JP2000313658A - 耐食性部材 - Google Patents

耐食性部材

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JP2000313658A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐食性の低下をもたらすチタニアの析出を抑制
し、結晶粒子自体の耐食性が向上し、希土類化合物が粒
界に析出することによりエッチングされやすい粒界を強
化し、脱粒によるパーティクル発生を防止する。 【解決手段】ハロゲン系の腐食ガス或いはプラズマに曝
される部位が、ATiO3 型結晶(AはMg、Ca、S
r、Ba等アルカリ土類金属の群から選ばれる少なくと
も1種の元素)を主体とし、前記金属原子Aと前記Ti
原子のA/Tiで表される比率が、1.005〜1.9
98、相対密度が98%以上のチタン酸塩焼結体から形
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性部材に関
し、特に半導体製造プロセス中、フッ素系及び塩素系腐
食性ガス或いはフッ素系、塩素系プラズマを利用するC
VD工程やドライエッチング工程で使用される装置の内
壁部材や被処理物を支持する支持体、フォーカスリン
グ、防着板、ライナーなどの治具等として使用される部
材に好適な耐食性部材に関するものである。
【0002】
【従来技術】半導体素子などの高集積回路形成に使用さ
れるドライプロセスやプラズマコーティング等プラズマ
の利用は近年急速に進んでいる。半導体におけるプラズ
マプロセスとしては、フッ素系等のハロゲン系腐食ガス
がその反応性の高さから、気相成長、エッチングやクリ
ーニングに利用されている。
【0003】これら腐食性ガスに接触する部材は、高い
耐食性が要求される。従来より被処理物以外のこれらプ
ラズマに接触する部材は、一般にガラスや石英などのS
iO2 を主成分とする材料やステンレス、モネル等の金
属が多用されている。
【0004】また、半導体製造時において、ウェハを支
持固定するサセプタ材としてアルミナ焼結体、サファイ
ア、AlNの焼結体、又はこれらをCVD法等により表
面被覆したものが耐食性に優れるとして使用されてい
る。また、グラファイト、窒化硼素をコーティングした
ヒーター等も使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来から用い
られているガラスや石英ではプラズマ中の耐食性が不充
分で消耗が激しく、特にフッ素或いは塩素プラズマに接
すると接触面がエッチングされ、表面性状が変化してエ
ッチング条件に影響する等の問題が生じていた。また、
ステンレスなどの金属を使用した部材でも耐食性が不充
分なため、腐食によって特に半導体製造においては不良
品発生の原因となる。
【0006】アルミナ、AlNの焼結体は、上記の材料
に比較してフッ素系ガスに対して耐食性に優れるもの
の、高温でプラズマと接すると腐食が徐々に進行して焼
結体の表面から結晶粒子の脱粒が生じ、パーティクル発
生の原因になるという問題が起きている。
【0007】このようなパーティクルの発生は、半導体
の高集積化、プロセスの更なるクリーン化に伴い、イオ
ン衝撃や気相で反応生成したごく微細なパーティクルに
よってメタル配線の断線、パターンの欠陥等により、素
子特性の劣化や歩留まりの低下等の不具合を発生する恐
れが生じている。
【0008】本発明者らは、このような問題を解決する
ため、先にフッ素、塩素系プラズマに対して材料表面に
安定なハロゲン化物を形成する周期律表第2A、3A族
元素を主成分とする材料により形成することを提案して
きた(特開平9−295863号公報、特開平10−4
5467号公報等)。特に高耐食性に優れた周期律表第
2A、3A族元素の酸化物、フッ化物を主成分とする従
来材料は、フッ素、塩素系のプラズマに対しては安定で
あるが、例えば酸化物は高融点であるため緻密な焼結体
を作製するには助剤を添加して焼成温度を下げる必要が
ある。しかし助剤として添加した元素により形成された
粒界相がプラズマにエッチングされ、脱粒してパーティ
クルが発生してしまうという問題があった。またフッ化
物は焼成時に分解してフッ素を発生するため、フッ素腐
食に対応した特殊な炉が必要となり、大型化が困難であ
った。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フッ素系
及び塩素系の腐食性ガスやプラズマに対して、パーティ
クルを発生しない高耐食性に優れたセラミック材料につ
いてさらに検討を重ねた結果、ハロゲン系腐食性ガスや
そのプラズマに曝される部位が、ATiO3 型結晶(A
はMg、Ca、Sr、Ba等アルカリ土類金属の群から
選ばれる少なくとも1種の元素)を主体とし、前記金属
原子Aと前記Ti原子のA/Tiで表される比率が、
1.005〜1.998、相対密度が98%以上、A
l、Siの酸化物換算量が合計で0.5重量%以下のチ
タン酸塩焼結体から形成されることが、ハロゲンと反応
した場合、高蒸気圧化合物を形成するTi元素を結晶中
に含有するにも関わらず、フッ素、塩素等のハロゲン系
プラズマに対して高耐食性を示すことを見いだした。
【0010】この材料は、SiO2 、Al2 3 等の焼
結助剤を必ずしも必要とせず1100〜1500℃の低
温で緻密化が可能で、焼成時に腐食性ガスを発生するこ
ともなく特殊な炉を必要としないため、大型部品への対
応も容易である。
【0011】また、前記焼結体中に、希土類元素の群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素を酸化物換算で10重
量%以下の割合で含有することが望ましい。
【0012】さらに前記ATiO3 型結晶におけるAの
一部が、前記希土類元素によって置換されてなることに
より、ハロゲン系プラズマに対するさらなる高耐食性が
実現できる。
【0013】これら希土類元素はそれ自体がハロゲン系
腐食性ガス或いはそのプラズマに対して耐食性を有して
おり、これらを結晶中に固溶させたり、Al2 3 やS
iO2 にかえて焼結助剤として添加する事により、材料
の耐食性を損なうことなく焼結性の向上を図ることが可
能である。
【0014】即ち、本発明の耐食性部材によれば、高
温、高密度のフッ素系及び塩素系腐食雰囲気に長時間の
耐食性を有し、且つコンタミネーションの発生やパーテ
ィクルを発生しない耐食性部材を提供するものである。
【0015】
【作用】本発明の耐食性部材によれば、ハロゲン系プラ
ズマに対して耐食性の低いTi原子が結晶中に取り込ま
れ、耐食性の高いアルカリ土類金属(A)とともに比較
的最密なATiO3 で表される結晶構造を構成するた
め、耐食性が高い元素の性質が発現するものと考えられ
る。また、ATiO3 を形成するA金属原子とTi原子
の比率をコントロールすることにより、耐食性の低下を
もたらすチタニアの析出を抑制し、また、焼結体中のA
原子の一部を希土類金属と置換することにより、結晶粒
子自体の耐食性が向上し、さらに希土類元素化合物が粒
界に析出することによりエッチングされやすい粒界を強
化し、脱粒によるパーティクル発生を防止することがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の耐食性部材は、フッ素系
または塩素系等のハロゲン系の腐食ガスまたはプラズマ
に曝される部材であり、フッ素系ガスとしては、S
6 、CF4 、CHF3 、ClF3 、HF等が、また塩
素系ガスとしては、Cl2 、BCl3 、HCl等が挙げ
られ、これらのガスが導入された雰囲気にマイクロ波や
高周波等を導入するとこれらのガスがプラズマ化され
る。
【0017】本発明によれば、このようなハロゲン系の
腐食ガスあるいはそのプラズマに曝される部位を相対密
度が98%以上のATiO3 型結晶をとるチタン酸塩焼
結体にて構成するものである。より好ましくは相対密度
99%以上、開気孔率0.2%以下であることが望まし
い。相対密度が低くなると、気孔が増加し材料強度が低
下する上、開気孔によってプラズマと接する面積が大き
くなったり、開気孔内部にガスの吸着や析出物などの付
着が発生する可能性があり、処理を続ける内にプラズマ
の状態が変化したり、析出物が剥離してパーティクル化
する等により半導体生産の歩留まりに影響する。
【0018】金属元素AとしてはMg、Ca、Sr、B
a等アルカリ土類金属の群からが選ばれた少なくとも1
種の元素である必要がある。Ti化合物は本来ハロゲン
系プラズマに対して耐食性が低いが、これらの高耐食性
金属元素とともに比較的最密な構造を形成することで、
セラミック焼結体としては耐食性が高い元素の性質を発
現する。
【0019】ただし、金属原子AとTi原子の比率A/
Tiは、1.005〜1.998の範囲でなければなら
ない。A/Ti比が1.005より1に近いと、焼結性
が低下し、緻密化するには高温での焼成あるいは助剤を
添加する必要が生じる。しかし、Al2 3 、SiO2
等の焼結助剤を添加して低温で緻密化させると、これら
焼結助剤によって形成された粒界相が選択的にエッチン
グされ、脱粒、パーティクル発生の原因となる。特にA
2 3 はフッ素系プラズマ中で使用した場合、フッ素
と化合して析出物を形成する。従って、Al、Siの酸
化物換算量が合計で0.5重量%以下、特に0.1重量
%以下であることが必要である。
【0020】また、更にA/Ti比が1以下になると焼
結性は向上するが余剰のTiがチタニア相として析出
し、焼結体の耐食性低下、脱粒によるパーティクル発生
の原因となる。Ti元素は、フッ素系及び塩素系腐食ガ
ス或いはそのプラズマに対して高蒸気圧化合物を形成す
る、すなわち耐食性が低いため、先に示した高耐食性元
素と化合物を形成せずに結晶あるいは粒界相として存在
することにより、チタニア部分のみが選択的にエッチン
グされ、セラミックスの耐食性低下、粒界相のエッチン
グによる結晶粒子の脱粒、パーティクル化を引き起こ
す。また、チタニアとして結晶化せず、金属原子Aを除
いたTi、Oからなる非晶質相として存在した場合はさ
らに耐食性が低下する。また、A/Ti比が1.998
よりも大きいと高融点の異相が析出し、緻密化を阻害し
てしまう。
【0021】A/Ti比は特に、1.05〜1.90と
することがより好ましく、それによりチタニア相の形成
を確実に防ぎ、より焼結性を向上させることができる。
焼結体中の原子比率は、ICP等の化学的手法を用いて
評価することができる。
【0022】また、前記焼結体中に、希土類元素を酸化
物換算で10重量%以下、特に0.5〜7重量%の割合
で含有することが望ましい。用いられる希土類元素とし
ては、Y、Sc、La、Ce、Nd、Sm、Gd、Er
およびYbの群から選ばれる少なくとも1種の元素が挙
げられるが、これらの中でも、Y、La、Ce、Er、
Ybの群から選ばれる少なくとも1種が焼結性向上及び
耐食性向上の点で望ましい。
【0023】これは、希土類元素がフッ素系または塩素
系等のハロゲン系の腐食ガスまたはプラズマに対してア
ルカリ土類金属と同等あるいはそれ以上の耐食性を有し
ているとともに、その化合物を添加することで焼結性の
向上にも寄与するためである。Ti比が過剰であった
り、Al2 3 、SiO2 等を助剤として添加した場合
と異なり、これらの元素は結晶或いは粒界相に析出して
も焼結体の耐食性を損なったり粒界腐食によりパーティ
クルを発生させることはない。
【0024】さらに好ましくは、前記焼結体中において
は、先に挙げた材料構成元素であるアルカリ土類金属、
希土類元素及びTiを除く、K、Na等アルカリ金属及
びCr、Fe等遷移金属の不純物元素総量が、金属換算
で100ppm以下であることが、半導体装置への不純
物発生抑止という点から望ましい。これら不純物金属元
素は、フッ素系及び塩素系腐食ガス或いはそのプラズマ
にエッチングされやすく、セラミック部材の耐食性低下
の原因にもつながる。半導体製造プロセスでは不純物が
非常に問題となっており、特にアルカリ金属、遷移金属
等の不純物は、検査装置の検出限界程度(Siウェハ上
の各元素のコンタミが1.0×1010atm/cm2
下)まで押さえる必要がある。不純物の定量にはICP
による分析が一般的であるが、特にNa、Feについて
は検出限界以下であることが望ましい。このような不純
物を含まない焼結体を作製するには、高純度の原料を使
用したり、有機化合物から合成する等の方法がある。
【0025】このチタン酸塩焼結体は、CaTiO3
BaTiO3 等の単体の焼結体でもよいが、2種以上の
アルカリ土類金属元素との複合焼結体でも同様な効果が
得られる。また、固溶体であっても何ら差し障りはな
い。さらには、前記金属元素中でもアルカリ土類元素A
がMg、Ca、Baの少なくとも1種、希土類元素とし
て、Sc、La、Ce、Ndの少なくとも1種はハロゲ
ン化合物の蒸気圧が特に低く、これらの元素から形成さ
れるチタン酸塩焼結体はハロゲン系プラズマに対して非
常に高い耐食性を示す。
【0026】このようなチタン酸塩焼結体は、従来公知
の技術、たとえば平均粒径20μm以下の高純度チタン
酸塩粉末に所定量のアルカリ土類の炭酸塩や酸化物、及
び/または希土類酸化物を添加し、必要に応じてバイン
ダーと混合、造粒し、冷間静水圧プレス(CIP)、金
型プレス等で所望の形状に成形した後、脱バインダーを
行い、大気中1100〜1500℃にて焼成することに
よって緻密な焼結体を得ることが可能である。
【0027】また、アルカリ土類金属の炭酸塩や希土類
酸化物等の高純度粉末と、高純度TiO2 粉末を混合
し、所定の温度にて仮焼した原料を粉砕して利用するこ
とも可能である。仮焼せずに本焼成にて反応、焼結を行
うことも可能である。また、このような焼結体に100
0気圧以上のN2 、Arガス中で熱処理する熱間静水圧
処理(HIP処理)を施すことによって相対密度の向
上、気孔の低減を図ることもできる。
【0028】
【実施例】(実施例1)表1に示すような試料を準備し
た。いずれの焼結体も、純度99.99%以上、平均粒
径1〜5μmのアルカリ土類酸化物或いは炭酸塩粉末
と、TiO2 粉末を所定量秤量し、メディアとしてプラ
スチックボール、溶媒として超純水を使用し回転ミルに
て混合した。混合粉体を乾燥し、ジルコニアるつぼにて
大気中、800〜1300℃にて仮焼したものをさらに
窒化けい素ボールと有機溶剤を使用して36時間振動ミ
ルにて粉砕し、平均粒径2〜3μmのチタン酸塩原料を
得た。
【0029】これにバインダーとしてパラフィンワック
スを添加し、プラスチックボールを使用して回転ミルに
て24時間混合したものを乾燥、造粒した。これを一軸
加圧プレスにて1ton/cm2 の圧力にて成形し、脱
バインダーした後、大気中にて1100〜1500℃に
て焼成し、焼結体を作製した。
【0030】又、比較例として純度99.99%アルミ
ナ原料を成形し1700℃にて焼成したアルミナ焼結
体、同じく純度99.9%のチタニア原料を1500℃
にて焼成したチタニア焼結体および石英ガラスを準備し
た。
【0031】なお、焼結体の相対密度はアルキメデス法
に基づき算出した。この様にして作製した焼結体を、直
径8インチ、厚さ2mmの円盤に加工し、片面を表面粗
さ(Ra)が0.1μm以下となるよう鏡面研磨した。
焼結体中の、チタン酸塩を形成する元素の原子比率(A
TiO3 を形成するA原子とTi原子の比率A/Ti)
は、ICPにて測定した。焼結体の結晶相については、
焼結体を粉砕し、粉末X線回折法にて検出されたパター
ンから同定した。
【0032】各材料について、RIEプラズマエッチン
グ装置にてCF4 (60sccm)+ Ar(60scc
m)、Cl2 (100sccm)のプラズマに室温で曝
し、エッチングレートとパーティクルの有無を調査し
た。結果を表1に示す。エッチング条件はいずれも圧力
10Pa、RF出力1kW、プラズマ照射時間3時間と
した。エッチングレートはテスト前後の試料重量変化を
基に算出した。パーティクルの有無はプラズマ照射した
試料表面に8インチのSiバージンウェハを接触させ、
Siウェハの接触面の凹凸をレーザー散乱によって検出
し、パーティクルカウンタにて0.3μm以上のパーテ
ィクル個数を計数した。
【0033】
【表1】
【0034】表1の結果によれば、相対密度が98%以
上、チタン酸塩ATiO3 を形成する金属原子比率A/
Tiが1.005〜1.998である試料No.3〜
5、9〜11、14〜16、19〜21、28〜30
は、それぞれフッ素系、塩素系プラズマに対してエッチ
ング率が50Å/min以下であり、パーティクルも3
0個以下であった。
【0035】A/Ti比が1.005よりも1に近い試
料No.2、8、18、27、A/Ti比が1.998以
上の試料No.6、12、17、22、31は1500℃
では緻密化できず、相対密度が低いためにプラズマとの
接触面積が増え、耐食性が低下していた。助剤なしで緻
密化するにはさらに高温が必要と考えられる。特に相対
密度が90%以下の試料No.2、22、27は特に多く
のパーティクルが検出されたため使用に耐えない。
【0036】また、相対密度98%以上に緻密化してい
てもA/Ti比が1より小さい試料No.1、7、13、
26は、チタニア結晶相が確認され、耐食性が低下して
いた。また、プラズマ照射後の表面状態を観察すると、
粒界やチタニア相が検出される部分からエッチングが進
行し、脱粒の形跡が認められた。これらの試料はチタン
酸塩を形成する上でTiが過剰に存在しており、耐食性
の低いチタニアとして析出しているため、その部分から
選択的にエッチングされ、緻密化していてもプラズマに
よる腐食の進行とともに表面がポーラスになるためと考
えられる。さらに粒界腐食に起因する脱粒が、パーティ
クル発生とともに耐食性低下を促進している。
【0037】また比較例として、アルミナ(Al
2 3 )、石英(SiO2 )、チタニア(TiO2 )の
焼結体(試料No.23、24、25)にプラズマ照射し
たところ、いずれも50Å/min以上のエッチング率
となり、プラズマ耐食性は本発明によるチタン酸塩焼結
体に及ばなかった。特に石英(試料No.24)に関して
は、パーティクルの発生は少なかったがエッチング率が
特に大きいものであった。
【0038】(実施例2)純度99.99%以上のチタ
ニア粉末とアルカリ土類酸化物を混合し、A/Ti比率
を1.01となるように調合し、実施例1と同様の条件
にて仮焼しチタン酸塩原料を作製した。これに2重量%
の希土類酸化物を加えてバインダーと混合し、成形した
のち大気中で1100〜1500℃にて焼成した。比較
例として、希土類酸化物のかわりにAl2 3 、SiO
2 を添加した焼結体を作製した。これらの試料を実施例
1と同様な方法でプラズマエッチングし、エッチング
率、パーティクル発生の有無について評価した。結果を
表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2によれば、チタン酸塩単体の試料No.
32、38、43、47に比較して、希土類元素酸化物
を10重量%以下の割合で添加することにより、耐食性
が向上するとともに、パーティクルの発生も抑制される
ことがわかる。また、希土類元素酸化物に代えて、アル
カリ土類元素を添加した場合も、耐食性の改善が認めら
れた。
【0041】一方、Al2 3 、SiO2 を0.5重量
%を超えて添加した試料No.36、37、42は、Al
2 3 、SiO2 からなる粒界相が選択的にエッチング
されてしまい、脱粒が激しくパーティクルが多量に発生
していた。希土類元素酸化物の添加量が10重量%を越
える試料No.58では、希土類元素酸化物とTiO2
が高融点相を形成し焼結できなかった。
【0042】このように、所定のチタン酸塩焼結体から
なる部材を用いることにより、フッ素系、塩素系ガスに
対する耐食性に優れ、コンタミネーションやパーティク
ルを発生しない半導体製造用部品が実現できる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素系及び塩素系腐
食性ガス或いはプラズマに曝される耐食性部材として、
ATiO3 なる構造を形成するMg、Ca等アルカリ土
類金属のチタン酸塩セラミック材料に関して、A/Ti
比率を適正にコントロールすることにより、容易に緻密
化でき高温、高密度のフッ素系及び塩素系腐食雰囲気に
長時間の耐久性を有し、且つコンタミネーションやパー
ティクルを発生しない耐食性部材が実現できる。このア
ルカリ土類金属の一部は希土類金属と置換することも可
能で、とりわけプラズマ処理装置の内壁部材や被処理物
を支持する支持体などの治具等の部材として使用するこ
とにより、半導体製造の歩留り向上とともに高品質の半
導体素子を作製することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン系腐食性ガス或いはプラズマに曝
    される部位が、ATiO3 型結晶(AはMg、Ca、S
    r、Ba等アルカリ土類金属の群から選ばれる少なくと
    も1種の元素)を主体とし、前記金属原子Aと前記Ti
    原子のA/Tiで表される比率が、1.005〜1.9
    98、相対密度が98%以上、Al、Siの酸化物換算
    量が合計で0.5重量%以下のチタン酸塩焼結体から形
    成されていることを特徴とする耐食性部材。
  2. 【請求項2】前記焼結体中に、希土類元素の群から選ば
    れる少なくとも1種の元素を酸化物換算で10重量%以
    下の割合で含有することを特徴とする請求項1記載の耐
    食性部材。
  3. 【請求項3】前記ATiO3 型結晶におけるAの一部
    が、前記希土類元素によって置換されてなることを特徴
    とする請求項2記載の耐食性部材。
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