JPH10247313A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10247313A
JPH10247313A JP4940097A JP4940097A JPH10247313A JP H10247313 A JPH10247313 A JP H10247313A JP 4940097 A JP4940097 A JP 4940097A JP 4940097 A JP4940097 A JP 4940097A JP H10247313 A JPH10247313 A JP H10247313A
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JP
Japan
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particles
density
magnetic
recording medium
protective film
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JP4940097A
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English (en)
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Hidetoshi Honda
秀利 本多
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な電磁変換特性を確保しつつ、耐久性の
向上及び高いクリーニング効果を得ることが可能な特に
テープ状の磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体1上に磁性層2および保護
膜層3を形成し、保護膜層上に潤滑剤を塗布した磁気記
録媒体において、保護膜層3の厚みを4〜15nmと
し、上記非磁性支持体1上の突起として、95nm±1
5nmまたは125±15nmの第1の表面突起4と、
65nm±15nmの第2の表面突起5と、18nm±
6nmの第3の表面突起6を有し、上記第1の表面突起
の密度を1.0×103〜6.0×103個/mm2また
は0.8×103〜4.0×103個/mm2とし、第2
の表面突起の密度を1.0×104〜3.0×104個/
mm2とし、上記第3の表面突起の密度を400×104
〜2000×104個/mm2とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関
し、特に非磁性支持体上に磁性層として金属磁性薄膜を
有する所謂金属磁性薄膜型の磁気記録媒体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えばビデオテープレコーダー(VT
R)等の分野においては、高画質化を図るために、高密
度記録化が一層強く要求されており、これに対応する磁
気記録媒体として、金属あるいはCo−Ni等の合金か
らなる磁性材料を鍍金や真空薄膜形成技術(真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等)に
より直接非磁性支持体上に形成している。
【0003】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、保
磁力、角形比及び短波長領域における電磁変換特性に優
れるばかりでなく、磁性層の薄膜化が可能であるために
記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいことや、磁
性層中に非磁性材料である結合剤等を混入する必要がな
いために磁性材料の充填密度を高くできる等、数々の利
点を有している。
【0004】このような磁気記録媒体においては、高記
録密度化に伴って磁気記録媒体のトラック密度や記録密
度の増加が図られているが、記録密度が高くなると、ス
ペーシングロスが大きくなるので、その悪影響を防止す
るため磁気記録媒体の表面は平滑化される傾向にある。
しかしながら、磁気記録媒体の表面が平滑すぎると、磁
気ヘッドと媒体が吸着を引き起こし、摩擦力が増大す
る。このため、媒体に生じる剪断力が大きくなり、磁気
記録媒体が大きな損傷を受けてしまう。
【0005】そこで、良好なスティル特性を確保するた
めに、従来より例えば非磁性支持体上に表面突起を設
け、その突起の凹凸に従って該非磁性支持体上に積層さ
れる磁性層、保護膜等の表面に凹凸を形成して適当な粗
度を付与し、磁気記録媒体の表面性を制御しようとする
方法が行われている。
【0006】また、特開平6−338049号公報に開
示されているように2種類の大きさの違う粒子を使用し
て、表面性を制御しようとしてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように磁気記録媒体の表面性を制御する場合、非磁性支
持体上に形成される表面保護膜層と表面突起の大きさの
制御が重要になる。即ち、この表面保護膜層が厚くな
る、あるいは表面突起が大きくなるにつれて、スペーシ
ングロスが問題となり、電磁変換特性の劣化が生じてし
まう。これに対して、上記表面保護膜の厚みを抑えるあ
るいは表面突起の高さを抑えると、スペーシングロスに
よる悪影響は免れるものの、十分な走行耐久性、スティ
ル耐久性を確保することができなくなる。
【0008】また、2粒子を単に分散させただけでは、
適当な電磁変換特性を確保したまま、十分なクリーニン
グ効果を得ることは困難であった。
【0009】従って、上記表面保護膜層の厚み及び表面
突起の大きさや密度を良好に制御して、高電磁変換特性
と良好な走行性及びクリーニング効果をバランス良く確
保する事は、非常に難しいとされている。そこで、本発
明は、上述の従来の実情に鑑みて提案されたものであ
り、良好な電磁変換特性を確保しつつ、耐久性の向上及
び高いクリーニング効果を得ることが可能な特にテープ
状の磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、表面保護膜の最適
厚みの検討を重ね、また、非磁性支持体上に大きさの異
なる3種類の表面突起をそれぞれある密度で形成するこ
とにより、良好な走行耐久性と高電磁変換特性の両方を
確保できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、非磁性支持体上に金属性
薄膜よりなる磁性層を有する磁気記録媒体において、磁
性膜表面上にカーボンで形成される保護膜層を4〜15
nm形成しつつ上記非磁性支持体上に粒径95nm±1
5nmの第1の粒子によって形成される表面突起と、粒
径65nm±15nmの第2の粒子によって形成される
表面突起と、粒径18nm±6nmの第3の粒子によっ
て形成される表面突起とを有し、上記第1の粒子の密度
が1.0×103〜6.0×103個/mm2、第2の粒
子の密度が1.0×104〜3.0×104個/mm2
上記第3の粒子の密度が400×104〜2000×1
4個/mm2であることを特徴とするものであり、その
表面形状への反映として、上記非磁性支持体上の突起と
して95nm±15nmの第1の表面突起と、65nm
±15nmの第2の表面突起と、18nm±6nmの第
3の表面突起とを有し、且つ上記第1の表面突起の密度
が1.0×103〜6.0×103個/mm2、第2の表
面突起の密度が1.0×104〜3.0×104個/mm
2、上記第3の表面突起の密度が400×104〜200
0×104個/mm2であることを特徴とする磁気記録媒
体を提供する。
【0012】さらに本発明では、上記非磁性支持体上に
粒径125nm±15nmの第1の粒子によって形成さ
れる表面突起と、粒径65nm±15nmの第2の粒子
によって形成される表面突起と、粒径18nm±6nm
の第3の粒子によって形成される表面突起を有し、上記
第1の粒子の密度が0.8×103〜4.0×103個/
mm2、第2の粒子の密度が1.0×104〜3.0×1
4個/mm2、上記第3の粒子の密度が400×104
〜2000×104個/mm2であることを特徴とするも
のであり、その表面形状への反映として、上記非磁性支
持体上の突起として125nm±15nmの第1の表面
突起と、65nm±15nmの第2の表面突起と、18
nm±6nmの第3の表面突起とを有し、且つ上記第1
の表面突起の密度が0.8×103〜4.0×103個/
mm2、第2の表面突起の密度が1.0×104〜3.0
×104個/mm2、上記第3の表面突起の密度が400
×104〜2000×104個/mm2であることを特徴
とする磁気記録媒体を提供する。
【0013】本発明は、磁性層としては、金属磁性薄膜
が使用される所謂金属磁性薄膜型の磁気記録媒体に適用
される。上記金属磁性薄膜の構成材料としては、特に限
定されるものではなく、例えばCo、Co−O、Co−
Ni、Co−Fe−Ni、Co−Ni−Cr等の従来公
知の強磁性金属材料が何れも使用可能である。
【0014】上記金属磁性薄膜の成膜方法としては、真
空薄膜形成技術があげられ、例えば真空蒸着法、スパッ
タリング法、イオンプレーティング法、CVD法等何れ
も使用可能である。また、保護膜の形成も同様にスパッ
タリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、C
VD法等何れも使用可能である。
【0015】本発明の磁気記録媒体では、この金属磁性
薄膜を被着形成させる非磁性支持体上に3種類の大きさ
の異なる表面突起が設けられ、これらの表面突起を形成
する粒子の粒径及び密度がそれぞれ規定される。また、
保護膜層の厚みも規定される。これにより、上記非磁性
支持体上の突起形状に対応した凹凸がその上層側に形成
され、該非磁性支持体上に形成される磁性層の表面性を
適度に設定して良好な走行性を確保することができると
ともに、電磁変換特性の向上を図る事ができる。
【0016】これら3種類の表面突起は、粒径95nm
±15nmの第1の粒子によって形成される第1の表面
突起と、粒径65nm±15nmの第2の粒子によって
形成される第2の表面突起と、粒径18nm±6nmの
第3の粒子によって形成される第3の表面突起であり、
上記第1の粒子の密度が1.0×103〜6.0×103
個/mm2、第2の粒子の密度が1.0×104〜3.0
×104個/mm2、上記第3の粒子の密度が400×1
4〜2000×104個/mm2であることを特徴とす
るものであり、その表面形状への反映として、上記非磁
性支持体上の突起として95nm±15nmの第1の表
面突起と、65nm±15nmの第2の表面突起と、1
8nm±6nmの第3の表面突起を有し、且つ上記第1
の表面突起の密度が1.0×103〜6.0×103個/
mm2、第2の表面突起の密度が1.0×104〜3.0
×104個/mm2、上記第3の表面突起の密度が400
×104〜2000×104個/mm2であることを特徴
とする磁気記録媒体が得られる。
【0017】本発明ではさらに、非磁性支持体上に粒径
125nm±15nmの第1の粒子によって形成される
第1の表面突起と、粒径65nm±15nmの第2の粒
子によって形成される第2の表面突起と、粒径18nm
±6nmの第3の粒子によって形成される第3の表面突
起とを有し、上記第1の粒子の密度が0.8×103
4.0×103個/mm2、第2の粒子の密度が1.0×
104〜3.0×104個/mm2、上記第3の粒子の密
度が400×104〜2000×104個/mm2である
ことを特徴とするものであり、その表面形状への反映と
して、上記非磁性支持体上の突起として125nm±1
5nmの第1の表面突起と、65nm±15nmの第2
の表面突起と、18nm±6nmの第3の表面突起を有
し、且つ上記第1の表面突起の密度が0.8×103
4.0×103個/mm2、第2の表面突起の密度が1.
0×104〜3.0×104個/mm2、上記第3の表面
突起の密度が400×104〜2000×104個/mm
2とされる。
【0018】一方、表面保護膜層の厚みは4〜15nm
とされる。これら第1の粒子、第2の粒子及び第3の粒
子の密度並びに保護膜層厚みが上記範囲を外れると、走
行耐久性と電磁変換特性のバランスを良好に保つことが
できない。
【0019】上記第1の粒子および第2の粒子により非
磁性支持体上に表面突起を形成する方法としては、該第
1の粒子及び第2の粒子を非磁性支持体の原材料(チッ
プ)内に添加して分散させ、この第1の粒子及び第2の
粒子を前記非磁性支持体の表面に浮き出させ、その粒子
形状が上記非磁性支持体の表面に反映させるようにする
方法がある。また、上記第3の粒子により表面突起を形
成する方法としては、該第3の粒子を上記密度になるよ
うに上記非磁性支持体上に分散させ、これをバインダー
樹脂等により定着させる方法がある。また、上記非磁性
支持体としては、プラスティックフィルム等が使用可能
である。
【0020】さらに本発明においては、必要に応じて、
上記非磁性支持体上に下塗り膜やバックコート層、トッ
プコート層、保護膜等或いは上記磁性層上に保護膜等を
適宜形成しても良い。この場合、下塗り膜、バックコー
ト層、トップコート層、保護膜等の成膜方法は、通常こ
の種の磁気記録媒体に適用される方法であれば良く、特
に限定されない。
【0021】非磁性支持体上に粒径が異なる3種類の粒
子によって表面突起をそれぞれ形成し、これら各粒子の
密度を規定することによって、上記非磁性支持体上に積
層される磁性層の表面性が良好に制御される。この時、
上記磁性層は金属磁性薄膜及び薄い保護膜層からなるの
で、上記表面突起が確実に上記磁性層の表面に反映され
る。これにより、磁気ヘッドを摺接させた際に、磁気ヘ
ッドに対する当たりが良好となり走行性が向上し、また
走行耐久性が向上するとともに、スペーシングロスによ
る電磁変換特性の劣化が抑えられる。また、第1の粒子
により形成される突起により、電磁変換特性を損なうこ
となくクリーニング効果を確保することが可能となるも
のである。
【0022】
【実施例】以下本発明を適用した具体的な実施例を図面
を参照しながら説明する。本実施例は、非磁性支持体上
に粒径の異なる3種類の粒子によって表面突起が形成さ
れている金属磁性薄膜型の磁気テープの最表層にカーボ
ン保護膜層が形成された例である。
【0023】本実施例の磁気テープは、図1に示すよう
にポリエチレンテレフタレート(PET)からなる非磁
性支持体1上に膜厚0.5μm以下とされる薄膜の磁性
層2を有している。さらにこの磁性層の上層に保護膜層
3が形成される。この磁性層2は、金属磁性薄膜からな
り、例えば真空蒸着法等により成膜される。保護膜層3
はダイヤモンドライクカーボンより成り、例えばスパッ
タリング法により形成される。
【0024】上記非磁性支持体1上には比較的大きな第
1の表面突起4と、比較的小さな第2の表面突起5及び
小さな第3の表面突起6が形成されている。上記第1の
表面突起4は、粒径95nm±15nmあるいは125
nm±15nmの第1の粒子7によって形成されるもの
であり、第2の表面突起5は、粒径65nm±15nm
の第2の粒子8によって形成されるものであり、上記非
磁性支持体1内に内添された上記第1の粒子7および第
2の粒子8の粒子形状が上記非磁性支持体1の表面に反
映された形で形成されているものである。この時、上記
第1の粒子7の密度は、表面突起が95nm±154n
mの場合、1.0×103〜4.0×103個/mm2
あり、表面突起が125nm±15nmの場合、0.8
×103〜4.0×103個/mm2である。また、第2
の粒子8の密度は、1.0×104〜3.0×104個/
mm2とされる。
【0025】このような第1の粒子7及び第2の粒子8
は、その密度が上記範囲内となるように上記非磁性支持
体1内で適当に分散されている。この第1の粒子7及び
第2の粒子8として、本実施例ではSiO2 粒子を使用
した。
【0026】一方、上記第3の表面突起6は、粒径18
nm±5nmの第3の粒子9によって形成されるもので
あり、上記非磁性支持体1上に分散され、バインダー樹
脂等により定着されるものである。この時、上記第3の
粒子9の密度は、400×104〜2000×104個/
mm2とされる。ここでは、上記第3の粒子9としてS
iO2 粒子を使用した。
【0027】なお、第1、第2および第3の粒子として
は、耐熱性にすぐれ、微粒子の形状を安定して保持でき
る材質の粒体を用いることができ、SiO2 の他に炭酸
カルシウム等の無機材料を用いることができる。また、
第3の粒子としてはアクリル酸エステルを主体として特
定の架橋性モノマを含むエマルジョンを代表とする適当
な有機材料を用いることができる。
【0028】これらの突起を有する磁気記録媒体の表面
性を計測する測定機として、AFM(原子間力顕微鏡)
Digital Instruments 社製(米国)Nanoscope II を使
用した。また、磁気記録媒体の評価を行うための記録再
生装置は、ソニー製DCR−VX1000を使用した。
このVX−1000については、走行系に関しては、出
荷状態のままで測定しており、信号取り出し及びスティ
ルモードの解除時間等の電気系の一部を変更したにすぎ
ず、テープとの対応は市販品となんら変りはない。
【0029】電磁変換特性及び出力の確認は、ヘッドか
ら信号を取り出し、1段目のアンプで増幅した後に取り
出している。出力のレベル確認は、ヒューレットパッカ
ード社(HP)製P−3585を使用した。またダイヤ
モンドライクカーボンより成る表面保護膜層は4〜15
nmに設定してある。この状態でクリーニング効果を調
べたものが図2である。尚この時のカーボン保護膜厚み
は、4nmである。この試験は、バインダーを添加せず
に塗布した塗布型メタルテープを5秒走行させ、磁性粉
をヘッドに付着させ、出力が出ない状態にしたあと、予
め記録してある試験テープを走行させ、何秒で出力が回
復するか時間を計測するものであり、この回復時間が短
い方がクリーニング効果が大きいことになる。実際のテ
ープ走行とクリーニング効果の経験的対応から、一般に
クリーニング時間が10秒以下であれば、通常走行では
問題ないことが分っており、今回の評価でも10秒以下
を目安にしている。
【0030】この10秒の許容ラインを図中aで示し、
その上側を不良範囲(NG)領域として斜線で示す。以
下の図3〜図11についても同様に、各特性での許容ラ
インをaで示し、NG領域を斜線で示している。
【0031】クリーニング効果は第1の粒子の粒径によ
り挙動が異なり、同じ数の粒子を使用するのであれば第
2の粒子との粒径差が大きい程クリーニング効果が高め
られている。また、クリーリング効果が発揮される粒子
密度についても適当な範囲が存在し、第1の粒子の粒径
が125nm±15nmであれば3万個/mm2をピー
クに500〜50000個/mm2の範囲である。また
第1の粒子の粒径が95nm±15nmであればその密
度は1000〜40000個/mm2の範囲が適当であ
る。
【0032】またカーボン保護膜の厚みとクリーニング
効果に関連が見られ、カーボン保護膜厚みが薄いほどク
リーニング効果が大きい事が分る。この様子を図3に示
す。ここで、第1の粒子は125nm±15nm、密度
は6000個/mm2であり、実際に使用する場合に実
用的な上限となる表面性を有するテープについて調べて
いる。
【0033】保護膜層は厚くなる程スティル耐久性は良
くなるが、保護膜は非磁性体なのでスペーシングロスに
よる電磁変換特性の劣化が起きる。従って、表面保護膜
層の厚みとテープの表面性により最適な条件を見つけだ
さなければならない。蒸着テープの場合−70×d/λ
(dB)の割合でスペーシングロスが発生することから
15nmの表面保護膜層の存在により約2.1bB出力
が劣化する。
【0034】そこで、上述のような構成を有する磁気テ
ープにおいて表面保護膜層の厚みを4nmに固定し、第
3の粒子9の密度を1000万個/mm2、及び第2の
粒子8を10,000万個/mm2に固定し、上記第1
の粒子7を変化させた時の電磁変換特性及び耐久性を調
べた。この結果を図4〜図6に示す。
【0035】図4は、上記第1の粒子7の密度とRF特
性の関係を示す。図4に示すように、いずれの粒径の場
合においても上記第1の粒子7の密度が高くなるほど、
RF特性は低下する傾向にあり、0dB以上の出力を得
るためには、粒径が125nm±15nmの粒子では、
その密度を4000個/mm2以下とし、粒径が95n
m±15nmの粒子では、その密度を6000個/mm
以下としなければならないことが分った。また、粒径
が155nm±15nmの粒子を使用した場合、密度は
2000個/mm以下としなければならない。
【0036】また、上述と同様に3種類の粒径の場合に
おいて、上記第1の粒子7の密度とクロッグまでのパス
回数の関係を調べ、これを図5に示した。上記クロッグ
までのパス回数は5台のデッキのうち最初の1台がクロ
ッグを起こすまでのパス回数とした。上記第1の粒子7
の粒径を125nm±15nm及び95nm±15nm
とした場合、何れにおいても上記第1の粒子7の密度が
高くなる程、クロッグまでのパス回数が増加する傾向に
あった。また、パス回数の下限を100回とすると、粒
径が95nm±15nm及び125nm±15nmの場
合には、密度をそれぞれ1000個/mm2以上および
800個/mm2以上 としなければならないことが分っ
た。
【0037】図6に上記第1の粒子の大きさと走行10
0回時点における初期出力からの減衰の関係を調査した
結果を示す。一般には、走行による出力の低下が無い方
がよいのは当然のことではあるが、許容できる限度とし
て、100回走行した時点で3dBの低下を限度として
いる。これによると、第1の粒子が大きく、数が少ない
試料程出力低下が大きいことが分る。一方、第1の粒子
が小さく、少ない程走行回数が増えた時の出力の変動度
合いが大きくなることが分る。従って、実用的に使用で
きる限界を100回走行時に3dBの出力低下とする
と、これを満足できる第1の粒子サイズは125nmあ
るいは95nmにしなければならない。
【0038】また、出力変動についても図7に示すよう
に、最悪変動値を±2dBと規定すると、粒子サイズが
95nmの場合、密度は1000個/mm2以上、粒子
サイズが125nmの場合、密度は800個/mm2
上にしなければならない。従って良好な電磁変換特性と
耐久性の両者を実現可能とするためには、上記第1の粒
子7の粒径125±15nmの場合、密度は800〜4
000個/mm2、粒径95nm±15nmの場合、密
度は1000個/mm2〜6000個/mm2とする必要
があることが分った。
【0039】さらに、この結果を、図5に示す上記第1
の粒子の密度と100時間走行後の初期状態からの出力
低下の関係を併せて検討したところ、粒径155nm±
15nmとした場合には上記範囲においてもレベルダウ
ンが大きく使用不可能であった。
【0040】図8より、RF特性の観点から出力を0d
B以上とするためには第2の粒子8の密度を3×104
個/mm2以下としなければならないことが分った。ま
た、第2の粒子と出力減衰の関係を図9に示す。この図
から分るように、出力減衰を3dB以下に保つために
は、第2の粒子密度を1×104個/mm2以上としなけ
ればならないことが分った。従って、耐久性と電磁変換
特性を保つためには、第2の粒子密度を1.0〜3.0
×104個/mm2以上としなければならないことが分っ
た。
【0041】次に上記第3の粒子9の密度とスティル特
性及びRF特性の関係を調べた。なお、スティル特性は
4台のセットに搭載している8個のヘッドに関してクロ
ッグを起こすまでの平均時間(分)とした。この結果図
10に示すように、実用的なスティル特性を得るために
は、上記第3の粒子の密度400×104個/mm2以上
としなければならないことが分った。
【0042】また、図11に示すように、RF特性の観
点から出力を0dB以上とするためには2000×10
4個/mm2以下としなければならないことが分った。従
って、良好な電磁変換特性と耐久性の両者を実現可能と
するためには、上記第3の粒子9の密度を400×10
4〜2000×104個/mm2とする必要があることが
分った。
【0043】以上の結果から、磁性層表面に4〜15n
mの非磁性体より成る表面保護膜を形成した場合、上記
非磁性支持体上に大きさの異なる3種類の表面突起を形
成し、これらの表面突起を形成している粒子の密度を上
述の範囲内に規定すれば、電磁変換特性と走行性のバラ
ンスに優れた磁気テープが得られることが分った。
【0044】また、本実施例に示した方法以外に、第1
の粒子あるいは第2の粒子あるいは第1の粒子と第2の
粒子をベース表面に形成することも可能である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、粒径
の異なる3種類の粒子により形成される表面突起を組み
合わせて用いることにより、非磁性支持体の表面粗さを
適当に制御しているので、表面平滑性に関し相反する特
性となる走行耐久性およびスペーシングロスについて、
走行耐久性の向上を図りつつ、スペーシングロスによる
電磁変換特性の劣化を抑えることができ、かつクリーニ
ング効果の大きい磁気記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の説明図。
【図2】 第1の粒子密度とクリーニング効果を示す
図。
【図3】 カーボン保護膜厚みとクリーニング効果を示
す図。
【図4】 第1の粒子密度とRF特性の関係を示す特性
図。
【図5】 非磁性支持体内に内添される第1の粒子の密
度とクロッグまでのパス回数の関係を示す特性図。
【図6】 第1の粒子とレベルダウンの関係を示す特性
図。
【図7】 非磁性支持体上に分散される第2の粒子の密
度とスティル特性の関係を示す特性図。
【図8】 第2の粒子密度とRF特性の関係を示す特性
図。
【図9】 第2の粒子とレベルダウンの関係を示す特性
図。
【図10】 第3の粒子とスティル耐久性を示す図。
【図11】 第3の粒子密度とRFの関係を示す特性
図。
【符号の説明】
1:非磁性支持体、2:磁性層、3:表面保護膜、4:
第1の表面突起、5:第2の表面突起、6:第3の表面
突起、7:第1の粒子、8:第2の粒子、9:第3の粒
子。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に金属薄膜よりなる磁性層
    を有し金属薄膜上にカーボン保護膜層を形成しカーボン
    保護膜層上に潤滑剤を塗布した磁気記録媒体において、 該保護膜層の厚みが4〜15nmであり、 上記非磁性支持体上の突起として、95nm±15nm
    の第1の表面突起と、65nm±15nmの第2の表面
    突起と、18nm±6nmの第3の表面突起とを有し、 上記第1の表面突起の密度が1.0×103〜6.0×
    103個/mm2、第2の表面突起の密度が1.0×10
    4〜3.0×104個/mm2、上記第3の表面突起の密
    度が400×104〜2000×104個/mm2である
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】非磁性支持体上に金属薄膜よりなる磁性層
    を有し金属薄膜上にカーボン保護膜層を形成しカーボン
    保護膜層上に潤滑剤を塗布した磁気記録媒体において、 該保護膜層の厚みが4〜15nmであり、 上記非磁性支持体上に、粒径125nm±15nmの第
    1の粒子によって形成された表面突起と、粒径65nm
    ±15nmの第2の粒子によって形成された表面突起
    と、粒径18nm±6nmの第3の粒子によって形成さ
    れた表面突起とを有し、 上記第1の粒子の密度が0.8×103〜4.0×103
    個/mm2、第2の粒子の密度が1.0×104〜3.0
    ×104個/mm2、上記第3の粒子の密度が400×1
    4〜2000×104個/mm2であることを特徴とす
    る磁気記録媒体。
JP4940097A 1997-03-04 1997-03-04 磁気記録媒体 Pending JPH10247313A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6999278B2 (en) * 2002-06-19 2006-02-14 Sony Corporation Cleaning tape with surface protrusions formed by particles of predetermined size/density and non-magnetic metal evaporated film of predetermined thickness

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