JP2000314094A - 紙用表面塗工剤及び該塗工剤を用いた印刷用紙 - Google Patents

紙用表面塗工剤及び該塗工剤を用いた印刷用紙

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JP2000314094A
JP2000314094A JP11126106A JP12610699A JP2000314094A JP 2000314094 A JP2000314094 A JP 2000314094A JP 11126106 A JP11126106 A JP 11126106A JP 12610699 A JP12610699 A JP 12610699A JP 2000314094 A JP2000314094 A JP 2000314094A
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acrylamide
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Kaoru Okada
馥 岡田
Masahide Taniguchi
正秀 谷口
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Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd
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Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙の表面に塗布することにより、
表面強度、耐水性及びサイズ性を向上させ、優れたオフ
セット印刷適性を付与できる紙用表面塗工剤を提供す
る。 【解決手段】 カルボキシル基を含有するアニオ
ン性アクリルアミド系重合体(A)とエピハロヒドリン
(B)とを反応せしめて得られる熱硬化性樹脂(C)、
または熱硬化性樹脂(C)とアニオン性表面サイズ剤
(D)との混合水溶液からなる紙用表面塗工剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙の表面に塗布す
ることにより、表面強度、耐水性及びサイズ性を向上さ
せ、優れたオフセット印刷適性を付与できる紙用表面塗
工剤及び該塗工剤を用いた印刷用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷技術の著しい発展に伴って、
印刷の高速化と省力化が進んでおり、紙に対する厳しい
品質物性の要求、特にオフセット印刷時の湿し水に対す
る抵抗性が要求されている。これらを解決する手段とし
て、抄紙工程のパルプスラリーに添加する内添剤と紙の
表面に塗工する塗工剤とが提案されている。前者の内添
剤としては、カチオン澱粉、ポリアミドポリアミンーエ
ピクロルヒドリン樹脂及びアクリルアミド系ポリマー等
があり、これらの中でもアクリルアミド系ポリマーが広
く用いられ、例えば、特公昭54−15589号公報に
は紙力、濾水性、微細繊維、填料等の歩留向上、サイズ
効果の向上等を目的としてカルボキシル基を有するアク
リルアミド系共重合体にエピハロヒドリンを反応せしめ
た製紙用添加物を内添剤として用いている実施例が開示
されている。後者の塗工剤は、歩留がほぼ100%で紙
に直接付着し、表面強度、耐水性、印刷適性など表面特
性を紙内部の性質に影響を及ぼさずに改良することがで
きる点、抄紙工程で使用される薬品の未定着分が用水中
に蓄積し、マシン及び廃水を汚すことのない点などから
して理想的な手段と考えられ、各種のものが提案されて
おり、例えば、特定のポリ尿素ポリアミド及びホルムア
ルデヒドから合成されたホルマリン系の耐水化剤の併用
(特公平2−60798号公報)、部分メチロール化ポ
リアクリルアミド誘導体と酢ビ系ポリマーの併用(特公
昭50−13362号公報)、分子量2万〜25万のア
クリルアミド系ポリマーをゲートロールで紙に塗布した
オフセット印刷用として優れた新聞用紙(特開平8−3
02591号公報)、また、スチレン−アクリル樹脂、
スチレン−アクリル酸(エステル)樹脂、イソブチレン
−マレイン酸(半エステル)樹脂等の少なくとも1種と
アクリルアミド系ポリマーとの併用(特開平9−132
95号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近の印刷の高速化、
省力化に対しては、従来の紙用表面塗工剤ではその要求
に応えられなくなってきている。ホルマリン系の耐水化
剤やエポキシ系の耐水化剤などの併用は、それなりの効
果はあるが、ホルマリン系の場合には紙が硬くなり、ま
た酸性紙では硬化しやすいが、中性紙では硬化しにく
く、更には遊離ホルムアルデヒド(HCHO)による環
境への悪影響が無視できない。エポキシ系の場合にはカ
チオン性を有していたり、ノニオンオリゴマー型では反
応性に劣るとか紙のサイズ効果を低下させるとかの欠点
がある。メチロール化ポリアクリルアミド誘導体の場合
には、ホルマリン系耐水化剤と同様に遊離ホルムアルデ
ヒド(HCHO)の問題がある。更に、表面サイズ剤を
併用する方法も提案されているが、見かけ上の耐水性又
は瞬時の耐水性であり、多色オフ輪印刷のように多数回
の湿し水との接触に対してはまだ不十分である。この為
に、更なる表面強度、耐水性及びサイズ性をバランス良
く兼ね備えた紙用表面塗工剤の出現が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、以下に示す本発明に係る紙用表面塗工剤を提供
することによって前記課題を解決したものである。
【0005】請求項1の発明は、カルボキシル基を含有
するアニオン性アクリルアミド系重合体(A)とエピハ
ロヒドリン(B)とを反応せしめて得られる熱硬化性樹
脂(C)からなる紙用表面塗工剤という構成からなる。
【0006】請求項2の発明は、請求項1におけるカル
ボキシル基を含有するアニオン性アクリルアミド系重合
体(A)が、アクリルアミド及び/又はメタアクリルア
ミド(イ)、カルボキシル基含有モノマー(ロ)及び前
記(イ)、(ロ)のモノマー成分と共重合可能な他のビ
ニルモノマー(ハ)を共重合せしめて得られたものであ
る紙用表面塗工剤という構成からなる。
【0007】請求項3の発明は、請求項1又は2におけ
るエピハロヒドリン(B)の使用量が、カルボキシル基
を含有するアニオン性アクリルアミド系重合体(A)の
カルボキシル基1個に対してエピハロヒドリン(B)
0.1〜1個である紙用表面塗工剤という構成からな
る。
【0008】請求項4の発明は、請求項1に記載の熱硬
化性樹脂(C)とアニオン性表面サイズ剤(D)との混
合水溶液からなる紙用表面塗工剤という構成からなる。
【0009】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載の紙用表面塗工剤が紙の表面に塗布されている
印刷用紙という構成からなる。
【0010】本発明におけるアクリルアミド及び/又は
メタアクリルアミド(イ)(以下、(メタ)アクリルア
ミドと称する)としてはアクリルアミド、メタアクリル
アミド、又はアクリルアミドとメタアクリルアミドとの
併用などが挙げられる。これらの中でもアクリルアミド
単独使用が好ましい。
【0011】本発明におけるカルボキシル基含有モノマ
ー(ロ)としては、アクリル酸、メタアクリル酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の
α,β−不飽和カルボン酸及び/又はそれらの塩、前記
α,β−不飽和カルボン酸の半エステル及び/又はそれ
らの塩が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用す
ることができる。これらの中でもアクリル酸、メタアク
リル酸が好ましい。
【0012】本発明における前記(イ)及び(ロ)のモ
ノマー成分と共重合可能な他のビニルモノマー(ハ)と
しては、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピル
アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等の
N−アルキル置換アクリルアミド、アリルスルホン酸、
メタアリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンス
ルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有
モノマー、tーブチルアクリルアミド、スチレン、アク
リル酸エステル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ヒド
ロキシル基含有モノマー、ポリアルキレンポリエーテル
基含有モノマー、2〜多官能性モノマー、カチオン性モ
ノマーなどが挙げられる。
【0013】本発明におけるカルボキシル基を含有する
アニオン性アクリルアミド系重合体(A)のモノマー成
分としては、(メタ)アクリルアミド(イ)(80−2
0/N)〜(100−2/N)モル%、カルボキシル基
含有モノマー(ロ)2/N〜20/Nモル%、(イ)及
び(ロ)のモノマー成分と共重合可能な他のビニルモノ
マー(ハ)0〜20モル%の範囲が好ましい。ただし、
Nはカルボキシル基含有モノマー(ロ)のカルボキシル
基の価数を表わす。
【0014】なお、カルボキシル基含有モノマー(ロ)
のモノマー割合が、2/Nモル%未満ではエピハロヒド
リンとの反応位が少なくなり、耐水性が悪く、20/N
モル%を超えるとセルロースとの水素結合位の多いアク
リルアミド分が少なくなり、表面強度が悪くなる。
【0015】本発明におけるカルボキシル基を含有する
アニオン性アクリルアミド系重合体(A)の重量平均分
子量は、5万〜300万、好ましくは10万〜100万
である。重量平均分子量が5万未満では表面強度向上に
不十分であり、300万を超えると表面強度は向上する
が、粘度が高くなり、実用面で操業安定性、即ち塗工適
性に難がある。
【0016】本発明におけるエピハロヒドリン(B)と
しては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エ
ポキシ樹脂、又はそのオリゴマーなどが挙げられ、この
中でもエピクロルヒドリンを使用した場合に好ましい結
果が得られる。前記エピハロヒドリン(B)の使用量
は、カルボキシル基を含有するアニオン性アクリルアミ
ド系重合体(A)のカルボキシル基1個に対して0.1
〜1個、好ましくは、0.3〜0.8個である。エピハ
ロヒドリン(B)の使用量が0.1個未満では本発明の
耐水性が発揮できない。
【0017】本発明における熱硬化性樹脂(C)の調製
は、従来から周知の方法により行うことができる。例え
ば、攪拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を備え
た反応容器に全ビニルモノマー濃度5〜30重量%、好
ましくは10〜20重量%になるように、(メタ)アク
リルアミド(イ)、カルボキシル基含有モノマー
(ロ)、前記(イ)、(ロ)のモノマー成分と共重合可
能な他のビニルモノマー(ハ)及び所定量の水を仕込
み、重合開始剤として、過酸化水素、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、アンモニウムハイドロパーオキサ
イド等の過酸化物、又はそれらの過酸化物と重亜硫酸塩
等の還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤、或は
2,2−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸等の水
溶性アゾ系重合開始剤などを加えて重合する。また必要
に応じて、イソプロピルアルコール、アリルアルコー
ル、次亜リン酸ナトリウム、メルカプトエタノール、チ
オグリコール酸等の重合調整剤又は連鎖移動剤を適宜使
用し、温度60〜90℃で0.5〜2.0時間反応せし
めて、カルボキシル基を含有するアニオン性アクリルア
ミド系重合体(A)の水溶液を得る。得られたカルボキ
シル基を含有するアニオン性アクリルアミド系重合体
(A)の水溶液を苛性カリ、苛性ソーダ等の無機アルカ
リで中和して、pH6〜8に調整し、次に、エピハロヒ
ドリンと水の所定量を添加して、温度40〜100℃好
ましくは60〜80℃で0.2〜5時間反応させること
により、熱硬化性樹脂(C)を得る。この熱硬化性樹脂
(C)は紙の表面強度及び耐水性を向上させて優れたオ
フセット印刷適性を付与できる紙用表面塗工剤である。
【0018】本発明において熱硬化性樹脂(C)と混合
するアニオン性表面サイズ剤(D)としては、水溶液タ
イプやエマルジョンタイプなどの各種サイズ剤が使用で
きるが、スチレン−マレイン酸系共重合体塩、スチレン
−(メタ)アクリル酸系共重合体塩、オレフィン−無水
マレイン酸系共重合体塩及びその部分エステル又は部分
アミド等の誘導体塩、酢酸ビニル−マレイン酸系共重合
体塩などの水溶液が好適である。
【0019】本発明におけるアニオン性表面サイズ剤
(D)は、本発明の効果を損なわない限り、他のモノマ
ー、例えばα−メチルスチレンなどのスチレン誘導体、
アクリルアミド及びその誘導体モノマー類、ビニルピロ
リドン、アリルアルコール、ヒドロキシル基含有(メ
タ)アクリル酸エステル類、ポリオキシアルキレン(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジルエス
テル、スルホン基含有モノマー類、アクリロニトリル、
その他各種モノマー類を共重合することは何ら差し支え
ない。
【0020】アニオン性表面サイズ剤(D)について詳
しく述べれば、スチレン−マレイン酸系共重合体塩と
は、スチレンと無水マレイン酸との共重合体塩又はスチ
レンとマレイン酸エステルとの共重合体塩である。該マ
レイン酸エステルは、無水マレイン酸と炭素数1〜30
の直鎖又は分岐アルキルアルコール又はアルキルフェニ
ルアルコールからなる半エステルであり、必要物性に応
じて単独又は併用で用いることができる。スチレンと無
水マレイン酸半エステルとを共重合する際の組成比は等
モルでも良く、何れが多くてもよい。
【0021】スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体
塩とは、スチレンとアクリル酸、スチレンとメタアクリ
ル酸、スチレンとアクリル酸及びメタアクリル酸を共重
合したものの塩である。該スチレンと(メタ)アクリル
酸との組成比はスチレンが30〜90モル%と(メタ)
アクリル酸10〜70モル%、好ましくは、スチレン4
0〜60モル%と(メタ)アクリル酸40〜60モル%
である。
【0022】スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−
(メタ)アクリル酸共重合体は、スチレンと(メタ)ア
クリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸を共重合する
ことによって得られる。該組成比はスチレン20〜70
モル%、(メタ)アクリル酸エステル10〜30モル
%、(メタ)アクリル酸20〜50モル%が好ましい。
又オレフィン−無水マレイン酸系共重合体のモノマー組
成としては、無水マレイン酸40〜60モル%とエチレ
ン、ジイソブチレン、α−オレフィン類40〜60モル
%の組成比が好ましい。勿論、この共重合体の部分アル
コールエステル又は部分アミド類を使用してもよい。
【0023】本発明におけるアニオン性表面サイズ剤
(D)はバルク重合法、溶液重合法、乳化重合法などの
周知の重合方法で調製されるがこれに限定されることは
ない。溶液重合を行うことで容易に共重合体が得られ
る。重合開始剤としてはベンゾイルパーオキサイドなど
の過酸化物とアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化
合物が挙げられる。重合後に得られた共重合体は苛性ソ
ーダ、苛性カリ等の無機アルカリ、アンモニア、アルキ
ルアミン類、アルカノールアミン類、モルホリン類、エ
チレンジアミン等の多価アミンなどで中和して塩を形成
し、アニオン性表面サイズ剤(D)を得る。これらのア
ルカリは単独又は組合せて使用してもよく、中和度は5
0〜120モル%好ましくは90〜110モル%であ
る。
【0024】本発明においてはアニオン性表面サイズ剤
(D)の重量平均分子量は2千〜20万程度、好ましく
は5千〜10万である。分子量が2千未満では十分なサ
イズ効果が得られず、分子量が20万を超えると粘度が
高くなり、作業性が悪くなる。
【0025】本発明においてはアニオン性表面サイズ剤
(D)の水溶液に粘度安定性、揮発性改善等の目的で必
要に応じ、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類
などの水溶性溶剤を配合することができる。
【0026】本発明において熱硬化性樹脂(C)とアニ
オン性表面サイズ剤(D)との配合重量比は、(C):
(D):=98:2〜80:20が好ましい。熱硬化性
樹脂(C)とアニオン性表面サイズ剤(D)との混合水
溶液は、pHによって安定性が変化するため、両者の混
合比、イオン比により沈殿しない適正なpHに、有機
酸、無機酸又はアルカリで調整する。
【0027】本発明における熱硬化性樹脂(C)とアニ
オン性表面サイズ剤(D)の混合水溶液は、紙の表面強
度及び耐水性を向上させると同時にサイズ性を向上させ
て優れたオフセット印刷適性を付与できる紙用表面塗工
剤である。
【0028】本発明に係る紙用表面塗工剤の塗布濃度
は、塗工原紙への吸液量(付着量)と紙に要求される目
標性能により決定されるが、通常は0.01〜5重量%
である。
【0029】本発明に係る紙用表面塗工剤の紙への塗布
量は、通常0.01〜3.0g/m 2(純分)、好まし
くは0.05〜1.5g/m2である。
【0030】本発明に係る紙用表面塗工剤を塗布した後
は、常温乾燥することでその効果を発現させることがで
きるが、50〜130℃で加熱乾燥することでより良い
効果を発現させることができる。
【0031】本発明に係る紙用表面塗工剤を含む塗工液
は、サイズプレス、ゲートロール、カレンダー、エアナ
イフコーター等の各種塗工設備にて紙の表面に塗布する
が、場合により、スプレー塗工することもできる。
【0032】本発明に係る紙用表面塗工剤には、必要に
より他の添加剤、例えば澱粉誘導体、水溶性セルロース
誘導体、ポリビニルアルコール、植物ガム類、アルギン
酸塩、アクリルアミド系ポリマー等を適宜配合して耐水
性を改善することもできる。
【0033】本発明に係る紙用表面塗工剤を適用できる
原紙は、特に限定されず、パルプ、填料、内添サイズ
剤、紙力増強剤、歩留剤等によって制限されない。ま
た、中性紙から酸性紙まで使用することができ、例え
ば、上質紙、中質紙、新聞用紙、コート原紙、特殊紙、
加工原紙、ライナー、白板紙、PPC用紙、インクジェ
ット又は感圧紙(登録商標)、感熱紙、電子写真用転写
紙等の情報記録用紙、石膏ボード原紙に適用可能であ
る。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は次の通りで
ある。
【0035】・カルボキシル基を含有するアニオン性ア
クリルアミド系重合体(A)の調製:攪拌機、温度計、
冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器にアクリルアミ
ド180重量部(90.1モル%)、アクリル酸20重
量部(9.9モル%)、水700重量部を仕込み、窒素
気流下、30℃に昇温し、次いで5%過硫酸アンモニウ
ム(APS)水溶液7.2mlと5%亜硫酸水素ナトリ
ウム(SBS)水溶液7.2mlを加え、80〜85℃
で2時間反応させた。反応終了後20%苛性ソーダ水溶
液でpH6.5に調整し、追加水を加えてカルボキシル
基を含有するアニオン性アクリルアミド系重合体(A)
を得た。その性状は、pH6.5、固形分21.0%、
粘度11000cps(25℃)、重量平均分子量35
万であった。その結果を表1に示す。
【0036】・紙用表面塗工剤の調製:攪拌機、温度計
及び冷却管を備えた反応容器に、前記のアニオン性アク
リルアミド系重合体(A)500重量部、エピクロルヒ
ドリン6.25重量部(アクリル酸のカルボキシル基1
個に対して0.5個相当)、水500重量部を仕込み、
20%苛性ソーダを加えてpH7.8とし、温度75℃
で3時間反応した。反応終了後10%塩酸水溶液でpH
7.0に調整した熱硬化性樹脂(C−1)からなる紙用
表面塗工剤を得た。その性状はpH7.0、固形分1
1.0%、粘度1030cps(25℃)であった。
【0037】・紙用表面塗工剤の性能評価: (1)手抄紙の調製 濃度2.5%パルプスラリー(L−BKP C.S.F4
00cc)に絶乾パルプに対して固形分換算で、タルク
30%、硫酸バンド2%、コロパールE−5(商品名:
ロジン系エマルジョンサイズ剤、星光化学工業(株)
製、濃度50%)0.1%を添加し、水を加えてパルプ
スラリー濃度を1%に希釈し、次いでパールフロックF
R−C(商品名:歩留剤、星光化学工業(株)製、濃度
4%)100ppmを添加して、常法に従いTAPPI
スタンダードシートマシンにより抄紙した。この時のパ
ルプスラリーのpHは4.5であった。次に3.5kg
/cm2でプレスし、回転ドライヤー(90℃)で1分
間乾燥して未塗工紙片を調製した。この紙の成紙坪量は
65g/m2であった。
【0038】(2)紙用表面塗工剤の塗工法 前記で得られた紙用表面塗工剤を水で希釈し、固形分濃
度が2%の塗工液を得た。この塗工液を前記未塗工紙片
(坪量65g/m2)にロールコーターを用いて両面塗
工し、回転ドライヤー(90℃)で3分間乾燥して、塗
工紙片を得た。その塗工紙片を温度20℃、相対湿度6
5%において24時間調湿後、紙質評価を行った。その
結果を表3に示す。
【0039】(3)紙質評価法 a.ワックスピック(A):デニソンワックスによる表
面強度を測定 b.IGTドライピックテスト: 使用試験機:熊谷理機工業(株)製IGT印刷適性試験
機 使用インキ:東洋インキ製造(株)製 墨 TV20 条 件:印圧35kg、スプリング Mドライブ 評 価:塗工紙片をIGT印刷適性試験機で印刷し
た紙片について ・紙ムケを起こすまでの印刷速度(cm/s)と印刷長
さ11cm(速度280cm/sの所まで)の間の紙ム
ケ数(個)。 c.IGTウエットピックテスト:水分約55%に調整
した2cm幅の濾紙(ADVANTEC.NO2:26
0×260)をIGT印刷適性試験機(墨インキTV2
0、印圧3.5kg、スプリング Mドライブ)で手動
でゆっくり一定の速度で印刷を2回繰り返す。次に同じ
デスク(インキ着肉)を用いて、上記塗工紙片を印圧
3.5kg、スプリングMドライブで印刷する。この印
刷された紙片をドライピックテストと同様に印刷速度と
紙ムケ数で評価する。 d.塗工紙片のPAM(ポリアクリルアミド)分の水へ
の溶出性テスト 塗工紙片を5.5×22cm幅(121cm2)にす
る。この紙片を約1cm角に細断する。100mlビー
カーに脱イオン水60mlを入れ、4枚羽根をつけた攪
拌機でゆっくり回す(150rpm)、次に前記細断紙
片を加え、30分間溶出させる。しかる後、No.3濾
紙で濾過し、分別する。濾液に溶けているPAM分をケ
ルダール法で窒素分を定量する。紙用表面塗工剤の2%
塗工液も同様に窒素分を定量し、換算式でPAM溶出量
を求め、PAM溶出率を下記の式で算出した。
【0040】
【数1】
【0041】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて、本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの各例に限定される
ものではない。なお、各例中、部及び%は特記しない限
り全て重量基準である。
【0042】・カルボキシル基を含有するアニオン性ア
クリルアミド系重合体(A)の調製: [調製例A−1]温度計、攪拌機、冷却管及び窒素導入管
を備えた反応容器にアクリルアミド160重量部(8
0.2モル%)、アクリル酸40重量部(19.8モル
%)、水700重量部を仕込み、窒素気流下30℃に昇
温し、重合開始剤としてAPSとSBSを用いて、80〜85
℃で、2時間反応させた。反応終了後、20%苛性ソー
ダ水溶液でpH6.5に調整し、追加水を加えてアニオ
ン性アクリルアミド系重合体(A)1000重量部を得
た。その組成と性状を表1に示す。
【0043】[調製例A−2〜A−6]調製例A−1にお
いて、モノマーの種類又はその組成を表1のように代え
た以外は調製例A−1と同様な方法でアニオン性アクリ
ルアミド系重合体(A)1000重量部を得た。その組
成と性状を表1に示す。
【0044】
【表1】カルボキシル基含有アニオン性アクリルアミド
系重合体(A) AAM:アクリルアミド。 AA:アクリル酸。 MAA:メタクリル酸。 IA:イタコン酸。 DMA:N,N−ジメチルアクリルアミド。
【0045】・アニオン性表面サイズ剤(D)の調製: [調製例D−1]調製例A−1と同様の反応容器で、スチ
レン50重量部とメタアクリル酸50重量部をイソプロ
ピルアルコール存在下で、重合開始剤としてアゾビスイ
ソブチロニトリル(AIBN)を用いて還流下溶液重合
させた。反応終了後所定量のアンモニア水を加え中和し
た。その後、減圧蒸留により脱溶媒し、所定量の水を加
えて、粘度580cps/25℃、固形分15%、pH
9.0のアニオン性表面サイズ剤D−1を得た。
【0046】[調製例D−2]調製例A−1と同様の反応
容器で、スチレン70重量部とアクリル酸30重量部を
イソプロピルアルコール存在下で、重合開始剤としてア
ゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用いて還流下
溶液重合させた。反応終了後所定量のアンモニア水を加
え中和した。その後、減圧蒸留により脱溶媒し、所定量
の水を加えて、粘度100cps/25℃、固形分15
%、pH9.0のアニオン性表面サイズ剤D−2を得
た。
【0047】[実施例1]温度計、攪拌機、冷却管及び窒
素導入管を備えた反応容器に、前記調製例A−1で得ら
れたアニオン性アクリルアミド系重合体(A)500重
量部、エピクロルヒドリン12.5重量部、水500重
量部を仕込み、20%苛性ソーダ水溶液でpH7.8に
調整し、温度75℃で3時間反応した。反応終了後、1
0%塩酸水溶液でpH7.0に調整して熱硬化性樹脂C
−2からなる紙用表面塗工剤を得た。その組成と性状を
表2に示す。
【0048】[実施例2〜6]実施例1において、調製例
A−1のアニオン性アクリルアミド系重合体(A)の代
わりに調製例A−2〜A−6を使用し、エピクロルヒド
リンの使用量を表2のように代えた以外は実施例1と同
様な方法で熱硬化性樹脂C−3〜C−7を得た。その組
成と性状を表2に示す。
【0049】[実施例7]実施例1と同様の反応容器に、
「発明の実施の形態」で得られた熱硬化性樹脂(C−
1)95重量部と調製例(D−1)5重量部とを混合
し、次いでpH8.5に調整して紙用表面塗工剤を得
た。その組成と性状を表2に示す。
【0050】[実施例8]実施例1と同様の反応容器に、
実施例1で得られた熱硬化性樹脂(C−2)90重量部
と調製例(D−2)10重量部とを混合し、次いでpH
8.4に調整して紙用表面塗工剤を得た。その組成と性
状を表2に示す。
【0051】[比較例1]実施例1と同様の反応容器に、
アクリルアミド200重量部、水700重量部を仕込
み、窒素気流下30℃に昇温し、重合開始剤としてAP
SとSBSを用いて、80〜85℃で2時間反応させた
後、水を追加してポリアクリルアミドからなる比較用表
面塗工剤1000重量部を得た。その組成と性状を表2
に示す。
【0052】[比較例2]「発明の実施の形態」で得られ
たアニオン性アクリルアミド系重合体(A)を比較用表
面塗工剤とした。
【0053】[比較例3]調製例A−1で得られたアニオ
ン性アクリルアミド系重合体(A)を比較用表面塗工剤
とした。
【0054】[比較例4]「発明の実施の形態」で得られ
たアニオン性アクリルアミド系重合体(A)500重量
部とTGE(グリセロールトリグリシジルエーテル)
5.89重量部との混合水溶液を比較用表面塗工剤とし
た。
【0055】
【表2】紙用表面塗工剤の組成と性状 アニオン性PAM:カルボキシル基を含有するアニオン
性アクリルアミト゛系重合体。 TGE:グリセロールトリグリシジルエーテル。 ※1 :(個)はカルボキシル基1個に対するエピクロル
ヒドリンの個数。
【0056】・紙用表面塗工剤の性能評価: (1)手抄紙の調製。 前記「発明の実施の形態」に記載された方法に準じて抄
紙し、成紙坪量65g/m2の未塗工紙片を得た。
【0057】(2)紙用表面塗工剤の塗工法。 発明の実施の形態、実施例1〜8及び比較例1〜4で得
られた各紙用表面塗工剤を「発明の実施の形態」に記載
された塗工法に準じて塗工紙片を得た。
【0058】(3)紙質評価法。 上記塗工紙片を前記「発明の実施の形態」に記載された
評価方法に準じて、表面強度、サイズ性能、PAM溶出
テスト、IGTテストを行った。その結果を表3に示
す。
【0059】
【表3】紙用表面塗工剤の性能評価 300<:300以上 ∝:無限にあり(計測不能)
【0060】
【発明の効果】本発明に係る紙用表面塗工剤は、実施の
形態及び実施例に示す通り、紙の表面に塗布することに
より、表面強度、耐水性及びサイズ性を向上させ、優れ
たオフセット印刷適性を付与できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CB072 CC022 CC062 CF062 CG032 CG092 CG171 CG181 CG191 GA06 JA69 MA08 MA09 NA02 NA04 NA11 PB11 PC10 4L055 AG63 AG70 AG71 AG72 AG73 AG87 AH13 AH49 AH50 BE08 EA32 FA13 FA15 FA17 FA19 GA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基を含有するアニオン性アク
    リルアミド系重合体(A)とエピハロヒドリン(B)と
    を反応せしめて得られる熱硬化性樹脂(C)からなるこ
    とを特徴とする紙用表面塗工剤。
  2. 【請求項2】カルボキシル基を含有するアニオン性アク
    リルアミド系重合体(A)が、アクリルアミド及び/又
    はメタアクリルアミド(イ)、カルボキシル基含有モノ
    マー(ロ)及び前記(イ)、(ロ)のモノマー成分と共
    重合可能な他のビニルモノマー(ハ)を共重合せしめて
    得られたものである請求項1記載の紙用表面塗工剤。
  3. 【請求項3】エピハロヒドリン(B)の使用量が、カル
    ボキシル基を含有するアニオン性アクリルアミド系重合
    体(A)のカルボキシル基1個に対してエピハロヒドリ
    ン(B)0.1〜1個である請求項1又は2記載の紙用
    表面塗工剤。
  4. 【請求項4】請求項1記載の熱硬化性樹脂(C)とアニ
    オン性表面サイズ剤(D)との混合水溶液からなること
    を特徴とする紙用表面塗工剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の紙用表面
    塗工剤が紙の表面に塗布されていることを特徴とする印
    刷用紙。
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