JP2000311334A - 磁気記録媒体の特性評価方法及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体の特性評価方法及び磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2000311334A
JP2000311334A JP11119588A JP11958899A JP2000311334A JP 2000311334 A JP2000311334 A JP 2000311334A JP 11119588 A JP11119588 A JP 11119588A JP 11958899 A JP11958899 A JP 11958899A JP 2000311334 A JP2000311334 A JP 2000311334A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
magnetic
protective film
light
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11119588A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Kawai
登 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP11119588A priority Critical patent/JP2000311334A/ja
Publication of JP2000311334A publication Critical patent/JP2000311334A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体の磁気特性と摺動耐久性とを同
時に評価する。 【解決手段】 非磁性基板(PETベースフィルム)1
上に金属磁性膜(Co−0磁性膜)2を膜付けした上に
カーボン保護膜(DLC保護膜)3を膜付けし、更に、
前記カーボン保護膜3上に潤滑膜(液体潤滑膜)4をご
く薄く膜付けした磁気記録媒体の特性を評価する際、前
記潤滑膜4上に照射した波長200〜550nmの光が
前記潤滑膜4を透過した後、前記カーボン保護膜3及び
このカーボン保護膜3を一部透過して前記金属磁性膜2
でそれぞれで反射されて前記潤滑膜4から出射した時の
光の反射率が前記波長200〜550nmの間で極小値
となる光の波長が230〜400nmであることを確認
することで、磁気特性と摺動耐久性とが適正であると判
定することを特徴とする磁気記録媒体の特性評価方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性基板上に金
属磁性膜を膜付けした上にカーボン保護膜を膜付けし、
更に、カーボン保護膜上に潤滑膜をごく薄く膜付けした
した磁気記録媒体、又は、非磁性基板上に金属磁性膜を
膜付けした上にカーボン保護膜を膜付けした磁気記録媒
体の磁気特性と摺動耐久性とを同時に且つ簡便に評価で
きる磁気記録媒体の特性評価方法及び磁気記録媒体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、AV(オーディオ・ビデオ)機器
などに用いられる磁気記録媒体(以下、磁気テープと称
す)は、ディジタル化,高密度記録化,長時間化,薄膜
化が要求されており、これらの要求に答えることの可能
なものとしてテープ状の非磁性基板の上に金属磁性膜を
強磁性金属薄膜で形成した強磁性金属薄膜型の磁気テー
プが既に使用されている。例えば、VTR(ビデオ・テ
ープ・レコーダ)に用いられるHi−8用の磁気テープ
ではCo−Ni−O(コバルトとニッケルの酸化物)金
属蒸着薄膜が、DVフォーマット用の磁気テープではC
o−O(コバルト酸化物)金属蒸着薄膜が磁性膜として
膜付けされている。
【0003】そして、記録密度の高密度化に伴い、磁気
ヘッドと磁気テープとの相対速度が大きくなる傾向にあ
り、相対速度が大きくなると、磁気ヘッドへの摺動速度
が当然大きくなるので、磁気テープの耐摩耗性が問題と
なってくる。この解決策として、金属磁性膜の上に保護
膜を膜付けした磁気テープが実用化されており、とくに
カーボン保護膜が適用されている。
【0004】Hi−8用の蒸着磁気テープでは、磁気ヘ
ッドと磁気テープとの摺動速度が大きくないため、カー
ボン保護膜は必要ではなかったが、DVフォーマット用
の蒸着磁気テープではダイアモンド性を付与したダイア
モンド・ライク・カーボン保護膜(Diamond Like Car
bon :以下、DLC保護膜と称す)を保護膜として使用
している。このDLC保護膜は耐久性が優れており、一
般的に、真空中で炭化水素ガスあるいは炭化水素ガスと
不活性ガスの混合ガスのプラズマを発生させて形成する
CVD法で成膜されている。
【0005】また、カーボン保護膜の膜厚は、薄すぎる
と摺動耐久性が低くなり、厚すぎると金属磁性膜と磁気
ヘッドとの距離が大きくなるため、スペーシング損失が
大きくなり、再生出力が低下する。そのため、カーボン
保護膜の膜厚は、摺動耐久性を高くとれる範囲内で、再
生出力を高くするため、できるだけ薄くする必要があ
り、厳密に管理されなければならない。このカーボン保
護膜の膜厚を管理するためのカーボン保護膜の膜厚測定
には、カーボン保護膜面の反射率からカーボン保護膜厚
を測定する方法が特開平6−195705号公報に開示
されている。
【0006】一方、磁気特性も記録密度の高密度化のた
めには、磁気特性に大きく影響する金属磁性層の酸化度
を厳密に管理し、一定範囲内の磁気特性を得る必要があ
る。この磁気特性の測定方法としては、磁気記録媒体を
磁場中に置き、磁気の引力、反力から磁気特性を測定す
るVSM方法や、磁性層の反射率から磁気特性のひとつ
である保持力Hcを判定する方法が行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気記録媒
体のカーボン保護膜の膜厚は、前述のように摺動耐久性
を高くとれる範囲内で、再生出力を高くするため、でき
るだけ薄くする必要がある。従って、カーボン保護膜の
膜厚は、厳密に管理されなければならない。
【0008】一方、前述したように、磁気特性も記録密
度の高密度化のためには、磁気特性に大きく影響する金
属磁性層の酸化度を厳密に管理し、一定範囲内の磁気特
性を得る必要がある。
【0009】従来、カーボン保護膜厚の測定と磁気特性
の測定は、それぞれ単独の測定を行っていたが、その方
法では手間がかかり、コストアップとなる。また、それ
ぞれの測定ための測定器も用意しなければならず、これ
もコストアップとなる。
【0010】そこで、磁気記録媒体の磁気特性と摺動耐
久性とを同時に且つ簡便に評価できる磁気記録媒体の特
性評価方法及び磁気記録媒体が望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、非磁性基板上に
金属磁性膜を膜付けした上にカーボン保護膜を膜付け
し、更に、前記カーボン保護膜上に潤滑膜をごく薄く膜
付けした磁気記録媒体の特性を評価する際、前記潤滑膜
上に照射した波長200〜550nmの光が前記潤滑膜
を透過した後、前記カーボン保護膜及びこのカーボン保
護膜を一部透過して前記金属磁性膜でそれぞれ反射され
て前記潤滑膜から出射した時の光の反射率が前記波長2
00〜550nmの間で極小値となる光の波長が230
〜400nmであることを確認することで、磁気特性と
摺動耐久性とが適正であると判定することを特徴とする
磁気記録媒体の特性評価方法である。
【0012】また、第2の発明は、非磁性基板上に金属
磁性膜を膜付けした上にカーボン保護膜を膜付けした磁
気記録媒体の特性を評価する際、前記カーボン保護膜上
に照射した波長200〜550nmの光が前記カーボン
保護膜及びこのカーボン保護膜を一部透過して前記金属
磁性膜でそれぞれ反射された時の光の反射率が前記波長
200〜550nmの間で極小値となる光の波長が23
0〜400nmであることを確認することで、磁気特性
と摺動耐久性とが適正であると判定することを特徴とす
る磁気記録媒体の特性評価方法である。
【0013】また、第3の発明は、非磁性基板上に金属
磁性膜を膜付けした上にカーボン保護膜を膜付けし、更
に、前記カーボン保護膜上に潤滑膜をごく薄く膜付けし
た磁気記録媒体において、前記潤滑膜上に照射した波長
200〜550nmの光が前記潤滑膜を透過した後、前
記カーボン保護膜及びこのカーボン保護膜を一部透過し
て前記金属磁性膜でそれぞれ反射されて前記潤滑膜から
出射した時の光の反射率が前記波長200〜550nm
の間で極小値となる光の波長が230〜400nmであ
ることを特徴とする磁気記録媒体である。
【0014】また、第4の発明は、非磁性基板上に金属
磁性膜を膜付けした上にカーボン保護膜を膜付けした磁
気記録媒体において、前記カーボン保護膜上に照射した
波長200〜550nmの光が前記カーボン保護膜及び
このカーボン保護膜を一部透過して前記金属磁性膜でそ
れぞれ反射された時の光の反射率が前記波長200〜5
50nmの間で極小値となる光の波長が230〜400
nmであることを徴とする磁気記録媒体である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る磁気記録媒体
の特性評価方法及び磁気記録媒体の一実施例を図1〜図
4を参照して詳細に説明する。
【0016】図1は本発明に係る磁気記録媒体の構成を
説明するための断面図、図2は本発明に係る磁気記録媒
体の特性評価方法を説明するための模式図、図3は本発
明に係る磁気記録媒体の特性評価方法による測定結果を
示した図である。
【0017】まず、図1に示した如く、本発明に係る磁
気記録媒体の構成を説明すると、テープ状の非磁性基板
として6.3μm厚さのポリエチレンテレフタレート
(以下PETと称する)ベースフィルム1の一方の面上
に金属磁性膜となるCo−O磁性膜2が略200nm蒸
着されており、このCo−O磁性膜2上にDLC保護膜
(ダイアモンド・ライク・カーボン保護膜)3が略10
μm膜付けされている。
【0018】また、DLC保護膜3上には、潤滑層とな
る液体状の潤滑膜(以下、液体潤滑膜と記す)4がごく
薄く1〜3nmほど塗布により膜付けされており、この
液体潤滑膜4側を情報信号を記録再生する磁気ヘッド
(図示せず)への摺接面としている。尚、液体潤滑膜4
に代えて固体状の潤滑膜をごく薄く1〜3nmほど膜付
けしても良い。
【0019】更に、PETベースフィルム1の他方の面
には、バックコート層5が略0.5μm形成されてお
り、このバックコート層5側をVTR走行系の機構部品
となるテープガイド(図示せず)などへの摺接面として
いる。
【0020】次に、本発明に係る磁気記録媒体の特性評
価方法について、図2及び図3を用いて説明する。
【0021】図2に示した如く、PETベースフィルム
1の一方の面上にCo−O磁性膜(金属磁性膜)2を膜
付けし、更に、DLC保護膜3上に液体潤滑膜4をごく
薄く膜付けした状態で、分光光度計6{(株)島津製作
所製UV−3101PC}を用いて波長200〜550
nmの光を液体潤滑膜4上に照射(入射)して、この波
長200〜550nmの光を液体潤滑膜4を透過させた
後、DLC保護膜3及びこのカーボン保護膜を一部透過
してCo−O磁性膜2でそれぞれ反射させて液体潤滑膜
4から再び出射した時の光の反射率を測定した。
【0022】ここで、液体潤滑膜4は、DLC保護膜3
上にごく薄く1〜3nmほど塗布により膜付けされてい
るので略透明であり、液体潤滑膜4上に照射した分光光
度計6からの波長200〜550nmの光は液体潤滑膜
4を透過する。そして、液体潤滑膜4を透過した波長2
00〜550nmの光はDLC保護膜3で反射され、且
つ、DLC保護膜3は光透過性があるので、DLC保護
膜3に到達した波長200〜550nmの光の一部がC
o−O磁性膜2でも反射されて、再び液体潤滑膜4を透
過して出射され、分光光度計6で受光されているもので
ある。従って、波長200〜550nmの光の反射率の
測定に関して、液体潤滑膜4の影響は全くなく、波長2
00〜550nmの光をDLC保護膜3上に直接照射し
た場合と等価である。
【0023】この際、Co−O磁性膜2は、連続巻き取
り式蒸着装置により成膜し、導入する酸素量を変化させ
ることにより、Co−O磁性膜2の磁気特性を種々異な
らせたサンプルを作製した。
【0024】また、Co−O磁性膜2が蒸着成膜された
フィルム上に、DLC保護膜3は連続巻き取り式プラズ
マCVD(Chemical Vapor Depos
ition)装置により成膜した。その際、フィルム送
り速度を変化させることにより、DLC保護膜3の膜厚
を種々異ならせたサンプルを作製した。
【0025】そして、Co−O磁性膜2の磁気特性を変
化させ、且つ、DLC保護膜3の膜厚を変化させて両者
を組みあせた種々のサンプルを、それぞれ6.35×1
5mmの大きさに切り出し、バックコート層5側がガラ
ス面と接するように無色透明スライドガラスに貼り付
け、積分球および大型試料室付き分光光度計{(株)島
津製作所製UV−3101PC}にセット後、200〜
550nmの波長の光をスイープさせながら液体潤滑膜
4上に照射して反射率を測定した。この際、各サンプル
のスライドガラスへの貼り付けは、水を少量サンプルテ
ープとスライドガラスの間に入れ、その水を綿棒により
薄く均一にのばし、サンプルテープにシワが入らないよ
うにして貼り付けた。
【0026】また、これらのサンプルテープについて、
磁気特性である保持力Hcを振動試料型磁力計{東英工
業(株)社製VSM3S型}により測定した。
【0027】また、DLC保護膜3の膜厚については、
従来技術で述べた特開平6−195705号公報に記載
の技術的思想に基づいて、例えば550nmの波長の光
をDLC保護膜3に照射した時の反射率から予め測定し
た。この場合には、下地条件を同一して基準となる複数
のDLC保護膜3に対して、他の方法によりDLC保護
膜3の膜厚を予め測定し、ここで得られた既知の複数の
値に対して550nmの波長の光によるDLC保護膜3
からの反射率を測定しておくことで、未知の膜厚を測定
できるものである。
【0028】また、電磁変換特性は、ドラムテスターに
より測定し、20.925MHzの出力とC/N(キャ
リアとノイズの比)を測定した。
【0029】そして、あらかじめ記録したDVフォーマ
ットの信号の同じ部分を連続再生し、60分後の再生出
力を測定するスチル試験を行った。スチル試験の試験環
境は、温度5度、湿度50%である。
【0030】この際、DVフォーマットでは、電磁変換
特性である出力が標準テープ比:−1dB以上、C/N
が標準テープ比:−2dB以上となっており、良否の判
定基準となる。また、スチル試験では、再生初期出力に
対する60分後の出力の値が−3dB以上が判定基準と
なる。
【0031】また、予備実験の段階では、Co−O磁性
膜2の組成が同じならば、Co−O磁性膜2の膜厚が厚
くなるに従ってCo−O磁性膜2の保持力Hcが大きく
なり、且つ、Co−O磁性膜2の保持力Hcが大きくな
るほど液体潤滑膜4上に照射した波長200〜550n
mの光が液体潤滑膜4を透過してDLC保護膜3及びこ
のカーボン保護膜3を一部透過してCo−O磁性膜2で
それぞれ反射された時の反射率は小さくなることが判明
した。また、DLC保護膜3の組成が同じならば、DL
C保護膜3の膜厚が大きくなるほど液体潤滑膜4上に照
射した波長200〜550nmの光が液体潤滑膜4を透
過してDLC保護膜3及びこのカーボン保護膜3を一部
透過してCo−O磁性膜2でそれぞれ反射された時の反
射率は小さくなることが判明した。
【0032】上記したサンプルの各特性の測定結果は、
図3に示した如く、実施例1,2,3では、DLC保護
膜3の膜厚を10[nm]と全て同じ値にして、Co−
O磁性膜2の保持力Hcを1590,1490,132
0[Oe]とそれぞれ振った時に、液体潤滑膜4上に照
射した波長200〜550nmの光が液体潤滑膜4を透
過した後、DLC保護膜3及びこのカーボン保護膜3を
一部透過してCo−O磁性膜2でそれぞれ反射されて液
体潤滑膜4から出射した時の光の反射率が波長200〜
550nmの間で極小値となる光の波長が230〜40
0nmに入っているため、電磁変換特性である出力、C
/Nおよび摺動耐久性を表すスチル耐久性が良好となっ
ている。これにより、Co−O磁性膜2の保持力Hcと
DLC保護膜3の膜厚とが共に適正であると同時に判定
できる。
【0033】これに対し、比較例1ではDLC保護膜3
の膜厚を実施例1,2,3と同じ値に設定しているもの
の、Co−O磁性膜2の保持力Hcが実施例1,2,3
よりも大きすぎるため、極小値波長が400nmより大
きくなり、電磁変換特性である出力が小さく、DVフォ
ーマットを満たさない。
【0034】また、比較例2は、比較例1よりも出力を
上げ、極小値波長を小さくするためにDLC保護膜3の
膜厚を小さくしたが、電磁変換特性はDVフォーマット
を満たしたものの、DLC保護膜3の膜厚が小さいため
スチル試験結果が悪くなった。 また、比較例3は実施
例1,2,3よりも保持力Hcを小さくした結果、極小
値波長が230nmより小さくなったが、保持力Hcが
小さすぎるため、C/Nが悪く、DVフォーマットを満
たさない。
【0035】また比較例4は比較例3よりも極小値波長
を大きくするため、DLC保護膜3の膜厚を大きくした
が、更にC/Nが悪くなった。
【0036】以上のように、液体潤滑膜4上に照射した
波長200〜550nmの光が液体潤滑膜4を透過した
後、DLC保護膜3及びこのカーボン保護膜3を一部透
過してCo−O磁性膜2でそれぞれ反射されて液体潤滑
膜4から出射した時の光の反射率が波長200〜550
nmの光の間で極小値となる光の波長は、Co−O磁性
膜2の磁気特性とDLC保護膜3の膜厚情報を合わせ持
ったものとなっており、極小値波長が230〜400n
mの範囲内にあると、Co−O磁性膜2の磁気特性が適
正で、且つ、DLC保護膜3の膜厚が適正で摺動耐久性
が良好となる。よって、極小値波長から、適正な磁気特
性、電磁変換特性、摺動耐久性の判断が同時に得られ、
簡便な磁気記録媒体の特性評価方法となる。また、この
磁気記録媒体の特性評価方法では、波長200〜550
nmの光を液体潤滑膜4上に照射しているので、磁気記
録媒体の製造が完了した状態で測定できる。
【0037】また、この磁気記録媒体の特性評価方法に
よって、適正な磁気特性、電磁変換特性、摺動耐久性を
持った磁気記録媒体が得られる。
【0038】次に、本発明に係る磁気記録媒体の特性評
価方法の変形例及び磁気記録媒体の変形例について、図
4を用いて簡略に説明する。
【0039】図4は本発明に係る磁気記録媒体の特性評
価方法の変形例及び磁気記録媒体の変形例を説明するた
めの断面図である。
【0040】図4に示した如く、この変形例では、PE
Tベースフィルム1の一方の面上にCo−O磁性膜2を
膜付けし、このCo−O磁性膜2上にDLC保護膜3を
膜付けした状態で、分光光度計6を用いて波長200〜
550nmの光をDLC保護膜3上に直接照射して、D
LC保護膜3及びこのカーボン保護膜3を一部透過して
Co−O磁性膜2でそれぞれ反射された時の光の反射率
を測定した。
【0041】前述した実施例の場合には、DLC保護膜
3上に液体潤滑膜4をごく薄く膜付けした状態で波長2
00〜550nmの光を液体潤滑膜4上に照射しても、
液体潤滑膜4の影響は全くなく、波長200〜550n
mの光をDLC保護膜3上に直接照射した場合と等価で
あることを説明したが、ここでは磁気記録媒体の製造途
中段階で早く良否を判定したい場合に、DLC保護膜3
上に液体潤滑膜4を膜付けする前に反射率を測定してい
る。
【0042】従って、この変形例の場合でも、前述した
実施例の場合と同じ結果が得られるものであり、DLC
保護膜3上に照射した波長200〜550nmの光がD
LC保護膜3及びこのカーボン保護膜3を一部透過して
Co−O磁性膜2でそれぞれ反射された時の光の反射率
が前記波長200〜550nmの間で極小値となる光の
波長が230〜400nmであることを確認すること
で、磁気特性と摺動耐久性とが適正であると判定するこ
とができ、磁気記録媒体も良好な磁気特性と摺動耐久性
が得られる。
【0043】尚、上記した実施例及び変形例では、磁気
記録媒体の非磁性基板をテープ状に形成した磁気テープ
の場合について説明したが、これに限ることなく、磁気
記録媒体の非磁性基板を円盤状に形成した磁気ディスク
にも上記した技術的思想を適用できる。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る磁気記録媒体の特性評価方
法によれば、請求項1記載では、非磁性基板上に金属磁
性膜を膜付けした上にカーボン保護膜を膜付けし、更
に、前記カーボン保護膜上に潤滑膜をごく薄く膜付けし
た磁気記録媒体の特性を評価する際、前記潤滑膜上に照
射した波長200〜550nmの光が前記潤滑膜を透過
した後、前記カーボン保護膜及びこのカーボン保護膜を
一部透過して前記金属磁性膜でそれぞれ反射されて前記
潤滑膜から出射した時の光の反射率が前記波長200〜
550nmの間で極小値となる光の波長が230〜40
0nmであることを確認することで、磁気特性と摺動耐
久性とが適正であると判定しているので、記録媒体の磁
気特性と摺動耐久性とを同時に且つ簡便に評価できる。
また、この磁気記録媒体の特性評価方法では、波長20
0〜550nmの光を液体潤滑膜上に照射しているの
で、磁気記録媒体の製造が完了した状態で測定できる。
【0045】また、請求項2記載では、非磁性基板上に
金属磁性膜を膜付けした上にカーボン保護膜を膜付けし
た磁気記録媒体の特性を評価する際、前記カーボン保護
膜上に照射した波長200〜550nmの光が前記カー
ボン保護膜及びこのカーボン保護膜を一部透過して前記
金属磁性膜でそれぞれ反射された時の光の反射率が前記
波長200〜550nmの間で極小値となる光の波長が
230〜400nmであることを確認することで、磁気
特性と摺動耐久性とが適正であると判定しているので、
上記と同様に、磁気記録媒体の磁気特性と摺動耐久性と
を同時に且つ簡便に評価できる。また、この磁気記録媒
体の特性評価方法では、波長200〜550nmの光を
カーボン保護膜上に直接照射しているので、磁気記録媒
体の製造途中段階で、早く良否を判定したい場合に適用
できる。
【0046】また、本発明に係る磁気記録媒体によれ
ば、請求項3記載では、非磁性基板上に金属磁性膜を膜
付けした上にカーボン保護膜を膜付けし、更に、前記カ
ーボン保護膜上に潤滑膜をごく薄く膜付けした磁気記録
媒体において、前記潤滑膜上に照射した波長200〜5
50nmの光が前記潤滑膜を透過した後、前記カーボン
保護膜及びこのカーボン保護膜を一部透過して前記金属
磁性膜でそれぞれ反射されて前記潤滑膜から出射した時
の光の反射率が前記波長200〜550nmの間で極小
値となる光の波長が230〜400nmであるので、良
好な磁気特性と摺動耐久性が得られる。
【0047】また、請求項4記載では、非磁性基板上に
金属磁性膜を膜付けした上にカーボン保護膜を膜付けし
た磁気記録媒体において、前記カーボン保護膜上に照射
した波長200〜550nmの光が前記カーボン保護膜
及びこのカーボン保護膜を一部透過して前記金属磁性膜
でそれぞれ反射された時の光の反射率が前記波長200
〜550nmの間で極小値となる光の波長が230〜4
00nmであるので、上記と同様に、良好な磁気特性と
摺動耐久性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の構成を説明するた
めの断面図である。
【図2】本発明に係る磁気記録媒体の特性評価方法を説
明するための模式図である。
【図3】本発明に係る磁気記録媒体の特性評価方法によ
る測定結果を示した図である。
【図4】本発明に係る磁気記録媒体の特性評価方法の変
形例及び磁気記録媒体の変形例を説明するための断面図
である。
【符号の説明】
1…非磁性基板(PETベースフィルム)、 2…金属磁性膜(Co−O磁性膜)、 3…カーボン保護膜(DLC保護膜)、 4…潤滑膜(液体潤滑膜)、 6…分光光度計。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板上に金属磁性膜を膜付けした上
    にカーボン保護膜を膜付けし、更に、前記カーボン保護
    膜上に潤滑膜をごく薄く膜付けした磁気記録媒体の特性
    を評価する際、前記潤滑膜上に照射した波長200〜5
    50nmの光が前記潤滑膜を透過した後、前記カーボン
    保護膜及びこのカーボン保護膜を一部透過して前記金属
    磁性膜でそれぞれ反射されて前記潤滑膜から出射した時
    の光の反射率が前記波長200〜550nmの間で極小
    値となる光の波長が230〜400nmであることを確
    認することで、磁気特性と摺動耐久性とが適正であると
    判定することを特徴とする磁気記録媒体の特性評価方
    法。
  2. 【請求項2】非磁性基板上に金属磁性膜を膜付けした上
    にカーボン保護膜を膜付けした磁気記録媒体の特性を評
    価する際、前記カーボン保護膜上に照射した波長200
    〜550nmの光が前記カーボン保護膜及びこのカーボ
    ン保護膜を一部透過して前記金属磁性膜でそれぞれ反射
    された時の光の反射率が前記波長200〜550nmの
    間で極小値となる光の波長が230〜400nmである
    ことを確認することで、磁気特性と摺動耐久性とが適正
    であると判定することを特徴とする磁気記録媒体の特性
    評価方法。
  3. 【請求項3】非磁性基板上に金属磁性膜を膜付けした上
    にカーボン保護膜を膜付けし、更に、前記カーボン保護
    膜上に潤滑膜をごく薄く膜付けした磁気記録媒体におい
    て、前記潤滑膜上に照射した波長200〜550nmの
    光が前記潤滑膜を透過した後、前記カーボン保護膜及び
    このカーボン保護膜を一部透過して前記金属磁性膜でそ
    れぞれ反射されて前記潤滑膜から出射した時の光の反射
    率が前記波長200〜550nmの間で極小値となる光
    の波長が230〜400nmであることを特徴とする磁
    気記録媒体。
  4. 【請求項4】非磁性基板上に金属磁性膜を膜付けした上
    にカーボン保護膜を膜付けした磁気記録媒体において、
    前記カーボン保護膜上に照射した波長200〜550n
    mの光が前記カーボン保護膜及びこのカーボン保護膜を
    一部透過して前記金属磁性膜でそれぞれ反射された時の
    光の反射率が前記波長200〜550nmの間で極小値
    となる光の波長が230〜400nmであることを徴と
    する磁気記録媒体。
JP11119588A 1999-04-27 1999-04-27 磁気記録媒体の特性評価方法及び磁気記録媒体 Pending JP2000311334A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11119588A JP2000311334A (ja) 1999-04-27 1999-04-27 磁気記録媒体の特性評価方法及び磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11119588A JP2000311334A (ja) 1999-04-27 1999-04-27 磁気記録媒体の特性評価方法及び磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000311334A true JP2000311334A (ja) 2000-11-07

Family

ID=14765098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11119588A Pending JP2000311334A (ja) 1999-04-27 1999-04-27 磁気記録媒体の特性評価方法及び磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000311334A (ja)

Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53125865A (en) * 1977-04-11 1978-11-02 Fujitsu Ltd Inspection of alumite substrate
JPS58154602A (ja) * 1982-03-10 1983-09-14 Nippon Kokan Kk <Nkk> テイン・フリ−・スチ−ルの表面被膜厚測定方法及び装置
JPH0317505A (ja) * 1989-05-04 1991-01-25 Therma Wave Inc 薄膜の厚さを測定する方法および装置
JPH04172208A (ja) * 1990-11-05 1992-06-19 Olympus Optical Co Ltd 光学式膜厚測定装置
JPH05272923A (ja) * 1992-03-24 1993-10-22 Hitachi Ltd 酸化物超電導膜の膜厚測定方法および装置
JPH06147838A (ja) * 1992-11-10 1994-05-27 Nikon Corp 膜厚測定方法
JPH06195705A (ja) * 1992-10-27 1994-07-15 Sony Corp 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
JPH07260437A (ja) * 1993-12-22 1995-10-13 Hughes Aircraft Co 多層の薄膜積層における膜厚の測定方法およびその装置
JPH08129740A (ja) * 1994-10-28 1996-05-21 Sony Corp 磁気記録媒体、その製造方法及び製造装置
JPH095038A (ja) * 1995-06-15 1997-01-10 Nkk Corp クロメート処理鋼板のクロメート被膜厚測定方法及び装置
JPH0925576A (ja) * 1995-07-06 1997-01-28 Kao Corp 成膜方法および成膜装置
JPH09243332A (ja) * 1996-03-07 1997-09-19 Hitachi Ltd 膜厚測定装置
JPH101770A (ja) * 1996-06-13 1998-01-06 Kao Corp 薄膜製造方法
JPH10106834A (ja) * 1996-09-27 1998-04-24 Kao Corp 磁気記録媒体
JPH10307009A (ja) * 1997-05-06 1998-11-17 Sony Corp 多層薄膜の光学的膜厚測定装置
JPH11154318A (ja) * 1997-11-21 1999-06-08 Kao Corp 磁気記録媒体

Patent Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53125865A (en) * 1977-04-11 1978-11-02 Fujitsu Ltd Inspection of alumite substrate
JPS58154602A (ja) * 1982-03-10 1983-09-14 Nippon Kokan Kk <Nkk> テイン・フリ−・スチ−ルの表面被膜厚測定方法及び装置
JPH0317505A (ja) * 1989-05-04 1991-01-25 Therma Wave Inc 薄膜の厚さを測定する方法および装置
JPH04172208A (ja) * 1990-11-05 1992-06-19 Olympus Optical Co Ltd 光学式膜厚測定装置
JPH05272923A (ja) * 1992-03-24 1993-10-22 Hitachi Ltd 酸化物超電導膜の膜厚測定方法および装置
JPH06195705A (ja) * 1992-10-27 1994-07-15 Sony Corp 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
JPH06147838A (ja) * 1992-11-10 1994-05-27 Nikon Corp 膜厚測定方法
JPH07260437A (ja) * 1993-12-22 1995-10-13 Hughes Aircraft Co 多層の薄膜積層における膜厚の測定方法およびその装置
JPH08129740A (ja) * 1994-10-28 1996-05-21 Sony Corp 磁気記録媒体、その製造方法及び製造装置
JPH095038A (ja) * 1995-06-15 1997-01-10 Nkk Corp クロメート処理鋼板のクロメート被膜厚測定方法及び装置
JPH0925576A (ja) * 1995-07-06 1997-01-28 Kao Corp 成膜方法および成膜装置
JPH09243332A (ja) * 1996-03-07 1997-09-19 Hitachi Ltd 膜厚測定装置
JPH101770A (ja) * 1996-06-13 1998-01-06 Kao Corp 薄膜製造方法
JPH10106834A (ja) * 1996-09-27 1998-04-24 Kao Corp 磁気記録媒体
JPH10307009A (ja) * 1997-05-06 1998-11-17 Sony Corp 多層薄膜の光学的膜厚測定装置
JPH11154318A (ja) * 1997-11-21 1999-06-08 Kao Corp 磁気記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1316948A2 (en) Master information carrier for magnetic transfer and magnetic transfer method
JP2021106070A (ja) 磁気記録媒体
JPH1139653A (ja) 磁気記録媒体の熱安定性測定方法および熱安定性測定装置
JP2000311333A (ja) 磁気記録媒体の特性評価方法及び磁気記録媒体
JP2000311334A (ja) 磁気記録媒体の特性評価方法及び磁気記録媒体
JPH0612615A (ja) 磁気ヘッド及び磁気ディスク
Shimizu et al. Advanced magnetic tape technology for linear tape systems: Barium ferrite technology beyond the limitation of metal particulate media
JP2000161925A (ja) カーボン保護膜の膜厚管理方法及びカーボン保護膜の膜厚管理装置
JPS61229229A (ja) 磁気記録媒体
KR20030065352A (ko) 자기기록매체
CN116964671A (zh) 具有用于近场换能器的保护性多层膜的热辅助磁记录(hamr)写入头
JPS59171031A (ja) 磁気デイスク
JPH10247313A (ja) 磁気記録媒体
JPS58115632A (ja) 磁気記録媒体
JPH05151549A (ja) 磁気記録媒体
JP2000251250A (ja) カーボン膜の膜厚測定方法及び磁気記録媒体の製造方法
JP2005018969A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
Ishida et al. Spacing Loss of Vacuum-Deposited Co-Cr Tapes
JPH10289435A (ja) 磁気記録媒体
Yamamoto et al. High Density Recording with Single Pole Head
JPH04195901A (ja) 磁気記録媒体の記録再生雑音評価方法
JPH0237517A (ja) 磁気記録媒体
JPS6334718A (ja) 磁気記録媒体
JPH01211228A (ja) 塗布形磁気デイスク媒体
JPH05217228A (ja) 光磁気記録媒体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070905

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 11