JP3640856B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、改良されたリチウムイオン二次電池に関するものであり、詳しくは、特定の黒鉛系炭素質物からなる負極を有するリチウムイオン二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラ一体型VTR装置、オーディオ機器、携帯型コンピュータ、携帯電話等様々な機器の小型化、軽量化が進んでおり、これら機器の電源としての電池に対する高性能化の要請が高まっている。中でも高電圧、高エネルギー密度の実現が可能なリチウム二次電池の開発が盛んになっている。
リチウム二次電池は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極と負極、及び非水電解質を含有する電解質層とからなり、従来、非水電解質として非水系有機物からなる液体が用いられていた。ところが、このような非水系電解液を用いたリチウム二次電池は、リチウムデンドライトの析出による内部短絡からくる発熱、発火など、漏液や発火の危険を有していた。そこで近年では安全性を向上させるために、ポリマ−等に電解液を保持して非流動化した漏液しにくい電解質の開発が行われてきた。また形状の自由度を確保するため、電池要素をラミネートフィルム等の可撓性を有するケースに収納されるようになった。
【0003】
一方、電解液用有機溶媒としては、誘電率が比較的高い溶媒であれば好適に用いられるが、一般に有機溶媒が低沸点である場合には、高温条件下での保存時にケースの膨らみが生じるという問題を有していた。そのため、高沸点の有機溶媒を用いることが検討されている。
しかしながら、高沸点の有機溶媒を用いた場合でも、充電時に負極でガス発生が起こるという問題を有していた。ガスが発生すると電池の膨れが生じたり、活物質/電解質間での界面剥離が生じ電池特性の劣化の原因となるので望ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、充電時のガスの発生が無く電池の膨れの問題を有さない高沸点の有機溶媒を用いたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記課題を解決するため、高沸点の有機溶媒を用いたリチウムイオン二次電池について鋭意検討した結果、特定物性の炭素で被覆された黒鉛系炭素質物を負極として使用することにより上記課題が解決できることを見出し本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、正極、負極および沸点200℃以上の電解質を具備してなるリチウムイオン二次電池において、該電解質が非流動性電解質であり、負極がアモルファスなコークスで被覆された黒鉛系炭素質物を負活物とすることを特徴とするリチウムイオン二次電池に存する。
【0006】
本発明の好ましい実施形態としては、電解質の電解液に用いる溶媒は、その粘度が1mPa・s以上であること;有機溶媒としてプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート及びγ−ブチロラクトンのうち少なくとも1種を含むことが挙げられる。
又、アモルファスなコークスが、コールタールピッチ、石炭系重質油、石油系重質油、芳香族炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合物、ポリフェニル、ポリアクリロニトリル、天然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド、フルフリルアルコール樹脂(フラン樹脂)、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂から選ばれる1種以上の有機物を炭素化したもの、特にエチレンヘビーエンドタールを炭素化したものであること;黒鉛系炭素質物がグラファイトであることが挙げられ、更にアモルファスなコークスで被覆された黒鉛系炭素質物は、BET法(窒素ガス吸着)を用いて測定した比表面積が13m2 /g以下0.1m2 /g以上であることも挙げられる。
【0007】
本発明の好ましい他の実施形態としては、上記リチウムイオン二次電池は、その正極がLiCoO2またはLiNixM1-xO2(Mは遷移元素)を活物質として含有すること、並びにアルミニウム箔と高分子樹脂フィルムからなるラミネートフィルムの袋状ケースに真空シールして収納されていることを挙げることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細を述べる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、負極および沸点200℃以上の電解質を具備してなるもので、その負極がアモルファスなコークスで被覆された黒鉛系炭素質物を負活物とするものである。
本発明において電解質の沸点が200℃以上とは、圧力1atmのもとで電解質を室温から200℃まで加熱しても電解質の蒸気圧が1atmを越えないことを意味する。即ち、圧力1atmのもとで電解質を室温から200℃まで加熱した場合、常に電解質の蒸気圧が1atm以下であることを意味する。尚、ここで電解質とは、電解液およびポリマーからなるもので、非流動化処理後の電解質を包含する。
【0009】
本発明では、負極に負活物としてアモルファスなコークスで被覆された黒鉛系炭素質物(以下、炭素被覆黒鉛系炭素質物と略称することもある。)を用いることを必須とするが、この炭素被覆黒鉛系炭素質物は、黒鉛性炭素質物を炭素化可能な有機物で被覆し、その被覆体を焼成することで炭素化し、炭素化物を粉砕することにより生成し得るものであり、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な性質を有する。
この炭素被覆黒鉛系炭素質物は、具体的には、以下の特性を有する炭素質物の粒子である。
▲1▼ X線回折から求められる炭素の結晶の層間距離であるd002 の値が、3.35Å以上3.39Å以下の値を持つこと
▲2▼ ラマンスペクトル分析において、R値が被覆前の黒鉛性炭素質物のR値以上であり、より好ましくは0.15以上1.0以下、更に好ましくは0.2以上0.5以下であること。
(尚、R値とは、波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1570〜1620cm-1の範囲に存在するピークの強度をIA、1350〜1370cm-1の範囲に存在するピークの強度をIBとしたとき、その比(IB/IA)を表す。以下、特記しない限り、R値は同義を意味する。)
▲3▼ 窒素ガス吸着によるBET法を用いて測定した比表面積が13m2/g以下、0.1m2/g以上であること。
【0010】
本発明の炭素被覆黒鉛系炭素質物は、上記特性の数値範囲内にある限り、特に限定されるものではないが、このような炭素質物を簡便に得るためには、例えば次のような黒鉛性炭素質物材料(以下、黒鉛材料と略称する。)を用いることができる。
黒鉛材料
本発明に使用する黒鉛材料の形状としては、球状、板状、繊維状等各種形状のものが使用可能であるが、好ましくは平均粒径が炭素被覆黒鉛系炭素質物の粉砕粒子の粒径よりも小さい粉粒状物が使用される。特に好ましくは、黒鉛材料の平均粒径または平均長径が、炭素被覆黒鉛系炭素質物の平均粒径の20〜99%の範囲内にあるものである。
【0011】
黒鉛材料の好適な具体例としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の導電性カーボンブラックの黒鉛化品、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛粉末及びその精製品、気相成長炭素繊維等の炭素繊維が挙げられる。このような黒鉛材料ならどれでもよいが、下記(i)〜(iii)に示す様な粒径と比表面積との所定の関係、或いは特定数値域のラマンR値、半値幅を有する黒鉛粉体がより好ましい。
(i) BET法(窒素ガス吸着)で測定された比表面積の値をY(m2 /g)、粉体の粒径の値をX(μm)とした場合、4≦X≦40、0.1≦Y≦25、且つY≦axb 、(但しa=52、b=−0.6)で表される領域内にある黒鉛粉体
(ii) ラマンスペクトル分析におけるR値(=IB/IA)が、0.001以上0.2以下である黒鉛粉体
(iii) 上記ラマンスペクトル分析において、1570〜1620cm-1に存在するピークの半値幅である△v値の大きさが、14〜22cm-1である黒鉛粉体。
【0012】
本発明で使用し得る黒鉛粉体としては、黒鉛の性状が分かっている場合は、高結晶性の天然黒鉛、高結晶性の人造黒鉛、又は天然黒鉛や人造黒鉛の再熱処理品、膨張黒鉛の再熱処理品、或いはこれらの黒鉛の高純度精製品が好ましいが、黒鉛材料粉体の種類としては以下のようなものを挙げることが出来、これらの中から適宜選択可能である。
(1)高結晶性の天然黒鉛や人造黒鉛、
(2)天然黒鉛、人造黒鉛、或いは膨張黒鉛の2000℃以上での再熱処理品
【0013】
(3)黒鉛化可能な有機物原料から黒鉛化を行うことにより生成した上記(1)及び(2)と同等の性能を持つ黒鉛
▲1▼ コールタールピッチ、石炭系重質油、常圧残油、石油系重質油、芳香族炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合物、ポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、天然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド、フルフリルアルコール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂から選ばれる1 種以上の有機物を2500℃以上3200℃以下の焼成温度で黒鉛化したもの、
▲2▼ 上記▲1▼の黒鉛化可能な有機物をリチウム、ベリリウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、珪素、カリウム、カルシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、ニッケル、白金、パラジウム、コバルト、ルテニウム、錫、鉛、鉄、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、から選ばれる少なくとも一種以上の粉体、或いは薄膜などの触媒存在下で、400 ℃以上2500℃以下、より好ましくは1000℃以上2000℃以下で焼成することにより黒鉛化したもの。
【0014】
(4)黒鉛粉体の粒径測定及びラマン分光分析の結果が、高い負極容量や高速の充放電に対する耐レート特性を期待し得る所望の一定範囲内の数値を有しない黒鉛材料であるが、それらの材料を改めて2000℃以上3200℃以下の温度で再焼成処理することにより、焼成後の材料の持つ粒径測定とラマン分光分析から得られる数値を所望の一定範囲に収めることができる黒鉛。
(5)黒鉛粉体のBET法(窒素ガス吸着)による比表面積測定、及びラマン分光分析の結果が、高い負極容量や高速の充放電に対する耐レート特性を期待し得る所望の一定範囲内の数値を有しない黒鉛材料であるが、それらの材料を改めて2000℃以上3200℃以下の温度で再焼成処理することにより、焼成後の材料の持つ比表面積測定とラマン分光分析から得られる数値を所望の一定範囲に収めることができる黒鉛。
【0015】
本発明における上記特性の黒鉛材料の選定及びそのための測定方法について述べる。
「黒鉛材料の物性測定方法」
▲1▼ 黒鉛粉体の粒径測定
粒子の大きさの測定には、レーザー回折法、、電気抵抗式法、CCD 高感度カメラの写真イメージの処理による粒径直接評価法などが利用できる。本発明における黒鉛粉体の粒子の大きさとしては、その平均粒径が4μm 〜40μm であるものを選別するのが好ましい。
▲2▼ 黒鉛粉体の比表面積測定
気体分子吸着によるBET法、有機分子吸着法、有機溶媒吸着法が利用できる。本発明では上記▲1▼の粒径範囲の黒鉛粉体で、BET法(窒素ガス吸着)を用いて測定した場合の比表面積が、0.1〜25m2 /gにあるものを選定する。
これらの中で、その粒径と比表面積が、(比表面積)≦52(粒径)-0.6の関係を満たすものがリチウムイオン2次電池の負極材として好ましい性質を有する。その中でも特に、その平均粒径が4μm 〜30μm で、その比表面積が0.1〜20m2 /gにあり,且つ(比表面積)≦42(粒径)-0.6の関係を満たすものは更に好ましい。
【0016】
▲3▼ ラマン分光分析
上記▲1▼及び▲2▼の平均粒径と比表面積の関係を満たす黒鉛材料において、ラマンスペクトル分析によるR値(=IB/IA)が、0.001を超え0.2 以下であり、且つ、1570〜1620cm-1に存在するピークの半値幅である△ν値の大きさが、14以上22cm-1以下であるものをリチウム二次電池用の負極黒鉛材料として用いることが好ましい。R値が0.001以上0.15以下の物はより好ましく、0.001以上0.07以下の物は更に好ましい。本発明における黒鉛材料では、これ以外の物性値は必ずしも必要ではないが、その他の黒鉛材料の性状を規定する他の物性値を併記するとすれば、X線回折による(002)面の面間隔d002が3.38Å以下が好ましく、3.36Å以下であることがより好ましい。また、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)は1000Å以下であることが好ましい。
【0017】
本発明のアモルファスなコークスで被覆された黒鉛系炭素質物の被膜を形成するために用いられる有機物としては、液相で炭素化が進行する有機物として、軟ピッチから硬ピッチまでのコールタールピッチや乾留液化油などの石炭系重質油や、常圧残油、減圧残油等の直流系重質油、原油、ナフサなどの熱分解時に副生するエチレンタール等分解系重質油等の石油系重質油が挙げられる。さらにアセナフチレン、デカシクレン、アントラセンなどの芳香族炭化水素、フェナジンやアクリジンなどの窒素含有環状化合物、チオフェンなどの硫黄含有環状化合物、30MPa以上の加圧が必要となるがアダマンタンなどの脂環、ビフェニルやテルフェニルなどのポリフェニルなどの高分子物質があげられる。又、固相で炭素化が進行する有機物としては、セルロースや糖類などの天然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性樹脂、フルフリルアルコール樹脂(フラン樹脂)、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。
本発明の黒鉛粒子がアモルファスなコークスで均質に被覆された炭素被覆黒鉛系炭素質物を得るには、液相で炭素化が進む有機物を用いるのが有利である。
なお、被膜がコークスであることは、例えば以下の方法により容易に確認することができる。▲1▼TEM写真によること、▲2▼被覆後物質のX線回折のピークから被覆前の黒鉛系炭素物質のX線回折ピークを差し引くことによること、▲3▼シモン試薬(クロム酸銀−硫酸)で黒鉛系炭素物質を溶解し、残った被膜を公知の方法(TEM、X線回折、ラマン分光分析等)により測定すること。
【0018】
本発明の炭素被覆黒鉛系炭素質物は、上記の有機物及び黒鉛材料を混合し、1000〜2800℃、より好ましくは1100℃〜1500℃で焼成し、その後粉砕を行うことにより得られる。粉砕後の炭素被覆黒鉛系炭素質物は、好ましくは、4〜100μm、更に好ましくは5〜50μmの平均粒径をもつ粒子として使用する。
焼成、粉砕等の工程を経て最終調整された炭素被覆黒鉛系炭素質物の組成は、黒鉛性炭素質物は99〜50重量%で、有機物の焼成物組成が1〜50重量%であることが好ましく、黒鉛性炭素質物は99〜75重量%で、有機物の焼成物組成が1〜25重量%であることがより好ましく、更に好ましくは黒鉛性炭素質物が90〜99重量%で、有機物の焼成物組成が1〜10重量%である。
【0019】
炭素被覆黒鉛系炭素質物中の有機物の焼成物組成が上記範囲以上では、低電位化、急速充放電特性の改善が少なく、また、更に性能を改善するため、この後の工程として実施することが好ましい酸またはアルカリによる処理の効果があまり顕著でない場合がある。尚、上記範囲は原料仕込み比ではなく、最終的な調整段階での含有量である。そのため、仕込み時には、最終段階での組成比を考慮して原料の配合量を決定する必要がある。こうして調整した炭素被覆黒鉛系炭素質物を負極に用いたリチウムイオン2次電池は被覆しない黒鉛負極使用時に比べ、高い電池容量、優れたレート特性とサイクル特性を示す。
【0020】
最終調整後の炭素被覆黒鉛系炭素質物の粒子は、その性質として、▲1▼X線回折による(002)面の面間隔d002 が3.36Å以上、3.39Å以下であり、▲2▼波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析に於いて、R=IB/IA(ラマンスペクトルにおいて、1580〜1620cm-1の範囲に存するピークの強度をIA、1350〜1370cm-1の範囲に存するピークの強度をIBとする)の値が0.15以上、1.0以下であり、また▲3▼窒素ガス吸着によるBET法を用いて測定した比表面積が13m2 /g以下、0.1m2/ g以上、より好ましくは10m2/g以下、最も好ましくは、4m2/g以下である様な性質を有する粒子が好ましい。
【0021】
上記のように最終調整して得られた炭素被覆黒鉛系炭素質物の粒子は、例えば、バインダーとともに該バインダーを溶解しうる溶剤を用いて分散塗料化し、その塗料を集電体上に塗布、乾燥することにより負極を製造できる。
本発明におけるバインダーとしては、電解液等に対して安定である必要があり、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等の観点から各種の材料が使用される。具体的には、シリケート、ガラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどのポリマー鎖中に環構造を有するポリマーが挙げられる。
【0022】
他の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが使用できる。
【0023】
また上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。これらの樹脂の重量平均分子量は、通常10,000〜3,000,000、好ましくは100,000〜1,000,000程度である。低すぎると塗膜の強度が低下する傾向にある。一方高すぎると粘度が高くなり電極の形成が困難になることがある。好ましいバインダー樹脂としては、フッ素系樹脂、CN基含有ポリマーが挙げられ、より好ましくはポリフッ化ビニリデンである。
【0024】
バインダーの使用量は、炭素被覆黒鉛系炭素質物100重量部に対して、通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、また通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると電極の強度が低下する傾向にあり、バインダーの量が多すぎるとイオン伝導度が低下する傾向にある。
本発明において、溶剤は用いるバインダーを溶解しうるものを適宜選択すればよく、例えばN−メチルピロリドンや、ジメチルホルムアミドを挙げることができ、好ましくはN−メチルピロリドンである。塗料中の溶剤濃度は、少なくとも10重量%より大きくするが、通常20重量%以上、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上である。また、上限としては、通常90重量%以下、好ましくは80重量%以下である。溶剤濃度が低すぎると塗布が困難になることがあり、高すぎると塗布膜厚を上げることが困難になると共に塗料の安定性が悪化することがある。
【0025】
分散塗料化には通常用いられる分散機が使用でき、ボールミル、サンドミル、二軸混練機などが使用できる。
集電体上に塗料を塗布する塗布装置に関しては特に限定されず、スライドコーティングやエクストルージョン型のダイコーティング、リバースロール、グラビアコーター、ナイフコーター、キスコーター、マイクログラビアコーター、ロッドコーター、ブレードコーターなどが挙げられるが、塗料粘度および塗布膜厚等を考慮するとエクストルージョン方式が最も好ましい。
上記塗料を集電体上に塗布した後、塗膜を120℃程度で10分間程度乾燥させる。乾燥温度が低いとバインダ−の結晶化が起こりにくく塗膜強度が低下する。また時間が短く乾燥が不十分だと残存溶媒が電池特性に悪影響を与える。逆に温度が高い又は乾燥時間が長すぎると集電体が酸化され電池特性を劣化させる。
【0026】
電極中には、電極の導電性や機械的強度を向上させるため、導電性材料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材などを含有させても良い。導電性材料としては、上記炭素被覆黒鉛系炭素質物に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限は無いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。炭素粉末導電性材料のDBP吸油量は120cc/100g以上が好ましく、特に150cc/100g以上が電解液を保持するという理由から好ましい。添加剤としては、トリフルオロプロピレンカーボネート、1,6−ジオキサスピロ[4,4]ノナン−2,7−ジオン、12−クラウン−4−エーテル、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネートなどが電池の安定性、寿命を高めるために使用することができる。補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0027】
負極の厚さは、一般的に0.05〜200μm程度である。この範囲の中でも、通常10μm以上、好ましくは20μm以上であり、通常200μm以下、好ましくは150μm以下である。薄すぎると電池の容量が小さくなりすぎることがある。一方、あまりに厚すぎるとレート特性が低下しすぎることがある。なお、上記における負極とは、活物質(炭素被覆黒鉛系炭素質物)を含む層を意味し、集電体は含まない。
【0028】
本発明における集電体としては、電気化学的に溶出等の問題が生じず、電池の集電体として機能しうる各種のものを使用でき、通常は金属や合金が用いられる。例えば、負極の集電体としては、銅箔を用いる場合が多い。
これら集電体の表面を予め粗面化処理しておくことは、電極材料層との結着効果を向上させることができるので好ましい方法である。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤ−ブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。
【0029】
また、二次電池の重量を低減させる、すなわち重量エネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの基材を使用することもできる。この場合、その開口率を変更することで重量も自在に変更可能となる。また、このような穴あきタイプの基材の両面に接触層を形成した場合、この穴を通しての塗膜のリベット効果により塗膜の剥離がさらに起こりにくくなる傾向にあるが、開口率があまりに高くなった場合には、塗膜と基材との接触面積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなることがある。
集電体の厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。あまりに厚すぎると、電池全体の容量が低下しすぎることになり、逆に薄すぎると取り扱いが困難になることがある。
【0030】
集電体上にアンダーコートプライマー層を形成することもできる。プライマー層の機能は、集電体に対する負極の接着性を向上させることであり、プライマー層を設けない場合に比べ、接着性向上による電池内部抵抗の低減、充放電サイクル試験過程における基材からの塗膜脱離による急速な容量低下を防ぐものである。アンダーコートプライマー層は、例えば、導電性材料とバインダーと溶剤を含むアンダーコートプライマー材料塗料を集電体上に塗布した後、これを乾燥することによって形成することができる。
アンダーコートプライマー層に使用する導電性材料としては、カーボンブラック、グラファイト等の炭素材料、金属粉体、導電性の有機共役系樹脂等を挙げることができる。
【0031】
アンダーコートプライマー層に使用するバインダーや溶剤は、前記電極材料の塗料に使用するバインダーや溶剤と同様のものを使用することができる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合物等の導電性樹脂は、前記導電性材料とバインダーとの両方の機能を兼ね備えることが可能なので、これを導電性材料とバインダーの両者を兼ねてアンダーコートプライマー層に用いることができる。無論、アンダーコートプライマー層に使用するバインダーや溶剤は、電極材料の塗料に使用するものと同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0032】
導電性材料とバインダーとをそれぞれ用いた場合、導電性材料に対するバインダーの割合は、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上であり、また通常300重量%以下、好ましくは100重量%以下である。あまりに低すぎると、電池使用時、工程上での剥離などが生じやすい。あまりに高すぎると伝導度が低下して電池特性が低下することがある。
アンダーコートプライマー層の厚さは、一般的に0.05〜200μm程度である。この範囲の中でも、通常0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上であり、通常10μm以下、好ましくは1μm以下である。薄すぎると均一性が確保しにくくなり、あまりに厚すぎると電池の体積容量が低下しすぎることがある。
【0033】
本発明における二次電池の電解質は、電解液およびポリマーからなる非流動性電解質であって、該電解質は、沸点200℃以上であることを必須とする。電解質の沸点がこの温度より低すぎると電池が高温下に置かれた場合ふくれが生じることがあり好ましくない。なお、本発明における電解質層はセパレ−タ−を含んでもかまわない。
本発明における非流動性電解質としては、ポリマーに電解液が保持されてなる非流動性電解質からなるものが好ましく、より好ましくはゲル状ポリマー電解質である。
【0034】
電解質を保持するポリマーとしては、アルキレンオキシドユニットを有するアルキレノキシド系高分子や、ポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のようなフッ素系高分子等、上記機能を有する各種のポリマーを挙げることができる。これらのポリマーの電解液に対する濃度は、使用するポリマーの分子量等にもよるが、通常0.1〜30重量%である。濃度が低すぎると電解質を保持しにくくなり、電解質の保持性が低下して流動、液漏れの問題を生じる場合がある。また濃度が高すぎると粘度が高くなりすぎて製造工程上困難を生じるとともに、電解液の割合が低下してイオン伝導度が低下し、レート特性などの電池特性が低下する傾向にある。
非流動性電解質を形成する方法としては、最初からポリマーを電解液に溶解させた電解質塗料として用いる方法、また電解液に重合性モノマーを含有させた塗料を調整してから架橋反応させて非流動化電解質とする方法など必要に応じた材料・製法を採用し、電解質層を形成することができる。
【0035】
電解液は非水電解液が好適であり、これは非水溶媒にリチウム塩である支持電解質を溶解させたものを用いるのが一般的である。電解液としては、電解質として上記正極活物質及び負極活物質に対して安定であり、かつリチウムイオンが前記正極活物質あるいは負極活物質と電気化学反応をするための移動を行い得る非水物質であるものが使用される。
支持電解質であるリチウム塩としては、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiClO4、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、LiSO3CF2 等を挙げることができる。これらのうちでは特にLiPF6及びLiClO4が好適である。これら支持電解質の電解液における含有量は、一般的に0.5〜2.5mol/lである。
【0036】
電解液に用いられる非水溶媒は、電解質の沸点が200℃以上であるようにするため、沸点200℃以上の溶媒を使用する。具体的にはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、γ−ブチルラクトン、ブチレンカーボネート等のラクトン類から選ばれた1種又は2種以上の混合溶液が好適であり、特に好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γーブチルラクトンである。沸点200℃以上の溶媒に沸点200℃以下の溶媒を混入すると、電解質の沸点が200℃以上とならないので好ましくない。なお、電解液に用いられる非水溶媒は、粘度が1mPa・s以上であることが好ましい。粘度が低すぎると活物質層層内等から漏液してしまう場合がある。
【0037】
本発明における非流動性電解質の形成を、電解液に重合性モノマーを含有させた塗料を調整し、それを架橋反応させて非流動化電解質とする方法で行う場合には、電解液に重合性モノマーとして紫外線硬化や熱硬化などの重合処理を施すことによって高分子を形成するモノマーを添加することにより塗料を調整する。
重合性モノマーとしては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽和二重結合を有するものが挙げられる。具体的には、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、N、N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート等が挙げられる。
【0038】
他の使用可能な具体例としては、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレート等が挙げられ、さらにトリメチロールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートトリアクリレートなどの3官能モノマー、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンアルコキシレートテトラアクリレートなどの4官能以上のモノマー等も使用できる。これらの中から反応性、極性、安全性などから好ましいものを単独、または組み合わせて用いれば良い。これらの中で特に好ましくはエチレノキシド基を複数含有するジアクリレート、トリアクリレートである。
【0039】
これらのモノマーを熱、紫外線、電子線等によって重合させることにより、非流動性化した電解質塗料を得ることができる。この場合、重合反応を効果的に進行させるため、電解液に重合開始剤を入れておくこともできる。重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンジル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ビアセチル、ベンゾイルパーオキザイド等が使用でき、更に、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシネオデカノエート等のパーオキシネオデカノエート類、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、α−クミルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘプタノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオヘプタノエート、t−アミルパーオキシヘプタノエート等のパーオキシネオヘプタノエート類等も使用できる。好ましくは過酸化系の重合開始剤である。
【0040】
また、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド等の重縮合反応によって生成される高分子、ポリウレタン、ポリウレア等の重付加反応によって生成される高分子を生成するモノマーを、重合性モノマーとして使用することもできる。
電解液中における重合性モノマーの含有量は特に制限されないが、好ましくは塗料中に1重量%以上含有することが好ましい。含有量が低いと高分子の形成効率が低下し、電解液を非流動化しにくくなる。他方、あまりに多すぎると未反応モノマーの残留や電解質塗料としての操作性が悪くなるので、通常30重量%以下とする。
【0041】
電解液に重合性モノマーを含有させた塗料を調整し、それを架橋反応させて非流動性電解質とする方法における非流動化処理としては、熱硬化による重合処理によって高分子を形成し電解質を非流動化することが好ましい。熱硬化をおこなう温度は、用いられる重合開始剤等によって変更しうるものであるが、特に制限はなく工程上問題のない速度で速やかに非流動化処理が完了する条件であればよい。好ましくは調整後の塗料は、室温で安定に保存が可能で、50〜150℃に加熱することにより重合が進行することが望ましい。
【0042】
本発明の非流動性電解質を、最初からポリマーを含有した電解質塗料を用いて生成する方法においては、ポリマーとして、高温で電解液に溶解し、常温でゲル状電解質を形成する高分子を使用するのが好ましい。この様な特性を持ち、電池材料として安定なものであればどのような高分子でも使用できるが、例えば、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド等のCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマー等が挙げられる。これらの中、好ましくはポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリエチレノキシド、あるいはそれらの変性体である。
【0043】
また、上記のポリマー等の混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体等であっても使用できる。後述するようにリチウム電池に使用される電解液、電解質が極性を有するものであるから、ポリマー(高分子)も有る程度の極性を有する方が好ましい。更に、これらのポリマーの重量平均分子量は、好ましくは10,000〜5,000,000の範囲である。分子量が低いとゲルを形成しにくくなり、他方、あまり分子量が高いと粘度が高くなりすぎて取り扱いが難しくなる。
ポリマーの電解液に対する濃度は、分子量に応じて変えることが望ましく、好ましくは0.1重量%から30重量%である。濃度が0.1重量%以下ではゲルを形成しにくくなり、電解液の保持性が低下して流動、液漏れの問題が生じる。濃度が30重量%以上になると粘度が高くなりすぎて工程上困難を生じるとともに、電解液の割合が低下してイオン伝導度が低下しレート特性などの電池特性が低下する。
【0044】
高温で電解液に溶解し、常温でゲル状電解質を形成するポリマーを使用した非流動化電解質の形成法では、ポリマーを電解液に加温して溶解する。加温温度としては50〜200℃、好ましくは、100〜160℃である。あまりにも低温で溶解するようであると、非流動化電解質の安定性が低下する。溶解温度が高すぎると、電解液成分、ポリマー等の分解を引き起こすことがあり得る。非流動化の条件としては、ポリマー溶解電解液を室温で冷却することが好ましいが、強制冷却してもよい。
【0045】
本発明において、上記非流動化電解質からなる電解質層は、例えば多孔質フィルムのような支持体を併用するのが好ましい。多孔質フィルムとしては、高分子樹脂からなるフィルムや、粉体とバインダーからなる薄膜が好ましく使用でき、より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質膜である。
集電体上にバインダーによって活物質が結着されている多孔質フィルム上に、所定の処理によって非流動化する上記の電解質塗料を電極上に塗布し、多孔質フィルム中の空隙に含浸させた後、非流動化処理を実施することにより電解質を非流動化させ、電解質層を形成することができる。
【0046】
正極としては、例えばリチウム化合物を活物質とする正極が挙げられる。リチウム化合物としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物が挙げられ、具体的には、LiNiO2、LiNiCoO2等のリチウムニッケル複合酸化物、LiCoO2等のリチウムコバルト複合酸化物が挙げられる。より好ましくはリチウムコバルト複合酸化物であり、特に好ましくはLiCoO2である。活物質が粒状の場合の粒径は、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で通常1〜30μm、好ましくは1〜10μm程度である。正極はこれら正極活物質を上記負極の製造方法と同様にして製造することができる。
【0047】
上記の正極、負極、電解質層は、平板状に形成される。必要なサイズへの裁断、平板状への形成、正極、負極、電解質層の積層は工程上任意の場所でおこなうことができる。
平板状に形成された正極、電解質層、負極からなる単位電池素子を必要ならば複数積層して、形状可変性を有するケースに密着収納することによって薄型電池が実現できる。ケースの材料としては、可撓性プラスチック、高分子フィルム、金属フィルム、ゴム、薄い金属板、金属層と樹脂層を有するラミネートフィルム等が挙げられ、好ましくは金属層と樹脂層を有するラミネートフィルムが挙げられる。ラミネートフィルムとしては金属箔と高分子フィルムのラミネート素材からなるフィルムが好適に使用できる。
【0048】
ケースの具体例としては、ビニール袋のような高分子フィルムからなる袋、高分子フィルムからなる真空包装用袋もしくは真空パック、または金属箔と高分子フィルムのラミネート素材からなる真空包装用袋もしくは真空パック、可撓性プラスチックで形成された缶、可撓性プラスチックの板で挟んで周囲を溶着、接着、はめ込み等で固定したケース等が挙げられる。これらの中では、気密性、形状可変性の点で高分子フィルムからなる真空包装用袋もしくは真空パック、または金属箔と高分子フィルムのラミネート素材からなる真空包装用袋もしくは真空パックが好ましい。これらのケースは金属缶の様な重量、剛性がなく、柔軟性、屈曲性、可撓性等を有するため、電池を収納後、曲げたりできる自由性があるとともに軽量化が図れるという利点を持つ。むろん電池の機器への装着等の利便を図るため、ケースに電池を封入した後、必要ならば複数のケースを、剛性を持つ外装ケースに収納することも可能である。
【0049】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
炭素被覆黒鉛系炭素質物の製造
内容積20リットルのステンレスタンク中で、粒径22〜23μm、BET法を用いて測定した比表面積が4.7m2/gなる人造黒鉛粉末3.0kgをナフサ分解時に得られるエチレンヘビーエンドタール(EHE;三菱化学(株)社製)1.0kgに対し混合した。得られたスラリー状の混合物を回分式加熱炉で不活性雰囲気下にて700℃に保ち、1時間熱処理することにより脱揮した。次に、1300℃まで温度を上昇させ2時間保持し焼成した。焼成物を粉砕し、振動式篩いにより粒径を20〜25μmに整え、粒状の炭素被覆黒鉛系炭素質物を得た。
【0050】
得られた炭素被覆黒鉛系炭素質物のBET法で測定した比表面積は3.1m2/gであった。また、得られた炭素被覆黒鉛系炭素質物と被覆前の黒鉛性炭素物質に対し、波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析を行いR値を求めたところ、炭素被覆黒鉛系炭素質物は、0.21、被覆前の黒鉛性炭素物質は0.11であった。
なお、ラマンスペクトル測定は、日本分光NR-1800により行い、波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光を、30mWの強度で照射した。ここでは1580〜1620cm-1の範囲に存在するピークの強度(IA)及び、1350〜1370cm-1の範囲に存在するピークの強度(IB)を測定し、これからR=IB/IAを求めた。
【0051】
負極の製造
得られた粒状の炭素被覆黒鉛系炭素質物(負活物質)100重量部に対して、ポリフッ化ビニリデン(バインダー)10重量部、N−メチル−2−ピロリドン(溶剤)100重量部を調合し、混練機により2時間混練し負極用分散塗料とした。
負極用分散塗料を、20μm厚の銅集電体基材上にエクストルージョン型のダイコーティングによって乾燥後膜厚が100μmになるよう塗布し、120℃にて10分間乾燥し、負活物質がバインダーによって集電体上に結着された膜を作成した。
ついで、ロールプレス(カレンダー)をもちいて、線圧100kgf/cmの条件で圧密することによって負極を作製した。
【0052】
次に以下の塗料を調整した。
[正極塗料]
組成
コバルト酸リチウム 90部
アセチレンブラック 5部
ポリフッ化ビニリデン 5部
N-メチル-2-ピロリドン 80部
上記の全ての原料について、混練機により2時間混練し正極用ペーストとした。
【0053】
[電解質塗料]
組成
テトラエチレングルコールジアクリレート 14部
ポリエチレンオキシドトリアクリレート 7部
過塩素酸リチウム 21部
重合開始剤 1部
添加剤(スピロジラクトン) 14部
電解液溶媒(プロピレンカーボネート) 120部
電解液溶媒(エチレンカーボネート) 120部
上記組成全部を混合攪拌溶解し、電解質塗料とした。
【0054】
正極の作成
上記正極塗料を20μm厚のアルミニウム集電体基材上に、エクストルージョン型のダイコーティングによって、乾燥後の膜厚が120μmとなるよう塗布、乾燥し、活物質がバインダーによって集電体上に結着された膜を作成した。
ついで、ロールプレス(カレンダー)をもちいて、線圧100kgf/cmの条件で圧密することによって正極を作製した。
【0055】
電池の作成
上記の正極ならびに負極に電解質塗料を塗布し、別に電解質塗料に浸した電極よりやや面積の広い高分子多孔質フィルムを両極間に挟んで積層し、それを90℃にて10分加熱することにより電解質を非流動化して、正極、負極を有し、非流動化された電解質成分を有する平板状の単位電池素子を形成した。その後単位電池素子に電流を取り出すタブを接続し、アルミニウム膜と高分子フィルムからなるラミネートフィルムを対向成形した袋状ケースに真空シールして収納することによって平板状電池とした。
【0056】
比較例1
負活物質として、炭素被覆黒鉛系炭素質物の代わりに、粒径22〜23μm、BET法を用いて測定した比表面積が4.7m2/gなる人造黒鉛粉末を用いた以外は実施例1と同様にして平板電池を作製した。
【0057】
試験例
実施例1及び比較例1で得られた平板状電池を0.5mA/cm2で4.2Vまで充電し、目視にてガス発生の有無を確認した。ガス発生がある場合は、ケースに膨らみが生じる。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、充電時のガス発生が抑制され、高温下でも電池の膨らみ等を回避できるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
Claims (10)
- 正極、負極および沸点200℃以上の電解質を具備してなるリチウムイオン二次電池において、該電解質が非流動性電解質であり、負極がアモルファスなコークスで被覆された黒鉛系炭素質物を負活物とすることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
- 電解質の電解液に用いる溶媒の粘度が1mPa・s以上であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- アモルファスなコークスが、コールタールピッチ、石炭系重質油、石油系重質油、芳香族炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合物、ポリフェニル、ポリアクリロニトリル、天然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド、フルフリルアルコール樹脂(フラン樹脂)、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂から選ばれる1種以上の有機物を炭素化したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
- アモルファスなコークスが、コールタールピッチ、石炭系重質油、石油系重質油、芳香族炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合物、ポリフェニルから選ばれる1種以上の有機物を炭素化したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
- アモルファスなコークスが、エチレンヘビーエンドタールを炭素化したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
- 黒鉛系炭素質物がグラファイトであることを特徴とする請求項1〜5のいずかれに記載のリチウムイオン二次電池。
- アモルファスなコークスで被覆された黒鉛系炭素質物は、
BET法(窒素ガス吸着)を用いて測定した比表面積が13m2 /g以下0.1m2 /g以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずかれに記載のリチウムイオン二次電池。 - 正極がLiCoO2および/またはLiNixM1-xO2(Mは遷移元素)を活物質として含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
- 電解液が有機溶媒としてプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート及びγ−ブチロラクトンのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずかれに記載のリチウムイオン二次電池。
- アルミニウム箔と高分子樹脂フィルムからなるラミネートフィルムの袋状ケースに真空シールして収納されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
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