JP2000309463A - バネ式送り出し張力制御機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】回転物の送り出し時の張力を与えるための部品
のセットを簡単にでき、またスプリングの圧縮量を一定
化できるバネ式送り出し張力制御機の提供。 【解決手段】テープ等の回転物の中空部に串刺しされる
シャフト上で、回転物に側面から接触させるカラーと、
このカラーに一体化された一体用カラーと、この一体用
カラー上に被挿されたスプリングと、このスプリングを
一体用カラー上で圧縮固定するスプリング固定用カラー
とを備え、カラー、スプリング、スプリング固定用カラ
ーを一体用カラーでひとまとめにした。一体用カラーに
は、スプリング固定用カラーの固定ネジを通し可能にす
る軸方向の長穴が設けられている。一体用カラー上に目
盛りを付してあると、スプリングの圧縮量が正確に分か
り張力の個人差をなくせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テープ等のロール
巻きにされた回転物に対して、バネの圧縮力を利用して
回転送り出し時の張力を与えるためのバネ式送り出し張
力制御機に関する。回転物は、テープ以外に電気ケーブ
ルにおける介在物のロール巻きの回転物がある。

【０００２】

【従来の技術】一般に、制御ケーブル、計装ケーブル、
電力ケーブル等の製造に用いられるテープや介在物の送
り出し時の張力の与え方は、図２に示すようなバネ式送
り出し張力制御機により行っていた。図２において、１
がテープ等の回転物を示しており、これに串刺しにした
シャフト２上で、回転物１の一方の側面側に設けられた
固定カラー３と、回転物の他方の側面側に設けられたカ
ラー４と、このカラー４に連係されたスプリング５と、
このスプリング５を圧縮固定するスプリング固定用カラ
ー６とを備えたものである。

【０００３】図３は、上記のようにしてセットされる回
転物１を示しており、中心部に孔８を有していて、シャ
フトを通せるようにしている。

【０００４】上記のようなバネ式送り出し張力制御機に
おける組み立ては、先ず、回転物１の穴８にシャフト２
を通す。次に、シャフト２上で、回転物１が左右に動か
ないように、回転物１の片側（左側）を固定カラー３で
固定する。７はそのカラー３を固定するための固定ネジ
である。

【０００５】また、回転物１のもう一方の片側（右側）
にカラー４を面接触するようにあてがいセットする。そ
して、スプリング５の一端をカラー４に連係させた状態
で、スプリング５の他端に連係させたスプリング固定用
カラー６でスプリング５を軸方向に押し、スプリング５
を圧縮した後、固定用カラー６を固定ネジ７でシャフト
２に固定する。このようにして、スプリング５を圧縮す
ると、カラー４と回転物１との面接触部にスプリング圧
縮に伴う接触圧が作用し、回転物の繰り出し時の張力が
制御される訳である。

【０００６】尚、固定カラー３、カラー４は、回転物１
との滑りを保つ意味から合成樹脂製が望ましい。また、
カラー４、スプリング固定用カラー６は、スプリング５
がシャフトと接触しないように、且つ、カラー４とスプ
リング５の面が中心にあたるように、スプリング５の内
径部にカラーがセットできるように、スプリングの内径
部に入るような凸型の構造とするのが望ましい。さら
に、固定ネジ７は、市販の六角ネジ等で良いが、Ｔ字型
のごとくして手で回転できるタイプの方が、回転させる
ためのツールが必要ないので望ましい。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来；図２の
バネ式送り出し張力制御機によれば、回転物の送り出し
時に張力を与えるための部品が、カラー４、スプリング
５、スプリング固定用カラー６の３点に別れた構造とな
っているため、セットするのに時間がかかり、また、ス
プリング固定用カラー６の操作によるスプリング圧縮量
つまり張力の設定は人によりまちまちであり一定してい
なかった。

【０００８】そこで、本発明の目的は、回転物の送り出
し時の張力を与えるための部品のセットを簡単にでき
る、バネ式送り出し張力制御機を提供することにある。
また、その他の課題；目的は、スプリングの圧縮量を一
定化できるこの種の機構を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明により提供するバ
ネ式送り出し張力制御機は、テープ等の回転物の中空部
に串刺しされるシャフト上で、前記回転物に側面から接
触させるカラーと、このカラーに一体化された一体用カ
ラーと、この一体用カラー上に被挿されたスプリング
と、このスプリングを前記一体用カラー上で圧縮固定す
るスプリング固定カラーとを備え、以て、カラー、スプ
リング、スプリング固定用カラーを一体用カラーでひと
まとめにしたものである。

【００１０】前記一体用カラーには、前記スプリング固
定用カラーの固定ネジを通し可能にする軸方向の長穴が
設けられていることで、固定ネジをシャフトに届いてス
プリング固定用カラーを固定することができ、スプリン
グ固定用カラーが一体用カラーのどの位置にあっても、
長穴を通して固定ネジがシャフトに届くようにできる。

【００１１】前記一体用カラー上には、目盛りを付して
あると、スプリングの圧縮量が正確に分かり、張力の個
人差をなくすことができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は、本発明に係るバネ式送り
出し張力制御機の好ましい実施例を示したもので、図で
は、回転物に対して一方側つまりカラー４側（右側）の
みを示している。他方側つまり固定用カラー側（左側）
は、図２の機構と同じであるので、図２に関する前述の
説明も併せ参照されたい。

【００１３】この実施例は、カラー４に対して、中空円
筒状の一体用カラー９の一端側（左側）カラー本体部を
ネジまたは接着剤で一体化させ、この一体用カラー９の
長筒部上において、スプリングを通しさらにスプリング
固定用カラー６を通すようにし、以て、張力を面状に与
えるためのカラー４側の部品をひとまとめにしたもので
ある。長筒部の端（右側）はネジ溝１２が加工してあっ
て、ここに外れ防止用ネジ１１がねじ込んであり、スプ
リング５、スプリング固定用カラー６が一体用カラー９
から不用意に外れないようにしている。

【００１４】一体用カラー９の長筒部には軸方向に長い
長穴１０が設けられていて、スプリング固定用カラー６
に通した固定ネジ７を当該長穴１０に通してシャフト
（図２の符号２参照）に届くようにしている。このこと
によりスプリング固定用カラー６がシャフトに固定さ
れ、スプリング５を一体用カラー９のカラー本体部との
間で固定できるようになる。長穴とするのは、スプリン
グ固定用カラー６が一体用カラー９のどの位置にあろう
とも、固定ネジ７が一体用カラー９を通してシャフトに
届くようにするためである。１３はシャフトを通す穴で
ある。

【００１５】いま、スプリング固定用カラー６をカラー
４の側に移動してスプリングを圧縮した状態で、固定ネ
ジ７をねじ込んでスプリング固定用カラー６をシャフト
に固定した場合には、スプリング５は所定量だけ圧縮さ
れ、この圧縮の反発力が、カラー４の側面に面圧を生じ
させ、この面圧が回転物に対して送り出し時の張力を与
えることになる。

【００１６】一体用カラー９の長筒部表面に目盛り１４
を付してあり、上記のようにスプリングを圧縮した場合
の圧縮量が一目で分かるようになり、送り出し時の張力
に個人差をなくせるようになる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したような本発明によれば、回
転物の送り出し時の張力を与えるための部品のセットを
簡単にでき、またスプリングの圧縮量を一定化できる、
バネ式送り出し張力制御機を提供するという所期の目的
を達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるバネ式送り出し張力制御機の実
施例を要部；回転物の片側の機構のみで示しており、
（イ）は平面図、（ロ）は正面図。

【図２】従来のバネ式送り出し張力制御機の実施例を示
す正面図。

【図３】回転物を示す正面図。

【符号の説明】

１ 回転物 ２ シャフト ４ カラー ５ スプリング ６ スプリング固定用カラー ７ 固定ネジ ８ 穴 ９ 一体用カラー １０ 固定ネジ通し穴 １１ 外れ防止用ネジ １２ ネジ溝 １３ 穴 １４ 目盛り

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】テープ等の回転物の中空部に串刺しされる
   シャフト上で、前記回転物に側面から接触させるカラー
   と、このカラーに一体化された一体用カラーと、この一
   体用カラー上に被挿されたスプリングと、このスプリン
   グを前記一体用カラー上で圧縮固定するスプリング固定
   カラーとを備えた、バネ式送り出し張力制御機。
2. 【請求項２】前記一体用カラーには、前記スプリング固
   定カラーの固定ネジを通し可能にする軸方向の長穴が設
   けられた、請求項１記載のバネ式送り出し張力制御機。
3. 【請求項３】前記一体用カラー上には、目盛りを付して
   ある、請求項１記載のバネ式送り出し張力制御機。