JP3947404B2 - 内視鏡用画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内視鏡を用いて手術等を行うのに適した内視鏡用画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内視鏡を用いて手術を行う場合の表示装置としては、液晶モニタを使用し、その場合術者の頭部或いは顔面に装着して、術者の眼前で液晶モニタにより内視鏡画像を表示する頭部装着型表示装置(HMD)や顔面装着型表示装置(FMD)を採用したものがある。
【0003】
しかし、手術は長時間に及ぶ場合があり、FMD等を装着したままでは、術者に負担がかかるということで、特開平7−16238号公報ではFMDを天井から吊して術者に負担がかからないようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の従来例では、術者が手術中に体を動かすと、そのままでは観察状態が変化してFMDの画像を見にくくなってしまうので、それを回避するために補助者がFMDを術者が移動した位置まで移動させなければならず、円滑な手術を行いにくくなる欠点があった。なお、術者が体を動かした場合には、術者自身がFMDを動かすことは、FMD側が非滅菌のためできない。
【0005】
(発明の目的)
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、楽な姿勢で術者が内視鏡を用いて長時間の手術等を行う場合にも、術者の負担を軽減して内視鏡画像を表示できる内視鏡用画像表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
内視鏡画像の表示を術者の眼前で表示する内視鏡用画像表示装置において、
内視鏡を用いて手術等を行う術者が座るための椅子と、
内視鏡の撮像手段で撮像した内視鏡画像を、術者の左右の眼前でそれぞれ内視鏡画像を表示する内視鏡画像眼前表示装置と、
前記内視鏡画像眼前表示装置を前記椅子に一体的に固定する固定手段と、
を設けたことにより、術者は椅子に座って楽な姿勢で手術を行うことができると共に、術者は手術のために位置を動かす必要があった場合には、椅子を動かせば良く、この場合には、内視鏡画像眼前表示装置が椅子に一体的に設けているので、表示位置の移動調整を必要としないので、術者の負担を軽減して円滑な手術などができるようにしている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は第1の実施の形態を備えた内視鏡手術装置の全体構成を示し、図2は図1の主要部の概略の構成を示し、図3は椅子及び一体的に取り付けられた術者用モニタを示し、図4は術者用モニタ部分の外観を示し、図5は術者用モニタの駆動機構の構成を示す。
【0008】
図1に示すように内視鏡手術装置1では、患者2が載置されるベッド3の付近に椅子4が配置され、この椅子4に術者5が腰掛け(座り)、術者5はこの椅子4に一体的に取り付けられた(内視鏡画像表示装置を形成する)術者用眼前配置型液晶モニタ(以下、術者用モニタと略記)6を観察しながら、内視鏡7を用いた手術等を楽な姿勢で行えるようにしている。
【0009】
患者2の腹部には、図示しないトラカールを介して内視鏡7の硬質の挿入部8が挿入され、この内視鏡7の接眼部9(の左眼用接眼部と右眼用接眼部)には左眼用及び右眼用撮像装置10L、10Rが装着されている。
【0010】
また、内視鏡7は照明光を伝送するライトガイドケーブル11を介してカート12に載置された光源装置13と接続され、図2に示すように光源装置13のランプ14による照明光はライトガイドケーブル11を経て、内視鏡7内部のライトガイド15に供給され、この照明光は挿入部8の先端部の照明窓に取り付けられた先端面から出射され、腹部内部の手術を行おうとする処置対象部位側を照明する。
【0011】
挿入部8の先端部には、照明窓に隣接して2つの観察窓が設けてあり、左右の対物光学系16L、16Rが取り付けてある。左右の対物光学系16L、16Rによる光学像はそれぞれリレーレンズ系17L、17Rにより接眼部9の左眼用接眼部と右眼用接眼部側に伝送され、左眼用接眼部と右眼用接眼部からのぞき込むことにより左右の眼で左右の光学像、つまり左右の内視鏡画像として肉眼観察することができ、視差のある左右の対物光学系16L、16Rによる左右の光学像によって立体視ができる。つまり、この内視鏡7は立体視用内視鏡である。
【0012】
また、この接眼部9の左眼用接眼部と右眼用接眼部に左眼用及び右眼用撮像装置10L、10Rをそれぞれ装着した場合には、左眼用及び右眼用撮像装置10L、10Rの内部に配置された固体撮像素子、例えばCCD18L、18Rに光学像が結像され、それぞれ光電変換される。
【0013】
左眼用及び右眼用撮像装置10L、10Rから延出されたケーブルをカメラコントロールユニット(以下、CCUと略記)19L、19Rに接続することにより、CCD18L、18Rにより光電変換された左右の撮像信号は左右の映像信号に変換され、画像処理装置21に入力される。
【0014】
画像処理装置21は、例えば映像信号の明るさを調整する明るさ制御回路22L、22Rを有し、この画像処理装置21を通した左右の映像信号は術者用モニタ6に設けられた左右の液晶モニタ23L、23Rに出力され、左右の液晶モニタ23L、23Rの表示面には左右の対物光学系16L、16Rで結像し、CCD18L、18Rにより撮像した左右の像が左右の内視鏡画像として表示され、術者5はその左右の眼24L、24Rの直前に表示される左右の内視鏡画像を観察することにより立体観察することができるようにしている。
【0015】
また、画像処理装置21を通した例えば一方の映像信号はカート12に載置されたモニタ25にも表示され、看護婦等は術者5が観察している内視鏡画像を確認することができるようにしている。
また、画像処理装置21には、術者用モニタ6を制御する術者用モニタ制御装置26が接続され、この術者用モニタ制御装置26にはその制御操作を行うフットスイッチ27が接続されている。
【0016】
また、このフットスイッチ27は椅子4の高さ及び回転を駆動する椅子駆動装置28とも接続されている。なお、図1に示すように術者用モニタ制御装置26と椅子駆動装置28とは椅子4の底部付近に設けた椅子駆動箱29内部に収納されている。
【0017】
図1及び図3に示すように術者5が座る椅子4の例えば側部には術者用モニタ6を保持する支柱31の下端を上下動可能に保持する支柱駆動箱32が設けてあり、その内部には支柱31の下端を上下動する支柱上下用モータ34(図5参照)が収納されている。
【0018】
そして、図3に示すフットスイッチ27における例えば最も左側から2番目のUP用ペダル33c或いはDOWN用ペダル33dを操作することにより支柱駆動箱32内部のモータ34を駆動して支柱31の下端側を上下動(図3で符号Aで示す)させることができるようにしている。
【0019】
また、この椅子4の底部から下側に延びる脚部35の下端は椅子駆動箱29で保持され、この椅子駆動箱29の内部に設けた椅子駆動装置28により脚部35は上下動及び回動自在に保持されている。
【0020】
そして、フットスイッチ27における例えば左側から1番目のUP/DOWN用ペダル33a或いは回転用ペダル33bを操作することにより椅子駆動箱29内部に収納された椅子上下動用モータを回転して脚部35を上下動(図3で符号Bで示す)や椅子回転用モータを回転駆動して脚部35を回転(図3で符号Cで示す)させることができるようにしている。
【0021】
なお、支柱駆動ボックス32と椅子駆動箱29とは接続ケーブル36で着脱自在に接続され、またフットスイッチ27のケーブル37も椅子駆動箱29に着脱自在に接続される。
【0022】
上記支柱31の上端側は自在に折り曲げることができるフレキシブルシャフト38に接続され、このフレキシブルシャフト38の上端には術者用モニタ保持部39を介して術者用モニタ6が取り付けられている。なお、フレキシブルシャフチ38は、折り曲げる操作を行うと、その折り曲げた状態を維持する半硬質の特性を示す。
【0023】
なお、支柱31やフレキシブルシャフト38は中空構造であり、内部に信号線が挿通されており、画像処理装置21からの信号を術者用モニタ6側に伝送したり、(フットスイッチ27の操作に基づく)術者用モニタ制御装置26からの制御信号を術者用モニタ保持部39に伝送したり、動作に必要な電源を供給すること等ができるようにしている。
【0024】
また、図4に示すように、術者用モニタ6の水平方向に離間して設けられた左右の液晶モニタ23L、23Rの中央位置には、術者5の両眼24L、24R(図2参照)から左右の液晶モニタ23L、23Rの表示位置までの距離を術者5の鼻(ノーズ)に当てることにより位置規制する観察距離規制手段としてのノーズパッド(鼻当て)41が移動可能に設けてある。
【0025】
具体的には、この術者用モニタ6の中央部には縦方向(上下方向)に長穴(長溝)42が設けてあり、フットスイッチ27における例えば左側から3番目の上下方向用ペダル33eを操作することにより術者用モニタ保持部39内部の上下用モータ43(図5参照)を駆動することにより、ノーズパッド41の基端側をその長溝42の長手方向(図4で符号Dで示す)に移動自在にしている。
【0026】
また、術者用モニタ保持部39内部にはノーズパッド41を前後方向(図4で符号Eで示す)に移動する前後用モータ44(図5参照)が設けてあり、フットスイッチ27における例えば左側から3番目の前後用ペダル33fを操作することによりノーズパッド41を前後方向に移動して、術者5による観察距離を変更できるようにしている。
【0027】
また、術者用モニタ保持部39の内部には術者用モニタ6の中心軸Oの回りで術者用モニタ6を回転させてその角度を調整する(ロータリソレノイド或いは)角度(調整)用モータ45(図5参照)も内蔵されており、フットスイッチ27における例えば左側から4番目のペダル33g/33hを操作することによりノーズパッド41の軸部と直交する中心軸Oの回りで右或いは左回りで回転して、術者5の左右の眼24L、24Rからの観察距離を等しくする等、観察し易い状態に微調整できるようにしている。
【0028】
また、例えばペダル33g/33hは明るさを制御する場合にも使用される。例えば両ペダル33g/33hを同時に押すと、角度調整の機能から明るさ調整の機能に切り替えられ、さらに両ペダル33g/33hを同時に押すと、明るさ調整の機能から角度調整の機能に切り替えられる。
【0029】
このような構成による本実施の形態では、術者5が内視鏡7を用いた長時間の手術を楽な姿勢で行えるように術者5が座る椅子4を用意すると共に、術者5が眼前で立体観察するための眼前表示装置となる術者用モニタ6を椅子4に一体的に設けるようにして、術者5は手術のために高さを変えたり、左右方向に移動しようとした場合、フットスイッチ27の操作で簡単に椅子4と共に移動でき、しかもその場合に術者用モニタ6は椅子4に一体的に設けてあるので、術者用モニタ6の位置を変更しなくても、術者5は同じ観察状態で観察できるようにして、術者5は使い勝手の良い状態で手術を行えるようにしていることが特徴となっている。
【0030】
なお、術者用モニタ6を支柱31等により、椅子4に一体的に保持することは、実際には椅子4を椅子駆動装置28により移動可能(駆動可能)に保持しているので、椅子4の動きに連動して、術者用モニタ6を可動自在に保持する可動保持手段を形成している。
【0031】
次に本実施の形態の作用を説明する。
術者5が内視鏡7を用いて手術を行う場合、椅子4に座り、フットスイッチ27を踏んで椅子4の高さや向きを手術を行い易い位置及び向きに簡単に設定することができる。
【0032】
また、この椅子4には術者用モニタ6が支柱31等により一体的に保持されており、その支柱31の先端側は可撓性を有するフレキシブルシャフト38で形成されており、例えば図3に示すように予め略直角に折り曲げてあり、術者5が椅子4に座るとそのフレキシブルシャフト38の先端に術者用保持部39を介して保持された術者用モニタ6が術者5の眼前に配置されるようにしている。
【0033】
この場合、術者用モニタ6が術者5の眼前に配置されるが、術者5が手術を行う場合に適切な状態になっていない場合には、術者5はフットスイッチ27を操作することにより、適切な状態に設定できるようにしている。
【0034】
例えば、術者用モニタ6の位置が高すぎたり、低すぎたりする場合にはフットスイッチ27のペダル33c或いは33dを踏むことにより支柱31を上動或いは下動して適切な高さに設定(調整)することができる。
【0035】
このようにして術者用モニタ6を眼前に適正な高さの位置に設定した後、次に術者用モニタ6の左右の液晶モニタ23L、23Rの位置を術者5の左右の眼24L、24Rから適正な観察距離状態に調整する。
例えばフットスイッチ27のペダル33g/33hを踏む操作をして、術者用モニタ6の(術者5に対向する)表示面が術者5の顔面と平行となる角度状態に調整する。
【0036】
その後、ペダル33e及び33fを踏む操作して、ノーズパッド41の高さ及びその前後方向の位置を調整し、術者5が観察し易い状態での鼻にノーズパッド41の突出する端部側が当たるようにする。
【0037】
これらの操作を行うことにより、術者5の左右の眼24L、24Rの直前における適切な観察距離の位置に、ノーズパッド41により観察距離が規制された状態で、左右の液晶モニタ23L、23R(の表示面)が配置された状態に設定できる。
【0038】
左右の液晶モニタ23L、23Rには内視鏡7の左右の対物光学系16L、16Rにより結像され、リレーレンズ系17L、17Rで伝送されCCD18L、18Rに結像されて、光電変換された左右の光学像が左右の内視鏡画像として表示される。
【0039】
術者5はその左右の内視鏡画像を観察することにより、立体的に認識することができる。つまり、術者5は患者2の腹部内の手術しようとする部位を立体的に観察することができ、図示しない手術用の処置具を使用した場合にもその先端側を立体的に認識することができるので、手術がし易い。
また、術者5は椅子4に腰掛けた楽な姿勢状態で手術を行えるので、長時間の手術の場合にもその負担を軽減できる。
【0040】
また、手術中に処置等のために、スットスイッチ27を操作して例えば椅子4を回転移動させて略左右方向に移動させるような操作を行っても、術者用モニタ6は支柱31等により、椅子4に一体的に保持されているので、術者5による術者用モニタ6の保持状態は変化することなく、内視鏡画像を観察できる。
従って、椅子4に一体的に取り付けていないような場合における看護婦等が術者5の動きに合わせて術者5が観察するモニタを移動調整しなければならない欠点を解消できる。
【0041】
また、本実施の形態では、ノーズパッド41によって術者5による術者用モニタ6の観察距離を規制しているが、術者5は頭部を後方側に移動すれば、術者用モニタ6とは離れた離脱状態に設定できるので、術者5は手術中においても、単に頭部を後方側に移動すれば離脱状態に設定でき、また逆にノーズパッド41のある前方に移動すれば観察状態に設定できる。
【0042】
このため、術者はHMDやFMDのように確実に装着された状態で観察する場合に比べて長時間の手術を行う場合においても、殆ど装着による圧迫感等を感じるような負担もなく、楽にかつスムーズに内視鏡7を用いた(診断はもとより、より時間がかかる)手術等の治療処置を行うことができる。
【0043】
従って、本実施の形態によれば、術者5が内視鏡7を用いて長時間の手術等を行う場合にも、術者5は楽な姿勢で、しかもその負担を軽減して内視鏡画像を表示することができる内視鏡用画像表示装置を実現できる効果を有する。
【0044】
なお、第1の実施の形態の変形例として、例えば支柱31の下端を上下動可能に保持すると共に、さらに回動可能に保持する構成にしても良い。そして、術者が椅子4に座った後、例えばフットスイッチ27に設けた回動設定用ペダルを操作することにより、支柱31の下端が図3で時計回り方向に回転して図3に示すような状態、つまり術者用モニタ6が座った術者5の眼前に配置される状態に設定できるようにしても良い。
【0045】
また、支柱3の回動位置を設定し、ノーズパッド41等を適正な状態にセットした後、支柱3が設定された回転位置の情報を記憶する手段を設けるようにし、例えば手術中における少し中断しても差し支えないような時等に、フットスイッチ27に設けた解放用ペダルを操作した場合には支柱31を反時計回り方向に回動して術者5の眼前から術者用モニタ6を離脱(退避)させることができるようにすると共に、再び回動設定用ペダル等を操作することにより、記憶された回転位置に再設定することもできるようにしても良い。
【0046】
この場合には、術者5は自らの頭部を移動しなくても、スイッチ操作で術者用モニタ6を離脱させた状態に設定したり、再び適正な観察位置の状態に設定することもできる。
【0047】
また、上述の実施の形態では、支柱31の上部側をフレキシブルシャフト38で形成することにより、手術前や補助者等が手動で術者5の眼前となる付近に術者用モニタ6を設定保持できるようにしているが、L字形状のリンク機構等で形成するようにしても良い。この場合、リンク機構の接続部を手動や電気的駆動手段で回動できる構造にしても良い。
【0048】
また、術者用モニタ制御装置26等に情報記憶手段としてのメモリ或いは記憶装置を設け、術者5のID等と共にノーズパッド41の設定情報等を記憶して、次回に使用する場合に、その術者5のIDを入力することにより対応する設定情報を読み出して、その設定情報で再び同じ設定状態に簡単に設定できるようにしても良い。そのために、モータ34,43〜45等には位置検出手段を設けるようにしても良い。
【0049】
また、図3で示したように、椅子5は上下動と回動可能にしているが、さらに左右方向に移動したり、前後方向に移動可能な駆動機構と共に、その指示操作機構(例えばフットスイッチ27に形成する操作ペダル)を設けるようにしても良い。
【0050】
(第2実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態を図6を参照して説明する。図6は第2の実施の形態を備えた内視鏡手術装置51の構成を示す。
本実施の形態では、第1の実施の形態に係る内視鏡手術装置1のフットスイッチ27に代わって音声を入力するマイク52と、術者5等によりこのマイク52により電気信号に変換された音声信号が入力されることによりその音声(信号)による操作指示の情報の認識を行う音声認識装置53と、この音声認識装置53で認識された操作指示に基づき、対応する指示制御信号を術者用モニタ制御装置26や椅子駆動装置28へ出力するCPU54とを備えた構成にしている。
【0051】
マイク53は例えば術者用モニタ6の下端等に取り付けられており、このマイク53の出力信号は音声認識装置53に入力される。その他は第1の実施の形態の場合と同様の構成である。なお、マイク53は術者5の頭部に装着するタイプのものでも良い。
【0052】
この内視鏡手術装置51の場合には、術者5から音声による操作指示が入力されると、音声認識装置53により操作指示内容が認識され、この操作指示内容に対応した信号がCPU54から術者用モニタ制御装置26や椅子駆動装置28へ与えられる。
【0053】
そして、第1の実施の形態の場合で説明したのと同様に、術者用モニタ制御装置26を介して、ノーズパッド41の位置調整機構等を制御できる。
本実施の形態は第1の実施の形態の場合とほぼ同様の効果を有する。
【0054】
なお、第2の実施の形態の変形例として、例えば椅子駆動装置28は第1の実施の形態のようにフットスイッチ27で制御できるようにし、術者用モニタ制御装置26は音声で制御できるようにしても良い。
また、術者5がフットスイッチ27と音声とから選択した方で制御を行えるようにしても良い。
【0055】
なお、第1或いは第2の実施の形態において、さらに液晶モニタ23L、23Rの間の距離を調整する機構を設けるようにして、術者5の両眼24L、24Rの距離が異なる場合にも対応できるようにしても良い。
【0056】
また、上述の説明では、立体視用の内視鏡7を採用して、術者用モニタ6には視差のある左右の内視鏡画像を表示する構成にしているが、対物光学系、リレーレンズ系、接眼光学系による観察光学系が1つの(単眼用)内視鏡を用い、術者用モニタ6には左右で同じ内視鏡画像を表示するようにした擬似的に立体表示する内視鏡手術装置の場合にも適用することができる。
この場合には、撮像装置、CCU、明るさ制御回路等が1系統で済み、その構成が簡単になる。また、低コストで実現できる。
【0057】
[付記]
1.請求項2及び請求項3において、方向調節機構及び/または観察距離調節手段を駆動する駆動装置を設けたことを特徴とする内視鏡用画像表示装置。
2.付記1において、前記駆動装置はフットスイッチであることを特徴とする内視鏡用画像表示装置。
3.付記1において、前記駆動装置は音声認識装置であることを特徴とする内視鏡用画像表示装置。
【0058】
4.請求項1において、術者が座る椅子は上下及び/または回転できるようにしたことを特徴とする内視鏡用画像表示装置。
5.請求項1において、前記内視鏡画像表示装置は、視差のある撮像手段で撮像された左右の映像信号を椅子に座る術者の左右の眼前で表示する。
6.内視鏡画像の表示を術者の眼前で表示する内視鏡用画像表示装置において、
内視鏡を用いて手術等を行う術者が座るための椅子と、
内視鏡の撮像手段で撮像した内視鏡画像を、術者の左右の眼前でそれぞれ内視鏡画像を表示する内視鏡画像眼前表示装置と、
前記椅子を移動させる駆動機構と、
前記内視鏡画像眼前表示装置を前記椅子の動きと連動して可動させる可動保持手段と、
を有することを特徴とする内視鏡用画像表示装置。
【0059】
7.付記6において、前記可動保持手段は前記内視鏡画像眼前表示装置を前記椅子に固定する固定手段である。
8.付記6において、前記固定手段は前記内視鏡画像眼前表示装置を上端側に保持した保持手段の下端側を前記椅子に固定した保持手段固定手段である。
9.付記6において、前記駆動機構はフットスイッチの操作或いは音声による指示で前記椅子を電気的に駆動する。
【0060】
10.付記6において、さらに内視鏡画像眼前表示装置を、椅子に座る術者の眼前における所定の位置に設定する情報を記憶する手段を有する。
11.付記6において、さらに内視鏡画像眼前表示装置を、椅子に座る術者の眼前位置への設定と、眼前位置から退避した退避位置への設定を行う手段を有する。
12.付記6において、さらに内視鏡画像眼前表示装置を、椅子に座る術者の眼前から所定の距離等に可変設定する調節機構を有する。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、内視鏡画像の表示を術者の眼前で表示する内視鏡用画像表示装置において、
内視鏡を用いて手術等を行う術者が座るための椅子と、
内視鏡の撮像手段で撮像した内視鏡画像を、術者の左右の眼前でそれぞれ内視鏡画像を表示する内視鏡画像眼前表示装置と、
前記内視鏡画像眼前表示装置を前記椅子に一体的に固定する固定手段と、
を設けているので、術者は椅子に座って楽な姿勢で手術を行うことができると共に、術者は手術のために位置を動かす必要があった場合には、椅子を動かせば良く、この場合には、内視鏡画像眼前表示装置が椅子に一体的に設けているので、表示位置の移動調整を必要としないので、術者の負担を軽減して円滑な手術などができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を備えた内視鏡手術装置の全体構成図。
【図2】図1の主要部の概略の構成図。
【図3】椅子及び一体的に取り付けられた術者用モニタを示す斜視図。
【図4】術者用モニタ部分の外観を示す斜視図。
【図5】術者用モニタの駆動機構の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の第2の実施の形態を備えた内視鏡手術装置の構成図。
【符号の説明】
1…内視鏡手術装置
2…患者
3…ベッド
4…椅子
5…術者
6…術者用モニタ
7…内視鏡
8…挿入部
10L、10R…撮像装置
13…光源装置
15…ライトガイド
16L、16R…対物光学系
18L、18R…CCD
19L、19R…CCU
21…画像処理装置
23L、23R…液晶モニタ
24L、24R…(術者の)眼
26…術者用モニタ制御装置
27…フットスイッチ
28…椅子駆動装置
29…椅子駆動箱
31…支柱
32…支柱駆動箱
33a〜33h…ペダル
35…脚部
39…術者用モニタ保持部
41…ノーズパッド
43〜45…モータ
Claims (3)
- 内視鏡画像の表示を術者の眼前で表示する内視鏡用画像表示装置において、
内視鏡を用いて手術等を行う術者が座るための椅子と、
内視鏡の撮像手段で撮像した内視鏡画像を、術者の左右の眼前でそれぞれ内視鏡画像を表示する内視鏡画像眼前表示装置と、
前記内視鏡画像眼前表示装置を前記椅子に一体的に固定する固定手段と、
を有することを特徴とする内視鏡用画像表示装置。 - 前記内視鏡画像眼前表示装置における内視鏡画像の表示面と術者の眼との観察距離を調節する観察距離調節手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡用画像表示装置。
- 前記内視鏡画像眼前表示装置の本体は前後方向及び上下方向との少なくとも一方の調節を行う方向調節機構を有することを特徴とする請求項1記載の内視鏡用画像表示装置。
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