JP2000312053A - 半導体光デバイス装置 - Google Patents

半導体光デバイス装置

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JP2000312053A
JP2000312053A JP2000044289A JP2000044289A JP2000312053A JP 2000312053 A JP2000312053 A JP 2000312053A JP 2000044289 A JP2000044289 A JP 2000044289A JP 2000044289 A JP2000044289 A JP 2000044289A JP 2000312053 A JP2000312053 A JP 2000312053A
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Japan
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optical device
semiconductor optical
layer
stripe
ridge
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JP2000044289A
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Kenji Shimoyama
謙司 下山
Nobuyuki Hosoi
信行 細井
Kazumasa Kiyomi
和正 清見
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビームスポット径が小さくて信頼性が高いリ
ッジ導波型ストライプレーザ等の半導体光デバイス装置
を提供すること。 【解決手段】 基板上に、活性層を含む化合物半導体
層、該化合物半導体層上に形成されたストライプ状開口
部を有する保護膜、該ストライプ状開口部を覆うように
形成された該活性層より屈折率の小さいリッジ型の化合
物半導体層を少なくとも有し、該ストライプ状開口部の
開口中央部の幅(Wc)よりも開口前端部の幅(WF
が狭いことを特徴とする半導体光デバイス装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビームスポット径
が小さいリッジ導波路型半導体レーザとして好適な構造
を有する半導体光デバイス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体光デバイス装置を簡易に作製する
場合に、リッジ導波型と呼ばれる構造がよく用いられ
る。図4にその構造の作製方法を示す。まず、最初に基
板401上にn型クラッド層402、活性層403、p
型クラッド層404及びp型コンタクト層405を成長
する。次に、フォトリソグラフィーによるパターニング
により、ストライプ状のレジスト408をウエハー表面
に形成し、このレジストをマスクとしてp型クラッド層
を所望の厚みだけ残るようにウェットエッチングするこ
とにより、ストライプ状のリッジが形成される。この
後、ウエハー全面に絶縁性を有する保護膜409を形成
し、フォトリソグラフィーによりリッジの頂部の保護膜
を除去し、さらにp側電極410及びn側電極411を
形成する。このようにしてリッジ構造を形成することに
より、レーザ発振において横モードを安定化し、しきい
値電流を低減することができる。
【0003】しかしながら、このような従来のリッジ導
波路半導体光デバイス装置の製造法では、リッジ部をエ
ッチングにより形成するため、非リッジ部406におけ
るクラッド層の厚みを精度よく制御することが困難であ
った。その結果、非リッジ部のクラッド層の厚みのわず
かな違いにより、この部分の実効屈折率が大きく変動
し、半導体光デバイス装置のレーザ特性が変動し製品歩
留まりを向上させることが難しかった。
【0004】このような問題を解決するために、非リッ
ジ部のクラッド層の厚みを結晶成長時の結晶成長速度を
用いて決定し、非リッジ部に保護膜を形成して、リッジ
部分を再成長する方法が提案されている(特開平5−1
21822号公報、特開平9−199791号公報、特
開平10−326934号公報、特開平10−3269
35号公報、特開平10−326936号公報、特開平
10−326937号公報、特開平10−326938
号公報、特開平10−326945号公報等)。このよ
うなレーザの作製方法と構造を図5に示す。リッジ部形
成の際、保護膜506をマスクとしてストライプ状開口
部507上に選択再成長し、成長速度の面方位に対する
異方性により、p型第2クラッド層508およびp型コ
ンタクト層509が台形等の断面形状で順次積層され
る。この方法によれば、非リッジ部のp型第1クラッド
層504の厚みを精密に制御することが可能となり、実
効屈折率の制御が容易になる。
【0005】しかしながら、この方法により製造される
半導体光デバイス装置にも課題がある。例えば、特開平
5−121822号公報に記載されているようなリッジ
導波型レーザは、単一の基本横モードを達成するために
光導波構造を製作しようとすると、リッジ頂部のリッジ
幅を1μm程度としなければならず、コンタクト層と電
極の接触面積が極めて小さくなるため、コンタクト層と
電極との接触抵抗が増大し、またリッジ側壁のクラッド
層の表面の酸化により、レーザ特性の劣化や信頼性の低
下等を招いていた。その結果、製品歩留まりを向上させ
ることが困難であった。また、特開平9−199791
号公報に記載されているようなリッジ導波型レーザの場
合には、リッジの最下部が逆メサ形状となるため、コン
タクト層が形成できず、酸化されやすく寿命に悪影響を
与えるという問題がある。また、同じくリッジの最下部
には、電極が形成しにくくなるため、断線の恐れがあ
り、歩留まりに悪影響を与えるという問題がある。この
ため、信頼性が高くて製造の歩留まりが良い半導体光デ
バイス装置を提供することが求められている。
【0006】一方、近年では光ディスクの高密度化が急
速に進んでおり、これに合わせるように光源の開発が精
力的に行われている。ディスク板面上での集光スポット
径を小さくするために、従来の近赤外(780nm近傍)半
導体レーザに代わって、赤色レーザ(635〜690nm付近)
の実用化が始まり、青色半導体レーザ波長(400〜420nm
付近)も開発段階ではあるがCW動作での長寿命化が達
成されつつある。一方、レーザビームを集光してディス
ク板面上にスポットを絞り込みやすくするにはレーザビ
ームが円形に近い方が好ましいが、実際には活性層に平
行な面に水平方向のビーム拡がり角が垂直方向に比べて
約1/3程度に小さくなっている。通常、レーザ光出射
端面での光強度分布は横方向に大きくなることが、水平
方向の拡がり角を小さくする要因となっている。これに
ついては、ストライプ状開口部の幅を狭くすることによ
り、出射端面での光強度分布を小さくして、より円形に
近いビームを得ることが可能となるが、ストライプ状開
口部の幅を狭くすることは活性領域への電流注入密度を
向上させてしまい、バルク劣化が促進しやすくなって信
頼性を低下させるという問題がある。特に、AlGaI
nP系、AlGaInN系、MgZnSSe系等の短波
長用光源用材料においては、従来のAlGaAs系に比
べて電流注入によるバルク劣化が大きくなるために、こ
の問題はより深刻となる。また、円形に近いビームを使
用できると、レーザビームの利用効率向上(レンズでカ
ットされる光量が少なくなる)、ビーム形状補正板の不
要などの利点もある。したがって、高い信頼性を維持し
たままビームスポット径が小さくした半導体光デバイス
装置を提供することが求められている。
【0007】一方、ディジタルビデオディスクを中心と
する記録密度向上のために、情報処理用光源として従来
のAlGaAs(波長780nm近傍)に代わって、A
lGaInP系を用いた可視(通常630〜690n
m)レーザが実用化され始めている。短波長化、低しき
い値、高温動作を達成するために、これまでにも以下に
述べる検討がなされている。
【0008】AlGaInP/GaInP系からなる可
視レーザの作製において、(100)面から[011]
方向(もしくは[0−1−1]方向)にオフした基板を
用いることにより、自然超格子の形成(オーダーリン
グ)によるバンドギャップの縮小を抑制し、短波長化し
やすくしたり、p型ドーパント(たとえばZn、Be、
Mg)の高濃度ドーピングをしやすくし、ヘテロ障壁の
増大による素子の発振しきい値電流や温度特性を向上さ
せることが可能になった。ただし、オフ角度が小さいと
きには、ステップバンチングが顕著に現れ、ヘテロ界面
に大きな凹凸が形成されてしまい、量子井戸構造(約1
0nm以下のGaInP井戸層)を作製したときに、バ
ルク活性層に対する量子効果によるPL波長(あるいは
発振波長)の短波長化シフト量が設計値より小さくなっ
てしまう。オフ角度を大きくすることにより、ステップ
バンチングを抑制し、ヘテロ界面が平坦となり、設計通
りに量子効果による短波長化が可能となる。このよう
に、短波長化の阻害要因となっている自然超格子の形成
やステップバンチングの発生を抑制し、かつp型高濃度
ドーピングにより短波長化による発振しきい値電流の増
加及び温度特性の劣化を抑制するために、通常(10
0)面から[011]方向(もしくは[0−1−1]方
向)に8〜16度程度オフした基板が用いられる。ただ
し、650nm、635nmなどの目的とする波長によ
り、GaInP井戸層の厚みや歪み量を考慮して、適切
なオフ角度を選択する必要がある。一方、短波長化のた
めにオフ角度の大きい基板を用いると、リッジ導波型レ
ーザにおけるリッジ形状の左右非対称性が光強度分布の
左右非対称性に影響を与えるという問題がある。
【0009】また近年では、光ファイバー増幅器につい
ても急速な研究開発および実用化が進められており、光
通信の分野において大規模な波長多重伝送システムが構
築され始めている。一方、半導体光増幅器は、光スイッ
チ、変調器、レーザなどの他の半導体光デバイスとのモ
ノリシックな集積が可能であること、増幅器の波長帯域
が広いなどの利点を有しており、光通信分野への応用に
向けた研究開発が活発になされている。さらに、半導体
光増幅器のもつ大きな非線形性を積極的に利用した波長
変換や光ゲートとしての利用といった新しい応用が検討
され始めている。しかし、従来の光半導体増幅器には、
光ファイバーとの結合、クロストーク、偏波依存性、雑
音などに改善の余地があり、これらが実用面での障害と
なっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにこれまで
に様々な技術が開発されるに至っているが、リッジ導波
型の半導体光デバイス装置にはいまだ改善の余地が残さ
れており、改良技術の開発が待たれている。そこで、本
発明は上記の従来技術の問題点に対処し、より優れた半
導体光デバイス装置を提供することを課題とした。すな
わち本発明は、ビームスポット径が小さくて信頼性が高
く、かつ製造の歩留まりがよい半導体発光素子を提供す
ることを解決すべき課題とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、ストライプ状開口部
の幅が開口中央部(装置中央部)より開口前端部(装置
前端面)の方が狭くなるように設計することにより、半
導体光デバイス装置の高い信頼性を維持しつつビームス
ポット径を小さくすることができることを見出した。ま
た、再成長により形成したリッジ部分の頂部及び側面部
を覆うようにコンタクト層を形成し、コンタクト層と電
極との接触面積を増大させることにより、接触抵抗を下
げるとともに、特にAlを含むクラッド層のリッジ側面
の表面酸化を防止し、レーザ特性や信頼性を向上させる
ことができることを見出した。さらに、AlGaInP
/GaInP系可視レーザのように、短波長化のために
オフ角度の大きい基板を用いた場合にも、上記リッジ導
波型レーザにおけるリッジ形状の左右非対称性が、光強
度分布の左右非対称性に影響をほとんど受けることがな
く、安定な基本横モードが高出力動作まで得られること
を見出し、本発明を提供するに至った。
【0012】即ち本発明は、基板上に、活性層を含む化
合物半導体層、該化合物半導体層上に形成されたストラ
イプ状開口部を有する保護膜、該ストライプ状開口部を
覆うように形成された該活性層より屈折率の小さいリッ
ジ型の化合物半導体層を少なくとも有し、該ストライプ
状開口部の開口中央部の幅(Wc)よりも開口前端部の
幅(WF)が狭いことを特徴とする半導体光デバイス装
置を提供するものである。
【0013】本発明の半導体光デバイス装置の好ましい
態様として、Wc−WF≧0.2μmである態様;Wc
−WF≧0.5μmである態様;Wc−WF≦5μmであ
る態様;Wc−WF≦3μmである態様;Wc−WF≦2
μmである態様;Wc≧2.2μmである態様;Wc≦
50μmである態様;前記リッジ型の化合物半導体層の
リッジ頂部および側面には保護膜が形成されていない態
様;前記リッジ型の化合物半導体層のリッジ頂部および
側面を覆うようにコンタクト層が形成されている態様;
前記基板の結晶成長面が(100)面又はそれと結晶学
的に等価な面であり、前記保護膜のストライプ状開口部
の長手方向が[01−1]方向又はそれと結晶学的に等価
な方向である態様;前記リッジ型化合物半導体層が少な
くとも保護膜上の一部に形成されている態様を挙げるこ
とができる。
【0014】本発明の半導体光デバイス装置の具体的態
様(第1の態様)として、さらに前記ストライプ状開口
部の開口中央部の幅(Wc)よりも開口後端部の幅(W
R)が狭いことも特徴とする態様を挙げることができ
る。第1の態様の好ましい例として、WF=WRである態
様;前記ストライプ状開口部の幅が、開口中央部から開
口前端部へ向かって漸減している部分を有する態様;前
記ストライプ状開口部の幅が、開口中央部から開口後端
部へ向かって漸減している部分を有する態様;ストライ
プ状開口部の幅が、開口前端部近傍では概略一定である
態様;ストライプ状開口部の幅が、開口後端部近傍では
概略一定である態様;WF≧0.5μm、および、WR
0.5μmである態様;WF≧1μm、および、WR≧1
μmである態様;WF≦10μm、および、WR≦10μ
mである態様;WF≦3μm、および、WR≦3μmであ
る態様;WF/Wc≧0.02、および、WR/Wc≧
0.02である態様;WF/Wc≧0.1、および、WR
/Wc≧0.1である態様;WF/Wc≦0.85、お
よび、WR/Wc≦0.85である態様;WF/Wc≦
0.7、および、WR/Wc≦0.7である態様を挙げ
ることができる。
【0015】本発明の半導体光デバイス装置の別の具体
的態様(第2の態様)として、さらにWF≦Wc≦WR
あることも特徴とする態様を挙げることができる。第2
の態様の好ましい例として、WR−WF≧0.5μmであ
る態様;WR−WF≦100μmである態様;WR−WF
50μmである態様を挙げることができる。本発明の半
導体光デバイス装置は、半導体発光装置、半導体レーザ
や半導体光増幅器などとして有用である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の半導体光デバイス装置に
ついて、以下に各層の詳細と製造工程例を示しながら具
体的に説明する。本発明の半導体光デバイス装置を作製
する際の結晶の成長方法は特に限定されるものではな
く、DH構造の結晶成長にはMOCVD法やMBE法等
の公知の成長法を用いることができる。本発明の半導体
光デバイス装置に使用する基板は、その上にダブルへテ
ロ構造の結晶を成長することが可能なものであれば、材
料の特性や種類については特に限定されない。好ましい
のは導電性がある材料であり、望ましくはその上への結
晶薄膜成長に適したGaAs、InP、GaP、ZnS
e、ZnO、Si、Al 23等の結晶基板、特に閃亜鉛
鉱型構造を有する結晶基板である。基板結晶成長面は低
次な面またはそれと結晶学的に等価な面が好ましく、
(100)面が最も好ましい。
【0017】なお、本明細書において「(100)面」
という場合は、必ずしも厳密に(100)シャストの面
である必要はなく、最大30°程度のオフアングルを有
する場合まで包含する。オフアングルの大きさは上限は
30°以下が好ましく、16°以下がより好ましく、下
限は0.5°以上が好ましく、2°以上がより好まし
く、6°以上がさらに好ましく、10°以上が最も好ま
しい。また、基板は六方晶型の基板でもよく、その場合
はAl23、6H−SiC等の上にも形成される。
【0018】基板上に形成される、活性層を含む化合物
半導体層は、通常、活性層の上下に活性層より屈折率の
小さい層を含んでおり、そのうち基板側の層は第1導電
型クラッド層、他方のエピタキシャル側の層は第2導電
型第1クラッド層として機能する。このほか光ガイド層
として機能する層を含んでいてもよい。ストライプ状開
口部の上に形成される活性層より屈折率の小さい層を含
むリッジ型の化合物半導体層は、通常は大部分が第2導
電型第2クラッド層からなる。第2導電型第2クラッド
層の他には、例えば光ガイド層として機能する層を含ん
でいてもよい。リッジ頂部および側面の実質的全面は、
低抵抗のコンタクト層によって覆われていることが好ま
しい。
【0019】クラッド層、活性層及びコンタクト層につ
いても特に限定されないが、AlGaAs、AlGaI
nAs、AlGaInP、GaInAsP、AlGaI
nN、BeMgZnSe、MgZnSSe、CdZnS
eTe等の一般的なIII-V 族、II-VI 族半導体を用い
て、活性層を2層のクラッド層で挟んだダブルへテロ構
造を作製するのが好ましい。このとき、クラッド層とし
ては活性層より屈折率が小さい材料が選択され、コンタ
クト層としては通常はバンドギャップがクラッド層より
も小さい材料が選択される。金属電極とのオーミック性
を取るための低抵抗で適当なキャリア密度として、下限
は、1×1018cm-3以上が好ましく、3×1018cm
-3以上がより好ましく、5×1018cm-3以上が最も好
ましい。上限は、2×1020cm-3以下が好ましく、5
×1019cm-3以下がより好ましく、3×1019cm-3
以下が最も好ましい。また、活性層は、単一の層からな
る場合に限定されず、量子井戸層及び該量子井戸層を上
下から挟む光ガイド層からなる単一量子井戸構造(SQ
W)や複数の量子井戸層及びそれらに挟まれたバリア層
ならびに最上の量子井戸層の上及び最下の量子井戸層の
下に積層された光ガイド層からなる多量子井戸構造(M
QW)であってもよい。
【0020】保護膜についても特に限定されないが、ス
トライプ状開口部に形成されたリッジ部の下の活性層の
領域にのみ電流注入を行えるようにする必要がある。す
なわち、ストライプ状開口部両脇の保護膜で電流狭窄を
行うために、保護膜は絶縁性を有する必要がある。ま
た、活性層では水平方向にリッジ部と非リッジ部の間で
実効屈折率差をつけ、レーザ発振の横モードの安定化を
図るために、保護膜の屈折率はクラッド層の屈折率より
も小さいことが好ましい。しかし、実用上は、保護膜と
クラッド層との屈折率差が大きすぎると活性層内での横
方向の有効屈折率段差が大きくなり易いために、リッジ
下の第1クラッド層を厚くしなければならなくなり、横
方向に漏れ電流が大きくなる傾向がある。一方、保護膜
とクラッド層との屈折率差が小さすぎる場合、保護膜の
外側へ光が漏れやすくなるために保護膜をある程度厚く
する必要があるが、このことにより劈開性が悪くなる傾
向がある。これらを考え併せて、保護膜とクラッド層と
の屈折率差の下限は0.2以上が好ましく、0.3以上
がより好ましく、0.5以上が最も好ましい。上限は
3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、
1.8以下が最も好ましい。また、保護膜の厚みは、絶
縁特性を充分に示すことができ、かつ保護膜の外側に光
が漏れない程度の厚さがあれば特に問題はない。保護膜
の厚みの下限は10nm以上が好ましく、30nm以上
がより好ましく、50nm以上が最も好ましい。上限は
500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ま
しく、200nm以下が最も好ましい。保護膜の厚みは
100〜300nmの範囲が推奨される。
【0021】保護膜は、誘電体であることが好ましく、
具体的には、SiNX膜、SiO2膜、SiON膜、Al
23膜、ZnO膜、SiC膜及びアモルファスSiから
なる群から選択されるのが好ましい。保護膜は、マスク
としてMOCVDなどを用いてリッジ部を選択再成長に
より形成する場合に用いられるとともに、電流狭窄の目
的でも用いられる。プロセスの簡便さから、電流狭窄用
の保護膜と選択成長用の保護膜は同一組成のものを使用
することが好ましいが、必要に応じて組成の異なる層を
多層に成膜してもよい。
【0022】閃亜鉛鉱型基板を用い、かつ基板表面が
(100)面又はそれと結晶学的に等価な面の場合、リ
ッジ部頂部および側面に後述するコンタクト層を成長し
やすくするためには、ストライプ状開口部の長手方向
(ストライプの伸びる方向)が[01−1]方向又はそ
れと結晶学的に等価な方向に伸びていることが好まし
い。その場合リッジ側面の大部分が(311)A面とな
ることが多く、リッジを形成する第2導電型第2クラッ
ド層上の成長可能な実質的全面にコンタクト層を成長さ
せることができる。この傾向は第2導電型第2クラッド
層がAlGaAs特にAlAs混晶比0.2〜1.0、
好ましくは0.3〜0.9、最も好ましくは0.4〜
0.8のときに特に顕著である。オフアングルの方向
は、ストライプ状開口部の長手方向に直交する方向か
ら、±30°以内の方向が好ましく、±7°以内の方向
がより好ましく、±2°以内の方向が最も好ましい。ま
た、ストライプ状開口部の長手方向は、基板の面方位が
(100)の場合、[0−11]またはそれと等価な方
向が、オフアングルの方向は[011]方向またはそれと
等価な方向から±30°以内の方向が好ましく、±7°
以内の方向がより好ましく、±2°以内の方向が最も好
ましい。なお、本明細書において「[01−1]方向」
という場合は、一般的なIII −V族、II−VI族半導体に
おいて、(100)面と[01−1]面との間に存在す
る[11−1]面が、それぞれV族又はVI族元素が現れ
る面であるように[01−1]方向を定義する。
【0023】本発明の半導体光デバイス装置は、上記の
ストライプ状開口部が[01−1]方向の態様に限定さ
れない。以下に他の実施態様を説明する。ストライプ状
開口部が[011]方向又はそれと結晶学的に等価な方
向に伸びている場合、例えば、成長条件により、成長速
度に異方性をもたせることができ、(100)面では速
く、(111)B面ではほとんど成長しないようにする
ことができる。その場合、ストライプ状開口部(10
0)面に選択的に成長を行うと、(111)B面を側面
とするリッジ状第2導電型第2クラッド層が形成され
る。この場合も次にコンタクト層を形成する際、より等
方性の強い成長が起こる条件を選ぶことにより、(10
0)面のリッジ頂部とともに(111)B面からなるリ
ッジ頂部および側面にも全面的にコンタクト層が形成さ
れる。
【0024】同様の理由により、ウルツァイト型の基板
を用いた場合には、ストライプ状開口部の長手方向は、
例えば(0001)面上では[11−20]又は[1−1
00]が好ましい。HVPE(Hydride Vapor Phase Epit
axy)ではどちらの方向でもよいが、MOCVDでは[1
1−20]方向がより好ましい。
【0025】本発明の半導体光デバイス装置を設計する
にあたっては、まず、所望の垂直拡がり角を得るために
活性層の厚みとクラッド層の組成を決定する。垂直広が
り角を狭くすると活性層からクラッド層への光の浸みだ
しが促進され、端面での光密度が小さくなり、出射端面
の光学的損傷(COD)レベルを向上させることができ
る。したがって、高出力動作を必要とするときには垂直
広がり角を比較的狭めに設定するが、下限は活性層内の
光閉じ込めの低減による発振しきい値電流の増大及びキ
ャリアのオーバーフローによる温度特性の低下を抑制す
ることで制限がある。下限は15°以上が好ましく、1
7°以上がより好ましく、19°以上が最も好ましい。
上限は30°以下が好ましく、27°以下がより好まし
く、25°以下が最も好ましい。
【0026】次に、垂直広がり角を決定すると、高出力
特性を大きく支配する構造パラメータは活性層と保護膜
との間の距離dpと、化合物半導体層に垂直な方向から
見たときのストライプ状開口部の幅(以下「ストライプ
幅」ともいう)Wとなる。なお、通常、活性層と保護膜
との間には第2導電型第1クラッド層のみが介在する
が、その場合dpは第2導電型第1クラッド層の厚みと
なる。また、活性層が量子井戸構造である場合は、最も
保護膜に近い活性層と保護膜との間の距離のがdpとな
る。高出力動作の達成や、高信頼性を維持しつつビーム
が円形に近いレーザを実現を図るためには、上記のdp
とWを適切な範囲に制御性良くおさめることが必要とな
る。
【0027】円形に近いビームを実現するには、ストラ
イプ幅を狭くすることが有効であるが、ストライプ幅を
狭くすると注入電流密度がバルク劣化抑制の観点から好
ましくなくなる。そこで、ゲイン領域となるストライプ
状開口部の中央部幅(Wc)を比較的広くし、端部幅
(WF、WR)を比較的狭くなるようにすることにより、
ビームスポット低減と低動作電流を同時に実現するとと
もに、高い信頼性も確保することが可能になる(本発明
の第1の態様)。すなわち、端部(劈開面)幅(WF
R)については、上限が10μm以下であることが好
ましく、5μm以下であるがより好ましく、3μm以下
であるがもっとも好ましい。下限は0.5μm以上であ
ることが好ましく、1μm以上であることがより好まし
い。中央部幅(Wc)については、上限が100μm以
下であることが好ましく、50μm以下であることがよ
り好ましい。下限は0.5μm以上が通常用いられ、
1.0μm以上であることが好ましく、1.2μm以上
であることがより好ましく、1.7μm以上であること
がさらにより好ましく、2.2μm以上であることが最
も好ましい。端部幅と中央部幅の差(Wc−WF、Wc
−WR)については、上限は100μm以下が好まし
く、50μm以下がより好ましい。下限については、
0.2μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ま
しく、0.7μm以上が最も好ましい。ストライプ状開
口部の端部幅と中央部幅の比(WF/WC、WR/WC
は、上限は0.85以下であることが好ましく、0.7
以下であることがより好ましい。下限については0.0
2以上であることが好ましく、0.1以上であることが
より好ましい。
【0028】さらに横モードをシングルモード(単一ピ
ークの横方向光強度分布)にするためには、高次モード
のカットオフ及び空間的ホールバーニングの防止の観点
からストライプ幅をあまり大きくすることができず、端
部幅(WF、WR)の上限は5μm以下であることが好ま
しく、4μm以下であることがより好ましい。中央部幅
(Wc)の上限は6μm以下であることが好ましく、5
μm以下であることがより好ましい。このとき、中央部
幅(Wc)については1.5〜4.0μmの範囲が特に
推奨される。端部幅と中央部幅の差(Wc−WF、Wc
−WR)については、上限は5μm以下であることが好
ましく、3μm以下であることがより好ましく、2μm
以下であることが最も好ましい。下限については、0.
2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であ
ることがより好ましい。
【0029】ストライプ状開口部は、中央部から端部へ
向かってストライプ幅が漸減している部分を有するのが
好ましい。また、端部ではストライプ幅が一定の部分を
有しているのが好ましい。これらの漸減部分と幅一定の
端部の長さは、半導体光デバイス装置の目的とする特性
に応じて適宜決定すればよい。漸減部分の長さは、導波
路損失低減の観点から5〜10μmが好ましく、10〜
50μmがより好ましい。幅一定の端部の長さは、劈開
精度の観点から5〜30μmが好ましく、10〜20μ
mがより好ましい。ただし、必要に応じて、以下のよう
にストライプ状開口部を作製してもよい。 (1)幅一定の端部や漸減部分のストライプ幅あるいは
長さがチップ両側で非対称となるもの。 (2)幅一定の端部を形成せずに、端部まで幅が漸減す
るようにしたもの。 (3)片側(通常は高出力光取り出し側である前端面)
の端部だけストライプ幅が漸減するようにしたもの。 (4)端部におけるストライプ幅が前端面と後端面とで
異なるもの。 (5)上記の(1)〜(4)のいくつかを組み合わせた
もの。
【0030】また、端面付近に電極を設けないようにし
て、端部近傍のストライプ状開口部への電流注入による
バルク劣化の抑制や端面での再結合電流を低減すること
が、高い信頼性でスポット径の小さなレーザの作製を可
能にする点で有効である。
【0031】通常、半導体層をエッチング(特にウェッ
トエッチング)でストライプ幅を決定するときは、特定
の面が選択的に出やすくなるために、ストライプ幅を漸
減させようとするとストライプエッジが揺らいでしまう
ためにストライプのエッジが階段状に変化してしまい、
この階段状のエッジのうねりが水平方向の遠視野像にリ
ップルや大きなサイドピークなどの乱れが発生しやすく
なる。一方、本発明の好ましい実施態様では、ストライ
プ幅漸増または漸減部分はSiNXアモルファス膜のエ
ッチングで形成されるために、直線的にストライプ幅を
増加または減少させることができることから、リップル
やサイドピークのない良好な単峰性のピークを容易に得
ることができる。
【0032】本発明は、ストライプ状開口部の幅が前端
部、中央部、後端部の順に広くなる態様(本発明の第2
の態様)を包含する。ストライプ状開口部の前端部の幅
と後端部の幅の差(WR−WF)は、上限は100μm以
下であることが好ましく、50μmであることがより好
ましい。下限は0.5μm以上であることが好ましい。
【0033】さらに横モードをシングルモード(単一ピ
ークの横方向光強度分布)にするためには、高次モード
のカットオフ及び空間的ホールバーニングの防止の観点
からストライプ幅をあまり大きくすることができず、端
部幅(WF、WR)の上限は7μm以下であることが好ま
しく、6μm以下であることがより好ましい。中央部幅
(Wc)の上限は6μm以下であることが好ましく、5
μm以下であることがより好ましい。このとき、中央部
幅(Wc)については1.5〜4.0μmの範囲が特に
推奨される。端部幅と中央部幅の差(Wc−WF、WR
Wc)については、上限は5μm以下であることが好ま
しく、3μm以下であることがより好ましく、2μm以
下であることが最も好ましい。下限については、0.2
μm以上であることが好ましく、0.5μm以上である
ことがより好ましい。
【0034】ストライプ状開口部がテーパー状であるリ
ッジ構造の形成方法として、従来から用いられているウ
エットエッチングを採用すると、エッチングレートの結
晶面方位依存によるリッジ両脇でのエッジの波打ちが大
きくなり、光導波ロスが大きくなったり、遠視野像に乱
れが生じるといった問題がある。特に、ストライプ幅が
狭い領域においては深刻な問題となる。このため本発明
では、アモルファス膜(誘電体保護膜)をフォトリソグ
ラフィーでパターニングして電流ブロック領域を作製
し、リッジ部がアモルファス膜(誘電体保護膜)にのり
かかるように選択成長により形成することが好ましい。
この方法によれば、任意の活性領域パターンの形状制御
が可能となり、例えば直線のみならず放物線状のテーパ
ー形成も容易に行うことができる。さらに、ストライプ
幅が狭くてもアモルファス膜の開口部エッジに大きな波
打が生じないことから、光導波ロスの顕著な増加は起こ
らない。
【0035】本発明の半導体光デバイス装置における共
振器方向でのストライプ状開口部の幅の変化を図3に具
体的に示す。図3(a)は本発明の第1の態様の具体例
を示したものであり、図3(b)は本発明の第2の態様
の具体例を示したものであるが、各態様の具体例はこれ
らに限定されるものではない。
【0036】dpについては、上限は0.60μm以下
が通常用いられ、0.50μm以下が好ましく、0.4
5μm以下がより好ましく、0.40μm以下が最も好
ましい。下限は0.10μm以上が好ましく、0.15
μm以上がより好ましく、0.20μm以上が最も好ま
しい。このとき、dpについては0.25〜0.45μ
mの範囲が特に推奨される。ただし、使用目的(広がり
角をどこに設定するか等)、材料系(屈折率、抵抗率
等)などが異なると、上記の最適範囲も少しシフトす
る。また、この最適範囲は上記の各構造パラメータがお
互いに影響し合うことにも注意を要する。
【0037】本発明の半導体光デバイス装置を製造する
際には、基板上に、まずダブルヘテロ構造を形成後、保
護膜を用いてリッジ型の第2導電型第2クラッド層及び
第2導電型コンタクト層を選択成長し、さらに、該リッ
ジ頂部および側面に保護膜を形成することなく該リッジ
の頂部および側面に電極を形成するのが好ましい。各層
の具体的成長条件等は、層の組成、成長方法、装置の形
状等に応じて異なるが、MOCVD法を用いてIII-V族
化合物半導体層を成長する場合、ダブルへテロ構造は、
成長温度650〜750℃程度、V/III比20〜60程
度(AlGaAsの場合)あるいは350〜550程度
(AlGaInPの場合)、リッジ部分は成長温度60
0〜700℃、V/III比40〜60程度(AlGaAs
の場合)あるいは350〜550程度(AlGaInP
の場合)で行うのが好ましい。特に保護膜を用いて選択
成長するリッジ部分がAlGaAs、AlGaInPの
ようにAlを含む場合、成長中に微量のHClガスを導
入することにより、マスク上へのポリの堆積が防止され
ため非常に好ましい。Alの組成が高いほど、あるいは
マスク部/ストライプ状開口部の比が大きいほど、他の
成長条件を一定とした場合、ポリの堆積を防止し、かつ
ストライプ状開口部のみに選択成長を行う(セレクティ
ブモード)のに必要なHCl導入量は増加する。一方、
HClガスの導入量が多すぎるとAlGaAs層の成長
が起こらず、逆に半導体層がエッチングされてしまうが
(エッチングモード)が、Al組成が高くなるほど他の
成長条件を一定とした場合、エッチングモードになるの
に必要なHCl導入量は増加する。そこで、最適なHC
l導入量はトリメチルアルミニウム等のAlを含んだII
I族原料供給モル数に大きく依存する。具体的には、H
Clの供給モル数とAlを含んだIII族原料供給モル数
の比(HCl/III族)は、下限は0.01以上が好ま
しく、0.05以上がより好ましく、0.1以上が最も
好ましい。上限は、50以下が好ましく、10以下がよ
り好ましく、5以下が最も好ましい。
【0038】なお、第2導電型第2クラッド層がAl
(Ga)As、Al(Ga)AsP、Al(GaIn)
As、Al(GaIn)P、Al(GaIn)N等Al
を含むIII−V族化合物半導体で構成されている場合
は、その成長可能な実質的全面をGaAs、GaAs
P、GaInAs、GaInP、GaInN等のAlを
含まないIII−V族化合物半導体で覆うことにより、
表面酸化防止が可能となり好ましい。
【0039】本発明の好ましい半導体光デバイス装置に
おいては、基板上に、活性層を含む化合物半導体層、そ
の上に形成されたストライプ状開口部を有する保護膜、
該ストライプ状開口部上に活性層より屈折率の小さいリ
ッジ型の化合物半導体層、実質的リッジ形状の全面に形
成されたコンタクト層を少なくとも有し、該ストライプ
状開口部の幅を2.2μm以上1000μm以下にする
ことによって、高出力動作を実現することができ、さら
にコンタクト層に隣接する電極及び該第2導電型第2ク
ラッド層とコンタクト層に十分な接触面積を持たせるこ
とにより装置全体の抵抗を低く抑えることができる。コ
ンタクト層が形成されたリッジの頂部および側面の一部
は、更に酸化防止等の目的で保護膜で覆うことも可能で
ある。この態様も、リッジ側面にコンタクト層を形成せ
ずに保護膜を形成するよりは装置全体の抵抗を小さく抑
えることができ、本発明に包含される。特に、AlGa
InP系やAlGaInN系など比抵抗の高い材料(と
りわけp型において)において、装置全体の抵抗低減に
は有効である。
【0040】本発明の別の好ましい実施態様では、スト
ライプ状開口部の上に活性層より屈折率の小さいリッジ
型の化合物半導体層の一部が保護膜上に重なるように形
成されていることを特徴とし、第2導電型第2クラッド
層の絶縁層上への重なりの部分は下限は0.01μmが
好ましく、0.1μm以上がより好ましく、上限は2.
0μm未満が好ましく、1.0μm以下がより好まし
い。このような態様を採用することにより、保護膜とリ
ッジ底部との境界近傍にしみ出す光分布の制御性を向上
させ、リッジ頂部および側面に形成されるコンタクト層
の光吸収を低減することができる。この態様を採用すれ
ば、従来のリッジ導波型レーザのように必ずしもリッジ
の側面に保護膜を形成する必要がなくなり、プロセスの
簡素化とコスト低減に有効である。リッジ側面に絶縁体
からなる保護膜を有しない構造は、リッジ部分が横方向
に成長しているためストライプ幅漸減または漸増部分の
リッジのうねりの影響を受けにくくなっている。したが
って、このような構造を有する半導体光デバイス装置
は、水平方向の遠視野像において、リップルやサイドピ
ークのない良好な単峰性のピークが容易に得られる。
【0041】本発明の別の好ましい実施態様では、スト
ライプ状開口部の幅が4μm以下であることを特徴と
し、該特徴により横モードをシングルモード(単一ピー
クの横方向光強度分布)にすることを可能にする。ま
た、本発明の半導体光デバイス装置は遠視野像が単一ピ
ークであるように構成することが可能であり、情報処理
や光通信などの幅広い用途に好適なレーザを供すること
ができる。
【0042】また、本発明の半導体光デバイス装置で
は、活性層と保護膜との間にクラッド層を形成し、該ク
ラッド層の厚みを0.10μm以上0.50μm以下に
することによって、ストライプ状開口部の幅において高
出力動作を実現し易くすることができる。さらに、本発
明の半導体光デバイス装置では、保護膜をSiNX膜、
SiO2膜、SiON膜、Al23膜、ZnO膜及びS
iC膜等の誘電体から構成することにより、上記条件に
おいて高出力動作を実現しやすくすることができる。こ
のとき、保護膜と第2導電型第1クラッド層との発振波
長における屈折率差が0.5以上2.0以下とすること
が好ましい。
【0043】また、第2導電型第2クラッド層の高さ
(厚さ)は、前述のストライプ状開口部の幅Wの0.2
5倍から2.0倍程度であるのが好ましい。この範囲で
あれば、周囲(後述する電流ブロック層やリッジダミー
領域)に比して著しく突出することがなく、ジャンクシ
ョンダウンで用いた場合にリッジ部にストレスがかかっ
て寿命に悪影響を与えることもなく、また、逆に周囲に
比して著しく低いために電極形成工程等の後工程が行い
難くなることもないため好ましい。
【0044】本発明の半導体光デバイス装置では、DH
構造のエピタキシャル面側に酸化防止層を設けた状態
で、リッジ形状のクラッドを再成長により形成すること
により、再成長界面で通過抵抗を増大させるような高抵
抗層の発生を防ぐことが容易にできるようになる。
【0045】酸化防止層としては、酸化されにくいか或
いは酸化されてもクリーニングが容易な材料であれば特
に限定されない。具体的には、Al等の酸化されやすい
元素を含まない元素の含有率が低い(0.3以下程度)
III-V族化合物半導体層が挙げられる。また、動作電流
の上昇を防ぐためには、材料または厚みの選択により活
性層からの光を吸収しないことが好ましく、活性層材料
よりバンドギャップの大きい材料から選択されるが、バ
ンドギャップが小さい材料であっても、厚さが50nm
以下、より好ましくは30nm以下、最も好ましくは1
0nm以下であれば、実質的に光の吸収がほとんど無視
できる。また、酸化防止層のバンドギャップを活性層と
同等以下とすることにより、酸化防止層を過飽和吸収層
として機能させることができ、低非点隔差と低ノイズ特
性の両立を図ることができる。
【0046】さらには、再成長部のクラッド層を絶縁体
からなる保護膜の上面にかかるように成長し、保護膜と
リッジの近傍にしみ出す光の分布の制御性を良くした
り、再成長部のクラッド層上の成長可能な面の実質的全
面にコンタクト層を成長させ、クラッド層側面の酸化を
抑制したり、エピタキシャル面側の電極との接触面積の
増加を行い、電極とのコンタクト抵抗を低減したりする
こともできる。これら再成長部のクラッド層やコンタク
ト層を保護膜上部にかかるように成長する工程は、それ
ぞれ単独に行っても良いし、両方を組み合わせても良
い。さらに、再成長でリッジを形成する場合にはリッジ
部の組成、キャリア濃度や成長速度の制御性を向上する
ために電流注入されるリッジ部より大面積となる電流注
入を行わないリッジダミー層を設けることも可能であ
る。この際、リッジダミー層の部分には、電流の通過を
防止するために酸化膜等との絶縁性の被服層やサイリス
タ構造等を作製する。また、オフ基板上に電流注入スト
ライプをオフ方向となるべく垂直な方向に形成させた場
合、再成長のリッジは左右非対称となるが、図6に示す
ような従来の半導体からなるブロック層よりも、保護膜
とリッジ部のクラッド層との屈折率差を容易に大きくす
ることができたり、ストライプ状開口部の方向を適切に
選ぶことにより再成長部のクラッド層が保護膜の上面に
かかるように成長させることができるので、保護膜とリ
ッジ近傍にしみ出す光の分布の対称性は良好であり、高
出力まで安定な基本横モード発振を得ることができる。
このように、本発明は様々なリッジストライプ型導波路
構造半導体光デバイス装置に応用可能である。
【0047】本発明の好ましい実施様態では、第2導電
型第1クラッド層の屈折率が第2導電型第2クラッド層
の屈折率よりも大きい。これにより、リッジ部分への光
分布(近視野像)の裾引きを抑制することができ、垂直
広がり角(遠視野像)の対象性向上、水平広がり角(遠
視野像)のサイドピーク抑制、或いはコントクト層での
光吸収抑制によるレーザ特性や信頼性の向上を達成する
ことができる。
【0048】本発明の望ましい別の実施様態では、第2
導電型第1クラッド層上の少なくともストライプ状開口
部直下、即ち、ストライプ状開口部及び好ましくはその
両側にも酸化防止層を有する。これによりリッジ部のク
ラッド層を再成長により形成する場合、再成長界面で通
過抵抗を増大させるような高抵抗層の発生を防ぐことが
可能になる。また、再成長界面に酸素等の不純物が多量
に存在すると、結晶品質を低下による界面での光吸収
(発熱)や欠陥を介した不純物拡散の促進などを引き起
こし、特性や信頼性の劣化を招いてしまう。
【0049】また、AlGaInP/GaInP系可視
レーザのように、短波長化のために(100)等の低次
の面方位に対してオフ角度の大きい基板を用いた場合に
は、上記リッジ導波型レーザにおけるリッジ形状が左右
対称な形状でも、光密度分布(あるいはビームプロファ
イル)の横方向の対称性が良好であるため、高出力まで
安定な基本横モードで発振することが可能であり、かつ
素子の作製歩留まりも大幅に向上させるとともに高い信
頼性を得ることもできる。
【0050】上記以外に、以下に列挙する様な実施態様
と組み合わせることが可能である等、本発明は様々なリ
ッジ導波型半導体光デバイス装置に応用可能である。 (1)ストライプ状開口部の両側を構成する保護膜の更
に外側に半導体、誘電体等の電流ブロック層を形成する
ことにより、劈開、組立時の歩留まりを向上させ、ジャ
ンクションダウンで組み立てた際のリッジ部へのストレ
スを軽減して長寿命とする。 (2)ストライプ状開口部の幅及び活性層と保護膜との
距離を適切な範囲内に設定すること、光の垂直広がり角
が特定範囲となる様な構成とすること等により、自励発
振を可能とする。 (3)ストライプ状開口部の両側を構成する保護膜の更
に外側にリッジダミー領域を有する構造を形成すること
により、ストライプ状開口部の厚みや組成、キャリア濃
度の制御を容易に行う。
【0051】本発明の半導体光デバイス装置は、従来の
ような複雑かつ微細なフォトリソグラフィ技術を用いず
に簡素化した工程で製造することができるため、作製歩
留まりも大幅に向上させることができるという利点もあ
る。
【0052】本発明を用いた半導体レーザ装置として、
情報処理用光源(通常AlGaAs系(波長780nm
近傍)、AlGaInP系(波長600nm帯)、In
GaN系(波長400nm近傍))について述べたが、
本発明はこれ以外にも、通信用信号光源(通常InGa
AsPあるいはInGaAsを活性層とする1.3μm
帯、1.5μm帯)レーザ、ファイバー励起用光源(I
nGaAs歪み量子井戸活性層/GaAs基板を用いる
980nm近傍、InGaAsP歪み量井戸活性層/I
nP基板を用いる1480nm近傍など)レーザなどの
通信用半導体レーザ装置など幅広い用途(特に、高出力
動作)に適用することができる。通信用レーザでは、特
にビームが円形に近いレーザはファイバとの結合効率を
高める点で有効である。
【0053】また、本発明の半導体光デバイス装置は、
半導体レーザ以外に半導体光増幅器、光検出器、光変調
器、光スイッチなどの光素子およびこれらの集積装置に
ついても応用が可能である。半導体光増幅器について
は、特にストライプ状開口部の幅がテーパー状であるも
の、なかでも前端部から後端部へ向かってストライプ幅
が減少している構造を有するものを好ましく用いること
ができる。本発明による半導体光増幅器は、利得飽和の
レベルが向上しており、ワット級の高出力素子の作製を
可能にするものである。さらに、本発明は半導体レーザ
以外に端面発光型などの発光ダイオード(LED)とし
ても応用可能である。
【0054】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、濃
度、厚さ、操作手順等は、本発明の精神から逸脱しない
限り適宜変更することができる。したがって、本発明の
範囲は以下の実施例に示す具体例に制限されるものでは
ない。
【0055】(実施例1)本実施例において、図1
(c)に示す断面構造を有する本発明の半導体光デバイ
ス装置を製造した。厚さ350μmで表面が(100)
面であるn型GaAs(n=1×1018cm-3)基板1
01上に、MOCVD法によりSiドープAlXGa1-X
As(x=0.55:n=1×1018cm-3)からなる
厚さ2.0μmのn型クラッド層102;アンドープA
XGa1-XAs(x=0.35)からなる厚さ10nm
の光ガイド層103、アンドープAlXGa1-XAs(x
=0.10)からなる厚さ8nmの井戸層104、アン
ドープAlXGa1-XAs(x=0.35)からなる厚さ
5nmのバリア層105、アンドープAlXGa1-XAs
(x=0.10)からなる厚さ8nmの井戸層104、
及びアンドープAlXGa1-XAs(x=0.35)から
なる厚さ10nmの光ガイド層103を順次積層してな
る二重量子井戸(DQW)活性層106;ZnドープA
XGa1-XAs(x=0.55:p=1×1018
-3) からなる厚さ0.30μmのp型第1クラッド層
107;ZnドープAlXGa1-XAs(x=0.2:p
=1×1018cm-3) からなる厚さ10nmの酸化防止
層108を順次積層することにより、ダブルヘテロ構造
を形成した(図1(a))。
【0056】次にこのダブルヘテロ基板の表面に Si
X保護膜109を200nm堆積させ、フォトリソグ
ラフィーによりこのSiNX保護膜に[01−1]方向
に伸びたストライプ状開口部110を多数開けた。スト
ライプ状開口部の幅は、図3に示すようにレーザチップ
作製時に中央部での幅(W2)を3μmで一定とし、端
部付近でストライプ幅が漸減し、端部(劈開面)での幅
(W1)を2μmで一定となるようにパターニングし
た。このとき、中央部の長さは400μm、漸減部分の
長さは両側とも30μm、幅一定の端部の長さは両側と
も20μmとした。
【0057】このストライプ状開口部110に、MOC
VD法を用いた選択成長により、ZnドープAlXGa
1-XAs(x=0.60:p=1×1018cm-3)から
なるリッジ中央で高さ2.0μmのp型第2クラッド層
111を成長した。このp型第2クラッド層は、主に
(311)A面をファセットとするリッジ形状を呈し
た。次に、この上に、MOCVD法を用いた選択成長に
より、キャリア濃度1×10 19cm-3のZnドープGa
Asからなるp型コンタクト層112を形成した。この
コンタクト層は、リッジ状のp型第2クラッド層111
上にほぼ等方的に成長させ、リッジ全面を覆う厚さ0.
5μmのp型コンタクト層112とした(図1
(b))。
【0058】上記のMOCVD法において、III 族原料
にはトリメチルガリウム(TMG)及びトリメチルアル
ミニウム(TMA)を、V族原料にはアルシンを、キャ
リアガスには水素を用いた。また、p型ドーパントには
ジメチル亜鉛(DEZ)、n型ドーパントにはジシラン
を用いた。また、リッジの成長時にはHClガスをHC
l/III 族のモル比が0.12、特にHCl/TMAの
モル比が0.22となるように導入した。
【0059】また、SEM観察によりリッジ状のp型第
2クラッド層は、図1に示すようにSiNXからなる保
護膜上に約0.4μm重なって形成されていることが確
認された。ストライプ幅漸減部分でリッジ側壁のうねり
が少し大きくなったが、この部分でも保護膜上に約0.
4μm重なって形成されていることが確認された。ま
た、すべてのストライプ幅において、コンタクト層はリ
ッジ側壁全面を覆っていた。これにより、リッジ状のp
型第2クラッド層が表面に露出し、表面酸化が進行する
ことを防止することができた。リッジ成長後に、従来法
のようにリッジ側壁の一部或いは全面をSiNX保護膜
で覆っても特に問題はないが、本実施例においては、プ
ロセスの簡素化、コンタクト抵抗の低減等を考慮してリ
ッジ側面に誘電体等からなる保護膜は形成しなかった。
【0060】この後、p側電極113を蒸着し、基板を
100μmまで薄くした後に、n側電極114を蒸着
し、アロイした(図1(c))。こうして作製したウエ
ハーより、劈開によりチップバーに切り出して、レーザ
共振器構造を形成した。このときの共振器長は500μ
mとした。前端面10%−後端面90%の非対称コーテ
ィングを施した後、2次劈開によりチップに分離した。
【0061】チップジャンクションダウンで組立した
後、25℃で連続通電(CW)にて電流−光出力、電流
−電圧特性を測定した。非常に良好な電流−電圧特性及
び電流−出力特性を示し、しきい値も1.7Vと活性層
のバンドギャップに対応する低い値で、高抵抗層が存在
しないことが確認できた。また、直列抵抗が4〜5Ωと
小さく、p型コンタクト層とp型電極の間の接触抵抗が
極めて小さいことが確認された。本実施例のレーザは、
光出力150mW動作までの高出力を達成できており、
発振波長が平均785nm、しきい値電流が平均20m
A、スロープ効率が平均1.0mW/mAである等特性
が非常に良好であり、光出力50mW時の垂直広がり角
は平均20°であり、設計通りの単一ピークの遠視野像
(ビーム広がり角)が得られ、光分布の制御が非常に良
好であることが確認された。光出力50mW時の水平拡
がり角は平均10°であり、垂直拡がり角の1/2程度
の大きさにすることができ、従来の高出力レーザよりも
円形に近くなった。このため、光学系での光の損失を低
減でき、水平方向の光軸調整が容易となるため、光ピッ
クアップに組み立てたときのレーザ特性や組立歩留まり
が非常に良好になった。また、水平方向の遠視野像にお
いても、リップルやサイドピークのない良好な単峰性の
ピークが得られた。このことは、ストライプ幅を直線的
に減少できていることのみならず、リッジ部分が横方向
に成長していることからストライプ漸減部分のリッジの
うねりの影響を受けにくくなっていることも要因と考え
られる。なお、本願明細書において「単一ピーク」と
は、必ずしも1本のピークの存在しか許さない意味では
なく、最大ピークの1/10以上の強度を有する他のピ
ークが存在しないことを意味する。これらの結果から、
本発明のレーザ構造において、CD−R、MD等の光デ
ィスクの書き込み用光源などに利用されることがわか
る。また、高い信頼性(60℃、50mWの高温、高出
力における1000時間以上安定動作)が得られること
が判明した。さらに、本実施例では諸特性のバッチ内及
びバッチ間のばらつきも小さいことが確認された。
【0062】また、上記の実施例よりもストライプ幅を
広くしていったところ、中央部における幅が5μm以上
になると、ほとんどの素子が単一横モード(単一ピーク
の横方向光強度分布)で発振しなくなってしまうことも
わかった。このことから、単一横モード発振を実現させ
るためには、中央部におけるストライプ幅が5μm以下
であることが望ましい。さらに、実験結果から高出力動
作ができる領域をシミュレーションにて確認した結果、
活性層内部での横方向有効屈折率段差は5x10-3
1.3x10-2程度に設定する必要があることが判っ
た。
【0063】(実施例2)アンドープAlXGa1-XAs
(x=0.35)光ガイド層の厚みが8nmでアンドー
プAlXGa1-XAs(x=0.10)井戸層の数が6つ
である多重量子井戸(MQW)活性層を形成し、Znド
ープAlXGa1-XAs(x=0.55:p=1×1018
cm-3) からなるp型第1クラッド層の厚さを0.35
μmとし、ストライプ状開口部の中央部幅(W2)を2
μmで一定とし、端部付近でストライプ幅が漸減し、端
部(劈開面)での幅(W1)を1μmで一定となるよう
にパターニングし、このとき中央部の長さを150μ
m、漸減部分の長さを両端とも30μm、幅一定の端部
の長さを両端とも20μmとし、ZnドープAlXGa1
-XAs(x=0.60:p=1×1018cm-3)からな
るp型第2クラッド層のリッジ中央の高さが1.5μm
の共振器の長さを250mとし、前端面、後端面ともに
32%の対称コーティングを施したこと以外は、実施例
1と同一作製プロセスでチップを試作した。
【0064】本実施例のレーザは、光出力10mW以上
の動作までの自励発振を達成できており、発振波長が平
均785nm、しきい値電流が平均20mA、スロープ
効率が平均0.6mW/mAである等特性が非常に良好
であった。光出力5mW時の垂直広がり角は平均30°
であり、設計通りの単一ピークの遠視野像(ビーム広が
り角)が得られ、光分布の制御が非常に良好であること
も確認された。光出力5mW時の水平方向の拡がり角は
平均15°であり、垂直拡がり角の1/2程度の大きさ
にすることができ、従来の自励発振レーザよりも円形に
近くなった。また、水平方向の遠視野像において、リッ
プルやサイドピークのない良好な単峰性のピークが得ら
れた。このことは、ストライプ幅を直線的に減少できて
いることのみならず、リッジ部分が横方向に成長してい
ることからストライプ漸減部分のリッジのうねりの影響
を受けにくくなっていることも要因と考えられる。これ
らの結果から、本発明のレーザ構造において、CD、M
D等の光ディスクの読み取り用光源などに利用されるこ
とがわかる。また、高い信頼性(80℃の高温における
8mW出力での1000時間以上安定動作)が得られる
ことが判明した。さらに、本実施例では諸特性のバッチ
内及びバッチ間のばらつきも小さいことが確認された。
【0065】また、この実施例よりもストライプ状開口
部の中央部幅W2を広くしていったところ、3μm以上
になると、ほとんどの素子が自励発振しなくなってしま
うこともわかった。このことから、自励発振を実現させ
るためには、ストライプ状開口部の中央部幅W2が3μ
m未満であることが望ましい。MQW活性層を用いて自
励発振レーザを作製する場合、井戸数は下限は3以上が
好ましく、4以上がより好ましい。上限は10以下が好
ましく、8以下がより好ましい。さらに、実験結果から
ストライプ状開口部の中央部幅W2と第2導電型第1ク
ラッド層の厚みdpが自励発振条件を満たす領域をシミ
ュレーションにて確認した結果、活性層内部での横方向
有効屈折率段差は2〜7x10-3程度、リッジ両脇への
光浸み出し割合Tact.outを10〜40%程度に設定す
る必要があることがわかった。
【0066】(実施例3)本実施例において、図2
(c)に示す断面構造を有する本発明の半導体光デバイ
ス装置を製造した。まず、最初に(100)面から[0
−1−1]A方向に10°あるいは15°程度オフさせ
た厚さ350μmのGaAs基板201の上に、MOC
VD法により厚さ0.5μmのSiドープn型GaAs
バッファ層(n=1x1018cm-3)(図示せず)、厚
さ1.5μmのSiドープAl0.75Ga0.25As(n=
1x1018cm-3)からなるn型第1クラッド層20
2、厚さ0.2μmのSiドープn型(Al0.7
0.30.5In0.5P(n=1x1018cm-3)からな
るn型第2クラッド層203、厚さ50nmのアンドー
プ(Al0.5Ga0.50.5In0 .5Pからなる光ガイド層
204あるいは厚さ5nmのアンドープ(Al0.5Ga0
.50.5In0.5Pバリア層206に挟まれた厚さ5〜6
nmのアンドープGa0. 44In0.56P井戸層205(3
層)からなる三重量子井戸(TQW)活性層207、厚
さ0.3μmのZnドープ(Al0.7Ga0.30.5In
0.5Pからなるp型第1クラッド層(p=7x1017
-3)208、厚さ5nmのZnドープp型Ga0.5
0.5P酸化防止層(p=1x1018cm-3)209を
順次積層することにより、ダブルへテロ構造を形成した
(図2(a))。このとき、酸化防止層は活性層で再結
合した光を吸収しないように組成を選択する方がしきい
値電流を低減する上では好ましいが、セルフパルセーシ
ョンさせるために意図的に光を吸収させて過飽和吸収層
として利用することも可能である。なお、光を吸収させ
ないようにするために、上記GaXIn1-XP酸化防止層
の組成をGaリッチ側(x=0.5〜1)に変えたり、
Alを若干量加える((AlXGa1-X0.5In0.5P、
x=0.1〜0.2程度)ことがさらに有効である。
【0067】次にこのダブルへテロ基板の表面に絶縁性
のSiNX保護膜(屈折率1.9、波長650nm近傍)
210を200nm堆積させ、フォトリソグラフィ法に
よりこのSiNX膜210にオフアングルの方向と直交
する[01−1]B方向にストライプ状開口部211を
多数開けた。ここで[01−1]B方向は、一般的なIII-
V族化合物半導体において、(100)面と(01−
1)面の間に存在する(11−1)面がV族元素が現れ
る面であるように定義する。ストライプ状開口部の幅
は、図3に示すようにレーザチップ作製時にストライプ
状開口部の中央部幅(W2)を4μmで一定とし、端部
付近でストライプ幅が漸減し、端部(劈開面)での幅
(W1)を3μmで一定となるようにパターニングし
た。このとき、中央部の長さは300μm、漸減部分の
長さは両側とも30μm、幅一定の端部の長さは両側と
も20μmとした。
【0068】このストライプ状開口部211に、MOC
VD法を用いた選択成長により、リッジ中央で高さ2.
0μmのZnドープp型Al0.75Ga0.25Asクラッド
層(p=1.5x1018cm-3;屈折率3.3、波長65
5nm)212と厚さ0.5μmのZnドープGaAs
コンタクト層213からなるリッジを形成した(図2
(b))。このとき、リッジの側面の大部分が(31
1)A面もしくはこれに近い面となることが多く、再成
長部のクラッド層を絶縁体からなる保護膜の上面にかか
るように成長し、再成長部のクラッド層上の成長可能な
面の実質的全面にコンタクト層を成長させることができ
る。そのため、保護膜とリッジの近傍にしみ出す光の分
布の制御性を良くしたり、クラッド層側面の酸化を抑制
したり、エピタキシャル面側の電極との接触面積の増加
を行い、電極とのコンタクト抵抗を低減したりすること
もできる。この傾向は再成長リッジ部がAlGaAs、
特にAlAs混晶比(Al組成)0.2〜0.9、好まし
くは0.3〜0.8の時に顕著である。
【0069】上記のMOCVD法において、III族原料
にはトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミ
ニウム(TMA)及びトリメチルインジウム(TMI)
を、V族原料にはアルシン及びホスフィンを、キャリア
ガスには水素を用いた。また、p型ドーパントにはジメ
チル亜鉛、n型ドーパントにはジシランを用いた。ま
た、リッジの成長時にはHClガスをHCl/III族の
モル比が0.2、特にHCl/TMAのモル比が0.3と
なるように導入した。
【0070】また、SEM観察によりリッジ状のp型第
2クラッド層は、図2に示すようにSiNXからなる保
護膜上に約0.4μm重なって形成されていることが確
認された。また、すべてのストライプ幅において、コン
タクト層はリッジ側壁全面を覆っていた。これにより、
リッジ状のp型第2クラッド層が表面に露出し、表面酸
化が進行することを防止することができた。リッジ成長
後に、従来法のようにリッジ側壁の一部或いは全面をS
iNX保護膜で覆っても特に問題はないが、本実施例に
おいては、プロセスの簡素化、コンタクト抵抗の低減等
を考慮してリッジ側面に誘電体等からなる保護膜は形成
しなかった。基板のオフ角度の影響により、リッジ形状
が若干左右非対称となった(図示せず)。
【0071】この後、p側の電極214を蒸着し、基板
を100μmまで薄くした後に、n側電極215を蒸着
し、アロイした(図2(c))。こうして作製したウエ
ハーより、劈開によりチップバーに切り出して、レーザ
共振器構造を形成した。このときの共振器長は500μ
mとした。前端面10%−後端面90%の非対称コーテ
ィングを施した後、2次劈開によりチップに分離した。
【0072】チップジャンクションダウンで組立した
後、25℃で連続通電(CW)にて電流−光出力、電流
−電圧特性を測定した。非常に良好な電流−電圧特性及
び電流−出力特性を示し、しきい値も1.7Vと活性層
のバンドギャップに対応する低い値で、高抵抗層が存在
しないことが確認できた。また、直列抵抗が5〜6Ωと
小さく、p型コンタクト層とp型電極の間の接触抵抗が
極めて小さいことが確認された。本実施例のレーザは、
光出力100mW動作までの高出力を達成できており、
発振波長が平均655nm、しきい値電流が平均20m
A、スロープ効率が平均1.0mW/mAである等特性
が非常に良好であり、光出力35mW時の垂直広がり角
は平均23°であり、設計通りの単一ピークの遠視野像
(ビーム広がり角)が得られ、光分布の制御が非常に良
好であることが確認された。光出力35mW時の水平拡
がり角は平均10°であり、垂直拡がり角の1/2程度
の大きさにすることができ、従来の高出力レーザよりも
円形に近くなった。また、水平方向の遠視野像におい
て、リップルやサイドピークのない良好な単峰性のピー
クが得られた。このことは、ストライプ幅を直線的に減
少できていることのみならず、リッジ部分が横方向に成
長していることからストライプ漸減部分のリッジのうね
りの影響を受けにくくなっていることも要因と考えられ
る。この結果より、SiNX保護膜で横モードが基本的
に制御されていることから、再成長リッジ形状が若干非
対称であることによるキンクレベル等への悪影響は現れ
ていないと考えられる。また、水平方向の拡がり角にお
いても、リップルやサイドピークのない良好な単峰性の
ピークが得られた。これらの結果から、本発明のレーザ
構造において、DVD等の光ディスクの書き込み用光源
などに利用されることがわかる。また、高い信頼性(6
0℃、35mWの高温、高出力における1000時間以
上安定動作)が得られることが判明した。さらに、本実
施例では諸特性のバッチ内及びバッチ間のばらつきも小
さいことが確認された。
【0073】また、上記の実施例よりもストライプ幅を
広くしていったところ、中央部における幅が5μm以上
になると、ほとんどの素子が単一横モード(単一ピーク
の横方向光強度分布)で発振しなくなってしまうことも
わかった。このことから、単一横モード発振を実現させ
るためには、中央部におけるストライプ幅が5μm以下
であることが望ましい。さらに、実験結果から高出力動
作ができる領域をシミュレーションにて確認した結果、
活性層内部での横方向有効屈折率段差は5x10-3
1.3x10-2程度に設定する必要があることが判っ
た。
【0074】(実施例4)アンドープ(Al0.5
0.50.5In0.5Pガイド層の厚みが70nmでアン
ドープGa0.44In0.56P井戸層の数が4つである四重
量子井戸(QQW)活性層を形成し、Znドープp型
(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(P=7x
1017cm-3)の厚さを0.35μmとし、ストライプ
状開口部の中央部幅(W2)を2.5μmで一定とし、
端部付近でストライプ幅が漸減し、端部(劈開面)での
幅(W1)を1.5μmで一定となるようにパターニン
グし、このとき中央部の長さを250μm、漸減部分の
長さを両端とも30μm、幅一定の端部の長さを両端と
も20μmとし、Znドープp型Al0.75Ga0.25As
クラッド層(p=1.5x1018cm-3;屈折率3.3、
波長655nm)のリッジ中央での高さを1.5μmと
し、共振器の長さを350μmとし、前端面32%−後
端面80%の非対称コーティングを施したこと以外は、
実施例3と同一作製プロセスでチップを試作した。
【0075】本実施例のレーザは、光出力5mW以上の
動作までの自励発振を達成できており、発振波長が平均
655nm、しきい値電流が平均25mA、スロープ効
率が平均0.5mW/mAである等特性が非常に良好で
あった。光出力5mW時の垂直広がり角は平均30°で
あり、設計通りの単一ピークの遠視野像(ビーム広がり
角)が得られ、光分布の制御が非常に良好であることが
確認された。光出力5mW時の水平方向の拡がり角は平
均15°であり、垂直拡がり角の1/2程度の大きさに
することができ、従来の自励発振レーザよりも円形に近
くなった。また、水平方向の遠視野像において、リップ
ルやサイドピークのない良好な単峰性のピークが得られ
た。このことは、ストライプ幅を直線的に減少できてい
ることのみならず、リッジ部分が横方向に成長している
ことからストライプ漸減部分のリッジのうねりの影響を
受けにくくなっていることも要因と考えられる。これら
の結果から、本発明のレーザ構造において、CD、MD
等の光ディスクの読み取り用光源などに利用されること
がわかる。また、高い信頼性(70℃の高温における5
mW出力での1000時間以上安定動作)が得られるこ
とが判明した。また、本実施例では諸特性のバッチ内及
びバッチ間のばらつきも小さいことが確認された。
【0076】また、この実施例よりもストライプ状開口
部の中央部幅W2を広くしていったところ、3μm以上
になると、ほとんどの素子が自励発振しなくなってしま
うこともわかった。このことから、自励発振を実現させ
るためには、ストライプ状開口部の中央部幅W2が3μ
m未満であることが望ましい。さらに、実験結果からス
トライプ状開口部の中央部幅W2と第2導電型第1クラ
ッド層の厚みdpが自励発振条件を満たす領域をシミュ
レーションにて確認した結果、活性層内部での横方向有
効屈折率段差は2〜7x10-3程度、リッジ両脇への光
浸み出し割合Tact.outを10〜40%程度に設定する
必要があることが判った。
【0077】(比較例)ストライプ状開口部の幅を中央
部、端部ともに3μmで一定にしたこと以外、実施例1
と同一の条件でレーザチップを作製した。チップジャン
クションダウンで組立した後、25℃で連続通電(C
W)にてレーザ特性を測定したが、光出力35mWにお
いて垂直広がり角は平均23°、水平方向の拡がり角は
平均8°であり、水平拡がり角は垂直拡がり角の1/3
程度まで小さくなり、かなり楕円型のビーム形状となっ
てしまった。このため、光学系での光の損失が増大し、
水平方向の光軸調整が困難になり、光ピックアップに組
み立てたときのレーザ特性や組立歩留まりを低下させて
しまった。
【0078】
【発明の効果】本発明にしたがってストライプ状開口部
の幅を開口中央部より開口端部が小さくなるように設計
すれば、高い信頼性を維持しつつ、ビームが円形に近い
レーザにすることができる。このため、光学系での光の
損失を低減し、水平方向の光軸調整を容易化することが
できるため、光ピックアップに組み立てたときのレーザ
特性や組立歩留まりを大いに改善することができる。
【0079】また本発明によれば、絶縁体からなる保護
膜を用いて、電流が注入されるストライプ状開口部にリ
ッジ型の化合物半導体層を選択成長により形成し、該リ
ッジ側面には絶縁体からなる保護膜を有しない構造を有
する半導体光デバイス装置を提供することができる。こ
の半導体光デバイス装置では、ストライプ幅を直線的に
減少することを可能にしただけでなく、リッジ部分が横
方向に成長しているためストライプ幅漸減部分のリッジ
のうねりの影響を受けにくくなっている。したがって、
水平方向の遠視野像において、リップルやサイドピーク
のない良好な単峰性のピークが容易に得られる。
【0080】さらに本発明によれば、リッジの頂部およ
び側面を覆うようにコンタクト層を形成して、コンタク
ト層と電極との接触面積を増大させた半導体光デバイス
装置を提供することもできる。このような構成を採用す
ることにより、接触抵抗を下げるとともに、特にAlを
含むクラッド層のリッジ側面の表面酸化を防止し、レー
ザ特性や信頼性を向上させることができる。さらに、A
lGaInP/GaInP系可視レーザのように、短波
長化のために(100)等の低次の面方位に対してオフ
角度の大きい基板を用いた場合には、上記リッジ導波型
レーザにおけるリッジ形状が左右対称性な形状でも、光
密度分布(あるいはビームプロファイル)の横方向の対
称性が良好であるため、高出力まで安定な基本横モード
で発振することが可能であり、かつ素子の作製歩留まり
も大幅に向上させるとともに高い信頼性を得ることもで
きる。また、本発明の半導体光デバイス装置は、従来の
ような複雑かつ微細なフォトリソグラフィ技術を用いず
に簡素化した工程で製造することができるため、作製歩
留まりも大幅に向上させることができるという利点もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の半導体光デバイス装置の製造過程
を説明する断面図である。
【図2】 実施例3の半導体光デバイス装置の製造過程
を説明する断面図である。
【図3】 本発明の半導体光デバイス装置における共振
器方向でのストライプ状開口部の幅の変化を説明する平
面図である。
【図4】 リッジ部をエッチングにより形成してなる従
来の半導体光デバイス装置の製造過程を説明する断面図
である。
【図5】 リッジ上部のみにコンタクト層を形成してな
る従来の半導体光デバイス装置の製造過程を説明する断
面図である。
【図6】 半導体からなる電流ブロック層を用いたリッ
ジ型あるいはグルーブ型のインナーストライプ構造の半
導体光デバイス装置を説明する断面図である。
【符号の説明】
101: 基板 102: n型クラッド層 103: 光ガイド層 104: 井戸層 105: バリア層 106: 活性層 107: p型第1クラッド層 108: 酸化防止層 109: 保護膜 110: ストライプ状開口部 111: p型第2クラッド層 112: コンタクト層 113: p側電極 114: n側電極 201: 基板 202: n型第1クラッド層 203: n型第2クラッド層 204: 光ガイド層 205: 井戸層 206: バリア層 207: 活性層 208: p型第1クラッド層 209: 酸化防止層 210: 保護膜 211: ストライプ状開口部 212: p型第2クラッド層 213: コンタクト層 214: p側電極 215: n側電極 WF : ストライプ状開口部の開口前端部の幅 Wc: ストライプ状開口部の開口中央部の幅 WR : ストライプ状開口部の開口後端部の幅 401: 基板 402: n型クラッド層 403: 活性層 404: p型クラッド層 405: コンタクト層 406: 非リッジ部 407: リッジ部 408: レジスト 409: 保護膜 410: p側電極 411: n側電極 501: 基板 502: n型クラッド層 503: 活性層 504: p型第1クラッド層 505: 酸化防止層 506: 保護膜 507: ストライプ状開口部 508: p型第2クラッド層 509: コンタクト層 510: p側電極 511: n側電極 601: 基板 602: 第1導電型クラッド層 603: 活性層 604: 第2導電型クラッド層 605: 第1導電型電流ブロック層 606: 第2導電型コンタクト層 607: エピタキシャル側電極 608: 基板側電極 611: 基板 612: 第1導電型クラッド層 613: 活性層 614: 第2導電型第1クラッド層 615: 第1導電型電流ブロック層 616: 第2導電型第2クラッド層 617: 第2導電型コンタクト層 618: エピタキシャル側電極 619: 基板側電極

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、活性層を含む化合物半導体
    層、該化合物半導体層上に形成されたストライプ状開口
    部を有する保護膜、該ストライプ状開口部を覆うように
    形成された該活性層より屈折率の小さいリッジ型の化合
    物半導体層を少なくとも有し、該ストライプ状開口部の
    開口中央部の幅(Wc)よりも開口前端部の幅(WF
    が狭いことを特徴とする半導体光デバイス装置。
  2. 【請求項2】 Wc−WF≧0.2μmであることを特
    徴とする請求項1記載の半導体光デバイス装置。
  3. 【請求項3】 Wc−WF≧0.5μmであることを特
    徴とする請求項2記載の半導体光デバイス装置。
  4. 【請求項4】 Wc−WF≦5μmであることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の半導体光デバイス
    装置。
  5. 【請求項5】 Wc−WF≦3μmであることを特徴と
    する請求項4記載の半導体光デバイス装置。
  6. 【請求項6】 Wc−WF≦2μmであることを特徴と
    する請求項5記載の半導体光デバイス装置。
  7. 【請求項7】 Wc≧2.2μmであることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載の半導体光デバイス装
    置。
  8. 【請求項8】 Wc≦50μmであることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれかに記載の半導体光デバイス装
    置。
  9. 【請求項9】 前記ストライプ状開口部の開口中央部の
    幅(Wc)よりも開口後端部の幅(WR)が狭いことを
    特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の半導体光デ
    バイス装置。
  10. 【請求項10】 WF=WRであることを特徴とする請求
    項9記載の半導体光デバイス装置。
  11. 【請求項11】 前記ストライプ状開口部の幅が、開口
    中央部から開口前端部へ向かって漸減している部分を有
    することを特徴とする請求項9または10記載の半導体
    光デバイス装置。
  12. 【請求項12】 前記ストライプ状開口部の幅が、開口
    中央部から開口後端部へ向かって漸減している部分を有
    することを特徴とする請求項11記載の半導体光デバイ
    ス装置。
  13. 【請求項13】 ストライプ状開口部の幅が、開口前端
    部近傍では概略一定であることを特徴とする請求項9〜
    12のいずれかに記載の半導体光デバイス装置。
  14. 【請求項14】 ストライプ状開口部の幅が、開口後端
    部近傍では概略一定であることを特徴とする請求項13
    記載の半導体光デバイス装置。
  15. 【請求項15】 WF≧0.5μm、および、WR≧0.
    5μmであることを特徴とする請求項9〜14のいずれ
    かに記載の半導体光デバイス装置。
  16. 【請求項16】 WF≧1μm、および、WR≧1μmで
    あることを特徴とする請求項15記載の半導体光デバイ
    ス装置。
  17. 【請求項17】 WF≦10μm、および、WR≦10μ
    mであることを特徴とする請求項9〜16のいずれかに
    記載の半導体光デバイス装置。
  18. 【請求項18】 WF≦3μm、および、WR≦3μmで
    あることを特徴とする請求項17記載の半導体光デバイ
    ス装置。
  19. 【請求項19】 WF/Wc≧0.02、および、WR
    Wc≧0.02であることを特徴とする請求項9〜18
    のいずれかに記載の半導体光デバイス装置。
  20. 【請求項20】 WF/Wc≧0.1、および、WR/W
    c≧0.1であることを特徴とする請求項20記載の半
    導体光デバイス装置。
  21. 【請求項21】 WF/Wc≦0.85、および、WR
    Wc≦0.85であることを特徴とする請求項9〜20
    のいずれかに記載の半導体光デバイス装置。
  22. 【請求項22】 WF/Wc≦0.7、および、WR/W
    c≦0.7であることを特徴とする請求項21記載の半
    導体光デバイス装置。
  23. 【請求項23】 WF≦Wc≦WRであることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれかに記載の半導体光デバイス装
    置。
  24. 【請求項24】 WR−WF≧0.5μmであることを特
    徴とする請求項23記載の半導体光デバイス装置。
  25. 【請求項25】 WR−WF≦100μmであることを特
    徴とする請求項23または24記載の半導体光デバイス
    装置。
  26. 【請求項26】 WR−WF≦50μmであることを特徴
    とする請求項25記載の半導体光デバイス装置。
  27. 【請求項27】 前記リッジ型の化合物半導体層のリッ
    ジ頂部および側面には保護膜が形成されていないことを
    特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の半導体光
    デバイス装置。
  28. 【請求項28】 前記リッジ型の化合物半導体層のリッ
    ジ頂部および側面を覆うようにコンタクト層が形成され
    ていることを特徴とする請求項1〜27のいずれかに記
    載の半導体光デバイス装置。
  29. 【請求項29】 前記基板の結晶成長面が(100)面
    又はそれと結晶学的に等価な面であり、前記保護膜のス
    トライプ状開口部の長手方向が[01−1]方向又はそれ
    と結晶学的に等価な方向であることを特徴とする請求項
    1〜28のいずれかに記載の半導体光デバイス装置。
  30. 【請求項30】 前記リッジ型化合物半導体層が少なく
    とも保護膜上の一部に形成されていることを特徴とする
    請求項1〜29のいずれかに記載の半導体光デバイス装
    置。
  31. 【請求項31】 半導体発光装置である請求項1〜30
    のいずれかに記載の半導体光デバイス装置。
  32. 【請求項32】 半導体レーザである請求項1〜30の
    いずれかに記載の半導体光デバイス装置。
  33. 【請求項33】 半導体光増幅器である請求項1〜30
    のいずれかに記載の半導体光デバイス装置。
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