な照明が確保できる。
【0104】請求項8に記載の歯科診療装置によれば、
請求項1〜7のいずれかに記載の歯科診療装置の効果に
加え、補助者が主に使用するための補助キャビネット
を、従来と異なり、術者にも使用できるようにすること
を考慮して、その設置位置と付属設備を考慮したので、
補助者がいない場合でも、術者は、この補助キャビネッ
トに備えられた補助の診療機器などを使いやすくなる。
また、この補助キャビネットの天板には術者用のシンク
が設けられているので、術者は、手洗いなどに利用する
ことができ、出し入れ可能な補助診療ユニットが設けら
れているので、術者からも、この補助診療ユニットに設
けられた補助の診療機器を使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯科診療装置の一例において、その特
徴とする6ポジション対応を概念的に説明するもので、
(a)は患者入退ポジション、(b)はインタビューポ
ジション、(c)は口腔衛生指導ポジション、(d)は
12時治療ポジション、(e)は9時治療ポジション、
(f)は対面ポジションを示す配置構成図
【図2】図1に示した歯科診療装置の外観斜視図
【図3】図1に示した歯科診療装置の術者用キャビネッ
トの外観斜視図
【図4】図1に示した歯科診療装置の補助キャビネット
に設けられた補助診療ユニットの出し入れを説明するも
ので、(a)は補助診療ユニットを収納した状態を示す
側面図、(b)は補助診療ユニットを引き出した状態を
示す側面図
【図5】縦例の歯科診療装置の一例を示す配置構成図
【図6】従来の歯科診療装置の他例において、対応可能
なポジションを概念的に説明するもので、(a)はイン
タビューポジション、(b)は対面ポジション、(c)
は口腔衛生指導ポジション、(d)は12時治療ポジシ
ョン、(e)は10時治療ポジションを示す配置構成図
【符号の説明】
1 患者用診療椅子 1a 背板シート 2 天板 2a 診療用逃がし 3 衝立 3a アーム 3b 照明装置 4 鏡 5 スピットン 6 診療ユニット 6a 2段の旋回アーム 7 表示装置 8 術者用キャビネット 8a 基部 9 補助キャビネット 9a 天板 9b シンク 9c 補助診療ユニット 10 歯科診療装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】背板シートが起伏自在で、かつ、水平回転
    自在な患者用診療椅子と、この患者用診療椅子の近くに
    配置され、天板と衝立を有する術者用キャビネットとか
    らなる歯科診療装置であって、 この術者用キャビネットの衝立には鏡を設け、この術者
    用キャビネットの天板には、上記衝立に設けられた鏡の
    前位置にスピットンを設け、この天板の下部には、この
    術者用キャビネットのほぼ中央位置に、出し入れ自在に
    した診療ユニットを設け、 上記衝立に設けられた鏡と上記患者用診療椅子とが正対
    視可能になるように配置することを特徴とする歯科診療
    装置。
  2. 【請求項2】背板シートが起伏自在で、かつ、水平回転
    自在な患者用診療椅子と、この患者用診療椅子の近くに
    配置され、天板と衝立を有する術者用キャビネットとか
    らなる歯科診療装置であって、 この術者用キャビネットの衝立には鏡と表示装置とを隣
    接させて設け、この術者用キャビネットの天板には、鏡
    の前位置にスピットンを設け、この天板の下部には、上
    記衝立に設けられた表示装置の位置に、出し入れ自在に
    した診療ユニットを設け、 上記衝立に設けられた鏡と上記患者用診療椅子とが正対
    視可能になるように配置することを特徴とする歯科診療
    装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の歯科診療装置において、 上記術者用キャビネットの衝立に設けられた鏡の近くに
    撮像装置を設け、この撮像装置で撮った画像を上記表示
    装置に表示可能としたことを特徴とする歯科診療装置。
  4. 【請求項4】請求項2または3のいずれかに記載の歯科
    診療装置において、 上記術者用キャビネットに設けられた鏡と表示装置の前
    面部分がほぼ面一になるように構成されていることを特
    徴とする歯科診療装置。
  5. 【請求項5】請求項2〜4のいずれかに記載の歯科診療
    装置において、 上記術者用キャビネットの鏡と表示装置を設けた部分の
    天板と、それらの鏡と表示装置の前面部分とに対して、
    上記術者用キャビネットの他の部分が斜めに形成されて
    いることを特徴とする歯科診療装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の歯科診療
    装置において、 上記診療ユニットは、上記天板下部の衝立側の基部に、
    2段の旋回アームを介して設けられ、上記天板には、上
    記診療ユニットの天板下部に収納したときに、この診療
    ユニットを覆う部分を残して、診療用逃がしを設けたこ
    とを特徴とする歯科診療装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の歯科診療
    装置において、 上記術者用キャビネットの衝立の上部に立設されたアー
    ムを介して照明装置が配置されていることを特徴とする
    歯科診療装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の歯科診療
    装置において、 更に、補助キャビネットを備え、この補助キャビネット
    の長手方向が上記術者用キャビネットの長手方向にほぼ
    直交するようにし、 この補助キャビネットの天板には術者用のシンクを設け
    ると共に、その天板の下部には補助診療ユニットを出し
    入れ自在に設けていることを特徴とする歯科診療装置。
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JP2001299837A (ja) * 2000-04-20 2001-10-30 Yoshida Dental Mfg Co Ltd 歯科診療装置
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