JP2000312583A - キトサン分解酵素 - Google Patents

キトサン分解酵素

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JP2000312583A
JP2000312583A JP2000050710A JP2000050710A JP2000312583A JP 2000312583 A JP2000312583 A JP 2000312583A JP 2000050710 A JP2000050710 A JP 2000050710A JP 2000050710 A JP2000050710 A JP 2000050710A JP 2000312583 A JP2000312583 A JP 2000312583A
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chitosan
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Tetsuya Fukazawa
徹也 深沢
Masaaki Kitsuka
正明 木塚
Akira Ishii
晃 石井
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Sankyo Co Ltd
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Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ性条件下でもキトサン分解活性を有す
る酵素を提供する。 【解決手段】以下の性質を有するキトサン分解酵素: β1−4結合しているキトサンをpH4乃至 10に
おいて加水分解する、 ドデシル硫酸ナトリウム存在下ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動法にて分子量35,000を示す、 等電点電気泳動法にて等電点3.5を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸性からアルカリ
性までのpH条件下においてβ1−4結合しているキト
サンを加水分解するキトサン分解酵素、及び、該酵素を
生産する微生物、に関する。
【0002】
【従来の技術】キトサンは抗菌作用、保湿性等を有する
アミノ糖鎖で、食品工業用、医療用、化粧品素材用とし
て幅広く使用されている(キチン・キトサン研究会編
「キチン・キトサン・ハンドブック、技報堂刊(199
5年)」302乃至376頁参照)。
【0003】高分子キトサンは、細菌の細胞壁と特異的
に反応することにより抗菌活性を発揮することが知られ
ている(キチン・キトサン研究会編「キチン・キトサン
・ハンドブック、技報堂刊(1995年)」302乃至
320頁参照)。高分子キトサンを部分的に加水分解し
た低分子キトサンは、高分子キトサンよりも強い抗菌及
び抗カビ活性を有し、中でも、4乃至6糖を主成分とす
るキトサンオリゴ糖は一般細菌に対して抗菌性を示すと
共に、数種の乳酸菌に対して増殖促進効果を示すことが
報告されており(キチン・キトサン研究会編「キチン・
キトサン・ハンドブック、技報堂刊(1995年)」3
02乃至320頁参照)、工業原料として様々な用途が
期待されている。
【0004】低分子キトサン及びキトサンオリゴ糖は、
従来、甲殻類等に由来するキチンを熱濃アルカリ中で脱
アセチル化することにより得られる高分子キトサンを、
化学的手法又は酵素的手法を用いて加水分解することに
より、製造されてきた。
【0005】高分子キトサンの加水分解法のうち、化学
的手法を用いた場合の反応生成物には、抗菌活性のない
グルコサミン及びグルコサミン2乃至3量体が多く含ま
れ、抗菌活性を有する低分子キトサン及びキトサンオリ
ゴ糖は少ししか含まれない。また、その反応液から低分
子キトサン及びキトサンオリゴ糖を回収するためには、
何らかの分離精製手段を要する。すなわち、化学的手法
は、収率が低い上、操作が煩雑になりがちであり、あま
り経済的ではない。よって、化学的手法が好ましい加水
分解法であるとは必ずしも言い難い。
【0006】一方、酵素的手法は特異性が高く、主な反
応生成物は抗菌活性を有する低分子キトサン又はキトサ
ンオリゴ糖であり、反応生成物を分離精製する必要がな
い。すなわち、酵素的手法は、収率が高い上、操作も比
較的簡便であり、より経済的である。よって、酵素的手
法はより好ましい加水分解法と言うことができる。
【0007】キトサンを加水分解する酵素として従来知
られているものは、バシラス(Bacillus)属(例えば、
バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans):Ts
ujisaka,Y.et, al.,Biochim.Biophys. Acta 410, 145
(1975)参照)、シュードモナス(Pseudomonas属(例え
ば、シュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.):F
ujii,T.et. al., J. Gen.Appl. Microbiol., 34, 255
(1988)参照)、ノカルディア(Nocardia)属(例えば、
ノカルディア・オリエンタリス(Nocardia orientali
s):Sakai,K. et al.,Biochim. Biophys. Acta. 1079,
65 (1991)参照)、ストレプトミセス(Streptomyces)
属(例えば、ストレプトミセス・グリセウス(Storepto
myces griseus):Ohtakara,A.et. al.,Chitin, Chitos
an and RelatedEnzymes, ed.Zikalis,J.P., pp147, Aca
demic Press, Oplando (1984)参照)、フザリウム(Fus
arium)属(例えば、フザリウム・ソラニフ・エスピー
(Fusarium solanif sp.)、フザリウム・ファセオリ
(Fusarium phaseoli):Shimosaka,M. et al.,Biosci.
Biotech. Biochem., 57, 231, (1993)参照)、ペニシ
リウム(Penicillium)属(例えば、ペニシリウム・イ
スランディクム(Penicilliumisulandicum):Eveleig
h,D.E.et. al.,J. Gen.Microbial., 126, 151 (1981)参
照)等、いずれも中性菌に由来する。これらの微生物に
由来し、キトサンを加水分解する酵素は、中性条件下で
は優れた活性を示す。
【0008】上述の通り、低分子キトサン及びキトサン
オリゴ糖の原料となる高分子キトサンは、甲殻類等に由
来するキチンを熱濃アルカリ処理することにより得られ
る。このアルカリ処理時のpHは非常に高いので、斯く
得られた高分子キトサンを中性条件下で上述の酵素を用
いた加水分解反応に供するためには、水難溶性である高
分子キトサンを水による洗浄等の操作に供さなければな
らない。このような操作は概して煩雑且つ非経済的であ
り、環境上有害な排液を多量に生じる場合もある。そこ
で、アルカリ性領域でも高分子キトサンを加水分解し得
る酵素は、これらの問題点を解決又は軽減するものと期
待されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】発明者は、アルカリ性
条件下で優れた活性を有するキトサン分解酵素を生産す
る微生物について鋭意探索を行った結果、静岡県富士市
で採集した土壌から分離したノカルディオプシス(Noca
rdiopsis)属に属する放線菌ノカルディオプシス・エス
ピー(Nocardiopsis sp.) SANK 60599株、
神奈川県大和市で採集した土壌から分離したバシラス属
に属する細菌バシラス・エスピー(Bacillus sp.) S
ANK 70799株、及び東京都八王子市で採集した
土壌から分離したバシラス属に属する細菌バシラス・エ
スピー SANK 70699株が、アルカリ性条件下
で優れた活性を発揮するキトサン分解酵素(以下、単に
「キトサン分解酵素」という。)を生産することを見出
し、本発明を完成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)以下の性質を有するキトサン分解酵素: β1−4結合しているキトサンをpH4乃至pH10
において加水分解する、 ドデシル硫酸ナトリウム存在下ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動法にて分子量35,000を示す、 等電点電気泳動にて等電点pI3.5を示す、 (2)以下の性質を有するキトサン分解酵素: β1−4結合しているキトサンをpH4乃至pH10
において加水分解する、 ドデシル硫酸ナトリウム存在下ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動法にて分子量50,000を示す、 等電点電気泳動にて等電点pI4.5を示す、 (3)以下の性質を有するキトサン分解酵素: β1−4結合しているキトサンをpH4乃至pH10
において加水分解する、 ドデシル硫酸ナトリウム存在下ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動法にて分子量50,000を示す、 等電点電気泳動にて等電点pI3.5を示す、 (4)以下の性質を有するキトサン分解酵素: β1−4結合しているキトサンをpH4乃至pH10
において加水分解する、 ドデシル硫酸ナトリウム存在下ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動法にて分子量60,000を示す、 等電点電気泳動にて等電点pI3.5を示す、 (5)以下の性質を有するキトサン分解酵素: β1−4結合しているキトサンをpH4乃至pH10
において加水分解する、 ドデシル硫酸ナトリウム存在下ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動法にて分子量70,000を示す、 等電点電気泳動にて等電点pI3.5を示す、 (6)バシラス・エスピー(Bacillus s
p.) SANK 70699株(FERM BP−6
666)、 (7)バシラス・エスピー(Bacillus s
p.) SANK 70799株(FERM BP−6
667)、及び、 (8)ノカルディオプシス・エスピー(Nocardi
opsis sp.)SANK 60599株(FER
M BP−6665)、に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のキトサン分解酵素は、酸
性又は中性乃至アルカリ性のpH条件下において、β1
−4結合している高分子キトサン(以下、単に「高分子
キトサン」という。)、β1−4結合しているキチン
(以下、単に「キチン」という。)、及びβ1−4結合
している部分脱アセチル化キチン(以下、単に「部分脱
アセチル化キチン」という。)を加水分解し、低分子キ
トサン、キトサンオリゴ糖、キチンオリゴ糖等を生じ
る。
【0012】本発明のキトサン分解酵素は微生物の培養
物より採取することができる。該酵素を生産する微生物
は、キトサンをアルカリ性条件下で加水分解する活性を
指標とし、広く自然界から分離することができる。
【0013】キトサンを加水分解する活性は、キトサン
等を基質として水性媒体中で該分解反応を行い、反応終
了後に基質又は生成物を定量することにより、測定する
ことができる。
【0014】基質としては、例えば、高分子キトサン、
キチン、部分脱アセチル化キチン等を挙げることがで
き、好適には高分子キトサン及び部分脱アセチル化キチ
ンである。部分脱アセチル化キチンとして、具体的に
は、キトサン7B(70%脱アセチル化キチ:加ト吉
(株)製ン)、キトサン8B(80%脱アセチル化キチ
ン:加ト吉(株)製)、キトサン9B(90%脱アセチ
ル化キチン:加ト吉(株)製)、キトサン10B(99
%%脱アセチル化キチン:加ト吉(株)製)等が挙げら
れる。高分子キトサンは、甲殻類等に由来するキチンを
熱濃アルカリ処理又は熱濃酸処理することにより得るこ
とができる。基質濃度は0.01乃至50重量%、好適
には0.5乃至50重量%である。
【0015】水性媒体としては、井戸水、水道水、蒸留
水、脱イオン水、これら2つ以上の混合水等が挙げられ
るが、好適には緩衝液を添加して水性媒体のpHを調製
する。緩衝液により調製された後の水性媒体のpHは、
pH4乃至pH10.5、好適にはpH4乃至10、よ
り好適にはpH7乃至pH10である。緩衝液として
は、pH4乃至10.5の範囲で緩衝作用を有するもの
であれば特に限定されないが、例えば、炭酸緩衝液、リ
ン酸緩衝液等を挙げることができる。
【0016】反応温度は80℃以下であり、好適には3
0乃至65℃である。反応時間は、基質、反応温度、p
H等の諸条件に依存するが、10分間乃至10日間、好
適には1時間乃至2日間である。生成物の定量は、ラン
ドル・モーガン(Randle-Morgan)法(Blix,G.,Acta Ch
em.Scand.,2,467(1948)参照)又はシェールズ(Shale
s)法(Imoto,T.and Yagishita,K.,Agric.Biol.Chem.,3
5,1154(1971)参照)による遊離還元糖の定量等により行
うことができる。
【0017】本発明のキトサン分解酵素を生産する微生
物としては、キトサン分解酵素を生産する微生物であれ
ば特に限定されないが、例えば、放線菌類、細菌類、真
菌類等を挙げることができる。放線菌としてはストレプ
トマイセス属、ノカルディア(Nocardia)属、ノカルデ
ィオプシス(Nocardiopsis)属等が、細菌類としてはバ
シラス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomona
s)属等が、真菌類としてはフザリウム(Fusarium)
属、ペニシリウム(Penicillium)属等が、それぞれ挙
げられ、好適にはノカルディオプシス属に属する放線菌
又はバシルス属に属する細菌、より好適には、ノカルデ
ィオプシス・エスピー(Nocardiopsis sp.)SANK
60599(FERM BP−6665)、バシルス・
エスピー(Bacillus sp.) SANK 70699(F
ERM BP−6666)及びバシルス・エスピー S
ANK 70799(FERM BP−6667)であ
る。
【0018】以下のI乃至IIIにおいて、本発明のキ
トサン分解酵素生産微生物の土壌からの分離及び菌学的
同定について述べる。 I.SANK 70699株 本発明のキトサン分解酵素を生産するSANK 706
99は東京都八王子市陣馬高原で採取した土壌から分離
した細菌で、次のような菌学的性質を有する。
【0019】1)形態学的性状 普通寒天培地(栄研化学(株)製)上で37℃、3日培
養後の観察では、細胞は0.6μm×(4.0乃至1
2.0)μmの桿菌で、運動する。グラム染色は陽性
で、卵円形の芽胞をわずかに形成し、細胞は膨張しな
い。
【0020】2)培養学的性状 普通寒天培地で37℃、3日間培養した場合、中程度の
生育を示し、コロニーは円形で全縁、黄味灰色で湿潤
し、水溶性色素は生産しない。アルカリ性培地(pH1
0)においても良好に生育し、好アルカリ性の性質を示
す。
【0021】3)生理的性状 カタラーゼ :陽性 生育温度範囲 :16℃乃至45℃ 嫌気条件下での発育 :陰性 pH5.7における発育 :陰性 7%NaClにおける発育:陽性 4)酸の産生 グルコース :陽性 アラビノース:陰性 マンニット :陰性 キシロース :陰性 5)代謝に関する諸性質 MRテスト :陰性 VPテスト :陰性 硝酸塩の還元 :陽性 クエン酸鉄の利用 :陽性 ウレアーゼ :陰性 ゼラチンの液化 :陰性 デンプンの加水分解:陽性 カゼインの加水分解:陽性 チロシンの分解 :陰性 6)DNAのG+C含量(HPLC法による):45.
0mol% 以上の菌学的性状を有するSANK 70699株はア
ルカリ性培地で良好に生育し、芽胞を形成するグラム陽
性の好気性桿菌で、DNAのG+C含量が45.0mo
l%であり、ブキャナン(Buchanan,R.E.)及びギボン
ズ(Gibbons,N.E.)編「バージーズ・マニュアル・オブ
・システマティック・バクテリオロジー(Bergey's Man
ual of Systematic Bacteriology)第4巻、ウィリアム
・アンド・ウィルキンス社(The Williams and Wilkins
Company)刊(1989年)」等の文献によって検索し
た結果、好アルカリ性のバシラス属に属する細菌と同定
された。次に好アルカリ性のバシラス属に属する既知菌
種と本菌株の性状を上記文献等によって比較したが、生
理的性質とDNAのG+C含量などの点で一致する菌種
はみあたらなかった。そこでこの菌株をバシラス・エス
ピー SANK 70699(以下、単に「SANK
70699」という。)と命名した。なお該菌株は平成
11年2月26日付けで日本国茨城県つくば市東1−1
−3の通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に
国際寄託され、受託番号FERM BP−6666を付
された。 II.SANK 70799株 本発明のキトサン分解酵素を生産するSANK 707
99株は、神奈川県大和市で採取した土壌から分離した
細菌で、次のような菌学的性質を有する。
【0022】1)形態学的性状 普通寒天培地(栄研)上で37℃、3日後の観察では、
細胞は0.6μm×(3.0乃至4.0)μmの桿菌
で、運動する。グラム染色は陽性で卵円形の芽胞を形成
するが、細胞は膨張しない。
【0023】2)培養学的性状 肉汁寒天培地で37℃、3日培養した場合、良好な生育
を示し、培養とともに茶褐色になる。コロニー表面は皺
状に増殖し波状の縁である。アルカリ性培地(pH1
0)で生育微弱だが、中性(pH7)の培地で良好な生
育をする。
【0024】3)生理的性状 カタラーゼ :陽性 生育温度 :14乃至50℃ 嫌気条件下での発育 :陽性 pH5.7における発育:陽性 7%NaClにおけ発育:陽性 4)酸の産生 グルコース :陽性 アラビノース:陰性 マンニット :陽性 キシロース :陽性 5)代謝に関する諸性質 MRテスト :陰性 VPテスト :陰性 硝酸塩の還元 :陽性 クエン酸鉄の利用 :陽性 ウレアーゼ :陽性 ゼラチンの液化 :陽性 デンプンの加水分解:陽性 カゼインの加水分解:陰性 チロシンの分解性 :陽性 6)DNAのG+C含量(HPLC法による):46.
5mol% 以上の菌学的性状を有するSANK 70799株はア
ルカリ性(pH10)培地より、中性(pH7)培地で
良好に生育し、芽胞を形成するグラム陽性の通性嫌気性
桿菌で、DNAのG+C含量が46.5mol%であ
り、ブキャナン及びギボンズ編「バージーズ・マニュア
ル・オブ・デヴィターミネイティブ・バクテリオロジー
第8版、ウィリアムス・アンド・ウィルキンス社刊(1
984年)」、ブキャナン及びギボンズ編「バージーズ
・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロ
ジー第4巻、ウィリアム・アンド・ウィルキンス社刊
(1989年)」等の文献によって検索した結果、バシ
ラス属に属する細菌と同定した。次にバシラス属に属す
る既知菌種と本菌株の性状を上記文献等によって比較し
たが、生理的性質とアルカリ性(pH10)で生育する
などの点で、一致する菌種はみあたらなかった。そこで
この菌株をバシラス・エスピー SANK 70799
(以下、単に「SANK 70799株」という。)と
命名した。なお該菌株は平成11年2月26日付けで日
本国茨城県つくば市東1−1−3の通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所に国際寄託され、受託番号F
ERM BP−6667を付された。 III.SANK 60599株 本発明のキトサン分解酵素を生産するSANK 605
99株は、静岡県富士市で採集した土壌から分離された
放線菌で、その形態学的特徴、生理学的性質及び化学分
類学的性質は以下に示すとおりである。
【0025】1)形態学的特徴 SANK 60599株は、インターナショナル・スト
レプトマイセス・プロジェクト(International Strept
omyces Project:以下、「IPS」という。)規定の寒
天培地に1%の炭酸ナトリウム溶液を添加し、pH10
に調整した培地上で、28℃、14日間培養後、顕微鏡
下観察では、SANK 60599株の基生菌糸は良好
に伸長し単純分岐するが分断は観察されない。基生菌糸
は直ないし曲状の伸長を示すが、寒天培地によってはル
ープ状にも伸張し、さらにノカルディア属様のジグザグ
様伸張が僅かに認められる。気菌糸を比較的良好に形成
し、これらは良く伸張し単純分岐する。気菌糸は成熟に
従い長い胞子連鎖を形成する。胞子の表面構造は平滑
で、その大きさは(0.4乃至0.7)μm×(0.7
乃至1.9)μmである。胞子嚢、菌核や車軸分岐等の
特殊器官は認められない。
【0026】2)各種培養基上の培養性状 SANK 60599株の28℃、14日培養後の各種
培養基上での性状を表1に記載した。各種培養基は1%
炭酸ナトリウムでpH10に調整後に供試した。色調の
表示は、日本規格協会JIS色票委員会監修「標準色票
第8版、財団法人日本規格協会刊(1993年)」の1
乃至40頁に記載されたマンセル方式による。
【表1】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 培地の種類 項目*1:SANK60599株の性状 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― イーストエキス G :良好、平坦、黄味灰(7.5Y 9/4) 麦芽エキス寒天 AM :良好、綿毛状、薄黄味橙(2.5Y 9/2) (ISP 2) R :黄味灰(7.5Y 9/4) SP :産生せず オートミール寒天 G :余り良くない、平坦、黄味灰(7.5Y 9/2) (ISP 3) AM :余り良くない、ビロード状、薄黄味茶(2.5Y 7/2) R :黄味灰(7.5Y 9/2) SP :産生せず 澱粉・無機塩寒天 G :余り良くない、平坦、薄黄(5Y 9/6) (ISP 4) AM :良好、ビロード状、茶味白(2.5Y 9/1) R :薄黄(5Y 9/6) SP :産生せず グリセリン G :余り良くない、平坦、薄オリーブ(5Y 8/3) アスパラギン寒天 AM :良くない、ビロード状、白 (ISP 5) R :薄オリーブ(5Y 8/3) SP :産生せず ペプトン・イーストG :非常に良好、平坦、黄味灰(5Y 9/4) エキス・鉄寒天 AM :豊富に形成、ビロード状、薄黄味橙(2.5Y 9/2) (ISP 6) R :黄味灰(5Y 9/4) SP :産生せず チロシン寒天 G :余り良くない、平坦、黄味灰(5Y 9/2) (ISP 7) AM :余り良くない、ビロード状、白 R :黄味灰(5Y 9/2) SP :産生せず シュークロース G :余り良くない、平坦、黄味灰(7.5Y 9/2) 硝酸塩寒天 AM :良くない、ビロード状、白 R :黄味灰(7.5Y 9/2) SP :産生せず グルコース G :余り良くない、平坦、黄味灰(7.5Y 9/2) アスパラギン寒天 AM :形成せず R :黄味灰(7.5Y 9/2) SP :産生せず 栄養寒天 G :良好、平坦、黄味灰(7.5Y 9/2) (Difco) AM :良好、ビロード状、薄茶(5YR 8/3) R :黄味灰(7.5Y 9/2) SP :産生せず ポテトエキス G :余り良くない、平坦、無色 人参エキス寒天 AM :余り良くない、ビロード状、薄黄味茶(2.5Y 8/3) R :無色 SP :産生せず 水寒天 G :良くない、平坦、無色 AM :良くない、白 R :無色 SP :産生せず ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― *1 Gは生育、AMは気菌糸、Rは裏面、SPは可溶性色素をそれぞれ示す。 2)生理学的性質 1%の炭酸ナトリウムでpH10に調整した培養基上、
28℃にて培養した後、2乃至21日間に観察したSA
NK 60599株の生理学的性質を表2に記載した。
【表2】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 澱粉の水解 :陽性 ゼラチンの液化 :生育しない 硝酸塩の還元 :陰性 ミルクのペプトン化 :陽性 ミルクの凝固 :陰性 メラニン様色素の生産性:培地1(*1)では陰性 培地2(*2)では陰性 培地3(*3)では陰性 基質分解性 :カゼインに対しては陽性 チロシンに対しては陽性 キサンチンに対しては陽性 生育温度範囲 :培地4(*4)では13℃乃至41℃ 生育適正温度 :培地4(*4)では27℃乃至36℃ 食塩耐性 :14%まで生育 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― *1 培地1はトリプトン・イーストエキス・ブロス(ISP 1) *2 培地2はペプトン・イーストエキス・鉄寒天(ISP 6) *3 培地3はチロシン寒天(ISP 7) *4 培地4はイーストエキス・麦芽エキス寒天(ISP 2) また、1%炭酸ナトリウムを添加してpH10に調整し
たプリドハム・ゴトリーブ寒天培地(ISP 9)を基礎培地
として使用して、28℃、14日間培養後に観察したS
ANK62695株の炭素源の資化性を表3に記載し
た。
【表3】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― D−グルコース :利用する D−フルクトース:利用しない D−アラビノース:利用しない L−ラムノース :利用しない D−キシロース :利用しない シュクロース :利用する イノシトール :利用しない ラフィノース :利用しない D−マンニトール:若干利用する 対照 :利用しない ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3)菌体成分について 長谷川らの方法(Hasegawa,T.,et al., J.Gen.Appl.Mic
robiol.,29,319(1983)参照)に従い細胞壁について検討
した結果、meso−ジアミノピメリン酸が検出され
た。また、SANK 60599株の全細胞中の糖成分
を上述の長谷川らの方法に従い検討した結果、リボー
ス、キシロースおよびマンノースを検出したが、特徴的
な糖パターンは認められなかった。これらのことからS
ANK 60599株の細胞壁型はIIIC型であるこ
とが明らかになった。
【0027】内田らの方法(Uchida,K.,et al.,J.Gen.A
ppl.Microbiol.,25,169(1979)参照)に従って細胞壁ム
ラミン酸のアシル基を検討した結果、アセチル型を示し
た。
【0028】メナキノン分子種について「放線菌の同定
実験法、日本放線菌学会編、中越印刷刊(昭和63
年)」に従い検討した結果、主要メナキノン種はMK−
10(H4)であるがMK−10(H6)MK−9(H
4)およびMK−9(H6)も多量に検出した。
【0029】細胞壁のリン脂質について「放線菌の同定
実験法、日本放線菌学会編、中越印刷刊(昭和63
年)」に従い検討した結果、SANK 60599株の
リン脂質型はPIII型を示した。
【0030】DNAのG+C含量について「放線菌の同
定実験法、日本放線菌学会編、中越印刷刊(昭和63
年)」に従い検討した結果、SANK 60599株の
G+C含量は69mol%であった。
【0031】以上、1)乃至3)の結果に基づき、イン
ターナショナル・ストレプトマイセス・プロジェクト基
準(International Streptomyces Project Standard:
ワクスマン(Waksman,S.A.)著「ジ・アクチノミセテス
第二巻(The Actinomycetes)第2巻、ウィリアムス
・アンド・ウィルキンス社刊(1961年)」参照)、
ブキャナン及びギボンズ編「バージーズ・マニュアル・
オブ・デヴィターミネイティブ・バクテリオロジー(Be
rgey's Manual of Determinative Bacteriology)第8
版、ウィリアムス・アンド・ウィルキンス社刊(198
4年)」、ブキャナン及びギボンズ編「バージーズ・マ
ニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジー
第4巻、ウィリアム・アンド・ウィルキンス社刊(19
89年)」、及びノカルディオプシス属放線菌に関する
最近の文献(Yassin,F.,et al.,Int.J.Syst.Bacterio
l.,47,983(1997):Rainey,F.A.,et al.,Int.J.Syst.Bac
teriol.,46,1088(1996))によって同定を行い、本菌株
が放線菌の中でもノカルディオプシス属に属すると同定
し、本菌株をノカルディオプシス・エス・ピーSANK
60599株(以下、単に「SANK 60599
株」という。)と命名した。なお、該菌株は1999年
2月26日付けで、日本国茨城県つくば市東1−1−3
の通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に国際
寄託され、受託番号FERM BP−6665を付与さ
れた。
【0032】放線菌は、自然界において、又は人工的な
操作(例えば、紫外線照射、放射線照射、化学薬品処理
等)により、変異を起こし易く、本発明のSANK 6
0599株も放線菌としてこの性質を有する。本発明に
おいて、SANK 60599株はその全ての変異株を
包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝学的方
法、例えば、遺伝子組換え、形質導入、形質転換等によ
り得られたものも包含される。即ち、キトサン分解酵素
を生産する、SANK 60599株並びにその変異
株、及びそれらと明確に区別されない菌株は、全てSA
NK 60599株に包含されるものである。本発明の
キトサン分解酵素は、前述のI乃至III記載の菌株に
例示されるようなキトサン酵素生産微生物の培養物より
採取することができる。そのような微生物の培養に使用
される培地としては、炭素源、窒素源、無機物及び有機
物を適宜含有する培地であれば、合成培地及び天然培地
の何れも使用することができる栄養源としては、放線菌
類、細菌類又は真菌類の培養に使用されているものであ
れば特に限定されないが、例えば、炭素源としてはグル
コース、グリセロール、コハク酸ソーダ、糖蜜等が、窒
素源としてはバクトペプトン等のペプトン類、コーンス
ティープリカー、生イースト、硫酸アンモニウム、硝酸
ナトリウム、アスパラギン等が、無機物としては、リン
酸水素二カリウム、炭酸カルシウム等が、それぞれ挙げ
られる。有機物としては、菌株の生育を又はキトサン分
解酵素の生産を促進するようもの等が挙げられ、好適に
はキトサンである。培養法としては液体培養法が好適に
使用できる。培養温度は10℃乃至60℃、好適には2
0℃乃至45℃である。反応時間は、培地組成、培養温
度等により依存するが、1分日間乃至20日間、好適に
は30分間乃至5日間、より好適には1日間乃至5日間
である。キトサン分解酵素生産微生物が好気性微生物で
ある場合、通気することが好ましい。培養終了後、培養
液や菌体又は不溶物を遠心除去することにより、粗酵素
液を得ることができる。
【0033】このようにして得られる粗酵素液は、直接
キトサン分解反応に供することが可能であるが、種々の
精製手段によって精製して使用することも可能である。
キトサン分解酵素の精製手段としては、タンパク質の精
製に通常使用されるものであれば特に限定されないが、
例えば、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過、疎
水クロマトグラフィー、アフィニティ・クロマトグラフ
ィー、塩溶、塩析、脱塩、濃縮、等電点電気泳動、調製
用電気泳動等を挙げることができ、好適にはイオン交換
クロマトグラフィーである。イオン交換クロマトグラフ
ィーの担体としては、陽イオン交換担体又は陰イオン交
換担体を使用することができ、好適には陰イオン交換担
体である。陰イオン交換担体としては、キトサン分解酵
素が安定なpH条件で操作できるものであれば特に限定
されないが、例えば、DEAEトヨパール(東ソー
(株)製)、MonoQ(ファルマシア製)等を挙げる
ことができる。これらの担体(固相)に粗酵素画分を接
触させ、移動相(液相)のpH条件及び/又はイオン強
度条件を調節することにより、精製度の改善されたキト
サン分解酵素を回収することができる。以上のような精
製手段を適宜組み合わせることにより、ドデシル硫酸ナ
トリウム(sodium dodecylsulphate:以下、「SDS」
という。)存在下のポリアクリルアミド電気泳動(poly
acrylamide gel electrophoresis:以下、「PAGE」
という)法(以下、SDS存在下のPAGEを「SDS
−PAGE」という。)にて単一となるまでキトサン分
解酵素を精製することができる。
【0034】キトサン分解酵素の分子量及び等電点は、
精製の各段階において測定することができる。分子量は
SDS−PAGE法(Laemmli,U.K.,Nature,227,680(19
70)参照)、ゲルろ過(日本生化学会編「生化学実験講
座1 タンパク質の化学I分離精製、東京化学同人刊
(1976年)」443乃至492頁参照)、密度勾配
超遠心分離法(日本生化学会編「生化学実験講座1 タ
ンパク質の化学I 分離精製、東京化学同人刊(197
6年)」359乃至430頁参照)等により測定するこ
とができる。SDS−PAGE法によってSDS変成下
の分子量を測定することができ、ゲルろ過法、及び密度
勾配超遠心分離法によって未変成条件下での分子量を測
定することができる。等電点は常法により測定すること
ができる(日本生化学会編「生化学実験講座1 タンパ
ク質の化学I 分離精製、東京化学同人刊(1976
年)」262乃至312頁参照)。
【0035】SDS−PAGE法による分子量の測定及
び等電点電気泳動による等電点の測定は、各電気泳動終
了後にゲルを染色して目的タンパク質の位置(移動度)
を決定することにより行うことができる。キトサン分解
酵素の染色には酵素活性を指標とする染色法(以下、
「活性染色」という。)が好適に使用できる。標準タン
パク質の染色にはコマジーブリリアントブルー染色、銀
染色が好適に使用できる。
【0036】本発明のキトサン分解酵素の諸性質につい
て述べる。
【0037】本発明のキトサン分解酵素は以下の性質を
有する: 1)SDS−PAGE法にて分子量35,000乃至7
0,000を示す、 2)等電点電気泳動法にて等電点pI3.5乃至pI
4.5を示す、 3)キトサン7B(加ト吉(株)製)を、pH4乃至p
H10.5において加水分解する。
【0038】また、ノカルディオプシス属に属する放線
菌により生産される本発明のキトサン分解酵素は、以下
の性質を有する: 1)SDS−PAGE法にて分子量35,000を示
す、 2)等電点電気泳動法にて等電点pI3.5を示す、 3)キトサン7B(加ト吉(株)製)を、少なくともp
H7乃至pH10のpH条件下で加水分解する。該加水
分解活性は、pH7より低いpH条件下及び/又はpH
10を超えるpH条件下においても発揮され得る。
【0039】さらに、キトサン分解酵素のうち、バシラ
ス属に属する細菌により生産される本発明のキトサン分
解酵素は、以下の性質を有する: 1)SDS−PAGE法にて分子量50,000乃至7
0,000を示す、 2)等電点電気泳動法にて等電点pI3.5乃至pI
4.5を示す、 3)キトサン7B(加ト吉(株)製)を、pH4乃至p
H10.5にて加水分解する、 4)80℃以下で3)記載の加水分解活性を発揮する、 5)3)記載の加水分解活性の最適pHはpH7.5及
びpH10である、 6)3)記載の加水分解活性の最適温度はpH7.5で
は65℃、pH10では50℃である、 7)70℃以下の温度で安定である、 8)pH5乃至pH10.5のpH条件下で安定であ
る。
【0040】また、バシラス属に属する細菌のうち、S
ANK 70799株により生産される本発明のキトサ
ン分解酵素はSDS−PAGE法にて分子量50,00
0を、等電点電気泳動法にて等電点pI4.5をそれぞ
れ示し、SANK 70699株により生産される本発
明のキトサン分解酵素はSDS−PAGE法にて分子量
50,000、60,000及び70,000を、等電
点電気泳動法にて等電点pI3.5をそれぞれ示す。
【0041】以上の様な性質を有する本発明のキトサン
分解酵素を用いることにより、キチンを熱濃アルカリ処
理等により得られる高分子キトサン及び部分脱アセチル
化キチン、キチン等より、低分子キトサン、キトサンオ
リゴ糖、キチンオリゴ糖等を直接得ることができる。こ
の目的で本発明のキトサン分解酵素を使用する際の反応
条件としては、本明細書に記載されたキトサンを加水分
解する活性の測定条件が使用できる。
【0042】本発明のキトサン分解酵素が高分子キトサ
ン、部分脱アセチル化キチン、キチン等を加水分解する
ことによって得られる低分子キトサン、キトサンオリゴ
糖、キチンオリゴ糖等は、本技術分野においてよく知ら
れた方法で、抗菌剤、創傷治癒剤、食品材、化粧品素材
に供することができる。低分子キトサンは常法により濾
別することにより精製できる。キトサンオリゴ糖及びキ
チンオリゴ糖は常法により不要物を濾別し、直接使用す
るか、濃縮により適当なキトサンオリゴ糖液を得ること
もできる。更に必要に応じて水を加えて水混和性有機溶
剤で抽出し、抽出溶剤を留去することにより得ることも
できる。また、必要に応じて常法、例えばカラムクロマ
トグラフィー、再結晶法等により更に精製することもで
きる(キチン・キトサン研究会編「キチン・キトサン・
ハンドブッック、技報堂刊(1995年)」209頁乃
至218頁参照)。
【0043】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1.キトサン分解酵素の加水分解活性の測定 1)キトサンの加水分解反応 キトサン7B(加ト吉(株)製)125mgに水12.
5mlを加え、濃塩酸にてpH2.5に調製し、粉末キ
トサンを完全に溶解させた。ここに炭酸水素ナトリウム
168mgを加えた後、160mM炭酸水素ナトリウム
水溶液及び160mM炭酸ナトリウム水溶液にてpH1
0に調製し、総量を50mlのキトサン水溶液とした。
酵素活性を中性条件下(pH7)で測定する場合、上記
160mM炭酸ナトリウム溶液の代わりに160mMリ
ン酸二水素カリウム溶液を用いてpH7に調整し、総量
を50mlのキトサン水溶液とした。このキトサン水溶
液100μlと水60μlに酵素液40μlを加え撹拌
して均一にし反応を開始し、37℃で保温して10分間
酵素反応を行った。 2)ランドル・モーガン法による遊離還元糖の定量 アセチルアセトン10μlを0.5M炭酸ナトリウム水
溶液500μlに溶かした溶液200μlを酵素反応液
に加えて反応を停止させた後、100℃で20分間保温
した。氷冷後、N,N−ジメチルアミノベンズアルデビ
ド0.8gをエタノール30ml及び濃塩酸30mlに
溶解した混合溶液200μl、並びに、エタノール60
0μl中を反応溶液に加え、65℃で10分間発色反応
させた。氷冷後、沈殿物を遠心分離し上清の530nm
における吸光度を測定した。酵素反応1分間当たり1μ
molのグルコサミンを生成する酵素活性を1単位とし
た。 実施例2.キトサン分解酵素の分子量の決定 キトサン分解酵素を、0.01%キトサン7B(加ト吉
(株)製)溶液を含む12.5%ポリアクリルアミドゲ
ルを用いたSDS−PAGE(Laemmli,U.K.,Nature,22
7,680(1970)参照)に供した。
【0044】SDS−PAGE終了後、ゲルを活性染色
に供した:ゲルを100mMリン酸二水素カリウム−炭
酸水素ナトリウム緩衝液(pH7.0)75ml及びイ
ソプロパノール25mlで30分間振とうして界面活性
剤を除去する操作を2回行い、100mMリン酸二水素
カリウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH7)50m
lで30分間振とうして有機溶媒を除去する操作を2回
行った後、100mMリン酸二水素カリウム−炭酸水素
ナトリウム緩衝液50ml(pH7)と、37℃にて一
晩反応させ、反応終了後コマジーブリリアントブルーR
250で染色した後脱色した。上述の処理によりゲル中
のキトサン7Bは染色されたが、酵素反応によってキト
サン7Bが分解された部分は染色されなかった。分子量
マーカーの移動度及び染色されなかったバンドの移動度
を比較することにより、キトサン分解酵素の分子量を決
定した(Mitsutomi,L.,et al.,Biosci. Biotechnol. Bi
ochem.,62,2107( 1998)参照)。 実施例3.キトサン分解酵素の等電点の決定 キトサン分解酵素を等電点電気泳動(日本生化学会編
「生化学実験講座1 タンパク質の化学I 分離精製、
東京化学同人刊(1976年)」262乃至312頁参
照)に供した。。
【0045】等電点電気泳動終了後、ゲルを活性染色に
供した:0.01%キトサン7B(加ト吉(株)製)を
含有するアガロースゲルに重ね合わせ、37℃で5時間
反応させ、反応終了後コマジーブリリアントブルーR2
50で染色した。染色されなかった部分を酵素の等電点
として決定した。 実施例4.SANK 60599株の培養及び該培養物
中にキトサン分解酵素が存在することの確認 滅菌した以下の組成の培地100mlを含む500ml
容の三角フラスコ(種フラスコ)に種菌を接種し、37
℃にて3日間、170rpmの振とう機培養を行った。 培地;下記A液及びB液を別々に滅菌し、使用直前に混
合した(pH10.2) [A液] ポリペプトン 10g イースト・エクストラクト 5g リン酸水素ニカリウム 1g 硫酸マグネシウム 0.2g コロイダルキトサン 2.5g 純水で900mlとした。
【0046】[B液] 炭酸ナトリウム 10g 純水で100mlとした。 培養終了後、4℃条件下、10,000×Gにて30分
間の遠心分離を行った。得られた上清について、実施例
2記載方法によりSDS−PAGEを行ったところ、分
子量35,000のバンドが確認された。また、実施例
3記載の方法により等電点電気泳動を行ったところ、等
電点はpI3.5であった。 実施例5.SANK 70799株の培養及び該培養物
中にキトサン分解酵素が存在することの確認 滅菌した以下の組成の培地100mlを含む500ml
容の坂口フラスコに種菌を接種し、37℃にて3日間、
190rpmの振とう培養を行った。 培地組成 ポリペプトン 10g イースト・エクストラクト 5g リン酸水素ニカリウム 1g 硫酸マグネシウム 0.2g フレークキトサン 2.5g 純水で100mlとした(滅菌後のpHはpH7.
5)。 培養終了後、4℃条件下、10,000×Gにて30分
間の遠心分離を行った。得られた上清について、実施例
2記載の方法によりSDS−PAGEを行ったところ、
分子量50,000のバンドが確認された。また、実施
例3記載の方法により等電点電気泳動を行ったところ、
等電点はpI4.5であった。 実施例6.SANK 70699株の培養及び該培養物
中にキトサン分解酵素が存在することの確認 滅菌した以下の組成の培地100mlを含む500ml
容の三角フラスコに種菌を接種し、37℃にて3日間、
170rpmの振とう培養を行った。 培地:下記C液及びD液を別々に滅菌し、使用直前に混
合した(混合後のpHはpH10.2)。
【0047】[C液] ポリペプトン 10g イースト・エクストラクト 5g リン酸水素ニカリウム 1g 硫酸マグネシウム 0.2g コロイダルキトサン 2.5g 純水で900mlとした。 [D液] 炭酸ナトリウム 10g 純水で100mlとした。 培養終了後、4℃条件下、10,000×Gにて30分
間の遠心分離を行った。得られた上清について、実施例
2記載の方法によりSDS−PAGEを行ったところ、
分子量50,000、60,000及び70,000の
バンドが確認された。また、実施例3記載の方法により
等電点電気泳動を行ったところ、等電点はpI3.5で
あった。 実施例7.pH7及びpH10におけるキトサン分解酵
素の活性 SANK 60599株の培養上清及びSANK 70
799株の培養上清を各1mlずつ別々に採取し、中性
条件下(pH7)及びアルカリ性条件下(pH10)に
てキトサン分解活性を測定した。活性は1分間当たりの
低分子キトサンの生産量で算定した。結果を表4に記載
した。
【表4】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 株 低分子キトサンの生産(μmol/分) ―――――――――――――――――― pH7 pH10 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― SANK 70799株 0.25 0.185 SANK 60599株 0.095 0.08 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 表4に示す通り、両菌株の生産するキトサン分解酵素
は、アルカリ性条件下(pH10)においても、中性条
件下(pH7)とほぼ同等の活性を示した。 実施例8.SANK 70699株の生産するキトサン
分解酵素の精製 実施例5で得られた培養上清500mlを10mMトリ
ス・塩酸緩衝液(pH7.5)3000mlに対して6
時間ずつ10回透析し、これを粗酵素画分(1000m
l)とした。これを、予め10mMトリス・塩酸緩衝液
(pH7.5)で平衡化したDEAEトヨパール(東ソ
ー(株)製)カラム(直径2.2cm×長さ20cm)
に添加し、吸着させた。10mMトリス・塩酸緩衝液
(pH7.5)で該カラム十分洗浄した後、10mMト
リス・塩酸緩衝液(pH7.5)900ml中に0乃至
0.9Mの塩化ナトリウムの直線的濃度勾配を作製して
該カラムに吸着した成分を溶出させた。キトサン分解活
性は塩化ナトリウム濃度が0.75M乃至0.85Mの
画分(100ml)に溶出された。
【0048】活性画分100mlを20mMトリス・塩
酸緩衝液(pH7.5)3000mlに対して6時間ず
つ3回透析した後、、予め20mMトリス・塩酸緩衝液
(pH7.5)で平衡化したMonoQ(ファルマシア
社製)カラム(直径7mm×長さ5cm)に添加し、吸
着させた。該カラムを20mMトリス・塩酸緩衝液(p
H7.5)で十分洗浄した後、10mMトリス・塩酸緩
衝液(pH7.5)500ml中に0乃至0.5Mの塩
化ナトリウムの直線的濃度勾配を作製して該カラムに吸
着した成分を溶出させた。キトサン分解活性は塩化ナト
リウム濃度が0.35M乃至0.4Mの画分(18m
l)に溶出された。
【0049】キトサン分解酵素の活性測定は、実施例1
記載の方法に従った。但し、基質溶液は、キトサン7B
(加ト吉(株)製)125mgを蒸留水50mlに懸濁
し、酢酸30μlを添加して溶解させることにより、
0.25%溶液として調製した。また、反応用緩衝液に
は、終濃度100mMの4−モルフォリンプロパンスル
ホン酸(4−morpholinepropanesu
lfonic acid:以下、「MOPS」とい
う。)−炭酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)を用い
た。
【0050】以上のキトサン分解酵素の精製結果を表5
にまとめた。表中、DEAEとはDEAEトヨパールカ
ラムクロマトグラフィーを、MonoQとはMonoQ
カラムクロマトグラフィーを、それぞれ意味する。
【表5】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 精製段階 全活性(U) 比活性(U/mg) 精製度 活性回収率(%) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 粗酵素 54.6 0.33 1 100 DEAE 7.4 0.76 2.3 13.6 MonoQ 3.4 2.4 7.3 6.2 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 実施例9.精製されたキトサン分解酵素の諸性質 実施例8において精製されたキトサン分解酵素(以下、
単に「精製酵素」という。)の諸性質を調べた。精製酵
素の加水分解活性の測定は、実施例1記載の方法により
行った。但し、基質溶液は、キトサン7B(加ト吉
(株)製)125mgを蒸留水50mlに懸濁し、酢酸
30μlを添加して溶解させることにより、0.25%
溶液として調製した。また、反応用緩衝液には、終濃度
100mMのMOPS−炭酸ナトリウム緩衝液(pH
7.5)を用いた。 1)精製酵素の基質特異性 精製酵素の、種々の基質に対する加水分解活性を測定し
た。各基質は実施例9記載の方法に準じて調製し、酵素
反応後の遊離還元糖の定量はシェールズ法(Imoto,T.an
d Yagashita,K.,Agric.Biol.Chem.,35,1154(1971)参
照)により行った。
【0051】キトサン7Bに対する精製酵素の加水分解
活性を100%としたときの、他の各基質に対する精製
酵素の加水分解活性を相対値として表6に記載した。表
中、キトサン10Bは99%脱アセチル化キチン、キト
サン9Bは90%脱アセチル化キチン、キトサン8Bは
80%脱アセチル化キチン、キトサン7Bは70%脱ア
セチル化キチンである(いずれも加ト吉(株)製)。
【表6】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 基質 相対活性 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― キトサン10B 12.9 キトサン9B 30.9 キトサン8B 65.2 キトサン7B 100 グリコールキトサン 7.2 グリコールキチン 2.6 コロイダルキチン 1.9 CM−セルロース 0 リケナン 6.0 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 表6に示す通り、精製酵素はキトサン7Bに対して最も
加水分解活性が高く、脱アセチル化度が大きくなるにつ
れて加水分解活性は低下した。また、精製酵素はキチン
加水分解活性を有し、セルラーゼ加水分解活性は見られ
なかった。
【0052】2)精製酵素の温度安定性 精製酵素を種々の温度で30分間処理した後、その加水
分解活性を測定した。
【0053】無処理(0℃保温)群の精製酵素の加水分
解活性を100%とし、各温度で処理したときの精製酵
素の加水分解活性を相対値として図1に記載した。
【0054】図1に示す通り、精製酵素の加水分解活性
は、50℃以下の処理ではほぼ100%残存し、70℃
の処理では約50%残存し、80℃の処理では約40%
残存し、90℃の処理では約20%残存していた。 3)精製酵素が有する加水分解活性の温度依存性 pH7.5又はpH10の条件下において、種々の温度
で精製酵素の加水分解活性を測定した。但し、pH10
の場合の緩衝液には、終濃度100mMの炭酸水素ナト
リウム―炭酸ナトリウム緩衝液(pH10)を用いた。
【0055】最も高い活性を示した温度条件で測定され
た精製酵素の加水分解活性を100%とし、各温度にお
ける精製酵素の加水分解活性を相対値として図2にまと
めた。
【0056】図2に示す通り、精製酵素の加水分解活性
の最適温度は、pH7.5にて65℃、pH10にて5
0℃であった。 (4)精製酵素のpH安定性 精製酵素105μlに、以下に述べる各pHの400m
M緩衝液15μlを添加し、37℃にて3時間保温した
後、加水分解活性を測定した。
【0057】緩衝液は次のものを用いた:pH3.6乃
至pH6.5の場合、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液:p
H5.8乃至pH8の場合、MOPS−炭酸ナトリウム
緩衝液:pH7.6乃至pH8.3の場合、N−トリス
(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスル
ホン酸(N-Tris(hydroxymethyl)methyl-3-aminopropane
sulfonic Acid)−炭酸ナトリウム緩衝液:pH8.3
乃至pH10の場合、炭酸水素ナトリウム−炭酸ナトリ
ウム緩衝液:pH10乃至pH11.2の場合、リン酸
水素二ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液。
【0058】精製酵素の加水分解活性が最も安定に保た
れたpH条件での加水分解活性を100%とし、各pH
における精製酵素の加水分解活性を相対値として図3に
記載した。
【0059】図3に示す通り、精製酵素の加水分解活性
はpH5乃至pH10.5の範囲で50%以上保持さ
れ、pH6乃至10の範囲で80%以上保持された。 (5)精製酵素が有する加水分解活性のpH依存性 (4)に記載した各緩衝液を用い、各pHにおける精製
酵素の加水分解活性を測定した。
【0060】最も高い活性を示したpH条件で測定され
た精製酵素の加水分解活性を100%とし、各pHにお
ける精製酵素の加水分解活性を相対値として図4に記載
した。
【0061】図4に示す通り、精製酵素の活性の最適p
Hは、pH7.5及びpH10であった。 (6)精製酵素の分子量 12.5%ポリアクリルアミドゲルを用いた実施例2記
載のSDS−PAGE法により、精製酵素の分子量を求
めた。標準タンパクとして次のものを用いた: a.ホスホリラーゼ(phosphorylase)、分子量94,
000:b.アルブミン(albumin)、分子量67,0
00:c.オバルブミン(ovalbumin)、分子量43,
000:d.カルボニック・アンヒドラーゼ(carbonic
anhydrase)、分子量30,000:e.トリプシン・
インヒビター(trypsin inhibitor)、分子量20,1
00:f.α−ラクタルブミン(α-lactalbumin)、分
子量14,400。
【0062】これら標準タンパクの移動度から求められ
た検量線を図5に記載した。
【0063】図5に示す通り、精製酵素は分子量70,
000の単一バンドを示した。 (7)等電点 実施例3に記載の方法により精製酵素の等電点を求めた
ところ、精製酵素の等電点はpI3.5であった。
【0064】
【発明の効果】本発明のキトサン分解酵素は、中性条件
下及びアルカリ性条件下で優れた酵素活性を有し、低分
子キトサン、キトサンオリゴ糖及びキチンオリゴ糖の工
業的生産に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】精製酵素の温度安定性。
【図2】精製酵素が有する加水分解活性の温度依存性。
【図3】精製酵素のpH安定性。
【図4】精製酵素が有する加水分解活性のpH依存性。
【図5】SDS−PAGEの検量線及び精製酵素の分子
量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:01) (C12N 1/20 C12R 1:07) (C12N 1/20 C12R 1:01) (72)発明者 石井 晃 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会社 内 Fターム(参考) 4B050 CC01 DD02 FF05E FF11E LL05 4B065 AA01X AA15X BA22 CA21 CA31 CA41 CA44

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の性質を有するキトサン分解酵素: β1−4結合しているキトサンをpH4乃至pH10
    において加水分解する、 ドデシル硫酸ナトリウム存在下ポリアクリルアミドゲ
    ル電気泳動法にて分子量35,000を示す、 等電点電気泳動にて等電点pI3.5を示す。
  2. 【請求項2】以下の性質を有するキトサン分解酵素: β1−4結合しているキトサンをpH4乃至pH10
    において加水分解する、 ドデシル硫酸ナトリウム存在下ポリアクリルアミドゲ
    ル電気泳動法にて分子量50,000を示す、 等電点電気泳動にて等電点pI4.5を示す。
  3. 【請求項3】以下の性質を有するキトサン分解酵素: β1−4結合しているキトサンをpH4乃至pH10
    において加水分解する、 ドデシル硫酸ナトリウム存在下ポリアクリルアミドゲ
    ル電気泳動法にて分子量50,000を示す、 等電点電気泳動にて等電点pI3.5を示す。
  4. 【請求項4】以下の性質を有するキトサン分解酵素: β1−4結合しているキトサンをpH4乃至pH10
    において加水分解する、 ドデシル硫酸ナトリウム存在下ポリアクリルアミドゲ
    ル電気泳動法にて分子量60,000を示す、 等電点電気泳動にて等電点pI3.5を示す。
  5. 【請求項5】以下の性質を有するキトサン分解酵素: β1−4結合しているキトサンをpH4乃至pH10
    において加水分解する、 ドデシル硫酸ナトリウム存在下ポリアクリルアミドゲ
    ル電気泳動法にて分子量70,000を示す、 等電点電気泳動にて等電点pI3.5を示す。
  6. 【請求項6】バシラス・エスピー(Bacillus
    sp.) SANK 70699株(FERM BP−
    6666)。
  7. 【請求項7】バシラス・エスピー(Bacillus
    sp.) SANK 70799株(FERM BP−
    6667)。
  8. 【請求項8】ノカルディオプシス・エスピー(Noca
    rdiopsis sp.) SANK 60599株
    (FERM BP−6665)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100396833B1 (ko) * 2000-12-15 2003-09-02 주식회사 효성 바실러스 속 에이치에스비-21 균주가 생산하는키토산아제를 이용한 키토산 올리고당의 제조방법
KR100541044B1 (ko) * 2002-06-19 2006-01-10 주식회사 제노포커스 바실러스 츄린겐시스로부터 유래된 키토산아제 활성을 갖는 신규한 폴리펩타이드
CN102851239A (zh) * 2012-08-22 2013-01-02 黄河三角洲京博化工研究院有限公司 一株壳聚糖酶生产菌株及应用该菌株生产壳寡糖的方法

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