JP2000311520A - 発泡絶縁電線および同軸素線 - Google Patents

発泡絶縁電線および同軸素線

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JP2000311520A JP11120028A JP12002899A JP2000311520A JP 2000311520 A JP2000311520 A JP 2000311520A JP 11120028 A JP11120028 A JP 11120028A JP 12002899 A JP12002899 A JP 12002899A JP 2000311520 A JP2000311520 A JP 2000311520A
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信也 西川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器内の信号伝送用および情報通信用の
電線で、絶縁層が高発泡で、かつ耐側圧性にすぐれた性
能を持った電線を得ること。さらに、この絶縁電線を同
軸構造とするにあたっては、可撓性に優れ、屈曲などに
よる雑音の発生がすくなく、かつ、端末加工の容易なも
のとすること。 【解決手段】 ポリ(4−メチル−1−ペンテン)をベ
ースポリマーに含む樹脂組成物の発泡層を導体上に設け
る。また、上記発泡絶縁電線を同軸構造とするにあたっ
ては、外部導体として銅または銅合金の丸線を圧延して
扁平化させたリボン状導体を用い、且つこのリボン状導
体を絶縁体上にらせん状に巻装して外部導体を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器内の信号
伝送用および情報通信用の電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器内の信号伝送用および情報通信
用の電線の絶縁材料としては、出来るだけ誘電率の小さ
いものが好ましい。そのため、従来から絶縁材料として
誘電率の小さいポリオレフィンを使用し、更にそれを発
泡させて誘電率を小さくしたものが使用される。発泡さ
せるには、ポリエチレンに化学発泡剤を添加した組成物
を使用するか、あるいは不活性ガスを使用して発泡させ
る方法を用いたものが知られている。
【0003】また、情報伝送速度の高速化、電子機器の
小型化を進めるために更なる高発泡化、細径化、薄肉化
が検討されている。例えば、特公昭61−11412号
公報にはスエリング比55%以上のプラスチック材料を
用いて60%以上の高発泡絶縁電線を製造する方法が、
特公昭63−56652号公報には、エチレン−プロピ
レン弾性共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン−プ
ロピレンブロック共重合体のブレンドを用いて60%以
上の高発泡絶縁電線を製造する方法が示されている。
【0004】また、こうした電子機器内の信号伝送用や
情報通信用の電線は絶縁層の外周に外部導体層を設けた
同軸構造とし、同軸ケーブルとして使用することが多
い。このような同軸ケーブルには1本の同軸素線に外被
を施した単心ケーブル、複数本の単心ケーブルに共通の
外被を施す多心ケーブル、そして複数本の同軸素線に共
通の外被を施す多心ケーブルなどがある。また多心ケー
ブル内の同軸素線又は単心ケーブルの配列方法としては
同軸素線または単心ケーブルを平面上に整列した平型多
心ケーブルと相互に撚り合わせた層撚り多心ケーブルが
ある。このような単心または多心の同軸ケーブルは同種
のケーブルを集合する場合と他の種類の通信線や電力線
等を複合した複合ケーブルとする場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の同軸ケーブルに
おいては、金属テープ或いは金属テープとポリエステル
等の絶縁フィルムを積層した積層テープが外部導体(シ
ールド)として一般的に使用されている。例えば、実開
平2−47726号公報、2−47728号公報に示さ
れるような金属テープの編組体が知られている。この外
部導体が金属テープ編組の場合にはばらけない利点があ
る。反面、端末処理等のために外部導体を除去しようと
するときに手間がかかるという欠点がある。図4は編組
金属テープを使用した従来の同軸ケーブルを示す側面図
である。図4において、11は中心導体、12は絶縁体、13
は金属テープを編組した外部導体、14は外被である。こ
のような金属テープとしては、通常巾広の金属テープを
スリットしたものが使用されるが、金属テープのスリッ
トの際の切断面に、かえり、バリ等のシャープなエッジ
が残り、この部分が絶縁体を損傷させたり、またこの点
に電圧が集中すること等により絶縁耐圧が低下する場合
がある。特に絶縁厚が0.15mm以下といった薄い細径の
同軸ケーブルの場合にはこの問題が深刻となる。また、
従来の同軸ケーブルを電子機器内の機器配線、特にノー
卜型コンピュータのモニタ部と本体部の結合部分にあた
る回動部や診療箇所を変えるたびにケーブルが動く医療
用センサーケーブルの可動部に配置した場合に、同軸ケ
ーブルが動く際に絶縁体と外部導体との摩擦による静電
雑音が発生する問題があった。また、通常のポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどをベースポリマーとして用いて
高発泡、薄肉化しようとすると、側圧に対して弱くなり
がちであり、外部導体層を設ける工程中に受ける側圧で
も、誘電率、静電容量などの電気特性が変動しやすいと
いう問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)をベース
ポリマーに含む樹脂組成物の発泡層を導体上に設けるこ
とが前記の課題の解決に有効であることを見出した。ま
た、電線を同軸構造とするにあたり、外部導体として銅
または銅合金の丸線を圧延して扁平化させたリボン状導
体を用い、且つこのリボン状導体を絶縁体上にらせん状
に巻装して外部導体を構成することにより、可とう性を
有し、機械的な運動を行った場合の雑音の発生が小さ
く、且つ機械的耐久性に富み外径の細い同軸素線が得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では、ベースポリマーにポ
リ(4−メチル−1−ペンテン)を含む樹脂組成物使用
することが特徴で、このポリ(4−メチル−1−ペンテ
ン)は、単独でベースポリマーとして用いてもよいが、
これに、ポリオレフィンをブレンドしたものをベースポ
リマーとして用いることにより更なる改良が出来る。
【0008】ブレンドするポリオレフィンとしては、エ
チレン、プロピレンの単独重合体、あるいはエチレンと
α−オレフィンの共重合体、あるいはアイオノマーが使
用出来る。なかでも、アイオノマーが最も好ましい。こ
こでいうα−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン、
ペンテン、ヘキセン、ヘキセン、オクテン、酢酸ビニ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチルなどがあげられるが、誘
電率の低い非極性α−オレフィンとの共重合体が特に好
ましい。また、アイオノマーとは、エチレンとアクリル
酸、メタクリル酸などの共重合体をリチウム、カリウ
ム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛などの金属イオン
で中和したものを指す。アイオノマーをブレンドしたも
のは、導体と発泡絶縁層との間に隙間が空きにくく好ま
しく、亜鉛で中和したアイオノマーは吸水が少なく、誘
電率の変動が少ないので特に好ましい。
【0009】ポリ(4−メチル−1−ペンテン)とポリ
オレフィンとをブレンドしてベースポリマーとする場合
には、重量比で、20/80〜80/20の範囲のブレンドが好ま
しい。ポリ(4−メチル−1−ペンテン)の重量比を20
%以上にすることにより、耐側圧特性が良好になる。一
方、ポリオレフィンの重量比を20%以上にすることによ
り、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)を単独でベース
ポリマーとした場合と比べて、外観が良好の状態で、高
速での押出しが出来るようになる。
【0010】発泡層を形成させる方法としては、前述の
樹脂組成物に化学発泡剤を添加したものを溶融押出機で
導体に被覆し押出と同時に発泡させる化学発泡法、ある
いは窒素、アルゴン等の不活性ガス、メタン、プロパン
あるいはフロロカーボン等の気体を溶融押出機内で圧入
した後は化学発泡法と同様に導体に被覆し押出と同時に
発泡させるガス発泡法の何れでも良いが、吸湿性の残さ
を残さないガス発泡法がより好ましい。ここで使用する
化学発泡剤は、その分解温度以上に加熱されると、窒
素、二酸化炭素、アンモニア等のガスを発生する有機化
合物および無機化合物であって、各種金属の炭酸塩、ジ
ニトロソペンタメチレンテロラミン、アゾジカルボンア
ミドおよびその金属塩、4,4’−オキシビス(ベンゼ
ンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラ
ジド等が例示されるが、これらに特に限定されるもので
ない。これらの発泡剤は単独で使用しても2種類以上組
み合わせて使用してもどちらでも良い。更に、尿素、尿
素系化合物、亜鉛華、ステアリン酸亜鉛等の公知の発泡
助剤を併用しても良い。発泡剤の使用量は、目的とする
発泡倍率、使用する発泡剤の種類により選択すればよ
い。これらの発泡層には、必要に応じて電子線架橋を施
しても良い。また前記の樹脂組成物中には、ポリオレフ
ィン用に通常使用されている充填材、酸化防止剤、光安
定剤等の添加剤を加えておいてもよい。
【0011】本発明の別の特徴として、同軸構造とする
にあたり、図1に示した如く、外部導体として、銅また
は銅合金の丸線を圧延して扁平化したリボン状導体を用
いて、これを絶縁体の周囲にらせん状に巻装することが
挙げられる。本発明の外部導体は、リボン状導体で断面
外周に鋭角的なエッジを有さないため、外部導体として
巻装したときに絶縁体の損傷や電圧集中の問題が生じ難
く、またこのような略矩形のリボン状導体は機械強度も
高く、編組されていないため端末処理等において除去が
容易で扱いやすい。さらに、発明者等の検討により、電
子機器内の配置部位の回動屈曲により同軸ケーブルに発
生する雑音が、絶縁体と外部導体の摩擦により発生する
静電雑音であることがわかった。本発明の外部導体はリ
ボン状導体の略矩形の一つの長辺を絶縁体に向けた状態
で螺旋状に巻装してなるため、リボン状導体と絶縁体と
の密着面が広く摩擦が大きいため、同軸ケーブルが曲げ
られた場合にもリボン状導体が絶縁体を擦って動く現象
が生じにくく、静電雑音が防止される。
【0012】更に、丸線を圧延して扁平化させた銅また
は銅合金を軟化せずにリボン状導体として使用すること
により巻装するときの張力を強め、従来法のようにわざ
わざ編組しなくても巻き付けるだけでばらけない外部導
体層とすることができるという利点がある。リボン状導
体の巻き角度は、45度以上あればフレキシビリティを持
たせる点で望ましく、より好ましくは60度以上である
が、直角に近くなり過ぎると生産性が極端に低下し好ま
しくないので80度程度が限度である。
【0013】リボン状導体を巻装する際の張力は絶縁体
の特性を損なうことなく、巻かれたリボン状導体が常に
絶縁体を締め付ける力を保ちつつ、同軸素線又は同軸ケ
ーブルが曲げられたり捻回された際に破断しない張力で
あることが必要で、リボン状導体の破断張力の30%以上
80%以下であることが好ましい。本発明に於いては、発
泡層に、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)をベースポ
リマーに含んだ樹脂組成物を使用するので、耐側圧特性
に優れており、巻装するときの張力を強めても、電気特
性を安定に保てるので、巻装するのみで、端末で外部導
体がばらけることのない同軸素線を得ることができる。
【0014】
【実施例】本発明を実施例を用いて詳細に説明する。表
1の上方に記載した配合をベースポリマーとし、各々に
化学発泡剤としてアゾジカルボンアミドを4重量部添加
した樹脂組成物を、180℃に設定した8インチのオー
プンロールミキサーで混練した後、ペレタイザーにてペ
レット化した。外径30μmのスズメッキ銅合金線の7
本撚導体に、単軸溶融押出機(30mmφ、L/D=2
4)を用いて、押出温度210℃の条件で、前記により
作成したそれぞれの配合のペレットを、絶縁厚さ150
μmに押出被覆して発泡電線を作成した。そして、それ
ぞれの発泡電線の発泡度、耐側圧性を判定するための変
形率、外観が荒れはじめる押出線速を測定し、表1の下
方に記載した。なお、発泡度、変形率の定義は下記の通
りである。発泡度は比重法で測定したもので、次式で定
義されるものである。 発泡度(%)=100×(ρ0−ρ)/ρ0 ρ0 :発泡前の樹脂密度 ρ :発泡体の密度 耐側圧性は次のようにして判定する。まず製造した電線
を9.5mmφの鉄製の棒に100gの荷重をかけて10
分間放置する。荷重をかける前の絶縁層の厚みと、荷重
をかけた後の絶縁層の厚みを測定して、次式で定義され
る変形率を計算する。 変形率(%)=100×(d0−d)/d00 :荷重をかける前の絶縁層の厚み(mm) d :荷重をかけた後の絶縁層の厚み(mm) なお、電線の外径および各層の厚みは断面の光学顕微鏡
撮影により測定する。そして、変形率20%未満を耐側
圧性良好と判断し、変形率20%以上は耐側圧性不良と
判断するものとする。
【0015】
【表1】 *1 ポリ(4−メチル−1−ペンテン)の商品名 *2 アイオノマーの商品名
【0016】表1の実施例1により、ベースポリマー
に、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)を単独で用いた
場合には、150μmの発泡絶縁体で発泡度60%以上
という高発泡が達成でき、変形率が小さく耐側圧性も良
好であることが判る。
【0017】表1の実施例2により、ベースポリマー
に、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)/アイオノマー
=80/20のブレンドを用いた場合には、150μm
の発泡絶縁体で発泡度60%以上という高発泡が達成で
き、しかも、実施例1の配合の場合より高速の押出しで
も押出外観が良好であり、かつ、変形率も小さく耐側圧
性も良好であると分かる。
【0018】表1の実施例3により、ベースポリマー
に、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)/アイオノマー
=20/80のブレンドを用いた場合には、150μm
の発泡絶縁体で発泡度60%以上という高発泡が達成で
き、しかも、実施例2の配合の場合よりも、更に高速の
押出しでも押出し外観が良好であり、かつ、変形率が小
さく、耐側圧性も良好であると分かる。
【0019】以上は、絶縁厚150μmのものについて
の結果だが、同様にして、ベースポリマーに、ポリ(4
−メチル−1−ペンテン)を含む樹脂組成物を使用すれ
ば、絶縁厚50〜500μmのものについて、高発泡
で、耐側圧性の良好な発泡電線が得られることを確認し
た。また、実施例3の配合を用いた発泡層450μmの
上に、未発泡のアイオノマー50μm設けたものを同時
押出しにより作成した。その結果、その発泡電線は、発
泡度69%、変形率10%であり、未発泡層が無いもの
よりも発泡度が大きくなり、かつ、変形率が小さくなっ
ていて大変好ましいことが確認出来た。表1の比較例は
ベースポリマーにアイオノマーを単独で用いた場合であ
るが、変形率が大きく、耐側圧特性がよくないことが判
る。
【0020】(実施例4)外部導体に使用するために、
図5(A)に断面形状を示す外径0.05mmの銅合金をスズ
メッキした丸線を圧延して、同図(B)に断面形状を示
す厚み0.012mm、幅0.18mmの長尺のリボン状導体を作
製した。絶縁電線として実施例1の配合を用いた発泡電
線を用いてその外周に、図2(A)に開き巻きとして示
すように、前記テープ状導体を60gf/1本の張力で、ピ
ッチ0.29mmとして間隔を空けて、同軸素線の軸に対し
て68度の角度をなすようにらせん状に巻装して同軸素線
を作製した。
【0021】この同軸素線について、その基本特性とし
ての耐圧試験、回動部や屈曲部に使用した場合の絶縁特
性としての屈曲試験と稔回試験、静電雑音試験を行っ
た。この際、同軸ケーブルは同軸素線を種々の形態で組
合せて製造する為、外被の影響を除いた状態で評価する
為同軸素線の状態で評価を実施した。
【0022】耐圧試験:300mの同軸素線を用いて、中心
導体と外部導体の問に1000Vの直流電圧を1分間にわたっ
て加え、絶嫁破壊の有無を調査した。この結果、絶縁層
が破壊する耐圧不良は認められず、良好な同軸ケーブル
としての特性が確認できた。
【0023】マンドレル屈曲試験:図6に試験方法を模
式的に示す。同軸素線20の中央部を2本の外形5mmの金属
棒22にはさんだ状態として、下端に50gfの荷重21を取り
付けて、上端を左右それぞれ金属棒に90度巻き付け伸ば
す作業を行った。左右各1回の屈曲を1回として30回/分
の速度で1000回の屈曲を行った。この後、上記と同様の
耐圧試願を実施したが耐圧不良は認めれず、繰り返し曲
げに対する優れた耐性が確認できた。
【0024】捻回試験:図7に試験方法を模式的に示
す。長さ20cmの同軸素線20の上端を上端固定点24に固定
し、下端に50gfの荷重23を取り付けて垂直に懸架し、こ
の荷重23を同軸ケーブルの中心軸を軸として時計周り、
半時計周り交互にそれぞれ180度旋回させる作業を行っ
た。時計周り、半時計周り各1回の捻回を1回として、30
回/分の速度で1000回の稔回を行った後、上記と同様の
耐圧試験を実施したが耐圧不良は認められず、捻回に対
する優れた耐性が確認できた。
【0025】静電雑音特性:さらに、急速な変形を加え
られた場合の静電雑音の大きさを評価するため、長さ50
cmの同軸素線を水平に張り、中央に長さ20cmの綿糸を結
びつけ、綿糸の他端に20gfの荷重を付けた。この同軸素
線の中心導体と外部導体の問の電圧を電圧計により測定
しながら、前記重りを同軸素線の高さから自由落下さ
せ、電圧変動の極大値として静電雑音特性を測定した。
同様の測定を10回行った結果、この同軸素線について発
生した電圧変動の極大値は最大2.5mVであった。一方同
軸素線の外部導体を従来の第4図に示す編組に変更し
て、同様の評価を行った場合極大値が100mVに達する電
圧変動が見られた。この結果から、本発明の利用により
静電雑音の大幅な改善効果が確認できた。
【0026】次に、図3に示すように、この同軸素線10
心を並列に並べ接着剤付きポリエステルテープを外被6
としてこれらを覆い、平型多心ケーブルにした。また、
この同軸素線に外被を施して単心同軸ケーブルとし、そ
の単心同軸ケーブル30心を撚り合わせ、その外側に共通
の外被を施すことにより、多心ケーブルとして可とう
性、機械的耐久性を維持しつつ細径の多心ケーブルを得
た。このようにして得られた多心ケーブルについても絶
縁特性をはじめとする特性が良好であることを確認し
た。
【0027】(実施例5)実施例4において、リボン状
導体を55gf/1本の張力でピッチ0.18mm、75度の角度で
らせん状に図2(B)に示すように突き合わせ巻きで巻
装して同軸素線を作製した。この同軸素線の耐圧特性、
屈曲特性、捻回特性、静電雑音特性も良好であった。こ
の同軸素線を使用して実施例4と同様に単心同軸ケーブ
ル、平型多心ケーブル及び多心ケーブルを作製した。こ
のようにして得られた同軸ケーブル及び多心ケーブルに
ついても絶縁特性をはじめとする特性が良好であること
を確認した。
【0028】(実施例6)実施例4において、図2
(C)に示すように、リボン状導体を65gf/1本の張力で
ピッチ0.29mm、68度の角度でらせん状に(同一方向に2
枚巻きで各開き巻き)巻装して同軸素線を作製した。ま
た、図2(D)に示されるように、ピッチ0.29mm、68度
の角度で2枚目のリボン状導体34をリボン導体33と逆方
向に巻いた同軸素線も作製した。これらの同軸素線は、
耐圧特性、屈曲特性、捻回特性、静電雑音特性も良好で
あって、図2(D)の外部導体層のシールド特性は特に
優れていた。更に、これらの同軸素線についても実施例
4と同様に単心同軸ケーブル、平型多心ケーブル及び多
心ケーブルを作製した。このようにして得られた同軸ケ
ーブル、多心ケーブルについても絶縁特性をはじめとす
る特性が良好であることを確認した。
【0029】以上は実施例1の配合の発泡電線を用いて
同軸構造にする例について述べたが、実施例2、実施例
3の配合の発泡電線についても、同様にして良好な同軸
素線、同軸ケーブルが得られることを確認した。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、ベースポリマー
にポリ(4−メチル−1−ペンテン)を含む樹脂組成物
を使用すれば、絶縁層の肉厚の比較的広い範囲に対して
高発泡度で、かつ側圧に対する潰れの小さい電線が製造
できる。また、それらの絶縁電線に、外部導体として断
面の四隅が滑らかな略矩形のリボン状導体を用い、且つ
このリボン状導体を絶縁体の周囲にらせん状に巻装して
外部導体とし、同軸素線を形成し、これを用いることで
可とう性を有し且つ機械的耐久性に富む細径の同軸ケー
ブルで、端末加工性にも優れたものが得られる。この同
軸素線又は同軸ケーブルを複数本の集合して外被を施
し、多心ケーブルとして使用することもできる。また、
このようにして得られる同軸ケーブルあるいは多心ケー
ブルを電子機器の回動部、屈曲部に配置することで長期
間にわたり絶縁特性に優れ、静電雑音の少ない電子機器
が得られ、高品質で高速の機器内信号伝送が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同軸ケーブルの例
【図2】同軸素線の例
【図3】平型多心ケーブルの例
【図4】従来の同軸ケーブルの側面図
【図5】(A)丸線の断面図 (B)リボン導体の断面図
【図6】マンドレル屈曲試験の状況を示す。
【図7】捻回試験の状況を示す。
【符号の説明】
1 中心導体 2 絶縁体 3 外部導体 4 外被 5 同軸素線 6 外被 11 中心導体 12 絶縁体 13 編組 14 外被 20 中心導体 21 荷重 22 金属棒 23 荷重 24 電線の固定点 31 外部導体 32 外部導体(31と同方向巻き) 33 外部導体 34 外部導体(33と逆方向巻き)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宿島 悟志 栃木県鹿沼市さつき市3番3号 住友電気 工業株式会社関東製作所内 (72)発明者 横井 清則 栃木県鹿沼市さつき市3番3号 住友電気 工業株式会社関東製作所内 Fターム(参考) 5G305 AA02 AA14 AB15 AB36 AB40 BA12 CA01 CD20 5G309 CA06 LA09 LA21 LA24 5G319 EA01 EB01 EC07 ED01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースポリマーにポリ(4−メチル−1
    −ペンテン)を含む樹脂組成物により形成した発泡層を
    備えたことを特徴とする絶縁電線。
  2. 【請求項2】 ベースポリマーにポリ(4−メチル−1
    −ペンテン)を含む樹脂組成物により形成した発泡層を
    備えた絶縁電線に、外部導体として銅または銅合金の丸
    線を圧延して扁平化したリボン状導体を用い、前記リボ
    ン状導体を前記絶縁電線の周囲に、らせん状に巻装した
    ことを特徴とする同軸素線。
  3. 【請求項3】 ベースポリマーにポリ(4−メチル−1
    −ペンテン)を含む樹脂組成物により形成した発泡層を
    備えた絶縁電線に、外部導体として断面の四隅が滑らか
    な形状のほぼ矩形の1または複数のリボン状導体を一つ
    の長辺を絶縁体に向けてらせん状に巻装してなり、前記
    リボン状導体の同軸素線に対する巻き角度を45度以上
    としたことを特徴とする同軸素線。
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