JP4352506B2 - 発泡絶縁電線および同軸素線 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器内の信号伝送用および情報通信用の電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器内の信号伝送用および情報通信用の電線の絶縁材料としては、出来るだけ誘電率の小さいものが好ましい。
そのため、従来から絶縁材料として誘電率の小さいポリオレフィンを使用し、更にそれを発泡させて誘電率を小さくしたものが使用される。
発泡させるには、ポリエチレンに化学発泡剤を添加した組成物を使用するか、あるいは不活性ガスを使用して発泡させる方法を用いたものが知られている。
【0003】
また、情報伝送速度の高速化、電子機器の小型化を進めるために更なる高発泡化、細径化、薄肉化が検討されている。
例えば、特公昭61−11412号公報にはスエリング比55%以上のプラスチック材料を用いて60%以上の高発泡絶縁電線を製造する方法が、特公昭63−56652号公報には、エチレン−プロピレン弾性共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体のブレンドを用いて60%以上の高発泡絶縁電線を製造する方法が示されている。
【0004】
また、こうした電子機器内の信号伝送用や情報通信用の電線は絶縁層の外周に外部導体層を設けた同軸構造とし、同軸ケーブルとして使用することが多い。
このような同軸ケーブルには1本の同軸素線に外被を施した単心ケーブル、複数本の単心ケーブルに共通の外被を施す多心ケーブル、そして複数本の同軸素線に共通の外被を施す多心ケーブルなどがある。また多心ケーブル内の同軸素線又は単心ケーブルの配列方法としては同軸素線または単心ケーブルを平面上に整列した平型多心ケーブルと相互に撚り合わせた層撚り多心ケーブルがある。このような単心または多心の同軸ケーブルは同種のケーブルを集合する場合と他の種類の通信線や電力線等を複合した複合ケーブルとする場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の同軸ケーブルにおいては、金属テープ或いは金属テープとポリエステル等の絶縁フィルムを積層した積層テープが外部導体(シールド)として一般的に使用されている。例えば、実開平2−47726号公報、2−47728号公報に示されるような金属テープの編組体が知られている。この外部導体が金属テープ編組の場合にはばらけない利点がある。反面、端末処理等のために外部導体を除去しようとするときに手間がかかるという欠点がある。
図4は編組金属テープを使用した従来の同軸ケーブルを示す側面図である。図4において、11は中心導体、12は絶縁体、13は金属テープを編組した外部導体、14は外被である。このような金属テープとしては、通常巾広の金属テープをスリットしたものが使用されるが、金属テープのスリットの際の切断面に、かえり、バリ等のシャープなエッジが残り、この部分が絶縁体を損傷させたり、またこの点に電圧が集中すること等により絶縁耐圧が低下する場合がある。特に絶縁厚が0.15mm以下といった薄い細径の同軸ケーブルの場合にはこの問題が深刻となる。
また、従来の同軸ケーブルを電子機器内の機器配線、特にノー卜型コンピュータのモニタ部と本体部の結合部分にあたる回動部や診療箇所を変えるたびにケーブルが動く医療用センサーケーブルの可動部に配置した場合に、同軸ケーブルが動く際に絶縁体と外部導体との摩擦による静電雑音が発生する問題があった。
また、通常のポリエチレン、ポリプロピレンなどをベースポリマーとして用いて高発泡、薄肉化しようとすると、側圧に対して弱くなりがちであり、外部導体層を設ける工程中に受ける側圧でも、誘電率、静電容量などの電気特性が変動しやすいという問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)をベースポリマーに含む樹脂組成物の発泡層を導体上に設けることが前記の課題の解決に有効であることを見出した。
また、電線を同軸構造とするにあたり、外部導体として銅または銅合金の丸線を圧延して扁平化させたリボン状導体を用い、且つこのリボン状導体を絶縁体上にらせん状に巻装して外部導体を構成することにより、可とう性を有し、機械的な運動を行った場合の雑音の発生が小さく、且つ機械的耐久性に富み外径の細い同軸素線が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明では、ベースポリマーにポリ(4−メチル−1−ペンテン)を含む樹脂組成物を使用することが特徴で、このポリ(4−メチル−1−ペンテン)は、単独でベースポリマーとして用いてもよいが、これにポリオレフィンをブレンドしたものをベースポリマーとして用いることにより更なる改良ができる。
【0008】
ブレンドするポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレンの単独重合体、あるいはエチレンとα−オレフィンの共重合体、あるいはアイオノマーが使用出来る。なかでも、アイオノマーが最も好ましい。
ここでいうα−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘキセン、オクテン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどがあげられるが、誘電率の低い非極性α−オレフィンとの共重合体が特に好ましい。
また、アイオノマーとは、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸などの共重合体をリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛などの金属イオンで中和したものを指す。アイオノマーをブレンドしたものは、導体と発泡絶縁層との間に隙間が空きにくく好ましく、亜鉛で中和したアイオノマーは吸水が少なく、誘電率の変動が少ないので特に好ましい。
【0009】
ポリ(4−メチル−1−ペンテン)とポリオレフィンとをブレンドしてベースポリマーとする場合には、重量比で、20/80〜80/20の範囲のブレンドが好ましい。ポリ(4−メチル−1−ペンテン)の重量比を20%以上にすることにより、耐側圧特性が良好になる。
一方、ポリオレフィンの重量比を20%以上にすることにより、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)を単独でベースポリマーとした場合と比べて、外観が良好の状態で、高速での押出しが出来るようになる。
【0010】
発泡層を形成させる方法としては、前述の樹脂組成物に化学発泡剤を添加したものを溶融押出機で導体に被覆し押出と同時に発泡させる化学発泡法、あるいは窒素、アルゴン等の不活性ガス、メタン、プロパンあるいはフロロカーボン等の気体を溶融押出機内で圧入した後は化学発泡法と同様に導体に被覆し押出と同時に発泡させるガス発泡法の何れでも良いが、吸湿性の残さを残さないガス発泡法がより好ましい。
ここで使用する化学発泡剤は、その分解温度以上に加熱されると、窒素、二酸化炭素、アンモニア等のガスを発生する有機化合物および無機化合物であって、各種金属の炭酸塩、ジニトロソペンタメチレンテロラミン、アゾジカルボンアミドおよびその金属塩、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等が例示されるが、これらに特に限定されるものでない。これらの発泡剤は単独で使用しても2種類以上組み合わせて使用してもどちらでも良い。
更に、尿素、尿素系化合物、亜鉛華、ステアリン酸亜鉛等の公知の発泡助剤を併用しても良い。発泡剤の使用量は、目的とする発泡倍率、使用する発泡剤の種類により選択すればよい。
これらの発泡層には、必要に応じて電子線架橋を施しても良い。
また前記の樹脂組成物中には、ポリオレフィン用に通常使用されている充填材、酸化防止剤、光安定剤等の添加剤を加えておいてもよい。
【0011】
本発明の別の特徴として、同軸構造とするにあたり、図1に示した如く、外部導体として、銅または銅合金の丸線を圧延して扁平化したリボン状導体を用いて、これを絶縁体の周囲にらせん状に巻装することが挙げられる。
本発明の外部導体は、リボン状導体で断面外周に鋭角的なエッジを有さないため、外部導体として巻装したときに絶縁体の損傷や電圧集中の問題が生じ難く、またこのような略矩形のリボン状導体は機械強度も高く、編組されていないため端末処理等において除去が容易で扱いやすい。
さらに、発明者等の検討により、電子機器内の配置部位の回動屈曲により同軸ケーブルに発生する雑音が、絶縁体と外部導体の摩擦により発生する静電雑音であることがわかった。本発明の外部導体はリボン状導体の略矩形の一つの長辺を絶縁体に向けた状態で螺旋状に巻装してなるため、リボン状導体と絶縁体との密着面が広く摩擦が大きいため、同軸ケーブルが曲げられた場合にもリボン状導体が絶縁体を擦って動く現象が生じにくく、静電雑音が防止される。
【0012】
更に、丸線を圧延して扁平化させた銅または銅合金を軟化せずにリボン状導体として使用することにより巻装するときの張力を強め、従来法のようにわざわざ編組しなくても巻き付けるだけでばらけない外部導体層とすることができるという利点がある。
リボン状導体の巻き角度は、45度以上あればフレキシビリティを持たせる点で望ましく、より好ましくは60度以上であるが、直角に近くなり過ぎると生産性が極端に低下し好ましくないので80度程度が限度である。
【0013】
リボン状導体を巻装する際の張力は絶縁体の特性を損なうことなく、巻かれたリボン状導体が常に絶縁体を締め付ける力を保ちつつ、同軸素線又は同軸ケーブルが曲げられたり捻回された際に破断しない張力であることが必要で、リボン状導体の破断張力の30%以上80%以下であることが好ましい。
本発明に於いては、発泡層に、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)をベースポリマーに含んだ樹脂組成物を使用するので、耐側圧特性に優れており、巻装するときの張力を強めても、電気特性を安定に保てるので、巻装するのみで、端末で外部導体がばらけることのない同軸素線を得ることができる。
【0014】
【実施例】
本発明を実施例を用いて詳細に説明する。
表1の上方に記載した配合をベースポリマーとし、各々に化学発泡剤としてアゾジカルボンアミドを4重量部添加した樹脂組成物を、180℃に設定した8インチのオープンロールミキサーで混練した後、ペレタイザーにてペレット化した。外径30μmのスズメッキ銅合金線の7本撚導体に、単軸溶融押出機(30mmφ、L/D=24)を用いて、押出温度210℃の条件で、前記により作成したそれぞれの配合のペレットを、絶縁厚さ150μmに押出被覆して発泡電線を作成した。そして、それぞれの発泡電線の発泡度、耐側圧性を判定するための変形率、外観が荒れはじめる押出線速を測定し、表1の下方に記載した。
なお、発泡度、変形率の定義は下記の通りである。
発泡度は比重法で測定したもので、次式で定義されるものである。
発泡度(%)=100×(ρ0−ρ)/ρ0
ρ0 :発泡前の樹脂密度
ρ :発泡体の密度
耐側圧性は次のようにして判定する。
まず製造した電線を9.5mmφの鉄製の棒に100gの荷重をかけて10分間放置する。荷重をかける前の絶縁層の厚みと、荷重をかけた後の絶縁層の厚みを測定して、次式で定義される変形率を計算する。
変形率(%)=100×(d0−d)/d0
d0 :荷重をかける前の絶縁層の厚み(mm)
d :荷重をかけた後の絶縁層の厚み(mm)
なお、電線の外径および各層の厚みは断面の光学顕微鏡撮影により測定する。そして、変形率20%未満を耐側圧性良好と判断し、変形率20%以上は耐側圧性不良と判断するものとする。
【0015】
【表1】
*1 ポリ(4−メチル−1−ペンテン)の商品名
*2 アイオノマーの商品名
【0016】
表1の実施例1により、ベースポリマーに、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)を単独で用いた場合には、150μmの発泡絶縁体で発泡度60%以上という高発泡が達成でき、変形率が小さく耐側圧性も良好であることが判る。
【0017】
表1の実施例2により、ベースポリマーに、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)/アイオノマー=80/20のブレンドを用いた場合には、150μmの発泡絶縁体で発泡度60%以上という高発泡が達成でき、しかも、実施例1の配合の場合より高速の押出しでも押出外観が良好であり、かつ、変形率も小さく耐側圧性も良好であると分かる。
【0018】
表1の実施例3により、ベースポリマーに、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)/アイオノマー=20/80のブレンドを用いた場合には、150μmの発泡絶縁体で発泡度60%以上という高発泡が達成でき、しかも、実施例2の配合の場合よりも、更に高速の押出しでも押出し外観が良好であり、かつ、変形率が小さく、耐側圧性も良好であると分かる。
【0019】
以上は、絶縁厚150μmのものについての結果だが、同様にして、ベースポリマーに、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)を含む樹脂組成物を使用すれば、絶縁厚50〜500μmのものについて、高発泡で、耐側圧性の良好な発泡電線が得られることを確認した。
また、実施例3の配合を用いた発泡層450μmの上に、未発泡のアイオノマー50μm設けたものを同時押出しにより作成した。
その結果、その発泡電線は、発泡度69%、変形率10%であり、未発泡層が無いものよりも発泡度が大きくなり、かつ、変形率が小さくなっていて大変好ましいことが確認出来た。
表1の比較例はベースポリマーにアイオノマーを単独で用いた場合であるが、変形率が大きく、耐側圧特性がよくないことが判る。
【0020】
(実施例4)
外部導体に使用するために、図5(A)に断面形状を示す外径0.05mmの銅合金をスズメッキした丸線を圧延して、同図(B)に断面形状を示す厚み0.012mm、幅0.18mmの長尺のリボン状導体を作製した。絶縁電線として実施例1の配合を用いた発泡電線を用いてその外周に、図2(A)に開き巻きとして示すように、前記テープ状導体を60gf/1本の張力で、ピッチ0.29mmとして間隔を空けて、同軸素線の軸に対して68度の角度をなすようにらせん状に巻装して同軸素線を作製した。
【0021】
この同軸素線について、その基本特性としての耐圧試験、回動部や屈曲部に使用した場合の絶縁特性としての屈曲試験と稔回試験、静電雑音試験を行った。この際、同軸ケーブルは同軸素線を種々の形態で組合せて製造する為、外被の影響を除いた状態で評価する為同軸素線の状態で評価を実施した。
【0022】
耐圧試験:300mの同軸素線を用いて、中心導体と外部導体の問に1000Vの直流電圧を1分間にわたって加え、絶嫁破壊の有無を調査した。この結果、絶縁層が破壊する耐圧不良は認められず、良好な同軸ケーブルとしての特性が確認できた。
【0023】
マンドレル屈曲試験:図6に試験方法を模式的に示す。同軸素線20の中央部を2本の外形5mmの金属棒22にはさんだ状態として、下端に50gfの荷重21を取り付けて、上端を左右それぞれ金属棒に90度巻き付け伸ばす作業を行った。左右各1回の屈曲を1回として30回/分の速度で1000回の屈曲を行った。この後、上記と同様の耐圧試願を実施したが耐圧不良は認めれず、繰り返し曲げに対する優れた耐性が確認できた。
【0024】
捻回試験:図7に試験方法を模式的に示す。長さ20cmの同軸素線20の上端を上端固定点24に固定し、下端に50gfの荷重23を取り付けて垂直に懸架し、この荷重23を同軸ケーブルの中心軸を軸として時計周り、半時計周り交互にそれぞれ180度旋回させる作業を行った。時計周り、半時計周り各1回の捻回を1回として、30回/分の速度で1000回の稔回を行った後、上記と同様の耐圧試験を実施したが耐圧不良は認められず、捻回に対する優れた耐性が確認できた。
【0025】
静電雑音特性:さらに、急速な変形を加えられた場合の静電雑音の大きさを評価するため、長さ50cmの同軸素線を水平に張り、中央に長さ20cmの綿糸を結びつけ、綿糸の他端に20gfの荷重を付けた。この同軸素線の中心導体と外部導体の間の電圧を電圧計により測定しながら、前記重りを同軸素線の高さから自由落下させ、電圧変動の極大値として静電雑音特性を測定した。同様の測定を10回行った結果、この同軸素線について発生した電圧変動の極大値は最大2.5mVであった。一方同軸素線の外部導体を従来の第4図に示す編組に変更して、同様の評価を行った場合極大値が100mVにお達する電圧変動が見られた。この結果から、本発明の利用により静電雑音の大幅な改善効果が確認できた。
【0026】
次に、図3に示すように、この同軸素線10心を並列に並べ接着剤付きポリエステルテープを外被6としてこれらを覆い、平型多心ケーブルにした。また、この同軸素線に外被を施して単心同軸ケーブルとし、その単心同軸ケーブル30心を撚り合わせ、その外側に共通の外被を施すことにより、多心ケーブルとして可とう性、機械的耐久性を維持しつつ細径の多心ケーブルを得た。このようにして得られた多心ケーブルについても絶縁特性をはじめとする特性が良好であることを確認した。
【0027】
(実施例5)
実施例4において、リボン状導体を55gf/1本の張力でピッチ0.18mm、75度の角度でらせん状に図2(B)に示すように突き合わせ巻きで巻装して同軸素線を作製した。この同軸素線の耐圧特性、屈曲特性、捻回特性、静電雑音特性も良好であった。この同軸素線を使用して実施例4と同様に単心同軸ケーブル、平型多心ケーブル及び多心ケーブルを作製した。このようにして得られた同軸ケーブル及び多心ケーブルについても絶縁特性をはじめとする特性が良好であることを確認した。
【0028】
(実施例6)
実施例4において、図2(C)に示すように、リボン状導体を65gf/1本の張力でピッチ0.29mm、68度の角度でらせん状に(同一方向に2枚巻きで各開き巻き)巻装して同軸素線を作製した。また、図2(D)に示されるように、ピッチ0.29mm、68度の角度で2枚目のリボン状導体34をリボン導体33と逆方向に巻いた同軸素線も作製した。これらの同軸素線は、耐圧特性、屈曲特性、捻回特性、静電雑音特性も良好であって、図2(D)の外部導体層のシールド特性は特に優れていた。更に、これらの同軸素線についても実施例4と同様に単心同軸ケーブル、平型多心ケーブル及び多心ケーブルを作製した。このようにして得られた同軸ケーブル、多心ケーブルについても絶縁特性をはじめとする特性が良好であることを確認した。
【0029】
以上は実施例1の配合の発泡電線を用いて同軸構造にする例について述べたが、実施例2、実施例3の配合の発泡電線についても、同様にして良好な同軸素線、同軸ケーブルが得られることを確認した。
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように、ベースポリマーにポリ(4−メチル−1−ペンテン)を含む樹脂組成物を使用すれば、絶縁層の肉厚の比較的広い範囲に対して高発泡度で、かつ側圧に対する潰れの小さい電線が製造できる。
また、それらの絶縁電線に、外部導体として断面の四隅が滑らかな略矩形のリボン状導体を用い、且つこのリボン状導体を絶縁体の周囲にらせん状に巻装して外部導体とし、同軸素線を形成し、これを用いることで可とう性を有し且つ機械的耐久性に富む細径の同軸ケーブルで、端末加工性にも優れたものが得られる。この同軸素線又は同軸ケーブルを複数本の集合して外被を施し、多心ケーブルとして使用することもできる。
また、このようにして得られる同軸ケーブルあるいは多心ケーブルを電子機器の回動部、屈曲部に配置することで長期間にわたり絶縁特性に優れ、静電雑音の少ない電子機器が得られ、高品質で高速の機器内信号伝送が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同軸ケーブルの例
【図2】同軸素線の例
【図3】平型多心ケーブルの例
【図4】従来の同軸ケーブルの側面図
【図5】(A)丸線の断面図
(B)リボン導体の断面図
【図6】マンドレル屈曲試験の状況を示す。
【図7】捻回試験の状況を示す。
【符号の説明】
1 中心導体
2 絶縁体
3 外部導体
4 外被
5 同軸素線
6 外被
11 中心導体
12 絶縁体
13 編組
14 外被
20 中心導体
21 荷重
22 金属棒
23 荷重
24 電線の固定点
31 外部導体
32 外部導体(31と同方向巻き)
33 外部導体
34 外部導体(33と逆方向巻き)
Claims (3)
- ポリ(4−メチル−1−ペンテン)とアイオノマーとを重量比で20/80〜80/20の範囲でブレンドしてベースポリマーとした樹脂組成物により形成した発泡層を備えたことを特徴とする絶縁電線。
- ベースポリマーにポリ(4−メチル−1−ペンテン)を含む樹脂組成物により形成した発泡層を備えた絶縁電線に、外部導体として銅または銅合金の丸線を圧延して扁平化したリボン状導体を用い、前記リボン状導体を前記絶縁電線の周囲に、らせん状に巻装したことを特徴とする同軸素線。
- ベースポリマーにポリ(4−メチル−1−ペンテン)を含む樹脂組成物により形成した発泡層を備えた絶縁電線に、外部導体として断面の四隅が滑らかな形状のほぼ矩形の1または複数のリボン状導体を一つの長辺を絶縁体に向けてらせん状に巻装してなり、前記リボン状導体の同軸素線に対する巻き角度を45度以上としたことを特徴とする同軸素線。
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