JP2000311709A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JP2000311709A
JP2000311709A JP11118283A JP11828399A JP2000311709A JP 2000311709 A JP2000311709 A JP 2000311709A JP 11118283 A JP11118283 A JP 11118283A JP 11828399 A JP11828399 A JP 11828399A JP 2000311709 A JP2000311709 A JP 2000311709A
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JP
Japan
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electrolyte
binder
secondary battery
lithium secondary
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JP11118283A
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English (en)
Inventor
Iwao Soga
巌 曽我
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクル特性に優れた、平板状薄型化が可能
なリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 リチウム二次電池は、電池要素1をラミ
ネートフィルム2によって被包したものである。電池要
素1は、正極11、負極12及び非流動性電解質層13
を積層してなる。正極11或いは負極12の集電体15
上の正極活物質11a、負極活物質層12a中に高分子
によって非流動化された非流動性電解質液が含有されて
いる。この活物質層11a,12aはバインダー体積分
率が5〜12%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム二次電池に
係り、特に、電極の活物質層がバインダーによって結着
されているリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR装置、オーデ
ィオ機器、携帯型コンピュータ、携帯電話等様々な機器
の小型化、軽量化が進んでおり、これら機器の電源とし
ての電池に対する高性能化要請が高まっている。中でも
高電圧、高エネルギー密度の実現が可能なリチウム二次
電池の開発が盛んになっている。
【0003】リチウム二次電池は、リチウムイオンを吸
蔵放出可能な正極と、負極と、非水電解液(リチウム塩
を非プロトン性有機溶媒に溶解させてなる液)とを有す
る。また、通常は、正極と負極との間にセパレータが介
在される。
【0004】このリチウム二次電池の電極は、通常、集
電体上に活物質層を形成されたものである。この活物質
層として活物質その他の粒子をバインダーで結着させた
ものが多く用いられている。
【0005】従来の液系電池では、電極が金属缶に緻密
に封入されているため、充放電によって活物質そのもの
が膨張収縮しても活物質層の体積は変化しなかった。ま
た、バインダーも強い圧力で抑え付けられているのでバ
インダーが破壊することもなかった。
【0006】一方、近年非流動性電解質を用いたリチウ
ム二次電池の開発と共に、電池要素を真空シールによっ
て形状可変性のケースに密着収納することが提案されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの検討によ
れば、このような場合、充放電に伴う活物質の膨張収縮
と同時に、活物質層が膨張収縮することが判明した。こ
のような膨張収縮は、活物質層内のバインダーに圧力と
なって作用し、バインダー骨格の破壊を招く結果とな
る。その結果、充放電の繰り返しと共にサイクル特性が
悪化するものと考えられる。
【0008】特に、電池要素を真空シールによって形状
可変性のケースに密着収納した場合、金属缶を用いた場
合と異なり、バインダーが高い圧力で抑え付けられてい
ないため、いっそう問題となる。
【0009】本発明は、上記問題点を解決するためのも
ので、充放電によって活物質層が膨張収縮を繰り返す電
池において、活物質層におけるバインダーの体積分率を
多くすることによって、バインダー骨格の強度を高め、
その結果、サイクル特性を向上させたリチウム二次電池
を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウム二次電
池は、正極と負極とが電解質を介して積層されてなる電
池素子を有した二次電池であって、該正極及び該負極の
少なくとも一方は、集電体層と、活物質、バインダー及
び非流動化された電解液を有する活物質層とからなるリ
チウム二次電池において、該活物質層は充放電に伴って
体積変化し、且つ、該活物質層中における該バインダー
の体積分率が5〜12%であることを特徴とするもので
ある。
【0011】この活物質層中のバインダーの体積分率と
は、活物質層の体積に対するバインダーの体積の割合の
ことである。この活物質層の体積とは、活物質層の空隙
部以外の体積であり、活物質層中の活物質粒子の体積、
その他の添加物の体積及びバインダーの体積の総和であ
る。
【0012】活物質層中におけるバインダーの体積分率
を求めるには、まず電極の重量、厚みを測定し、これか
ら集電体部分の重量、厚みを差し引いて、集電体を除い
た活物質層の重量(w(g))、厚み(t(cm))を
求める。そして、この値と活物質の面積S(cm2)と
から活物質層の見掛けの密度ρを次式により求める。
【0013】ρ=(w/(t×S)…………… 次いで、活物質層の理想密度即ち活物質の空隙部以外の
部分の密度(ρr)を、活物質の配合量(Wa)部、活
物質の密度(ρa)、添加物の配合量(Wc)部、添加
物の密度(ρc)、バインダーの配合量(Wb)部及び
バインダーの密度(ρb)に基き次式により求める。 ρr=(Wa+Wb+Wc)/(Wa/ρa+Wb/ρb+Wc/ρc)… これらの値に基いて、バインダーの体積分率(Vb)は
次式によって算出される。 Vb= (ρ/ρr)×(Wb/ρb)/(Wa/ρa+Wb/ρb+Wc/ρc)… 本発明は、この活物質層中のバインダーの体積分率を5
〜12%としたものである。このバインダーの体積分率
は、充放電に伴って活物質層に生じる応力に十分に耐え
る強度を該活物質層に支え、しかも該活物質層を過度に
剛直としてしまうこともない範囲のものである。かかる
活物質層を有した本発明のリチウム二次電池は充放電に
伴う活物質層の劣化が抑制され、サイクル特性に優れ
る。
【0014】本発明は、充放電に伴う活物質層の体積の
変化が、活物質層の体積の1〜10%であるリチウム二
次電池に適用するのに好適である。
【0015】また、本発明は、非水溶媒の溶解度パラメ
ータとバインダーの溶解度パラメータとの差が5以下で
あるリチウム二次電池に適用するのに好適である。
【0016】本発明は、電極と電解質層とが平板状に積
層されている場合に効果が顕著である。
【0017】本発明では、非流動化された電解液は高分
子を含有してなり、且つ該高分子の該電解液に対する濃
度が15重量%以下であることが好ましい。これは、本
発明のリチウム二次電池は、バインダーの体積分率が高
いので、高分子の電解液に対する濃度が低くても活物質
層は十分な機械的強度を保つことができるからである。
【0018】本発明は、電池素子が形状可変性を有する
フィルムからなるケースに密着収納されているリチウム
二次電池に適用するのに好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して実施の形態
に係るリチウム二次電池について説明する。
【0020】図1は実施の形態に係るリチウム二次電池
の断面図、図2は電池要素の拡大断面図、図3は電極の
断面図、図4は電池要素の端部の斜視図である。
【0021】このリチウム二次電池は、電池要素1をラ
ミネートフィルム2によって被包したものである。この
電池要素1は、正極11、負極12及び非流動性電解質
層13を積層してなる。正極11は端子部4aを介して
正極リード線5に導通し、負極12は端子部4bを介し
て負極リード線(図示略)に導通している。各リード線
はラミネートフィルム2同士の接合合わせ面を通り抜け
てリチウム二次電池の外部に引き出されている。
【0022】正極11或いは負極12は、集電体15を
芯材としてその両面(場合によって片面)に正極活物質
層11a又は負極活物質層12aを形成したものであ
る。
【0023】正極の集電体としてはアルミニウム等の金
属箔が使用でき、特にアルミニウムが好適であり、負極
の集電体としては銅などの金属箔が使用されている。
【0024】正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放
出可能な無機又は化合物よりなり、バインダーによって
正極集電体に結着されている。負極活物質は、グラファ
イトやコークス等よりなり、バインダーによって負極集
電体上に結着されている。この正極及び負極の少なくと
も一方において、バインダーの活物質層中の体積分率が
5〜12%好ましくは6〜9%となっている。
【0025】この正極活物質層11a、負極活物質層1
2a中に非流動性電解質液が含浸されている。この非流
動性電解質液及び非流動化させるゲル化剤としての高分
子の好ましい材料については後に詳述する。
【0026】本発明は、活物質層とくに活物質層中のバ
インダーの体積分率に特徴があるので、次にこの活物質
及びバインダー並びにこれらを用いた電極について詳細
に説明する。
【0027】正極に用いるリチウムイオンを吸蔵放出可
能な活物質は、無機及び有機化合物のいずれであっても
よい。無機化合物としてはFe、Co、Ni、Mn、等
の遷移金属の遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属との
複合酸化物、遷移金属硫化物等が挙げられる。具体的に
は、MnO、V25、V613、TiO2等の遷移金属酸
化物粉末、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウムな
どのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、Ti
2、FeSなどの遷移金属硫化物粉末が挙げられる。
有機化合物としては、例えばポリアニリン等の導電性ポ
リマー等が挙げられる。又無機化合物、有機化合物など
を混合して用いても良い。活物質が粒状の場合の粒径
は、それぞれ電池の他の構成要件とのかねあいで適宜選
択すればよいが、通常1〜30μm、特に1〜10μm
とすることで、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性
が向上するので好ましい。
【0028】負極材料としては、Li金属箔の他にLi
イオンを吸蔵放出可能な活物質としてグラファイトやコ
−クス等を用いることができる。粒状負極の活物質の粒
径は、それぞれ電池のその他の構成要件とのかねあいで
適宜選択すればよいが、通常1〜50μm、特に15〜
30μmとすることで、初期効率、レ−ト特性、サイク
ル特性等の電池特性が向上するので好ましい。
【0029】本発明においては、活物質を集電体上に結
着するためバインダーを使用する。バインダーとして
は、電解液等に対して安定である必要があり、耐候性、
耐薬品性、耐熱性、難燃性等が望まれる。
【0030】本発明においては、電解液との溶解度パラ
メータの差が5以下、特に好ましくは5以下0.5以上
であるバインダーが好適である。電解液との溶解度パラ
メータの差が小さいバインダーは、該電解液との親和性
が高く、良好な電解液塗料の含浸性を示し、電解液の保
持性にも寄与するため好ましい。
【0031】バインダーとしてはシリケート、ガラスの
ような無機化合物や、主として高分子からなる各種の樹
脂が使用できる。樹脂としては例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリー1,1−ジメチルエチレンなど
のアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレ
ンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチル
スチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロ
リドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メ
チル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチ
ル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド
などのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、
ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等
のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデ
ンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール
系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど
のハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポ
リマーなどが使用できる。また上記のポリマーなどの混
合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合
体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであって
も使用できる。これらの樹脂の分子量は、好ましくは1
0000〜3000000、さらに好ましくは1000
00〜1000000である。低すぎると塗膜の強度が
低下し好ましくない。高すぎると粘度が高くなり塗膜の
形成が困難になる。
【0032】本発明における活物質100部に対する樹
脂の配合量は、好ましくは0.1〜30部、さらに好ま
しくは1〜20部である。樹脂の量が少なすぎると活物
質層の強度が低下する。樹脂の量が多すぎるとイオン伝
導度が低下する。
【0033】活物質層中におけるバインダーの体積分率
は、活物質その他の添加物とバインダーの重量比を変更
したり、集電体に塗料として塗付した後の乾燥条件を変
更したりすることによって制御できる。またバインダー
の体積分率をあげるためには、塗膜に圧密処理を施した
り、バインダー溶液を含浸乾燥させて電極中のバインダ
ー量を増加させることもできる。
【0034】乾燥後の塗膜にカレンダーなどによる圧密
工程をかけてもよく、このようにすれば、塗膜強度、接
着性向上を図ることができる。
【0035】活物質層中には必要に応じて導電材料、補
強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材な
どを含有していても良い。導電材料としては、上記活物
質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に
制限は無いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブ
ラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバ
ー、箔などが挙げられる。炭素粉末導電性物質のDBP
吸油量は120cc/100g以上が好ましく、特に1
50cc/100g以上が電解液を保持するという理由
から好ましい。
【0036】添加剤としてはトリフルオロプロピレンカ
ーボネート、1,6−ジオキサスピロ[4,4]ノナン
−2,7−ジオン、12−クラウン−4−エーテル、ビ
ニレンカーボネート、カテコールカーボネートなどが電
池の安定性、寿命を高めるために使用することができ
る。補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維状フ
ィラーなどが使用できる。
【0037】正極の集電体としては、アルミニウムを用
いることができる。また、負極の集電体としては、銅箔
を用いることができる。しかし、電気化学的に溶出等の
問題が生じない限り、特にこれらの材料に限定されるこ
とはない。
【0038】これら集電体の表面を予め粗面化処理して
おくことにより、正負極層との結着効果が向上すること
が知られている。表面の粗面化方法としては、ブラスト
処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨剤粒
子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを
備えたワイヤ−ブラシなどで集電体表面を研磨する機械
的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。
【0039】集電体として、エキスパンドメタルやパン
チングメタルのような穴あきタイプの基材を使用しても
よい。これは、二次電池自体の重量低減化、すなわち重
量エネルギー密度の向上に効果があり、その開口率を変
更することで重量も自在に変更可能となる。両面塗布し
た場合、この穴を通しての塗膜のリベット効果により塗
膜の剥離は起こりにくくなる方向にあるが、開口率が高
くなった場合には、アンダーコートと集電体基材との接
触面積が小さくなるため、塗膜が充分に強靱でない限り
却って接着強度は低くなることがある。
【0040】集電体上にプライマー層を形成してもよ
い。プライマー層の機能は、集電体基材に対する正極あ
るいは負極の活材塗膜層の接着性を向上させることであ
り、プライマー層を設けない場合に比べ、接着性向上に
よる電池内部抵抗の低減、充放電サイクル試験過程にお
ける基材からの塗膜脱離による急速な容量低下を防ぐも
のである。
【0041】プライマー層は、例えばカーボンブラッ
ク、グラファイト、金属粉体などの導電性粒子を添加し
た樹脂、あるいは導電性の有機共役系樹脂などにより構
成されるが、電池性能の発現に充分な導電性・電気化学
的安定性があれば特に限定されない。なお、導電性粒子
として、活物質としても機能しうるカーボンブラック、
グラファイトを使用するとよい。また樹脂として、活物
質として機能しうるポリアニリン、ポリピロール、ポリ
アセン、ジスルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合
物などを用いると、容量を減少させないため好ましい。
【0042】導電性粒子を添加した樹脂を主成分とする
プライマー組成の場合、導電性粒子に対する樹脂の割合
は、1〜300重量%特に5〜100重量%とすること
が好ましい。この割合が低すぎると塗膜強度が低下し
て、電池使用時、工程上での剥離などが生じ、高すぎる
と伝導度が低下して電池特性が低下する。
【0043】プライマー層の膜厚は、接着性および導電
性が確保されれば特に限定されないが、通常0.05〜
10μm、好ましくは0.1〜1μmがよい。この膜が
薄すぎると塗布が困難になり均一性が確保できなくり、
厚すぎると電池の体積容量を損なう。
【0044】活物質層を集電体上に形成する方法として
は、例えば、活物質とバインダーを、該バインダーを溶
解しうる溶剤を用いて分散塗料化し、その塗料を集電体
上に塗布、乾燥することによって活物質をバインダーに
よって集電体上に結着し、その後、乾燥によって形成さ
れた空隙内に非流動化された電解液を形成させる方法が
挙げられる。
【0045】この場合に使用できる溶剤としては、使用
される樹脂を溶解しうるものであれば一般的に使用され
る無機、有機溶剤のいずれもが使用できる。分散塗料化
には、通常用いられる分散機が使用でき、ボールミル、
サンドミル、二軸混練機などが使用できる。
【0046】集電体上に塗料を塗布する塗布装置に関し
ては特に限定されず、スライドコーティングやエクスト
ルージョン型のダイコーティング、リバースロール、グ
ラビア、ナイフコーター、キスコーター、マイクログラ
ビア、ナイフコーター、ロッドコーター、ブレードコー
ターなどが挙げられるが、塗料粘度および塗布膜厚等を
考慮するとエクストルージョン方式が最も好ましい。
【0047】次に、非流動化電解質について詳細に説明
する。
【0048】非流動化された電解液としては、電解液を
高分子に含有させ非流動化させたゲル状ポリマー電解質
や、電解液を含有しない、例えば支持電解質と高分子か
らなる固体電解質からなる場合などがある。
【0049】ゲル状ポリマー電解質としては、最初から
ポリマーを電解液に溶解させた電解質塗料を用いて形成
されたものであってもよく、また、モノマー含有電解質
塗料を調製してから架橋反応させて非流動化電解質とし
たものであってもよい。
【0050】この電解液のリチウム塩としては、LiP
6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiCl
4、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、L
iHF2、LiSCN、LiSO3CF2等が好ましく、
これらのうちでも特にLiPF6、LiClO4が好適で
ある。このリチウム塩の電解液における含有量(濃度)
は、0.5〜2.5mol/L程度が好ましい。
【0051】電解液に用いられる溶媒は、上記正極活物
質及び負極活物質に対して安定であり、かつリチウムイ
オンが前記正極活物質あるいは負極活物質と電気化学反
応をするための移動を行い得る非水物質であればいずれ
のものでも使用することができ、特に限定されないが、
比較的高誘電率の溶媒が好適である。具体的にはエチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カー
ボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、エチルメチルカーボネートなどの非環状カーボネ
ート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロ
フラン、ジメトキシエタン等のグライム類、γ−ブチル
ラクトン等のラクトン類、スルフォラン等の硫黄化合
物、アセトニトリル等のニトリル類等の1種又は2種以
上の混合物を挙げることができる。これらのうちでは、
特にエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等
の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの非環
状カーボネート類から選ばれた1種又は2種以上の混合溶
液が好適である。
【0052】流動性電解液を非流動化(ゲル化)させる
ためには、前記の通り、重合性モノマーを添加してから
このモノマーを重合させても良く、ポリマーを液と接触
させてもよい。
【0053】モノマー含有電解質液を調製してから架橋
反応させて非流動化電解質とする方法においては、紫外
線硬化や熱硬化などの重合処理を施すことによって高分
子を形成するモノマーを電解液に添加する。
【0054】重合性モノマーとしては、例えばアクリロ
イル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不
飽和二重結合を有するものがあげられる。好ましくは、
アクリロイル基又はメタクリロイル基を有するものであ
る。具体的には、アクリル酸、エトキシエチルアクリレ
ート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシ
エチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、
エトキシエトキシエチルメタクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラ
エチレングリコールジメタクリレート、グリシジルアク
リレート、アリルアクリレート、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、シアノエチルアクリレート、ブタン
ジオールジアクリレート、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、エトキシエチルメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、N、Nジメチルアミノエ
チルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどを用いる
ことができる。さらにポリエチレングリコールモノアク
リレート、エチレングリコールモノメタクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、アルキレングリコ
ールジアクリレート、アルキレングリコールジメタクリ
レート、さらにトリメチロールプロパンアルコキシレー
トトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシ
レートトリアクリレートなどの3官能モノマー、ペンタ
エリスリトールアルコキシレートテトラアクリレート、
ジトリメチロールプロパンアルコキシレートテトラアク
リレートなどの4官能以上のモノマーなども使用でき
る。これらの中から反応性、極性、安全性などから好ま
しいものを単独、または組み合わせて用いれば良い。
【0055】これらのモノマーを熱、紫外線、電子線な
どによって重合させ、電解質溶液を非流動性化させるこ
とができる。この場合反応を効果的に進行させるため、
電解液に重合開始剤をいれておくこともできる。重合開
始剤としては、ベンゾイン、ベンジル、アセトフェノ
ン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ビアセチル、ベ
ンゾイルパーオキザイドなどが使用でき、さらに、t−
ブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオ
キシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデ
カノエート、1−シクロヘキシルー1―メチルエチルパ
ーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシネオ
デカノエートなどのパーオキシネオデカノエート類、t
−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、α−クミルパ
ーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシ
ネオヘプタノエート、1−シクロヘキシルー1−メチル
エチルパーオキシネオヘプタノエート、t−アミルパー
オキシヘプタノエートなどのパーオキシネオヘプタノエ
ート類なども使用できる。
【0056】また、ポリエステル、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリイミド等の重縮合によって生成される
高分子、ポリウレタン、ポリウレア等の重付加によって
生成される高分子を生成するモノマーを、重合性モノマ
ーとして使用することもできる。
【0057】このモノマー含有流動性電解液は、活物質
とバインダーとを含む溶液を集電体上に塗布、乾燥して
得られた多孔性の層の空隙内に充填され、その後、加
熱、紫外線照射、電子線照射等によって該モノマーが重
合されることによって、非流動性電解液含有活物質層と
することができる。
【0058】ポリマーを電解液に溶解させた電解質塗料
を用いた場合、高温で高分子を電解液に溶解させ、これ
を前記と同様の空隙に充填した後降温させてゲル状の非
流動性電解質液を形成する方法が好ましい。かかる特性
を有する高分子としては、例えばポリアクリロニトリ
ル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマ
ー、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドな
どのポリエーテル系ポリマーを使用できる。また、ポリ
ビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環
を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタ
クリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、
ポリメタクリル酸ポリアクリルアミドなどのアクリル誘
導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリ
デン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビ
ニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコ
ール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
などのハロゲン含有ポリマーなども使用できる。好まし
くは、ポリアクリロニトリルである。
【0059】また、上述のポリマーなどの混合物、変成
体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフ
ト共重合体、ブロック共重合体などとすることによって
使用できる。
【0060】これらの高分子の分子量は10000〜5
000000が好ましい。この分子量が過度に低いとゲ
ルを形成しにくくなり、分子量が過度に高いと粘度が高
くなりすぎて取り扱いが難しくなる。
【0061】ゲル状ポリマー電解質における高分子の電
解液に対する好ましい濃度は、15重量%以下、特に1
0重量%以下であり、また1重量%以上、特に3重量%
以上である。前記の通り、本発明ではバインダーの体積
分率が高いので、高分子の電解液に対する濃度が低くて
も活物質層は十分な機械的強度を保つことができる。
【0062】電解質塗料として、溶媒を除いた組成の塗
料をもちいれば、電解質を固体化することもできる。こ
の場合は、モノマー含有非流動性電解液を用いる方が粘
度がより低い点から好ましい。
【0063】また、活物質層を集電体上に形成する方法
としては、活物質とバインダーと非流動性電解液又はそ
の前駆体とを含む混合物を、集電体上に塗布又は成形す
る方法を挙げることもできる。例えば、高分子を高温下
で流動性電解液(リチウム塩の非水溶媒溶液)に溶解さ
せ、これを降温させてゲル状の非流動性電解液とする場
合、この非流動性電解液、活物質粉末及び粉末用バイン
ダー並びに必要に応じバインダー溶解用の溶媒を混合し
た混合物に、加熱又は加温等の処理を行い、これを集電
体に塗着して非流動性電解液含有活物質層を集電体状に
担持させてなる電極を製造することができる。
【0064】本発明では、電極と電解質層とが平板状に
積層されていることが、効果が顕著であることから、好
ましい。本発明では、電池要素は好ましくは、形状可変
性のケースに真空シールによって収納されることが、効
果が顕著であることから、好ましい。
【0065】また、この高分子を高温下で流動性電解
液、活物質粉末及びバインダー並びに必要に応じバイン
ダー用溶媒と混合し、これを集電体に塗着することによ
って、非流動性電解液含有活物質層を集電体上に担持さ
せても良い。
【0066】なお、非流動化された電解液として、高分
子に電解液を含有させたゲル状ポリマー電解質を用いた
場合、該高分子としては、本発明で使用するバインダー
と別種であるのが好ましいが、同種のものを使用し、両
者を兼ねることもできる。
【0067】本発明においては、正極材及び負極材中の
電解液が非流動化された非流動性電解質液であれば良い
のであるが、非流動性電解質層13もこのような非流動
性電解質液よりなる、又はこれを含むものであることが
好ましい。
【0068】非流動性電解質層13は、非流動化された
電解質単独の層であってもよく、例えば多孔質フィルム
のような支持体に非流動性電解質液を含浸、付着ないし
担持させたものであっても良い。多孔質フィルムとして
は、高分子からなるフィルムや、粉体とバインダーから
なる薄膜を使用できる。なお、多孔性のフィルムを用
い、正極、電解質層、負極の非流動化処理を同時におこ
なうと、非流動化電解質が連続した構造となり、強度、
イオン伝導などに極めて優れるようになる。
【0069】本発明では、正極、負極、非流動性電解質
層は、好ましくは平板状に形成され、必要なサイズに裁
断される。正極、非流動性電解質層及び負極からなる単
位電池素子を必要に応じ複数積層して、形状可変性を有
するフィルムからなるケースに密着収納することによっ
て薄型電池が実現できる。形状可変性を有するフィルム
からなるケースの一例として、高分子フィルムからな
る、軽量で薄いラミネートフィルムが挙げられる。ラミ
ネートフィルムとしては金属箔(好ましくはアルミ箔)
と高分子フィルムのラミネート素材からなるフィルム
や、高分子フィルムにアルミ等の金属を蒸着させたフィ
ルム等が好適に使用できる。収納に際しては真空封入を
することが好ましい。電池の機器への装着等の利便を図
るため、ケースに電池を封入した後、必要ならば複数の
ケースを剛性を持つ外装ケースに収納することも可能で
ある。
【0070】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
さらに詳細に説明する。
【0071】実施例1 アルミニウム箔よりなる正極集電体及び銅箔よりなる負
極集電体上に下記正極塗料及び負極塗料を塗着して正極
活物質層及び負極活物質層を形成し、正極及び負極を製
造した。組成中の部は、重量部を示す。
【0072】[正極塗料] 組成 コバルト酸リチウム 90部 アセチレンブラック 5部 ポリフッ化ビニリデン 5部 N−メチル−2−ピロリドン 80部 上記の全ての原料について、混練機により2時間混練し
ペースト状の正極塗料とした。
【0073】[負極塗料] 組成 グラファイト(粒径15μm) 90部 ポリフッ化ビニリデン 10部 N−メチル−2−ピロリドン 100部 上記の正極塗料を20μm厚のアルミニウム集電体基材
上に、また、負極塗料を20μm厚の銅集電体基材上に
エクストルージョン型のダイコーティングによって塗
布、乾燥し、活物質がバインダーによって集電体上に結
着された多孔質膜を作成した。
【0074】次いで、ロールプレス(カレンダー)をも
ちいて、圧密することによって電極シートを作製した。
この後、電極シートから電極を切り出し電池形成用の乾
燥電極とした。
【0075】次いで、次の電解質塗料を調製した。
【0076】[電解質塗料]下記の組成物を混合攪拌溶
解し、電解質塗料とした。
【0077】 組成 プロピレンカーボネート(非水溶媒) 120部 エチレンカーボネート(非水溶媒) 120部 過塩素酸リチウム(リチウム塩) 21部 シアノエチルアクリレート(ゲル化剤) 15部 1,3−ブタンジオールジアクリレート(ゲル化剤) 6部 重合開始剤 1部 添加剤(スピロジラクトン) 14部 なお、溶解度パラメータは次の通りである。
【0078】 ポリフッ化ビニリデン :9.4−12.3(cal/cc)0.5 プロピレンカーボネート: 13.3(cal/cc)0.5 エチレンカーボネート : 14.7(cal/cc)0.5 プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、(1:1)溶液:14.0 この電解質塗料を、上記の正極、負極の乾燥電極に塗布
した。
【0079】また、この電解質塗料に浸した高分子多孔
質フィルムを作成した。これを該正極と負極との間に挟
んで積層し、90℃で30分加熱することによりアクリ
レートを共重合させて電解質を非流動化し、非流動化さ
れた電解質成分を有する平板状の単位電池素子を形成し
た。
【0080】なお、この製法から明らかな通り、この単
位電池素子は、電極間の非流動性電解質層もゲル状非流
動性電解液にて構成されたものである。
【0081】この単位電池素子に電流を取り出すタブを
接続し、アルミニウム膜と高分子フィルムからなるラミ
ネートフィルムを対向成形した袋状ケースに真空シール
して収納することによって平板状電池とした。
【0082】実施例2 実施例1において、ポリフッ化ビニリデンの重量部を1
2部に変更したこと及び圧密の程度を調整したこと以外
は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0083】実施例3 実施例1において、ポリフッ化ビニリデンの重量部を1
4部としたこと及び圧密の程度を調整したこと以外は同
様にして電池を作製した。
【0084】実施例4 実施例1において、ポリフッ化ビニリデンの重量部を1
6部に変更したこと及び圧密の程度を調整したこと以外
は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0085】実施例5 実施例1において、グラファイトの種類を粒径6μmの
球状化グラファイトに変更したこと及び圧密の程度を調
整したこと以外は実施例1と同様にして電池を作製し
た。
【0086】実施例6 実施例1において、グラファイトの種類を粒径6μmの
球状化グラファイトに変更し、ポリフッ化ビニリデンの
重量部を10部から15部に変更したこと及び圧密の程
度を調整したこと以外は実施例1と同様にして電池を作
製した。
【0087】実施例7 実施例1において、グラファイトの種類を粒径6μmの
球状化グラファイトに変更し、導電性アセチレンブラッ
ク3部を加えたこと及び圧密の程度を調整したこと以外
は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0088】実施例8 実施例1において、圧密処理条件を異ならせることによ
り厚み、重量の異なる電極を作成した以外は実施例1と
同様にして電池を作製した。
【0089】比較例1 実施例1において、ポリフッ化ビニリデンの重量部を1
0部から20部に変更したこと及び圧密の程度を調整し
たこと以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0090】比較例2 実施例1において、グラファイトの種類を粒径6μmの
球状化グラファイトに変更し、ポリフッ化ビニリデンの
重量部を10部から5部に変更したこと及び圧密の程度
を調整したこと以外は実施例1と同様にして電池を作製
しようとしたが、活物質層が集電体から剥離してしま
い、電池を構成することはできなかった。
【0091】比較例3 実施例1において、グラファイトの種類を粒径6μmの
球状化グラファイトに変更し、ポリフッ化ビニリデンの
重量部を10部から20部に変更したこと及び圧密の程
度を調整したこと以外は実施例1と同様にして電池を作
製した。
【0092】上記実施例1〜8および比較例1〜3にお
いて製造した正極及び負極の厚さ及びバインダー体積分
率の測定結果を表1に示す。
【0093】また、実施例1〜8及び比較例1〜3によ
って製造したリチウム二次電池の充放電に伴う厚み変化
と、20サイクル充放電後の電池容量とを測定し、結果
を表1に示した。
【0094】なお、活物質層の厚みは、単位電池素子、
ラミネートフィルムからなるケースの厚みをマイクロメ
ータにて測定し、ラミネートフィルムからなるケースに
収納された電池の厚みが、(単位電池素子の厚み)+
(ラミネートフィルムからなるケースの厚み)となって
いることを確認した上で、ラミネートフィルムからなる
ケースに収納された電池の厚みを測定し、ラミネートフ
ィルムからなるケースの厚みと集電体の厚みを差し引く
ことによって求めた。
【0095】バインダーの体積分率は前記式,,
に従って求めた。この場合、正極活物質、負極活物質
(粒径15μm)、負極活物質(粒径6μm)、ポリフ
ッ化ビニリデン、導電性アセチレンブラックの密度とし
て、それぞれ5.02、2.26、2.25、1.9、
1.76を採用した。
【0096】充放電に伴う電池の厚みの変化は、4.1
Vまで定電流条件充電後、4.1Vの電圧でC/240
の電流密度まで定電圧充電することによって充電させた
電池の厚みと、C/24の電流密度で2.7Vまで定電
流条件放電した電池の厚みの差を、集電体を除いた正
極、負極の厚みの和に対する割合で示されている。
【0097】サイクル特性はC/2の電流密度で4.1
Vまで定電流条件充電後、4.1Vの電圧でC/100
の電流密度まで定電圧充電することによって充電させた
電池を、1Cの電流密度で2.7Vまで定電流条件放電
したサイクルを繰り返し、20サイクル経過した後の容
量の維持率を%で示した。
【0098】
【表1】
【0099】表1に示すように、実施例1〜8では、電
池に膨張収縮が存在してもサイクル特性に優れる。特に
バインダーの体積分率が6〜9%である実施例5,7,
8では特性が極めて良好である。このような傾向は、実
施例1〜4,8と実施例5〜7双方でみられるように活
物質には依存しない。バインダーの体積分率が本発明の
範囲外である比較例1〜3ではサイクル特性に劣り、ま
た塗膜形成に困難があった。
【0100】
【発明の効果】以上の通り、本発明は、電極活物質層中
のバインダー体積分率を特定の範囲としたものであり、
サイクル特性に優れた、平板状薄型化が可能なリチウム
二次電池を提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るリチウム二次電池の
断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に用いられる電池要素の拡
大断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に用いられる電極の断面図
である。
【図4】本発明の実施の形態に用いられる電池要素の端
部の斜視図である。
【符号の説明】
1 電池要素 2 ラミネートフィルム 3 電解質層 11 正極 11a 正極活物質層 12 負極 12a 負極活物質層 13 電解質層 15 集電体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H003 AA04 AA06 AA10 BA07 BB12 BD00 BD03 BD04 BD06 5H011 AA01 AA03 AA13 AA17 CC02 CC10 DD12 KK02 5H029 AJ05 AJ11 AJ12 AK02 AK03 AK05 AK16 AL06 AL07 AM00 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ04 BJ12 CJ16 DJ02 DJ04 DJ07 DJ08 HJ00 HJ01 HJ07 HJ10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と負極とが電解質を介して積層され
    てなる電池素子を有した二次電池であって、 該正極及び該負極の少なくとも一方は、集電体層と、活
    物質、バインダー及び非流動化された電解液を有する活
    物質層とからなるリチウム二次電池において、該活物質
    層は充放電に伴って体積変化し、且つ、該活物質層中に
    おける該バインダーの体積分率が5〜12%であること
    を特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記体積分率が6〜9%であることを特
    徴とするリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 充放電に伴う活物質層の体積の変化が、
    活物質層の体積の1〜10%であることを特徴とする請
    求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 電池素子が形状可変性を有するフィルム
    からなるケースに密着収納されていることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 バインダーは電解液との溶解度パラメー
    ターの差が5以下であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 電極と電解質層とが平板状に積層されて
    いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    リチウム二次電池。
  7. 【請求項7】 非流動化された電解液は高分子を含有し
    てなり、且つ該高分子の該電解液に対する濃度が15重
    量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かに記載のリチウム二次電池。
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