JP2000311851A - 電子線露光装置および電子線露光方法 - Google Patents
電子線露光装置および電子線露光方法Info
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- JP2000311851A JP2000311851A JP11347586A JP34758699A JP2000311851A JP 2000311851 A JP2000311851 A JP 2000311851A JP 11347586 A JP11347586 A JP 11347586A JP 34758699 A JP34758699 A JP 34758699A JP 2000311851 A JP2000311851 A JP 2000311851A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スループットを低下させることなく近接効果
補正の調整を可能とし、優れた寸法精度を実現する。 【解決手段】 散乱領域を有するマスクと、該マスクを
透過して散乱した散乱電子の通過量を制御する制限アパ
チャを有する散乱角制限方式電子線露光装置において、
クロスオーバー位置あるいはその近傍に固定され、中央
部の開口と該開口を取り囲む閉帯状の開口を有する第1
の制限アパチャと、光軸上で移動可能であり、中央部の
開口と該開口を取り囲む閉帯状の開口を有する第2の制
限アパチャを設ける。
補正の調整を可能とし、優れた寸法精度を実現する。 【解決手段】 散乱領域を有するマスクと、該マスクを
透過して散乱した散乱電子の通過量を制御する制限アパ
チャを有する散乱角制限方式電子線露光装置において、
クロスオーバー位置あるいはその近傍に固定され、中央
部の開口と該開口を取り囲む閉帯状の開口を有する第1
の制限アパチャと、光軸上で移動可能であり、中央部の
開口と該開口を取り囲む閉帯状の開口を有する第2の制
限アパチャを設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に半導体装置の
製造に用いられる電子線露光装置および電子線露光方法
に関し、特に、近接効果補正が調整可能な電子線露光装
置および電子線露光方法に関する。
製造に用いられる電子線露光装置および電子線露光方法
に関し、特に、近接効果補正が調整可能な電子線露光装
置および電子線露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子線露光においては、レジスト層およ
び基板内での散乱電子に起因する近接効果(proximity
effect)がパターンの寸法精度に非常に影響を与える。
そのため、近接効果の補正は非常に重要な要素技術の一
つである。
び基板内での散乱電子に起因する近接効果(proximity
effect)がパターンの寸法精度に非常に影響を与える。
そのため、近接効果の補正は非常に重要な要素技術の一
つである。
【0003】現在、電子線露光方法の主流である部分一
括露光法(cell projection lithography)等において
は、露光強度分布(EID)関数を用いた逐次計算法
や、パターン密度法による複雑な計算を必要とする露光
量補償法が用いられている。
括露光法(cell projection lithography)等において
は、露光強度分布(EID)関数を用いた逐次計算法
や、パターン密度法による複雑な計算を必要とする露光
量補償法が用いられている。
【0004】一方、近年、次世代の電子線露光技術とし
て注目されている散乱角制限方式電子線露光方法(Scat
tering with Angular Limitation in Projection Elect
ronBeam Lithography)においては、GHOST法を応
用した、散乱電子の一部を補助露光ビームとして用いる
補償法(SCALPEL(商標) GHOST法)により近接効果の
補正が行われている。
て注目されている散乱角制限方式電子線露光方法(Scat
tering with Angular Limitation in Projection Elect
ronBeam Lithography)においては、GHOST法を応
用した、散乱電子の一部を補助露光ビームとして用いる
補償法(SCALPEL(商標) GHOST法)により近接効果の
補正が行われている。
【0005】散乱角制限方式電子線露光方法は、形成し
ようとするチップ全体あるいはその数分割分の所定パタ
ーンを複数の小領域に区分し、これら小領域毎に形成さ
れた部分パターンをマスクに作り込み、このマスクを用
いて小領域毎に露光を行って部分パターンの転写を行
い、最終的に所定パターンをウェハ上に転写する分割転
写法を採用している。
ようとするチップ全体あるいはその数分割分の所定パタ
ーンを複数の小領域に区分し、これら小領域毎に形成さ
れた部分パターンをマスクに作り込み、このマスクを用
いて小領域毎に露光を行って部分パターンの転写を行
い、最終的に所定パターンをウェハ上に転写する分割転
写法を採用している。
【0006】そして、散乱角制限方式電子線露光方法に
用いられるマスクとしては、比較的電子を散乱しにくい
電子線透過性メンブレン上に電子線散乱体からなるパタ
ーンが形成されたマスク(以下「散乱メンブレンマス
ク」という。)が用いられている。電子線透過性メンブ
レンを透過した非散乱あるいは散乱角が比較的小さい電
子線で露光が行われ、このメンブレン領域と散乱領域と
の電子線散乱の違いによってウェハ上に図形コントラス
トが形成される。
用いられるマスクとしては、比較的電子を散乱しにくい
電子線透過性メンブレン上に電子線散乱体からなるパタ
ーンが形成されたマスク(以下「散乱メンブレンマス
ク」という。)が用いられている。電子線透過性メンブ
レンを透過した非散乱あるいは散乱角が比較的小さい電
子線で露光が行われ、このメンブレン領域と散乱領域と
の電子線散乱の違いによってウェハ上に図形コントラス
トが形成される。
【0007】散乱角制限方式電子線露光方法における近
接効果補正は、この散乱メンブレンマスク上の散乱体に
より大きく散乱された散乱電子の一部を、クロスオーバ
ー位置に配置された制限アパチャに設けた輪帯状の開口
で選択的に通過させ、この通過した散乱電子を対物レン
ズの球面収差および色収差により後方散乱径程度にぼか
し、補助露光ビームとしてウェハ上に照射することによ
り行われる。このような近接効果の補正方法は、既に、
J.Vac.Sci.Technol.B 13(6),2504-2507(1995)におい
て、G.P.Watson らによって報告されている。本来露光
すべきパターンの反転パターンのぼかしたビームを別途
に露光する従来のGHOST法に対して、パターンの露
光と同時に補助露光を行って近接効果の補正をする点に
特徴がある。パターンの露光と同時に補助露光が行え近
接効果補正ができることはスループットの向上に大きく
寄与する。
接効果補正は、この散乱メンブレンマスク上の散乱体に
より大きく散乱された散乱電子の一部を、クロスオーバ
ー位置に配置された制限アパチャに設けた輪帯状の開口
で選択的に通過させ、この通過した散乱電子を対物レン
ズの球面収差および色収差により後方散乱径程度にぼか
し、補助露光ビームとしてウェハ上に照射することによ
り行われる。このような近接効果の補正方法は、既に、
J.Vac.Sci.Technol.B 13(6),2504-2507(1995)におい
て、G.P.Watson らによって報告されている。本来露光
すべきパターンの反転パターンのぼかしたビームを別途
に露光する従来のGHOST法に対して、パターンの露
光と同時に補助露光を行って近接効果の補正をする点に
特徴がある。パターンの露光と同時に補助露光が行え近
接効果補正ができることはスループットの向上に大きく
寄与する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、散乱角
制限方式電子線露光方法における従来の近接効果の補正
方法には以下のような問題があった。
制限方式電子線露光方法における従来の近接効果の補正
方法には以下のような問題があった。
【0009】近接効果の程度は、試料基板の種類やマス
クパターンによって異なるため、異なる材料からなる基
板あるいは異なるパターンを有するマスクに交換して露
光をしようとする際は、その基板あるいはマスクに適し
た近接効果補正を行うために補助露光量を再度調整する
必要がある。また、マスクによって電子散乱体の厚さが
異なると、それに応じて異なった開口寸法の制限アパチ
ャに代える必要がある。しかしながら、補助露光量は、
制限アパチャに形成された輪帯状開口の径や幅等の寸法
で調整するため、補助露光量を最適値に調整するには、
別の制限アパチャを作製し、且つ、一旦電子線露光を停
止して装置内の真空状態を解除し大気開放してから交換
する必要があった。このように、従来の方法で最適な近
接効果補正を行おうとすると、スループットが著しく低
下するという問題があった。
クパターンによって異なるため、異なる材料からなる基
板あるいは異なるパターンを有するマスクに交換して露
光をしようとする際は、その基板あるいはマスクに適し
た近接効果補正を行うために補助露光量を再度調整する
必要がある。また、マスクによって電子散乱体の厚さが
異なると、それに応じて異なった開口寸法の制限アパチ
ャに代える必要がある。しかしながら、補助露光量は、
制限アパチャに形成された輪帯状開口の径や幅等の寸法
で調整するため、補助露光量を最適値に調整するには、
別の制限アパチャを作製し、且つ、一旦電子線露光を停
止して装置内の真空状態を解除し大気開放してから交換
する必要があった。このように、従来の方法で最適な近
接効果補正を行おうとすると、スループットが著しく低
下するという問題があった。
【0010】そこで本発明の目的は、スループットを大
きく低下させることなく近接効果補正の調整が可能であ
り、優れた寸法精度を実現する散乱角制限方式電子線露
光方法及び散乱角制限方式電子線露光装置を提供するこ
とにある。
きく低下させることなく近接効果補正の調整が可能であ
り、優れた寸法精度を実現する散乱角制限方式電子線露
光方法及び散乱角制限方式電子線露光装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、散乱領域を有
するマスクと、該マスクを透過して散乱した散乱電子の
通過量を制御する制限アパチャを有する散乱角制限方式
電子線露光装置であって、クロスオーバー位置あるいは
その近傍に固定され、中央部の開口と該開口を取り囲む
閉帯状の開口を有する第1の制限アパチャと、光軸上で
移動可能であり、中央部の開口と該開口を取り囲む閉帯
状の開口を有する第2の制限アパチャを有することを特
徴とする散乱角制限方式電子線露光装置に関する。
するマスクと、該マスクを透過して散乱した散乱電子の
通過量を制御する制限アパチャを有する散乱角制限方式
電子線露光装置であって、クロスオーバー位置あるいは
その近傍に固定され、中央部の開口と該開口を取り囲む
閉帯状の開口を有する第1の制限アパチャと、光軸上で
移動可能であり、中央部の開口と該開口を取り囲む閉帯
状の開口を有する第2の制限アパチャを有することを特
徴とする散乱角制限方式電子線露光装置に関する。
【0012】また本発明は、散乱領域を有するマスク
と、該マスクを透過して散乱した散乱電子の通過量を制
御する制限アパチャを有する散乱角制限方式電子線露光
装置であって、前記制限アパチャは、中央部の開口と、
該開口を取り囲む閉帯状の開口を有し、該閉帯状開口の
寸法が異なる複数の制限アパチャが設置あるい作り込ま
れた制限アパチャ可動部材を有し、これら複数の制限ア
パチャのうち所望の制限アパチャを光学系内に配置でき
るように該制限アパチャ可動部材を稼動させる機構を有
することを特徴とする散乱角制限方式電子線露光装置に
関する。
と、該マスクを透過して散乱した散乱電子の通過量を制
御する制限アパチャを有する散乱角制限方式電子線露光
装置であって、前記制限アパチャは、中央部の開口と、
該開口を取り囲む閉帯状の開口を有し、該閉帯状開口の
寸法が異なる複数の制限アパチャが設置あるい作り込ま
れた制限アパチャ可動部材を有し、これら複数の制限ア
パチャのうち所望の制限アパチャを光学系内に配置でき
るように該制限アパチャ可動部材を稼動させる機構を有
することを特徴とする散乱角制限方式電子線露光装置に
関する。
【0013】また本発明は、散乱領域を有するマスク
と、該マスクを透過して散乱した散乱電子の通過量を制
御する制限アパチャを有する散乱角制限方式電子線露光
装置であって、開口を中央部にのみ有し且つ光学系内に
固定された第1の制限アパチャと、第1の制限アパチャ
の外径より大きな直径の開口を中央部に有する第2の制
限アパチャが複数設置あるいは作り込まれ、これら複数
の第2の制限アパチャの開口径はそれぞれ異なっている
制限アパチャ可動部材と、これら複数の第2の制限アパ
チャのうち所望の第2の制限アパチャを第1の制限アパ
チャと同軸上に配置できるように該制限アパチャ可動部
材を稼動させる機構を有することを特徴とする散乱角制
限方式電子線露光装置に関する。
と、該マスクを透過して散乱した散乱電子の通過量を制
御する制限アパチャを有する散乱角制限方式電子線露光
装置であって、開口を中央部にのみ有し且つ光学系内に
固定された第1の制限アパチャと、第1の制限アパチャ
の外径より大きな直径の開口を中央部に有する第2の制
限アパチャが複数設置あるいは作り込まれ、これら複数
の第2の制限アパチャの開口径はそれぞれ異なっている
制限アパチャ可動部材と、これら複数の第2の制限アパ
チャのうち所望の第2の制限アパチャを第1の制限アパ
チャと同軸上に配置できるように該制限アパチャ可動部
材を稼動させる機構を有することを特徴とする散乱角制
限方式電子線露光装置に関する。
【0014】また本発明は、散乱領域を有するマスク
と、該マスクを透過して散乱した散乱電子の通過量を制
御する制限アパチャを有する散乱角制限方式電子線露光
装置であって、開口を中央部にのみ有する第1の制限ア
パチャを複数備え、これら第1の制限アパチャの外径は
それぞれ異なっている第1の制限アパチャ可動部材と、
これら第1の制限アパチャの外径より大きな直径の開口
を中央部に有する第2の制限アパチャが複数設置あるい
は作り込まれ、これら第2の制限アパチャの開口径はそ
れぞれ異なっている第2の制限アパチャ可動部材と、こ
れら複数の第1の制限アパチャのうち所望の第1の制限
アパチャと、これら複数の第2の制限アパチャのうち所
望の第2の制限アパチャとを光学系内において同軸上に
配置できるように第1及び第2の制限アパチャ可動部材
を稼動させる機構を有することを特徴とする散乱角制限
方式電子線露光装置に関する。
と、該マスクを透過して散乱した散乱電子の通過量を制
御する制限アパチャを有する散乱角制限方式電子線露光
装置であって、開口を中央部にのみ有する第1の制限ア
パチャを複数備え、これら第1の制限アパチャの外径は
それぞれ異なっている第1の制限アパチャ可動部材と、
これら第1の制限アパチャの外径より大きな直径の開口
を中央部に有する第2の制限アパチャが複数設置あるい
は作り込まれ、これら第2の制限アパチャの開口径はそ
れぞれ異なっている第2の制限アパチャ可動部材と、こ
れら複数の第1の制限アパチャのうち所望の第1の制限
アパチャと、これら複数の第2の制限アパチャのうち所
望の第2の制限アパチャとを光学系内において同軸上に
配置できるように第1及び第2の制限アパチャ可動部材
を稼動させる機構を有することを特徴とする散乱角制限
方式電子線露光装置に関する。
【0015】また本発明は、上記本発明の散乱角制限方
式電子線露光装置を用いた電子線露光方法であって、前
記マスク上のパターンの最外周部に相当する像を形成す
る電子線の軌道の中心が第2の制限アパチャによってけ
られない範囲内で、第2の制限アパチャを光軸方向に移
動することによって、第1の制限アパチャ及び第2の制
限アパチャの開口を通過する散乱電子量を調整して補助
露光量を調整し、パターン露光と同時に近接効果補正を
行うことを特徴とする散乱角制限方式電子線露光方法に
関する。
式電子線露光装置を用いた電子線露光方法であって、前
記マスク上のパターンの最外周部に相当する像を形成す
る電子線の軌道の中心が第2の制限アパチャによってけ
られない範囲内で、第2の制限アパチャを光軸方向に移
動することによって、第1の制限アパチャ及び第2の制
限アパチャの開口を通過する散乱電子量を調整して補助
露光量を調整し、パターン露光と同時に近接効果補正を
行うことを特徴とする散乱角制限方式電子線露光方法に
関する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を挙げて詳細に説明する。
を挙げて詳細に説明する。
【0017】まず、本発明の基本構成を図1の光学系の
概念図を用いて説明する。マスク1を透過した露光電子
は、第1の投影レンズ2によって集束され、クロスオー
バーの位置、すなわち後方焦平面に配置された制限アパ
チャ3の中央の開口を通過し、続いて対物レンズである
第2の投影レンズ4によってウェハ5上のレジスト6に
結像される。ここで、図1に示すレジスト6は照射部分
が残るネガ型であり、説明のために現像後の形状を示し
ている。本発明に用いられるレジストはポジ型であって
もよい。また、第1の投影レンズと第2の投影レンズは
ダブレット光学系を成している。
概念図を用いて説明する。マスク1を透過した露光電子
は、第1の投影レンズ2によって集束され、クロスオー
バーの位置、すなわち後方焦平面に配置された制限アパ
チャ3の中央の開口を通過し、続いて対物レンズである
第2の投影レンズ4によってウェハ5上のレジスト6に
結像される。ここで、図1に示すレジスト6は照射部分
が残るネガ型であり、説明のために現像後の形状を示し
ている。本発明に用いられるレジストはポジ型であって
もよい。また、第1の投影レンズと第2の投影レンズは
ダブレット光学系を成している。
【0018】一方、マスク1によって散乱された散乱電
子は、大部分が制限アパチャ3によって遮蔽され、一部
分が中央の開口とその周囲を取り囲むように形成された
閉帯状の開口を通過する。この通過した散乱電子が第2
の投影レンズ4(対物レンズ)の球面収差と色収差によ
って後方散乱径程度にぼかされ、補助露光ビームとして
ウェハ上に照射される。ここで、中央の開口と閉帯状開
口は同心に配置されており、閉帯状開口は輪帯状であっ
ても矩形や正方形の多角形の帯状であってもよい。通常
は輪帯状のものが用いられるが、アパチャの材料や製法
上の条件から矩形や正方形等の多角形の帯状とされるこ
ともある。なお、通常は、閉帯状開口の外周部と内周部
を連結するリブが設けられるが、所望の近接効果補正が
可能な範囲内でこのリブの幅を広くして閉帯状開口部が
部分的に閉鎖された形状となっていてもよい。
子は、大部分が制限アパチャ3によって遮蔽され、一部
分が中央の開口とその周囲を取り囲むように形成された
閉帯状の開口を通過する。この通過した散乱電子が第2
の投影レンズ4(対物レンズ)の球面収差と色収差によ
って後方散乱径程度にぼかされ、補助露光ビームとして
ウェハ上に照射される。ここで、中央の開口と閉帯状開
口は同心に配置されており、閉帯状開口は輪帯状であっ
ても矩形や正方形の多角形の帯状であってもよい。通常
は輪帯状のものが用いられるが、アパチャの材料や製法
上の条件から矩形や正方形等の多角形の帯状とされるこ
ともある。なお、通常は、閉帯状開口の外周部と内周部
を連結するリブが設けられるが、所望の近接効果補正が
可能な範囲内でこのリブの幅を広くして閉帯状開口部が
部分的に閉鎖された形状となっていてもよい。
【0019】補助露光ビームの強度(これに比例する補
助露光量)は、制限アパチャがクロスオーバー位置に固
定されている場合は、閉帯状開口の開口面積によって調
整される。また、ぼかし程度は、閉帯状開口の制限アパ
チャ中心からの距離で調整され、輪帯状開口の場合は径
の大きさで調整される。なお、中央部の開口より閉帯状
開口の開口面積が大きいため、散乱電子の散乱角分布の
関係上、近接効果補正は閉帯状開口を通過した散乱電子
にほぼ依存する。
助露光量)は、制限アパチャがクロスオーバー位置に固
定されている場合は、閉帯状開口の開口面積によって調
整される。また、ぼかし程度は、閉帯状開口の制限アパ
チャ中心からの距離で調整され、輪帯状開口の場合は径
の大きさで調整される。なお、中央部の開口より閉帯状
開口の開口面積が大きいため、散乱電子の散乱角分布の
関係上、近接効果補正は閉帯状開口を通過した散乱電子
にほぼ依存する。
【0020】本発明に用いられる電子線露光用マスクと
しては、マスク基板に開口部を設けて開口パターンが形
成されたステンシル型マスクであって、この基板は、電
子線の飛程よりも薄い散乱領域を有し、この散乱領域に
前記開口パターンが形成され、この散乱領域は、ウェハ
における露光電子の後方散乱径βbの範囲に対応する領
域を含んでいるもの(以下「散乱ステンシルマスク」と
いう)を用いることができる。このようなステンシル型
マスクの基板材料としては、通常のステンシル型マスク
に使用されるものを用いることができ、例えば、シリコ
ン、タングステンやモリブデン等の金属を使用すること
ができ、シリコンが最も好ましい。
しては、マスク基板に開口部を設けて開口パターンが形
成されたステンシル型マスクであって、この基板は、電
子線の飛程よりも薄い散乱領域を有し、この散乱領域に
前記開口パターンが形成され、この散乱領域は、ウェハ
における露光電子の後方散乱径βbの範囲に対応する領
域を含んでいるもの(以下「散乱ステンシルマスク」と
いう)を用いることができる。このようなステンシル型
マスクの基板材料としては、通常のステンシル型マスク
に使用されるものを用いることができ、例えば、シリコ
ン、タングステンやモリブデン等の金属を使用すること
ができ、シリコンが最も好ましい。
【0021】散乱ステンシルマスクの開口パターンは、
マスク基板の電子線の飛程よりも薄い散乱領域に形成す
る。これにより、開口部を通過した電子は露光電子とし
てウェハ上に照射され、基板の薄い部分(散乱領域)を
透過した電子は散乱電子となり、その大部分はクロスオ
ーバー位置の制限アパチャにより遮蔽されることによっ
てウェハ上に図形コントラストが形成される。一方、制
限アパチャの閉帯状開口を通過した一部の散乱電子は、
補助露光ビームとしてウェハ上に照射されて近接効果補
正が行われる。
マスク基板の電子線の飛程よりも薄い散乱領域に形成す
る。これにより、開口部を通過した電子は露光電子とし
てウェハ上に照射され、基板の薄い部分(散乱領域)を
透過した電子は散乱電子となり、その大部分はクロスオ
ーバー位置の制限アパチャにより遮蔽されることによっ
てウェハ上に図形コントラストが形成される。一方、制
限アパチャの閉帯状開口を通過した一部の散乱電子は、
補助露光ビームとしてウェハ上に照射されて近接効果補
正が行われる。
【0022】散乱ステンシルマスクの散乱領域の厚さ
は、電子線が十分に透過し且つ散乱するために次のよう
に設定する。散乱領域の厚さの上限としては、電子線の
飛程(侵入長)よりも薄いことが必要であり、電子線の
飛程の1/2よりも薄いことが好ましい。さらには、平
均自由行程の25倍以下が好ましく、15倍以下がより
好ましく、10倍以下がさらに好ましい。散乱領域の厚
さの下限としては、電子線の平均自由行程よりも厚いこ
とが必要であり、好ましくは平均自由行程の1.5倍以
上、より好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以
上とする。電子線の飛程や平均自由行程はマスク基板材
料や加速電圧に大きく依存するため、散乱領域の厚さ
は、マスク基板材料や加速電圧も考慮して適宜設定す
る。なお、平均自由行程は、Jpn.J.Appl.Phys.,10 (197
1) p.678 に記載の関係式により求めることができる。
さらに、上記のように設定されるマスク基板の散乱領域
の厚さは、ウェハ上でのビームコントラストが好ましく
は90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ま
しくは98%以上となるように設定される。なお、製造
上の点も考慮することが必要となる場合もあり、例えば
シリコン基板においては開口部のアスペクト比が10以
下であることが望ましく、この点も考慮して厚さを設定
する。
は、電子線が十分に透過し且つ散乱するために次のよう
に設定する。散乱領域の厚さの上限としては、電子線の
飛程(侵入長)よりも薄いことが必要であり、電子線の
飛程の1/2よりも薄いことが好ましい。さらには、平
均自由行程の25倍以下が好ましく、15倍以下がより
好ましく、10倍以下がさらに好ましい。散乱領域の厚
さの下限としては、電子線の平均自由行程よりも厚いこ
とが必要であり、好ましくは平均自由行程の1.5倍以
上、より好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以
上とする。電子線の飛程や平均自由行程はマスク基板材
料や加速電圧に大きく依存するため、散乱領域の厚さ
は、マスク基板材料や加速電圧も考慮して適宜設定す
る。なお、平均自由行程は、Jpn.J.Appl.Phys.,10 (197
1) p.678 に記載の関係式により求めることができる。
さらに、上記のように設定されるマスク基板の散乱領域
の厚さは、ウェハ上でのビームコントラストが好ましく
は90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ま
しくは98%以上となるように設定される。なお、製造
上の点も考慮することが必要となる場合もあり、例えば
シリコン基板においては開口部のアスペクト比が10以
下であることが望ましく、この点も考慮して厚さを設定
する。
【0023】散乱ステンシルマスクでは、薄い散乱領域
に開口パターンが形成されるため、開口パターンの加工
精度が向上し、また、電子線は散乱領域をほとんど透過
するため電子線照射によるマスクの発熱が抑えられると
いう利点も有する。
に開口パターンが形成されるため、開口パターンの加工
精度が向上し、また、電子線は散乱領域をほとんど透過
するため電子線照射によるマスクの発熱が抑えられると
いう利点も有する。
【0024】但し、マスク基板の散乱領域が薄すぎると
マスクの機械的強度が失われるため、散乱領域以外の領
域は、マスクの機械的強度が保てるように散乱領域の厚
さより厚く形成することが好ましく、散乱領域の厚さの
2倍以上の厚さとするのがより好ましい。また、マスク
基板の散乱領域は、薄いほど散乱電子の散乱角が小さく
なるため、散乱角の小さな散乱電子が制限アパチャの中
央の開口部を通過してコントラストの低下を起こさない
ように厚さを適宜設定する。
マスクの機械的強度が失われるため、散乱領域以外の領
域は、マスクの機械的強度が保てるように散乱領域の厚
さより厚く形成することが好ましく、散乱領域の厚さの
2倍以上の厚さとするのがより好ましい。また、マスク
基板の散乱領域は、薄いほど散乱電子の散乱角が小さく
なるため、散乱角の小さな散乱電子が制限アパチャの中
央の開口部を通過してコントラストの低下を起こさない
ように厚さを適宜設定する。
【0025】散乱ステンシルマスクとして、例えばシリ
コン基板を用いた場合、加速電圧を100kVとしたと
き(電子線の飛程は約67μm)、シリコン基板の散乱
領域の厚さの範囲としては、例えば0.2〜2μmの範
囲とすることができる。シリコン基板の散乱領域の厚さ
の下限としては0.2μm以上が好ましく、0.3μm
以上がより好ましく、さらに0.4μm以上が好まし
く、0.6μm以上がより好ましい。上限としては5μ
m以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、2μm
以下がさらに好ましい。
コン基板を用いた場合、加速電圧を100kVとしたと
き(電子線の飛程は約67μm)、シリコン基板の散乱
領域の厚さの範囲としては、例えば0.2〜2μmの範
囲とすることができる。シリコン基板の散乱領域の厚さ
の下限としては0.2μm以上が好ましく、0.3μm
以上がより好ましく、さらに0.4μm以上が好まし
く、0.6μm以上がより好ましい。上限としては5μ
m以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、2μm
以下がさらに好ましい。
【0026】散乱ステンシルマスクにおいては、ウェハ
における露光電子の後方散乱径の範囲に対応するマスク
基板領域(以下「後方散乱基板領域」という。)も、電
子線の飛程よりも薄い上記の厚さにすることが重要であ
る。すなわち、マスク基板の散乱領域は後方散乱基板領
域を含むように形成することが必要である。この後方散
乱基板領域において電子が透過しないあるいは十分な散
乱電子が発しないと、近接効果補正を十分に行うことが
できない。前述のとおり、近接効果補正のためには、散
乱電子を後方散乱径程度にぼかして補助露光ビームとし
て照射する必要があるため、少なくとも後方散乱径の範
囲に対応するマスク基板領域、すなわち後方散乱基板領
域から散乱電子が発する必要がある。
における露光電子の後方散乱径の範囲に対応するマスク
基板領域(以下「後方散乱基板領域」という。)も、電
子線の飛程よりも薄い上記の厚さにすることが重要であ
る。すなわち、マスク基板の散乱領域は後方散乱基板領
域を含むように形成することが必要である。この後方散
乱基板領域において電子が透過しないあるいは十分な散
乱電子が発しないと、近接効果補正を十分に行うことが
できない。前述のとおり、近接効果補正のためには、散
乱電子を後方散乱径程度にぼかして補助露光ビームとし
て照射する必要があるため、少なくとも後方散乱径の範
囲に対応するマスク基板領域、すなわち後方散乱基板領
域から散乱電子が発する必要がある。
【0027】本発明に用いるマスクとしては、比較的電
子を散乱しにくい電子線透過性の薄膜(メンブレン)上
に電子線散乱体からなるパターンが形成された前述の散
乱メンブレンマスクを用いてもよい。薄膜(メンブレ
ン)の材料としては、電子線を散乱しにくい軽元素から
なるものが好ましく、例えばSiN、SiC等から構成
される。散乱体は電子線を散乱しやすい重金属が用いら
れ、例えば、タングステン、タンタル、クロム、モリブ
デン、チタン、金、白金等が用いられる。マスクのメン
ブレンの厚さは、加速電圧100kVの場合で0.1〜
0.2μm程度である。
子を散乱しにくい電子線透過性の薄膜(メンブレン)上
に電子線散乱体からなるパターンが形成された前述の散
乱メンブレンマスクを用いてもよい。薄膜(メンブレ
ン)の材料としては、電子線を散乱しにくい軽元素から
なるものが好ましく、例えばSiN、SiC等から構成
される。散乱体は電子線を散乱しやすい重金属が用いら
れ、例えば、タングステン、タンタル、クロム、モリブ
デン、チタン、金、白金等が用いられる。マスクのメン
ブレンの厚さは、加速電圧100kVの場合で0.1〜
0.2μm程度である。
【0028】次に、近接効果補正の基本原理について図
2及び図3を用いて説明する。
2及び図3を用いて説明する。
【0029】図2(a)は散乱メンブレンマスクを示
し、21がメンブレン、22が散乱体である。図2
(b)は閉帯状開口が無い制限アパチャを用い、補助露
光ビームを照射していない場合、すなわち近接効果補正
をしていない場合のウェハ上のレジスト内でのエネルギ
ー蓄積分布を示し、図2(c)は閉帯状開口を設けた制
限アパチャを用い、補助露光ビームを照射した場合、す
なわち近接効果補正をした場合のエネルギー蓄積分布を
示す。図中のβbが後方散乱径である。また、前方散乱
電子のエネルギーを1とすると、後方散乱電子のエネル
ギーは後方散乱係数ηとなり、このηの分だけ補助露光
する必要があり、散乱体を透過した電子のうち、補助露
光率δとしてη/(1+η)だけウェハ上に照射する必
要がある。
し、21がメンブレン、22が散乱体である。図2
(b)は閉帯状開口が無い制限アパチャを用い、補助露
光ビームを照射していない場合、すなわち近接効果補正
をしていない場合のウェハ上のレジスト内でのエネルギ
ー蓄積分布を示し、図2(c)は閉帯状開口を設けた制
限アパチャを用い、補助露光ビームを照射した場合、す
なわち近接効果補正をした場合のエネルギー蓄積分布を
示す。図中のβbが後方散乱径である。また、前方散乱
電子のエネルギーを1とすると、後方散乱電子のエネル
ギーは後方散乱係数ηとなり、このηの分だけ補助露光
する必要があり、散乱体を透過した電子のうち、補助露
光率δとしてη/(1+η)だけウェハ上に照射する必
要がある。
【0030】補助露光ビームを後方散乱径βb程度、す
なわちL程度にぼかすことにより、図2(b)において
境界線付近で低下していた蓄積エネルギーを、図2
(c)に示すように一定にすることができる。その結
果、パターンの寸法精度を上げることができる。なお、
制限アパチャの閉帯状開口の幅を大きくするほど(開口
面積を大きくするほど)補助露光量が大きくなり、ま
た、閉帯状開口の径を大きくするほど収差が大きくな
り、ぼかす程度を大きくできる。
なわちL程度にぼかすことにより、図2(b)において
境界線付近で低下していた蓄積エネルギーを、図2
(c)に示すように一定にすることができる。その結
果、パターンの寸法精度を上げることができる。なお、
制限アパチャの閉帯状開口の幅を大きくするほど(開口
面積を大きくするほど)補助露光量が大きくなり、ま
た、閉帯状開口の径を大きくするほど収差が大きくな
り、ぼかす程度を大きくできる。
【0031】図3は、図2(a)に示す散乱メンブレン
マスクに1:1ラインアンドスペースパターン、すなわ
ちパターン密度50%のパターンを形成した場合を示
す。図3から明らかなように、パターン密度が変わって
も同様に近接効果補正が可能であり、従来のGHOST
法のようにパターンが変わる毎に複雑な計算が必要な反
転パターンの補正露光を別途に行う必要はないことがわ
かる。
マスクに1:1ラインアンドスペースパターン、すなわ
ちパターン密度50%のパターンを形成した場合を示
す。図3から明らかなように、パターン密度が変わって
も同様に近接効果補正が可能であり、従来のGHOST
法のようにパターンが変わる毎に複雑な計算が必要な反
転パターンの補正露光を別途に行う必要はないことがわ
かる。
【0032】以上、本発明の基本構成および近接効果補
正の基本原理を説明したが、次に、本発明の特徴的構成
原理について図4〜図6を用いて説明する。
正の基本原理を説明したが、次に、本発明の特徴的構成
原理について図4〜図6を用いて説明する。
【0033】従来、制限アパチャ3は、クロスオーバー
位置S0に固定されていた。それは、このクロスオーバ
ー位置(後方焦平面)は、像の形成に寄与する散乱しな
い又は散乱程度が小さい露光電子が制限アパチャ3に全
く遮蔽されることなく、制限アパチャの中央部の開口を
通過できるためである。もし、制限アパチャを光軸方向
に大きく移動させると、露光電子が制限アパチャによっ
て遮られ、像の周辺が欠けてしまう。この現象を図4に
おいて説明すると、制限アパチャ3をS2より上方に移
動させると、パターンの最外周に相当する像を形成する
電子線の軌道がほぼ完全に遮蔽され、その結果、像の周
辺が欠ける。したがって、従来、制限アパチャはクロス
オーバー位置に固定しておくことが必要であり、しかも
従来の方法においては制限アパチャを移動させる必要性
は全くなかったため、制限アパチャを固定しておくこと
は当然の技術常識であった。
位置S0に固定されていた。それは、このクロスオーバ
ー位置(後方焦平面)は、像の形成に寄与する散乱しな
い又は散乱程度が小さい露光電子が制限アパチャ3に全
く遮蔽されることなく、制限アパチャの中央部の開口を
通過できるためである。もし、制限アパチャを光軸方向
に大きく移動させると、露光電子が制限アパチャによっ
て遮られ、像の周辺が欠けてしまう。この現象を図4に
おいて説明すると、制限アパチャ3をS2より上方に移
動させると、パターンの最外周に相当する像を形成する
電子線の軌道がほぼ完全に遮蔽され、その結果、像の周
辺が欠ける。したがって、従来、制限アパチャはクロス
オーバー位置に固定しておくことが必要であり、しかも
従来の方法においては制限アパチャを移動させる必要性
は全くなかったため、制限アパチャを固定しておくこと
は当然の技術常識であった。
【0034】ところが、本発明者は、像を形成する露光
電子だけではなく、近接効果補正に寄与する散乱電子に
着目し、その散乱電子の強度(散乱電子量)の空間分布
が光軸方向の位置によって異なることから、制限アパチ
ャをクロスオーバー位置から光軸方向に移動させること
により散乱電子の通過量が変化することを見い出し、本
発明を完成するに至った。
電子だけではなく、近接効果補正に寄与する散乱電子に
着目し、その散乱電子の強度(散乱電子量)の空間分布
が光軸方向の位置によって異なることから、制限アパチ
ャをクロスオーバー位置から光軸方向に移動させること
により散乱電子の通過量が変化することを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0035】すなわち、本発明の電子線露光装置は、散
乱領域を有するマスクと、該マスクを透過して散乱した
散乱電子の通過量を制御する制限アパチャを有する散乱
角制限方式電子線露光装置において、クロスオーバー位
置あるいはその近傍に固定され、中央部の開口と該開口
を取り囲む閉帯状の開口を有する第1の制限アパチャ
と、光軸上で移動可能であり、中央部の開口と該開口を
取り囲む閉帯状の開口を有する第2の制限アパチャを有
する。
乱領域を有するマスクと、該マスクを透過して散乱した
散乱電子の通過量を制御する制限アパチャを有する散乱
角制限方式電子線露光装置において、クロスオーバー位
置あるいはその近傍に固定され、中央部の開口と該開口
を取り囲む閉帯状の開口を有する第1の制限アパチャ
と、光軸上で移動可能であり、中央部の開口と該開口を
取り囲む閉帯状の開口を有する第2の制限アパチャを有
する。
【0036】第2の制限アパチャは、例えば、前記マス
ク上のパターンの最外周部に相当する像を形成する電子
線の軌道の中心が第2の制限アパチャによってけられな
い範囲内で第2の制限アパチャの光軸上の位置を調整可
能な機構を設けることによって、所望の補助露光量に応
じて、光軸方向に移動させることができる。
ク上のパターンの最外周部に相当する像を形成する電子
線の軌道の中心が第2の制限アパチャによってけられな
い範囲内で第2の制限アパチャの光軸上の位置を調整可
能な機構を設けることによって、所望の補助露光量に応
じて、光軸方向に移動させることができる。
【0037】本発明においては、クロスオーバー位置あ
るいはその近傍に固定された第1の制限アパチャとは別
に、光軸上で移動可能な第2の制限アパチャを設け、こ
の第2の制限アパチャの光軸方向の位置を変えることに
よって、両方の制限アパチャの閉帯状開口を通過する散
乱電子の量を調整することができる。すなわち、補助露
光量を調整することができる。
るいはその近傍に固定された第1の制限アパチャとは別
に、光軸上で移動可能な第2の制限アパチャを設け、こ
の第2の制限アパチャの光軸方向の位置を変えることに
よって、両方の制限アパチャの閉帯状開口を通過する散
乱電子の量を調整することができる。すなわち、補助露
光量を調整することができる。
【0038】図5に、第1の制限アパチャ3aと第2の
制限アパチャ3bを配置した光学系とマスク1から出射
する散乱電子の軌道を示す。また、第2の制限アパチャ
3bの閉帯状開口は第1の制限アパチャ3aの閉帯状開
口と同一形状(輪帯状)かつ同一サイズであり、第2の
制限アパチャ3bの中央部の開口(中心開口)は第1の
制限アパチャ3aの中心開口より大きくしている。
制限アパチャ3bを配置した光学系とマスク1から出射
する散乱電子の軌道を示す。また、第2の制限アパチャ
3bの閉帯状開口は第1の制限アパチャ3aの閉帯状開
口と同一形状(輪帯状)かつ同一サイズであり、第2の
制限アパチャ3bの中央部の開口(中心開口)は第1の
制限アパチャ3aの中心開口より大きくしている。
【0039】図5において、マスク1のA点から出射し
た散乱電子に着目すると、第2の制限アパチャ3bが設
置されてなければ第1の制限アパチャ3aの輪帯状開口
を透過可能である散乱電子が、第2の制限アパチャ3b
で遮られていることがわかる。これは、第1の制限アパ
チャ3aの位置での散乱電子の空間強度分布において、
第1の制限アパチャ3aの輪帯状開口と第2の制限アパ
チャ3bの輪帯状開口の相対位置関係がシフトするため
に生じる。
た散乱電子に着目すると、第2の制限アパチャ3bが設
置されてなければ第1の制限アパチャ3aの輪帯状開口
を透過可能である散乱電子が、第2の制限アパチャ3b
で遮られていることがわかる。これは、第1の制限アパ
チャ3aの位置での散乱電子の空間強度分布において、
第1の制限アパチャ3aの輪帯状開口と第2の制限アパ
チャ3bの輪帯状開口の相対位置関係がシフトするため
に生じる。
【0040】このような輪帯状開口の相対位置関係のシ
フトについて、図6を用いてさらに説明する。図6は、
クロスオーバー位置に固定された第1の制限アパチャ3
aの位置における散乱電子の空間強度分布を示す。図6
(a)は、第1の制限アパチャ3aと第2の制限アパチ
ャ3bが同位置に重なっている場合を示す。両側の斜線
領域は制限アパチャの輪帯状開口を通過する散乱電子に
よるものである。中央の斜線領域は制限アパチャの中心
開口を通過する散乱電子によるものである(なお、ウェ
ハ上に到達する電子数はこの分布にπr2を乗じた値と
なるため、中心開口を通過する散乱電子数は少なく、コ
ントラストの低下は小さい)。第1と第2の制限アパチ
ャの輪帯状開口の形状とサイズは同一であるため、第1
の制限アパチャの輪帯状開口を通過する散乱電子と第2
の制限アパチャの輪帯状開口を通過する散乱電子の強度
分布領域は重なっている。制限アパチャの中心開口につ
いては、第2の制限アパチャの中心開口は第1の制限ア
パチャよりやや大きいため、第2の制限アパチャの中心
開口位置は点線で示された位置となる。
フトについて、図6を用いてさらに説明する。図6は、
クロスオーバー位置に固定された第1の制限アパチャ3
aの位置における散乱電子の空間強度分布を示す。図6
(a)は、第1の制限アパチャ3aと第2の制限アパチ
ャ3bが同位置に重なっている場合を示す。両側の斜線
領域は制限アパチャの輪帯状開口を通過する散乱電子に
よるものである。中央の斜線領域は制限アパチャの中心
開口を通過する散乱電子によるものである(なお、ウェ
ハ上に到達する電子数はこの分布にπr2を乗じた値と
なるため、中心開口を通過する散乱電子数は少なく、コ
ントラストの低下は小さい)。第1と第2の制限アパチ
ャの輪帯状開口の形状とサイズは同一であるため、第1
の制限アパチャの輪帯状開口を通過する散乱電子と第2
の制限アパチャの輪帯状開口を通過する散乱電子の強度
分布領域は重なっている。制限アパチャの中心開口につ
いては、第2の制限アパチャの中心開口は第1の制限ア
パチャよりやや大きいため、第2の制限アパチャの中心
開口位置は点線で示された位置となる。
【0041】一方、図6(b)は、図5に示すように、
第2の制限アパチャ3bの位置を第1の制限アパチャ3
aの位置から距離Sだけ光軸上で上方に移動した場合を
示す。図6(b)中の点線は第2の制限アパチャ3bの
開口位置を示している。図6(b)において、第2の制
限アパチャ3bの位置を光軸方向に移動することによ
り、第1の制限アパチャ3aの輪帯状開口位置P1に対
して第2の制限アパチャ3bの輪帯状開口位置P2は左
方向へシフトする。このとき、第1及び第2の制限アパ
チャの両方の開口を通過する散乱電子量(強度)は、開
口位置P1に相当する領域と開口位置P2に相当する領域
が重なった斜線領域となり、図6(a)に示す場合より
低下する。すなわち、第2の制限アパチャ3bを光軸方
向に移動させることにより、補助露光量を制御できる。
第2の制限アパチャ3bの位置を第1の制限アパチャ3
aの位置から距離Sだけ光軸上で上方に移動した場合を
示す。図6(b)中の点線は第2の制限アパチャ3bの
開口位置を示している。図6(b)において、第2の制
限アパチャ3bの位置を光軸方向に移動することによ
り、第1の制限アパチャ3aの輪帯状開口位置P1に対
して第2の制限アパチャ3bの輪帯状開口位置P2は左
方向へシフトする。このとき、第1及び第2の制限アパ
チャの両方の開口を通過する散乱電子量(強度)は、開
口位置P1に相当する領域と開口位置P2に相当する領域
が重なった斜線領域となり、図6(a)に示す場合より
低下する。すなわち、第2の制限アパチャ3bを光軸方
向に移動させることにより、補助露光量を制御できる。
【0042】ただし、前述の通り、制限アパチャを動か
しすぎると、像の周辺部が欠けたり、あるいは十分な量
の露光電子がウェハ上に照射されないため寸法精度が低
下したりする。よって、そのような問題が起きない範囲
内で制限アパチャを光軸上で動かしたり、制限アパチャ
の中心の開口径を設定する。すなわち、本発明では、マ
スク上のパターンの最外周部に相当する像を形成する電
子線の軌道の中心が制限アパチャによってけられない範
囲内で動かすことが必要である。この範囲(図4中では
S0からS1の範囲)内であれば、像を形成する露光電子
が、十分にエネルギー蓄積されるようにウェハ上のレジ
ストに照射され、且つ、散乱電子による補助露光量を所
望量に調整できる。なお、図5に示す例では、第2の制
限アパチャを第1の制限アパチャより上方に移動する場
合を示したが、第1の制限アパチャより下方に移動させ
てもよい。
しすぎると、像の周辺部が欠けたり、あるいは十分な量
の露光電子がウェハ上に照射されないため寸法精度が低
下したりする。よって、そのような問題が起きない範囲
内で制限アパチャを光軸上で動かしたり、制限アパチャ
の中心の開口径を設定する。すなわち、本発明では、マ
スク上のパターンの最外周部に相当する像を形成する電
子線の軌道の中心が制限アパチャによってけられない範
囲内で動かすことが必要である。この範囲(図4中では
S0からS1の範囲)内であれば、像を形成する露光電子
が、十分にエネルギー蓄積されるようにウェハ上のレジ
ストに照射され、且つ、散乱電子による補助露光量を所
望量に調整できる。なお、図5に示す例では、第2の制
限アパチャを第1の制限アパチャより上方に移動する場
合を示したが、第1の制限アパチャより下方に移動させ
てもよい。
【0043】移動させる第2の制限アパチャの中央部の
開口径(中心開口径)は、第2の制限アパチャの移動に
より露光電子をできるだけ遮らないようにするために、
固定する第1の制限アパチャの中心開口径より大きくす
ることが好ましい。この第2の制限アパチャの中心開口
径は物理的に閉帯状開口の内側に収まる範囲で(輪帯状
開口の場合はその内径よりも小さい範囲で)設定するこ
とができる。図4からもわかるように、中心開口径を大
きくすることにより、露光電子の通過領域が広がるため
第2の制限アパチャの移動範囲を広げることができ、そ
の結果、補助露光量の可変量を大きくすることができ
る。
開口径(中心開口径)は、第2の制限アパチャの移動に
より露光電子をできるだけ遮らないようにするために、
固定する第1の制限アパチャの中心開口径より大きくす
ることが好ましい。この第2の制限アパチャの中心開口
径は物理的に閉帯状開口の内側に収まる範囲で(輪帯状
開口の場合はその内径よりも小さい範囲で)設定するこ
とができる。図4からもわかるように、中心開口径を大
きくすることにより、露光電子の通過領域が広がるため
第2の制限アパチャの移動範囲を広げることができ、そ
の結果、補助露光量の可変量を大きくすることができ
る。
【0044】また、第2の制限アパチャの閉帯状開口
は、その開口形状とサイズが、第1の制限アパチャの閉
帯状開口と同一あるいはほぼ同一に設定されるが、所望
の補助露光量の調整を妨げない範囲内で適宜その形状お
よびサイズを変えてもよい。
は、その開口形状とサイズが、第1の制限アパチャの閉
帯状開口と同一あるいはほぼ同一に設定されるが、所望
の補助露光量の調整を妨げない範囲内で適宜その形状お
よびサイズを変えてもよい。
【0045】以上の説明は制限アパチャを光軸方向に動
かして補助露光量を調整することを説明したが、これに
加えて、マスク上のパターンの最外周部に相当する像を
形成する電子線の軌道の中心が制限アパチャによってけ
られない範囲内で、第1の投影レンズ1の励磁を変える
によってクロスオーバー位置を動かしてもよい。クロス
オーバー位置を光軸方向に移動することによって、第2
の制限アパチャの位置を設定した後に補助露光量の微調
整を行うことができる。
かして補助露光量を調整することを説明したが、これに
加えて、マスク上のパターンの最外周部に相当する像を
形成する電子線の軌道の中心が制限アパチャによってけ
られない範囲内で、第1の投影レンズ1の励磁を変える
によってクロスオーバー位置を動かしてもよい。クロス
オーバー位置を光軸方向に移動することによって、第2
の制限アパチャの位置を設定した後に補助露光量の微調
整を行うことができる。
【0046】本発明において、「マスク上のパターンの
最外周部に相当する像を形成する電子線の軌道の中心が
制限アパチャによってけられない範囲」では、マスク上
のパターンの最外周部に相当する像を形成する電子線の
強度(露光電子強度IS)が、制限アパチャがクロスオ
ーバー位置S0にあるときの約50%以上に確保されて
いる。本発明においては、この露光電子強度ISの確保
量が70%以上が好ましく、80%以上がより好まし
く、90以上がさらに好ましい。本発明においては、露
光電子強度の確保量をできるだけ大きくとりながら、補
助露光量の調整を行うことが好ましく、露光電子強度I
Sの確保量を95%以上としても十分な補助露光量の調
整が可能である。前述のように第2の制限アパチャの中
心開口径を第1の制限アパチャの中心開口径より大きく
することによって、補助露光量の可変量を大きくとって
も、すなわち第2の制限アパチャの移動距離を大きくし
ても、第2の制限アパチャによって遮蔽される露光電子
を低減する或いは無くすことができ露光電子強度を十分
に確保することができる。
最外周部に相当する像を形成する電子線の軌道の中心が
制限アパチャによってけられない範囲」では、マスク上
のパターンの最外周部に相当する像を形成する電子線の
強度(露光電子強度IS)が、制限アパチャがクロスオ
ーバー位置S0にあるときの約50%以上に確保されて
いる。本発明においては、この露光電子強度ISの確保
量が70%以上が好ましく、80%以上がより好まし
く、90以上がさらに好ましい。本発明においては、露
光電子強度の確保量をできるだけ大きくとりながら、補
助露光量の調整を行うことが好ましく、露光電子強度I
Sの確保量を95%以上としても十分な補助露光量の調
整が可能である。前述のように第2の制限アパチャの中
心開口径を第1の制限アパチャの中心開口径より大きく
することによって、補助露光量の可変量を大きくとって
も、すなわち第2の制限アパチャの移動距離を大きくし
ても、第2の制限アパチャによって遮蔽される露光電子
を低減する或いは無くすことができ露光電子強度を十分
に確保することができる。
【0047】次に、図4において、実際の数値を用いて
説明する。収束半角d=5mrad、F1=160mm、F2=
40mm、マスクパターン幅W=1mmとすると、第2の制
限アパチャの中心開口半径が0.7mmであれば、露光
電子を全く遮ることなく、十分な補助露光量の可変量を
得ることができる。
説明する。収束半角d=5mrad、F1=160mm、F2=
40mm、マスクパターン幅W=1mmとすると、第2の制
限アパチャの中心開口半径が0.7mmであれば、露光
電子を全く遮ることなく、十分な補助露光量の可変量を
得ることができる。
【0048】図7に、図5に示す上記構成における、制
限アパチャの移動距離Sに対する輪帯状開口を通過した
散乱電子強度(補助露光量)の変化を示した。縦軸は、
クロスオーバー位置S0における補助露光量を1とした
場合の補助露光量比を示している。第1の制限アパチャ
としては、中心開口径(半径):0.2mm、輪帯状開
口の外径(半径):7.04mm、輪帯状開口の内径
(半径):2.24mm、輪帯状開口の幅:4.8mm
のものを用い、第2の制限アパチャとしては、中心開口
径(半径):0.7mm、輪帯状開口の外径(半径)、
内径(半径)及び幅は第1の制限アパチャと同じものを
用いた。例えば、第2の制限アパチャの移動距離Sを9
5mmとすると、図7から、補助露光量は約5%減少す
ることがわかる(このとき、露光電子強度の確保量は1
00%である。)。
限アパチャの移動距離Sに対する輪帯状開口を通過した
散乱電子強度(補助露光量)の変化を示した。縦軸は、
クロスオーバー位置S0における補助露光量を1とした
場合の補助露光量比を示している。第1の制限アパチャ
としては、中心開口径(半径):0.2mm、輪帯状開
口の外径(半径):7.04mm、輪帯状開口の内径
(半径):2.24mm、輪帯状開口の幅:4.8mm
のものを用い、第2の制限アパチャとしては、中心開口
径(半径):0.7mm、輪帯状開口の外径(半径)、
内径(半径)及び幅は第1の制限アパチャと同じものを
用いた。例えば、第2の制限アパチャの移動距離Sを9
5mmとすると、図7から、補助露光量は約5%減少す
ることがわかる(このとき、露光電子強度の確保量は1
00%である。)。
【0049】以上は、第1の制限アパチャと第2の制限
アパチャの開口を通過する散乱電子量を調整することに
よって補助露光量を調整し、近接効果補正を行うことを
説明したが、以下は、複数の制限アパチャを備え、これ
らを真空を解除しないで簡易に交換できる制限アパチャ
可変機構について説明する。両者は、それぞれ単独で行
うことはもちろん、これらを組み合わせてもよい。両者
を組み合わせる場合は、クロスオーバー位置あるいはそ
の近傍に固定される第1の制限アパチャに代えて、以下
に説明する制限アパチャ可変機構を設けることが好まし
い。
アパチャの開口を通過する散乱電子量を調整することに
よって補助露光量を調整し、近接効果補正を行うことを
説明したが、以下は、複数の制限アパチャを備え、これ
らを真空を解除しないで簡易に交換できる制限アパチャ
可変機構について説明する。両者は、それぞれ単独で行
うことはもちろん、これらを組み合わせてもよい。両者
を組み合わせる場合は、クロスオーバー位置あるいはそ
の近傍に固定される第1の制限アパチャに代えて、以下
に説明する制限アパチャ可変機構を設けることが好まし
い。
【0050】図8は、閉帯状開口の寸法が異なる複数の
制限アパチャ61が設置あるい作り込まれた制限アパチ
ャ可動部材62の一実施形態(平面図)を示す。図8
(a)は、矢印方向に回転させることにより(リボルバ
式)、図8(b)は矢印方向に移動させることにより
(スライド式)、複数の制限アパチャのうち所望の制限
アパチャを光学系に配置できるように構成されている。
制限アパチャ61が設置あるい作り込まれた制限アパチ
ャ可動部材62の一実施形態(平面図)を示す。図8
(a)は、矢印方向に回転させることにより(リボルバ
式)、図8(b)は矢印方向に移動させることにより
(スライド式)、複数の制限アパチャのうち所望の制限
アパチャを光学系に配置できるように構成されている。
【0051】なお、通常は閉帯状開口の外周部と内周部
を連結するリブを設けておくが、このリブの幅を広くし
て閉帯状開口が部分的に閉鎖された形状であってもかま
わない。
を連結するリブを設けておくが、このリブの幅を広くし
て閉帯状開口が部分的に閉鎖された形状であってもかま
わない。
【0052】図9に他の実施の形態を示す。図9(a)
は平面図、図9(b)は側面図である。第1の制限アパ
チャ71は、開口を中央部にのみ有し且つ光学系内に固
定されている。第2の制限アパチャ72は、この第1の
制限アパチャ71の外径より大きな内径の開口を中央部
に有し、この開口の径が異なる複数の第2の制限アパチ
ャが一つの制限アパチャ可動部材73に設置あるいは作
り込まれている。第1の制限アパチャと第2の制限アパ
チャを同軸上に配置することより、光軸方向からみると
見かけ上、中央に開口部を有し、その周囲を囲むように
輪帯状の開口を有した近接効果補正が可能な制限アパチ
ャが形成される。制限アパチャ可動部材73を回転させ
て、所望の第2の制限アパチャを選択することにより、
輪帯状開口の幅を変化させることができる。
は平面図、図9(b)は側面図である。第1の制限アパ
チャ71は、開口を中央部にのみ有し且つ光学系内に固
定されている。第2の制限アパチャ72は、この第1の
制限アパチャ71の外径より大きな内径の開口を中央部
に有し、この開口の径が異なる複数の第2の制限アパチ
ャが一つの制限アパチャ可動部材73に設置あるいは作
り込まれている。第1の制限アパチャと第2の制限アパ
チャを同軸上に配置することより、光軸方向からみると
見かけ上、中央に開口部を有し、その周囲を囲むように
輪帯状の開口を有した近接効果補正が可能な制限アパチ
ャが形成される。制限アパチャ可動部材73を回転させ
て、所望の第2の制限アパチャを選択することにより、
輪帯状開口の幅を変化させることができる。
【0053】さらに、他の実施の形態として、開口を中
央部にのみ有する第1の制限アパチャを複数備え、これ
ら第1の制限アパチャの外径はそれぞれ異なっている第
1の制限アパチャ可動部材と、これら第1の制限アパチ
ャの外径より大きな直径の開口を中央部に有する第2の
制限アパチャが複数設置あるいは作り込まれ、これら第
2の制限アパチャの開口径はそれぞれ異なっている第2
の制限アパチャ可動部材を有し、これら複数の第1の制
限アパチャのうち所望の第1の制限アパチャとこれら複
数の第2の制限アパチャのうち所望の第2の制限アパチ
ャとを光学系において同軸上に配置できるように前記第
1及び第2の制限アパチャ可動部材を稼動させる機構を
設けた構成としてもよい。
央部にのみ有する第1の制限アパチャを複数備え、これ
ら第1の制限アパチャの外径はそれぞれ異なっている第
1の制限アパチャ可動部材と、これら第1の制限アパチ
ャの外径より大きな直径の開口を中央部に有する第2の
制限アパチャが複数設置あるいは作り込まれ、これら第
2の制限アパチャの開口径はそれぞれ異なっている第2
の制限アパチャ可動部材を有し、これら複数の第1の制
限アパチャのうち所望の第1の制限アパチャとこれら複
数の第2の制限アパチャのうち所望の第2の制限アパチ
ャとを光学系において同軸上に配置できるように前記第
1及び第2の制限アパチャ可動部材を稼動させる機構を
設けた構成としてもよい。
【0054】以上に説明した制限アパチャ可変機構によ
れば、真空を解除して大気開放することなく種々の制限
アパチャに交換することができ、近接効果補正のための
補助露光量あるいは収差によるぼかし程度を調整するこ
とができる。
れば、真空を解除して大気開放することなく種々の制限
アパチャに交換することができ、近接効果補正のための
補助露光量あるいは収差によるぼかし程度を調整するこ
とができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、特に半導体装置の製造
におけるパターン形成工程において、近接効果補正の調
整を容易に行うことができ、高いスループットで優れた
寸法精度を実現することができる。
におけるパターン形成工程において、近接効果補正の調
整を容易に行うことができ、高いスループットで優れた
寸法精度を実現することができる。
【図1】本発明の基本構成を説明するための光学系の概
念図である。
念図である。
【図2】本発明における近接効果補正の基本原理を説明
するための概念図である。
するための概念図である。
【図3】本発明における近接効果補正の基本原理を説明
するための概念図である。
するための概念図である。
【図4】本発明における近接効果補正の調整方法を説明
するための光学系の概念図である。
するための光学系の概念図である。
【図5】本発明における近接効果補正の調整方法を説明
するための光学系の概念図である。
するための光学系の概念図である。
【図6】図5に示す光学系の第2の制限アパチャ位置に
おける散乱電子の強度分布を示す概念図である。
おける散乱電子の強度分布を示す概念図である。
【図7】本発明の一実施形態における、制限アパチャの
移動距離に対する補助露光量変化を示すグラフである。
移動距離に対する補助露光量変化を示すグラフである。
【図8】本発明の電子線露光装置の制限アパチャの説明
図である。
図である。
【図9】本発明の電子線露光装置の制限アパチャの説明
図である。
図である。
1 マスク 2 第1の投影レンズ 3 制限アパチャ 3a 第1の制限アパチャ 3b 第2の制限アパチャ 4 第2の投影レンズ 5 ウェハ 6 レジスト 21 メンブレン 22 散乱体 61 制限アパチャ 62 制限アパチャ可動部材 71 第1の制限アパチャ 72 第2の制限アパチャ 73 制限アパチャ可動部材
Claims (11)
- 【請求項1】 散乱領域を有するマスクと、該マスクを
透過して散乱した散乱電子の通過量を制御する制限アパ
チャを有する散乱角制限方式電子線露光装置であって、 クロスオーバー位置あるいはその近傍に固定され、中央
部の開口と該開口を取り囲む閉帯状の開口を有する第1
の制限アパチャと、 光軸上で移動可能であり、中央部の開口と該開口を取り
囲む閉帯状の開口を有する第2の制限アパチャを有する
ことを特徴とする散乱角制限方式電子線露光装置。 - 【請求項2】 前記マスクは、電子線透過性の薄膜上に
電子線散乱体からなるパターンが形成されている請求項
1記載の散乱角制限方式電子線露光装置。 - 【請求項3】 前記マスクは、電子線の飛程よりも薄い
領域に開口部を設けて開口パターンが形成されている請
求項1記載の散乱角制限方式電子線露光装置。 - 【請求項4】 中央部の開口を取り囲む閉帯状開口の寸
法が異なる複数の制限アパチャが設置あるい作り込まれ
た制限アパチャ可動部材を有し、これら複数の制限アパ
チャのうち所望の制限アパチャを前記第1の制限アパチ
ャとして光学系に配置できるように該制限アパチャ可動
部材を稼動させる機構を有する請求項1記載の散乱角制
限方式電子線露光装置。 - 【請求項5】 前記第1の制限アパチャに代えて、開口
を中央部にのみ有する制限アパチャ(A)が光学系内に
固定され、 該制限アパチャ(A)の外径より大きな直径の開口を中
央部に有する制限アパチャ(B)が複数設置あるいは作
り込まれ、これら複数の制限アパチャ(B)の開口径は
それぞれ異なっている制限アパチャ可動部材と、 これら複数の制限アパチャ(B)のうち所望の制限アパ
チャ(B)を制限アパチャ(A)と同軸上に配置できる
ように該制限アパチャ可動部材を稼動させる機構を有す
る請求項1記載の散乱角制限方式電子線露光装置。 - 【請求項6】 前記第1の制限アパチャに代えて、 開口を中央部にのみ有する制限アパチャ(A)を複数備
え、これら制限アパチャ(A)の外径はそれぞれ異なっ
ている第1の制限アパチャ可動部材と、これら制限アパ
チャ(A)の外径より大きな直径の開口を中央部に有す
る制限アパチャ(B)が複数設置あるいは作り込まれ、
これら制限アパチャ(B)の開口径はそれぞれ異なって
いる第2の制限アパチャ可動部材と、 これら複数の制限アパチャ(A)のうち所望の制限アパ
チャ(A)と、これら複数の制限アパチャ(B)のうち
所望の制限アパチャ(B)とを光学系内において同軸上
に配置できるように制限アパチャ可動部材(A)及び
(B)を稼動させる機構を有する請求項1記載の散乱角
制限方式電子線露光装置。 - 【請求項7】 散乱領域を有するマスクと、該マスクを
透過して散乱した散乱電子の通過量を制御する制限アパ
チャを有する散乱角制限方式電子線露光装置であって、 前記制限アパチャは、中央部の開口と、該開口を取り囲
む閉帯状の開口を有し、 該閉帯状開口の寸法が異なる複数の制限アパチャが設置
あるい作り込まれた制限アパチャ可動部材を有し、これ
ら複数の制限アパチャのうち所望の制限アパチャを光学
系内に配置できるように該制限アパチャ可動部材を稼動
させる機構を有することを特徴とする散乱角制限方式電
子線露光装置。 - 【請求項8】 散乱領域を有するマスクと、該マスクを
透過して散乱した散乱電子の通過量を制御する制限アパ
チャを有する散乱角制限方式電子線露光装置であって、 開口を中央部にのみ有し且つ光学系内に固定された第1
の制限アパチャと、 第1の制限アパチャの外径より大きな直径の開口を中央
部に有する第2の制限アパチャが複数設置あるいは作り
込まれ、これら複数の第2の制限アパチャの開口径はそ
れぞれ異なっている制限アパチャ可動部材と、 これら複数の第2の制限アパチャのうち所望の第2の制
限アパチャを第1の制限アパチャと同軸上に配置できる
ように該制限アパチャ可動部材を稼動させる機構を有す
ることを特徴とする散乱角制限方式電子線露光装置。 - 【請求項9】 散乱領域を有するマスクと、該マスクを
透過して散乱した散乱電子の通過量を制御する制限アパ
チャを有する散乱角制限方式電子線露光装置であって、 開口を中央部にのみ有する第1の制限アパチャを複数備
え、これら第1の制限アパチャの外径はそれぞれ異なっ
ている第1の制限アパチャ可動部材と、これら第1の制
限アパチャの外径より大きな直径の開口を中央部に有す
る第2の制限アパチャが複数設置あるいは作り込まれ、
これら第2の制限アパチャの開口径はそれぞれ異なって
いる第2の制限アパチャ可動部材と、 これら複数の第1の制限アパチャのうち所望の第1の制
限アパチャと、これら複数の第2の制限アパチャのうち
所望の第2の制限アパチャとを光学系内において同軸上
に配置できるように第1及び第2の制限アパチャ可動部
材を稼動させる機構を有することを特徴とする散乱角制
限方式電子線露光装置。 - 【請求項10】 請求項1記載の散乱角制限方式電子線
露光装置を用いた電子線露光方法であって、 前記マスク上のパターンの最外周部に相当する像を形成
する電子線の軌道の中心が第2の制限アパチャによって
けられない範囲内で、第2の制限アパチャを光軸方向に
移動することによって、第1の制限アパチャ及び第2の
制限アパチャの開口を通過する散乱電子量を調整して補
助露光量を調整し、パターン露光と同時に近接効果補正
を行うことを特徴とする散乱角制限方式電子線露光方
法。 - 【請求項11】 クロスオーバー位置を、投影レンズの
励磁を変えることにより光軸方向に移動させて、補助露
光量をさらに調整する請求項10記載の散乱角制限方式
電子線露光方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34758699A JP3255230B2 (ja) | 1999-02-25 | 1999-12-07 | 電子線露光装置および電子線露光方法 |
KR1020000008732A KR100363734B1 (ko) | 1999-02-24 | 2000-02-23 | 전자빔 노광 시스템, 전자빔 노광 시스템용 마스크 및전자빔 노광방법 |
US09/511,312 US6355383B1 (en) | 1999-02-24 | 2000-02-23 | Electron-beam exposure system, a mask for electron-beam exposure and a method for electron-beam exposure |
TW089103133A TW486732B (en) | 1999-02-24 | 2000-02-23 | An electron-beam exposure system, a mask for electron-beam exposure and a method for electron-beam exposure |
CN 00103090 CN1264850A (zh) | 1999-02-24 | 2000-02-24 | 电子束曝光系统及其方法 |
KR1020020036804A KR20020060668A (ko) | 1999-02-24 | 2002-06-28 | 전자빔 노광 마스크 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-48625 | 1999-02-25 | ||
JP4862599 | 1999-02-25 | ||
JP34758699A JP3255230B2 (ja) | 1999-02-25 | 1999-12-07 | 電子線露光装置および電子線露光方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000311851A true JP2000311851A (ja) | 2000-11-07 |
JP3255230B2 JP3255230B2 (ja) | 2002-02-12 |
Family
ID=26388926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34758699A Expired - Fee Related JP3255230B2 (ja) | 1999-02-24 | 1999-12-07 | 電子線露光装置および電子線露光方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3255230B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010058151A (ko) * | 1999-12-24 | 2001-07-05 | 박종섭 | 변형 조명계를 이용한 웨이퍼 정렬 시스템 |
-
1999
- 1999-12-07 JP JP34758699A patent/JP3255230B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010058151A (ko) * | 1999-12-24 | 2001-07-05 | 박종섭 | 변형 조명계를 이용한 웨이퍼 정렬 시스템 |
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---|---|
JP3255230B2 (ja) | 2002-02-12 |
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