JP2000312066A - 転写法用複合材及びその製造方法 - Google Patents

転写法用複合材及びその製造方法

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JP2000312066A
JP2000312066A JP2000011413A JP2000011413A JP2000312066A JP 2000312066 A JP2000312066 A JP 2000312066A JP 2000011413 A JP2000011413 A JP 2000011413A JP 2000011413 A JP2000011413 A JP 2000011413A JP 2000312066 A JP2000312066 A JP 2000312066A
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Kentaro Yano
健太郎 矢野
Susumu Okikawa
進 沖川
Noboru Hanai
昇 花井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1μm以下というきわめて薄いバリア層であ
っても、バリア層を破壊されない製造方法及び新規な転
写法用複合材を提供する。 【解決手段】 平均厚さ50μm以下のCuを主成分とする
キャリア層と平均厚さ1μm以下のCuとは溶解性の異な
るバリア金属層と、平均厚さ20μm以下のCuを主成分と
する配線層が積層された帯状材であって、バリア金属層
が実質的に欠陥のない連続面を形成している転写法用複
合材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体パッケージ
などに用いられる転写用複合材及びその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア機器のデジタル化
や、携帯機器の急増によって半導体パッケージに用いら
れる配線幅も狭ピッチ化が求めれてきた。この問題に対
して、配線部の銅箔の厚さを1〜18μm程度に薄くする
ことで対応する試みがなされている。しかしながら、数
μmの厚さの銅箔を用いる場合、ハンドリング性の問題
があり、剛性を付与するために、例えばアルミニウムの
キャリア材を貼りつける方法が提案されているが、この
ような単純な二層構造では、キャリア材自身の厚さを厚
くする必要があり、キャリア材の除去を行う際にエッチ
ング斑を生じ易いという問題がある。
【0003】これに対して、最近、半導体パッケージに
配線パターンを形成する方法として、特開平8-293510号
で開示される転写法と呼ばれる技術が注目を集めてい
る。この転写法と呼ばれる代表的な一例としては、図6
(a)〜(f)に示すように、キャリア層(1)としての電解銅
箔をカソードとして、バリア層(2)としてのNiメッキ層
を形成した後、ドライフィルムレジスト(4)をラミネー
トし、露光、現像によって所望のレジストパターンを形
成し、配線部形成層(3)として硫酸銅メッキを施し、水
酸化カリウム溶液を用いてレジストを剥離し、銅配線パ
ターンが形成された三層構造の転写法用箔材(6)を得
る。次に、該転写法用箔材(6)を金型にセットし、半導
体封止用エポキシ樹脂(5)へ銅配線パターン側を転写
し、キャリア層及びバリア帯を選択エッチを施し、転写
された銅配線パターンのみを残留させることができるも
のである。
【0004】この転写法においても、厚さ18μm以下の
配線形成材を用いた場合、ハンドリング性に問題がある
ので、剛性を付与するためにキャリア材を用いる。ま
た、バリア層は、キャリア層をエッチングで除去する際
において、配線形成層にエッチング溶液を到達させない
ために用いられ、また逆に、配線形成層をエッチング溶
液で配線パターニングを行う際に、エッチング溶液をキ
ャリア層まで到達させないために用いられる。そのた
め、バリア層は、キャリア層及び配線形成層とエッチン
グ条件の異なる金属である必要がある。上述した転写法
を用いれば、ハンドリングが容易で、半導体封止用エポ
キシ樹脂に転写された配線の銅箔には、キャリア層のみ
を選択エッチで除去後、バリア層のみを選択エッチで除
去するため、エッチング斑ができにくい方法として優れ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が検討したところ、三層構造の転写法用複合材を製造
する場合、バリア層は1μm以下のできるだけ薄いこと
が求められるが、製造上有利な圧延等の高速連続接合処
理が可能な製法を適用して帯材を得ようとすると、接合
時にバリア層が破れるという問題が発生した。本発明の
目的は、1μm以下というきわめて薄いバリア層であっ
ても、バリア層を破壊されない製造方法及び新規な転写
法用複合材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は前述の問題を
検討した結果、配線形成帯とキャリア帯の表面粗さをRz
で5μm以下とすること、及び圧着法の組み合わせによ
り、平均厚さ1μm以下というきわめて薄いバリア層を
形成しても、実質的にバリア層の欠陥を無くすことがで
きることを見いだし、本発明に到達した。
【0007】具体的には、本発明の製造方法は、平均厚
さ50μm以下、両面の表面粗さがRzで5μm以下のCuを
主成分とした金属キャリア帯上に、平均厚さ1μm以下
のCuとは溶解性の異なるバリア金属をメッキした後、平
均厚さ20μm以下、両面の表面粗さがRzで5μm以下のC
uを主成分とする配線形成帯の表面と前記キャリア帯上
に形成したバリア金属表面とを活性化処理し、前記活性
化処理した面同士を圧着して積層帯とする転写法用複合
材の製造方法である。
【0008】また本発明は、平均厚さ50μm以下、両面
の表面粗さがRzで5μm以下のCuを主成分とした金属キ
ャリア帯上に、平均厚さ1μm以下のCuとは溶解性の異
なるバリア金属をメッキした後、平均厚さ20μm以下、
両面の表面粗さがRzで5μm以下のCuを主成分とする配
線形成帯と前記キャリア帯とを300℃以上に加熱し、前
記バリア金属表面と前記配線形成帯表面とを圧着して積
層帯とする転写法用複合材の製造方法である。
【0009】更に本発明は、平均厚さ50μm以下、両面
の表面粗さがRzで5μm以下のCuを主成分とした金属キ
ャリア帯上と、平均厚さ20μm以下、両面の表面粗さが
Rzで5μm以下のCuを主成分とする配線形成帯上の何れ
か若しくは両方に、平均厚さ1μm以下となるCuとは溶
解性の異なるバリア金属を物理蒸着し、該バリア金属を
介して、前記キャリア帯及び前記配線形成帯を圧着して
積層帯とする転写法用複合材の製造方法である。また、
好ましくは、本発明において上述の圧着はロール圧延で
行う転写法用複合材の製造方法である。
【0010】上述した本発明の製造方法によって得られ
る新規な本発明の転写法用複合材は、平均厚さ50μm以
下のCuを主成分とするキャリア層と、平均厚さ1μm以
下のCuとは溶解性の異なるバリア金属層と、平均厚さ20
μm以下のCuを主成分とする配線層が積層された帯状材
であって、バリア金属層が実質的に欠陥のない連続面を
形成している転写法用複合材である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法において、重要
な特徴の一つは、上述した通り、キャリア帯及び配線形
成帯の両面の表面粗さをRzで5μm以下としたことであ
る。本発明の実施例において、具体的には表面粗さRz
は、オリンパス光学株式会社製走査型レーザー顕微鏡OL
S1000を用いて、長さ176μmの検査領域に対し、上位5
位までの高さの山頂と上位5位までの深さの谷底の平均
の間隔として測定した。
【0012】本発明者の検討によれば、キャリア帯及び
配線形成帯の、Rzの値が5μmより大きい、すなわち粗
さの大きい材料を使用して、平均厚さ1μm以下という
薄いバリア金属層を形成を挟み込む形で圧着すると、ど
うしてもバリア層にキャリア帯または配線形成帯が食い
込んでバリア層が破断して欠陥を形成してしまう。ま
た、本発明でRzの下限は特に規定はしていないが、通常
の量産されるCuを主成分とする金属帯では、粗さをRzで
0.1μm未満のものは、コストが高すぎて流通していな
いため、Rzの下限は0.1μm以上であれば良い。
【0013】本発明の用途である転写法用複合材では、
上述したとおり、バリア層はできるだけ薄いことが求め
られており、特には、キャリア帯や配線形成帯の粗さRz
の値よりも平均厚さの薄いバリア層さえ要求されてい
る。そこで、本発明者はある程度の粗さがあっても、バ
リア層を破壊することなく転写法用複合材を提供できる
製法として、上述した特定の粗さを有するキャリア帯と
配線形成帯とを用い、配線形成帯の表面と前記キャリア
帯上に形成したバリア金属表面とを活性化処理し、前記
活性化処理した面を圧着して積層帯とする方法を採用し
たものである。
【0014】このように活性化処理を適用することは、
圧着による接合を容易にし、例えば圧着による接合をロ
ール圧延で行った場合、接合時の圧下率をほとんど必要
とせずに複合材を得ることができ、結果として、バリア
層の破断を防ぐことが可能である。また、活性化処理を
行うことで、特別に加熱を必要としない常温、若しくは
300℃未満の接合も可能である。本発明で適合する接合
に適用するロール圧延による圧下率は、2%以下、若し
くは加圧のみの圧着でも良い。本発明で使用する活性化
処理としては、機械的研磨などによって、表面に新生面
を出す方法も採用できるが、活性面を確保する上で、減
圧下でスパッタリングにより表面をイオンエッチングす
る方法を使用することが好ましい。なお、本発明の圧着
の方法としては、帯材を連続して圧着による接合をする
ことが可能なロール圧延法を採用することが特に好まし
い。
【0015】また別の本発明では、接合時に300℃以上
に加熱を行うことで、接合を容易にし、接合時の圧下率
を殆ど必要とせずに複合材を得ることができ、結果とし
て、バリア層の破断を防ぐことが可能である。この場合
でもロール圧延による圧着での圧下率は、2%以下、若
しくは加圧のみでも良い。本発明で使用する加熱温度と
しては、Cuを主成分とする素材を用いるため、素材が完
全に軟化する300℃以上、より好ましくは400〜600℃が
よい。上述した製法によって得られる本発明の転写法用
複合材の断面の一例を図1に示す。図1は1000倍の光学顕
微鏡による金属ミクロ組織写真であって、キャリア層
(1)と、配線形成層(3)の間にバリア層(2)が形成された
断面を示している。
【0016】また、物理蒸着面を接合に用いることで、
低い圧延率、もしくは加圧のみによる接合が可能であ
り、結果としてバリア層の破断を防ぐことができる。こ
の場合、Cuとは溶解性の異なるバリア金属をキャリア帯
及び配線形成帯の両方にもしくは一方に物理蒸着した
後、バリア金属を介してキャリア帯と、配線形成帯とを
圧着すればよい。このとき、物理蒸着法やメッキ法など
により、キャリア帯もしくは配線形成帯の両方もしくは
一方にバリア層を形成した後、Cu、Cr、Sn、はんだなど
接合性に優れた材質を物理蒸着し、当該物理蒸着面を圧
着してもよい。物理蒸着法としては真空蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法、溶射法などがよ
く、特に生産性に優れた真空蒸着法が好適である。
【0017】次に、本発明において、キャリア帯及び配
線形成帯のそれぞれの両面の粗さを規定したのは、接合
面に限らず、何れか一方の面の表面粗さが過度に大きい
と、バリア層に欠陥を生ずることになることを確認した
からである。この原因は不詳であるが、非圧着面の粗さ
が大きいと圧着面に不均一な圧力がかかり、破断しやす
くなったものと考えられる。また、本発明で実質的に欠
陥が無いということは、たとえばキャリア層をエッチン
グ除去した後、4000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)でバリ
ア層の破れが無いことを確認すれば良い。また、別の方
法として、キャリア層を除去後、バリア層を腐食しない
エッチング液に浸すことで、バリア層を貫通して配線層
がエッチングされるかを確認し、バリア層を貫通しなけ
れば欠陥が無いと判断することができる。
【0018】本発明は、転写法に適用するものであり、
転写する配線層に予め配線パターンを形成することが好
ましいものである。しかし、予め配線パターンを形成す
る用途のみに限定されるものではない。本発明の利点の
一つは、薄い配線層を転写により形成できる材料を提供
するものであり、樹脂等の絶縁材に転写した配線層面
を、エッチング等により配線パターンを形成する用途に
も適用可能である。
【0019】以下、本発明の他の規定理由について詳細
に説明する。Cuを主成分とする配線形成帯と規定した。
この理由は、半導体用プリント基板においては、電気信
号の伝送効率などが問題となってくるため、電気伝導性
のよいものが好ましいからである。具体的には、エッチ
ングを均一、迅速に行なえる、放熱性に優れているなど
の理由により、純Cuが好ましい。配線形成材の厚さ
は、ライン間隔の狭い微細配線を形成するには薄い方が
よいが、薄すぎると製造や取り扱いが困難であること、
ノイズなどの問題を生じやすいことなどの理由により1
〜18μmが好ましい。より好ましくは3〜12μmであ
る。
【0020】次に、Cuを主成分とするキャリア帯と規定
した。この理由は、キャリア帯と配線形成帯とを実質的
に同一の素材とした方が、エッチング設備を同一のもの
とすることができ、設備が節約できるからである。ま
た、キャリア材の厚さは、エッチングで除去する都合上
薄い方がよく、50μm以下がよい。より好ましくはハン
ドリング性を考慮して10〜30μmである。
【0021】バリア層となるCuと溶解性の異なる金属層
は、メッキもしくは物理蒸着で形成する。これは1μm
以下という薄い金属帯ではハンドリング性が悪くさらに
圧着によりバリア層を接合すると、バリア層が破断しや
すくなるからである。バリア層は、キャリア層をエッチ
ングで除去する時と、配線形成層をエッチング溶液で配
線パターニングを行う時に、エッチング溶液を反対面側
まで到達させないために用いられるものであるため、キ
ャリア層及び配線形成層とエッチング条件の異なる金属
である必要がある。
【0022】具体的には、配線形成層とキャリア層が純
Cuである場合、バリア層は、ニッケル、金、ハンダ、ス
ズ、チタン、クロム等の金属層をメッキ法や物理蒸着法
で形成する。バリア層はバリアとしての役割を終えると
エッチングによって除去されるため、バリア層の厚さは
薄いほど良く、平均厚さ1μm以下、より好ましくは0.1
〜0.5μmの厚さがよい。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 (実施例1)配線形成帯として厚さ10μm、幅200m
m、長さ500mの圧延Cuを用いた。表面粗さは、長さ176
μmの領域についてオリンパス光学株式会社製走査型レ
ーザー顕微鏡OLS1000を用いて測定した。図2に表面の粗
さ測定結果の断面曲線の一例を示す。粗さを評価した結
果、圧着しようとする面の表面粗さはRz0.38μm、Rmax
0.50μmであり、非圧着面の表面粗さは、Rz0.35μm、
Rmax0.47μmであった。
【0024】キャリア帯として厚さ25μm、幅200m
m、長さ500mの圧延Cuを用いた。圧延Cuであるので、
両表面の粗さはいずれも図2と同様の形態になってい
る。粗さを評価した結果、圧着しようとする面の表面粗
さは、Rz0.35μm、Rmax0.42μmであり、非圧着面の表
面粗さは、Rz0.33μm、Rmax0.40μmであった。
【0025】この一つの面に平均厚さ0.4μmのNiメッ
キを行なった。その後、上記、配線形成帯の一面と上記
キャリア帯のNiメッキ面とを真空槽内でイオンエッチン
グにより活性化処理し、連続して、上記配線形成帯とキ
ャリア帯との活性化処理面同士を10m/minの速度で
特別の加熱を行わず約1%の圧下率のロール圧延で圧着
した。
【0026】得られた転写法用複合材は、図1に類似の
断面形状を有する帯状材である。この複合材について配
線形成層とキャリア層との引き剥がし試験を行なったと
ころ、母材破断し、強固に接合していることが確認でき
た。また、配線側表面をレジンフィルムで覆い、キャリ
ア層をエッチングにより除去し、さらに30分以上エッチ
ング液に浸したが、配線材はエッチングされず、Niのバ
リア層には実質的な欠陥がないことを確認した。また、
キャリア層除去後のNi面を4000倍のSEMで観察したとこ
ろ、破れを生じていないことが確認できた。
【0027】(実施例2)配線形成帯として厚さ10μ
m、幅200mm、長さ500mの電解Cuを用いた。表面粗さ
は、長さ176μmの領域について、オリンパス光学株式
会社製走査型レーザー顕微鏡OLS1000を用いて測定し
た。図3に表面の粗さ測定結果の断面曲線の一例を示
す。粗さを評価した結果、圧着しようとする面の表面粗
さはRz2.0μm、Rmax2.8μmであり、非圧着面の表面粗
さはRz2.2μm、Rmax2.7μmであった。
【0028】キャリア帯として厚さ25μm、幅200m
m、長さ500mの圧延Cuを用いた。両表面の粗さはいず
れも図2の測定結果に類似した粗さ曲線となった。粗さ
を評価した結果、圧着しようとする面の表面粗さは、Rz
0.31μm、Rmax0.40μmであり、非圧着面の表面粗さ
は、Rz0.34μm、Rmax0.44μmであった。この一つの面
に平均厚さ1μmのNiメッキを行なった。その後、上
記、配線形成帯と上記キャリア帯とを不活性ガス雰囲気
内で500℃まで加熱し、連続して、上記配線形成帯の一
面とキャリア帯のNiメッキ面とを10m/minの速度で
約1%の圧下率でロール圧延により圧着した。
【0029】得られた転写法用複合材は、上記実施例と
同様、図1に示す断面形状を有する帯状材である。この
複合材について配線形成層とキャリア層との引き剥がし
試験を行なったところ、母材破断し、強固に接合してい
ることが確認できた。また、配線側表面をレジンフィル
ムで覆い、キャリア層をエッチングにより除去し、さら
に30分以上エッチング液に浸したが、配線材はエッチン
グされず、Niのバリア層には実質的な欠陥がないことを
確認した。また、キャリア層除去後のNi面を4000倍のSE
Mで観察したところ、破れを生じていないことも確認で
きた。
【0030】(実施例3)配線形成帯として、上記実施
例1と同様、厚さ10μm、幅200mm、長さ500mの圧延C
uを用いた。圧着しようとする面の表面粗さはRz0.38μ
m、Rmax0.50μmであり、非圧着面の表面粗さは、Rz0.
35μm、Rmax0.47μmであった。キャリア帯として上記
実施例1と同様、厚さ25μm、幅200mm、長さ500mの
圧延Cuを用いた。この圧延Cuの両表面の粗さはいずれも
図2と同様の形態になっている。粗さを評価した結果、
圧着しようとする面の表面粗さは、Rz0.35μm、Rmax0.
42μmであり、非圧着面の表面粗さは、Rz0.33μm、Rm
ax0.40μmであった。
【0031】真空槽内で、上記配線形成帯の一面とキャ
リア帯の一面とに真空蒸着により平均厚さ0.2μmのNi
蒸着を行なった。その後、連続して、上記配線形成帯と
キャリア帯の蒸着面同士を30m/minの速度で特別の
加熱を行わず1%以下の圧下率のロール圧延で圧着し
た。
【0032】得られた転写法用複合材は、図1に類似の
断面形状を有する帯状材である。この複合材について配
線形成層とキャリア層との引き剥がし試験を行なったと
ころ、母材破断し、強固に接合していることが確認でき
た。また、配線側表面をレジンフィルムで覆い、キャリ
ア層をエッチングにより除去し、さらに30分以上エッチ
ング液に浸したが、配線材はエッチングされず、Niのバ
リア層には実質的な欠陥がないことを確認した。また、
キャリア層除去後のNi面を4000倍のSEMで観察したとこ
ろ、破れを生じていないことが確認できた。
【0033】(比較例)配線形成帯として厚さ10μm、
幅200mm、長さ500mの電解Cuを用いた。表面粗さは、
長さ176μmの領域について、オリンパス光学株式会社
製走査型レーザー顕微鏡OLS1000を用いて測定した。図4
に圧着しようとする面の粗さ測定結果の断面曲線を示
す。圧着しようとする面の表面粗さはRz1.3μm、Rma1.
8μmである。図5に非圧着面の粗さ測定結果の断面曲線
を示す。非圧着面の表面粗さは圧着面より粗いRz9.4μ
m、Rmax11μmである。
【0034】キャリア帯として厚さ25μm、幅200m
m、長さ500mの圧延Cuを用いた。表面の粗さはいづれ
も図2の粗さ曲線に示すような形態になっていた。粗さ
を評価した結果、圧着しようとする面の表面粗さは、Rz
0.35μm、Rmax0.41μmであり、非圧着面の表面粗さ
は、Rz0.35μm、Rmax0.44μmであった。この一つの面
に平均厚さ1μmのNiメッキを行なった。その後、上
記、配線形成帯の一面と上記キャリア帯のNiメッキ面と
を真空槽内でイオンエッチングにより活性化処理し、連
続して、上記配線形成帯とキャリア帯との活性化処理面
どうしを10m/minの速度で特別の加熱を行わず約1
%の圧下率でロール圧着した。
【0035】この複合材について配線形成層とキャリア
層との引き剥がし試験を行なったところ、母材破断し、
強固に接合していることが確認できた。また、配線側表
面をレジンフィルムで覆い、キャリア層をエッチングに
より除去し、さらに30分以上エッチング液に浸して観察
したところ、配線材はエッチングされ、バリア金属層に
欠陥が生じていることが確認された。また、Ni面を4000
倍のSEMにより観察したところ、破れを生じていること
が確認された。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、転写法用複合材として
1μm以下という薄いバリア層を適用することが可能と
なり、エッチング工程の大幅なコストダウンを行うこと
ができる。さらに、本発明の製造方法によれば、極めて
薄いバリア層を形成した複合材は、製造上有利な圧延等
の高速連続接合処理を可能となり、工業上極めて有利で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られた複合材の一例を示す金属断面
ミクロ組織写真である。
【図2】本発明の配線形成材の一例を示す表面粗さの測
定結果である。
【図3】本発明の配線形成材の一例を示す表面粗さの測
定結果である。
【図4】比較の配線形成材の一例を示す表面粗さの測定
結果である。
【図5】比較の配線形成材の一例を示す表面粗さの測定
結果である。
【図6】転写法の一例を示す断面模式図である。
【符号の説明】 1.キャリア層、2.バリア層、3.配線形成層、4.
ドライフィルムレジスト、5.半導体用エポキシ樹脂、
6.転写法用複合箔材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均厚さ50μm以下のCuを主成分とする
    キャリア層と平均厚さ1μm以下のCuとは溶解性の異な
    るバリア金属層と、平均厚さ20μm以下のCuを主成分と
    する配線層が積層された帯状材であって、バリア金属層
    が実質的に欠陥のない連続面を形成していることを特徴
    とする転写法用複合材。
  2. 【請求項2】 平均厚さ50μm以下、両面の表面粗さが
    Rzで5μm以下のCuを主成分とした金属キャリア帯上
    に、平均厚さ1μm以下のCuとは溶解性の異なるバリア
    金属をメッキした後、平均厚さ20μm以下、両面の表面
    粗さがRzで5μm以下のCuを主体とする配線形成帯の表
    面と前記キャリア帯上に形成したバリア金属表面とを活
    性化処理し、前記活性化処理した面同士を圧着して積層
    帯とすることを特徴とする転写法用複合材の製造方法。
  3. 【請求項3】 平均厚さ50μm以下、両面の表面粗さが
    Rzで5μm以下のCuを主成分とした金属キャリア帯上
    に、平均厚さ1μm以下のCuとは溶解性の異なるバリア
    金属をメッキした後、平均厚さ20μm以下、両面の表面
    粗さがRzで5μm以下のCuを主成分とする配線形成帯と
    前記キャリア帯とを300℃以上に加熱し、前記バリア金
    属表面と前記配線形成帯表面とを圧着して積層帯とする
    ことを特徴とする転写法用複合材の製造方法。
  4. 【請求項4】 平均厚さ50μm以下、両面の表面粗さが
    Rzで5μm以下のCuを主成分とした金属キャリア帯上
    と、平均厚さ20μm以下、両面の表面粗さがRzで5μm
    以下のCuを主成分とする配線形成帯上の何れか若しくは
    両方に、平均厚さ1μm以下となるCuとは溶解性の異な
    るバリア金属を物理蒸着し、該バリア金属を介して、前
    記キャリア帯及び前記配線形成帯を圧着して積層帯とす
    る転写法用複合材の製造方法。
  5. 【請求項5】 ロール圧延で圧着することを特徴とする
    請求項2乃至4の何れかに記載の転写法用複合材の製造
    方法。
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