JP2000310311A - 回転力間欠伝達装置とこの装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

回転力間欠伝達装置とこの装置を備えた画像形成装置

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JP2000310311A JP11117261A JP11726199A JP2000310311A JP 2000310311 A JP2000310311 A JP 2000310311A JP 11117261 A JP11117261 A JP 11117261A JP 11726199 A JP11726199 A JP 11726199A JP 2000310311 A JP2000310311 A JP 2000310311A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で、従動歯車を所定の位置に確実
に回転停止させる。 【解決手段】 回転力間欠伝達装置102は、歯の形成
されていない欠歯部分35eを有して駆動歯車32によ
って1回転させられる欠歯歯車35aと、欠歯歯車を一
方向に回転付勢して駆動歯車に噛合させる回転付勢手段
38,37と、欠歯歯車が回転付勢手段に回転付勢され
て欠歯部が駆動歯車に対向したとき、欠歯歯車に係脱可
能に係合して欠歯歯車を回転止めする回転止め手段31
a,31bと、欠歯歯車に対する回転止め手段の係合状
態を解除する解除手段31と、欠歯歯車と同軸的に一体
の中間歯車36aと、中間歯車に常時噛合している従動
歯車33とを備え、中間歯車36aと従動歯車33との
歯数を同数にしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動源の回転力を
従動装置に1回転伝達すると停止する回転力伝達装置
と、この回転力伝達装置を備えた画像形成装置とに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、画像形成装置の本体に備
えられて、その本体にシートを給送するシート給送装置
が組み込まれている。
【0003】なお、画像形成装置には、複写機、ファク
シミリ、プリンタ、及びこれらの複合機器等がある。ま
た、シートには、普通紙、普通紙の代用品である厚みの
薄い樹脂製のシート、葉書、ボール紙、封書、プラスチ
ック製の薄板等がある。
【0004】シート給送装置は、画像形成装置の給紙方
式として広く利用されており、給送ローラ、正転フィー
ドローラ、及び逆転可能なリタードローラの3種類のロ
ーラを備えた、リタードローラ分離方式を採用している
場合が多い。
【0005】このリタードローラ分離方式は、比較的安
価な構造で、シートカセット等に積載されたシートを1
枚ずつ分離、給送する機能を有している。その中で、1
回転制御の半月型の給送ローラを使用したシート給送装
置は、シート給送装置の小型化や機構の簡略化という利
点を有している。
【0006】この半月型の給送ローラは、1回転毎に停
止して、シートを間欠的に給送するようになっているた
め、シート給送装置には、給送ローラを1回転毎に停止
させる回転力間欠伝達装置が組み込まれている。
【0007】回転力間欠伝達装置を図11乃至図18に
基づいて説明する。
【0008】駆動源の回転力は入力歯車32に入力され
る。回転力は、同軸上にあるクラッチ歯車35,41を
介して最終的に給送歯車40、およびフィード歯車34
へと伝達されるようになっている。
【0009】クラッチ歯車35,41は、シート供給信
号を受けたシート供給ソレノイド31が励磁されるとフ
ラッパ31aが引っ張りスプリング31bに抗してクラ
ッチ歯車35と一体のカム部35bから外れ、捩じりコ
イルばね38に回転付勢されたカムレバー37によって
反時計方向に回転付勢される。これによって、クラッチ
歯車35の欠歯歯車35aが入力歯車32に噛合し、入
力歯車32から回転力が伝達されて1回転することによ
り、給送ローラ21、および正転フィードローラ22a
がそれぞれ同期して所望のタイミングで回転するように
なっている。
【0010】次ぎに、給送歯車40への1回転制御の回
転力伝達の状態を図15乃至図18に基づいて説明す
る。
【0011】図15はクラッチ歯車41の欠歯歯車41
aと給送歯車40の位置関係を示す側面図である。図1
5は非シート給送状態の様子を示しており、クラッチ歯
車35,41、給送歯車40は共に停止している。
【0012】このとき、欠歯歯車41aの欠歯部が給送
歯車40に対峙しており、歯車同士41a,40は噛合
状態になっていない。したがって、図15に示すように
給送歯車40は、給送歯車40の側面に固定されたばね
軸51に回動自在に設けられたばねカラー52と、不図
示のフレーム等に固定配設された固定軸54とに張設さ
れた給送ばね53によって、停止している。従って、給
送歯車40と同軸の給送ローラ21は、この給送ばね5
3によって図15に示す待機位置に待機している。
【0013】シート供給命令が出されると、前述したよ
うに、クラッチ歯車41が、反時計方向に回転するよう
に付勢されて、入力歯車32から回転力が伝達されて、
欠歯歯車41aも、反時計方向に回転を始め、その歯車
部が給送歯車40に噛合する。給送歯車40は、図1
6、図17に示すように、時計方向に回転させられて、
給送ローラ21を時計方向に回転させて、シートを送り
出す。
【0014】さらに、給送ローラ21は、図18に示す
ように欠歯歯車41aの歯車部の終端位置まで回転を続
ける。欠歯歯車41aの欠歯部が給送歯車40に対峙す
ると、給送歯車40は、給送ばね53に牽引されて、時
計方向に回転し、図15に示す待機位置に戻る。同時
に、給送歯車40と同軸の給送ローラ21も、待機位置
に戻る。
【0015】以上説明したように、歯車がある3つのク
ラッチ歯車35、41を用いた回転力間欠伝達装置によ
って、電気部品がシート供給ソレノイド31の1つだけ
で給送ローラ21、正転フィードローラ22の同期制
御、および給送ローラ21の1回転制御が可能であっ
た。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例の
ような給送ローラ21の1回転制御では、給送歯車40
に回転力を入力する歯車を、欠歯歯車41aとし、ま
た、給送ローラ21の待機位置への復帰をばね機構によ
り行っていたため、以下のようなことが生じる虞があっ
た。
【0017】(1) 最小の引っ張り力で給送ローラ2
1を待機位置に安定して停止させる給送ばね53の引っ
張り力の設定が困難である。
【0018】すなわち、給送ばね53は、半月状の給送
ローラ21を図15に示す待機位置に保持しなければな
らない。通常の引張りばねの公差±15%乃至20%を
考慮すると、給送ローラ21の待機位置に、±10%前
後のバラツキが生じる。特に、図18に示すように、給
送ばね53が比較的伸びた状態から図15の待機状態に
復帰するため、引っ張り力によって発生するトルクによ
り給送ローラの慣性力で給送ローラ21が進んだ位置で
停止する傾向にあった。この状態から次のシートの供給
動作を行うと、給送ローラ21と正転フィードローラ2
2とのタイミングが崩れてシートの供給不良を引き起こ
す可能性が生じていた。そのため、シートの供給速度に
限界があり、比較的低速の回転力間欠装置にしか使用す
ることができなかった。
【0019】(2) 給送ばね53、固定軸54、ばね
カラー52等の部品を必要とするため、スペースや部品
点数が増大し、組立が困難であった。このため、コスト
高になっていた。
【0020】(3) クラッチ歯車41の歯車41a,
41bが共に欠歯歯車で形成され、また、給送歯車40
にばね軸51を突設するため、部品形状が複雑になり、
コスト高になっていた。なお、歯車41bは、歯車35
a,41aと一体に回転する間に、フィード歯車34に
噛合して正転フィードローラを正回転させるようになっ
ている。
【0021】そこで本発明は、上述の如き事情に鑑みて
なされたもので、クラッチ歯車を用いて複数のローラの
同期制御、および、その内の1つのローラの1回転制御
を簡単な構造で行えるにようにした回転力間欠伝達装置
と、それを備えた画像形成装置とを提供することを目的
としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の回転力間欠伝達
装置は、歯の形成されていない欠歯部分を有して駆動歯
車によって1回転させられる欠歯歯車と、前記欠歯歯車
を一方向に回転付勢して前記駆動歯車に噛合させる回転
付勢手段と、前記欠歯歯車が前記回転付勢手段に回転付
勢されて前記欠歯部が前記駆動歯車に対向したとき、前
記欠歯歯車に係脱可能に係合して前記欠歯歯車を回転止
めする回転止め手段と、前記欠歯歯車に対する前記回転
止め手段の係合状態を解除する解除手段と、前記欠歯歯
車と同軸的に一体の中間歯車と、前記中間歯車に常時噛
合している従動歯車と、を備え、前記中間歯車と前記従
動歯車との歯数を同数にしてある。
【0023】上記回転力間欠伝達装置は、回転止め手段
による欠歯歯車の回転止めを解除手段により解除して、
欠歯歯車を回転付勢手段によって駆動歯車に噛合し、駆
動歯車の回転力を欠歯歯車と中間歯車とを介して従動歯
車に伝達して従動歯車を1回転させる。
【0024】欠歯歯車は、1回転するため、欠歯歯車と
一体の中間歯車も1回転する。従動歯車は、中間歯車に
常時噛合しており、且つ歯数を中間歯車の歯数と同数に
してあるので、欠歯歯車、従動歯車と同様に、1回転す
る。
【0025】欠歯歯車は、1回転すると、欠歯部が駆動
歯車から外れると、回転付勢手段によって回転付勢さ
れ、欠歯部が駆動歯車に対向させられて、回転止め手段
によって停止させられる。これによって、従動歯車も1
回転して停止する。
【0026】その後、欠歯歯車は、回転止め手段による
回転止めを解除手段により解除されると、さらに、1回
転し、従動歯車も1回転する。
【0027】本発明の回転力間欠伝達装置は、前記従動
歯車が、シートが積載されるシート積載手段の前記シー
トに接触して前記シートを給送する給送回転体を有して
いる。
【0028】上記回転力間欠伝達装置において、従動歯
車が回転すると給送回転体も回転する。従動歯車は、1
回転して停止するため、給送回転体も1回転して停止す
る。給送回転体は、1回転する間にシートを給送する。
【0029】本発明の回転力間欠伝達装置は、前記従動
歯車が、シートが積載されるシート積載手段の前記シー
トに接触して前記シートを給送する、外周の一部が切除
された半月形状の給送回転体を有している。
【0030】上記回転力間欠伝達装置において、従動歯
車が回転すると給送回転体も回転する。従動歯車は、1
回転して停止するため、給送回転体も1回転して停止す
る。給送回転体は、1回転する間に、半月形状の部分が
シートに接触して、そのシートを給送する。
【0031】本発明の画像形成装置は、請求項2又は3
に記載の回転力間欠伝達装置と、前記回転力間欠伝達装
置によって給送されてくるシートに画像を形成する画像
形成手段と、を備えている。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図10に基づいて説明する。
【0033】先ず、図10に基づいて、回転力間欠伝達
装置によってシートを間欠的に1枚ずつ給送するシート
給送装置を備えた画像形成装置の1例である複写機10
0を説明する。
【0034】複写機100の縦型の複写機本体122の
最上部には、原稿を光学的に読み取る光学走査系123
が設けられている。この光学走査系123の下には、光
学走査系123で読み取った原稿の情報を感光ドラム1
26にトナー像として形成し、そのトナー像をシートに
転写する画像形成手段124が配設されている。
【0035】また、複写機本体122の下部にはシート
給送装置101が配設されている。シート給送装置10
1は、シートカセット1から給送されたシートを、所定
の経路で搬送する搬送部125を介して画像形成手段1
24に搬送するようになっている。
【0036】従って、複写機100は、光学走査系12
3による原稿の読み取りに同期してシートカセット1か
らシートを搬送部125を介して画像形成手段124に
搬送することで、画像形成手段124においてシートに
画像を形成することができる。
【0037】次に、図1乃至図9に基づいて、回転力間
欠伝達装置によって、シートを給送するシート給送装置
を説明する。なお、従来例の図11乃至図18に示した
部分と同一部分については同一符号を付す。
【0038】図9は、本発明の1実施例である複写機の
シート給送装置の概略断面図を示す。
【0039】ABS樹脂等からなるシートカセット1
は、シートを収納するようになっている。シートカセッ
ト1には、記録媒体であるシートを積載し、支点3を中
心にして傾動する中板2が設けられている。中板2は、
圧縮コイルばね13によって上方に付勢されている。ま
た、シートカセット1の両先端には1対の分離爪11が
シートSに係合可能に設けられている。この分離爪11
は、最上位のシートSを1枚ずつ繰り出すためと、シー
トSが上方に浮き上がらないように規制するためとに設
けられている。
【0040】給送ローラ21は、図示のごとく略半月状
に形成されている。符号22は正転フィードローラを示
し、符号23はリタードローラを示している。リタード
ローラ23は、給送ローラ21に追従回転して給送ロー
ラ21とでシートを挟持回転して上流側へ給送するとと
もに、同軸上のトルクリミッタ(不図示)を介してシー
トを下流側に送る方向に回転するようになっている。
【0041】リタードローラ対22,23の下流側に
は、搬送ローラ対24,25が配設され、シートSはこ
こを通った後に、画像形成手段124(図10参照)へ
搬送され、公知の電子写真方式により永久画像データが
形成されるようになっている。リタードローラ対22,
23は、図1に示すように手前側支持の片持梁状の軸2
2a,23aにそれぞれ取り付けられて、容易に交換で
きるようになっている。
【0042】図1、図2、図5に基づいて、シート供給
から分離、搬送するまでを説明する。
【0043】シート供給開始信号により、シート供給ソ
レノイド31がONになると図9に示すように、半月給
送ローラ21が1回転し、最上面のシート先端は、分離
爪11から外れてリタードローラ対22,23に進入す
る。
【0044】リタードローラ23は、前述した様に、所
定値以上のトルクが負荷として加わると空回りする動力
伝達機構、いわゆるトルクリミッタを介して不図示の駆
動源に連結されている。
【0045】そのため、1枚のシートが送られてきた場
合、シートよりリタードローラ23を介してトルクリミ
ッタに加わる負荷トルクが、トルクリミッタの所定値を
越えるため、トルクリミッタは空回りする。これによっ
て、リタードローラ23は、シートを介して正転フィー
ドローラ22によって追従回転し、シートを下流側に搬
送する。
【0046】一方、正転フィードローラ22は、給送ロ
ーラ21の1回転と同期したクラッチ歯車36によって
駆動伝達され、下流側の搬送ローラ対24までシートを
搬送する。その後、正転フィードローラ22は、下流側
の搬送ローラ対24に搬送されるシートに引っ張られて
従動回転する。
【0047】次に、分離爪11で分離しきれず2枚以上
のシートがリタードローラ対22,23に送られてきた
場合を想定する。
【0048】この場合は、シート間の摩擦力がリタード
ローラ23を介してトルクリミッタに負荷トルクとなっ
て加わり、この摩擦力はトルクリミッタの所定値以下で
あるのでトルクリミッタは空回りしない。このため、リ
タードローラ23は駆動源によってシートをカセット1
へ戻す方向に回転する。よって、分離爪11でシートを
1枚分離し損ねたときでも、シートがリタードローラ対
22,23より下流側まで重送されることが阻止され
る。
【0049】次に、シート給送装置101の回転力間欠
伝達装置102について図1乃至図4に基づいて説明す
る。
【0050】図4に示すように、回転力間欠伝達装置1
02は、不図示の駆動源によって回転する入力歯車32
によって、シート給送装置101を反時計方向に回転駆
動するようになっている。すなわち、同軸上にある3つ
の歯車から成るクラッチ歯車35,36を介して最終的
に給送歯車33、およびフィード歯車34を回転駆動す
るようになっている。
【0051】クラッチ歯車35,36は、図2に示すよ
うにそれぞれ2つの部品から構成される。クラッチ歯車
35は入力歯車32に噛合する欠歯歯車35aと、欠歯
歯車35aと一体のカム部35bとで構成されている。
また、クラッチ歯車36は給送歯車33に回転力を伝達
する全歯歯車36aと、全歯歯車36aと一体化されて
フィード歯車34に回転力を伝達する欠歯歯車36bと
で構成されている。
【0052】ここで給送歯車33と全歯歯車36aは、
同じモジュール、同じ歯数に形成されて互いに噛合する
ようになっている。また、クラッチ歯車36の片側面に
は嵌合ボス36cが突設されており、嵌合ボス36cが
クラッチ歯車35の片側面に設けられた凹部35dに係
合することで、クラッチ歯車35,36は同軸上で一体
に回転するようになっている。
【0053】クラッチ歯車35のカム部35bにはシー
ト供給ソレノイド31のフラッパ31aの先端には、引
っかかる爪部35cが形成されている。また、カムレバ
ー37は、捩じりコイルばね38によりカム部35bに
対して矢印K方向に付勢されている。
【0054】シート供給時の動作について説明する。シ
ート供給命令が出されると、シート供給ソレノイド31
が励磁されてフラッパ31aがクラッチ歯車35の爪部
35cから外れる。すると、カムレバー37に押され
て、クラッチ歯車35,36は反時計方向に回転を始め
る。その後、欠歯部分35eが入力歯車32に対向して
いた欠歯歯車35aが入力歯車32に噛合することによ
りクラッチ歯車35,36に回転力が伝達される。
【0055】次に、図5乃至図8に基づいて、クラッチ
歯車36から給送歯車33、フィード歯車34への回転
力の伝達について説明する。
【0056】図5(a)(b)に示すように、最初、給
送ローラ21は静止し、リタードローラ23は不図示の
駆動源により時計方向へ回転力が伝達され、リタードロ
ーラ23の回転に伴い正転フィードローラ22は反時計
方向へ従動回転している。また、搬送ローラ24には反
時計方向への回転力が伝えられており、押圧ころ25が
従動回転している。
【0057】シート供給命令が出されると、図6(a)
(b)に示すように、クラッチ歯車36が反時計方向に
回転し始めて、全歯歯車36aに常時噛合している給送
歯車33に回転力が伝達され、給送ローラ21が時計方
向に回転する。
【0058】さらに図7(a)(b)に示すように、欠
歯歯車36bがフィード歯車34に噛合すると正転フィ
ードローラ22は時計方向に回転し、リタードローラ2
3を追従回転させる。その間に、給送ローラ21のゴム
部21bが最上位のシートStに接触し、図7(b)に
示すように、リタードローラ対22,23と搬送ローラ
対24,25との間までシートStを繰り出す。
【0059】その後、シートに対して摩擦係数の低い給
送ローラ21のカラー部21cがシートStに圧接して
からは、給送ローラ21による搬送力はなくなり、欠歯
歯車36bがフィード歯車34と噛合終了するまで(図
7(a)(c))、正転フィードローラ22によってシ
ートStが搬送される(図8(a)(c))。
【0060】その後、フィード歯車34が空回り状態に
なるとともに正転フィードローラ22も空回り状態にな
るため、シートStは、少ない負荷で搬送ローラ24に
よって円滑に画像形成手段124へ搬送される。
【0061】ここで、クラッチ歯車35,36は、再
び、シート供給ソレノイド31のフラッパ31aが爪部
35cに係合するまで1回転する。本実施形態では、給
送歯車33と、その噛合歯車である全歯歯車36aとの
歯数を同数にしたので、給送歯車33、すなわち半月ロ
ーラである給送ローラ21もちょうど一回転して待機位
置(図5(a)(b))に戻る。
【0062】したがって、給送ローラ21は、常に、給
送歯車33と全歯歯車36bとの噛合によって、回転す
るため、待機位置においても所定の位置に確実に停止し
ており、しかも、歯車同士のバックラッシ分のズレしか
許さない正確なホームポジション取りが可能になる。
【0063】これによって、回転力間欠伝達装置102
は、より高速搬送制御への応用の可能性も拡大するとと
もに、給送歯車33を待機位置へ復帰させるばね等の余
計な部品を必要とせず、省スペース化、コストダウン、
組立性改善にも大きく貢献することができる。
【0064】
【発明の効果】本発明の回転力間欠伝達装置は、回転止
め手段による欠歯歯車の回転止めを解除手段により解除
して、欠歯歯車を回転付勢手段によって駆動歯車に噛合
し、駆動歯車の回転力を欠歯歯車と中間歯車とを介して
中間歯車に常時噛合している従動歯車に伝達して従動歯
車を1回転させるようになっているため、従動歯車を所
定の回転停止位置に待機停止させておくことができる。
しかも、その停止精度は、歯車同士のバックラッシュ分
であり、正確なホームポジション取りが容易になる。
【0065】さらに、従動歯車を待機位置へ復帰させる
ためのばね等の余計な部品も不必要になり、省スペース
化、コストダウン、組立性改善にも大きく貢献すること
ができる。
【0066】本発明の回転力間欠伝達装置を、従動歯車
にシートを給送する給送回転体を設けシート給送装置に
使用すると、給送回転体を所定の回転停止位置に待機停
止させることができ、シートを1枚ずつ確実に給送する
ことができる。また、シートの高速搬送制御への応用の
可能性も拡大する。
【0067】本発明の画像形成装置は、シートを給送す
る回転体を正確なホームポジションに停止させておくこ
とのできる上記回転力間欠伝達装置によって回転体を回
転制御して、画像形成装置にシートを給送するようにな
っているので、シートの搬送間隔が一定になり、シート
の所定の位置に画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の回転力間欠伝達装置の斜視
図である。
【図2】本発明の実施形態の回転力間欠伝達装置の分解
斜視図である。
【図3】図1における、歯車の配置関係を示す平面図で
ある。
【図4】図1を左側から見た図である。
【図5】図1の回転力間欠伝達装置の動作説明図であ
る。(a)は、給送歯車の待機状態を示す図である。
(b)は、給送ローラの待機状態を示す図である。
【図6】図1の回転力間欠伝達装置の動作説明図であ
る。(a)は、給送歯車が回転を開始した状態を示す図
である。(b)は、給送ローラがシートに接触を開始し
た状態を示す図である。
【図7】図1の回転力間欠伝達装置の動作説明図であ
る。(a)は、給送歯車が回転しているときの状態を示
す図である。(b)は、給送ローラがシートを給送して
いる状態を示す図である。
【図8】図1の回転力間欠伝達装置の動作説明図であ
る。(a)は、給送歯車が約(3/4)回転したときの
状態を示す図である。(b)は、給送ローラがシートの
給送をほぼ完了した状態を示す図である。
【図9】シート給送装置をシート給送方向に沿った断面
図である。
【図10】回転力間欠伝達装置によって回転する給送ロ
ーラを備えた画像形成装置の概略正面断面図である。
【図11】従来の回転力間欠伝達装置の斜視図である。
【図12】従来の回転力間欠伝達装置の部分斜視図であ
る。
【図13】図11における、歯車の配置関係を示す平面
図である。
【図14】図11を左側から見た図である。
【図15】図11の回転力間欠伝達装置の動作説明図で
あり、給送歯車の待機状態を示す図である。
【図16】図11の回転力間欠伝達装置の動作説明図で
あり、給送歯車が回転を開始した状態を示す図である。
【図17】図11の回転力間欠伝達装置の動作説明図で
あり、給送歯車が回転しているときの状態を示す図であ
る。
【図18】図11の回転力間欠伝達装置の動作説明図で
あり、給送歯車が約(3/4)回転したときの状態を示
す図である。
【符号の説明】
S シート St 最上位シート 1 シートカセット(シート積載手段) 21 給送ローラ(給送回転体) 21b ゴム部 21c カラー部 22 正転フィードローラ、リタードローラ対 23 リタードローラ、リタードローラ対 24 搬送ローラ対、搬送ローラ 25 搬送ローラ対、押圧ころ 31 シート供給ソレノイド(解除手段) 31a フラッパ(回転止め手段) 31b 引っ張りスプリング(回転止め手段) 32 入力歯車(駆動歯車) 33 給送歯車(従動歯車) 34 フィード歯車 35 クラッチ歯車 35a 欠歯歯車 35b カム部 35c 爪部 35d 凹部 35e 欠歯部分 36 クラッチ歯車 36a 全歯歯車(中間歯車) 36b 欠歯歯車 36c 嵌合ボス 37 カムレバー(回転付勢手段) 38 捩じりコイルばね(回転付勢手段) 100 複写機(画像形成装置) 101 シート給送装置 102 回転力間欠伝達装置 122 複写機本体 124 画像形成手段 126 感光ドラム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯の形成されていない欠歯部分を有して
    駆動歯車によって1回転させられる欠歯歯車と、 前記欠歯歯車を一方向に回転付勢して前記駆動歯車に噛
    合させる回転付勢手段と、 前記欠歯歯車が前記回転付勢手段に回転付勢されて前記
    欠歯部が前記駆動歯車に対向したとき、前記欠歯歯車に
    係脱可能に係合して前記欠歯歯車を回転止めする回転止
    め手段と、 前記欠歯歯車に対する前記回転止め手段の係合状態を解
    除する解除手段と、 前記欠歯歯車と同軸的に一体の中間歯車と、 前記中間歯車に常時噛合している従動歯車と、を備え、 前記中間歯車と前記従動歯車との歯数を同数にしたこと
    を特徴とする回転力間欠伝達装置。
  2. 【請求項2】 前記従動歯車が、シートが積載されるシ
    ート積載手段の前記シートに接触して前記シートを給送
    する給送回転体を有していることを特徴とする請求項1
    に記載の回転力間欠伝達装置。
  3. 【請求項3】 前記従動歯車が、シートが積載されるシ
    ート積載手段の前記シートに接触して前記シートを給送
    する、外周の一部が切除された半月形状の給送回転体を
    有していることを特徴とする請求項2に記載の回転力間
    欠伝達装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載の回転力間欠
    伝達装置と、 前記回転力間欠伝達装置によって給送されてくるシート
    に画像を形成する画像形成手段と、 を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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