JP3360725B2 - 電子線露光方法、並びにこれに用いるマスク及び電子線露光装置 - Google Patents

電子線露光方法、並びにこれに用いるマスク及び電子線露光装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に半導体装置の
製造に用いられる電子線露光方法、並びにこれに用いる
マスク及び電子線露光装置に関する。特に、散乱角制限
方式電子線露光方法において近接効果補正に好適な電子
線露光用マスクに関する。
【0002】
【従来の技術】電子線露光においては、レジスト層およ
び基板内での散乱電子に起因する近接効果(proximity
effect)がパターンの寸法精度に非常に影響を与える。
そのため、近接効果の補正は非常に重要な要素技術の一
つである。
【0003】現在、電子線露光方法の主流である部分一
括露光法(cell projection lithography)において
は、露光強度分布(EID)関数を用いた逐次計算法や
パターン密度法による複雑な計算を必要とする露光量補
償法が用いられている。
【0004】一方、近年、次世代の電子線露光技術とし
て注目されている散乱角制限方式電子線露光方法(Scat
tering with Angular Limitation in Projection Elect
ronBeam Lithography)においては、近接効果の補正
を、ゴースト法(GHOST法)を応用した補償法によ
り行われている。散乱角制限方式電子線露光方法は、露
光しようとするチップ全体のパターンをマスクに作り込
み、これをスキャンしながらウェハ上に転写する分割転
写法である。なお、この電子線露光方法に用いられる露
光装置については、ゴースト法とともに後に詳述する。
【0005】この散乱角制限方式電子線露光方法に用い
られるマスクとしては、電子線散乱能が比較的小さい電
子線透過性メンブレン(以下単に「メンブレン」ともい
う)、例えば厚さ100nm程度のシリコン窒化膜上
に、電子線散乱体、例えば厚さ50nm程度のタングス
テンからなるパターンが形成されたマスク(以下「散乱
メンブレンマスク」という)が用いられている。メンブ
レンを透過した非散乱あるいは散乱角の比較的小さい電
子線で露光が行われ、このメンブレン領域と散乱体領域
との電子線散乱の違いによってウェハ上に図形コントラ
ストが形成される。
【0006】散乱角制限方式電子線露光方法における近
接効果補正は、この散乱メンブレンマスク上の散乱体に
より散乱された電子の一部を、クロスオーバー位置もし
くはその近傍に配置された制限アパチャに設けた輪帯状
の開口で選択的に通過させ、この通過した散乱電子を対
物レンズの球面収差および色収差により後方散乱径程度
にぼかし、補助露光ビームとしてウェハ上に照射するこ
とにより行われる。本来露光すべきパターンの反転パタ
ーンを別途に、後方散乱径程度にぼかして弱く露光する
従来のゴースト法に対して、パターンの描画と同時に補
助露光が行われ近接効果の補正ができる点に特徴があ
る。パターンの描画と同時に補助露光が行え近接効果の
補正ができることはスループットの向上に大きく寄与す
る。このような近接効果の補正方法は、既に、J.Vac.Sc
i.Technol.B 13(6),2504-2507(1995)において、G.P.Wat
son らによって報告されている。
【0007】一方、部分一括露光法あるいはこの方法に
用いる装置(部分一括露光型電子線露光装置)に使用さ
れるマスク(以下「ステンシルマスク」という)は、電
子線を透過しない基板、例えば厚さ20μm以上のシリ
コン基板に開口パターンを形成したものが一般的に用い
られている。
【0008】しかし、半導体装置の高集積化に伴いパタ
ーンの微細化が進むにつれて、このような厚い基板から
なるステンシルマスクは次のような問題を起こすように
なった。すなわち、マスクの製造においては、厚さ20
μm以上の厚いシリコン基板に開口パターンを精度よく
形成することは困難であるため寸法にバラツキが生じた
り、電子線露光においては、マスクにより電子線が吸収
されマスクが発熱するため耐久性が低下したり熱膨張に
よりマスク位置が変動したりするなどの問題が起きてい
る。しかも、電子光学系の収差を低減して解像度を向上
させるために加速電圧を高くすることが求められている
ため、マスク基板は厚くなる傾向にあり、これらの問題
はますます顕著になってきている。
【0009】ステンシルマスクにおいて、マスク基板を
薄くすると、開口パターンの寸法精度は高くなり、また
発熱量は低下するが、本来遮蔽すべき電子線がマスク基
板部(非開口部)を透過してしまい、その結果、ウェハ
上のレジストの露光すべきでない領域が露光され、コン
トラストが低下し、解像度が低下する。
【0010】そこで、部分一括露光法において、このよ
うなステンシルマスクの問題を解決するため、特開平1
0−97055号公報には、比較的薄いマスク基板に開
口パターンを形成し、マスク裏面側に該マスクを透過し
た電子線を散乱させるための電子線散乱層を形成したこ
とを特徴とする電子線露光用マスクが開示されている。
この電子線散乱層としては、多結晶シリコン、タングス
テンシリサイド、モリブデンシリサイド、チタンシリサ
イド等の多結晶体からなる層や、凹凸形状の層が挙げら
れている。このような電子線散乱層を形成することによ
り、マスクのパターン層(非開口基板部)を透過してし
まう電子を散乱させウェハ上に入射することを防ぐこと
ができると記載されている。
【0011】また、特開平6−163371号公報に
は、マスクとして用いられる電子線の成形アパーチャを
電子線の飛程よりも薄い基板に開口部を設けた構造と
し、上記成形アパーチャより下方の電子光学系内に、上
記成形アパーチャ(マスク)の基板部を透過し、散乱さ
れた電子を遮断する機構を設けたことを特徴とする電子
線描画装置が開示されている。この発明においては、成
形アパーチャの基板部を透過し散乱された電子を遮断す
る機構を設け、すなわちクロスオーバー面に、孔径の小
さい制限絞りを設け、マスクの開口部を通過した電子線
のみを通過させ、マスク基板部で散乱された電子はその
制限絞り板によって取り除いている。また、他の遮断す
る機構として、エネルギーフィルタを設け、マスク基板
部を透過してエネルギーの一部を失った減速電子をその
進路を曲げて制限絞りによって取り除いている。
【0012】このように、部分一括露光法に用いられる
ステンシルマスクには、ステンシルマスクの薄膜化によ
り散乱電子が生じるものものもあるが、生じた散乱電子
がウェハ上に照射されるとコントラストが小さくなり、
解像度が低下するため、部分一括露光法においては、散
乱電子がウェハ上に照射されないように何らかの手段を
講じることが必要である。
【0013】また、従来、ステンシルマスクは部分一括
露光法に専ら用いられ、散乱角制限方式電子線露光方法
に用いられた例は本発明者によるもの以外は見受けられ
ない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来、散乱角制限方式
電子線露光方法における近接効果補正には、以下のよう
な問題があった。
【0015】通常、一回のパターン露光における補助露
光は、パターン密度の分布に関係なく常に一定量(後方
散乱係数η)の多量の補助露光を行う。そのため、コン
トラストが低下し、その結果、解像度が低下したり、露
光量マージンが小さくなる。補助露光量は、通常、制限
アパチャに形成された輪帯状開口の径と幅の寸法で調整
されるが、この補助露光量の調整は一つのパターン全体
に対するものであるため、一つのパターン中でパターン
密度分布に応じて補助露光量が変わるように調整するこ
とはできなかった。
【0016】また、ウェハにおいては、下地パターンに
よって近接効果の程度が異なる場合があり、特に、ウェ
ハ表面のレジスト層の下地層にタングステン等の重金属
からなる配線等の下地パターンが形成されていると、そ
の下地パターンで露光電子が反射あるいは後方散乱さ
れ、その結果、下地パターンが形成されていない領域上
のレジスト領域と下地パターン形成領域上のレジスト領
域とで近接効果の程度が異なることがある。このような
場合も、一つのパターン領域において下地パターンに応
じて補助露光量が変わるように調整することはできなか
った。
【0017】ところで本出願人は既に、特開平10−2
74841号公報にて、図形一括描画方式の電子線露光
方法、すなわち部分一括電子線露光法において、ステン
シルマスクの開口パターンの密度がセルアレイ中心部と
端部で異なるため(セルアレイ端部周辺にはパターンが
形成されていないため)、レジスト上に転写されたパタ
ーン寸法が異なるという近接効果の問題を提示し、ステ
ンシルマスクの開口パターンの密度に応じてマスク基体
を透過する電子線量を変化させるためにマスク基体の厚
さを変化させたことを特徴とするマスク及びこれを用い
た電子線露光方法を開示している。そして、同公報の
(0029)段落に、「ステンシルマスクの開口パター
ンの密度に応じてマスク基体の厚さを変えることで、非
開口部位を透過する電子線量を制御することが可能とな
り、開口パターンが密になるアレイ中心部に対応するマ
スク部位では透過電子線量を少なくし、開口パターンが
粗になるアレイ端部に対応するマスク部位では透過電子
線量を多くすることができる。したがって、アレイ中心
部及びアレイ端部で同等のパターン寸法を得ることがで
き、近接効果の影響を補正することができる。」と記載
している。そして、「1回のショットで1度に露光でき
るので、スループットを向上させることができる。」と
記載している。
【0018】この記載からも明らかなように、同公報に
記載の発明は、非開口部を透過する電子については、散
乱電子を全く考慮しないで全て直進する非散乱電子であ
るとし、電子の透過率の違いだけで近接効果を補正しよ
うとするものである。すなわち、パターン密度に応じて
透過電子線量が異なる反転パターンをそのまま露光しよ
うとするものである。
【0019】この方法は、本来露光すべきパターン(正
パターン)の反転パターンを後方散乱径程度にぼかした
ビームで弱く露光することにより近接効果を補正するい
わゆるゴースト法とは全く異なるものである。反転パタ
ーンをぼかさないでそのまま正パターンと同時に露光し
て近接効果補正をしようとする同公報記載の方法では、
コントラストが大きく低下し、微細パターンの形成には
適さない。しかも、パターン密度に応じて反転パターン
の透過電子線量が異なるため、パターン密度に応じてコ
ントラストが変化し、寸法精度が低くなる。
【0020】そこで本発明の目的は、ゴースト法による
近接効果補正をパターン露光と同時に行う散乱角制限方
式電子線露光方法において、パターン密度に応じて補助
露光量を調整することにより、コントラストを増大さ
せ、解像度を向上し、露光量マージンを大きくすること
にある。また、下地パターンが寄与する後方散乱に応じ
て補助露光量を調整することにより、パターンの寸法精
度を向上させることにある。さらに、このような方法に
用いる電子線露光用マスク及び電子線露光装置を提供す
ることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、散乱領域
を有するマスクを用い、該マスクにより散乱される散乱
電子の通過量を制限アパチャにより制御し、該マスクを
通過した電子線の散乱角の違いによる散乱コントラスト
によりパターン露光を行う散乱角制限方式の電子線露光
方法であって、パターン密度に応じてマスクの散乱領域
の厚さを変えて散乱電子の散乱角を制御することによっ
て制限アパチャを通過する散乱電子量を調整し、該制限
アパチャを通過した散乱電子の補助露光によりパターン
露光と同時に近接効果補正を行うことを特徴とする電子
線露光方法に関する。
【0022】第2の発明は、前記マスクが、電子線透過
性の薄膜上に所定のパターンを有する電子線散乱体から
なる散乱領域が形成された構成を有する第1の発明の電
子線露光方法に関する。
【0023】第3の発明は、前記マスクが、基板に開口
部を設けて開口パターンが形成されたマスクであって、
該基板は、その厚さが電子線の飛程よりも薄い散乱領域
を有し、該散乱領域に前記開口パターンが形成されてお
り、該散乱領域は、ウェハにおける後方散乱径の範囲に
対応する領域を含むことを特徴とする第1の発明の電子
線露光方法に関する。
【0024】第4の発明は、前記マスクが、複数のマス
クパターンの組み合わせで所望のパターンを形成する一
組の相補型マスクの一つであり、この一組の相補型マス
クを用いて所望のパターン形成に必要なマスクの数だけ
複数回露光した場合の補助露光量の合計が、所望のパタ
ーンを一つのマスクで一度の露光により形成する場合の
補助露光量と同じになるように、各相補型マスクの散乱
領域の厚さを設定して散乱電子の散乱角を制御し、これ
ら相補型マスクを用いた露光を必要回数実施して所望の
パターンの形成を行うと同時に、制限アパチャを通過し
た散乱電子の補助露光により近接効果補正を行うことを
特徴とする第3の発明の電子線露光方法に関する。
【0025】第5の発明は、散乱領域を有するマスクを
用い、該マスクにより散乱される散乱電子の通過量を制
限アパチャにより制御し、該マスクを通過した電子線の
散乱角の違いによる散乱コントラストによりパターン露
光を行う散乱角制限方式の電子線露光方法であって、前
記マスクとして、電子線透過性の薄膜上に所定のパター
ンを有する電子線散乱体からなる散乱領域が形成された
マスクを用い、ウェハの下地パターンが寄与する後方散
乱に応じてマスクの電子線散乱体の厚さを変えて散乱電
子の散乱角を制御することによって、制限アパチャを通
過する散乱電子量を調整し、該制限アパチャを通過した
散乱電子の補助露光によりパターン露光と同時に近接効
果補正を行うことを特徴とする電子線露光方法に関す
る。
【0026】第6の発明は、ウェハの下地パターン及び
該下地パターンが寄与する後方散乱径の範囲に対応する
マスクの散乱領域において、下地パターンが寄与する後
方散乱を加味してマスクの散乱領域の厚さを設定し散乱
電子の散乱角を制御することによって、制限アパチャを
通過する散乱電子量を調整し、該制限アパチャを通過し
た散乱電子の補助露光によりパターン露光と同時に近接
効果補正を行うことを特徴とする第1の発明の電子線露
光方法に関する。
【0027】第7の発明は、第1の発明の方法に用いら
れるマスクであって、パターン密度に応じて、適した補
助露光量で近接効果補正ができるように、散乱電子の散
乱角を制御するためにマスクの散乱領域の厚さが変えて
あることを特徴とする電子線露光用マスクに関する。
【0028】第8の発明は、電子線透過性の薄膜上に所
定のパターンを有する電子線散乱体からなる散乱領域が
形成された構成を有する第7の発明の電子線露光用マス
クに関する。
【0029】第9の発明は、基板に開口部を設けて開口
パターンが形成されたマスクであって、該基板は、その
厚さが電子線の飛程よりも薄い散乱領域を有し、該散乱
領域に前記開口パターンが形成されており、該散乱領域
は、被露光体における後方散乱径の範囲に対応する領域
を含むことを特徴とする第7の発明の電子線露光用マス
クに関する。
【0030】第10の発明は、第4の発明の方法に用い
られる、複数のマスクパターンの組み合わせで所望のパ
ターンを形成する一組の相補型マスクであって、この一
組の相補型マスクを用いて所望のパターン形成に必要な
マスクの数だけ複数回露光した場合の補助露光量の合計
が、所望のパターンを一つのマスクで一度の露光により
形成する場合の補助露光量と同じになるように、各相補
型マスクの散乱領域の厚さが設定されていることを特徴
とする電子線露光用マスクに関する。
【0031】第11の発明は、第5の発明の方法に用い
られるマスクであって、電子線透過性の薄膜上に所定の
パターンを有する電子線散乱体からなる散乱領域が形成
された構成を有し、ウェハの下地パターンが寄与する後
方散乱に応じて、適した補助露光量で近接効果補正がで
きるように、散乱電子の散乱角を制御するために電子線
散乱体の厚さが変えてあることを特徴とする電子線露光
用マスクに関する。
【0032】第12の発明は、散乱領域を有するマスク
を用い、該マスクにより散乱される散乱電子の通過量を
制限アパチャにより制御し、該マスクを通過した電子線
の散乱角の違いによる散乱コントラストによりパターン
露光を行う散乱角制限方式の電子線露光装置であって、
前記マスクは、第7〜第11のいずれかの発明のマスク
であり、前記制限アパチャは、中央部の開口と、該中央
部の開口の周囲に、パターン露光と同時に行われる近接
効果補正のための補助露光用散乱電子の通過量を制御す
るための閉帯状開口を有することを特徴とする散乱角制
限方式の電子線露光装置に関する。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を挙げて詳細に説明する。
【0034】<散乱角制限方式電子線露光装置の基本構
成>まず、パターン露光と同時に補助露光が行われ近接
効果補正が可能な散乱角制限方式電子線露光装置の基本
構成について、図1及び図2の概念図を用いて説明す
る。なお、図1においては一部の散乱電子と露光電子の
軌道を示し、図2においては露光電子のみの軌道を示し
た。
【0035】マスク1を通過した露光電子は、第1の投
影レンズ2によって集束され、クロスオーバーの位置、
すなわち後方焦平面に配置された制限アパチャ3の中央
の開口を通過し、続いて対物レンズである第2の投影レ
ンズ4によってウェハ5上のレジスト6に結像される。
ここで、図1に示すレジスト6は照射部分が残るネガ型
であり、説明のために現像後の形状を示している。本発
明に用いられるレジストはポジ型であってもよい。ま
た、第1の投影レンズと第2の投影レンズはダブレット
光学系を成している。
【0036】一方、マスク1によって散乱された散乱電
子は、大部分が制限アパチャ3によって遮蔽され、一部
分が中央の開口とその周囲を取り囲むように形成された
閉帯状の開口を通過する。この通過した散乱電子が第2
の投影レンズ4(対物レンズ)の球面収差と色収差によ
って後方散乱径程度にぼかされ、補助露光ビームとして
ウェハ上に照射される。ここで、中央の開口とその周囲
の閉帯状開口は同心に配置されており、閉帯状開口は輪
帯状であっても矩形や正方形の帯状であってもよい。通
常は輪帯状のものが用いられるが、アパチャの材料や製
法上の条件から矩形や正方形の帯状とされることもあ
る。なお、通常は閉帯状開口の外周部と内周部を連結す
るリブが設けられるが、所望の近接効果補正が可能な範
囲内でこのリブの幅を広くして閉帯状開口部が部分的に
閉鎖された形状となってもかまわない。
【0037】補助露光ビームの強度、すなわちこれに比
例する補助露光量は、通常、制限アパチャの閉帯状開口
の開口面積によって調整され、ぼかし程度は閉帯状開口
の制限アパチャ中心からの距離で調整される。輪帯状開
口の場合は、開口径の大きさでぼかし程度が調整され
る。なお、閉帯状開口の開口面積は制限アパチャの中央
部の開口より大きいため、実際の近接効果補正は閉帯状
開口を通過した散乱電子量にほぼ依存する。また実際の
露光における制限アパチャの設定おいては、後方散乱径
はウェハの材料と加速電圧に大きく依存するため、ウェ
ハ材料と加速電圧が同じ条件であれば、閉帯状開口の制
限アパチャ中心からの位置は一定(ぼかし程度一定)に
設定され、閉帯状開口の幅(開口面積)を変えて補助露
光量の調整のみが行われる。
【0038】<近接効果補正の基本原理>次に、図3及
び図4を用いて、近接効果補正の基本原理について説明
する。なお、マスクの電子線散乱領域と、電子線散乱能
が比較的小さい電子線透過領域(以下単に「透過領域」
ともいう)を明確にするため、ここでは従来の散乱メン
ブレンマスクを用いて説明する。
【0039】図3(a)は散乱メンブレンマスクを示
し、21がメンブレン(電子線透過性薄膜)、22が散
乱体層である。図3(b)は、閉帯状開口を有しない制
限アパチャを用い、補助露光ビームを照射していない場
合、すなわち近接効果補正をしていない場合のウェハ上
の蓄積エネルギー分布を示し、図3(c)は補助露光ビ
ームを照射した場合、すなわち近接効果補正をした場合
の蓄積エネルギー分布を示す。図中のβbが後方散乱径
である。また、前方散乱電子のエネルギーを1とする
と、後方散乱電子のエネルギーは反射係数ηとなり、こ
れに対応する補助露光率δはη/(1+η)で示され
る。
【0040】補助露光ビームを後方散乱径βb程度、す
なわちL程度にぼかすことにより、図3(b)において
境界線付近で低下していた蓄積エネルギーを、図3
(c)に示すように一定にすることができる。その結
果、パターンの寸法精度を上げることができる。
【0041】図4は、図3(a)に示す散乱メンブレン
マスクに1:1ラインアンドスペースパターン、すなわ
ちパターン密度50%のパターンを形成したマスクを用
いた場合を示す。図4から明らかなように、パターン密
度が変わっても同様に近接効果補正が可能であり、従来
のゴースト法のように、パターン毎に複雑な計算が必要
な反転パターンの補正露光を別途に行う必要はないこと
がわかる。
【0042】<本発明のマスクによる作用・効果>次
に、パターン密度に応じて散乱領域の厚さを変えた本発
明のマスクを用いて電子線露光を行った場合の作用・効
果について図5及び図6を用いて説明する。図5は、本
発明の散乱メンブレンマスクを用いて電子線露光を行っ
た場合のレジスト内での蓄積エネルギー分布を示す概念
図であり、図6は、比較として、従来の散乱メンブレン
マスク(散乱体層22の厚さが一定)を用いた場合の蓄
積エネルギー分布を示す概念図である。図5及び図6に
おいて、図(a)は散乱メンブレンマスクの断面図を示
す。なお、ステンシルマスクの場合は、メンブレン21
がなく、散乱体22をシリコン等からなる基板に開口パ
ターンが形成されたものに代えて見ることができる。図
(b)は、近接効果補正を行っていない場合、すなわ
ち、制限アパチャとして輪帯状開口が無く中央部の開口
のみを有するものを用い、補助露光を行わなかった場合
を示す。図(c)は、中央部開口の周囲に輪帯状開口を
有する制限アパチャを用いてパターン露光と同時に補助
露光ビームを照射して近接効果補正を行った場合を示
す。なお、本発明におけるパターン密度は、理論的に
は、電子線ビーム入射点から後方散乱径の範囲内のパタ
ーン密度をいう。
【0043】近接効果補正を行わないと、図5及び図6
のいずれにおいても図(b)に示すように、孤立パター
ンや、パターンの中央部と端部におけるように位置的に
パターン密度が異なることによって蓄積エネルギーに違
いが生じる。近接効果補正を行うと、図5(c)及び図
6(c)に示すようにいずれの場合も、パターン密度に
よらず蓄積エネルギーは一定になる。これにより、パタ
ーンの寸法精度を上げることができる。
【0044】本発明では、さらに、露光部と未露光部と
の蓄積エネルギーのコントラストを増大させ、解像度を
向上し、露光量マージンを大きくするため、図5(a)
に示すように、パターン密度αに応じてマスクの散乱領
域(散乱体層22)の厚さを変えている。マスクの散乱
領域の厚さを変えることにより、散乱電子の散乱角を制
御することでき、制限アパチャを通過する散乱電子の量
を調整することができる。すなわち、従来の散乱メンブ
レンマスクでは散乱体層の厚さが一定であったためマス
ク単位でしか補助露光量を調整できなかったが、本発明
によれば一つのマスクパターン内においてもパターン密
度に応じて部分的に補助露光量を調整できる。このよう
にパターン密度に応じてマスクの散乱領域の厚さを変え
ることにより、パターン密度に応じた必要最小量の補助
露光ビームの照射が可能となり、その結果、コントラス
トを増大させることができ、解像度が向上し、また露光
量マージンを大きくとることが可能となる。なお、露光
コントラストCは、露光部の最大露光強度をImax、非
露光部の最小露光強度をIminとすると、C=(Imax−
Imin)/(Imax+Imin)で示される。実際の露光に
おいては、露光強度がエネルギーに比例するため、蓄積
エネルギーのコントラストCEは、最大蓄積エネルギー
をEmax、最小露光強度をEminとすると、CE=(Emax
−Emin)/(Emax+Emin)で示される。
【0045】さらに図面を参照して説明すると、図6に
示すように、散乱領域の厚さが一定である従来の散乱メ
ンブレンマスクを用いた場合は、パターン密度αによら
ずウェハ全体に一定量ηの多量の補助露光を行うため、
補助露光によるエネルギー蓄積も大きくなっている。こ
れに対して、図5に示すように、パターン密度(α0
αi<αm)に応じて散乱領域の厚さ(t0<ti<tm
を変えてある本発明のマスクを用いた場合は、パターン
密度に応じて補助露光量が調整されているため、補助露
光によるエネルギー蓄積が小さくなっている。特に、最
大パターン密度αmのパターン領域においては、境界か
ら後方散乱径の範囲(L)以外では補助露光によるエネ
ルギー蓄積が無い程度にまで補助露光量を低減すること
ができる。このように本発明によれば、補助露光による
近接効果補正によってコントラストが大きく低下するこ
とがないため、従来のマスクを用いた場合に対して、レ
ジストパターンの断面形状に優れ(解像度が高く)、露
光量マージンを大きくとることができる。
【0046】<電子線露光用マスクの構成>次に、本発
明の電子線露光用マスクの構成について説明する。本発
明においては、マスクの散乱領域の厚さを厚くすること
により散乱電子の散乱角が大きくなり補助露光量を小さ
くでき、薄くすることにより散乱角が小さくなり補助露
光量を大きくできる。このようなマスクの構成として
は、従来の散乱メンブレンマスクを応用したものと、従
来のステンシルマスクを応用したものを挙げることがで
きる。
【0047】従来の散乱メンブレンマスクを応用した本
発明のマスクとしては、図5(a)に示すように、従来
の散乱メンブレンマスクにおいて電子線透過性薄膜(メ
ンブレン21)上に形成された散乱体層22の厚さをパ
ターン密度に応じて変えたものを用いることができる。
電子線透過性薄膜としては、厚さ50〜150nm程度
のシリコン窒化膜を用いることができる。散乱体として
は、このような薄膜上に、パターニングされた厚さ50
nm程度のタングステン(W)層あるいはW/Cr積層
体等を形成することができる。その他の散乱体層の材料
としては、クロム、モリブデン、チタン、金、白金等の
重金属や、多結晶シリコン、タングステンシリサイド、
モリブデンシリサイド、チタンシリサイド等の多結晶材
料を挙げることができる。散乱メンブレンマスクの材料
および製造方法については、例えば、SPIE, Vol.32
36 (1998) p.190 に記載されている。
【0048】一方、従来のステンシルマスクは、露光電
子を全て吸収(遮蔽)する或いはほとんど吸収する程度
に厚い基板に開口パターンが形成され、露光電子の吸収
コントラストによりパターン形成が行われていたが、本
発明のマスクとしては、比較的厚い基板に電子ビームの
透過率が高く且つ十分に散乱する程度に薄い散乱領域を
形成し、この散乱領域に開口パターンを形成し、且つパ
ターン密度に応じて散乱領域の厚さ変えたものを用いる
ことができる(以下「散乱ステンシルマスク」とい
う)。
【0049】本発明の散乱ステンシルマスクについて、
その一実施形態を示す図7を用いてさらに説明する。図
7(a)はラインアンドスペースの転写パターン31を
示し、図7(b)は図7(a)のAB線に対応するマス
クの断面図を示す。図中のβbは後方散乱径を示してい
る。なお、転写パターンとマスクとの対応関係をわかり
やすくするために、転写パターンサイズとマスクサイズ
は1:1としている。本発明の散乱ステンシルマスク
は、シリコン等からなる基板に開口部を設けて開口パタ
ーンが形成されたマスクであって、この基板は、電子線
の飛程よりも薄い散乱領域を有し、この散乱領域に前記
開口パターンが形成されている。そして、この散乱領域
は、ウェハにおける露光電子の後方散乱径βbの範囲に
対応する領域を含んでいる。さらに、この散乱領域の厚
さは、パターン密度に応じて補助露光量が最適になるよ
うに変えてある。
【0050】マスク基板の散乱領域に開口パターンが形
成された散乱ステンシルマスクを用いて露光を行うと、
開口部を通過した電子は露光電子としてウェハ上に照射
され、散乱領域すなわち基板の薄い領域を透過した電子
は散乱電子となり、その大部分はクロスオーバー位置の
制限アパチャにより遮蔽される。その結果、従来のステ
ンシルマスクでは吸収コントラストによりウェハ上に図
形コントラストが形成されるのに対して、本発明の散乱
ステンシルマスクでは散乱コントラストにより図形コン
トラストが形成される。一方、制限アパチャの閉帯状開
口を通過した一部の散乱電子は、補助露光ビームとして
ウェハ上に照射され、これにより近接効果補正が行われ
る。このように散乱ステンシルマスクにおいては、その
散乱領域は散乱メンブレンマスクの散乱体層22に対応
し、開口部は散乱メンブレンマスクの電子線透過性薄膜
(メンブレン21)に対応している。
【0051】本発明の散乱ステンシルマスクの散乱領域
の厚さは、電子線が十分に透過し且つ散乱するために次
のように設定する。散乱領域の厚さの上限としては、電
子線の飛程(侵入長)よりも薄いことが必要であり、電
子線の飛程の1/2よりも薄いことが好ましい。さらに
は、平均自由行程の25倍以下が好ましく、15倍以下
がより好ましく、10倍以下がさらに好ましい。散乱領
域の厚さの下限としては、電子線の平均自由行程よりも
厚いことが必要であり、好ましくは平均自由行程の1.
5倍以上、より好ましくは2倍以上、さらに好ましくは
3倍以上とする。電子線の飛程や平均自由行程はマスク
基板材料や加速電圧に大きく依存するため、散乱領域の
厚さは、パターン密度以外にマスク基板材料や加速電圧
も考慮して適宜設定する。なお、平均自由行程は、Jpn.
J.Appl.Phys.,10 (1971) p.678に記載の関係式により求
めることができる。さらに、上記のように設定されるマ
スク基板の散乱領域の厚さは、ビームコントラストが好
ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さら
に好ましくは98%以上となるように設定される。ま
た、製造上の点も考慮することが必要となる場合もあ
り、例えばシリコン基板の開口部においてはアスペクト
比が10以下であることが望ましく、この点も考慮して
厚さを設定することが望ましい。
【0052】本発明の散乱ステンシルマスクでは、薄い
散乱領域に開口パターンが形成されるため、開口パター
ンの加工精度が向上し、また、電子線は散乱領域をほと
んど透過するため電子線照射によるマスクの発熱が抑え
られるという利点も有する。但し、マスク基板の散乱領
域が薄すぎるとマスクの機械的強度が失われるため、図
7(b)に示すように、散乱領域以外の領域は、マスク
の機械的強度が保てるように散乱領域の厚さより厚く形
成することが好ましく、散乱領域の厚さの2倍以上の厚
さとするのが好ましい。
【0053】本発明の散乱ステンシルマスクとして、例
えばシリコン基板を用いた場合、加速電圧を100kV
としたとき(電子線の飛程は約67μm)、シリコン基
板の散乱領域の厚さの下限としては0.3μm以上が好
ましく、0.4μm以上がより好ましく、0.6μm以
上がさらに好ましい。上限としては5μm以下が好まし
く、3μm以下がより好ましく、2μm以下がさらに好
ましい。
【0054】本発明の散乱ステンシルマスクにおける他
の重要な点は、ウェハにおける露光電子の後方散乱径の
範囲に対応するマスク基板領域(以下「後方散乱マスク
基板領域」という)も、電子線の飛程よりも薄い上記の
厚さにすることである。すなわち、マスク基板の散乱領
域は後方散乱マスク基板領域を含むことが必要である。
この後方散乱マスク基板領域において電子が十分に透過
しなかったり、十分な散乱電子が発しないと、近接効果
補正を十分に行うことができない。前述のとおり、近接
効果補正を行うためには、散乱電子を後方散乱径程度に
ぼかして補助露光ビームとして照射する必要があるた
め、少なくとも後方散乱径の範囲に対応するマスク基板
領域(後方散乱マスク基板領域)からも散乱電子が発す
る必要がある。
【0055】<マスクの散乱領域の厚さと補助露光量の
関係>次に、マスクの散乱領域の厚さを変えることによ
り散乱電子の散乱角が制御でき、補助露光量を調整でき
ることについてさらに説明する。
【0056】図8(a)は、所定の厚さのSiステンシ
ルマスク(非開口部)を透過して散乱された散乱電子の
アパチャ通過率T(%)と制限アパチャのアパチャ角θ
(mrad)との関係を示す図である。ここでアパチャ通過
率T(%)とは、マスク照射電子に対するウェハ85上
に照射された電子の割合を示す。この関係は、図8
(b)に示す光学系において、制限アパチャとして輪帯
状開口の無い中央部にのみ開口を有するものを用い、マ
スクとしては開口パターンの無い、厚さがそれぞれ0.
15μm、0.3μm、0.5μm、1.0μm、2.
0μmのものを用いた場合のものである。ここで、アパ
チャ角θと、制限アパチャ83の中央部の開口の半径r
との関係は、マスク81から第1の投影レンズ82まで
の距離をDとすると、r≒D・θで表される。
【0057】図8(a)から、アパチャ角θが大きい
(開口径rが大きい)ほどアパチャ通過率Tが大きく、
また、マスクが厚いほどアパチャ通過率Tが小さくなっ
ていることがわかる。
【0058】アパチャ角θが大きいほどアパチャ通過率
Tが大きいことは、開口径rが大きいほどウェハ上に照
射される散乱電子量が大きいことを示す。なお、非散乱
電子のアパチャ通過率は図8(a)においてアパチャ角
が0のときのアパチャ通過率である。
【0059】一方、マスクが厚いほどアパチャ通過率が
小さくなっていることは、マスク厚が厚いほど、すなわ
ち散乱領域が厚いほど電子線の散乱角が大きくなり、散
乱角が大きくなった散乱電子が制限アパチャに遮られ、
ウェハに照射される散乱電子量が低減することを示して
いる。
【0060】本発明者は、このようにマスクの散乱領域
の厚さを変えることにより散乱電子の散乱角が制御で
き、これによりウェハ上へ照射される散乱電子量、すな
わち補助露光量が調整できることに着目し、本発明を完
成するに至ったのである。
【0061】なお、図9に、加速電圧100kVのとき
のSiステンシルマスク(非開口)の厚さとビームコン
トラストとの関係を示す。ここで、ビームコントラスト
C(%)は、アパチャ角θが0mradのときのアパチャ通
過率をT0としたとき、C=100−T0[%]で示され
る。例えば、図8(a)においてマスク厚が0.3μm
のときは、アパチャ通過率T0が10%であるため、ビ
ームコントラストは90%となり、ウェハ上に十分な図
形コントラストが形成可能であることがわかる。
【0062】<パターン密度とマスク散乱領域の厚さと
の関係>次に、パターン密度に応じて補助露光量を調整
するため、マスクの散乱領域の厚さを変えることについ
て具体例を挙げて説明する。
【0063】マスクとして、ラインアンドスペースパタ
ーンが形成され、パターン密度50%(L/S=1/1)の領
域とパターン密度25%(L/S=1/3)の領域を有するS
i散乱ステンシルマスクを用い、制限アパチャとして、
中央部の開口の周囲に輪帯状開口を有し、この輪帯状開
口の内径のアパチャ角が20mrad、外径のアパチャ角が
40mradである制限アパチャ(中心径のアパチャ角が3
0mrad)を用いる場合について以下に説明する。
【0064】露光条件としては、加速電圧=100k
V、F1=160mm、F2=40mmとする。また、こ
の露光条件で後方散乱径βbが30μmであるSiウェ
ハを用いる場合、光学系の対物レンズ(第2の投影レン
ズ4)としては、上記の制限アパチャの輪帯状開口を通
過した散乱電子がこの後方散乱径βb(30μm)程度
にぼけるような球面収差係数を有するものを用いる。
【0065】さて、後方散乱電子による蓄積エネルギー
は、前方散乱電子の蓄積エネルギーを1とすると、パタ
ーン密度(α)と後方散乱係数(η)との積で表される
ため、パターン密度が50%の領域ではη/2、パター
ン密度が25%の領域ではη/4となる。
【0066】ここでは、パターン密度が最も大きい領域
における後方散乱による蓄積エネルギーを基準として、
補助露光量を決定する。例えば、最大パターン密度が5
0%であるとすると、全てのパターン領域において蓄積
エネルギーがη/2となるような補助露光量を与える
(このとき、最大パターン密度の領域の補助露光量は境
界付近を除き0)。この場合、パターン密度25%の領
域では、η/2−η/4=η/4に相当する補助露光量
が必要となる。よって、パターン密度25%の領域に対
しては、制限アパチャの輪帯状開口を通過させる補助露
光ビームの補正露光量率δ25は、δ25=(0.25/
0.75)×η/(1+η)となり、後方散乱係数η=
0.4とすると、δ25=0.095(=9.5%)とな
る。これを一般式で示すと、最大パターン密度をαm
他の領域のパターン密度をαiと表記すると、パターン
密度αiの領域に対する補正露光量率δiは、δi
((αm−αi)/(1−αi))×η/(1+η)で表
すことができる(但し1≧αm>αi)。
【0067】ここで、マスク厚とアパチャ通過率との関
係(輪帯状開口のアパチャ角:20〜40mrad)を示す
図10において、前述のδ25=0.095(=9.5
%)に相当するアパチャ通過率9.5%のときのマスク
厚は0.8μmである。よって、パターン密度25%の
領域のマスク厚は0.8μmとする。一方、パターン密
度が50%の領域には境界付近を除き補助露光ビームを
照射しないため、アパチャ角20〜40mradにおいてア
パチャ通過率が0%となるようにマスク厚を2μm以上
とする。
【0068】なお、ここでは、最大パターン密度の領域
への補助露光量が境界付近を除き0の場合を示したが、
所望のコントラストが得られる範囲内で、最大パターン
密度の領域全体にも補助露光ビームが照射されてもよ
い。
【0069】<下地パターンに応じて散乱領域の厚さが
変えられたマスク>次に、図11を用いて本発明の電子
線露光用マスクの他の実施の形態について説明する。図
11(a)はラインアンドスペースの転写パターン31
と、下地パターン32を示し、図11(b)は、図11
(a)のAB線に対応するマスクの断面図を示す。図中
のβbSiはシリコン基板に起因する後方散乱径を示し、
βbWは下地パターンがさらに寄与する後方散乱径を示し
ている。なお、転写パターンとマスクとの対応関係をわ
かりやすくするために、転写パターンサイズとマスクサ
イズは1:1としている。
【0070】下地パターン32は、ウェハ材料より密度
の大きい物質からなるゲートや配線、コンタクトホール
の埋め込み部等からなり、下地パターンを構成する重い
物質としては、タングステン、銅、タンタル、コバル
ト、チタン、モリブデン等の重金属が挙げられる。ライ
ンアンドスペースの転写パターン31は、例えば、ビッ
ト線やアルミ配線のパターンに対応している。
【0071】本実施の形態では、後方散乱係数と後方散
乱径が材料の種類によって異なる点も考慮しているの
で、転写パターンの寸法の制御がより正確に行える。
【0072】本実施の形態では、下地パターンが寄与す
る後方散乱も考慮してマスク厚の異なる領域を形成す
る。このマスク厚の異なる領域の厚さは、ウェハ側基板
材料と下地パターンの後方散乱係数に応じて設定する。
また、マスク厚の異なる領域は、下地パターンの形成範
囲に対応する領域だけでなく、下地パターンが寄与する
後方散乱径の範囲に対応する領域を含めてその厚さの設
定を行う。
【0073】図11に示すように、マスクの散乱体層2
2の厚さは、下地パターン32が後方散乱に寄与する領
域RWが最も薄く、下地パターン32が寄与しない領域
Siがやや厚く形成されている。領域RWが領域RSi
り薄く形成されているのは、下地パターンが寄与する後
方散乱によるエネルギー蓄積の増加分を補償するため、
より多くの補助露光量をウェハ上に照射するためであ
る。このように、下地パターンが寄与する後方散乱領域
に対応するマスク基板の散乱領域を薄くすることによっ
て、下地パターンによる後方散乱が寄与する近接効果の
補正も可能となり、現像後のレジストパターンの寸法精
度がより一層向上する。
【0074】図11により説明した上記の実施形態は、
パターン密度を考慮しないで下地パターンが寄与する後
方散乱に応じてマスク基板の散乱領域の厚さを変えた例
であったが、パターン密度に応じてマスク基板の散乱領
域の厚さを設定する際に、下地パターンが寄与する後方
散乱を加味して散乱領域の厚さを設定してもよい。この
とき、後方散乱の程度は、下地パターンが寄与する後方
散乱領域においては、ウェハ基板の後方散乱係数と下地
パターンの後方散乱係数の両方を考慮する。
【0075】<本発明の相補型マスクへの適用>ステン
シルマスクにおいては、例えば棒状パターンが矩形や正
方形に配列されたパターンや、あるいはコの字形の棒状
パターン等を有する場合、マスクが破損しやすいという
問題がある。マスクにおいて、棒状パターンに囲まれた
領域とその周囲の領域とを支持する部分(例えば正方形
パターンでは4角の部分)は、その面積が小さく強度が
低いため、取り扱い中に容易にその支持部分でマスクが
破損する。
【0076】そこで、ドーナツ問題、リーフ問題とも呼
ばれるこのような問題を解決するため、パターンを複数
に分割し、分割されたそれぞれのパターンに相応したマ
スクを作製し、これらのマスクを用いて複数回電子線露
光を行って最終的に所望のパターンを形成する方法が採
られている。分割されたパターンを有する各マスクは、
相補型マスク、あるいはコンプリメンタリマスクと呼ば
れている。
【0077】従来の散乱角制限方式の電子線露光方法に
おいて、このような相補型マスクを用いて所望のパター
ンを形成しようとすると、次のような問題が生じる。す
なわち、パターン露光と同時に行われる近接効果補正で
は、一つのマスク毎に補助露光ビームが照射されるた
め、所望のパターン形成のために複数の相補型マスクを
用いて複数回露光を行うと、2回目以降の露光では余分
に補助露光ビームが照射されることになり、その結果、
不正な補助露光量のため寸法精度が低下したりコントラ
ストが低下する。
【0078】このような問題を解決するため、本発明で
は、パターン密度に応じてマスク基板の散乱領域の厚さ
を設定する際、一組の相補型マスクを用いて所望のパタ
ーン形成に必要なマスクの数だけ複数回露光した場合の
補助露光量の合計が、所望のパターンを一つのマスクで
一度の露光により形成する場合の補助露光量と同じにな
るように、各相補型マスクの散乱領域の厚さを設定す
る。このときのマスク基板の散乱領域の厚さも、前述の
図10に示される補助露光量率δに相当するアパチャ通
過率とマスク厚との関係を用いて求めることができる。
【0079】このように散乱領域の厚さが変えられ散乱
角が制御された相補型マスクを用いることにより、一組
の相補型マスクを用いて電子線露光を必要回数実施して
所望のパターンの形成を行うと同時に、所定の補助露光
量による最適な近接効果補正を行うことができる。
【0080】<マスクの製造方法> 散乱ステンシルマスクの製造方法 従来のステンシルマスクの製造方法の一例を図11を用
いて説明した後、本発明の散乱ステンシルマスクの製造
方法の実施形態を説明する。
【0081】まず、図12(a)に示すように、貼り合
せウェハ44(Si/SiO2/Si)上にリソグラフ
ィ技術によりレジスト層を形成しパターニングする。符
号41と符号43はSi層を示し、符号42はSiO2
層を示す。
【0082】次に、図12(b)に示すように、パター
ニングされたレジスト層45をマスクとしてSi層43
をドライエッチングする。
【0083】レジスト除去後、図12(c)に示すよう
に、後の工程のウェットエッチングの際の保護膜として
シリコン窒化膜46を形成する。次いで、裏面に、レジ
スト層を形成してパターニングし、中央に開口窓を有す
るレジスト層47を形成する。
【0084】次に、図12(d)に示すように、開口部
で露出しているSi層41を水酸化カリウム溶液等のア
ルカリ溶液でウェットエッチングする。形成されたSi
層41のテーパ形状はSi層の面方位によるものであ
る。続いて、露出したSiO2膜42をウェットエッチ
ングにより除去する。
【0085】その後、図12(e)に示すように、レジ
スト層47及び保護膜46を除去し、表面部に金、白
金、パラジウム等からなる導電膜48をスパッタ法等に
より形成する。
【0086】本発明の散乱ステンシルマスクは、上記従
来の製造方法を応用することにより作製することができ
る。
【0087】マスクの散乱領域において部分的に厚さを
変えるには、例えばマスクの形成後、裏面からイオンビ
ームを照射して選択的にSi層を除去することで形成す
ることができる。あるいは、図12(d)に示す工程
後、レジスト層47及び保護膜46を除去した後、表面
部に導電膜48を形成する前に、表面からイオンビーム
を照射して選択的にSi層を除去してもよい。
【0088】他の方法としては、例えば、図12(b)
に示す工程の後、レジスト層45を除去し、その後、リ
ソグラフィ技術によりレジスト層を形成しパターニング
し(図13(a))、次いでパターニングされたレジス
ト層49をマスクとしてドライエッチングして、部分的
に厚さの薄い領域を形成する(図13(b))。あるい
は、図12(d)に示す工程後、レジスト層47及び保
護膜46を除去した後、表面部に導電膜48を形成する
前に、同様に、リソグラフィ技術によりレジスト層を形
成しパターニングし、次いでパターニングされたレジス
ト層をマスクとしてドライエッチングして、部分的に厚
さの薄い領域を形成してもよい。このような部分的に薄
膜にする工程は、パターン密度の異なる複数の領域毎に
繰り返し行うことができる。
【0089】散乱メンブレンマスクの製造方法 従来の散乱メンブレンマスクの作製方法の一例を説明し
た後、本発明の散乱メンブレンマスクの製造方法の実施
形態を説明する。なお、従来の散乱メンブレンマスクの
製造方法については、例えば、SPIE, Vol.3236 (19
98) p.190 に記載されている。
【0090】まず、シリコン基板に電子線透過性薄膜と
してシリコン窒化膜をLPCVD法により形成する。こ
のときシリコン窒化膜はシリコン基板の両面に形成され
る。続いて、基板の表側に形成されたシリコン窒化膜上
に散乱体層としてタングステン層をスパッタにより積層
する。
【0091】次に、シリコン基板の裏側に形成されたシ
リコン窒化膜上にレジストを被覆しパターニングを行
い、形成されたレジストパターンをマスクとして、反応
性イオンエッチングによりシリコン窒化膜を除去し、所
定の領域にシリコン基板を露出させる。なお、タングス
テン層は、この工程の後に基板表面のシリコン窒化膜上
に形成してもよい。
【0092】レジスト除去後、KOHによるウェットエ
ッチングを行って、シリコン基板の露出領域のシリコン
を除去し、基板の表側に形成されたシリコン窒化膜が露
出した開口部を形成する。
【0093】次に、基板の表側のタングステン層上にレ
ジストを被覆しパターニングを行い、形成されたレジス
トパターンをマスクとして、ドライエッチングを行って
タングステン層をパターニングする。レジストを除去す
ることにより、シリコン窒化膜上にタングステン層パタ
ーンが形成された散乱メンブレンマスクが得られる。以
上が従来の製造方法の一例であるが、この方法におい
て、タングステン層パターンの厚さを部分的に変えるに
は、例えば、タングステン層を予め厚めに形成してお
き、所定のパターン領域毎にエッチング量を変えてフォ
トレジスト工程を複数回行うことにより、部分的に厚さ
の異なる散乱体層パターンを形成することができる。
【0094】その他の方法として、タングステン層をシ
リコン窒化膜上に形成する際、所定の領域毎にレジスト
パターン形成とタングステンスパッタとレジスト除去を
行う工程を行い、タングステンスパッタ量をこの工程毎
に変えて行うことにより、部分的に厚さの異なる散乱体
層パターンを形成することができる。
【0095】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、ゴースト法による近接効果補正をパターン露光
と同時に行う散乱角制限方式電子線露光方法において、
パターン密度に応じて補助露光量を調整することによ
り、コントラストを増大させ、解像度を向上し、露光量
マージンを大きくすることができる。また、下地パター
ンが寄与する後方散乱に応じて補助露光量を調整するこ
とにより、パターンの寸法精度を向上させることができ
る。さらに、このような方法に最適な電子線露光用マス
ク及び電子線露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における散乱角制限方式電子線露光装置
の基本構成を説明するための概念図である。
【図2】本発明における散乱角制限方式電子線露光装置
の基本構成を説明するための概念図である。
【図3】本発明における近接効果補正の基本原理を説明
するための概念図である。
【図4】本発明における近接効果補正の基本原理を説明
するための概念図である。
【図5】本発明のマスクを用いて電子線露光を行った場
合の蓄積エネルギー分布を示す概念図である。
【図6】従来のマスクを用いて電子線露光を行った場合
の蓄積エネルギー分布を示す概念図である。
【図7】本発明の電子線露光用マスクの一実施形態の説
明図である。
【図8】Siステンシルマスク(非開口)を透過して散
乱された散乱電子のアパチャ通過率と制限アパチャのア
パチャ角との関係を示す図である。
【図9】Siステンシルマスク(非開口)の厚さとビー
ムコントラストとの関係を示す図である。
【図10】Siステンシルマスク(非開口)の厚さと、
このマスクを透過した電子のアパチャ通過率との関係を
示す図である。
【図11】本発明の電子線露光用マスクの一実施形態の
説明図である。
【図12】従来のステンシルマスクの製造方法を説明す
るための工程断面図である。
【図13】本発明の散乱ステンシルマスクの製造方法を
説明するための工程断面図である。
【符号の説明】
1 マスク 2 第1の投影レンズ 3 制限アパチャ 4 第2の投影レンズ 5 ウェハ 6 レジスト 21 メンブレン 22 散乱体層 31 転写パターン 32 下地パターン 41、43 Si層 42 SiO2層 44 貼り合せウェハ 45、47、49、50 レジスト層 46 保護膜(シリコン窒化膜) 48 導電膜 51 電子線散乱膜 81 マスク 82 第1の投影レンズ 83 制限アパチャ 84 第2の投影レンズ 85 ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/30 541M

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 散乱領域を有するマスクを用い、該マス
    クにより散乱される散乱電子の通過量を制限アパチャに
    より制御し、該マスクを通過した電子線の散乱角の違い
    による散乱コントラストによりパターン露光を行う散乱
    角制限方式の電子線露光方法であって、 パターン密度に応じてマスクの散乱領域の厚さを変えて
    散乱電子の散乱角を制御することによって制限アパチャ
    を通過する散乱電子量を調整し、該制限アパチャを通過
    した散乱電子の補助露光によりパターン露光と同時に近
    接効果補正を行うことを特徴とする電子線露光方法。
  2. 【請求項2】 前記マスクは、電子線透過性の薄膜上に
    所定のパターンを有する電子線散乱体からなる散乱領域
    が形成された構成を有する請求項1記載の電子線露光方
    法。
  3. 【請求項3】 前記マスクは、基板に開口部を設けて開
    口パターンが形成されたマスクであって、該基板は、そ
    の厚さが電子線の飛程よりも薄い散乱領域を有し、該散
    乱領域に前記開口パターンが形成されており、該散乱領
    域は、ウェハにおける後方散乱径の範囲に対応する領域
    を含むことを特徴とする請求項1記載の電子線露光方
    法。
  4. 【請求項4】 前記マスクは、複数のマスクパターンの
    組み合わせで所望のパターンを形成する一組の相補型マ
    スクの一つであり、 この一組の相補型マスクを用いて所望のパターン形成に
    必要なマスクの数だけ複数回露光した場合の補助露光量
    の合計が、所望のパターンを一つのマスクで一度の露光
    により形成する場合の補助露光量と同じになるように、
    各相補型マスクの散乱領域の厚さを設定して散乱電子の
    散乱角を制御し、 これら相補型マスクを用いた露光を必要回数実施して所
    望のパターンの形成を行うと同時に、制限アパチャを通
    過した散乱電子の補助露光により近接効果補正を行うこ
    とを特徴とする請求項3記載の電子線露光方法。
  5. 【請求項5】 散乱領域を有するマスクを用い、該マス
    クにより散乱される散乱電子の通過量を制限アパチャに
    より制御し、該マスクを通過した電子線の散乱角の違い
    による散乱コントラストによりパターン露光を行う散乱
    角制限方式の電子線露光方法であって、 前記マスクとして、電子線透過性の薄膜上に所定のパタ
    ーンを有する電子線散乱体からなる散乱領域が形成され
    たマスクを用い、 ウェハの下地パターンが寄与する後方散乱に応じてマス
    クの電子線散乱体の厚さを変えて散乱電子の散乱角を制
    御することによって、制限アパチャを通過する散乱電子
    量を調整し、該制限アパチャを通過した散乱電子の補助
    露光によりパターン露光と同時に近接効果補正を行うこ
    とを特徴とする電子線露光方法。
  6. 【請求項6】 ウェハの下地パターン及び該下地パター
    ンが寄与する後方散乱径の範囲に対応するマスクの散乱
    領域において、下地パターンが寄与する後方散乱を加味
    してマスクの散乱領域の厚さを設定し散乱電子の散乱角
    を制御することによって、制限アパチャを通過する散乱
    電子量を調整し、該制限アパチャを通過した散乱電子の
    補助露光によりパターン露光と同時に近接効果補正を行
    うことを特徴とする請求項1記載の電子線露光方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の方法に用いられるマスク
    であって、 パターン密度に応じて、適した補助露光量で近接効果補
    正ができるように、散乱電子の散乱角を制御するために
    マスクの散乱領域の厚さが変えてあることを特徴とする
    電子線露光用マスク。
  8. 【請求項8】 電子線透過性の薄膜上に所定のパターン
    を有する電子線散乱体からなる散乱領域が形成された構
    成を有する請求項7記載の電子線露光用マスク。
  9. 【請求項9】 基板に開口部を設けて開口パターンが形
    成されたマスクであって、該基板は、その厚さが電子線
    の飛程よりも薄い散乱領域を有し、該散乱領域に前記開
    口パターンが形成されており、該散乱領域は、被露光体
    における後方散乱径の範囲に対応する領域を含むことを
    特徴とする請求項7記載の電子線露光用マスク。
  10. 【請求項10】 請求項4記載の方法に用いられる、複
    数のマスクパターンの組み合わせで所望のパターンを形
    成する一組の相補型マスクであって、 この一組の相補型マスクを用いて所望のパターン形成に
    必要なマスクの数だけ複数回露光した場合の補助露光量
    の合計が、所望のパターンを一つのマスクで一度の露光
    により形成する場合の補助露光量と同じになるように、
    各相補型マスクの散乱領域の厚さが設定されていること
    を特徴とする電子線露光用マスク。
  11. 【請求項11】 請求項5記載の方法に用いられるマス
    クであって、 電子線透過性の薄膜上に所定のパターンを有する電子線
    散乱体からなる散乱領域が形成された構成を有し、 ウェハの下地パターンが寄与する後方散乱に応じて、適
    した補助露光量で近接効果補正ができるように、散乱電
    子の散乱角を制御するために電子線散乱体の厚さが変え
    てあることを特徴とする電子線露光用マスク。
  12. 【請求項12】 散乱領域を有するマスクを用い、該マ
    スクにより散乱される散乱電子の通過量を制限アパチャ
    により制御し、該マスクを通過した電子線の散乱角の違
    いによる散乱コントラストによりパターン露光を行う散
    乱角制限方式の電子線露光装置であって、 前記マスクは、請求項7〜11のいずれか1項に記載の
    マスクであり、 前記制限アパチャは、中央部の開口と、該中央部の開口
    の周囲に、パターン露光と同時に行われる近接効果補正
    のための補助露光用散乱電子の通過量を制御するための
    閉帯状開口を有することを特徴とする散乱角制限方式の
    電子線露光装置。
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